銀河帝国攻略戦⑯~銀河に響く音楽を
●不吉なメロディ
銀河帝国の超巨大要塞「エンペラーズマインド」を突破した『解放軍』は、引き続き帝国旗艦『インペリウム』を目指し快進撃を続ける。難攻不落と言われる大要塞を突破したとあって、解放軍の士気は高い。
「よし、この調子でインペリウムを目指すぞ!」
皆一様に希望に満ちたまなざしで前を見据えている。
「ん? なんだ……?」
突如艦内に耳慣れない音楽が響き始める。それは脳に直接響くような甘美なメロディ。聞いているだけで頭の芯がぼんやりとして、頼りない心地になる。
「なぜ、だ……力が入らない……」
「睡魔が……瞼が開か、ない……」
次々とその場にくずおれていく解放軍の者たち。先ほどまでの強い意志を宿した瞳は誰にも見られず、気力を失った者たちがただぼんやりと宙を眺めるだけ。
ただ、蠱惑的で甘美なメロディが艦内に響き続けていた。
●グリモアベースにて
「みなさん、たくさんお集まりいただき、ありがとうございます」
グリモアベースに現れた猟兵たちにぺこりと頭を下げたのは、グリモア猟兵のプルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)。
「みなさんの力のおかげで、帝国軍の強力な部隊や超兵器にも屈することなく、徐々にインぺリウムにも近づいています。そして次なる敵は……」
プルミエールは真剣な表情で告げる。
「洗脳音楽です」
黒騎士アンヘル配下の『クライングシェル』艦隊が洗脳音楽通信によって、解放軍の戦力を奪っている。音響洗脳型電子戦艦『クライングシェル』から放たれた音楽を聴くと、無気力になったり、暴れだしたり、時には自害しようとすることもあるようだ。
「音楽には音楽で対抗しましょう」
この洗脳音楽通信に対抗するため、芸能船の設備を増強。そこで、猟兵により音楽放送を行うことで相手の音楽を打ち破るのだ。
「猟兵以外の人たちは、すぐに洗脳音楽通信の影響を受けてしまいます。ですので、これは私たち猟兵にしかできないことなのです」
様々な修羅場を潜り抜けてきた猟兵たちだ。戦う以外のことでも、帝国艦隊を退かせてみせることだろう。
「歌でも演奏でも、なんでも構いません。みなさんの音楽を相手にぶつけてください。相手もライブ演奏しているので、それに負けないように強い思いでお願いします」
どうかよろしくお願いしますと再度頭を下げ、プルミエールは猟兵たちを見送るのだった。
湊ゆうき
●このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●現実に存在する楽曲の曲名や歌詞、替え歌等が記載されているプレイングは採用できません。ご注意ください。
こんにちは。湊ゆうきです。
戦うだけが戦争ではありません。皆様の歌や演奏で卑劣な帝国軍に打ち克ちましょう!自由な発想で皆様の「音楽」をぶつけ、洗脳音楽を打ち破ってください。歌の場合も歌詞はあってもなくてもかまいません。歌詞を使用される際は上記の通り、くれぐれもご注意ください(プレイングが採用できなくなります)。
同行の方がいらっしゃる場合はその旨お書き添えください。
それでは、皆様の熱いプレイング、お待ちしております!
第1章 冒険
『洗脳音楽通信を撃ち破れ!』
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POW : 激しいビートで、魂を揺さぶり、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
SPD : 超絶的な技巧で、聴く者を圧倒して、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
WIZ : 心に響く歌声で、感情を揺り動かして、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
トーマ・ライムミント
まあ困ったわ。とても困ってしまうわ。
私は歌詞を作ったことなんてないもの。いつも心の赴くままハミングするの。だから今回もそうするわ。
【WIZ】芸能船ということは金属の船ね。そういうものには詳しいの。船全体に届くよう、響き渡るように調節して歌うわ。歌詞はないけれど、シンフォニック・キュアで解放軍さんたちの士気を『回復』するわ。
メガ・ホーン
【WIZ】
・まったくよぉ。音楽を洗脳に使うなんてゲスいにも程があるぜ。音楽ってぇのは読んで字のごとく、「音を楽しむ」「音で楽しむ」「楽しい音」だ! 帝国製のニセモノノイズなんざ、猟兵の音楽で吹き飛ばしてやるぜ!
・俺はソニックライデンでの「楽器演奏」で歌の伴奏なんかのサポートをするぜ。歌や演奏に合わせて手拍子の誘いやノリノリの「演奏パフォーマンス」をするのもいかな。とにかく、解放軍の皆の心に響くよう【サウンド・オブ・パワー】も使って演奏をしよう。
俺達の歩みはここで終わりじゃない。立ち止まっても振り向いてもいいさ、魂の調べを高らかな声に上げ、もう一度前を向いて行こうぜ!
エルス・クロウディス
「そうだな……こういう使い方は初めてだけど、どうだ?」
歌うのはそれほど得意じゃないけど、こと合わせるのでいえば、そこそこできる。
で、だ。
相手が何をして、こちらにどんな影響を与えようとしているのかを、<コミュ力>で理解する。
それを<見切り>、UCで絡めとり、誘導し、変質させる。
センスってことなら、<第六感>も頼りだな。
打ち消すほど力強いものは無理。
圧倒するほど、素晴らしい技術があるわけでもなし。
感情に訴えかけるとか、それもうプロの領域で。
だから俺は、繋げて昇華してみるよ。
失敗したら……まぁ不協和音で共倒れ?
さぁ、歌<属性攻撃>の特大<援護射撃>で<カウンター>だ!
うまくいけよー!
アドリブ・連携〇
コトト・スターチス
うたをワルいことに使うなんて、ひどすぎます!
辻ヒーラーとしてみなさんを応援するうたをうたいます!
今回ぼくがうたうのは、心の底から熱くなって感情をゆさぶる内容です!(WIZ)
ハッキングでできるだけ敵の放送を妨害してから、配信しつつうたいはじめますね
UDCアースでみた熱血系ロボットアニメの主題歌をモチーフに、守るべきもののため、心を燃やして巨悪に立ち向かう姿をうたいあげます!
あまりうまくないかもですが、想いはしっかり届けたいです!(コミュ力、パフォーマンスを活用)
♪みんなの想いがひとつに集まれば、どんなワルい敵にも負けないぜーっ!
熱血魂闘志を燃やして、守るもののため奇跡をおこして悪を打ち砕けーっ!
ビスマス・テルマール
●POW
わたし自身は
南国をイメージした
ロックな曲をギターで演奏を
南国風味の明るい、楽しい感じのハイテンションな曲調で演奏します。
あっ、一般的なロックは苦手なので、あくまで南国っぽい穏やかさとマイペースさを貫きながら
こういうロックも確かありますよね?ハワイアンロックってジャンルで。
わたしには音楽の技能は取り分けないので、変わりに『範囲攻撃』『属性攻撃(なめろう要素を付与)』を併用し『一斉発射』で畳み掛けるつもり(実際に、その技能を使って攻撃するとは言っていない)で洗脳音楽を塗りつぶし、乗っとるつもりで演奏を
ふむ……ちょっと苦しいでしょうか?まぁ、続けますが。
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
●音楽は銀河を超えて
音響洗脳型電子戦艦『クライングシェル』の洗脳音楽に対抗すべく、設備を増強した芸能船に乗り込んだ猟兵たち。直接相対して戦うわけではないが、この卑劣な洗脳音楽に対抗できるのは猟兵だけ。戦いに赴くのと同じように、強い気持ちで臨むのだった。
「まったくよぉ。音楽を洗脳に使うなんてゲスいにも程があるぜ」
銀河帝国の卑劣な作戦をそう評するのは、ウォーマシンのサウンドソルジャー、メガ・ホーン(サウンドマシーン・f13834)。ひときわ大きなその体には各所に音響装置めいたものが取り付けられている。
「音楽ってぇのは読んで字のごとく、「音を楽しむ」「音で楽しむ」「楽しい音」だ! 帝国製のニセモノノイズなんざ、猟兵の音楽で吹き飛ばしてやるぜ!」
キマイラたちと一緒に歌い、踊り楽しんでいた記憶を持つメガには、音楽への冒涜ともいえる帝国軍のやり方は許せない。
「歌うのはそれほど得意じゃないけど、こと合わせるのでいえば、そこそこできる」
常は骸装という特殊な武装で戦う人間のフォースナイト、エルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)だが、今回ばかりはいつもと違う戦い方となるだろう。だが、そのことを十分考えた上だ。
クライングシェルから放たれる洗脳音楽がこの芸能船にも聞こえてくる。その甘美なメロディは相手がライブで流しているもの。
エルスは【疑似全段観測】で、極限まで集中してその音楽を観測し、相手が何をし、どんな影響を与えようとしているのかを探る。甘いメロディで無気力にさせようというのなら。
「士気を上げるような、鼓舞するような曲はどうだ?」
エルスの言葉に、クリスタリアンの精霊術士、トーマ・ライムミント(旅する翠光・f14175)が静かに前に出る。
トーマは困っていた。とても困っていた。それは自分で歌詞を作ったことなどなかったからだ。こういった時は歌詞があった方がよいのかもしれない。けれど、いつだってトーマは心の赴くままハミングをしてきたのだ。しばし考えたものの、いつものようにハミングで歌いだす。
美しく透き通った緑の体から響かせる歌声は、ハミングといえど、遠くまで響き渡る。それは、トーマ自身が、金属でできた船においてどうすればより遠くまで響き渡らせることができるかを熟知しているからだ。
トーマのハミングに合わせ、メガが愛用のエレキギター型サウンドウェポン【ソニックライデン】の音色を響かせる。
「音楽ってのはこういうもんだ!」
トーマの歌声が、メガの鼓舞するような演奏が、気力を失っていた解放軍の兵士に癒しと力を与えていく。歌と曲とユーベルコードを上手く組み合わせたたまものだ。
「解放軍さんたちの士気、回復したかしら」
表情を変えるのは苦手だが、歌うのが好きなトーマは自分の歌声が届いたかしらと小首を傾げてみせた。
洗脳音楽が猟兵たちに打ち消されたと悟ったのだろう、相手もまた同じ曲調を続けるのではなく変化をみせる。
今度は物悲しい調べが響く。この世の悲哀、苦しみ、絶望――心を重くさせるそのメロディは、猟兵であろうとも胸を締め付けられるものがある。
「さあ次は……」
エルスがもう一度相手の音楽を探る。エルス自身には相手の歌を打ち消すほどの力強さや圧倒するほどの素晴らしい技術があるわけではない。けれど、だからこそ見えてくるものがある。
「だから俺は、繋げて昇華してみるよ」
悲愴感漂う歌に対抗するのは明るい歌。エルスの注文を受け、クリスタリアンの鎧装騎兵、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)がギターを奏ではじめる。
「わたしには音楽の技能は取り分けないですが……」
普段はなめろう布教と文化を護る旅をしているビスマス。それでも持ち前の知的好奇心と探求心でギターの演奏もなんなくこなす。曲は南国をイメージしたロックな曲。
「こういうロックも確かありますよね? ハワイアンロックってジャンルで」
南国の日差しの暖かさと緩やかな時間の流れを感じさせる明るい曲。それをハイテンションな曲調で演奏する。音楽にビスマスの思いが込められ、帝国軍の陰湿にすら感じる音楽が打ち消される。
ビスマスの演奏に合わせて、メガのギターとトーマの歌声も合わさり、穏やかな南国ロックが解放軍の兵士に活力を与える。
「ちょっと苦しいかと思っていましたが、なかなかいけますね」
ビスマスも表情を緩め、思いのままギターを奏で続ける。
この洗脳音楽も効かないと悟ったクライングシェル部隊は、今度は荘厳な曲調へと変化させる。厳かで厳格な張り詰めたような緊張感のあるメロディは、兵士たちに死への恐怖を植え付けるものだ。
今度もエルスが素早く分析する。死への恐怖を振り払い、心の底から熱くなる曲を歌えるのは――。
「さぁ、歌の特大援護射撃でカウンターだ! うまくいけよー!」
「うたをワルいことに使うなんて、ひどすぎます!」
満を持して現れたのはバーチャルキャラクターのクレリック、コトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)。
「辻ヒーラーとしてみなさんを応援するうたをうたいます!」
キマイラフューチャーでMMORPGの辻ヒーラーとして活躍していたコトトなので、皆を癒すことはお手の物。
歌うだけでなく、ハッキングで洗脳音楽の放送にノイズが入るよう妨害しつつ、動画配信のため黒猫型の生放送動画撮影&配信用ドローンを召喚。
「今日も一日一ヒールっ! コトトです!」
動画が配信され、視聴者がすぐさま反応し、コメントをくれる。その数により、コトトはパワーアップするのだ。
「スペースシップワールドの銀河帝国軍が洗脳音楽で解放軍の兵士をくるしめています」
配信と同時に視聴者数は順調に増え、コトトを応援するコメントも続々と寄せられる。
「あまりうまくないかもですが、想いはしっかり届けたいです!」
コトトが歌うのは、UDCアースで見た熱血系ロボットアニメの主題歌をモチーフにしたもの。守るべきもののため、心を燃やして巨悪に立ち向かうヒーローの姿を熱く歌い上げる。
♪みんなの想いがひとつに集まれば、どんなワルい敵にも負けないぜーっ!
熱血魂闘志を燃やして、守るもののため奇跡をおこして悪を打ち砕けーっ!
サビの盛り上がる部分に合わせ、メガがソニックライデンで演奏パフォーマンスを行う。トーマもコーラスで加わり、エルスとビスマスも手拍子で盛り上げる。
キマイラたちが拡散したのか視聴者数はうなぎのぼり。それにより、コトトの歌声にさらに力がみなぎっていく。
『コトトちゃん、頑張れー!』
『悪よ滅べ』
『全世界が君の味方だっ!』
視聴者の『お兄ちゃん』たちのコメントも画面を埋め尽くすほどで。
「俺達の歩みはここで終わりじゃない。立ち止まっても振り向いてもいいさ、魂の調べを高らかな声に上げ、もう一度前を向いて行こうぜ!」
メガの言葉は解放軍の兵士に向けたものだ。コトトの歌を聞いた兵士たちはその瞳にもとの輝きを取り戻していく。
クライングシェルから聞こえていた音楽は徐々にその音量を弱め……やがて、爆発音のようなものにかき消される。
「やった! やりました!」
コトトが青い瞳を輝かせ、ぴょんぴょん飛び跳ねるとツインテールが揺れる。
猟兵たちの力を結集した音楽の力の前に、洗脳音楽は敗北した。
コトトを映した配信画像には、猟兵たちを讃えるように所狭しと88888888が並んでいたのだった。
大成功
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