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銀河帝国攻略戦⑭~無垢なる捨て身の兵士達

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「ドコ行クノー?」
「分カンナーイ」
「真ッ直グダッテー」
「真ッ直グー?」
 高速輸送船の操縦桿を粘液で操って、黒々とした粘性の物体が体をブルブルと震わせると、甲高い子供のような声を上げる。
 強襲用の自爆艦。使い捨てとして敵に打撃を与える役目に、彼らは最適だった。
「ワー、大キイ船ガイッパイダー」
「ワーワー、妬マシイー!」
 大量の粘液が窓に張り付き、その向こうに広がる景色に歓声を上げた。


『それでは、作戦の説明を行います』
 女性型ウォーマシン「星天」が、緊迫した声色で猟兵達に語りかける。
『再結成部隊を突破した「解放軍」の艦隊に向けて、高速輸送船団の急接近が確認されました』
 白騎士ディアブロ。そう呼ばれる存在が直属に指揮する、『白魔』部隊。それが、輸送船の正体だ。
『この船は、通常の戦闘艦と異なる役割を持っていることが確認されています。その主な戦略的役割は、自爆。敵艦隊の中心で強力な爆発を起こし多くを道連れに、そしてそれによって引き起こされた混乱に乗じて、強襲用の兵力が敵を蹂躙する。そのような、捨て身の戦法をとることが、予知により判明致しました』
 星天は言葉を切ると、頭部装甲からホログラムマップを空中に投影。解放軍と件の輸送船の位置関係を表示する。
『……現在、解放軍の戦力において、この白魔部隊を迎撃する有効な手立ては存在しません。このままでは、解放軍の多くが撃墜されてしまうことが分かっております』
 だが、ここはグリモアベースであり、集まっているのは猟兵達だ。
 故に、次の言葉は単純明快。
『転送により、敵艦内に猟兵部隊が直接潜入。解放軍部隊に輸送船が辿り着く前に、自爆装置を起動させることが今回の目的となります。……ただし、敵艦内には多数の敵が存在しております。この数は膨大であり、全てを撃破していては到底間に合わないでしょう。必要な敵だけを迅速に撃破し、中枢部へと辿り着いて下さい。時間を掛ければ掛けるだけ、敵が集まりこちらの不利へと状況が傾いていくことに留意して下さい』
 星天が丁寧に、深々と猟兵達へ頭を下げる。
『この宇宙の平穏と安寧を、再び人類の手に取り戻すため。どうぞ、皆様の力をお貸し下さいませ。――お気を付けて』


灰々
=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

どうもはじめまして、戦争シナリオは二本目の灰々(はいばい)と申します。

大量の敵をなぎ倒し、自爆装置を起動させることが今回の目的となります。出来るだけ素早く、派手に敵を蹴散らすことが重要なのではないでしょうか。
機械に強い方は、自爆装置の起動方法を何かしら考えておくのもいいかもしれませんね?

それでは、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『醜き嫉妬の生命体』

POW   :    妬心の暴虐
【対象の優れた部位を狙う触手】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    精巧贋物
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【喉から手が出るほど欲しい他者の所持品】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ   :    縋る腕
【醜い羨望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【粘着性の高いぶよぶよした黒い塊】から、高命中力の【対象の所持品を奪おうとする触手】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 船内へと転移した猟兵達の前に、がらんとした無機質な空間が広がっていた。
 動くものは何もない。グリモア猟兵の説明では、オブリビオンに溢れているはずだが……そんな疑問も一瞬だった。

「誰カキター」
「オ客サンー?」
「人間ダー! ゴハンダー!」

 甲高い子供のような声を伴って、ぐじゅるぐじゅると湿った音が響き始める。

 ――柱の陰、コンテナの中、折り重なった配線の下、へし折れた配管の奥、床の繋ぎ目、壁の隙間、天井の奥……染み出す、這い出る、ぶるぶるとうねりながらボトリと落ちる。

 黒く醜い生命体が、見る間に辺りを埋め尽くす。
 まるで、船という生き物の体内に入り込み、体液の分泌されるを目の当たりにするようだった。
花盛・乙女
迅速に、という訳か。
であれば私はあのドロドロの相手をするとしよう。
彼奴らを斬る。その隙に足の速い、身の軽い猟兵達の助力になれば良い。

この花盛乙女の剣戟を見て生きて返ったものはそうそういないぞ。
さぁ、せめて数ででも楽しませてもらおうか!

さて、定形なき漆黒の粘体か。
二振りの刀を握り、集中する。
感情をかき乱されぬように心の刃を研ぎ澄ます。
手にした刀を取られることだけは避けねばならん。

さて、一匹とも十匹ともこうも数が多いとつかないものだ。
だが構わん。数がいようが【鬼吹雪】の間合いの内だ。
花弁が風に吹かれるように、一足飛びに全ての敵を散らしてみせよう。
花盛流の剣技の冴え、冥土の土産にくれてやろう。



 船内へと転送された花盛・乙女の目の前に、無数の触手蠢く漆黒の海が広がっていた。
「この中を迅速に、という訳か」
 悍ましい音を立ててブルブルと、震えながらさざめく粘液の群れに、乙女は二振りの刀を構えた。
 一息に地面を蹴って乙女は大きく前に飛び出すと、逆袈裟に先頭の粘液を斬り上げる。
「ヤー、痛イー!」
 追って迫った無数の触手を小太刀で払い、返す刀で持ち上がった粘液の塊を叩き切る。
 その動きは迅速ながら、乙女の心中は冷静だった。感情の乱れぬように心の刃を研ぎ澄ます。
 こちらを囲む粘液に、しかし焦らず周囲の様子を伺って。
「まず、道を空けて貰おうか」
 包囲の一点に向けて、乙女は素早く刀を振るった。
 後続の身軽な猟兵の動きやすいように、枝葉を切り払って助力と為す。船の奥へと続く階段を駆け上り、天井から落ちてきた粘液の中心をすれ違いざまに両断しながら、足下の触手を跳んで躱す。着地と同時に体を回し、二刀が円を描いて集まる粘液を斬り裂いた。
「ムー、カッコイイー」
「カタナカタナー! ホシー!」
 甲高い声が、そこかしこから響いてくる。それと共に伸びた無数の触手は、明らかに乙女の刀を狙っていた。
「ドロドロに良し悪しの分かるものか。この花盛乙女の剣戟を見て、生きて帰ったものはそうそういないぞ」
 一匹とも十匹とも、数えるのも億劫な敵の群れ。しかし、いくら数がいようと構わなかった。

 ――その全ては、【鬼吹雪】の間合いの内だ。

 花弁が風に吹かれるように、優雅に二つの白刃が翻る。
 乙女は身を躍らせる。一足飛びに駆け出して、舞うように無数の一閃が瞬いた。
「花盛流の剣技の冴え、冥土の土産にくれてやろう」
 悲鳴の合唱が耳朶を打つ。斬り裂かれ力をなくした黒い粘液が、ドロリと床に広がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

櫟・陽里
あの時討ちもらした…わけじゃないよな?
別の場所にもいたのか?
あの野郎やっかいな土産置いてきやがって…

新装備のお披露目だ!ビームシールドを車体前面に展開
思いっきり通路に突っ込んで露払い役になれればいい
中枢までの道は俺でも解析できるかな?サイバーアイとこれまでの経験値で何とかなれば…
仲間の指示があれば従う
行き先が分からなきゃ、ひとまず広い道を掃除しとく

タイヤを空転させ敵液体を削る
速度が乗ってりゃ一気にひき潰す
シールドと壁で挟み潰して『面の攻撃』
炎は効くかな?
火花が出るよう車体を擦りながらターンし新技!
敵増援の阻止に効果的な場所を考え
タイヤ痕をつけて燃え上がらせる
少しでも足止めの役に立てばラッキー!



「あのとき討ち漏らした……わけじゃないよな? 別の場所にもいたのか?」
 目の前で群がる黒い粘液に既視感を覚え、櫟・陽里は眉をひそめる。
 とはいえ、敵が何者だろうとやることは一つだ。陽里は気を取り直してエンジンに火を入れると、確と跨がりアクセルを握った。
「まあいい、新装備のお披露目だ!」
 新たに搭載したビームシールドを車体前面に展開。粘液の海目がけて、一気に加速した。
「ハヤイヨー!」
「タオセタオセー!」
 粘液達が一斉に、陽里に向けて触手を持ち上げた。まるで鞭のように、幾本もの触手が風を切る。
 陽里は速度を落とすことなく飛び込んでいく。シールドに叩きつけられた粘液が飛び散り、車体を黒く染めていく。
「んで、中枢はどっちだ」
 ある程度敵を払いのけるとサイバーアイに目を移し、陽里は船の構造の解析を試みた。これまでの経験と、サイバーアイで読み取った情報を統合するに……。
「たぶん、あっちだ」
 広い通路から伸びる横道が、中枢へ続いている可能性が高いような気がする。しかしそこまでの道のりには、無数の黒い粘液が集まり始めていた。
「おー、すげえ数だな。しゃぁない、露払いと行くか!」
 無駄に広い通路へ向けて車体を回し、唸るエンジン音を響かせて急加速。
「ワー、マタキター!」
「クルナー! アッチイケー!」
 駄々をこねるように暴れる触手を挽き潰す。そのまま敵の中心に向け、空転させたタイヤを滑らせた。
 ぐじぐじと、速度の乗ったタイヤが敵を削る。そのまま粘液の上を半ば横倒しに滑りながら一回転、シールドで敵を押し出すように壁と挟んですり潰す。
「さて、炎は効くかな?」
 陽里はその勢いのまま、車体で地面を擦りながら大きくバイクをターンさせる。
 ――悲鳴のような擦過音、急激なコーナリングに火花が散った。
 数本の通路が合流する地点に、刻まれたタイヤ痕が激しく発火。猟兵達へと向かう群れに向けて大きく燃え上がった。
「モエテルー!」
「カジダー!」
 炎の壁の向こうで、多数の粘液がジュージューと音を立てて蒸発する。
「よっし、効いてるな」
 これで、いくらかの増援を防げたはずだ。
 オレンジの光を背に浴びて、陽里は中枢への道を再び辿った。

成功 🔵​🔵​🔴​

柊・弥生
【第六感】で自爆スイッチの場所を探してみようかな
行かせないようにしている方がそうだと思うの!

【目立たない】でなるべくバレないように動くよ!
影のお友達も呼んで2人分で探せるかな?
見つけたらポチッとしちゃうし、多少の痛みなら【激痛耐性】で我慢する!
泣かないもん!

もし、ボタンを押すのに敵の誘導とか必要なら【楽器演奏】で祝言のハープを使って気をひくよ!

少しでも皆の役にたてるといいな!


ダビング・レコーズ
敵が犇く艦内の探索には大きなリスクが伴います
艦内端末からマスターキーVer.1.0でハッキングを実行
効率的な探索の為に必要な情報を奪取します

【WIZ】

その準備としてユーベルコードを発動
ハッキング中の囮兼自動迎撃砲を展開します

艦内構造に関する情報を抜き取り中枢部へ至る経路を調査
操船マニュアルや電気回路図等の間接的情報からも手掛かりが得られるでしょう
併せて経路上にロックされた隔壁が存在していた場合は開放します
(ハッキング 情報収集 鍵開け)

必要情報を入手次第移動開始
交戦は牽制と反撃程度に留め中枢への到達を優先
(見切り カウンター ダッシュ)
到達後は再度ハッキングにて自爆装置を起動します



 先陣を切った猟兵達によって、船の奥へと続く道が開けた。
「たぶん、行かせないようにしてる方にあると思うの!」
「確かに、その可能性は高いように思えます」
 ダビング・レコーズがまず接続した転移地点付近の端末からでは、管理端末へのアクセスは不可能だった。ブロックごとに独立したネットワークが構築され、意図的に情報が隔離されている。
 更に中枢に近い端末を探す必要があるようだ。そこで柊・弥生が周囲を見渡し、第六感を働かせてその場所に見当を付ける。
「影さん、影さん、私と一緒に大事なものを探してくれない?」
 弥生はふわりと飛び上がり、影の友達を召喚した。
「単独での探索には、大きなリスクが伴います」
「うん、分かってる。でも皆の役に立ちたいから」
 ダビングの体格では、どうしても敵への対処が必要になる。その点、弥生の体ならいくら敵がひしめく通路でも、隠れられないことはない。
 その分だけ速く進めるだろう。迅速な解決の望まれる任務において、役割分担は必要であると言えた。

 弥生はダビングに先んじて、脇の通路へ飛び込んだ。黒い影の友達と共に、排気ダクトの隙間に潜り込む。
 ――しかしそこにも粘液がびっしりと詰まっていて、慌てて弥生が飛び退くと、
「ンー?」
 ぎょろりと回る濁った球体が、一瞬遅れて弥生のいた場所を睨み付けた。
「影さん、行って!」
 その隙に弥生は影を先に進ませると、自身はまた別の方向から奥へと向かう。
 眼下、通路の床面では、広がる粘液が川の流れるように猟兵達の元へと向かっていた。
「やっぱり、こっちに行かせないようにしてるんだ」
 影の五感からは、いくつも枝分かれした通路の内、膨大な敵が吐き出される先に広い部屋があることが分かっていた。
 その情報に従って、弥生は羽を動かしていく。

 ダビングは弥生の反応を辿りながら通路を進んだ。
 交戦は最小限に、大きく飛び上がって着地点に攻撃を加えると、開いた隙間を蹴って再度飛ぶ。経路上の敵を擦り抜けながら、目的地への到達を最優先に。
 敵の反応は飽和状態だ。通路は徐々に埋め尽くされて、手早く進むのは困難になりつつある。
「ロボットダー! カッコイイー!」
 粘液の壁に穴を空け、ダビングはサブスラスターの出力を上げて体をねじ込む。伸びる触手が強く絡みつくも、ブレードを起動し回転しながら焼き切っていく。
 通路は途中でいくつも枝分かれしていたが、弥生の進んだ経路を迷わずダビングも選んでいった。
「ダビング、こっち!」
「弥生様、ご無事でしたか」
 やがて、二人は広い空間で合流する。――その部屋は、黒い粘液に埋もれていた。
「あれ、端末じゃないかな?」
「ええ、そのようです」
 開かれた扉の影に隠れた弥生の指差す先、半ば粘液に埋もれたディスプレイが見える。先ほどのものよりも上等で、より強固に守られているようだった。
 事実、その部屋に二人が踏み込んだ瞬間……無数の目玉が、こちらを見た。
「オ客サンダー!」
「キレイナ羽ダー! カッコイイロボダー!」
「ワー、妬マシー!」


 ゼンブチョウダイ


 一斉に、無数の触手が持ち上がった。
「必要情報の取得のため、端末に接近する必要があります」
「うん、私が気を引くから、その間にお願い!」
 弥生はハープを手に羽ばたいた。触手の群れの直上を飛びながら弾き鳴らし、粘液達の視線を誘う。
「さあ、こっちだよ!」
「ナニソレナニソレー!」
 子供のようにはしゃぎながら、群れは見事に弥生を追った。
 触手の群れがうねり暴れ、弥生へと向けて一気に伸びる。弥生は細かく軌道を変えて飛び回り、何とかそれを躱しながらそれでもハープを弾く手を止めない。いくつかの攻撃が彼女を掠め、その衝撃に体勢がぶれるも、強く羽ばたき即座に持ち直した。
「……泣かないもん!」
 痛みに耐えて、より速く。高く。少しでも皆の役に立つために、弥生は飛んだ。
 その隙にダビングは前に出る。粘液の気の逸れた内にユーベルコードを発動し、空中に多量の起動端末を召喚。レーザーガンの掃射が敵を撃つ合間に、ダビングは触手を掻い潜って大きく飛んだ。
 端末へと肉薄、纏わり付いた粘液を払い接続すると、
「情報の奪取を開始します」
 複合ソフトウェア「マスターキーVer.1.0」で防壁の解除を試みた。
 間もなく解析は終了し、ダビングは必要な情報をロードした。
 艦内の簡易的な構造図、回路図を解析。中枢までの経路を特定すると、道中に降りた隔壁のロックを解放する。
「弥生様、目的は達成しました。情報の共有のため撤退を提言します」
「う、うん! 分かったよ!」
 弥生は急ぎ反転し、ダビングと共に部屋を出る。
 他を探索する猟兵達へ、二人は情報を届けることに成功した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メンカル・プルモーサ
……急いで向かわないとならないけど…厄介な……変なところから不意を打たれそう……
飛行式箒【リントブルム】に乗って【天翔る突風の馭者】を使用。移動速度を上げて通路を飛んでコアルームに向かう……
……途中襲いかかってくる醜き嫉妬の生命体は【尽きる事なき暴食の大火】を『猟兵とその装備品以外』に延焼設定して方々に放つ……隙間に隠れてる奴らもこれで燃やす…
それでも襲いかかってくる奴らは【煌めき踊る銀の月】で切り裂いてとにかく先を急ぐ…

中枢部にたどり着いたら管理コンピュータにアクセス。
そのままハッキングを行い自爆装置を起動させる……ただの防壁なら障害にもならない……



 判明した経路を辿り、メンカル・プルモーサは飛行式箒【リントブルム】を駆る。
 その速度に粘液達は全く追いつけない様子で虚しく触手を伸ばしたが、
「……ちょっと、多過ぎ」
 通路を塞ぐほどに膨れ上がった敵の密度に、メンカルは箒を止めざるを得なかった。
 最早どこから襲われるか分からない。メンカルは、急ぎ周囲に白色の炎を生み出した。
「貪欲なる炎よ、灯れ、喰らえ」
 如何なるものも燃料にする終なる炎が、天井から降り注ぐ粘液も、メンカルに伸びる無数の触手も、こちらに気付かずブルブル震える個体すら、全てを平等に焼き尽くす。
「……急がないと」
 そうして経路を確保しながら進んでいけば、やがて広い空間へと辿り着いた。そこは中央に巨大な円筒とその内部に繋がる扉が鎮座する、如何にもといった雰囲気の場所だ。敵の密集地帯を越えたのだろうか、粘液の姿はどこにも見えない。
 中央の扉の横には、質素な端末が佇んでいる。メンカルはそれに向かうと、早速ハッキングを始めた。
 ――その瞬間。

「デラレター!」
「セマカッター!」

 突如として天井の一部が開き、滝のように漆黒の粘液が溢れ出した。
「……なるほど」
 津波のように膨れ上がった粘液が、メンカルへと襲いかかる。
 メンカルは手にした杖を無数の単分子の花弁へと変換し、自律稼働するそれに防衛を任せ端末へと集中する。
「アタマイー! 脳ミソ羨マシー!」
 伸びる触手を斬り裂いて、花弁が縦横無尽にひらひらと舞う。近づく粘液は悉く斬り裂かれていった。
「……開いた」
 やがて音もなく扉が開く。
 その中には、大きなコンピュータ端末が待っていた。これが管理コンピュータだろう。メンカルは駆け足に近づくと、急ぎそのプロテクトの具合を確かめる。
「……これは、時間掛かりそう」
 幾重にも張り巡らされた防壁が、思ったよりも厳重にプログラムを守っている。このままでは自爆のコマンドを実行させる前に、粘液の物量に押し潰されてしまうかもしれない。

 ――扉の防衛を後続の猟兵達に任せ、メンカルはプロテクトの解除に専念することにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

マルコ・トリガー
フーン、使い捨てに自爆、ね。戦法としては悪くないけどボクの趣味とは合わないな。さっさと装置を起動させて終わらせようか。

とはいえ、ボク、電子とか機械とはさっぱりなんだよね。そこは得意な猟兵に任せて道を切り開く事に集中しようか。

転送後、【錬成カミヤドリ】で銃を増やして【2回攻撃】【援護射撃】で後方から道を塞ぐ敵のみ狙って攻撃。
中枢部に近付くにつれて敵の数も増えるだろうから、それを目安に自分の【第六感】も頼りにして道を選ぼう。

装置の起動に時間がかかるようなら敵の足止めを買って出ようか。
氷の精霊から力を借りて【属性攻撃】を敵の足元に撃ち込もう。

使い捨てと気付かないまま眠りにつくといいよ。

アドリブ歓迎



 マルコ・トリガーはユーベルコードを発動させて、自身である短銃を複製、白炎の残る通路を駆ける。
 前方に多数の気配。どうやら別の通路に群れていた粘液達が集まってきているようだ。
「使い捨てだっていうのに、健気なことだね」
 マルコは通路をこじ開けるように、距離を取って一斉に短銃の引き金を引いた。

「電子とか機械はさっぱりだから、得意な人に任せるとして」
 中枢への扉へ群がる粘液の塊に向け、マルコは銃撃を叩き込んだ。
 しかしあまり大きな手応えはない。お返しにと伸びた触手が、矢のようにいくつも飛んでマルコを狙った。
「ボクは、こいつらの足止めを買って出ようか」
 飛び退ってそれを躱すと、マルコは氷の精霊に力を借りる。手にしたロッドは銃へと変わり、青白い魔力を纏って敵の足下を狙い撃った。
「液体なら、こういうのは効くだろう?」
 冷気の弾丸が突き刺さり、粘液はパキパキと音を立てて内部から凍る。
「ウワー、ツメターイ!」
「イターイ!」
「よく喋る泥だ」
 飛んでくる触手を屈んで躱し、中枢の扉から敵を引き離すようにマルコは続けざまに銃撃を放つ。
 氷の弾丸が敵を凍てつかせると、追って空中から短銃の掃射がそれを砕く。粘液は痛みを訴えながら、それでもマルコの手や空中の銃をかすめ取ろうと手を伸ばした。
「ンー! ウラヤマシー!」
「ボクモー、ジュウホシー!」
 やがて癇癪を起こしたように粘液が叫ぶと――触手の先が形を変える。マルコの周囲に浮かぶ、彼の本体を模した短銃と同じ形へと。
「カッコイイー!」
 無数の銃口が、マルコを向いた。
「あれは……」
 咄嗟に飛んだマルコの直後を弾丸が貫く。
「それで、模したつもりかい」
 精巧な贋作はしかし、マルコの目には醜悪に映った。事実射撃の精度も最悪で、無秩序に飛ぶ弾丸が床や天井にまで突き刺さっていく。
 見た目だけの模作。――そんなものに、負けるはずがなかった。
 返すようにマルコは、浮かぶ短銃に命令を下す。雨のような銃撃が粘液を襲い、飛び散る漆黒が水溜まりを作っていく。
「使い捨てと気付かないまま眠りにつくといいよ」
 それを端から凍らせて、マルコは踏み抜くように破壊した。

成功 🔵​🔵​🔴​

雪峰・有架
子供のような無邪気さなのに内容はなんて悪意に満ちて…
オブリビオンである以上は敵、なのですね
行きましょうか、ロメーヌさん(f04860)

輸送船内に降り立ったらUC【エレメンタル・ファンタジア】で氷の津波を起こし、その上を滑って自爆装置のある部屋へ
ロメーヌさんとはぐれないよう【手を繋ぎます】
立ち塞がる敵は津波で押し流します
討ち漏らしはすみませんがお願いします

部屋到着後自爆装置は詳しい方にお任せ
【祈り】【全力魔法】でUCを使い操作の邪魔する敵から倒します

敵の攻撃は【オーラ防御】でいなし、ロメーヌさんが狙われたら庇いに行きます
私から持ち物を奪うのは構いません
でも友達を奪うのは絶対許しませんから!


ロメーヌ・ボルドー
ええ、有架さん!(f02215)
貴女の背中は私が守るわ
だから思う存分、暴れちゃってー!

大切な人を癒すことが私の戦い
ならば共に戦う人たちを守りたいという想いを精一杯歌に乗せるわ

はぐれないよう有架さんと【手を繋いで】彼女のサポートに徹するわ
氷の津波を耐えて彼女に刃向うものがあれば、ご褒美にUC【ジャッジメント・クルセイド】をプレゼント
有架さんや猟兵さん達に怪我を負わせるならば、私の想いをUC【想い捧げる愛の歌】に乗せてその怪我をなかったことにしてしまいましょう

自爆装置については機械に強そうな方にお任せ
でも単純作業のお手伝いならUC【錬成カミヤドリ】でできるかも?出来ることがあればなんでも手伝うわ!



 氷の津波がガラガラと音を立て、飛沫を上げて通路を怒濤と突き進む。
「行きましょうか、ロメーヌさん!」
「ええ、有架さん!」
 雪峰・有架とロメーヌ・ボルドーは、はぐれないよう互いの手を強く握り、津波の上を滑っていった。
「ナンカキター!」
「ナガサレルー!」
 再び集結しつつあった粘液の群れを飲み込んで押し流し、次々に蹴散らしていく。
 しかし、地面を進む津波では、天井に張り付いた個体は流せない。上から垂れ下がった触手へと、二人が半ば自動的に運ばれていくところに、
「彼女には、手を出させないから!」
 ロメーヌが指先を向けると、天から迸った光がこびり付いた粘液を払っていった。
 二人はそのまま、中枢の空間へ突撃すると、氷の津波を扉に群がる粘液の塊へと叩きつける。
 轟音が響き、氷が飛び散る。その衝撃に二人は手を繋いだまま弾かれて、転がるように距離を取った。
「イヤー、ツメターイ!」
 粘液の群れが悲鳴を上げて、ドロリと個々に分かれて散らばっていく。膨大な数だ。地面の埋める粘液の海が、二人の目の前に広がった。
「子供のような無邪気さなのに、なんて悪意に満ちて……」
 純粋な好奇心は時に脅威と化して、他人を傷つける。それの極地のような気配を感じ、有架は息を呑んだ。
 オブリビオンである以上、それがどんなに無邪気であろうと敵でしかない。自爆装置を操作する猟兵を邪魔しようというのなら、それを倒すまでだ。
「神様、全てを押し流す花嵐を此処に!」
 有架の手にした武器が、色とりどりの白詰草の花弁へと変わる。それは風に吹かれ散るように、空間に広がって粘液の群れへと殺到した。
「フワー! ヒラヒライタイー!」
 花弁の波の合間から、無数の触手が二人へ伸びる。それは矢のような速度で風を切り、舞うように躱す二人の周囲に穴を穿つ。
「有架さん、貴女の背中は私が守るわ。だから思う存分、暴れちゃってー!」
 手の平から伝わる温かさを胸に、ロメーヌは思い切り息を吸い込んだ。
「わが愛の歌、とどけー!」
 そしてロメーヌは歌を紡ぐ。深い想いを言の葉に込めて、粘液達の声を掻き消す旋律が響く。それはこの空間で戦う全ての猟兵達の耳に届き、その傷を癒やしていった。
 莫大な粘液の津波を花びらの壁で押し返し、中枢の扉の前で二人は戦う。
「ツヨイヨー妬マシーヨー!」
 隙間を縫って伸びる触手は、明らかに二人の所持品に伸びていた。
「ダメ!」
 ロメーヌの前に立ちはだかって、有架は身を包むオーラでそれを防ぐ。しかしそれをも貫いた触手が有架のヴェールに触れると、ロメーヌの放った光が、頭上から降って敵を焼いた。
「有架さん大丈夫っ?」
「ええ、ありがとうロメーヌさん!」
 互いにかばい合い、協力しながら二人は敵を退け続ける。
 例え攻撃を受けたとしても、ロメーヌの歌がそれを癒やし。そして傷の癒えた有架が強く祈りながら白詰草の花弁を操り、群がる粘液を叩き伏せていった。

 多くの猟兵達が、中枢の扉を守るように戦うも、敵の攻勢は緩まなかった。次から次へと粘液は現れ、どれだけ蹴散らしてもその量は一定を保つように変わらない。
「有架さん、まだ行ける?」
「ええ、ロメーヌさん」
 ロメーヌと有架は、時折励まし合うように手を取って、敵の群れと対峙した。
 ――そして、そのときは訪れる。
「……自爆装置、起動成功」
 クラッキングに挑んでいた猟兵の報告と同時に、船内の照明が真っ赤に染まる。そして警報が響くと共に、粘液達は激しく震えだした。
「ワー! 誰カ変ナトコ押シター?」
「シラナイー、僕ジャナイヨー」
 口々に困惑した声を上げ、粘液達は猟兵達から目を逸らす。
「……哀れ、ですね」
 その姿はまるで、親に怒られまいとする子供のようだった。
「有架さん、行こう!」
 ロメーヌが有架の手を引いて、部屋を飛び出す。すぐにグリモア猟兵の転移は始まるだろうが、それまでに攻撃されては堪らない。

 二人ははぐれないように、強く手を繋ぎなおした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト