7thKING WAR⑲〜CHICKEN DINNER
●カジノ地下なのにスカイダイビング
デビルキングワールドの魔界カジノ、その地下で開催されている様々なデスゲーム。中でも最近特に人気を集めているのが「バトルロイヤルゲーム」だ。
巨大な地下空洞を悪魔の技術を用いて空間拡張を行い、海の上に浮かぶ巨大な無人島を地下空間内部に形成。その無人島には山や川以外にも、現代的な市街地があり、要塞があり、遺跡がありと、変化に富んだロケーションが数多く存在する。まるでUDCアースのハワイ諸島を構成する島のような、南国リゾートを思わせる島であった。
この豊富なロケーションを持つ無人島に、一隻の飛行船が飛来する。その飛行船には100名ものゲーム参加者が搭乗していた。参加者は思い思いのタイミングで飛び降り、スカイダイビングを敢行する。パラシュートを開いて着地した彼らはすぐさま周辺の探索を開始。やがて、地面に落ちていたり、建物の中に隠されていたりする武器や防具を拾い集めたり、車やバイクなどの乗り物を見つけていくうちに、遭遇した他の参加者との戦闘が繰り広げられる。島のあちこちではたちまち銃声や剣戟の音が響き渡った。致死量のダメージを負ったと判断された参加者は地下空間から放り出されてしまう。こうして戦闘を繰り返し、他の参加者を蹴散らして最後まで生き残ったものが優勝者となるのだ。
中には戦闘をできる限り避けて隠れたり、逃走を図る参加者もいる。そんな参加者にとっての最大の敵が、時間の経過とともに狭まっていく「安全地帯」だ。安全地帯の外に出た場合は失格となりゲームから排除されてしまう。よって、生き残りたければプレイエリアに留まり続けなければならず、その面積は狭まっていくため必然的に他の参加者と遭遇する確率は高くなっていく。結果的に、後半になればなるほど戦闘が避けられなくなっていく仕組みである。
このスリリングさと戦略性は刺激を求める悪魔たちに大いに受け、たちまちデスゲームのトレンドの一つとして人気を確立した。さらなる戦略性の追求のため、チーム戦部門も導入。2人、3人、4人でチームを組んで自チームの生き残りを目指すルールが設定され、今日も生き残りを賭けて悪魔たちが激闘を繰り広げている。
●WINNER WINNER CHICKEN DINNER!
「バトルロイヤルゲームってやったことある? UDCアースでは定番のゲームジャンルなんだけど」
グリモアベースに集まった猟兵たちを前に、グリモア猟兵のベルゼ・アール(怪盗"R"・f32590)はそんな問いを投げた。猟兵の反応は様々で、ゲームに縁のない猟兵は首を傾げる一方、ゲームに触れたことのある猟兵は具体的なタイトル名を挙げる者もいた。ベルゼは頷く。
「知らない人のためにおさらいするわね。バトルロイヤルゲームっていうのは、100人くらいのプレイヤーが最後の1人になるまで戦う対戦ゲームのことね。最初に必要最小限の装備だけ持ったプレイヤーが大規模なマップの中に放り込まれて、その中で装備や薬なんかを探しながら他のプレイヤーと戦っていくの。倒されちゃったらそこでおしまい。なので、時には生き残りを優先して逃げたり、身を隠しながら探索を行うことも立派な選択肢になるわ」
もちろん、生存を最優先にして逃げ隠れ続ければよいというものでもない。このゲーム最大の特徴が「安全地帯」だ。
「時間の経過とともに安全地帯が狭まっていくのよ。この安全地帯の外に出るとダメージを受けたり、ゲームオーバー扱いになってしまうの。なので、どんどん狭くなっていく安全地帯への移動を続けなくちゃいけない。そうなると、いずれは他のプレイヤーと出くわす可能性が高くなるわけ。後半になっていくほど戦闘が避けられなくなっていく仕組みよ」
最終的な勝利条件は「最後の一人になるまで生き残ること」。もちろん途中で脱落したプレイヤーも生き残った時間に応じて報酬が貰える。ゲーム内で自分の見た目を変えられるアイテムやゲーム内通貨、プレイ内容に応じた称号などが主な報酬だ。ゲームによっては2人から4人でチームを組んで戦うルールも存在し、チームメンバーが誰か1人でも最後まで生き延びればその時点でチームメンバー全員が優勝した扱いとなる。
「さて、本題はここから。実はこのバトルロイヤルゲーム、デビルキングワールドではコンピュータゲームじゃなくて生身で行ってるのよ。魔界カジノの地下空間を魔力で拡大して、その中に大きな島を作っているわけ。ルールもほとんどバトルロイヤルゲームそのものね。致死量のダメージを負った瞬間、あるいは安全地帯から外に出た瞬間に脱落扱いになってカジノの参加者控室に転送されるわ。そのときに負傷なんかは全部回復するみたいなんだけど、このスリリングさがデビルキングワールドの悪魔たちにとってすごくウケが良いのよ」
参加にあたっては、Dを参加費として支払うことになる。生存時間に応じて賞金としてもらえるDが増えていき、優勝者は参加者全員が支払ったDの総額の50%を手にすることが可能だ。ちなみに残り25人以内に入ることで元が取れるようになっており、それ以降の賞金は指数関数的に跳ね上がっていくという。
「今後の戦費を稼ぐためにも、Dをここでがっつり稼いでおくといいかもね。そんなわけで、皆にはこのバトルロイヤルゲームに参加してもらうわ。勝てば夕飯はチキン(Chicken Dinner)よ」
ベルゼは独特の言い回しで猟兵たちを鼓舞する。ちなみにこの言い回し、元はカジノのブラックジャックにおいて、勝者に対してディーラーが告げる祝辞の決まり文句だ。バトルロイヤルゲームの勝利メッセージで使われるようになり、爆発的に広まったという経緯がある。
「あ、ちなみにこのルールの特性上、武器や防具なんかの装備はゲーム会場内には持ち込めないわ。持ち込んだとしても使えなくなるから注意してね。もちろん、普段それを使ってることで培った技能まで無効化されることはないから安心してね」
このバトルロイヤルゲームが成立しなくなる行動──ゲーム内に装備を持ち込む、魔法で攻撃したり無から装備を作り出したりする、安全地帯の狭まりを止める、安全地帯の外に出てもゲームを続行できるようにする、これらのルールを書き換える──などは即座に失格扱いになったという事例があったという。逆に言えば、これら以外の行動は何をしてもよいそうだ。会場内の建物から柱をぶっこ抜いて振り回してもいいし、他の参加者と一時的な共闘関係を築いて後で裏切るのもいい。建物を解体した上でその資材を使って要塞を築き上げるのもOKだ。
「早い話が、ゲーム会場内にあるものは何でも使ってOKってことね。会場のありとあらゆるものを利用して優勝を目指しましょう! 健闘を期待しているわね」
ベルゼはゲーム会場の受付にポータルを設定、グリモアを起動して猟兵たちを送り出す。果たして、猟兵たちはこのゲームで生き残り、「チキンディナー」にありつけるのだろうか。
バートレット
どうも、バートレットです。
と、いうことでデスゲームシナリオで前々からやりたかった「バトルロイヤル」でございます。P●BGやフォー●ナイト、A●EXなどのゲームをそのまんま現実でやってるイメージです。というか全体的な雰囲気はフォート●イトのようなポップで明るい感じです。目指せドン勝、目指せビクロイ。
まずはプレイングボーナスをば。
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プレイングボーナス……手段を問わず、デスゲームを生き延びる。
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当然ながら、デスゲームが成立しなくなる行動はNGです。それ故に、今回は以下に該当するプレイングは不採用となります。
・自分のアイテムを使用する
・魔法を使った攻撃を行う
・無から装備を作り出す(会場にあるものを利用して作るのはOK)
・安全地帯の縮小阻止
・安全地帯の無意味化
・その他、バトルロイヤルゲームが成立しなくなるとMSが判断した行動
ちなみに、アイテムの「使用」がNGです。即ち、装備しているアイテムが使えなくなるだけと思ってください。よってプレイング提出にあたって装備を外す必要はありません。
また、今回は連携にも当シナリオの独自ルールを設けさせていただきます。
・一度の連携は4人まで
・連携を希望する場合は「一般悪魔(NPC)」か「他猟兵(PC)」のどちらかと連携することになる
・召喚系UCを使用した場合、その召喚したNPCと連携したこととみなす(チーム戦の場合、召喚したNPCの数だけチームの枠が埋まる。よって4人以上の召喚は不可能)
複数名でお誘い合わせの上ご参加される際にはこの点を勘案していただけるとありがたいです。
OP承認後即座に募集を開始します。締切はシステム的に閉まるまで受け付けますので、奮ってご参加ください。可能な限り執筆いたします。その他諸注意はMSページをご確認いただければ幸いです。
では、皆さんの「今夜はドン勝だ!」をお待ちしております!
第1章 冒険
『魔界伝統デスゲーム』
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POW : 他の悪魔達を力でねじ伏せ、脱落させる
SPD : 会場の設備を利用して立ち回り、被害を避ける
WIZ : 他の参加者を説得や交渉で味方につける
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
星海・冴香
ゲームは知らないけれど、安全地帯の内で殺し合えということですか
それだけ分かればいいわ
考えるよりさっさと戦場に飛び降りて武器を調達します
移動が多くなる序盤はフットワークが重要
重くなる防具は要らない。避ければいい
武器も取り回しの良さを重視
あとナイフやスタンガン等、隠せる武器があれば隠し持つ
女も武器にするけれど最後の手段
他の物資や情報は奪い取る
好戦的プレイスタイルを印象付け
けれど意識は冷静に
対物兵器、機動力、水や薬や食料を確保
有利な状況を積み上げつつ継戦
友好的で信用できるプレイヤーは後々厄介
一時的に共闘しても隙を突いて必ず倒す
ごめんなさい、恨み言なら控室で
生き残るのは一人だけ、そういうゲームですから
●Ruckus
星海・冴香(地獄配達人・f36316)はゲームについてはあまり明るくない。UDCアースの日本にいたとは言え、セクシーアイドルとして多忙の身だったこともあり、ゲームに触れる機会があまりなかったのだ。とは言え、説明を受けて今回デビルキングワールドで行われているゲームがどのようなものかは理解できた。
「安全地帯の内で殺し合えということですか。それだけ分かればいいわ」
飛行船内のシグナルが青になったことで早速飛び降りる。冴香は知る由もないが、バトルロイヤルゲームにおいては「即降り」と呼ばれる行為だ。基本的にこのゲームは探索が肝となる。早めに降りることで探索時間はそれだけ伸びるのだ。もっとも、他にも同じことを考えている参加者は多いため、当然ながら人口密度は増える。結果として即降りを行った参加者は激戦区に身を置くことになるのだ。
しばしのスカイダイビングの後、パラシュートを開いて地面に降下した冴香は手近な建物の中に入る。タンスを開けるとその中にはサブマシンガンが入っていた。予備のマガジン2つもセットだ。ありがたく調達する。移動の多い序盤は取り回しが効く武器を選びたいと考えていた冴香にとっては渡りに船であった。
「防具は……重くなるようなものは要らないか」
軽量素材の防弾チョッキを見つけたのでこれを着込む。他にも、サバイバルナイフやスタンガンなどを見つけ出して服の中に隠すと、長居は無用とばかりに移動を始めた。すでにあちらこちらで銃声が響いている。
冴香は好戦的なプレイスタイルを周囲に意識させた。時には他人と交戦している相手を狙って確実にキルを取ったり、探索に熱中している者に不意討ちを仕掛けたりした。その中で他の参加者が確保していたロケットランチャーなどの対物兵器や、水や食料などのサバイバルに必要な物資を奪い、有利な状況を積み上げていく。
時に共闘を申し出られることもあった。大抵は友好的な態度を見せていたが、冴香は決して完全に心を許しはしない。
(友好的で信用できるプレイヤーは後々厄介ですね……最終的な勝利者が一人である以上、どこかで裏切りの機会を狙っているでしょうから)
そのため、その場の状況はうまく切り抜けても、長く共闘することはしない。危機を共闘によって乗り切って、完全に油断した相手を後ろから撃つ。
「く……しまった……!」
「ごめんなさい、恨み言なら控室で」
致命傷を負って控室へと転送されていく共闘相手だったものを見て、冴香は容赦なく告げる。生き残るのは一人だけというゲームである以上、裏切りは必要不可欠なのだ。
冴香はその後もうまく立ち回り、最後の一人を持てる物資の全てを投入して撃破。見事優勝を勝ち取る。肩で息をしながら、控室へ転送されると、残存する物資はいつの間にか消え、バックパックには代わりに大量のDが詰め込まれていた。優勝賞金である全参加者の参加費総額の50%がこのバックパックに詰め込まれているものだ。
「まさかすぐに撃たれるとは……もう少し泳がせようと油断していたらこれだよ。アンタすげぇな! グッドゲーム!」
「ありがとうございます」
裏切った相手からも気持ちの良い称賛の言葉を受け、冴香は頭を下げる。試合が終わればノーサイドの精神は、このデスゲームでも有効らしい。
(悪魔たちにとっては一種のスポーツのような位置づけなのでしょうね)
貰ったDを何に使おうか考えながら、冴香はそんな感想を抱いて会場を後にするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
阿波里・泪
おー、なんだか面白そうなゲームだねー♪
よっし、わたしも頑張るよー♪
開始前に秘術・分魅魂を発動、分身を三体呼んで四人チームを組むよ。
自分が四人いるようなモノだし連携なら負けないよー♪
着陸は、出来れば何かの建物がある場所辺りに。
ここで武器を確保できれば良いなと。
良い武器は分身の方へ優先的に。
最初は無理には戦わず、生き残ることと良い武器を揃えることを優先。
確実に仕留められそうな敵は狙うけども。
安全地帯が狭まりそうなら早めに移動を。
残り人数が20人くらいになったら本格的に戦闘開始。
わたしは建築で防壁確保を担当、戦闘は分霊にお任せ。
狙われたら逃げて分霊が不意打ちできるよう仕向けようかと。
●カルテットプレイ
「おー、なんだか面白そうなゲームだねー」
サムライエンパイア出身の神狐、阿波里・泪(美し杜の守り狐様・f33265)はデビルキングワールドのバトルロイヤルゲームに興味津々である。猟兵になってから他世界に赴くこともしばしばあったが、アース系世界ではビデオゲームとして一つのジャンルを築いているくらいの知識はあったし、なんならプレイ動画も目にしたことはある。
「さて、それじゃあここは連携が鍵のカルテット部門に参戦しようか」
4人チームで戦うカルテット部門は、各人のチームワークが試される。息の合った仲間と参戦する悪魔も多いが、泪はこのカルテット部門における最適解を持ち合わせていた。ユーベルコード「秘術・分魅魂」、即ち自らの分霊とチームを組むのである。
かくして分霊3体を召喚し4人チームを組んだ泪は、激戦区から少し離れた場所にある集落に降り立つ。建物はそこそこあり、探索すれば比較的良い武器が手に入るだろう。4人は集落内にある程度散って探索を進め、安全地帯が狭まる頃合いを見計らって一旦集合する。
「えーと、サブマシンガン2丁とマガジン4つ、スナイパーライフル1丁と弾薬が18発、アサルトライフル1丁とマガジン2つ、ピストル1丁とマガジン1つ、刀1本、サバイバルナイフが3本、あとは人数分の傷薬と食料……結構集まったね」
アサルトライフルやスナイパーライフルは分霊に優先して持たせて、自分は刀とサブマシンガンを持つ。なるべく良い武器を分霊に持たせるようにした。直接戦闘を分霊に担当させる以上、できる限り装備は分霊側が良いものを持つべきだと判断したのである。
「よし移動! 周りの状況に注意しながら行こうね」
「はーい」
銃声などの戦闘音が聞こえた場合、銃声が鳴り止んだ直後に向かう。大抵その場合は戦闘が終わった直後であり、生き残った側は大なり小なり消耗している。そこを狙って確実に倒していくという作戦だ。無闇に戦闘の只中に突っ込むことはせず、生存を優先する。安全地帯の狭まりが始まる前に素早く移動を繰り返しながら、じっと雌伏の時を過ごした。
「現在、残り20名です」
残り生存者のアナウンスが島に響く。このアナウンスをきっかけに、泪は攻勢に出た。泪は手近にあった木や建物から建築資材を回収し、防壁を構築することに集中する。その間に3人の分身がアサルトライフルやスナイパーライフル、さらには敵からの戦利品であるロケットランチャーなどを駆使して建物や防壁の中に隠れている敵を燻り出し、攻撃してくる。
「ロケットランチャーを持ってる敵は優先して狙って! こっちの防壁を破壊してくるからね!」
「わかった、近づいてくる敵は頼むよー」
分霊同士で声をかけあいながら、一糸乱れぬ完璧な連携で敵を近寄らせない。だが、もちろん背後から忍び寄ってくる敵にも注意は忘れない。
「あっちのチーム3人しかいないね」
「オッケー、任せて」
人数から1人が不意討ち狙いの斥候を行っていると判断した泪は、周囲の気配に耳をそばだてる。狐の聴覚と嗅覚は鋭いもので、背後から迫る敵の存在を察知した。
「そこだね!」
サブマシンガンで不意を打てば、泡を食った1人の悪魔が逃げ出そうとする。
「バレてた……!?」
「狐の嗅覚を甘く見ないほうがいいよ!」
すぐさま追いつき日本刀を袈裟懸けに一閃すれば、たまらず悪魔はどうと倒れ、控室へと転送されていく。気づけば正面の3人もそれぞれ1人ずつキルを取っていた。その瞬間、優勝が確定した旨のアナウンスが流れ、自分たちも控室へと転送される。
「今のが最後だったか。やっぱり自分が4人いると連携も楽でいいねー♪」
かくして、4人分の優勝賞金を手にした泪は、ひと運動できた充実感と大金を手にした満足感と共に帰還を果たすのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ノア・クレムリィ
バトルロイヤル、生き残りをかけたルール無用のサバイバル。何だか、敵地に一人で取り残された時を思い出しますね。今回はあくまでゲーム、だからと言って手は抜きません。ブチかましましょう。
【POW:他の悪魔達を力でねじ伏せる】ことにしましょう。優先して確保するのは機関銃と爆発物、火力は正義です。作戦は、待ち伏せて〈不意打ち〉による瞬間的な〈蹂躙〉、その後は速やかに戦利品を漁りましょう。
悪く思わないでください、これも戦いなのですから。戦いに勝者は一人です。……あっ、これは良い武器をお持ちだったんですね、弾薬もこんなに沢山。有難く頂きます。さぁ、ガンガン進んでいきましょう。
(アドリブ等々大歓迎)
●戦場の知恵と経験
バトルロイヤルゲームは、ゲームとして成立させるための最低限のルールこそあれど基本的にはどんな手を使っても生き残る、サバイバルがコンセプトにある。ノア・クレムリィ(海駆ける鋼鉄の竜騎兵・f30572)は、そんなこのゲームに既視感を覚えていた。
「何だか、敵地に一人で取り残された時を思い出しますね」
もちろんゲームなので自分の経験したそれに比べて気楽なものではあるが、それでも手を抜くつもりはないのがノアのポリシーである。
ノアが降り立ったのは大きめの市街地だ。高いビルやバリケード、打ち捨てられた車両などが多く存在するロケーションであり、絶好の探索スポットとして多くの参加者が集まってくる激戦区だ。当然、戦闘も激しくなるため、参加者の1/4がここで脱落するケースもありうる。
「序盤から積極的に戦闘を仕掛けてライバルを1人でも減らしておきましょう」
手近な建物に入る。ガレージ付きの一戸建て住宅であり、探索には困らなさそうだ。ガレージの中にあった軽機関銃やハンドグレネード、プラスチック爆弾などの爆発物を確保。火力優先で撃ち合いを演じるには心強い陣容だ。一通り物資を確保すると、家の中に籠城して後から探索のために入ってきた他の参加者を待ち構える。玄関でプラスチック爆弾を起爆したり、リビングに入ってきたところを軽機関銃で蜂の巣にしたりと、不意討ちを繰り返して他の参加者の物資を次々と確保していく。
「悪く思わないでください。これも戦いなのですから」
相手が控室へと転送されていった後、その場に散らばった物資を回収しながら、自分が打ち負かした参加者に向けて手向けのように呟く。徐々に装備を更新し、十分に物資を溜め込んだところで次なる安全地帯に向けて移動する。もちろん、移動の最中にも積極的に戦闘を仕掛けては撃破を重ねる好戦的なスタイルを維持する。
かくして、溜め込んだ物資の物量に支えられた攻勢を保ったことで、試合中最多のキル数を稼いで優勝したノア。賞金には最多キル数のボーナスが上乗せされ、かなりの額のDをせしめた。
「戦いの基本は物量ですからね。ある意味当然の結果だったかもしれません」
試合結果に満足そうに頷くノア。彼女の戦いぶりは観戦していた多くの悪魔たちも思わず唸るほどの試合内容で、ビギナーに対しての模範となったという。
大成功
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久遠寺・遥翔
アドリブ歓迎
裏切りを考慮するくらいなら共闘はなしだな
全部敵くらいがシンプルでいい
自己強化・変身系UCがありか事前に確認、反則にならないなら使う
戦場に飛び降りる際に研ぎ澄した[視力]で地形を把握
降り立ったら刀剣状の武器を調達
普段から重火器で狙い撃つのは慣れてないからやめておく
培った[戦闘知識]で他の敵の動きを予測し、[地形の利用]でしっかりと身を隠しながら各個撃破を狙う
[第六感]を働かせて常に死角や遠距離からの攻撃も警戒
しっかりと[見切り]、[残像]で回避だ
取り囲まれたら[ダッシュ]で駆けながら斬り抜ける[範囲攻撃]だ
普段UCでやっていることの疑似的な再現
安全地帯からはみ出ないよう注意しないとな
●フレアライザー・ヘブン、サバイバルの島を駆ける
「おっ、自己強化に変身はOKなのか。それなら行けるな」
受付でルールについて確認を行う久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)。彼が気になっていたのは「変身や自己強化の能力の行使はOKなのかどうか」であった。元々デビルキングワールドの住人は変身や変化の能力を持つものも少なからずおり、こうした能力の行使も言ってみれば上着を着たり脱いだりする感覚である。故にルールでは合法であることが明記されていた。
「裏切りを考慮するくらいなら共闘はなしだな。全部敵くらいがシンプルでいい」
選んだのはソロ部門で、臨時の共闘も基本的には行わない方針を固める。確かに臨時の共闘を行うことで一時的には生存確率は増えるが、後で裏切るタイミングを測ることを考えると、考えることも増えてしまう。それくらいならば、最初から全員が敵であると考えてしまったほうがある意味楽だ、というのが遥翔の持論であった。
飛行船から降下する際に、さっと視線を地上に向けて走らせる。地形や構造物の有無を把握し、最適な効果ポイントを瞬時に選んで飛び降りた。パラシュートを開いて着地すると、すぐに駆け出して探索を始める。銃器には目もくれず、刀剣系の武器のみを集めていった。
「ツヴァイハンダーにレイピア、小太刀、コンバットナイフ……こんだけあれば十分か」
銃火器は普段扱うことがない遥翔にとって、慣れない武器に手を出すのはリスクが高い。それならば、使い慣れた刀剣を持って戦ったほうがいいだろう。各武器それぞれ2~3回振って使い心地を確かめると、ツヴァイハンダーを背中に背負い、レイピアと小太刀を腰に佩いて、コンバットナイフを折りたたんで懐に仕舞う。刃こぼれや折れたときの事も想定して、移動しながら予備の刀剣を探索することも忘れない。
「さて、どこから狙うか……」
相手は銃も使ってくる。遠距離からの一撃が脅威であり、スナイパーの存在にも気を配る必要があった。猟兵としての戦闘経験から、狙撃に適したポイントを把握し、射線を切るように地形の影に隠れながら移動する。
ちょうど目の前で2人の参加者が撃ち合いを演じていた。息を殺し、決着がつくまで見守る。そして撃ち合いが終わった直後、生き残った方を背後から一刀のもとに斬り伏せて漁夫の利を得た。
「ん……フォースセイバーか! こんなのもあるんだなぁ」
新たに得た武器は一旦回収し、物陰に隠れて振り心地をチェック。もちろん死角や背後からの敵には常に警戒を怠らない。五感を総動員して他の参加者からの不意の攻撃に備える。
だが、終盤に差し掛かり、いよいよ危機が迫ってきた。5人の参加者の撃ち合いに巻き込まれてしまったのだ。
「しまった、完全に囲まれてるな……多分銃器を持たない俺を優先して狙ってくるはず……!」
その予感は当たる。全員がまずは遥翔を狙い始めたのだ。
「こうなったら奥の手だ! 天焔解放(オーバーフロウ)――フレアライザー・ヘヴンッ!」
全身を漆黒と黄金の鎧で固めた姿へと身を変じると、フォースセイバーを構えて地面を蹴り、地表すれすれを滑空するように跳ぶ。敵の銃弾は遥翔を捉えられず、そのまま空を貫いた。自分を包囲する相手の1人目掛けて猛然と突進すると、相手の発砲よりも早くすれ違いざまにフォースセイバーを一閃。さらにコンバットナイフを投擲し、急所に当てて2人を仕留める。包囲を脱した遥翔は、持ち前のスピードを活かして泡を食ったように硬直する残りの3人も次々と撃破していった。
最後の1人を仕留めたところで、生存者が遥翔だけになったようで、ゲーム終了のアナウンスとともに控室に転送される。
「おっ、今のが最後だったか。なんとかなったなぁ」
張り詰めていた精神をようやく弛緩させることができ、やれやれと一息つく遥翔。近接武器のみを使用して生き残った者は珍しかったらしく、他の参加者も驚きと称賛の言葉を遥翔に贈る。なぜ銃器を使わなかったのかという問いに対しては、
「銃器、使えなくてね」
と、遥翔は謙虚に応え、それもまたデスゲーム参加者や観戦者の間で語り草になるのであった。
大成功
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