7thKING WAR㉑〜いぇーがーたおすよ
「………………はあ」
開口一番溜息吐かないでくださいグリモア猟兵さん。
「……ああ、来てたのか。自己紹介は省くぞ、必要性を感じないからな」
なんだこいつ。
そう思った者もいるかも知れないし、思われても文句は言えないことを言ったと筆者も思うのだが、緊急事態であることは確かである。猟兵たちは一旦、そのまま彼――ユリエル・ミズハシ(ジキルの棘とハイドの誘惑・f36864)の話の続きを聞くことにした。
「『7thKING WAR』についてはもう聞いてるな? 聞いてる前提で話を進めるぞ。お前たちには『悪魔王遊戯』を破壊し、主であるガチデビルに有利な状況を作り出そうとしている契約悪魔軍団の制圧に向かって貰う」
そもそも何故、『悪魔王遊戯』を死守する必要があるかと言うと、単に破壊されれば後味が悪いから、という次元の話では勿論なく、切迫した理由がある。
ここを破壊されてしまえば、他の候補者を実力で排除――即ち、殺害して永久に脱落させることにより、生き残った者が次のキングに選ばれると言う、血で血を洗う軍事戦争へと、この戦いは変質してしまうのだ。そして勿論、その恩恵を一番受けるのは、ガチデビルである。
何としてでも阻止すべき案件だが、問題がひとつ。そう、『悪魔王遊戯』の破壊に乗り出しているのはガチデビル本人ではなく、悪魔契約書で洗脳された契約悪魔軍団なのである。
「そこでお前たちにお鉢が回ってきたってわけだ。制圧対象は……『シバベロス』か。……何だこの緊張感が抜けるフォルムは」
柴は可愛いので仕方ないと割り切ってください。
ともあれ、そんなゆるーく可愛らしい見てくれのシバベロスだが、油断してはいけない。
戦闘力は神話に語られるケルベロスと同等と考えて良いだろう。その三つ首から炎を吐き、鋭利な牙で噛みつき、硬い防御をも誇る。加えて契約を結んでいることにはなっているものの、そこから逸脱しない程度に気の向くままに、やりたい放題やっているらしい。
ガチデビルからして見れば、ちゃんと壊すものを壊してくれる限りは問題ないので放任していると言ったところか。
「正面から戦ってもいいが、まあ大群だからな。苦戦を強いられるだろう。最悪重傷を負うかもな。だが、付け入る隙はある」
繰り返すがこの柴たちは、『契約』に従い破壊行動を続けている。
この契約には、契約書が用いられている。公に書き記すことで契約に縛りつける効果があるのだろう。
で、あれば話が早い。『契約違反』を発生させ、その効力を破棄させてしまえばいい。
そうすれば戦わずして柴たちを正気に戻すことも可能だ。犬が酷い目に遭うのはちょっと、という方にも安心の新設設計。
「肝心の契約違反の条件? 『敵対候補者に友好的な感情を抱くこと』だそうだ。こいつらの性質からして、犬が喜ぶようなことをすれば懐くんじゃないか?」
いいんかそれでケルベロス。いや、シバベロスだから別にいいのか。
ともあれ、彼らを懐かせ、もとい契約違反を発生させる方法は、猟兵たちに一任される。思うまま柴を愛で、いやシバベロスを懐柔できるよう、最善を尽くしてほしい。
「……しかしこいつら、そもそも契約とか意味解って結んでるのか?」
言うな言うな。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
あんまり深いこと考えずに楽しめるシナリオかと思いますが、一応ちゃんと激戦区シナリオですよ。
戦争シナリオのため、今回は1章構成です。
第1章:集団戦『シバベロス』
悪魔達が契約違反を起こすように誘導することでプレイングボーナスがつきます。
シバたちを愛でてください。もとい、シバたちを契約から解放してあげてください。
断章なし、公開された時点で受付開始です。
それでは、よろしくお願いいたします!
第1章 集団戦
『シバベロス』
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POW : へるふぁいあー
【3つの頭から吐き出される超高温の火球】が命中した対象を燃やす。放たれた【地獄の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : でっどりーふぁんぐ
【3つの頭による噛みつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【魂の性質】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : ふどうのかまえ
全身を【意地でもその場を動かない体勢】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
イラスト:リタ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神塚・深雪
※アドリブ、連携等歓迎
しば、べろす……ですって。
そんな、そんなかわいい……いえ、きょうあくなものが、いるんですか。
わかりました。
骨とボールと、犬用お菓子を用意しましょう。
あと、念のため、『三光厳飾』で防御を上げておきましょうね。飛び付かれた時になにがあるか判りませんし。
ほーら、遊び道具ですよー!
ボールや骨をなげたり、もってきた子にはお菓子をあげたり。
やっぱり三つ首なあたりはケルベロスですが、かわいい、です……。
そういえば、しばべろすのカウントは首の数でしょうか、それとも、胴体でしょうか
一匹くらい連れて……いえいえ、オブリビオンですからダメです。娘の情操教育にもよくないです。
●恐ろしき柴の誘惑
「しば、べろす……ですって」
神塚・深雪(光紡ぐ麟姫・f35268)の唇が戦慄く。
いや、それも無理からぬことだろう。
三つ首からは時折炎が吐かれ、その口からは鋭利な牙が覗いている。その特徴はまさに、神話に語られるケルベロスそのもの。
だが、そのベースとなる身体が、愛くるしい柴犬であったなら。
(「そんな、そんなかわいい……いえ、きょうあくなものが、いるんですか」)
います。今まさに目の前に。
このようなきけんがあぶないいきものは、早急に何とかしなければならない。
「わかりました」
立ち向かう決意を固めて、シバベロスに向き直る深雪。
その手には――骨とボール、そして、犬用のお菓子。
念の為にユーベルコードも発動させて三光をその身に纏い、防御もしっかり固めて準備完了です。いや、見てくれはああでもオブリビオンですし。
「ほーら、遊び道具ですよー!」
『『『!!!!!!』』』
一斉に反応する柴、もといシバたち。三つ首が一斉に振り向くのみでも相当圧が強いが、それが両手で数えられない頭数によって行われている。視界の情報量が多い。
だが、ぽいぽいと骨やボールを投げれば喜々として取りに行く様はやはり犬である。わんわん。
そのまま我が物顔でガジガジし始める個体もいたが、ちゃんと取って帰ってくるお利口さんもいる。彼らにご褒美のお菓子をあげれば、ぶんぶんと千切れんばかりに尻尾を振ったり、撫でれと言わんばかりにのしかかってきたり。
(「やっぱり三つ首なあたりはケルベロスですが、かわいい、です……」)
深雪の膝に頭を乗せ――全て乗り切ってはいないが――スヤァと昼寝の体勢に入った一匹を眺めてほっこり。
(「そういえば、しばべろすのカウントは首の数でしょうか、それとも、胴体でしょうか」)
ふとそんなことが気になる深雪。
ややこしい話だが、恐らく解釈が人によって異なるので、真相は藪の中となりそうだ。
――さて、契約違反により晴れて自由の身となったシバの一群を見ていると。
(「一匹くらい連れて……」)
そんな思いが、深雪の脳裏をよぎるも。
(「いえいえ、オブリビオンですからダメです。娘の情操教育にもよくないです」)
猟兵として、母親として、辛くも何とか思い直す。
けれどちょっぴり残念、なんて思ったのは、秘密です。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
契約違反…犬が喜ぶことをすれば……
つまり遊んでいいって事ですか…!?
一応フリスビーいくつか持ちこんでみます
【指定UC】発動してちっちゃい分身も量産しておきます
皆、遊ぶよー!
シバ達を興奮させないよう
【催眠術、誘惑】を乗せた子守唄を【歌唱】
犬は耳が良いからね、落ち着かせる程度に効いてくれたら
分身達と分担して遊んであげる
僕は一応自分に【オーラ防御】を張りつつ
フリスビーを投げて取ってこーいする担当
もし意地でも動かない感じでも好都合
そっと優しくシバが好きそうな場所を撫でて愛でてあげます
分身達は鬼ごっこしたり水魔法でシバに水遊びさせてあげたり担当
常に笑顔で接する事がポイント
…これで違反になってるのかなー
●遊び? いえいえお仕事です
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、彼をここに送り届けたグリモア猟兵の言葉を思い出していた。
(「契約違反……犬が喜ぶことをすれば……」)
そこから導き出される最適解など、一択しかない。
「つまり遊んでいいって事ですか……!?」
Exactly!
幾つかフリスビーも持ち込んで、ちっちゃくてカワイイ(本人は意地でも言わない)分身も量産して、準備は万端。
「皆、遊ぶよー!」
分身と共に呼びかければ、ぐるっと大量の三つ首が澪の方を向いた。
視界を埋め尽くす圧力が凄まじいが、ここで臆する澪ではない。
「〜♪」
催眠術と誘惑の応用で、柴もといシバに子守唄を歌う。洗脳する意図があるわけではなく、あくまで聴覚に優れた犬に対して、興奮を落ち着かせる目的があってのことだ。
耳をぴくぴくさせながら、遊びと言う名の破壊の手――手? を止めるシバたち。すかさずオーラで身を固めると共に、フリスビーを取り出して見せれば、シバたちの耳が今度はぴーんと立った。
「よーし取ってこーい!」
ひゅんひゅんとフリスビーを何枚も投げれば、一斉に駆け出すシバたち。
大抵の子は身体を動かすのが好きらしく、あっと言う間に向こうまで行ってしまうのだが、のんびり屋なのか動きたくないでござる! な子もいる。ユーベルコードまで発動する徹底ぶり。
そんな子には優しくナデナデを。実は犬って知らない人に頭撫でられるの嫌がる子が多いんですよね。なので顎周りから首の下、耳の後ろ辺りを撫でてあげるとご満悦な顔をしていた。
勿論、フリスビーを取ってきた子たちも同じように撫でてあげて、再び投げてあげるとまた駆け出して行った。如何せん数が多いので、少しばかり腕が疲れるが、嬉しい悲鳴と言うものだ。
捌き切れない子たちは分身たちが、鬼ごっこしたり水魔法で水浴びをさせてあげたり。
遊ぶ間も笑顔を忘れずに。犬は利口なので、表情から人の気持ちを読み取るのです。楽しいオーラは伝わるのです!
「……これで違反になってるのかなー」
改めて思えば、本当にただ遊んでいるだけである。ユーベルコードこそ発動させたが、激戦区とは思えないほど戦っている感がない。
だが、遊び疲れたらしいシバベロスたちは皆、スヤァと寝息を立てて眠り、破壊活動を完全に停止したので、良しとしましょう!
大成功
🔵🔵🔵
地籠・陵也
【アドリブ連携歓迎】
ドッグフード、フリスビー、ボール、噛む用の骨、犬用デビち○ーるを買って臨むぞ。
今日の俺は犬と遊ぶつもりしかない!(ドヤ顔で言うことではない)
そして予め【指定UC】で【浄化】の力を手に纏わせておくぞ。
契約書の力をより剥がしやすくなるだろう。
まずは柴の数だけ食事を用意することで興味を誘おう。
お腹が空いたのか?好きなだけ食べていいぞ、毎日ワルいことを頑張っているんだからご褒美の日があったっていいだろう。
と言って【おびき寄せ】。
食事の後はフリスビーやボールで一緒に遊んで、それからお風呂の時間だ。
丁寧に洗って汚れと一緒に悪い気持ちも洗い流そうか。
ブラッシングとドライヤーも丁寧にな。
●対シバ用戦闘兵器
地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)の準備は入念だった。
ドッグフード、フリスビー、ボール、噛む用の骨、犬用デビちゅ……に至るまで。一切隙のない完全武装であった。
「今日の俺は犬と遊ぶつもりしかない!」
それは、間違ってもドヤ顔で言うことではない。
――普通の依頼なら。
だがそう、これは柴を愛で、いやシバを懐柔するための戦いなのだ。今回に限って言えば、何も間違っていない!
あ、でも一応オブリビオンですからね。
手に白竜の加護を籠めた浄化のオーラを纏っておきます。契約書の効力引き剥がしやすくなるかも知れないので。
――と、今度こそ準備完了。
まずは手始めに、シバたちの興味を引き警戒心を削るべく、食事を陵也の周囲のシバ全員に行き渡るよう用意して。
ぴーんと解りやすく反応するシバたち。手応えあり。
「お腹が空いたのか? 好きなだけ食べていいぞ、毎日ワルいことを頑張っているんだからご褒美の日があったっていいだろう」
加えて、今は破壊活動に精を出していることだし、と。
読み通り、お腹を空かせていたらしいシバたちが、我先にと食事に群がる……!
がつがつと平らげるシバたち。ぺろりと平らげれば陵也のことも、このひとごはんくれるひとだ! と言わんばかりのキラキラした目で見つめてくる。
が、まだ遊び足りなげふんげふん、友好的な感情、がどこまででアウト判定されるか解らないので。
「よし、次は食後の運動だな」
とは言っても、破壊活動再開では勿論なく。抜かりなく持ち込んだフリスビーやボールで、シバたちの狩猟本能を刺激しつつ、興味をそちらに持っていく。
取ってきたよと寄ってくるシバたちをよしよしして、また投げて、を繰り返す。シバたちが適度に疲れてきたら、今度はお風呂の時間。
順番に、しかし数が多いからと手は抜かずに丁寧に。勿論、浄化の力を纏った手で入念に、気持ちよさそうなところも撫でてあげるサービスつきで。
「汚れと一緒に悪い気持ちも洗い流そうか」
『『『きゅーん』』』
シバ、ご満悦。かわいい。
ブラッシングとドライヤーも丁寧に。怠れば匂いが残ってしまうし、何より風邪を引いてしまうので!
すっかり満足したシバたち、終わる頃には皆、陵也に擦り寄り懐いているのでした。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
強制的な契約で戦う意志無き者を戦場に出す等、騎士として到底許せるものでは御座いません
何としてでも此度の企みは阻止せねば
と、勇んで挑んだのは良いものの…犬の扱いなど如何したものか
頑なに待ちの姿勢で膠着状態に持ち込まれては
…致し方ありません
亡き創造主の叡智を借りるのは騎士として不甲斐無いのですが
UC起動
機械妖精を呼び出しシバべロスの生体情報や嗜好を情報収集
電脳禁忌剣を一振りし手持ちの武装を改造しましょう
手榴弾の中身を鈴と犬用の餌に入れ替えたのみ?
確かに投げれば玩具のように音も鳴りますが、これで気を惹けるのでしょうか
目の前に転がして、と
成程
ずっと待機していれば退屈する上に、空腹も覚える、と…
●キシドーブレード(シバ特化)
(「強制的な契約で戦う意志無き者を戦場に出す等、騎士として到底許せるものでは御座いません」)
今頃、黒幕――ガチデビルは自らの手は汚さず、悠々と高みの見物を決め込んでいるのであろうか。
トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)は高潔な騎士として、その行いを看過することはできなかった。
「何としてでも此度の企みは阻止せねば」
固い決意を胸に、いざ出陣!
――した、が。
(「勇んで挑んだのは良いものの……犬の扱いなど如何したものか」)
戦場を駆け巡る、自由気ままな――三つ首ではあるが――犬、もといシバたち。
その上、今トリテレイアの目の前に陣取っているシバたちは、梃子でも動きませんぜと言わんばかりにふどうのかまえを取り、全く動く気配がない。
(「頑なに待ちの姿勢で膠着状態に持ち込まれては……」)
にらめっこすること、シバし。
このままではいけないと、トリテレイアの甲冑が、がちゃんと音を立てた。
「……致し方ありません」
最早、悩んでいる猶予はない。
電脳禁忌剣を胸の前で構えれば、情報分析に長けた機械妖精たちがふわりと舞い来たる。
「あの方の英知を頼るのは、騎士として少々不甲斐無いのですが……」
任務遂行のためなら致し方なし!
妖精たちは山の如く動かぬシバたちを見、分析開始。収集したデータを還元した電脳禁忌剣を、トリテレイアが虚空で振るえば、武装がシバに対して最適な形に作り変えられてゆく――!
「……これは」
装甲内部に収納していた手榴弾。
その中身が、鈴と犬用の餌に入れ替わっていた。
「確かに投げれば玩具のように音も鳴りますが……」
これで気を惹けるのだろうか、と。
一抹の不安は覚えるものの、これが最適だと妖精、そして剣が判断したのだから。
試しに目の前に転がしてみると。
『『『!!!!!!』』』
ヒャッハー! と声が聞こえてきそうな勢いで、それまで微動だにしなかったシバたちが、全力で手榴弾(安全)に食らいつき始めた。
結果、トリテレイアは遊んでくれるしご飯くれるひと! と認定され、無事契約破棄。
(「成程。ずっと待機していれば退屈する上に、空腹も覚える、と……」)
トリテレイアは学びを得た。今後活かす場面があるかどうかは、まだ誰も知らない。
成功
🔵🔵🔴
瀬河・辰巳
もふもふを手懐けるとなれば、俺達ビーストマスターの仕事だよね。
まずは落としやすそうな子を犬用おやつ&なでなでで一匹デレデレにする。群れなら一匹でも落とせば警戒が緩むからね。
一匹落として警戒が緩みだしたら、残りの子達を遊びに誘う。
ほらほら、玩具で遊びたい子は一緒に遊ぼう!玩具なら沢山あるから任せて!あ、撫でてほしい子はもふもふするよ!
まだ惹きが弱い子はお芋クッキーやササミジャーキー等で更に懐柔してゆく。
シバベロスの楽園いいね、癒やされる。もういくらでも遊んであげるよ。頭が3つあろうが6つあろうが可愛いわんこに変わりないからね。
●ビーストマスターですから!
ケルベロスもシバベロスも、元を辿れば犬である。
犬、即ちもっと広い括りで言うなら動物なのである。それももふもふ。つまり。
「もふもふを手懐けるとなれば、俺達ビーストマスターの仕事だよね」
そう、瀬河・辰巳(宵闇に還る者・f05619)はもふもふの友、ビーストマスター。今回は存分にその手腕を振るっていただきたい!
(「まずは……この子かな」)
辰巳の姿を認めると、おまえさてはいっぬがすきだな? と言わんばかりに興味津々で近寄ってくる子が一匹だけいた。犬は犬好きだったり動物好きだったりする人間を敏感に見分ける者も多いのだ。
そして、大抵そういう子は人間好きである。正確に言えば、可愛がってくれる人間が好きである。この子ならと試しに首の下をナデナデしつつ、犬用のおやつを三つ首全てにあげれば、想像以上のチョロさで辰巳に懐いて擦り寄った。
(「群れなら一匹でも落とせば警戒が緩むからね」)
狙い通り、辰巳にデレデレになった仲間たちを見て、他のシバたちも辰巳の存在に興味を示し。
今なら行ける! と辰巳がすかさず取り出したのはおもちゃの骨やらボールやら、大量の犬用の玩具。
「ほらほら、玩具で遊びたい子は一緒に遊ぼう!」
沢山あるからね! と誘えば、シバたちは破壊活動もそっちのけ、慣れている仲間もいることだしと次々遊びに参戦!
遊ぶよりも撫でてほしいなー、なんて子には愛情込めて、ナデナデもふもふ。逆にこやつ信用してもええんか? な警戒心強めの子には、追加でお芋クッキーやササミジャーキーをプレゼント。
献身的かつ愛情たっぷりの辰巳に、シバたちはすっかりみんなメロメロ。
そんなシバたちに埋もれつつ、辰巳もまたもふもふを謳歌していた。
(「シバベロスの楽園いいね、癒やされる」)
元より、人より犬猫や森に住む動物を好む性質である。何なら人ではない動物以外に心を開いた自覚が、皆無と言っていいほどない。
けれどその分、動物たちに対する愛情は深い。
「もういくらでも遊んであげるよ。頭が三つあろうが六つあろうが可愛いわんこに変わりないからね」
魔界と呼ばれるデビルキングワールドにも、天国はあったのだ。
辰巳はもふもふを堪能しながら、幸せを噛み締めていた。
大成功
🔵🔵🔵