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7thKING WAR⑪〜【ゆる募】海中戦攻略法

#デビルキングワールド #7thKING_WAR

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●コンキスタドールの侵略跡地
 その日、魔界の空はバリバリと赤い稲妻が走っていた。
 空中に無数に浮かぶオーシャンボールに焔の色や閃光が映され、綺麗なガラス玉のようにも見えた。
「あのなかに海賊の財宝があるんざらし?」
「海賊として華麗なる海の戦いを見せるんざらし!」
「ぜんそくぜんしんよーそろ~!」
 悪魔海賊たち――『我らあざらしゆる海賊』の乗った海賊船が動き出したその時、オーシャンボールの気まぐれか、その一つが落ちてきた。
 辺りは瞬く間に海中と同じような空間へと変化した。
「わぁぁ」
「誰ざらし!? あざらし着ぐるみならマーメイドのように泳げるって言ったやつ!」
「海を制するものはメガリスを制す」
「とかナントカ言ってる間に、『パイレーツ・ピラット・ピラータ・ゼーロイバー』海賊がきたざらし!」
 和名に訳すると『海賊・海賊・海賊・海賊』である。
「うぉぉ、盛り過ぎざらし! 負けてられるかぁぁ! ざらし!!」
 ――こうして、落下したオーシャンボールの海中で、海賊たちの争いが繰り広げられることとなった。


「……えっと、ちょっと、どういうテンションなのか、私には分からないのですが、皆さんには『我らあざらしゆる海賊』団と『パイレーツ・ピラット・ピラータ・ゼーロイバー』団の戦いに介入していただきたいと思っています」
 基本的に真面目に日々を過ごしている冬原・イロハ(戦場のお掃除ねこ・f10327)は、戸惑いながらも集まった猟兵たちに説明していく。
 7thKING WAR。
 放っておけば7thKINGの座を勝ち取ることになるであろう魔王ガチデビル。けれども7thKINGとなってしまえば、大量の『悪魔契約書』がばらまかれ、他の世界で「カタストロフに繋がる大事件」が発生する可能性があるのだという。
「積極的にオブリビオンに協力し、メガリスを集めている悪魔さんたちをぶちのめしてきてくださいな。悪魔の皆さん、必死に海の中のような場所で戦っているので、猟兵の皆さんが華麗なる海中戦を披露すればきっとクギヅケになると思うのです」
 猟兵が悪魔海賊たちよりも海戦に慣れたところを見せれば、尊敬を得られることとなり、なんやかんやでその海中にひとときの平和が訪れるらしい。

「方法は皆さんにお任せしますね。ちなみに今回落ちてきたオーシャンボールは、浮力が働いていますので、外側の方に浮いていく感じになっています」
 転移先は海中の真ん中だが、四方八方へ浮き上がるようにして泳げるらしい。
「でも水温はちょうど良いみたいです。季節としては早いんですが、ひと泳ぎしてみてはいかがですか?」
 海中では普通に海賊たちの大砲も行き交っているので、華麗に回避するだけでも尊敬を得られることだろう。彼らはちょろいのである。
「まあ、深く考えずに楽しんできてください」


ねこあじ
 ねこあじです。
 よろしくお願いしますざらし。

 プレイングボーナス……海戦に適応すること。

 自分ペースで無理せず書いていくので、不採用もでるかもしれません。
 6日の金曜日から書いて納品していきます。
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第1章 集団戦 『ワルの遊園地のきぐるみアクター』

POW   :    ふわふわ
【ふわふわ】に変身する。変身の度に自身の【ふわふわ】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD   :    ぷにぷに
自身の肉体を【ぷにぷに】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    夢を破壊するもの
【着ぐるみ】を脱ぎ、【中の人】に変身する。武器「【夢を破壊するキビヤック】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。

イラスト:RAW

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルイ・エルドレッド
「ハァ……そういうのは見せないのがプロだ。どこぞの遊園地なら炎上間違い無しだろうな」

ため息交じりに敵を見る。海上や海中での戦闘は既にシミュレーション済み。契約している【エルロードマンタ】を装備から召喚する。そしてその上に跨るように乗って水中を移動する。

「(軽くあしらってやるか)」

そのままUCを発動。自らに[水中呼吸、暗視効果]を付与して水中での戦闘に特化する。敵には[弱体化、鈍足、不幸]の効果を付与。マンタには覚えている技“しんかいのはどう”を命令。深海のエネルギーを吸収し放つ技だ。追加でこんらんをさせる可能性もある。

『不幸の効果ならこんらんくらイ、引けるだろウ?』

影に潜むジークと喋りながら。



 海中と化した空間にて海賊船から放たれる大砲が白泡の軌跡を描く。
 落ちて広範に渡ったオーシャンボール。
 転移すると同時にルイ・エルドレッド(隠しボス・f36867)はエルロードマンタを召喚する。胸ビレをひらりと舞わせるマンタは、良く知る海の色をしていた。
 一度浮上して、魔界の空と空気を味わう。
 ルイを乗せ海上で雄大さを思わせるエルロードマンタの泳ぎはゆったりと。ボールの名残か、空間は丸い。
 地上へと向かうように泳げば、ジェットコースターから眺めるかのような風景がゆっくりと流れていく。
 眼下のワルの遊園地のきぐるみアクター・あざらしは、その着ぐるみにたっぷりと海水を含ませて、重そうに動いている。まざまざと「努力しています!!!」的な動き。
 しかし、おもむろに着ぐるみを脱ぎ、中の人が出てきた。
「?」
 手に持つのはキビヤック。海鳥をアザラシの中に詰め込み、長期間埋めて作られた発酵食品だ。キレた中の人が敵対海賊をぶん殴っている。
「お、大人げないっぴ!」
「うわぁぁぁん!! アザラシ怖いよぉ、うわぁぁん!」
 なんと『パイレーツ・ピラット・ピラータ・ゼーロイバー』団の一部が泣き出してしまった。
「ハァ……そういうのは見せないのがプロだ。どこぞの遊園地なら炎上間違い無しだろうな」
 重々しい、呆れたような溜息を吐くルイ。
 海賊あざらしマスコット、『我らあざらしゆる海賊』たちはアクターとしての本来の目的を忘れてしまっているのかもしれない。
「まあ、これも全部オブリビオンが悪いんだろう」
 そういうことにしておこう。ルイは頷いた。
(「軽くあしらってやるか」)
 ざぶんとエルロードマンタとルイが潜る。
 ユーベルコード『実効支配の間合い』。世界浸食ソフト『OPUS』がネットワークを張っていき、戦場をルイのドミネーションエリアへと書き換えた。
 ▼エフェクト:状態異常『弱体化』『鈍足』『不幸』
 エイムした悪魔海賊陣営の動きがガタガタとなり、船から放り出される中の人が何体か。
 エルロードマンタが『しんかいのはどう』を発動すればぐわんぐわんときたのか、くらくらする一部の悪魔海賊たちが海中を漂った。
「しゅ、しゅごい。海ってこんなにクラクラくるの」
「はまっちゃう」
「ふわー、なんか、なんかディセントキター!」
「え、えぇ……?」
 正気の悪魔海賊が「ぼくも浴びたい」と『しんかいのはどう』目指して泳ぎ始める。
『不幸の効果ならこんらんくらイ、引けるだろウ?』
「不幸のち時々混乱。ところによっては気絶、か」
 天気予報みたいなことを言って、ルイたちは悪魔たちを圧倒していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

驚堂院・クリル
おぬしら海で争っておるようじゃな。まあ落ち着け

アイドルとして砲弾とびかうなか双方の兵士と手をつないでくる。
砲弾は高速泳法で華麗に回避しながら歌い出す。
覚えていますか目と目があって初めて争ったときのことを〜♫
【ショウ・マスト・ゴー・オン】も発動して郷愁たっぷりに歌うのじゃ。

攻撃してこなければ水中機動して近づき握手したりアザラシ着ぐるみをなでなでしたりする。
厄介な絡みしてくる者は水中戦マヒ攻撃じゃな。ヒットアンドアウェイしながら歌うことで華麗さを印象づけようぞ。

海戦をバックに歌い続けるPVなんてのもカッコイイのう(ΦωΦ)

海の中ではラブ&ピースじゃ


ノイン・フィーバー
可愛いらしいモノですねェ。

と、ひよこ着ぐるみを纏いながら、たこサメサンの背に乗り水上ずばー

水中戦へと洒落込む。主にたこサメサンが

ノインはたこサメさんに咥えられての水中戦闘である
防水加工はされているので破損しなければ浸水の心配はないが、絵面はたこサメに喰われてる人型TVである

たこサメサンがノインを触手で掴んで鈍器にしたり、たこサメサンの鋭利な牙で敵に噛みついたりする

大技:
海底でUCを発動し、たこサメサン(噛みノイン)を『彼女』にフルスイングして海上のオーシャンボールまでぶん投げて貰う
空飛ぶたこサメサンの口元でグロッキーになりつつも、(可能なら)オーシャンボールを掴むノインの姿があるのかもしれない


ガーネット・グレイローズ
イロハから仕事の依頼を受けて来てみれば…まさかのオーシャンボールとな。この世界にも、コンキスタドールが侵略していたのか。
「いくよ、マン太」
飼っているオニイトマキエイのマン太の背に乗り、海の中へ。マン太は《水中機動》で泳いだり、水面付近をふよふよ浮いたりして自在に移動。スピードはちょっと遅いが、環境に適応する能力は高いはずだ。
「どこへ逃げるんだ?」
オブリビオンに協力する悪魔たちを見過ごすわけにはいかない。生体電流をチャージし、マン太の背の上から離れた相手を狙って【ライトニングフォーミュラ】!ターゲットを追尾する《レーザー射撃》でまとめて攻撃だ。


栗花落・澪
着ぐるみは可愛い
中身はわからないけど

僕の泳ぎ、見せてあげますか

【指定UC】を発動し、下半身を魚にすることで人魚に変身
これなら例え海中でも呼吸は勿論
【空中戦】とほぼ変わらない形で【水中戦】出来るので
素早い動きで翻弄しちゃおう

着ぐるみって動きにくそうだよねー
というわけで更に動きを封じちゃおう

【高速詠唱、多重詠唱】で風魔法を起こし
作り出した水の竜巻に巻き込んで動きを封じてみたり
氷魔法で移動スペースを削るようにいくつも氷塊を作り出し伸縮の妨害する【属性攻撃】

ついでに風魔法でコーティングした尾鰭で悪魔達の方に氷塊を弾き飛ばしぶつけます

まだ勝負する?
降参するなら着ぐるみ触らせてください是非(願望


木元・杏
海賊達の熱き闘い…、海は浪漫(ごくり)
片方はあざらしざらし
もう片方、海賊盛り盛りセットな方はどのような海賊ざらし?
双方の姿をよく確認して戦況を把握
一番競り合う場所に狙いを定め、泳ぎ突撃…、とつげ……
泳げないのでUC発動するざらし

きゅるんとまん丸なペンギン着ぐるみ(※潜水服)纏ったくーるびゅーてぃ、見・参
とうっと海賊達の間に割って入り、飛翔力を活かし飛ぶような泳ぎを披露
流れ弾も怪力込めた羽で叩き落とすざらし

他の猟兵の方々とも交わり離れ、さながら海のダンスショーで海賊達を魅了して争いを忘れさせよう

んふ、貴方達も一緒に楽しもう?
実はわたしも泳ぎは慣れてない
手を取りくるくる回り踊ろう



 落下したオーシャンボールが作りだした空間。
 海中の浮力に逆らうことなく、猟兵たちが浮上していく姿があちこちに。
 巨大なオニイトマキエイ、マン太によって近くの海面へと押し上げられたガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は周囲を見回した。
 一般的に『いい天気』と評されないであろう魔界の空は、稲妻が駆けていて魔界的良い天候。大海原に浮かぶ数々の海の珠――、
「オーシャンボール。この世界にも、コンキスタドールが侵略していたのか」
 グリードオーシャンを侵略形態・大オーシャンボールにし、敵陣が大攻勢を仕掛けようとした『羅針盤戦争』のことを思い出す。
「ガーネット、見て?」
 くいっと袖を引っ張られた。
 木元・杏(ワンコイン以下とは思えぬコスパ・f16565)だ。少女の視線は海中へじっと注がれていた。
「海賊団のあざらしたち。敵対してるかける4の海賊団は子供の姿が多い?」
「……そのようだね」
 先に潜水した猟兵の力だろうか? なんかやばい薬でもやっちゃったのだろうかという盛り上がりで海賊は遊んでいるようにも見える。
「可愛らしいモノですねェ」
 ヒーローマスクの画面に笑顔の顔文字を表示させて、のんびりと言うノイン・フィーバー(テレビ顔のメカ野郎・f03434)。
 ひよこ着ぐるみを着用したノインはぷかぷかとお風呂のアヒル隊長よろしく浮かんでいる。そんな丸いひよこ着ぐるみを乗せているのは頭~胴はサメ、後ろ半分をたこ脚にしたたこサメであった。
「やあノイン。いつも通り、情報量が多いね」
「いやァ」
 ガーネットに言われ照れっとするノイン。
「あざらしの着ぐるみも可愛いけど、ノインさんのひよこ着ぐるみも可愛いですね」
 にっこりと笑って栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が言った。
「……まあ、アッチのあざらしさんはどんな悪魔が入っているのかは分からないけど……」
 さっきおどろおどろしいキビヤックを持った中の人がキレて飛び出してきた光景があったりもしたが、そこは、まぁ、見なかったことにした。澪は大人だった。
「さ、僕たちの泳ぎと海戦、魅せてあげよう」
 そう言ってざぶんと海へ潜る澪。水の精霊に力を借りた澪の下半身は、滑らかに動く人魚のもの。空翔ける稲妻に鱗が一瞬煌いた。泡沫の輝きだ。
「頼もしいね。いくよ、マン太」
 マン太に乗ったガーネットが澪の後に続く。胸ビレを羽ばたくように動かして、海中の流れに乗る。
 ゆったりと泳ぐ様子は海中を雄大な景色へと一変させた。
 現れた人魚と海洋生物の優雅な泳ぎに、悪魔海賊たちが注目し始める。
「たこサメサン! ワタシたちも向かいましょう」
 ノインの言葉に合点承知。たこサメのたこ脚がノインに巻き付いた。
「エッ」
 突然始まる誰得ひよこ触手プr……。
「ふむ、シートベルトのようなものか」
 驚堂院・クリル(アイドルグループ【九姉妹神】メンバー・f33676)が呟く。ナイスフォロー。
 視線の先は、明らかに化け物に海に引きずり込まれゆくひよこの図でしかない。
 あわわと慄く杏の背中をぽんぽんと。安心させるようにクリルが叩く。
「し、シートベルト……安全だいいち」
 こっくりと頷いた杏は皆に続こうとして――あっぷあっぷ。上手く潜ることが出来ない。はっと気付く。
(「わたし、泳げない!!」)
(「しかし思い出して欲しい」)
(「わたしはくーるびゅーてぃー杏」)
 地の文のような語りを我が胸で行い、杏はユーベルコードを発動させた。
 ばいんと張った豊満なボディ、びっしりと生えた羽毛。きゅるんとまん丸なペンギン着ぐるみ(※潜水服)を杏は纏った。
 泳げなさそうな少女の準備も整ったようだ。
「では行こうかえ」
 クリルは杏の手(ペンギン着ぐるみのフリッパー)を握り、海の中へと導いていく。
 身体をくねらせて段階を重ねるように深く潜っていった。

「ここらの海域は我らのものざらし!」
「ロックな波動はオレらのもんさー」
 白泡が軌跡を描き大砲が飛び交っている。
(「着ぐるみって動きにくそうだよねー」)
 たくさんいるあざらし着ぐるみの悪魔海賊団。敵対しているお子様な悪魔海賊たちが華奢にみえるほど。
 のほほんとした感想を抱いた澪は、「あ」と思ってノインの方を見た。たこサメに乗ったノインは――いや、ひよこは獲物よろしくたこサメにがぶりんちょとされていた。
 なんというか、大きなレモンだか日向夏だか、柑橘類のようなものを咥えたサメが頭をがるるるとぶん回している絵面である。
「ノイーン!!?」
 がばごぼとガーネットが叫んでいる。
 遠心を掛けたたこサメのひよこアタックが悪魔海賊たちを両断し、左右へと弾き飛ばした。
 追撃にたこ脚をぶん回し、その先端にはやっぱりというか、ぎゅっと着ぐるみが絞られたノイン。長柄を扱うような順手逆手というノイン捌きは華麗だった。
 果敢なアタックに「我も!」「僕も!」と悪魔海賊たち。あざらしアクターがぷにぷにになってたこサメのアタックを真似し始めた。
「こ、こここれはカオスな戦況というものでは……」
 澪がStaff of Mariaを振るう。バトンのように回せば渦が発生し、鎮まりたまえ的に悪魔海賊やノインを散らした。
 悪魔海賊たちが素早く動けないようにと、澪は泳ぎながら遠近へと氷塊を出現させる。
「あわわ、障害物が……!」
「こ、氷が着ぐるみにくっつくざらし!?」
「うわあ暴れるなざらし! 二次被害が起きるざらし!」
 氷塊をくっつけたあざらしアクターが暴れ回るのを見た杏は、キュートなペンギン泳ぎでヒーローよろしく参上した。
「こういう時は、ふりっぱーで、ぱん! ぺん!」
 あざらしにくっついた氷塊を叩き飛ばす杏。氷塊は侵攻阻害役として復帰する。
「どうやるざらし?」
「こう。ぎゅんと体を使って、ふりっぱーを振るぺん」
 ペンギン着ぐるみを使った指導が入り、杏は悪魔海賊から感謝と尊敬を得た。
 その時クリルの歌声がオーシャンボール内に満ちる。
 優しく渡る海の波動。
「~♪ 覚えていますか 目と目があって 初めて争ったときのことを~♪」

 広い海の中で出会った奇跡。
 これから始まる物語(戦い)、予感を乗り越え、手に入れた友情。

「んふ、あなたたちも一緒に楽しもう?」
 杏がくるくると回り踊り、飛ぶように泳ぎ始めた。
「昨日の敵は今日の友……!」
「あざらしうっかり忘れてたざらし。あざらし、子供たちに夢を与える存在ざらし」
 クリルのアイドルパフォーマンス。ショウ・マスト・ゴー・オンに心揺さぶられ感動する悪魔海賊たち。
 しっとりとしたライブに澪のコーラスが乗り、光を氷塊に宿せば煌くステージの出来上がり。
 歌いながらクリルが悪魔海賊たちに近付き、アイドルらしく握手会が始まった。
 着ぐるみのあざらしを撫でたり、グループショットをしたり。
「いいなぁ僕もぷにらせてー」
 ぷにぷにの体になった着ぐるみは海中だからこそ、吸い付く感触がクセになる。
 ぷにぷにぷに。
「驚堂院さん、即興ライブのクライマックスはどういくの?」
 もっちりとした着ぐるみあざらしをぷにぷにしながら、澪はハミングしているクリルへと尋ねる。
 クリルは手のひらをすいっと何処かへと向ける。彼女が示した手のひらの上では――たこサメが暴れまくる海域があった。
 澪は再びバトンをくるくると回した。音属性が連なり、ロックな響き。発生した渦は水中の竜巻へと変化し、音と氷塊を飛ばす。
 突き進むたこサメ、オーシャンボール内の底へと至ったノインが手を伸ばす。
(「ショータイムです、ミス」)
 ノインのユーベルコード『仄暗い井戸の底から』放たれる『彼女』。伸ばされたノインの手を通り過ぎ、わしづかみしたのは彼のたこ脚によって絞られたひよこボディ。
 同時に行われるはガーネットの攻撃だ。
 海中降下していくマン太に騎乗するガーネットは、オブリビオンのために働く悪魔海賊たちのお仕置きに訪れていたのである。
 良い子な悪魔は、悪いことをするのが本業とはいえ、それはそれ。これはこれ。
 オブリビオンのためにメガリスを獲り争うなどもってのほか。
「悪い子は相応の報いが必要だと思うのだよ」
 マン太の回遊と同時に加速していたエーテル体。摩擦を含め生体電流は最高潮にまでチャージされている。
「皆、仲良くするように!」
 双方の海賊団に向けられて放たれるレーザーは、常に動いている一つの海賊船を追尾し爆破する。
 破裂した波動が海中に轟き、単色の花火のような大きな白泡が発生した。
 振動に、『彼女』の膂力に任せて投げられたノインとたこサメが加速する。
「た~まヤ~~~!?!?」
 ざっぱんと海面、空へと打ち上げられたノインが叫ぶ。
 盛大なショーにオーシャンボールの外にいた悪魔海賊たちから喝采が捧げられる。
「海の中ではラブ&ピースじゃ」
 海戦をバックに見事歌い上げたクリルがポーズ。
「すっごい派手なクライマックスだね。どこかに撮影班とかいないかな?」
 親指と人差し指で四角を作り、光景をカメラみたいにおさめる澪。
 テレビ局も豊富で、娯楽もいっぱいのデビルキングワールドだ。この『戦い』もオーシャンボールの貴重な攻略として、どこかで記録されていることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城島・冬青
【橙翠】

ここの戦場…カオスすぎる!
とりあえず華麗に戦えばいいのかな
一足早い海水浴ですね
家から水着を引っ張り出してきましたよ!
シロイルカくんを見ると海って感じがします
アヤネさんに捕まりシロイルカくんで移動するのも久々ですね

見て下さい
アザラシかわいいですよ!
あとでちょっともふらせてもらいたいな…
えー?!アレ着ぐるみなんですか?…うわぁ本当だ!
乙女心を弄ばれた気分です

此方へ飛んでくる大砲は避けずに刀で切断します
UCの速度から生まれる力を利用してスイカのように真っ二つに叩っ斬る!
スイカ割りならぬ大砲割り!!
ふっ、つまらぬものを斬ってしまった…なんてね
華麗というより力技?
褒められたので気にしないのです


アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
うわあ臭そう
キビヤックは反則だと思うネ…
いやよそ見をしている余裕はないか

海水浴にはまだ早い季節だけど水温はちょうどいい
ソヨゴとおそろいの水着
彼女の水着姿にテンション上がる

水中用の装備はバッチリ
水上バイクシロイルカを浮力調整して水中へ
これで素早く動いて戦いを有利に進めよう

しっかりつかまってソヨゴ
このままあいつらの間に割って入ろう

あざらしかわいい?
ソヨゴの方がかわいいネ!
っていうかアレ着ぐるみだし
中の人がはみ出てるのもいるネ

UC発動
シロイルカに触手でつかまって素早く動き回る
大鎌でひっかけて派手に攻撃しよう

ソヨゴがカッコよく技を決めたら
口笛を吹くジェスチャーで盛り上げよう
ソヨゴやるネ!



「うわー、青くない空! あんまり青くない海!」
 落下したオーシャンボールの海面へと出た城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)は、周囲を見回して定番な台詞を少し言い換えた。
 手のひらで海水をすくう。手首を彩る華やかなリストバンド。チャイナドレス風の水着を着る冬青は「一足早い海水浴ですね」とアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)に言った。
「そうだネ。実際にはまだ早い季節だけど、魔界の気温とここの海水温は『just right』なんじゃないかな」
 と、言葉にしつつ、アヤネは思う。
(「いやあそれにしても、水着姿のソヨゴも可愛いネ」)
「ソヨゴ、可愛いネ」
 そのまんま声に出た。照れた冬青も「アヤネさんも! 可愛いですよ!」と褒めてくれる。
 冬青は赤。アヤネは青。陽射しにあたれば滑らかな光沢が映えるお揃いの水着にふふふと微笑んだ。
「それじゃあ海の中へと向かおうか」
 言って水上バイクのシロイルカに乗ったアヤネが手を伸ばし、冬青を座席へと引き上げた。
「シロイルカくん、海の中にも行けるんですか?」
「ん、大丈夫。浮力調整はしてきたから、潜行可能!」
 エンジンを始動させ水上を走り出したシロイルカは、波立つ海面を引っ掛けて一気に海中へと行く。
 ざぶん。とした音を皮切りに、視界が変わり水の圧迫を感じた。けれどもここは海の中のような空間。呼気は泡となって浮上していく。――慣れてくると声が出せる海域があることに気付いた。オーシャンボールの濃度によるのだろうか。
「――、アヤネさん、あっち、見てください!」
 冬青の腕が伸ばされた。指差す先には海賊船がいくつか。船から排出されるように泳ぎ出てくる悪魔海賊たちの中に、何だかぷにぷにしてそうなあざらしがいた。
「アザラシがかわいいですよ! あとでちょっともふらせてもらいたいな……」
「あざらし? かわいい?」
 いやいや、とアヤネが軽く首を振る。
「ソヨゴの方がかわいいネ! ……っていうかアレ着ぐるみだし」
「……え? えー?! アレ着ぐるみなんですか?」
「中の人が出てくるのもいるネ」
 ほら、あそこ。と今度はアヤネが指差した。何かわちゃわちゃやっているところにあざらしの中から悪魔海賊(生身)が出てきた。何かをぶんぶんと振っている。
「……うわぁ本当だ」
 乙女心を弄ばれた気分ですね……、と冬青はちょっと引いた様子で彼らを見た。
「うわあ臭そう……キビヤックは反則だと思うネ……」
 観察していると、ぶん回しているのはキビヤックだということにアヤネは気付いた。……海鳥をアザラシの中に詰め込み、発酵させた結構怖めな漬物の一種である。異臭料理の代表だ。
 そんなアヤネの説明を聞いた冬青は更に引いた。
 気を取り直して。
「しっかりつかまってソヨゴ。このままあいつらの間に割って入ろう」
「はい!」
 腕がしっかりと回されたのを確認し、アヤネはハンドルを切った。

 無造作に放たれている大砲たちが数多の白泡の軌跡を描いている。シロイルカの潜行を阻害するように撃たれた大砲へ向かうは冬青だ。旋回するシロイルカの遠心力を利用した滑らかな海駆け。抜刀するは花髑髏。刃を立て、冬青が構える――夜歩く一刀の手応えは刹那であった。
 刃に沿って分かたれた砲弾が過ぎ行き、既に間合いを抜けた冬青の背後で不発めく破裂に至る。
「!?!?」
「いまなんかあったざらし!?」
 冬青を捉えられなかった悪魔海賊たちが辺りを見回している。
「ふっ、つまらぬものを斬ってしまった……」
 これぞスイカ割りならぬ大砲割り。
「ソヨゴやるネ!」
 弧を描き力強く駆けるシロイルカに乗ったアヤネが口笛を吹くジェスチャー。
「あのお姉さんすっげぇ!」
 お子様な悪魔海賊が目を輝かせて叫んだ。小型船を操縦し、スピードを競う海戦へと移行していく。
「おっと、これはスピード違反」
 異界の触手と車体を繋ぎ、くるりと回るアヤネが大鎌を振るう。海賊旗を刈り、三日月の刃が絡めとった。
「あっ、僕たちの海賊旗が!」
「旗がなくなちゃうと大変ざらし。……この場は降参ざらし~」
 悪魔海賊たちが船にせっせと白旗を纏わせた。
「ゆっ、ゆるい……」
「ゆるゆるだネ」
 どこか憎めない悪魔海賊たちの言動。
 二人は気の抜けたように息を吐き、ふと目を合わせて苦笑しあうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
カタストロフなんて起こさせません
それにとっても素直な悪魔さん達ですから
悪魔契約はきっとブラックで
悪魔さん達が酷い目に合わされてしまうでしょう
そんな目に合わせるわけにはいきません

そのためにも悪魔海賊さんたちの争いを止めましょう

水の魔力で水中呼吸
召喚したランさんに騎乗して水中戦です
目旗魚の速さ&水の魔力で水流を操作すれば
砲弾や攻撃をすいすいっと回避できます

海賊さんたちの周囲を超速で泳ぎ回れば
きっと揺れる海水に翻弄されてきりきり舞い
戦いどころではなくなるでしょう

海賊さん達の争いが収まったら
メガリス探しも兼ねて
ランさんに
オーシャンボールを縦横無尽に泳ぎ回ってもらって
不思議の海を満喫します


ヴィクトル・サリヴァン
何か楽しそうな海賊団だねー。
さーがぶがぶ美味しく…じゃなかった、華麗にダイナミックに泳ぎを楽しもうかな。

持ち前の水泳と高速泳法、素潜りの技能を活かしてオーシャンボールの中心に向けて力強く泳ぐ。
反響定位でアザラシぐるみ達の位置を把握、発見したら拘束、無酸素詠唱で水の魔法使い泳ぎやすいよう俺の周囲の水流操作して急行。
ふわふわに変身しても驚かず。寧ろ狙い易いし。
UC発動しつつ銛投擲、魔法での水流操作合わせ命中させて本命の水シャチに齧り付かせる。
その状態から水流操りアザラシを他のアザラシにぶつけさせつつ銛回収、次の敵に銛投擲し次々水シャチれっつごー。
水シャチの宴、とくとご覧あれ!

※アドリブ絡み等お任せ



 落下したオーシャンボールが作りだした海中のような空間。
 元々の海に面した場所以外の方向に浮上すれば、魔界の空とどこか熱をはらんだ空気に迎えられる。
「えーい、この海域は我等のものざらし~」
「メガリスを探してスクロール!」
 と意気込む悪魔海賊たちもいれば、先んじた猟兵たちの華麗なる海戦に魅了された悪魔海賊もいる。魅了された悪魔海賊は、オーシャンボールから一旦出て海賊船甲板でお昼寝やお茶会などをやり始めていた。話題はもちろん、猟兵たちの海戦のことだ。
「ワオ、すでに平和に染められた海賊もいるね」
「さすがですー」
 ぱしゃりと海面に顔を出したヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)が言えば、目旗魚のランさんに乗った箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)がにっこりと応じた。
「この平和が続けられるように、我々も頑張らなければいけませんね」
 何せ彼らは素直な悪魔さんたちですから。と仄々。
 きっと先導するものに彼らは染められやすい。
「デビキングによる悪魔契約はきっとブラックで、悪魔さんたちが酷い目に合わされてしまうでしょう」
 そんな目に合わせるわけにはいきません。
 そう言う仄々に「楽しくないことは駄目だよねー」とヴィクトルが応えた。
「それじゃあ残った海賊をがぶがぶ美味しく……じゃなかった、俺は華麗にダイナミックに泳ぎを楽しもうかな。そして海は平和になる。めでたしめでたしー」
 仰ぐように体をくねらせてざぶんと潜行開始するヴィクトル。
「私たちも行きましょうか、ランさん」
 仄々が声を掛ければ、ランさんは立派な上顎を振って海へと潜った。

 ゆっくりと泳ぐこともあるが、今日のヴィクトルはトップスピードを目指しての潜行。速度にも関わらずシャチハットは放られない。すごい。
 ここは海のようなもの――だがヴィクトルのシャチ肌が感じ取るのは海そのもの。全方位に掛かる浮力も彼にとってはないようなものだ。カチカチッとクリックス音を繰り出せばあちらこちらから音波が返ってくる。集中・増幅した音波は明瞭な結果を彼にもたらした。
 海域には仄々もいる。目旗魚のスピードを鑑みて、邪魔になる悪魔を散らす方向でべくヴィクトルも泳ぎ始める。
 滞留する海賊船や悪魔海賊たちを翻弄するように力強い泳ぎで旋回すれば海に流れが発生する。
 対角からはランさんに騎乗する仄々が。
 泳ぐ速度はかなり早く、仄々が必死にしがみついている。よくよく見れば仄々は水の魔力を纏って抵抗を受け流しているようだ。
 ヴィクトルに負けるものかーとランさんが速度を上げれば、彼もまた応えなければならぬ。
 ヴィクトルの頭部が海中を掻き分けて加速した。
 目旗魚と鯱の共演競争が行なわれる海域。
 海流が大きくなりまたは分離して交差して、内から繭が構築されるが如くぐるんぐるん。もちろん、悪魔海賊たちや彼らの乗る海賊船もぐるんぐるんだ。
 洗濯機に放り込まれたみたいに、オーシャンボールの中がひとときの海嵐に見舞われた。
「わー流されるざらしー」
「すんごいざらし~」
「目が回るざらし!!!!」
 ぶわっと体長を大きくさせて喜ぶあざらしアクターがいるかと思えば、翻弄される我が身を落ち着かせようとするあざらしアクターもいる。
 小さく軽い『パイレーツ・ピラット・ピラータ・ゼーロイバー』の海賊団は船が交差する海流によって船が大破し、悪魔たちはあっちこっちへと流されてしまった。
 海域から出て他の海賊船に救助されている。
(「狙い通り、戦いどころではなくなっているようですね」)
 何せ流れが交差する場所は渦が発生している。
 状況を見た仄々がランさんに合図出して急旋回。ヴィクトルの動線から離脱する。
 それは合図だった。
「海での戦い? それはもちろん狩りのことだよね」
 反響定位によって悪魔たちの位置を常に捉えることができるヴィクトルが長柄を振るった。三又銛を投擲する。
 周囲には水の銛。貫かれた海賊船が破壊され、中からさらに放り出される悪魔海賊。
「さあ、追いかけて、齧り付いて――喰い千切れ」
 海の流れが唐突に変化した。
 海中によって象られた大きなシャチがふわふわなあざらしアクターに齧りつき、全身を使ってぶん回した。
 ボールをくわえ遊ぶシャチの如きその姿は、まさに海のギャング。
 満足(?)した勇魚狩りはヴィクトルの元へと戻り、再び狩りの旅へ。
「水シャチの宴、とくとご覧あれ!」
 本日のあざらし狩りは入れ食い状態となった様子。

「すごいですねぇ、ランさんもやってみます?」
 ランさんの鋭利な上顎を見て仄々が問えば、ランさんはだが断るという風に泳ぐのだった。


「ちょ、ちょっと休憩……」
「いぇーがー凄かったざらしね」
「いやもう儂、海賊あざらし引退するしかないざらし」
「ざらっしー」
「キビヤック食べるざらし?」
 猟兵たちの海戦に感動したり翻弄されたり。
 疲れ切った悪魔海賊たちの表情は「きょうもいちにち、たくさん働いた!」という晴れ晴れとしたもの。
「僕達はもう帰るけれども」
「猟兵さんたちはー……?」
 と、海賊たちがオーシャンボールの方を見ればオーシャンボールの探検に乗り出す仄々とランさんがいた。そしてゆったりと泳ぐヴィクトルたち猟兵の姿。
 訪れたついでに泳ぎを楽しんでいくのだろう。
 魔界の一風変わった景色のなかだと新鮮さも感じる海水浴。
 束の間、コンキスタドールの侵略跡地ではバカンス時間が流れるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月10日


挿絵イラスト