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銀河帝国攻略戦⑮~Break Castles

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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#銀河帝国攻略戦


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●グリモアベース
「戦艦をぶっ壊せ、帝国軍に鉄槌をー!!
 っと言うわけで依頼だよ!」
 グリモアベースにてぴょんぴょんと飛び跳ねるグリモア猟兵が一人。
 彼女はソラ・ツキノ。サイボーグのグリモア猟兵だ。

「さーて猟兵のみんなは知ってるかな?
 なんとエンペラーズマインドを突破できたのだー!」

 ぴょんこぴょんこ、ソラは飛び跳ねながら言うと、ばーんとホログラムを展開した。
 そこに映るはエンペラーズマインド。その周りにあるのは無数の艦隊の残骸。
 そう、エンペラーズマインドに再集結した艦隊たちが撃破されたのだ!

「で、今はその奥にある帝国旗艦『インペリウム』を狙ってんだけど、まあ帝国軍も黙って待ってるわけじゃないよね。向こうも防衛艦隊を出して、解放軍を食い止めた!」
 それがこれ! と言いながら、ソラはホログラムをはじいて操作した。
 映し出されたのは、なかなかに強そうな帝国の宇宙戦艦だ。
 もう一つソラがぽんとホログラムをはじくと、今度は動画に変わった。

「っぐぅ! 数ではこちらのほうが有利のはずだ! なぜ突破できん!」
「敵の練度が段違いです!! 臨機応変に対応してきます!!」
「まだ『白城』艦隊の堕ちる時ではない……総員! 死ぬ気で守れ!」
「イエッサー! 解放軍どもに目に物を見せてやれ!」
 映像の中で、解放軍と帝国軍の艦隊が熾烈な戦いを繰り広げている。
 明らかに解放軍のほうが数は多いというのに、帝国軍の艦隊は互角に渡り合っている。
 これは単純に艦隊の強弱の話ではない。
 帝国軍の艦隊が余りにも戦争慣れしているのだ!

「見ての通りだよ。今解放軍は、帝国軍の『白城』艦隊と戦ってる。
 けど向こうの士気と練度が物凄く高くて、今は互角なわけ」
 ソラがパチンと手を打つと、ホログラムの映像は消えた。
 そのあと注目を集めるように、彼女は手を振り言葉を続ける。
「戦場において、士気と練度は余りにも重い。
 長期戦になれば、まず帝国軍が有利と言っていいだろうね」
 ソラは実にあっけらかんとそう言った。
 その言葉が意味するところは、すなわち解放軍の敗北だ。
 猟兵たちがざわめき、ソラは口を開いた。

「じゃ、肝心の依頼内容だよ!」
 ぱちぱち、と空気を変えるように手を叩き、ソラは言う。
「目下のところ問題なのは、『白城』艦隊だ!
 これが帝国の精鋭艦隊で士気も練度も高い。
 だけどその練度っていうのは、優秀な指揮官がいてこそ!」
 ソラはそういうと、じいっと猟兵たちを見つめた。

「ってわけで、猟兵諸君にやってもらうのは、この隊長艦を落とすこと!
 これが落ちれば士気も下がるし、練度は多少陰りが出ること間違いなし!」
 パチンとウィンクをしながら、ソラは言う。
「レッツゴーイェーガー! この艦を落とせばかなり楽になるはずだ!
 スペースシップワールドの未来は君たちの手にかかっている!」


苅間 望
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 艦隊戦だ! 宇宙を飛び交えイェーガー!
 初めまして or こんにちは。苅間望です。
 このシナリオは見ての通り銀河帝国攻略戦の一つです。
 そして、難易度が少し高めの『やや難』です。ご留意を。

 皆さんの素敵なプレイングをお待ちしております!

 さて、以下はアドリブや絡みについてです。一読しておいて貰えると助かります。
『アドリブについて』
 ※OKとあれば、アドリブが多めに入ります。
 ※NGとあれば、プレイングに従い、出来る限りアドリブを排します。
 何も無ければ少しアドリブが入ります。
『絡みについて』
 ※絡みOKとあれば、私の一存で他の猟兵さんと絡ませたりします。
 協力してプレイする! という場合は、「この旅団の人とやる!」とか、「この猟兵さんとやる!」というのをプレイングに書いてもらえると助かります。

 その他、何か気になった点などがあればお手紙をくださいませ。
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第1章 ボス戦 『帝国宇宙戦艦』

POW   :    フルバースト・コズミック
【全砲一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    デストロイレーザー
【10秒間のエネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【主砲からのレーザー砲撃】で攻撃する。
WIZ   :    インペリアル・マカブル
【自身の稼働可能時間】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帝国式鏖殺形態】に変化させ、殺傷力を増す。
👑15
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルリア・アルヴァリズ
アリア(f10811)と連携

対艦戦闘は始めてだね
指揮艦を落とせなんて簡単に言ってくれるけどやる方は大変だ
さて、小言はここまでにして仕事に行こうか

【WIZ】
アリア君は人間だからね
準備している間は無防備だろうから私が運んであげようか
方向指示はアリア君に任せて私は飛ぶことに専念するよ

と言っても私も何もしないわけには行かないからね
ユーベルコードで炎を纏わせた隕石を降り注がせようか
それに紛れて近づければ後はアリア君がやってくれるだろう
もちろん私のこれで墜ちてくれてもいいけどね

アドリブ歓迎


アリア・ヴェルフォード
ルリア(f10775)と連携

さーやって来ましたよ!
敵は戦艦!舞台は宇宙!やりすぎても怒られませんね!
私のフルパワーをお見せしましょう!

【POW】
移動はルリアに任せて私は『見切り』を用いての方向指示を行います!
そして『理幻断つ極煌』を聖剣と邪聖剣に付与しましょう!
もし戦艦にシールドとか張ってても撃ち抜けますからね!
そして極限まで魔力を溜めこんだ『属性攻撃』と『衝撃波』を組み合わせた『聖光闇勝利剣』をぶっ放します!

アドリブ歓迎



●シールドを打ち砕け!
 パッパッ、と宇宙空間に光線が飛び、爆発が起こる。
 睨みあうのは、解放軍と帝国軍の宇宙艦隊。
 数では負けている帝国軍は、士気と練度を以て互角に渡り合っていた。
 恐るべし『白城』艦隊。
 解放軍の艦隊とは、士気と練度に歴然とした差があるのだった。

「さーやって来ましたよ!」
 解放軍の宇宙船甲板からそう言うのは、アリア・ヴェルフォード。
 金髪碧眼の若き二刀流剣士、それが彼女だ。
 トレードマークのアホ毛が、ぴょんこぴょんこと踊り跳ねる。
「敵は戦艦! 舞台は宇宙! やり過ぎても怒られませんね!
 私のフルパワーをお見せしましょう!」
 アリアはその碧眼で『白城』艦隊を見据えていた。
 そこにあるのは怯えでも恐怖でも、はたまた怒りでもない。
 底知れぬ元気と陽気さだ!

「対艦戦闘は初めてだね」
 アリアの隣で艦隊を見つめて呟くのは、ルリア・アルヴァリズ。
 アリアとは対照的な銀色の髪が、星々の輝きを受けてキラキラと輝いている。
「指揮艦を落とせなんて簡単に言ってくれるけど、やる方は大変だ」
 全くである。いくら猟兵とは言え、人vs艦隊なのだから。
 ルリアの視線の先には、『白城』指揮艦があった。
 当然のことながら、指揮艦は手厚い防衛網の向こうだ。
 しかも船自体がシールドを貼っており、それ自体かなり頑丈だろう。
「さて、小言はここまでにして仕事に行こうか」
 ルリアはそう言って、アリアの方を向いた。

「アリア君、どうやって攻める?
 敵の防衛網は厚く、指揮艦はシールドを張っている。一筋縄では行かないよ」
 そう言いながらも、返答は知っていると言わんばかりにルリアは微笑む。
 アリアは両手袋から二本の剣を引き出した。
 一方は聖なる光を、他方は黒き極光を宿した剣だ。
「勿論、シールドごと撃ち抜きます! 私には出来ますから!」
 アリアは自信満々にそう言い放った。
 自信過剰なのではない。アリアは本当にそれが実現できるのだ。
 それがたとえ、どんな攻撃を弾くシールドであったとしても。
「そう言うと思ったよ。準備にはどれくらいかかるかい?」
「それほどは。ただ出来るだけ直前で行いたいので……」
 アリアが上目遣いでルリアを見る。
「いいよ。じゃあ私がアリア君を運ぼうかな」
「ありがとうございます!」
「方向指示は君に任せるよ。じゃあ、行こうか」
「はいっ!」
 アリアはルリアの背におぶさる形で抱き着く。
 ルリアはしっかりとアリアを背負い、甲板から飛び立った。
「ルリア・アルヴァリズとアリア・ヴェルフォード、出撃します」
「行ってきます! 見ていてくださいよ!」
 そして二人は、星の海へ突入した!

●牙城を突き崩せ!
 そこは、解放軍と帝国軍の艦隊が睨みあう大海原だ。
 墨を流したように真っ黒な宇宙に、宝石のような星が輝いている。
 その中を飛び交うのは、無数の光線に弾丸だ。
 時折光線が命中し、どこともなしに爆発が起こる。
 そんな、無数の光に彩られる星の海だ。

「やっぱり攻撃が激しいね。防衛網も厚い……」
「ルリアさん、横に回避してください!」
「……おっと!」
 二人は星の海を飛び、指揮艦へと向かっていた。
 蒼い光線が掠めて、後方へと飛んでいく。
「この宇宙の中でも、良く見えるね」
「伊達に鍛えていませんから!」
 ルリアの言葉に、アリアが微笑む。
 ルリアが魔法で宇宙を飛び、アリアが相手の攻撃を見つつ指示を出しているのだ。
 アリアの指示は実に的確だ。
 次に飛んでくる攻撃を避け、防御網の薄いところを潜り抜けていく。
 しかし、薄いとはいえ全くないわけでは無く……。
「ビームが来ます!」
「大丈夫、反応できる」
 様々な色のビームが、二人を掠めていく。
 弾丸があちらこちらを飛び交っていく。
 だが弾は、二人に届くことはない。

「さて、そろそろだね」
「はいっ」
 ルリアの言葉に、アリアは頷いた。
 二人は防衛網を抜け、指揮艦へと一直線に飛んでいた。
 元より艦隊戦を想定した防衛網。
 宇宙を飛ぶ猟兵を締めだしきることなどできなかった。
「では、準備を始めますね。『道理や虚構も全て斬れぬことはなし!』」
 アリアが詠唱を行う。
 すると、魔法陣が現れて、二本の剣を覆っていく。
 聖なる光を宿した聖剣も、黒き極光を纏う邪聖剣も、魔法陣によって強化されていく。
 その魔法陣は、アリアのユーベルコード、【理幻断つ極煌】によるものだ。
 魔法陣に記述されているのは、あらゆる効果・能力・耐性を貫通する術式。
 そしてそれを、武器に搭載していくのだ。
 どのような壁も、盾も、シールドも突き崩す力を得て、二本の剣は凄まじい気を放つ。

「それでは私も。『理さえ捻じ曲げて今ここに災厄を起こさん』」
 ルリアも詠唱を行い、ユーベルコードを展開する。
 【エレメンタル・ディザスター】。
 属性と自然現象を合成した現象を作り出すというユーベルコードだ。
「隕石も自然現象だ。そうだろう?」
 ルリアが告げると、轟、と虚空から炎を纏った隕石が現れた!
 しかも大小さまざま、かなりの数だ。
 帝国艦隊は隕石を迎撃するため、全砲一斉射撃を放つ。
 が、一度で全てを破壊できるわけではない!
 辺り一面が爆発の業火に包まれる!
 しかし更に、どんどん隕石が流れ込んでいく!
「これくらい出せばいいかな。後は頼んだよ、アリア君」
 ルリアは微笑み、そう呟く。
「ええ、ではお見せしましょう、私の力を!」
 アリアはそう答え、ルリアの背中から飛び立った。

 隕石に光線や弾丸が命中し、無数に爆発を起こす。
 その中を飛び、アリアは指揮艦へと一直線に向かっていく。
 もはやアリアを狙って攻撃が行われる事はない。
 隕石が障害物となり、帝国軍はそもそもアリアを補足出来なくなっていたのだ!

「これが指揮艦……!」
 聖剣と邪聖剣を構え、アリアはじっとその戦艦を見据えていた。
 強大なシールドが張られており、どのような攻撃も通る隙間がないかのように思えた。
 しかし。
 アリアにとってそのようなシールドは、何の問題にもならなかった。
「行きますよ! 光と闇の奔流、受けてみよ! エックス・カリバー!」
 二本の剣を振り上げ、轟と振り下ろす。
 そこから放たれたるは、聖光と極黒が入り交ざる特大の斬撃波!
 【聖光闇勝利剣】。二本の剣による斬撃波の一撃を叩き込む、アリアのユーベルコードだ!
 今はそこに、あらゆる耐性を貫通する術式も乗っている!

 轟、と斬撃波がシールドに命中する。
 着弾地点から、ぴしぴしとシールドに罅が入って行く。
 そしてやがて、空間そのものを振動させながら、シールドが全て砕け散った!
 斬撃波はそこで止まらず、砲台をいくつか消し飛ばしていく!

「ふぅ……案外硬いシールドでした!
 そのまま全部ぶった切れると思ったんですけどねえ」
 自身の成果を見ながら、アリアが呟いた。
「十分な成果だと思うよ。あの戦艦の鎧は無くなったんだ。
 他の猟兵たちは攻撃を通せる。アリア君は道を切り開いたんだ」
 そんな様子を見ながら、ルリアが傍へ飛んできながら言った。
「じゃあもう一閃……」
「流石に警戒が強くなってきた。ここは一旦引いた方が良い」
「おっと、そうみたいですね!」
 アリアが辺りを見回すと、確かに他の帝国軍宇宙戦艦がこちらへと向かっているのに気付いた。
 防衛網を抜け、指揮艦のシールドをぶち抜かれたのだ。
 恐らく帝国軍は、てんやわんやとなりながら指示を出しているのだろう。
「では再び背中をお貸しください!」
「良いよ。じゃあ行こう」
 そして敵戦艦が集結するより先に、二人は戦線から離脱した。

 道は切り開かれた。
 後は戦艦そのものを撃墜するのみだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
いかにして懐に潜り込むかが、
勝負の分かれ目ですね

反重力シールドに乗って、
敵艦の周囲をぐるりと遠巻きに回ります
そうして突入するのに適した角度を見極めたら、
タイミングをはかって突入開始

対宙砲火も受けるでしょうが、
熟練の砲兵といえど、
小さくて速い的に当てるのは簡単ではないはず

それに、宇宙空間での高速機動戦は、
私のもっとも得意とするところです
「騎乗」「空中戦」「ダッシュ」技能を存分に活かし、
最高速度を維持したまま回避しきってみせる
「宇宙の騎士」の名は伊達ではありません!

狙いは司令塔か機関部です
ある程度敵艦に接近したら、
ユーベルコード「彗星の重力加速度」を発動
更なる加速をつけて、
敵艦の急所を貫きます



●敵陣へと突入だ!
「ふむ……数が少ないながらも見事な連携ですね」
 解放軍の宇宙船甲板から空を見上げるのは、ユーイ・コスモナッツ。
 白と空色の、爽やかな宇宙騎士服を身に纏い、彼女が見るのは帝国艦隊。
 今も解放軍と戦いを続ける、『白城』艦隊の船たちだ。
「本当ならもっと厚い防衛網だったでしょうが、これなら行けます」
 ユーイは透き通る緑色の瞳で、艦隊を観察していた。
 先鋒として道を切り開いた猟兵たちのお陰で、指揮艦のシールドは破壊されている。
 その上、その犯人を捜すために、防衛網が多少崩れているのだった。
 ……もうその犯人たる猟兵たちは、戦線から一旦離脱しているのだが。

「よし、突入経路は見えました。ブースト・オン!」
 ユーイは傍らに担いでいた、反重力シールドを起動した。
 煌々と反重力フィールドを展開し、シールドは勝手に浮き上がった。
 元よりここは宇宙? 然り。
 地上であれば、反重力は浮力と推力の両方に回さなければならない。
 しかし宇宙は元より無重力。
 そのため、シールドのエネルギーを全て推力へと回す事が出来るのだ。
 重力の軛から解き放たれたシールドは、いかほどの速力であろうか。
 ……それは、今から分かる。
 ユーイはシールドの上に乗り、問題がないかどうかを確認する。
 特注ソールシートの『GALLOPPY-30XX』は、問題なくビンディングの役割を果たしている。
 シールドのエネルギーも問題なし。反重力フィールドも問題なし。
「いけそうですね!」
 ユーイは空を見上げ、一隻の船を見据えた。
 『白城』艦隊の防衛網奥、油断なく戦場を見渡せる位置に浮かぶ船。
 ……『白城』艦隊の指揮艦だ。

「かつては同胞だったかもしれませんが。
 銀河帝国の手先となり、人々の敵となったのであれば話は別!
 今からあなた達に、解放軍の鉄槌を下しましょう!」
 スペースノイドのユーイは、敵艦を見据えて宣言する。
 シールドにエネルギーがチャージされ、高周波が零れ出る。

「騎士の誇りのもとに! ユーイ・コスモナッツ、行きます!」

 瞬間。エネルギーが爆発するように解放された。
 凄まじい衝撃波を放ちながら、弾かれたようにユーイが飛び立った!

●空駆ける宇宙の騎士
 それはまるで流れ星の様だった。
 星の海を一直線に、光線と弾丸を掻い潜り、ただひたすら飛ぶ一条の光。
 それは余りにも速かった。
 帝国軍の宇宙艦隊は対宙防衛機銃で撃ち落とそうとする。

 しかしユーイは、弾丸などよりも遥かに速かったのだ!
 それはまさに、戦場を駆ける流れ星だった。

(いかにして懐に潜り込むかが、勝負の分かれ目ですね)
 シールドを完璧に操り、見事なテクニックを見せながら、ユーイは冷静に考えた。
 それは防衛網を突き抜け指揮艦まで辿りつく、という意味でもあり。
 指揮艦の対空装備を掻い潜って懐に潜り込む、という意味でもある。
 戦艦の弱点は、至近に潜り込んだ敵への対処方法が少ないところだ。
 それをカバーするため、小型のスペースシップが随伴していたり、対宙機銃があるのだが……。
(敵の戦艦に随伴機はなし。対空砲と対宙機銃があるくらい……。
 それなら、私の速度にはついてこられません!)
 ユーイはそう考え、更に速度を上げた。
 重力の軛から解き放たれた反重力シールドは、目で追うのが難しいほどの速さを見せる。
 乗っているユーイの周囲が、前方から後方へ流れる線のような風景になる。
 恐ろしい速度だ。慣れていない人間ならば、この状態で操作するのは不可能だろう。
 しかし、ユーイにはそれが出来た。
 
 「宇宙の騎士」の名は、伊達ではない。
 この戦場のユーイを見た猟兵ならば、全員納得するだろう。

 ユーイは最高速度を維持したまま防衛網を突き抜け、指揮艦の方へと飛んでいく。
 勿論、指揮艦も模型では無い。
 無数の対宙装備を全て起動させてエネルギーを充填し、一斉砲撃を行う!
(私なら行けるはず!)
 ユーイはその確信と共に、弾幕の中へと突入した!
 無数の弾丸が傍を掠める。
 蒼いレーザーが近くを飛び、ユーイの顔を蒼く照らす。
 砲弾は鈍くてそもそも近くまで来ない。
 エネルギー照射系武器もまた同じ。
 どんな兵器も、ユーイに掠る事すらなかった!

(次はタイミングを見計らって……)
 ユーイは指揮艦の周囲をぐるりと遠巻きに回り始めた。
 突入するのに適した角度と、タイミングを見計らっている。
 そもそも凄まじい速度が出ているため、常人の目では観察すら出来ないだろう。
 指揮艦は未だに攻撃も続けている。
 だというのに、ユーイは攻撃を回避しつつ、神速の世界でじっと敵を見つめていた。

 やがて、指揮艦の砲撃が薄くなった。
 エネルギー再充填か、弾丸装填か。おおかたそのような理由だろう。
 しかし、その僅かな隙を見逃すユーイでは無かった。
「今です! 突撃ィー!!」
 ユーイはシールドを見事にターンさせ、そのまま敵艦の機関部へと突入した。
 【彗星の重力加速度】。
 ユーイのユーベルコードだ。
 そしてそれは、最高速度のシールドから放たれる、急降下突撃だ!
 単純明快な一撃。故に凄まじく重い!

 その一撃は。
 一人の猟兵から放たれたとは思えない、大きな爆発を起こした。

 「……どうだっ、これは効いたはず!」
 ユーイは即座に離脱して、後方の指揮艦の爆発を見つめた。

 超高速の一撃は、見事機関部付近へと命中。
 指揮艦の戦闘、機動能力は大きく損なわれたことだろう。

 戦艦の鎧たるシールドが破壊され、次は心臓たる機関部が壊された。
 次なる標的は武器か、頭か。

大成功 🔵​🔵​🔵​

一駒・丈一
『白城』の実力と練度、見させて頂こう。

SPD重視。
俺のような素早さくらいしか取り柄の無いものは、
一撃の威力が劣る故……このような大物相手に真正面で挑んでもあまり役には立たんだろう。

故に、俺は敵の砲身のみを重点的に狙い攻撃を行うとしよう。
敵のレーザー等の砲撃を、これまでの『戦闘知識』を元に可能な限り『見切り』つつ
宇宙上に漂う戦艦の残骸や小隕石、デブリ等を足場にしながら相手との距離を詰め
そしてユーベルコードの『罪業罰下』で
視認できる砲身を一閃する。

決して船を沈める一手には至らぬだろうが
これで敵の攻撃の手が緩めば、他の仲間も攻撃を打ち込みやすくなるだろう。

この方針で敵の戦力を削る。
※アドリブ共闘OK


東郷・三笠
精鋭艦隊か
腕が鳴るな!
さぁ、行こう諸君!

鼓舞6、存在感5で鼓舞
怯むな!数を撃っているだけだ
足を止めるな
そうそう当りはせん!

空中戦12、ジャンプ6、ダッシュ5で三次元移動をしつつ残像1、見切り1で攻撃を躱しながら接近

先制攻撃4、一斉発射11、範囲攻撃3を用いて『タケミカヅチ』を使いフルバースト・マキシマムを使用
範囲内の敵を全て潰す
砕け散るがよい!

勇気2、覚悟2、恐怖を与える2、殺気2、怪力11、鎧無視攻撃10、先制攻撃4を用いて『布都御魂』を使ってブリッジを強襲
指揮官を潰してしまえば機能不全にできよう

敵の攻撃は盾受け9を用いてアサルトシールドフィールドで防御

アドリブで他の方との絡み歓迎



●指揮官を倒せ!
 指揮艦のシールドは破られ、機関室も機能不全に陥った。
 その影響は、『白城』艦隊にじわじわと出ている。
 防衛網が乱れてきているのだ。
 解放軍はここぞとばかりに攻め立て、帝国軍を押している。
 あと一押しで、『白城』艦隊を打ち破れることだろう。

 そんな様子を、解放軍宇宙船の甲板から二人の猟兵が見ていた。

「ふむ……『白城』の実力と練度、見させて頂こう」
 冷静に艦隊を観察しているのは、一駒・丈一。
 金の瞳に艦隊戦の爆発が映り、時折赤く揺らめいている。
 丈一が考えているのは、どのようにすれば敵の攻撃を打ち崩せるか。
 指揮艦の武器を破壊すれば、もはや戦場では役に立たなくなるだろう。
(……しかし俺のような素早さくらいしか取り柄の無いものは、一撃の威力が劣る。
 故にこのような大物相手に真正面で挑んでも、余り役に立たんだろう)
 そのため、丈一は観察し、思案しているのだ。

「精鋭艦隊か。腕が鳴るな!」
 見事な敵を相手にして、気分の高揚を隠さないのは東郷・三笠。
 威風堂々、自身に溢れた表情の、スペースノイドの女傑だ。
 宇宙艦隊所属の大将でもある三笠にとって、此度の敵は待ちに待った馳走というべきか。
 そんな三笠は、その馳走たる『白城』艦隊をどう攻略するかをざっと考えていた。
 幾通りかをシミュレートし、敵を過小評価せず味方を過大評価せず。
 ……とはいえ、気分の高揚でつい火力押しの作戦を考えていた。

「さて丈一君、どう考える?」
 口火を切ったのは三笠だ。士官であり指揮官でもある三笠は、丈一を見つめた。
「敵は既にシールドと機関室に攻撃を受けている。
 落ちるのは時間の問題だが、やはり指揮官の存在が大きいな」
 思案の末、丈一が口を開いた。
「ほう、何故そう思う丈一君?」
「通信が繋がる限り命令は出せるからだ。現に士気はともかくとして、練度に影響は出ていない。
 未だ敵は臨機応変に、状況に対応している」
「然り。であるならば、やはり敵の要は指揮官。戦艦では無いぞ。指揮官そのものだ!」
 三笠がそう言うと、丈一は少々考えた。
「……成程。指揮官をどうにかすれば、士気も練度も落ちるか。
 戦艦そのものを撃破する必要はない、という訳だな」
「我はそう考えた。丈一君はこの作戦をどう考える?」
「問題ないとは思うが、火力は足りるのか?
 俺は、一撃の威力はそれほど高くない。代わりに速さには自信があるが」
 丈一がそう言うと、三笠は実に自信満々な笑みを浮かべた。
「ふふん。我のこのアームドフォートの力をお目にかけよう。
 『タケミカヅチ』。徹底的に火力を追求した逸品だ」
 三笠は腰付近に展開されている、二つの巨大な砲塔を指し示した。
 冷静な指揮官たらんとしている三笠は、しかし火力至上主義でもあった。
 火力で押し切れるのであれば、策を弄する必要などない。そうではないだろうか?
「なるほど。それならブリッジ襲撃は三笠に任せよう。
 俺の仕事は、敵の武器の破壊だ」
「宜しく頼むぞ。さて、それでは行こうか! 東郷・三笠、出撃する!」
「一駒・丈一、出る」
 二人は共に甲板から飛び立ち、指揮艦を目指した。

●武装を奪え
「おっと……中々激しいな」
 防衛網付近に近付くと、無数の弾丸が宇宙を飛び交い始めた。
 戦艦の残骸や小隕石、デブリといった大きな障害物を足場にして、丈一は進んでいく。
「怯むな! 数を撃っているだけだ。足を止めるな、そうそう当たりはせん!」
 そう言いながら三笠は進む。
 艦隊に対宙放火装備は積まれているが、人間サイズの物を正確に狙えるような物では無い。
 スペースノイドの三笠はそれを知っており、故に臆することなく進んでいった。
「とは言え気をつけないと、まぐれ弾は当たるかもしれないぞ」
「それは避けろ! 足を止めなければ問題ない!」
 二人は三次元移動をし、敵の攻撃を見切り、障害物を盾にしながら進んでいく。
 時に、帝国の宇宙船が道を塞ぐ。
「我等の道を邪魔するな!」
 だが、三笠のタケミカヅチによる攻撃には手も足も出なかった。
 囲まれようとも、ユーベルコード【フルバースト・マキシマム】を行って吹き飛ばしていく。
「……見事な火力だな」
「そうだろう。そうだろう! 火力は良いぞ、丈一君!」
「俺は身軽さの方を優先したからな……」

 やがて防衛網を抜けると、機関部に穴の開いた指揮艦が見えた。
「目標はあれだな。先行するぞ」
「頼む」
 三笠が頷くのを見ると、丈一は素早く指揮艦の方へと飛んでいった。
 機関部が破壊されたとはいえ、指揮艦は未だ動き続ける。
 無事な武装が起動していき、丈一を狙う……。
 だが、丈一の技の方が早かった。
「『これにて終いだ。余罪は地獄にて禊がれよ』……俺の方が早かったな」
 構えた『介錯刀』を居合の要領で一閃する。
 すると遠く離れた戦艦の砲身が、両断され、爆発していった。
 丈一のユーベルコード、【罪業罰下】だ。
 己に課せられた因果を一時的に逆転する事で、視認している対象を一閃するのだ。
 その射程距離は、なんと484メートル。
 地上戦であれば、戦場の何処でも斬る事が出来るほどの、凄まじい距離だ。
(とは言え、今回は宇宙だった訳だが)
 そう、宙間戦闘においては484メートルは、戦場の一角くらいだろうか。
 それ故に、ある程度近づかなければならなかった。
「全てでは無いが、砲身はかなり落としたはずだ。後は頼んだぞ」

●頭を奪え
「無論! これより先は我の仕事だ!」
 丈一の成果を見て、三笠は大きくうなずいた。
 そして攻撃の飛ばぬ宇宙を駆け、指揮艦へと突撃していく。
 凄まじい速度を乗せて、『布都御魂』の柄を握りしめ。
 三笠の向かう先は、指揮艦のブリッジだった。

 斬。
 電磁誘導機構による超高速抜刀により、ブリッジの壁を切り飛ばす。
 壁に一筋の切れ目が入り、二筋目が入り……やがてバラバラと崩れていった。
「頼もう! 『白城』艦隊の指揮官殿はこちらかな?」
 どよめくブリッジの中に降り立って、三笠は辺りを見渡した。
 勿論帝国軍兵士も木偶では無い。直ぐにサーベルやブラスターを抜き、三笠へと向かって行く。
 しかし。
「甘いな! 上等なのは艦隊のみか? 訓練からやり直して来い!」
 『布都御魂』を握る三笠の敵では無かった。
 恐ろしい切れ味の刀である『布都御魂』は、サーベルやブラスターごと兵士を一閃していく。
 一振り一殺。とは言え今はオブリビオンの彼らに、命はあると言っていいのだろうか。
「……っ、解放軍め、ここまで来たか……!」
「おお。貴方が指揮官殿かな?」
 ブリッジ内に、ただ一人残った兵士が三笠を睨みつける。
 三笠は実に飄々とした様子で、兵士を見つめていた。
 刀を振り、刀身についた鮮血を払い落す。
「『白城』艦隊の指揮、実に見事な手腕だった。とは言え白兵戦は頂けないな。
 宇宙に居すぎて、身体が鈍ってしまったか?」
「……そうかもしれん。が、そんな事はどうでも良い。
 私は皇帝陛下に命を捧げた身、ここで貴様を倒して解放軍を打ち倒す!」
 兵士はサーベルを抜いて三笠へと突撃する。
 サーベルが振り上げられ、三笠へ直撃する……かと思われた。
 しかし、その刃は宙で止まった。見えぬ壁に阻まれたかのように。
「何……ッ!?」
 三笠の『アサルトシールドフィールド』だ。全周囲展開型のエネルギーシールドである。
 それが、突如として砕け、衝撃波にも似たエネルギーが周囲に拡散される。
 兵士はそれに呑まれ、壁にたたきつけられた。
「短い間だったが、これにてお別れだ。さらばだ、指揮官殿」
 三笠はそう言って、『布都御魂』を振り下ろした。
 斬。

 ……しかし、何故か兵士は、死ぬ寸前に笑っていた。ような気がした。

「こちらは終わった。直ちに離脱するぞ」
 奇妙な違和感を覚えた三笠は、即座にブリッジから飛び立った。
「どうだった?」
「白兵戦はてんでダメだ。盤上遊戯がお得意な方々だったのだろうな」
「まあ宙間戦闘ならそうなるものじゃないのか? 白兵戦なんてしない……ん?」
 ふと、丈一は違和感を覚えて後ろを振り向いた。

 ……ブリッジの人員が全滅したにも関わらず、戦艦が何故か動いていた。

「何故動いているんだ? ブリッジが全滅したなら動かせる人間なんて……」
「……ああ成程。謀られた、いや我らが勝手に勘違いしていたのか」
 三笠は悔しそうに呟き、丈一は訳が分からないという風に尋ねた。
「どういう事だ? 何があるんだ、あの船には」
「あの戦艦を動かしているのはAIだ。人じゃない!
 ブリッジに居たのは、いわば観測官や技師官に過ぎない。通りで白兵戦が弱い訳だ!」
「……という事はどうなるんだ。指揮官はまだ死んでいないって事か」
 丈一がそう言うと、三笠は悔しそうに頷いた。

 船の鎧たるシールドは打ち砕かれ、心臓たる機関部も壊された。
 武器たる砲身は幾つも斬り飛ばされ、頭たるブリッジは壊滅した。
 ……しかし純粋な機械たる指揮艦は、未だ動き続ける。
 『白城』艦隊に命令を送り続け、解放軍と戦い続ける。

 次なる標的は、その機械そのもの。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

宮落・ライア
む?もしかしてデストロイレーザー撃てない?
へいへい気張れ気張れ元気と気合でどうにかしてかかって来い!

その主砲の砲撃を戦意ごと叩き切ってあげるから。

切り捨てると言う【覚悟・鼓舞・力溜め】
その後【怪力・捨て身の一撃・薙ぎ払い・衝撃波・森羅万象断】
でぶった切る。
真正面から、正々堂々、全力全霊で、馬鹿みたいに立ち向かう。
死なない程度の痛みは【激痛耐性】で無視だ無視。
それぐらいの事じゃ逃げる理由にも怯む理由にもならないから。
ただ目の前に英雄譚になりえるチャンスがあるんだから。

【森羅万象断】
今その斬撃が届くのは500mと少し。
それでも、森羅万象を切り裂く為に作られた技。



●主砲を貫け
 ブリッジを壊され砲身をいくつか失い、それでも指揮艦は動き続ける。
 とうの昔に人の手を離れたコンピューターが、永遠に演算し続ける。
 機関部が壊れようともシールドが壊れようとも関係はない。
 ただその身体が滅び去るまで、『指揮艦』は命令を出し続ける……。

「む?」
 他の猟兵からの報告を聞いて飛んできた宮落・ライアは、指揮艦を見てある事に気付いた。
 指揮艦は、既に色々な所が壊れていながら、未だ動き続けている。
「もしかしてデストロイレーザー、一発も撃ってない?」
 そう、戦艦の主砲から放たれるレーザー砲撃が、碌に飛んでこないのだ。
 それは撃てないのか、撃たないのか。
(これは多分、『撃たなかった』だね)
 他の猟兵の情報を思い出しながら、ライアはそう推測した。
 今まで指揮艦へと向かった猟兵たちの戦法は……。
 範囲攻撃で攪乱しつつ、強大な一撃を叩き込む。
 超高速航行により狙われるより速く飛び続ける。
 武装を破壊しつつブリッジの殲滅。
 ……という感じだった。
 前者二つにおいては、レーザー砲撃は対して効果が無かっただろう。
 後者においては、人間サイズの猟兵を甘く見た、という所か?
 そこで何故ライアが『撃てない』ではなく『撃たない』と推測したのか。
(だってその主砲だけ無事だからね)
 ライアの赤い瞳は、じっと指揮艦を見つめていた。

「ボクのやる事は一つ……アレの破壊だね」
 ライアは指揮艦を見据えて考えた。
 『白城』艦隊なる精鋭部隊。数の不利を士気と練度で覆している恐るべき艦隊。
 それは解放軍にとっては、余りにも強大な敵だった。
 多少訓練を積み戦えるようになっただけに過ぎない解放軍では、やがて敗北するだろう。

 強敵を薙ぎ払い、解放軍の道を切り開くのは至難の業だ。
 それを成し遂げるのは猟兵の仕事……そして英雄の仕事だ。
 となれば、ここには英雄譚の可能性が秘められている……そうではないだろうか?

「主砲の砲撃を戦意ごと叩き切ってあげるから」

 ライアは胸に強い覚悟を秘めて、顔を上げた。
「宮落・ライア。行きます!」
 掛け声と共に、ライアは指揮艦めがけて飛び出した。

●全てを打ち砕け!
 主を失い人を失い、しかし指揮艦は動き続ける。

「へいへい気張れ気張れ元気と気合でどうにかしてかかって来い!」
 ライアは叫んで挑発する。
 その声に応えてか、或いは脅威と見做したか。
 指揮艦はようやく主砲を起動した。
 機関部が壊れても予備電源はある。そこからエネルギーをチャージし始める。

 ライアはその指揮艦に、真正面から、正々堂々と向き合った。
 武器を構え、覚悟を決めて自分を鼓舞し、力を溜める。
 全力全霊で立ち向かう。
(思っていたより敵の攻撃は少ないな。それもそうか。
 もう指揮艦はボロボロだもんね)
 怯まず竦まず狼狽えず、ライアは武器を構えて指揮艦を見据える。

 そして。
 ようやく、デストロイレーザーが放たれた。

「鋼も、山も、海も、空も、空間も…断ち切ったあの記憶にはまだ届かない。
 それでも『まだ』だ!」
 ライアは叫ぶ。記憶の間隙、過去の自分との隔たり。それは未だ、届かない。
 けれどその思いは、形となり、刃となる。
 【森羅万象断】。529mまでの視認している対象を、裂帛の気と共に斬撃で攻撃する。
 それは、森羅万象を切り裂くために作られた、ライアのユーベルコードだ。

 森羅万象断は、デストロイレーザーさえも斬り飛ばした。
 そのまま斬撃は主砲を……そして指揮艦そのものを斬り抜いていく。
 やがて、大きな爆発と共に、指揮艦は爆発した。

「で、出来た!」
 ライアは快哉を叫んだ。
 彼女の手によって、指揮艦は完膚なきまでに爆散したのだ!

 AIで動いていた指揮艦はこれで撃破され、命令を出せなくなった。
 『白城』艦隊の士気は落ち、練度は乱れる。
 やがて解放軍は、帝国軍艦隊に勝利するだろう――

 ――そして目指すは帝国旗艦『インペリウム』。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月18日


挿絵イラスト