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銀河帝国攻略戦⑯~ユニバーサル・ジャム

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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#銀河帝国攻略戦


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 漆黒の宇宙空間を、一隻のスペースシップが航行している。銀河帝国に対抗すべく、解放軍に合流したスペースシップのうちのひとつだ。
 帝国艦隊を見事打ち破り、次の戦場へと進んでいたときである。ブリッジで業務にあたっていたオペレーターの一人が、友軍からの信号をキャッチした。
「ん? これは……艦長、友軍からの通信回線です」
「む、定時連絡には早い時間だが……まあいい、開いてくれ」
 オペレーターが通信回線を開くと、スピーカーからノイズ混じりの奇妙な音楽が流れてきた。アップテンポのドラムンベースに乗せて、エレキギターの歪んだ音や人の悲鳴、獣の鳴き声のようなものが聞こえてくる。
「……? なんだ、この音楽は?」
「気持ち悪い……この音、止めて! 聴きたくないっ!」
 徐々に音量が上がってくる奇怪な音楽に、ブリッジが混乱し始める。オペレーターは通信を切ろうとしたが、なぜか音楽は鳴りやまない。次第に体に起こった異変を訴えるクルーが現れはじめた。錯乱して仲間に暴行を加える者、失神したまま起き上がらない者もいる。
「これは、帝国軍の工作……!」
 大音量で鳴り響く奇怪な音声に心身を蝕まれ、艦長の意識は闇に落ちていった。

 所変わって、猟兵たちの拠点グリモアベース。今日も様々な世界からやって来た猟兵たちが、戦場へと旅立っていく。その片隅にある広場に、赤い髪の女が立っていた。グリモア猟兵のガーネット・グレイローズだ。
「~♪」
 ガーネットは鼻歌を歌いながら、オーケストラの指揮者になりきって指揮棒を振るう真似をしている。かなり楽しそうだ。
「! ……なんだ、もう来ていたのか。恥ずかしいところを見せてしまったな」
 猟兵たちが後ろから彼女に近づくと、その気配を察したのか、驚いて気恥ずかしそうに姿勢を正して向き直った。
「まずは銀河帝国攻略戦の最中、よく来てくれた。知っての通り、戦局は新たな局面を迎えている」
 猟兵たちの連日の奮闘により、ついに宇宙大要塞『エンペラーズ・マインド』の攻略に成功。猟兵たちが加わった解放軍は、勢いを増してさらに戦線を押し上げている。これにより、帝国軍幹部らの陣営にまで攻め込むことが可能となったのだ。
「さて、今回は少し変わった任務にあたってもらうことになった。……突然だが、諸君は音楽は好きかい? 好きなジャンルはあるか? ちなみに私は、クラシックが好きだ。特にドヴォルザークやヨハン・シュトラウスなどがいいね」
 集まった猟兵たちから、様々な回答が返ってくる。ロック、ジャズ、クラシック、ヒップホップ。サムライエンパイアの伝統芸能や、アックス&ウィザードの民族音楽を挙げる者もいる。
「なるほど、ありがとう。……音楽は素晴らしいな。心を豊かにしてくれる。だが帝国軍はあろうことか、音楽を兵器に転用して人々を洗脳しようとしているんだ。君たちにはこれから、黒騎士アンヘルが率いる『クライングシェル艦隊』への妨害作戦に向かってもらいたい!」
 作戦の概要はこうだ。クライングシェル艦隊は音楽兵器『洗脳音楽通信』を解放軍のシップに向けて放送し、それを聞いたシップの人々に精神攻撃を加えているのだ。それを聴いた人々は、突然無気力になったり、興奮して暴れ出したり、自殺しそうなほど落ち込んだりと、様々な悪影響を受けている。この状況を打破するため、猟兵達の力をもってクライングシェル艦隊に対抗する『反撃ライヴ』を決行するのだ。
「今回の作戦にあたり、特別にコンサートホールを設けた芸能シップの協力を得ることができた。すでにアポを取っているので、今すぐ現場に向かってライヴを行うことも可能だ」
 猟兵以外の人々は、すぐに洗脳音楽の影響を受けてしまう。よって、このライヴはすべて猟兵たちの手によって行わなければならない。
「今回は武力を使わない戦争……ミュージックバトルとでも呼んでみるか。敵のほうも、戦艦の中から洗脳音楽を演奏してこちらに対抗してくるぞ。ライヴがヒートアップしてくると、両陣営の熾烈なミュージックバトルが展開されることになるだろう。くれぐれも、こちらが洗脳されてしまわないように気を付けて。逆に、奴らをこちらの音楽でノックアウトしてやろうじゃないか!」
 音楽は人々を楽しませ、癒し、活力を与えるもの。それを兵器として悪用するなど、許しがたい行為だ。音楽を愛する猟兵たちは帝国軍の目論見を潰すべく、愛用の楽器を手に戦場へと向かうのだった。


弥句
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 こんにちは、弥句です。今回も戦争シナリオをお届けします。今回のシナリオは、「冒険シナリオ」一章のみの構成となっております。
 黒騎士アンヘルが率いるクライングシェル艦隊は、秘密兵器「洗脳音楽通信」を使って、解放軍のシップに精神攻撃を仕掛けています。音楽が得意な猟兵の皆さま、力を貸してください! ライヴが盛り上がれば盛り上がるほど、敵の洗脳音楽を打ち破る効果が高まります。ただし、

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 現実に存在する楽曲の曲名や歌詞、替え歌等が記載されているプレイングは採用できません。
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 この一点のみ、くれぐれもご注意くださいませ。それでは、皆様のアツいプレイングをお待ちしております。 Let's play music!
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第1章 冒険 『洗脳音楽通信を撃ち破れ!』

POW   :    激しいビートで、魂を揺さぶり、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。

SPD   :    超絶的な技巧で、聴く者を圧倒して、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。

WIZ   :    心に響く歌声で、感情を揺り動かして、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

河原崎・修羅雪姫
アドリブ、共演歓迎

POW
激しいビートで、魂を揺さぶり、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。

「銀河帝国の圧制をひっくり返す音……。それはMUSIC(ミュージック)!」

ヘビーメタルの重低音ギグで、観衆のハートを最高にHOTにする。
【楽器演奏15】【誘惑15】【鼓舞18】で、
全世界サイボーグ連盟の戦旗をバックに、
熱く、情熱的にシャウトし、演奏し、観衆を魅惑して、「洗脳音楽通信」を喝破する。

UCはヘビーメタル・シャウト。
【エレキギターの旋律】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強させ、
解放軍たちを、勇敢なる反逆者へと変貌させる。

「許すな帝国の圧制! つかみ取れ銀河の自由! 銀河皇帝を倒せ!!」


星音・ことり
歌を武器にするなんて、絶対に許せない!
あたしにも協力させてくださいっ

あたしは、星音ことり、アイドルの卵ですっ
歌うことしかできなけど、皆さんの力になりたいの!

電子の海にコネクト、DTM使用の許可をもらったら
あとは【パフォーマンス】と【歌唱】の力で抵抗の応援歌を歌うねっ

レ・レ・レ・レ・レジスタンス!
立ち上がれ今 宇宙(そら)の向こうへ!
レ・レ・レ・レ・レジスタンス!
狼煙を上げろ 宇宙(そら)の彼方へ!
くじけるわけにはいかない戦い
倒れるわけにはいかない戦い
レ・レ・レ・レ・レジスタンス!
希望で照らせ 宇宙(そら)の明日へ!

ポップなメロディにのせてマイクパフォーマンスも披露
「Say レジスターンス!」





 クライングシェル艦隊の『洗脳音楽通信』に対抗する反撃ライヴを行うために、音楽を得意とする猟兵たちは会場となる芸能シップ『TWINKLE DOME(トゥインクル・ドーム)』へと転移した。このシップ自体が大規模なコンサートホールとして利用でき、数千人規模の観客を収容することができる。
 すでに会場はセッティングが完了しており、いつでも演奏を始めることが可能だ。ちなみにこのライヴの模様はカメラドローンによって撮影され、各地のスペースシップへとライヴ配信される。
「歌を武器にするなんて、絶対に許せない! あたしにも協力させてくださいっ」
 オープニングアクトに名乗りを上げたのは、星音・ことり。バーチャルキャラクターのサウンドソルジャーである。ダークブルーの空に星屑を散りばめたような衣装をまとい、ことりは意を決してステージに立った。
「あたしは、星音ことり、アイドルの卵ですっ。歌うことしかできないけど、皆さんの力になりたいの!」
 元気よく挨拶をしたことりは、自身の故郷でもある電子の海にコネクト。楽曲のデータをダウンロードし、会場の設備を使って「抵抗の応援歌」を自動で再生。シンフォニックデバイスを装着すると、朗らかに歌い始めた。

 ♪レ・レ・レ・レ・レジスタンス!
 立ち上がれ今 宇宙(そら)の向こうへ!
 レ・レ・レ・レ・レジスタンス!
 狼煙を上げろ 宇宙(そら)の彼方へ!
 くじけるわけにはいかない戦い
 倒れるわけにはいかない戦い
 レ・レ・レ・レ・レジスタンス!
 希望で照らせ 宇宙(そら)の明日へ!

 歌をこよなく愛することりは、もっと歌を歌いたいという強い願いから実体化した。音楽を通じて、友達を沢山作るのがことりの夢だ。だからこそ、音楽の力を悪用して人々を苦しめる帝国軍をけっして見過ごせなかった。
 ことりは透き通るような可憐な歌声で、オーディエンスを盛り上げていく。軽やかにステップに合わせ、長いツインテールがふわっと揺れた。終盤のサビでは、オーディエンスに向けてマイクパフォーマンスも行う。
「聞かせて、みんなのメロディ! Say レジスターンス!」
「レジスターーンス!」
 熱烈なコールアンドレスポンスは、帝国への反撃の狼煙だ。シンフォニック・キュアの力で、洗脳を解かれる人々も次第に増えてきた。オープニングアクトを見事に飾り、ことりは深々と観客席に一礼してステージを去っていった。

 ことりが去った後のステージ上で、スモークが激しく噴射される。その中から颯爽と登場したのは、全身を黒ラバースーツに包んだ黒髪の美女。UDCアースからやって来たサイボーグ、河原崎・修羅雪姫だ。彼女はUDCアースで暗躍する邪神やその眷属たちと、日夜激闘を繰り広げている。今日は彼女が愛するヘビーメタルの力でスペースシップワールドの人々を鼓舞するべく、馳せ参じたのだ。
「銀河帝国の圧制をひっくり返す音……。それはMUSIC(ミュージック)!」
 マイクを握り締め、まずはギグの始まりを高らかに告げる。観客席から大歓声が返ってくると、修羅雪姫はニコリとほほ笑んだ。愛用の火炎放射器搭載ギターを構えると、激しいリフとともにイントロが始まった。
 腹に響く重低音に乗せて、修羅雪姫が熱く、情熱的にシャウトする。長い黒髪を振り乱しながらエレキギターを奏で、超技巧を見せつける。その手元を、汗を浮かべた表情を、見事にサイバーアップされた肢体を、カメラドローンがアップで映し出した。
 そしてステージ後方に掲げられているのは、彼女が率いる旅団『全世界サイボーグ連盟』の戦旗。重厚にして壮麗なデザインの旗は、観客のテンションアップにも一役買っていた。絶え間なく奏でられる激しいビートが会場に響き渡り、帝国の洗脳音楽を打ち破る呼び水となって宇宙全土へと浸透していく。
 
 ♪私は半人半機のメタルモンスター!
 心臓はビス止めで、クロームの3重構造で出来ている!
 
 修羅雪姫がギターの旋律と共に叫ぶヘビーメタルシャウト自体が、強力なユーベルコードだ。その歌声は遥か遠く離れた宙域のスペースシップにも届き、偶然ライヴ映像を目にした人々をも奮い立たせる。
「ウオオー! クイーンオブメタル! クイーンオブメタル!」
 スキンヘッドやタトゥーの厳つい男たちが、一斉にヘッドバンギングを始めると、近くにいた一般人たちもそれを真似し始める。
「銀河帝国を、ブッ潰す! オー!」
 洗脳を打ち破り、奮起した解放軍の面々は拳を突き上げ、銃を掲げて叫んでいる。先ほどまで洗脳音楽に苦しめられていた彼らが、数分後には勇敢な反逆者へと変貌していた。
 
 ♪許すな帝国の圧制!
 つかみ取れ銀河の自由!
 銀河皇帝を倒せ!!
 
 ライブの終了間際、修羅雪姫はギターから火炎を噴射する過激なパフォーマンスを披露した。銀河皇帝を模した人形がステージ上で燃やされると、会場のボルテージは最高潮に達した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

南雲・海莉
【POW】
(芸能シップの姿に、理由も分からず泣きたくなるほど懐かしくなってから。
首を横に振り、干渉を振り払う
真紅のアイドル衣装に【変装】し、常に【コミュ力】で聴衆の声を意識)


同じ時代に生まれた命達よ
絶望に立ち向かい、武器を手に取れ
迷うな
躊躇うな
手を伸ばせ

(カメラへと手を伸ばす)

その一歩で私達は巡り逢える
心交わし生まれるのは『絆し』じゃない『きずな』
それこそが勝機を示す確かな強さ

(魂を懸けて、観衆を呼ぶ)

Calling You!
過去に傷ついても、未来を護ると決めたから

Calling You!
絶望に盲いても、心は生きたいと叫ぶから

Calling You!
重ねる手で引き上げる、命達の本当の願いの先へ





 本番三十分前。会場入りした南雲・海莉は、ステージ衣装を詰め込んだキャリーバッグを押しながら『TWINKLE DOME』の内部を歩いていた。コンサートホールを模した船内を、多くの人々が楽しそうに行き交う。その様子に、海莉は思わず泣きたくなるような懐かしさを覚えた。
 だが、ここからはライヴの時間だ。余計な感傷を振り払い、パフォーマンスに集中しなければならない。海莉は気持ちを切り替えて、楽屋の扉をノックした。

 ライヴ開演から一時間後。会場は既に、猟兵達のライヴによってヒートアップしていた。新たな曲が始まると、真紅のステージ衣装に身を包んだ海莉が姿を現した。

 ♪同じ時代に生まれた命達よ
 絶望に立ち向かい、武器を手に取れ
 迷うな
 躊躇うな
 手を伸ばせ

 歌詞に呼応するように、海莉はカメラに向かって手を伸ばす。客席はもちろん、ここにはいない遠くの観客のことも、海莉は意識している。
 
 ♪その一歩で私達は巡り逢える
 心交わし生まれるのは『絆し』じゃない『きずな』
 それこそが勝機を示す確かな強さ

 戦いの行方を決定づけるのは、単純な武力ではない。人々が手を取り合い、力を合わせて巨大な帝国に立ち向かう絆の力だと、海莉は信じている。マイクを握る手に、自然と力が込められる。海莉は魂を懸けて観衆を呼び、力強く伸びやかに歌い上げる。

 ♪Calling You!
 過去に傷ついても、未来を護ると決めたから

 Calling You!
 絶望に盲いても、心は生きたいと叫ぶから

 Calling You!
 重ねる手で引き上げる、命達の本当の願いの先へ

 どんな苦境にも希望を捨てるなかれと、海莉が曇りなき眼差しで観客を見渡す。余韻を残して歌い終えた海莉に向かって、全宇宙のスペースシップから割れんばかりの拍手と歓声が送られた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘスティア・イクテュス
洗脳音楽…広範囲の船を活動不能にする作戦としてはいい手だわ…
あまり、そういうのは得意じゃないけど…


歌うのは宇宙海賊の間で歌われる歌よ
お父様から教えてもらったの


宇宙を目的地を定めず行く船
どんな困難だって大きく笑って
仲間と力を合わせて乗り越える
自由を愛する船乗りたちの歌

そんな内容の歌


銀河帝国がわたし達を滅ぼそうとしようが屈しないわ
船に生きる限りわたし達は皆自由を愛する船乗り

こんな洗脳音楽に負けない!
奪われた平和を、取り返すために
皆力を合わせて銀河皇帝を倒すわよ!
さぁ!立ち上がりなさい!!





 多くの猟兵がステージ上で歌と演奏を披露し、ライヴ会場は大いに盛り上がりを見せている。ブルーの長い髪を躍らせ、ステージに上がったのは長身の少女。宇宙海賊を父に持つ、ヘスティア・イクテュスだ。
「洗脳音楽……広範囲の船を活動不能にする作戦としてはいい手だわ……あまり、そういうのは得意じゃないけど……」
 ヘスティアはそう言って、演奏開始の合図を出した。すると、勇壮なイントロが流れ出す。この曲は、海賊達の間で歌い継がれる曲。どんな困難だって大きく笑って、仲間と力を合わせて乗り越える。自由を愛する、船乗りたちの歌。ヘスティアがその昔、父に教えてもらった歌だ。ヘスティアは父親に憧れ、父のような海賊になりたい一心で故郷を飛び出し、猟兵になった。歌に聴き入る観客たちも、まるで自分が海賊の仲間になった気分でノリノリだ。
 しかし、ここで思わぬ妨害が入った。
『大変だ! 船の通信機器が、ジャックされてる!』
 スタッフのインカムから、ヘスティアに警告が伝わった。次の瞬間、シップ中に耳障りな洗脳音楽が響き渡った。帝国側の反撃だ。しかし、ヘスティアは怯まない。カメラを回し続けるようドローンに指示、マイクを掴んで声を張り上げる。
「銀河帝国がわたし達を滅ぼそうとしようが屈しないわ! 船に生きる限りわたし達は皆自由を愛する船乗り!」
 勇ましく歌い続けるヘスティアの闘志に気圧されたように、帝国の妨害音声は次第にノイズにかき消されていく。最後にどこからか爆発音が響き、やがて妨害は完全に停止した。
「こんな洗脳音楽に負けない! 奪われた平和を取り返すために、皆力を合わせて銀河皇帝を倒すわよ! さぁ!立ち上がりなさい!!」
 寂しがり屋で、照れ屋な少女の姿はそこには無い。喉から声を振り絞って熱唱し、人々を鼓舞する姿は、まさに海賊のリーダーに相応しいものだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト