7thKING WAR⑯〜テニスの魔王様決定戦っス!
●グリモアベース
「デビルキングワールドの戦闘を予知したよ! 場所は魔界テレビ局だ!」
翡翠色のドレスを着たグリモア猟兵、シスカはグリモアベースを行き交う猟兵達に大きな声で呼びかけた。世間はGWだがデビルキングワールドは戦争の真っ最中。復活した『魔王ガチデビル』の野望を阻止する為、猟兵たちは今必死に戦っているのだ。
「というわけで、悪魔達が魔王のワルさに惹かれてオブリビオン側についちゃうのを阻止する為、みんなには魔界裁判長『ジャッジメントガール』さんとテレビ局で一緒に競技してもらいます☆ 競技種目は『魔界テニス』だよ!」
魔界テニス。それは古来より魔界で恐れられ、親しまれているスポーツである。良い子であるが故に互いに譲り合い、永遠に決着が着かない悪魔達の諍い(?)を終わらせる為に、古代のラスボス『羅雲怒・王』が考案したとされている。地球ではテニスはフランス発祥だとされているが、実は魔界に迷い込んだ人間が広めたという説が魔界では支配的である(参考文献:デビキン書房『よい子のスポーツ』)
このスポーツで魔界最強クラスの悪魔ジャッジメントガールを叩きのめす姿を全国に放送することで、魔王ガチデビルに惹かれつつある悪魔達の目を覚まさせようと言うのだ。
「魔界テニスのルールは普通のテニスとだいたい同じだよ。ただ、球が超デカい。人間と同じぐらいの大きさです。あと球を撃つ時はラケットを使わなくてもよくて、素手とか持ち込んだ武器の使用もOKだよ! ユーベルコードなら、従者の大量召喚とかもアリだって!」
なお、デビルキング法が普及した現代の魔界テニスでは、ワルさをアピールするため、相手の試合続行不能(いわゆるKO負け)を狙った危険球の撃ち合いになったり、どちらかがわざと反則負けになって決着してしまうこともしばしばあるらしい。
「みんなが戦う相手は魔界裁判長ジャッジメントガールさんです。超デカいハンマーを持っているせいか、この競技が得意だそうだよ。敵ではありませんが、彼女は最強クラスの実力を持つ悪魔です! 手加減はしなくて大丈夫なので思いっきりやってね! じゃ、準備ができた人から魔界に送るのでみんな一列に並んでねー」
説明を終えたシスカは魔界テレビ局へ猟兵達を送る準備を始めた。
●テニスの魔王様は誰だ!?
「魔界テレビをご覧の皆様、おはようございまっス! デビルキング法の守護者、魔界裁判長『ジャッジメントガール』っス! たった今、何十年にも及ぶ職務怠慢の眠りから目覚めたっス! こうみえて自分、なかなかのワルなんスよ!」
カメラの前に立ったジャッジメントガールはテレビ映えするポーズを撮り、視聴者へと挨拶した。
「今日、自分に挑戦するのは猟兵チームの皆さんっス! 自分はこう見えても最強っスからね! 何人でもかかって来なさいっス! 殺す気でかかって来ても構わないっスよ! 自分もそのつもりっスから! さあ、誰が魔界で一番ワルいテニスプレイヤー『テニスの魔王様』なのか、視聴者の皆さん、篤とご覧あれっス!」
ジャッジメントガールがラケット代わりの巨大ハンマーを床に叩きつけると、カン! と小気味よい音が鳴った。
大熊猫
お久しぶりです。大熊猫です。今回はデビルキングワールドの戦争シナリオとなります。ジャッジメントガールがとても可愛かったのでシナリオを出してみました。
今回の敵はオブリビオンではなく現地の協力者であるジャッジメントガールとなりますが、殺す気で戦って大丈夫です。ジャッジメントガールも普通に危険球撃ってきたり、ユーベルコードを試合に利用したりします。
とても強い悪魔なので、心臓が爆発したとか、首がもげたぐらいでは死にません。ルールやマナーを破って激しくスポーツしましょう!
舞台:魔界テレビ局内のテニスコート(悪魔の審判がおり、観客席にも悪魔がたくさんいます)
プレイングボーナス……視聴者・観客の悪魔達に受けそうなワルいムーヴをする。または魔界テニス的に芸術点の高いスーパープレイをする。
●文字数省略用記号
アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆★と同じ)、ソロ描写希望→▲。
●合わせプレイングについて
グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。
※テニスのシナリオですが、ジャッジメントガール本人が「何人でもかかってこい」とオープニングで言ってるので猟兵側だけダブルスや3人以上の連携もアリです。
採用人数は5名前後の予定です。頂いた分から順次書いて行きます。プレイングはシリアスでもトンチキでも構いません。ご興味がありましたらよろしくお願いいたします!
第1章 ボス戦
『魔界裁判長『ジャッジメントガール』』
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POW : 証拠品押収!
【ジャッジメントハンマー】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【証拠品入れ】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
SPD : 全会一致裁判官
X体の【絶対冤罪裁判官】を召喚する。[絶対冤罪裁判官]は自身と同じ能力を持つが、生命力を共有し、X倍多くダメージを受ける。
WIZ : ジャッジメントエコー
戦場内に【ハンマーで台座を叩いた音】を放ち、命中した対象全員の行動を自在に操れる。ただし、13秒ごとに自身の寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
菫宮・理緒
テニス……。
ということはもう、アルティメットバトルということだね。
わたしの『六種のカウンター、季節の野菜を添えて』が火を噴くね!
使う技は
『大熊猫落とし』
(相手のスマッシュをダイレクトで打ち返し、ボールの代わりにパンダと笹が落ちてくる)
『月火花』
(超高いロブを打ち上げ、風を使ってボールを高速で落下させ、バウンドしたボールと激辛唐辛子が客席を直撃する)
それと『理緒ゾーン』
(引きこもり時代の負のオーラを纏い、ボールすらライン外に逃げる)
の3つで行こう!
客席のみんなも気を抜いていると危険が危ないよ!
ラケット代わりの巨大しゃもじで大きなボールにも対応。
テニスのお姫様の実力を見よー♪(言われてません)
●アルティメットカウンターテニス!~季節の野菜を添えて
「テニス……。ということはもう、アルティメットバトルということだね。わたしの『六種のカウンター、季節の野菜を添えて』が火を噴くね!」
先鋒に名乗りを上げたのは菫宮・理緒だ。テレビ局に用意されていた悪魔的テニスウェアも着用し、気合は十分である。
「あれ、手ブラっスか? ラケットは?」
ジャッジメントガールが問いかけると、理緒はチチチと指を振り、虚空に手を掲げた。
「構造、複写」
光と共に理緒の手に生まれたのは巨大なしゃもじであった。エンターテインメントを意識したお洒落な得物だ。
「わたしはこれで戦うよ!」
「なるほど。じゃあ行くッスよ!」
「何ッ! コイントスもジャンケンもなしに当たり前のように先行を取っただと!?」
「さすが魔界裁判長! なんてワルなんだ!」
パコーン!
(勝手に)先攻を取ったジャッジメントガールは巨大なテニスボールを宙へと放り、鋭いスマッシュを理緒のコートのど真ん中に撃ちこんできた!
「鋭いスマッシュ……! だが、テニスのお姫様(自称)の実力を見よ!」
くわっ。理緒の両目が大きく見開かれる。理緒はボールに駆け寄ると、巨大しゃもじをフルスウィングし、ジャッジメントガールのスマッシュをダイレクトで撃ち返した!
空へと舞い上がるボール。ガールもギャラリーも打球の行方を目で追う。しかし、ジャッジメントガールのコートに落下してきたのは――。
「なっ! パンダ!? 親方! 空からパンダと笹が落ちてきたっス!」
何故か空中でボールは消失し、愛らしいジャイアントパンダと笹がコートに突き刺さった。
「15-0!」
「大熊猫落とし」
華麗なリターンエースを決めた理緒はキメ顔で呟いた。ジャイアントパンダは撮影スタッフに保護され、速やかにコートの外に連れ出された。
「やるッスね! だが自分も負けないッスよ! 『全会一致裁判官』! 召喚っス!」
ここでジャッジメントガールがユーベルコードを発動した。コートになだれ込んできたのは、彼女の部下である十二人の絶対冤罪裁判官達だ!
「被告人、菫宮・理緒さんはワシントン条約で保護されているジャイアントパンダを密輸した疑いがあるっス。よって、ペナルティとして裁判官の加勢を求めるっス」
「え、魔界でもワシントン条約って有効なの!? べ、弁護士を呼んで―!」
こうして試合は一時中断され、裁判が始まった。しかし、全会一致裁判官は全員ジャッジメントガールの部下だったので理緒はなんやかんやで有罪となり、裁判官がジャッジメントガールに加勢することが認められた。そして試合が再開。
「六種のカウンターの一、『月火花』!」
「高い! 天井に当たるぞ!」
理緒が打ち上げた超高度のロブは理緒がユーベルコードで起こした風に乗って不自然に急降下。ジャッジメントガールのコートの隅に突き刺さった。さらにバウンドした球は理緒がかけた激しいスピンによって激しく跳ね上がり、何故か空中で発生した巨大唐辛子と共に観客席を直撃した。
「ぎゃー! 唐辛子の汁がー!」
「目が、目がぁー!」
大パニックになる観客たち。阿鼻叫喚の地獄絵図にジャッジメントガールと視聴者達は戦慄した。
「観客たちに被害が出るような技を……しかも唐辛子の意味がない! 人の心とかないんスか!?」
「フッ。客席のみんなも気を抜いてると危険が危ないよ!」
ワルさを認められた理緒は不敵に笑った。
「あれ? 球が、不自然な角度で曲がってコートの外へ出て行ったっス……!?」
「『理緒ゾーン』。引きこもり時代の負のオーラを纏い、ボールすらライン外に逃げる』
「なんて辛い過去なんスか……!」
ジャッジメントガールは涙ぐんだ。
ジャッジメントガールと猟兵達の試合は続く。ジャッジメントガールはまだ無傷だが、猟兵サイドのワルさは存分にアピールされ、番組視聴率は急上昇中だ。
大成功
🔵🔵🔵
スピカ・ネビュラスター
◎
ああ、あの魔界テニスだね
それなら……あの手で行こうかな
(デビルキングワールド出身なので知ってる)
ボールは重力操作で軽くしてから
守護衛星『Aegis』をぶつけてロブを打ち上げるよ
それからボールが落ちていくのに合わせて
『フォーリングスター』の隕石を重ねて
ジャッジメントガールをぶっ潰しちゃおうかな!
それすらも返してくるようなら、全力で行くよ
隕石をぶつけてボールを弾き返すのは勿論として
相手の重力を増加させて妨害したり
使い魔にも纏わり付かせて邪魔しちゃおう!
『テニスの魔王様』の座は、ボクがいただくよ!
●座に挑む者
「ああ、あの魔界テニスだね。それなら……あの手で行こうかな」
デビルキングワールド出身の魔女猟兵スピカ・ネビュラスターは控室で邪悪にほくそ笑んでいた。彼女はジャッジメントガールに負けず劣らず可憐な姿をしているが、その種族は『ラスボス』。心が優しければ優しいほど、見た目が怖くなると言われている種族だ。そんな出自を持つ彼女が可憐な容姿をしていると言うことは……まあそういうことである。
「次はボクが相手をするよ、魔界裁判長」
「お、次の相手は魔女さんっスか。よろしくっス。同郷なら遠慮はいらないッスね!」
パコーン! ジャッジメントガールが放った素晴らしいスマッシュがスピカのコートへと撃ちこまれる。スピカは銀河を模した形状の杖をボールに向け、重力軽減の魔術をかけた。すかさずスピカは愛用の土星型の乗り物――守護衛星『Aegis』をボールに激突させ、ロブを打ち上げる。軽くなったボールは猛スピードで打ち上げられ、天井でバウンドしてジャッジメントガールのコートへと急降下。その瞬間、観客もガールもボールだけを見ていた。
「夜空に煌めく流れ星、『そこ』を目掛けて飛来せよ! 『フォーリングスター』!」
スピカはサディスティックな笑みを浮かべ、星杖を天に掲げた。次の瞬間、テレビ局の天井をぶち破り、燃える隕石がジャッジメントガールへと降り注ぐ! もちろん着弾地点として指定された『そこ』とは、ジャッジメントガール本人である。
「な……! 隕石!? ダイレクトアタックは反則っスよ!?」
「何をおっしゃる裁判長。ボクが狙っているのはボールだよ?」
「な、なんてワルいヤツッスか!」
合法! 合法! 観客悪魔たちのコールにより、スピカの隕石落としはルール違反ではないとなし崩し的に認められた。
「ぬおお、たかが石ころ一つ、自分のユーベルコードで押し返してやるっス!」
カァン! ジャッジメントハンマーが彼女の台座へと打ち付けられる。その瞬間、彼女の放った『音』が命中した観客の悪魔達が一斉に空を飛び、なんと隕石を押し返そうとし始めようとし始めたではないか! 観客達によって隕石の落下は阻止され、逆に隕石はゆっくりと外へと押し出されていく。ボールの方は普通にコートに落下してきたので、ジャッジメントガールが拾ってレシーブした。
「『ジャッジメントエコー』……二戦目でもう使わされるとは思わなかったっス」
「やるね、ジャッジメントガール! ならボクも全力で行くよ!」
スピカは笑い、今度は星杖をガールへと向けた!
「むおお、体が、重いっス……!」
「まだまだ。行け、コスモアイ!」
高重力の負荷を受け、地面に座り込むジャッジメントガール。だがスピカはそこで手を緩めたりしない。さらにガールの動きを封じるべく、翼の生えた使い魔達を送り込んだ!
ぺちぺち。ぐりぐり。コスモアイ達はジャッジメントガールに纏わりつき、セクハラ紛いの動きで彼女が立っているのを妨害した。
「ぬおおおお……離れるッス~!」
べしゃん!
ついにジャッジメントガールは重力に耐え切れず、地面に突っ伏した。
「喰らえ! 『テニスの魔王様』の座は、ボクがいただくよ!」
そこに容赦なくスピカの必殺スマッシュが撃ちこまれ――。
「ぎゃああー!」
「30-0!」
直撃を受けたジャッジメントガールはボールに押しつぶされて地面にめり込んだのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リオン・ゲーベンアイン
◎
テニスと言えばこれだね……
何か間違えている気がするけど
ジャッジメントガール、負けてくれるかな?
勿論、答えはノーだね?
なら各大魔王最終形態五体と一緒に魔界テニスを行う!
複数で叩く戦術……これはワルいよね!
ちなみに、このUCは問いに賛同しようが理解不能だろうがわたしに有利になるんだよねー
そう言いながら地面を動きを封じる魔の毒沼に変え、『裁定者』のオーラと同時に『知性ある存在を蝕む禁呪』を付与したテニスボールを下腹部に打ち込み、あらゆるエネルギーを喰らう魔獣と共に魔導楽器群の音色を鳴らして絶対冤罪裁判官を薙ぎ払いながら魔界テニスを行っていくよ
……え?えげつない?
これ位が丁度良いと思って……
●仁義なきテニス
「ジャッジメントガール、負けてくれるかな? 勿論、答えはノーだね?」
三人目のチャレンジャーとして名乗りを上げたのはリオン・ゲーベンアイン。剣と魔法の世界からお越しの弓の名手である。
「もちろん、ノーッスよ!」
「よろしい、ならば戦争だ」
リオンはワルっぽい笑みを浮かべると、床へと手を翳した。リオンのユーベルコードの発動条件は対象に何かを要求すること。ジャッジメントガールが八百長を断ったので発動条件が満たされたのだ。
「反証の刻は来た。それは総ての願い、望み、祈りを反証する希望の敵。絶望の嵐たる怪物は迷宮の最奥からここに君臨する」
「なんか、凄い魔力を感じるっス! ここは先手必勝っス! 全会一致裁判官、集合っス!」
ジャッジメントガールの呼びかけに答え、彼女の部下達がコートに集まる。リオンのコートには赤穂浪士の如く悪魔達がひしめき、リオンは満員電車の如く身動きがとれなくなった。だが。既にリオンのユーベルコードの発動準備は終わっている!
『祈り願い望みし希いを反証する嵐の怪物(ストライク・ザ・ウームー・ダブルートゥ)!』
カッ! 黒い閃光と共に裁判官達が吹っ飛んだ。地面から出現し、裁判官達を吹き飛ばしたのは、とある世界の大魔王に酷似した姿のラケットを持った六体のオブリビオン達だ。
「テニスダヨ! テニスダヨ!」
「テニスなど知らぬ。俺は只々、暴力に勤しむとしよう……!」
「かつて私は「喰らうもの」だった。知恵など不要だった。ただ喰らえばよかった。だが今はテニスプレイヤーだ」
「まさか、この姿でテニスなどすることになるとはな……!」
「『我』は『裁定者』にして、『テニスプレイヤー』!」
「我はテニス・プレイヤー。汝らが『大魔王』と呼ぶ、この世の全てを喰らうもの……!」
「なんか、凄い怖い人達が出てきたー!? この人達、全員魔王っスか!?」
突然の乱入者に驚くジャッジメントガール。魔王はこの魔界では珍しくない存在だがこれだけの数が揃うと壮観だ。
「複数で叩く戦術……これはワルいよね!」
「絶対冤罪裁判官! 早くこの魔王さん達を摘み出して下さいッス!」
「イヤダ! イヤダ! テニススル! テニススル!」
「ええい、暴れるな!」
絶対冤罪裁判官はジャッジメントガールのユーベルコードにより彼女自身と同じ能力を得ている。魔王達はすぐ取り押さえられ、コートの外へと摘まみ出されていく。だが魔王達は抵抗して暴れ、ダメージのフィードバックでジャッジメントガールも傷付いていった。
「いったあ! なんつー馬鹿力っスか!」
「今だ!」
リオンはジャッジメントガールの注意が魔王達に向いている隙を突き、魔王達の力を借りたスマッシュを叩き込む。魔力の過剰供給により、テニスボールは魔王達の力を宿した魔獣のような形態に進化した!
「どりゃーっス!」
ジャッジメントガールはボールを撃ち返すべく脚に力を入れるが――。
「う、動けないっス!?」
いつの間にかコートが毒沼に変化していた。粘り気のある毒沼のせいで足がもつれたジャッジメントガールが態勢を整えた時には、すでにボールは眼前にまで迫っていた。
ドゴッ!
「40-0!」
「あーれ-!」
ばしゃーん!
ジャッジメントガールの下腹部へ魔王ボールが突き刺さる。吹き飛ばされたガールはコートの端まで飛んでいき、頭から毒沼に突っ込んだ。
「えげつねえ……! 猟兵えげつねえ……!」
「……え? えげつない? これ位が丁度良いと思って……」
会場の悪魔達から賞賛の声が上がり、リオンは舌を出して誤魔化したのだった。
成功
🔵🔵🔴
崎谷・奈緒
むう、魔界テニス……!ジャッジメントガールさんの強そうなハンマーに、巨大なボール……これは一筋縄ではいかないね!
あたしのパワーじゃ正面から撃ちあうのは得策じゃないかなあ。ここはユーベルコードで対抗するぜ!打たれたボールをよーく見て鏡を召喚!思いもよらぬ方向に攻撃を反射する鏡だ。死角を狙って打ち返すよ!
さて、盛り上がってきたところで、あたしの必殺技を披露しよう。空中で鏡から鏡にどんどん反射させていく大技!鏡の位置を調整して、コート全体、観客席の間までボールが飛び交う大スペクタクル!最後はあちらとあたし、二人のパワーが上乗せされたボールを、思い切りシュート!これで決める!魔王の座はいただきよー!
●鏡の魔王、爆誕!
「むう、魔界テニス……!ジャッジメントガールさんの強そうなハンマーに、巨大なボール……これは一筋縄ではいかないね!」
4番手に名乗りを上げた崎谷・奈緒は唸った。遠目にも大きいなーと思っていたが、大玉転がしのようなテニスボールに、餅つきの木づちもびっくりの特大サイズのジャッジメントハンマー。そしてそれを軽々と振り回すジャッジメントガール。これは心してかかった方が良さそうだ。
「はっはっは! じゃあ行くっスよ~!」
ジャッジメントガールの服は既にボロボロだったが、連戦の疲労を感じさせないパワフルな動きでスマッシュを撃ちこんできた。光速にすら迫りそうな超高速の一撃。だが奈緒は臆さずにコートのセンターに陣取り、弾丸をしっかりと見据える!
『またたく星と夢の帰路(バック・イン・ベイビーズ・アームズ)』
そう呟くと、奈緒の正面に3枚の鏡が生まれた。巨大ボールは吸い込まれるように鏡にぶち当たる。鏡は割れることなくボールを受け止めると、ジャッジメントガールの弾丸スマッシュを見事に跳ね返した。
「おおっ!? やるっスね!」
ジャッジメントガールは超人的なステップでコートの端へと移動し、際どい球を撃ち返した。だが、奈緒の鏡は無敵。ジャッジメントガールがサーブを返すたびに、正確に彼女の死角を狙って球を跳ね返し続けた。
「あの鏡、邪魔っスね! ああっと、手が滑ったっス!」
「え?」
ラリーの応酬の途中、ジャッジメントガールはわざとらしい台詞と共にぽーんとジャッジメントハンマーをぶん投げてきた。奈緒は鏡でハンマーを受け止めたが、その瞬間、鏡はフッっと姿を消した。ジャッジメントガールの証拠品入れの中に転移させられたのだ。
「今の、反則じゃない!?」
「あ~。聞こえないっスね~」
ジャッジメントガールはワルい笑顔でスルー。ハンマーはすぐにジャッジメントガールの手元に戻り、試合はそのまま続行された。奈緒の華麗なボール捌き(?)とジャッジメントガールの横暴に観客達のテンションは最高潮だ。
「こうなったら、あたしの必殺技を披露しよう!」
十分に場が温まったと感じた奈緒は勝負に出た。ボールを撃ち返す瞬間、残った二枚の鏡を自身の前から移動させ、観客席上空へとワープさせたのだ。跳ね返した弾丸はコートの遥外へと飛んでいき、観客の上空で鏡に当たって跳ね返る。そしてまた鏡がワープ。巨大テニスボールが観客席の周囲を縦横無尽に跳ね返る大スペクタルの始まりだ!
バシュン、バシュン、バシュン!
「速い……! 追いきれないっス……!」
ボールは跳ね返るごとに加速していき、ついにジャッジメントガールの動体視力を持ってしても追いきれない速度に達していた。
「これで決める!」
最後はあえて自身のコートに戻した打球をボレーシュート。極限まで加速したボールは審判を椅子ごと吹き飛ばし、ジャッジメントガールもぶっとばしてコートに突き刺さった。
「1-0!」
「くっ……! 1ゲーム取られたッス! ガクリ」
「やった! 魔王の座はいただきよー!」
立ったまま気絶しているジャッジメントガールの隣で奈緒はカメラに向かってピースサインしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
ミハト・アオイ
◎
※♥シトリンモードで参加
イエーイッ!シトリンさんじょー!
んでナニやればいいの?…エ?テニス?ナンデ?
とりあえずユベコとか装備とか色々忘れてきた☆
だから生足と揺れる胸で勝負ッ!!
人間と同じ大きさなら蹴れるッ!
最初は真面目にラリーしているけど
その時に閃く【ライバーズ・インセイン】
(天使)このまま技量で魅せるのです……
(悪魔)デビキンだろ?ルール破ってナンボじゃない?
そう、こんな戦いアタシらしくない!
アタシらしさっていうのはこーゆーことだー!
蹴り返した後のボールを追いかけて
ネットを飛び越えつつ
ガールが打ち返した直後のボールにドロップキック!
超至近距離ボディショット(相手を狙う打球)をく・ら・えー!
●魔界テニス、決着!
「イエーイッ!シトリンさんじょー! んでナニやればいいの?……エ? テニス? ナンデ?」
ライブストリーマー猟兵ミハト=シトリン(本名ミハト・アオイ)はTV局の前で首をかしげていた。デビルキングワールドで戦争だと聞き、駆け付けてきたのだがこれは一体? だが悩んだのも一瞬のこと。全国放送デビューはおいしいので張り切って魔界テニスすることにした。
「とりあえずユベコとか装備とか色々忘れてきた☆ だから生足と揺れる胸で勝負ッ!! 人間と同じ大きさなら蹴れるッ!」
たゆんたゆんと豊かなバストを揺らし、テニスウェアに身を包んだシトリンはジャッジメントガールとの戦いに挑む!
「くらえっス!」
ジャッジメントガールの鋭いスマッシュが放たれた。シトリンはボールに駆け寄り、巨大ラケットを一閃。見事打球をジャッジメントガールへと返した。
「とぉっ!」
「えいっス!」
シトリンとジャッジメントガールの激しいラリーの応酬が続く。だが、最強クラスの悪魔であるジャッジメントガールの方が身体能力は遥か上。シトリンは受け止め損ねた打球と共に観客席までぶっ飛ばされたり、壁にめり込んだりと徐々に追い込まれていった。
「自分ワルなんで容赦なく行くっスよ! あざとく揺れるその胸ごと滅びよっス!」
ジャッジメントガールが放った殺人打球が再びシトリンへと迫る。その時、シトリンの脳裏に稲妻が走った。
「このまま技量で魅せるのです……」
「デビキンだろ? ルール破ってナンボじゃない?」
シトリンに囁く天使と悪魔の声。生命の危機に際し、ユーベルコードが発動したのだ。シトリンが選んだのはもちろん――。
「そう、こんな戦いアタシらしくない! アタシらしさっていうのはこーゆーことだー!」
シトリンはくわっと目を見開くと、打球を勢いよく蹴り上げた! さらにあろうことかネットを飛び越え(反則)、ガールに向かって突進したのだ!
「ここで反則っスか!? くっ、『ジャッジメントエコー』!」
虚を突かれたジャッジメントガールはハンマーを床へと打ち付けた。その瞬間、鋭い打撃音がテニスコートに響き渡り、観客席にいた悪魔達が一斉にコートになだれ込んできた!
「うおおお! 悪魔がなんぼのもんじゃー!」
シトリンは乱入してきた悪魔達をジャンプで飛び越し、背中を踏み台にしてさらに高く飛ぶ!
「く・ら・えー!」
シトリンはガールの手元にあったボールに向かってドロップキック! ガールは巨大ボールが顔面直撃。壁へと叩きつけられ、後頭部を強打したジャッジメントガールはついに体力の限界に達しKOされた。
「シトリン選手、反則により失格! ジャッジメントガール試合続行不能! よってこの勝負は猟兵チームの勝利とする!」
審判がそう宣言したことにより試合は終了した。だがこれでいい。ここは魔界だ。手錠をかけられて退場していく(暴行罪)シトリンと地面にひっくり返ってヒキガエル状態となっているジャッジメントガール。真の勝者がどちらであるかは明白であった。これは猟兵チームの完璧な勝利なのだ。
番組テロップ:しばらくお待ち下さい。
「魔界テレビをご覧の皆様、おはようございまっス! 皆さん、ご視聴ありがとうございましたっス! 自分もなかなかのワルでしたが、猟兵達はみな『テニスの魔王様』と呼ぶにふさわしいワル達でしたっス! 魔界の皆さん、彼女らのワルっぷりを称えるっスよ!」
ぱちぱちぱちぱち。拍手に包まれる会場。こうして、魔界の悪魔達は猟兵達のワルさに感動したのであった。
成功
🔵🔵🔴