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7thKING WAR⑯〜魔界テレビ局でバトルっス!

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #ジャッジメントガール #挿絵

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 魔界裁判長『ジャッジメントガール』の宣言により、デビルキングワールドは『7thKING WAR』が勃発!
 キング候補にオブリビオン・フォーミュラとして蘇った1stKING『魔王ガチデビル』が参戦を表明したことから、事態は猟兵を巻き込んだ大戦へと発展してしまう。
 そんな大戦のきっかけを作った張本人はというと……?

「魔界テレビをご覧の皆様、おはようございまっス! デビルキング法の守護者、魔界裁判長『ジャッジメントガール』っス! 『7thKING WAR』に猟兵が参戦して、状況は全く読めない展開っス!」

 魔界テレビ局で、この大戦を実況していた!
 なぜなら彼女は魔界裁判長!
 ありとあらゆる凶悪犯罪を主張してワルをアピールする悪魔達と戦い、圧倒的な武力で全て軽犯罪に変えてきた「絶対冤罪裁判所」の「魔界裁判長」故に、7thKINGを決めるこの大戦を見届ける責務があるのだ!
「さあ! 今日も強烈なワルアピールを引っ提げて、猟兵の皆様が自分に挑戦しに来てるっス! キング候補に迫るワルは果たして実在するか、自分直々にジャッジメントするっス!」
 見た目は可愛らしい少女だが、ああ見えて1stKING存命の頃からずっと生きてるレジェンド悪魔! つまり最強クラス!
 その世界最強クラスの悪魔が、カメラの前で可逆的な笑みを浮かべていた……!

「デビルキングキングワールドで戦争勃発だよっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は、招集に応じてくれた猟兵たちへ早速、任務内容の伝達を始めた。
「みんなをこれから魔界テレビ局に転送するから、世界最強クラスの悪魔であるジャッジメントガールちゃんから一本取ってきてねっ!」
 さらっと無理難題を口にするレモンであった。
 して、その心は?
「魔界中の一般悪魔の視聴者は放っておくとオブリビオン・フォーミュラの1stKING『魔王ガチデビル』に心酔しちゃうからね~っ? だから、世界最強クラスの悪魔とみんながバトッて負けを認めさせれば、視聴者は魔王ガチデビルよりも猟兵のみんなの方がカッケーッって思ってくれるよっ!」
 ……つまり、オブリビオン・フォーミュラの支持層を引きはがすことができる訳だ!
 問題は相手が最強クラスのジャッジメントガールだってことだが……。
「確かに、予知でも弱点らしい弱点がなかったんだよね……。でも真正面からぶつかるだけが勝負じゃないよっ! ユーベルコードの殴り合いの他にも、将棋やテニスとか、そういう戦い方だってあるはずだよっ!」
 なるほど! 自分の得意分野でジャッジメントガールと戦えば、もしかすれば!?
「勝機はあるってことだねっ! それじゃ、準備はいいかなっ? ガールちゃんに『参ったっス!』って言わせるような熱いバトルを期待してるよっ!」
 レモンのグリモアが輝けば、猟兵たちは魔界テレビ局へと転送される。
 果たして、勝負の行方は、如何に……?


七転 十五起
 デビルキングワールドでの戦争シナリオ第1弾です!
 皆様には、いきなり最強と勝負していただきます。
 なぎてんはねおきです。

●プレイングボーナス
 なし(工夫次第では何か見つかるかもしれません)。

●その他
 このシナリオに限り、純戦闘以外での勝負も認めます。
 スポーツや卓上ゲーム、はたまたクイズ勝負など、なんでも構いません。
 ただし、ジャッジメントガールはどの分野でも『最強クラス』です。
 ワルなのでユーベルコードでのイカサマだって仕掛けてくるでしょう。
 もちろん武力行使も、並みのオブリビオンよりも遥かに凌ぐ威力を誇ります。

 コンビやチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能です)

 それでは、皆様のご参加をお待ちしてます!
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第1章 ボス戦 『魔界裁判長『ジャッジメントガール』』

POW   :    証拠品押収!
【ジャッジメントハンマー】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【証拠品入れ】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
SPD   :    全会一致裁判官
X体の【絶対冤罪裁判官】を召喚する。[絶対冤罪裁判官]は自身と同じ能力を持つが、生命力を共有し、X倍多くダメージを受ける。
WIZ   :    ジャッジメントエコー
戦場内に【ハンマーで台座を叩いた音】を放ち、命中した対象全員の行動を自在に操れる。ただし、13秒ごとに自身の寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シン・フォーネウス
相手は最強でワルワルな悪魔、油断できねぇな。

ってなわけで、菓子折り持ってくぜ。
なんで菓子折り持っていくかって? 決まってんだろうが死闘前の挨拶まわりは基本だろ!
映像に映らないように…と。んじゃあ、戦闘前によろしく頼む。つまらないものだが、良ければ受け取ってくれ。

…それじゃあ早速、掃除バトルと行こうじゃねーか!
『魔改造デッキブラシ』片手に魔界テレビ局全部『掃除』だ!

絶対冤罪裁判官を召喚して人数で勝負されちゃあ、まあ敵わねぇよな!
だが、俺は幻影を操る死の悪魔。召喚体と裁判長本人の認知情報に、消えることのない汚れを追加しておくぜ! 創傷激痛はなしだ!

UCで俺の幻影作りまくって攻撃回避していくぜ!



 シン・フォーネウス(悪魔の掃除屋(文字通り)・f31485)は死の悪魔であり『掃除屋』である。
 グリモア猟兵によって魔界テレビ局に転送されたが、その前に彼は一度外出し、今回の案件に必要な“ブツ”を仕入れて舞い戻る。
「……相手は最強でワルワルな悪魔、油断できねぇな」
 プロの『掃除屋』として、徹底した準備を怠ることはない。
 シンは自分の仕事に矜持があり、それを決して曲げようとはしないのだ。
 早速、シンは物音を立てずにスタジオへ潜入し、そこで戦況をリアルタイムで生中継しているジャッジメントガールを初めて目の当たりにした。
「あれが今回の……なるほどな、かなりのワルのオーラがプンプンするぜ」
 期待に胸を膨らませていると、シンの元へプロデューサーらしき悪魔の男性が駆け寄ってきた。
「ちょっと、キミィ! 勝手にスタジオに入ってきちゃダメじゃな~い! 今、本番中よ?」
 若干オネエ言葉が気になる悪魔Pに、シンは……。
「すまねぇ、撮影の邪魔にならないようにコッソリ来たんだ……。一応、猟兵やってるシンっていう『掃除屋』だが」
「そ、掃除屋……!? まさか、ターゲットは……」
 悪魔Pの視線がジャッジメントガールへ。
 シンはニタァリ……と邪悪な笑みを浮かべた。
「そうさ! これからあいつとキレイさっぱり片付けようと思ってな?」
「ヒ、ヒィ……ッ! なんだか濃厚なワルの香りが立ち込めているわね!? そういうことなら、すぐにガールちゃんにブッキングを……」
「待て」
 シンはガシッと悪魔Pの肩を掴んで抑止する。
「ここでお前と俺が会っちまったんだ。やる事はやらねぇとな?」
 シンがスーツの懐に手を入れる!
 まさか、この場で悪魔Pに危害を加えるつもりか!?
「お、お助けを……!」
 ガクガク震える悪魔P!
 しかし、シンが差し出したのは……!

 め っ ち ゃ 甘 い 香 り の す る 月 餅 !

「この近くの和菓子屋で買ってきた。えぐいほど美味いぜ? まずプロデューサーさんに内緒で1個やるよ! 食ってみろ、飛ぶぞ?」
 そこにはめっちゃ人のよさそうな笑みを向ける爽やか好青年のシンがいた。
「……はぁ?」
 そして悪魔Pの呆然としたリアクションである。
 暗がりでよく見えなかったが、片手にぶら下げているのは……確かに、有名なデビル和菓子店のロゴマークが入った紙袋だ。
「これ、差し入れだ。番組お疲れ様。終戦までやるんだろ? 頑張れよ!」
「あ、ありがとう。いや、なんで月餅? なんで菓子折り??」
 悪魔Pの疑問の声に、シンは食い気味に(されど囁き声で)言い返した。
「なんで菓子折り持っていくかって? 決まってんだろうが死闘前の挨拶まわりは基本だろ!」
 胸倉を掴んだシン……が、悪魔Pのネクタイを結び直す。
 手際がいい。
「ほらよ、ネクタイが曲がってたぜ?」
「……赤薔薇のアニキって呼んでもいいかしら?」
「舎弟か。いいぜ、好きにしろ。ってことで、んじゃあ、戦闘前によろしく頼む。つまらないものだが、良ければ受け取ってくれ」
 シンはカメラに映らないように、スタッフたちに月餅を配り始めた。
 悪魔Pには先ほどのものと合わせて、しれっと3個も! 賄賂だ!
「それじゃ、一端CMっス!」
 ジャッジメントガールもCMに入って、シンの元へ。
「本日最初の挑戦者っスね! あ! ここの月餅、ガチで美味いっスよね~! 4thKINGの代から流行り始めた老舗の味っス!」
「おう、ジャッジメントガール。月餅、喜んでくれて何よりだぜ。今日はよろしくな?」
「此方こそっス!」
 こうして、シンはジャッジメントガールとCM中に「お前、どこの中学だった?」などと軽くワル歓談を交わしつつ、対決の準備を始めてゆくのだった。

 CM明けて、ジャッジメントガールの隣にはシンの姿があった。
「んじゃあ! 最初の挑戦者は『掃除屋』のシン・フォーネウスっス! シンは自分と何で戦うっスか?」
 シンは不敵な笑みを浮かべると、スタッフに指示していた通り、放り投げてもらった愛用の魔改造デッキブラシを華麗にキャッチ!
「……それじゃあ早速、掃除バトルと行こうじゃねーか!」
 そして幻影御手『ヨトゥン』(どう見てもゴム手袋だが)を装着!
 掃除用エプロンをふぁっさぁ~と無駄に優雅な創薬シーンをカメラに収めてもらえば、どこをどう見ても清掃員のシンだ。
「掃除屋って殺し屋じゃなくて、まんまの意味だったっス!?」
 ベタにずっこけてくれるジャッジメントガール!
 しかし、彼女は魔界裁判長。
 シンの行いがとてつもない『悪事』だとすぐに理解した。
「なるほどっス! いきなりデビルキング法違反の『勇者行為』による重大凶悪犯を騙る猟兵っスか! だったら自分も圧倒的お掃除パワーで対抗っス!」
 すぐさまジャッジメントガールはユーベルコードで絶対冤罪裁判官を10人召喚してみせた。
「おっと、絶対冤罪裁判官を召喚して人数で勝負されちゃあ、まあ敵わねぇよな! だが、掃除範囲が“このテレビ局全体”だとしたら、どうする?」
「マジっスか!? 正気の沙汰とは思えないっス! いとも容易く何の見返りもなく行われる奉仕行為……間違いなく極悪人の猟兵っス!」
 この世界では社会奉仕活動は法律違反なので重罪扱いなのだ!
「どうやらお墨付きをいただけたようだが、もうすでに勝負は始まってるんだぜ!?」
 シンは早速スタートダッシュをかけて、今いるスタジオをピカピカに清掃し始めてゆく。
「俺の前で塵や埃が存在できると思うなよ!? 消えろゴミ共!!」
 あっという間にスタジオ内が見違えるほどにキレイに(掃除されて)片付いてしまった!
 ジャッジメントガールはこうしてはいられないと、慌ててスタジオを飛び出す。
「カメラさん付いてくるっス!」
「あ、待て! 俺の方もちゃんと撮ってくれ!」
 ハンディカメラを抱えたカメラマン2人が、スタジオを飛び出したジャッジメントガールとシンを追う。
 2人が過ぎ去った廊下はまるで宝石のような輝きを放ち、ゴミは整然と分別され、トイレはまるでリラクゼーション空間めいた清潔感が戻っていった。
「まさか清掃の分野でも最強とはな! ジャッジメントガール!?」
「そっちもなかなかやるっス! でも、詰めが甘いっス!」
 ジャッジメントガールが食堂の清掃を終えた次の瞬間、驚愕の行動に出たのだ。
「テーブルの上に、季節の花を生けるっス! 華道5000兆段の自分の腕前を披露するっス!」
「なん、だと……!? フラワーアレンジメントで、食事する人の心までキレイにしようっていうのか!? どこまでワルなんだ、お前は!?」
 清掃とは人が快適に過ごせる空間を保つために行う行為だ。
 ならば、その一歩先を先読みして行動するジャッジメントガールは、まさに最強の清掃員に相応しい。
 しかも相手はユーベルコードで人海戦術を展開しているため、ソロ清掃で奮闘するシンとの差をじわじわと広げつつある!
 このままではジリ貧で敗北しかねない!
「……と、思うだろ? カメラの前のお前ら、ここから逆転劇を見せてやるぜ!」
 だがシンは諦めない!
「俺は幻影を操る死の悪魔。召喚体と裁判長本人の認知情報に、消えることのない汚れを追加しておくぜ! ただし、今回は創傷激痛はなしだ!」
 ユーベルコード『幻視痛(ファントム・ペイン)』を発動!
 ジャッジメントガールと絶対冤罪裁判官たちの視界に、ゴミを撒き散らすシンの幻影が映し出された。
「あー! 折角キレイにしたのに何をするっスかーっ!!」
 これにはジャッジメントガールは大慌て!
「こいつ! 自分で清掃したところを自分で汚すとか、ワルの極みっス! でも自分にかかれば秒でクリアリング可能っス!」
 ジャッジメントガールがひたすら同じところを磨き続ける。
 しかし、幻影が見えないカメラマンや視聴者たちからすれば、見えない何かと格闘するジャッジメントガールと取り巻きたちがエア掃除に専念しているように見えているのだ。
「あああぁっ! だからまた汚して妨害すんなっス!!」
 幻影に向かてブチギレるジャッジメントガールに、カメラの前でシンが勝利宣言を発した。
「見ろよ。俺の幻影でジャッジメントガールの手は完全に止まったぜ! その間に、テレビ局の清掃は俺が完遂した。この勝負、俺の勝ちだ!」
 幻影を解除するシン。
 我に返ってあたりを見回し、状況判断したジャッジメントガールは、悔しそうにシンの右腕を高らかに掲げた。
「く、悔しいっス~! でも魔界裁判長の名において、シン・フォーネウスの勝利を認めるっス!」
 こうして、シンは全魔界中に【極悪勇者系プロ悪魔清掃員】の称号を勝ち取った。
 いきなり敗北を認めたジャッジメントガールに、視聴者からはどよめきのコメントが多く寄せられるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
「ご主人サマ!あらゆる勝負がありならセクハラ勝負もありじゃ」
そいつは最高の提案だが…後でオロチヒメにシバかれるから無しだ…!(くっ
「うきゅううっ…!」

と言う訳で真っ向勝負です!
【情報収集・視力・戦闘知識】
戦闘における彼女の戦い方と癖
立ち回りや警戒の甘い部分を他の依頼の戦闘記録も含め分析

【属性攻撃・迷彩】
ブンシン・ジツだと!?なら対抗です!
光水属性を己達に付与
無数の立体映像を展開
同時に本人達は光学迷彩で存在を隠蔽!
【弾幕・念動力・スナイパー・空中戦】
超高速で飛び回りながら念動光弾の弾幕乱射
根こそぎ被弾
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣と水槍による超連続連携斬撃による猛攻

最後にポーズ!



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と相棒メルシーは、魔界テレビ局のスタジオ前で揉めていた。
「ご主人サマ! ジャッジメントガールちゃんにあらゆる勝負がありなら、放送禁止上等のセクハラ勝負もありじゃ――」
「バッキャロー!」
 カシムのボディーブローがメルシーの鳩尾を直撃!
 ドМのメルシーは薄ら笑いを浮かべながらも、何故殴られたのか皆目見当つかない。
「ナンデ? 腹パン、ナンデ?? ヂュフフフフ……!」
「確かにそいつは最高の提案だ。僕だって公共の電波上で魔界裁判長の顔をアヘらせたいですよ。だが……それは後でオロチヒメにシバかれるから無しだ……! あと単純にウ・ンエー・イという世界抑止力で消されかねないんでな……」
「BAN怖いよね、仕方ないね……うきゅうう……」
 やむなく、2人は真っ向勝負を持ち掛けるのだった。

 ジャッジメントガールがカメラに向かって、カシムとメルシーを紹介する。
「続いての挑戦者は、カシムとメルシーっス! なんと自分と真っ向からバトりたいらしいっス! 勇気と無謀を履き違えてるってことを思い知らせてやるっスよ!」
 早速、ジャッジメントガールがユーベルコードで20人の絶対冤罪裁判官を召喚して2人を取り囲んだ。
「なんだと!? ブンシン・ジツですか!?」
「正確にはオトモ召喚っぽいね? どうする、ご主人サマ?」
 メルシーの問い掛けにカシムが不敵に笑みを浮かべた。
「決まってるだろうが。いつもの必勝パターンだ……!」
「アレだね☆ ラジャったよ♪」
 するとメルシーはダブル中指立てポーズで舌出し変顔を始める。
「ヘイヘーイ☆ どっからでも掛かってこいよ☆ このうんこロリババア☆」
「はぁぁぁ? なんスかその態度! あったま来たっス!」
 メルシーにおちょくられたジャッジメントガールが、裁判官たちを突撃させる!
「そのまま袋叩きっス! って、攻撃がすり抜けて……!?」

「――残像だよ☆」

 その一言がトリガーとなり、ムカつくメルシーの虚像がスタジオ中に乱立するではないか!
 どれを殴っても全く手応えのない虚像の群れに、徐々にジャッジメントガールのイライラ度が急上昇してゆく。
「あぁぁーっ! イライラするっス! 本体は何処っスかー!?」
 殴っても殴ってもすり抜ける虚像は、まだまだ数を増やしてゆく。
 その虚像の中に、光学迷彩魔術を纏ったカシムとメルシーが潜んでいた。
(いい感じに相手はは冷静さを失い始めたぞ……! メルシーのアホ面が功を奏しました!)
(それじゃ、これからメルシーとご主人サマのスペシャルアタック見せちゃうぞ☆)
 2人は魔力と思考をユーベルコードでリンクさせると、虚像の中から透明な姿のまま飛び出していった。
(まずは遠距離から弾幕を張って敵の体力を削ります!)
(あのユーベルコードって、召喚の人数だけダメージが増幅されるんだっけ? つまり、透明人間になったメルシーが、ここでガールちゃんにセクハラしたら感度も増幅されて……? どこの企画モノかな??)
(いいから攻撃しやがれアンポンタン!)
(そんなー☆)
 カシムは賢者の銀貨を、メルシーはRBS万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』の念動光弾を無差別に発射する。
 放たれた弾幕は呼び出した絶対冤罪裁判官に浴びせかけられると、ジャッジメントガールが悲鳴を上げた。
「いたたたたたっ!? どっから攻撃が来たッスか!? てか、まずいッス! 自分のユーベルコードの弱点を精確に突いてくるっス! これはやべー奴らッス!」
 呼び出した人数だけダメージが増幅されるため、カシムとメルシーのステルス連携狙撃との相性は最悪だ。本人を狙わなくても散開してる裁判官を狙い撃てば、勝手にダメージが増幅されて本人に伝わってしまうのだから。
(よし、一気に近接戦闘で畳みかけますよ!)
(うぇーい☆ 今度はメルシーがさばいちゃうぞ☆)
(その『さばく』の漢字、違くね??)
 カシムがツッコミを入れつつ、今度は宝貝『賢銀水槍』を手にして裁判官を縦横無尽に突き刺して回る。
 メルシーもビーム大鎌剣ハルペーを振り回し、まとめて裁判官たちを刈り取ってみせた。
 それをマッハ37の超音速で攻撃を繰り出してくるのだから、増幅された痛みが絶えずジャッジメントガールを苦しめる。
「グワーッ!? 悔しいッスけど降参! 降参ッス! 自分を傷つけずになぶり続けるあたりが最高にワルッス! また一組、猟兵のワルを発掘したッス……!」
 ユーベルコードを解除すると、ジャッジメントガールはその場でへたり込んでしまった。
 虚像と光学迷彩魔術を解除したカシムとメルシーは、勝利をもぎ取った記念にカメラの前でポーズ!
「ジャッジメントガールに勝った僕らの方が、とーぜん魔王『ガチデビル』よりも強いんです!」
「そこんとこ、夜露死苦☆」
 気合の入ったヤンキー座りでメンチを切るコンビであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリア・ルート
なるほどね、まともに相手する必要はないと。

まずは楽屋への挨拶をしないと。
なんでかって?なんかアース系のテレビではこれが礼儀って聞いたから…
そこは映像に映らないようにはしないとね。ま、デビチューブ辺りに流出してそうだけど。

本番では私はこれで勝負しようかしら。
的を物理的に叩きまくってより多くHit数を稼いだ方の勝ちゲーム!
あんたも木槌でそういうの慣れているでしょ?

ゲームがはじまったら素手の格闘で【指定UC】を使用して早業で連撃数上昇を活かし叩きまくるわ!
武器を使ったら相手がコードで奪ってきて妨害してきそうだしね!
痛みはとりあえず激痛耐性で我慢よ!

どう、あんたにもこの連撃数は叩きだせないんじゃない?



 マリア・ルート(紅の姫・f15057)は今回の任務内容を聞いて逡巡する。
「なるほど、最強格の悪魔をまともに相手する必要はないと」
 だったら色々とやりようがある、とマリアはほくそ笑んだ。
 そんな彼女が今向かっているのは、ジャッジメントガールの楽屋であった。
 時系列は番組が始まる前、マリアは誰よりも早く現場入りを果たしていたのだ。
「事前に情報を仕入れておいて正解だったかも、アース系の世界の芸能界では、番組の出演者に挨拶回りをするのが礼儀だって聞いていたけど本当だったのね?」
 ジャッジメントガールの楽屋には様々な関係者が出入りしており、みな総じて入室の際は何か布で包まれた物を持参していた。マリアはそれを賄賂だと判断する。
「さすがワルが推奨される世界……番組の前に融通してもらおうだなんて。手土産を持ってきてよかったわ」
 マリアは楽屋の扉を叩き、遂にジャッジメントガールとの対面を果たす。
「失礼するわね。初めまして、ジャッジメントガール。マリア・ルート、猟兵よ。今日はよろしくね?」
 挨拶と一緒に差し出す紙袋。
「これ、もしよかったら……」
「わざわざ挨拶に来てくれるなんて殊勝な心構えッス! んで、この中身は……?」
 ジャッジメントガールが袋に手を突っ込むと……。
「お酒ッス! 見たことない銘柄ッスね?」
「異世界のお酒よ。日本酒っていうの」
 緑色のガラス瓶に入った酒に、ジャッジメントガールは興味津々だ。
「ありがとうッス! あとでいただくッス!」
 こうして、マリアの楽屋挨拶は無事終了した。
 このやり取りはカメラに収められていなかったが、関係者がデビチューブで無断アップロードして後日拡散され、マリアの悪名(?)を押し上げるきっかけになった。

 時系列は現在に戻る。
「さあ! 続いての挑戦者っす! マリア・ルートッス!」
「よろしくお願いね。今回はこの打楽器を叩く音ゲーで勝負よ。より連撃コンボ数うを稼いだ方が勝ちってことでどうかしら? あんたも木槌でそういうの慣れているでしょ?」
 マリアはゲーム筐体とソフトを持参してジャッジメントガールに挑む。
 これにジャッジメントガールは余裕の表情だ。
「何かを叩くのは慣れてるッス。それに自分の有り余るパワーがあれば、これくらいおちゃのこさいさいッス!」
 そんな自信満々のジャッジメントガールがバチを持とうとしたその時だった。
「ねえ、せっかくだから、まずは景気づけに乾杯なんてどうかしら?」
 マリアの誘いに、ジャッジメントガールの顔がパッと明るく咲いた。
「いいッスね! マリアからもらった酒でテンション上げるっス!」
 ということで、いきなり酒盛りを始めながらゲームに興じ始める2人である。
「――美味いッスね~! 沁みるッス……」
「私も二十歳になったから、一緒に呑めて嬉しいわ」
 ジャッジメントガールがぐびぐび飲み干す一方、マリアは飲むふりをするだけ。
 ……もうお分かりだろうか?
「さあ、そろそろやるッス~! うぃ~!」
 勢いで飲み干したジャッジメントガールの顔が赤い。
 一方、マリアはほどほどに抑えたため、未だ素面に近い。
 となれば、ゲームが始まりノーツが高速で流れてきても、ジャッジメントガールの手元がおぼつかずにミスが連発する!
「お、おかしいッス! 酔いで手元が狂うッス……! マリアは何ともないッスか?」
「私はなんとも?」
 そう白々しく言いながら、ユーベルコード『創界樹の創造(ブリアー・セフィロト)』で攻撃回数が11倍に激増する!
 ちなみにマリアはバチではなく素手で太鼓を叩いている。
 なんて雄々しい姿なんだろうか。
「コンビネーションパンチで3連符の渋滞だってお手の物よ!」
「ぐぬぬ、酔ってさえなければ……ハッ! まさか自分、ハメられたッスか!? マリア、恐ろしい子ッス!」
 ジャッジメントガールが自分の失態を理解したところで、急激に立て直しを図ってゆく。
「証拠品押収! マリアのゲーム筐体を取り上げてやるッス!」
 だったらばと、ジャッジメントガールはマリアのゲーム機をユーベルコードで欧州してゲーム自体をなかったことにしようと企てる。
 しかし、これをマリアは拳でハンマーを殴り飛ばして軌道を逸らす!
「させないわ! そのハンマーでこっちを叩く暇があったら、目の前の太鼓を叩いたらどうかしら?」
「ムキーッ! 用意周到に外堀から埋めてくなんて、マリアもなかなかのワルッス! でも、あのお酒美味しかったから余計に悔しいっス!」
 ジャッジメントガールはアルコールが入った体で急激な運動をしたため、もはやフラフラで倒れそうだ。
 そしてマリアは楽勝かつ圧勝でフルコンボを達成した。
「どう、あんたにもこの連撃数は叩きだせないんじゃない?」
「……参ったっス。敵を篭絡させるマリアの勝ちっス……!」
 こうして、マリアもジャッジメントガールからワルのお墨付きをもらうことに成功したのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミハト・アオイ
※♥シトリンモードで参加
ハーイ!
イイネ、わかってるじゃんガール
やっぱ、こーゆー時はガチでバトルだよねー!
あーゆーれでぃ?

毎回思うけどそのハンマーの素振り速度はヤバいって!
そんで触れたら押収とか反則だし
その速度は押収じゃなくて殺しに来てるでしょーが!
くっ、迂闊に当たると変装用のアイテムが全部没収されて
アタシの素がバレる……!
なんだこの不利な戦い……!

でもここで真正面から突っ込むのがアタシのポリシー!
ハンマーの軌道をどうにか見切ってジャンプ&ハンマーの上に着地
そこから再度ジャンプで高く飛び上がったら
くらえーっ!必殺【超☆buttobiクリティカル】!
機械化義体での急降下飛び蹴り、かましちゃうよ!



「ハーイ! シリトンだよ☆ ジャッジメントガール! イイネ、わかってるじゃん? やっぱ、こーゆー時はガチでバトルだよねー! あーゆーれでぃ?」
 この日、初めてガチバトルを申し出てきたのはミハト・アオイ(under the Rose・f36560)であった。
 ジャッジメントガールも異種目バトルの連戦で身体が鈍っていたので、これ幸いと乗り気でハンマーを振り上げる。
「また来たッスか! こっちは準備万端ッス! それじゃ潰れるッス!」
 いきなりの先制攻撃に、アオイは初撃を難なく回避してみせる。
「毎回思うけどそのハンマーの素振り速度はヤバいって! そんで触れたら押収とか反則だし! その速度は押収じゃなくて殺しに来てるでしょーが!」
「安心するッス! イイ感じに重傷で済ませるッス!」
「どのみち無事じゃ済まないでしょ、それ!? くっ、迂闊に当たると変装用のアイテムが全部没収されてアタシの素がバレる……! なんだこの不利な戦い……!」
 見た目が派手なアオイもといシリトンだが、この姿はかなり盛っており、本来の姿はとても真面目で気弱そうな黒髪の女性だ。性格はこのままだが。
 ジリ貧になりつつある防戦一方に、シリトンは不屈の精神でここから反撃に出る。
「でもここで真正面から突っ込むのがアタシのポリシー! それに何度もガールとは戦ってるから、その手癖は既に把握してるよ!」
 真一文字に振り抜かれた巨大木槌を、大跳躍でシリトンは回避!
 さながら壇ノ浦の戦いで八艘飛びした源義経の如き身のこなしで、なんと敵のハンマーの上に着地してみせたのだ。そして再度の大ジャンプ! スタジオの天井の初梅雄を背に受ければ、目潰し効果もプラスされる!
「まさか、自分のハンマーを踏み台にしたッスか!?」
「油断したねガール! 今回も! キメワザ、いっちゃうよーーーっ!」
 シリトンは機械化義体の性能を最大限まで瞬間解放!
 片足から排熱を噴射しながら、天井から一気に急降下!
「機械化義体での急降下飛び蹴り、かましちゃうよ! くらえーっ!必殺【超☆buttobiクリティカル】!」
 排熱が推進力となって加速した飛び蹴りが、ジャッジメントガールの鳩尾に突き刺されば、その身体を勢いよく吹き飛ばした!
「やられたっス~!」
 スタジオの壁に叩きつけられて、べしょッと床に落ちてしまうジャッジメントガール。こうして、見事な逆転劇を果たしたシリトンは、全魔界に改めて実力を見せ付けたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カンナハ・アスモダイ
WIZで挑むわ。アドリブ連携等歓迎よ。

最強の悪魔、腕が鳴るわね!


目には目を、アイドルにはアイドルを
ライブバトルで勝負よ!

─Are You Ready?

【UC・悪魔法少女★あすも☆デウス・ON☆STAGE】

私のかっこかわいいライブパフォーマンスで<存在感>をアピール

イカサマなんてさせないわよ、ジャッジメントガール
ハンマーばかり見てないで、私のパフォーマンスを見なさい!
私の<歌唱>力と<ダンス><パフォーマンス>で視聴者諸共メロメロにしてあげるんだから!


勝敗が決した後、彼女と固い握手を交わすわ
最ッ高に楽しいライブだったわ、ジャッジメントガール!



 その猟兵は、他の悪魔と一線を画すほど華やかであった。
「アンタがジャッジメントガールなのよね? 相手は最強の悪魔、腕が鳴るわね!」
「その悪魔的にカワイイ・ロリータなアイドル衣装……もしや、今回の勝負は!?」
 ジャッジメントガールが問い質せば、カンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)は自信満々に答えた。
「ええ、目には目を、アイドルにはアイドルを! ライブバトルで勝負よ! アンタもワルのカリスマ……つまりアイドル力(ぢから)を発揮しているのは明白よ! でも、今この瞬間、私がそれを超えてみせるわ!」
 二丁拳銃ではなくマイクを握り締め、堂々とカンナハは宣戦布告!
 これにジャッジメントガールは不敵な笑みを浮かべていた。
「そういう事なら乗ったっス! 自分の美声を今日は特別に披露するっス!」
 ということで、勝敗は視聴者に委ねられ、お手元のリモコンの『D(デビル)ボタン』から、どちらのパフォーマンスが良かったかを投票してもらうことなった。
「ジャッジメントガール、行くわよ? ――Are You Ready?」
 次の瞬間、スタジオが暗転したかと思えば、カンナハのいる場所へスポットライトが浴びせられる。
 その衣装が魔力によってモードチェンジ!
 膨大な魔力を編み込んだ彼女の勝負服(サクラミラージュ製)に身を包んだ、超新星悪魔アイドルが降臨する!
「悪魔法少女★あすも☆デウス・ON☆STAGE~! みんな~! 今日は、観てくれてありがとうー! 投票は絶対に、この私にしてね。瞬き厳禁! 後悔なんて、一生させてあげないから!」
 華やかなイントロが流れれば、カンナハはテレビのモニタ越しの視聴者たちへ向けて歌とダンスを魅せ始めた。

 ♪私が守ってあげるわ 傷付き虐げられた契約者たちを
 ♪だから信じて付いてきなさい 絶対後悔させないんだから!

 そもそもカンナハがアイドル活動を始めたきっかけは、残虐な父に反目して愛と勇気で無辜の民を自分なりに守りたいという強い願いがあったからだ。
 彼女の歌とダンスは着実に観る者を魅了し、やがて彼女のファンは『契約者』と称されるほどに世間に認知され始めている。
 そんなトップスタァへの階段を駆け上っている真っ最中のカンナハのパフォーマンスは勢いがあり、尚且つデビルキング法で禁止している愛と勇気を齎す勇者行為であり、それすなわち極悪の所業であった。
「勇者行為のライブパフォーマンスで信者を増やす遣り口、これはなかなかのワルッス! でも自分のハイパー歌うまボイスには及ばないっス!」
 ジャッジメントガールが息を吸い込むと、この世のものとは思えないほどの美声がスタジオに響き渡った。

 ♪AHHHHHH! 所在ない罪に判決 しょうもない罰に即決!
 ♪お前の出まかせワル語り 自分がぶちかませワールドワイド!
 ♪どんな悪事も暴力で解決 軽犯罪でオダブツッス!

 何と軽快なラップソングを披露するジャッジメントガール!
 そしてリズムを取りながらハンマーを台座へ叩きまくる!
 そこから鳴り響いた音が、カンナハの動きと視聴者の行動を自在に操れるのだ。
「視聴者たち、投票は自分に入れるっス!」
 そう呼びかければ勝利は確実だ!
 ……などとジャッジメントガールは思っていた。
「それは予測していたわ! イカサマなんかしてないで、私のパフォーマンスを見なさい、ジャッジメントガール!」
 カンナハのアイドルパフォーマンスがさらに輝き始めれば、いつしかジャッジメントガールはハンマーを叩くことすら忘れてカンナハを食い入るように見入っていた。
「す、すごいっス……! 溢れるパッションがユニバースでワクワクドッキドキっす!」
 いつしかジャッジメントガールはコール&レスポンスにまで参加するほど魅了されており、完全に『契約者』となってしまっていた。
「私のアイドル(ぢから)で、全魔界をメロメロにしてあげるんだから! だから投票は私に入れなさい、契約者たち!」
 すると、拮抗していた投票結果が、一気にカンナハ圧勝ペースへ移り変わってゆく!
 そして蓋を開ければ、カンナハの得票率100%で勝負が終わった。
 ジャッジメントガールは勝負を忘れ、あまりの尊さに涙していた。
「ま、魔界にこんなアイドルが爆誕していたっスね……! 自分も推すっス!」
 そんなジャッジメントガールへ、カンナハは歩み寄ってがっちりと固い握手をジャッジメントガールと交わした。
「あなたこそ、びっくりするくらいの美声だったわ! ありがとう、最ッ高に楽しいライブだったわ、ジャッジメントガール!」
「尊いっス!!!!!!」
 ジャッジメントガールは嬉しさあのあまりに昇天してしまった。
「契約者のみんな! ガチデビルなんかを支持したら、この私が許さないわよ!?」
 カンナハがカメラに向かって訴える。
 多くの視聴者が彼女の『契約者』となった今、この言葉はとても大きな抑止力となるだろう……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ムゲン・ワールド
アドリブ歓迎

 可愛らしいお嬢さんだ。実際には本当の私(若返る前のムゲン28歳)より圧倒的に年上らしいが、見た目が可愛らしいことは重要だ。

「というわけで可愛いお嬢さん。私とも一手、お手合わせ願いましょう」
 と言いながら、ジャッジメントガールのすぐそばまで行って、UC発動。
「このミラーハウスラビリンスで、ね。出口は一つ。先に辿り着いた方が勝ちです」
 私にはただのガラスに見えてるのだけどそれは内緒だ。イカサマ上等なのが悪魔、デビルキング法の世界よ。
 
 と言うわけでガラスに見えてる有利を生かしてゴールへ一直線。
 敵のUCは長時間使えないはずだから、耐えるしかないな。一応リミッター解除で抵抗は試みる。



 ムゲン・ワールド(愛に生きたナイトメア適合者・f36307)はジャッジメントガールと対面すると、礼儀正しく首を垂れた。
「これはこれは。とても可愛らしいお嬢さんだ。実際には本当の私より圧倒的に年上らしいが、見た目が可愛らしいことは重要だ」
 ムゲンは『運命の糸症候群』により、高校生の姿にまで若返ってしまったので彼自身も相当若い見た目なのだが、実年齢は圧倒的にジャッジメントガールが上である。
 そんなジャッジメントガールは初手褒め殺しに、満更でもないとドヤ顔をした。
「自分は美貌も極悪にカワイイっスよ! もっと褒めるッス!」
「というわけで可愛いお嬢さん。私とも一手、お手合わせ願いましょう」
 優越感に浸っている相手に、ムゲンは話の主導権を握ったままことを進める。
 ずずいとジャッジメントガールの傍らまで歩み寄った瞬間、ユーベルコードを発動する。
「この私のユーベルコードの『悪夢・鏡の大迷宮(ナイトメア・ミラーハウスラビリンス)』で、ね?」
「な!? ここは何処っスか!? さっきまでスタジオだったはずっス!」
 気が付けば、ジャッジメントガールとムゲンは鏡張りの迷路に閉じ込められているではないか。
 ムゲンが慌てふためくジャッジメントガールへ言葉をまくしたててゆく。
「勝負は簡単。この迷路の出口は一つ。先に辿り着いた方が勝ちです。では、スタート」
 ムゲンはスタスタと迷うことなく何処かへ歩き出してしまった。
 一方、ジャッジメントガールは鏡張りの通路に悪戦苦闘してしまう。
「ど、どっちっスか? こっち……痛い! 壁だったっス!」
 ジャッジメントガールは考える。
 ここでハンマーを使って敵の動きを止めても意味がない。
 ハンマーでユーベルコードは使えない……ならば。
「この鏡張りの壁をぶち壊すっス!」
 ジャッジメントガールは躊躇なく巨大な木槌を振り上げた。
 その頃、ムゲンはその行為を遠巻きに見てギョッと目を剝いていた。
「そういう突破方法もあるんですね……流石は圧倒的な武力で数多の悪を軽犯罪におとしめた魔界裁判長……」
 ムゲンにはこの迷路がすべて鏡張りではなく透明なガラスの壁に見えている。
 故に出口の方角はすぐに分かったのだが、まさか相手が物理的干渉を行ってくるとは。いくら迷路の壁が強度があるとはいえ、相手は魔界最強クラスの悪魔だ。破壊なんて造作もないだろう。
「急ぎましょう。そのまま壁を突き破られたら負けてしまいそうですし」
 ムゲンは急ぎ足で出口を目指し、どうにか脱出に成功した。
 ジャッジメントガールのユーベルコードを喰らっていたら、そのまま出口やこの迷路の絡繰りを白状してしまっていたかもしれない。そうならなかったのは、終始ムゲンが話の主導権を握って有無を言わさぬ状況を作り出していたからだ。これは詐欺の常とう手段でもあり、ムゲンは自然とジャッジメントガールの思考を誘導して勝利を掴んだのだ。
「ムキーッ! この鏡、なんでこんなに硬いっスか~!」
 迷路の中で泣き言を叫ぶジャッジメントガールに、脱出したムゲンは独り言ちる。
「イカサマ上等なのが悪魔、デビルキング法の世界よ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

レーヴァ・アークルージュ
さて、一度ジャッジメントガールちゃんとは戦いたかったんだ
勝負は簡単、純粋な戦闘だよ

そう言いながら黒き炎を空間そのものを変換させて生み出し、ジャッジメントハンマーを受け止めていく

さて、空間そのものを変換させた炎を受け止められるのか
炎を転移させたなら空間を火炎に変換させる事で生じる時空の歪みの修正を利用して疑似空間転移
ジャッジメントハンマーを食らわない様に疑似転移しながら『その時』を待つ

この炎はただ空間を炎に変えるだけじゃない
『敵を構成する『過去』に由来する全ての力』、それを略奪する炎
そしてさっき……その炎を証拠品入れに転移させたね
そう言って彼女の『過去』を黒き炎が奪っていくよ



 レーヴァ・アークルージュ(超学園級の烈焔魔導士・f29627)はジャッジメントガールと対面を果たすと、開口一番に言い放った。
「さて、一度ジャッジメントガールちゃんとは戦いたかったんだ。勝負は簡単、純粋な戦闘だよ」
「真正面からの殴り合いを所望するっスか? 自分、かなり強いっスよ!」
 ジャッジメントガールが巨大なハンマーを振り上げ、今にもレーヴァへ振り下ろさんと身構える。
 それにレーヴァは、早速ユーベルコードで応戦してみせる。
「全てを喰らえ、太陽を統べる者にして全てを貪る者たる黒き焔よ。汝が貪るは過去から蘇りし忘却の理の由来たる起源なり」
 その詠唱を終えた途端、周囲の空間から黒い焔が出現する。
「さて、空間そのものを変換させた炎を受け止められるのか、試させてもらうよ」
「その程度の炎で、自分のハンマーを止められないっス!」
 ジャッジメントガールの言葉通り、凄まじい勢いで振り被られたハンマーの一撃の前に黒焔が搔き消されてしまう。
「どうっスか!? 大体、実体のない焔で物理攻撃を受け止めようなんて考えが成り立たないっス! ……って、どこ行ったっス?」
 勝ち誇っていたジャッジメントガールの視界から、いつの間にかレーヴァの姿が消えていた。
 ジャッジメントガールは逡巡したのち、得意満面の笑みで声を上げた。
「さては、勝ち目がないと知って逃げたっスね? あっけないっス!」
「心外だなあ。私は此処だよ?」
 不意に聞こえたレーヴァの声。
 ジャッジメントガールはすぐに身構えて周囲を警戒する。
「どこから聞こえたっスか!?」
「此処だよ、此処?」
 ジャッジメントガールの視界の端を、レーヴァがものすごい勢いで横滑りしていく……!
「今のはなんスか!? バグっスか!?」
「バグじゃなくて、疑似空間転移だよ」
 レーヴァがぴたりと停止する。
「私のユーベルコード『起源たる理の由来を奪う暴食の黒焔(ロストブレイズ・ブラックアポリオン)』は、虚空から現れる『空間を変換した黒き焔』を操ることができるんだ。つまり周囲の空間を黒焔に変えられる。すると、変換された空間の空気が元の体積に戻ろうとして吸引力が発生する。いわゆる時空の歪みってやるだね。私はその時空の歪みの修正力を利用して、短距離高速転移を繰り返すことができるよ。これならハンマーを直撃しなくて済むからね」
「なんかよく分からないユーベルコードッスけど、要は点と点の間をめっちゃ素早く動いてるだけッスね? だったらその軌道を予測すればいいだけッス!」
 ジャッジメントガールは黒焔の出現場所を全て記憶すると、レーヴァのワープの軌道を見事に見切ってしまう。
 振りかぶられたハンマーがレーヴァの顔面に迫る!
「捉えたっス!」
 レーヴァ、このまま顔面粉砕か!?
 ……しかし、突如として巨大ハンマーが一瞬で焼け落ち、その攻撃は空振りに終わったのだ。
「ええーっ!? 今まで散々黒い焔に触れても燃えなかったのに、今のタイミングで燃えるっスか!?」
 愕然とするジャッジメントガールに、レーヴァが額に冷や汗をかきながら間合いを取ってゆく。
「間一髪だったね。そっか、ジャッジメントガールちゃんはオブリビオンじゃないんだっけ?」
「自分は超強い悪魔っス! オブリビオンと一緒にするなっス!」
「あはは……ごめんね。どおりで狙った効果が出ないなーって思ってたんだ」
 苦笑いするレーヴァがこのバトルの種明かしを始めた。
「この炎はただ空間を炎に変えるだけじゃない。『敵を構成する『過去』に由来する全ての力』、それを略奪する炎だよ。そしてさっき……その炎を証拠品入れに転移させたね?」
 ジャッジメントガールのハンマーに命中したものは、全て彼女のユーベルコードで押収されてしまう。
 つまり、亜空間の証拠品保管場所にレーヴァの力が流れ込んでいた。
「最初は過去に由来するあらゆる力を消して、ジャッジメントガールちゃんの存在そのものを希薄にしちゃおうと思ったんだけどね?」
「さらっと恐ろしい事を言ったっス!?」
「でも、オブリビオンじゃないなら過去を焼いても効果はないよね。ただ物忘れが激しくなるだけだし。なので、押収された証拠品を燃料にハンマーを単純に燃やしてみたよ」
「それ、最初から自分に黒い焔をぶつければよかったんじゃないっスかね……?」
 ジャッジメントガールのツッコミに、レーヴァの顔がハッと気付かされた。
「結果論だけど、そうなるね……」
 オブリビオン相手なら過去由来のパワーを消失させて撃破や弱体化を図れるのだが、どうやら悪魔相手ではそれは意味を成さなかった。
 レーヴァは採るべき作戦を間違えたことに気付くも、即時前向きに考える。
「それじゃ、今から黒き焔をジャッジメントガールちゃんに浴びせるね?」
「え? もうハンマー燃えたっスけど? さすがにスタッフが新しい奴を持ってくるまでバトルはタンマっス!」
「なんで? 最強の悪魔なんだし、私の黒い焔くらい耐えられるよね?」
 レーヴァの挑発!
 ジャッジメントガールは罠だと理解しつつも、自身の面子のために動かざるを得ない。
「そう言われてしまってはこの最強の悪魔である自分は断れないっス! さあ、好きなだけ黒い焔をぶつけてくるっス! じゃんじゃん燃やすっス!」
 ジャッジメントガールは万歳をしたまま立ち尽くし、放たれた黒い焔を受け止め始める。
 ……こうして、スタッフが巨大ハンマーの予備を持ってくるまでの間、ジャッジメントガールは黒い焔と我慢大会を強制開催せざるを得なかった。
「なんか思ってたのと違うなあ……でも私は無傷だし、一応勝ったよね?」
 レーヴァはそう自身に言い聞かせるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

撒菱・しのぶ
ジャッジメントガールサン、オヌシは裁判長、拙者はニンジャ…
ならばここはひとつ、水泳で勝負といこうでござる!
このプールでより早く向こう岸に辿り着いた方が勝ち…いかがかな?拙者は水泳の技能で…って速っ!?ちょっ待つでごる!

フッ…ぜーはー…計画通りでござる!見るでござるよ、上昇し続ける拙者のチャンネル登録者数を!
オヌシはかなりの…いやまあ拙者も別に負けてないでござるが…美少女でござる。美少女2人の水着回となれば視聴者爆増は必定…利用させてもらったでござる。これはつまり、試合に負けて勝負に勝った状態、でござる!



「ドーモ、ジャッジメントガール=サン。拙者の名は、しのぶでござる」
 撒菱・しのぶ(サイバーニンジャ系ストリーマー・f36565)は合掌からきれいな90度直角オジギをジャッジメントガールへ披露する。
 イクサの前のアイサツは実際神聖な儀式行為。
 それを当然ジャッジメントガールも理解していた。
「ドーモ、しのぶ=サン。ジャッジメントガールっス!」
 こちらも負けじと流れる所作でアイサツをこなすジャッジメントガール。
 さすがはあらゆる分野で最強を自負する魔界裁判長、アイサツも一流だ。
「自分、ニンジャ流アイサツも最強クラスっス!」
「敵ながらお見事でござる……」
 しのぶは軽く拍手してしまうほど、ジャジメントガールの所作は美しかった。
「ジャッジメントガール=サン、オヌシは裁判長、拙者はニンジャ……。ならばここはひとつ、水泳で勝負といこうでござる!」
「待つっス、水泳の話なんて一言も言ってないっスよ?」
 しのぶの提案に目を丸くして訝しむジャッジメントガール。
 だが、しのぶは番組プロデューサーからテレビ局近くのデビルプール施設でのロケを打診しており、番組側も面白いからという理由でこれを採用するのだった。

 そして、場面は移ってデビルプール施設にて。
「お待たせしたでござる!」
 しのぶが更衣室から飛び出してきた。
「ニンジャらしく、黒の競泳水着でござる!」
 競泳水着の割には装飾が多く、鼠径部からアンバーバストにかけて黒のレース生地のせいで素肌が透けている大胆なデザインである。
 これには、しのぶがLive配信中の視聴者たちが一気に盛り上がる!
『黒のスケスケ水着へっちだ……』
『へそチラ!』
『さすがニンジャ汚い』
 投げ銭発言でチャット欄が埋まるほどの熱気だ!
 そしてジャッジメントガールはビキニ水着で登場!
「自分の輝く美ボディにひれ伏すっス!」
 意外ッ! 水着の色は純白!
 裁判長らしく潔白を意味する『白』で登場だ!
 そのフェチズムを感じる水着姿に、またしても視聴者の投げ銭が飛び交った。
「では、尋常に水泳勝負でござる! このプールでより早く向こう岸に辿り着いた方が勝ち……いかがかな?」
「50mプール1本勝負! 受けて立つっス!」
 ジャッジメントガールが条件を呑むと、2人はスタート台の上に立つ。
「おん・ゆあ・まーく……!」
 しのぶが飛び込み姿勢をして意識を集中させると、短いブザー音が鳴り響いた。
 スタートの合図だ!
(拙者の水泳技能、ご照覧あれ!)
 全力でクロールを前へ前へと水を搔き進んでゆく。
(ニンジャの瞬発力と持久力を合わせれば! 拙者に死角がないでござる!)
 半分の25mを通過したその時、しのぶは見てしまった。
「ゴール! 勝ったっス!」
 何とジャッジメントガールが既に50mを泳ぎ切っていたのだ。
(……って速っ!? ちょっ待つでごる!)
 しのぶはジャッジメントガールの泳ぎに全くついてこれず、あっけなく完敗を喫してしまった……。

 そして、遅れることジャッジメントガールの記録の二倍の時間を要して、ようやくしのぶが50mを泳ぎ切った。
「フッ……ぜーはー、ぜーはー……! け、計画通りでござる!」
 プールサイドに上がってきたしのぶが、何故か勝ち誇った顔をしてジャッジメントガールへ勝利宣言をしていた。
 突き付けたのは、今までLive配信をしていたスマートフォンである。
「見るでござるよ、上昇し続ける拙者のチャンネル登録者数を! 投げ銭コメントの数々を! 過去最高記録を今もなお更新中でござる! この意味を理解できるでござるか!?」
「……ま、まさか!」
 ジャッジメントガールは気付いてしまった。
 この勝負、初めからしのぶは勝つつもりがなかったのだ!
「まさかあんなに泳ぎが早いとは想定外でござったが……ゲフンゲフン! そう! 水泳勝負は口実に過ぎぬでござる! 真の目的は、拙者の配信チャンネルの認知度アップ!」
「やっぱりそうっスか!!」
 ジャッジメントガールは慌てて自分のスマホを更衣室から持ってくると、自分のデビチューブチャンネルを確認した。
「……最近まで職務怠慢で寝てたせいで、登録者数が激減してるっス……!」
 まぁ、長い間放置されていたチャンネルだし、色々とお察しであった。
 対して、今まさに配信中のしのぶのチャンネルは、バズリまくって今や注目度ランキング1位に上り詰めていた。
「オヌシはかなりの……いやまあ拙者も別に負けてないでござるが……まごうことなき美少女でござる。そして美少女2人の水着回となれば視聴者爆増は必定……この好機、まんまと利用させてもらったでござる。これすなわち、試合に負けて勝負に勝つ、肉斬骨断でござる!」
 汚いなさすがニンジャきたない!
「ぐぬぬぬ……! 自分を騙しきるなんて、まさにワルの証っス……!」
 ジャッジメントガールは悔しさで下唇を噛み締めながらも、しのぶのチャンネルをすかさずお気に入り登録した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルケン・ピーチ
褐色肌ボディのアカリで出撃

あたしがお前に挑む理由は一つ!
…口調被ってんすよ!

というわけで腕相撲で勝負っす!
こう見えて【怪力】には自信あるんすよ!

つっても最強の悪魔だし多分あたしより普通に強いっすよね

つーわけで、ゴールデンハヌマーン搭乗!
パワー系ロボの力を見るっす!
え、これあたしのパワーに連動して動くからあたしの体みたいなもんすよ?
腕ちゃんとあるし
そっちのハンマーは腕じゃないから、使ったらワル以前にルール違反の失格っすよね?

って、腕力だけでロボ押し返してくるんすか!?
ショーがない、こうなったら…【指定UC】発動!
出力3倍!ジェット機構付き!これでどうだぁ!
体育会系パワーギャルの座は譲らないっす!



 ミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)に身体を預ける褐色肌のギャルことアカリはジャッジメントガールを見るなり、鋭い眼光を向けていた。
「あたしがお前に挑む理由は一つ!」
 ビシッと指を突き付け、ジャッジメントガールへ言い放った。
「……口調被ってんすよ!」
 まさかの口調被りであった。
 だが自分よりキャラの濃い悪魔が似たような口調をしていれば、誰だって気を揉むだろう。
 一方、指摘されたジャッジメントガールは困惑していた。
「そう言われても、自分は昔からこの口調っス……あと強いて言うなら、ちいさい『つ』にカタカナの『ス』っていう感じで発音してるっス」
「分かりずらいっす! とにかく、どちらが『っす言葉』が相応しいワルか、腕相撲で勝負するっす!」
 アカリの提案にジャッジメントガールはほくそ笑む。
「パワーで勝負とか、自分相手に良い度胸っス!」
「余裕かませるのも今のうちっすよ! こう見えて、怪力には自信があるっす!」
 アカリは腕の力こぶを見せ付けながら、流れるように虚空から金色のサル型ロボを呼び出した。
「つーわけで、ゴールデンハヌマーン召喚! そのまま搭乗! パワー系ロボの力を見るっす!」
 あれよあれよとコクピットに収まるアカリ。
 これにジャッジメントガールが全力でツッコミをいれた。
「パワー系ってロボのパワーじゃないっスか!!」
「え、これあたしのパワーに連動して動くからあたしの体みたいなもんすよ? 腕ちゃんとあるし? つか最強の悪魔だし多分あたしより普通に強いっすよね? これくらいのハンデでガタガタ言うなんて、魔界裁判長は器が小さいっすね~! あとそっちのハンマーは腕じゃないから、使ったらワル以前にルール違反の失格っすよね?」
 アカリの指摘にジャッジメントガールが高らかに叫ぶ。
「ルール違反はワルなので自分はハンマーを使うっス!」
「だから腕相撲って言ってるじゃないすか!」
「ハンマーは腕の延長線っス……といいたいところっスけど、めちゃくちゃやりづらいっスね」
 やむなく、ハンマーを持つ反対側の手でゴールデンハヌマーンの指を持つジャッジメントガール。
 そしていよいよ勝負の時!
 Ready Go!
「って、腕力だけでロボ押し返してくるんすか!?」
 しかも利き手じゃないほうの腕でグイグイ押し込んでくる!
 なんたる腕力か!
 このままではアカリは負けてしまう!
「どうしたッスか? 口程にもないっスね~!」
「ぐぬぬ……ショーがない、こうなったら……桃獣合体パルフェオペッシュ、発動っす!」
 途端、虚空から他のボディ2人の専用キャバリアが出現すると、ゴールデンハヌマーンと変形合体!
「次元跳躍、全機集合! 桃獣合体!」
 専用BGMが流れ、ゴールデンハヌマーンの腕はきちんとジャッジメントガールとの勝負を保ったままVFXめいた超絶合体演出がカメラに収められ、全魔界へ放送されてゆく。
 最後に顔のパーツが出現してフェイスオープンすれば、桃から生まれた巨大ロボの完成だ!
「参上! パルフェオペッシュ!! 出力3倍! ジェット機構付き! これでどうだぁ!」
 腕の部分にスラスターが付与されることで、腕力と共に推進力でジャッジメントガールの腕を徐々に押し込んでゆく!
「うおおおおっ! まだまだっス!」
 粘るジャッジメントガール! その利き手のハンマーが振り上げられる!
 あれが命中すれば、パルフェオペッシュは証拠品として押収されてしまう!
「させるかぁっす!」
 アカリはゴールデンハヌマーンの背中に担いだ巨大砲ミルクキャノンを、ジャッジメントガールの超至近距離からぶっ放す!
「グワーっす!?」
 爆裂する弾頭でハンマーが手からこぼれる(なおジャッジメントガールは無傷)!
「体育会系パワーギャルの座は譲らないっす! これで沈めぇぇっす!」
 最大出力でジャッジメントガールを“押し潰した”パルフェオペッシュ!
 アカリはどうにか自分のキャラを守り切り、お茶の間の大きなお友達を興奮のるつぼに叩き込んだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
わわっ、パンツが丸見えなえっちなお姉さんだ!
あんな恰好でテレビに出るなんて、これは強敵な予感だよ☆

呼び出された絶対冤罪裁判官たちに冤罪を吹っ掛けられるよ!
ふふーん、テレビ局の控室に置いてあったお菓子を食べたのがボクだって冤罪になんて屈しないぞ☆
なぜなら、本当につまみ食いしたのがボクだからだ!

【ライオンライド】で呼び出した子ライオンくんに飛び乗って戦うよ♪
絶対冤罪裁判官たちの間を駆け回って攻撃していくよ♪
ジャッジメントガールさんの足元も駆け抜けてさくっとレイピアで切り裂いちゃうぞ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「わわっ、パンツが丸見えなえっちなお姉さんだ! あんな恰好でテレビに出るなんてワルの中のワルだね! これは強敵な予感だよ☆」
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は誰も今までツッコミを入れなかった事を真っ先にツッコんだ。
「自分のパンツに言及するなんて、さすがは妖精さんっス! ということは勝負の内容はパンツのデザイン勝負っスか?」
「違うよ!?」
 思わぬ提案にティエルは全力否定した。
 そのままライオンライドで子ライオン君を呼び出すと、スタジオ内を駆け回って悪戯を開始!
「あー! お菓子を発見したよ☆ 勝手に食べちゃうぞ♪ え、他の猟兵の差し入れ? しーらなーい☆」
 ティエルは自分の身体よりも大きな月餅をバクバク食べ始めた!
「あー! それ自分の月餅っス!? 許せないっス! 冤罪裁判官、出動っス!」
 勝手におやつを食べられたジャッジメントガールは、怒りに任せてユーベルコードで冤罪裁判官20人をよびだすと、ティエルと子ライオン君を捕まえるよう指示を飛ばした。
「そういえばこのテレビ局中の差し入れやお菓子が消えたのも、きっとそいつらの仕業っスね!?」
 ジャッジメントガールの冤罪!
 これにティエルはドヤ顔で答えた。
「ふふーん、テレビ局の控室に置いてあったお菓子を食べたのがボクだって冤罪になんて屈しないぞ☆ なぜなら、本当につまみ食いしたのがボクだからだ!」
「有罪! 有罪っス! 早くとっ捕まえるっス!」
 ジャッジメントガールと20人の裁判官達が走って逃げる子ライオン君を追い回す。
 しかしあまりの素早さと小柄な体躯ですり抜けられ、体力を共有しているジャッジメントガール側は急速に疲弊してゆく。
「な、なんてすばしっこいんスか……!?」
 ジャッジメントガールの追いかける足が止まった次の瞬間、ティエルは逃げではなく攻めに転じる!
「ライオン君、今だー☆ うりゃりゃー☆ さくっとレイピアで切り裂いちゃうぞ☆」
 ジャッジメントガールの股下を素通りしながら、愛用のレイピアを振り回したティエル。
「いててっ!? な、な~んだっス! そんなに大したダメージじゃないっスね! って、カメラさん、そんなに慌ててどうしたっスか? え、下?」
 ジャッジメントガールの足元に、黒くて三角形の布地が落ちていた。
 これは、まさか……。
「あああああーっ! 放送事故ッス!! 見るなっス~!?」
「あれー!? どっか引っ掛かっちゃった!?」
 ティエルの剣先が、ジャッジメントガールのパンツの布地に引っ掛かったらしく、斬り裂かれた際にパンツが脱げてしまったようだ……。
 全てをカメラの前に曝け出してしまったジャッジメントガールは、顔を真っ赤にして控室へ逃げ帰ってしまった。
「あの妖精さん、ウルトラSSR級のワルっス! ぴえんっス!」
 こうして、ティエルは生放送を一時中断させるほどのワルを全魔界に見せ付け、お茶の間を震撼させたのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
■アドリブ可
わたしと遊びましょう!とシエナは裁判長を誘います。

猟兵達が各々の方法で裁判長と対決をする中、シエナも己の目的を果たす為にシエナは裁判長に『叩いて被ってジャンケンポン』で挑みます

人数を増やして問題ないよね?とシエナは『お友達』を呼び出します。

裁判長が裁判官が呼び出せばシエナはスカートの中から『お友達』を呼び出し対抗します
そして、沢山の『お友達』と裁判官で対決が大会染みてくればシエナは気分を高揚とさせて凄まじい速度でジャンケンの敗者を敵味方関係なく[怪力]と共に振るわれるハンマーの餌食にする凶行に及び始めます

降参すれば終わりなんてわたし言ってないよ?とシエナはハンマーを振り上げます。



 気持ちを新たに、ジャッジメントガールは次なる猟兵を迎え撃つ。
「わたしと遊びましょう!とシエナは裁判長を誘います」
 シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)は『猟兵の特級呪物』と名高い“やべー奴ら”の一角である。
 ヤドリガミであるシエナは、とある呪われた病弱な少女の持つ人形を器物(本体)に持つのだが、その仮初の肉体は亡くなった自分の主の肉体を再利用している。この時点で既にやべー奴だが、更にやべーのは彼女にとってオブリビオンは『お友達候補』である点だ。亡き主が死に際に残した言葉を守るべく、呪詛によって如何なるオブリビオンでもシエナの傀儡へと変えてしまう。そうして『お友達』になったオブリビオンは、彼女のスカートの中にある異空間に永遠に囚われてしまうのだ。
 つまり此奴にあったが最期、オブリビオンは命運が尽きたも同然である。
 ナムアミダブツ!

 しかしながら、目の前のジャッジメントガールはオブリビオンではなく悪魔だ。
 いくらシエナが血みどろ残虐チャイルドプレイを仕掛けようとも、殺すことができない相手であり、シエナの天敵と云えよう。
「なんか今までの猟兵とは雰囲気が違うっス。で……何で戦うっスか?」
 恐る恐るジャッジメントガールが尋ねてみると、シエナは黄色い安全ヘルメットとピコピコハンマーを持参してきた。
「仲良く『叩いて被ってジャンケンポン』で勝負です!と裁判長にシエナは挑みます」
「……ほっ。それ、自分が他の放送回で猟兵とやった奴っスね!」
 別のグリモア猟兵が『叩いて被ってジャンケンポン』でジャッジメントガールと戦う予知をしており、ジャッジメントガールはその時の経験が活きたなと安堵していた。
「でもこっちは人数を増やして同時攻撃ッス!」
 いきなり冤罪裁判官を5名呼び出したジャッジメントガール!
「これで五連撃が炸裂するっス!」
 なんて卑怯! なんてワル!
 だがシエナも『お友達』を呼んで対抗する。
「こっちも5人呼ぶね?とシエナは『お友達』をスカートの中から呼び出します」
 ぞろぞろとスカートの中から這い出てきたのは、どれもおどろおどろしい異形ばかり。動物の部位を継ぎ接ぎした姿のキメラたちは見た目からして強そうだ。
 そうこうしているうちに勝負が始まれば、一進一退の攻防でなかなか決着がつかない。
 だんだん気分が高揚してきたシエナは、徐々に目がトリップし始める!
「凄く楽しくなってきたよ!とシエナは気分の高揚を訴えます!」
 ユーベルコードを誘発させたシエナは、溢れる呪詛を撒き散らしながら無意識に冤罪裁判官を殴り飛ばしてゆく!
「いったぁ!? なんスか、そのピコピコハンマー!? めちゃくちゃ重い一撃ッス!」
「これは特注品です!とシエナは砂鉄入りピコピコハンマーを誇示します」
「普通に凶器ッス!」
 そしてハイになったシエナが暴走し、『お友達』ごと冤罪裁判官を潰し始めた。
「グワーッ! こ、降参するっス! そっちの勝ちっス!」
 いつもの5倍の激痛に見舞われたジャッジメントガールがシエナの勝利を宣言する。
 しかし、シエナはハンマーを振り上げている……!
「降参すれば終わりなんてわたし言ってないよ?とシエナはハンマーを全力で振り下ろします」
 その一撃がジャッジメントガールの額を直撃!
 ――ジャッジメントガールは、それからしばらくの間の記憶が欠落していた。
 何がその間に行われていたのかは、シエナと固く口を閉ざすスタッフたちのみぞ知る……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キリカ・リクサール
【紫闇】

殴り合いだけが勝負ではない
二人の絆を見せるとしようか、魅夜

魅夜がUCで周囲を和やかな雰囲気にしたら自分もUCを発動
ボリードポーチからティーセットを取り出してお茶会の準備をする

サンドイッチを食べさせたり、ケーキを食べさせてもらったり…
存分に楽しく…もとい、勝負をしよう

フフッ…魅夜の髪と瞳は夜空のように美しいな
それに、輝くような白い肌…ずっと見ていたいくらいさ

私だって魅夜との日々は大切な思い出だ
二人で戦場を渡るほどに、絆は深く、強くなっていく事を実感するよ

魅夜が私の事を永遠に語れるように
私も魅夜の事を永遠に語れるさ

フフッ…そうだね
貴女にも、魅夜のように素晴らしい親友が出来るように祈ってるよ


黒城・魅夜
【紫闇】
どの分野でも比類なき強さの最強のお方だそうですね
ですが……

「親友との仲良し対決」ではいかがです?

ふふ、私とキリカさんとの絆の強さに互しうるほどの
仲のいいお友達があなたにはおいでですか?

UCを使用し周囲の環境を魅了
ほのぼの和やか空間を作り出し
キリカさんの用意してくれたお菓子を食べながら
イチャイチャ……こほん、仲良く時を過ごします

キリカさんの美しく艶やかで吸い込まれそうな魅力と
いかなる敵も斬り伏せる刃のような鋭利な強さ

共に戦場を駆け抜けた幾多の思い出
日常での無邪気な微笑み

彼女の素晴らしい点なら
私は永遠に語り続けることができますよ

まあ、そう気を落とさずに
いつかあなたにも親友ができますよ、ふふ



 キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)と黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は、魔界の公共の電波でイチャイチャしまくっていた。
「ジャッジメントガール、どの分野でも比類なき強さの最強のお方だそうですね。ですが……『親友との仲良し対決』ではいかがです?」
 黒城がキリカの頬を触れて愛おしそうに撫でる。
「殴り合いだけが勝負ではない。二人の絆を見せるとしようか、魅夜」
 キリカも黒城に身体を預け、柔らかに微笑む。
「……何が起きてるっスか?」
 唖然とするジャッジメントガールをよそに、2人は勝手に盛り上がってゆく。
「ふふ、私とキリカさんとの絆の強さに互しうるほどの仲のいいお友達があなたにはおいでですか?」
 黒城はユーベルコード『甘き夢見よ微睡の世界(スウィートドリームス・オブ・ザ・ワールド)』で甘い吐息を発散させると、周囲の空間にムーディでピンクなアトモスフィアが充満する。
 これに気を良くしたキリカは、敢えて相方のユーベルコードの効果に乗っかって多幸感を覚える。
「では、仲の良さを証明するべくお茶会と洒落込もうか。今日は魅夜の好きなものばかりを作ってきたんだ」
 ボリードポーチからティーセットを取り出してお茶会の準備をするキリカ。
 用意した紅茶やお茶菓子、そして軽食のサンドイッチに至るまで、黒城の好物ばかりを取り揃えている。
 これに黒城は思わず顔をほころばせて喜ぶ。
「キリカさんのそういう優しいとこ、私、大好きですよ?」
「私も魅夜の笑顔を愛おしく思うよ。作った甲斐があった」
 2人は超至近距離に身体を寄せ合いながら、サンドイッチを食べさせたりケーキを口に運ばせたりと、濃密な親愛ぶりを全魔界のお茶の間へアピールする。
「嗚呼、まったく見惚れてしまう」
「私のどこに見惚れてしまうのですか、キリカさん?」
「言わせるのか? 魅夜は欲しがりだな。フフッ……魅夜の髪と瞳は夜空のように美しいな。それに、真珠を思わせる輝くような白い肌……ずっと見ていたいくらいさ」
「まぁ、それを言うなら、キリカさんの美しく艶やかで吸い込まれそうな魅力といかなる敵も斬り伏せる刃のような鋭利な強さに私はいつも目を奪われていますよ。それに共に戦場を駆け抜けた幾多の思い出も、日常での無邪気な微笑みも――」
 黒城がキリカの口端に付いた生クリームを人差し指で拭い、自分の口に運んでゆく。
「――あなたのすべてが、私の大切で輝かしい、かけがえのないものです。キリカさんの素晴らしい点なら、私は永遠に語り続けることができますよ」
「私だって魅夜との日々は大切な思い出だ。二人で戦場を渡るほどに、絆は深く、強くなっていく事を実感するよ」
 キリカの顔が黒城の額とふれあい、鼻先に互いの吐息を感じる距離でささやく。
「……魅夜が私の事を永遠に語れるように。私も、魅夜の事を永遠に語れるさ。いや、きっと来世でも魅夜を見つけて、お前の美しさを語り明かそう」
「まあ、キリカさんってば……」
 完全に2人は自分たちの世界に立てこもり、これが全魔界で放映されていることをきっと忘れているのだろう。
 まさに百合のテロリズムである。
「……だから自分はさっきから何を見せられてるっスかね?」
 ジャッジメントガールは完全に置いてけぼりを喰らい、目の前の百合カップル……もとい大親友の愛のささやき……ではなく友情の語り合いを呆然と眺めていた。
 それに気が付いたキリカと黒城は、ジャッジメントガールへ憐憫の眼差しを向ける。
「まあ、ジャッジメントガールさん……そう気を落とさずに。いつかあなたにも親友ができますよ、ふふ♪」
「フフッ…そうだね。貴女にも、魅夜のように素晴らしい親友が出来るように祈ってるよ」

「と っ と と 帰 れ っ ス !」

 ジャッジメントガールは百合のゲシュタルト崩壊を起こして卒倒したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
軍犬「…マジっすか?」

夜「マジである!」

軍犬はあやつには他の所でプレ投げてきたのであろう
ならば此処は私に譲ってくれてもよかろう

自分を如何にか出来ぬ者に
ガチデビルを如何にか出来るはずも無し
この催しは恐らくそういう意図であろうさ

圧倒的格上なのはわかっておる
だが強くなるならこれ程の機会はそうはない
軍犬のダチとして役立たずは御免であるからな
さて…それではタイマンなのである!


——
…ッがは
…さ、里一つ程度なら覆える結界の防御も
武狭界仕込みの武術も漢娘魂を込めた自慢の拳も
全て砕かれたであるか…(流血・吐血)

…あ~、軍犬、何言ってるのであるか?
耳が良く聞こえなくて…タ、タオルならまだ早い…

軍犬「負けるな!」

夜「ッ!」

…ジャッジメントガールッ!
まずは、この様な敗北をくれた事に感謝するのであーる!

だがまだ(砕けた拳を僅かに残った結界の力で無理やり固め)
友情と漢娘魂は砕けていなかった故に
後一撃 私の拳に付き合ってもらうのであーる!

私が! 超級料理塾一号生! 星月 夜であーるッ!

※アドリブ・修行なので敗北OK



 秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)は目の前の光景に驚愕していた。
「……マジっすか?」
「「マジである!!」」
 重なる声の数は全部で117つ。
 その声の持ち主は皆総じてバンカラ風制服に身を包んだ精霊少女たちであった。
 彼女たちは『超級料理塾』に所属する塾生たちだ。
 説明しよう!
 超級料理塾とは、封神武狭界に存在する超級料理人を志す者が集う学び舎の一つである!
 そして彼女らを先頭切って率いる黒髪の見目麗しい精霊少女こそ、超級料理塾一号生『星月 夜』であった。
「軍犬、此処は私に譲ってくれてもよかろう。貴様は体力を温存しておくであーる!」
「でも相手は最強クラスの悪魔っすよ?」
 心配する軍犬に、夜は不敵な笑みを浮かべた。
「自分を如何にか出来ぬ者にガチデビルを如何にか出来るはずも無し。この催しは恐らく、そういう意図であろうさ。それに彼奴が圧倒的格上なのはわかっておる。だが、強くなるならこれ程の機会はそうはない。――軍犬のダチとして、役立たずは御免であるからな」
 夜は小さな体に熱い魂を宿した『漢娘(おとめ)』であった!
 そして彼女のバックで控える116人の精霊少女たちもまた、篤き友情を重んじる『漢娘』であった!
 だが夜は他の116人の塾生へ向けて声を張った。
「皆の者! ここから先は手出し無用であーる!」
 これを聞いたジャッジメントガールがニタリとワルい顔になる。
「この最強の自分にサシで挑もうとするっスか? いい度胸っス!」
「なに、ただの喧嘩の作法であーる! 相手がひとりなら此方も私だけで十分っ!」
 夜は両拳を掲げてファイティングポーズ!
「さて……それではタイマンなのである! いざ、尋常に!」
 夜は全身に闘志を漲らせ、ジャッジメントガールに飛び掛かっていった。

 ――3分後。

「がハッ!?」
 夜がジャッジメントガールの巨大ハンマーで殴打され、スタジオの壁に叩きつけられてしまった。
「気合は認めるっス。けれど実力が伴ってなければ有形無実っスよ?」
 余裕綽々のジャッジメントガールに対して、満身創痍の夜は力尽きて蚊取り線香で死に絶えるモスキートめいて床に墜落していった。
「……さ、里一つ程度なら覆える結界の防御も、ッごふ!? けはっ……! 武狭界仕込みの、武術も……漢娘魂を込めた自慢の拳も……はぁ、はぁ……全て……砕かれたであるか……」
「もう勝負は決まったっス。肋骨は砕けて肩も外れて、全身打撲で喋るのも辛いはずっス。スタッフ~! 早くこの妖精さんを救護室へ運んでほしいっス!」
 ジャッジメントガールは勝ち誇ったつもりで事後処理を指示出し始めていた。
 だが、夜はそれでも立ち上がり、拳を掲げて敵を睨む。
 ジャッジメントガールは怪訝な顔つきで問い掛けた。
「……無理はよくないっス。何故立ち上がるっスか? 自分には逆立ちしても勝てないって思い知ったはすっス!」
「まだ、心臓は動いてるからである! 生きているからである! 貴様を斃すと魂が震えるからである!」
 夜が叫ぶ、肺が痛い。筋肉が悲鳴を上げる。身体中の骨が思うように動かない。
(虚勢を張ったはいいが、正直、限界であるな……というか、さっきから軍犬は何を叫んでいるのか? 耳が良く聞こえなくて……タ、タオルならまだ早い……え、違う? これは……)

 ――けるな!

 夜は耳を澄ます。
 軍犬の叫びが、鼓膜ではなく魂に突き刺さる!

「夜! 負けるな!!」
「――ッ!?」

 軍犬だけではない。
 戦いを見守っていた116人の塾生たちも、応援歌を一斉に合掌し始めたではないか。
 今、このスタジオに熱い友情パワーが湧き上がり、夜の心身へ一気に流れ込んでゆく。
「……ジャッジメントガールッ! まずは、この様な敗北をくれた事に感謝するのであーる! だが、まだ。まだ終わらないのであーる!」
 砕けた拳は結界で包み込んで無理矢理に固定する。
「たとえこの拳が砕かれても、友情と漢娘魂は砕けていなかった故に! あと一撃だけ! 私の拳に付き合ってもらうのであーる!」
「な……ッ! 今までとは比べ物にならない程の霊圧っス……! それにまだ高まってゆくっスか!?」
 息を呑むジャッジメントガール!
 夜が駆け出してゆく。
「大切なのは根性! 友情! 罪なお夜食!」
「夜! 熱々の小籠包っす!」
 軍犬が超級料理人スキルで調理した妖精サイズの一口小籠包をスローイング!
 それを夜がダイレクトに口でキャッチして熱々スープもいとわず喰らえば、そのパワーは無限にグローイング!
 覚醒した夜が弾丸めいてジャッジメントガールの懐へ一瞬で肉薄すると、その顎へ向かって拳を突き上げる!
「私が闇の精霊、の亜種! お夜食の精霊にして超級料理塾一号生! 貴様の魂に私の名を刻め! 私の名前は!」
 ロケット噴射めいたアッパーカットがジャッジメントガールの顎へ直撃!
「星月 夜であーるッ!!!!」
「グワーッ!!!」
 天井の照明機材に激突するほど打ち上げられたジャッジメントガールは、文字通り『漢娘』の名と拳をしかと刻んだのであった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリアス・アーデルハイト
(アドリブ連携歓迎)
「エリィ'sチャンネル~☆いきなりラスボス到来!?
今日は魔界テレビ局で突撃ライブ!」

生ライバーの血が騒いできたロリ。
先ずは『交渉(UC)』で、パフォーマンス対決に持ち込む。

「エリィと一緒なら、ジャッジちゃんのライブも映えると思うなぁ♪」

拒否ると敵は『冷静な判断力』を失うので追い打ち。
「あれれぇ、視聴率を取られるのが怖いんですかぁ?
(小生意気スマイル)」

勝負に持ち込めた後も油断ならねぇ……相手は大物。
向こうは多勢でパフォーマンスをやるから一人では不利。
……だが、再び【交渉術(UC)】を活用。

「あれぇ?ジャッジちゃんは一人で何もできないのかなぁ?
ジャッジなら『一人でできるもん!』って、やれると思うのに」と。

拒否れば『冷静な判断力』を失う、一秒のスキルが重要な
アクションでソレは致命傷だ、特に多人数での
アクロバットで焦れば、悲惨な大事故は必至だぜ?

否定しない或いは承諾すれば向こうはUCの恩恵を失う上に
『論理的思考力』を失い、計画性のないパフォーマンスになる。
その隙をつく。



「エリィ'sチャンネル~☆ いきなりラスボス到来!? 今日は魔界テレビ局で突撃ライブ~!」
 エリアス・アーデルハイト(見た目は美少女(自称)、中身はチンピラ・f36810)はスタジオに登場するやいなや、ゲリラ配信を開始した。
 何を隠そう、エリアスはライブストリーマーであり、ジャッジメントガールの戦況の生実況に対して配信者の血が騒いだのだ。
「というわけで、ジャッジちゃん? 今日はゲリラ歌枠よ! エリィと歌とパフォーマンスで勝負☆ エリィと一緒なら、ジャッジちゃんのライブも映えると思うなぁ♪」
「勿論っス! 自分、歌唱力も極悪なレベルで激ウマっス!」
 そう返したジャッジメントガール。
 これにエリアスは内心肩透かしを食らっていた。
(ンだよっ! そこは断れっつーの! 空気読めねぇスッカラカンの脳筋女が! 大体、こんな勝負をけしかけてきたロリを普通は警戒するだろうがよぉ! ったく、『あれれぇ、視聴率を取られるのが怖いんですかぁ?』ってメスガキスマイルで呷ってやろうと思ったのによぉ、調子狂うぜ……!)
 心の中で吐露する言葉は、どう考えてもヤクザのそれだ。
 実はエリアス、見た目は可憐な幼き少女であるが、その正体は40代男性の脳髄を少女型レプリカントボディへ移植した人間型機械(アンドロイド)である。
 故に、表立っては外見年齢相応のライバー少女の言動を心掛けるが、内心のトロや怒りが頂点に達した際の言動は素のヤクザ口調になってしまう。
(まぁ、いいか。俺様のメガコーポ式交渉術は、此方の要求を否定しない奴の論理的思考力を奪う……。どのみち、俺様の術中にハマッてるんだよ、クソが!)
 もう勝つ気満々のエリアスだが、相手は最強格の悪魔である。油断などマンに一つもするわけもなく、ダメ押しを図る。
「それじゃ、自分は冤罪裁判官たちをバックダンサーとコーラスとバンドメンバーとして呼ぶっス!」
 ユーベルコードで応援を呼ぼうとしたジャッジメントガール。そこをすかさず、エリアスの交渉術が再び刺さる。
「あれぇ? ジャッジちゃんは一人で何もできないのかなぁ? ジャッジなら『一人でできるもん!』って、やれると思うのに」
「ふふん、愚問っス! 派手な演出ができるなら人数を確保するのが定石っス! そっちこそ、たった一人で何ができるっスかね?」
 ジャッジメントガールは真っ向からエリアスの交渉を突っぱねた。
 つまり、ジャッジメントガールからたちどころに冷静な判断力が失われてゆく。
 しめた、とエリアスがこっそりほくそ笑むと、ADたちがカンペで『曲が流れます!』と示してくれた。
「それじゃ~、テレビの前と視聴中のみんな~☆ 此処から先は、エリィから1秒だって目を放しちゃギルティだぞ☆」
 流れてくるBGMは魔界で流行したヒットナンバーだ。
 曲に合わせてエリアスは、小さな体に似合わぬアクロバティックな動作のダンスやと努力に裏打ちされた歌唱力を披露する。
 一方、ジャッジメントガールがバントとダンスメンバーを従え、圧倒的な音圧を披露する……はずだった。
「ぎゃああぁっ!? なんで音がずれてるっスか!? そこぉ! 振付が間違ってるっス! ドラムはリズム走り過ぎっス! みんな何やってるっスか!?」
 交渉術の影響で、バンマスであるジャッジメントガールが右往左往していた。
 これでは演奏どころではない上に、テレビカメラが延々と内輪揉めの様子を撮影し続けており、自然とエリアスへ人気が集中してゆくのだった。
(おうおう、焦れば焦るほどバンドやチームは大惨事を招くぜ? カシラがしゃんとしてなきゃ、舎弟は戸惑うからなぁ? 『論理的思考力』を失い、計画性のないパフォーマンスになったてめぇに勝ち目はもうねぇよ、ダボが!)
 ジャッジメントガール率いるチームのぐっだぐだの演奏を尻目に、エリアスは見事にパフォーマンスを完遂して、カメラへ勝利のスマイルを咲かせるのだった。
「尊い!って思ったら、チャンネル登録と高評価、待ってまーす☆」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
魔界の裁判長はあらゆる分野で最強とは聞きましたが、ある意味試練も兼ねて挑みます

その前に事前に『料理』した抹茶菓子を菓子折りに持っていきますね

デビキン自体始めてなので『情報収集』したデビキンの流儀的に、これで良いのか解りませんが

あっ、勿論映像に
映らない様に戦闘前に

裁判長にはテレビ局の人全員に
なめろう料理を配膳する『料理』勝負を挑みましょう

配膳、炊き出しは
勇者行為にあたります?

わたしは『グルメ知識』も駆使し
UC『早業&料理』した
なめろう各種、さんが焼き、房総揚げ、なめろう餃子、なめろうピザ、なめろう丼、なめろう入り道明寺蒸し、ハワイアンなめろうサンド、なめろう春巻き、なめろう丼、なめろう鍋、なめろう炒飯等を配膳し

その間も裁判長の腕前を『情報収集&学習力』で、わたしに取り入れられる物は吸収しつつ裁判長のUCによる妨害を『第六感』で警戒し『瞬間思考力&見切り』

『オーラ防御』込め【ディメンション・チョップスティック】で『武器受け&怪力&受け流し&ジャストガード』で防ぎますね

※アドリブ掛け合い大歓迎


テラ・ウィンディア
そういえばデビキンの依頼ッて殆ど着た事ないんだよな
「彼女相手では戦い以外の勝負もありらしいですね」
よし…それなら…デザート勝負だ!
…食材もあるだろうからきっと美味しいのが食べられる…!
「テラ…!」
「まさに私の出番という事だな?」(UC勝手に起動
何でお前が来るの!?邪魔するなー!
「ははは照れるな。ここは私も参加するとしよう!」

【属性攻撃・オーラ防御】
闇のオーラを己とぜっちゃんに
ハンマーの音が放たれた時の障壁として利用

美味しいものを作るんだ…!
【料理】
ミルクプリン
フルーツタルト
バレンタインの剣戟チョコ
チーズケーキ

後は紅茶も用意だ
甘さを引き立たせるぞ!

彼女の作ったスィーツも美味しく食べる
…何故だろう…ほろってくる

【バーサーク】
ぜっちゃん
(もくもく)
「うむ…糖質が多すぎる…栄養的には良くないか」(味覚は鋭い

「…お前達のスィーツには足りないものがある!」
ちょ!?

「それはパワーだ!故に…お前達に圧倒的なパワーを授けよう!」

地獄発生

「(カメラの前で)TVの前の皆も圧倒的なパワーが欲しい時は私に言え!」



 ――時は遡って、放送開始前。
「失礼します」
 私服姿のビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、ジャッジメントガールの楽屋に足を運んでいた。
「猟兵のビスマス・テルマールです。本日はジャッジメントガールさんと勝負させていただくことになりました。宜しくお願い致します」
 手に持っているのは紙袋だ。
 専属メイクさんに色々としてもらってる最中のジャッジメントガールは、それを横目で見ながらビスマスに手を振った。
「此方こそよろしくっス。あ、でも、菓子折りを持ってきても手加減は一切しないっスよ!」
「ええ、心得てますとも。魔界の裁判長はあらゆる分野で最強とは聞きましたので、今日はある意味、自分への試練も兼ねて挑みます」
「試練っスか! だったらなおさら力は抜けないっス!」
 本番前の和やかな談笑は、まるで悪魔らしからぬ光景である。
 ビスマスは内心、もっと暴力的な挨拶の風景を思い描いていたのだが……どうやらそれは杞憂で済みそうだ。
「そういえば、その紙袋の中身は何っスか?」
「ああ、これは私の手作り抹茶シフォンケーキです。料理の腕に自信がありますので」
「へー! ってことは勝負も料理対決っスかね?」
「はい、私の全身全霊のお料理を披露しましょう」
 やる気満々のビスマスの表情に、ジャッジメントガールの顔も思わず綻ぶ。
「他人を思い遣って美味しい料理を提供するなんて、勇者行為に等しいデビルキング法違反の重犯罪者っス! いいっスね! 自分が裁くに値するっス!」
 バチバチと両者の視線がぶつかって火花が散る。
 かくして、ビスマスの前哨戦は終わった。
「……ふう、緊張しました。って、え?」
 楽屋を後にしたビスマスの目に、異様な人物が目の前を通過していった。
「ふふっ、大漁だ。これだけあれば……」
 メイド服を纏った銀髪セミロングの男性が、厳重に梱包された何かを抱えてスタジオへ向かっていく。
 ビスマスは何か只ならぬヤバみを感じて、声を掛けないように素通りさせたのだった。

 そして、現在――。
「本日最後の挑戦者っス! ビスマス・テルマール! そして『テラと愉快な仲間達』っス!」
 コックコート姿のビスマスと、何故か大型バイクの後部座席に乗っているテラと先ほどの銀髪女装青年の霊体、そして死んだ目で放心している黒猫が登場した。
「……どういう演出ですか!? これがデビルキングワールド流なのですか!?」
 思わずツッコミを入れてしまうビスマス。
「なんでいつも勝手に出てくるんだよー!? なんで霊体なのに物質干渉できるんだ!? というかどっからバイク持ってきたんだ!?」
 テラは今にも泣きそうだ!
「ぜっちゃん……これはテラの戦いですので、手出ししないでくださいね? したら神の名に懸けてぶっ殺すんで」
 黒猫の姿をしているが、その正体はキャバリア型の機神であるヘカテイアが圧を強める。
 しかし、そんな念押しなどこの銀髪メイド青年のぜっちゃんの耳には全く入っていないようで、アクセルを回してスタジオ内を暴走し始めた。
「よくあるだろう? アメリカのプロレスの入場シーンでのド派手な演出、どうせテラが勝つのだから、ド派手な演出でガチデビルの支持者を奪っておかねばな?」
 ぜっちゃんのそれっぽい理由はともかく、バイクは敵側の料理セットを粉砕しながらジャッジメントガールの真横を何度も通り過ぎる!
「いきなり妨害とかワルっスね! でもこれでおとなしくしてもらうっス!」
 ジャッジメントガールのハンマーで台座を叩いた!
 すかさずビスマスとテラ、そしてヘカテは耳を塞ぐ。
 だが運転をしているぜっちゃんは直撃してしまい、バイクを止めて降車すると、スタジオの端で急にグネグネを身体を揺らし始めた。
「わあああぁぁかああぁぁめぇぇぇぇえぇ!!!!」
「あいつには『気が狂ったようにワカメのモノマネを叫びながら行う』ように仕向けたっス!」
 ジャッジメントガールの非情なユーベルコードが女装男子に炸裂した瞬間だ!
 テラは顔を真っ青にしながら、女装幽霊に声を掛けてみる。
「うわぁ……これ、絶対あとで黒歴史化するやつだぞ……! ぜっちゃん、大丈夫か?」
「ワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワケワカメワカメワカメワカメワカメ!」
「うっせぇうっせぇうっせぇわ! あなたが思うより騒音です!」
 ヘカテにゃんが除霊猫パンチを股間に叩き込む!
 ぜっちゃんは局部だけ除霊されたおかげで、賢者モードのままワカメになり切っていた。
「ワ……カメ……ふぅ……母なる海に抱かれて……つまり、すべての生き物はマザコン……ひらめいた!」
「私は一体、何を見せられてるんでしょうか……?」
 冷静に珍騒動を見守っていたビスマスは、この間になめろう料理の下ごしらえを済ませていた。
「私は裁判長にはテレビ局の人全員になめろう料理を配膳する料理勝負を挑みましょう。幸い、配膳、炊き出しは勇者行為だそうで。でしたら、腕によりをかけて、皆さんの舌を唸らせてみせましょう!」
 すかさずユーベルコード『世界的沖膾全席(グローバルナメロウフルコース)』を発動させれば、たった10秒で119品を一瞬で作り上げてしまった。
「さあ、ハワイアンなめろう、さんが焼きバーガー、タルタル風イタリアンなめろう、なめろうのつみれ汁もありますよ。クリームチーズと混ぜたなめろうはお酒のアテに最適ですし、お茶漬けにしてもおいしいですよ」
 ビスマスのなめろう料理のレパートリーの広さに、ジャッジメントガールや撮影スタッフは夢中になって頬張ってしまう。
「こんな美味しいモノをぶつけられたら、自分もやるっきゃないっス! バイクで調理器具を破壊されたので、スタジオで火起こししてキャンプスタイルっス!」
 まさかのキャンプ飯に、ビスマスは目を疑った。
「火災報知器とか大丈夫ですか!?」
「抜かりないっス! 自分が収録前にぶっ壊したっス!」
「なんてワルなんでしょうか……!」
 躊躇せずに施設を破壊するなんて、やはり魔界裁判官は筋金入りのワルだった。
「そうしないと、炎使いの猟兵がまともに戦えないっすからね!」
 そして筋金入りの気配り名人でもあった。
 ジャッジメントガールがどこからか持ってきたダッチオーブンで、直火に網を引いて本格的な料理を作り上げてゆく。
「丸鶏のオレンジ香草焼きっス! オレンジの果汁と香草が、丸鶏を柔らかく香ばしい風味に仕上げてくれる豪快な一品っす! そしてこっちはグラタン! こっちはデザートのフルーツケーキっス!」
「凄い……! どれも豪快なキャンプ飯です! しかも、思っていた通り美味しい!」
 ビスマスはなめろう料理のキャンプ飯化に光を見出したようだ。
 一方、テラはぜっちゃんがワカメになっている間に、お菓子作りに励んでいた。
「今日は美味しいモノを作るんだ……! おれだって乙女なんだぞ! 可愛くて美味しいお菓子をたくさん作って、ジャッジメントガールに参ったて言わすぞ!」
「その意気です、テラ!」
「そういえばデビキンの依頼ッて殆ど着た事ないんだよな。……スタジオの食材で、美味しいのが食べられる……! 久々に頑張るぞ!」
 テラはバトルガールの印象が強いが、意外と器用にお菓子を量産してゆく。
 ミルクプリンにフルーツタルト、バレンタインの時に作って友人たちに『歯茎に刺さる』と評された剣戟チョコ、更にはチーズケーキと紅茶も用意。
「紅茶で甘さを引き立たせるぞ! って、そっちはキャンプ飯か!?」
「ちょうど甘味を欲していたっス! いただきます! ……うまぁ!?」
 ジャッジメントガールが衝撃を受けるほどの腕前だったようだ。
 テラの料理技能はもっと向上させれば、ビスマスにも並び立つ超級料理人になれるかもしれない。
 ヘカテにゃんも、テラのお菓子とジャッジメントガールのキャンプ飯、そしてビスマスのなめろう料理に舌鼓を打って大満足!
「今日はこれで一件落着ですね♪」
 ヘカテにゃんが安堵していたその時だった。

「ワカメ! コンブ! モズク! ワ・コ・モ! ワコモ! ワコモ!」

 謎のコンボフォームを決めたぜっちゃんが復活!
 全身真緑で若干キモイ!
「お前達の料理に足りないものがある! それはパワーだ! 故に! お前達に圧倒的なパワーを授けよう! それはこれだ!」
 暗黒物質めいた漢方薬チョコレートが、ジャッジメントガールの口内へジャストミート!
「アババババーッ! オボロロロロロロ!!」
 ジャッジメントガールは哀れしめやかにカメラへ向かって嘔吐!
 放送事故が発生だ!
 たちまち魔界のネット界隈は炎上し、『【悲報】ジャッジメントガールさん、生放送でゲロを吐いてしまうwwwww』といった切り抜き動画がSNS上で拡散されてしまった!
「強さの秘密は漢方薬! そして、その効能を凝縮させたのがこれだ!」
「あ、あれは!」
 ぜっちゃんが掲げるビニール袋に、ビスマスは見覚えがあった。
 銀髪緑色女装男子は、ビニール袋の中身を高らかに明かした。
「これは、私があらゆる漢方薬を食して、本番前に排泄した……ウンコだ! TVの前の皆も圧倒的なパワーが欲しい時は私に言え! いつでも漏らすぞ!」
「「保健所案件じゃねーかバッキャロー!!」」
 テラとヘカテにゃんは重力魔法でぜっちゃんを消滅させると、カメラの前で土下座をした。
「うちのぜっちゃんがすいませんでしたァァァァァァ!!」
「あれ勝手に出てくるんですよ、私達も迷惑してまして……!」
 そんな、もはや地獄と化したスタジオで、ビスマスはなめろう料理を皆に振舞う。
「私の作った料理には、状態異常を回復する効能もユーベルコードで付与されてますので……」
「「ビスマスさん、マジ勇者行為……!」」

 こうして、本日の優勝者はビスマスに決定し、ジャッジメントガールを打倒した猟兵たちの株はいろんな意味で上がったとさ。
 めでたし、めでたし。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月17日


挿絵イラスト