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7thKING WAR②〜ノンストップ・バスガール

#デビルキングワールド #7thKING_WAR

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●デッドヒート・ボムファイア
「アイスエイジクイーンみたいなオバサンなんかより、私こそ7thKINGに相応しいのよ! えーっと、アイスエイジクイーン行きのバスは……あなたかしら!?」
 野生バスの群生地なのだから、アイスエイジクイーンのところへ向かってくれるバスもきっといるに違いない――そんな冴えているようで冴えていない思考で『克銘ノ六・紫雪』レキ・ジーレはバスに乗り込み、バスは出発――と同時に仕掛けられていた爆弾が起動した。
 時限式とも言えるこの爆弾、バスが一定速度以下になると爆発を起こすので次の停車駅で爆発四散となるのだが、レキはともかくバスに罪は無い。バスは果たして無事に目的地を経由して群生地に戻ってくることができるのだろうか。
 ――そう、このバスはアイスエイジクイーンの元へは向かわない循環バスであった。レキは爆発に巻き込まれるだけで何も得られない。ああ、哀れ。

●野生バスだって生きている
「野生バスとは不思議な響きですが、バスはバス、ということのようですね」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)も首を傾げる、野生バスなる単語。デビルキングワールドは実に奥が深い。
「さて、この野生バスに何故か爆弾が仕掛けられてしまいました! 速度を落とすと爆発する爆弾……なんか何処かで聞いたことがあるような気がしますが、ともかく爆弾を仕掛けるのはワルなので、ワルにはワルで対抗……といきたいですが、それでは爆弾の爆発を止められませんので、今回は爆弾を解除することにしましょう! ちなみに、そのバスには『克銘ノ六・紫雪』レキ・ジーレというオブリビオンが乗り込んでいます。彼女は爆弾がどうのこうのと言っても話を聞いてくれませんので、爆弾解除の際はすごく邪魔になってきますね。なので彼女を倒しつつ爆弾を解除する、そんな感じで野生バスを助けてあげてください! よろしくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 あ! やせいの バスが あらわれた!

●フラグメント詳細
 第1章:ボス戦『『克銘ノ六・紫雪』レキ・ジーレ』
 バスに乗った時点でどう転んでも救われない哀れなオブリビオンです。
 普通に倒すのが彼女の自尊心を一番傷つけない方法なのではないでしょうか。
 爆弾は車内天井に設置されています。爆弾の解除方法はコード切るタイプです。大体の色があります。
 切るコードによって爆発ラインの速度が上がったり下がったり、当たりを引けば一発で止まります。切ったら即爆発、ということはないのですが、例外として一度に全て切ってしまうと爆発ラインの速度上昇が優先され、一気に現在速度を超えるので爆発します。なので一本ずつ切っていくのが無難ですかね。
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第1章 ボス戦 『『克銘ノ六・紫雪』レキ・ジーレ』

POW   :    晶翼『ル・レザン』
【軌跡すらも凍てつく冷気】をおびた【腕や脚】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    冰翼『ヴァン・ルージュ』
戦闘力が増加する【氷の武器を次々作り出す近接モード】、飛翔力が増加する【冷気の大翼を生やした遠距離モード】、驚かせ力が増加する【ほど多彩な戦法を取れるリボン吹雪化モード】のいずれかに変身する。
WIZ   :    寒翼『ヴィヌーズ』
召喚したレベル×1体の【吹雪】で作られた【化物の頭部】に【氷柱の槍】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。

イラスト:塒ひぷの

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフロッシュ・フェローチェスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎

バスの行き先確認大事よな(深くは考えないことにした)。普通に倒そう。
しかし、バス内であるから突きを主体にしようか。

着いたらUCを使用。
さて、吹雪でできた化物なぁ。爆弾考えると、わしが受けた方がよいのだよな。
わしが凍ったとして…影に潜んどる陰海月が、炎属性触手でべちべちするし。
強化になるから、こう、炎属性な念動力で解かしてもよいであろう。
で、まあ…真っ直ぐに突きをしよう。横軸にいるのなら、手首だけ利用した薙ぎで追撃するが。

あ、コード切るなら赤な。わしの色よ。


陰海月、凍ったら『無茶して!!』な触手ぺちぺち。



●義透の選択
 天井を見上げればチカチカと爆弾のセンサーが動いている。一定速度を切ると爆発してしまう爆弾に伸びるコードは二十はあるだろうか。回路を組んだ者のセンスを疑うレベル――それはさておき。
 作り手を貶したところで爆弾は解除されないので馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は相対する少女、レキの猛攻を凌ぎ、反撃を繰り出しながら爆弾を解除するという荒業をやってのけなければならないのである。
「邪魔をするのね猟兵! 出てきなさい! 『ヴィヌーズ』!」
 レキが高らかに叫ぶや、閉ざされた車内に吹雪が巻き起こり蛇の頭部を模した化物群が現れる。体は吹雪で出来ており軟体、そして額には氷柱の槍が生えており、限られた空間での飛翔戦闘能力を獲得していた。
「いけっ!!」
 レキの命令で化物達は一斉に義透へ襲い掛かっていく。座席、つり革、金網、柱――あらゆる構造物をするりと抜けて襲ってくる化物達全てに対応するのは骨が折れる。故に義透は黒燭炎を手に、向かってくる全てをその身で受けて凌いだ。槍が刺さり、あるいは斬られて傷はつくが、再構築され続ける体は途端に元の形を取り戻し、再構築の度に戦闘力が底上げされていく。凍り付けば影から陰海月が触手を伸ばしてべちべち叩き溶かすので吹雪の実害は皆無であり、じりじりと間を詰めていけばやがては義透の間合いに入る。
 吹雪の化物が層を成しているが、諸共一突き。レキは化物達に守らせていたが、成長火炎が化物の額の槍を溶かし折った。
「きゃあっ!」
 レキ自身も咄嗟の判断で悪魔の両腕を重ね守ったが、突きの衝撃は守りを貫いてレキを突き飛ばした。闇の翅を擦るように床を滑り転がっていくのとほぼ同時、義透は後方に跳びながら天井の爆弾のコード一本、赤を槍の穂先でぷちりと切る。
 センサーの点滅がいくらか遅くなった。完全に止まったわけではないが、センサーが反応してしまう速度が一段階下がって爆発の危険は少し遠のく。
「うぐぐ……」
 ただ、起き上がってくるレキは何も知らない。依然として猟兵達は二者相手に立ち回らなければならなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サカマキ・ダブルナイン
なるほど、このままでは罪のない野生のバスが犠牲に……野生のバス???
集音機能イカれたかと思ったのじゃ、なんじゃこの世界!!

まずは「99式カメラアイ」で爆弾周辺に電脳世界を展開。
どんぴしゃで見つけるのは難しいかもしれぬが、回路の繋がりで爆弾に何らかの影響を及ぼすものだけでもアタリを付ければ試行回数を減らせるはずじゃ。
後はコードを爪で【切断】!

とはいえ、爆弾処理に専念出来る訳ではないのー。
敵の接近を確認したら、即座に「炎熱狐」を起動……。

『99式極大砲火』スタンバイ。【零距離射撃】による迎撃を実行します。
攻撃後、当機は行動不能となります。敵対存在の攻撃を引き付け、友軍の爆弾解除進行に期待します。



●サカマキの選択
「なるほど、このままでは罪のない野生のバスが犠牲に……野生のバス??? 集音機能イカれたかと思ったのじゃ、なんじゃこの世界!!」
 バカでかい謎の召喚魔王が出現したと思ったら、アトラクションという名目で奇妙奇天烈な事件が其処彼処で発生しているデビルキングワールド。トンチキっぷりは耳にしていたが訪れてみれば輪をかけてトンチキしていたので、サカマキ・ダブルナイン(ロボ巫女きつねのお通りじゃ!!!・f31088)はバスになら大抵備え付けられているであろう次の行き先を示す電光掲示板を確認した。
『次は気分次第』
「野生じゃし気分次第で止まることもあるかのぅ……って阿呆!! 気分次第で止まって爆発したらわらわ達浮かばれんのじゃ!! これ以上は付き合いきれぬ……早く爆弾解除とゆくとするかの……」
 バスが機嫌良く走り続けることを願いながら、サカマキは天井に設置された爆弾の周辺に電脳世界を展開し、回路周辺の構造を炙り出す。コードは三次元的に複雑に絡み合っており、爆弾とセンサーを繋いでいるもの、コードが切れた時の迂回用、回路とは関係の無いダミーコード、と三種類に分類することができた。
(目ぼしいのは十本くらいじゃな……。後は――)
 サカマキは爪を立てる、そこへ。
「晶翼『ル・レザン』!」
 乗客はサカマキ達猟兵だけではない。一時は他の猟兵の攻撃でバスの後方に吹き飛ばされていたレキが立ち直ってサカマキに飛び掛かってくる。奇しくもサカマキとレキは爪を立てて相対することになったが、互いに意識しているものは異なる。
「一本くらい――切らせんかっ!」
 軌跡すら凍てつく冷気の斬撃、受けて立てばいよいよチャンスがなくなると見てサカマキは間際で躱し跳ぶ。眼下に透き通る斬撃の跡が抜けていったのを見届けながら宙で前方一回転し、今度はサカマキが眼前に近づいてきた爆弾のコードへ爪を一振り。
 ぶぢっ、と橙色の被覆のコードが千切れた。センサーの反応が遅くなり、爆弾はまた一段階、機能停止に近づく。
「後ろっ!?」
 レキは急停止、翻って再び両爪の一撃を見舞いに飛翔してくる。執念深さはオブリビオンの本質なのか。それにしても――。
(こう付き纏われては他の者も作業できんじゃろう……斯くなる上は)
 着地を見ない、というのは過去にあっただろうか。ともかくサカマキは空中で炎熱狐を起動させて後の処理を託す。感情が眠り、表層に現れてきたプログラムは時々刻々と変化する座標を瞬時に計測して、僅かな時間の中でも難なく着地を決めた。
「『99式極大砲火』スタンバイ」
 背後の羽音を計る。微かだが無音ではない。冷気が空気をぴりりと破る音が聞こえてくる。爪は間もなく。
「――!?」
 レキの視点では紛れもない奇襲であった。しかし一瞬早くサカマキは振り返り様、突き放たれた爪の軌跡から身を遠ざけて左から回り込み、レキと体を入れ替える。
「零距離射撃による迎撃を実行します」
 そして腹部から伸びたレーザー砲、その砲口をレキの背に密着させての極大威力の短距離レーザーが放たれた。
「――ぃぎゃぁっ!!」
 レキは体をレーザーに焼かれて吹き飛んでいく。と同時に、エネルギーの尽きたサカマキは膝をつき崩れる。
 項垂れる。しかし倒れはしない。モノに成り下がろうとも役目を果たす――計算では導き得ない執念のようなものが、サカマキの意志を戦場に残していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・フォーネウス
無茶しやがって……いや、実際のところ自分のせいなんだろうけどな。

UC発動、アイスエイジクイーンに会いてぇなら大人しくしてろ、着席!
ってな具合で洗脳して大人しくしてもらうぜ。

爆弾のコードを確認して切っていくが、『ソロネ』の機能を使って回路の構造を理解、最適な切り方を確認して切っていく。

レキはいいとして、おいバス、大丈夫か? 息してるか? いや普通息してたらバスじゃねぇんだが。
お前も大人しく元の場所に帰れよ……
悪魔ってのはままならねぇよなぁ。



●シンの選択
(無茶しやがって……いや、実際のところ自分のせいなんだろうけどな)
 自責の念を抱きつつバスに乗り込んでいたシン・フォーネウス(悪魔の掃除屋(文字通り)・f31485)の視線は何度倒れても立ち上がってくるレキに向けられている。何かしらの縁を感じさせるが、真実はシンにしか分からない。
「もう一度……!」
 レキの敵意は今し方戦闘不能になった猟兵へと向けられていた。その身を囮として場に残し、後の猟兵達が爆弾解体作業を進めやすくするように、と。
(回路の当てもいくつか残していったようだし……助かったぜ)
 お掃除ロボット『ソロネ』に搭載された解析機能が爆弾の回路構造を詳らかにしていたが、その際に電脳世界に残ったアクセスログが解析の手掛かりとなった。切るべきコードはそう多くはない。
「さて……アイスエイジクイーンに会いてぇなら大人しくしてろ、着席!」
「ひゃっ!?」
 レキが三度爪を振り上げようとしていたところへシンは強く言い放つ。シンが発した言葉は心理掌握器『アビス』により洗脳演説と変換されてレキに届き、思考を捻じ曲げその体の自由を奪う。
「うぎぎ……な……に、これ……」
 見えない手で人形のように弄ばれて座席に着かされる。体から吹雪を生み出して化物を作り出そうとするが上手くいかず、鬼の形相で抵抗の意志を見せている。
(思ったより逆らってくるな……手早く何本か切っとくくらいが無難か)
 シンは吊り革を吊っている天井付近のパイプに左手で飛びつくと、懸垂の要領で体を持ち上げて右手でコードを摘まみ、指先で潰し切っていく。
「――ぅぅぁああああっ!! 『ヴィヌーズ』っ!!!」
「――っと」
 氷柱の槍を頭部に生やした吹雪の化物が自由を得てシンに突っ込んでくる。シンは三本目のコードに指を掛けようとしたところで左手を離し爆弾から退避、頭上を化物が通り過ぎ、さらに反転して背後に襲い掛かってくるのをバック宙で躱して着地した。
 爆弾のセンサーは着実に機能を縮小している。残りの作業は同乗する他の猟兵達に任せることにして。
「おいバス、大丈夫か? 息してるか? いや普通息してたらバスじゃねぇんだが」
 ふと、ここまで走り通しのバスの身(?)が気に掛かり、シンは車内の何処へともなく声を掛けた。セルフつっこみも入ったが、バスは返事をするでもなく、何処に続くのかも分からない道を走り続けている。
「お前も大人しく元の場所に帰れよ……悪魔ってのはままならねぇよなぁ」
 いつまで経っても次の行き先は「気分次第」。悪魔との相互理解の道はまだまだ先が長そうだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
種族:ラスボスの方の存在のお陰で天井を気にせずバスに乗れるのは有難い事ですね(身長2.8m)

さて、その末路が如何なる物でも容赦する訳には参りません
生き延びて再犯の機会を与えませんよ

UCの機械妖精達を出撃させ操縦
小回り利く妖精のレーザーの精密射撃で相手の行動を制限
満足に振るえぬ格闘…腕や脚の威力低い側面を怪力で振るう剣と盾にて捌きながら交戦

同時にウォーマシンの瞬間思考力で爆弾に取りつかせた妖精を同時並行操作
主に危険物処理の方面ですが基礎的な破壊工作の知識は収めております
解体に苦労する事は無いでしょう

私の色…紫のコードでいいですね

武装の凍結をレーザーで溶かし
撃ち抜いて動きが鈍った相手を剣で一閃



●トリテレイアの選択
 レキと猟兵達の戦闘が繰り広げられていることからも分かるように、デビルキングワールドのバスは矢鱈とデカい。それはラスボスなる巨体種族が存在している故であり、トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)はその恩恵に与りながらバスに乗っていた。
(爆弾の解体が為されればこの場の全ての者達が助かるわけですが――それに乗じて再犯の機会を与えるわけにはいきません)
 レキは纏わりついていた強制力を振り払って座席から飛び出してくる。状況など鑑みず我欲のために暴走を続ける者。生かしておく道理は何処にも無かった。
 トリテレイアは偵察用妖精型ロボを場に解き放つ。空に放てば日を覆ってしまいそうな数の妖精型ロボ達がレキに殺到していくすぐ後ろをトリテレイアが詰めて二重の防衛体制を敷きながら、片や天井の爆弾に向かわせ並行処理で解体作業を進めていく。
「なんか大量に……うあっ!?」
 レキに向かった妖精型ロボの軍勢は小回りを利かせ、レキの周囲を球形に包囲してレーザーの精密射撃を浴びせていく。狙いは寸分違わず、だがレキも動きが素早く、直撃は回避して持ちこたえてはいるが体力は削っている。
 レキとしても腕や脚に冷気を纏わせ反撃としたいが、動きを読まれているのか飛翔しようとする先々でレーザー射撃に遭っており、制限された空間内に繋ぎ留められてしまっている。
「ロボット……の、くせに……全然狂わないどころか、同士討ちもしないなんて……有り得ない……!」
 統率が取れ過ぎている。しかしそれは、自立思考型というレキの誤認の下での話だ。実際は一つの頭脳、トリテレイアによって全てが制御された完全統制。爆弾解体に手を付けている者達もまた然り。物事を瞬時に判断する強靭な思考力が全てを成り立たせている。
(紫のコードは……爆弾と繋がっていますね。切っておきましょう)
 妖精型ロボの小回りは回路に付属する余計なコードを掻い潜るのにも役立った。基盤の構造とすでに切られたコードの配置を読み解いて、深く沈んでいた紫のコードを一本切るとセンサーの反応が一層の鈍りを見せる。
「……そこっ!」
 レキの周囲でも動きがあった。レーザー射撃の僅かな隙を捉えて包囲を振り切り、トリテレイア目掛けて氷結の蹴りを放つ。待望の反撃。レキは構わず飛び込んでいったがそこにはトリテレイアが盾を固めて待っていた。直進してきたレキを鏡のように弾き返して、体勢を崩したところにレーザーを集中させ四肢を撃ち抜く。
「っぐ……!!」
「貴女がバスを降りるのは、この世界から消え去る時――断言しましょう」
 妖精型ロボがサッと道を開く。出陣の時を待ちわびた。裁きの鉄槌が如くトリテレイアは剣をレキの真上に振り下ろす。
 一閃。凄まじく切れの良い一撃に、レキは体を二分された錯覚さえあり、
「いやああああ――ぁがっ!!!」
 斬られたと気付いた時には圧で押し飛ばされていて、最後部の座席に叩きつけられたレキの姿は蝶の標本のようであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリア・ルート
いやこれ放置してもいい感じにオブリビオン爆死してくれるんじゃあ…ま、まぁ、バスが壊れるしちゃんとやるけど…

とりあえず天井の爆弾ってのはこれかしら?ふーむ…
あ、そこのオブリビオンは邪魔するんじゃないわよ?(威圧)

赤はすでに切られてるし…やるとしたら…これね。虹色のコード。
こういう危なっかしいのが実は安全ってのはよくあるパターンよ。
警戒色出してる癖に毒じゃないものもあるしね…

って何よ、邪魔ね!
無視するなって?ああはいはい、わかったわかった。
【指定UC】でばーっと相手に武器を飛ばすわ。相手も格闘で氷結粉砕するでしょうけどこの数相手に多勢無勢じゃない?

っと、これで爆弾もオブリビオンも対処完了かしらね。



●マリアの選択
 グリモア猟兵の説明を聞いた者の中にはこう思った者達もきっと居ただろう。「放っておいてもレキは爆発で死ぬのでは?」と。
 確かにその未来はあった――が、それでは野生のバスが可哀想なのでマリア・ルート(紅の姫・f15057)や他の猟兵達が救助活動、もとい爆弾解体とレキの排除を行っているのである。
「とりあえず天井の爆弾ってのはこれかしら? ふーむ……」
 天井に設置された爆弾をじっと眺めるマリア。コードが何本も切られて瀕死の状態だがセンサーは生きている。とどめの一撃なるものが必要だろう、センサーにも、オブリビオンにも。
「……あ、そこのオブリビオンは邪魔するんじゃないわよ?」
「な……に、を~……っ」
 最後部の座席で、こちらも瀕死の状態のレキ。爆弾とレキのどちらから手を付けても然して変わりない気もしたが、一応はバスの安全を確実なものとするためにマリアは目力でレキを押さえつけて爆弾解体に取り掛かる。張り巡らされたパイプを伝って天井付近まで登り、爆弾の状況を再確認。
「赤はすでに切られてるし……やるとしたら……これね。虹色のコード」
 健在のコードの中から引っ張り出してきたそれはひと際目を引いたが、目立つというのは目立つだけの何かしらの理由があるもの。自然界では目立つ代わりに毒を持ち外敵から身を守る動植物などもよく聞くが。
「こういう危なっかしいのが実は安全ってのはよくあるパターンよ。警戒色出してる癖に毒じゃないものもあるしね……」
 例外が存在するのもまた自然也。如何にも怪しくて手を付けない、という心理を突いた製作者の意図があるならば――。
「私、の……邪魔、を――するなぁぁっ!!」
「うっさいあんたこそ邪魔!!」
 レキの決死の突撃であった。箒星の尾のような氷晶を散らしながら鋭く伸ばした爪を立てる。一突きで心臓を抉る起死回生の一撃に懸けていた。だがマリアの一喝で邪魔の押し付け合いに格下げされ、レキはマリアがばら撒いた剣槍斧鉾その他諸々の武器の嵐に呑み込まれる。
 レキがどれだけ爪を振るおうとも刃に悉く弾かれて、ついに剣がレキの爪を叩き折った。槍が腹を貫き、斧が両腕を、鉾が両足を断っていく。
「あぁ……」
 何もかも遠ざかっていく。レキの世界が闇に覆われ、見下ろすマリアの姿もレキの瞳の中から消えていく。
「……ったく、これで爆弾もオブリビオンも対処完了かしらね」
 マリアは創造した小さなナイフを掴んで虹色のコードを簡単に切る。それでレキもセンサーの稼働を示すランプもすっかり消えてしまっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月03日


挿絵イラスト