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銀河帝国攻略戦⑭~疾風迅雷突撃作戦

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「皆様、また新たな予知がでました」
 猟兵たちを呼び出したアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)は神妙な面持ちで話し始める。
「難攻不落の帝国大要塞「エンペラーズマインド」を突破した『解放軍』は、帝国旗艦『インペリウム』を目指し快進撃を続けるスペースシップの艦隊。しかし、その艦隊に向けて、帝国の特攻戦力『白魔』艦隊が強襲をかけてきました」
 『白魔』艦隊とは遥か昔『伝説の解放軍』を散々に翻弄し苦しめたと伝えられる、高速艦のみで編成された白騎士ディアブロ直属艦隊……とされていますが、その正体は全滅覚悟の特攻艦隊なのです。とアマータは説明する。
「この作戦は、優勢な敵に対する反抗作戦として行われる為、作戦に参加した戦力は確実に全滅するという、捨て身の作戦となります。『白魔』艦隊の帝国兵はオブリビオンではありますが、銀河帝国皇帝に絶対の忠誠を尽くしており、命を捨てて、攻撃を仕掛けてきます」
 『伝説の解放軍』には、この作戦に対する対応策が無く、多くのスペースシップが撃沈されようとしています。とアマータは続ける。
「ですが猟兵には当機たちグリモア猟兵がいます。当機が移動する高速輸送艦の内部に転送します。スペースシップの艦隊に到達する前に、輸送艦に搭載されている自爆装置を起動させるのが、今回の作戦となります」
 しかしコアルームへの直接転移はできない。転移後は、敵を撃破しつつコアルームに向かう必要がある。それに輸送船内の敵は非常に多いので、全てを撃破する事は不可能なのだとアマータは言う。
「敵が集まってくる前に、可能な限り素早くコアルームを制圧し、自爆装置を起動させてください。その後当機が皆様を転移で脱出させます」
 どうかこの攻撃を止めるために皆様のお力をお貸しください。アマータは深々と頭を下げた。


灰色幽霊
 どうも灰色幽霊です。
 またまた戦争シナリオです。
 今回は潜入ミッションとなっております。
 敵の相手はそこそこに内部へ侵入して輸送船をぶっ壊してください。
 皆様のかっこいいプレイングをお待ちしております。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 集団戦 『バトルドロイド』

POW   :    バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ   :    シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エルス・クロウディス
●SPD
「最近命を燃やし過ぎではぁ!? 循環反てぇん!」
元々の得意分野だけど、ちょっと便りすぎ感あるんだよね!
司纏軼尖の組み立てが間に合ってれば、性能下がるけどこんな心配ないのにな!
「後回しにしてた自分が悪いから、しっかたないんだけどさ!」

今回は元々動作の延長で斬りつける舜濤を選択。
<残像>残しながら敵の攻撃、動きを<見切り>つつ、<ダッシュ>で文字通り斬り抜けていく!
今回は<第六感>にも頼って、可能な限り武器受けなしで。

数が多い、その時間すら惜しい。

到着時、敵が邪魔して装置が使えない場合は、近距離なら錬契、遠距離なら射々で抑えてに回り他の猟兵頼り。
「なるはやでおなしゃっす!」

アドリブ・連携〇


アリア・ヴェルフォード
ミッションインポッシブル!
潜入ミッションというのは憧れていたんです!
まぁ私にそんな器用な真似できないので結局力技ですが!

【SPD】
という訳で陽動に行きましょうかもう一人の私!
できるだけ遠くで騒いでくださいね!

その間に私はコアルームに突入させていただきますから!

感覚は共有できるのでこちらの状況に合わせて動いて貰うことになるでしょうか…多くの敵を引きつけて壁になっておいてください!
あ、痛覚は切っておきますね!(無慈悲)

本体と分身は共に光と闇の『属性攻撃』と『2回攻撃』で斬り込みます
回避手段も基本『見切り』に頼ります

ただし分身の方は追加で『衝撃波』や『範囲攻撃』などを用いて目立つように立ち回ります


遠呂智・景明
アドリブ、他の参加者との連携絡み歓迎

侵略すること火の如く。敵をぶっ飛ばして先への道をこじ開けるとするか。

【風林火陰山雷 火の如く】を発動。火焔を纏いつつ高速移動でこあましん室を目指す。
別に丸ごとぶっ壊す必要はねぇ。【2回攻撃】による炎をまとった連撃で、手と足だけでも斬り落とす。背後から追いかけられたり撃たれたりしたら困るからな。
それが無理そうなら【鎧無視攻撃】で装甲を抜いて攻撃する。機能停止を狙えればいいんだがな。

敵の攻撃は【残像】【フェイント】を用いて翻弄しつつ回避する。

敵を突破したら【地形の利用】を使いつつ高速移動でこあましん室へ。自爆装置を起動してずらかるとするか。


月代・十六夜
敵陣突破してトンズラ、なんとも得意な奴じゃねぇか。
基本的には【韋駄天足】【スカイステッパー】で【フェイント】を混ぜて相手の銃撃を【見切って】【パターン化】。先陣を切って行こう。
【ジグザグフィールド】は自分の足場ではなく、相手の足元に重点的に貼って妨害重点で。
自爆装置への通路?そりゃお前敵が妨害してきてる道進んでりゃ着くだろ。ブリッジについたらそれはそれで。兎に角勢い任せでスピード勝負!
精密射撃は狙撃用だから距離を詰めればヨシ、シュートダウンは【フェイント】でずらしてやれば問題なし、バトルスイッチオンは他のメカ兵士を盾にでもしてやろうかね。


當良邑・祈
戦闘は最小限にそのために敵をかく乱する、小細工を弄する。

ここが船内ならば敵が攻撃しない、できないものがある
この船自身、無論中で多少暴れたところでどうこうなる船ならばそもそもコアへの破壊工作など必要ないことだが、それでも例えば非常用の隔壁はどうであろうか

レプリカクラフトで隔壁を偽装し、巡回、警備、追手のルートを妨害する。

孤立した敵がいれば、奇襲し移動、攻撃能力のみを奪う、生殺しにすることで救難・応援をあえて呼ばせることで異常事態を拡散させ、コア付近から敵を引きはがす。

陽動がメインとなるが、隙があれば、コアを目指す。
何しろそこら壁は自分が作ったものだ、いつでも通り抜けることができる

(連携改変歓迎)


雛菊・璃奈
最短最速で強行突破していくよ…。
いざとなれば他のメンバーを自爆装置の元へ向かわせる為、露払い及び追手の迎撃役をやるよ…。

敵のブラスター攻撃は【呪詛、武器受け、カウンター、オーラ防御】で反射…。
黒桜の呪力解放や【衝撃波、なぎ払い】で敵をなぎ払って道を切り開き、凶太刀やバルムンク等、所持する数多の妖刀、魔剣を駆使して道を切り開いていくよ…。
敵がまとまった数が出て来たら【妖剣解放】…。
【呪詛】を纏い、【早業、2回攻撃】で凶太刀と神太刀の二刀による舞う様な動きでの高速連続斬撃、妖刀二刀剣術『神楽舞』…。
全て斬り捨てるよ…。

「邪魔はさせない…ここは押し切る…!」

アドリブ歓迎


甲斐・ツカサ
伝説の解放軍を苦しめたって言うからどんなに凄いのかと思ったら…ただ自爆するだけなんて、全然凄くない!
この先そういう戦い方をしないように、無駄だって事を思い知らせてやらないとね!

スピード勝負と言えば宇宙バイク、輸送船の中をひとっ走りしようか!
同型の輸送船の構造を事前に調査しておいて、走行コースを把握して、転送と同時にフルスロットル!
曲がる時はフックを壁に引っ掛けて遠心力を利用して、速度を落とさず駆け抜ける
流星のようなこのスピード、追い付けるもんなら追い付いてみな!

狙撃は少し怖いけど、ホログラムで壁を作ってこっちを見えなくすれば心配も減るよね
こっちからも周りが見えなくなるけど、道は頭の中にある!


ツーユウ・ナン
わしは艦の構造や機械操作に疎いゆえ、工作が得意な猟兵の護衛に就こう。狭い艦内ならば武術でやりようがあるじゃろ。
◆素早くコアルームを目指し、自爆装置起動まで敵を阻止

攻撃
・震脚を響かせて重い突き「哈ハッ!」
・擒拿【グラップル】極め投げ
防御
・体術による【見切り】回避
・練った氣【オーラ防御】を手に纏い、弾き受流し(化勁)
※鉄箸(装備4)を使ったカンフーアクション
・銃の引金と指を挟み込んで射撃阻止→捻り引き回し、横合いから靠撃【吹き飛ばし】【範囲攻撃】
「哼フン!」
・顔の穴や隙間に箸先を差込んでのけ反らせ→足を踏み付け→頂肘

『UC』
コアルーム入口をバリケードし敵を食い止める【地形の利用】【拠点防御】


月宮・ユイ
アドリブ・絡み協力歓迎

特攻…嫌な強さね、まったく
戦闘は避けつつ迅速なコアルームへの潜入を目指すわ
▼武装
星剣:連結剣
兵装・倉庫:暗器、断熱用の装備(発見可能性を下げる)

【不可視化】を使用”目立たない”様行動
”暗殺”技能にて音も極力減らし、必要ならば”早業”のように敵を始末。その際は”生命力吸収”でエネルギーを吸い消耗を回復
”メカニック、ハッキング、鍵開け、破壊工作”で行動補佐。可能なら警報での陽動や”情報収集”を。
行動を共にする者が居れば透明化を共有。消費減らす為なるべく密着する(おぶさる?

コアルームでは【人形劇団】で盾+銃持ち人形を召喚、装置起動まで”時間稼ぎ”<”戦闘知識、拠点防御”



●介入、潜入、突入

 高速輸送艦への転移に成功した猟兵たち。彼らは事前の打ち合わせ通りに各自行動を開始する。

 この艦を落とすために。

●介入

「それでは手筈通りに!任せましたよ、オルタ!」
「……了解」
 己の分身【オルタナティブ・X】と別れを告げコアルームを目指すアリア・ヴェルフォード(謎の剣士X・f10811)もう一人のアリアは本体とは別の道を進む。思考と感覚を共有できる分身に今回与えた役割は陽動。アリア自身だけでなく本命の潜入班の動きを支援するため。できるだけ暴れてもらう算段だ。色々と怪我をしそうなので今回は痛覚共有は遮断したが。
「行きましょう」
 もう一人のアリアと共に陽動を行うのは當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)今回の陽動作戦の要は祈の手によるレプリカクラフトを使用した隔壁の複製。予め隔壁を作る箇所は仲間たちにも共有済み。つまり仲間たちは偽装の隔壁を気にせず進め、敵だけが嵌る罠になると言うことだ。
「……こっち」
 もう一人のアリア、アリア・オルタに先導され祈たちは隔壁の設置ポイントに向かう。

「……邪魔」
 道中に現れるバトルドロイドたちはアリア・オルタの邪聖剣Xカリバーの一刀で斬り伏せられる。
「設置完了です」
 祈の手により展開される偽装の障壁。精巧に出来てはいるが本来であれば罠を模倣するモノ。肉眼で見れば偽装だと分かる隔壁だが今回はそれで充分だった。
《―――!?!?》
 この艦の戦闘要員はバトルドロイド。彼らは所詮プログラムに従い動き続けるだけの機械兵士。彼らの知覚はセンサーに依るものであり視覚情報ではなくセンサーが感知した信号だけを認識する。故にその信号さえ偽装できれば見た目など瑣末なことだった。だからこそのこの作戦。効果は最大限に発揮されていた。バトルドロイドたちは偽装の隔壁に進路を妨害され、想定のルートを通ることができずコアルームへとたどり着けずにいた。
「集え極黒」
 コアルームへの進路を妨害されルートの再検索を始めたバトルドロイドに襲いかかるアリア・オルタの手から放たれる闇に染りし魔法の槍。それはバトルドロイド達の身体を貫き蹂躙する。バトルドロイドたちからすれば唐突に現れた要警戒対象。ルート検索を中断し目の前の対象を狙いだすバトルドロイド。
「倒しはしません。ですがその戦闘能力だけは奪わせてもらいます」
 祈もまた戦闘用に変形した4足の脚で艦内の壁と天井を駆けバトルドロイドへと奇襲する。振るわれる二本の刃はバトルドロイドの腕だけを正確に切り落としその戦闘能力を奪っていく。
《―――》
 それに伴い鳴り響くバトルドロイドの救援要請。周囲に展開していたバトルドロイドの別働隊が侵入者を屠るべく集結していく。二人の狙い通りに。
「大分ここにも集まってきました。次に行きましょう」
 祈の言葉に無言で頷くアリア・オルタ。集まりだしたバトルドロイドたちに背を向け祈とアリア・オルタは偽装の隔壁を潜り抜け攻撃対象を見失ったバトルドロイド達の混乱を尻目に次の設置ポイントへと向かう。

 道中に現れるバトルドロイドたちも破壊はせず、その手足のみを切り落とし戦闘力を奪い増援を促していく祈とアリア・オルタ。こちらを狙うバトルドロイドが増えれば増えるほど他に回る数が減るという簡単な計算。そのために祈とアリア・オルタは全力で囮になる。コアルームへ繋がる道に偽装の障壁を展開させバトルドロイドの足を止め、自身たちはできるだけコアルームから遠い位置へと進んでいく。
「あとは頼みましたよ皆さん」

 合流予定時間まであと一時間。合流ポイントはまだ遠い。


 ―――祈とアリア・オルタの介入により戦線構築に支障をきたすバトルドロイド達。二人が稼いだ値千金の時間は仲間たちの行動を補助しこの作戦を成功へと導いて行く。


●潜入

「それじゃあオレがナビするからしっかりついて来てよね、十六夜さん景明さん」
 Ray-GuSTARのエンジンを駆け背後に立つ二人の青年に確認をとる甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)
「おーけぃ、ま、頑張るわ」
「こっちも問題はねぇな」
 気だるげにその声に応えるのは月代・十六夜(韋駄天足・f10620)、ユーベルコード発動のために鯉口を切るのは遠呂智・景明(さむらいおろち・f00220)。二人の青年はツカサのRay-GuSTARに自身の脚でついて行くつもりのようだ。
「それで本当に大丈夫なの?一人くらいなら後ろに乗れるよ?」
「大丈夫っしょ、多分」
「ついて行くぐらいはできると思うぜ」
 準備運動とばかりに屈伸をしてから十六夜は両手を地面につきクラウチングスタートの体勢に。景明もまた自身の本体たる大蛇切 景明を抜き放つ。
「侵略すること火の如く、ってな」
 抜いた刀と共にその身に燃え盛る紅蓮の炎を見に纏う景明。これで十六夜と景明の準備は整った。
「よし、それじゃあ行くよ!」
 ツカサがアクセルを吹かしRay-GuSTARのスロットルを全開まで開く。それによりRay-GuSTARに命が吹き込まれる。全開加速で発進するRay-GuSTAR。それについて行く二人の青年。十六夜は宙を蹴り空を舞い、壁を蹴り加速し、天井を蹴りツカサのRay-GuSTARを追従する。
「ツカサは先導とほろぐらむでの撹乱に集中してりゃあいい!雑魚は俺に任せろ!」
 景明もまた纏った火焔による高速移動で追従する。今回の景明の役目は前方の敵の無効化。ツカサは展開させたホログラムで周囲の確認ができない。だから景明が斬撃で露払いをする。
「邪魔だ!」
 大蛇切から放たれる焔の斬撃が前方のバトルドロイドたちの手を切り落として無力化し三人はその間を駆け抜けていく。
「追ってくんなよな、っと!」
 十六夜もまた抜き去ったバトルドロイド達の足元へとワイヤーを展開。その脚を絡め取り行動を停止させる。

 こうしてツカサと十六夜と景明の三人は偽装された隔壁をくぐりショートカットしながらバトルドロイド達を相手取りコアルームへの道を進んでいく。


 ―――艦内を駆け抜けること5分。無事にコアルームへの潜入に成功した三人だったが本当の戦いはこれからだった。


●突入

 潜入班がコアルームへ突入したことを確認しその扉の前に集結する者たちがいた。
「さて、ここからは時間稼ぎですね!分かりやすくていいです」
 共有した感覚でアリア・オルタの陽動の進捗を感じながらアリアは扉の前へと立ち塞がる。
「そうね、ここからが本番よ」
「そうじゃのう。どれ、わしも本気を出すとしよう」
 ツーユウ・ナン(粋酔たる女用心棒・f04066)の背から降りる月宮・ユイ(死ヲ喰ラウモノ・f02933)ユイの【不可視化】によりここまで消耗も少なくやってきたユイとツーユウ。彼女たちもまたコアルームへの扉を守るためその前に立ち塞がる。
「…遅れた」
「これでも全速力で来たんだけどな」
 雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)とエルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)もまた隔壁前に駆けつける。目的は同じく防衛のため。
「さ、楽しい時間稼ぎの時間だ」
 エルスがウィルと骸装:闇套を組み合わせた変形させた所で彼らの前へバトルドロイドの軍勢が雪崩込んで来る。陽動班の活躍により数が減っているとはいえそれでも周囲を埋め尽くす機械兵士たち。この総ての相手を潜入班の破壊工作が終わるまでし続けなければいけないのがこの5人の今回の役割。各々獲物を構えなおし機械兵士の大群を相手取る。

 ―――予定時刻まではあと50分。


●兵器として、猟兵として

「いざ、開演…」
 ユイがコアルーム前に展開するのはユイ自身の人形劇団。ユイを含めて25体からなるその劇団が防衛のために展開する。盾と銃を持った人形たちがバトルドロイドの軍勢を相手取る。
「ここは通さないわよ」
 ユイ自身も星の如き形状の核から連星コア:星剣を連結剣として創生。それを手にバトルドロイドたちを迎え撃つ。過去に兵器として戦いその果てにその身を自爆させたユイは人としての身体を持った今こそ総てを護ると改めて誓った。その誓いを前にバトルドロイドの軍勢など障害にすらならない。ユイの振るう連結剣と人形たちの銃による射撃でバトルドロイド達は着実に数を減らしていく。減った数以上の増援を呼びながら。
「そんなに来ても無駄よ。領域形成…」
 数が来た所でユイの想いは揺るがない。背後の扉を対象に自身を含め多種多様な障壁で囲い守護領域を形成する。それはユイの想いを反映し何ものも通さない鉄壁の守護。攻撃は人形と仲間たちがしてくれる。
「来なさい、誰も通してあげないから」

  ―――兵器は守る。後ろにいる誰もかも。予定時刻まであと40分。


●女用心棒は扉を護る

「哈ッ!」
 ツーユウの震脚を響かせた重い突きがバトルドロイドの一団を纏めて吹き飛ばす。そのまま近くにいたバトルドロイドの頭部を掴み極め投げ。こちらを狙う精密射撃は見切って躱し拳を叩きこむ。手が届くのであればバトルドロイドの引き金に指を刺し込み射撃阻止。そのまま捻じり引きまわし、横合いから靠撃の一撃が炸裂する。
「哼!」
 背後から迫る相手には愛用の鉄箸を差し込みのけ反らせる。その隙に脚部を踏みつけ頂肘をお見舞いする。鉄箸を器用に振りまわし周囲のバトルドロイドたちを薙ぎ払っていく。
「しかし狭い艦内ならば武術でやりようがあるのう」
 バトルドロイドたちに手招きをしながらツーユウは独り呟く。誰かを護ると言う武術家であり用心棒であるツーユウの本懐。それを今回は十二分に遂げている。
 それ故に入口を狙うバトルドロイド達の攻撃も見逃さない。
「……我が身体に堅固不動なる心を宿せ……南無本師釈迦牟尼佛……」
 すばやく射線上に身体を滑り込ませ【龍氣金剛功】を発動するツーユウ。これによりツーユウの全身に龍氣が漲りバトルドロイド達の攻撃を無効化する。
「ここは通せんのう」

 ―――女用心棒を身体を張る。それで誰かを守れるなら。予定時刻まであと30分。


●魔剣の巫女は舞い踊る

「邪魔はさせない…ここは押し切る…!」
 背後の守りはツーユウとユイに任せバトルドロイド達の大群に突っ込んでいく瑠奈。バトルドロイドたちのブラスター攻撃はその手に持つ妖刀・九尾乃凶太刀と妖刀・九尾乃神太刀で打ち払う。そして今いる軍勢たちの中心部まで数多の妖刀、魔剣を駆使して道を切り開いていく。もちろんバトルドロイド達も瑠奈を無視できない。瑠奈を包囲するように陣形を組み替えていく。しかしそれが今の瑠奈の狙い。囲んでくれるなら周囲はどこも敵だらけ。であればこちらの攻撃は振るだけでいい。妖剣の力を解放し瑠奈はその身に妖刀の怨念を纏う。体力と命を削る大技だがこの技のおかげで瑠奈の殲滅力は格段に上がる。凶太刀と神太刀の二振りの刃から放たれる斬撃の衝撃波がバトルドロイドたちの群れを薙ぎ払っていく。
「全てを斬り捨てるよ…」
 まるで舞いの様に優雅に振るわれる二振りの太刀。そこから加速し繰り出されるのは高速連続斬撃妖刀二刀剣術『神楽舞』。呪詛を纏い振るわれ斬撃を飛ばす二刀。瑠奈は確実にバトルドロイドたちの数を減らし続けていた。瑠奈が数を減らせば他の皆への負担が減ると信じて。

 ―――魔剣の巫女は刀を振るう。その刃は誰かのために。予定時刻まであと20分。


●竜と青年にできること

「最近命を燃やし過ぎではぁ!? 循環反てぇん!」
 エルスもまたバトルドロイド達の大群を相手に竜槍から解放された力をその身に纏い命を削りながら高速で駆けまわる。エルスが今回選んだ形態は骸装:舜濤。薄い反りに三尺の刃渡りを持つ野太刀である舜濤はエルス自身の動作の延長で攻撃することができるため今の状況では最適解と言ってもよかった。残像を残しながらバトルドロイド達の間をすり抜け駆け抜けながら斬り抜いて行く。
「よっ、と」
 バトルドロイド達がエルスの周囲に集まってきた所で骸装を組み替え、二本の剣を組み合わせて形作られる準機械式巨大剣である錬契へと移行する。走りながら切るのであれば舜濤だが相手が前面に集まっているのであれば見た目より軽く、取り回しがよい錬契の方が効果がある。振り抜かれる巨大剣の斬撃はバトルドロイド達の身体を上下に両断し蹂躙する。しかしバトルドロイド達はその程度のことは意に介さない。倒れた兵士がいるのなら別の兵士を補充すればいい。エルスの前には先ほどよりも増えたバトルドロイド達が押し寄せてくる。
「これは……なるはやでおなしゃっす!」
 青年は潜入班を急かしながらも巨大剣を担ぎ直しバトルドロイド達へと向かって行った。

 ―――竜と青年は敵を倒す。それが誰かのためだと信じて。予定時刻まであと10分。


●CODE:X

「浄め聖光!カオス・ストライク!」
 聖剣Xカリバーから放たれる20を超える光の斬撃波。バトルドロイド達を呑みこむその斬撃はアリアの手から放たれたものだった。
「むむむ、オルタたちが無事任務を完遂したようですね」
 今回のアリアの真の役割は露払いでも時間稼ぎ要因でもなく陽動班と突入班の仲介役だった。思考と感覚を共有した二人のアリアがいれば傍受される心配も無くお互いに意思の疎通ができる。そして今の連絡は向こうの役割が終わったと言うもの。であればこの後に取るべき行動は決まっていた。
「みなさーん!そろそろ撤退です!」
 時間はもう十二分に稼いだ。であればバトルドロイド達を殲滅する必要などない。どうせこの艦と共に宇宙の藻屑となるのだから。そんなことより合流地点に急がなければアリアたち自身もこの艦と運命を共にしてしまう。アリアたちは予定通り撤退を開始する。

 ―――光と影の少女の役目は終わった。誰かと誰かを繋ぐ架け橋。予定時刻まであと5分。


●単純にやべぇ

「まだか!十六夜」
「もう、ちょっ、と」
「急いでよ十六夜さん!」
 自爆装置の前で悪戦苦闘する十六夜、景明、ツカサの三人。潜入前に自爆装置のコードのメモを貰ったとはいえいきなりはいそうですかとこなせるはずもない。なにより十六夜はどうして自分が打ち込み係なのかが疑問だった。景明は全くの無知のため論外。ツカサはそこそこ知識もあるのだがキーボードに手が届かなかった。つまりは消去法である。
「これでいけただろ!」
 十六夜がエンターキーに鬱憤ごと指を叩きつけると正面のディスプレイにカウントダウンが表示される。残り時間はあと5分を切った所、予定通りだ。
「それじゃあ合流地点に急ごう!」
 ツカサが再びRay-GuSTARに跨りエンジンを吹かす。
 潜入した時と同じようにツカサ、景明、十六夜の順でコアルームを飛びだす3人だったがここで想定外の事態が発生する。
「危ねぇ!」
 出口から出た瞬間、こちらを向く銃口がいくつか。そこから放たれた弾丸を景明はとっさに躱し返す刀で斬撃を飛ばしバトルドロイドを両断するが問題は放たれた弾丸のほうだった。景明が切り伏せた直後から鳴りやまぬアラート音。
「……あちゃー」
 額に手を当て天を仰ぐ十六夜。その視線の先に合ったのは弾丸に打ち抜かれた『非常用ボタン』。それにより艦内は非常体制に切り替わる。それにより展開される障壁たち。これで今ある地図は意味を為さなくなった。
「どうすんの!?もう時間がないよ」
 ツカサの言う通り既に予定時刻までは3分を切っていた。
「しゃーない、走るしかないっしょ。ね、遠呂智君」
「だな」
 十六夜と景明はなってしまったものは仕方ないと割り切り次へと行動を移していた。
「【パターン化】でなんとなく道は把握してる。俺が先導するから二人はついて来てくれ」
 潜入までの道中で艦内の通路を観察し障壁の位置を見切った十六夜を先頭にすることにより地図の代用となる。
「そんじゃ行きますか!」
 駆けだした十六夜を先頭に景明とツカサはその後に続く。

「次の角を右!あ、遠呂智君敵!」
「あいよ!」
 景明の振るう刀がバトルドロイド達を焼き斬っていく。その後ろについていくツカサも景明が打ち漏らしたバトルドロイドを轢殺しながら先へと進む。
「ツカサ君時間は!」
「あと10秒!」
「「無理だ!」」」
 非常体制で追加で降りてきた障壁により三人は随分と遠回りさせられていた。予定時刻を過ぎようとしているが未だ合流地点に辿りつけずにいた。つまり答えは簡単。爆発する艦内を進むほかない。
「くっ、でも走るしかない。その次は左ぃ!」
 爆走する3人を尻目にコアルームから爆発音が響き渡る。このままでは危険が危ない。三人の足が速まった。

 崩壊を始めた艦内を駆け抜ける三人。天井から降り注ぐ瓦礫は十六夜がジグザグフィールドを張り巡らせ蜘蛛の巣の如く絡め取り景明とツカサもまた斬撃とRay-GuSTARで切り抜ける。大幅に遅刻したが合流地点は目前。だが三人の前に最後の関門が立ちはだかる。
「「「はぁ!?」」」
 三人の前には瓦礫で埋もれた通路。ここを通らなければ合流地点へはいけない一本道だ。だが今は瓦礫によりツカサがギリギリ通れない程度の隙間しかない。
「しゃーねぇあれやるか」
 十六夜としてもやりたくなかった奥の手中の奥の手。戦闘中であれば隙が大きすぎて使えないが幸い今は周囲に敵の姿はない。それよりも一刻も早く脱出する必要がある。十六夜はポケットから小さな鍵のかかった箱を取り出す。
「二人ともこれに触ってくれ」
「あ!成程ね」
「ほほう、そう言うことか」
 景明とツカサとて猟兵。十六夜の考えは直ぐ分かった。二人はその箱に触れ装備ごと中へと吸い込まれていく。
「んじゃ、俺も。っと!」
 十六夜の綺麗な投球フォームから放たれるその小さな箱。十六夜の指先から離れる瞬間に十六夜の身体もその中に吸いこんでいく。投げ手を失う箱だが慣性と言う名の力に従い瓦礫の隙間を潜り抜けその先に待つ者の手の中に落ちた。


 猟兵たちの活躍により無事撃沈に成功した高速輸送艦。これにより『白魔』艦隊の特攻は未然に防がれ数多の命を救うことになる。
 だが戦争は終わらない。猟兵たちは次なる戦場へと歩きだす。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト