7thKING WAR⑮〜降り注ぐは剣
●舞台の上で舞い踊るだけでは盛り上がらない
「クイーンサーカス団、開演致します!」
派手なピエロが朗々と声を響かせて宣言を行う。スポットライトが彼を照らし、黒々とした影を描いた。
「今宵の演目、死の舞踏会となります! 天より降り注ぐ剣を避け、弾き、舞い踊る……命懸けの大舞台! 果たして演者は無事に踊り切れるのか……それを見届けるのは皆様でございます!」
スポットライトが宙を固定された刃の数々を照らし出す。どれもこれも怪しげに光を返し、鋭さを物語っていた。
●命懸けの剣舞
「皆様、この度はデビルキングワールドにて戦争となります。赴いていただくのはクイーンサーカス団です」
明日葉・雅(咎喰らい・f07590)がいつもの調子で声をかける。今回は普通、なわけがなかった。
「ここで行われる演目を成功させることでアイスエイジクイーンのKING到達を妨害できます。その演目なのですが」
「死の舞踏会、降り注ぐ剣を避け、弾き、舞い踊れ。ってことだ。ステージ上に固定された刃物はかなり鋭いからな。当たりどころが悪きゃ、切り落とされる箇所も出てくるだろ。気をつけてくれ」
雅の後をつぎ明日葉も話に加わる。命懸けの演目を成功させるために舞台へ上がってほしい、と。演目の内容も説明されるが、どうすればいいと訴えられているのに気づいたらしい二人。
「剣が落ちる音や光で避けたり、自らの武器で弾いたり、他にも防ぐ手段はあるかと思います」
「ただ避けてたんじゃ盛り上がらないからな。盛り上がるよう演出、ギリギリで避けたり、弾いた刃で更に弾いたり、演舞として成立させるってのも手の一つだ」
アドバイスをいくつかし、グリモアを機動させる。舞台袖に繋がったらしく薄暗い。
「簡単に行くとは思いませんが、皆様なら大丈夫かと思います。ご武運を」
深々と頭を垂れて、猟兵達を見送った。必ず成功させてくれると信じて。
紫雨
デビキンは初めてになります。紫雨です。
死の舞踏会にロマンを感じており、そのままシナリオとさせていただきました。対処法は二人が説明した通りとなります。他にも思いついた際は教えて下さい。
プレイングボーナスは以下の通りとなります。
皆様の素敵なプレイングをお待ちしております!
プレイングボーナス……身体能力を活かし、危険な曲芸に挑戦する。
第1章 冒険
『デッドリーサーカス』
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POW : 胆力やパワーの必要な曲芸に挑む。
SPD : 身軽さや瞬発力の必要な曲芸に挑む。
WIZ : バランス感覚や観察力の必要な曲芸に挑む。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
オネスト・ファッション
アドリブ歓迎!
命懸けの大舞台……いいね、ワルって感じだな!
観客をあっと驚かせてやるからな!気合い入れて行くぜ!
指定UCを発動して『アルルカン・スタイル』に[早着替え]!
よーっし!ボクのド派手な曲芸!最後まで見てってよね!
服装に合わせて言動を変え、顔に道化化粧を施して[覚悟]完了!
降り注ぐ剣を目視して[瞬間思考力]で避けるルートを選び出す
[ダンス]を踊るように派手に避け続けるよ!
だけど安定した曲芸なんてワルっぽくないよね
たまに避けるのを失敗したように見せ掛けて観客をドッキリさせちゃおっか!
落ちてきた剣に当たるフリをして舞台から消えて、最後に落ちてきた剣を拾って舞台の刃を薙ぎ払って決めポーズだよ!
「命懸けの大舞台……いいね、ワルって感じだな!」
舞台袖から様子を伺っていたオネスト・ファッション(見せ掛け以上・f31551)は威勢よく笑う。彼にとってこの舞台は燃え上がるものでしかない。
「観客をあっと驚かせてやるからな! 気合い入れて行くぜ!」
「第一幕、少年ピエロによる演目にございます!」
瞬きよりも短い間にてオネストの服装は変わる。『アルルカン・スタイル』と名付けたワル派手な道化衣装に早着替え。服装に合わせて道化化粧も施して、飛び跳ねるように舞台へと躍り出る。場内へのアナウンスを司会のピエロが行っていた。
「ボクのド派手な曲芸! 最後まで見てってよね!」
スポットライトが飛び跳ね、踊るオネストを追いかけ、その後を追いかけるように刃が落ち始めた。空を切り裂き、地響きを轟かせる。時折、先回りするかのように刃が降るも、彼は冷静に見極めるとステップ一つで避けて魅せた。
観客達の歓声が舞台を満たすもその声は一変する事態に。
「どんなもんだい! って、これは危ない!!」
順調に進んできたのに、最後の最後で大剣にぶつかる。かなりの重量、衝撃に弾き飛ばされた。ライトも彼を見失い、盛り上がっていた空間は困惑の声で埋め尽くされる。
ざわざわ、がやがや、説明を、なんて言いだす声が聞こえだした瞬間、舞台上で金属がこすれる音が響く。観客達は口を閉ざし、舞台を注意深く見つめるのだ。
バンッ。すべてのスポットライトが舞台の中心、大振りな剣を振りぬいた道化姿のオネストの姿が。
「ボクのカッコいい姿、ちゃんと見てくれたかな?」
カッコいい決めポーズをバッチリ決めて、観客達を見回した。誰もが不安そうだったのにそんな空気は一切、感じない。
勇敢な道化師による曲芸は大成功にて幕を閉じた。
大成功
🔵🔵🔵
メリヲ・テフルヴイ
剣舞をリクエストというワケだね。
よーし、ボクに任せておいてっ♪
ステージ中央で栄旺主と憎苦主、愛刀二刀を抜いて、自然体で開始を待つ。
始まったら、落ちて来る剣の落下タイミングを風切音で【見切り】、剣で弾いていくよ。
【残像】が残るくらいに素早く、かつ踊るような動作で緩急をつけつつリズミカルにやっていければと。
ステージ外に弾くばかりじゃなく、上へ弾いて二刀でジャグリングするように何度も弾くのもアリかな。
ある程度時間が経ったら焼尽ノ未来を発動、炎を纏って更に速度を上げていく。
炎を棚引かせてステージ上を大きく動き回って派手に魅せていこうかと。
最後は両腕を大きく広げて一回転、落ちてきた剣を纏めて弾いて〆!
興奮冷めやらぬ会場は割れんばかりの拍手が響いている。その最中、ブザー音が響いた。
「少年ピエロは勇敢さにて皆様を魅了致しました。続きまして、第二幕。可憐なる剣士による演目となります!」
舞台の中央、ポジションゼロに佇む女性、メリヲ・テフルヴイ(フリヰダムスヲウド・f22520)は愛刀二振りを携えている。
「剣舞をリクエストというワケだね。よーし、ボクに任せておいてっ♪」
ウィンクが合図だったのだろう、宙から刃が降り注ぎ始めた。
風切り音が鳴ると同時にメリヲは状態を揺らし、白く輝く刀を振るう。甲高い音を立て刃は弾き飛ばされた。残心から一歩、加速するように舞台を駆ける。次に振るい、剣を弾いたのは黒く輝く刀。白と黒の軌跡を縦横無尽に描きながら舞い踊る。
更なる速さにて剣を弾き踊る姿が一つ、二つ、像が残るほどの速さで場を沸かせたと思えば、また違った一面を見せるのだ。
ゆったりとした妖艶な刀捌きにて魅せる技は弾き上げた剣を再度、弾き上げるという妙技。ジャグリングのように数度弾き上げたならば歓声が最高潮に。
「退屈はさせないよ、さあ、燃え尽きちゃおうか……♪」
瑞々しい唇から囁かれた言の葉が蒼白の焔を呼び起こし、纏った。焔が棚引き、舞台を包みこむような軌跡でしか目視できない。それほど速く舞い続ける彼女は跳ねて弾いて舞台スレスレまで焔を下げてと軽やかな動きに疲れは見えない。
「フィニッシュ!」
軽い力で飛び上がったメリヲ目掛け刃が迫る。それらは二刀に弾かれ、彼女が降り立ったのはポジションゼロ。
両腕を広げ一回転、蒼白の輪を作り上げたならば切り上げて、焔を散らす。
焔と共に舞い踊った二刀の剣士に割れんばかりの拍手が降り注いだ。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『お金』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:四天刀鍵(納刀状態)
選択UCは常に発動しているが、万一の時の保険の意味が強い
むう、サーカスもいろいろあるのだな?(この世界に慣れた)
さて?そういう曲芸にすればいいのなら、たしかにわしだの?
それに…それだと槍より刀の間合いの方が、盛り上がりそうでなぁ。
ということで、基本はギリギリを狙って、第六感で避けるのだが。残像の出るスピードで避けたりな。
が、たまには避けた先に剣が迫ってもいいじゃろ。そこを素早く四天刀鍵を抜刀して上へ弾く。
刀は抜刀⇔納刀を繰り返しておるからな、それも演舞の一部とする。
拍手がようやっと止んだ頃、少年ピエロと二刀流の剣士、どちらがすごかったか、好みか等話をしてる観客達。彼ら彼女らの話を止めるようにブザーが鳴り響く。
「可憐なる剣士は炎を使い、艶やかに魅せていただきました。本日、最後の舞台となります」
司会の宣言に観客達は居住まいを正す。これほど盛り上がる舞台、その最後となれば余すことなく見届けるしかない。
「むう、サーカスもいろいろあるのだな? さて? そういう曲芸にすればいいのなら、たしかにわしだの?」
舞台に上がっているのは馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)である。四人のうちの一人、武の天才『侵す者』が柄に手を添えていた。
「いぶし銀。いくつもの側面を持つ古兵による剣舞にございます!」
(それに……それだと槍より刀の間合いの方が、盛り上がりそうでなぁ)
三度目の舞台、落下してくる剣の速さも上がっており、悲鳴のような風切り音を立て、剣は降り注ぐ。目を閉じたまま彼は最小の動きにて避ける。今までの戦闘経験、第六感を駆使し、紙一重で避け続けるのだ。
「ちと、盛り上がりが乏しいか?」
ならば、と避けた先にて剣を弾く。それだけならば今までの演者と変わらないが、古兵は一味違う。金属を弾く音が二つ、弾いた男の姿も二つ。残像が残る程の速さにて居合の技にて魅せる。
実際のところ、神業により観客達は声を失っていただけなのだが。やっと理解が追いついたのか、剣戟の音に我に返ったのか、やっと歓声があがる。
「これならば充分だろう」
地を割るかのような大歓声に呼応したように残りの剣が降り注いだ。居合の絶技にて剣を弾き、弾いた剣で更に弾く。彼の間合いに落ちた剣の姿はない。
残心から自然体へ、体勢を整えた義透は一礼したのちに舞台袖へと戻っていった。
「これにて今宵の演目を終わりにさせていただきます。皆様方、猟兵の皆様に更なる拍手をお送りください!」
司会のピエロがアナウンスすると拍手の音が更に大きくなり、指笛も吹かれる。それだけ今日の演目に興奮した観客達は満足気に笑っていた。
大成功
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