7thKING WAR⑯〜熱闘!デビル甲死園2022(作者 ブラツ
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#デビルキングワールド  #7thKING_WAR  #ジャッジメントガール 


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●ああKINGの栄冠は誰に輝く
「皆お疲れニャ。今回の競技はデビル野球だニャ。魔界テレビの悪魔王遊戯頂上決戦の生中継が入るから、バッチリ猟兵のヤバイ所を見せて奴らの戦意を挫いてニャ」
 グリモアベースの会議室、集った猟兵の前に現れたバースト・エラー(世界の不具合・f21451)はスクリーンに戦場を映しながら作戦の説明を続ける。

「このデビル野球は身体能力や胆力、知力や財力、時の運は勿論、競技の一環として繰り出される魔界裁判長――ジャッジメントガールの執拗な攻撃への対処も求められるから気を付けて欲しいニャア」
 なるほど、この世界特有のトンチキ野球勝負という訳か……裁判長が敵とは厄介な。して、その内容はと猟兵の問いかけに、バーストは幾分慎重な面持ちで言葉を返した。
「まず双方の審判買収劇から試合は始まるニャア。買収した方が先攻で試合開始だけど、相手は魔界テレビそのものがスポンサーだから金の力で勝つことは正直難しいニャア」
 敵の名前はシン・デビルストランディングズと言うらしい。シンには複数の意味が含まれているがそんな事はどうでもいい。それプラス審判が敵なのだろう? と誰かが問う。
「うむ……無論買収されているからめちゃくちゃ不利な判定しか出ない。相手のボール球はストライク、ミットに取られたら死ぬと思えニャ」

 下手に打ってもファールにされてしまう恐れがある。こうなれば猟兵の得意の出番だニャアとバーストは磯臭いグリモアを展開した。
「ダイジョーブ、必ずみんななら栄冠を手にする事が出来る、と思うニャア」
 光の先は魔界テレビ局のスタジオ内スタジアム。いいだろう――スケールの違う戦いはこれまで何度もこなしてきた。ここから先は猟兵の時間だ。


ブラツ
 ブラツです。このシナリオは1フラグメントで完結し、
 「7thKING WAR」の戦況に影響を及ぼす、
 特殊な戦争シナリオとなります。

 本シナリオは魔界テレビ局のスタジオ内スタジアムで、
 ジャッジメントガールの八百長試合に勝利する事が目的です。
 その為には以下の点に注意する事で、非常に有利な状況になります。

●プレイングボーナス……無茶苦茶なアトラクションのルールに適応する。
 またはアトラクションのルールの穴を突く。
 以上です。詳細はオープニングの通りです。お任せします。

●今回の注意事項
 誠に申し訳ございませんが当方の体力上の都合、
 プレイングは最大9名様までの対応となります。
 それ以上の人数は申し訳ございませんが流します。
 その為、合わせプレイングは最大2名様でお願いします。

 募集は断章投下後タグにて告知します。
 それでは、よろしくお願い致します。
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第1章 ボス戦 『魔界裁判長『ジャッジメントガール』』

POW ●証拠品押収!
【ジャッジメントハンマー】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【証拠品入れ】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
SPD ●全会一致裁判官
X体の【絶対冤罪裁判官】を召喚する。[絶対冤罪裁判官]は自身と同じ能力を持つが、生命力を共有し、X倍多くダメージを受ける。
WIZ ●ジャッジメントエコー
戦場内に【ハンマーで台座を叩いた音】を放ち、命中した対象全員の行動を自在に操れる。ただし、13秒ごとに自身の寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【全国悪魔王遊戯頂上決戦の歌】※非公認

1.
 言う事聞かない 1stガチデビル
 4thキンブレ 余所の世界侵略ワルい魔王(やつ)
 だけど本当は 凄くイイ 性格してる
 他の魔王は どこへ消えた
 ああ審判が また寝過ごした
2.
 西の魔王候補 アイスエイジクイーン
 東の魔王 候補はスーパーカオスドラゴン
 北と南 誰もいない どうしていない
 他のラスボス どこへ消えた
 ああ審判が また寝過ごした
3.
 正体不明の 異世界魔王
 当選すれば ここのデビル根こそぎ輸出する
 止めろ止めてくれ 働くの絶対嫌だ
 サボる事こそ ワルの道理(みち)
 ああ審判が また寝過ごした

 けったいなオープニングが鳴りやむと共にサイレンが球場に鳴り響く。
 相手は屈強そうな魔界の住人……生半な手管では勝てぬだろう。
 更には……。
『それじゃープレーボールっス! 正々堂々、試合開始!』
 買収された審判――魔界裁判長『ジャッジメントガール』が宣言する。
 1回表、打者は相手、猟兵は守備から始めなければならない……。

※プレイングはデビル野球中にやりたい事を書いて貰えれば大体OKっス!
エドゥアルト・ルーデル
E(良い)ベースボールしような

勝利には多少の人間性は捨てねばなるまい!【流体金属】君と合体だ!ウッ!オウガメタルがキマッて来ただろう!?
バットと見せかけて四角く変形させ面積を増やした腕でござる、流体金属だから形を変え放題でござるよ!ほぼ金属バット見たいなもんだし
更に反射能力の向上も果たした拙者は投球見てから安打を放つ野球モンスターでござる!
装備の流体金属は拙者と合体して一心同体…つまり拙者でもあるのでジャッジメントハンマーと叩きあっても押収は不可能だしな!

塁に出たら二盗三盗、なんならホームスチールまで決めますぞ
相手のタッチは身体能力と身体の変形で掻い潜ればいいんでござるよ

野球ガデキテタノシイナ


索・緑蘭
八百長なら、私も負けてられないわね。

相手監督を【誘惑】して、八百長を持ちかけるわ。

それと、ジャッジメントガールにも言いがかりしないとね。

あなた、野球の試合は今までちゃんと観てたかしら?
それも基本ルールだけじゃなくて、様々な戦略がある事を理解した上で。
まさか、眠ってたからそんな事は知らないわよね?

さて、まずは守備ね。
相手が盗塁に成功する前に間に合えばいいけど、打球を飛んで捕れないかしら?

攻撃に移ったら、投げてくる球を【見切り】で上手くヒットさせるわ。

そうそう、『絶対冤罪裁判官』の方はゲームキャラクター達に任せるわね。合体しても良いわよー!

やっぱり、八百長には八百長ね。


●ライアー×ライアー
『一番、バッター、ゴリラ』
 マウンドに立つは荒々しい巨漢じみた野生の証明。タフネスぶりを見せつける肥大した上腕二頭筋がデビル木材のバットをブンと振れば、その風圧に審判のジャッジメントガール――長いのでガールがにんまりとほくそ笑んだ。
(こりゃー見るまでも無く楽勝っスね。相手はあんな華奢なピッチャー……)
 視線の先には眼鏡をクイと上げる索・緑蘭(魔界のイカサマ雀天使・f31867)の姿が。凛と背筋を伸ばして、ミットを構える捕手の後ろのガールをじろりと睨んで。
(ま、こんな形の私じゃあ、あのゴリラを止められないと思ってるでしょうね)
 だけど、試合は既に始まっていたのよ。あのけったいな歌が終わる前に――。

「だから、この後なら幾らでも、好きなだけ勝たせてア・ゲ・ル・か・ら」
『んな事言うても審判の判定は覆せんちゅうか……』
 試合前、相手ベンチに入る前の敵監督を捕まえて緑蘭は取引を持ち掛けていた。
 豊満なバストをすり寄せて、片手で滑らかな象牙の牌を優しくつまみ、監督のポケットにそれを強引に押し入れる。
「私がこの牌を通じて指示を出したら、その通りにサインを送ればいいだけよ」
『そうすれば、本当に……』
 ええ。本当に。勝たせてアゲルんだから。麻雀に。

『さーって、試合開始っスよ! ほら、ちゃっちゃと投げる!』
「急かさないでよ。言われなくても――」
 第一球、全身を使いゴリラの視線を誘導すると共にふわりと白球から手を離す。
 へろへろとしたチェンジアップ……の様に見えるその球を見据え、バットを大きく振り上げたゴリラ――その時。
「あー……やっぱり暑いわね、このユニフォーム」
 緑蘭がパッツンパッツンに張り上がった胸元を僅かに緩め、途端、ゴリラの集中が僅かにそれる。瞬間、鈍足の白球は火を噴いてミットの中心を貫いた。
『な……ぼ、ボールっすよ! ボール!』
「確かにそれはボールだけど判定はストライクでしょう? あなた、野球の試合は今までちゃんと観てたかしら?」
 球威が途中で狂ったように増した以外、どう考えてもド直球のストレート。それをガールは無慈悲にもボール球と告げる。ブーイングと歓声がスタジアムにこだまして、沸き立つ声を背に緑蘭は呆れた口調で言葉を続けた。
「基本ルールだけじゃなくて、様々な戦略がある事を理解した上で。本当に審判出来るの?」
『失礼っス! こう見えてもデ・リーグ最高主席審判長の肩書を持ってるんスから! てか自分がルールっス! I am lawっス!』
 貧相な胸を張って抗弁を一蹴するガール。まあそんな所でしょうね。そこまでは読み通り……。
 二球、三球とボール球が続き、イカサマめいた可変速ストレート――緑蘭が仕込んだ『バトルキャラクターズ』の変化球をフォアボールに仕立て上げ、続く打席のアルマジロにもフォアボール。これで一、二塁が埋まり打席には三番オオカミが立つ。
(さて、そろそろかしら……)
 この野球、点を取られたら恐らく死守され強制的に敗北だ。だからこそ力でねじ伏せ、確実に点を押さえなければならない。
(頼むわよ、監督さん)

 一方、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は三遊間らへんでぼうっと試合を静観していた。何せ球が来ないのだから暇である。
「いやー平和平和。平和が一番」
 胸が揺れる系ガールが必死こいて投げてるが、胸が揺れない系ガールのイカサマが全部おじゃんにしてるでござる。何たる無慈悲。正しく胸囲の格差社会。
「……って、そろそろか」
 作戦通りならここらで球が飛んで――キターッ!
 カキィン! と遅れて聞こえた打球音は何と、飛び上がった緑蘭が見事に奪い取っていた。ピッチャー正面を悠々と越える――放っておけばホームランだろうに、それを堕天使の翼で力尽くに捻じ伏せたのだ。これこそ緑蘭が仕込んだ八百長、牌に形を変えた『バトルキャラクターズ』を通じて、一球だけ正面フライを打たせるという狩りの合図。そして、緑蘭は白球を三遊間方面へ――。
「任務了解。さぁて働きますかねっと!」
 実際動くのは流体金属君だけどね! 途端、ネットの様に広がったエドゥアルトの『オウガメタル・Spitfire』が白球を強引に奪い取り、目の前を走るゴリラへ叩き付ける。
「して、これで終わりじゃあないんだな、これが」
 続けてエドゥアルトが手にした『マークスマンライフル』のアンダーバレルの擲弾筒に素早く装填し、バン、と破裂音と共に撃ち出される白球の直撃を受けアルマジロは丸まったままアウトとなる。これで三重殺――トリプルプレイだ。
『な、そんな道具とか翼とか無しっス! 反則っス!』
「いいえ、反則じゃあ無いわ……」
 反則を言い渡すガールに、緑蘭は最新のデビル野球ルールブックを見せつけた。
「……身体特徴を用いたプレイ、並びにバットを始め選手が持ち込んだ両手で扱えるまでの道具による投打は違反と見なさない」
『そんなルール無かった筈っス……ハッ!?』
 矢張り、ガールは【つい先ほど変わったルール】まで把握をしてはいなかった。これも猟兵達の連係プレイ(詳しくは後半)の賜物――そして攻守交替、一回裏……猟兵達の攻撃である。

『もう形振り構わないっス! 来たれ若人!』
『『『『えい、えい、おー!!!!』』』』
 一回裏開始と同時に、ガールは自らの分身たる無数の絶対冤罪裁判官を球場のそこかしこに配置した。けったいな言いがかりをつける為、そして猟兵の妨害をする為に。だが。
「そんな貧相な集団で私達に勝てるとお思いで?」
 打席に入った緑蘭は自らの現身の様な豊満なバトルキャラクターズを94体、ガールの手先の邪魔をする様な位置へと配置して妨害に対抗する。
『この……邪魔っスよ!』
『あらゴメンナサイ。小さすぎて見えなかったわ。何がとは言わないけど』
 ここに来て胸囲の格差社会の人々は定番の場外乱闘を始める。揺れる、揺れない、白熱するスタジアム、熱狂する観客達、興奮の坩堝、こうなればもう、誰も野球を見ていない。
『野球するっスよー! こらー!』
「今だッ!」
 審判が余所見をしている刹那を見切り、緑蘭は華麗に白球を打ち据える。打球は一、二塁の間を抜けて、一塁に送球される頃には時既に遅し。一塁ベースの上で余裕の笑みを浮かべる緑蘭が、ひらひらと片手を振っていた。
「それじゃあ、E(良い)ベースボールしような」
『何スか! その……未来から来た殺人マシンみたいなのは!』
 二番、バッター、エドゥアルトはキマっていた。勝利には多少の人間性は捨てねばなるまい! ウッ……。
「……オウガメタルがキマッて来ただろう!?」
『仕上がってるっスね!! 最高にハイって奴でしょうか!?!?!?』
 エドゥアルトは銀ピカにぬめり輝いていた。その悍ましい姿に敬語を使わざるを得ないガール――流体金属君と自身を一時的に融合する『Innovator』――人類の革新たるエドゥアルトは銀色に輝く胸筋を見せつけて、ガールを存分に引かす事に成功した。クク……全て計算通り。
「ではショータイムだ……野球ガデキテタノシイナ!」
『ヒッ!?』
 ヒュン! カキィン! 死球すれすれの速球を持ち前のバット――に見せかけた右腕、角柱めいた金属でガッチリ撃ち返したエドゥアルト。流体金属だから形を変え放題。金属バットみたいな物だから打球もこれまた良く飛ぶ上に、反射能力の向上も果たしたエドゥアルトは投球を見てから安打を放つ野球モンスターと化していたのだ! その時である。
『あー! ボールを触ったら、アウトっスよ!』
「いいや先っちょだけバット出てるでござる。ほれ」
『ウッ……駄目駄目! こんな物反則っス! 押収っス!』
「ほう……」
 勇気を振り絞って反則を宣告するガールにぬらりと近寄るエドゥアルト。確かに押収対象かもしれない……だが。
「流体金属君は拙者と合体して一心同体……つまり拙者でもあるので、押収するなら」
『い、イヤっス! そんな! ぬめった銀色の髭なんて!』
 傷つくなあ……まあ押収拒否ならそれで良し。何より【人から見た人間やめてる感】を代償に自身を極限まで強化するこの超常なればこその妙技。途端、地べたを節足動物めいた滑らかな動きで――半融解状態になった流体金属を滑らせて――エドゥアルトは颯爽と塁に出た。怖い。
「相手のタッチは身体能力と身体の変形で掻い潜ればいいんでござるよ。この様に!」
 捕球された球をタッチ寸前に全身をぬらりと崩して爆走を続けるエドゥアルト。一塁、二塁と駆け抜けて……気付けば目前には三塁。
「ハァーッハッハ! これが野球モンスターの実力!」
「そして、私はホームイン」
 奇怪なエドゥアルトに全員が気を取られている内に、いつの間にか緑蘭がホームベースを華麗に踏み抜いていた。
「やっぱり、八百長には八百長ね」
 これで猟兵側に一点。デビスト(相手チーム)は一回にして鮮烈な先制打を受けるのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

結・縁貴
【腐れ縁】
お付き合い祝好您、かみさま!
いやァかみさまと是非遊びたくて
遊び相手が悪魔だからお互い好き勝手出来ますね!
でも俺もかみさまもこの格好似合わねェな

ルールブック曰く、敵チームが9人揃わないと此方の勝利だとか
其処でかみさまの病毒です
悪魔が頑丈でもかみさまの病毒は効くだろ!

試合かァ
其れではかみさまのご期待通りに!
バッターに出た敵の「腕力」の御縁を毎度斬ってくよ
それじゃあ足りなさそうな敵には、かみさまが放出したボールとバットの「ヒットする」御縁も斬る
確実に当たるコースだったね、でも当たんないんだなァ。不思議ー!

審判が裁定するときには「視界」の御縁も斬ろうね
え?イカサマしてた?…見えてねェだろう?


朱酉・逢真
【腐れ縁】
心情)翠虎の兄さんとやってきました野球場。衣装がお互い似合わンね。
マ・依頼されたからには微力を尽くさせてもらうさァ。よろしく頼むよ、兄さんや。
行動)買収は無理か。なら第二案だな兄さん。敵選手審判全員にあらゆる病を罹患・潜伏させといて、試合が開始したら一気に発症させる。毒も内部に発生させる。病で弱らせ毒を染ませ、試合中に入れたワケじゃなし。時間稼ぎにはなるかね。競技の一貫だとしたら、俺が投手として出たとき、裁判長どのはバッターで。デッドボールで殺しにかかってくンじゃねェかな。投げたボールにUC使って、バットを避けてミットに入るようさせる。虎兄さんなら、"絶対当たらンように"出来るだろ?


水鏡・多摘
野球と聞いて飛んできた…という訳ではないが悪の気配を感じるのう。
八百長、隠し玉、危険球に大乱闘…む、法律的には問題ない?
…悪霊はワルらしく?
…やるか(何か吹っ切った)

打撃は自信なし、球に吹っ飛ばされそうじゃ。
二遊センター球場の中央辺りで守備を。
小技に念動力で足止め、UC発動しつつ祟り縄で縛りつつアウトを…む、これでもセーフにするか。
流石は冤罪量産審判侮れぬ。
だがその内バットが粉砕、ボールが空中爆発、何故かグラウンドに湧き出した池に嵌る等の不幸が相手に降りかかるじゃろう。
球場の広さ次第じゃが試合中はここから離れられまい。
こういう言葉もあるのう。
甲死園には魔物がいる…と。

※アドリブ絡みネタ等お任せ


●野球の神様たち
「お付き合い祝好您、かみさま! いやァかみさまと是非遊びたくて」
 二回表、決死の攻撃で一点を先制した猟兵側に対し、デビストの面々は是が非でもそれを覆さんと一打入魂の気勢をもって打席に立つ。そんな思いも露知らず、結・縁貴(翠縁・f33070)は新品のユニフォームに身を包み、キョロキョロと辺りを見回しては側の男――朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)と言葉を交わす。
「な訳でやってきました野球場。衣装がお互い似合わンね」
「全くだ。俺もかみさまもこの格好似合わねェな。でも遊び相手が悪魔だから、お互い好き勝手出来ますね!」
 パリッとした白とストライプの装束に袖を通して、くるりとその場で一回転。頭一つ小さい縁貴と自身を見比べて、ステップを踏む長身はさながらショウの幕間でお道化るモデルの様。
『ちょっとー! もう試合始まってるっスよー! ポジションについてー!』
 がなり立てるガールの言葉もどこ吹く風、事実、二人は守備に定位置には着かず一塁と二塁の間で歓談に講じていた。
「マ、依頼されたからには微力を尽くさせてもらうさァ。よろしく頼むよ、兄さんや」
「あいよ。何か騒いでっけど、ルールに従えってか……なら」
 ニヤリと、縁貴が口端を歪めて打席をじろりと睨む。
「ルールブック曰く、敵チームが9人揃わないと此方の勝利だとか」
「何だそりゃ呆気ねえなぁ。まあ仕込みは上々さね」
『ちょっとー! 警告したっスからねー! どうなっても――』
 どうなっても、知らない。だったらバッターボックスを見ればいい……二人同時に思い描いた言葉を飲んで、悪戯じみた笑みを浮かべる瑞獣と神。
『それじゃあ試合再開っスって……あれ』
 いつの間にか誰もいない。少なくとも攻撃側は、ベンチにすら影を残さず、悪魔の軍勢は一人残らず姿を消していた。
「買収は無理。なら第二案って奴だ兄さん」
「はい。其処でかみさまの病毒です」
『ハアッ!?』
 悪魔が頑丈でもかみさまの病毒は効くだろ! 声には出さずビシィとガールへ指差す縁貴。何故ならば試合が始まる前から既に、逢真が仕込んだ『病』と『毒』を『虫』が運んでベンチに充満させていたからだ。
「あれー? メンバー足りないんじゃあ試合終了っすよねぇ?」
『る、ルールじゃそう書いてある……だったら……』
 お腹を押さえてよろよろと打席へ向かうガール。そう……病毒の狙いは悪魔だけでは無い。審判を含め、猟兵以外は全部敵! だから!
『ピンチヒッター自分っス……お腹イタイ』
 いつの間にか、ガール自らタイトなユニフォームを纏い打席へ。本来の選手が全員ナニカサレタ様では試合にならない。没収試合だけは最高主席審判長の名にかけて阻止せねば……超常の分身を放ち、内股で小刻みに震えながらバットならぬハンマーを振り上げて、ガールは涙目でマウンドを睨みつける。
「その根性だけはまあ、大したモンだ」
 マウンドに立つ者はかみさま――逢真。スラリとした長身に紫煙を纏い、鋭い眼光がミットを構える縁貴を見据える。
『って、バッテリーだったんすか! じゃあなんで』
「まあ、いいから」
 あんな所で駄弁ってたんスか……ガールの質問を縁貴が遮って、ゲームは静かに、厳かに再開された。

「野球と聞いて飛んできた……という訳ではないが悪の気配を感じるのう」
 ドラゴンで野球と言えばまず思い浮かぶのはかの名高き闘将。だが竜神の水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)はあくまでも紳士的に、貯えた髭を撫でながらセンター寄りのセカンドでマウンドを渋く眺める。
「……成る程、既に敵は渦中の虫」
 一球目、逢真の長身が繰り出す真っ直ぐな投球はよろめくガールの側を抜けて……ボール。どう見てもストライクだろうに、されど審判の判断は覆らない。
「判定で現状を覆し時間稼ぎとは。流石は冤罪量産審判侮れぬ」
 分身したガールがバッターのガールを判定で援護して塁を埋める作戦か。したり顔で悪辣な審判を遠くから睨み、多摘は『峻厳』を纏いギロリと威圧的な眼を開く。
「放っておけば八百長、隠し玉、危険球に大乱闘……と言った所か。それも法律的には問題ない。ならば」
 ちゃっちゃと終わらせるに限る。何より自身は悪霊、ワルらしく……やるか。
 二球目、球威は殺さず垂直に落下するフォークボール。インコースギリギリのきわどいその球を……振らせてしまえば。
『……あっ』
 不意に、ガールの身体がクイと傾く。何か見えない力に押された様な、不自然に体勢を崩したガールが反射的にハンマーを振って危うく体勢を整える。
『か、身体が勝手に動いて……っス』
 それは多摘の仙術――念動力が、不可視の力でガールを少し押し出した所為。その『連鎖する呪い』の狙いは別……続けて三球目、スローボールの牽制を今度こそガール自らの力で打ち据える。
「ホ、いいとこに飛んで来たのう」
 すかさずぬらりと伸ばした長身で捕球する多摘。視線の先には……。
『な、何スかぁこれ!?』
 いつの間にか足元に這い寄った祟り縄がずぶずぶとガールに絡みついて、勢い余って頭から一塁に突っ込んでしまう。その隙に飛び掛かった多摘がタッチを狙うも判定はセーフ。多摘の仕掛けもあえなく破られ、これでノーアウト一塁。
「む、これでもセーフにするか」
 出塁させたが最後、何が何でも点を取るまで走り続けるのだろう。だったらこっちにもやり様がある……ニタリと、竜神は口端を吊り上げた。

『投げたボールにユーベルコード使って、バットを避けてミットに入るようさせる。虎兄さんなら、“絶対当たらンように”出来るだろ?』
『もちろん! 其れではかみさまのご期待通りに!』
 試合前、病毒の仕込みと共に二人は完全試合達成の秘策を練り上げていた。徹頭徹尾それを押し通せば、あの審判の事だ……いずれ穴を見つけて全部無かった事にしてしまいかねない。だからこそ、札を切るのは必殺の時のみ。
「――それが今って訳。行こうか」
 ざり、とマウンドの土を蹴り上げて、ヒュンと逢真が速球を投げ放つ。
『大分お腹もマシになって来た……っスよ!』
 相変わらずのストレート。流石の球威だがこちらもデビキンが誇る超級の悪魔。軌跡を見切って下から掬い上げる様に打点を合わせ――打つ!
『取ったっス! って、あれ?』
 バン! と小気味良い音がミットを揺らして、縁貴がニヤリと白い歯を見せる。
「確実に当たるコースだったね、でも当たんないんだなァ。不思議ー!」
 ニヤリとガールを揶揄い球を戻す縁貴。綺麗な翡翠色の『縁を視る眼』が覗き込むはガールの『縁』。如何にフィジカルと策謀で圧倒的優位に立とうと、埒外たるユーベルコードは、齎されるべき運命すら真っ二つに切り裂くのだ。
『ど、どんなイカサマかまだ分かんないっスけど、勝負はこれから!』
 再びハンマーを担いで逢真を見据えるガール。それ自体が罠であるとも知らず――二球目、見事に芯を捉えた打球は……伸びず、ラインを割ってファールとなる。
『し、審判ー! 何か変っス! ちゃんと見て』
「審判は姉ちゃんでしょ? イカサマったって……見えてねェだろう?」
 ミットに忍ばせた超常の鋏をカチリと鳴らして、縁貴が断つのはガールの『腕力』の御縁。如何に力を込めようとそれは絶対に伝わらない。これでツーストライク。
『んぬー……今度こそちゃんと見るっスよ!』
 三球目、打って変わって乗らりとしたスローボールがガールの前に。よく狙って当ててやれば……しかし。
「まぁ、この御縁は、無かった。そう言うことにしとこうねェ!」
 スパン、と乾いた捕球音が響く。スリーストライク、これでワンナウト。
『し、審判! 今のは!?』
 最早ボールとバットの『ヒットする』御縁すら斬られたガールに為す術は無い。
 バッター代わって、次のガール。ガールしかいない今……スタメンが戻る迄は、何としても試合を続けなければ。
「ふむ……そろそろか」
 一方、自身の超常が――埒外の呪いがガール全体に行き届いた時を見計らい、多摘はぬらりと打席を見下ろす様に頭をもたげた。
「こういう言葉もあるのう。甲死園には魔物がいる……と」
 いや、無い。むしろこの世界にはある意味魔物しかいない。だがその言葉を実証する様に、打席に立ったガールへ想像だにしない悲劇が襲い掛かる。
『それじゃあ行きま……ギャッ!?』
 一球目、振り上げたハンマーがあろう事か頭の上で爆発!
『なして……何しよるんかおぬしら!?』
 慌てて悪魔方言混じりの暴言を吐いたガールは、気を取り直して新たなハンマーで第二球を待ち受ける。せめてハンマーで打球を、この鎚の音を響かせれば、ここに居る連中は自分のいう事を聞かざるを得ない!
「所が、そう上手くはいかないんだなあ」
 ヒュン、と風を裂く音と共に手元で伸びるスライダーがガールを襲う。だがコースは外れている――我慢すれば凌げる球だ!
『そんなの振る訳が無……ギャッ!?』
 瞬間、ガールの足元で投球が爆ぜた。爆圧でふらついたガールは意図せずハンマーを振り下ろしてしまう!
『ちょ! 今の無し! ノーカン! ノーカン!』
『ストライクっスー』
 おのれ。最低限のルールを守ってしまう審判の性がこうも裏目に出るとは。
「フッフフ……人を呪わば穴二つ。いや悪魔か」
 したり顔で打席の惨状にほくそ笑む多摘は三球目を待ち望み……最後の時に身をゆだねる。
『今度こそ……打ったァーッ!!!!』
 ガイン、と変な音が奇跡のヒットを生み出して、必死の形相で駆け出すガール。それが死出の旅路と知る事も無く。

「かみさまー、打たれちゃったけど大丈夫ー?」
「ン、問題無いだろ。何せあのガールは今」
 身体を蝕む逢真の『病毒』、縁貴が断った勝利への『縁』、そして多摘が齎す超常の『災い』――正しくユーベルコードのスリーストライク。むしろ立って走れるガールが異常という他無い。
「これでも神だからね、何となく分かるんだな……始まったぞ」
 ちょっとかわいそだけど。全身ズタボロのガールを襲う最後の悲劇が、球場を割ってその姿を曝け出す。
『んな、んな……何じゃあこりゃああぁぁぁ!?!?!?』
 何故かグラウンドに溢れる水! 割れた大地が走路を妨害する様に巨大な池を形成! 一塁へ辿り着くには最早、泳ぐ以外に道が無い!
『や、やればいいんでしょーがッ!』
 何せこれは自然現象。自身のハンマーの音色を聞かせて、ユーベルコードで操る事も出来はしない!
「えー、何、泳ぐの、あのまま?」
「流石に脱がないよね。番組がちょっと違う」
「視聴率上がるのにのう」
 三者三様に無責任な暴言を言い放ち、水を吸った重たいユニフォーム姿で必死に池を渡るガール。ずぶ濡れのまま岸に手を掛け這いあがり、一塁まであと僅か!
「まあ……ご苦労さんって事で」
 アウト。タッチアウト。塁を踏まずにわざわざ手を伸ばしてガールに触れた多摘の手には白球が。
『アアアーーーー!!!!』
『スリーアウトっス。チェンジ』
 無慈悲に自身を裁くガールの声にうなだれるガール。あれもう一人は……いつの間にか一・二塁間で溺れて先にアウトを取られていたらしい。無慈悲。
 むしろ、如何に超級の悪魔とて、歴戦の神々の戯れに敵う訳など初めから無かった――そのまま試合は続いて、遂に最終局面を迎える事になる。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

なるほど、まずは買収合戦と。確かに魔界テレビが相手であれば総資産では敵わないであろう、真っ当な方法では。だが、ここはデビルキングワールドである。ならばいくらでも打てる手はある。
多重詠唱結界術にエネルギー充填して武器改造で偽造Dを創造するわ。偽造通貨とかとってもワルよね♪それに、金銭だけが買収の方法ではないわ。私の最大の武器、つまりこの妖艶な魅力をもって籠絡もしてあげる❤スポンサーから選手まで、ね。
ユーベルコード込みのオハナシよ?肯定すれば魔界テレビの経営権が、否定されても全株式が、私の要求が理解できなくっても生殺与奪がこの手に入るわ☆つまり私がスポンサー♪
さ、ジャッジメントガールちゃんも私と“なかよし”になりましょ❤

試合はピッチャーで参加するわ。緩急自在のスライダーに中速でふわりと浮かぶライズ(ツーシームジャイロ)、特殊な握りでランダムに球種が変化するごにゃーぽボール3号(イレギュラーチェンジ)で翻弄する左投げアンダースローの変化球ピッチャーよ。


大町・詩乃
デビルキングワールドなので邪神っぽい服装を着て、日本人らしく形から入ります。
でも今回はユニフォームの方が良いのかな?

ピッチャー希望です。

野球の試合やドラマや漫画は見てきましたからトンチキ野球勝負でも多少は対応できるかと。
この世界だから『アストロ球団』のノリで行けば良いんですよね~きっと。

UC:慈眼乃光と催眠術で審判のジャッジメントガールさんを篭絡して、猟兵側に有利な裁定してもらうようにしますよ。

例えば投球時に念動力でボールを有り得ない軌道(螺旋状とか、イナズマ状とか、途中から急加速とか、無理くりバットから離れるとか)で動かしたり、残像でボールの蜃気楼発生させつつ、ボールがミットに入ったりしたら、ストライクですよね~と微笑みかけて、その通りの裁定にして頂きます。
不自然なボールの動きは「これがメジャーデビルリーグボール一号(百号まである)です!」と言い切って押し通します。

審判の裁定だけでなく、バットもボールもスタジアム内の風や照明も全て猟兵有利に動いて頂きます。
これで何とか対抗できるかな?


アルゼブ・アズモリィ
スポーツなら大好きだ!カッ飛ばしてやるぜ!
『大空振りして笑い者になってくれるなよ』
うるせえ!お前がバットになる?
『お断りする』

向こうが先攻ならこっちが先に守備か
なんとしても0点に抑えないとな
【影の魔人】を召喚しておき、打球は打者の「ボールを取られたくない」って気持ちを利用して魔人に触手でカバーしてもらおう
こいつは影だし、「風のせい」だって《言いくるめ》ればなんとかなるかな!

攻撃側になって打順が回ってくるなら、
打ちに行く瞬間、手首に玉が当たって痛がる《演技》をしよう
ガントレットだから本当は痛くないない
デッドボール扱いで進塁できたら、当然盗塁を狙うよな
あの直後だし、いくら買収されてるとは言えピッチャーはちょっと動揺してるんじゃないかな
そこで、タイミングを見て《ダッシュ》からのヘッドスライディング
あっ、角が守り手に当たって跳ね飛ばしちゃった!
わりぃわりぃ、わざとじゃないんだ!

*がっつりアドリブ共闘歓迎
*『』は喋る武器の声


白雪・まゆ
やきう!
しかも、まわりが全て敵とか、燃えるシチュエーションですよね。
ぜひぜひ参加させて頂きますのですよ。

『八百長がある』と解っているのですから、それを踏まえて行動すればいいのですよね。

守備は、普通にこなすしかないのですけど、
三振以外のアウトはあまり期待しない感じでいきますですね。

そうなるとやはり打撃戦に持ち込んで、
打ち勝つことをメインに行くしかないと思いますので、
バッティングに全力を注いでいきますのです。

バットは、ロケットブースト付きのバットでいきます。
できれば金属がいいですが、木製でもブーストは仕込みますのですよ。

え? 反則? ロケット禁止とかルールブックに書いてありませんのですよ?

打席に立ったら、戦争です。

狙うは文句を言わせないだけの、バックスクリーンへのホームランですが、
初手はピッチャーめがけてバットをすっぽ抜けさせて威嚇して置きましょう。

あとボールに当たらず空振りしそうになったら、
振り回しすぎでキャッチャーの後頭部を殴打ボールを撮らせないのです。

アクシデントって怖いですよね!


●ああ栄冠は誰に輝いた?
 ――試合開始、一時間前。
「ねぇ、これで手を打ってくれないかしらぁ?」
『んー……ダメっスね』
 スタジアムの喧騒とは裏腹に、品の良い調度品に囲まれた静かな魔界テレビの応接室で、妖艶な二人の少女が言葉を交わす。
『ナ××ネ会長はこの一京倍は出すんで』
「あら、やっぱり」
 わざとらしい、さも残念そうな声音で交渉の決裂を切り出したのはジャッジメントガール。されど対峙するアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト艶魔少女・f05202)はゆったりとした足取りで静かにガールの背後へ回り、そっと肩に手を掛けた。
「じゃあ……おカネ以外の方法で」
 甘い誘惑……滑らかな陶器の様な手をガールの首筋に滑り込ませ、アリスは耳元でそっと囁く。こうなる事は分かっていた――だから、奥の手を繰り出す為に。
「さ、ジャッジメントガールちゃんも私と“なかよし”になりましょ❤」
『オッケーっス。これも勝負、舞台裏からゲームは始まってるっスからね』
 途端、ガールの白い肌に闘気がぞわりと這い上がる。分かっていたのはガールも同じ。誘惑を、ユーベルコードを仕掛けてくるならば、それ相応にやり様はある。
『経営権、っスか? だったらルールに従って貰わないと』
「え、だから……」
 アリスの手を押しのけて立ち上がるガール。再び真正面から対峙する二人――『対企業メガコーポ式交渉術』を理解したならば、従属する者もその効果に侵される筈。それでも動けるというならば、それは『オハナシ』がまだ済んでいないという事。
『やーきゅーうーすーるならー』
「! まさか!?」
 経営権を手に入れるならば相応の手続きを踏まねばならない。いつの間にか周囲をガールと同じ姿形の『全会一致裁判官』に囲まれて、アリスは互いの超常が拮抗している事を悟った。そして、その拮抗を打ち破るには――。
『こーゆーぐあいに』
「しやしゃんせー」
 この戯れに勝たねばならない。いや、これも真剣勝負……野球の名を冠した試合の形の一つだというならば。
『アウト!』
「セーフ!」
 勝って、○○せて、○○○○すれば良かろうなのだッ!!
 気合と共に拳を振り下ろす両者。勝利は乱数の神に愛された方――!
「『よよいのよいょぃょぃょぃ…………!』」

『判定、自分の勝ちっス』
「なんで……どうして……」
 あられもない姿で天井の染みを数えるアリスは、ガールに差し出された縞模様の衣装を手に取り、諦めた顔つきでそれをじいっと眺めた。
『ほら、さっさと着るっすよ。ユニフォーム』
「絶対冤罪裁判官……!」
 流石、魔界裁判長の名は伊達では無いという事か。途中どう考えても地方のローカルルールじみた訳の分からない判定で服を巻き上げられたり何やかんやあったりしたが、ユーベルコードの事象改変は絶対。じとりとガールを睨み上げ、アリスは手早くユニフォームに着替えて立ち上がる。
『自分の名前っス。地獄に落ちても忘れるなっスって……ここがデビキン』
 ニタリと口端を吊り上げて笑むガールが無い胸を張って宣言する。試合は既に始まっているのだ、と。
『よおこそ、地獄の一丁目へ』
 よもや、それがここ以外で起こっていようとは、露ほども知らずに。

「やきう! しかも、まわりが全て敵とか、燃えるシチュエーションですよね」
「ええ。野球の試合やドラマや漫画は見てきましたから、トンチキ野球勝負でも多少は対応できるかと」
「ああ。スポーツなら大好きだ! カッ飛ばしてやるぜ!」
 続々と集結する猟兵達が気を吐いて言葉を続ける。燃え上がる闘志を昂らせる白雪・まゆ(おねーちゃんの地下室ペット・f25357)の声に応え、大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)がこの世界の流儀に従い覚悟を決めれば、アルゼブ・アズモリィ(玉座を見据えし悪魔・f31513)はいつも通りのビッグマウスで、悪のカリスマたる巨大な角を燦然と輝かせる。
「『八百長がある』と解っているのですから、それを踏まえて行動すればいいのですよ。だから」
「はい。アリスさんがガールの気を引いてるうちに……」
「ルールごと替えちゃったもんな!」
『おどれらかチクショーめ!!!!』
 白目を剥き出し××××なサインを決めたアルゼブにガールが初めて心の底から怒りの雄叫びを上げる。まゆの言う通り、アリスの野球な拳に付き合っている間、事前に用意されていた偽造Dの束でガール以外の審判団をいい具合に買収。こちらからルール自体に八百長というかインチキを仕込み、何食わぬ顔で試合開始をしていたのだから本当にワルい連中だ。猟兵って奴は。
「それじゃあ気張って行きましょう!」
 黒尽くめの邪神ぽいノースリーブの衣装とユニフォームを合わせた詩乃は、豊満なボディを見せつけガールを挑発しつつマウンドに立つ。ピッチャー交代、神から神。ここはヒーローズアースかと見紛うばかりのゴージャスな布陣。はらりと、はだけたヴェールから健康的な強肩を覗かせて、詩乃は白球を手に両腕を天高くつき上げた。
「この世界だから『ア〇〇ロ球団』のノリで行けば良いんですよね~きっと」
『開始前から逆境ナ○ンだったなんて気づかなかったっスよ!』
 あくまでほんわかしたノリだが、知る人が聞けばこれから始まる凄惨なあれやこれやを想起させる物騒ワード。無論、裸がユニフォームとかア○ッチな事を言い始めたら独自マスタリング対象だったのでそれは初手で封じさせて貰った。すまない。
「それじゃあ宜しくお願いしますね、審判さん」
『ウッ……試合再開っス!』
 地獄の甲死園は再びその咢を大きく開ける。しかし地獄の深淵を覗く者は決して揺るがず、深淵すらも貫く慈愛をもって悪しき意志すら光で塗り潰していた。

『ストライク!』
『ストライク!』
『ストライク! バッターアウトっス!』
『どうしたっスか! さっきからずっと判定が雑っスよ!』
 ピッチャー交代後、審判のガールは何かに中てられた様にぼうっと虚空を眺めて、極めて強引な裁定を下し続ける。確かにミットに収まっているが、詩乃が投げた球は一つも真っ直ぐ飛んでこない。むしろ、ぐにゃりと曲がって不意に消えたり、いきなり球が無数の光球に分裂したり、最早一挙手一投足が超常じみている。
(にっこり)
 微笑む女神。あくまで自らの技能だと無言で誇示する詩乃を指差して、審判のガールはぼそぼそと判定の説明(いいわけ)を口走った。
『何か……照明の光で蜃気楼の様に』
『それ以上ダメっス』
 何かミラクルでジャイアントなアトモスフィアに危険を感じたガールがそれ以上いけないと審判の口を塞ぐ。だとしても、本来の投球にあるまじき現象が起こっている! 反則じゃないか! と詩乃の方へ詰め寄って。
『てか、何でボールがバットに纏わりついた挙句降り切った後に落ちるんスか!』
「それは…………」
 にこりと超常の微笑を湛えたまま、優雅な所作で詩乃は言葉を返した。
「これが魔球、だから」
『ハァ!?』
 魔球。アベレージ50以上の諸々の技能で繰り出す、魔球。
「メジャーデビルリーグボール一号です!」
『んなー! そんなの反則っス! 次回から著作権的に禁止っス!』
 名前的にも、現象的にも! しかしこれさえ封じれば勝利は我が手に! 声を荒げるガールに対して肩を竦めた詩乃は、悪い笑みを浮かべたまま言葉を続けた。
「ちなみに百号まであります!」
『猟兵って野球兵器か何かっスかもしかして!?』
 残り99種の魔球があればそうそう打ち取られはしない。打たれても何とかなっちゃうのが魔球。何せ念動力で局所重力変異を起こしたり天候操作したりやりたい放題なのだ。神だから。
 かくして、神のマウンドはこれが神罰だと言わんばかりに、九回表まで無失点で猟兵の一点を死守する事に成功した。そして舞台は最終回へと移る。

『よっしゃ飛んだっス! これなら!』
 何やかんやメジャーデビルリーグボールを九十九号まで使い切り、詩乃は既にストレートが投げられれば十分という程に消耗しきっていた。九回表、辛くも一人目を三振で打ち取り、二人目にはとうとうツーベースヒットを打たれ、三人目――。
「これなら……何だって?」
 グンと伸びた打球が巨大なアーチを描く。このままいけばホームランか――否、白球が真正面のフェンスすれすれにゆっくりと落ちた刹那、必死に喰らい付いたアルゼブが奇跡を起こす。
「――今だ、取って来い!」
 あと僅か、フェンスをよじ登ったアルゼブの手が伸びなければ、白球は無慈悲な二点をスコアボードに刻んでいた事だろう。だが、そうはならなかった。
「悪カッコイイだろう? そりゃあ!」
『……アウト。ってかその前に審議っス! 何か黒いのが出てきたっス!』
 アルゼブは捕球と同時に三塁へ送球……セーフ。だが、これで最悪の追加点を防ぐ事が出来た。苦虫を嚙み潰したような表情で判定を宣告するガールは、しかしその内容に納得がいかないと審議をVTR判定へもつれ込ませる。
 確かに只のセンターフライではない。ビデオにはアルゼブの背後からふわりと、真っ黒な影が伸びて白球を掴み取る姿が克明に映されていた。
『選手の数は九人、じゃあこの影は何すか? 明らかに多いっスよね!』
「いやー……見間違いじゃね?」
 打者のホームランを願う感情を喰らう魔物――それが伸びた影、アルゼブの『影の魔人』の正体。しかし伸びきった影はすぐにアルゼブと一体になり、その手には影に従い滑り落ちた様に白球がしっかりと握られていたのだ。
「照明の当たり具合で影が伸びて見えたんだろ」
『ぐぬぬ……』
 ユーベルコードの使用がイカサマであると証明出来ない限り、如何にガールと言えど本来のルール通りの判定を覆す事は容易ではない。むしろ時間が掛かればそれだけピッチャーの体力が回復し事態は更に悪くなる。止むを得ずアルゼブへの追及を止め、ガールは試合の再開を宣言した。
「これでツーアウト、ランナー三塁ってか……」
 それでもピンチに変わりはない。気を取り直しマウンドを見やるアルゼブの視界には、ゆっくりと呼吸を整える詩乃の姿が。
「――私も実は魔球があと一種類しか残ってません。しかしそれを使えば、私の肩は爆発するかも」
 メジャーデビルリーグボール百号は悪魔が恐れる神の威光を晒して『これがきさまらのもっとも恐ろしがった――魔球だ』ってやるらしい。
「そうなれば、この球場も木っ端微塵に」
『若い命を真っ赤に燃やし過ぎっスよ!?』
 止む無し。瑞々しい肢体を持ち上げて豪快な速球で勝負する詩乃――しかし。
「バント!?」
『フェア! このまま行くっス!』
 カツン、と乾いた音が球場に響く。タン、タンとゆっくり転がる白球は丁度一塁とホームベースの間で止まり、アルゼブの叫びがファーストのまゆを走らせる!
「一塁! ダッシュ!」
「ちょっとー! 待ってくださいー!」
 目の前には厳ついゴリラ――このチームはゴリラばっかりじゃないか――が猛然と迫る。その後ろで今にも止まりそうな白球目掛け、まゆは意を決し背後で浮かぶ黒い物体に手を添える。
「こうなったら……奥の手!」
 スイッチ・オン。ブン、と空を震わす音と共に浮遊砲台『Vernichtung durch Granaten』が地面を滑る様に白球目掛けて突進し、給弾/直ちにまゆの方へと速球を撃ち放つ!
『って機動兵器は!』
「両手で扱える道具による投打は違反と見なさない! これは両手で扱えます!」
 目標正面――微動だにせず一塁を踏みしめたまま捕球するまゆ。足元のゴリラの手は、しっかりと一塁に触れていた。判定は――。
『でも、セーフっス!』
「やっぱり……三振以外のアウトはあまり期待しない方が良かった……」
 頭を上げてホームを見据えるまゆ。そして、この一瞬は余りにも長かった。
『そして、デビストに一点! これで1-1!』
 詩乃は限界(を超えたら虚無る)、同点の安打が重く猟兵達の肩にのしかかる。
「フン。矢張り……」
 だが、終わりじゃあ無い。ピッチャーは他にもいる――交代の時間だ。
「わたしの出番の様ね」
 銀髪を颯爽と揺らしてマウンドに立つのは、アリス。この回で押さえられなければ敗北は必至。故に。
「あの屈辱はマウンドで返すわよ、ジャッジメントガールちゃん」
『はいはい。試合続行っスよー』
 絶対に負けられない戦いが、ここにある。

 ピッチャー代わって、アリス・セカンドカラー。バッターはカンガルー。速球に強い強打者が相手だ。だからこそ、アリスらしい投球が最大の武器となる。
(この小娘、口だけじゃあ無いって事……?)
 一球目、鋭いスライダーが内角を抉り、振り遅れたカンガルーがその間でくるりと回る。ゆったりとした投球フォームから計れない緩急自在の変化球に、思わずガールは目を剥いた。
(まともな……変化球が投げられてる……!)
 驚天動地の魔球じゃない、優雅にして凄烈な変化球。続く二球目、大きく足を開いたアリスの左腕から放たれた速球は、不意にふわりとその威を落として、カンガルーがバットを振り切った直後にバスンと乾いた音を響かせる。
『ストライクっス! さあ後一球!』
 打点をずらす精妙なツーシームジャイロが二つ目のストライクを取って、静まり返った球場に響くガールの声。これまでのトンチキとは違う、何か野球らしい野球を見せつけられて観客は勝負の趨勢を固唾を飲んで見守った。
 これ以上勝負にこだわる事は出来ない……先と同じく、走者を出せればこの戦いは勝てると踏んで、腰を落としてバットを構えるカンガルー。
「またバントで繋ぐ気ね……フフ」
 球が当たれば後はどうにでも出来ると。じゃあ、そうさせてあげない。じわりと、子供をあやす様な手付きのアンダースローでアリスは勝負の球を投げる。
「……ごにゃーぽ」
 ゆらゆらと、ゆっくり揺れる白球の球威はそれほどでも無い。芯を捉えれば――その考えが、浅はかだった。
『これは……魔球!?』
 最初に気付いたのは審判のガール。白球が左右に揺れて、途端、ガクンと沈んだように見えたのだ。フォークか、しかしこの球威はチェンジアップ……違う。
「ごにゃーぽボール3号。初見で見切れるほど甘く無いわ」
 特殊な握りでランダムに球種が変化するアリスの切札。あるいは、化術の類。白球を見失い、当て勘でバットを低く構え直したカンガルー……だが、もう遅い。
『……ストライク、バッターアウトっス』
「ゲームチェンジよ、ジャッジメントガールちゃん」
 イレギュラーな魔球めいた決め球に、デビスト打線は遂に崩された。これで猟兵の反撃の時間だ。そしてベンチへ戻るアリスが、不意に近くのガールへ囁いて。
「――天国へ連れてってアゲル」
『ヒイッ!?』
 悪魔はこの時、本能で察した。
 地獄とは、この少女の事だったのか、と。

「よっしゃー! バッチコーイ!」
『締まっていくっス! ここを押さえれば延長!』
 九回裏、バッターはアルゼブ。打席に立ちブンとバットを振り回し気合十分。絶対に打ち取ると気炎を吐いてマウンドのガールを睨む。
『大空振りして笑い者になってくれるなよ』
「うるせえ! そこまで言うならお前がバットになるか?」
 担いだ相棒の大剣『レブヤ・ベザル』を揶揄い返すアルゼブ。幅広の刀身だし結構行けんじゃね? と僅かに思ったがレブヤ・ベザルは冷静だった。
『お断りする』
 ルール上何とかなる気がするとかそういう事では無い。むしろ刀剣としての誇りとかそういうのもあるし、本当に『大空振りして笑い者』にさせる訳にはいかない。何せ相手は魔界裁判長――生半な覚悟で討てる相手では無い。そして生命を賭けるべき相手は、他にいる。その時までアルゼブと共にあらねばならぬのだから。
「さあどっからでも掛かってこい!」
『それじゃあ行くっスよー!』
 ピッチャーのガールは細腕を豪快に振り被り、ストライクゾーンすれすれの速球でアルゼブを翻弄する。球は外側、下手に当てても飛ばせない位置。ズッと足を引いてガールの癖を観察し――ホント貧相だな――このコースならば見送りだ。
『ストライーク!』
「この……冤罪バッテリーめ……」
 バス、と乾いた音が無慈悲な判定を下させる。大分外側に逸れていた気もしたけれど、どちらにせよ振らずにいれば全部ストライクで終わらされるか。上等だ……ならば、こっちにも秘策がある。
「!」
 二球目、インコース狙いで牽制の攻め球。こちらが振らないと強気で投げたんだろうが……そうは行かない。
「痛い! 痛い痛い!」
『あーじゃデッドボールっすかねー』
『随分軽いなオイ!』
 レブヤ・ベザルのツッコミを躱し、アルゼブの手元にぶつかった白球は見紛う事無くデッドボールの判定が下される。魔界裁判長の渾身の一球はしかし、アルゼブの腕を覆う『悪殼甲』でしっかりと守られて、本当は痛くないない。本当だよ。
「痛てて……だが作戦通り!」
「続きます。ここで絶対に挽回です!」
 何か変な方に曲がった様な腕のアルゼブを見送り、続けてバッターボックスに立つのはまゆ。先の雪辱を果たさんとこちらも気合十分、バットに『Feldwebel des Stahles』の部品を括りつけて――。
『ちょっとーそこの女子ー』
 すかさず審判のガールが抗議の声を上げる。まゆのバットは先端に禍々しい金属製の何かが備えられた、まるでバトルハンマーの様な様相を示していた。
『そのバット何付けてるんすかー』
「え? 反則? ロケット禁止とかルールブックに書いてありませんのですよ?」
 そういう風に改竄したのだ。今更、この段に及んで判定を覆そうなどとしたらこの試合の存続そのものが成り立たない。そうなれば本当の目的――バッチリ猟兵のヤバイ所を見せてデビル達の戦意を挫く事は出来ない。それはガールも望む事では無い……だからこそ。
「寝過ごしたあなたが悪いんです! さあ!」
 強引に状況を捻じ伏せてバッターボックスに雄々しく立つまゆは、高々とバットを掲げて勝利宣言。それを見たピッチャーのガールは更に闘志を燃やして峻烈な速球を投げ放つ――!
『ストラ……ああッ!?』
 しかし投げ放ったのはガールだけでは無い。フルスイングの勢い余って、まゆの手からロケット付きのバットがすっぽりと抜けて、火を噴いてピッチャーの元へ猛然と飛び掛かった!
「いけないですぅ……バットがすっぽ抜けちゃったですぅ……」
『危な! メッチャ危な!』
 頬を掠めた烈風がピッチャーのガールに冷や汗をかかせる。バットは宙を舞い、ゆっくりとまゆの手元へ戻る。自動で原点に戻るプログラムは昨今のロケット業界では標準装備。ずしりとした感触を握りしめ、まゆは再びピッチャーを見据えた。
「チッ……」
(本当に猟兵って野球分かってるんスかね……)
 悪い笑みを浮かべるまゆに僅かに戦慄した審判のガールは試合を続行。ワンストライク、まだまだ抑えきれている。そして二球目!
『スト――』
「あーっ! また手が滑っちゃったぁ!」
 まゆの渾身のフルスイングは、今度はキャッチャー強襲! ガチンと鈍い音を響かせて、キャッチャーのガールは彼方へと吹き飛ばされた。あくまで故意では無いと主張するまゆの言に従わされて、審判のガールはしどろもどろで交代を宣告する。
『きゃ、キャッチャー交代……ゴリラ』
 またゴリラ。でも的も大きいし――じゃなくて、バッテリーのバランスが崩れればこれは勝機! 三球目は大外、コントロールがさっきよりも悪い。
(甘い球ですね……これなら)
「審判さん?」
 不意に詩乃が凛とした声で審判のガールに微笑みかける。その微笑は超常――『慈眼乃光』はこれまでもずっと、審判の判定を覆し続けていた。もう八百長どころでは無いワンサイドゲームの裏には、ユーベルコードを巧みに扱い暗躍する猟兵の努力がそこかしこにあったという事。
『その目で見ないでぇ!!』
「よっしゃ今だァァァァッ!!!!」
 判定が遅れた刹那、アルゼブは一塁から全速力で駆け出した。キャッチャーの送球も予想通り遅い――このまま、セカンドに!
『痛ぇ!』
「あっ、角が守り手に当たって跳ね飛ばしちゃった!」
 ブチ当たる! 自慢の角のヘッドスライディングがあたかも重機の様に守備のコアラを弾き飛ばし、アルゼブの手はしっかりと二塁を掴んでいた。
「わりぃわりぃ、わざとじゃないんだ!」
『ワルっスねぇ……これでランナー二塁っスか』
 ツーストライク、ワンボール、ランナー二塁。考え得る限り、ここが正念場となる事は間違いない。そう判定せざるを得ないガールは溜め息を吐いて、続く四球目に目を光らせる。きっとこれで、決まる。
「アクシデントって怖いですよね!」
『おみゃーが言うでねえ!!』
 つい悪魔方言で言い返すガール。ゴリラはブルって腰が引けている。ピッチャーも同じ。矢張り暴力、暴力が全てを解決する……!
「これで、決めます」
 気合一閃、真っ直ぐに飛び込んできた白球を真芯に捉え、まゆはロケットをスイッチ・オン! 途端、青白い炎がゴリラとガールを焼き焦がしながら、音より早いスイングが捉えた白球でアーチを描く!
「一撃必砕! 全・力・全・開っ!」
『飛んだぁぁぁぁ!!!!』
「よっしゃダッシュだ!」
 ロケットの爆音があらゆる音を掻き消して、その暇に必死で駆け出すまゆ。同時に走るアルゼブがあたかも猛牛の如く、自慢の角を前に突き出し守備を蹴散らして三塁を越える!
「邪魔だ退けぇぇぇぇッ!!!!」
『アァァァ!!!! 危ない! 危ない!』
 高々と舞い上がる白球はされど、フェンス直前のカンガルーのファインプレーがしっかりと受け止めた。跳躍力を生かし先の汚名を返上したカンガルーが高々と白球を見せつけた時――場内はどよめきと怒涛が交互にスタジアムを揺らしていた。
『捕った。バッターは二塁……と言う事は』
 一塁を抜けられた時点でホームインの権利が生まれる。そしてアルゼブの足元には土埃で汚れた真っ白い五角形が、燦然と輝いていた。
「……ホームインで一点。ワンナウト、1-2、試合終了っス」

「それじゃあ次は夜の試合よ❤」
『せ、整列! 気をつけ! 礼! 撤収!』
『『『『あじゃじゃしたー!』』』』
 控えめに見て、常軌を逸した投打の攻防、熾烈なユーベルコード合戦、試合場の内と外で繰り広げられた血みどろの戦い、そのどれもがワルく、どれもが美しいゲームだったと語られた、らしい。
 ちゃっちゃと試合終了を宣告したガールはふわふわ浮かぶ台座でそそくさと逃げ帰り、その後を銀髪の少女と黒ヒゲが追い掛ける。角の悪魔の少年と地獄の炎の少女は拳を合わせ、かみさまと騶虞の少年は球場グルメに舌鼓を打つ。竜神と堕天使は相手チームの監督らと共に卓を囲んで、女神は柔らかな笑みを浮かべて静かに、そして愉快そうに呟いた。
「フフ、手に汗握る僅差で勝利。私の好きな言葉です」
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2022年05月24日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵