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闇を裂く曙光

#ダークセイヴァー #殺戮者の紋章 #闇の救済者 #曙光の凱歌

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「皆、参集に応じてくれた事に感謝する」

 エルフィア・エルシュタッド(闇月の魔術剣士・f35658)は猟兵たちに向けて言った。

「早速だが、説明に入らせて貰おう」

 手にする分厚い書物のかたちをとるグリモア。そこに記された文字をなぞりながら、エルフィアは予兆を語り始める。

 舞台となるは、闇深きダークセイヴァー。
 レジスタンス組織である『闇の救済者(ダークセイヴァー)』たちによる、都市解放の最中の一幕。

 流れはほぼ救済者達に傾きつつある状況である。吸血鬼たちと互角に渡り合い、打ち勝つ事が出来る猟兵たちが加われば、大勢は決するだろう。

 だが、敵はその隙を突いてくるのだ。
 領主を倒した人類共に報復を。
 「殺戮者の紋章」を宿した眷属が、そう言わんとするように解放に安堵した救済者達と領民に牙を向く。たとえ己が死したしても、所有物は道連れにするのだと領主が遺したかのように。

「……と、言ったところだ。我々猟兵の出来る事も自ずと理解出来るだろう?」

 己に伝えられた惨劇を猟兵達に語ったエルフィアは、一同の顔を見る。其々に浮かぶ表情は多様なれど、宿った意思は揃っていた。
 解放者達を助け領主を討ち果たし、その後、領主の置き土産を迅速かつ解放者たちに気付かれぬよう、対処する。

「置き土産の対処は流石にユーベルコードを扱うことすら出来ぬ解放者たちでは身に余るからな。
 此処まで聞いて、よもや解放の祝宴で嵌めを外すこともなかろうが」

 そう言うと、エルフィアは手にしたグリモアに力を巡らせる。頁の文字が光り、かの世界へと繋ぐ道を拓く。

「さぁ、恙無き旅路を」


白神 みや
 ええと、白神です。
 天!啓!です! と言わんばかりに書きたくなってしまったので、ダークセイヴァーでのお話をお送りいたします。
 それに、ほら……その、ずっと(書きやすい)もふもふカオス的なものばかりでしたので……真面目なのも書けるんですよって……アピールしたくて……(遠い目)
 そんなこんなで、生真面目属性エルフィアさんとゆるカオス属性白神による、闇夜の世界に猟兵という曙光を導く旅路。何卒お付き合いの程を。

●一章
 救済者たちと共に領主の館に乗り込みます。スケルトンたちを薙ぎ払うお仕事です。

●二章
 館の奥に待ち受ける領主との決戦です。

●三章
 祝宴に沸く人々に危害が及ばぬよう、猟兵の皆様で対処することになります。

●お願い
 MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
 受付期間については、都度タグにて告知いたします。期間中にいただいたプレイングで一括進行予定ですが、締切後🔵状況等により追加を受付る可能性があります。
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第1章 集団戦 『スケルトン』

POW   :    錆びた剣閃
【手に持った武器】が命中した対象を切断する。
SPD   :    バラバラ分解攻撃
自身が装備する【自分自身のパーツ(骨)】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    骸骨の群れ
自身が戦闘で瀕死になると【新たに複数体のスケルトン】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:コツキアカネ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●闇に沈む夜明け前
 転送された猟兵たちは、今まさに乗り込まんとする解放者達の集団へと紛れ込んだ。猟兵達への世界からの支援が、新顔であったり他地域からの支援であったりと、解放者たちへ違和感なく認識させる。
 皆一様に緊張感は纏うものの、武器の感触を確認する者、戦いに向け思いを巡らす者など思い思いに戦いに備えながら領主の城へと向かう。

 そうしてたどり着いた領主の城は、十重二十重と領主の配下のスケルトンが取り囲んでいた。

「時は来た! 悪辣なる領主に裁きを!」

 リーダーと思われる者が檄を飛ばすと、解放者達は武器を手に声をあげスケルトンの群れへと駆け出していく。猟兵達も其々に駆け出していく。

 解放の為の戦いが、始まった。
天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加!

兄様ったら酷いの!またみつかの事置いてこうとして!
いっつも傷だらけになって帰ってくるんで今日は絶対一緒なの!

きっと戦う時も後ろにって言うけど一緒に前に出ちゃうもん。
「わたしも戦えるの!騎士さんたち、お願いなの!」
兄様が心配するから初めて使うけど騎士さん達を呼びだすの。
十体の騎士さん達に守って貰いながら長剣で一緒に戦うの。
「わわわ、兄様兄様。みてみてー!」
こんな重いものなのにぶんぶん振れるの楽しいの!
スケルトンさんたちにえーいってするの!

近くで他にも戦ってる人がいるみたいなの。
見たいけど多分兄様に怒られちゃうから
今日はいつき兄様と一緒に戦うの!


深山・樹
天風・光華(f37163)と。よびかたは「みつか」

初めて戦いに来た
選んでたらみつかに見つかって…
一人はだめ、いやって泣かれて二人できたけど
本当はつれて来たくなかった

「みつか、あぶないから下がってて」
言ってもきく子じゃないけど…これでみつかに何かあったら
自分がゆるせないよ

猟兵になった時におぼえたイーティングブレイドをつかって
たくさんの敵を相手にする
ほんというと骨もガイコツもすごくこわいけど
みつかにはずかしいところなんてぜったいに見せない
僕はお兄ちゃんだから!!

大きな音聞こえるから、きっと強い人も来てる
僕なんかこなくてもよかったかもしれないけど
でもここから第一歩だから
みつかを守りながら頑張るんだ!



●その幼き絆で道を進む
 深山・樹(処刑人・f37164)と天風・光華(木漏れ日の子・f37163)は、この戦いが猟兵としての初陣となる。あるゴースト事件で生き残り銀誓館に保護された、二人は実の兄妹ではない。だが、出会ったその時に、光華が樹のことを兄だと思ったその瞬間から築いている絆は、確かに実の兄妹と同じかそれ以上の繋がりだ。

「みつか、あぶないから下がってて」

 それ故に、樹は光華を戦いの前線に連れ出したくはなかった。それでも付いてきてしまった妹を護らんと前に出る。一方、光華の方は独り残されるのも護られるのも不満のようで。

「わたしも戦えるの! 騎士さんたち、お願いなの!」

 兄の傍らに立って、ユーベルコード『聖杯幻影兵団』を展開し、騎士の姿の聖杯幻影兵を喚び出した。戦闘も初めてならば、ユーベルコードを展開すること自体も初めてだった光華は、自分と兄の前にずらりと並んだ騎士達に驚いた様子を見せる。

「わわわ、兄様兄様。みてみてー!」

 これならば、兄と一緒に戦える。その喜びにはしゃぐ光華に、樹は幼いながらに複雑な表情を浮かべる。騎士達は光華の意思もあってか、自分と光華を護らんと前に立つ。唯一の「家族」である光華に何かあれば、自責では済まないと思ってはいたが。こうなってくると、兄として妹に情けないところは見せられない。

「みつか。僕から離れたらダメだよ」

 そう言いながら、樹もユーベルコード『イーティング・ブレイド』を使い、武器を捕食モードへと変えてスケルトンへと向かっていく。その後を長剣を手にした光華がどこか嬉しそうに無邪気に追う。騎士達はスケルトンの攻撃を受ければ儚く霧散していくが、そのたびに光華は新たな騎士達を喚びだしていく。
 まだ幼く、猟兵としてもまだ駆け出しの二人ではあるが、猟兵である以上世界の護りを受けた生命の埒外たる存在。解放者たちを遥かに凌ぐ力で、スケルトンを蹴散らしていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神臣・薙人
【月灯】

緊張はありますが…大丈夫
一人では、ありませんから

解放者の皆さんに遅れないよう
駆け足で戦地へ
スケルトンが範囲に入り次第
白燐桜花合奏を使用
少しでも多くの敵を巻き込めるよう
立ち位置は適宜調整します
負傷者がいる場合は
その方が治癒の対象に含まれる事を優先
治癒が必要無くなれば
攻撃優先に戻ります

なるべく蟲笛の演奏が途切れないよう留意
天城さん、そのUC…
寿命、大丈夫ですよね…?
ご無理をさせないためにも、頑張らなくては
私は、気にしますからね

骸骨の群れ発生時には
本体もろとも範囲攻撃に巻き込みます
本体がいなくなれば
それ以上は発生しない筈
最後の1体が倒れるまで
油断無く演奏を続けましょう
まだ戦いは序盤ですからね


天城・潤
【月灯】

此処の出身でありながら複雑な思いでただ座していました
出る勇気を持てたのはあなたのお陰です
「ありがとうございます…往きましょう!」

出来るだけ解放者の皆さんが自力で倒せた
ようにしたいですが…無理ですね。多すぎる
犠牲無く終わらせる為に護剣・断罪捕食起動

剣から迸る暴虐でスケルトンを薙ぎ払います

解放者の皆さんや神臣さんに危険があれば
即時割り入り護ります
「命の灯は消させませんよ」

「大丈夫ですよ」
ご心配にはいつもの笑顔で応えます
深くて遠い轍を、あの背を追う為に
ただひたむきに往く為の力ですから

切断?ああ、僕のUCは精度を上げてありますから
そこも平気です
黒蒼刃で通常攻撃もして最後の一体までの完全な殲滅を



●闇夜を照らし示す月虹
 いつもと変わらぬ素振りで天城・潤(未だ御しきれぬ力持て征く・f08073)が解放者達の集団に紛れて佇む。潤はこの世界の出であり、ヴァンパイアとも縁のある者である。しかし、猟兵となってからはこの世界の争いには縁が無いままだった。故に内心では複雑な思いが去来していた。

「一人では、ありませんから」

 そんな思いを知ってか知らずか、潤に同道を申し出、その背を押したのは、傍らで緊張の面持ちで立つ、神臣・薙人(落花幻夢・f35429)。

「ありがとうございます……往きましょう!」

 互いに武器を携え、解放者達と共に駆け出していく。戦端が開かれると当時に薙人は手にしていた笛を唇にあて、ユーベルコード『白燐桜花合奏』を奏で始める。ざあっと音が聞こえてきそうな花吹雪がスケルトンの群れに向けて押し寄せ、その関節を砕いていく。関節を砕かれたスケルトンは、それでもまだ襲撃者達へと立ち向かうことを止めない。

「出来るだけ解放者の皆さんが自力で倒して行くようにしたかったですが……」

 流石にこの物量と、生者ならぬもの故のしぶとさでは、世界の内側の人間では厳しい。だからこそ、世界に選ばれ、世界の外、生命の外の存在たる猟兵が、ここに居る。
 
「命の灯は消させませんよ。『護る為に…凡ての敵に、死を』」

 大剣でスケルトンと渡り合ってた開放者の一人の背後に、別のスケルトンが剣を振りかぶろうとしているのを目にした潤は、そちらへ駆け寄ると同時に、ユーベルコード『護剣・断罪捕食』を展開し、スケルトンの件を受け止め、斬り結ぶ。その攻撃はユーベルコードの恩寵で広範囲のスケルトンたちへとおよび、塵へと返す。

「ありがとう、助かった」

 助けられた解放者は、潤へと頭を軽く下げ再び戦線へと駆けていく。その傍らへ、追いついてきた薙人が笛の音を途切れらせないままに視線を向ける。
 
「大丈夫ですよ」

 その視線の意を汲み取った潤はいつもの笑顔で応える。その実、自分の内の何処かで何か――己の寿命が削り取られるような感触はあるのだが。この魂が、そして己が目指すあの背を追うための力だ。なればこそ、この程度の事、如何程のものか。
 その様子に、薙人は息継ぎの合間に溜息を零す。無理を無理とも思わず進めば、何時か何かが起こるとも知れない。故に少しでも早く決着をと薙人は楽の音を奏で続ける。

 猟兵達の参戦により、戦況は大きく解放者達へと傾いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と参加

方針としては救済者達の手伝いをって感じか
一番は祝宴の最中の対処みたいだし、まずは軽くだな
念のため相棒にも確認はしつつで紛れ込んでいこう
そこまで気を使わなくても大丈夫とは思うけど可能な限り被害を出したくないからな
「時人、基本は救済者達に任せながら支援でいいよな」

戦闘が開始したら【戦文字「縛」】で攻撃しつつ戦闘の補佐を
救済者たちに紛れつつ手元で「縛」の字を大量に書き出し
半径118m内のスケルトン達へ一気に放って動きを阻害する
「細かい字を大量にっていうのは中々神経使うけど…っと、行け」

劣勢の状況になっている人たちの所には後ろから銃撃で支援
「こういうのも戦いだな」


葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と
搾取と圧制を跳ね除ける為に立ち上がった人たちを
誰も死なせず助けたい
猟兵になった俺達の本懐だ
「だよね、陸井」

彼らに静かに混ざりながら作戦を囁く
「うん。全部やっちゃうのは良くないと思うから」

ククルカンは派手だから
猟兵の手が入るの丸わかりかも知れないけど…
でもやっぱり大規模戦闘ならこれ

先頭で剣戟が聞こえ出したら
UC白燐大拡散砲詠唱
誰も死なせない為に、治癒を
そして骨を齧り邪魔をして

陸井が抑えられないものを優先して攻撃したり
纏いつくように指示をだす
「余りトドメはささないようにね!」
同時に長剣を持って救済者たちに混ざり直接戦闘
自力で倒した達成感を出来るだけ、彼らが得られるように



●矜持を護りし者達
「時人、基本は救済者達に任せながら支援でいいよな」
「だよね、陸井。全部やっちゃうのは良くないと思う」

 凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)と葛城・時人(光望護花・f35294)は、解放者達に紛れながら小声で言い交す。

 本命はこの地に降りる前に伝えられたこの先と判断し、それまでは搾取と圧制を跳ね除ける為に立ち上がった解放者達を主として動いた方がよいと判断したのだ。
 しかし、相対するのはスケルトンとはいえオブリビオン。世界に選ばれていない「ひと」では、相手をするのは限りがある。ならばこそ、猟兵の自分たちが居る。被害を最小にし、彼らの矜持と未来を護る為に戦う事こそ、彼らの本懐だ。

「細かい字を大量にっていうのは中々神経使うけど……っと、行け」

 陸井はユーベルコードで『戦文字「縛」』を周囲のスケルトンたちへ放ち、動きを阻む。そうして動きが鈍ったスケルトンを、好機とばかりに解放者達が止めを刺していく。

「ククルカンは派手だから避けた方が良いのかもしれないけど……」

 時人は戦端が開かれる音を聞きながら呟く。とはいえ、この規模の戦闘であれば、状況としても使い勝手としてもやはり使うべきユーベルコードは定まっている。

「『ククルカン敵を討て!そして光で皆に癒しを!』」

 展開されたのは、ユーベルコード『白燐大拡散砲』。時人の詠唱と共に、白い羽毛のククルカンの群れが喚び出される。主の意図を汲むように小さな啼き声をあげながらククルカンたちはスケルトンへと齧りついていく。

「余りトドメはささないようにね!」

 救済者達に紛れ、長剣を手に戦う時人が、小声でククルカンへと指示を出す。その傍らでは陸井が銃を構え、劣勢になっている解放者達へ銃撃で支援をする。

「こういうのも戦いだな」

 支援に徹する猟兵達の働きで、戦況は加速度的に解放者の側へと傾いていく。スケルトンの群れを突破するのも時間の問題だろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アレクシス・ミラ
アドリブ・連携◎

人々の手で解放を成し遂げる為
僕は前線にて彼らが征く路を切り開き、守り抜く盾となろう
…この世界で生まれた騎士として
此処に集った希望<ひかり>を夜闇に沈ませはしない
決意と共に剣と盾を握る
征こう。曙光は此処に在る

光属性の衝撃波を剣から放ち、敵の意識を惹きつけ
救済者達や味方を庇うように盾からオーラ『閃壁』展開
そのまま敵を押し返す
ー敵に我が存在を、人々の心に鼓舞を
【天聖光陣】
守護の誓いを以って、この光で示そう!
皆を援護するように陣から破魔の光柱を放つ
敵の武器が彼らに届く前に
光柱の壁で防ぐか、武器ごと浄化で祓えるか試みよう
道を作り、導いてみせる
…この先にいる領主に用があるんだ
今は、光に還れ



●赤星の盾は希望を示す
 スケルトンが蠢く最前線。アレクシス・ミラ(赤暁の盾・f14882)はそこに居た。この世界で生まれた騎士として、此処に集いし人々を、その希望を、夜の闇に再び沈ませるわけにはいかぬと武器を握る。

「征こう。曙光は此処に在る!」

 斬りかかられた解放者を庇い攻撃を、燐光纏う盾で受けるとともに光の壁――『閃壁』を展開する。
 更に、剣から放たれる光刃がスケルトンを両断し、自分へとスケルトンたちの意識を引きつける。

「敵に我が存在を、人々の心に鼓舞を……『払暁の聖光を今此処に!』」

 スケルトンたちの敵視を肌で感じると、アレクシスは朗々とした声で詠唱する。
 ユーベルコード『天聖光陣』。詠唱と共に地に展開された光の陣から光の柱が聳え立ち、周囲に蠢くスケルトンを悉く塵へと還す。

 その様は解放者達の希望となり、導きとなって、彼らを鼓舞する。

「天は我らに味方している! 進め、進めーッ!!」

 どこからともなく進軍の声が口々に叫ばれる。
 斯くして、領主への道は拓かれた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『極夜卿『ジル・ド・フラテルニオ』』

POW   :    死した相手を殺す事などお前達には容易いだろう。
【対象が殺した相手や、対象に近しかった者】の霊を召喚する。これは【吸血鬼を守るが自我を持ち、呪詛を吐く者】や【死を受け入れる者等、様々いる。生前の武器】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    私のかわいい籠の鳥。今日はこの者を殺しなさい。
【憎悪や殺意】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【心を蝕む幻覚を見せ、人を狂わせる鳥籠】から、高命中力の【鳥籠に繋ぐ白銀の鎖】を飛ばす。
WIZ   :    今傷つけたのは私か自身か。或いは愛しいモノか?
【黒鳥の羽】が命中した対象を爆破し、更に互いを【自身の受けた痛みを一方的に共有する呪詛】で繋ぐ。

イラスト:暮野

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠セリオス・アリスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●夜明けを阻む極夜
 領主への道は拓かれたが、スケルトンの妨害は途切れる事はない。必然的に、殲滅力に長けた猟兵達が突出していくことになる。
 そうして城を進む間に、開放者達はひとり、またひとりと、最前線からは脱落していき、各所に散っていた猟兵達が集合していく。
 そうして辿り着いた広間。恐らくは過去には謁見の間として機能していたのだろうそこに、鳥籠を手にした細身の人影がひとつ。

「……ふむ、猟兵どもが力を貸していたか」

 彼等が猟兵たるを識る者。則ち、この者こそが、ヴァンパイアである領主。

「ならば、只のヒトよりは楽しめそうだ」

 その言葉に、猟兵達は其々に武器を構える。

「この極夜卿が直々に相手をしてやろう。楽しませてくれ給え」
神臣・薙人
【月灯】
可能であれば他猟兵とも共闘

極夜卿…
それほどまでに夜明けを拒みますか
ならば、貴方はここに必要無い

戦闘開始と同時に白燐想送歌を使用
武器封じが解除されるか
範囲内の人が負傷すれば
その都度再使用します
戦闘中は可能な限り多くの人が
治療の範囲に入るよう立ち位置を取ります

武器封じ・治療の必要が無い場合は
蟲笛で白燐蟲を呼び出し攻撃
天城さんが心配ですが…
私に止める権利は無いでしょう
せめて攻撃に専念出来るよう
治癒に気を配ります
思い切り、行って下さい

呪詛は激痛耐性で凌ぎましょう
目に見える繋がりがあれば
白燐蟲で切断出来ないか試みます
有効であれば
他の方が呪詛を受けた場合も
同様に解除を
…私以外を傷付けたら、許さない


天城・潤
【月灯】
他の皆さんとも共闘し悪夢に終焉を

名乗りからいちいち痛い
あと、その称号は貴様如きには過ぎたもの
僕達で剥奪してしまいましょう

この世界に所縁なくとも御一緒下さった佳人も
唯一人僕が憧れた背中も、他の皆さんも
貴様を捨て置かぬ、許せぬ意志持つもの

…ああ母上、お久しぶりですね
そしてさようなら
笑顔で挨拶をした後、斬り捨てます

馬鹿ですね。僕は此処出身ですしもう知っています
どのみち…永劫回帰するのでしょう?

…武器を持たぬ弱い人で良かった
一撃で済みましたから

UC黒影剣起動

汚らわしい意図の、全て、凡てを
貴様より深い闇で影で切り裂き
命をすすり飲み込み、糧にしてみせよう

鬼気迫る猛攻を絶対に止めず撃破まで戦い続ける


葛城・時人
相棒の陸井と
他の猟兵とも全力で共闘
特に同旅団の神臣・天城と連携を

真の姿:全盛時の能力者・大人・大鎌装備

加勢が腹立たしいか
だが自業自得だ
「お前は此処で終わらせる」
敵を見据え宣戦布告
「お前が極夜なら光で振り払う!」

アークヘリオン詠唱
高速・多重詠唱も使い刻印を空間に刻み続ける
回避しても技能で追い他の猟兵の攻撃に合わせる

「OK!頼む!」

陸井の縛が効いたら此方のもの
真正面から畳みかけを
闇夜であるだけ光は輝く!

「無様に倒れたら上層で肩身が狭そうだな」
挑発と共に大鎌を振るう
ククルカンにも攻撃を指示

正面なら俺に攻撃も呪詛も一番入る
なら少しでも他の皆を護れる
猟兵でも能力者でも俺の本懐だ
どんな痛みも耐えて見せる!


凶月・陸井
相棒の時人と参加
他の猟兵とも全力で共闘

真の姿:全盛期の能力者

開放者達の前に俺達が相手だ
仲間達と一緒に此処で終わらせる
「悪いが、お前の好きなようにはさせない」

まず突出して戦う人の手伝いを…ってあれは天城くんか
「時人!俺は天城くんのサポートをしながら行くぞ!」

回復は神臣くんも居てくれるから、俺は【戦文字「縛」】で
領主の行動を阻害しながら攻撃することに専念
出来れば一緒にガンガン前に出て倒してやりたいけど
今回はぶん殴るのは天城くんに任せよう
「まぁ、だからこそ…好き放題にはさせない」

心を蝕む幻覚には覚悟で対処
全盛期の頃の力を発揮できる今なら猶更耐えられる筈
「俺の心をかき乱すにはちょっと足らなかったな」


天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!

すぐわかったの!この人ほんっとに悪い人なの!
でもいつき兄様がまたわーって怒ってるのも感じるの。
だからみつかは怒らないの!

「兄様兄様、一緒になの!」
いつき兄様が怒ってくれるからみつかもわーって戦うの!
知らない人いっぱいだけど皆ほんとにすごいの!
だからみつかも兄様と一緒にいっぱい戦うの!
「えとえと、騎士さんたちおねがいなの!」
お、思ってたよりいっぱい出ちゃってびっくりなの!
でも心強いの!えーいなの!
「なだれこうげきなのー!」

いつき兄様無理するから心配なの。
盾になったらみつか泣いちゃうの。
ぽかぽかでぎゅーなの。
「いつき兄様のばかばかなの」


深山・樹
妹の天風光華(f37163)と。呼び方は「みつか」

すごくすごくすごく悪い奴だこいつ!
こんな奴がきっとみつかをひどいめに合わせた
「大嫌い!」

僕たちをどうかしたのはゴーストで、これはちがう
ちゃんと知ってる。でもわかるんだ
おんなじ。人にひどい事するのは同じ!

強い人いっぱい…でもまかせるのはだめ
みつかぜったい見てられないから
僕が先に手伝って倒したらいい!
剣二本とギロチンで絶対殺す

UCはリベレイション
アレは…すごく強い
このUCは僕がすごく強くなれるからこれ!

「みつか、前に来ないで騎士たちに命令だけして!」
強く強く言い聞かせて出る

めちゃめちゃ攻撃して死ぬまでやめない
みつかが攻撃されたら僕が自分で受け止める


アレクシス・ミラ
アドリブ◎
参考シナリオ(1章)id=9973

別個体の存在は知っている
だが…根幹は同じなのだろうな
僕の友を攫い、最後には僕達の故郷を滅ぼした“あの時の吸血鬼”と
…貴様自身がそれを知らずとも
この地の人々を苦しめていた吸血鬼である事には変わりはない
騎士として、この地を解放させてもらう

脚鎧に光の魔力を充填
黒鳥の羽を見切って避けよう
…己がこの地の、そして籠の鳥の主だと言わんばかりの攻撃で
裡に煮え滾るような感情が満ちるのを感じる
…だが
それは極夜という闇を祓う決意へと変える
…僕には守るべき人々がいる
共に明日の世界へと歩んでいきたい人達がいる
たとえ呪詛で繋がれたとしても
此処で死ぬつもりなど一切ない!
討ち倒されるのは貴様ただ一人だ!!
その覚悟と共に盾を構え
激痛と呪詛耐性を込めた【聖護の盾】で羽と呪詛を相殺させよう
一瞬でも僅かな隙を見切れたら
そこを突くように駆け
剣に破魔と浄化の光を込める
悪辣の主のみを祓うようにと
たとえこの世界の闇が極夜より深くとも
僕らは夜明けに届くまで
何度だって
全力の光で切り拓いてみせる!



●彼者誰時に響く鬨の声
「すごくすごくすごく悪い奴だこいつ!」
「すぐわかったの! この人ほんっとに悪い人なの!」
 場に似つかわしくない幼い声の二重唱が響く。深山・樹(処刑人・f37164)と天風・光華(木漏れ日の子・f37163)の兄妹だ。自分達を襲ったゴーストとよく似た何かを直観的に感じ、樹は無意識の怒りに震える。その傍らの光華も同じものを感じ、傍らでそっと兄の袖を引いた。

「加勢が腹立たしいか、吸血鬼」
 大鎌が風斬る音とともにそう言うのは葛城・時人(光望護花・f35294)。その傍らで短銃を構え立つ凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)も共に静かな怒りに燃える。
「悪いが、お前の好きなようにはさせない」
「お前が極夜なら光で振り払う!」
 二人はその言葉と共に軛を振り払うように真の姿――運命の糸症候群により時を巻き戻った姿ではなく、本来の年齢相応の姿へと流れるように変わる。

「ああ、その名乗りからいちいち痛い。
 その称号は貴様如きには過ぎたもの。僕達で剥奪してしまいましょう」
「それほどまでに夜明けを拒みますか。ならば、貴方はここに必要無い」
 溜息交じりに、辛辣にそう吐き捨てるように零すのは、天城・潤(未だ御しきれぬ力持て征く・f08073)。吸血鬼というものに因縁を持つ彼に至っては怒りを通り越して逆に冷静になっているように見える。そんな潤の横で神臣・薙人(落花幻夢・f35429)が言葉を重ねた。

「……よく囀る猟兵どもだ」
 彼らの様を前に気怠そうに極夜卿を名乗る吸血鬼が呟いたその時、石の床を金属が打つ音が響く。アレクシス・ミラ(赤暁の盾・f14882)が、静謐な怒りを湛えてそこに居た。自分と、そして大切な友に因縁のある存在と根幹を同じくする存在が、目前に立っている。その事実が彼を衝き動かす。
「……貴様自身がそれを知らずとも」
 例え、眼前の存在がそれを識らずとも、この地を苦しめ、自分達が味わった惨劇の再演すら行われかねないのだとすれば、為すべきことは変わらない。
「騎士として、この地を解放させてもらう」

 終わらない夜を終わらせる戦いが、始まる。

●払暁の戦い
 極夜卿が手にした鳥籠を揺らすと鳥籠の扉が揺れ開き、黒い羽根が闇色の靄を纏って舞う。真っ先に前に立ってそれを受けたのは、潤とアレクシスの二人。その二人を護るように、薙人の『白燐想送歌』が展開されるが、ほんの僅かに出遅れた。

 潤の目の前で靄が揺らぎ人の姿を取る。それは、彼にとっては縁深すぎる存在――母親の姿。
「……ああ母上、お久しぶりですね」
 いつものように笑みを浮かべ、そう言うと手にした刀を振りかぶる。
「そして、さようなら」
 そのまま、その嫋やかな身体を、一刀の元に斬り捨てた。
「これはこれは。血縁すらも容易く殺すか」
「馬鹿ですね、貴方は」
 笑顔のままに血縁を斬り捨てた潤は極夜卿の言葉すらも冷ややかに斬って捨てる。この地の出身であり、この世界の一端も既に情報としてではあるが、知っているのだ。この程度は、想定の範疇である。
 そうして潤は、ユーベルコード『黒影剣』を発動し、武器と己に闇を纏わせる。
 その背を護るように薙人の歌が切なくも優しく響く。潤の抱える何処か危うい気配を察するものの、自分には止める権利は無いと判断した彼は、せめて傷を負わず、攻撃に専念できるようにと支援をする。

「時人! 俺は天城くんのサポートをしながら行くぞ!」
「OK!」
 それを視認し、自分達の立ち回りを判断したのは、陸井と時人。潤は陸井が、薙人は時人が、それぞれ団長を務める旅団に籍を置く。なればこそ、捨て置くことは出来ない。そして、普段とは潤の様子が何処か違う事を察したからこその判断だ。
 籠から飛んできた鎖を撃ち払うと、陸井はユーベルコード『戦文字「縛」』で、行動を阻害にかかる。それを追いかけ、時人も極夜卿の視界の位置を狙って始まりの刻印を召喚する。

 周囲の二人に比べると歴戦の猟兵達に囲まれて、樹と光華の幼い兄妹は場の空気に吞まれかける。
「……まかせるのは、だめ!」
 己を奮い立たせるように、樹はユーベルコード『リベレイション』で英霊を憑依させる。
「えとえと、騎士さんたちおねがいなの! ……はわっ?!」
 その様に、光華も兄を追うように幻影の騎士を召喚する……が、先のスケルトンとの戦いよりも遥かに多い数の騎士が召喚されて驚く。
「みつか、前に来ないで騎士たちに命令だけして!」
「兄様だめなの! みつかも一緒なの!」
 
 アレクシスは、脚鎧に光を魔力を乗せ、己を襲う黒羽を避ける。
 自身が受けるこの攻撃も、共にこの地に立つ猟兵達が受ける攻撃も、この地が己の鳥籠であると、そう謂わんとするかの攻撃。嘗て己が味わったあの惨劇を思い出させて、身の裡に煮えたぎる感情が支配せんとする。
「……僕には、護るべき人々がいる」
 歯を食いしばってその感情を、目の前の極夜という闇を払わんとする決意へと転化する。共に明日を歩みたい人達も、何よりも大切な優しい友も、居る。
「此処で死ぬつもりなど一切ない! 討ち倒されるのは貴様ただ一人だ!!」
 そう吼えたアレクシスは、手にした盾を構え、ユーベルコード『天聖光陣』を展開する。
「面白い。別の『私』が殺さずに泳がせたのも頷ける」
 この期に及んでも、極夜卿に浮かぶのは愉悦の笑み。オブリビオンは記憶を共有しているわけではない。だが、根は同じである以上趣向にも大差は生じない。そうであれば、別存在を識ると言った彼が何故ここまで己に敵意を向けるのかを察するのは容易であった。
「しかし、此処に立つのは、僕だけではない」

 そう。此処には同じようにこの地を闇夜から解き放たんと集った猟兵達が他にもいるのだ。
「お前なんか、大嫌いだ!」
「騎士さんたち、なだれこうげきなのー!」
 樹が武器を手に突撃してくれば、それを護るように光華の騎士達が総攻撃を共に仕掛ける。
「貴様より深い闇で影で切り裂き。命をすすり飲み込み、糧にしてみせよう」
 黒影剣の闇を纏う潤が、冷静な言葉と裏腹に鬼気迫る猛攻を加える。
「あの程度の幻覚は、今の俺の心をかき乱すにはちょっと足らなかったな」
 陸井が冷静に再びユーベルコードで足止めを図れば、始まりの刻印を幾つも極夜卿の視界に刻み付けながら時人が大鎌で攻撃を加える。
「無様に倒れたら上層で肩身が狭そうだな」
 そんな彼らの後ろで、薙人が誰も傷つけさせぬと強い意志を瞳に宿して歌い続ける。

 武器を封じられ、動く意思を減衰させられたその瞬間。アレクシスは地を蹴る。目の前の悪辣の主のみを祓わんと、手にした剣に破魔と浄化の光を纏わせる。
「たとえこの世界の闇が極夜より深くとも。
 僕らは夜明けに届くまで、何度だって全力の光で切り拓いてみせる!」
 その強い意志を込めた一閃が、極夜卿を捉えた。

「はは……貴様も理解しているだろう。
 私を倒したとしても、終わらぬという事を」
 消えゆく極夜卿が、アレクシスに語る。
 オブリビオンは骸の海から染み出るもの。で、あれば、ただ倒すだけでは、できることは骸の海へと還すのみ。何時か何処かにこの吸血鬼は染み出て、またどこかの地に明けることのない夜を齎すのだろう。
「確かに、そうかもしれない。だが、この地に夜明けが来るのは紛れもない事実だ」 
 そう。何時の日か、この盾が刃が、あの因縁の記憶に届く日が来ると、信じているからこそ、彼はこの吸血鬼が関わっていそうな争いの気配を感じれば、戦いに参じるのだ。

●闇を割く曙光
 こうして、この地を夜に沈めた極夜卿──ジル・ド・フラテルニオは、猟兵達の手により骸の海へと還され、闇の救済者達の、ヒトの領域に還ることになった。
 駆け付けた闇の救済者達が広間に辿り着いた頃には、既に極夜卿の身は骸の海へと帰った後で、猟兵達が残るのみであった。しかし、彼等のスケルトンとの戦いぶり等から、その弁は疑われる事もなく。救済者達の勝利の声が城から街へと広がるまでにはそう時間を要しなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『潔癖のヴェルネル』

POW   :    反転槍伎
【槍】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、槍から何度でも発動できる。
SPD   :    穢者槍送
自身の【狂気解放】になり、【無心で敵を屠ろうとする】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ   :    血奇槍死
自身と武装を【血霞】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[血霞]に触れた敵からは【生命力】を奪う。

イラスト:唐草

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠黒蛇・宵蔭です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●来る夜明けを謳い誇りて
 領主が倒れたという報は、救済者達により瞬く間に城下へと広がった。
 ある者は掴んだ自由に快哉を叫び、またある者はこれまでに領主に手により帰らぬ者となった縁者を思い涙した。しかし、領主の軛から解放されたのだという安堵は等しく、凱旋してきた救済者達は歓喜を持って迎えられた。そして、猟兵達も再びその中にその身を紛れ込ませて、街に入る。

 設けられたささやかな宴席では、スケルトンとの戦いで戦い振りを目にしたり助けられた幾人かが猟兵達に向けて声をかけようと探す光景も見られた。だが、その立役者ともいうべき者達は、不思議と見付けられない。

「……彼等は、一体何処へ?」

 助けられた救済者の一人が、首を傾げた。

●夜明けを迎える為に
「ふむ。賢しい者も居ると思えば、成程」

 人足の途絶えた街の外れ。槍持つ男と猟兵達が対峙する。

「余計な言葉は無用であろう。我々とお前達にあるのは、戦いのみ」

 オブリビオンと猟兵は、確かに相容れぬ存在。であれば、それこそ正論にして唯一の手。
 夜明けを迎える為の、最後の戦いの幕が落とされる。
神臣・薙人
【月灯】

貴方と私達が分かり合う事は、永遠に無いでしょう
ならば、仰る通り、私達の間にあるのは戦いのみです

戦闘開始時に白燐想送歌を使用
以後も武器封じが解除されるか負傷者が出れば
その都度、再使用します
治療の際はなるべく多くの方が範囲に入るよう
立ち位置を調整
武器封じも治癒も必要無ければ
蟲笛で白燐蟲を呼び出して攻撃します

血霞で敵の姿が見えなくなった際は
聴覚に意識を集中
物音で位置を特定出来ないか試みます
特定出来れば白燐蟲を食らい付かせ
その光で視認出来るようにします
生命力を奪われた際には
すぐに治療を

同行する天城さんの様子には
特に注意を
危うい兆候が見られれば
声を掛けて引き戻します
貴方のいる場所は、こちらですよ


天城・潤
【月灯】

怒りと狂乱と熱気は未だ身を去らず
いつでも何が起きても動かなかった感情が
揺れ動くこの感覚はとても…危ういものなのかも知れない

…でも
案じて下さる美しい桜の枝から、はらりと零れる花弁が
かばう様に割って入って下さった、憧れる強い背が
僕を外道どもと同じ処へは決して堕ち行かせない
「大丈夫ですよ」
何時もの笑顔で二本の剣を構えて

護剣・断罪捕食使用

仮にコピーされたとしても此処には僕だけがいるのでは
ありません
それにこれならあなたの寿命を削れますからね
願ったりかなったりです

優しい癒しの美しい歌声を聴きながら
力強い筆遣いを見ながら、弾け飛ぶ輝かしい光を見ながら
皆で、この手で必ず撃破を

明けない夜はないのですから


天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!

兄様はほんとに酷いの。みつかのことまたおいてこうとしてたの。
でも結んでた毛糸が引っ張られたからすぐに気づけたの!
でもでも声かけちゃうとまた置いてこうとするからそーっとなの!
兄様とりょうへいさんたちにこっそり合流してみつかも戦うの。

兄様といろんな人たちと一緒に戦えるのが嬉しいの。
「はいなの!んとんと、騎士さんたちおねがいなの!」
沢山の騎士さんたちには皆を守ってもらうの!
いつき兄様は無理ばっかりしちゃうから私が守るの!

きっとみつかの騎士さんたちだけでも兄様の攻撃だけでも足りないの。
だからお手伝いなの!
「お願いしますなの!やっつけちゃってなのー!」


深山・樹
天風光華と。呼び方は「みつか」

パーティにおいてこって決めてたのに
まだ敵がいるのおぼえてた
強いって他の猟兵さん話してたから
絶対にまこうと思ってたのに…みつかは戦うって言う

でもここまできて来るなは無理か…
強い人たちのお手伝いしよう

「みつか、今度はうんとかくらんして?」

強い人たちが攻撃されない方がいい
攻撃を騎士が受け止めたら勝ちやすくなる
あと僕は小さいから目立たない
リベレイションなら3回までなら強い攻撃できるから
って頑張って説明して
「いくよ!」

騎士に紛れてかいくぐって盾にして…今だ!
「倒れろ!」
全力で下から足を3回狙う
チャンスを作るんだ!

倒れなくてグラつくだけでも絶対勝てる!
「お願い!やっつけて!」


凶月・陸井
相棒の時人と参加

真の姿:全盛期の能力者

後は救済者達を護る為に、だな
なんとなく考えが読める相棒の肩を叩いて
皆とまがまがしい気配へ向かう
「あぁ、行くぞ。相棒」

余計な言葉は確かに、もう要らない
此処できっちり終わらせる
「時人、合わせて行くぞ」

戦闘は【戦文字「縛」】を使用
どれだけ回避能力を上げても飛翔しても
俺の文字でその場に縛り付ける

「悪いが、お前は此処で負けるんだ」
時人と仲間達の攻撃を叩き込めるように
全盛期の力と今の全力を込めて縛り上げる
「そら…お前の終わりが迎えに来たぞ」

もしも後一押しが足りないのであれば
仲間達の戦闘に紛れて接近
護身のナイフと銃撃をゼロ距離で叩き込む
「お前の好きにはさせないよ」


葛城・時人
相棒の陸井と・可能なら他の皆とも共に

真の姿:全盛時の能力者・大人・大鎌装備

知っている仲間も、今日まで知らなかった猟兵も
皆の意がぴたりと収まるこの感じが
懐かしい過去を感じる気がすると…いや
今はそんな事を考えている場合じゃないな

陸井…此処はこれが最後だ。気合を入れていこう

睨みつけ、大鎌を構えて

主も既に果てた
なのにまだ、殺る気とはね
表を飾り、小奇麗にしようが所詮はたかが殺戮人形
骸の海へ落ちて逝け

アークヘリオン詠唱

血霞か、はは
小賢しいのはどっちだ
俺が知覚できなくても…関係ないさ
お前が見る限りは、ね

白羽蟲笛も鋭く吹き
「行けククルカン!」
俺の蟲には生命力吸収も嗅覚も聴覚も関係無い
「お前の終りは今、此処だ」


アレクシス・ミラ
アドリブ◎

貴様が『置き土産』か
…ああ、ならば今度こそ
この地での戦いの決着をつけよう

前線で戦いながら敵の攻撃を見切ろう
…その槍で防がれれば僕達の力を利用されるようだね
ならば…その防御を崩してみせる
盾からオーラ『閃壁』を展開し攻撃を防ぎ
閃壁に流し込んだ光属性で強い閃光を放とう
流れるように剣で連撃を
…受け止められても構わない
この攻撃はUCではないのだから
防御されれば、剣から麻痺を乗せた雷属性を一気に放つ
槍を伝って一瞬でも痺れを与えられれば
シールドバッシュで槍を殴りつけて隙を生じさせてみせよう
その瞬間を見切れば
巨大な刃の如く剣に光を集束
この地の…彼らの夜明けは奪わせない!
敵本体を【新星剣】で叩き斬る!



●最後の幕が揚がる、その前に
 猟兵達が最後に襲う脅威と対峙する少し前。

「兄様、みつかのことまたおいてこうとしてるの」
「……おぼえてたんだ」

 宴からそっと抜け出そうとした深山・樹(処刑人・f37164)は、背後からそっと追いついてきた天風・光華(木漏れ日の子・f37163)に複雑な顔をする。妹を危険に晒したくない兄であったが、行動を読まれていたようで、ちゃっかりと策を弄した妹の方が一枚上手であったよう。
 ここまで付いてきてしまった以上、来るなとも帰れとも言えない。樹は溜息を一つ吐くと、妹に向かい合う。

「みつか。僕たちは、他の猟兵さんたちのお手伝いをするからね」
「はいなの!」

 先の領主との戦いにやってきた猟兵達は、自分達に比べたらずっと手練れだった。彼等はきっとこの最後の戦いにも来るだろう。色々な意味で経験の浅い自分達ができることを、此処までの道中に考えていた樹の決断であり、妹への最大の譲歩。
 ちいさな、それでも一人前の猟兵達は、この後どうするかを互いに共有すると、そっと身を隠す。

●東雲の終幕劇
「貴方と私達が分かり合う事は、永遠に無いでしょう」

 神臣・薙人(落花幻夢・f35429)が、槍を構える男に冷静に言いながら、傍らに立つ天城・潤(未だ御しきれぬ力持て征く・f08073)へと、ちらりと視線を向ける。
 宴の最中、やや遠巻きにそれを見ていた彼の姿に、この戦いに向けての温存だけでない、危うさにも似た何かを感じていた。だからこそ、薙人は回復やサポートを得手としながらも、今ここで前に出る。そんな気遣う心を映すように、その髪を飾る桜の枝から、花弁が一片ふわりと舞った。

「悪いが、お前は此処で負けるんだ」

 そう言って同じように前に出たのは凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)。相棒である葛城・時人(光望護花・f35294)も、その傍らで大鎌を構えて男を睨めつける。二人とも此処に至る道迄に、運命の糸の軛を一時的に取り払った真の姿へと転じている。

「今度こそ、この地での戦いの決着をつけよう」

 盾と剣を構えるのはアレクシス・ミラ(赤暁の盾・f14882)。因縁ある敵の残した『置き土産』。このまま捨て置くわけにはいかぬと、剣を向ける。

 ヒトを鏖殺せんとするオブリビオンと、それを阻止せんとする猟兵達。役者は此処に集い、最後の戦いの火蓋が落とされる。

●薄明の戦い
 振るわれた槍に先ず動いたのはアレクシス。手にした盾より光の壁を展開し、槍を受け止める。槍が光の壁に触れた瞬間、赤黒いオーラを纏う。しかしそれ以上は何も起こりはせず、男は眉を寄せた。

「……その槍で防がれれば僕達の力を利用されるようだね」

 表情からして、不発に終わったそれは、おそらくユーベルコードに対して働くものと見たアレクシスは、周囲の猟兵へ警戒を伝えるように敢えて口にし、男を圧しきらんと剣を振るい雷を放つ。
 男が雷を槍でいなしたところへ、二刀を手にした潤がユーベルコードを展開しながら疾る。

「折角の仲間の警告も無視するか」

 そう言って赤黒いオーラを纏う槍で受け止め笑う男に、潤も笑みを返す。

「此処には僕だけがいるのではありませんし……ッ」

 言葉の最中、コピーされた潤のユーベルコード『護剣・断罪捕食』が男の槍から振るわれる。周囲に向けて放たれた攻撃は、猟兵達に牙を向き傷を負わせるが、薙人のユーベルコード『白燐想送歌』により周囲を舞う白燐蟲が傷を癒していく。

「それに……そのユーベルコードは、寿命を削りますからね。願ったりかなったりです」

 攻撃の後に、己の身に起った違和感に不審の色を浮かべた男に、潤はそう言って笑みを浮かべた。そんな潤に、歌を歌いながら、薙人が視線を向ける。

「大丈夫ですよ」

 それに気づいた潤は、何時もと変わらぬ笑みで、薙人へ応えた。

「全く。天城くんは、無茶をする」
「ホントにね。気持ちは判らなくはないんだけど」

 彼をよく知る陸井と時人が、その様に苦笑を浮かべて武器を振るう。陸井のユーベルコード『戦文字「縛」』が男の足止めをせんと縛り上げたところに、時人のユーベルコード『アークヘリオン』で男の眼前に刻んだ刻印が、創世の光を放ち、男を射貫く。

「みつか、いくよ!」
「はいなの! んとんと、騎士さんたちおねがいなの!」

 そこに併せるように、小さな猟兵たち――樹と光華が、光華が呼び出した幻影の騎士達と共に物陰から駆け出す。

「攻撃は、みつかの騎士たちが、受け止めるから!」
「お願いしますなの! やっつけちゃってなのー!」

 英霊を憑依させた樹が、騎士達を呼び出した光華が、他の猟兵達に叫ぶように訴える。

「猟兵に年齢は関係ないとはいえ、幼い子達の頑張りに応えないのはちょっとな」
「ああ。応えなければいけないな」
「皆で、この手で必ず撃破を」
「回復なら此方で承りますから、どうぞ全力で」
「皆の意がぴたりと収まるこの感じ、ちょっと懐かしいよね」

 幼い少年少女が奮闘する様に、教師の経験がある陸井が言えば、他の猟兵達も其々に肯定の意と共に、ある者は武器を振るい、ある者はユーベルコードを展開する。

「倒れろ!」

 槍の下をくぐり抜けた樹が、脚を狙って攻撃を加える。成人している相手であれば卑怯の一つも謗られかねないところなのかもしれないが、小柄な体躯の樹が放つ決死の攻撃であれば、己の長所を利用した作戦である。そして、それは的確に男の動きを阻害する。
 その反面、ユーベルコードの反動で攻撃と共に生命力を奪われた樹が顔を顰める。そんな彼がさらなるダメージを受けぬよう、光華の騎士達が代わりに攻撃を受けては一体、また一体と消えていく。

「そう何度も、使わせない……!」

 樹の使うユーベルコードの特性を察した時人が、男の視界内に始まりの刻印を刻み付け創世の光で射貫けば、潤の剣が手傷を負わせる。更に、陸井の戦文字が、薙人の歌が、縛りあげ、男の動きに更なる制約を与えていく。

「『是なるは闇を貫き、星を拓く光輝の剣!! その身に刻め!!』」

 そうして生まれた、好機の瞬間。
 それを過たずに盾で殴打を加えた後、ユーベルコード『新星剣』を展開させたのは、アレクシス。詠唱と共に光が集まり、手にした剣を巨大な光の大剣へと変じさせる。

「この地の……彼らの夜明けは奪わせない!」

 断罪するように振り下ろされた光の大剣が、闇の眷属たる男を槍ごと諸共に両断した。

●斯くして宵闇は去り、黎明を迎える
 両断された男が、武器諸共に骸の海へと消え還る。
 漸くこの地は、闇の種族の呪縛から解き放たれ、闇の救済者達の、ヒトの領域へと取り戻された。猟兵達とヒトにより蒔かれた希望の種子は、芽吹き、やがて来る夜明けを寿ぐであろう。
 この先に混乱が続くとしても、そうして芽吹いた希望は、道標としてヒトの裡に灯り続け、そして、伝播していく。

 この地のオブリビオンを滅する為に集った猟兵達は、其々が思いを胸に、この地より去り行く。
 この戦いにより、何が遺され、そして、縁が如何様に結ばれたのか。其れを知る者は、未だ、居ない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年06月26日


挿絵イラスト