銀河帝国攻略戦⑯~我が咆哮を聴け
●解放軍艦隊『クロックワーカー』
「大変だ……」
それは解放軍艦隊に合流した小さな宇宙船『クロックワーカー』の中で起きていた。
船長らしき年若い男が、明らかに気の抜けた表情でぐったりと操縦席に寄りかかっている。
ぶらりと下げた腕は操縦桿を握ってすらいない……ちなみにオート操縦機能はオフの状態だ。
「なんでだろ……さっきまでは解放軍に合流するぞーって気分だったはず……なのに……」
やる気が出ない、とにかく眠りたい、いっそのこと永遠に寝てしまいたい……そんなことばかりが脳裏を過る。
思えば、まるで聞き覚えのない音楽が船の中にわあわあと響き渡ったことから事態が急変した。
目を閉じて、身体の力を抜いて、そのまま楽になって。
そんな穏やかな曲調の音楽が、今は船の中のどこへ行っても大音量で聞こえてくる以上事態に陥っている。
年若い男以外にも乗組員は数名居るのだが、その全員は今の彼のようにぐったりと船のどこかで倒れ込んでいる。
その全員が、なにもしたくない、帰りたい、消えたい、死にたいと口にしているのだ。
「あぁ……」
――死んでしまえば、なにもしなくていいのではないか。
そう過ったのがトドメとなったか、年若い男は腰に付けたブラスターを引き抜くと、ゆらりと自らの顎に銃口を押し当てる。
小さな宇宙船『クロックワーカー』に鳴り響く洗脳音楽は、訪れる一つの死を歓迎するかのように転調した。
●グリモアベース
「続報だ、全く……連中と来たらなんというものを」
ロアー・アレグリアス(ケットシーのマジックナイト・f02956)は戦況マップを振り返りながら、この場に集う猟兵へと説明を開始する。
続報、と言いながらその愛らしい猫の口許を不満げに尖らせる。
「銀河帝国の黒騎士アンヘル配下『クライングシェル』艦隊。 これに『洗脳音楽通信』と言うものを解放軍艦隊へと発信し、艦隊乗組員の精神を阻害することによって、次々と艦隊を行動不能状態へと陥れている。 このままではせっかく集った解放軍がめっちゃくちゃだ!」
解放軍艦隊は、銀河帝国の『クライングシェル』艦隊の『洗脳音楽通信』攻撃を受けている。
この洗脳音楽を聴いた解放軍の人々は無気力になったり、眠ったまま起きなくなったり、自殺しようとしたり、突然暴れだしたり……とにかく様々な精神異常に陥っているとのことだ。
例えばグリモアの映像にあった宇宙船『クロックワーカー』は、無気力になり死にたくなるという影響を受けている、といった具合だ。
「我々は早急に、この事態へ対処しなければならない! 『洗脳音楽通信』に対抗するために、我ら猟兵たちは――」
ロアーが道具袋から取り出したそれは、戦いには恐らく無縁であろう弦楽器。
にやり、とここで初めてロアーはとびきりの笑顔を見せる。
「我ら猟兵たちもまた、歌って奏でることで、洗脳音楽通信の支配をはね除けてしまうのだ!」
この『洗脳音楽通信』に対抗するために、芸能船の放送設備を増強した。
ロアーはその船で、猟兵による音楽放送を行うのだと説明する。
「目には目を、歯には歯を、音楽には音楽を、だ。 洗脳音楽通信を打破するには、我らも音楽で対抗しなければならない! しかし猟兵以外の人々は、すぐに洗脳音楽通信の影響を受けてしまうが故に、対抗策である音楽を奏でられんのだ」
つまりこの任務は、猟兵しか行う事が出来ない。
この邪悪な音から人々を救えるのは、我らしかいないのだとロアーは力説する。
「ふふふ、剣や魔法を振りかざす以外にもやることがあるということだ! さあさあ、我こそはと思う者よ、我と共に芸能船『アレグリアス』へ向かうぞ! 解放軍艦隊を救うために、共に咆哮を上げるのだ!」
四季臣
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●注意!
現実に存在する楽曲の曲名や歌詞、替え歌等が記載されているプレイングは採用できません。
十七度目まして、四季臣です。
この度はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。
四季臣より戦争シナリオ四つ目です。
今度は音楽です、敵の洗脳音楽通信を猟塀の音楽ではね除けてしまいましょう。
OPの時点ですでに一人が死にかかってますが、皆さんの登場によって事態を変えられます。
ただ、今回のシナリオには注意事項がございます。
第六猟兵では、プレイングが半永久的に公開され続けるとのことなので、現実に存在する歌詞などはプレイングに記載した場合、その全てを却下対象と致します。
四季臣はネットなどで検索して回り、hitする曲がないかを調べますので、その辺りはご承知くださいませ。
上記の注意事項をきちんとお守りの上で、楽しい音楽プレイングをお待ちしております。
それでは、よろしくお願い致します。
第1章 冒険
『洗脳音楽通信を撃ち破れ!』
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POW : 激しいビートで、魂を揺さぶり、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
SPD : 超絶的な技巧で、聴く者を圧倒して、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
WIZ : 心に響く歌声で、感情を揺り動かして、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バロン・ゴウト
音楽で洗脳なんて許せないにゃ!猟兵の奏でる音楽はそんな物に負けたりしないのにゃ!
【WIZ】心に響く音楽を奏でるにゃ。
お母様が良く歌ってくれた子守歌を月琴で演奏しながら歌うのにゃ。
【楽器演奏】は得意なのにゃ!
夜空の星は金平糖♪
どれだけ食べても無くならない♪
こっちはイチゴ♪こっちはリンゴ♪
あっちの星はどんな味♪
他の人との共演、アドリブも大歓迎にゃ。
白銀・クリム
音楽で洗脳しようとするなんて、許せない! 許せないけど……、本当にクリムの力でこれに対抗できるのかな? クリムはそんなに歌が上手じゃないと思うし……。
……いや、ここでクリムが弱気になっちゃダメだよね! 解放軍艦隊に合流した人たちを助けるためにも、ここは頑張るよ!!
まずは準備! ユーベルコード、グッドナイス・ブレイヴァーを使うよ。このユーベルコードで解放軍のみんなにクリムが歌うところを生放送するね。みんなの応援があれば、きっと成功できるはずだよ。
ここからが本番! クリムはいつもみんなに笑顔を届けたいって思ってるから、この思いを歌に乗せて贈るね!
それじゃ、心に響く歌声、行ってみるよ!!
●芸能船『アレグリアス』
グリモア猟師が自信たっぷりに転移させた芸術宇宙船の一室で、バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)は着々と演奏の準備を始めていく。
この間にも聞こえてくるのは、『クライングシェル』の洗脳音楽……もの悲しく、けれど全てを手放せば楽になれる、そういった気持ちにさせる旋律にバロンは憤っていた。
「音楽で洗脳なんて、許せないにゃ!」
「本当にそう! 許せないわ!」
騎士服のケットシーに同調するように訴えたのは白銀・クリム(音使いの魔女・f11047)、けれどその表情は少々自信がなさそうだった。
「本当にクリムの力でこれに対抗できるのかな? クリムはそんなに歌が上手じゃないし……」
「大丈夫にゃ! 猟兵の奏でる音楽はそんな物に負けたりしないにゃ! クリムさんも一緒に、ボクと歌うのにゃ!」
「バロンさん……そうだね、ここでクリムが弱気になっちゃダメだよね! 解放軍艦隊に合流した人たちを助けるためにも、ここは頑張るよ!!」
バロンの励ましを受けて、クリムもまた、動画撮影ドローンを召喚していく。
解放軍艦隊へ、猟兵たちの音楽を届ける準備はこれで万全だ。
バロンは一枚のカードをぴっ、とクリムへ手渡す……それには丁寧な文字で歌詞が書かれていた。
「これはお母様がよく歌ってくれた子守唄なのにゃ。 演奏しながらボクも歌うから、一緒に歌ってほしいのにゃ!」
「子守唄かぁ……これなら心に響く歌が歌えそう! それじゃ、行ってみるよ!」
月琴の弦に指をかけるバロンと共に、クリムもマイクを取ってその歌を歌い始める。
夜空の星は金平糖♪
どれだけ食べても無くならない♪
こっちはイチゴ♪こっちはリンゴ♪
あっちの星はどんな味♪
夜空に数多存在する星を金平糖に見立てた楽しげな旋律、心を込めたバロンの歌と演奏、そしてクリムのみんなに笑顔を届けたいという気持ちは音に乗って解放軍艦隊へと届けられる。
グリモアのモニターに表示されていた年若い男にも、さっそくその気持ちが伝わったようだ。
「はっ?! わ、私は何を……とと、いけないいけない。 早くみんなを起こしてこなければ」
ブラスターを引っ込めた男は、『クロックワーカー』の自動運転機能をセットした後に、仲間が倒れている元へ走り出す。
二人の猟兵の演奏が洗脳音楽の影響を上回り……洗脳音楽を流す銀河帝国側のスピーカーからは爆発音か轟いた。
大成功
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ファン・ティンタン
【WIZ】亡き主への残響
芸能船『アレグリアス』なんて、あなたにはお誂え向きな船じゃない、ロアー
あなた、楽器持ってたみたいだけど…ソレ、弾ける?
人前で歌うなんて恥ずかしい事こんな時にしかやらないんだから、精々、上手く演出して頂戴
歌うは賛美歌
高く、強く、けれど穏やかに
暇があれば【緑の夢】の中で何者にも遠慮無く歌っている分、【歌唱】力には自信がある
かつての主は、女性なのにハスキー声だったけれど…それでも、私より歌が好きだったかもしれない
私は、詩と祈りの一振り
そして、歌が好きだったあの人の刃
音の才で、誰かに後れを取る訳にはいかない
ねぇ、ロアー
私、神様が嫌い
それでも、誰かに捧げる歌は、こんなにも綺麗だよ
「芸能船『アレグリアス』なんて、あなたにはお誂え向きな船じゃない、ロアー」
音響設備の整った一室で、ファン・ティンタン(天津華・f07547)はグリモア猟兵の姿を探す。
しかし肝心の彼の姿は、この部屋にはなかった。
「ロアー?」
一室に設置されたグリモアの映像を見ると、操縦桿を握っているケットシーの後ろ姿が確認できた。
自信満々に弦楽器を用意していた彼も演奏に加わるだろう、そう思っていたファンにとって、その配置は意外だった。
「我と共にだなんて、紛らわしいこと言うから……」
しかしここまで来たからには、音楽を奏でずにいるわけにもいかない。
人前で歌うだなんて恥ずかしい事は滅多にしないが、意を決したかのように胸を張り、両手を広げる。
それを見ていた月琴持つ黒のケットシーは、即興ながらもファンの歌声に合わせて演奏を開始した。
ファンが選んだ歌は、讃美歌だった。
高く、強く、そして穏やかなその歌声は、ユーベルコードである“緑の夢”の中で、何者にも遠慮無く歌うことで培ったものだ。
ファンのかつての主もまた歌が好きだったという、主は女性なのにハスキーボイスの持ち主だったが、それでもファンよりも歌が好きだったかもしれない。
ファンは、そんな彼女の詩と祈りを知る一振りの刃だ。
音の才でも、誰かに遅れを取る訳にはいかない。
その確かな想いを込めた歌は、洗脳音楽をさらに退けて、精神を侵す波をひび割れさせる。
「ねえ、ロアー」
グリモアの映像越しに、背を向ける茶色い猫妖精へファンは声をかける。
「私、神様が嫌い。 それでも、誰かに捧げる歌は……こんなにも綺麗だよ」
操縦桿を握る猫の後頭部が、頷くように揺れている。
彼のヴィオラの腕前を確かめるのは、また別の機会だ。
成功
🔵🔵🔴
フォルティ・アルディリア
●甘酸っぱい煌めき☆暗い世界に響かせちゃうよ
やる気を揺さぶるんなら、やっぱり楽しい日常だよね☆
やる気の元は…やっぱり恋だよねっ☆
「みっんなーっ!!暗く落ち込んでるなんてらしくないぞっ☆あたしの歌を聴けーっ☆」ってシャウトして歌いだすよ!
♪いつものホームと見慣れた街 そこで横に立った君を見て♪
♪それからあたしの街は あたしと君のSparkling stage♪
「恋をしているみんなは思い出せない?隣に立ったあの子の事。恋をした事ない子は、感じたくない?甘酸っぱい恋を?」
♪君と話すいつものホーム あたしの隣で話す君♪
♪あたしの一日は 2人一緒のSparkling stage♪
アドリブ・共闘OK
小さな宇宙船『クロックワーカー』の内部でも、猟兵たちの歌によって変化が生じていた。
「よいしょっと、これで全員だねぇ」
一早く復帰した船長の男が、まだ気力の戻らない乗組員全員を一つの部屋に集めたようだ。
「あ、アリマー船長……?」
「さて、子守唄に讃美歌……次の曲はどんなのかなぁ」
「解放軍のみっんなーっ!!」
スピーカーからとびきりに明るい女の子の声が溢れ出す。
フォルティ・アルディリア(ヴァリアブル☆シンフォニッカー・f05860)が芸能船より、インカムによって増強された声量で解放軍艦隊へ呼び掛けた。
「暗く落ち込んでるなんてらしくないぞっ☆ あたしの歌を聴けーっ☆」
♪いつものホームと見慣れた街 そこで横に立った君を見て♪
♪それからあたしの街は あたしと君のSparkling stage♪
♪君と話すいつものホーム あたしの隣で話す君♪
♪あたしの一日は 2人一緒のSparkling stage♪
「恋をしているみんなは思い出せない? 隣に立ったあの子の事。 恋をした事ない子は感じたくない? 甘酸っぱい恋を!」
フォルティの歌い上げる楽しい日常の一幕、なかでも恋に注目した音楽は、『クロックワーカー』の人々の瞳に確かな活力を取り戻させていく。
「あぁ……俺、この戦いが終わったらあの子とデートするんだ……」
「気持ちは分かるけど、そんな死亡フラグめいたこと言わないで?」
乗組員の一人がそう言いながら起き上がるのに対し、アリマー船長と呼ばれた男は冗談めいた反応を返す。
洗脳音楽の影響を取り除くまで、あともう一息だ。
成功
🔵🔵🔴
聖護院・カプラ
スペースシップワールドに大仏を持ち込み『大仏建立の詔』を立てる事で護聖合体する彼の名を君達は――知っている
♩鋼鉄護聖ダイカプラーのテーマ(作詞・無限宇宙人 カノー星人/編曲・聖護院カプラ)
末法めいたこの時代 助けを求め君を呼ぶ
僕らを救い出せるのは そう 君だけなんだ!
Say Go!Say Go!後光が差す 鋼鉄護聖 ダイカプラー
(「南無妙宙修験」「南無妙宙修験」「護!仏陀!」)
悪政強いたこの宇宙 救いを求め君を呼ぶ
奴らを改めさせるのは そう 君だけなんだ!
Say Go!Say Go!存在感増す 鋼鉄護聖 ダイカプラー
Say Go!Say Go!経法を説く 鋼鉄護聖 ダイカプラー
“それ”を見たとき、スペースシップワールドの誰もが目を見開いた。
宇宙船のモニターに表示されているのは、芸能船『アレグリアス』の上にどんと置かれた巨大な石像。
いかにも徳の高そうな神々しさを放つ、圧倒的な存在感を放つそのウォーマシンの名を、聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)の名を『クロックワーカー』の人々も叫んだ。
「あッ、あれは鋼鉄護聖ダイカプラー!」
「何それ?」
一部、例外がいた。
疑問符を上げたアリマー船長へ、乗組員たち全員が信じられないといった怒濤の勢いで詰め寄る。
「知らないんですかアリマー船長?!」
「鋼鉄護聖ダイカプラーですよ?! 見てくださいよあの圧倒的な存在感を! 今やこの解放軍の中で知らない人はいないって程のお方なのですよ!」
気力を取り戻した乗組員たちが両手を合わせて拝み始めるのを、アリマー船長だけがきょとんとした顔で見ていた。
そんな中で聞こえてきたのは、鋼鉄護聖ダイカプラーのテーマソングだ。
末法めいたこの時代 助けを求め君を呼ぶ
僕らを救い出せるのは そう 君だけなんだ!
Say Go!Say Go!後光が差す 鋼鉄護聖 ダイカプラー
「Say Go!Say Go!」
「鋼鉄護聖 ダイカプラー!」
「南無妙宙修験」
「南無妙宙修験」
「護!仏陀!」
テーマソングに合わせ、一糸乱れぬ振り付けを踊り出す乗組員たちを、アリマー船長だけが置いてけぼりを食らったような目で眺めている。
さっきまで気力ゼロ状態だった人たちとは思えないくらいの変貌ぶりだった。
「……後で音楽データ送って?」
「もちろんですとも!!」
置いてけぼりは避けたい船長が乗組員にお願いしている最中、テーマソングは二番に突入していた。
大成功
🔵🔵🔵
アガト・シレスティアル
シャーくん!シンフォニックモードにゃ!
歌唱で心に響く歌声を世界に響かせるにゃ!
「しゃんしゃーん!」(タンバリンでパフォーマンスする鮫)
生きるのを 諦めちゃ駄目にゃー
死んじゃったら 友達や仲間
大切な人と一緒に美味しいご飯は食べれないのにゃー
貴方が亡くなった事を知って 涙を流す人が必ずいるのにゃー
家族や友達 同僚や戦友 にゃーとシャーくんが泣くのにゃー
最期はいつか来るけど その時まで生き続け
最期に笑顔でお別れするのが一番なのにゃー!
だから生き続けるにゃ!にゃーも昔は死にたかったけど……
色んな人に出会ってから、明日も皆に会うために生きてるにゃ!
まだ死にたいならシャーくんランドで生きる気力を作れにゃ!
フィロメーラ・アステール
「よーし、せっかくだからみんなで一緒に歌おうぜ!」
元気を出すなら、声も出したほうが気持ちいいだろ!
洗脳音楽の影響も大分弱まってきただろうし、今なら一般の人たちを参加させることも不可能じゃないはずだぜ!
この【生まれいずる光へ】を使えばな!
あらかじめミディアちゃんに、この世界の誰でも知ってるような応援ソングを教わっておく!
この歌を通じてみんなに【気合い】を入れて、【勇気】を与えて、【鼓舞】するぜ!
能力強化で洗脳に耐えられるようになったら、みんなの歌声で敵を押し返すぞ!
解放軍の意地を見せてやろうぜー!
あ、実はあたしは歌は得意じゃないんだがな。
まあちょっとヘタなくらいの方が、みんなも乗りやすいだろ!
圧倒的存在感に湧いた『クロックワーカー』だったが、洗脳音楽による精神攻撃はまだまだ継続されていた。
テーマソングをフルで流しきった存在感の化身がステージを降りた後、〆に立つと決めたアガト・シレスティアル(シャーくんと一緒!・f03547)は相棒の万能黒剣シャーくんへ、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は解放軍艦隊へと声を張り上げる。
「シャーくん! シンフォニックモードにゃ! 歌唱で心に響く歌声を響かせるにゃー!」
「しゃんしゃーん!」
「えっ、その鮫剣そんな機能もあるのか?! まあいいや、よーし、せっかくだからみんなで一緒に歌おうぜー!」
洗脳音楽の影響が弱まっている今ならば、解放軍の人々も参加させることは不可能ではないはずだ。
「明日に繋ぐ物語のはじまりはじまり、ってなー!」
フィロメーラはユーベルコード、“生まれいずる光へ”を以て、解放軍の人々へ応援を送る。
その声に後押しされるかのように、『クロックワーカー』以外の気力を失っていた人々も次第に立ち上がり、猟兵たちが映し出されるモニターに目を向けている。
「へへっ、上手くいったな!」
「シャーくんと考えてきた歌があるにゃ、にゃーはシャーくんと一緒にそれを歌うのにゃ!」
「そうか? あたしはミディアちゃんにみんな知ってる応援ソング教わって来たんだけど……それじゃアガトの歌も歌うか!」
フィロメーラはアガトから歌詞カードを受け取ると、マイクを手にとって動画撮影ドローンへ向けて手を振る。
アガトもまた、自分のありったけの気持ちを歌に込めて、解放軍の人々へ生きることへの大切さを届けていく。
「最期はいつか来るけど、その時まで行き続け最期に笑顔でお別れするのが一番なのにゃー!!」
「しゃっしゃーん!」
「だから生き続けるにゃ! にゃーと昔は……けど色んな人に出会ってから、明日も皆と会うために生きてるにゃ!」
懇願とも取れるアガトの声に合わせてシンフォニックモードのシャーくんも歌う中、フィロメーラもまた人々に気合いを入れ、勇気を与えて鼓舞する歌を歌う。
正直、歌はそこまで得意ではないというフィロメーラではあるが、その歌の上手い下手はもはや解放軍が気にするものではなく……洗脳音楽を押し返した猟兵たちに合わせて、解放軍の人々も一人が歌い出すと、その周りも歌い始め……やがては大合唱となっていく。
そんな中、『クロックワーカー』から『アレグリアス』へ通信が届いた。
モニターにはアリマー船長と、その乗組員の姿が大きく表示される。
「あなたがたの歌や想いは、確かに聞かせてもらったよ。 いやぁ、まさか音楽に洗脳だとか……そしてそれを上回るほどの想いが込められるなんてね。 ……ともあれ、ありがとう。 おかげで私たち『クロックワーカー』も解放軍に合流できそうだ!」
君たちもどうかご無事で、と『クロックワーカー』は通信を落とす。
猟兵たちの音楽は『クライングシェル』の洗脳を打ち破り、解放軍艦隊へ生きるための希望と活力を与えたのだった。
成功
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