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濁りて散る桜(作者 朔吹雪
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#サクラミラージュ 


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#サクラミラージュ


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 桜の木の下には死体が埋まっている、なんて噂はよく聞くことだろう。そんな噂に纏わるありふれた物語。

 わたしには貴方しかいなかった。
 なのに貴方には別の相手がいたの。
 だから......。

 恋多き女が"本気"で愛した男がいた。初めて抱いた恋情が醜く変化するのに長く時間はかからなかった。
「どうして他の女と仲良くするの?」
 男にとっては遊びであった、本命である存在がいた。ただそれだけ。それだけだからこそ許せなかった。
 もっとわたしを見て欲しい。わたしに笑いかけ欲しい。貴方が見てくれるなら他の男に手を出してもいい。最後に貴方が隣に居てくれるなら。
 それなのに、どうしてわたしの所に来てくれないの?

 2人が愛情を育む影で女はただ1人嫉妬で心を燃やしていた。


「......そうして、嫉妬で支配された女は2人を殺害、死体を桜の木の下に埋めて自分も死んじゃいましたとさ」
 女って怖いね。話を簡潔に纏めて話したキリノ・サーガスラーフ(戯れの衝動・f19569)はぼそりと呟いた。
「今回はちょっと特殊でね、『魂鎮メ歌劇ノ儀』っていうのを用意してくれてるみたいなんだよね」
 明確な悪事を働くわけではないが放置していると世界の崩壊を招いてしまう影朧。強力な影朧の出現を予想した帝都桜學府が用意した儀式魔術。それが"魂鎮メ歌劇ノ儀"である。
「いつも通り倒すんじゃなくてさ、相手の過去のストーリーを演じながら戦うんだよ」
 舞台照明とか諸々はあっちで用意してくれるから、どんな役になって戦うかは考えてね。
 他人事のように語ったキリノの表情はいつもの笑顔ではなかった。口角だけが少し上がった、偽りの笑顔。
「......改めて説明するよ。今回の相手は俗に言うクズ男に引っ掛かった女。その女もまあ恋多き女だったらしいけど......本気で恋しちゃったんだよね。もうこの人しかいない!って思っちゃったんだ」
 でも、と彼は説明を続ける。
「男もクズな訳よ、勿論他に相手がいるわけさ。その時は本命がいたっぽいけど、少なくとも女とは遊びで付き合ってたのさ。ただ女もバカじゃないからね、自分も別の男を引っ掛ければ嫉妬して振り向いてくれるかもとか考えた。なんなら実行した。でも無理だったんだ。だって相手にとっては本命じゃないんだもん」
「......ざっと説明するとこんな感じ。さっきも言ったけど物語のどの役を演じるかは自分で決めてね」
 じゃ、後は任せたよ。
 手を振って彼はグリモアを展開した。


朔吹雪
 とても久しぶりに書きました。朔吹雪という者です。

 今回は通常の3部構成のシナリオです。
 1章は集団戦、過去のストーリーの流れに乗りながら役を演じ、群れの向こうにいる影朧に届くよう、雑魚の群れを蹴散らしていきましょう。敵の宿主は知らない少女達。おそらく男が引っ掛けていた......。
 2章はボス戦、役を演じるかは自由です。影朧と語らいながら戦いを進めてください。
 3章は日常、消えゆく影朧を送り届けてあげてください。舞台装置等自由に使えます。

 それでは、今回も頑張っていきましょう。
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第1章 集団戦 『死に添う華』

POW ●こんくらべ
【死を連想する呪い】を籠めた【根】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【生命力】のみを攻撃する。
SPD ●はなうた
自身の【寄生対象から奪った生命力】を代償に、【自身の宿主】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【肉体本来の得意とする手段】で戦う。
WIZ ●くさむすび
召喚したレベル×1体の【急速に成長する苗】に【花弁】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 綺麗な花束を貴方にあげる。
 貴方の為につくったの。

 花に寄生された少女でつくられた"花束"の中で女は笑う。
 それはとても哀しそうに笑う。

 貴方好みの花を集めてつくったのよ。
 だから、わたしも......。
津崎・要明
(屑野郎、ねえ。)

あー、これ以上俺に付き纏うな。お前からは俺と同じ匂いがするんだよ、ゴミ屑の匂いが。

彼女は違う。綺麗な場所で大切に育てられたひとだ。最初はその偽善者振りを引き剥がして堕としてやろうと近付いたのに、違ったんだ。彼女は本物の・・・俺にとっては「光」だよ。

お前、付き合ってる奴他にも居んだろ?そっちにしろよ。
俺の邪魔をするな、あっちに行くんだよ。明るい方へ。
ゴミはゴミらしく掃き溜めで、好きなだけ似合いの相手を漁ってろ。じゃあな。

攻撃をバリア(結界術)で防ぎ、受け流しながら戦う。
UC使用、寄生された少女たちを【Axion Laser】で解放しよう。

失恋は辛いけど、他人を巻きこむなよー


●拒絶
 ──あるところにそれはそれは惚れやすい少女がいた。相手を作ったとしても長続きすることはなかった。直ぐに他の男に目が移ってしまうからである。気づけば相手が数十人いたなんて事もあった程。
 そんな彼女を本気にさせたのは同族とでも言うべきなのかはたまた......。

「これ以上俺に付き纏うな。お前からは俺と同じ匂いがするんだよ、ゴミ屑の匂いが」
 冷たい言葉で突き放された少女。彼女にとっては初めての経験だった。
「どうして?こんなにわたしは貴方の事が好きなのに!」
 分からなかった。なぜ彼は自分を選んでくれないのか。
「さっき隣にいた子は誰?わたしの方がかわいいでしょ?だから、ねえ。好きって言ってよ!」
 気づけなかった。彼が自分に向ける侮蔑の眼差しにも。
「......お前それしか言えねえの?」
 冷めきった表情で此方を見る彼はもう、彼女の知っている彼ではなかった。
 
「隣にいた子は誰?って、見りゃわかんだろ。本命だよ、ほ、ん、め、い。どうせお前も俺と同類なんだろ。分かるよな?」
 彼も彼女と同類だった。相手を複数人作り、飽きたらさようなら。2人は屑同士猫を被りあい仲良くしていた......筈だった。
「だがな、彼女は違う。綺麗な場所で大切に育てられた人だ。最初はその偽善者振りを引き剥がして堕としてやろうと近付いたのに......違ったんだ」
 傷を嘗め合うか、猫を剥がされ絆されるか。
 それが彼女と彼の運命を分けたのかもしれない。
「彼女は本物の......俺にとっては『光』だよ」
 彼はもう、彼女とは分かり合えない。

「お前、付き合ってる奴他にも居んだろ?そっちにしろよ」
「邪魔をするな、俺はあっちに行くんだよ。明るい方へな」
「ゴミはゴミらしく掃き溜めで、好きなだけ似合いの相手を漁ってろ」
「じゃあな」
 彼女にとっての本命は自分を理解してくれる人であった。類は友を呼ぶように。
 だが理解者は遠くへ行ってしまった。彼女を置いて、別の人と。
 だからもう、彼女には彼の言葉が理解できない──

「......効いてるっぽいな」
 花束の中央の影朧、物語の少女が狼狽えるのが少し見えた。
 今回の主演、屑男を演じた津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)周りの花の攻撃を防ぎながらの演技であった。
 結界で襲ってくる少女達を受け流しつつ、寄生している花だけを撃ち抜くコロニーレーザー『Axion Laser』で少女を解放していた。
 普通のレーザーであれば少女達を避けて花だけを狙う必要があった。だが、彼の『Axion Laser』は悪だけを撃ち抜く!少女達は無傷で解放することが出来たのだ。
 花だけが焼かれ、彼女の花束が小さくなっていく......。

 屑野郎ねぇ......なんて同じ男として思うところはあっただろう。ただ、今回の敵はそいつではない。そいつと同類だった、屑女のはなし。
 最後は演技の中ではない、要明の言葉で突き放すのだ。
「失恋は辛いけど、他人を巻きこむなよー!」
大成功 🔵🔵🔵

フィーナ・シェフィールド
愛しい人と添い遂げられない切なさは理解できますが、
他人を傷つけるのは、やっぱり良くないです。

付き合っていたその他大勢な女の人の役を演じましょう。
「彼は、ひとときの夢を、幸せな時間を与えてくれた人」
わたしは大好きだった。でも、彼にとってはそうではなかった。

他に好きな人がいても、それはしかたないの。
わたしの一番でも、あの人の一番では無かった。それだけのこと。
「だから、ね。」
必要なのは、その想いを思い出に変えて、次の一歩を踏み出すこと。
願わくば、その失恋の痛みを、強さに変えられますように。

破魔の歌声に、わたしの想いを乗せて、モーントシャインを変じた彼岸桜の花びらと共に、死の華へ向けて放ちます。


●諫止
 ──彼女が想う彼には取り巻きが大勢いた。最愛になれないのは承知の上の者が大半であったという。
 愛する者の隣に居られるのは一時の間。それでもよかったのだ。恋は盲目などと言うだろう。
 ただ、稀に居るのだ。堪えられないものが......。

「......え?わたし?勿論大好きだったよ」
 儚げに笑う1人の少女がいた。
 少女は彼女と同じ、男に遊ばれ、捨てられた少女。
 彼女は少女に同意を求めていたのだ。同じ境遇、同じ心情。そう信じて疑わなかったから。
「そうでしょ?わたしだってそうよ!だから一緒に......」
 信じて疑わなかった筈なのに、少女の顔を見るなり言葉を失ってしまった。気付いてしまった。自分と少女の相違に。
 口から言葉が出てこなくなった。

「わたしにとって彼はほんのひとときの夢を、幸せな時間を与えてくれた人。それが刹那の夢なんて分かってたわ。だって見てれば分かるもの。わたしは大好きだけど、彼にとってはそうでなかったことなんて」
 そう語る少女に激情など一欠片もなかった。声色は穏やかで、表情は柔らかい。とても同じ境遇とは思えなかった。この少女もつい昨日まで彼と一時も離れないような生活を過ごしていた筈なのに。どうしてそこまで落ち着いていられるのか。
「仕方ないの。わたしの一番でも、あの人にとって一番じゃなきゃ意味がないわ。そんな独り善がりで彼を縛り付けられない。そう、仕方ないこと」
「だから、ね。必要なのはその想いを思い出に変えて、次の一歩を踏み出すこと」
 その通りだとは思った。だが、どうしても理解が出来なかった。何か言い返してやりたかった。お前は自分と同じで捨てられたんだって、言ってやりたかったのに。
 哀しそうに笑う、触れたら消えてしまいそうな少女に、ついぞなにも言うことが出来なかった。
 ......だってわたしだってこうなってたかもしれないのだから。

 歌声が響く。
 それは少女の気持ちを代弁する音。
「どうして、どうして......!」
 桜の花弁が舞い散り、辺りは更に幻想的となる。
 心地よい音色は荒みきった彼女の心に語りかけるのだ。
 ......もう、後戻りは出来ないのに──

 愛しい者と添い遂げる事が出来ない切なさ、理解は出来るのだ。フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)もまた、別の種族ではあるが大切な人がいる。人間同士ではない以上どういう未来が訪れるかは分からないが。
 理解できるからこそ、許せないのだ。
「やっぱり他人を傷付けるのはよくないですよ」
 その瞬間は達成感等に満ち溢れているかもしれない。だがその後は?消えない罪、とめどない罪悪感、溢れる絶望。どう足掻いても明るい未来などやってこない。
 フィーナは歌う。響き渡る歌声に彼岸桜をのせて。聴いたものを浄化する音色は悪の花弁をも包み込む。本体ごと浄化され花は消滅し、側には穏やかに眠る少女達。
 そして涙を流す影朧の姿があった。
成功 🔵🔵🔴