長き因縁に終止符を・神の巻
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頭部全てが脳になった子供というまさに『異形』と呼ぶべき何か。その名はドクター・オロチ。スペースシップワールドで、アックス&ウィザーズで、そして違う名を持ってシルバーレインで、幾度討ち果たされても蘇り続けた生ある者全ての敵。
今、彼はアポカリプスヘルにおいて己が配下を従え、フィールド・オブ・ナインの生存者奪取という目的を持って暗躍していた。
「こ、ここまで……くるとは……やつら、相当に……! うぐっ……俺に、構うなっ……俺は、何もできない……!」
蹲るその体は神々しいばかりの光を発し、抑えるその脳髄には民衆が助けを求める声が絶え間なく響いている。本来の彼ならば馬鹿にして笑い飛ばしていただろうそれは、今彼を狂気の縁へと追いやっていた。
「やれやれ、汝が連れて来いと言ったからこのような格好をし、慣れぬ演説を打ってまで連中を拐かしてきたというに」
男の声で呆れたように言う女。二人から扉一枚隔てた場所には、一心不乱に祈る何も知らぬ民衆が犇めいていた。
「いいだろう、今回は己が音頭を取ってやる。有難く思え」
女は扉を開いて民衆の前に姿を見せ、彼女に縋るような姿勢を見せる彼らの前で朗々と美しい女声を上げた。
「デミウルゴス様はお嘆きです。楽園を阻む者を共に打ち倒しましょう! それが我らオラシオンに下されし使命!」
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「こんにちは、ドクター・オロチが出てきました……」
アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)がそう告げる。アポカリプス・ランページが終結してからまだ半年ほど。他のオウガ・フォーミュラたちの跳梁している期間と比べれば異例と言えるほどの速さであろう。
「場所は「メンフィス灼熱草原」の中心部にある『影の城』……名前の通り、影でできたような城です……」
影の城、多くの猟兵には耳馴染みない言葉だが、その言葉を聞いた瞬間表情をこわばらせたものも数人いた。だがそれはそれとし、ドクター・オロチは何度倒しても別の世界で復活を遂げており、彼自身それを前提に倒される事すら恐れていないような言動を見せてもいた。此度もまた一時しのぎにしかならないのでは。その危惧は多くの猟兵が抱くところであろう。
「ドクター・オロチと言えば倒してもまた生えてくるミントのような生命力で有名ですが……どうやらこの影の城にはその根にあたる『コンクリ塊』というものがあるらしく、それを奪取すれば完全撃破も夢ではないようです……最も、それは向こうも分かっているので、急いで隠そうとしていますが……」
今回も逃げる算段は付けているが、一方でそれをついに阻止することもできるということだ。今まで余裕の態度を見せていた相手が本気を出す。それはつまりそれだけ相手を追い詰めているということでもあり、同時に最大級の抵抗をかけてくるということでもある。
「城の中、大聖堂じみた場所で風魔小太郎が変身した『楽園教団教祖・イヴ』という聖職者のような女性が待ち構えています。イヴは本物が率いている教団の信者を騙してUC用の手駒として連れてきているほか、【デミウルゴス・セル】の能力まで持っています……」
デミウルゴス・セル。それはあらゆる攻撃と状態異常に耐性をつける究極の細胞。
「なので、彼と戦うには『ストームブレイド』に類する装備を用いるか、この『偽神細胞液』を注射してください。ただし、これは物凄い拒絶反応があります。激痛、高熱、肉体変化、精神不安……残念ですが、気持ちいい系の変化ではありません。普通に痛い奴です……」
そう言って注射器の束を差し出して来るアレクサンドラ。
「イヴに変身した風魔小太郎を倒せば信者の方は抵抗しなくなるので、ドクター・オロチの所へ行けます……オロチは『魔軍転生』で、『デミウルゴス』を憑装しています……」
己の暗躍した世界のみならず、サムライエンパイアのフォーミュラ信長、さらにクルセイダーの奥義までもを用いてくるということか。
「それでも、完全とは言えないみたいで……オロチは今常に神々しい光を放ちながら、その脳髄に助けを求める民衆の声が絶え間なく響いてそれによって苦しんでいます……性格も抑えきれない力に苦悩するデミウルゴスのようなものになっていますが……そういうのは闇を背負ったお髭イケメンがやったから格好よかったのに……」
つまらなさそうに言うアレクサンドラ。この犬娘割とイケメンが好きらしく、性悪脳髄に真似されているのが気に入らないようだ。
「ただ、戦闘力は偽とは言え神の領域……体から偽神細胞製の水晶剣を生やしたり、聖なる光でのオートカウンターや触れただけでの相手の肉体の破壊を行えます……」
例え己の力を御し切れていなかろうと、それを本来の目的のためぶつけてくるだけの意思はまだ残っている。たとえデミウルゴスに如何な感情を持っていようとも、相手は倒すべきドクター・オロチだということは見誤ってはならない。
「彼も、あちこちで色々お仕事してきてるので、そろそろ退場して欲しい所です……あと、イケメンをパクった罪を償わせてきてください……よろしくお願いします……」
そう言ってアレクサンドラはグリモアを起動し、猟兵をアポカリプスヘルへと送り出した。
鳴声海矢
こんにちは、鳴声海矢です。彼と10年越しの決着を。
『注意!』
今回は5月1日午前中までの完結を目指し、文字数、参加者少な目でお送りする予定です。プレイングを頂いてもリプレイは短めになります。ご参加の場合ご了承の上プレイングをご送信ください。
第一章では『楽園教団教祖・イヴ』とのボス戦。彼女は本物ではなく風魔小太郎が『百面鬼の術』によって化けた存在です。本物が率いている教団『オラシオン』の信者を騙して連れてきているため、召喚系UCではそれを使います。また本来の能力の他【デミウルゴス・セル】(https://tw6.jp/html/world/441_worldxx_ogre11.htm)を使用してくるため、ストームブレイド由来の能力を使うか、『偽神細胞液』を注射し強烈な拒絶反応に耐えながらでなければダメージを与えられません。イヴを倒せば信者は抵抗を止めますが、元々本物が率いる教団の信徒なので放っておくとそこに帰ります。
第二章では『ドクター・オロチwithデミウルゴス』とのボス戦。彼はデミウルゴスを魔軍転生で憑装していますが、彼と同様に自身の力を抑えきれず、神々しい光を放ちながらも自分に助けを求める民衆の声によって狂気の縁に追い込まれています。口調もデミウルゴスのような男性的なものになっていますが、目的や自我を失くしているわけではないのであくまで本来の目的のため行動します。戦闘力はそこそこ高いですが、先制攻撃や特殊ギミックはありません。
シナリオが20本完結した時期により展開が異なり、5月1日午前中まででドクター・オロチの本体奪取可能(完全撃破の可能性有)、5月15日午前中まででドクター・オロチは撃破するも本体行方不明(つまりまたどこかで湧いてくる可能性大)、それ以降で生存中のフィールド・オブ・ナインのうち2体をオロチが持ち帰り、残り1体をアポカリプスヘルに置いていくこととなります。
また、時期に関わらず20回倒せば風魔小太郎は完全撃破できます。
以上、時間がない戦いとなりますが、決して倒せない強さではありません。長きにわたる因縁に終止符を打ちましょう。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『楽園教団教祖・イヴ』
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POW : 召喚:願望の地/我らは叶える、救いの声を
非戦闘行為に没頭している間、自身の【万物の救済】という願いを叶える。【戦場】が【立つ者の願いを限定的に叶える聖域に変化し】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD : 召喚:救済の地/我らは至る、理想郷へ
【Lv×5人の信徒】を【召喚して】から、対象の【楽園へ至りたい】【救済されたい】という願いを叶える【仮初の理想郷】を創造する。[仮初の理想郷]をうまく使わないと願いは叶わない。
WIZ : 召喚:約束の地/我らは齎す、万物の救いを
【Lv人の信徒】を召喚。【皆で楽園へ至る】という願いを【信徒たち】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
イラスト:白漆
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ナターシャ・フォーサイス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
最後まで全力で仕えるとは、忍としては好感持てますし、羨ましいですけどねー。
だからこそ、全力で参りましょう。
偽神細胞液の拒絶反応は、さすがに苦しいですがね…!(激痛耐性で耐えるが、汗がすごい)
信者達は騙されているようですから、それを避けるとなると…このUCですね。
敵は小太郎だけですから、それだけを惑わし、食んでいく霧…そこへ、漆黒風も投擲していきますからねー。
悪霊ってのは、呪う相手を間違えないのです。
仕留めるチャンスというならば、私は全力でやるのですよー。
それが…任務を受けた忍ってものでしょう?
風魔小太郎は言わずと知れた忍者である。彼はサムライエンパイアで敗れた後、このアポカリプスヘルでドクター・オロチに拾われ彼の配下となった。
時折不遜な言葉を吐くこともあれど、最後はその恩に報いるべく彼の命に忠実に従う小太郎。例えオロチが憑装に引きずられ己を失ったような状態になっても見限ることなく彼を支え、動くことも辛くなった彼に代わって計画の音頭を取ってすらいる。
「最後まで全力で仕えるとは、忍としては好感持てますし、羨ましいですけどねー」
のほほんとそう言うのは馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。四人の悪霊が一つとなった存在である彼の中で今顕現しているのは、四人の中で唯一小太郎と同じく忍である『疾き者』であった。
主命を受けた忍は強い。当たり前のように己の命など捨ててくるし、遂行のためなら取り得る手はすべて取ってくる。例えば他のオブリビオンの姿と配下を掠め取り、偽神の細胞を自らに躊躇なく植え付ける彼のように。
「だからこそ、全力で参りましょう」
誰よりもよくそれを知る迅き者は、だから己も手を選ばない。
「偽神細胞液の拒絶反応は、さすがに苦しいですがね……!」
変わらぬ穏やかな笑顔を濡らす滝のような汗が、彼がとった手段のすさまじさを物語っていた。
「御覧なさい。あの者はデミウルゴス様の尊き救いを己一人ものとしようとし、結果その身を滅ぼしかけています。祈りなさい、彼の者への罰を。そして楽園の到来を」
『楽園教団教祖・イヴ』……それに化けた風魔小太郎が、信者たちを扇動し義透に向かわせる。デミウルゴスの力を奪って自分だけのために浸かっているのはむしろ彼の方なのだが、教祖の姿を借り憑装とはいえデミウルゴス当人を降ろしたドクター・オロチを奉じた彼の言葉は信者たちにはもはや疑う余地もないものだろう。
信者たちは膝をつき、一心不乱に祈り始める。敵前にして座り込んで目を閉じるというありえない愚行だが、それを躊躇なくするのも恐るべき盲信の賜物か。その祈りはイヴに注がれていき、イヴがそれを放出すれば礼拝堂じみた影の城の入口ホールに花を咲かせ、鳥を飛ばせた。
それは仮初の理想郷。楽園教団を……あるいはイヴ個人の理想を叶えるために作り出された、彼女に都合よいものだけを受け入れる偽りの楽園。
「祈りなさい。その祈りだけがあなた達を守るのです」
その場でただ祈り続けるよう命じるイヴ。それはこの楽園を維持させることと、それ以上に己のための肉盾とするため。デミウルゴス・セルのあるイヴといえどそれが抜かれる手段があるのは分かっている。なれば、貫かねば届かぬ人の盾を前に敷き詰めればいい。
ただこうして祈らせ時間を稼ぐだけで、偽神細胞液の拒絶反応は義透を苦しめていく。このまま手出しさせず待つだけで己の勝ちよと、イヴの面の奥で風魔小太郎はほくそ笑んでいた。
しかし、内心で笑んでいたのは義透もまた同じであった。
「信者達は騙されているようですから、それを避けるとなると……このUCですね」
楽園の中に放り出される禍々しい黒き玉。そこから黒き切りが現れ、理想郷全体を包み込んだ。
「廻れ廻れ。この霧よ、我らが敵に」
【四悪霊・『廻』】の霧が辺りを染める。それに巻かれた信者たちは怯えたように辺りを見回すが、彼らの目で霧を見通すことなど出来ない。
そしてそれは、風魔小太郎、イヴも同じことであった。
「見えぬ……動けぬ……! 消える、だと……!?」
オブリビオンのみを攻撃する呪詛の霧が風魔小太郎を蝕んでいく。そして信者たちは命は脅かされることなく、異様な切りに巻かれるというその不安だけで祈りを止めてしまう。
「悪霊ってのは、呪う相手を間違えないのです」
此度、本当に滅すべきはイヴに化身した風魔小太郎。その者が最上の忍びであることは知っているが、呪いの霧に紛れれば棒手裏剣『漆黒風』も必殺の暗殺兵器となる。
「うぐっ……ぐぅ……!」
大声を出さぬよう声を噛み殺しながらも、そのダメージに呻く小太郎。
「仕留めるチャンスというならば、私は全力でやるのですよー。それが……任務を受けた忍ってものでしょう?」
この一戦のみではない。風魔小太郎、そしてドクター・オロチという存在を仕留める千載一遇のチャンス。それを必ずなすべしという任を負った猟兵であり忍の黒風。
その嵐が止むとき、偽りの楽園は容易く消え全身に深手を負った風の魔が姿を見せるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ジョウ・クロビス
アドリブ・絡みOK
『偽神細胞液』を注射し、熱や痛みに耐えつつ攻める。
細い枯れ木で出来た王冠や大小四枚の蛾の羽を生やしたウィッチクイーンとしてのサソナを呼び出す。
信者を欺く囁きを繰り出す一方でエニグマを手に標的を狙う。
「楽園も理想郷もあの存在の前に深淵に溺れる」
サソナの言葉に遠い日の敵を思い出すがすぐに切り替え討伐に集中する。
「お前はあの日から変わっていない。罪の意識がお前を動かすのか?」
闇の魔力を球として撃ち出すノヴァボム、放電や複数の炎の剣を投擲しての攻撃を行う。
「何と恐ろしい。彼らはデミウルゴス様のお慈悲、お力を奪うだけでなく、我らの楽園を破壊しようとさえしています」
猟兵の襲撃を、そう表すイヴに扮した風魔小太郎。元より信者たちは本物のイヴの教えを盲信している者たちであり、たとえ相手が猟兵であってもイヴが指示すればその敵となることに躊躇はない。
催眠術のような一時的なものではなくその思想への心からの傾倒だが、彼らが一般人であることに変わりはなく猟兵には彼らを傷つけないよう戦おうとする者は多い。それも当て込んで、風魔小太郎はわざわざ本物の所から彼らを連れだしてきたのだろう。
ジョウ・クロビス(暗黒時代を知る者・f37038)もまた、そのように戦おうとする猟兵の一人。彼は信者たちを傷つけず無力化するため、【守護者召現】で一人の存在を召喚する。
呼び出されたのは細い枯れ木で出来た王冠や大小四枚の蛾の羽を生やしたウィッチクイーンとしてのサソナ。魔女の女王という女性的な側面を強調しているのは、枯れ木かミイラの如き外見が原因で別のドクター・オロチに老爺と間違えられたせいだろうか。
サソナは攻撃をするわけではなく、ただ祈りを捧げる信者たちに顔を寄せて囁く。
「楽園も理想郷もあの存在の前に深淵に溺れる」
それは得意とする欺瞞であり、また同時にイヴに盲従した果てに訪れるだろう紛れもない真実。今ここにいる風魔小太郎が変じた偽物はもちろん、例え本物に付き従い続けてもその先に人のいられる楽園があるものだろうか。
ユーベルコードによって与えられた幻惑に、一般人の信者が抵抗できるはずもない。祈りは惑い、仮初の楽園の形は作られることなく崩れていく。その一方で、ジョウは一方で『エニグマ』を手に標的を狙っていた。
「所詮楽園などという戯言につられる連中か……」
イヴに化けた小太郎は舌打ちをし、惑う信者たちを見る。だが、その向こうで構えるジョウもまたその集中は微かに乱れていた。
「お前はあの日から変わっていない。罪の意識がお前を動かすのか?」
サソナが信者に言う幻惑を自分に重ね、遠い日の敵を思い出す。だが、前を向けばイヴは杖を杖術でも用いるかのように構え、こちらを攻めようとしている。彼は本来幹部級のオブリビオンであり伝説の忍者。武術の一つや二つ修めていてなんら不思議はない。
瞬時に信者をすり抜け、闇の魔力を球として撃ち出すノヴァボム、放電や複数の炎の剣を投擲しての攻撃でイヴを攻める。
信者を盾にし、祈りを糧に奇跡を起こすイヴは直の殴り合いには弱く、風魔小太郎の地力を活かせず押し込まれていく。
「く……汝も、何かに縋ればよかろうにな……?」
戦いで押されても、心を揺さぶれば次の手を誤らせられよう。さすれば主の勝利が少しでも近づく。忍びらしく身を捨てたその抵抗がジョウに刺さっているのか、それはまだ分からなかった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
大変な状態では有りますが、やってみますぅ。
『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアと『FXS』の結界を展開しますねぇ。
そして『召喚』に没頭する教祖さんを無視、扉や窓から『城』へ突入する様に見せましょう。
『教祖を無視してオロチさんを倒す』動きを見せ、それを気にしたり妨害の為の攻撃を行えば『非戦闘行為への没頭』は解除されますぅ。
後は【磨寶】を発動すると共に『偽神細胞液』を摂取、強化した『FXS』による治癒で『細胞』によるダメージを軽減しつつ、『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]、『FGS』の重力弾に『FBS』の斬撃を併せ、交戦可能な間に一気に叩きますねぇ。
風魔小太郎はドクター・オロチの命を受け、様々なオブリビオンに変じ彼を守って来た。それは時には大集団に分身し、また時には強力なボス級となって猟兵の前に立ちふさがった。夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はその風魔小太郎の変化と数多く戦ってきたが、今回はこれまでの敵とは決定的に違うことが一つあった。
「祈りましょう。祈りだけがデミウルゴス様を安らがせ、我らを楽園へと導くのです」
本物の『楽園教団教祖・イヴ』の下から連れ出してきた彼女の信者たち。それをユーベルコード用の手駒として、あるいは猟兵に攻撃をためらわせる肉盾として戦場に並べていたのだ。
「大変な状態では有りますが、やってみますぅ」
オブリビオンの信徒とはいえ一般人。無暗に攻撃するわけにもいかない状況を厄介と思いつつも、るこるは飛行の構えを取った。
「祈りは邪悪なるもの全てを遠ざけます。さあ、祈るのです」
それに対し、イヴはただ祈れとだけ信者たちに命じる。それに従い信者たちが一心不乱に祈ると、荒廃した大地に急速に草花が生え、突如として楽園の如き様相へと変じた。
これはその中にいる者への一切の攻撃を遮断し、さらに限定的ながらその願いさえかなえる偽りの理想郷。あるいは本物のイヴはこの力を持って奇跡を騙り、この信徒たちを集めたのか。
もちろん風魔小太郎はただ無暗に殻に閉じこもったわけではない。デミウルゴス・セル唯一の弱点である偽神細胞液の存在は彼も知っている。そして、それが命さえ脅かしかねない強烈な拒絶反応を伴うことであることも。
それ故、デミウルゴス・セルとは別の手段で攻撃を遮断しただ待っていれば相手は勝手に倒れていく。恥も外聞もないが、そのような下らぬものに一切拘泥しない忍にとってはこの上なく効果的な戦法。
それに対しるこるがとった手段は、この上なく単純であった。
「それでは、さようなぁ」
そのまま飛んで、先へ進む。このアポカリプスヘルで、さらにはサムライエンパイアでも、この様な手段を取る者はいなかった。
実の所、それは当然である。倒せと指示された敵を無視して先に進むこと、それは猟兵として絶対にやってはいけない禁則事項なのだ。グリモアの予知はある程度順当に事が進むことを前提に事件の情報を伝えている。倒すべき敵を倒さないなどそこから大きく外れる行動をとれば、予知は大きく揺らぎ先の情報が全てご破算になる。それはボスの逃亡や被害の拡大など、単なる依頼失敗では済まない事態を引き起こしてしまい、それ故に依頼に参加した上での背任行為や過剰な独自行動は固く戒められていた。
もちろんるこるもそれは知っている。だから、この行動はあくまでポーズ。移動速度も目で追える緩やかなものに留めているし、わざわざ相手の頭上を飛び越えている。
だが、小太郎は当然ながらそんなグリモアの仕様など知らない。そのまま城の奥へ進んでいこうとするるこるに、思わず祈りの姿勢を解きそれを目で追ってしまった。
そしてそれこそがるこるの本当の狙い。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、荘厳なる神意の宝玉よ、私の元へ」
攻撃遮断が切れた、その瞬間に、るこるは【豊乳女神の加護・磨寶】によって強化された兵装で一気に攻撃をかけた。いかに風魔小太郎が冷徹な忍びであろうと、虚を突かれた上強化された攻撃を纏めて浴びたとあっては悠長に再び祈っている余裕などない。
「こんな単純な手に……!」
小太郎は相手の罠に引っかかってしまったことを悔やむが、るこるの方とて実は余裕があるわけではない。偽神細胞液を注射している以上その全身は拒絶反応に苛まれている。兵装の強化は3分限り。連続使用を可能にしてはあるが、拒絶反応を抱えた状態でその代わりに得た強烈な反動に耐えられる保証はない。さらにこの先には、まだドクター・オロチが控えているのだ。
冷静沈着な忍びが見せた意識の綻び。そこに与えられた三分間を全て捻じ込むかの如く、るこるは重力で戒めた相手に砲撃、斬撃、爆撃を徹底的に浴びせるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ベアトリス・ミラー
華澄と行動
アドリブ・絡みOK
筋肉質になったり肥満になったり様々な肉体変化を起こしつつも対峙する。
『お前の力は私に似ている。相手を模倣するなぞ造作もなかろう』
狡猾と欺瞞の邪神の言葉を振り返りかき集めていた情報でデミウルゴスを創り出す。
敵の無力化を優先する。
藤宮・華澄
ミラーと行動
アドリブ・絡みOK
ミラー共々かなりの筋肉質や肥満化などの肉体変化になりながらも対処するがラヴェンツァに任せることになる。
「これは」
ラヴェンツァの身に変化が起き大人の姿になり背にライフル、脚にリボルバーを納めテンガロンハットなどガンナーへと変化する。
考えを後にしてクイックドロウや早業による射撃を行い煙幕による目潰しで信徒たちの動きを抑制。
「……約束、まだですよね」
溶けかかったリボルバーを取り出し天に掲げ炎の銃にして標的に狙いを付けてクイックドロウによる射撃を行う。
偽神細胞液、その副作用は痛みだけではない。時に肉体そのものを変えてしまうことすらあるのだ。
実際それを示すかのように、藤宮・華澄(戦医師・f17614)とベアトリス・ミラー(クリエイター・f30743)は筋肉質になったり肥満になったりと様々な変化を絶え間な繰り返していた。
「愚かにもデミウルゴス様のお力を奪おうとした愚者の末路です」
風魔小太郎が変身したイヴが馬鹿にしたように言うが、それでも対峙する二人。
もっともすでにまともに動ける状態ではないのも確かな事。それ故に得意とする召喚術で呼び出した者に相手を任せることと下。
「これは」
華澄が呼び出したのは【蒼き旅人】ラヴェンツァ。だが、その姿は己の知るものではなく、大人の姿になり背にライフル、脚にリボルバーを納めテンガロンハットなどガンナーへと変化していた。
その姿に相応しく、素早く抜き打ちにした拳銃を足元に撃ちかけて信者たちに脅しをかけ、さらには煙幕をばらまいてその視界を塞ぐ。
元々戦闘力など対してない信者たちは容易にそれに惑い、慌てふためく。祈りそのものを止めさせることでユーベルコードの維持が難しくなれば、嫌がおうにもイヴ自身が動かねばならない。
そこにさらに今度は当てるつもりの射撃を素早く連射し、溶けかかったリボルバーを天に掲げ炎の銃に変化、強力な射撃を撃ちかけることでダメージの積み増しを狙った。
「下らぬ真似を……!」
信者たちの耳目が塞がれ、己自身の口調で言う風魔小太郎。そこにさらにかかる者が現れた。
「偽物には偽物を」
狡猾と欺瞞の邪神の言葉を振り返りかき集めていた情報をもとにベアトリスが【神世創造】で作り上げたデミウルゴス。それは聖なる光を体から漏らしながら苦しむようなそぶりを露にしつつも、偽神細胞で作り上げたような武器を振るいイヴへとかかる。
「払うのは容易いが……面倒な」
ベアトリスはデミウルゴス本人との交戦経験はない。それ故想像に限界はあり無敵の精度は低く、風魔小太郎としての力をもってすれば掻き消すのは容易い。だがイヴ自身がデミウルゴスを攻撃する姿を見せるのは信者の統制にまずいと、一瞬の躊躇が生まれる。
結局ラヴェンツァが張った煙幕に紛れ何とかデミウルゴスを押し返す風魔小太郎だったが、焦り故にそれは不完全、彼自身が何かしらの効果を出せたとは言い難い。
結局二人が偽神細胞液による拒絶反応の限界を迎えるまで、イヴは何ら効果的な行動をとれず無為に時を潰すだけとなるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ
『愛の想起・妖狐桃源郷』で123人の妖狐忍が
同性も虜にする美貌、淫技、精気吸収で信徒達を無力化
部下を隕石に変えて自爆特攻させた男が救いを語るとはね。
お前に興味は無いけど
本物のイヴに備えての予行練習かつ保険として
その力と身体をいただくわ
偽神細胞液の拒絶反応に【毒耐性・激痛耐性・気合い】と
守護霊の【ドーピング】での強化と【鼓舞】で耐え
豊富な【戦闘知識】で肉体変化も利用
例:下半身が蛇になっても【ダッシュ】からの【怪力・捕縛】
上手に化けられてるか見てアゲル♥
【念動力・解体】で裸にして
男でも女でも媚毒の【呪詛】唾液を帯びた舌で股間を
指で胸を【慰め・生命力吸収】しつつ【催眠術】で雌堕ち♥
風魔小太郎はイヴに化けた際、彼女の信者たちをわざわざ騙してまで連れてきた。その気になれば自分の分身にその役目を任せることも容易いはずだが、あえてそうすることで一般人を盾にするという戦法を使えるようにするとともに、賛同者の数や祈りを基にするイヴのユーベルコードの精度を高める目的もあった。
没頭や真剣さを元にする力を使うのだから、それは正しい判断を言えよう。所詮能力目当てで化けている小太郎自身では、己を殺すことは出来ても盲目的な狂信には至れまい。
だが、それは一方で一般人としての弱さもそのまま持ってきてしまうということになる。それを示すように、彼の目の前で信徒たちに多数の女妖狐がまとわりついていた。その妖狐たちは男女構わず体を擦り付け、性的魅了をかけて信者たちを誘惑している。
「何処の手の者か……離れよ!」
小太郎としてもイヴとしても不自然でない台詞を吐きながら、その妖狐たちを杖で打ち払おうとするイヴ。個体ごとはさして強くないのか一撃で跳ね除けられるが、数が多く全てを払いのけるには到底時間が足りない。
「部下を隕石に変えて自爆特攻させた男が救いを語るとはね」
そしてそれ以上はさせぬと彼女たちを差し向けたドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が小太郎に声をかけた。
「隕石落としの術のことか? あれは移動にも良い故な。それにこの世界には妙に相性が良い」
サムライエンパイアやフィールド・オブ・ナインを独自に探していた時にも強襲手段として用いていた『風魔忍法隕石落とし』。集団型オブリビオンを固め砲弾として着弾させて敵地を破壊し、その後分散させて制圧させるという移動と攻撃を兼ねた術。オブリビオンも着弾自体で死ぬわけではないが、言ってみれば文字通りの鉄砲玉にする術だ。
「お前に興味は無いけど、本物のイヴに備えての予行練習かつ保険としてその力と身体をいただくわ」
異形の男である風魔小太郎はドゥルールの救済対象に入らないが、彼の化けるオブリビオンには必ずどこかに元となった本物がいる。その本物との邂逅や、会えぬまま宿縁を切られた時の事を考えドゥルールは風魔小太郎へと向き合った。
「己をこの女の代替としてしか見ぬか。だがその身、いつまで持つかな」
自分に向かってくるということは偽神細胞液を注射しているということ。ならば相手の動きも鈍ろうし、時間をかける程こちらが有利。
その考えの下守り主体に動こうとするイヴ。実際ドゥルールは今もその拒絶反応による激痛に苛まれている状態であり、それを己の体制で何とか抑えて戦っている状態だ。
「やれ、動きが鈍いぞ。己を捕らえるのではないのか」
余裕で歩きかわすイヴ。その前で、今度はドゥルールの下半身が蛇の如く変じた。意図してやったわけではない変化故、バランスを大きく崩しその場に手を突くドゥルール。
体を持て余し蹲る……そう見えた瞬間、突如として蛇の下半身をうねるように動かし高速でイヴの体に組み付いた。
「何!?」
「ラミアなんてお色気妖怪の定番よ」
多くの女性型オブリビオンと関わったドゥルールは、そう言った魔物の体を持つ者に対する知識もある。知る範囲の肉体変化ならばむしろ変身能力としてとっさの利用もできよう。そのまま人の上半身が変わらぬうちにと強引にイヴに組み付き、その衣服を剥がす。
「上手に化けられてるか見てアゲル♥」
その裸体がどちらの性か確かめてみれば、見た目は完全に女。あるいは『そう言った』任務は忍であれば想定済みということか。
「かか、我が風魔忍法百面鬼を甘く見るな」
これで相手も容易に籠絡できようと余裕を持つ風魔小太郎。だが、籠絡そのものは出来てもそこから持ち込まれるはドゥルール得意の型。
体を繋ぎ、そこから生命力を吸収する。奇しくもその生命は偽神細胞液の拒絶反応で大きく削がれている。いくら吸っても足りぬし、下手をすれば吸った端から漏れ出ていきかねない。デミウルゴス・セルを貫く吸収で、相手の命を吸い上げるドゥルール。
元々肉体面は頑健とは言えないイヴに化けたこともあり、存外早くその生命力は吸いきられる。
「うまく化けたと思うたが……うまく行き過ぎたか。仕方なし、何処へとも散れ」
最後に信者たちを手放すようなことを言い、風魔小太郎は消滅した。そしてその奥には、聖堂にも似た部屋への扉とそこから漏れ出る眩しい光……
大成功
🔵🔵🔵
天堂・美亜
「っ、この人たちは騙されてるだけで……」
信者に囲まれ苦戦
致命傷にならないよう一人ずつ気絶させますが、召喚に全く追いつかず……
UC(無自覚に発動)で信者を煽ってしまい、夥しい数の信者に囲まれて嬲り者に
「いやっ!触らないで!」
振り解いても次から次へと組みつかれ、身体を触られ揉まれ集中を乱した隙に弄られ、じわじわと甚振られます
疲労と羞恥に力尽き、組み伏せられた後は衣服も無理矢理脱がされ……
教団に逆らう者として晒されながら、身体を弄ばれ、溜まった鬱憤、情欲を注ぎ込まれ、徹底的に辱められます
「もう、許して……」
偽の教祖が倒された後は、信者にそのままお持ち帰りされてしまい、更なる恥辱の地獄に落とされます
風魔小太郎は倒れ、ドクター・オロチへの道は開かれた。すでに猟兵たちはそちらへ向かい、後には小太郎が連れてきた信者たちだけが残されていた。
元々オブリビオンであるイヴが率いる教団の信者である彼らは、猟兵を敵だと思っている。その前に、天堂・美亜(人間の翔剣士・f33199)が現れた、
「っ、この人たちは騙されてるだけで……」
既に小太郎は倒されいない。だが、あくまでイヴの姿と弁舌を持ってここに連れてこられていた信者たちはそれに連座して消えたり正気に戻るわけではない。ただ、姿を消した教祖の教えのまま、敵である猟兵に襲い掛かっていた。
「いやっ! 触らないで!」
振りほどくが、それでも何度も執拗に襲い来る信者たち。元より救済されることを目的にイヴについて来ていた彼らはそこまで攻撃的な性質ではないはず。ならばこれはなにゆえか。
美亜が無自覚に振りまいている【被虐の呪い】。それが信者たちを刺激し、美亜に群がらせていたのだ。奇しくも先に色仕掛けで籠絡され動きを止められていたこともあり、特に男性信者たちの動きは荒々しい。
そこからぶつけられるのは、知らぬ地に置き去りにされた鬱憤や足止め目的で半端に溜められた欲。
じわじわと甚振られ、疲労と羞恥に力尽き、組み伏せられた後は衣服も無理矢理脱がされ、そしてそこからは。
教団に逆らう者として晒され、生贄のように無残な体を掲げられる美亜。本来そこまで狂暴ではないはずの信者たちがこうまでするのは、偏に彼女自身の特性ゆえか。
「もう、許して……」
泣けど叫べどそれを聞き入れるつもりはない。なぜなら美亜自身が彼らをそう仕向けてしまっているから。
そのまま美亜を十字に張り付けし、何処かへと移動しだす信者たち。本物の教祖イヴは信者を呼び出すユーベルコードを持っている。それが導きとなってか、恐らくは本当の拠点へ帰るつもりなのだろう。さしずめ美亜は、戦利品の『お持ち帰り』と言ったところか。
その体質もあって戦況への貢献は一切できなかった美亜。だが、その存在が無意味ということは決してない。信者たちは無法の荒野を渡り、本物の教祖の下へ帰ろうとしている。そしてその道のりは、ただ教祖に縋って救済を願うだけの彼らには本来ならば過酷すぎる道だ。
だが興奮の元である美亜を担いだ状態なら、本来の己を失いながらも猛進していけよう。無法の荒野を貫くのに必要なのは柔和な信心ではない。獣の力なのだ。
持ち帰られた先に如何な地獄が待ち受けているかは分からない。だが結果として見れば、美亜の存在はこれより激戦が起こる影の城から信者を遠ざけ、彼らに元居た場所に戻ることを促すことができたのであった。
苦戦
🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『ドクター・オロチwithデミウルゴス』
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POW : 偽神水晶剣
任意の部位から最大レベル枚の【偽神水晶剣(偽神細胞と融合した水晶剣)】を生やして攻撃する。枚数を増やすと攻撃対象数、減らすと威力が増加。
SPD : クルーエル・セイント
状態異常や行動制限を受けると自動的に【聖なる光のオーラ】が発動し、その効果を反射する。
WIZ : デミウルゴス・ポリューション
【指先】で触れた敵に、【強毒化した偽神細胞の侵食】による内部破壊ダメージを与える。
イラスト:みやこなぎ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ジョウ・クロビス
ミラー、華澄と行動
アドリブ・絡みOK
エニグマを手に近接攻撃を仕掛ける。
覇気と闘争心が合わさり恐怖を与える程の気を纏って二回攻撃から相手への弱点攻撃で攻撃力が上がるパーツであるクラニアム・スパイクを取り付けたデッドラインへと持ち替え狙い撃つ。
追い詰めたら再びエニグマへと持ち替え突きから石突部分での打撃、斬撃と早業の連撃を繰り出す。
ベアトリス・ミラー
ジョウ、華澄と行動
アドリブ・絡みOK
ジョウや華澄を多数創り出し分散を狙う。
迷彩で隠れつつ熾天使の眼差しによる範囲攻撃の一撃を狙う。
集団戦術や瞬間思考力によるアシストも行う。
藤宮・華澄
ジョウ、ミラーと行動
アドリブ・絡みOK
ラヴェンツァを呼び出し先程と同じく銃撃に回る。
援護射撃をメインに動きつつ攻撃を仕掛け、相手の動きの妨害をメインに動く。
目立たないように動きつつ、射撃して追い込む。
猟兵たちによって『楽園教団教祖・イヴ』に変じた風魔小太郎は倒され、彼が連れてきた信者たちも元居た場所へ戻った。
そして戦場となった聖堂のような場所から扉を抜けて奥。そこには光り輝き蹲る小さな何かがいた。
「黙れ……俺に縋るな、俺を崇めるな……!」
来訪者にも気づかず言うそれは紛れもなく猟兵にとっての長年の大敵、ドクター・オロチ。だが、普段から他者を嘲笑し愚弄する彼が、今はその脳髄を抑え心底苦しそうに呻いている。
これは彼が魔軍転生にてデミウルゴスを憑装した結果、その抱える苦悶まで受け継いでしまったからのなだが、ジョウ・クロビス(暗黒時代を知る者・f37038)はそれに構わず『エニグマ』を持ってつき込んでいく。
「触るな! 俺に……!」
それを打ち払うように、ドクター・オロチは片手で脳髄を抑えながらもう片方の手を振り回す。そこからは水晶を削りだしたような剣が長く伸び、エニグマを打ち払った。
さらにそこから大きく突き出し反撃を狙うが、それは割って入った者が邪魔をする。
「これが私の力です」
ベアトリス・ミラー(クリエイター・f30743)が【神世創造】で作り出したこの場にいる者たちの分身。風魔小太郎や他のドクター・オロチとの戦いでも用いたそれはやはり条件の相違から無敵を維持できず簡単に突き倒されるが、乱れ通しのドクター・オロチの意識を攪乱するには十分なほどだ。
そして偽物がばらまかれたということは、その中には核になる本物も混じっているということ。
「行きましょ、ラヴェンツァ!」
藤宮・華澄(戦医師・f17614)が【ラヴェンツァ】と共に遠方から銃を撃ちかける。それに合わせ偽物たちも同じような行動をとり、どの方から銃弾が飛んでくるのかを分かりづらくさせていた。
そうしてドクター・オロチの体を穿つ銃弾。だが、それが数発当たった所で、突如として彼の体から溢れる光が強くなり、それは物理的な力までもって銃弾を弾き返した。
「邪魔をするな……俺にも止められない……!」
本人にも制御能わぬ聖なる光のオーラが、ドクター・オロチが銃弾によって動きを抑えられたことをきっかけに発動していた。
行動制限に対しては彼の能力ゆえに効果は薄い。そしてそれならばと、ジョウが主体となって直接ダメージを与えるような攻撃に切り替えていく。
行動阻害ではなく人体ならば明確な急所を、『デッドライン』での狙い撃ちにするジョウ。その弾丸にも水晶剣を振り回して防御を計るが、攻撃力強化パーツをつけたその一撃はやみくもな振り回しで押し返せるものではなく剣が弾かれ腕が持ち上がった。
そこに再度華澄とラヴェンツァが共に撃ちかける。行動阻害を目的にすれば本人の意思と関係なくオーラの防御が張られてしまう故、今度は同じ様に急所狙いでの殺意をこめた一斉射撃だ。
周囲に現れた集団にもそれに呼応するような動きをさせつつ、ベアトリスもまた『熾天使の眼差し』を広範囲に撃ちかけた。
「俺に……群がるなあっ!!」
ドクター・オロチの全身からまるでその体を食い破るように多数の水晶剣が生える。それは偽神細胞の力ゆえか広範囲のビーム照射までもを打ち払い、自身への接触を拒絶した。
だが、その狙いを定めない広範囲の振り回しは確かに明確な隙を生む。
「読めた」
ジョウが再びエニグマを構え、一突きした。ドクター・オロチはそれを手の水晶剣で何とか払うが、その勢いで武器を回転させ今度は石突での打撃がその体に打ち込まれる。それで体勢が崩れたところに強力な斬撃という【暗殺者の戦術】による連続攻撃に、ついにドクター・オロチの体に深い傷が刻まれた。
「ぐあああああっ!」
絶叫し、体を抑えるドクター・オロチ。その姿は、偽神を降ろした彼が決して傷つけ得ない存在ではないという証であった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
時間を掛けられる状態では有りませんねぇ。
『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアで守りを固め、『FXS』の結界で『細胞液』の悪影響を軽減しますぅ。
『水晶剣』を長く伸ばし此方を狙うなら、『長さ』の分『重力』の影響を受け易くなりますので、『FGS』の重力波で『角度』を偏向させ受け流し、数を増やすなら更に重量は増えますので、上に回避しつつ下に押え込めば良いですぅ。
そして【処檻】を発動、『超重力空間の檻』に捕えますねぇ。
饒舌且つ多数の配下を抱え、何度も現れているオロチさんなら『会話したオブリビオンの数』は相当な物でしょう?
『F●S』各種による[追撃]も併せ、確実に削りますぅ。
魔軍転生、それは古のオブリビオンを自らの体に憑依させ、装備として用いるものである。使用者によってどう降ろすかは異なり、例えば織田信長は力だけを抜き出し自分の良いように使い、クルセイダーは一つの霊を同時に無数に召喚し、己ではなく他者に憑依させていた。そして今ここにいるドクター・オロチはというと、自らの体に降ろすのは信長と同じだが、力だけでなくその精神、さらには肉体までそれに引っ張られ変容する形となっていた。
それは確かに不完全な憑装と言えるかもしれないが、降ろした相手の特徴を丸ごと受け継いでいるとも言えた。
「時間を掛けられる状態では有りませんねぇ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はデミウルゴスを宿した今のドクター・オロチをそういう相手だと判断する。無敵の細胞デミウルゴス・セルはその名前通りデミウルゴスの細胞。それの塊も同然の相手になっている可能性すらあり、それ自体は先に打った偽神細胞液で貫けるもののその影響は未だ重い。
「なら帰れ……俺に、触るな……!」
自身の頭の中に響く声に苛まれる今のドクター・オロチは、外からくる相手にまでかかずらっている余裕は全くない。来訪者を早々に追い払おうと、ドクター・オロチは自身の体から水晶の剣を生やして突き出した。
その鋭い一撃を、とっさに飛行して躱するこる。一本だけ出したその剣の威力はすさまじく、念のため張ったバリアを容易く貫くほどだ。
宝貝の効果で多少なりと軽減をかけているとはいえ、偽神細胞液の拒絶反応で弱った体にこれを受けてはまずい。そうならないようにと、その剣を封じる手段に出る。
「大いなる豊饒の女神の名に於いて、仇なす者達に厳格なる裁きを」
【豊乳女神の加護・処檻】の波動を当て、重力の檻にドクター・オロチを捕らえる。その内側から棘を生やしてドクター・オロチが刺し貫かれるが、オロチはそれ自体に身じろぎする様子はない。
「頭が……頭がっ……!」
内側から自らを苛む苦痛に比べればこの程度何でもないというのか、さらに水晶剣を伸ばして強引にるこるを貫こうとするオロチ。その剣の切っ先に対し、るこるは重力制御装置『FGS』を差し向けてそれを逸らす。
長く伸びた水晶の剣はそれだけバランスが悪く、折れ曲がりやすい。体を拘束されている上苦しみに藻掻いているドクター・オロチにとっては余計に取り回し辛く、狙いが定まらなくなってしまう。
「離れろ……俺から……!」
今度はその剣を引っ込め、体中から無数の剣に代えて突き出すオロチ。それは自らを戒める棘とぶつかりそれと相殺するように押し返していく。棘の戒めから逃れたドクター・オロチだが、それでも重力からは抜け出せない。
「饒舌且つ多数の配下を抱え、何度も現れているオロチさんなら『会話したオブリビオンの数』は相当な物でしょう?」
檻の効果は対象の強さとこれまで話したオブリビオンの数に比例する。強すぎるオブリビオンならその戒めすら自らの力で突っ切ることも可能だが、今苦しみ続けているドクター・オロチにそれは難しい。さらにはるこるのいう通り、ドクター・オロチはオブリビオンとしてだけでも三年の間多くのオブリビオンと関わってきたのだ。あるいはこれがデミウルゴス本人なら、一方的に助けを求める声を押し付けられるだけでまともな会話など碌にしたことがなかったかもしれない。しかし彼はあくまで憑装として降ろされているだけ。今戦っているのは紛れもなくドクター・オロチなのだ。
そうして戒めを抜けきれないオロチを、るこるは兵装を差し向け攻撃していく。
「俺を……解放しろ……!」
知りもしないデミウルゴスの苦悩。それに苛まれながら、ドクター・オロチは動くことなくその場で体を削られて行くのであった。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
引き続き『疾き者』にて
まだ『偽神細胞液』の激痛は耐性で凌ぐ
ええ、ここで逃がしはしませんともー。これも任務ですからねー。
最後までやりきるが『私』の役目。
しかし、かなり変わってますね、ドクター・オロチ。
おそらく、近づくと危険ですねー…。できれば、離れた位置より漆黒風をUCつきで投擲、足やその水晶剣を破壊していきましょう。
防御は、内部三人が四天霊障での結界やってるんですが。三人にも激痛いってる関係で、たまに制御外れてるんですよねー…。
ええ、制御外れても、せいぜいがドクター・オロチへの重量攻撃か、地形破壊程度になるとは思うのですがー。
持ち主たる『私たち』には、どういこうとプラスなんですよねー。
偽神細胞液、それは人工の神であるデミウルゴスの細胞を元に、それを無効化する薬として作られたもの。それは救いの神を自ら作るという大いなる傲慢の結果に対抗する力。
だが、それもまた人の身に耐えられるものでは本来なかった。偽神細胞は討つ者と討たれる者、双方を苛む苦悩の毒として互いの潰し合いを助長していた。
「ええ、ここで逃がしはしませんともー。これも任務ですからねー。最後までやりきるが『私』の役目」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一人、忍である『疾き者』もまたその苦痛に耐えながら、しかし口調と表情は決して変えない。苦しむ姿を見せるのは、それだけで相手に自分を見透かし付け入る隙を与えるのと同じことなのだ。
「しかし、かなり変わってますね、ドクター・オロチ」
そう、目の前でその偽神を降ろした末その苦悩に飲み込まれた大敵のように。
だが、敵はそれと引き換えに絶大な力を得ている。それと真っ向からやり合うのはのは得策ではないと忍の勘が告げていた。
「では、まずはこうで」
遠間から棒手裏剣『漆黒風』を投擲する義透。それは偽神細胞液に耐えているとは思えぬほどに精密に相手を狙うが、ドクター・オロチもまた乱雑に水晶剣を振るってそれを叩き落とした。
「俺に触るつもりがないなら……なぜ放っておかない……!」
触るつもりはなくても倒すつもりだから、などと言って聞いてくれそうにもない。ここまで精神的に追い込まれている相手には言を弄するのも無意味だろう。ならば、その追い込まれた揺らぎを利用するのみ。
「さてー、参りましょうかー」
義透は次々と漆黒風を投げつけるが、それに対しては全身から次々に水晶剣を生やし対抗するドクター・オロチ。本数の分だけ剣の殺傷力は落ちるが、飛び来る手裏剣を叩き落とすだけなのだからこれで十分だ。
次々と撃ち合う水晶と棒手裏剣。数そのものはレベルに依存することもあり水晶剣の方が多いだろう。だが、それはドクター・オロチの精神状態故に来る方に大まかに当たりをつけて雑に伸ばすだけ。それでも落とせてしまうのは凄い所だが、一方でこれぞと狙って精度は義透の方が勝る。
「……いい加減に……!」
繰り返される打ち合いに焦れたようにドクター・オロチが言う。彼にとっては何もしないだけでも苦痛にさいなまれる状態なのだ。それを早々に終わらせようと、残る力を一本の剣に集めて踏み出し突かんとした。
だが、その瞬間にその足が大きく沈む。
「……そこですねー」
義透が最も狙った部分、それはドクター・オロチの『足』であった。一度大きく体勢を崩せば、そこに【四悪霊・風】の必殺の一撃を入れられる。
今こそその時と、義透は相手の頭部に狙いすまして一投を放った。
「俺の苦しみ……分かるか……!」
だが負けじと、ドクター・オロチも水晶剣を強引に突き出す。投げたものと突いたものがすれ違い、そして。
「持ち主たる『私たち』には、どういこうとプラスなんですよねー」
防御の幕のない義透の足に、水晶剣の先端が突き刺さった。正確に言えば防御を捨てていたわけ手はない。『四天霊障』を残る三人に任せ、結界として防御していたつもりだった。
だが、偽神細胞液が『馬県・義透』を侵している以上、三人もそれと無関係ではいられない。制御を外れた仲間たちは、それぞれの得意をドクター・オロチに向けて振りまいてしまった。四天霊障は霊障……本質的には『武器』なのだ。
だが、その振りまかれた武器は結果的にドクター・オロチに届き、より深いダメージを与えた。『疾き者』としては傷を受けることとなったが、彼の言う通り『義透』にとっては総合的には良い結果となったのだ。
翻ってドクター・オロチは。
「これほどが刺さっても……まだ、消えないのか……!」
脳の真ん中に深々と突き立つ棒手裏剣。崩れた体勢から致命的な個所に突き刺さったそのダメージは義透が受けたものの比ではない。だが、それでも脳に流し込まれる声は消えぬのか、ドクター・オロチは傷以上のものに頭を抱え蹲るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
過度なグロ×
WIZ
私の目的は果たしたけど
グリモア猟兵がデミウルゴスを気に入ってるようだし
憑装を奪って手土産にしましょ
守護霊の【ドーピング】による強化と
【毒耐性・激痛耐性・気合い・戦闘知識】で引き続き
偽神細胞液の拒絶反応や肉体変化に対応。
【見切り・カウンター・念動力】で相手の指をへし折り
蛇化の進んだ体で【怪力・捕縛】
【化術】で桃髪の美少年に変え【生命力吸収】
憑装を【盗み】オロチの人格が表に出て
命乞いしてきたら救済
貴方、惨めに足掻く奴らを安全な場所から嘲笑するそうね?
まぁいいわ。私に協力するなら貴方も救ってあげる
騙し討ちを企んでも【第六感】で察知し
上空に【投擲】して『必殺・対消滅閃』で終わり
のたうち、苦しむドクター・オロチ。その原因となっているのは彼に憑装したデミウルゴスである。だがそうだからと言って、憑装を手放すつもりは彼には無い。
「私の目的は果たしたけど、グリモア猟兵がデミウルゴスを気に入ってるようだし憑装を奪って手土産にしましょ」
ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はその元となっているものを奪ってくれようと彼の前に立った。もちろん親切心などではなく、自分で言う通り風魔小太郎……正確にはその変じたイヴと戦ったついでの土産作りが目的だ。
「奪えるものなら奪ってみろ……後悔するぞ……!」
様々なものを集め、殺し、作って来た彼でさえ御しかねる魔軍転生、それを猟兵ごときが真似できると思うなと、あくまで自我は保ったままのドクター・オロチは言う。
そのオロチは、今までと違い県ではなくゆっくりと液体の滴る手を伸ばす。まるでこのアポカリプスヘルに蔓延するゾンビのような動きだが、それに対応するドゥルールの動きもそれ相応に鈍い。
偽神細胞液の拒絶反応、それは様々な知識や耐性、能力をもってしてなお体を蝕むもの。だがそれを飲んでなおその身に宿した方が戦いを有利に進められるもの。あるいはそれはドクター・オロチが自身の人格を汚染されることを承知で降ろした憑装にも似たものか。
狂気と苦悩に耐えながら放たれた指先を、激痛と肉体変化に耐えながらかわす。たとえ相手の攻撃をかわしても自分の内から来るダメージは避けられない、自らを削り合う壮絶な戦い。とりわけ先の風魔小太郎との戦いで起きた肉体変化はまた起きやすくなっているのか、足が一纏めになり蛇のそれへと変わっていく。
こうなればそこまで素早く動き回ることももう難しいと、念動力も動員して相手の手を抑え込み、それでも避け切れない分は掴んで止める。だが、ドクター・オロチの指先はただ触れるだけでそこから強毒化した偽神細胞が侵食してくるもの。受け止めるという防御は、実質喰らってしまったにも等しい。
「欲しければくれてやる……だからもう俺に構うな……!」
その細胞を押し付けるかのように、捕まれた指を押し当てるドクター・オロチ。そしてドゥルールはその指を振りほどくどころか、自分の体を相手に絡みつけ離れないようにしたうえで強引に掴み手に力を籠め、その指をへし折りにかかった。
いかに偽神細胞の体を持つデミウルゴスと言えど、単純な頑健さならプレジデントやフルスロットル・ヴォーテックスには劣る。実際彼の憑装は肉体への強化は齎してはいない。
手が爛れるのに耐えながらの強引な力比べ。内外から痛めつけられる双方の体は悲鳴を上げるが、ドゥルールの絡みついた蛇の体と注入された偽神細胞液が決して離れることを許さない。
やがて、ドクター・オロチの短い指が関節とはまるで違う方向にひん曲がった。
「ぐああああっ!!」
絶叫するオロチ。ドゥルールはもう片方の手でのけ反るその頭を掴み、化術をかけてそのピンクの脳をピンク髪の少年へと変えた。
所詮見た目だけのもの故それ自体に攻撃力はないが、脳髄よりはましとそこから得意の生命力吸収を行う。
難しいが、可能な限りデミウルゴスの方を選別して吸収しようとするドゥルール。オロチもそれに抵抗はするが、やはり憑装によって苦しめられているからかそこの結合が僅かに緩んだように見える。
「く、あ……これは……じゃあ、これあげるから、そろそろ帰ってくれないかな……?」
一瞬漏れるドクター・オロチ本来の口調。一見嘲っているようだが、相手に望むものを渡して自分の利を守ろうとするのは実のところ彼の得意技であった。
「貴方、惨めに足掻く奴らを安全な場所から嘲笑するそうね? まぁいいわ。私に協力するなら貴方も救ってあげる」
ドクター・オロチ本来の口調が漏れたのを見てドゥルールが言うが、それに対しドクター・オロチは変えられた顔をいやらしく歪めて答えた。
「救うだなんて! 大きく出たものだね人間風情が! 偽物の神に縋った挙句使い潰したくせに! 彼が君たちのせいでどんなに苦しんだか!」
確かにデミウルゴスの苦しみ自体は身をもって知っているが、それ以上にあるのはやはり嘲笑。彼の言う人間とはウォーマシンや悪魔なども含めた広義の生命体全てを指すのだが、それを知らぬドゥルールは人扱いされたことに怒りをあらわにする。
「凍てついた星々、燃え上がる煌き、彼の者を導くは星屑の幻灯」
普通の不意打ちではない心を責める不意打ちをもろに受けてしまった怒りをこめ、ドクター・オロチを上空に投げ飛ばして【必殺・対消滅閃】を叩き込んだ。
憑装を失った体はそれに抗しえず消滅していくが、最後まで浮かべたいやらしい笑いは彼の精一杯の反撃か。
通常のオブリビオン以上に救済の余地のない……あるいは望んですらいないその存在。そのようなものに玩弄されてはならぬと、ドゥルールは吸収した力で偽神細胞液で失った生命力を補填しつつ、影の城を後にするのであった。
大成功
🔵🔵🔵