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ドクター・オロチの偽神パニック!

#アポカリプスヘル #戦後 #ドクター・オロチ #デミウルゴス #風魔小太郎 #魔軍転生

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●グリモアベース:ゲネ
「アポカリプスヘルに侵略してきたドクター・オロチとの決戦だ! 奮って参加してほしい!」
 ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は高らかに猟兵を呼び込み、ホロモニターに二人のオブリビオンを映し出した。
 百面鬼『風魔小太郎』、そして『ドクター・オロチ』である。
 ドクター・オロチの侵略目的は、「残り三体のフィールド・オブ・ナインの探索」と「風魔小太郎を利用した彼らの力の奪取」であったことが判明している。
 が、オロチはそれを諦め、軍勢をまとめてどこかに撤退しようとしているらしい。
「しかし逃がすものか! 我々グリモア猟兵は、ドクター・オロチの拠点を発見した。今もなお黒い炎に包まれた「メンフィス灼熱草原」の中心部にある、漆黒の「影の城」だ!」
 影の城で待ち受けるのは、風魔小太郎とドクターオロチの二人。
 ただし風魔小太郎は、風魔忍法奥義「百面鬼の術」によって別のオブリビオンに化けている。
「底無しの渇き『デザートボディ』。姿からは想像できない怪力と再生能力、吸収能力を持つフラスコチャイルドだ。姿と能力は『デザートボディ』そのもの。ただし【デミウルゴス・セル】の特性を持っているので、諸君には偽神細胞液を注射した状態で戦ってもらうことになる」
 一方ドクターオロチは、魔軍転生の術で「デミウルゴス」を憑依させている。
「憑依させたデミウルゴスの影響だろうな、オロチはなぜか「光り輝く聖なる姿」になっていてかつ「力を制御できず、絶え間なく脳に注ぎ込まれる民衆の声に発狂寸前」状態だ。なかなか愉快な狂乱状態が見られそうだが、そのぶん厄介な振り切れ方をしてくる可能性もある。重々注意してかかってくれ」
 端的な説明を終えると、ゲネはモニターを反転させて転送術式を輝かせた。
「今回必須の偽神細胞液は激烈な拒絶反応がある代物だ、効果は二戦続く。かなりしんどい戦いとなると思うが、必ずや小太郎とオロチを討伐してくれ!」


そらばる
 アポカリプスヘル、最終決戦「ドクター・オロチwithデミウルゴス」。
 姿を変えた風魔小太郎とデミウルゴスを憑依させたドクター・オロチを討伐してください!

●特殊ルール
 この最終決戦シナリオが、成功本数が20本に達した日(達成日)で結果が変わります。
=====
・5/1午前中まで:ドクター・オロチを完全撃破し、影の城からオロチが何度でも蘇っていた原因とみられる「コンクリ塊」を回収、猟兵達で保存します。
・5/15午前中まで:ドクター・オロチを撃退し、何も持ち帰らせません。
・それ以降:ドクター・オロチがすんでのところで、残る3体のフィールド・オブ・ナインを発見します! そのうち2体を連れ帰り、1体をアポカリプスヘルに残していきます。
=====

●第一章:ボス戦『底無しの渇き『デザートボディ』』
 風魔小太郎が化けています。中身・口調は小太郎のまま。
 姿からは想像できない怪力と再生能力、吸収能力を持っています。
 【デミウルゴス・セル】の能力を持っているため、ストームブレイドか「偽神細胞液(激烈な拒絶反応あり)」を注射した猟兵でなければ攻撃を与えられません。

●第二章:ボス戦『ドクター・オロチwithデミウルゴス』
 デミウルゴスを憑依したドクター・オロチです。
 輝く聖なる姿へ変化していますが、なぜか力を制御できず、絶え間なく脳に注ぎ込まれる民衆の声に発狂寸前です。ムシュムシュ言いながらパニックしてます。
 偽神細胞液の効力・拒絶反応はこの戦いでも続いているものとします。

 プレイング締め切りはマスターの自己紹介ページで告知します。
 皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
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第1章 ボス戦 『底無しの渇き『デザートボディ』』

POW   :    グレイハンド
【肌から生命力を吸収する身体と強化した怪力】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    ウィザーレッグ
【強力な脚力】による素早い一撃を放つ。また、【吸収し、蓄えた生命力を消費する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    ウェイストランド
【効果範囲を拡大した生命力吸収能力】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠イレブンサーティ・ナンバリングボディです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●恐るべきおさなご
 黒い炎燃え盛るメンフィス灼熱草原。
 その中心部に聳え立つ、漆黒の「影の城」。
 城の中枢を目指す猟兵達の前に、小さな人影が立ちふさがる。
 儚げな金髪の子供だ。憂いを帯びた瞳、衣服とは名ばかりの襤褸切れ、手首に取り付けられた痛々しい拘束具の残骸、それでいて覗ける肌は輝くばかりに滑らかで瑞々しい。
 何もかもが庇護欲を刺激する、愛くるしくも哀れなフラスコチャイルド──
「……やはり来たか、猟兵」
 しかしその愛らしい口から零れ落ちる言葉は、幼気な声音に似合わぬ深みと威厳を孕んで城内に響いた。
「オブリビオン・ストームの元凶、フィールド・オブ・ナイン。未だこの地に眠る彼奴等を見出さぬことには、我々も退けぬ。──滅せよ、猟兵」
 幼子の姿をした風魔小太郎が静かに身構えると、その周囲の気流がかすかに動いた。
 ネズミ、蜘蛛、蛾、甲虫……このような極地においても逞しく城内に住み着いていた小動物達が、周囲でぽとぽとと死んでいく。

 風魔小太郎が化けたオブリビオンは、底無しの渇き『デザートボディ』。
 強力な生命力吸収と、それに伴う再生能力、見た目にそぐわぬ怪力の持ち主だ。
 そして【デミウルゴス・セル】の能力によって、あらゆる攻撃と状態異常に耐性を持っている。対抗するにはストームブレイドか、もしくは激烈な拒絶反応を伴う「偽神細胞液」を注射した猟兵が攻撃するしかない。
 小太郎扮するデザートボディを撃破し、ドクター・オロチの元へと急ごう!
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能

接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による【2回攻撃】がメイン。
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。

猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。

基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます



●重力に屈せよ
「正義のヒーローの登場っすよ~」
 チャラい声を上げて躍り出たのはリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)。宇宙バイクにちょこんと乗った狐面である。
「はーしっかしこの偽神細胞液ってのはたまんねぇなぁ。マスクの自分でもキツイキツイ、激萎えっすよ~……」
「そうか。ならば失せよ」
 端的に言い放つや、幼子の姿をした小太郎が高々と跳躍して襲いかかってきた。
 斜め上から繰り出される蹴撃を、リカルドは一気にエンジンを吹かしてあわやのところで回避した。背後で轟音と共に城の床に巨大な穴が穿たれたのには、うひぃ、と悲鳴が漏れる。
「ありゃ近寄っちゃヤバいヤツっすわ。その辺の微生物とかの生命力まで吸ってそ~」
 現地人に憑依してこなくて正解だったとぼやきながら、リカルドはバイクに搭載されたミサイルランチャーやビーム砲で牽制しつつ一定の距離を取る。
 が、ミサイル一発ビームひとかすり程度の傷は瞬く間に治癒されてしまう。
「再生能力を上回るダメージを叩き出せれば……行くっすよアルタイル!」
 宇宙バイクが城内を疾駆する。子供のものとは思えぬ脚力でそれを追う小太郎。バイクは絶えず射撃で小太郎の視界をかき乱し……射撃のための減速と見せかけて、巧みにスピードを緩めていく。
 追いつく見込みがあると判断した小太郎が再度跳躍した──瞬間。
 狐面の下に膨れ上がったオーラが、青髪の人の形へと立ち上った。その手の中には、黒々と圧縮された闇弾が生成されていく。
「忍法・虚空弾! 押し潰されるがいいっすよ!」
「──!」
 放たれた闇弾を、空中で蹴撃姿勢を取った小太郎は避けられない。
 高重力の闇弾は重力場を形成し、幼子姿の小太郎を城の床に屈服させた。

成功 🔵​🔵​🔴​

岩倉・鈴音(サポート)
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


葛葉・御前(サポート)
即興も連携も好きにするが良いぞ

妾は尊大な自信家であり自身の愉悦を行動の理由とする
気紛れに様様な世界に足を運んでは興味が惹かれた事件に介入するぞ

他の猟兵との交流も歓迎じゃ
己の行動の倫理の定規は現代の地球を基準とする
愉悦は大事ではあるが、無駄に波風をたてるは賢者の行いとは言えぬからの

妾はWIZでの行動を得手とする
装備、技能、ユーベルコードは時々で必要なものを十全に活用するがよい

妾は九尾に九曜星の神氣を宿す者
言うなれば九種類の異なる属性の使い手じゃ
状況に即した尾が一尾はあろう

妾は高速詠唱と多重詠唱により、属性攻撃による攻撃、結界術による防御の同時使用が可能じゃ
攻防一体の隙のない立ち回りが出来るぞ


藤・美雨(サポート)
私は藤・美雨
デッドマンの猟兵さ
キョンシーじゃない、キョンシー擬きだよ

戦う時は近接攻撃を中心に
強化した肉体で怪力で暴れまわったり
装備した刃物でザクザク切り込むのが好きかな

死んでいるから怪我にはあんまり執着しない
危なくなればヴォルテックエンジンで自分を叩き起こすからね
負傷は気にせず気力で突っ走るのが好きだよ
その方が楽しい!

でも死んでるからといって人生を楽しんでいない訳じゃない
飲食とかは出来るし好きだよ
綺麗なものや楽しいものに触れるのだって大好きさ

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動もしない
気持ちよく勝って帰りたいし!

あとはおまかせ
よろしくお願いするね!



●無力化、拘束、のち打撃
「見かけによらない素晴らしい身体能力だね! お手合わせ願おうか!」
 藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)は意気揚々と戦線に飛び込むや、怪力を乗せた拳で早速殴り込んだ。小太郎もまた拳で応手し、子供の拳と女性の拳が強烈に激突し合う。
「わっ、ほんとに力が抜ける!」
「……汝、死者か」
「デッドマンの猟兵さ。キョンシーじゃない、キョンシー擬きだよ!」
 死者であるがゆえに肉体の損傷に頓着しない美雨は、偽神細胞液の拒絶反応も気にしない。
 だがたとえデッドマンであろうとも、動き回っている存在はエネルギーを有しており、それらは生命力としてデザートボディに奪われてしまう。奪い取ったエネルギーの質の違いから、小太郎も美雨が生者でないことを見抜いたようだ。
「なんとまあ、元気なことよのぅ」
「ほんとだよ。こっちはエラー出まくりでキツすぎなんだけど」
 一方、身を苛む拒絶反応に辟易として、葛葉・御前(千年狐狸精・f36990)と岩倉・鈴音(【機械天使12番】JKハングマン・f09514)はぼやかずにはいられない。
 小太郎と肉弾戦で互角にやりあう美雨の戦いっぷりを遠目に見ながら、御前が霊符を飛ばして援護射撃しつつ敵の出方と再生能力を探り、鈴音がそれらのデータを電脳ゴーグル越しに精査していく。
「……やっぱり再生能力が相当高いね。ダメージは与えられてるけど、傷つけた先から大半再生されてる」
「なるほどのぅ。ではその再生能力とやらを少々封じてやろうかの」
 御前は愉快げに笑みを浮かべると、激烈な拒絶反応も感じさせない優美な仕草で黒扇を翻した。
「──月曜尾・傾城傾国」
 白毛の九尾がふわりと揺れて、立ち昇った月曜星の神氣が小太郎に吸い込まれるように命中した。
 フラスコチャイルドの小さな身体がびくりとのけぞり、御前をきつく睨みつけた。
「……汝、何をした」
「何、少しばかり友好というものを教えてやろうと思うたまで。貴様に抵抗されればあっけなく霧消する、いじらしい戯れよ」
「……」
 小太郎が顔を歪める。無意識下に生命力吸収が抑制されているのだ。抵抗を試みるも、手応えは薄い。どうやらこの手の能力はデザートボディにとって鬼門らしい。
「あとひと押し! ンッフッフ、動き止めちゃうでございますぞ~」
 鈴音は奇妙な独り言を零しつつ、美雨の体術が畳み掛けた瞬間に二又のケーブルを射出した。狙いはデザートボディの手首に残された、拘束具の残骸。
 ジャック部分が溶け込むように接続した瞬間、拘束具はひとりでに動き出し、小太郎の両手が後ろ手に捻り上げられた。
「何──!?」
「拘束完了! 今です美雨、全力で!」
 鈴音が声を張り上げる。生命吸収能力の低下と、拘束。この機会を逃す手はない。
「オッケー! ちょっと無茶しよっか……!」
 小太郎の目前に躍り出た美雨は、渾然一体となった生と死の陰陽を身に纏う。
 振り下ろされたのは、シンプルな拳。
 雷の如き鋭く激しい轟音と衝撃が、愛らしいフラスコチャイルドの腹部を強烈に抉った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ルドラ・ヴォルテクス(サポート)
それは亡霊。
オブリビオンを狩りに現れ、狩が終わると忽然と姿を消してしまい、捉える事はできない。
もう肉体的な終焉は迎えた筈だが、その意志が、平穏な世界を破壊する者に終わりを告げに再臨させているのだと言う。

戦闘は嵐のように激しく、されど、無言のまま、生前のものと思しき武器やUCが振るわれる。

復興の妨げになるものがあると、力を振るい障害を破壊するが、たちまちの内に砂塵の向こうに消え、言葉を発する事はない。

主な武器は生前所持していた武器類、ユーベルコードは制限なく使用可能。

※ 他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。


陰日向・千明(サポート)
「このあと用事があるんで、さっさと地獄へ堕ちるッス」
◆口調
・一人称は「うち」、二人称は「あんた」、くだけた敬語をつかう
◆性質・特技
・マイペースで合理主義
・雨女
◆行動傾向
・特権階級者の車に轢かれ事故すら揉み消された女子高生の悪霊
・地元を鎮守する竜神の力を借りて受肉を果たした
・利己主義で秩序や慣習にこだわりはなく、勝つためなら手段を選ばないしたたかさを備えているが、なんだかんだで面倒見はよい
・神器化したスマホで霊界通信サービス「天孫(あまそん)」に武器を注文して戦う
・一度死んだ経験から死に対する恐怖心がなく、戦闘をゲームのようにとらえている。敵にも当然慈悲はない



●竜と紫電
「うぇ……クっソしんど……拒絶反応とかマジ勘弁ッス……」
 偽神細胞液のもたらす劇的なだるさに、陰日向・千明(きさらぎ市の悪霊・f35116)はげんなりとぼやきながらスマホをぽちぽち操った。
「……あー、天孫(あまそん)さん? さっそくなんだけど生命力を吸い取ってくる敵に有効そうな装備、なんかないッスか? ……うん……うん……ん?」
 のんきに通話していると見せかけて、こちらへと走り込んでくる敵への警戒を欠かしていなかった千明は、当の小太郎の背後に砂塵の如く現れた人影に目をこすった。
 その出現はあまりにも突然だった。帯電した機構剣を振りかぶり、幼子の背を容赦なく斬りつける、ルドラ・ヴォルテクス(終末を破壊する剣“嵐闘雷武“・f25181)の亡霊。
「ぐぅッ──!? 何者だ貴様!」
 虚を衝かれた小太郎が身を翻すや拳で反撃したが、ルドラの亡霊は嵐の如き機動力でこれを回避する。
「あっストームブレイドか。もしもし天孫さん、偽神細胞液の追加はいらねッス。はい……はい……そう、いつもと同じ、即日即時配送で」
 亡霊が小太郎にしっかりダメージを入れているのを見届けて、千明はつつがなく注文を完了した。すぐさまインスタント極まる入手方法に見合わない立派な神剣が目の前に現れ、千明は迷いなく手に取った。
 ルドラの雷撃の如き一閃が、千明の生命吸収能力を阻害する神剣が、次々に小太郎に襲いかかる。しかし小太郎はデザートボディの身体能力を完璧に使いこなし、やすやすと刃を受けてはくれない。それどころか、徐々に動きにキレが増しているようにさえ見える。
「微生物とか虫とかからも生命力吸ってるっすね……仕方ない、竜神の本性見せちゃいますか」
 勝つためには手段を選ばぬ千明である。しんどい身体に鞭打って眩い光を発しながら完全な竜体へと姿を変えていく。
「──させぬぞ!」
 その危険性を察知した小太郎の殺気が一気に千明へと収束する。多少ルドラの攻撃を浴びてでも変態を止めさせようと、一息に千明へと間合いを詰め──
 しかし、その小さな拳が千明を捉える前に、宙を斬り裂いた眩い白が、デザートボディの小さな身体を背後から貫いていた。
「な──に……?」
 小太郎にダメージはない。だが、手足の指一本さえ、自由に動かせない。
 ルドラの愛神の矢雨、その一矢。射抜かれた者は思考力に介入を受け、ルドラの思いのままに操られるしかない。
「お、のれ……!」
 類まれな精神力で抵抗を示すも一歩も動けない小太郎の目前で、竜体变化を完遂した千明が吠える。戦場に降る数多の雷。空気中の微生物も、周囲に潜む小さな虫も雑菌も、皆雷撃に打ち据えられて死に絶える。
 無菌室にも近いある種の清浄な空間に、新たな雷電が閃く。暴れ狂う猛獣の如き紫電纏うルドラ。竜神の発する雷を貪欲に喰らいながら矢の如く宙を疾駆し、身動き叶わぬ小太郎の全身を強力な雷撃で打ち据えた。
「ガァァァァッ──!!」
 自由を取り戻した対価とばかりに、小太郎の喉から絶叫が迸る。
 気づけば竜の姿はかき消えて、亡霊もまた砂塵に紛れて完全に消え失せていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴィヴィ・ジーヴ(サポート)
キマイラの力持ち×精霊術士、15歳の女。
名前はヴィヴィ、一人称は自分の名前でビビ。表記はどちらでも。

服の下はフクロウ。
腕はハーピー(鳥の羽)、器用な作業は少しだけ苦手。
「あまりお手手は見ないでね、女の子の秘密よ。」

《力持ち》
素早いの、苦手。お目目くらくらする。一撃ドーン、が得意よ。

《精霊術士》
困った時は精霊さんに聞く!

《好き》
美味しいもの、食べる事、大好き!
あとね、ビビ、空中浮遊でふよふよするの好きよ。

◆ボス
ぼす。ビビに倒せるかな。心配。
一緒に行ける人がいたら、ビビ連携とるよ。囮もやる。
難しい事苦手なの。作戦、教えてくださいな。

空中を飛び急降下落下。怪力載せた鹿の足で着地、地面を割る、など。


スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●光の森
「……可愛いのに、こわい。ビビに、倒せるかな。勝てる、かな」
 幼子の姿とそれに見合わぬ小太郎の老獪さ。その危険性を肌に感じて、ヴィヴィ・ジーヴ(いつも誰かのお手伝い・f22502)は胸を押さえた。拒絶反応による痛みと呼吸の乱れも加わって、いっそう不安が募る。
「大丈夫ですよ、ヴィヴィさん。私に任せてくださいね♪」
 同じ症状に苦しめられながらも、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は日頃からの面倒見の良さを発揮して、一切顔色を変えずに柔和に微笑んで見せた。
 そして、生命力吸収の力場を広げながら徐々に距離を詰めてくる小太郎へ、ユーベルコードを解放する。
「さぁ、狩りの時間ですよ」
 たちまち周囲に大量の木の葉が降りしきり、スピネルとヴィヴィの姿をかき消した。城の屋内であったはずの戦場は、いつの間にか緑豊かな森と化している。
「……無駄なことを」
 小太郎は冷たく呟くと、生命力吸収の力場を一気に拡張した。木の葉も森の木々もまた生物。デザートボディにとっては大量の生命力が容易く手に入る環境だ。
 ……だが。
 小太郎の周囲で塵の如く消えていく大量の木の葉。しかし生命力を吸い取れない。
 それどころか葉は完全には消えてはいなかった。あらゆる葉が、葉の形をした光へと変化していっているのだ。
 葉の命そのものが、光へと変換されている──
「──なんだこれは!?」
「光属性と、葉っぱの嵐。ふたつ、合成すればいいのよね? 精霊さん!」
 狼狽する小太郎の耳にヴィヴィの声が響いた次の瞬間、光の葉が嵐となって吹き荒れた。暴走を疑うほどの激しい勢いで襲う光に、視界を奪われ蹂躙される小太郎。
 渦巻く光葉の中心にいる幼子を、狙う鏃が一つ。
「その厄介な力場は引っ込めてもらいますよ……!」
 森の戦場に巧妙に姿を隠したスピネルは、森の霊力をありったけに注いだ一矢を射た。研ぎ澄まされた矢が森の木々の隙をまっすぐに疾駆し、小太郎の広げる力場に激突する。
 清涼な森の力がデザートボディの吸収能力を相殺し、力場は弾けるように砕け散った。
「今ですヴィヴィさん!」
 スピネルが呼びかけるが早いか、力場が砕けると同時にヴィヴィは木陰から飛び出した。服の下に隠した鳥の羽の腕が、瞬く間にライオンの頭部に変形していく。
「これ、ビビの得意! 噛みついちゃって、一撃ドーン!」
 光の中に飛び込んで、細っこい身体をガブリ。
 他者の生命力を奪い続けたデザートボディから生命力が吸い上げられて、幼い喉から甲高く生理的な悲鳴が零れ落ちた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。性格は享楽的な戦闘狂
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手



●殺戮者の蹂躙
「まあ愛らしいお子様ですこと」
 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の副人格、シルヴァーナは場違いなほど朗らかに喜びを露わにした。
「心が見た目相応でしたら、さすがのわたくしも気が咎めていたかもしれませんが……風魔小太郎が相手と言うならなんの気兼ねもありませんわね」
 笑みを浮かべたまま、赤い瞳が、すう、と細まる。
「その幼い身体に流れている血は、何色なのかしら?」
「──!?」
 シルヴァーナへと間合いを詰めようとしていた小太郎は、背筋を走った悪寒に従って大きく背後に飛び退いた。
 が、着地と同時、
「わたくしから逃げられるとでも思いまして?」
 シルヴァーナの顔が、小太郎の目前にあった。
 鋭く翻る惨殺ナイフ。すんでで身を反らしたデザートボディの素肌が浅く斬り裂かれる。細く尾を引くように飛び散った赤い色に、シルヴァーナの瞳が爛々とした喜悦に満ちる。
「アハハハハ! いい色をしていますわね!」
 高笑いするシルヴァーナへ、小太郎は怪力を乗せた強力な体術で反撃する。しかしシルヴァーナの姿は残像を描く優雅なステップで、遠のいたり近づいたり、嘲笑うように蹴りや拳を回避し、小太郎を翻弄していく。
「それでおしまい? では」
 小太郎の目の前からシルヴァーナの姿が消えた。驚異的に跳ね上がったシルヴァーナの身体能力を、小太郎は捉えられない。
「──わたくしの手番ですわ」
 気配が現れたのは、背後。
 小太郎がそれを認識した瞬間、突き出された黒槍がデザートボディの小さな身体を串刺しにしていた。
「……ぅえ……きもちわる……」
 力の反動で昏睡するシルヴァーナから身体の主導権を戻された裕美は、偽神細胞液の拒絶反応をもろに受けて、同一人物とは思えないほどちいちゃくうずくまるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから7年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!

あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ

商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします


ルーン・エルウィンド(サポート)
 人狼の翔剣士 × マジックナイト、20歳の男です。
 普段の口調は「丁寧(私、相手の名前、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、敵には「無感情…のはず(私、お前、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)」です。
本人は気付きませんが、尻尾に感情がもろに反映されます。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)


ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。
でも負傷やフレンドファイヤ、代償は避けたいお年頃。


メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士の女の子です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。

その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●個性を結集して
「ごふぅ……」
 ティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)は戦う前から床に屈していた。偽神細胞液の拒絶反応が筆舌に尽くしがたい。軽く呼吸をするだけでも、全身のあちこちがビシビシと罅割れていくような痛みが永続している。
 床にへばりついているティモシーを、納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)が可憐な仕草で不思議そうに覗き込んでくる。
「あらティモシーさん、大丈夫でして?」
「……全然。ていうかピンチンさんは元気すぎでは? 拒絶反応はないんですか……?」
「んん~いつもと違う感じはするけれど、まあ……ぼちぼちでんな~?」
 ふわふわるるん、と七年来被り続けている知恵の布の裾を翻して愛らしく回転するピンチン。もはや苦痛という概念がどこか違う次元にありそうな暢気さだ。
「やれやれ、若いモンが情けない……と言いたいところだが、イテテテ……」
 齢三桁を数えるグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)も、忙しなく腰や関節をさすって、年輩仕草にキレがない。
「こいつは確かに酷いねぇ。老人になんてモン注射させるんだか」
「お疲れ様です……」
「まあしかし、戦わないことにゃ始まらん。ああほらブギーモンスターのお嬢ちゃんは行っちまった。あんたも動けるかい?」
「なんとか……」
 後方でそんなやり取りが展開されている一方、前線ではすでに激しい戦いが繰り広げられていた。
「こんな小さな身体なのに、なんて力……っ!」
 目の前の床が大きく穿たれて、メイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)は後方に退きながら呻いた。咄嗟に掲げた魔法陣の盾にのしかかる衝撃が重く、ただでさえつらい拒絶反応に容赦なく苦痛を乗算してくる。
 ルーン・エルウィンド(風の翔剣士・f10456)もまた激烈な拒絶反応に苦しめられつつもおくびにも出さず、風の魔力を帯びたブーツで疾風迅雷の如く駆けながら、そのスピードに遜色なくついてくる小太郎の速さに眉を顰めた。自覚なく膨らみ逆立った尻尾が、状況の厳しさを物語る。
「このでたらめな怪力に速さ、それに生命力吸収か。厄介だな……」
 ルーンは美しくも鋭い無銘の刀で、透き通るような青い刀身の妖刀で、魔法剣の様々な精霊属性攻撃で、次々に小太郎へと素早い斬撃を加えていく。
 メイリンも、シリウスとポラリス、二振りの竜槍を使い分けて猛攻をしかけていく。夜空の星の名を頂くドラゴンランスが美しい光の軌跡を描き、幾度となく翻っては力強く突き出され、決して小太郎を休ませない。
 小太郎は小回りの利く体格を活かして巧妙に回避してくる。息の合ったルーンとメイリンのコンビネーションに追い込まれ、幼子の肌がまともに刀傷を受けても、類まれな再生力がその都度瞬く間に癒やしてしまう。
「回数を重ねて備蓄している生命力を枯渇させるか、再生力を上回る攻撃力を叩き出すか……」
「……もう一つ、あります。効くかどうかはわかりませんが、あの生命力を少しでも奪えれば──ッ!?」
 わずかに話し込んでいる間に一気に距離を詰めてきた小太郎の拳が飛んできて、メイリンはあわやのところで回避した。ルーンが咄嗟にフォローに入り、小太郎の背後から風斬の一太刀を浴びせた。小太郎は身を引いて斬撃を最小限のダメージでやり過ごし、巻き起こる風に押し出されるまま一時退いた。
 一進一退の攻防。勇者の剣を掲げたピンチンも攻勢に加わって手数で攻め立て、さらに戦いは激しさを増す。
「しゃらくさいねぇ……点や線で駄目なら面だ、下がらなきゃ怪我するよ!」
 落雷のように響いたグレナディンの声に、猟兵達はハッとして一斉に退いた。
 直後、強烈な発光が戦場に瞬く。グレナディンから放たれたオーラの塊が広範囲に炸裂して、動き回る小太郎を強力に打ち据えたのだ。
「ぐぅ……っ」
 逃げ場もなくまともに攻撃を浴びた小太郎がようやく足を止めた。
 それを見るや、目を輝かせて躍り出るピンチン。
「チャンスですわ! いい声で鳴いてな~!」
 勇者の剣が一閃し、デザートボディの身体に点線が浮かび上がった。たちまち床材の破片や絨毯の切れ端など、周囲に転がるあらゆる小さな物体が点線めがけて殺到し、デザートボディの布の下に潜り込んで猛烈にくすぐり始めた。
「ふ、くっ……なん、だこれは……!」
 なんともいえないこそばゆさに漏れかかった生理的な笑いを、小太郎は歴戦の胆力で噛み殺した。
 動くものは生命力を吸い尽くせばいい。実際に生物的現象かどうかの確認もしないまま、ほとんど反射的に、小太郎はユーベルコードを発動した。生命力を捕食する力場が迸る──
「させません!」
「おっと、そのまま自分に帰ってくるよ?」
 咄嗟に前に出たのはメイリンと、拒絶反応から立ち直ったティモシー。メイリンは滑り込むやからくり人形を盾にして脱力し、ティモシーは白紙のカードで力場を防御し転写した。
 からくり人形と図柄が浮かび上がったカードから、生命力吸収の力場が同時に展開していく。左右から膨らむドーム状の力場に二重に飲み込まれた小太郎から、急激に生命力が吸い付くされていく。
 のけぞり激しく苦しむ小太郎。その周囲を、熱い空気の流動が渦巻き始める。
「竜巻と、死……生物の一切存在できない熱に耐えられるか?」
 ルーンが巻き起こしたのは高熱の竜巻。あらゆる生命力を蹂躙する暴力的な熱の嵐が、デザートボディに変じた小太郎を飲み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ドクター・オロチwithデミウルゴス』

POW   :    偽神水晶剣
任意の部位から最大レベル枚の【偽神水晶剣(偽神細胞と融合した水晶剣)】を生やして攻撃する。枚数を増やすと攻撃対象数、減らすと威力が増加。
SPD   :    クルーエル・セイント
状態異常や行動制限を受けると自動的に【聖なる光のオーラ】が発動し、その効果を反射する。
WIZ   :    デミウルゴス・ポリューション
【指先】で触れた敵に、【強毒化した偽神細胞の侵食】による内部破壊ダメージを与える。

イラスト:みやこなぎ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●光り輝く駄々っ子
 風魔小太郎を打倒した猟兵は、未だ続く偽神細胞液の拒絶反応に苦しみながらも、影の城の最奥へとたどり着いた。
 果たしてそこにいたのは、最終目標『ドクター・オロチ』。
 それは異様な姿だった。脳みそのような頭部に動物型のフードをかぶったいつもの格好のまま、光り輝く聖なる姿へと変貌しているのだ。
 そして……ずいぶんと苦しんでいる様子である。
「ムシュ~!? しゃべ、しゃべ、しゃべっ……ああああ頭の中でごちゃごちゃしゃべんじゃねぇ~! お前らの望みなんかしらんっちゅーの! もぉぉいっそ全部滅ぼしてやろうかな!? ムシュフゥ~ッ!」
 頭を抱えて身悶え、ダンダンダンッ、と攻撃的な地団駄を踏む。どうやら脳の中に世界中の民衆の切なる声が絶え間なく注ぎ込まれているらしい。言っていることはデミウルゴスに似ているが、言動のせいで神聖そうな輝きが完全に台無しである。
「ア゛ッ、猟兵来てる!? 小太郎のヤツ失敗したな~! 助けて、裁いて、赦して……ってだから声~! なんなのこの大事な時に馬鹿なの!? ちょっともうマジ全世界の生き物滅ぼすッ! まずはおまえら猟兵からぶっ飛ばす~ッ!!」
 かなりやぶれかぶれ感満載に、ドクター・オロチが襲いかかってきた!

 今回のドクター・オロチはデミウルゴスを憑依させているが、かつてアポカリプスヘルで戦ったデミウルゴスとは趣の違う力を使ってくる。
 偽神水晶剣を武器として攻撃し、状態異常や行動制限は自動的に反射、強毒化した偽神細胞を侵食させることも狙ってくる。
 ただし発狂寸前のパニック状態なので、理論的な行動をしてくるとは限らない。ものすごく突飛なことをやりだすかもしれないし、八つ当たり気味に攻撃が苛烈になることも予想される。
 ここまで追い詰めたのだ、ここでオロチを逃がす手はない。きっちり倒して、フィールド・オブ・ナイン捜索の目論見を食い止めよう!
アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人になろうと背伸びしてる途中
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的
最近の悩みは性別を間違えられることと年相応に見えないこと
最悪【幻想憑依・無想式】を使って誤魔化す

戦闘
【呪詛(腐敗)】を何かしらの形で使用する。昔機械相手にやって痛い目を見たのでその場合は使わない
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可

非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも



●腐食の罠
「ム、ムシュ~……頭おかしくなるぅ~……はっそうだ! これが状態異常ならこう、パァァっと聖なる光で浄化すれば……って意味ないし!」
 一人でノリツッコミしながら光を放つオロチの輝きを、アトシュ・スカーレット(境界の旅人・f00811)はじっと注意深く見つめていた。問題はオロチの混迷っぷりではなく、聖なる光そのものだ。
「あの光で状態異常系は反射されるのか……呪詛は使いにくいな」
 腰に挿した魔剣を意識しながら、アトシュは村雨とJoyeuseを銃形態にして構えた。
「アァァァァッ、イラつくッ!」
 オロチが八つ当たり攻撃を繰り出してきた。大量の水晶剣に覆われた腕が、咄嗟に退いたアトシュが立っていた場所に叩きつけられ、数多の水晶片が無惨に砕け散った。
 なお猛追してくるオロチを、アトシュはうまくいなしながら一定の距離を取って銃撃していく。オロチはいっそういきり立ちアトシュを追い回す。辺りの床には生えては砕ける水晶片が夥しく散らばっていった。
(「思考が単純になってるな、動きが読みやすい。……これなら」)
 オロチが大きく跳躍した瞬間、アトシュは二丁拳銃を勢いよく宙に放り出し、魔剣を腰から引き抜いた。
 たちまち溢れ出す腐敗の呪詛。だがその矛先はオロチ自身ではなく、オロチが着地するであろう地点の床に突き立てられた。即座に退くアトシュ。
「ムシュっ!? ムムムシュゥゥ~~~っ!?」
 凶悪な水晶剣を生やした足が空振りしたのみならず、ドロドロに腐敗した床に呑み込まれるオロチ。もがけばもがくほど腐敗に呑まれ、身動き取れない。
 聖なる光のオーラが輝く前に、アトシュは全力でオロチへと距離を詰める。投げ上げた二丁拳銃を途中でピックアップすると同時、剣形態と刀形態に変化させながら。
「その状態じゃ、見切っても避けられないだろ!」
 両手に掲げた刃が超高速で振り下ろされる。その軌跡は、あたかも幻影の如く。
 豪勢に水晶の砕ける涼やかな音色の中に、オロチの絶叫が轟き渡った。

成功 🔵​🔵​🔴​

大豪傑・麗刃(サポート)
一人称は『わたし』『麗ちゃん』

基本右サムライブレイド左フライングシャドウの二刀流+随行大剣
スーパー変態人2時右サムライブレイド+フライングシャドウ、左バスタードソード+ヒーローソードの四刀流
伝説のスーパー変態人時キャバリアソード
真・ガチ剣士モード時妖刀
なんらかの理由で上記を装備していない場合は適当に

で真っ向から行くだけなのだ。

ユーベルコードはお任せだが決まらなければ

ネタ可なら
ネタキャラとしての矜持>鬼殺し>変態的衝動>正々堂々真っ向勝負>爆発オチ>誰にでも苦手なものはある>わたしのネタを聞け>燃える男

ネタ不可なら
スーパー変態人2>伝説のスーパー変態人>真・ガチ剣士モード>達人の智慧>剣刃一閃



●腐食の罠
「ム、ムシュ~……頭おかしくなるぅ~……はっそうだ! これが状態異常ならこう、パァァっと聖なる光で浄化すれば……って意味ないし!」
 一人でノリツッコミしながら光を放つオロチの輝きを、アトシュ・スカーレット(境界の旅人・f00811)はじっと注意深く見つめていた。問題はオロチの混迷っぷりではなく、聖なる光そのものだ。
「あの光で状態異常系は反射されるのか……呪詛は使いにくいな」
 腰に挿した魔剣を意識しながら、アトシュは村雨とJoyeuseを銃形態にして構えた。
「アァァァァッ、イラつくッ!」
 オロチが八つ当たり攻撃を繰り出してきた。大量の水晶剣に覆われた腕が、咄嗟に退いたアトシュが立っていた場所に叩きつけられ、数多の水晶片が無惨に砕け散った。
 なお猛追してくるオロチを、アトシュはうまくいなしながら一定の距離を取って銃撃していく。オロチはいっそういきり立ちアトシュを追い回す。辺りの床には生えては砕ける水晶片が夥しく散らばっていった。
(「思考が単純になってるな、動きが読みやすい。……これなら」)
 オロチが大きく跳躍した瞬間、アトシュは二丁拳銃を勢いよく宙に放り出し、魔剣を腰から引き抜いた。
 たちまち溢れ出す腐敗の呪詛。だがその矛先はオロチ自身ではなく、オロチが着地するであろう地点の床に突き立てられた。即座に退くアトシュ。
「ムシュっ!? ムムムシュゥゥ~~~っ!?」
 凶悪な水晶剣を生やした足が空振りしたのみならず、ドロドロに腐敗した床に呑み込まれるオロチ。もがけばもがくほど腐敗に呑まれ、身動き取れない。
 聖なる光のオーラが輝く前に、アトシュは全力でオロチへと距離を詰める。投げ上げた二丁拳銃を途中でピックアップすると同時、剣形態と刀形態に変化させながら。
「その状態じゃ、見切っても避けられないだろ!」
 両手に掲げた刃が超高速で振り下ろされる。その軌跡は、あたかも幻影の如く。
 豪勢に水晶の砕ける涼やかな音色の中に、オロチの絶叫が轟き渡った。

成功 🔵​🔵​🔴​

寺内・美月(サポート)
アドリブ・連携歓迎
※エロ・グロ・ナンセンスの依頼はご遠慮願います。
・依頼された地域に亡霊司令官(顔アイコンの人物)と隷下部隊、美月の親衛隊から選抜亡霊歩兵を派遣。美月がグリモアベースから到着するまで(サポート参加では現地にいない状態)、現地での活動に必要な権限を付与
・隷下部隊として一個軍団(歩兵・戦車・砲兵・高射・航空・空挺のいずれか)に、出動しない軍団から一個師団程を増強し派遣
・ボスが召喚した敵に対して攻撃し、砲兵・高射・航空部隊の火力、戦車・空挺部隊の機動力、歩兵部隊の柔軟性を生かした戦闘を行う
・ボスが何も召喚しなければ、五人の選抜最精鋭亡霊歩兵を送り込み、5対1でボスと対峙する


大空・彼方(サポート)
《アドリブ、連携、苦戦描写、UC詠唱変更、その他何でも歓迎です》
「はじめまして。今回バックアップに回る舞姫です。未熟者ではありますがなんなりとご用命ください。」
UDC組織に所属する新人猟兵。戦闘経験は豊富。
一人称:私
口調:敬語で機械的
性格はクールでマイペース。そしてドがつく程の面倒くさがり。一見、常識人で冷静沈着に見えるが、どこか天然なところがある。獲物は日本刀。
前衛であれば未来視を用いて舞うように敵の攻撃を引き付けながら隙を伺う。
後衛では異界召喚により援護と回復役をこなす。
UCは指定した物をどれでも使用可能。基本的に情報を収集し、慎重に行動。命令や指示には忠実に従い他の猟兵をサポートします。



●死者と踊る
「ムシュッ、ムシュムシュ~~っ! うるさいうるさいうるさぁーい! 頭の中で喋るなぁ~!」
「見事な錯乱っぷり。まるで駄々っ子ですね」
 大空・彼方(眠れる神の巫女・f33087)は淡白な眼差しで、一人で暴れまわっているオロチを見やった。口にも顔にも出さぬが、だいぶ面倒くさい。
 と、そこに複数の足音が近づいてくる。極めて合理的で統制の取れた、軍靴の音。
 果たして戦場になだれ込んできたのは、亡霊司令官率いる大量の歩兵だった。寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)隷下の亡霊歩兵軍団である。
「全軍、止まれッ」
 亡霊司令官の掛け声に反応して整然と足を止める亡霊歩兵達。
 そのまま司令官はきびきびと姿勢を切り替えて、先客である彼方に敬礼する。
「寺内・美月様の命により派兵されました。このように亡霊の身の上ではありますが、一戦力として存分に力を振るう所存です」
「なるほど、ご苦労さまです。私は今回バックアップに回る舞姫です。未熟者ではありますがなんなりとご用命ください」
 彼方も相手に合わせて敬礼を返す。任務を追求する亡霊兵と、サポートを主眼として動く彼方には、どこかしら響き合うものがあった。
「我々は先陣を」
「では私は、後方支援を中心に」
「──ぅぅぅうっるせぇぇぇ~~ッ!! ただでさえ頭の中がやかましいのに! さっきから! 横でごちゃごちゃ! 大人数で押しかけてくんな~ッ!」
 オロチの癇癪が頂点に達したようだ。全身から膨大な水晶剣を勃然と生やして襲いかかってくる。
「召喚なし、確認! 精鋭亡霊歩兵前へ!」
「精鋭前へ!」
「前へ!」
 司令官の命令を復唱し、五人の選抜された精鋭歩兵がオロチを取り囲んだ。
 いきり立ったオロチが早速精鋭達に襲いかかる。五人は連携し、囮を務める者、オロチの動きを見極め合図を送る者、隙を見て斬り込む者と、一切動きを止めることない流れるような五対一の乱戦を演じて見せる。
 一方、彼方は召喚陣を展開する。
「積み上げられた屍の都。灰色の悲嘆に暮れたさまよえる魂。光は今失墜し、死者は此度蘇る。──おいで屍姫」
 傍らに現れた不死の女王の霊もまた、戦線に参加する。女王は霊魂と生命力を操り、五人の亡霊達を活性化させていく。
「ムシュゥ~~~っ! しつっこいッ!!」
 オロチは囮の精鋭に斬り込みながら、胸元から新たな偽神水晶剣を一本生やして長大化させた。貫かれた囮役は霞のように姿を消す。
 が、それこそ好機。
「──攻め立てろ!!」
 司令官の張りのある声が響き渡り、残る四人の精鋭が一斉に斬りかかる。
 ……否。四人の亡霊と、一人の生者。
「ご用命、承りました」
 正面から斬り込んだ彼方の日本刀と、亡霊達の得物がオロチの肉体を一斉に串刺しにした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

七星・桜華(サポート)
『天魔流免許皆伝、更なる高みへと!』
『一か八かの勝負?必要無いね!私達の勝ちだ!』
『後は派手に騒ぐんだ!誰も倒れないようにね!』
隠れ里に伝わる『天魔流』歴代最年少であり派生流派も含めての免許皆伝。
腰に挿している六振りの刀と扇子を使い戦闘する。
物理的な技術を異能のUCにまで昇華させた。
闘う姿は艶やかな舞踏が如く空中戦もできる。
第六感も鋭く見切るまでも早い。
先手後手問わず。
殺気や覇気を残像に残し分身と勘違いさせる事も。
常に最善を最短で気づき勝ってきた。
防御無視の内部破壊を当たり前に行う。
柔剛の技を扱い両立させる。
消耗を生命力吸収で補う。
優れた第六感で賭け事も強い。
家事も万能。
両親と妹も猟兵である。



●考えるな、感じろ!
「ずいぶんと苦しそうじゃないか。脳の中で民衆の声がするって?」
 七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)の問いかけに、オロチは頭を抱えながらギッ、と鋭い殺気を飛ばしてきた。見た目ではわからないが、おそらくこちらを睨みつけているつもりなのだろう。
「ムシュフ~……他人事だと思って……」
「フッ、そんなものが苦しいと感じるのは頭ばかり使っているからだ」
 桜華は肩をすくめてオロチの恨み言を一蹴する。
「頭を空っぽにしてこの天魔流免許皆伝にかかってくるがいいさ。戦いを感じろ! 最善手は考える前に気づけ!」
 桜華の全身が華麗に翻る。水晶剣を腕にびっしり生やして襲い来るオロチと真正面から斬り結び、六振りの刀で次々に水晶剣を砕いていく。
 時に鞘へ納め、時に空中でくるくると滞空させ、時に大きく上に投げ上げ。六刀全てを無駄なく流れるように入れ替わり使いこなしていくその様は、まるで一差しの完成された舞踏のよう。
「はははどうだ! 頭を使っている余裕なんてないだろう!」
「ムシューっ! 悔しいけど確かになんかラク!」
 二人の殺陣はどんどん研ぎ澄まされ、互いの呼吸と、水晶剣と六刀のぶつかり合いだけが戦場の全てになっていく。ずっとこのまま斬り結び続けたいような、戦いだけしか存在しない、純粋すぎる時間……
「いい動きだ。……だが」
 楽しい時間は、必ず終わる。
 六刀が一気に水晶剣を薙ぎ払い、オロチが体勢を崩した。
「ムシュッ!?」
「最後は、私の勝ちだ!」
 畳み掛けるように優雅に翻った桜華絢爛・祝陽天月が、無防備になったオロチの腹へと強烈な一撃を打ち込んだ。
 腹部を覆っていた水晶剣が打ち砕かれ、その破片に自らの腹を抉られたオロチの憐れな絶叫が、桜華の耳をつんざいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



●指一本で
 光り輝きながら頭を抱えてムシュムシュパニックしているオロチを遠目に見やり、グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)はやれやれと嘆息した。
「やかましいねぇ。こっちはまだあちこち痛いんだ、響くからあんま騒ぐんじゃないよ」
「ムシュ!? 文句言われる筋合いないよ! 頭の中で他人が好き勝手ごちゃごちゃ喋ってればオマエラだってなぁ~……」
「なら、そのなんとかいう術を一旦解いたらいいんじゃないかい?」
 グレナディンが素朴な提案を投げかけると、オロチは「ムシュッ!?」と肩を跳ねさせた。一瞬まともな判断力が戻ったか、考え込むような仕草をして……
「……だぁぁぁぁ、うるさいうるさいうるさ~い! 考えがまとまらないんだってばぁ~ッ!」
 結局頭を抱えて地団駄を再開した。民衆の声というのはよほど厄介らしい。
「難儀なもんだ。その苦しみ、あたしが止めてやろうか」
 グレナディンは暴れ回るオロチを、ブラスターの銃撃で弄ぶように牽制していく。オロチが近づいてきては離れ、大きく距離が開いたら嘲笑うように接近してフォースセイバーで斬り込み、水晶剣を幾本か刈り取ったのちまた後方へと身を翻す。
「ムシューッ、ムシューッ、ムッシュゥゥゥーーーーッ!」
 明確に翻弄する意図で振る舞うグレナディンの攻撃に、ただでさえ発狂寸前のオロチの苛立ちも頂点に。もはや言語も忘れて一心不乱に突進してくる。その指先で、なんとしてもグレナディンの肉体に接触するために。
 だが、リーチはグレナディンのほうが長い。
「そう。ほんの指先一本分」
 枯れ枝のような指が、ぬう、と突き出て、飛び込んできたオロチの額に突きつけられた。
「それだけで十分さ」
 指先から放たれる、熟達したサイキックエナジー。
 ドウッ──と巻き起こった衝撃がオロチの全身を一直線に吹き飛ばし、小柄な身体はめり込む勢いで壁に叩きつけられた。

成功 🔵​🔵​🔴​

禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●血に吸い寄せられて
「ぴかぴか光って、怒ってる……呪いは効かないのね」
「うるさいうるさいうるさいっ! ムシュ~ッ!」
 暗く呟く禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)の姿を捉えるや、オロチは問答無用で八つ当たりしてきた。
 真正面から向かってくるオロチの姿に、黒絵は無表情のままかすかに瞳の奥を輝かせる。
「……クロエと遊んでくれるの?」
 呟いて、ほんの一歩、右に動く。
 瞬間、オロチの水晶剣は盛大に空振りした。
「ムシュ!? ムシュシューーッ!」
 戦いのために洗練されているでもない、何気ないほど拙い一歩であっさりと攻撃を避けられて、よりいきり立つオロチ。
 水晶剣の苛烈な連続攻撃が繰り広げられる。しかし黒絵はまったく表情を動かさぬまま、鋭い剣筋をあっけなく躱していく。どれほど広範囲を薙いでも、すぐさま刃を返しても、水晶剣はちっとも黒絵に届かない。まるで、十秒先の未来を見透かされてでもいるかのように……
「ムッシューーーー!!」
 苛立ちが頂点に達し、オロチがでたらめな連続突き攻撃を放ってきた。黒絵はこれもあっさりと回避していくが、最後の一突きが伸びてきた瞬間、刃の軌道スレスレに軽く手を上げた。
 刃と腕がすれ違い、真赤い血液が散る。幼い腕に刻まれた傷は深くはないが、出血量はそこそこあった。オロチの身体に点々と付着する程度には。
「ムッシュい!」
 やり遂げたとばかりに拳を握るオロチ。
 が、その瞬間、視界一面に鋭い銀の光が閃いた。宙に浮かぶ数多の刃。ナイフ、剣、包丁、刀、槍、ノコギリ……多種多様、かつ、無数。
「……これは呪術。でも、アナタを侵食するものじゃない」
 だから、聖なる光は反応しない。
「もう、アナタは逃れられないの」
 ギラリとオロチを向いた刃が、黒絵の血に汚れた部位へと一斉に疾駆した。
 大量の刃物がオロチの身体を斬り裂く音が、オロチの悲鳴をかき消した。

成功 🔵​🔵​🔴​

響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです


シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
因みにトランプを使った手品が得意で、必要に応じて皆を楽しませます。
 あとはお任せします。宜しくお願いします。


イサリビ・ホムラ(サポート)
うわぁ…自分に出来ることあるやろか?まぁ、呼ばれたからには仕事させてもらいますわぁ

・しょーみ、少しでも役に立てれば御の字ですわ。両手で太刀を払って、どこでもえーんで叩きつけます。腕先、足元、武器、相手さんの脅威を少しでも削れればえーねんけどなぁ…
見てのとーりの図体ですよって、味方さんの盾んなったり、敵の態勢を崩したり。活路をこじ開ける初太刀として動かしてもらいますわぁ


無気力な言動のヤドリガミです
エセ関西弁
巨躯でも戦いは苦手。面倒事は嫌いでも大好きなお酒を飲むためならちょっとは頑張れる
味方の戦闘を援護。
負傷や失敗などのアドリブも大歓迎!好きに動かしていただきたく思います
エッチな展開のみNG



●白の花嵐の中で
 オロチの苦悩は止まらない。ムシュムシュ言いながら準発狂状態で暴れまわっている。
 その騒音を背景に、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)は優雅に令嬢風の会釈をした。
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
「お、おう……よろしゅう」
「こちらこそお願いしまーす」
 状況に見合わぬリズの挨拶に、イサリビ・ホムラ(燻る漁火・f34679)は少々困惑気味に、シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)はのんびり無邪気に応えた。
「……ってオイ! コッチ無視してなに和気あいあいしてんの!? ああもうぶっ倒す! ムッシュ~~~っ!」
 オロチが頭を抱えながら支離滅裂な苦情を飛ばすと、ムシャクシャの矛先を猟兵へと向けてきた。
 その進路上に飛び出したのはイサリビだ。激しく斬り込んでくるオロチの水晶剣を、獄炎式剣斧アンフェールで食い止める。
「──っと。動きが直線的やね。戦いは苦手やけど、コイツぁむしろ自分の相手やわ」
 拮抗状態から水晶剣を弾き返すと、イサリビは後方に控える二人へと呼びかけた。
「てなわけで、前線は任せてくれへんかー?」
「了解しましたわ」
「援護は私達に任せてね!」
 にこやかに請け負うリズとシフォン。その手元から、白い花弁が散り始める。
「白き蓮の花々よ、吹雪の様に舞いなさい!」
 シフォンのプリンセスハートが舞い散るように姿を変えたのは、白い蓮の花びら。
「この薔薇のように綺麗に滅して差し上げますわ」
 リズがガラスのフルートから紡ぎ上げたのは、白薔薇の花びら。
 無数の白薔薇と白蓮の花弁が一斉に舞い、匂い立つほどに戦場を白く染めていく。
「痛ッ……ムシュ~ッ、邪魔邪魔邪魔ぁ~!」
 花弁がかすめるたびに小さな傷が皮膚をよぎり、オロチはさらに癇癪を起こして手足をバタバタ暴れさせる。
 イサリビはそこに斬り込み、夥しい水晶剣を砕き落としていく。
「そら集中せぇ。あんたの相手は自分や」
「ム~~~シュ~~~~~ッ!」
 苛烈に斬り結び合うイサリビとオロチ。打って叩いて削ぎ落として。重量のあるイサリビの剣斧が優勢だが、オロチの水晶剣はどれほど折られ削ぎ落とされても、何度でも生えてくる。攻防は一進一退。
 だが、イサリビは手応えが明らかに変わりつつあるのに気づいていた。
「ははぁなるほど。花びらは綺麗なだけやないってか。──ほな、やらせてもらうで……!」
 重い斬撃にオロチが一歩退いた瞬間、イサリビは渾身の力で剣斧を振り下ろした。頭部をかち割るような一撃。
 オロチは咄嗟に水晶剣を新たに生やした腕で頭を庇って刃を受け止めた。あまりの重さにオロチの足元の床が広範囲の円形にえぐれる。それでも防御のために生えた水晶剣は、亀裂こそ入れどもやすやすと割れはしない──が。
 全身を伝わった衝撃で、腕以外の全身から生えた水晶剣が根こそぎ砕け散った。
「ムシュゥ!???」
 大混乱に陥るオロチ。何が起きたのか、半狂乱の頭では理解できまい。
「よかった、効果が出ましたわね」
「大成功だね、リズさん!」
 声がしたのはオロチの背後。各々の得物を構えるリズとシフォンだ。
「花弁は本来広範囲の多数の敵を相手取るためのもの……ですが、オロチ様本体にダメージがいかずとも、その体積を増した水晶剣には十分な効力があったようですわ」
「ムシュ~!?」
「たいして痛くなかったでしょう? 本当はずっとその水晶剣を攻撃していたの。水晶が傷だらけになっていたからあっさり砕けちゃったんだ」
「ムギュシュア~~~~ッ!!」
 悔しさを滲ませたオロチの声はもはや言語になっていない。イサリビの剣斧を受け止めた水晶の硬度を維持するのにいっぱいいっぱいで、新たな水晶剣を生やす余裕もないのだ。
「全ての時と空間を、私の手のひらで支配してあげるわね!」
 天使の如き豪華絢爛な姿へと変じ、周囲に時計の幻影を浮かべてオロチの頭上へと飛翔するシフォン。手に掲げた時詠みのトライデントをオロチめがけて投擲し、オロチの狭い背中に正確に突き立てる。魂を絞り出すようなオロチの絶叫。
「少々面倒なことになりますが、ここは全てを解放しましょう。……後は頼みましたわ」
 リズは魔力を一気に増強して高速詠唱を開始した。ルナティック・クリスタが指し示す空中に巨大火球が紡ぎ出され、一息に宙を疾駆する──
「ムシュギュアアアアアアアァァァ──ッ!!」
 燃え盛る炎に呑まれ、オロチの絶叫が影の城にこだました。

●オロチの敗北
 かくてドクター・オロチは猟兵に破れ、本体である「コンクリ塊」も猟兵の手に確保された。
 フィールド・オブ・ナインの蘇生は阻まれ、オロチ自身ももう二度と蘇ることはないだろう。
 しかしアポカリプスヘルそれ自体はまだ平和というには程遠い。
 戦後残された幾許かの謎や課題へと思い馳せつつ、猟兵達は新たな戦いへと向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年04月28日


挿絵イラスト