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最終決戦ドクター・オロチ~アルマゲドン・ボクシング

#アポカリプスヘル #戦後 #ドクター・オロチ #プレジデント #風魔小太郎 #魔軍転生 #オーバーロードでプレイングボーナス有り #ボクシング

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「ムシュ~、無事にフィールド・オブ・ナイン『プレジデント』の憑装に成功したようだ。でもボク、この術を使うと性格引っ張られてしまうな。こんなイケおじ口調はボクのキャラじゃないのだが、形振り構ってられないのも実情だからね」
 ナイスガイな口調を操る脳髄だけの頭部を持つ少女の声をした異形が焦っていた。
「最後までフィールド・オブ・ナイン探しは諦めるつもりはないさ。そして、ここには『ボクの本体』を持ち込んできている以上、敗北は許されないのだよ……!」
 その言葉を傍らで聞いているのは、かつてサムライ・エンパイアで猟兵たちと敵対した『風魔小太郎』であった。
 彼は瞬時に姿を別のオブリビオンへと変化させると、ドクター・オロチへと進言した。
「すべて、この百面鬼にお任せあれ。汝の出る幕などないだろう。だが、この『ぼくしんぐ』とやらで戦わねばならないのが少々不服なのだが……?」
 風魔小太郎の両腕は今、巨大な機械化改造を施されている。
 これはボクシングで戦うことで初めて威力を発揮するのだ。
 ドクター・オロチは快活に笑い飛ばすと、風魔小太郎へ言い放った。
「偶には肉弾戦で相手を叩きのめすのもいいじゃないか。それに、その姿をとったキミには、もうひとつの能力があるじゃないか」
「確かに。フィールド・オブ・ナインの能力を2つ備えた風魔小太郎に死角なし。ならば特製の『りんぐ』で迎え撃つとしよう」
 2つの巨悪が、メンフィス灼熱草原中心部の「影の城」で笑い合っていた。

「アポカリプスヘルにて、ドクター・オロチの居場所が特定されたよっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神憑きの金色巫女・f05152)が元気よく告げた。早速レモンは招集に応じてくれた猟兵たちへ、任務内容を伝達し始めた。
「今回は風魔小太郎とドクター・オロチの2連戦だよっ! ドクターオロチはフィールド・オブ・ナイン『プレジデント』を魔軍転生の術で憑装していて、その影響か身体がムッキムキのマッチョ化しているよっ! あと口調も『プレジデント』に引っ張られちゃってるっぽい! そして『プレジデント』といえば、ボクシング対決っ! ってことで、今回の最終決戦もボクシングで勝敗を決めるよっ!」
 ここにきて、まさかの殴り合いである。
「風魔小太郎はドクターオロチの配下オブリビオンに変身していて、しかも両腕を巨大な機械化手術でパワーアップしているよっ! ボクシングに特化した戦闘で圧倒してくるから気を付けてっ! それに加えて、配下の能力である『増殖無限戦闘機械都市』で、リングを機械化させてからのオールレンジ攻撃を仕掛けてくるよっ!」
 もはやボクシングってなんだっけ状態の無茶苦茶な能力だ。
 厄介な能力を2つ備えた風魔小太郎は強敵だ。
 だがもっと強敵なのがドクターオロチwithプレジデントだ。
 パワー、スピード、フィジカルのどれも優れたユーベルコードで猟兵たちを翻弄してくる。
 ボクシングルールに則って戦うため、1ラウンド3分間でいかにダメージを叩き込めるかが勝負のカギだ。
 と、ここでレモンが今回の作戦についての補足説明を加える。
「そうそう、短期間でドクターオロチを撃破すると、影の城の内部にあるドクターオロチの『本体』を持ち帰れるっぽい! もうすでに先遣隊が暴れてるみたいだけど、あたい達も頑張ろうねっ!」
 というわけで、早期撃破を目指しつつ、猟兵たちはアポカリプスヘルのメンフィス灼熱草原中心部の「影の城」へと転送されてゆく。
 世界の命運を懸けたボクシング対決が、今まさに開幕する。

 ……ユーベルコードの高まりを感じるッ!


七転 十五起
 ボクシング頂上対決、再び。
 風魔小太郎とドクター・オロチ、まとめて最終決戦です。
 なぎてんはねおきです。

●プレイングボーナス
 ボクシングで戦う(なお、所々で武器を使用してもオッケーです)。
(オーバーロードで更にボーナス上乗せ出来ます)

●概要
 第1章ではドクターオロチ配下のオブリビオンに化けて、ボクシング勝負を仕掛けてきます。この配下オブリビオンは憑装したドクターオロチによって【プレジデント・ナックル】が付与され、更にもともと授かった【増殖無限戦闘機械都市】でリングを魔改造して『無限に増殖する戦闘機械』で包囲攻撃を仕掛けてきます。

 第2章はいよいよドクターオロチwithプレジデントとの直接対決です!
 ムキムキマッスルでナイスガイな口調になったドクターオロチのユーベルコードを、機転とボクシングで対抗してください。

●補足説明
 この最終決戦シナリオが、成功本数が20本に達した日(達成日)で結果が変わります。

 5月1日午前中まで:ドクター・オロチを完全撃破し、影の城からオロチが何度でも蘇っていた原因とみられる「コンクリ塊」を回収、猟兵達で保存します。

 5月15日午前中まで:ドクター・オロチを撃退し、何も持ち帰らせません。

 それ以降:ドクター・オロチは、すんでのところで残る3体のフィールド・オブ・ナインを発見します! そのうち2体を連れ帰り、1体をアポカリプスヘルに残していきます。

●その他
 基本は単独描写がメインですが、タッグやチーム参加も大歓迎です。
 コンビやチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能です。その際は、オーバーロードもご活用ください)

 それでは、皆様の熱い魂籠ったプレイングをお待ちしてます!
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第1章 ボス戦 『🌗『戦争代理人』ブラッド・ウォーデン』

POW   :    汝、平和を欲するならば戦争に備えよ
【“敵”への賛辞と敬意を込めた宣戦布告】を放ち、戦場内の【“戦争”に関わり発展した技術、理論、素材】が動力の物品全てを精密に操作する。武器の命中・威力はレベル%上昇する。
SPD   :    利き手で握手を、懐の手にはナイフを
指定した対象を【自身の言葉に従い戦う“兵士”】にする。対象が[自身の言葉に従い戦う“兵士”]でないならば、死角から【“報復”を行う、赤い剣で武装した千の騎士】を召喚して対象に粘着させる。
WIZ   :    一人を殺せば悪漢が、万を殺せば英雄が生まれる
自身の【所有する任意の必要量の武装類】を代償に【対象が最も愛する者に変わる“模造英雄”】を創造する。[対象が最も愛する者に変わる“模造英雄”]の効果や威力は、代償により自身が負うリスクに比例する。

イラスト:内藤ゆう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレナ・ヴァレンタインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

幻武・極
へえ、キミはダブルスキルか。
これは厄介だね。
でも、それが逆にキミを攻略させる状況を作り出すのさ。
キミの握手は断らさせてもらうよ、代わりにボクシングってことだし拳を突き合わさせてもらうけどね。
さて、これによってボクに報復を行う千の騎士が粘着してくるんでしょ。
オーラ防御で報復攻撃は防がせてもらって分厚い人の壁を作らせてもらうよ。これでキミや機械都市の攻撃を防いでいる間に、ボクはウォーミングアップをしていくかな。
適度に体を温めたら常在戦場のカウンターの一撃をしてあげるよ。
さて、キミはボクシングじゃない部分が結構多かった気がするんだけど強化効果貰っててよかったのかな?



 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)は目の前の敵――白い外套と長い銀髪をなびかせる男を見るなり、にたりと笑みを浮かべた。
「やぁ、風魔小太郎。へえ、その姿のキミはダブルスキルか。これは厄介だね。でも、それが逆にキミを攻略させる状況を作り出すのさ」
 極の言葉に風魔小太郎が鼻で笑って一蹴する。
「強がりは止せ。此の百面鬼は『剛腕』と『無限に増殖する戦闘機械』を操る故に死角なし。そしてこの姿のユーベルコードは強力。汝の敗北は必至と認めよ」
「ふぅん。でも、やってみなきゃわからないよね?」
 極はあくまでも負ける気はないと風魔小太郎を挑発する。
 ならば、と百面鬼はその手を差し伸べて極へ握手を求めた。
「では証明してみせよ。汝がこの百面鬼を斃す“兵士”に足る存在だと」
 一見、この握手は戦闘前の紳士的な行為に思える。
 形式上はボクシングで戦うがゆえに、そういった行為も自然だと思えてくる。
 だがその正体は、握手をしてしまった対象を『言いなりにできる兵士』へと変えてしまうユーベルコードであった。
 グリモア猟兵の予知でそれを事前に知っていた極は、握手を拒絶して拳を突き出す仕草をした。
「キミの握手は断らさせてもらうよ、代わりにボクシングってことだし拳を突き合わさせてもらうけどね」
「……断ったな? よかろう、汝に“報復”の災いが降りかかるだろう……!」
 途端、極の背後から斬りかかってくる千人の騎士の軍勢が現れた!
 千人の騎士たちは執拗に、粘着質に極を狙い続ける。もはやボクシングではなく乱戦だ。
 しかし極は冷静だ。
「やっぱり、そうくるよね? やけにリングがだだっ広いからおかしいなって思ったんだ。けれど、この人数って却ってキミ自身の攻撃って通るのかな?」
 極は騎士たちの軍勢を壁にすることで、風魔小太郎の拳が届かない状況を作り出していた。
 同じく、包囲を試みる戦闘機械も騎士たちが邪魔で攻撃が通らない。
「千人の騎士の攻撃っていっても、オーラの障壁で弾けば訳ないからね? ウォーミングアップにはちょうどいいよ」
 様々な武術を極めんと志す極にとって、剣術など基本中の基本。
「ルーンソードを使うまでもないね。ボクの拳でノックダウンだ」
 剣術は間合いが長いが、懐に潜られると対処が難しい。
 素早い動きで極は騎士たちの懐へ肉薄しては殴り飛ばし、斬撃をオーラ障壁で食い止めてはまた殴る。
 それを繰り返してゆき、徐々に体を温めてゆく。
 ……のだが、ひとつ大きな誤算をしていた。
「おや? 足元が盛り上がって、うわっ!?」
 突如、極の真下から戦闘機械の群れが出現したではないか!
 更に騎士たちを掻き分け、風魔小太郎も急接近してくる。
「汝は何か勘違いしているようだが、この騎士たちは百面鬼の手勢ゆえに、ある程度の下知が可能である。戦闘機械も、この戦場ならどこでも出現可能よ。それに届かぬなら近付けばいいだけの話。さあ、今こそ闘拳で打ちのめしてくれよう!」
 猛牛のように突進してくる風魔小太郎!
 そして極の周囲に次々と出現する戦闘機械の群れ!
 更に千の騎士たちもいまだ健在!
 極、絶体絶命!
 しかし、それでも極は怯まず、むしろ高揚感を覚えていた。
「さて、ウォーミングアップは充分だよ。ボクのスピードに付いて来れるかな?」
 刹那、極の姿が消えた。
 直後に響き渡る連続打撃音!
 戦闘機械の群れと千の騎士たちが宙へ吹っ飛ばされるのを目撃した風魔小太郎は、次の瞬間、自身の身体を突き抜ける衝撃に目を丸くして驚愕する。
「がハッ……!? な、にが、おきた……?」
 吹っ飛ばされ、リングアウトする風魔小太郎がよろよろと立ち上がる。
 その視線の先には、極の姿があった。
「何って、ボクがキミを殴っただけの話さ。ユーベルコードで加速して、ね?」
 ユーベルコード『幻武流『常在戦場』(ゲンブリュウ・ウォーミングアップ)』……!
 事前にウォーミングアップを行うほど、極の武術は冴え渡り、身のこなしは雷光の如き速度を誇る!
「正直、ボクの見立てが甘かったのは認めるよ。けれど、それだけの話だよね。結局、君を殴れば結果は一緒だからさ」
 圧倒的速度と剛力を備えた極の武術に、風魔小太郎はリングへ戻るだけで精一杯だった。
 そして3分間が経過してゴングが鳴る。
 風魔小太郎、ゴングに救われた。
「さて、キミはボクシングじゃない部分が結構多かった気がするんだけど、その強化効果は貰っててよかったのかな?」
「……ぬかせ。次こそは使いこなしてみせる……!」
 勝者の言葉に、敗者が吠える。
 第1ラウンドは、極の武術のカウンター勝ちであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エメラ・アーヴェスピア
…割と妙な事になっているわね、アポカリプスヘル
とはいえ強力な敵という事には変わりないわ、気を引き締めないと
…ところで、ボクシング…?

…まぁ、私がボクシングが出来る訳がないから代理で「魔導蒸気装兵」に戦闘させるわ
その背の低さと速度を生かしてインファイトで戦わせるわ
別に人間と言う訳じゃないから力不足という事もない筈
だけど私が一番対処したいのは『増殖無限戦闘機械都市』の方よ
装兵の支援の為に『我を護るは不壊の城壁』を発動、リングからの攻撃に反撃よ
同時に『プレジデント・ナックル』を無差別に発動しようものなら引っかかる筈
元々のUCは…機械だからそもそも、ね
さぁ、猟兵の仕事を始めましょう

※アドリブ・絡み歓迎



 エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)は困惑していた。
「……割と妙な事になっているわね、アポカリプスヘル。ドクター・オロチと風魔小太郎? 一度倒した敵が出張ってくるなんてね。とはいえ強力な敵という事には変わりないわ、気を引き締めないと」
 共に過去の戦争で打倒したオブリビオン。
 しかし今はフォーミュラ並みの脅威となって戻ってきた。
 ここで食い止めねば世界を救えない。
 エメラだって、それは理解していた。
 ただ1つ、納得いかないのが……。
「ところで……世界の趨勢がまさか、ボクシングで決しようとしてるだなんて……」
 そう、今回の戦闘形式だった。
 風魔小太郎もドクター・オロチも、ボクシングで戦うことで真価を発揮する。
 ならば猟兵たちもこれに対抗し、ボクシングで叩き潰そうというのが今回の任務内容なのだ。
「……まぁ、私がボクシングが出来る訳がないから代理で『魔導蒸気装兵』に戦闘させるわ」
 エメラは直接戦闘が苦手であり不向きだと自覚している。
 故に、自身の作品である体高1m程度の機械兵にボクシングで戦わせ、自身はセコンドと援護射撃に徹することにした。
「では、風魔小太郎、推して参る!」
 ゴングが鳴ると、風魔小太郎は召喚した戦闘機械の群れを代償に『模造英雄』を作り上げる。
 それはエメラの記憶の中で、もっとも強い存在が具現化されていた。
 しかし、エメラは怯まない。
「だからどうしたって言うのかしら? 此方は最初から1対多数を想定して戦術を編んできたのよ?」
 魔導蒸気装兵はフットワークの良さと小柄な体格を駆使して、模造英雄の脇腹へパンチを連打!
 そのままリング隅へ吹っ飛ばす!
「なかなかの手練れとみた。ならば此の百面鬼が相手だ」
 剛腕プレジデント・ナックル!
 超強化された巨大機械腕が唸りをあげて迫りくる!
 同時に、リングの周囲から無数の戦闘機械の群れが殺到!
 多勢に無勢だ!
 しかし、エメラはこの時を待ち望んでいたのだ。
「残念、お返しよ。さあ、猟兵の仕事を始めましょうか」
 そう宣言したエメラが指をパチンッと弾く。
 すると、魔導蒸気装兵の身体から真っ白な魔導蒸気防壁が噴き出され、突っ込んできた風魔小太郎と戦闘機械の群れを押し返す!
「なに!? 水蒸気の爆発で弾き返した、だと!?」
 驚愕する風魔小太郎。
 だがエメラのユーベルコード『我を護るは不壊の城壁(カウンターウォール)』の神髄は此処からだ。
「水蒸気の中をよく見てみなさい。何が見えるかしら?」
 魔導蒸気が晴れた中から、内蔵された魔導蒸気砲が飛び出しているではないか!
 魔導蒸気装兵にあらかじめ搭載されていたのだろうそれは、容赦なく全方位に砲火をばら撒きだす!
「う、ぬおぉぉっ!?」
 絶え間ない砲撃に晒された風魔小太郎がロープ際へ追いやられ、戦闘機械の群れがたちまち木っ端微塵の鉄くずに変わり果ててゆく。
「一応、弾丸っていう物質を拳の代わりにぶつけて攻撃しているから、これもある意味ボクシングよね?」
「おのれ……よくも此の百面鬼を謀ってくれたな……!」
 反撃に出たい風魔小太郎であったが、ゴングに阻まれてやむを得ずコーナーへ戻っていった。
 悔しがる敵に向かって、エメラは肩をすくめた。
「あれだけの物量をけしかけていて、何がボクシングよ? こっちも好きにやらせてもらったわ。お互い様ね?」
 このラウンドは、エメラの智謀が光る勝利であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

大町・詩乃
脳味噌オバケ退治の前に、配下とのボクシング対決ですか。

でもリングを機械化させてのオールレンジ攻撃は反則ですよ。
なのでUC:産巣にて周辺の地面を大勢のデビルキングワールドの悪魔さん達に変換。
一人一人がオブリビオンや猟兵に匹敵する悪魔さん達なので、機械を攻撃して反則防止するくらいは訳無いです。

【対象が最も愛する者に変わる“模造英雄”】まで生み出した場合も悪魔さん達に集団で取り押さえて貰います。

ボクシング対決では第六感で攻撃を予測して、見切り・ダンスで舞うように回避します。
そして拳に雷の属性攻撃と神罰を籠め、功夫・鎧無視攻撃・貫通攻撃・衝撃波による強烈なストレートを風魔小太郎さんにお見舞いしますよ!



 大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は巫女服の袖をひらりと翻すと、目の前の風魔小太郎を怪訝そうに見詰めた。
「脳味噌オバケ退治の前に、配下とのボクシング対決ですか」
「配下、とな。この百面鬼、オロチ殿と志を同じくする者同士にて、配下に非ず」
 不服そうに告げた風魔小太郎が『増殖無限戦闘機械都市』によってリングの周囲から戦闘機械の群れを生み出す。
 その数はとめどなく溢れ返り、すぐに大町の周囲を取り囲んでしまった。
 だが大町は狼狽える素振りもなく、ただ微笑み返すだけだ。
「あら、腰巾着の配下じゃなかったのですね。それは大変失礼致しました。でもリングを機械化させてのオールレンジ攻撃は反則ですよ?」
 大町はすかさずユーベルコードで対抗する。
 すると途端、彼女の足元が泡の様にぼこぼこと膨れ上がり始める。
 膨れ上がった地面は人の形を象れば、自我を持って活動を始めたではないか。
「神の理により、此処に生命を創造いたします。生まれたるは此処より異世界……デビルキングワールドの住人である悪魔さん達です」
 大町の周囲の無機質を『彼女が選んだ生物、又は着用者の身体の一部』に変換し、操作するユーベルコード。
 生み出された悪魔たちは、風魔小太郎が出現させた戦闘機械の群れに匹敵するほどの数となって、次第に手あたり次第に破壊活動を開始する。
 ワルい事を推奨される世界の住人なので、目の前に機会があればぶっ壊したり、押さえつけて動けなくしたりとやりたい放題だ。
 しかも大町が近づけば、戦闘機械の群れでさえも悪魔たちへと変換され、その数は雪だるま式に増加してゆくのだ。
「な、なんだ此奴らは!? 非武装の一般人がこんなに強いわけがない!」
 困惑する風魔小太郎へ、大町がころころと笑う。
「ご存じないのですか? デビルキングワールドの悪魔さん達は、その一人一人がオブリビオンや猟兵に匹敵する実力の持ち主ばかりですので、大量の機械の群れを攻撃して反則を防止するくらいは訳無いです」
「そんな了見がまかり通って堪るか……! かくなる上は、この剛腕で汝を叩き潰してくれるわ!」
 戦闘機械の群れが当てにならないことを悟った風魔小太郎が、大町へ向かって突進してきた。
 だがこれを大町は華麗なステップでひらりひらりと回避し続ける。
 その様子はまるで雅な御神楽の舞を見ているかのようだ。
「動きが単純ですね? これなら、か弱い私でも避けられそうです」
「ぬぅぅ! おのれ、ちょこまかと!」
 苛立つ風魔小太郎。
 そこへ、悪魔たちが背後から襲撃してきた!
 なんてワルい事を!
「うぐッ! な、なにをしておるのだ、ぐわあぁぁーっ!?」
 あっという間に悪魔たちから集団リンチでボコボコにされる風魔小太郎!
 ボクシングのルールを無視した極悪喧嘩殺法を喜んで行う悪魔たちは力加減を知らない!
「ぐぬぬ……、いい加減にせぬか!」
 しかしそこは風魔小太郎、悪魔達を跳ね除け、死力を尽くして大町へ渾身の右ストレートを放つ!
 機械化された巨腕から繰り出される直死の一撃だ!
「――だから、動きが単純なんですってば」
 大町は身を屈めてその拳を掻い潜ると、自身の拳に雷の神力を宿す。
「これで……決めます!」
 ダンッと大きく前へ踏み込んだ大町が、神の怒りの雷を突き出した拳から解き放つ!
「神罰を喰らいなさい!」
「ぐわあぁぁっ!?」
 至近距離から撃ち出された雷の発勁は、風魔小太郎の守りを無視してその身体を見事に貫いたのだった……!

成功 🔵​🔵​🔴​

南・セリカ
「ボクシングって、拳で殴り合うってこと?…
やったことないが、正々堂々と戦えばいいんでしょう?」

ガチの肉弾戦で勝負を挑む。
相手のパンチに合わせて、左右に動き空振りさせる。
ボディブローを喰らったら痛みをこらえる。
倒されてもまた立ち上がればよい。
倒れたすきに体力を回復させる。

あとはカウンターのタイミングを待つだけ!



 南・セリカ(捜査官セリカ・f36765)は駆け出しの猟兵だ。
 セクシーな黒のハイレグスーツだけを身に纏った、正義の警官だ。
 そして潜入捜査官でもあるので、このやたら防御力弱そうで露出度の高い格好にも意味がある、はずだ。
 そんなセリカだが、彼女は近接戦闘がまるで苦手という弱点があった。
「ボクシングって、拳で殴り合うってこと……? やったことないが、正々堂々と戦えばいいんでしょう?」
 風魔小太郎が忍術で変身した『戦争代理人』ブラッド・ウォーデンを前に、それっぽく拳を掲げるセリカ。ちなみに彼女は完全に丸腰だ。駆け出しの猟兵ゆえか、装備もユーベルコードも活性化していない。装備は、ただ所持しているだけでは効力を発揮できないことを、恐らくセリカは知らないのだろう。
 そんなセリカを風魔小太郎は完全に格下の相手だとみなして鼻で笑う。
「フン……なんて脆弱で貧弱な猟兵なのだろう。だが丸腰でこの百面鬼に挑もうとする気概や善し!」
「あら、褒めてくれるの? 意外ね?」
 敵からの思わぬ賛辞と敬意の言葉に、セリカは目を丸く見開いた。
 これに風魔小太郎がほくそ笑む。
「なに、これは我がユーベルコードの先触れよ。丸腰で挑んだことを後悔させてくれるわ! ゆけ、戦闘機械群!」
 その一言が、セリカの周囲に脅威をもたらす。
 リングの四隅からわらわらと出現する戦闘機械の群れが、あっという間にセリカを完全に取り囲んでしまった。
「卑怯者! 正々堂々とボクシングで戦うんじゃなかったの!?」
「はっはっは! 『ぼくしんぐ』とやらで戦うとは言ったが、正々堂々と戦うとは、この百面鬼、一言たりと口走っておらぬわ!」
 セリカはグリモア猟兵の言葉及び風魔小太郎の発言を思い返す。
「……はっ! 確かにそうね!」
 一言も口に出してないし、グリモア猟兵も最初から風魔小太郎の持つ『剛腕』と『戦闘機械の群れ』の能力について警告をしていた。セリカ、不慣れな猟兵活動での痛恨のミス!
 装甲しているうちに、一斉に押し寄せてくる機械の群れに、セリカは四方八方から攻撃を喰ら得られてしまう。
「きゃあっ!? これがボクシングだというの!?」
 まったく違うが、ボコボコに殴られているのは確かだ。
「くくく……どうだ? 手も足も出まい? 先ほどの宣戦布告のユーベルコードで、戦闘機械の群れの命中率と威力は120%増強されている! そのままネギトロになるがいい!」
 まるで蜘蛛の子供に群がられる哀れな獲物のように、セリカはなぶられ続ける。
 このまま何も出来ずに命を落としてしまうのか?
 そう思われた矢先だった。
「……こんなところで、負けるものか!」
 倒れたセリカが再び立ち上がると、飛び掛かってきた戦闘機械の群れを殴り飛ばしたではないか!
「ったぁい! やっぱり肉弾戦は嫌いだわ。拳銃を持ってくればよかった……!」
 愚痴を零しつつ、襲ってくる機械の群れを死にもの狂いで殴り飛ばし続けるセリカ。気が付けば、風魔小太郎のすぐ傍まで接近している!
「愚かな。この百面鬼に直接、その顔を粉砕されに来たか!」
 暴風めいた左フックがセリカへ振るわれる!
 だが、幸か不幸か、セリカは一瞬だけ意識が遠のいた。
 そのおかげで、拳の風圧で彼女の身体は後ろへ仰け反った。
 セリカの鼻先を風魔小太郎のメカ化した左拳が通過するのを、彼女は不思議そうに見詰めていた。
「あれ……? 避けられた?」
「なにぃ!? 今のを避けるか……!」
 振り切った左拳をガードポジションへ持ってゆくまでの0.1秒、風魔小太郎に隙ができる。
 セリカは思い切って懐へ潜り込むと、デタラメに敵の鳩尾へ拳を突き出した!
「カウンターよ!」
「ゴホッ!?」
 風魔小太郎の思わぬ打撃と油断からか、セリカはラッキーパンチで相手からダウンを奪った。
 だがこれ以上の継戦はセリカの実力では厳しい。
 やむなく、入れ替わりに駆け付けた猟兵とバトンタッチし、セリカはリング外で回復を図るのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

巨海・蔵人
◼️心情
プレジデント…
強敵だったよね、僕は手も足もでなかった(から、無駄に体力を使わせた)
それにしてもボクシングかぁ、よおし、親分に相談してみよう

◼️相談した結果
正々堂々ボクシングのルールで勝負!
と、言うわけで、
親分協賛で特殊ルールカード発動!
リングに暴力NG罰ゲームバッチコイ、ボクシングルールを適用で勝負だよ。
話している間に筐体や大型ディスプレイの設営はドローンで済ませたし。
さあ、尋常にボクシングゲームで勝負だよ!(書き文字を背負いつつ)
ダウンをしたら問答無用で爆発デスマッチ!
カードゲーム中に全然関係ない勝負が始まるなんて、当たり前だよね?
普通に攻撃されたら僕はリモートで操作しながら避けるね



 巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は思い返す。
 かつての『アポカリプス・ランページ』の際に戦ったフィールド・オブ・ナインの一角『プレジデント』のことを。
「プレジデント……強敵だったよね、僕は手も足もでなかった」
 あの時はいわゆる“やられ役”に徹して、徒労による体力削減を行った蔵人。
 故に直接的なダメージは与えていないのが現状だ。
 しかし、今回はそうは言ってられない。
『プレジデント・ナックル』によるボクシングスタイルでの戦闘力超強化並びに『増殖無限戦闘機械都市』での無尽蔵の戦闘機械の群れの襲撃という、2つのフィールド・オブ・ナインのユーベルコードを最初から使用してくる風魔小太郎には、リスポーン戦略など通用しないだろう。
 なので、今回は秘策と助っ人を用意してきた。
「それにしてもボクシングかぁ、よおし、親分に相談してみよう」
「……なに?」
 風魔小太郎は耳を疑う。
 この場にいるのは自身と蔵人のみ。
 して、その親分とはいったい何処に?
 そんな疑問は、数秒後に解決してしまった。
 蔵人の頭上に、何か奇妙な人形のような物体が空を飛んでおり、その真下からスポットライトのような光が照らされている……。
「多機能双方向映像通信対応自律式テレビウム型・伊ーOctopus【まう】を起動してっと、あ、映ってるかな? はい、おはこんにちばんわです! 今回はVRイタコドローン『まう』を使って、あのカクリヨファンタズムの重鎮にしてバズってトレンドな親分と緊急コラボだよ!」
『いやー、ここがアポカリプスヘルっちゅーとこかー! えらい殺風景な場所やなー? でもワイちゃん、なんかワクワクすっぞ!』
 スポットライトの中から、改造制服を着た動物の耳が目立つチャラい女性が出現する。VR映像とは思えぬリアルさだ!
『オッス! ワイちゃんや! いっちょやってみっか!』
 あれは! カクリヨファンタズムの4大親分のひとり、新し妖怪の『バズリトレンディ』さんではないか!
 そうとは知らない風魔小太郎、目の前で始まった超展開に早くもついてゆけない!
「な、なんだ汝は? ええい、そっちも召喚の類を用いるならば、こちらも汝の愛する『模造英雄』をぶつけるまで!」
 風魔小太郎は生成した戦闘機械の群れを代償に、蔵人の愛するヒーローの姿をした『模造英雄』が出現!
 その姿は……。
『なんやて? ワイの2Pカラーやないか!』
 バズリトレンディの色違いキャラであった。
 これに蔵人は慌てて注釈を入れる。
「ほ、ほら、愛するって言っても配信者としての敬愛だから。そういう意味じゃないんで、安心してください」
『ふっふっふー! 蔵人ちゃん、そんなワイちゃんがこと好きなんかー? ええで! ワイちゃん、愛されキャラやからごっつ愛したってや!』
「ええい! いい加減戦うか帰るかどちらかにせよ!」
 一向に話が進まない状況に、風魔小太郎が遂にキレた。
 蔵人が苦笑いしながら、撮影用ドーロンへ向けて進行を開始した。
「……ってなわけで、色々とカオスになってきましたが、今回の企画はこちら!」
 ドドンッと効果音が鳴り響くと、蔵人は背中をカメラに向ける。
 そこに書かれていたのは、『ボクシングに【デュエブ】は勝てるのか!?』と書かれている!
「バズってトレンドな親分と緊急コラボ、デュエブの深淵を覗いて見よーと言う訳で、今回は妖怪の間で流行している【デュエブ】が異種格闘技でどこまで通じるのかを検証してゆくよ」
『よろしくやで~!』
「だから汝等は何をしているのだ?」
 完全に置いてけぼりの風魔小太郎である。
 その方気振りが功を奏し、蔵人は先制してユーベルコードを発動させるに至った。
「早速、フィールド魔法発動! このカードの効果により、この世界は今から【デュエブ】のルールが物理法則より上位に書き換えられたよ!」
『つまり、すべての物事の善悪も優劣も! この【デュエブ】っちゅートレーディングカードゲームで決まるんやで!』
 蔵人とバズリトレンディの言葉に、風魔小太郎が愕然としてしまう。
「そんな札遊びで生死を賭けられるか! やれ! 模造英雄!」
 2Pカラーのバズトレ2号が殴りかかてくる!
 しかし、途端になぜか風魔小太郎ごとバズトレ2号が爆発して吹き飛ばされる!
「グワーッ!? 爆発ナンデ!?」
 地面に墜落して早くもワンダウン取られる風魔小太郎。
 バズリトレンディ本人がチッチッチと舌打ちしながら指を振る。
「あかんでぇ? ルールは守らな! ルール違反は爆破デスマッチの罰ゲームが発動するさかい、素直にワイちゃんと【デュエブ】でボクシングバトルや!」
「もはや意味が分からぬ……!」
 混乱する風魔小太郎。しかし気付けば、その手中にカードデッキが握られているではないか!
「これで戦えと……よかろう! ならばこちらが先制だ! ドロー! まずはジャブパンチ! モンスターカードを攻撃表示で配置!」
「では僕はこのカードを伏せたまま守備配置です!」
 途端、カード同士が激突!
 風魔小太郎側のカードが爆散し、守備配置されたカードが表に返る。
 意外! そのカードの正体は『バナナの皮』!
「バナナの皮を踏んだ敵は後頭部を強打して即死効果を喰らいました。戦場から敵カードを除外します。そしてこれをトリガーに親分の効果発動です!」
『ワイちゃんが場にいる限り、配信中の“いいね!”に応じて攻撃力アップや! 更にバブリーマネー効果も発動で戦車を買うてきたで!』
 蔵人とバズリトレンディの背後に、幻影の様に出現する巨大戦車が砲口を敵へ向ける!
『よっしゃ! 攻撃宣言や! 蔵人ちゃん、やったってや!』
「了解です。これが僕らの……」
『必殺右ストレートやー!』
 発射される戦車榴弾が、偽親分を粉砕して風魔小太郎も爆破させてしまう。
「がはッ……!? な、なんなのだ、これは!? というか攻撃力アップなど無意味ではないか! これは戦車の威力であろうが!」
 困惑する風魔小太郎へ、バズリトレンディが追い打ちをかける。
『よっしゃ! ダウン2回でエクストラステージへ突入や!』
「まだ何かあるのか!?」
『せや! このカードに『相手のダウン2回でボクシングゲームをする』って書かれてるやろ? せやから筐体を用意させてもらったで!』
 いつの間にか、目の前にはゲームセンターで設置されているようなボクシングゲームが出現していた。画面向こうのNPCをセンサー付きのグローブで殴って倒す内容だ。
「これは特殊な筐体でして、殴られたプレイヤーと画面のキャラのダメージが連動するんですよ」
「最初からこれで殴り合えばよかろう!?」
 風魔小太郎のツッコミもむなしく、バズリトレンディと風魔小太郎は画面へ向かってにらみ合う。
 そしてゴングが鳴った!
 瞬間、蔵人が魔法カードを発動!
「ここでサンダーボルト発動です。敵ライフポイントにダイレクトアタック!」
「グワーッ! 卑怯なり!」
 感電して風魔小太郎が硬直!
 そこへカッ飛んでくる親分パンチ!
『隙ありや! いくで! ワイちゃんの必殺ウルトラスーパーデラックスミラクルマキシマムトルネードギャラクシーダークネスレインボーサイクロンアームストロングネオカイザーグレネードアッパァァァァァ!』
「アババババーッ!?」
 哀れ風魔小太郎、訳も分からずに爆発してまたもや吹き飛んでいったとさ。
「はい、というわけで、見事な吹っ飛びぶりの風魔小太郎さんでしたね。面白かったら、チャンネル登録と高評価ボタンを押してくださいね」
 そそくさとセコンドとしてリング外に避難していた蔵人が締めの言葉を述べる。
 投げ銭が凄まじい勢いで放り込まれ、888888888と拍手コメントが鳴りやまぬ生配信で大成功を収めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蒼・霓虹
プレジデント絡みの案件である以上、拳を交え、配下共々再び骸の海に還さなければなりませんね。

『あのー……霓虹さん、相手の本体はプレジデントではなく変な脳味噌クマ(オロチ)なんですが』

[WIZ]
オーバーロードで真の姿に
【増殖無限戦闘機械都市】と配下のUC対策に敵が【増殖無限戦闘機械都市】を展開したら、わたしも【高速詠唱】UC発動でフィールドを此方側に塗り替え

模造英雄は恐らく、わたしが人間だった頃憧れたなめろうのご当地ヒーロー
(依頼「すてきな絶望、くださいな」参照)それに対する対策は展開した迷宮からの【属性攻撃(ボクシング)】を込めた海産物のビームによる【範囲攻撃&援護射撃&弾幕】で配下本体ごと攻撃

わたしは〈彩虹(戦車龍)〉を【操縦】し【悪路走破&推力移動&空中浮遊】で駆け【第六感】で【瞬間思考力&見切り】攻撃回避し【高速詠唱&多重詠唱】し【属性攻撃(ボクシング)&オーラ防御】込めた〈レインボークローバー&ハッピーティートラップ〉【弾幕】グローブを【念動力】操作し殴ります

[アドリブ絡み大歓迎]



 蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)は巨大なリングに飛び込むと、すぐさまその姿を超克(オーバーロード)させて変化した。
 蒼は人の姿から竜鱗で覆われた神へと、その相棒の猟機人・彩虹はビスマス結晶の七色の装甲を纏った。
「プレジデント絡みの案件である以上、拳を交え、配下共々再び骸の海に還さなければなりませんね」
 そう意気込む蒼だが、彩虹には困惑気味にツッコミを入れられてしまう。
「あのー……霓虹さん? 討伐対象の本体は、プレジデントではなく変な脳味噌クマなんですが」
「だとしても、プレジデントを憑装させるなんて真似をされたら、私が出張るしかないじゃないですか」
『霓虹さんってば、プレジデントのことになると目の色変わりますよね……』
 闘志漲る蒼に呆れる彩虹。
 だが、ふたりの前に殺意を迸らせる風魔小太郎が拳を掲げる。
「此の百面鬼を差し置いてオロチ殿の打倒の算段とは。なめられたものよ」
「風魔小太郎……かつて猟兵に敗れたあなたなんて、初めから眼中にありません。完封してみせますよ」
 蒼が自信満々に宣戦布告をすれば、風魔小太郎は我慢ならぬとユーベルコードを発動させる。
「一人を殺せば悪漢が、万を殺せば英雄が生まれる……増殖無限戦闘機械都市で呼び出した攻撃機械群を代償に! この場に“模造英雄”を創造する!」
 万を超える機械群が圧縮合体すれば、現れた“模造英雄”の姿に蒼は目を見張った。
「あ、あれは……私がまだ神ではなく人間だった頃、なめろうの素晴らしさを教えてくれたご当地ヒーローさん……!」
 よもや、こんな形で対面を果たすとは。
 否、これは対面ではなく、蒼の記憶から捏造されたオブリビオン!
「許しません……私の思い出を踏みにじろうというなら、こちらも全力で叩き潰します!」
 一気に沸点に到達した蒼は、ユーベルコード『理想と夢の残り火・無限蒼鉛壊廊(リソウトユメノノコリビ・ムゲンソウエンカイロウ)』を高速詠唱して対抗する。
「虹龍となりし今も、燻り続ける蒼き灯火……わたしの心象風景、これ以上壊れないし壊させない……! 以下省略!」
 途端、リング全体が壊れ掛けの蒼鉛で出来た迷路となって風魔小太郎ごと模造英雄と攻撃機械の群れを飲み込んでいった。
「しまった! 戦力が分断され――ぬぅおぉっ!?」
 突如、蒼鉛で出来た壁の至る所から、強力なビーム光線が飛び交い始める!
 風魔小太郎はニンジャの身のこなしで回避を試みるが、無規則な射線で放たれるビームを完全に避け切れない。
 しかも命中するたびに、何故か『なめろう』が食べたくなるのだ!
「これは一体何事だ!?」
(教えて差し上げましょう……!)
 青の言葉が、蒼鉛の壁を通して風魔小太郎の脳へ直接話しかけてくる!
(この交戦の名前はご当地ビーム! いわば、私の『なめろう』への想いが籠った、ご当地のパワーから発せられた海産物由来の破壊光線です!)
「言っている意味が一寸たりと分からぬ!」
 確かに、蒼の人となりを知らなければ、彼女が何を言っているのか分からないだろう。
 しかし、風魔小太郎は蒼の思い出を侮辱し、それを具現化させて戦わせようとした。
 彼女の怒りがご当地の怒りとなって、荒れ狂う雷光めいたビームを生み出す源となっているのだ!(ただし意外と磯臭い)
(ボクシングは拳での殴り合い……つまり、ビームであれども拳だと言い張れば、それすなわちボクシングです!)
「そんな理屈が通じるか!」
 風魔小太郎の抗議は、蒼の反論で論破される。
(しかしそちらも、無尽蔵の機械や模造英雄による数の暴力を仕掛けましたよね? ボクシングとは言い切れませんが?)
「ほざけ! この百面鬼が殴れば即ち『ぼくしんぐ』なり!」
 両者とも水掛け論で平行線を辿る。
 ならば、先に殴って相手をリングに沈めた方が真のボクサーだ!
(大体、この迷路は私しか出口を知りません。風魔小太郎、あなたはここから出られますか?)
 脳に語り掛ける声があざ笑う。
 同時に、アジや真鯛などの海産物の風味漂うご当地ビームが風魔小太郎に浴びせかけられてゆく!
「ぎゃあああっ! 激痛と共に無性になめろう茶漬けが食いたくなってしまう! ごほっ!? 今度はなめろうと共に酒が恋しくなってきた! いかん! このままでは腹が減って気が狂いそうだ!」
 模造英雄と攻撃機械の群れは為す術なくビームで破壊され、戦力分断された百面鬼は迷路をさまよいながらビームで撃ち抜かれて『なめろう』の幻影に苦しめられる。
「もういい! なめろうの良さは気が触れるほど理解した! だから、この迷路を解除してくれ!」
 降参だと言わんばかりに叫ぶ風魔小太郎。ついでに腹の虫も空腹だと叫ぶ。
 これに蒼はかの者の脳内へ語り掛ける。
(そうですか。ならば許してあげましょう)
 次の瞬間、周囲に立ちはだかる蒼鉛の壁が消え失せてゆく。
 風魔小太郎は占めた、とばかりに蒼の元へ飛び込んでいった。
「愚かな! 本当に解除するとはな! 我が剛腕で潰れろ!」
「愚かなのはそっちです! はぁぁぁ!」
 蒼は彩虹に騎乗したまま、風魔小太郎が突っ込んでくるのを予測していたのだ!
 彩虹は予定調和の如く宙を舞ってひらりと敵のパンチを避けてみせれば、すれ違いざまに虹色金平糖クラスター砲を至近距離で発射!
「ぬぐぅッ!?」
 風魔小太郎が風車めいて回転しながら吹っ飛ぶ!
 トゲトゲの砂糖弾が砕け散ってぶつかってくる面制圧の一撃は、さながらハードパンチャーのボディーブローがごとし威力!
「彩虹さん、トドメです! 接近してください!」
『了解です!』
 キャタピラレッグをフル駆動させて急発進!
 加速する彩虹の上で、蒼はマジックカードを2枚同時起動させる!
「虹三葉『レインボークローバー』の面制圧と! 茶柱『ハッピーティートラップ』の突攻撃! これを合成させて、ボクシンググローブに改造です!」
 蒼の両手に纏った七色の幸運の魔法拳が、空中を舞う風魔小太郎の鳩尾へ目掛けて放たれる!
「レインボーヘッジホッグ・フォーチュンブローォォォー!」
「馬鹿なっ!? グ、グワーアアァァァッ!?」
 巨大なトゲトゲの虹色に輝く拳が風魔小太郎をブッスリと貫き、そのまま場外へ吹っ飛ばしていったのだった……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
風魔小太郎、懐かしい名前を聞きましたが、あの脳ミソクマも含めて
再び骸の海に還って頂きましょう

どんな姿になろうとも
貴方と脳ミソクマは
此処で破壊しますっ!

●POW:開幕真の姿に
そして真の姿の上から『早業』UC防御力重視発動

増殖無限戦闘機械都市による
戦闘機等に対する対策と
プレジデント・ナックルに対する対策に【イカドリルロケットビット】を『オーラ防御&属性攻撃(真空)』込め『念動力』で『範囲攻撃&盾受け&武器受け&ジャストガード&受け流し』展開

プレジデント・ナックルによる竜巻も
展開したので部分的に真空膜張り
やり過ごす&軽減出来れば

風魔小太郎が化けた相手のUCも使うなら、技能含め展開した【イカドリルロケットビット】で対応

本題のボクシングですが
『激痛耐性&オーラ防御』で備え
攻撃を『第六感』で『瞬間思考力&見切り』『残像』回避し低空『空中戦&推力移動&ダッシュ』で撹乱

『怪力&2回攻撃&鎧無視攻撃&貫通攻撃』込めて【光学烏賊螺旋ロケット】をボクシンググローブ代わりにお見舞いを

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎



「今、なめろうの話をしてませんでしたか?」
 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)がリングに上がるやいなや、風魔小太郎へ問い掛ける。
 ぜえぜえと肩で息を切りながらリングに戻ってきた風魔小太郎、なめろうと聞くなり身震いした。
「止めろ! なめろうはもうこりごりだ!」
「何故なめろうをそこまで怖がるのか分かりませんが、やっぱりなめろうのことを話していたのですね!?」
 ビスマスは元祖なめろう猟兵である。
 故に、風魔小太郎となめろう談議ができる機会を失って悔やんでいた。
「風魔小太郎、懐かしい名前を聞きましたが、なめろうの魅力にすっかり参ってらっしゃったとは。私がここへ来る前に戦った猟兵さんは、さぞなめろうに深い造詣をお持ちなのでしょうね」
 ……というか、ビスマスの知り合いだったりするのだが、それは本人たちの知る由ではない。
「ですが、いくらなめろうの素晴らしさを知ったところで、容赦はしません。あの脳ミソクマも含めて再び骸の海に還って頂きましょう」
 ディメイション・ローカルドライバーに、真の姿へ至るためのガジェット『ソウエンノリュウキシ』をセット! 更にダブルガジェット・インッ!
「水揚げ量日本一! 青森は八戸名産イカのご当地パワー……! この力で、どんな姿になろうとも貴方と脳ミソクマは此処で破壊しますっ!」
 2つのガジェットを同時に発動させることで、ビスマスは『超克(オーバーロード)』へと到達する!
『Namerou Hearts……Squeese!』
 ドライバーの電子音声が轟けば、亜空間から転送されてきたビスマス結晶の鎧装とイカ型鎧装ナメロウスクイーゼをダブル装着!
『♪イカス! イカッス! スイスイ! スクイィィィズッ!』
 謎の歌が止めば、青く輝くイカの戦士が降臨した!
「これぞトリニティ・ナメロウスクイーゼ・オーバーロード! イカァァァァァァ……キタァーーーーッ!」
 大の字になって両拳を天に挙げて叫ぶビスマス!
「さあ、タイマン張らせていただきますよ!」
「小癪な……! どんな姿になろうとも、数で押し切れば今度こそ……!」
 風魔小太郎はリングの周囲から攻撃機械の群れを生成してビスマスへけしかけた。
 そして、それらを強化するべく、風魔小太郎は『宣戦布告』を申し付ける。
「ご立派な装備を纏って、此の百面鬼を相手取る気迫、なかなか剛毅! だがそれすら凌ぐフィールド・オブ・ナインの異能を2つも備えた百面鬼の底力を見せてくれる!」
 途端、機械の群れが意気に躍動をはじめ、まるで生き物のようにビスマスへ飛び掛かってきた!
 しかしビスマスは冷静に反撃の構えを取った。
「なんのこれしき! イカドリルロケットビット展開!」
 瞬時に展開される、119個のイカ型ドリルロケットビットが機械の群れへ向かって発射されてゆく。
 それらは魔法で風の渦を無効化する真空化現象を発生させ、ビスマスから攻撃を引き寄せて巻き込んでいけば、螺旋の刃に粉砕されてしまうではないか!
「ドリル回転で真空状態となったビットに、吸引されて砕かれなさい!」
 吸引力の変わらないドリルロケットビットに次々と巻き込まれて破砕されてゆく機械群に、風魔小太郎はぎりぎりと歯ぎしりを立てる。
「ぐぬぬぬ……かくなる上は、この剛腕で打ちのめすまで!」
 素早い忍者のフットワークと拳を繰り出す反応速度は、闘拳士として一流のスキルであった。
(まともに喰らえば、推し負けるのは必至……!)
 ビスマスは残りのイカドリルロケットビットを繰り出し、どうにかパンチを吸引力で外へそらすのが精いっぱいだ。
 風魔小太郎も疎rを見越してパンチを軌道修正し始め、遂に会心のアッパーカットがビスマスの顎と捉えんと放たれた!
「これで終わりだ!」
「――それはこっちのセリフです!」
 ガシィンッ!と見えない何かと風魔小太郎の巨大な機械拳が激突!
「なにィ! 汝、何を隠し持ってる!?」
 明らかに認識阻害された迷彩術式で覆われた物体が、ビスマスの腕に装着されているのだ。しかもかなり巨大なそれを。
「教えてほしいですか? ならよく見てくださいね?」
 迷彩が解除された瞬間、風魔小太郎の口から悲鳴が上がった。
「そんな! 巨大な弾頭だと!?」
 ビスマスの腕には、イカ型の螺旋ロケット砲が装着されていたのだ!
「イカは体表を周囲の景色に溶け込ませる生態があります! それを再現したステルス武装! この距離なら外しません!」
 唸る螺旋型ブレードが高速回転し、ロケットのスラスターが点火される!
「リミット・ブレェェェエェイクッ!!!」
 ビスマスがトリガーを引いた瞬間、高速回転したイカ型ドリルミサイルが風魔小太郎の腹を穿ちながら盛大に撃ち出されていった!
「グゥワアァァァーッ!?」
 またしてもリング外へ吹っ飛んでいった風魔小太郎は、地面へ着弾すると凄まじい勢いで爆発炎上したのだった……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
ここが影の城…
何としてもオロチさんを撃破しましょう

風魔小太郎の変化したオブリビオンさんは
間違いなく強敵さんでしょうが
必ず勝利しましょう

真の姿を開放
私の全ての動きが自ずと妙なる調べを生むようになります

ストレートがド
ジャブがレ
フックがミ
アッパーがファ
パリーがソ
スウェーがラ
ウィービングがシ
ダッキングがド

軽快な或いは勇敢な音楽を奏でながら
ボクシングで攻撃

機械化たリングを炎水風の魔力へ変換して
オールレンジ攻撃を無効化しながら
その魔力を拳に乗せて更に速さや威力をupし
無数の残像を生み出しながら
小太郎さんや模造英雄さんへパンチの嵐を見舞います

もし模造英雄さんが無機物ならば
魔力の拳の一撃と共に粉砕して
魔力へと変えてしまいましょう

貴方の動きのリズムは読めました
その程度の音楽(リズム)でシンフォニアを屈服させようだなんて
百万年早いです

そして音楽が高らかに
機械化腕も魔力へと変換
両腕を失った小太郎さんを渾身の一撃で宙へ高々と打ち上げます

海で静かな眠りを



「ここが影の城……!」
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は転送されるやいなや、窓の外の黒く燃える炎が広がる平原を眺めた。
 ここはアメリカ合衆国のメンフィス灼熱草原中心部にそびえ建つ、ドクターオロチのアジトである。
「何としても、オロチさんを撃破しましょう」
 ふんすっと気合が鼻息として出たところで、彼の髭がぴんっと敵の気配を感知した。
「……あちらに、風魔小太郎さんがいるようですね」
 箒星は警戒しながら、リングのあるフロアへと向かっていった。
 すると、かなりボロボロになった白いスーツを着込んだ男……風魔小太郎が化けた姿がコーナーポストに寄り掛かっていた。
「おや、随分とくたびれていますね?」
 箒星の問い掛けに、風魔小太郎はゆっくりとリング中央へ足を運ぶ。
「汝らは次から次へと……連戦の身に堪えるが、そうは言ってられないようだな」
「お疲れなら、もう諦めたらどうですか?」
「ぬかせ! オロチ殿への忠義を果たすのだ、ここから先は通さぬぞ」
 ダメージは蓄積していても、いまだ闘志は健在の風魔小太郎。
 箒星は警戒度を更に引き上げた。
「風魔小太郎の変化したオブリビオンさんは間違いなく強敵さんでしょう。ですが、私も負けられません。必ず勝利して、体力を削らせていただきますよ」
 そう告げると、箒星の黒い体毛が七色へ輝き始める。
「これが、私のオーバーロードです! 私の全ての動きが自ずと妙なる調べを生むようになりますよ」
 ストレートがド。
 ジャブがレ。
 フックがミ。
 アッパーがファ。
 パリーがソ。
 スウェーがラ。
 ウィービングがシ。
 ダッキングが高い音のド。
 まるで生きたピアノだ。
「更に、私の奏でる音は魔力を帯び、戦場のすべてを支配します。試してみますか?」
 箒星の挑発に、風魔小太郎がほくそ笑む。
「面白い。良かろう、だが戦うのはこの百面鬼ではない。いでよ、“模造英雄”!」
 リングの周囲から出現させた無尽蔵の攻撃機械の群れを材料に、箒星の心の中の英雄を具現化した殺戮英雄を召喚してみせた風魔小太郎。
「さあ、汝の敬愛する英雄に殺されるといい!」
「えっと、どちら様でしたっけ?」
「な……?」
 愕然とする風魔小太郎!
 箒星はなんと、目の前の英雄のことを忘れていた!
 心象風景からの具現化なので、確かに箒星にとって偉大な人物なのだろうが……本人が忘れているとなると、目の前の敵はただの機械で出来たオブリビオンでしかない。
「どこかでお会いしたような……? ううん、思い出せません。まあ、いいでしょう。ちょうど機械で出来ていますし、ユーベルコードの効力と、私のオーバーロードを試す実験材料になってもらいましょうか」
 シャドーボクシングを始めた箒星の身体から、美しい旋律が奏でられる。
「さあ、楽しい演奏会の始まりですよ~!」
 箒星が飛び掛かると、音楽を浴びた周囲の攻撃機械の群れが炎・水・風の三色の魔力へと変換されてゆくではないか。
 普段は、ユーベルコード『トリニティ・シンフォニー』を竪琴で発動させるのだが、今回は自身の身体から発する音で魔力変換を行っているのだ。
 そして周囲に発生した魔力を拳へ一点集中させると、模造英雄の胸元へ強烈な猫パンチを叩き込んだ。
 途端、模造英雄の身体がみるみるうちに分解され、三色魔力へ変換されて消失してしまった。
「ふむ、ざっとこんなものでしょうか」
 シュッシュッと拳を突き出すたびに軽快な音色が鳴り響く箒星。
 まるで音を呼吸として体得しているかのような、洗練された体裁きだ。
 風魔小太郎も機械の群れが通用しないと判断し、自ら打って出ることにした。
「動くだけで身体が奏でるとは、大道芸人のほうが向いているのではないか?」
「そちらこそ、ニンジャボクサーとしてプロ参戦しては? 話題性はありますよ?」
「くっ! 減らず口を叩く余裕があるか! 良いだろう! すぐに余裕をなくしてくれようぞ!」
 風魔小太郎の連続パンチが繰り出される!
 その巨大な拳からは信じられないようなパンチの速度!
 忍者の俊敏性が活かされている証拠だ!
 加えて、一撃が必殺の威力を誇るため、少しでも掠れば致命傷に至るだろう!
 だが、箒星はそれをはるかに上回るフットワークで回避し続ける。
「動けば音は奏でられ、私に風の魔力が宿ります。更に水と火の魔力で空気の屈折率を捻じ曲げ、虚像を生み出すことで……」
 風魔小太郎の拳が、箒星の身体をすり抜けてしまった。
「……残像を生み出すことが可能なのです。そしてお返しのケットシーパンチです!」
 ドレミファの音源が入り乱れるほどの激しいラッシュを風魔小太郎へ繰り出す箒星!
「ぬおおおっ? 威力が、増している、だと!?」
 風魔小太郎は困惑する。
 音が鳴るたびに箒星の拳が重くなり、身動きも軽くなってゆくからだ!
「貴方の動きのリズムは読めました。既に頭の中で『譜面』として記憶しています。もう攻撃が私に当たることはありません」
「何が譜面だ! これでも避け切れるか!?」
 必殺のプレジデント・ナックル!
 万物を大統領魂で打ち砕く拳の一撃は、間違いなく当たるはずだったのだが……。
「ほら、回避できたでしょう?」
 箒星の言葉通り、それはむなしく空を切っていった。
 それほどまでに箒星の風の魔力が高まっていたのだ。
「その程度の音楽(リズム)でシンフォニアを屈服させようだなんて百万年早いです」
「お、おのれ! おのれぇぇぇ!」
「いい加減にその腕も邪魔ですね? ちょっと失礼を」
 前に突き出された機械化巨腕を、箒星の肉球がぺしっと叩いた次の瞬間!
「ば、馬鹿な!?」
 プレジデント・ナックルが一瞬で消失してしまった!
 これも箒星のユーベルコードの効力だ!
 強化を失った風魔小太郎は、迫る猫パンチを防ぐことができない!
「このパンチが、貴方への鎮魂の葬送曲です!」
「がハッ――!?」
 突き挙げられたアッパーカットが、風魔小太郎の顎を捉えたとき、高らかに『ファ』の音がリングに鳴り響いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
…いやボクシングってなんだよ
滅茶苦茶じゃねーか
「でもそれならメルシー達も滅茶苦茶していいよね☆」

【情報収集・視力・戦闘知識・医術】
周辺状況の都市兵装の把握
特に今迄遭遇した無限都市との差異も把握
敵の能力と攻撃の癖や弱い所の捕捉

UC発動
【念動力・弾幕・空中戦・切断】
メルシー!都市とか騎士とかの迎撃は任せた!
「ラジャったよ☆」
飛び回りながら超高速で無限増殖都市の兵装や騎士達を念動光弾で迎撃や切り刻む

【属性攻撃・盗み攻撃・盗み・二回攻撃・武器受け】
賢銀水槍をガントレットに変化させて拳に装着
殴り合いは趣味じゃねーが…付き合ってやりますよ
互いに趣味じゃねーのは同感だが…遊びましょうか

敵の攻撃は水槍も利用して受け止め
その上で超高速の連続拳撃を叩き込む

殴り合いってのはスマートじゃねーし趣味じゃねーが
ムカつく奴をぶん殴るってのは割とやってるので全く経験がないわけじゃねーですよ?
こういう場合はオラオラって奴ですか?

基本敵の動きや癖を見切り回避してから確実に猛攻を仕掛けるスタイル
実はそこまで力に自信はないしな



「……いやボクシングってなんだよ、滅茶苦茶じゃねーか」
 愚痴るカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。
 そこへ相棒のメルシーがニコニコと微笑みながら声を掛けた。
「でもそれならメルシー達も滅茶苦茶していいよね☆」
「ああ、やっちまえ、メルシー!」
 カシムのお墨付きをもらったメルシーの眼光が鋭くなった。

「また新たな猟兵か……!」
 鬱陶しそうに顔をしかめる風魔小太郎の腕は、機械化された巨腕がよく目立つ。
 そして広大なリングの四隅から、無尽蔵に湧き出てくる攻撃機械の群れが押し寄せてくる。
 マザー・コンピュータが使用していたそれとは違うようだ。
「では、始めるとしようか。汝は“兵士”の素質があるか、見極めさせてもらおう」
 風魔小太郎が握手を求める。
 だがこれに応じれば、カシムは風魔小太郎の傀儡となってしまう。
 故にこれを拒絶すると、リングの周囲から“報復”を行う、赤い剣で武装した千の騎士たちが現れた。
「メルシー! 都市とか騎士とかの迎撃は任せた!」
「ラジャったよ☆」
 メルシーが万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』を構えながらリングの上へと飛翔する。
 そしてユーベルコードの効力で最大速度マッハ37弱という超音速からの爆撃を開始!
 カシムへ飛び掛かろうとする攻撃機械の群れや騎士たちが、目にも留まらぬ速さから繰り出される念動光弾の弾幕によって爆散粉砕されてしまうのは胸がすく想いだ。
「ひゃっはー☆ ご主人サマのところへは行かせないぞ☆」
「……と、言うことだ、風魔小太郎。ここからはタイマンで勝負です!」
 カシムが流動金属で出来た宝貝『賢銀水槍』の形状を変え、自身の両拳に纏わせてグローブ代わりとする。
「殴り合いは趣味じゃねーが……付き合ってやりますよ」
「フン……ぼくしんぐ、とやらでなければすぐに汝を屠れるというのに」
 風魔小太郎も慣れないボクシングで猟兵たちに圧倒され続けていることに不満を漏らした。
 これにカシムは口角の端を不敵に吊り上げて言った。
「奇遇ですね。僕も盗賊なのでボクシングなんざどうでもいいんです。互いに趣味じゃねーのは同感だが……ここはひとつ、遊んでやるから早くかかってこい、三下忍者が」
「な……っ! この百面鬼を愚弄する気か!」
 風魔小太郎がいきり立って、カシムへ向かって真っすぐ突っ込んでゆく!
 空気を切り裂き、唸りを上げる巨大な機械腕がカシムを捉える!
「死ねぃ!」
 渾身の右ストレート!
 だが、この一撃が突然現れた白銀の盾によって受け止められてしまった。
「なっ!? なんだこの盾は!?」
「僕のグローブですよ」
 カシムが盾で風魔小太郎の顔面を殴り飛ばす!
 そしてそのまま連続ジャブからの脇腹へのボディーブロー!
 素早いパンチの弾幕でのヒット&アウェイ戦法で、カシムは風魔小太郎の体力を削る作戦に出た。
「このグローブ……いや元は槍なんですが……『賢者の石』っていう物理法則を無視できる無茶苦茶な金属で出来てましてね? 僕を守るために自動で形状を変えるんですよ」
「馬鹿な……そのグローブにまるで意思が芽生えているとでもいうのか!?」
 困惑する風魔小太郎。
 だがその返答は意外にも空から降ってきた。
「メルシーの身体の一部を使ってるからね! 大好きなご主人サマを守りたいって気持ちは変わらないよ☆」
 周囲の手勢を蹴散らしたメルシーは、武器をビーム大鎌剣ハルペーに持ち替え、超音速を維持したまま風魔小太郎へ刃を引っかける。
「切り刻んじゃうぞ☆」
「がハッ!」
 肩口からざっくりと刈り取られた風魔小太郎の白いスーツが真っ赤に染まってゆく!
「よくやった、メルシー! あとは僕に任せろ……」
 カシムは、たたらを踏む風魔小太郎へ目掛けて、ジグザグにフェイントを織り交ぜながら徐々に間合いを詰めてゆく。
「殴り合いってのはスマートじゃねーし、実はそこまで力に自信はない上に趣味じゃねーが、ムカつく奴をぶん殴るってのは割とやってるので、全く経験がないわけじゃねーですよ?」
 サイドステップから敵の側面へ回り込んで、からのレバー直撃の左フック!
 更に連続ジャブで敵をけん制しつつ、盗賊らしくフットワークを駆使して敵の周囲を飛び回ることで、相手の攻撃を封じてみせた。
「そろそろ本気で行きましょうか。右か左か選べ、って面倒くさいから両方行きましょう。こういう場合はオラオラって奴ですか?」
「オーマイゴッド……ってメルシーは言っておくよ☆ 神様だからね☆」
 カシムがユーベルコードの効力で、文字通りマッハパンチを実現させる!
「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらぉー!」
「あンぎゃあああっ!?」
 超音速の拳の弾幕を浴びた風魔小太郎は、そのままコーナーポストに追いやられて全身の骨が砕ける音を自身の鼓膜で聞き取るのだった……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

バーン・マーディ
神機
UC自動起動
「ぁああ!あなタ様はロードの仇カタキ仇ぃ!」(ぜっちゃん見て大興奮
お前は何を言っている!我は此処にいるだろうが!?(拳骨
「きゅぅぅ…」
しかし…貴様…?(肩からわき腹にかけて痛みが走った気がした

【戦闘知識】
周辺状況と敵戦力の把握
拳闘の能力についても
【属性攻撃・オーラ防御】
炎のオーラを己とソウルに付与
ソウルよ…都市の処理を任せる
対都市
【砲撃・集団戦術】
「この地に魂が沢山沢山沢山…!」
この地で果てた敵味方の実体化!(MSお任せ
デュランダル大戦艦招来
自動砲撃でソウルの呼んだ死者達と共に都市の兵装破壊
同時に模造英雄の弱体化を狙
対模造英雄
……
(一人の少女の姿を取る英雄
…そうか、少しばかりあの者に情が沸いていたか(軽く頭痛
良い
ならば我は悪らしく往こう
【鎧破壊・鎧無視攻撃・武器受け・カウンター・二回攻撃・怪力・吸血・生命力吸収】
ソウルよ
「しょうチぃ!」
模造英雄はソウルと霊達に抑え

では殴り合おう
正面から大激突
敵の攻撃を受け止め鉄拳を叩き込み
血を吐き吐かせ
渾身のカウンターを叩き込む!


テラ・ウィンディア
神機
UC常時発動
「忍者…そして彼の風魔小太郎ならば私が挑むが道理だとも…って元気がないな二人とも」
ちょっとお財布が寒いだけだぞ
「にゃおー…」
「ならば私のチョコで圧倒的なパワーを」
「「それはいらない」」
「そうか( ´・x・)」
【戦闘知識】
周囲の戦闘機械と敵の動きの癖を観察して把握
対バーン?
「(驚愕)…バーン・マーディ……貴様は三千世界において叛逆という在り方を貫くか…ああ、気にするな…「貴様ではない貴様」を少し記憶しているだけだ」
【属性攻撃・オーラ防御】
己達に炎のオーラ障壁付与

対都市
【重量攻撃・弾幕・空中戦・貫通攻撃・切断・武器受け】
ドリルビット
ガンドライド
三呪剣展開
超高速で飛び回り重力弾の弾幕とドリル攻撃や三呪剣で都市の武装を悉く破壊と攻撃の迎撃!
ぜっちゃん
対模造英雄
騎士鎧の銀髪碧眼のうり二つの青年出現
「貴様…!我が弟の偽物だと…!(大激怒」
ぜっちゃん弟居たんだ!?
【二回攻撃・第六感・串刺し・残像】
超高速の連続拳撃による猛攻
反撃や包囲攻撃は直感で回避
ぜっちゃんと連携猛攻で英雄共々殴る!



 バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、今回、共闘する約束を取り付けている。
「ボクシングと言い張り、リングの上で戦争を仕掛けるか……貴様の叛逆は美しくない。よって、ヴィランたる我が叛逆の何たるかを教えてやろう」
「要は普通に戦えばいいんだよな? だったらやってやるぞ!」
 バーンは風魔小太郎の借りた戦争代理人に憤り、テラはボクシングで戦う必要がない事に気付いて腕を鳴らす。
 これに、後がなくなった風魔小太郎は最後の力を振り絞って、リングの四隅からありったけの攻撃機械の群れを製造して2人を取り囲ませた。
「今持てる最大戦力で、汝等を蹂躙してくれるわ!」
 バーンはテラを横目で見遣る。
「では、テラよ。少しでも敵の物量の負担を軽減するべく……」
「分かってるぞ! ユーベルコードで応援を呼ぶんだな?」
「善い。では、始めるぞ……!」
 2人は同時にユーベルコードを発動させ、それぞれ助っ人を召喚した。
 ……のだが。
「ぜっちゃん、今日はまた一段とフリフリな女装だな……?」
 テラが呼び出した謎多きやべー女装男子こと『ぜっちゃん』、ボス戦ということもあってか、気合の入った真っ黒なゴシックロリータドレスを纏って登場だ。
「ふむ、敵は忍者……そして、彼の風魔小太郎ならば、螺旋忍者の私が挑むが道理だとも……って、なんだか元気がないな二人とも?」
 ぜっちゃんが尋ねると、テラと御供のヘカテイア(黒猫のすがた)の眼がたちまち濁る。
「ちょっとお財布が寒いだけだぞ……」
「にゃおーん……」
 最近、時価相場なる意味を覚えたテラとヘカテイアは、あの日から金欠で、もやし料理しか食べていない。
 ぜっちゃんは憔悴しきってる2人へ、どこからともなく暗黒の塊を掌に出現させてみせる。
「ならば私のチョコで圧倒的なパワーを授けよう」
「「それは無理」」
「そうか……といいつつ食え! そんなもやしっ子じゃ勝てる戦いも勝てないからな!?」
 ぜっちゃんがテラの口にダークマターチョコをINッ!
 超高濃度カカオチョコレートの中には、マムシ・スッポンの血・カイバ・コウジン・ロクジョウ・マカ・ゴオウ・ブリョウなどの強壮成分が馬鹿じゃねぇの?ってくらいに配合されている。
 だが難点は、味がクソ不味い事だ。
 漢方薬は一部調味料として実際に使われている物もあるが、このチョコは栄養価“のみ”を考慮しているため味は二の次なのだ!
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
 無理矢理に嚥下したテラが、口の中に広がる苦みと甘さ、そして鼻から抜ける薬臭さに、内に秘めた魔力が暴発する!
 暴発した魔力はヘカテイアへ逆流し、黒猫はたちまち元の白銀の機神へと姿を変えていった。
「す、すごい! なんて魔力量……! これなら勝てます! ……ってテラの目が血走ってますけど!?」
「う、うう……不味い……苦い……! こんな目に遭うのは、風魔小太郎とドクター・オロチのせいだ……」
 もはや八つ当たりするしかテラには残されていなかった。
 一方、バーンが呼び出した助っ人も、ぜっちゃんを見るなり目を血走らせていた。
「ぁああ! あなタ様は! ロードの仇カタキ仇ぃ!」
 ぜっちゃんを見かけるなり、その手にした大鎌を振り上げるのはデュランダル死神『ソウル』。
 バーンが呼び出した元オブリビオンは、異世界にてバーンと瓜二つの人物の最期に駆け付けられなかった後悔から彼に付き添っている。
「コロス! ココ、コロスコロスコロスゥ! あ、あの世界で果たセなかっタ因縁ヲ、今ここデ!」
「止せ、ソウル……! 奴は味方だ……それに我は此処にいるだろうが。む? なんだ? 我の顔に何かついているのか?」
 死神を押し留めるバーンの顔を、ぜっちゃんが唖然として見詰めていた。
「バーン・マーディ……貴様は、三千世界において叛逆という在り方を貫くか……」
「……? なんのことだ?」
「ああ、気にするな……『貴様ではない貴様』を少し記憶しているだけだ」
「……貴様、何を知ってる?」
 バーンはぜっちゃんを前にした途端、肩から脇腹へかけてずきりと幻痛が走った。
 まるで“一度殺されたかのような痛み”に、バーンは内心戸惑うのだった。

「そろそろ始めてもよいか?」

 風魔小太郎は律儀にも、2人の準備を待っていた。
 彼自身、多少たりと『ボクシングで戦う』というルールに縛られているためか、不意打ちが出来ないのかもしれない。
「人数が増えても同じこと。一気に物量で片付けてくれる!」
 死力を尽くし、全力で持てる力を発揮する風魔小太郎。
 リングには攻撃機械の群れが溢れ返り、その攻撃機械の群れを元に2つの“模造英雄”を作り上げる。
 その姿に、バーン側とテラ側がそれぞれの反応を示した。
「……あの姿、そうか。我は……少しばかりあの者に情が沸いていたか」
 その姿は、かつてバーンが救えなかった少女『ユキ』と瓜二つであった。
 本物は今も尚、霊魂としてバーンの傍に付き添っている。
「良い。ならば我は悪らしく往こう。ユキ……あのような紛い物が貴様だとは、我は断じて認めんのでな。ソウル! 雑魚の処理を命じる! 掃討せよ!」
「しょうチぃ! あ、アあァァーッ! この地に魂が沢山沢山沢山……!」
 黒い炎の平原には黒い感情や無念の怨霊やらが彷徨っているらしく、死神はそれらを一時的に実体化させて使役してみせる。
 更にバーンの権能で燃え盛るオーラを全員が纏い、攻撃力を底上げする。
「まだだ、デュランダル大戦艦、招来!」
 影の城の外に巨大な浮遊戦艦が出現すると、外からこのリングへ目掛けて砲撃を開始したではないか!
「うわぁ!? バーン! おれたちまで巻き込むつもりか!?」
 テラが危険を察知して、機神化したヘカテイアに乗り込む。
 ぜっちゃんは巨大な漢方チョコの壁で瓦礫をブロック!
 そんな女装男子は、敵の手で生み出された模造英雄の姿に激昂していた。
「貴様……! 我が弟の偽物だと……!?」
「ぜっちゃん、弟居たんだ!? どおりで瓜二つだと思ったぞ!」
『でもあちらの方が美少年感がありますね? こっちは残念感が酷いので、余計に……』
 機神の批評など今のぜっちゃんには届かない。
 怒り狂ったぜっちゃんは、テラの指示を待たずに模造英雄へ飛び掛かった。
「許さん! 私のチョコの餌食となれ! ちなみにこれはドクダミとセンブリなどの下剤効果のある漢方薬をふんだんに練り込んだ超ハイカカオチョコレートだ。高濃度過ぎて、硬度が鉄板並みだが?」
「もはや食い物じゃないよな、それ!? って勝手に行っちゃったぞ!?」
『チョコレートってハイカカオになればなるほど固くなりますからね。実際にハイカカオチョコレートで包丁が作れますので』
 呆れる主従は、押し寄せる攻撃機械の群れをまずは処理することにした。
 テラたちもまた炎の闘気を纏い、マッハ36の超音速でリングを駆け巡る!
「三呪剣、展開だ! ヘカテイアのサイズまで巨大化させて、オートアタックだぞ!」
 白銀の機体の周囲を旋回しながら浮遊する3対の剣が、近付く機械群を薙ぎ払ってゆく。
 同時にドリルビットと浮遊砲台で打ち砕いてみせた。
 死神ソウルも、使役する死霊たちを機械群にけしかけ、自身は模造英雄に大鎌を振り抜く。
「ク、空虚ォ……ア、あナた様は、中身が空っぽォ……! 邪魔、ジャまジャマァァァァァァ!」
 フードプロセッサーめいて高速回転する大鎌の刃が、容赦なく少女の姿をした模造英雄を刈り取ってゆく。
 それをちらりと横目で見遣ったバーンは、下唇を噛んで新たな眷属を呼び寄せる。
「来い、破城神機『マーズ』! 我を乗せ、ふざけた真似を行ったかの者へ裁きの鉄槌を下さん!」
『御意!』
 赤黒い機神が虚空より現れると、バーンが乗り込んで更に凄まじい熱量のオーラを解き放つ!
「では、殴り合おうか風魔小太郎。外から我が戦艦が。至近距離からマーズの鉄拳が、貴様を粉砕するだろう」
「ぐぅ……! 体格差があり過ぎる上に戦艦を持ち出しただと!?」
 焦る風魔小太郎。
 だが、頼み綱の攻撃機械の群れは、怨霊とドリルビットと浮遊砲台に抑止され続けており、模造英雄も死神とチョコの魔人に打破されてしまった。
「風魔小太郎ォォ! よくもおれに激マズチョコをくわせたなー!?」
「汝に至っては言いがかりだが!? グワーッ!!」
 ヘカテイアの拳が風魔小太郎の身体を殴りつけ、壁際まで叩き付けた!
 そこへ浴びせられる戦艦からの砲弾の弾幕が影の城の一部を吹っ飛ばし、粉塵と瓦礫が舞う中でバーンが操るマーズの炎の鉄拳が敵を押し潰す!
「貴様の命運はもはや尽きた! 我が怒りを思い知れ!」
「とっととくたばれー!」
「模造品とはいえ、よくも私に弟を殺させたな!?」
『いや、チョコを食べさせて殺すってどういうことですか、それ!?』
 ヘカテイアのツッコミはやはりぜっちゃんに届かない。
 だが風魔小太郎へは拳のラッシュはすべて届いている!
「「これで終わりだーッ!」」
 バーンとテラが声を合わせ、二柱の巨大拳が風魔小太郎を影の城の外へ殴り飛ばした!
「グワーッ!? ま、ますい!  城の外では、プレジデント・ナックルも無限戦闘機械都市も発動できない! いや、それよりも……!」
 風魔小太郎は空中で振り返る。
 目が合ったのは、巨大戦艦の主砲の砲口だ!
「や、やめろー!!」
 風魔小太郎の断末魔むなしく、百面鬼は巨大砲塔の放つ必殺の一射で跡形もなく消し飛ばされてしまったのだった。
 ……これにて、風魔小太郎の討伐が完了した!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ドクター・オロチwithプレジデント』

POW   :    ロケット・ナックル
【恐るべき筋力】で超加速した武器を振るい、近接範囲内の全員を20m吹き飛ばし、しばらく行動不能にする。
SPD   :    プライド・オブ・プレジデント
全身を【大統領のオーラ】で覆い、自身の【大統領魂】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    プレジデント・フェイタル
【華麗なステップ】で敵の間合いに踏み込み、【衝撃波】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。

イラスト:みやこなぎ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ムシュ!? なんだね、あの爆発は? ……空中戦艦!? 猟兵め、この城ごと消し飛ばすつもりかい?」
 プレジデントをその身に宿したドクター・オロチが、風魔小太郎の最期を悟る。
「くっ、風魔小太郎はもう死んだか。残されたのはこのボクのみ。やれやれだ。敗戦濃厚とはいえ、この“ボク”は諦めることは出来ない……皮肉にもね」
 プレジデントらしい口調で、ドクター・オロチが焦りの色を見せた。
 既に自身の『本体』である『コンクリ塊』は、別の猟兵たちがこの影の城の外へ持ち出してしまった。
 故に、今いるドクター・オロチはその残滓である。
 それをわかっててなお、猟兵たちと戦わざるを得ない命運に自嘲する。
「ムシュシュ! 残りカスのボクがどこまでやれるか! さあ、猟兵たち! ここからはフリースタイルだ! あくまでボクシングで戦うのなら、今度こそ正々堂々と戦うと誓おうじゃないか! 既に賽は投げられた。このボクを斃してみろ、猟兵(イェーガー)たち!」
 死を覚悟したドクター・オロチ、窮鼠の脅威は油断ならない!
 猟兵たちは果たして、ドクター・オロチを撃破できるのだろうか?

 ――ユーベルコードの高まりを感じる……っ!
大町・詩乃
今度こそ本当のボクシング対決ですか。
良いでしょう、プレジデントさんとの戦いで会得したスーパーブロウをお見せしましょう。

相手も必死ですから油断禁物。UC:神威発出を発動して戦闘能力を向上します。
相手のUCによる攻撃は第六感で予測して、神威発出の回避率向上&見切り&ダンスによって、舞うように回避します。
衝撃波による余波はオーラ防御で弾きますよ。

相手を倒す為に有名なボクシング技を再現。
神威発出効果を基本に、プラズマの属性攻撃を右拳に宿し、念動力にて電子スピンをコントロールして形成したプラズマスパイラルを衝撃波と共に打ち出す貫通攻撃。
「ギャラクティカ・マグナム!」
相手を遥か遠くに吹き飛ばして倒します。



 大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は、ムキムキ筋肉質になったドクターオロチを前にして気合十分だ。
「今度こそ本当のボクシング対決ですか。良いでしょう、プレジデントさんとの戦いで会得したスーパーブロウをお見せしましょう」
「ムシュ! 本家と戦ったことがあるのかい? だがボクに果たしてそれが通じるかね?」
 口調が憑装相手に引っ張られるドクターオロチは、リングの上で小刻みな華麗なステップで大町を左右に揺さぶり始めた。
「プレジデントは足を使わなかったのではないかね? その点、ボクは筋肉質の体になってもここまで動けるのさ。どうだい? 恐ろしいだろう?」
「なるほど、敵も必死となれば油断大敵ですね。では、こちらもユーベルコードで対抗しましょう」
 大町は身なりは一介の巫女であるが、彼女は立派なヒーローズアースの神様である。
 故に、目の前のオブリビオンとは比べ物にならない程の神格・神性を持ち合わせていることは明白であり、これが大町のユーベルコード『神威発出(シンイハッシュツ)』の発動トリガーとなるのだ。
「これより、神の威を此処に知らしめましょう。さあ、ゴングを鳴らしてください!」
 今、死合い開始のゴングが高らかと鳴った!
 なお、どのような仕組みで鳴っているかは不明である!
「ムシュシュ! 君はたった4発のパンチで絶命すると予告しよう!」
 ドクター・オロチの不気味な宣言!
 自身に満ち溢れた態度の根拠は、先ほどの華麗なステップがすでにユーベルコードの先ぶれであるからだ。
(グリモア猟兵の予知によれば、あの状態から繰り出されるパンチは衝撃波を伴うそうですね。そして4発命中すれば、私は死ぬ……!)
 何も対策をしていなければ、それらはかなりの脅威だ。
 だが、今の大町の溢れ出る神威が、これに対抗するだけの身体能力を引き出していた。
「まずはワンツー! そこだ!」
 稲妻のような素早いフットワークで一気に大町の眼前まで迫ってきたドクターオロチが、ジャブとストレートを立て続けに放ってきた。そして撃ち出された拳が空気を殴りつけ、衝撃波となって大町に押し寄せてきた。
「なんの! 見切りました!」
 大町は予見していた衝撃波をオーラ障壁で受け流すと、その勢いを使って神楽舞のようにひらりと回避したではないか。
 これにはドクターオロチが愕然としてしまう。
「ムシュッ!? これを避けるのかね!? しかし脇がガラ空きだよ?」
 立て続けに放たれる右フックが、大町のボディを狙う!
「私は柳の葉……風に揺れる葉の如く、衝撃波の余波でたなびいて、これを避けます!」
 衝撃波の余波をオーラ障壁へ受け流して推力を生み出し、ユーベルコードの効果と日頃自分の社の庶務で培っていた足腰で右フックも難なく回避する大町!
「おや、4発で私を絶命させるのではなかったのですか?」
 挑発しながら大町は連続ジャブでドクターオロチを牽制。
 これを身体を仰け反らせて回避したドクターオロチは、やむなく大町との間合いを開けた。
「くっ……なかなか素早いじゃないか。だがボクが言ったのは、4発命中したら君が死ぬって意味だ。まだ1発も命中していないからノーカンなのさ」
「なんとご都合主義なのでしょうか。では、こちらからも宣言しましょう」
 大町は右拳を敵に突き出し、堂々と言い放った。

 ――次のパンチで、あなたはリングへ沈むでしょう!

「ムッシュッシュ! なかなか面白いジョークだ。なら試してみるかね?」
 ドクター・オロチが大町を誘うように手招きする。
「ただし、君が接近した瞬間にボクも4連撃を叩き込んであげようじゃないか」
「果たして、うまく行くでしょうか?」
「随分な自信家だね、君は? さあ、遠慮なくかかって来たまえ!」
 ドクター・オロチはカウンターの構え!
 真正面から行けばかなり分が悪いだろう。
 しかし、大町はこの誘いに乗り、全力の一撃を敵へ叩き込むべく神の顕現をフル活用する。
「右拳にプラズマを宿し、念動力で電子を操作して回転させます! 渦巻く電子はやがてリング上の待機すら巻き込み、あなたの動きを捕えます! はぁぁぁ!」
 光輝く大町の右拳を中心に、まるで惑星の公転めいてグルグルと粒子が高速回転してみせる!
 その渦は次第に旋風を生み出し、超電磁の竜巻がリング上で荒れ狂う!
「ム、ムシュ!? う、動けないだと!?」
 超電磁の竜巻に吞まれて、動きを封じられたドクターオロチ!
 その無防備な敵の顎へ、プラズマスパイラルを衝撃波と共に打ち出す大町の必殺技が炸裂する!
「ギャラクティカ・マグナム!」
「グワーァァァァァァッ!?」
 天高く打ち上げた渾身のアッパーカットが、吹き飛ばしたドクターオロチを影の城の天井へ突き刺したのだった……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
あら珍しい、そういう事ならボクシングの続行よ
勿論、私ではなく装兵が、だけれど
それじゃ、ラウンド開始よ

そういう訳だから「魔導蒸気装兵」が続投よ
出来る事なら先程のダメージの応急修理はしておきたいけれど
…でもそのまま戦わせるのは不利よね
だからこれで強化させてもらうわ、『その身に纏うは我が英知』
今回のイメージ元は『打ち砕くは我が破摧の巨人』
完全に近接型の巨人兵の装甲や増加モーター等を装兵用に小型化した物を搭載
結果的に攻撃力を増加よ、射程は短くなるけれど懐に潜り込むからあまり気にはならないわ
今回の敵と真正面から殴り合っても決して劣らないわよ
さぁ、KOを狙いましょうか

※アドリブ・絡み歓迎



「ム、ムシュ……最初からなかなかハードな展開じゃないか……よっと」
 天井に突き刺さった脳髄頭を引っこ抜いたドクター・オロチが、颯爽とリングへ着地した。
「さあ、待たせたね。次の相手は誰だね?」
「ここにいるわ」
「ムシュ?」
 ドクター・オロチが声のする方へ振り返る。
 しかし、視線の先に誰もいない。
「どこを見ているのよ。もっと下よ」
 言われるがままドクター・オロチは視線を下げると、そこには金髪でスチームパンク意匠のドレスを纏ったエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)がむすっと膨れっ面で仁王立ちしていた。
「……身長が低いからって気が付かないとか、ベタなボケね?」
「ム、ムシュ……筋肉質な体つきになってか、足元が覗きづらいのだよ。ボクの屈強なこの大胸筋が邪魔してね?」
 今にも赤いパーカーがはち切れそうな胸元を誇示するドクター・オロチに、エメラが呆れて鼻で笑ってしまう。
「それ……アッパーが弱点って自供しているようなことよ? 気付いてるのかしら?」
「御心配無用さ。君の身長ではアッパーが届きやしないだろう?」
「失礼ね。いくらでもやりようはあるわよ。……でも珍しい。そういう事ならボクシングの続行よ」
 飛び交う専門用語に、敵がボクシング対決を望んでいるのは明白でった。
 だから、エメラもボクシングで勝負する。
「勿論、私ではなく装兵が、だけれど。それじゃ、ラウンド開始よ」
 そそくさとリングアウトするエメラと入れ違いで、体高1m前後の魔導蒸気装兵がリングイン。
 これにドクター・オロチがせせら笑う。
「何とも可愛らしいお人形さんじゃないか。粉々に壊してしまっても構わない、ということでよろしいかな?」
「ええ。けど、あなたにそれが実現可能かしら?」
 エメラが死合い開始のゴングを鳴らした!
(一応、先ほどのダメージが残らないように応急修理を施したけれど。……それでも、そのまま戦わせるのは不利よね)
 ドクター・オロチの圧倒的パワーから繰り出されるロケット・ナックル!
 小柄な体躯を活かしてこれを回避し続ける魔導蒸気装兵だが、いつ捉えられてもおかしくない。
 ならば、とエメラはユーベルコードでの強化を図る。
「行くわよ、『その身に纏うは我が英知(アーマーインストール)』! 今回は『打ち砕くは我が破摧の巨人(ゴーレムタイプブロウラー)』をイメージするわ」
 説明しよう!
 エメラのこのユーベルコードは実に巧妙である。
 通常、猟兵がユーベルコードを同時使用すると、オブリビオンも呼応してユーベルコードを同時使用してくる。
 だがエメラはこの問題点を解決するべく、ユーベルコードをイメージした武装を魔導蒸気装兵に換装させるという画期的な手法を編み出したのだ!
 これにより、魔導蒸気装兵はエメラのユーベルコードの数だけ強化が可能なのだ!
 そして今回のイメージ武装は、体高20mの巨人型パワードスーツである。
 それはたちまち姿かたちを変え、魔導蒸気装兵の武装として瞬く間に換装!
 重厚な装甲を纏った剛腕の機兵は、そのまま敵のロケット・ナックルを真正面から受け止めて踏み止まった。
「馬鹿な? この拳が止められたのか!?」
 驚愕するドクター・オロチ。
「巨人の防御力を甘く見ないでくれるかしら? 射程は短くなるけれど懐に潜り込むならあまり気にはならないわ。それに真正面から殴り合っても決して劣らないわよ。勿論、攻撃力もなかなかのものよ?」
 エメラの言葉通り、ユーベルコードの効果で小型化された高駆動増設モーターが魔導蒸気装兵自身の打撃を強化している。
 その凄まじい衝撃に、ドクター・オロチはリングロープまで追いつめられてしまった。
「巨人の武装を纏った人形だと!? 色々とおかしくないかね?」
「でもちゃんとボクシングよ? さあ、一気に決めるわ。KOを狙いましょうか」
 振りかぶられる鉄拳が、インファイトでの連続ボディーブローを叩き込んでゆく。
「が……グゥッ……! く、屈辱だ……こんな小さい敵に、翻弄、されるとは、ね……?」
 コーナーポストで崩れ落ちるようにダウンするドクター・オロチ。
 エメラが終了のゴングを鳴らした。
「小さい相手を侮った罰よ」
 3分が経過してラウンドが終了。
 かなりの痛手をエメラはドクター・オロチへ負わせ、この勝負はエメラのKO勝ちであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
機神搭乗
【料理】
ぅう…お口の中が辛いぞ…(スパイシーもやし炒めもぐもぐ
「…うん、テラ!報酬でいいもの食べましょうね!(ほろり」
うん…サムエンで食べよう…!

【戦闘知識】
オロチの動きとボクシングスタイルを分析
【属性攻撃】
炎を機体に付与

よし、勝負だ!
UC発動
【見切り・第六感・残像・空中機動】
高速で動き回りながら時にジャンプステップも利用して敵の必殺を回避

被弾すれば無事じゃすまないからな!

【二回攻撃・貫通攻撃・重量攻撃】
重力フィールドを拳に収束させ

おれは本当は蹴り技が好きだけどな
ボクシングも足を使う武術って知ってるぞ!
強烈な踏み込みから全霊の拳を叩き込むぞ!

我が重力魔術は格闘でも力を発揮するぞ!!



 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は今、何故かもやしを大量の香辛料と共に炒めていた。
「ぅぅ……早く口の中の異臭を何とかしたいぞ……」
 風魔小太郎戦にて、ユーベルコードで呼びだした女装した危険人物から“フレンドリーファイア”を被ったテラ。
 漢方薬の独特な風味と超ハイカカオ特有の苦みが未だに口の中で居座っているため、それを解消するべくテラは激辛なスパイシーもやし炒めを作っているのだ。
「……ということだから、勝負は待ってくれ、ドクター・オロチ……!」
 リングの外で出来立てほやほやの料理を、一気に掻き込んでゆく。
 だがテラは激辛料理はそれほど得意ではない。
 しかし、あのやべー奴お手製の渾沌チョコを食べるくらいなら、苦手な激辛料理を喰らったほうが数段マシだった。
「……よかろう。どういう意図があるかは不明だが、今のボクは正々堂々と君たちを斃すと宣言したのでね? ベストコンディションを取り戻すまで待とうじゃないか」
 ドクター・オロチはコーナーポストに寄り掛かり、テラの咳き込む様子を見守っていた。
「ヘカテぇ……お口の中がからいぞぉ……」
「よしよし……テラ、任務が終わったら美味しいものを食べに行きましょうね?」
 黒猫姿の機神に慰められたテラは、涙を拭いながら料理を完食したのだった。

「待たせたな! よし、勝負だ!」
 そう言い放ったテラは、黒猫から白銀の機神の姿へ戻ったヘカテイアに搭乗する。
 これにドクター・オロチが煽り立てた。
「まったく、猟兵はこれだからな? 折角このボクが正々堂々と言っているんだ、君もロボから降りたらどうかね?」
「うるさいぞ! おれとヘカテは一心同体なんだ! これがおれたちのボクシングだぞ!」
『というか、こちらは正々堂々と戦う義理はないんですよね』
 ヘカテイアの言う通り、別に猟兵が真っ向から立ち向かう必要なんてないのだ。
 要は勝てばいいのだ。
 そのためなら猟兵側だってロボくらいには乗るのちうもの。
 ドクター・オロチはテラを蔑むかのように罵声を浴びせながら襲い掛かってきた。
「自分が弱いからって機械に頼るとか、それって君の実力じゃないのではっ?」
 振り抜かれるロケットナックル!
 プレジデントを憑装したドクター・オロチはその肉体が筋骨隆々に発達しており、そこから繰り出されるメカ化した巨大拳は命中すれば対象を粉砕して遥か彼方へ吹っ飛ばすだろう。
 しかし、テラは焦らずユーベルコードで対抗してみせる。
「グランディアよ……全ての存在がもつ原初の力よ。我が身に宿り力と成せ! グラビティフィールド、展開!」
 ヘカテイアの全身を超重力フィールドと紅蓮の炎のオーラで覆うと、テラは超音速でリングを駆け巡り始めた。
「そんなパンチなんて届かないからな!」
 瞬間最大速度マッハ12の機動力は、いくらドクターオロチでもの目で捉えることは出来ない。
 なおかつ、生身の攻撃リーチでは体高5mの人型ロボットに攻撃を当てるのは骨が折れる。
 せいぜい、ヘカテイアの足元まで辿り着くのが精いっぱいだ。
「はぁ……はぁ……おのれ! 逃げてボクの体力を奪うつもりかね!?」
 息が上がり始めるドクターオロチに、テラは勝機を見出した。
「いくら体格差があると言っても、そのパンチが命中すればただじゃ済まないからな! 避けるに限るぞ!」
『テラ、相手の動きが鈍った今が反撃のチャンスです! 一気に押し込みましょう!』
 ヘカテイアの助言に従い、テラが遂に反転攻勢にうってでた。
「マッハ12の連続パンチだ! おれは本当は蹴り技が好きだけどな、でもボクシングも足を使う武術って知ってるぞ!」
 それが先ほどまで披露していたフットワークであり、今はインファイトまで踏み込んでからの超高速パンチを繰り出す。
 すべて足元の技術がテラを支えていたのだ。
「そして、我が重力魔術は格闘でも力を発揮するぞ!! これで潰れろー!!」
 ヘカテイアの両拳に重力フィールドを収束させると、そのまま闘志をむき出しにしてドクターオロチを頭上から殴りまくってゆく!
「どりゃりゃりゃりゃー! これで終わりだー!!」
「あンぎゃァァァァァァ!?」
 超重力の負荷の壁に挟まれたドクターオロチが、リングの床に見事にめりこんでいったのだった……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

バーン・マーディ
その意気や良し(機神より降り立つ

良かろう
貴様のフィールドに立とう
その上で粉砕するのもまたヴィランの在り方の一つよ
上半身の鎧を脱ぎ捨て剣を地面に突き刺し拳を構える

【戦闘知識】
オロチの戦いのスタイルを冷徹に分析
【属性攻撃・オーラ防御】
炎のオーラを全身に纏い

殴り合いながらも敵の必殺たる一撃のタイミングを確実に測る

対ロケット・ナックル

ああ…認めよう
今の貴様の力は我を凌駕するのだろう
被弾すれば我とて粉砕されるだろう

故に…我はその蹂躙に…叛逆する

【カウンター・怪力・鎧破壊・鎧無視攻撃】
その一撃に対して攻撃を合わせ…大いなる叛逆発動
我が全霊とオロチの力を乗せた極大の一撃をその身に叩き込む!!!



 バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)もまた、機神を乗りこなす猟兵である。
 しかし、ドクターオロチの言葉が本物だと悟るやいなや、機神マーズのコクピットから降り立った。
「その意気や良し。良かろう、貴様のフィールドに立とうではないか。その上で貴様を粉砕するのも、またヴィランの在り方の一つよ」
 そう告げたバーンは、纏っていた黒鎧をリングの外で脱ぎ捨て、背負っていた魔剣を地面に突き刺し手放した。
 鍛え上げられたバーンの肉体は、まるで鋼の如き雄々しさを放っている……!
「では、始めるとしよう。どこからでも掛かってくるがいい」
 バーンは両拳を掲げてファイティングポーズを構える。
 ドクター・オロチはこれに喜々とした態度でステップを踏む。
「ムシュ! そうだよ、こういうのをボクは求めていたんだ! さあ、ボクシング対決と洒落込もうじゃないか!」
 運命のゴングが今、鳴らされた!

 バーンは全身に炎の闘気を纏い、ドクターオロチの接近を牽制する。
「……どうした? 近付かねば打ち込めんぞ?」
「ムシュっ!? なんて熱量だ! だがこれならどうかね!?」
 繰り出されるロケット・ナックルを、バーンは間合いを取って紙一重でスウェー回避!
 そしてカウンターの右ジャブを敵へ当ててゆく。
(まだだ……まだその時ではない……)
 冷静にタイミングを見極め、カウンターの一撃をお見舞いする最良の瞬間を待つバーン。
 そうとは知らずに、ドクター・オロチは連続して剛腕から爆撃めいた威力の拳を振るいまくっていた。
「ムシュシュ! なかなかしぶといようだ! だが、このラッシュにはついてこれないだろう!?」
 少しでも当たれば致命傷になりかねない威力を前に、バーンは不敵な笑みを浮かべ始める。
「……ああ……認めよう。今の貴様の力は、我を凌駕するのだろう。被弾すれば我とて粉砕されるだろう。故に……我はその蹂躙に……叛逆する!」
 バーンが捨て身でドクターオロチの懐へ飛び込んだ!
 しかしドクター・オロチはこれを待ち構えていたかのように拳を突き出す!
「終わりだ!」
「それは貴様の方だ!」
 拳と拳が交差し、凄まじい衝撃音がリングの上に鳴り響く。
 相手に拳が届いたのは……バーンだ!
「味わえ……それが貴様の咎である!」
 ユーベルコード『大いなる叛逆』によるクロスカウンター!
 ドクターオロチのロケット・ナックルの威力を自身のパンチの威力へ上乗せして跳ね返したのだ!
 その超高速かつ大威力の一撃は射程があまりにも短いため、実践ではなかなか発動が難しい。
 しかし、クロスカウンターとして放つならば、これ程までに最良のユーベルコードは存在しないだろう!
 一方、殴られたドクターオロチの身体が木の葉のように20mも吹っ飛ばされてゆく。
「アババババーッ!?」
 奇声を上げながら、顔面から全身に走る激痛にドクター・オロチは耐えきれずにダウン!
 見事にバーンは、敵からワンダウンを奪ってみせたのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

巨海・蔵人
アドリブ絡み歓迎
⬛心情
親分は頼もしいけど、
濃いキャ、
いや、プレジデントに引っ張られて正々堂々するっていってるからね。
失礼は駄目だよね

⬛気付き
あ、これ、既にスポーツマンシップとか正々堂々もう吹っ飛んでる奴だ

⬛ボ久シング
ボクシング1ラウンドだとUCも、わりと使いやすくて助かるね。

UCは発動待機状態で保持、すれば相手の望むことは探れるはず、
出来なかったら一分ちょっと逃げ回って、肝心な所で外すように誘導するよ。
時間押してきたら反撃、
フィニッシュブローにデコイ出して身代わり、相手の望みだからね、良く利くね。
僕はテレフォンパンチ専門だから、攻撃は戦闘機械都市のセンサーに判りやすいデコイで相手に攻撃向けるよ



「さあ、いよいよ配信は後半戦。プレジデントを憑装したドクター・オロチとの直接対決だよ」
 巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)はLIVE配信を続けながら、テレビウム・ドローンの向こうの視聴者へ声を投げかける。
「みんな、見えるかな? あの筋肉ゴリラの顔面脳味噌赤パーカーなオブリビオンが、ドクター・オロチだよ。今はプレジデントの影響を受けているせいか、正々堂々とボクシングで勝負を挑んできているんだ」
 前置きを話し終えると、蔵人は「こんなこともあろうかと」と特注のボクシンググローブを装着して気合十分の様子。
「さっきの戦いで一緒に戦ってくれた親分は頼もしいけど、ドクター・オロチが折角濃いキャ……いや、プレジデントに引っ張られて正々堂々するっていってるからね。2対1になるような失礼は駄目だよね。だから、ここは僕が頑張るよ。みんなのいいねが簿kの力になるから、モニタ画面越しに応援よろしくね」
 テレビウム・ドローンに手を振った蔵人が、満を持してリングに上がる。
 待ちくたびれたドクター・オロチが、肩を回して予備動作に余念がない。
「ムッシュ~。LIVE配信しながら戦うなんて、なかなか粋なことをしてるじゃないか。自分の負ける姿を視聴者に晒すことになってもいいのかね?」
「下手な挑発には乗らないよ? って、間近で見ると、そのマッチョぶりと両腕の巨大な機械腕の迫力がすごいね……」
 蔵人はこの時点で、ようやくこの状況の根幹に気が付いた。
「あ、これ、既にスポーツマンシップとか正々堂々もう吹っ飛んでる奴だ。いくら形式がボクシングでも、ユーベルコードで殴り合えば正々堂々と関係ないよね?」
「ムッシュ? そうともいえるが、そうではないともいえるのさ。なにせボクは全力で殴り掛かるだけなんでね? そっちがまともに取り合ってくれれば、正々堂々とした戦いが成立すると思うのだが」
 ドクター・オロチがリングを左右に飛び跳ね、蔵人へ揺さぶりをかける。
 なかなか軽快な足取りだ。
 幾多のダメージを追っているにも拘らず、未だに余裕を見せるタフネスがドクター・オロチにはあるという事なのだろう。
 敵の問い掛けに、蔵人は苦笑いを浮かべていた。
「まぁ、それを言われると猟兵の方が小細工をしているように思われちゃんだけど……。でも、僕も悪いけど小細工させてもらうよ」
 試合開始のゴングが鳴る。
 1ラウンド3分間。
 蔵人のユーベルコードは制限時間があるため、区切られた時間で行われるボクシングは相性がいい。
「状況スタンドアローン、中核ユニット停止、基幹システム該当無し……おっと!」
 疾風の如く放たれたドクターオロチの拳が衝撃波と共に蔵人を襲う。
 一発だけ側面を掠めていったが、それだけでもチリチリと皮膚が痺れるような痛みを発する。
(皮膚がかすっただけでこの威力……直撃したら、4発喰らう前にノックダウンしちゃいそうだ……)
 蔵人はユーベルコードの発動を急ぐ。
「オーバーフロー開始、中核ユニット『エミュレータシステム・リトル・フラワーズ』起動……!」
 この瞬間、蔵人は自身のソーシャル回線から“他者のささやかな願いと幸福を満たす仮初めの色彩”を放出し始めた。
「な、なんだね、この妙な色の輝きは……? 胸の内から、多幸感が溢れて……!?」
 ドクター・オロチの攻め手が緩む。
 胸を満たす、かつてない幸福の感情がドクターオロチの願望を発現させた。
「残りのフィールド・オブ・ナインを見つけるためにも、この戦いを生き抜くんだ! それが本体を失った残滓だとしても!」
「なるほど、あくまでも猟兵たちに勝つことを望むんだね……」
 なんて哀れな願望だろうか。
 蔵人は亡霊めいた目の前のオブリビオンに引導を渡すべく、反撃を試みる。
 幸い、敵の攻撃はドクター・オロチ本人が口頭で喚くため回避が容易い。
「ムッシュッシュ! ボクの右フックからのコンビネーションパンチで敵が沈むんだ! 一気に4連撃を喰らわせてやるぞ!」
 蔵人のユーベルコードで今もっとも叶えたい願望を口にしてしまうドクター・オロチ。
 当然、蔵人に回避されてカウンターを叩き込まれて愕然とする。
「何故だ? 何故当たらない?」
「ユーベルコードでハイになって、状況を理解できていないみたいだね……おっと、そろそろユーベルコードを解除しないと僕が死んじゃう」
 蔵人はユーベルコードの解除と共に敵の懐へ突貫!
「僕はテレフォンパンチ専門だから、分かりやすいボディーブローで誘うよ」
 大振りで振り抜かれたパンチを、当然のように避けるドクター・オロチ。
 しかし、蔵人はさらに踏み込んでコンビネーションパンチ4連撃を放った!
「そっちの願望だからね、よく効くね」
 敵の願望を利用し、それを跳ね返した蔵人。
 そこから先はゴングが鳴るまで一方的にドクター・オロチを殴り続けたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蒼・霓虹
この状況で気丈なのも、プレジデントの影響故かは知りませんが、大したものです

わたしも、人だった過去に似た状況を体験したから解りますし……ですから、それに敬意を表し、全力で行きます!

[POW]
開幕オーバーロード
わたしと彩虹さんを特機形態で
真の姿&【高速詠唱】UC攻撃力重視発動(彩虹さんは水着コンの蛟化)に

〈彩虹(特機形態)〉さんを【操縦】し【悪路走破&推力移動&空中浮遊】で駆け回り【第六感】でオロチ(プレジデント)の攻撃を【瞬間思考力&見切り】回避しながら、間合いを計り

【属性攻撃(ボクシング)&オーラ防御&結界術】込め【高速詠唱&多重詠唱&早業】で〈ヒーツァンユエグァン&レインボークローバー〉を合わせたグローブ【弾幕】を【念動力】で動かし【浄化&貫通攻撃】殴りながらヒットアンドウェイです

解っています、離れている間は【高速詠唱&多重詠唱】で重ね【オーラ防御&結界術】込めた〈ネオンアクアストライク&レインボークローバー〉【盾受け&弾幕】を【範囲攻撃&威嚇射撃】展開牽制を

[アドリブ掛け合い大歓迎]


ビスマス・テルマール
スペースシップワールドでの時と、言動が違いすぎるのは憑装の影響でしょうしツッコミませんけど

背水の陣ですか、その心境だけは経験則的には解ります、ですからわたしもそのつもりで!

●POW
オーバーロード発動
真の姿と併用で『早業』
UC攻撃力重視発動した後

『早業&武器改造&メカニック』しグローブにした【冷凍クロマグロソード】と『オーラ防御&激痛耐性&属性攻撃(グローブ)』を込めた【冷やし孫茶のバリア】の二つがあれば充分です

低空『空中戦&推力移動&ダッシュ』しながら『第六感』でオロチの攻撃を『瞬間思考力&見切り』回避と『オーラ防御』重ねた実体『残像』置きながら撹乱しながら

『戦闘知識&学習力』でオロチの動きの癖を『情報収集』

仕掛ける際には間合いを『切り込み』グローブにした二つの武装で『怪力』込めた『2回攻撃&貫通攻撃&鎧無視攻撃&シールドバッシュ』ストレートや『フェイント』込めた『早業&残像』ブロウで殴り抜けて、長い時間オロチの近接範囲の間合いにいない様に気を付けなければ

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


カシム・ディーン
機神搭乗
運がよかったなお前
プレジデントのお陰で無様晒さずにいられるか
だがまぁ…やる事はかわらねーよ

超克発動
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きとボクシングのスタイルと攻撃の癖を冷徹に捕捉し分析
当たったらやばそーだからな
【属性攻撃・浄化】
機体の両手に光属性を付与
本当のプレジデントにもこのスタイルで行かせて貰った
キャバリアボクシングって奴だな
「本当はロクシー君が得意だったけどね☆」
【弾幕・スナイパー・瞬間思考力・念動力】
高速思考をめぐらしその動きを見切り着弾を回避
後は超高速での拳による弾幕連打
更に拳に念動障壁を収束させて破壊力増強

殴り合いながらも強奪できそうな武装を冷徹に捕捉

さてこういう殴り合いでも
僕らは手癖は悪いんですよ!!
「ひゃっはー☆お宝ー☆」
【盗み攻撃・盗み・捕食】
たまぬき発動!
オロチの武装強奪!
同時にプレジデントの魂の一部を強奪!
メルシー!
「頂きます☆」(むっしゃぁ
って食ったらムキムキにならねーだろーな…?
「メルシー趣味じゃないからならないぞ☆」
魔軍転生はお前らだけのじゃねーです


箒星・仄々
無事にコンクリは回収されたのですね
ほっとしました

今なお過去の化身として抗おうとするオロチさんを
可哀そうに思います
せめて堂々と戦って海へと還して差し上げましょう

ペロッとしてリング?を
華麗なフットワークならぬスケーティングで
縦横無尽に動き回り
オロチさんの攻撃をするっと受け流したり
躱して間合いに入り音楽パンチを叩き込みます

ヒットアンドウェイでつるーと距離をとったり
摩擦抵抗操作の急停止で
向かってくるオロチさんの攻撃を掻い潜って
猫パンチのにカウンターを放ちます

拳に炎水風の魔力を纏っているので
炎のアッパーや水のフック、風のストレートで
対空攻撃も万全です

更に魔力が大統領オーラへ干渉して
憑装の効果を徐々にはぎ取っていきます

貴女は残滓にすぎないとか
それでも意地があるから戦いを続けておいでなのでしょう
その借り物の力と口調のままで
最期まで貴女自身ではない力に支配されたままで
よいのですか?

魔力込めた猫パンチラッシュでKOです

終幕
鎮魂の調べを奏でます
海で静かにお休みくださいね



 ここまでまるで勝てないドクター・オロチ。
「ム、ムシュ……! こうなったら自棄だ! 諸君、まとめてかかって来たまえ!」
 遂に残り4人の猟兵たちを同時に相手取ることを宣言した。
「この状況で気丈なのも、プレジデントの影響故かは知りませんが、大したものです。そう思いませんか、ビスマスさん?」
「ええ、霓虹さん。というか、スペースシップワールドでの時と、ドクター・オロチの言動が違いすぎるのは憑装の影響でしょうね。ツッコミませんけど」
 蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)とビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は合流を果たし、タッグを組んで参戦だ。
「敵は背水の陣ですか、その心境だけは経験則的には解ります。ですから、わたしもそのつもりで!」
「わたしも、人だった過去に似た状況を体験したから解りますし……ですから、それに敬意を表し、こちらも油断せずに全力で行きます!」
 2人とも敗者の気持ちを理解しているからこそ、窮地に追いやられた者の爆発力と執念を恐れている。
 ビスマスの拳を蒼が受け止め、ばっちりバディ感溢れるポーズが決まった。
 一方、バディといえばこちらのアホアホコンビも忘れてはならない。
「ご主人サマ! あの顔面脳味噌、イイから出してるね☆ ウホッ……掘らないか?」
「第一声がそれかよ残念過ぎる!」
 空手チョップを脳天に食らった銀髪の少女メルシーの頭上に星が瞬く。
「んふぉー! ミラクルロマンスー!」
「ごめんね素直じゃなくって、って僕はツンデレじゃねぇよバッキャローが!」
 遂にノリツッコミを体得したカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が溜息を吐いた。
「運がよかったなお前。プレジデントのお陰で無様晒さずにいられるか。だがまぁ……やる事はかわらねーよ」
 決意を込めた言葉を漏らすと、カシムはメルシーへ魔力を送り始めた。
 その傍らで箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、既にここへ来る前にドクター・オロチの『本体』であるコンクリ塊が影の城から持ち出されたことを知っていた。
「無事にコンクリ塊は回収されたのですね、ほっとしました」
 ならば、目の前のオブリビオンはただ滅するのみだ。
「今なお過去の化身として抗おうとするオロチさんを、私は可哀想に思います。せめて堂々と戦って、骸の海へと還して差し上げましょう」
 すかさず箒星は自分の靴の裏をぺろりと舐める。
 すると、ユーベルコードの効果で摩擦抵抗が極端に激減し、リングの上をアイススケートめいて滑走し始めた。
「では、始めましょうか。私もオーバーロードでお相手しましょう!」
 動作に応じて音階が鳴る箒星。
 繰り出すパンチが譜面となり、その音楽が魔法となって火・水・風の魔力を操る。
 それが箒星の戦闘スタイルなのだ。
「オーバーロード……では、私たちも!」
「ええ、出し惜しみなしです!」
 蒼とビスマスが身構える。
「彩虹さん! モードチェンジです! スペシャルマジックカード挿入!」
『戦車竜から特機モードへ変形します!』
 相棒の虹色戦車竜がいきなりバラバラになって空へ飛翔すると、異空間からロボの下半身ユニットが召喚された。
「行きますよ! チェェェンジ・レインボードラゴォーン! ゲェェェト・オォォォン!!」
 蒼の身体が超克のパワーで光り輝き、掛け声とともに変形した彩虹が召喚された別ユニットと合体!
『完成! スーパーロボット・猟機人・彩虹!』
 体高5mの人型となって大地に降り立ち、リングを揺らす!
 蒼も幸運を司るピンクのファードラゴンとして超克し、ロボと化した彩虹の操縦席へと乗り込んだ。
 同時に、ビスマスもガジェットを換装する。
「相手が熱く戦うなら……私はクールに参りましょう!」
 ガシャッと腰元のドライバーに新たなガジェットを装填し、オーバーロードガシェットと共にW起動!
『Namerou Hearts……Chilled! Overload!』
 途端、ビスマスを猛烈な吹雪が包み込んだかと思えば、亜空間から冷製なめろう水餃子型の鎧装が出現する。
『カチコチ! カチコミ! チ・チ・チ・チ・チルド! オーバーロードッ!』
 電子音声アナウンスも絶好調だ!
 冷凍餃子の鎧をまとった、氷雪系装備のビスマスが叫ぶ。
「これが……トリニティ・チルドナメロウ・オーバーロードです! はぁぁっ!」
 ビスマスが手元に冷凍クロマグロソードを前方に投げると、猛ダッシュしてその上に飛び乗ったではないか!
 まるでスノーボードのように滑走するビスマスは、両拳を冷やし孫茶のバリアで覆ってグローブ代わりとする。
「ドクターオロチ! あなたがボクシングで戦うなら! 私もこのキンキンに冷えた拳で十分! 冷凍クロマグロソードの機動力についてこれますか!?」
「リーチは彩虹さんの方が圧倒的に有利! その剛腕を届かせませんよ!」
 ビスマスと蒼はヒット&ウェイ戦術を駆使して、方や機動力で、方や遠距離からの砲弾という名のパンチを浴びせてゆく。
 これにドクター・オロチはロケット・ナックルで対抗するも、宝石ブルームーンの灯りに彩られたビスマス結晶クラスター弾幕を拳ひとつで跳ね返せるわけもなく、たたらを踏んだとこへ超低温のなめろうパンチが突き刺さる。
 反撃をしようにも、長射程の砲撃はそもそも一定の間合いを取られ続け、ビスマスは冷凍クロマグロソードでの高速滑走で捉えきれない。
 そこへ黄金の翼と降臨を背負った白銀の機神が、ドクター・オロチへ殴り掛かる!
「ムシュ!? 今度は何だね!?」
 間一髪で巨拳を回避したドクターオロチが見上げれば、そこにはオーバーロードで真の姿をさらしたメルシー……白銀の機神に乗り込むカシムがいた。
『本当のプレジデントにもこのスタイルで行かせて貰った。キャバリアボクシングって奴だな』
 外部スピーカーからカシムの声が漏れる。
 当のカシムも、メルシーと感覚を接続して一体化を図る。
(うぇへへへへ☆ ご主人サマとひとつにぃ~☆)
(集中力が切れるから黙ってろ!)
 メルシーはカシムとの感覚共有に興奮を覚えるが、カシムの冷静なツッコミにスンッと真顔になった。
『その拳、あったらやべーだろうな。他の猟兵が付かず離れずの距離感で戦うのも無理はねーですね』
 カシムはそう言いながらも、敢えて近接戦闘を選んだ。
『でもメルシーの拳は明らかにお前よりも長い! このまま押し切ります!』
「体格差がなんだね? フェザー級のボクシング選手がヘビー級の対戦相手に勝てないとでも?」
 ドクター・オロチが果敢に前へ出る。
 その拳が一撃当たれば、対象を20mも吹っ飛ばして行動不能に陥らせる威力を有している。
 だがそれは、ドクター・オロチの頭上から振り下ろされる念動力と魔法を宿した拳の前では、あまりにも矮小であった。
「ムッシュ!? これじゃ近付けないじゃないか! うぐッ!?」
 ダメージが蓄積され、その動きが鈍るドクター・オロチ。
 そこへ突っ込んでくるのは箒星だ。
「私のメロディー・ネコパンチをお見舞いします!」
 見事なスケーティングで急接近してきた箒星は、拳を振るうと有名な楽曲のワンフレーズが全身から奏で始めた。
「これぞ『猫ふんじゃった拳』です!」
 軽快な音楽にあわせ、拳をドクターオロチへ叩き込む箒星。
 負けじとドクターオロチは大統領魂を燃やし、全身にオーラを立ち昇らせた。
「地上にいるから駄目なんだ。巨大ロボには空を飛んで対抗しようじゃないか!」
 ドクター・オロチはなんと空を飛び、まずは手始めに箒星を狙い始めた。
「喰らえ!」
 ドクター・オロチは黒猫の顔面に右ストレートを確かに命中させた。
 しかし、すぐにちゅるーんっと拳が脇へ滑ってしまい、衝撃が外へ逃げてしまった。
「なんだ? いや、もう一発だ!」
 めげずに左拳を突き出すドクター・オロチ。
 だがこれも箒星の顔面を滑ってしまい、打撃を与えられない。
「無駄ですよ? 私の身体は今、摩擦抵抗力がゼロに近いんです」
 それはすなわち、殴られても衝撃が脇へそらされてダメージは最小限に留まるのだ。
 殴られても無意味だと知ったドクター・オロチは、やむなくロボ2体を相手取ろうと飛翔を試みた。
 のだが……。
「何故だ! なぜ高度が下がってる!?」
 身体に力が入らず、空を飛ぶ力が失われつつあるのだ。
「ようやくお気付きですか?」
 箒星は地上でシャドーボクシングをして音を奏でる。この音こそ敵のユーベルコードを阻害する魔力を発生させ、敵が纏う大統領魂を弱体化させていたのだ。
「そして、対空攻撃も万全です。炎のアッパー、水のフック、風のストレートの1・2・3コンボパンチです!」
 降下してきたところへ、箒星が素早い三色の猫パンチを敵へ浴びせてゆく。
「ムッシュー!?」
 ドクター・オロチが吹っ飛ばされた先には、メルクリウスが待ち構えていた。
『さてこういう殴り合いでも、僕らは手癖は悪いんですよ!!』
「ひゃっはー☆ お宝ー☆」
 メルクリウスの手がドクター・オロチの大統領魂を掠め取る。
 強引に引き剝がされた大統領魂をメルクリウスの機体に張り替えてみせれば、今度はメルクリウスの機体が空へと舞い上がった!
『大統領魂を強奪しました! ついでにお前の憑装していたプレジデントも奪ってやりましたよ。メルシー!』
「いただきます☆」
 機神の掌にあった丸い光が、メルクリウスの口の中に放り込まれた。
「オォォォン! S2機関ゲット~☆」
『ちげぇよ! プレジデントのオブリビオンパワーだっつーの!』
 カシムはメルクリウスの機体に、なんとプレジデントを憑装させたではないか!
『残念でしたね、魔軍転生できるのはこっちも同じなんですよ。……って食ったらムキムキにならねーだろーな……?』
「メルシー趣味じゃないからならないぞ☆ だから許すよ☆」
 でも……と言葉を濁したメルクリウスが、突如、カドゥケウスを掲げる。
 それは何故かアメリカナイズされた巨大砲塔になっていた。
「さらにおっきくなっちゃったこいつが許すかな? ひゃっはー☆」
 容赦なく46cm口径弾幕を浴びせるメルクリウス!
 その背後のプレジデントもご満悦だ。
「もはやボクシング関係ないじゃないかグワーッ!!」
 爆撃を喰らってまた吹っ飛ばされるドクター・オロチ!
 そこへ駆け寄る箒星!
「貴女は残滓にすぎないとか。それでも意地があるから戦いを続けておいでなのでしょう」
「そうだ! 残滓とはいえ、ボクという存在が残っているなら一縷の望みがあると言えるじゃないか!」
「ですが、その借り物の力と口調のままで、最期まで貴女自身ではない力に支配されたままで。本当にそれでよいのですか?」
「そんなの、憑装を解けばいいだけの話……ハッ!?」
「おや、お気付きになってなかったのですか? 解除したら、貴女という存在そのものの定義が揺らいでしまうことに」
 プレジデントを宿したドクター・オロチという存在で成り立ってる今を否定すれば、それは本体を失った今、自己否定につながる可能性が高い。
「ちくしょう! だとしたら、死なば諸共だ!」
「させません! 連続猫パンチでK.O.して差し上げます!」
 猫ふんじゃったのメロディーと共に高速パンチが繰り出されれば、ドクター・オロチは天高々と打ち上げられた。
 そして止めを刺すべく、蒼とビスマスが連携を図る。
「コレが虹龍としてのわたしと彩虹さん……二柱の本気ですっ!」
「ドクター・オロチ……あなたを止められるのは唯一無二! 私達、猟兵です!」
 ビスマス結晶めいた近未来的光軌を残しながらビスマスが飛翔!
 冷凍クロマグロソードを脚部へ装着し、レッグブレードとして展開しながら飛び劇を放つ!
「爪先に冷やし孫茶のバリアを集中させて、水餃子デコイ弾を足場にして八艘飛びです!」
 空中を飛び回りながらドクター・オロチを翻弄する姿は、まるで壇之浦の海戦で無双した源義経がごとし!
 そして地上では彩虹ロボの砲口がドクター・オロチをロックオン!
「浄化弾幕・蒼月鉛『ヒーツァンユエグァン』と敵の加護貫く雷の虹彩雷『ツァイホンレイ』のマジックカードを装填! さらに追加で、絶対零度の水流弾『ネオンアクアストライク』と幸運の四葉盾弾幕『レインボークローバー』も追加です!」
 狙うはドクター・オロチ……ではなく、ビスマスだ!
「ビスマスさん……受け取ってください! 『トゥルーライズ・コンクルージョン』の効果を四葉盾弾幕と絶対零度水球に閉じ込めたこの弾丸を媒介に、鎧装の強化を!」
 撃ち出された魔法弾は、寸分狂わずビスマスへ!
「なるほど、チルドなめろう料理の冷気と、砲弾の冷気属性が融合して……これなら!」
『オーバーロード・フュージョン! ナメロウ・コキュートス!』
 奇跡の合体技を発現させたビスマスが、超絶対零度の必殺なめろうキックをドクターオロチへ突き刺す!
「ドクターオロチ……敗れたり! はああぁぁぁぁーっ!!!」
「グワーッ!!!」
 凍て付く隕石めいたビスマスの蹴りがドクター・オロチの肥大化した筋肉の身体を突き破って着地!
 ドクター・オロチの最期は、全身を真っ白に凍結させながら爆発粉砕し、あたり一面に雪の結晶を撒き散らしたのだった。

 かくして、ドクター・オロチは撃破され、本体であるコンクリ塊はアポカリプスヘルの世界で持ち回りによる監視が続けられることになった。
 ――のだが。

 グッ……風魔小太郎はもうやられたのか!?
 ボクも、もうダメみたいだ。本体も奪われて、蘇生できる気がしない……。
 ど、どうして、このボクが……。
 銀誓館を相手に戦い、銀河戦争を操り、群竜大陸でオロチの力まで取り戻した不滅のボクがどうして、こんな、何の縁もない世界で死ななきゃならないんだ……!

 ボクは、惨めに足掻く奴らを安全な場所から嘲笑し、死んだ奴らを見繕って『持ち帰るアーカイブ』するだけの役目。そのハズだったのに……!

 ボクがここまで、一体どれだけの期間準備してきたと思ってるんだ……!
 命が一度きりだなんて、そんなのはイヤだ……!
 再孵化、時間質量論、サイキックハーツ、なんでもいいからお願いだ……あと一度で構わない……やり直させてくれ……!

 死ぬ間際に吐き捨てたドクターオロチの言葉の意味することは?
 そして、いまだに見つかっていない『フィールド・オブ・ナイン』の残り3体。
 アポカリプスヘルにセイワが訪れる日は、まだまだ先のようだ……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月06日


挿絵イラスト