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決戦! ドクター・オロチ~スーパー戦車を添えて

#アポカリプスヘル #戦後 #ドクター・オロチ #スーパー戦車 #風魔小太郎 #魔軍転生

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「わんわん!
 ……んー。やっぱりボクだと釣られちゃうんだなぁ」

 そう首を傾げるのは、くま耳の赤いパーカーのようなものを着た小柄な影。その横で大柄な影が呆れたように見下ろした。

「やだなぁ。そんな風に見ないでよ。
 こんなんでもちゃんと力は使えるわん!」

 威張るように胸を張ったそれードクター・オロチーを一瞥すると、大柄な影ー風魔小太郎ーは印を結び、忍術を発動させた。

「キミにも分けてあげるから、頑張るんだわん!」



「え、ええとっ。
 唐突なんですけど、……ドクター・オロチの居場所が判っちゃったんです」

 神塚・深雪(光紡ぐ麟姫・f35268)は、どこか困惑したように言う。

「あー、いえ。
 色々と慣れないのと、ついトビアスって言いそうになって」

 ともかく。と、元は銀誓館の能力者だった彼女は、切り出す。

「時間が限られているので、本題に入っちゃいますね」

 ここ暫くアポカリプスヘルで手駒の確保に暗躍していた、ドクター・オロチ。これまでオブリビオンの特性もあり、倒しても倒しても甦ってきていたが、本体と思われるものの場所が見えたのだという。

 場所は、黒い炎に包まれた「メンフィス灼熱草原」の中心部。そこに聳える影の城が、ドクター・オロチの根城なのだという。

「これまでの状況を熟知されてる皆さんなら、いうまでもないのかなって、思いますが」

 当然、協力している忍者、風魔小太郎も共にいる。小太郎は、「百面鬼の術」という忍術を用いて、ネクロメイデンというオブリビオンの群れと化しており、それを退けるとドクター・オロチの喉元に迫ることになるのだが。

「えっと、ドクター・オロチが使った、魔軍転生というものの恩恵で、両者ともに、スーパー戦車の力を使うみたいです」

 ネクロメイデンの群れと化した小太郎は、身体のあちこちを大砲にして長距離砲撃をしかけてくる。見た目こそ変わってないドクター・オロチも、同様の砲撃を使ってくるようだ。

「あちらの戦力を削りきらないといけないんですが、あまり時間がかかりすぎてもダメみたいです」

 あちらからしてみれば時間稼ぎの側面があるようで、手こずり過ぎると倒すことすらままならなくなってしまう。

「出来るなら私ものりこんでぶん……いえ、戦いたいんですが、皆さんを転送しないといけないんです……」

 だから、お願いしますね。

 そう言うと、決戦の地へと、道をつないだ。


白神 みや
 トビアスをぶん殴るためのお膳立てであれば、肉体を凌駕してでもやらねばなるまい! ……と、いうわけで若葉マークのマスター、白神 みやと申します。

 計画を色々ぶっちぎって出すしかないじゃぁないですか、こんなん。まったくもー。

●一章
 ネクロメイデン(スーパー戦車カスタム)の群れとの戦闘です。

●二章
 ドクター・オロチ(withスーパー戦車)との決戦となります。

●他
 今回はリリース後からプレイング受付ますが、全てはお受けしきれないとおもいます。
 MSページはお手数ですが必ずご一読ください。

●重要●
 この最終決戦シナリオが、成功本数が20本に達した日(達成日)で結果が変わります。

 5月1日午前中まで:ドクター・オロチを完全撃破し、影の城からオロチが何度でも蘇っていた原因とみられる「コンクリ塊」を回収、猟兵達で保存します。

 5月15日午前中まで:ドクター・オロチを撃退し、何も持ち帰らせません。

 それ以降:ドクター・オロチは、すんでのところで残る3体のフィールド・オブ・ナインを発見します!そのうち2体を連れ帰り、1体をアポカリプスヘルに残していきます。
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第1章 集団戦 『ネクロメイデン』

POW   :    バンシーの嘆き
【精神を侵食する悲痛な金切り声】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    ペルセポネの果実
自身からレベルm半径内の無機物を【自身の欠損部位を補う追加パーツ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ   :    イザナミの呪縛
自身の【生前の記憶】を代償に、【絶対に死にたくないという生への執着】を籠めた一撃を放つ。自分にとって生前の記憶を失う代償が大きい程、威力は上昇する。

イラスト:夏屋

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と

どんな風に身を変えてもどれ程強大になっても
トビアス…いや、合体異形ドクター・オロチ
これ以上他所を荒らす事なんか絶対許さない!

どれ程容易ならぬ敵かは覚えてる
だから油断はしない

「じゃあ…往こう、陸井」
今度こそ…二度とキャツに日の目を見させない為に!

相棒と連携し全力で戦闘を

UC白燐大拡散砲詠唱

「これはお前の後ろの奴らが完膚なきまでに敗北した
『能力者』のアビが元だ!受けて見ろ!」
「消えて!無くなれ!」

ククルカンたちが俺の戦意を載せて翔び
敵を殲滅し、癒す
必要なら剣で直接斬り蟲も操り
動くモノが無くなるまで全力で戦い殲滅を必ず

「あんなのと組んだのが風魔小太郎、お前の運の尽きだ!」


凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と参加

まさか別世界にまで来ているとはな
あんな奴に好き放題はもうさせない
今度こそ完膚なきまでに滅ぼす

まずは風魔小太郎を退けて、進まないとな
「背中は任せて…全力でいけ、相棒」

基本的に相棒と背中合わせで動き
大拡散砲を耐えたり抜けてきた敵に対処

UCは【神速「空閃」】を使用し死角を減らすと共に
空閃を足場にして立体的に対応していく
範囲内の無機物で攻撃してくるのであれば
立体的な対応で上手く処理していこう
「おっと、今度はそっちからか。やらせないよ」

回復は相棒に任せ、自分は攻撃し続け
必要であれば他の猟兵たちも手助けする
「風魔小太郎。お前に恨みはないが、此処は通らせてもらう」


サイモン・マーチバンク
可憐なお嬢さん(?)にまで武装を搭載するとは……
相手も手段は選んでいられないということでしょうか
ここは一気に攻め込む時ですね

相手が砲撃を使う以上、遠くからちくちく戦うのは不利か
こういう時は近付いて殴るのが一番!
『ムーンストライク』を担いで出来る限り接近していきましょう
ひたすら【ダッシュ】で無我夢中にいきますよ

敵を攻撃できそうな位置まで来ればUC発動
まずはハンマーを振り回し衝撃波を発生させます
狙いは敵の追加パーツ
強化や回復の妨害に務めましょう

それでも敵がパーツ作成に勤しむなら隙が出来ますし
攻撃に転じてもそれはチャンス
一気に懐に突っ込んで【怪力】でハンマーをぶん回す!
スクラップはあるべき姿に、です


キアラ・ドルチェ
父や母や深雪さん達…当時の銀誓館が生命を賭け戦い、勝ち取った結末を無駄にさせないっ!
ドクター・オロチへの道をあけて貰いますっ!

相手も長距離砲撃得意ぽいですが、私も長距離射程での戦いのが慣れてるんですよ?
一か所からの攻撃だと攻撃位置把握されて長距離からの集中攻撃受けそうですから、少しずつ位置を変えながら打ち込み続け
また他に戦っている方がいれば、それを援護するようにUC打ち込み

では…【高速詠唱】で先手を取り【多重詠唱】でUC複数発動、【全力魔法】で威力増加!
人工物よ、植物に…「生命」に抱かれお眠りなさいっ!

そして…「待っていなさい、トビアス!」あ、ドクター・オロチですね、つい私も間違えちゃいます…


神臣・薙人
ドクター・オロチ…
私は資料でしか知りませんが
嫌な相手が思い浮かびますね
ここで完全に倒してしまいたいところです

ネクロメイデンと遭遇次第
白燐桜花合奏を使用
相手は集団
囲まれないよう留意しましょう
戦闘中は蟲笛の演奏を途切れさせない事を優先
出来る限り多くの敵を巻き込めるよう
都度立ち位置は調節します
イザナミの呪縛が発動した際は
幽世蝶での受け流しを試みます
記憶を代償にしてまで戦うのですか
死にたくないのなら出て来なければ良いものを…

多少の負傷は気にせず
蟲笛の演奏を優先
少々の傷ならば白燐蟲が癒やしてくれますからね
演奏中も敵の動きは警戒
攻撃等の予兆があれば回避を試みます
演奏が途切れた際は
可能な限り早く再開させます



「相手も手段は選んでいられないということでしょうか」

 サイモン・マーチバンク(三月ウサギは月を打つ・f36286)が、眼下に群れるネクロメイデンたちを見つつ言う。

「どんな風に身を変えてもどれ程強大になっても」

 葛城・時人(光望護花・f35294)は、ネクロメイデン達の向こう、影の城を緊張した面持ちで睨む。

「トビアス……いや、合体異形ドクター・オロチ。これ以上他所を荒らす事なんか絶対許さない!」

 彼が怒りに声を震わせながらそう続けて呟いた傍らで、凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)が落ち着いた声音で続ける。

「まずは風魔小太郎を退けて、進まないとな」

「はいっ! 父や母や深雪さん達……当時の銀誓館が生命を賭け戦い、勝ち取った結末を無駄にさせないっ!」
「そうですね。ここで完全に倒してしまいたいところです」

 それに応えて大きく頷いたのはキアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)。そのやや後方で、神臣・薙人(落花幻夢・f35429)も頷く。二人をよく知る時人と陸井も、笑みを浮かべて頷いた。
 そんな様子をちらりと見た後、サイモンは愛用のハンマーを手に群れの渦中へ身を踊らせる。

「遠くからちくちく戦うのは不利ですね。こういう時は近付いて殴るのが一番! 一気に攻め込みます!」

 サイモンに続かんと駆け出そうとした男性陣が、ふと足をとめる。

「大丈夫です。私、長距離射程での戦いのが慣れてるんですよ?」

 キアラはそう言って笑う。そうだった、この娘は、猟兵としては自分たちよりはるかに歴戦の兵なのだ。

「うん。ありがと、キアラ。……往こう、陸井」
「ああ。背中は任せて……全力でいけ、相棒」

時人と陸井は頷き交わし、薙人は頷く代わりにその身の桜をふるりと揺らして、地を蹴った。



 じゃきん、がきん。と、音をたてて変形するネクロメイデンたちが、先駆けるサイモンの杵に似たハンマーやそれから発する衝撃波で吹き飛ばされ、粉砕される。

「可憐なお嬢さんにまで武装を搭載するとは……」

 そう口にしながらも、いや、これをお嬢さんと言えるのでしょうか?などと過った疑問は、粉砕されたネクロメイデンを、別のネクロメイデンが自分のパーツにし出す様を見て霧散する。

「やはり、スクラップはあるべき姿に、ですね」

 そう独りごちると、ハンマーを構え直す。

「『行きますよ……!』」

 そうして振り上げたハンマーが、超高速で振り下ろされる。三日月の軌跡を残すそれは、『月のスタンプ』。彼の扱うユーベルコードだ。そのまま、軌跡を足場に跳び、縦横無尽に駆け抜けて、ネクロメイデンの数を減らしていく。

 その後を追うように、重ねるように、笛の音が桜の花弁が戦場を渡る。崖から着地と同時に、笛を構えた薙人が奏でる『白燐桜花合奏』。共に駆ける仲間たちを護るように優しく、鼓舞するように雄々しく、立ちはだかる敵を処断するように鋭く、笛の音が響く。白燐蟲を舞わせながら笛を奏で続ける薙人は、不気味に姿を変えながら攻撃を仕掛けてくるネクロメイデン達に不快そうに眉を寄せる。

(死にたくないのなら出て来なければ良いものを……)

 そんな彼の視界の外から、ぎちぎちと嗤うように身体を軋ませながら一体のネクロメイデンが銃口を向ける。

「……っ!?」

 漸く察した薙人がそれを避けようとしたその時。空から飛来した植物の槍が、ネクロメイデンを貫いた。銃口がぶれたことにより、僅かばかりの傷を与えるのみに終る。

「大丈夫ですかっ?!」

 そう駆け寄ってきたのは、戦線が動いたことで崖上から移動してきたキアラ。先程のは、彼女の『森王の槍』で放たれた槍の一本だったのだ。

「ありがとうございます。お陰様で、事なきを得ました」

 ぺこりと頭を下げる薙人に、キアラが得意そうに微笑する。その様子につられるように、薙人も笑みを返した。

「貴女がここに来ているなら、此方が優勢ということですね。とはいえ、まだ気は抜けないようですが」

「そうですね。では……『森のディアナよ、汝が慈悲もて我に想い貫く槍を賜らん。万物よ自然に還れ!』」

 薙人の言葉に頷いたキアラは、『森王の槍』を瞬く間に多重起動する。そうして雨のように降り注ぐ植物の槍を見て、薙人も笛を唇にあてた。

 他方、薙人が銃口に晒されたのをたまたま視界の端に捕らえてしまっていた時人が、安堵の呟きを漏らした。能力者であった頃の因縁、友が危険に晒された事実が、彼の中にある激情を加速させる。

「これはお前の後ろの奴らが完膚なきまでに敗北した『能力者』のアビリティが元だ! 受けて見ろ!
『ククルカン敵を討て!そして光で皆に癒しを!』」

 吼えるような詠唱と共に、夜空の天の川もかくやという白燐蟲の大群が現れ出でた。『白燐大拡散砲』。翼もつ蛇の姿の彼の白燐蟲が、味方には癒しを、敵には容赦ない攻撃を与えるユーベルコード。

「消えて!無くなれ!」

 そんな時人の背後で、冷静に状況を見極める陸井。時人の『白燐大拡散砲』を耐え抜けてきた敵を的確に対処していく。

「おっと、今度はそっちからか。『あぁ、そこは危ないぞ。』」

 他のネクロメイデンを壁のようにして乗り込んで来れば、『神速「空閃」』を用い、相手の進路を制限していく。気づけば三日月の軌跡と不可視の斬撃が両翼に広がり、ネクロメイデン達の動きはかなり制限されるようになっていた。

「風魔小太郎。お前に恨みはないが、此処は通らせてもらう」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ドクター・オロチwithスーパー戦車』

POW   :    殺戮形態換装
自身の【スーパー戦車の車体】を【殺戮形態】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD   :    スーパー戦車砲・インテリジェント
自身が発射した【スーパー戦車砲の砲弾】の軌道を、速度を落とさずレベル回まで曲げる事ができる。
WIZ   :    スーパー戦車砲・カタストロフ
【万色の稲妻】を降らせる事で、戦場全体が【最終戦争】と同じ環境に変化する。[最終戦争]に適応した者の行動成功率が上昇する。

イラスト:みやこなぎ

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●風雲! 影の城

「えっ?! ちょっと、どういうことだわん! 小太郎やられちゃったの? ちょっと早くないかわん!?」

 駆け抜けた影の城の奥。大広間で待ち受けていたのは、見慣れたはずのパーカーのくま耳が、何故か先折れしたいぬ耳に変化しているドクター・オロチ。

「えっ、えっ、しかもなにー? 能力者あがりの猟兵までいちゃってるのかわん?!」

 もー、やんなっちゃうわん! と地団駄まで踏む有り様である。大概ウザかったのは確かだが、「これはひどい。」と言わざるを得ない。何しろ見慣れた脳味噌フェイスは健在なのだから、誤魔化しも何もあったものではない。
 何よりも、猟兵たちはドクター・オロチのこれまでの行いを嫌というほど知っているわけで。

「こうなったら、ボク自ら相手してやるわん!」

 と、よくわからない、ドクター・オロチでなければ、もしかしたら可愛かったり格好良かったかもしれないポーズをとった背後から、巨大な砲身が猟兵達に向けて姿を現した。
サイモン・マーチバンク
わんわんしてらっしゃる……
ですが笑ってる場合じゃありません
相手はあのスーパー戦車の力を借りていますから
油断してるとあっという間に吹き飛ばされてしまうでしょう……

厄介なのは曲がる砲撃ですね
相手の能力は未知数
回避するのは諦めた方が良さそうです
それなら……無理矢理にでも撃ち落としましょう!

『ムーンストライク』を構え砲撃に備えます
そして攻撃が迫れば……UC発動!
流石にハンマーで砲弾を狙うのは現実的ではありませんが……
追撃の衝撃波ならいかがでしょう?
すぱっと切り裂いてみせますよ

砲撃が撃ち落とせればそのまま
無理でも【ダッシュ】で抗いつつ
残った衝撃波を足場にし敵に接近します
そのまま【怪力】でぶっ叩きますよ!


キアラ・ドルチェ
【護】で参加

ヤドリギ使いの本拠、ビャウォヴィエジャの森での「カタストロフ」の再現はさせないっ!
【高速詠唱】で敵の行動よりも先んじ、【全力魔法】で茨の世界展開、ドクター・オロチとスーパー戦車のユーべルコードを封じます

避けられたり抵抗されるなら【多重詠唱】! 絶対に縛り付け動かせはしないっ!
「父と母とその戦友たちの名にかけて、生命使いの意地にかけて、この軛は決して解かせはしませんっ」…生命っていうか寿命削れるのをその身に感じながら…でも時人さんたちが速攻で倒してくれると信じてるから…怖くないっ!(己を奮い立たせ、真っ向から敵を見やる

トビアス…いえ、ドクター・オロチ、今度こそ本当に年貢の納め時です!


神臣・薙人
【護】で参加

ようやく本人が出て来てくれましたね
ここで決着をつけましょう

敵が射程に入り次第
白燐想送歌を使用
少しでも攻撃力を削がせて頂きましょう
武器封じが解除される
もしくは射程内にいる方が負傷された際は
その都度再使用します
仲間が全員射程内に入るよう
立ち位置には気を配ります
砲弾は常時警戒
こちらに向かって来るようであれば
一時的に位置を変える等
回避行動を

治療・武器封じの必要が無い時は
蟲笛を使用し攻撃
出来る限り早めに戦いを終わらせたいですからね

相手に攻撃の予兆等があれば
声を上げて注意喚起
万一、戦場が最終戦争化した際は
攻撃を担当される方がそれに専念出来るよう
負傷の治療を重視して行動します
手が空けば蟲笛で攻撃


葛城・時人
【護】で参加

二つ名は「生命を探求し弄ぶもの」だったか
再び暴れ出した時、俺はまだ居なかった…
それを強く悔やんでる
これ以上はやらせない
絶対に倒す

「もう好き勝手はさせないぞドクター・オロチ!いや、敢えて
こう呼ぼう…トビアス!生命使いが引導を渡しに来たぞ」
攪乱も兼ね声を張る

命を削っても抑えてくれるキアラ
攻撃力を削ぎ護ってくれる神臣
その努力と信頼に全霊で応える!

「陸井、準備はいい?」
相棒と駆け蟲笛からククルカンを舞わせ
視界を削ぎ技能で攻撃を躱し光蟲の槍詠唱

強く強く俺がかつて憧れた彼方の輝ける光を想起する
最大まで振り絞り真っ直ぐ正面から
「俺の光と蟲に焼かれるがいい!」

「今度こそ貴様は終わるべきだ…絶対に」


凶月・陸井
【護】で参加

前の世界では直接は手を下せなかったし
何よりも何もさせない封印での対処だった
あれが最善手だし、結果的に勝ちだ
でもまたこうして敵として相見えるのであれば
「トビアス!今度こそ此処がお前の終わりだ!」

仲間達のUCに合わせて行動を開始
攻撃に紛れるようにしながら相棒とトビアスを挟撃
最初はガンナイフで銃撃と近接攻撃をして注意を引き付ける
「勿論。合わせるぞ、相棒」

わざとトビアスの視界に入るように戦闘を行い続け
相棒の攻撃に合わせて【退魔術「闇穿」】を使用
光に紛れて闇を纏い、死角へ滑り込み
全力で必殺の、確殺の四撃を放つ
「闇に沈め。このクソ野郎」

「銀誓館の者として…そして猟兵として、お前を倒す」



●鬨の声をあげよ

「わんわんしてらっしゃる……」

 サイモン・マーチバンク(三月ウサギは月を打つ・f36286)が、毒気を抜かれた様な声でぽそりと漏らした。他のメンバーも、なんとも言えない表情を浮かべる。たしかに、ドクター・オロチは、そういう性分だった。だが、そこにわんわんが乗っかる謎の破壊力は、想定外だった。

「もう好き勝手はさせないぞドクター・オロチ!いや、敢えてこう呼ぼう……トビアス!生命使いが引導を渡しに来たぞ!」

 鼓舞するように、場を引き締めるように、朗々と声をあげたのは、葛城・時人(光望護花・f35294)。

「ようやく本人が出て来てくれましたからね。ここで決着をつけましょう」

「今度こそ此処がお前の終わりだ! 銀誓館の者として…そして猟兵として、お前を倒す」

 その傍らに並び立つ、彼の友人である神臣・薙人(落花幻夢・f35429)と、相棒の凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)。
 そして。

「トビアス……いえ、ドクター・オロチ、今度こそ本当に年貢の納め時です!」

「もー! なんで君たちはいちいちヒトの名前を間違えるんだわん! ヒトの名前を間違えちゃいけませんて、習わなかったのかわん!」

 キアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)と、畳み掛けるようにトビアス呼びをされて、また地団駄を踏むドクター・オロチ。正論だけに反論しにくい空気が一瞬流れる。

「怒ったわん!コテンパンにしてやるわん!!」

「それはこっちの台詞だ!」

 そうして、決戦の火蓋は切って落とされた。

●輝ける生命の力

「させませんっ! 『太陽と月とターリアよ、荊の棘となり眠り姫の祝福を我が手にっ!』」

 銃口が火を噴くよりも早く、誰よりも早く、キアラの詠唱が響いた。それと共に魔力を纏う茨が城を切り裂くように現出し、ドクター・オロチを拘束する。

 ユーベルコード『茨の世界』。敵の力を封じるそれは、代償を求める。彼女の力の源流であるヤドリギ使いの本拠、ビャウォヴィエジャの森は、過去に「カタストロフ」の危機に晒された。その再現はさせないためにも、キアラは己のいのちを引き換えることに、躊躇いはなかった。なにより、信頼してくれる人たちが、それほど時間をかけるわけがないと、信じている。

「にゃっ?!コレ、なんなんだわん?!」

「父と母とその戦友たちの名にかけて、生命使いの意地にかけて、この軛は決して解かせはしませんっ!
 ……だからっ!」

 自分の中の「何か」――則ち自身のいのちの期限――を少しづつ削られる感覚に眉を寄せながらも、ドクター・オロチを真っ直ぐに見据えたまま、キアラが叫ぶ。

「攻撃力を削がせて頂きましょう。『少し、大人しくしていて下さい』」

 その叫びに応え、静かに歌い始めるのは、薙人。彼が歌うのは、ユーベルコード『白燐想送歌』。それにより、武器を封じられ、ドクター・オロチが丸裸――丸脳味噌というべきか――にされていく。

「……うっそだわん?!」

 うんともすんとも言わない砲身をぶんぶんと振り回しながらドクター・オロチが狼狽える素振りを見せる。

「曲がる砲弾が脅威だと思ってたのですが……これは、好機というやつでしょうね……」

 その光景にサイモンは意外な顔で呟くと、地を蹴りドクター・オロチとの距離を詰める。

「『行きますよ……!』」

 そうして振りかぶったハンマーが、砲身に向けて振り下ろされる。高らかな金属音と共に砲身がへし曲がる。追撃のように射出された衝撃波がキャタピラを切断し、『月のスタンプ』で形成された足場を用いた空中からの追撃が、根本から砲身を捻り切った。

「ちょっとー?!それ、いくらなんでも反則すぎないかわん?!」

 ドクター・オロチにとって、『とっておき』だったはずのフィールド・オブ・ナイン。憑依により、もとより強大であったのをさらに強化した力を奮う前に悉く封殺され、不満と抗議の声をあげたドクター・オロチの視界を白い輝きが覆い尽くす。

「これ以上はやらせない。陸井、準備はいい?」
「勿論。合わせるぞ、相棒」

 長年相棒として背中を預けあって戦場を駆けてきた、そして能力者から猟兵となった今もそれは変わらない二人が改めて武器を構える。

「皆の努力と信頼に全霊で応える!」

 そう。時人にとって、かつてからの因縁もあるのは確かだが、旧い友人の娘が、己の命を懸けているのだ。頼れる猟兵であるのは確かだが、彼女に何かがあれば、やはり申し訳がたたない。

「『今は遠くても、力の記憶は俺の中に』」

 詠唱した時人のその手に、白く光輝く槍が形作られる。それは、彼がかつて憧れた彼方の輝ける光。いつか未来に届くかもしれない光。希いを乗せた『光蟲の槍』が、ドクター・オロチを目掛け真っ直ぐに翔ぶ。

「闇に沈め。このクソ野郎。『これで終わりだ。』」

 その光の槍に寄り添う様に、静かな声音の詠唱とともに漆黒が疾る。
 影より出る漆黒の弾丸が四つ、狙いを過たずドクター・オロチを身を貫き穿った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年04月23日


挿絵イラスト