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知られざる証、その名は

#ヒーローズアース #戦後 #スナークゾーン #侵略者の時代 #『神月円明』

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●侵略者の時代
 ヒーローズアースにおいて文明とは地上だけに非ず。
 太平洋の海底より現れる高度な海底文明、『アトランティス』。
 神々が住まう地球の中心たる『センターオブジアース』。
 ニューヨークの地下に広がる広大な下水道迷宮『ダストブロンクス』。
 そして、大気圏外に存在する『ラグランジュポイント』。
『犯罪者の時代』が終わりを告げ、人々は地上だけが文明圏ではないことを知る。かつて海底や神々の住まう地球の中心。
 それらだけではなく公害汚染と急速に発展した文明の代価として危険な廃棄物を垂れ流す下水道は、新たなる生命を生み出した。
『バイオモンスター』とはそうした公害汚染の弊害の結晶ともいえるだろう。

「ハァッ、ハァッ、ハァッ……!」
 ニューヨークの地下に広がる下水迷宮に汚水を蹴りながら、息荒く走る影があった。
 体躯は人のそれではない。
 人以上の身長と肩幅。けれど、その体皮はささくれたような樹皮のようであった。ひと目で分かる。その息荒く走る彼が人間ではないと。
「グルォオオオオ――!!!!」
 凄まじい獣の咆哮が響き渡る。
 その咆哮を聞いて、走る影はビクリと背中を震わせた。
 彼は逃げていた。いや、追われていたと言うべきであっただろうか。

「ど、どうしよう……こ、こんなことになってしまうなんて……!」
 樹皮の如き体皮を持つ人外なる者、バイオモンスターである『ツリーマン』は見てしまった。
 この『ダストブロンクス』の奥深くで胎動する機械の塊を。
 それは急速に下水道に流れ込む汚水を取り込み、肥大化していっているように思えた。初めてそれを見たのは、彼が生まれた時であった。
 最初はそれが何であるか理解も出来なかった。
 だから、捨て置いたのだ。けれど、それが今や時を経て、『ダストブロンクス』を食い破るようにして増殖しはじめたのだ。

 彼を追う巨大な獣『熱砂のラトゥール』は本来、この『ダストブロンクス』に生息する獣でしかなかった。
 けれど、肥大化する機械の塊から打ち込まれる謎のウィルスによって頭部に鋼鉄の兜の如き面が形成され、凶暴化し地下下水迷宮に生きる者たち全てを喰らいつくさんと走るのだ。
「ガォォォオオオオン!!!」
 振るわれる牙。
 それを『ツリーマン』は躱す術はなかった。けれど、その鋭き牙が彼を食い破ることはなかった。
 彼を救ったのは見たこともない超兵器を扱う青年たちであった。

「間に合ったな! 俺たちは『崩壊戦線』。落ち着いて聞いてくれ。君はバイオモンスターだね」
「――……な、何が」
 放たれるプラズマの火球が『熱砂のラトゥール』を貫き、さらに下水迷宮の奥から迫る機械の塊を退ける。しかし、それが僅かにしか効果がないことを『崩壊戦線』を名乗る青年たちは知っていた。
「よく聞いてくれ。今、世界は狙われている」
 彼らの言葉はあまりにも突飛な言葉であった。けれど、それは真に迫るものだと『ツリーマン』は即座に理解した。
 彼等は言う。世界を狙う者の名を。
「地球外の文明の残滓、それを己の私欲によって取り込もうとした研究者がこの地に遺棄した恐るべき機械生命体が文明を為し、世界を滅ぼそうとしているんだ――」

●抒情詩
『スナークゾーン』は過去のヒーローズアースを再現した空間である。
 仮想空間であるが、現実を侵食する可能性を秘めた空間でもあるのだ。これは猟兵たちが戦い、紡いできた軌跡によって証明された事実である。
 後に『侵略者の時代』と呼ばれた時代に在りて、『知られざる文明』は白日のもとに晒される。
 大別するのならばおおよそ四つ。
 古くから在るのは『アトランティス』と「センターオブジアース』。
 そして、新たに確認されたのが『ダストブロンクス』と『ラグランジュポイント』である。

 この時代に在りし者たちは、それぞれの理由があれど一様に地上の征服を狙い、侵略に踏み切ったのだ。
 しかし、此処『スナークゾーン』においては、さらなる『知られざる文明』が台頭しようとしていた。
 その名は『ディケイリフェ』。
 生命の崩壊を名乗る機械文明である。それらは『ダストブロンクス』の汚水より現れ、またたく間に地下下水迷宮を押しつぶし、下水を通じて海洋文明である『アトランティス』にまで手を伸ばそうとしている。

「恐れという武器を持ちながら人は、その使い方をよく理解していない」
 徒手空拳の男は地下下水迷宮より溢れるようにして飛び出してきた鋼鉄の兜の如き面を持つ獣『熱砂のラトゥール』を拳で持って打倒し言う。
 ニューヨークの地面は砕かれ、溢れ出す機械の塊。
 それはまるで地下より溢れ出す鋼鉄の木の根のようでもあった。

「正しく使うのならば、知性によって恐れは脅威を振り払う武器ともなる。肝要であるのは、如何にして『知る』かだ」
 蹴撃が機械の枝葉を断ち切り、迫りくる『熱砂のラトゥール』を叩きのめす。
 その言葉に『ツリーマン』とオーバーテクノロジーの超兵器を扱う『崩壊戦線』の青年たちは頷く。
 人は未知なるものを恐れる。
 恐れは人として備わったものである。それを一片もなくすることなどできようはずもない。だから生まれるものがあるのだ。

 人はそれを勇気と呼ぶ。
 例え、目の前に迫る数万にも及ぶオブリビオン、『熱砂のラトゥール』とそれを生み出す機械の塊の如き知られざる文明『ディケイリフェ』が迫ろうとも、それが在る限り勇気を持つ者は絶えることがないのだ――。

●スナークゾーン
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。今回の事件はヒーローズアース……『スナークゾーン』によって再現された『侵略者の時代』が舞台です」
 ヒーローズアースは地底や海底に幾つもの『知られざる文明』を持つ世界である。
 この時代にあって、それらは一斉に地上を目指していた。
 即ち侵略である。
 地上の人々はこれらと戦い、己の生存圏を守ってきたのだ。

「ですが、今回現れたのは皆さんの知る四大文明とは異なる機械文明『ディケイリフェ』です。機械生命体が自己進化、自己修復、自己増殖によって地上を侵略しようとしています」
 言わずとも、それらはオブリビオンである。
 数万体にも数えられるオブリビオンが軍勢となって地上に侵攻しているのだ。これらを迎え撃つのは『ダストブロンクス』と『ラグランジュポイント』のヒーローである。
『ツリーマン』と『崩壊戦線』という超兵器を扱う青年たち。そして、徒手空拳の男である。
 彼等はニューヨークの地下から這い出すオブリビオンたちと戦っている。この最前線に猟兵たちは立ち、地下で増殖し続けるオブリビオンの核を叩かねばならない。

「どうやら敵は下水を通じて海……海洋文明である『アトランティス』にまで手を伸ばそうとしているのです。海に進出されてしまえば、海洋の全てを汚染されてしまいます」
 これを止めるためには地下より現れるオブリビオンを打倒し、地下迷宮の奥にある機械文明の核を打倒する必要がある。
 例にもれず、今回の『スナークゾーン』もまたこの核たるオブリビオンを打倒すれば消滅するだろう。

 ナイアルテは、近代に近づいた『スナークゾーン』に蔓延るオブリビオンの打倒を猟兵たちに託し、彼等を雷鳴と共に送り出すのであった――。


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はヒーローズアースにおいて発生した『スナークゾーン』に存在するオブリビオンたちの目論見を打破するシナリオになります。
 今回の『スナークゾーン』は『侵略者の時代』です。

 スナークゾーンのシリーズとして各時代を巡っていくシナリオ群になります。
 過去シナリオは、シナリオタグ『神月円明』から参照できます。

 ※このシナリオは二章で構成されたシナリオになります。

●第一章
 集団戦です。
 地上征服を狙う機械文明『ディケイリフェ』が下水迷宮である『ダストブロンクス』から地上に這い出し、数万のオブリビオンを持って侵略しようとしています。
『熱砂のラトゥール』は、獣の形をしていますが、その体組織は全て機械生命体となっています。
 今回は『バイオモンスター』の『ツリーマン』と『アームドヒーロー』のヒーローチーム『崩壊戦線』の青年たちがこれらを迎え撃っています。
 また徒手空拳の男もこれに加わり、数万にも及ぶ軍勢と戦っています。

 この戦いの最前線に皆さんは立ち、世界規模の戦いに発展する大戦争を優勢に導きましょう。

●第二章
 ボス戦です。
 機械文明『ディケイリフェ』の核であるオブリビオンは『ダストブロンクス』の最奥に存在していますが、皆さんが戦いをヒーローたちの優勢に傾けた瞬間、地下から飛び出し姿を現します。
 海洋文明である『アトランティス』よりも皆さんを脅威であると判断したためでしょう。
 しかし、地下より飛び出した機械文明『ディケイリフェ』はまるで要塞の如き巨躯でもってニューヨークの街を蹂躙しようとします。
 これを止め、打倒すれば『スナークゾーン』は消滅します。

 それでは、ヒーローズアースにおける『侵略者の時代』を再現したスナークゾーンにおける皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 集団戦 『暗黒面『熱砂のラトゥール』』

POW   :    角と翼を手折る者
【古代の戦士】の霊を召喚する。これは【【飛行している者】や【角の生えている者】に対し】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    塔を冠する一面
自身の身長の2倍の【砂と土で形成された腕】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
WIZ   :    暗黒を擁する咆哮
【その咆哮を聞いたものは、内に秘めた欲望】に覚醒して【欲望を求める姿】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。

イラスト:音七香

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ひび割れたニューヨーク市街地のアスファルトの底から飛び出す機械の触手の如き枝葉。
 それらから生み出されるは『熱砂のラトゥール』たち。
 鋼鉄の獣めいた咆哮が轟き、かの獣たちは疾駆する。
 あらゆる生命を貪り、同化し、増殖する。進化は止められない。あらゆる傷は立ちどころに修復されるだろう。
「グルォオオオオ!!!!」
 彼等は機械文明『ディケイリフェ』が『ダストブロンクス』に在りし穢れた生命を蝕み、生み出した怒りそのものであった。
 遺棄されたものたちの怒り。
 彼等を突き動かすのはそれだけであった。
「だから壊すというのか。全部を」
 バイオモンスターである『ツリーマン』は叫ぶ。
 彼は生まれた意味を知る。

 何故生まれてしまったのか、その理由を知らずとも生まれた意味は判る。
 人間よりも大きな体。膂力。それらは他者を虐げるためにあるものではない。
「力の意味は僕が決める。他の誰かに言われたからじゃない。僕がそうしたいと思ったから」
 彼の言葉とともに徒手空拳の男は拳を振るう。
 オーバーテクノロジーの超兵器を手繰る『アームドヒーロー』である『崩壊戦線』の青年たちも同様であった。
 誰かを救うのに理由などいらない。
 そうしなければならないと突き動かす心がある。

 ただそれだけいいのだと言うように迫りくる数万というオブリビオン『熱砂のラトゥール』たちを迎え撃つ。
 彼等は劣勢に立たされていることだろう。
 かの大群はニューヨーク市街地に在りて、生命を鏖殺する牙。
 公害汚染によって生まれ、そして機械文明『ディケイリフェ』によって暴虐の嵐となった。
「生まれた意味を忘れた哀れな存在。それがお前達だ。恐れも知らず、悲しみも知らず。そのようなものにもう生命は奪わせはしない」
 振るう拳は雷鳴の如き唸りを上げる。

 なだれ込むようにして『熱砂のラトゥール』たちが戦場と成ったニューヨーク市街地を走る。
 その牙、その爪を、己達の前に立ち塞がらんとする正義の心を切り裂かんと――。
アルトリウス・セレスタイト
過去は静かに終わっておくべきだ
滲み出るならば消し飛ばすまで

状況は『天光』で逐一把握
守りは煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し害ある全てを無限に破壊、自身から断絶し否定
尚迫るなら自身を無限加速し回避
要らぬ余波は『無現』にて消去
全行程必要魔力は『超克』で骸の海すら超えた“世界の外”から常時供給

破界で掃討
対象は交戦域のオブリビオン及びその全行動
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無

原理を廻し高速詠唱を無限に加速、循環
瞬刻で天を覆う数の魔弾を生成、敵勢へ向け斉射
更に射出の瞬間を無限循環し戦域を魔弾の軌跡で埋め尽くす

修復。進化。増殖
そのような余地は残らん
火力と物量で圧殺する

※アドリブ歓迎



 仮想空間『スナークゾーン』において、オブリビオンは言うまでもなく異物である。
 過去の再現。
 地球全てを再現せしめる仮想空間など、他に例を見ないものである。
 そして、これまでの『スナークゾーン』における戦いにおいて猟兵たちの戦いは、大なり小なり現実世界に影響を及ぼすものであった。

『神々の時代』にありてはセンターオブジアースに戦いの痕が。『魔法使いの時代』にありては猟兵の扱う武装が『世界大戦』に影響を及ぼし、『犯罪者の時代』では一つのヴィラン組織が潰えた。
 これらの積み重ねを見た時、仮にオブリビオンの目論見が『スナークゾーン』において叶った時、現実世界にはどれほどの影響が及ぶであろうか。
 世界を滅ぼしかねないほどの仮想。
 それが現実に侵食した時、ヒーローズアースは、どうなるのか。
「過去は静かに終わっておくべきだ。にじみ出るならば、消し飛ばすまで」
 淡青の光と共に、アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)はニューヨーク市街地の地下から溢れ出す機械の枝葉を吹き飛ばす。

 すでに戦況は理解している。
 地下迷宮である『ダストブロンクス』を食い破って機械文明『ディケイリフェ』は、数万というオブリビオン『熱砂のラトゥール』を生み出し地上を征服せんとしている。
「グルォオオオオ!!!」
 獣の咆哮が轟く。
 超兵器、オーバーテクノロジーを扱うアームドヒーローである『崩壊戦線』の青年たちがプラズマの火球で対応しているが、数万にも及ぶ敵の軍勢は退けられるものではない。
 バイオモンスターの『ツリーマン』の樹皮に覆われた腕が『熱砂のラトゥール』を打ちのめしてもなお足りない。

「行き止まりだ」
 アルトリウスの瞳がユーベルコードに輝く。
 世界の外より汲み上げる魔力が発露する。それは淡青色の光となって万象を根源から消去する魔弾となって迸る。
 地下より迫りくる機械文明。
 それは本来存在しない筈の『知られざる文明』である。
 オブリビオンが核となって、この文明を生み出している。ならば、その行いは『スナークゾーン』においては、理外そのものであろう。

「原理を廻す」
 その言葉とともにアルトリウスの詠唱は加速していく。
 如何に咆哮が轟こうともアルトリウスの心が揺れることはなかった。己の前に現れるオブリビオンは全て敵である。
 天を覆う魔弾は雨のように降りしきり、数万の敵を屠り猿。
「修復。進化。増殖。そのよな余地は残らん」
 火力と物量で圧殺する。
 それがアルトリウスのやり方であった。

 どれだけ機械文明『ディケイリフェ』が、自己進化、自己修復、自己増殖でもって地上を征服しようとするのだとしても、立ちふさがる者達がいる。
 彼らの瞳に恐れはない。
 いや、恐怖という感情はあるのだろう。
 けれど、その感情を知ってなお踏み越えることができる力がある。

 それが勇気と呼ばれるのであれば、アルトリウスは、それを無視することはできない。
 生成された魔弾の雨が『熱砂のラトゥール』たちの牙と爪を砕く。
 如何に公害汚染という人の悪辣が生み出した結果に怒るのだとしても、彼らの怒りは届かせてはならない。
 尤もな理由、理屈であったとしてもだ。
 その過ちすらも人は乗り越える。是正し、新たな道を模索する。それが例え愚かだと言われたとしても、人の歴史は紡がれていく。
「すでに終わったもの。それが過去。今ににじみ出る道理など何一つ正しさのないこと」
 だからこそ、蒼光の魔弾が貫く。

 正しき道かどうかを決めるのは、己ではない。
 過去は過去のままに。
 変えてはならぬものがあるからこそ、その魔弾は『熱砂のラトゥール』たちの怒りごと咆哮を貫いて霧消させるのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
「仮面を付けた虎、これが本当のタイガーマスク!
(盛大にスベって)…失礼しました💦まだシリアス成分が戻っていないようです。」
と、赤面して帰りかけましたが、放っておけないので踏み止まる。

(何事も無かったかのように)響月を取り出してUC:帰幽奉告。
更に音の属性攻撃・神罰・除霊・範囲攻撃を上乗せして、古代の戦士の霊は除霊し、ラトゥールの精神を魂を攻撃して纏めて倒します。

また結界術・高速詠唱でツリーマンさん・崩壊戦線メンバー・アズマさん・人々をかばいます。

相手は何万もいるとの事ですので、皆さんに護衛して貰いながら一緒に移動して、どんどん倒していきますよ。

…ジャスティスウォーまでには戻っていたいなあ💦



 機械文明『ディケイリフェ』によってニューヨーク市街地は地面から崩壊していた。
 破壊されたアスファルトから飛び出す鋼鉄の枝葉からは次々と『熱砂のラトゥール』と呼ばれる獣のオブリビオンが生み出され、数万という軍勢となって迫りくる。
 その牙と爪は鋭いものであったし、何より鋼鉄の兜の如き面を付け轟かせる咆哮には怒りが満ちていた。
「これが彼らの怒り……公害汚染によって生み出された自分たちの生まれた意味がわからないんだね……」
『ツリーマン』は樹皮の如き体表でもって、『熱砂のラトゥール』の爪を受け止め吹き飛ばす。

 彼もまた地下迷宮『ダストブロンクス』で生まれたバイオモンスターである。
 人々が科学と生活の向上のためにあらゆる犠牲を自然に強いたように、彼もまたそうした人々の行き過ぎた発展の澱によって生まれた存在でもある。
「怒りがないわけではないよ。けれど、生まれたってことは、そればっかりじゃないって君たちは知っていたはずだ」
 そう、生命は怒りだけではない。きっと喜びもあったはずなのだ。
 けれど、『熱砂のラトゥール』たちは咆哮する。
 そんなことに意味はないと。
「グルォオオオオ――!!!」

 咆哮とともに『熱砂のラトゥール』たちが駆ける。
 しかし、底に満ちるのは音色。
 魂と精神を揺さぶる笛の音であった。幽玄なる音。
 それは、帰幽奉告(キユウホウコク)。何処か安らかさを感じさせる旋律であり、『熱砂のラトゥール』たちは己たちの咆哮が力を失っていくのを感じただろう。
「仮面を付けた虎、これが本当のタイガーマスク!」
 大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は笛の音を止めて、刮目して叫ぶ。
 何がどうしたのかと『ツリーマン』は思ったし、『崩壊戦線』の青年たちは皆、オーバーテクノロジーのプラズマライフルの引き金を引く指を止めてしまっていた。

 唯一、徒手空拳の男だけが苦笑いをしていた、場の空気から言ってそれは盛大に滑り倒していると過言でもない。
 しかし、最悪なのは詩乃もまた、己が滑ってしまったという自覚があることである。
 い、いたたまれない。
「……し、失礼しました!」
 帰りたい。
 とても帰りたい気持ちになっている。舞台の上で漫才師の方々がこんな思いをしているのだと詩乃は知ってしまった。これからテレビジョンでそうした面々を見る目が変わってしまうくらいに詩乃は滑り倒していた。
 赤面した顔が熱い。
 もう帰りたい。
 このままなかったことにしてしまいたい。けれど、そうはできないのだ。

 目の前にはオブリビオンの数万という軍勢がある。
 これを放ってはおけないのだ。その一念だけが詩乃の足を踏みとどまらせる。
「悪くはないと俺は思ったが」
 徒手空拳の男のフォローにもなっていない言葉が詩乃に向けられる。
 逆にそのフォローが今の詩乃には胸に刺さるものであった。できればそっとしておいてあげて欲しい。
 時には言葉ではなく沈黙が慰めになることもあるのだ。

「い、いえ……大丈夫です。し、シリアス成分がもどっていないようなだけですので!」
「は、はぁ……」
『崩壊戦線』の面々は、どういうことなのかと思っているようであったが、詩乃の張り巡らせた結界術に守られながらプラズマの火球を『熱砂のラトゥール』たちに打ち込み戦線を維持し続ける。
 大波のような軍勢。
 けれど、此処には詩乃がいる。
 彼女の結界が彼らを守り、安全圏から攻撃を加えることを可能としている。
 詩乃は再び龍笛の音色を響かせる。
『熱砂のラトゥール』たちの魂にあるであろう怒りと憎悪。
 それを解きほぐすように音色が彼らの怒りを溶かしていく。怒りで他のものを忘れたのならば、怒りを溶かすことによって浮き彫りになるものもあるだろう。

 生まれたことへの喜び。
 例え、汚濁から生まれるのだとしても、生命は生命だ。
 煌めく生命は他者に利用されて費やされていいものではない。
 それを詩乃は龍笛の音色に乗せて怒りに満ちた獣達を葬送の奏でもって送る。
「……ジャスティスウォーまでには戻っていたいなあ……」
 何が、とは言うまい。
 ともに戦う『侵略者の時代』のヒーローたちには知り得ぬことであったから。けれど、詩乃は本来の歴史を知っている。
 ゆえに、それまでにはどうにか……と願わずには居られないのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロウガ・イスルギ
アドリブ歓迎

全く、一介の傭兵にドコまでやらせる気なんだってえの。
未来も平和も俺の手に余らあ……まあ、ここが『戦場』ならば
負けるわけにはいかねえな!

躾のなってねえ猫ちゃん共にお仕置きタイムといくか!

UC不空羂索にて増やしたグレイプニルにてラトゥールの腕脚部拘束
トレース元が動かないならデカブツの腕も動けまいさ
ま、動けた処で【残像】で躱すがな

攻撃時には味方を巻き込まないように注意!

動きを止めりゃ「流れ」も変わる……数が溜まったトコロで
決めろ、ガンディーヴァ!!
天井知らずの威力で纏めて吹っ飛ばしてやらあ!
……せめて苦しまねえように逝きな……

ここまで「命」を弄んでくれたんだ、覚悟しとくんだな黒幕さンよ!



 誰もが明日を求めている。
 求めてやまぬ明日は、いつだって善きものであった欲しい。今日より明日が、明日よりもさらに先の未来はより良いものであって欲しい。
 その尽きぬ望みが、人に自然を省みぬ道へと突き進めさせたのならば皮肉でしかない。
 より善きを求めれば、どこかにしわ寄せがゆく。
 当たり前のことだ。
 けれど、人は省みる余裕すらない。今日という日を生きることで精一杯であったからだ。
「それを責めることはしないさ。これもまた人の歩む道であるのならば」
 徒手空拳の男が迫る機械文明『ディケイリフェ』より生み出され迫る数万という軍勢、その獣たる『熱砂のラトゥール』を打ちのめす。

「どれだけ間違いだらけの道だったとしても、今ある生命を見捨てることなんてできない!」
 アームドヒーローのヒーローチーム『崩壊戦線』の青年たちが叫ぶ。
 彼らがニューヨーク市街地を割って這い出すオブリビオンの軍勢にひるまぬのは恐怖を知るから。知って尚、踏み越える勇気を持っているからだ。
 彼らは戦っている。
 生命をとしている。喪われてしまうかもしれなくても、それでも懸命に戦っているのだ。

「全く、一介の傭兵にドコまでやらせる気なんだってえの」
 ロウガ・イスルギ(白朧牙虎・f00846)にとって、それは手にあまるものであった。
 未来も。平和も。
 それらはあまりにきれいなものであったから。だから、ロウガは己の手にあることを厭う。だが、此処が『戦場』であるというのならば、ロウガは己の存在意義を懸けて戦うのだ。
「負けるわけにはいかねえな!」
「ガォォォオオオオン――!!!」
『熱砂のラトゥール』たちの咆哮が轟き、その砂と土で形成された巨大な腕を振るう。
 彼らは機械文明『ディケイリフェ』によって取り込まれ、生み出されたオブリビオンである。鋼鉄の兜の如き面の奥にあるのは、公害汚染によって自然を蔑ろにした人間たちに対する怒りであった。

「躾のなってねえ猫ちゃん共にお仕置きタイムといくか! グレイプニルッ!」
 ロウガの瞳がユーベルコードに輝く。
 放たれるグレイプニルが走る。それは複製され、念力によってバラバラに操作される。
 不空羂索(ラウンドアップ・ストラングラーズ)。
 それがロウガのユーベルコードである。放たれたグレイプニルが『熱砂のラトゥール』たちに絡まり、その腕部を拘束する。
 かの獣たちのユーベルコードは巨大な腕部を生み出すのだとしても、ユーベルコードを扱う者の動きをトレースするのだ。

 ならば、トレース元を封じてしまえば、ただのデカブツに成り下がる。
「動けねえだろう、それはな!」
 ロウガは戦場に走る。一匹や二匹の動き止めた所でどうにもならない。百を超えるグレイプニルの複製も、数万の軍勢には焼け石に水だ。
 けれど、それでもいい。
 膨大な水の流れを変えることが出来なくても、僅かなことで人の心は突き動かされるものである。
「それが戦場にある『流れ』ってやつだろうさ!」
 ロウガのスマートガンが煌めく。

「決めろ、ガンディーヴァ!!」
 精神力によって威力が増幅するスマートガン。その銃口から放たれる弾丸は、ロウガの意志を持って天井知らずの威力へと跳ね上がっていく。
 グレイプニルによって動きを封じ込めた『熱砂のラトゥール』たちを貫く弾丸。
 せめて苦しまぬように。
 それだけがロウガにできることであった。

 吹き飛ばされる『熱砂のラトゥール』たちは貫かれ、霧消していく。
 公害汚染の怒り。
 そして機械文明によって自己進化、自己修復、自己増殖の力を得た彼らはロウガの瞳には弄ばれた生命であると映ったことだろう。
 オブリビオンの為すことは、世界の危機を齎すものばかりである。
 だからこそ、ロウガは叫ぶのだ。

「ここまで『命』を弄んでくれたんだ、覚悟しとくんだな黒幕さンよ――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風

おやまあ、やはりというか…受け継がれてますねー(徒手空拳の男見つつ)
まあねー、過去が脅かすのは放っておけないのでー。参りましょうかー。

UC使用しつつ、漆黒風を投擲していきましょう。ええ、足を砕く勢いでねー?
何より、呼び出された霊にも効きますからー。ふふ、こちらとて悪霊です、対霊属性を使えるのも当たり前でしょう?
ちなみに、今回の守りは…何やら運動したいと訴える陰海月がやってますー。


陰海月、運動がてら結界張りきってはる。来てもパンチする。



 時代によって変わるものがある。
 けれど、変わらざるものもあるのだ。それは恐れを知る人の心に宿る勇気という名の武器である。
 相対する機械文明『ディケイリフェ』の圧倒的な軍勢。
 その数は数万にも及ぶ。
 自己進化、自己修復、自己増殖。
 それによって機械文明『ディケイリフェ』の核たるオブリビオンは『熱砂のラトゥール』を生み出し続けている。

 ニューヨーク市街地の地下より溢れ出す獣の咆哮が轟く。 
 それは公害汚染によって生まれた獣たちの怒りに満ちた眼光によって、人類を滅ぼさんとする憎悪であった。
 オーバーテクノロジーの産物であるプラズマライフルの引き金を引くアームドヒーローのヒーローチーム『崩壊戦線』の青年たちはよくやっていたと言うべきであろう。
 ただ相手が悪かった。
 数が尋常ではない。プラズマ弾を打ち込んでも、さらに覆うように『熱砂のラトゥール』たちは咆哮と共に迫るのだ。
「グルォオオオオ!!!」
「クソッ! 数が多い……!」
「慌てるな。落ち着け。加勢も徐々に駆けつけてくれている」
 徒手空拳の男の蹴撃が、間一髪、青年の窮地を救う。その姿を、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は見やり確信を深める。

 この時代にありても、かの『名』は受け継がれている。
 姿形が違っても、あの技には業が宿っているように思えたことだろう。
「おやまあ、やはりというか……」
『疾き者』はこれまで過去の再現された『スナークゾーン』においても見てきた徒手空拳の技を手繰る者たちを見てきた。
 彼らの技の冴え渡るところは凄まじいものであった。
「世界の外からやってくる者達……貴方達だな」
 徒手空拳の男が『疾き者』の姿を捉えて言う。ここが過去の再現であり、地続きになっているというのならば、伝わっていることもあるのかもしれない。

「まあねー、過去が脅かすのは放っておけないのでー」
 のんびりと、どこか長閑な雰囲気の語り口で『疾き者』は己の影から飛び出す巨大なクラゲ、『陰海月』の張り巡らせる結界から飛び出す。
『陰海月』の生み出す結界ならば、『崩壊戦線』の青年たちも守ることができるだろう。
 何やら『陰海月』は運動したいと訴えていたのもある。
「ぷきゅっ!」
 返事はいつのもように勢いのよいものであった。これならば、と『疾き者』の瞳がユーベルコードに輝く。

「参りましょうかー」
 手にした棒手裏剣が『熱砂のラトゥール』へち打ち込まれる。
 かの獣たちの咆哮は亡霊を呼び寄せるものであった。けれど、それらを打ち砕く棒手裏剣の一撃は常軌を逸していた。
「……!? なんだ!? プラズマ弾でもないのに、あの威力……!」
「ええ、これが悪霊の力でしてー」
 四悪霊・風(シアクリョウガヒトリ・トノムラヨシツナ)。これぞユーベルコードの力である。
 打ち込まれた棒手裏剣は命中した箇所を破壊する。
 例え、敵の真芯を捉えることができなくても、体勢を崩すことができる。そして、体制を崩した敵には、さらに致命的な場所へと棒手裏剣は飛んでいくのだ。

 どれだけ『熱砂のラトゥール』たちの咆哮が亡霊を呼び寄せるのだとしても、関係ない。
 己たちが悪霊であるがゆえに、悪霊に対する備えはあるのである。
「当たり前でしょう? こちらとて悪霊です。人が人に相対する術を持っているように、対霊の術を持つのは当然の理」
 乱れ放つ棒手裏剣が次々と『熱砂のラトゥール』たちを穿つ。

『疾き者』は周囲を見回す。
 ニューヨーク市街地の地下より迫る機械文明。
 未だその核たるオブリビオンの姿は見えない。下水迷宮をまたたく間に制圧したオブリビオンの手腕は見事なものであった。
 もしも、『崩壊戦線』や徒手空拳の男、バイオモンスターの『ツリーマン』がいなかったのならば、即座に下水を通じて海洋文明である『アトランティス』へと侵攻していたことだろう。
「これが機械文明ですかー。ここで食い止めなければ、公害汚染よりも厄介なことになりそうですねー」

 言うまでもなく、それは後の時代に影響を与えることになるだろう。
 だからこそ、数万の敵を前にしても猟兵やヒーローたちは恐れない。その心に勇気があり、そしてまた人であるからこそ立ち向かうことが出来るのだと示す光がある。
 その輝きを標として猟兵たちはやってくる。
 例え、過去が滲み出したとしても、それを拭い去るために。
「ぷっきゅ!」
『陰海月』がそれに応えるように触腕で迫る敵を打ちのめす。
 そう、一人ではないということは、心に篝火を灯すようなものであったのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
ニューヨークは人口密集地域、機械兵団を展開するなど…

用途申請、非戦闘員保護の為の殲滅行為

UC使用
御伽を愛し銀河帝国に兵器開発を強制された創造主の憎悪の形
己が騎士を模倣する戦闘兵器でしかなき証左
「騎士に討たれる悪しき竜」の姿で空から睥睨

──!

戦場を一瞥し咆哮
素粒子干渉によって襲われる市民を護る防壁を瞬時に形成
同時に機械獣達の分子構造を蹂躙
鋼の部品を鮮やかな花びらに変換
美しき地獄を此処に

力無き者達を護る事こそ騎士道なれば
私が刻まれ、見出した答え…それを以てこの姿と力を振るうに躊躇いは無し!
ヒーロー達よ、市民は任されました
首魁の元へ走るのです!

虫の如く集る戦士の霊と獣
鋼の竜の砲撃と暴威を以て踏み潰し



 銀河帝国未配備A式形相干渉大型戦機・騎械竜(ウォーマシンドラゴン・タイプアレクシア)。
 それはかつて在りし憎悪の形であった。
 トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)にとっては、真の姿。そして騎士を模倣する戦闘兵器でしかない証左。
『騎士に討たれる悪しき竜』。
 それが今のトリテレイアであった。
 己の真の姿は創造主にとっては憎悪そのもの。
 機械文明『ディケイリフェ』がニューヨーク市街地の地下から溢れ出し、その枝葉の如き鋼鉄から生み出す『熱砂のラトゥール』たちが咆哮する。

 その瞳にあるのは憎悪であった。
 何故ならば、彼らは公害汚染の集積地たる『ダストブロンクス』で生まれた獣である。
 自然を冒涜し、害し、己たちの発展のためにあらゆるものを犠牲にして当然という人間たちのエゴに牙を剥く者達であったからだ。
「グルォオオオオ!!!」
 咆哮とともに亡霊たちがう乱されていく。
 人が人のエゴに飲み込まれる。これが有史以来紡がれてきた人の業であろう。
 だが、その咆哮を空より睥睨するのは、己の剣を突き立てた悪しき竜。トリテレイアである。
「――!」

 戦場を睥睨し、一瞥する彼が歩行する。
 ユーベルコードの煌きに満ちたアイセンサーが示すのは美しき地獄。彼のユーベルコードは視線でもって素粒子に自在に干渉し、それらを自在に変換する力である。
 トリテレイアが睥睨した瞬間、『熱砂のラトゥール』たちはその身が機械であるがゆえに、分子構造を蹂躙し鋼鉄の部品を鮮やかな花びらに変換せしめるのだ。
「――世界の外からやってくる者達……すさまじいな」
 徒手空拳の男が空に在りし竜を見上げている。
 その力が例え、悪しき竜を象るものであったのだとしても、そこに宿る力は悪しきものではないと判断できるだろう。

「力無き者達を護る事こそ騎士道なれば」
 トリテレイアの体躯が如何に変わろうとも、変わらぬものがある。
 それは彼の炉心に燃えるもの。
 抱え、刻まれ、そして出した答え。
「この姿と力を振るうに躊躇いは無し!」
 トリテレイアの力がみなぎっていく。咆哮は此処には届かない。
『熱砂のラトゥール』たちが如何に自然からの解答、公害汚染など物ともせずに進化していく人類に対する怒りであったのだとしても、トリテレイアはそのさきを征く者である。

「ヒーロー達よ、市民は任されました。首魁の元へ走るのです!」
 翼が羽ばたき、トリテレイアの巨躯がニューヨーク市街地へと降り立つ。
 此処にあるのは正義の心だ。
 力無き者たちのために己の力を振るうと決めた者達が、燦然とそれを輝かせている。
 ならばこそ、トリテレイアは決めたのだ。
 彼らこそが守らねばならぬもの。一人で全てを護ることは叶わない。
 世界のドコにでも届く手はない。
 ならば、トリテレイアは、志を同じくする者達の手を取る。それは網目のように広がっていく。
 一人の掌からこぼれ落ちるのならば、多くの手でもって零れ落ちたものを受け止めよう。

「グルォオオオオ!!!」
『熱砂のラトゥール』たちの咆哮がけたたましく轟く。
 彼らは怒りと憎悪だけで牙と爪を振るう暴力装置でしかない。意志などない。あるのは、機械文明『ディケイリフェ』の核となったオブリビオンの意志に影響されたものだけだ。
 即ち、あらゆる生命を破壊することである。
 生命の根源でも在り、生み出し、育んできた自然に対して人類が行った仕打ちに対する正統なる怒り。

「ですが、それを正当化させぬためにも!」
 咆哮が轟き、暴威を示す。
 トリテレイアが守るべきものは弱き者たち。
 力ある者同士がぶつかるのならば、その勝敗に決着を委ねればいい。けれど、抵抗もできぬ人々はどうなる。
 命を奪われるだけだ。
 無為に、意味など無く。ただ徒にすり潰されていくだけの生命。
 例え、自然に回帰するのだとしても喪われた血潮は戻ることはないのだ。だからこそ、トリテレイアは咆哮する。

「貴女が厭うた邪竜であったとしても、私は!」
 己の炉心に燃える信念を以ってあらゆる災厄を振り払うように鋼鉄の花弁舞い散る戦場に竜としての威容を知らしめるのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
うーんどう見ても虎…
けれども中身は機械生命体…
…色んな動物がいれば、エサ要らずの動物園が開ける!?
…けど儲からなさそうだからダメか

さてと今度は侵略者の時代か
だんだんと近代に近づいて来たね
で、あの男の人が今代のアズマかな…
さて、その先に待つのは何だろうね?


《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
【Code:P.D】起動
12体の雷龍召喚
雷龍達を広域に展開
『ブレス攻撃』で多くのラトゥール達を攻撃
ダメージを与えて気勢を削ぐとしようかな
私も遠距離から『斬撃波』で攻撃
距離が詰まってきたら、雷龍達も尻尾で『なぎ払い』敵を纏めて攻撃
私も接近戦に切り替えて両剣で『串刺し』にしてトドメを刺そう



『熱砂のラトゥール』はどこからどう見ても虎であった。
 本来であれば、彼らはニューヨークの地下下水迷宮『ダストブロンクス』にて生まれ落ちたバイオモンスターであった。
 公害汚染によって廃棄された汚染物質がいかなる理由からか生命を育むに至った結果だ。彼らは生命としての本能にしたがって生きてきたのだろう。
 けれど、今や彼らの鋼鉄の兜の如き面の奥に宿る眼光は憎悪に膨れ上がっていた。
「グルォオオオオ!!!!」
 咆哮が凄まじい地鳴りのようにニューヨーク市街地を震わせる。
 彼らは機械文明『ディケイリフェ』の核たるオブリビオンの増殖した枝葉の如き鋼鉄から生み出され、次々と地上に牙を剥く。

 己たちの憎悪の由来すらも忘れて、あらゆる人類を食い殺さんと、その爪牙を振るうのだ。
「うーんどう見ても虎……けれども中身は機械生命体……」
 恐るべき事実である。
 公害汚染は此処まで生態系に影響を及ぼすものであったのだ。バイオモンスターが生まれたのまた理解できるものであった。
「……いろんな動物がいれば、エサ要らずの動物園が開ける!?」
 ぴこん、とひらめいた月夜・玲(頂の探究者・f01605)であったが、それはどうにも実現可能なものであるようには思えなかった。
 ちょっと実際愛嬌があるかと言われれば、鋼鉄の兜の如き面をかぶった虎は、そうでもないように思われた。
 儲けがでない。端的な理由だ。

「商魂たくましいな、と言えばいいのだろうか」
 徒手空拳の男が拳を古いながら玲の呟きに賛同しかねるような雰囲気で苦笑いしていた。
 バイオモンスターである樹皮の如き体表を持つ『ツリーマン』も同様であった。しかし、戦いのさなかに、そう思えるだけの余裕がでてきているのはありがたいことでもあった。
「まーまー。そういうこと。いつだって商機は転がっているものだしね!」
 玲は模造神器を抜刀し、その蒼い残光を走らせながら、瞳をユーベルコードに輝かせる。

 これでヒーローズアースにおける七つの時代のうち、五つの時代の『スナークゾーン』での戦いとなる。
『侵略者の時代』。それは四つの『知られざる文明』が地上の征服を目的として進出してきた戦いの時代でもある。
 だんだんと近代に近づいてきている。
 そして、徒手空拳の男が恐らく今代の『アズマ』なのだろう。いつもと変わらぬ笑顔のまま、その業を宿したかの如き凄まじき拳と蹴撃でもってオブリビオンを打倒している。
「……さて、その先に待つのは何だろうね?」

 時は過ぎていく。
 そして、行き着く終点こそが必ず存在するのである。ならばこそ、玲はそれを見ることを望むか。
「カートリッジロード、プログラム展開。Code:P.D(コード・プラズマ・ドラゴン)!」
 エナジーカートリッジが消費され、凄まじい電力とともに雷で構成された龍が空に走る。
 それらは雷龍となってニューヨーク市街地の空を駆け抜け、『熱砂のラトゥール』たちを薙ぎ払っていく。凄まじい力の奔流。
 怒りも憎悪も押し流していくかの如き輝きにアームドヒーローのヒーローチームである『崩壊戦線』の青年たちが呻く。

「とんでもないな……! だけど、俺たちも負けてられないぜ!」
「巻き込まれないようにね」
 玲は笑いながら模造神器を振るい、その刀身から放たれる斬撃波でもって『熱砂のラトゥール』たちを寄せ付けない。
 しかし、数万にも及ぶ大軍勢はジリジリとこちらの包囲を完成させようとしている。
「敵も馬鹿じゃないか……なら、一点突破でしょ! 本丸がいるっていうならさ」
 玲の斬撃が蒼い残光と共に走り抜け、雷龍たちが尾を振るい『熱砂のラトゥール』たちを吹き飛ばす。
 目指すべきは、このオブリビオンを生み出し続ける敵の本丸たるオブリビオン。その核である。
 地下より溢れ出してきている機械。

 それらを切り開いて、突き進めば敵もこちらを脅威として認識するだろう。
 玲は振るった剣を『熱砂のラトゥール』の巨体に突き立て、トドメを刺しながら先端を切り裂く。
 目の前に映るのは破壊の痕。
 これがヒーローズアース。ヒーローとヴィランとの飽くなき戦いによって紡がれてきた強き者たちの世界。
「『名』が示す先にあるもの……栄光かな、破滅かな? どちらにしたって人の歴史は紡がれていくものだけれどね――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、空気を読んで、くらえ!いきなり必殺【VR忍術】氷遁・氷柱乱舞の術!

ふふふ、前回を踏まえて今度は熱砂なあなたたちだけを、くしゅんっ!
…あれぇ?何でまた私まで?(原因:薄着)

あ、初めましてーツリーマンさんと『崩壊戦線』の皆さん!
助けに来ましたクノイチです(鼻チーンとした後で)
いえ、私にとっては2回目何ですけどね(舌ぺろ)

それでは……生きる理由を守りに行きましょう!

足止めはお任せを
【VR忍術】さっきまき散らした氷柱の欠片から再度氷柱で貫く術!!
ふ、隙の無いに段構えで串刺し&その場に固定してしまいましょう
後はいつも通り……おっと通らないんでした
今です!皆さん!



 戦いの歴史は紡がれていく。
 例え、栄枯盛衰の繰り返しであるのだとしても、ヒーローズアースはそうして紡がれてきた世界である。
 幾度の世界の滅びを間のあたりにしようとも、力持つ者たちが、立ち上がってきた。恐れはあるだろう。どうしようもないことだ。
 生命である限り、恐れとは己の命を守るための行為にほかならない。
 そうして生き延びるからこそ、いのちの歴史は守られるのだ。
 けれど、その恐れを知りながら、知性でもって克服するのが人間である。そして、その恐れと知性によって生み出されたのを、人は勇気と呼ぶのだ。

「もう少しだ。敵を押し出せ。そうすれば――」
 徒手空拳の男が空を見た。
 それは何らかの気配を感じ取ったからだろう。一瞬でバイオモンスターである『ツリーマン』の体躯を引っ張り上げ、高台へと移し、さらにはアームドヒーローのヒーローチームである『崩壊戦線』の青年たちを抱えて瓦礫の上へと移動する。
 瞬間、周囲を染め上げたのは氷柱であった。
 それらはまたたく間に『熱砂のラトゥール』たちを貫き、その動きを止める。

 彼らは見ただろう。
 ニューヨーク市街地の地面を破壊しながら這い出してきていた枝葉の如き機械―― 機械文明『ディケイリフェ』の尖兵たる『熱砂のラトゥール』たちを氷漬けにした者の姿を。
「くちゅんっ!」
 あれ? とその影は首を傾げていた。
 完璧に対策をしていたはずなのに、どうして自分は今くしゃみをしているのだろうと。

 しかしながら、前口上はしっかりとしなければならない。クノイチなので。
 懸命な諸君であればもうおわかりであろう。
「お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、空気を読んでいきなり必殺VR忍術(イメージスルノハカッコイイワタシ)で氷遁・氷柱乱舞の術をブッパしたのですが!」
 前回の失敗を踏まえてのことであったのだけれど、サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は盛大にやらかしていた。
 問題であったのは『熱砂のラトゥール』たちだけを狙った氷雪の術ではなく、彼女の薄着に問題があったのだ。
 しかしながら、薄着であるのはクノイチのアイデンティティに関わるものである。ゆえに薄着でないクノイチなど存在しない。
 多分。

「あ、はじめましてー『ツリーマン』さんと『崩壊戦線』の皆さん! 助けに来ましたクノイチです!」
 ちーん、と鼻を噛む姿はなんともこう、あれである。締まらない。
 徒手空拳の男は笑っている。
 豪胆なことであるが、サージェは舌をぺろりと出しておどけてみせる。此処は過去の『スナークゾーン』であるから、未来に在りし彼らの姿をサージェが知っていたとしても、彼らには知る由もないことなのだ。
 彼らとこうして相まみえるのは二度目。いずれもオブリビオンに関連する事件であったからこそ、こうして縁が生まれたと言っても過言ではないだろう。

「え、あ、はい……」
「なんかすごい格好しているな……」
「やっぱり女性隊員がいると、ああいうのもアリなのか……?」
『ツリーマン』と『崩壊戦線』の青年たちはサージェの様子に困惑しつつも受け入れているようである。
 順応するのも大切なことである。
「あのー、なんかヒソヒソ言われている気がするのですが!」
「みんな、あんたの登場に度肝を抜かれるんだよ。気にするな」
 徒手空拳の男が笑いながら言っている。けれど、それらを遮るように『熱砂のラトゥール』たちの咆哮が轟く。

 それは怒りと憎悪。
 公害汚染の代価である。彼らは機械文明である『ディケイリフェ』に取り込まれたが故に、生まれた意味すら忘れ去り、怒りと憎悪のままに爪牙を振るう者達だ。
「生きる理由を守るために行きましょう!」
 足止めは任せて欲しいとサージェは、撒き散らした氷柱の欠片から再び氷柱を生み出し、バリケードのように『熱砂のラトゥール』たちの進撃を阻む。
 数万に及ぶオブリビオンとの戦いは現実的ではない。
 そして、氷柱のバリケードを飛び越えようとすれば、VR忍術によって仕掛けられた術が再び作動し、二段構えで彼らを串刺しにするのだ。

「後はいつもどおり……おっと通らないんでした。今です! 皆さん!」
 サージェの術によって固定された『熱砂のラトゥール』の咆哮が轟く。けれど、それらは直ぐに止むことであろう。
『崩壊戦線』の青年たちの放つプラズマ弾が次々と、その体躯を貫き霧消させていく。

 戦いはまだ終わらない。
 この先に在るであろう機械文明『ディケイリフェ』の本体、核たるオブリビオンが姿を現す。
 咆哮が再び戦場に轟き、サージェは見るのだ。
 機械文明と呼ばれた『知られざる文明』、その正体を――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『デストロイ・プライム』

POW   :    グラウンド・ゼロ
単純で重い【足や尻尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ジェノサイド・ブラスト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【全身のビーム砲】から【破壊光線の雨】を放つ。
WIZ   :    トリニティ・バースト
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【悪】属性の【破壊光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。

イラスト:aQご飯

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミネルバ・アレキサンドリアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ニューヨーク市街地の地下より鳴動するは機械文明『ディケイリフェ』。
 その新たなる『知られざる文明』の核たるオブリビオンは、自己修復と自己増殖を繰り返し、自己進化をもって新たなる姿を生み出す。
 三ツ首。
 巨大なる体躯に、ささえる翼。
 あらゆるものを破壊する暴虐の権化。
「ハカイスル。スベテヲハカイスル。ソレガコノチニミチルニンゲントイウオロカナルシュノマツロ」
 機械文明『ディケイリフェ』――否、『デストロイ・プライム』の咆哮が轟く。
 人の傲慢さを、人の強欲さを、人の悪行を。
 その全てを破壊するために生まれた巨竜の如き体躯が地下より飛び出す。

 人の欲が自然に対して牙を向いたというのならば、人は自然より放たれる爪牙を甘受せねばならない。
 因果応報という言葉あるように。
 発展の代価は破壊でもって贖わなければならない。
「全てが否定されることじゃあない。僕はしっているんだ。人はどうしようもないかもしれない。けれど、僕が出逢った人たちは、みんな優しかったんだ」
 公害汚染の寵児ともいえるバイオモンスター。
 その『ツリーマン』が言う。
 瞳にあるのは憎しみや怒りではない。
 これまで彼の出逢ってきた人々が、彼の心に宿した優しさがあった。

「ソレデモハカイスル。スベカラク。スベテヲ。ヒトノゴウハ、ココデツイエル」
「そんなことはさせない!」
『デストロイ・プライム』の咆哮が轟き、あらゆるものを破壊に導かんと巨大なる力を迸らせる。
 だが、此処には潰えることのない不屈なる灯火がある。
 それを人は正義と呼ぶし、そしてヒーローとも呼ぶのだ――。
アルトリウス・セレスタイト
お前の出る幕は終わっているぞ

状況は『天光』で逐一把握
守りは煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し害ある全てを無限に破壊、自身から断絶し否定
尚迫るなら自身を無限加速し回避
要らぬ余波は『無現』にて消去
全行程必要魔力は『超克』で骸の海すら超えた“世界の外”から常時供給

光尽にて討つ
対象はオブリビオン及びその全行動
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無

宿すは破壊の原理
自身を無限加速し接敵、『刻真』にて「世界が始まった瞬間から詠唱し続けた」状態で全撃を即時解放
範囲内残らず消し飛ばす

諦めろと態々言わぬ
速やかに沈むが良い

※アドリブ歓迎



 機械文明『ディケイリフェ』の核たるオブリビオン『デストロイ・プライム』は言う。
 全てを破壊すると。
 それはともすれば、全ての生命を殺すことと同義である。
 生命は最早世界に必要あらずと叫ぶ咆哮。
 機械生命体でありながら、自己修復、自己増殖、自己進化を持つ『デストロイ・プライム』にとって己だけが唯一であればいい。
「イッサイガッサイヲハカイスル」
 膨れ上がる熱量。
 その巨大な体躯に見合うだけの熱量が『デストロイ・プライム』の中で吹き荒れるようにして増幅されていく。

 三つ首の竜の如き体躯は、凄まじい威容であると言わざるを得ないだろう。
「大きすぎる……! あれだけの体の中にどれだけのエネルギーが……!」
 放たれようとしている三つ首の竜の顎より讃えられる破壊に光。
 それを前にアームドヒーローのヒーローチーム『崩壊戦線』の青年たちは呻く。如何にオーバーテクノロジーの超兵器を手繰るのだとしても、彼らが扱う事ができるのは個人兵装のみであった。
 あの破壊の光を前にしては、彼らはどうしようもなかった。

 けれど、彼らの瞳に諦観はない。
 何故ならば。
「お前の出る幕は終わっているぞ」
 彼らには希望がある。そして、燃える正義の心がある。
 アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)にとって、それはさしたる問題ではなかった。
 彼が見ているのはオブリビオンのみである。
 過去の化身。
『今』に侵食する過去。
 齎す破壊の力を前にアルトリウスの原理が煌めく。

 纏う十一の原理。無限に回し、害ある全てを無限に破壊するる断絶の力である。
「ハカイスル」
 放たれる三つの破壊光線。
 それは迸るような悪性を持っていた。人類全てを滅ぼす。生命の尽くを焼き付くす悪性の光。
 迎え撃つのは淡青色の輝きであった。
「至れ」
 小さくつぶやいたアルトリウスの手より放たれるのは、光尽(コウジン)。
 原理を宿した不可視の攻撃が三つの破壊光線を切り裂く。

 切り裂かれた破壊の粒子がニューヨーク市街地に降り落ちる。だが、それらも燃やし尽くす淡青光。
「宿すは破壊の原理」
 放たれた不可視の攻撃は一直線に『デストロイ・プライム』へと迫るだろう。
 世界を滅ぼしかねないほどの破壊を齎すのならば、世界を存続させたいと願う心を打ち砕かなければならない。
 ならば、『デストロイ・プライム』の目論見は既に破綻していると言ってもいいだろう。

 生まれた意味を。
 力を持つ意味を。
 常に問い続け、見果てぬ未来に手をのばす者たちがいる。そんな者たちが守るのは『今』を生きる人々だ。
 戦う力がなくてもいい。戦う力をほっしなくてもいい。ただ生きるだけでもいいのだ。
「ムイナルジカンヲスゴスモノドモ、ジンルイハホロビナケレバナラナイ」
『デストロイ・プライム』は人類を愚かだと言った。
 過ちを繰り返す。
 己を生み出したものをないがしろにする。その報いを報いとさえ自覚できぬ愚劣さ。それを『デストロイ・プライム』は破壊しようとした。

 アルトリウスは破壊の光を切り裂きながら言うのだ。
「諦めろと態々言わぬ」
 どれだけ破壊の力を見せつけようとも折れぬ心が彼の後ろにはある。それが在る限り、己は何度でも呼ばれるだろう。 
 世界の悲鳴ではなく、人の心に燃えるものが在る限り、それを取り除かんとする悪性を討ち滅ぼす。

「速やかに沈むが良い」
 此処は過去の再現空間。仮想空間『スナークゾーン』。
 ならば、『今』ではない。
『デストロイ・プライム』の野望は成就されることはないと示すように淡青の光が、その巨体を切り裂くのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
あれはっ(キングギドラ!と言いかけて踏み止まる。)

余計な事まで言わないのが大事。
大丈夫、かなり戻ってきました。
等と周囲には訳わかんない独り言を言って頷いた後、戦闘開始。

相手が悪属性の破壊光線を使うのなら、こちらはワル(を名乗る良い子達)で対抗しましょう!

とスマホを取り出して次世代のデビルキング候補さん達をお誘い(=UC使用)。
現れた皆さん達に「あの巨大な怪獣を破壊して、世界中に強さをアピールする。魔界大監獄の皆さんに自慢できますよ♪」と言いくるめます。

強大な魔力や魔剣、強靭な肉体を駆使するデビルキング候補さん達に敵を蹂躙して頂きましょう♪

でもアズマさん達からのツッコミが心に突き刺さるのです💦



 機械文明『ディケイリフェ』の核たるオブリビオン。
 それは『デストロイ・プライム』であった。三つ首の竜。その威容はニューヨーク市街地の地下から飛び出し、巨大な翼を広げ破壊の光を持って、人類への憎悪を募らせる。
 発露した光はまさしく悪性。
 人が善性であるというのならば、『デストロイ・プライム』はまさしく悪と呼ぶにふさわしい存在であった。

「ダカラ、キサマタチジンルイハホロビル。ホロビナケレバナラナイ。オノレヲウミダシタシゼンニタイスルケイイナドナニヒトツナク。ソレヲホロボシテナオジセイスラナイ」
 そう、この公害汚染の時代にあって人類は自然を省みることはなかった。
 だからこそ、バイオモンスターといった存在が生まれる。彼らは汚濁の中から生まれ、人の住まうことのできぬ環境に追いやられても尚、生きていた。
「だから排斥するっていうのか。僕らを生み出した汚濁だって人の生み出したものだ。なら、僕らが今の人類を滅ぼすことだって、君の言うことと同じだろう!」
 バイオモンスターである『ツリーマン』の言葉を聞き、大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は思わずデカかった固有名詞を喉に飲み込んでいた。

 あれはっ! と思わず叫びかけていたが、他の猟兵達からすれば、かつてヒーローズアースを侵略しようとしていた猟書家の一体であるという困惑に聞こえたかもしれない。
 いや、まだシリアス成分が戻っていないだけなのかもしれない。思わず彼女が叫びそうに成ったのは、ちょっとまずい固有名詞であった。
 けれど、余計なことまで言わないのが大事。
 大丈夫、私は大丈夫と詩乃は努めて冷静であることを心がけながら、スマートフォンを手に取る。
 まだ戻ってないんじゃないかと思われたかも知れないが、それは違う。
「過去の約定に従い、此処に参上して我が命に従いなさい」
 彼女のスマートフォンがユーベルコードに輝く。

 次々とニューヨーク市街地に飛び出してきたのは、次世代のデビルキング候補達であった。
「ひゃっほい! ニューヨークに行きたいかー!」
「ひゅー! ここが地上! ニューヨーク!」
「いえいいえい、あいはぶあぺーん!」
 ひと目で分かるやべーやつらである。悪魔召喚『次世代のデビルキング候補』(アクマショウカンジセダイノデビルキングコウホ)によって呼び出されたデビルキング候補たちは、皆強力な種族である。
 オブリビオンですら下手に手を出せないほどに強い悪魔たちは、詩乃の求めに応じて異世界から呼び出されたのだ。

「あの巨大な怪獣を倒して、世界中に強さアピールをしてください。見てください。あれだけ強そうなドラゴンを倒せたのならば、皆さんのワルさをさらに底上げするにはもってこいです」
「でもでもさー。あれじゃない? アイツ、とってもワルでクールな気がする」
 デビルキング候補たちの言葉も尤もである。
 吹き荒れる破壊光線は悪属性。
 やってることはニューヨーク市街地の破壊活動である。とってもワルな気がするのだ。
 
 確かに。
 けれど、詩乃は諦めなかった。いいや、違うと。
「いえ。あの竜は自然を人類から取り戻すために戦っているのです。自然、ネイチャー。それを守るのは?」
「善いことだな。じゃあ、アイツ善いヤツ?」
「そうですそうですそのとおりですさあやっておしまい! です!」
 出たー。
 詩乃の渾身の良いくるめである。強引すぎる。徒手空拳の男は笑っていたが、『ツリーマン』や『崩壊戦線』の青年たちはジト目であった。
 いいのかなー、あれで、という顔である。

「よっしゃー! そんじゃ、いっちょやりますか!」
「いえいいえい、ばびゅーんってやったるぞー!」
「誰が一番悪く倒せるか、競争だー!」
 デビルキング候補たちが、ものすごい魔力や魔法、魔剣をもって『デストロイ・プライム』へと立ち向かっていく。
 詩乃は良い仕事をしたと額に流れる汗を拭う。
 どちらかというとデビルキング候補達を説得するほうが大変であったけれど、これならば彼らは思う存分『デストロイ・プライム』と戦ってくれるだろう。

「しかし、あれだな。敵の敵は味方というのか。嘘も方便というやつだな」
 徒手空拳の男のツッコミが詩乃の心にクリティカルする。
 うぐ、と詩乃は今日一番の打撃を受けて、思わず膝を着くのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロウガ・イスルギ
アドリブ歓迎

デストロイ・プライムの巨大さに怯む味方に発破掛けておこう

全くもって問題ねえ!でかけりゃデカい程当てやすいってモンさ!
出番だ!ムゲンストライカー!

UC超鋼砕波による突貫、耐久が許す限りヒットアンドアウェイで攻める
走行モードで脚や尾、飛行モードで羽根や首狙い
敵のUCには【カウンター】や【残像】【早業】で対応

コイツは元々UFOなんでね、飛ぶのもお手の物さ!
行くぜデカブツ!風通しを良くしてやるぜ!

人の「罪」も「業」も……正すのは『人』の役目だ!
勝手に終わりにしてんじゃねえぞ!

人は愚かだ、これからも間違えるだろうさ!だからって
やり直しを認めねえのは筋が通らねえッ!
そんな世界は……許せねえッ!



 機械文明『ディケイリフェ』の核はオブリビオン『デストロイ・プライム』であった。
 自己修復、自己進化、自己増殖を繰り返す機械生命。
 その力で持って取り込んだ『ダストブロンクス』のバイオモンスターたちの意志は、怒りに染まっていた。
 自身を生み出した自然への敬意すら忘れた人類に生命を名乗る資格などないと。
「ユエニハカイスル。ジンルイノスベテヲハカイスル」
『デストロイ・プライム』にあるのは破壊の意志のみであった。
 巨大な体躯は、それだけで人に与える心理的な威圧感でもってニューヨーク市街地を破壊の渦に引きずり込む。

「なんてサイズだよ……!」
 アームドヒーローのヒーローチーム『崩壊戦線』の青年たちが呻く。
 無理なからぬことであった。圧倒的なサイズ。彼らの持つオーバーテクノロジーの兵装であろうと、それは個人兵装でしかない。
 巨大な敵と戦うには足りない。
 けれど、彼らの背を叩く白い獣人がいた。
「全くもって問題ねえ! でかけりゃデカいほど当てやすいってモンさ!」
 ロウガ・イスルギ(白朧牙虎・f00846)は彼らの前を征く。
 確かに巨大なものは恐ろしいだろう。仕方のないことだ。生物として当然の反応だ。けれど、彼らはヒーローだ。
 勇気がまだ武器として残っている。

 ならば、まだ戦えるはずだ。
「あ、ああ! いくぞ!」
「出番だ! ムゲンストライカー!」
 ロウガがヒーローカーに乗り、飛び出す。それを援護するように『崩壊戦線』の青年たちが放つプラズマ弾が飛ぶ。
『デストロイ・プライム』の巨大な尾が振り下ろされる。けれど、それを受け止めるのは徒手空拳の男であった。
「此処は任せておけ。巨大な敵との戦いは、すでに取ってきた道だ。今更、というやつだ」

 拳が『デストロイ・プライム』の尾の一撃を跳ね上げる。
「おうよ! 超鋼砕破(デモリションドライバー)――デカイ程当てやすい……行くぜデカブツ! 風通しをよくしてやるぜ!」
 ロウガの乗るヒーローカーがユーベルコードに輝く。
 地を走る車輪が変形し、折りたたまれる。ホイールカバーが噴射口へと変わり、凄まじい勢いでロウガの乗るヒーローカー『ムゲンストライカー』が宇宙を飛ぶ。
 振り下ろされる尾を躱す。
「コバエノゴトキモノデ」
 羽が羽ばたきヒーローカーを吹き飛ばそうとする。けれど、その一撃をロウガは見事なハンドルさばきで切り抜け、叩きつけられた尾の上を疾走する。

 車輪が鋼鉄の鱗を切り裂きながら一直線に『デストロイ・プライム』の三つ首へと走る。
「ヒトノゴウヲ、ヒトノヨクヲ、ソレヲタダサネバシゼンニオノレヲウミダシタモノニタイスルケイイスラワスレテシマウ」
「人の『罪』も『業』も……正すのは『人』の役目だ! 勝手に終わりにしてんじゃねえぞ!」
 ロウガが叫ぶ。
 人の持つ罪。
 人の抱える業。
 そのどれもが人でしか払拭できないものだ。簡単に拭い去ることのできないものだ。

「人は愚かだ、これからも間違えるだろうさ!」
 そう、過ちを抱えていく。
 どんなに清廉潔白な人間もひとかけらの罪悪も持たぬ者はいない。それを見て見ぬ振りをするのではなく、自覚していく。
 目をそらすのではなく、直視するからこそ開ける道がある。
「だからって、やり直しを認めねえのは筋が通らねえッ!」
「オロカダ。ソレヲミトメテシマエバ、ヒトハソレニヨリカカル。ジンルイハオロカダ。ダカラ、アヤマチヲアヤマチトニンシキデキナイ」
 だから、『デストロイ・プライム』は破壊するのだ。

 一度の過ちで全てを。
 けれど、ロウガは言う。
「そんな世界は……許せねえッ!」
 ユーベルコードに輝くヒーローカーが『デストロイ・プライム』の胸部へと叩き込まれる。
 その一撃はあらゆる装甲を砕いて貫いていく。
 まるで流星のように。
 罪過を穿つ。
 それは、かつて在りし一撃と同じであったことだろう。過ちは正せばいい。過ちを認めることこそが、人の人足りえるものである。
 業を拭うものであると知らしめるようにロウガの一撃は『デストロイ・プライム』を貫くのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
おっと
ここでこれ(デストロイ・プライム)が出てきますか
機械文明『ディケイリフェ』……聞いたことないなーと思っていましたが
スナークゾーンが過去の再現でアレが関係あるなら
もしかしてガチで存在したのかもですね

ではいきます!
【かげぶんしんの術】!
しゅばばばーっと増えまして手数で勝負
ツリーマンさんとか崩壊戦線の人とかを巻き込まないように
ぶんしんした後の私たちで囮を引き受けましょう
合間にカタールで攻撃しかけていきます
相手が大技を使った後こそがチャンス!
視界から消える素早いジャンプ&上空から落下攻撃!
動きを止めたところで
「皆さんよろしくお願いしまーす!!」
ツリーマンさんと崩壊戦線のメンバーに協力を求めます!



 流星のごとく叩き込まれた猟兵のユーベルコードが『デストロイ・プライム』の巨躯を貫く。
 胸部装甲を貫かれながらも、『デストロイ・プライム』が霧消しないのは巨大な体躯であるがゆえではなかった。
 機械文明『ディケイリフェ』たる核として存在した『デストロイ・プライム』は自己増殖、自己進化、自己修復の力を持っている。
 だがその力には限度がある。
「おっと、ここでこれが出てきますか……」
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は後の歴史を知る猟兵である。

 彼女にとって『デストロイ・プライム』とはオブリビオンであり猟書家である。その存在が『スナークゾーン』に介入することはいかなることか。
 機械文明『ディケイリフェ』の名を後年の歴史に見ることができなかったのは、ここが過去の再現空間であるからか。
「聞いたことないなーって思っていましたが……」
 後年に伝わる『知られざる文明』は四つ。けれど、機械文明は存在していない。けれど、此処が『スナークゾーン』であるというのならば、あの文明を打倒しなければならない。

 現実世界にいかなる影響を及ぼすかわからない。
「もしかしてガチで存在したのかもですね。とは言え、倒すことには変わりありません!」
 サージェは傾ぐ『デストロイ・プライム』の巨体が自己修復によって体勢を整え始めているのを見た。
「ハカイスル。ハカイスル。ジンルイノウミダシタモノスベテヲハカイスル」
 煌めくユーベルコード。
 それは三つ首の竜の顎からミチル光。破壊の光だ。『デストロイ・プライム』が人類への怒りを取り込むが故に、人類の反映の象徴であろうニューヨーク市街地を破壊に飲み込もうとしたのは皮肉でしかなかった。
 けれど。

「そうはさせないと言ったよ! 僕が生まれた意味は、この日のためにあるんだから!」
 バイオモンスターの『ツリーマン』が破壊の余波によって倒壊しそうなビル群を己のユーベルコードで支える。
『崩壊戦線』の青年たちは、猟兵に励まされて恐怖を振り切っている。
 そして、徒手空拳の男は笑っていた。いつものように。
「ではいきます! かげぶんしんの術(イッパイフエルクノイチ)!」
 サージェの瞳がユーベルコードに輝き、その力が発露する。
 彼女と同じ分身たちが一瞬で五百を超える。それが彼女のユーベルコードである。

「みなさんは市街地の方々の救助を。決して巻き込んだりさせはしませんから!」
 カタールを構えて、サージェの分身たちが戦場を走る。
 囮となって『デストロイ・プライム』の放つ破壊光線を惹きつけるのだ。少しでも多くの生命を救うために走るサージェの瞳の輝きは残光となって市街地を駆け抜ける。
 一つ一つが小さな力であったとしても、束ねられることによって巨大な力を退ける力になることを示してみせるのだ。
「ドレダケカズヲフヤソウトモハカイスル」
 膨れ上がる三つ首に満ちる破壊の光。しかし、その顎を打ち据える徒手空拳の男の拳。
 打ち据えても自己修復によって復元される。
 できることは先延ばしでしかなかったのかもしれない。

「十分です!」
 サージェはカタールの一撃で持って『デストロイ・プライム』の頭部を打ち据え地面に叩きつける。
 三つ首同時にそれができるのはサージェの分身の術があればこそであっただろう。
 たった一撃で足りぬのであれば、いくつでも重ねるだけである。
 カタールの刃が鋼鉄の首に叩きつけられニューヨーク市街地の地面に縫い留められる。

 だが、それだけでは足りない。
 もたげる顎から破壊の光が溢れ出す。サージェは己だけではどうにもならぬことをしっている。
 猟兵たちがしてきたことを思い出す。
 これまでもそうであったように。強大な敵を打倒してきたのはなんだったのか。
「皆さんよろしくおねがいしまーす!!」

 そう、たった一人では戦い抜くことなどできはしない。
 だからこそ、猟兵たちは紡いできたのだ。繋ぐ戦いを。連綿と弛むことなく紡ぐ戦いこそが世界を救う戦いであるから。
 彼女の言葉に応えるように『ツリーマン』や『崩壊戦線』の青年たちが攻撃を三つ首の顎へと叩き込む。
 彼らだけでも倒せぬ敵。
 けれど、猟兵がそれをつなぎとめる。

 放たれたプラズマ弾や巨大化した樹皮の腕が三つ首を叩き伏せる。徒手空拳の男の蹴撃が顎を砕く。
 凄まじい爆発が引き起こされる。
「これが紡ぎ、繋ぐ戦いです!」
 サージェは分身達と共に『デストロイ・プライム』の放つ爆発を見下ろす。誰が欠けても勝利することはできない。それを示すように――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
引き続き『疾き者』にて
属性:風

そう、ここで潰えさせるわけにはいかないのですよー。

さてねぇ、威力あげるために詠唱するようですが。そんな時間を与えるわけ、ないじゃないですかー。
先制で【四更・雷】。どこまでも追いかけるこの矢群は、あなたの生命力を吸収するようにもできてますからー。

あ、もちろん、味方の人を避けるようにもできてますのでー。盾にするとかできませんよー?
ははは、悪霊が呪う相手を間違えるわけないじゃないですかー。

そう、どうあっても世界は続いていく。それがよいのですよー。



『デストロイ・プライム』の三つ首から放たれようとしていた破壊光線の一撃を猟兵とヒーローたちの一撃が防ぐ。
 破壊の力は『デストロイ・プライム』の体内へと逆流し、凄まじい爆発でもって巨躯を破壊に導く。
 けれど、機械文明『ディケイリフェ』の核たるオブリビオンである『デストロイ・プライム』は自己修復の力でもってまたたく間に己の破壊の痕を修復していく。
「ムダダ。ハカイハカクテイジコウ。ジンルイノホロビハカクテイシテイル」
 その咆哮は『ダストブロンクス』に在りし、かつてのバイオモンスターたちの怒りの残滓であったのかもしれない。

 公害汚染は自然への敬意がないからこそ引き起こされた人類の過ちであろう。
 自然が猛威を振るい、その牙でもって人類に仇を為す。因果応報そのものである。けれど、人の歴史は後年も続いていく。
 それを知るのが猟兵であるというのならば。
「そう、ここで潰えさせるわけにはいかないのですよー」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『疾き者』が戦場を駆け抜ける。

 戦場と成ったニューヨーク市街地は破壊に飲み込まれている。
 どこもかしこも破壊の痕が刻まれている。けれど、それでもヒーローたちは戦っている。
 少しでも多くを救うために。
 僅かでも取りこぼさぬようにと懸命に行きているのだ。ならば、悪霊はなんとする。
「スベテハカイスル」
『デストロイ・プライム』の三つ首が再生し、伸びる。開かれた顎に讃えられた光は破壊の力そのものであった。
 あれが放たれれば、再び市街地は破壊に飲み込まれてしまう。

「ですが、威力を上げるために欲張ったのが裏目にでましたねー。そんな時間与えるわけ、ないじゃないですかー」
『疾き者』は走る。
 引き絞った弓から放たれるは四更・雷(シコウ・ライ)。
 稲妻の力を持つ矢が放たれる。大地に叩きつけられた『デストロイ・プライム』の巨躯では躱すことなどできないだろう。

 いや、躱すつもりなどないのだろう。
 何故ならば、『デストロイ・プライム』には自己修復、自己進化、自己増殖の力がある。躱さずとも、己の力で修復すればいいのだ。
 稲妻の矢など蚊に刺されたようなものだ。躱すに値しないと『デストロイ・プライム』は判断したのだ。
 いや、それよりも人類の全てを破壊するために一撃の威力を底上げするほうが先だと言うように破壊の力を蓄える。

「――!?」
 だが、それは為し得ぬことである。
『疾き者』のはなった矢はただの雷矢ではない。『疾き者』は悪霊の一柱である。
「ええ、そのとおりです。躱す必要がないと判断したのは誤りでしたねー。その矢はあなたの生命力を吸収するようにもできていますからー」
 悪霊の祟はオブリビオンにのみ。
 周囲に点在する味方に当たるわけがない。そして、生命力を奪うということは、『デストロイ・プライム』最大の強みである自己修復の力を削ぎ落とすということである。

「サイセイデキナイ」
「ははは、悪霊が呪う相手を間違えるわけないじゃないですかー」
 過つことはない。 
 人は間違える。過ちを犯す。大罪をもつ。けれど、悪霊は違う。人ではない。生命ではない。
 祟を、呪詛をもって呪い殺す存在である。
 ならば、彼らが呪い、祟るものはなにか。

 そう、それは唯一。
 世界に危機をもたらすオブリビオンのみ。それを許してはおけぬという呪詛のみが四柱の悪霊を束ねるのだ。
「そう、どあっても世界は続いていく。それがよいのですよー」
 自身たちは歴史という奔流の中に佇む樹木のようなものだ。
 流されず、其処にあり続ける。どれだけ激流が襲い来るのだとしても、決して倒れることなく人々の標とならなければならない。

 そして、それはヒーローの役目でもある。
「逃がさぬ。悪霊が逃がさぬと言ったからには…絶えよ――」
 放たれる雷矢が『デストロイ・プライム』から破壊の力を奪っていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
うーん、怪獣大決戦的な…
地下から現れる敵性文明!
追い詰められた最期の悪あがきに巨大怪獣登場!
…シナリオとしてはちょっと安っぽいかな
だがそれも良いけと

けど自己進化の果ての姿がアレと…猟書家と同じ姿なのは因果なものなのかなあ
スナークゾーン故なのかどうなのか…
まあとりあえずぶん殴って終わりにしよう

超克…オーバーロード!
外装展開、模造神器全抜刀
さて、自己修復に自己増殖と厄介な能力持ちだしどう殴ったもんか…
うーん…うーん?
あ、ヤバい何も思い浮かばないから脳死で殴ろう
【Code:F.F】起動
高速移動と『オーラ防御』でオーラの盾を展開して、破壊光線の雨を凌ごう
ええい、飛ぶな飛ぶな
斬り合えないじゃん卑怯者ー!
まあ、凌ぎながら『エネルギー充填』開始
市街地のビルの外壁を蹴り上げる感じで無理矢理『クライミング』!
あ、これアクションゲームみたいだ
屋上からなら、大分距離は詰まるでしょ
後は近付いてきた所で『カウンター』のエネルギー球をぶち込む!
戦いづらいったらありゃしないなあ



「うーん、怪獣大決戦的な……」
 地下より現れる敵性文明。
 追い詰められた最期の悪あがきに悪の研究者が暴走を覚悟に巨大怪獣を出現させる。破壊されるニューヨーク市街地。
 ランドマークも、何もかも破壊するように薙ぎ払う翼と尾。
 破壊光線が明滅し、破壊の坩堝と化す街。
 爆炎と黒煙だけが宇宙を染め上げていく。

「……シナリオとしてはちょっと安っぽいかな。だがそれも良いけど」
 月夜・玲(頂の探究者・f01605)は機械文明『ディケイリフェ』がニューヨーク市街地の地下迷宮『ダストブロンクス』を突き破って現れたことを評する。
 サブカルマニアの彼女にとって、このような展開はありきたりであると言わざるを得ないものであっただろう。
 よくあるやつである。
 しかし、それが古典的と言われようとも古典であるがゆえに懐古するのもまた人の文化の特権であるともいえるだろう。

「けど自己進化の果の姿がアレと……猟書家と同じ姿なのは因果なものなのかなあ」
 それとも『スナークゾーン』であるがゆえなのか。
 答えは出ない。此処は在りしヒーローズアースの過去の再現。そこに介入したオブリビオンの発露でもある。
 現実世界に仮想が侵食する可能性がある。それが『スナークゾーン』であるというのならば。
「まあとりあえずぶん殴って終わりにしよう」
 彼女の瞳が輝く。
 超克。オーバーロードによって展開される外装に蒼き刀身を讃える模造神器が握りしめられる。
 
「蒼き残光か。伝え聞く所通りであるわけか」 
 徒手空拳の男が蒼い輝きを放つ玲の模造神器を見やり、呟く。しかし、そのつぶやきは『デストロイ・プライム』の咆哮にかき消される。
 これまで猟兵達によって打ちのめされてきた『デストロイ・プライム』の翼が羽ばたき、尾が振り回される。
 飛翔する巨体。
 膨れ上がる破壊の力。迸るように破壊光線が巨体から放たれ、凄まじい勢いで飛ぶのだ。
「ええい、飛ぶな飛ぶな」
 玲は厄介な飛翔能力に頭をかく。敵は自己修復に自己増殖と厄介な能力を持っている。どう殴ったものかと頭を悩ましていたところであったのだ。

 そこに飛ばれてしまったのならば、殴り合うことができない。いや、正確には切り合えない。
「あ、ヤバい何も思い浮かばない」 
 だから脳死でぶん殴ろうと思っていたのに。
 破壊光線が玲へと降り注ぐ。爆発が巻き起こり、体を吹き飛ばす。内臓が重力に引っ張られて気持ち悪い。
 けれど、その破壊光線を放ちつ続ける『デストロイ・プライム』の巨躯をつなぎとめるものがあった。

 それはバイオモンスターの『ツリーマン』が己の腕を伸ばし『デストロイ・プライム』の巨体をつなぎとめるユーベルコード。
 さらに羽撃く翼を貫く『崩壊戦線』の青年たちが放つプラズマ弾。
「思いつかないのならば、それまでどうにかするのが俺たちの役目というやつだろう」
『ツリーマン』の腕を引き絞るように、凄まじき膂力で持って徒手空拳の男が『デストロイ・プライム』の巨躯を大地に失墜させる。
 轟音が響き、地鳴りと共に『デストロイ・プライム』は地面に激突する。
 瓦礫と破片が飛び散りながら周囲に衝撃波を齎す。

「ひゅー、これってアクションゲームみたいだ」
 玲は走る。
 瓦礫と化したビル群を蹴って、飛び散る破片を躱して。衝撃波によって崩れ落ちる摩天楼を橋のように駆け抜けていく。
 蒼い残光が世界に走る。
 それは彼女の抜刀した模造神器の交錯する輝きでもあった。振るう刀身に力が満ちていく。
 充填されていくのだ。

 大地に失墜した『デストロイ・プライム』から破壊光線が放たれる。
「ハカイスル。スベテハカイスル。ジンルイノブンメイソノモノヲノミコンデハカイスル」
「最終公式起動、全てを零に!」
 崩れ落ちる摩天楼の橋。それを蹴って玲は瞳をユーベルコードに輝かせながら飛ぶ。
 眼下にあるのは『デストロイ・プライム』の巨躯。
 模造神器全ての力を身にまとい、彼女は抜刀した四振りの刀身を振るう。

 その斬撃は巨大な二つの十字を生み出し『デストロイ・プライム』の巨大な翼を切り裂き、穿たれた胸部装甲を引き剥がす。
 三つ首の顎がもたげ、その破壊光線の一撃が玲に直撃する。
「なんのなんの! これしき!」
 模造神器の力を全面に押し出したオーラで破壊光線の一撃を防ぎながら玲は落下の衝撃と共に『デストロイ・プライム』へと四振りの模造神器の刀身を叩き込む。

「まったく戦いづらいったらありゃしないなあ……けどね!」
 叩き込まれるエネルギー弾のゼロ距離投射。
 その一撃が『デストロイ・プライム』の体へと打ち込まれ破壊の力と誘爆するように巨躯を破壊に導いていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
周囲の民間人の避難はほぼ完了、電脳禁忌剣の機能もロックされましたか
…感謝を

機械飛竜ロシナンテⅢに騎乗し空を飛翔
尾や翼の肉弾、光線を空中機動で掻い潜り肉薄
巨竜の体躯に飛び移りUCを発射
即座に機械飛竜の元へ飛び降り離脱と同時、打ち込んだ掘削特殊弾頭を無線操縦で敵の内部へ潜り込ませ

人の歩みが、営み全てが流血に至る…私のこの武装が、行いがその証左
されど、その矛先を決めるのも鞘に納めるも人の意志
それを考慮せずに裁定者を気取る等、同胞として許しはしません

弾頭起爆
巨竜を内部より吹き飛ばし

徒歩では近づくのも難儀では?
お連れしましょう!

飛竜の脚爪伸ばしアズマ含め地上のヒーロー達を連れ去り
吹き飛んだ装甲内部へ輸送



 悪しき竜は空より姿を消す。
 胸に貫かれた剣は、その機能を停止させていた。その剣、電脳禁忌剣が使用を認められるのは極めて限定的なものであったからだ。
 巨大な力には責任の所在がつきものである。
 だからこそ、トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)はこれでよいのだと理解していた。
「周囲の民間人の避難はほぼ完了、電脳禁忌剣の機能もロックされましたか……感謝を」
 それは彼の巨大な力の失効を意味していた。
 未だ機械文明『ディケイリフェ』の核たるオブリビオン『デストロイ・プライム』はニューヨーク市街地に在りて、破壊の力をもたらしている。

 猟兵の一撃によって『デストロイ・プライム』は地に失墜し、その飛び立つための翼をもがれた。
 胸部装甲は穿たれ、三ツ首の顎は砕かれている。
 されど未だ『デストロイ・プライム』の内側に滾る力は衰えていなかった。
「ハカイスル、ハカイスル、ハカイスル、ハカイスル」
 まるで同じ言葉ばかりを紡ぎながら、その鋼鉄の尾が振り回され、周囲に溢れる破壊の痕、瓦礫の山を吹き飛ばす。

 人類が築き上げたもの全てを破壊する。
 それが『デストロイ・プライム』の源であった。人の業や罪、そういったものすべてを正す機会など与えず、ここに人類史を断絶させるべく破壊の力を振るうのだ。
「人の営みが、営み全てが流血に至る……」
 トリテレイアは理解していた。
 確かに人類の至る道は、いつだって流血に溢れていた。血にまみれていない歴史など人類にはない。
 ことヒーローズアースにおいては特に顕著であったことだろう。
 いつの時代にも戦いは溢れている。
 尾の一撃を機械飛竜『ロシナンテⅢ』と共にトリテレイアは躱しながら飛翔する。破壊光線がほとばしったとしても、掻い潜り肉薄するのだ。

「……私のこの武装が、行いがその証左。されど、その矛先を決めるのも鞘におさめるも人の意志」
 ただプログラムを実行に移すだけの存在でないのならばこそ、人は過ちを認めることができる。
 過ちを過ちの侭終わらさないことだってできる。
 正しき道を導き出すこともできる。
「ソンナコトナドジンルイニデキルワケモナイ。アヤマチコソガジンルイノホンシツ。ダカライノチハウシナレル。ウバワレル。ウバウ」
 自然への敬意もない。
 己を生み出したものにすら牙を容易く剥く。そんな存在が争い以外の何を齎すことができるのかと『デストロイ・プライム』は破壊の尾をもってトリテレイアを振り払う。

 だが、トリテレイアは否といい続けるのだ。
 例え、己の身が最終的な人の歴史の行き着く先。終点に最も近しいのだとしても。
 それでも否定しなければならない。
「ええ、間違えるでしょうとも。何度でも。けれど、それを正すことができる。正しき道へと歩を戻すことができるのもまた人の強さ」
 ゆえに、とアイセンサーがユーベルコードにきらめく。
 叩き込まれる小惑星爆砕用特殊削岩弾発射装置&起爆制御装置(アステロイドバスター・ウォーマシンカスタム)。
 それは『デストロイ・プライム』の巨躯へと叩き込まれ、内部を切削しながら突き進んでいく。

「それを考慮せずして裁定者を気取る等、同法として許しはしません」
 今です、とトリテレイアは『ロシナンテⅢ』の脚爪を掴む徒手空拳の男や『ツリーマン』、『崩壊戦線』の青年たちを切削した『デストロイ・プライム』の内部へと運ぶ。
「強すぎる力も!」
「過ちを犯してしまうかも知れない危険性も」
「全て、人の業だとしても。それを背負うことができるのが人だ」
 彼らは言う。
 過ちを恐れずに。恐れをいだきながら、知性でもってそれを乗り越えていく。トリテレイアは、その輝きをこそ愛おしいと思うだろう。
 守らねばならないと思うだろう。

 彼らの一撃が『デストロイ・プライム』を内部から破壊していく。
 トリテレイアは知るだろう。彼らは恐怖を知性と理性とでもって凌駕する者達。即ちヒーローであると。
 そのヒーローたらしめるものが何であるかを。
 人はそれを勇気と呼ぶ。
「皆様、退避を。これより破壊の裁定者を騙る者にトドメを」
 トリテレイアは、破壊の権化。
 その同胞たる『デストロイ・プライム』を空より見下ろす。己もまた、同じである。意志がなければ。矛盾を抱えなければ、きっと己もまた『デストロイ・プライム』と同じく兵器でしかなかった。

 けれど、それは違うのだ。
 己は矛盾を抱える。炉心に創造主が抱いた騎士道物語がある限り、己は矛盾をこそ抱えたまま、その最期の一撃を打ち込み続けるだろう。
 切削特殊弾頭がトリテレイアの操作と共に起爆し、『デストロイ・プライム』の核を砕く。

 それは自己修復、自己増殖、自己進化を止める最期の一撃。
 ここに破壊の権化は潰える。破壊では決して破壊できぬ勇気があることを人々に示し、ニューヨーク市街地は破壊の坩堝から抜け出すのであった――。

●後年
『侵略者の時代』は終わりを告げる。
『スナークゾーン』において、それは決められた定めであったのかもしれない。例え、どれだけの怒りに満ちる心があるのだとしても、永遠に続くことはない。
 時代の奔流は、凄まじい怒りすらも押し流していく。
 時が未来に進むように。
 過去に堆積したものが過去の化身となるように。

 そして、過去よりの因縁は結実する。
 人は争うものだ。
「プロメテウス……バーンッ!!」
 炎を手繰るヒーロー『ブラック・サン』が凄まじき炎で持ってヴィランたちを薙ぎ払う。その炎を縫うようにして紫電が迸る。
「『ヴァンパイアバット』……!お前は……! お前だけは!!」
 スピリットヒーロー『モーニア』の瞳は怒りに満ちていた。憎悪に満ちていた。己の肉親を惨たらしく殺したヴィランに対する復讐心に満ちていた。

 許してはおけない。
 必ず殺さなければならない。己のようなものがまた生まれぬように。復讐の連鎖は此処で断ち切らなければならない。
「ハッ! 笑わせるぜ、ヒーロー! なんて顔をしていやがる! そんな顔で自分が正義の側だと言えんのか!」
 ヴィラン『ヴァンパイアバット』が笑った。
 今や善神と悪神が世界に介入し、善悪の頂上決戦が繰り広げられている。偉大なるヒーロー『ジャスティス・ワン』がヒーローを率い、『クライング・ジェネス』がヴィランを束ねて激突する。

 ――1999年7月。

 それが後年に伝わる『ジェアスティス・ウォー』。ヒーローズアース史上最大の決戦。
「復讐の連鎖は終わらねーよ! 人が人で在る限りな! お前の傍をうろちょろしている守護者気取りの『不敗を象る名』だってそうだ。時代が、人が求める限り、その『名』は消えねえんだよ!」
『ヴァンパイアバット』がせせら笑う。

 だが、その言葉を断ち切る拳があった。
 雷鳴の如き轟音。
 雷光の如き一瞬。
 雷電の如き力強さ。
 その名を人は『■■■』と呼ぶ。
「いいや、終わるさ。終わらせてみせる。俺の代で、この『名』は終わらせる」
 胸に刻まれた十字傷。右手に走る裂傷。
 額際に生える一房の金色の髪。道着であろ姿に身を包んだ徒手空拳の青年が笑っていうのだ。

「これより後に『アズマ』の名は紡がれない――」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年04月24日


挿絵イラスト