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【サポート優先】福音の宝石、秘めたるは希望か絶望か

#グリードオーシャン #戦後 #メガリス

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#戦後
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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●古き神、邂逅す
 忘れられた城があり、忘れられた神がいた。どちらが呼んだわけでもないが、摩訶不思議な縁が二つを繋いだ。
 終の王笏島、主を失って久しい廃城。宝の一つも残っているやも――そんなことを考えていたかは定かではない。ただ、導かれて辿り着く。メガリスが未だ隠された廃城の頂点で、神の持つ眼球の如き宝玉は一層輝きを強めていた。

●グリードオーシャン・10thラウンド
「このお城も、もしかしたら別の世界の謎に関係していたかもしれませんが……ともかく今はメガリスですね。おそらくお城と一緒に流れ着いたもののような気がしますので、回収をお願いします!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)が視た城は寂れ廃れて人を寄せ付けぬ趣があった。何者も踏み込むまい、メガリスの隠し場所に都合がよかったのだろう。
「回収にあたって注意点がいくつかありますので、それだけお伝えしておきますね。まず、皆さんに向かっていただくお城は損傷具合が酷くて、床が抜けたり天井が崩れたり、瓦礫で塞がっていたり道が無くなっていたり、といった困難がありますので、体力と技術と知恵とその他諸々を駆使して切り抜ける必要があります。そしてメガリス――『エヴァンジュエル』はお城を進んで上った先にあるのですが、そこには先に『南洋島の古神』と呼ばれるコンキスタドールが辿り着いていてエヴァンジュエルを取り込んでしまっていますので、撃破の後、回収、ということになりますね。南洋島の古神は自らの持つユーベルコードの他に、エヴァンジュエルが発動する『絶望の福音』を使ってきます。二つのユーベルコードへの対処を強いられることになりますので、戦いの際は気を付けるようにしましょう! 注意点は以上ですので、後は皆さんの頑張りを期待しています! よろしくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 メガリスの命名は割とすんなりいきました。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『廃城の冒険』
 月の光の城なのかは最早知りようもないのでとりあえずメガリス目当てに探索しましょ。
 物理的な困難が多そうです。

 第2章:ボス戦『南洋島の古神』
 メガリス「エヴァンジュエル」を取り込んでいて、「絶望の福音」(【まるで10秒先の未来を見てきたかのように】対象の攻撃を予想し、回避する)を同時に放てるようになっています。
 つまりボスにあるあるの二回攻撃ってやつなんですよ。まあ回避ではありますが。
 倒せば最後にメガリスが残りますので回収をよろしくお願いしますよー。
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第1章 冒険 『廃城の冒険』

POW   :    体力・腕力で突破する。

SPD   :    速さ・技術で突破する。

WIZ   :    知力・魔力で突破する。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

藍原・蒼夜(サポート)
 人間の學徒兵×力持ち、20歳の女です。
 普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


パルピ・ペルポル(サポート)
名乗るときにはフルネーム。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用する。
基本は隠密行動。
空中に雨紡ぎの風糸を張り巡らせて攻守両方に利用し、敵の行動を阻害したところに穢れを知らぬ薔薇の蕾を併用して行動を封じる、もしくはそのまま糸で切り裂くのが主な攻撃方法。
もしくは徳用折り紙で作成した折り鶴を筆頭に折り紙動物たちをけしかけてのかく乱兼攻撃を行う。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないが依頼の成功のために必要と判断すれば犯罪行為も辞さない。
好奇心旺盛ではあるが、行動は慎重。
お宝大好き。宝石などは勿論素材になりそうな物も出来る限り確保しエプロンのポケットに格納する。

アドリブはご自由に。


ミュー・ティフィア(サポート)
困ってそうですね。少しお手伝いしましょうか?

口調 (私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、でしょうか?)

基本的に誰に対しても友好的です。

時々うん、と相槌をしたり、敬語はやや崩れちゃったりします。

好きなものは紅茶です。
余裕があったら飲みたいです。

なるべくなら助けられる人は助けます。
復興のお手伝いとかは積極的に頑張っちゃいます!
現地の人達との交流やケアもしていきたいです。

もちろんオブリビオンや悪人には容赦なしです!
相手次第では手加減するかもしれないですけど。

ユーベルコードやアイテムは何でも使います。

いかなる場合でも公序良俗に反する事には関わりません。

不明点や細かい部分はお任せします。


アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷

神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する

バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ

戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる



●月光の見る影も無き
 猟兵達の行く手を真っ先に遮っていたのは、がたがたして出来の悪い巨大なかまぼこを潰したような瓦礫の山であった。藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)、ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)、アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)の三人が見上げ遣る先、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)がすいーっと飛んで、先が続くのかどうかを確かめにいっている。
「お山の向こうは……あらあら、お尻の痛くなりそうな滑り台ね。でもー、他に入れそうなところもなさそうだしー?」
 外壁が広範囲に崩れており、城門が何処だったのかも分からない。幸い、床も天井も一緒くたになって瓦礫の山に圧縮されていたため、余った空間が大きな進入口になっていた。
「……とりあえず登って大丈夫そうよー!」
「わかりましたー! では、慎重に登っていきましょう」
 パルピが大きく上下に揺れるジェスチャーを交えて呼び掛けてくるのを見て、ミューが左右に等間隔で距離を置いた蒼夜とアウルに注意を促す。
「中はどんな風になってるのかなー!?」
「入口でこれなのだからあまり期待はできないけど……メガリスの隠されていた場所はそこまで崩れている様子でもないみたいだし、案外無事なのかもしれないわねー」
 好奇心を前面に出すアウルと現実的な視点を持つ蒼夜、そしてミューは揃って第一歩を山に向けて踏み出していく。体格差故にアウルの一歩が大きいが、山を崩してはならないという制約があるために圧力のかかりやすいアウルは他の二人よりゆったりとした動きになり、それで速度の釣り合いが取れていた。
 山は登るに堪えるなだらかさではあるが、瓦礫そのものが平らなものばかりでなく不安定で神経を使う。曲面の形状から円塔のようなものがあったのだろうと推察されたがその姿は各々想像する他無く、想像も瓦礫登りに集中すればやがて霧散する。
 登り始めてから三人の間に言葉は無い。互いに足を引っ張らぬよう、そして足手まといにならぬように適度な緊張感を保って頂上を目指していた。
 やがて見えてきた廃城は、尖塔を遠くに望んだかと思えばすかさずホラーハウスのような城塞が顔を出してくる。
「とうちゃーく」
 登ってきた三人の中ではアウルが一足早く、蒼夜とミューはほぼ同時。瓦礫の山の登頂には成功したが、ここからは吸い込まれそうな下り坂が待っていた。依然として足場は危険信号で休まる気がしない。
「ここが、最初で、最大の、難関な、気が、しますね」
「三人ともファイトよー!」
 下りはパルピの応援がついて賑やかだ。テンポ良く下れば当然登りよりは速い。瓦礫が足場の用を為さず転げ落ちる危険性は付きまとっているが、多少の危険は覚悟の上でミューは瓦礫を乗り継いでいく。
 廃城潜り、蒼夜とミューは難なくこなしたが、アウルは身を屈めて恐る恐る。背が高いというのも良いことばかりではない。崩れた城壁の端に頭を擦るかどうかの紙一重で潜り切り、城内へは最後の進入であった。
 内部は案の定の荒れ具合。周囲の塔が傾き落ちてきたらしく廃城は切り分けたケーキのように分断されて、山もあれば谷もある。
「ここはちょっと深そうね」
「だったら……周りから大きめの瓦礫を落として……」
「渡れる場所を作るんだね!」
 見下ろして言うパルピは沈んだ床など関係無しに飛んでいってしまうのだが、他の三人はそうも言っていられないので蒼夜とアウルが力に任せて瓦礫をごろごろと幅広の谷に流していく。初めは大雑把が通用したが後になるにつれ対岸に届くように落とし入れなければならず、それがなかなか思い通りにいかない。
「やはり限界がありますね……でも、向こうの底まで行けるなら……」
 ミューが谷の端に腰掛けて、一番浅くなったところへ飛び降りていった。すとんと着地すると廃城に入ってきた時と同じように坂を慎重に下って、迫り立つ地層の壁の前までやってくる。
「砕いて道を作ります――」
 ミューは「天槌・スフォルツァンド」を背後に構えると螺旋の軌跡を描きながら豪快に振り上げた。軽々と振り回されたそれは衝突面に魔力障壁を持っており、地層を叩きつけた衝撃が一瞬にして地上まで到達し亀裂を走らせる。ミューがその場から飛び退くと同時に地滑りのような地層の崩壊が始まり、谷底に広がった後にはでこぼこした斜面が出来上がっていた。
「わぁお、豪快」
「これで先に進めますね」
 目を丸くするパルピにもミューは落ち着き払って目的達成を確認し、そこに蒼夜とアウルが降りてきて合流する。陸続きになった斜面はでこぼこが案外丁度いい足掛かりで、何より安定感がある。登ってみればすいすい足が進み、気付けばまた城内へ戻っていた。
「これでやっと、あの塔に入れるのね」
 途中、吹き抜けとなった天井の向こうに見えていた尖塔は高く見上げるまでに近づいており、四人の目の前には箱型に区切られた通路が続く。
 辿り着いて尚、上を目指すことを強いられるとは各々感付いてはいたが、崩壊を免れている分だけ希望が湧いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『南洋島の古神』

POW   :    崩れ得ぬ神嶺
【巨大な拳】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【地盤を自らへ取り込み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    神体宝玉の瞳
【視線】を向けた対象に、【頭部へ納められた宝玉より放たれる魔力】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    島ハ我也、我ハ世界也
自身からレベルm半径内の無機物を【自身を構築する遺跡建材】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:伊瀬井セイ

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ユエイン・リュンコイスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●古きを捨てて新しき神へ
 苔むした土の古神。何十年、何百年と世界を見続けてきたことを思わせる風貌ではあったが、今や過去の存在である。
 人で言えば瞳に当たるであろう宝玉はかつての――いや、かつて以上の輝きを放っていることだろう。メガリスと言う存在が、かの者に再び生きる意味を与えてしまったのだから。
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんけどぉ、だからと言って乱発すればいいってものでもないですよねぇ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談すればいいでしょうかぁ~?
けどぉ、非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
大丈夫ですよぉ~、手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
荒事以外の御用ならめいっぱい楽しんじゃいますよぉ~。
特に読み物なんかは好きですねぇ~。
※アドリブ・連携歓迎


雫石・凛香(サポート)
アドリブ・MSの解釈による下記に沿わない動きも歓迎
貴方の書く雫石凛香が見たいです

オブリビオンへの恐怖で眠れなくなった姉のために戦う妹キャラ
性格はクール枠。冷静に物事を見て、必要そうな行動をとれます
敵への態度は苛烈。相手に事情があろうと容赦なし
子供故の短絡さもあり、口が上手い相手だと挑発に乗せられるかも…

魔剣【鞘】という凛香の意思に従い姿を変える剣での形状変化による攻め手の多さとスピードで勝負するタイプ
逆に相手の攻撃を剣で受ける行為はパワー不足でほぼ不可能

UCは基本的に妖剣解放のみ
高い機動力で相手をかく乱し、衝撃波でヒット&アウェイが基本戦法

動きを封じることで先の展開が有利になれば剣戟結界も使用


響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです


バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



●見えずとも信じられる絆があった
 瓦礫の山越え谷越えて、猟兵達が上り着いた尖塔の頂点たる宝物殿にて。古神は守護者然として佇みながらも猟兵達の接近を感じ取ると宝玉に灯を入れ、自らの足元を両の剛腕で叩きつけていた。びりびりと空気を震わせるほどの地響き、だがそれはほんの前兆に過ぎない。
 天井や壁が崩れ落ちた成れの果てが再び命を吹き込まれる。複雑な文様を刻んだ重厚な柱、象形文字と人形が踊る壁画、無機物は太古へ還って古神の体を構成する遺跡建材の一部となり、その手足となって渦巻き嵐となった。
「――っあぅっ!」
 先の地響きでぐらと揺れた体を持ち直し古神への再接近を試みていた雫石・凛香(鞘の少女・f02364)は突然の遺跡嵐に対応しきれず前のめる。そこに柱がぶおんと振り回されており、凛香は無我夢中で「魔剣【鞘】」を振り上げていた。力勝負では分が悪いとの判断が追いつかないほどに事態は切迫、而して重々しい衝撃は鞘の上から凛香の体を軽々と打ち飛ばして退ける。宙に放り出されて天を仰いだ凛香。そのままぐしゃと潰れ落ちるか――。
「危ないっ!」
 凛香の落下点へ、バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)は蛇の体を滑り込ませて全身で凛香をキャッチ。両腕で小さな体躯を抱き止めて勢いを殺し、間一髪で窮地を救った。
「大丈夫!?」
「平気よ……」
 バジルの安否確認に凛香はぼそぼそと答え、体からそそくさと降りていく。無事であれば他は何も求めないバジルは自分の足ですたすた歩いていく凛香の姿に胸を撫で下ろしていた。その背中が、窮地を招いたバツの悪さと、素直に反応できない己の未熟さを呪っていたとも知らずに。
「これは……聞いたメガリスの力ではありませんわね」
「『絶望の福音』はこちらが攻撃すると発動するタイプでしょうからねぇ~。しかし、この状態では迂闊に近づけませんしぃ~」
 響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)と向・存(葭萌の幽鬼・f34837)が凛香とバジルに追いついて遺跡建材の嵐を確認、立ち止まる。凛香に限らず古神の力は脅威だ。その上で彼女達はメガリスが齎す危機回避能力をも掻い潜らなければならない。
「チャンスは一度きり、って感じね……。私が全弾撃ち落とす、って言ったら……その間に古神に一撃、見舞ってくれるかしら?」
「ほほぉ~? 真っ向勝負ですかぁいいですよぉ乗りましょお~」
「でしたら私も……全身全霊を以って臨みましょう。皆様のご迷惑にはならぬよう細心の注意を払いますので」
 考えていても結局この手しかないという選択をバジルはスパッと決断し、三人に作戦を持ちかけた。頭を前後させて包帯を靡かせる存も、魔導杖「ルナティック・クリスタ」を固く握り締めるリズも作戦を了承。
「……なら、早くして」
 同じ轍は踏まない。宝玉の輝きに負けじと古神へ視線を突きつける凛香は鞘を構える振舞いで同意を示す。
「ありがとう、皆……なら、始めるわ!」
 バジルは微笑みを浮かべた後、表情を引き締めてウィザードロッドを頭上に掲げた。バジルの魔力の高まりに合わせて生み出された太陽の子供のような火の玉はぎゅんと細長く伸びて矢へ変じ、熱と光で遺跡建材の嵐を圧迫していく。
 全面戦争、戦端は振り下ろされたウィザードロッドが切り開いた。古神へ向いたベクトルに沿って炎の矢の雨が降り注ぎ、荒れ狂う遺跡建材へ衝突。それらは爆発と炎上という膨大なエネルギーの塊に生まれ変わって宙を灼熱に染めた。
 溶岩の飛散する嵐の中に凛香、存、リズは躊躇うことなく突っ込んでいく。信じ合う仲間に託された。この一瞬を無駄にしたくないとの思いが全身に力を湧き起こす。口にするかしないかの別は関係なく、目指すべき場所は同じだった。
 チャンスは一度、とバジルは言った。それはバジルが放つ炎の矢が有限であるのに対し、古神は冷え固まった溶岩から遺跡建材を再生できるという無限の力を持つが故。策は二度は通じない。この先の三人の成否が戦いの命運を分けると言っても過言ではなかった。
 巨体が左に動き出す。三人の接近を感知しての早逃げだ。遺跡建材の嵐もまた縮まっており、炎の矢の熱量が三人の背を追ってきていた。
「十秒先が無事だなんて――思わないことよ!!」
 凛香が放った言葉通りの未来を迎えるのは三人と古神、果たしてどちらか。先回りで動こうと左へ跳んだ凛香が放つ斬撃を嘲笑うかのように古神は巨体を躍動させ右へ反転、それが未来と言うのなら存が地を這うような屈み姿勢で右方へ走り、回り込んで包帯を低空で放つ。変哲の無い包帯には霊力が流れ込んでおり、鋼鉄の刃に等しく溶岩の雨を弾き飛ばした。
 白き境界。それを越えよというのがメガリスの導きだ。古神は両足、人で言うところの膝を曲げて力を溜め込み一気に巨体を跳ね上げた。一層激しい地響きが生じるであろう跳躍で存の包帯を越えはした。
 しかし――。
「跳んだが最後、その先は絶望と言う未来ですわよ?」
 古神の着地に待ち構えていたのは、リズが魔力を膨張させて撃ち出した破壊光線だった。あらゆる色を呑み込んだ白壁が聳えて古神の巨体を削り、同時に跳ね返して古神はずどんと転がり落ちる。戻されれば存の包帯が待っており、ずぱっと背を斬り裂かれて尚転げる。
「逃がさない――!!」
 メガリスが予知した未来が何処であったかは知る由も無いが、全ては繋がっていた。詰め寄る凛香が繰り出す斬撃は今度こそ古神の巨体を捉えて包み込む。幾重にも重ねられては振りほどくのも容易ではなく、古神は空間に縛り付けられる――そこへ流れてきたのは己が収束させていた遺跡建材、もとい溶岩の嵐。バジルは最後の一矢まで余すことなく使い切って三人を支えた。副産物の溶岩は運良く、あるいは運悪く、三人の間をすり抜けて巨体へべたべたと貼り付き焼き焦がす。
 古神が持つ宝玉が明滅し、痛み苦しみを訴える。表面が着火しやすい苔の層であったのが、古神の不幸な事故だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


マティアス・エルンスト(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK

「……俺が前に出る。お前は俺を盾にしろ。」

一人称:俺
口調:寡黙で無機質。表情も一見無愛想で感情が読み取りづらいが仲間想い。
性格:知らない物事へ対する好奇心と知識欲が旺盛。自身を精密な電子機器と思っている様子。

戦法:【エネルギー充填】したアームドフォートによる【威圧】感たっぷりの【威嚇射撃】や【一斉発射】等、「攻撃は最大の防御」を体現した戦法を好む。
仮に間合いに踏み込まれても武装で【受け流し】、【鎧砕き】も狙って【カウンター】。

状況に合わせUCを何でも使用。
戦況等に照らし「適切・最善」と判断すれば他の存在からの指示や命令にも即応する。

他はお任せ。


赤嶺・愛(サポート)
『世界が平和になりますように』
 人間のパラディン×シーフの女の子です。
 普段の口調は「平和を愛する(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、怒った時は「憤怒(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく、人と話す事が好きで
平和的な解決を望む優しい性格の女の子ですが
戦う事でしか依頼を成功出来ない時は戦う事も厭わないです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●十秒間だけ生かしてやる
 浸食の赤。古神の巨体は猟兵達との戦いで浴びた溶岩によって着実に蝕まれている。どんどんと足を踏み鳴らし両腕をぐるんぐるんと振り回し回転しているのは攻撃行動、あるいは威嚇というよりもがき苦しむ様を映しているようだった。
「ここで畳みかけるぞ。奴の攻撃は俺が受ける。その隙に全力を叩き込め」
「私も後ろからサポートさせていただきますね」
「わかったの……もう、誰も悲しまないように……!」
 マティアス・エルンスト(人間見習い・f04055)が駆け出す背中を赤嶺・愛(愛を広める騎士・f08508)が追い、高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)は書杖『ブライク』に宇宙魔術古代書をセットし古神のいる先に突きつける。
「あなたの持つメガリスは未来予知に似た力を与えてくれるようですが……見えないものを認識できるようになるわけではないでしょう。例えば、その場にいると攻撃を受けるからどこかに逃げる――そんな対症療法的な行動しかとれないはず!」
 茉莉は昇竜の如くサイキックエナジーを宙に走らせて古神の上を取る。十秒のうちにはそれが叩きつけられていることだろう。右か、左か、前か、後か。古神はメガリスが感じさせてくれた未来に従い、劣化する体を押してマティアスと愛を目標に敢えての突撃行動を見せた。
 回避のみではいずれ詰む。それはこの場へ早くに到着した猟兵達が証明していた。我武者羅に向かっていって一人でも打ち倒し、逃れる可能性を広げる――古神にはそれしか方法がないのだ。
 剛腕が唸る。砂礫をぼろぼろと零しながらも遺跡建材を組み固めて振りかぶられた拳、古神の宝玉の視線は愛へと向けられていたがマティアスが即座に割って入り、鉄塊剣で自らの左腕を斬りつけた。
 地獄の赤。噴出した炎が大きく古神を遮る壁となって立ち塞がる。だがその未来も感じていたからこそ古神は炎を殴りつけにいったのだ。茉莉のサイキックエナジーが左右と後方から押し迫って不可視の袋小路を作っており、何処かに逃げようとしていれば捕まっていたに違いない。
 マティアスの正面にぼっと火柱が弾け、古神の剛腕が突き抜けてきた。果たしてどちらが読み勝っているのか。織り込み済みの攻撃にマティアスは動じることなく鉄塊剣を上から叩きつけにいく。最速を極めたマティアスの一撃、それでも拳の到達が僅かに早い。剣身の根元で古神の拳にあった甲骨のような突起を削り砕く形で両者は衝突し、反動はマティアスのほうが強く鉄塊剣を跳ね上げ後退させられる。
 それで古神に道が開けたか――に見えた。メガリスが最善と導き出した未来は此処で途切れている。古神はさらに一気呵成の猛攻を仕掛けていれば、あるいは――。
「メガリスを届ける……皆の元へ!」
 茉莉が古神の行動を限りなく制限したことで、愛が炎の壁の外側から古神の背後に回り込むことができていた。二振りのバスタードソードを左右に構える。茉莉とマティアスが作り出してくれた一瞬だ。逃してはならない。
『左手には愛の力を、右手には正義の力を、二つの力を受けてみよ!』
 巨体が蠢く。メガリスの力は偽りだったのであろうか。迫る愛に古神は振り返る間もなく右、そして左とクロスに斬りつけられた。ががんと岩石を深々抉る音が立て続けに起こり、古神は反射的に仰け反るとそのまま硬直して動かなくなる。
 メガリスは確かに未来を与えた。しかしそれは十秒間だけ生かす道を提示しただけで役目を終えている。愛に斬り裂かれ背中で交差した切断面よりぽろりと、細かくカットされた宝石のようなものが零れ落ちてくる。これが古神を生き永らえさせていたメガリス。愛がさっと拾って飛び退くと、古神は全身に走った亀裂から粉々に砕けて、廃城と変わらぬ瓦礫の山へと化していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年04月30日


挿絵イラスト