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銀河帝国攻略戦⑭スカーレット・ストライク!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●白い悪夢
「皆さん、お疲れ様です」
 ユーノ・ディエール(アレキサンドライト・f06261)は集まった猟兵達へ礼をする。
「大要塞『エンペラーズマインド』を突破した我々解放軍ですが、ここに来て敵軍も大戦力を投入する事が予知されました」
 『エンペラーズマインド』は突破したが、敵は要塞だけではない。戦線を押し上げた結果、敵の本隊へと徐々に近づき、抵抗の苛烈さが増していくのは明白だった。
「今回の敵は白騎士ディアブロ直属の『白魔』艦隊。遥か昔『伝説の解放軍』を散々に翻弄し苦しめたと伝えられる、高速艦のみで編成された白騎士ディアブロ直属艦隊……とされていますが、その正体は全滅覚悟の特攻艦隊です」
 精鋭と言えば聞こえはいいが、その正体は悍ましい自爆部隊。
「強力な自爆能力を持つ高速輸送艦に、強襲用の兵力を満載して敵艦隊に特攻。敵艦隊内部で輸送艦を自爆させ、敵を混乱させた所を、強襲兵力で蹂躙するのが彼奴等の戦術です」

●赤い地獄
「『解放軍』には、この作戦に対する対応策が無く、このままでは多くのスペースシップが撃沈されようとしています。しかし、我々猟兵には『グリモア猟兵』の転移があります」
 作戦は以下の通り。
 猟兵を、移動する高速輸送艦の内部に転送する。
 スペースシップの艦隊に到達する前に、より多くの輸送艦に搭載されている自爆装置を起動させ、撤収。
「行きも帰りもグリモア猟兵の転移頼みですが、今ならばそれで戦えます。迅速果断に行動し、敵艦を急ぎ破壊するのです」
 ならばコアルームへの直接転移をすれば良いだろうと、一人の猟兵が言う。
「そうですね。しかし残念ながら、コアルームに直接転移する事は出来ません。何がしかの妨害装置が、転移座標を阻害しているのです」
 成程、敵艦に転移後は必ずコアルームに向かう必要がある、と。
「輸送船内の敵は非常に多く、増殖能力を持つクリーチャーですので、全てを撃破する事は不可能です。敵が集まってくる前に、可能な限り素早くコアルームを制圧し、自爆装置を起動させてください」

 どうかよろしくお願いします、とユーノは頭を深く下げた。


ブラツ
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

 こんにちは、ブラツです。
 敵は銀河帝国「二大巨頭」の一人である、
 『白騎士ディアブロ』直属の『白魔』艦隊。
 自らの命を捨てて特攻してくるこの部隊を叩くべく、
 猟兵を移動する高速輸送艦の内部に転送し、
 スペースシップの艦隊に到達する前に、
 輸送艦に搭載されている自爆装置を起動させるのが、
 今回の作戦となります。

 集団敵を倒すプレイングに加えて、
 『コアルームに向かう為のアイデア』が重要になるシナリオです。
 時間をかければ、攻撃に気づいた敵が、
 大挙して押し寄せてくるという状況で、
 敵を撃破しながら、コアルームに向かう。
 潜入破壊ミッションとなります。
 撤退はグリモア猟兵の転移で行いますので、ご心配なく。
 何卒よろしくお願いします。

 プレイングは2/14 0:00迄に頂いた分から、
 順次書けるだけ書きたいと思います。
 上記日付以降に頂いた内容はシナリオ進行の都合上、
 止む無く流してしまう確率が上がりますので、
 予めご了解頂ければ幸いです。

 それでは逆襲を開始します。
 皆様にご武運を。
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第1章 集団戦 『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』

POW   :    いちご味
【鼻腔をつく爽やかないちごの香り】が命中した対象を爆破し、更に互いを【味の固定概念への疑問】で繋ぐ。
SPD   :    できたてパスタぁ!
【汁気を出すことで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    空を飛ぶ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大豪傑・麗刃
戦争で自爆なんてもってのほかなのだ!
自爆というのものはむかしっからオチをつけるためのものだと略

忍び足を駆使63して敵に見つからないようにコアルームに向かうのだ。
で敵は回避するか、単体のうちにだまし討ちで即行排除するか。
最終的に誰かひとり到達すればいいので、最悪見つかった味方を囮にして進むのだ。

じゃあ、もしわたしがドジ踏んで大集団に見つかったら?

そ、そ、そな目で見る子は麗ちゃんぶつじょ!!

と、見つかった事を変態的衝動のトリガーにして、自ら囮となり他のみんなから目をそらさせるべく、剣と脇差(と呼ぶには大きすぎる剣)の二刀流で大暴れしてやるのだ!

結論。やっぱり自爆はオチをつけるためのものじゃまいか。


テン・オクトー
ひぃぃ!パ…スタ!?いい匂いがするけどコノ見た目は…(ウヘァな顔)でも見た目によらず強敵なんだよね!?そして急がないとだからのんびり相手してられないね。
WIS
気絶させたり、仲間が倒したパスタにUCを使うよ。そしてまだ元気なパスタを襲う!パスタだらけで
カオスになりそう。足止めや援護出来ればいいかな!?もちろん倒せたら安心だけどね。コアルームに急がないとだからね。
(武器フレイル)【技能:範囲攻撃、気絶攻撃】

パスタ飛ぶの?ああ、甘い匂いが襲ってくる…イチゴスパゲティ食べれなくなっちゃうよ。

連携アドリブ歓迎です。



●戦慄の赤
「戦争で自爆なんてもってのほかなのだ!」
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は激怒した。自爆とは古来よりオチを付ける為のもの、戦の落ちを付ける行為ではない。率先して前線に躍り出た武人はその悪行を止めるべく、己が身を隠しつつコアルームへと進んでいった。全ては確実にこの艦を止める為に。
「ひぃぃ! パ……スタ!?」
 それはテン・オクトー(気弱な小さき猛獣・f03824)の叫び声。未だコアルームには至らず、されど眼前には赤色の巨大な怪異が多数、うねうねと蠢いている。
「触手とかじゃ……それも嫌だけど……ああ、甘い匂いが襲ってくる!」
 幾度も弾む様に飛び上がる緋色の悪魔は、オクトーの頭上目掛けて、伸ばした体躯をぶつけようと迫り来る。甘い香りを纏わせながらの苛烈な攻め手、精神的な油断を誘いつつ放たれた一撃が、よもやオクトーの正面を捉えたその時、黒い影が緋色の悪魔を両断した。
「た、助かったぁ……ありがとうございま」
「早く逃げるのだ」
「え……?」
 オクトーを救った麗刃だったが、その様子がおかしい。
「思ったより数がずーっと多かったんだじょ!」
 麗刃の背後、オクトーの眼前にいた数と同じかそれ以上の緋色の悪魔が、パスタの群れが徒党を為してやって来ているのだ。
「どうしてこんな事に!?」
「うむ、コアルーム目指して忍び込んだのだ。そこでどうしても邪魔な奴がおっての、一つくらいならとずんばらり一刀両断したのだが……」
 最早コアルームとは関係の無い方角へ突っ走る二人。曰く上手く忍び込んだものの、どうしても倒さなければ先へ進めない敵がいたらしい。
「本当に上手に忍び込んだの! そ、そ、そな目で見る子は麗ちゃんぶつじょ!!」
 疑いの目を向けるオクトーに凄い形相で弁明する麗刃。それで、どうして追われているのかと再び尋ねる。
「その麺が随分と伸びてたみたいで、ここまで追われておる」
 倒した敵が本体じゃなくて、残りの塊に追われてるって事? 走りながら更に尋ねるオクトーに頷く麗刃。 
「しかし、敵を寄せ付けられるのならそれもまた、良し」
「良くないよ! ていうかこの先壁だよ。逃げられないよ!?」
 叫ぶオクトー、確かに目の前は袋小路、これ以上先へは進めそうも無い。
「これ以上は無い? 丁度良いではないか」
 振り返り眼前のクリーチャーを睨む麗刃。その眼差しに、これまでの慌てふためく様子は無い。
「ここで終わりなら、ここで終わらせれば良いのである!」
 追い詰められた変態はその衝動を胸に秘め、スラリとサムライブレイドと脇差(自称)を抜く。ここからは反撃の時間だ。

「このパスタ……見た目によらず強敵なんだよね!?」
 フレイルを振り回し、通路に密集したパスタに向かっていくオクトー。
「そうだ。しかも放っておけば増えると来た」
 こんなモノがぶち込まれては、突撃に耐えられたとしても船内は地獄と化す。それだけは止めねばならぬと、麗刃は奮起した。
「だったら……それなら、こういうのはどうかな?」
 ごちんと潰れたパスタに向かって【ゴースト・リボーン】――呪文を唱えるオクトー。瞬間、パスタの中から小さなパスタが湧いて出た。
「控えめに眷属は蘇り、今はかつての主を蝕む」
 その言の通り、小さなパスタは大きなパスタへと群がり、それらを喰らい始めたのである。
「中々にえぐい事をするんだな、君も!」
「オクトーだよ、テン・オクトー!」
 フレイルでパスタを気絶させながら呪文で仲間を増やすオクトーは、目まぐるしく襲い来るパスタに圧倒されながらも、何とか意識を保っていた。
「承知したぞテンくん、麗ちゃんも負けないのだ!」
 両手に構えた刃を以って、麗刃は迫るパスタを片っ端から斬り伏せる。乱舞する剣技が冴え、威力は直ちに無力と化した。
「麗ちゃん凄い! これならもっと増やせるよ!」
 増やすな! と叫ぶ麗刃にお構いなしに呪文を掛けるオクトー。
 最早敵が減っているのか増えているのか、定かでは無いこの状況で確実なのは、
 パスタの注意はほぼ完全に、この二人に向けられたという事だろう。
 そして二人がグリモア猟兵に回収されるまで、どんな事があったかは知らないし、知りたくも無い。
「やっぱり自爆はオチをつけるためのものじゃまいか」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

三影・サイ
敵艦に突入し、自爆装置起動後に脱出。
生還を前提に作戦を立案していただけるのは、本当にありがたいですね。

突入後、立ち塞がる敵勢力を広範囲に捉えられる位置を確保し、ユーベルコードによる射撃を開始。
技能のスナイパーを使用し、味方前衛を狙う敵個体を優先して狙います。

射撃で艦内の壁面に損害を与えられるなら、コアルームへ近道になるように穴をあけたいです。
目標地点到達のために足止めが必要でしたら引き受け、邪魔な敵を排除します。

他にも味方に射手がいらっしゃるならお互いに死角を補うようにして、敵への対処に隙が無いようにしたいです。


フィオ・グラート
パスタ……ぱすた?
こんなのぼくの知ってるパスタじゃない!
こんなパスタもどきは……
持ってる銀食器のフォークで絡め取ってナイフで切り刻むんだよ!
敵が飛んだり攻撃してきたら、【謎を喰らう触手の群れ】で触手を展開してこれも絡ませちゃうよっ。

僕はちょっと脚が遅いから…ここで少しでも足止めしておくね!
こんなパスタは認めないんだから!ボクが料理(始末)してあげるんだよ!!

そしてやっぱりこれは一度やってみたいよね。
「ここはボクに任せて先に行って!」



「生還を前提に作戦を立案していただけるのは、本当にありがたいですね」
 三影・サイ(火力支援兵・f14159)は緊張した面持ちで輸送船の廊下を駆ける。出た所勝負が多い猟兵の戦いである、行きと帰りが確定している安心感は確かにありがたい。
「ありがたいですが、それだけ敵の攻撃が激しいのも事実。油断は禁物だよ?」
 フィオ・グラート(おいしく!楽しく!元気よく!・f03872)は更に慎重に歩を進める。そうまでしないと安全が担保出来ない戦場なのだから、相応の危険は覚悟すべきだと。
 実際フィオの危惧通り、危険なクリーチャー達は大挙して迫り来たのだ。天井から。

「ひいっ! 何ですかこれは!?」
「敵性体照合……一致、『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』と確認」
 『03号被験体用制御装置』による検索結果。通称パスタ、略称パスタ、ひたすら増える悍ましいスペースクリーチャーの一種です、とサイが告げる。
「パスタ……ぱすた?」
 その名にある意味相応しい異様にフィオは憤る。甘く爽やかな香り、艶かしいアルデンテの様な張り・艶・弾力、そのどれもがパスタらしさとは一致する。しかし。
「こんなのぼくの知ってるパスタじゃない!」
 違うそうではないと怒りを込めて、これは食への冒涜だと悲しみを秘めて。
「こんなパスタもどきは……ナイフで切り刻むんだよ!」
 フィオの手に愛用の『純銀製のナイフとフォーク』がキラリと煌く。こんな名状しがたいモノなど、絡め取って捌いてやると。
「こんなパスタは認めないんだから! ボクが料理(始末)してあげるんだよ!!」
 そう、こんなパスタ。食とは結局『好みの問題』だ。これは食の生存競争なのだ。
「……概ね同意です、私も支援を開始します」
 サイも『ネモフィラCP106』を構え、直接火力支援を開始する。ここに戦いの火蓋が切って落とされた。

 ぞわぞわと蠢くパスタの群れに対して、サイの熱線銃がその前衛を焼き払う。香ばしい香りが辺りに漂うが、騙されてはいけない。不用意に近付けば捕食され、自身がパスタと化す恐れすらあるのだから。
 フィオは焼き残ったパスタをフォークで絡めナイフで断つ正攻法、絡められればどんなパスタとて易々と抜け出す術はない。
 そして二人に近づくパスタがあれば、それはフィオが呼び出した【謎を喰らう触手の群れ】が絡め取り、その動きを封じる。
 場は完全に二人のペースで制圧されていた。しかしながら、敵の数は圧倒的に多い。例え正面の群れを蹴散らしたとして、パスタの群れは永遠に、津波の様に押し寄せる。
 このままではジリ貧……一か八か、サイは己の熱線銃を恐らくはコアルームがある方角へ放った。前に壁があるのなら、それを破れれば先へ進める筈だと。
 その賭けは成立した。パスタを抜けた壁の先に、僅かながらの血路が開けた事を確認出来たのだ。
「提案があります。私の攻撃で本船構造物に突破口を開けられる事が判明しました。これを以て貴女をコアルームへ送ります」
「そうなんだ……だったら、ここはボクに任せて先に行って!」
 意外にもフィオは、自身ではなくサイへ先に進む様提案する。
「しかし、私では想定される敵戦力を倒しきれません」
「違うよ、道を拓けるならキミが行くんだ。ボクはいいから!」
 誓って花道を譲るわけじゃない、それぞれがやれる事、やるべき事を考えた上での判断。
「いいから!」
 口ごもるサイを叱咤し、先へ進むよう促すフィオ。大丈夫、それにこういうのは一度やってみたかったんだ。
「分かりました……どうか、ご無事で」
 フィオへ返すと共に、コアルームの方角を見やるサイ。最大出力なら、幾つかの壁はこれでぶち破れる筈。幸いパスタの群れはフィオの方へ集中している、突破するなら今だ。
 方位確認。照準調整――仰角3マイナス、伏角プラス5。トリガーフルチャージ。
「この光が、いつか誰かを許しますように」
 銃口より放たれた【星天に花咲く瑠璃唐草】――青紫色の高出力ビームは進行方向の障害の悉くをなぎ倒す。後は拓けた道を進むだけ……
 サイは決意も新たに、前進した。ふさがれた道はまた拓けばいいと、強い決意を胸に秘め。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイ・アイオライト
【SPD判定】
……精鋭部隊が、蓋を開けてみれば特攻部隊。やり口が汚いわね。

ここは盗賊の仕事ね。
【変幻ナル闇ノ曙光】で輸送艦内に存在する闇に同化して『目立たない』ように立ち回るわ。
もし気づかれたら即暗殺、鋼糸の『だまし討ち』で始末よ。
周囲に猟兵がいるようだったら、背中の傷跡から漏れ出す影で隠蔽と防御(『オーラ防御』)、敵の目を欺く。(『目潰し』)

コアルーム内にたどり着いたら入り口を【影ノ傷跡漏出:暗黒領域】の影の壁で塞ぐわ。増援の阻害は徹底的にやるわよ。
自爆装置は『情報収集』『第六感』で捜索して起動するわ。

(共闘、アドリブ歓迎です)


六道・紫音
斬り込み早駆けならば俺の出番だ、存分にやらせてもらう!

・行動
「一気呵成、これより先は死地となる!」
『鎧無視効果』で弱点を狙い『怪力』を発揮して膂力を高め『早業』で極限まで剣速を早めた【陸之太刀《絶佳》】を『二回攻撃』で連続発動し敵を切り散らしながら『残像』を伴う『ダッシュ』で一足飛びに駆ける《縮地》にて一気にコアルームを目指す。
「俺の道を阻むな!」
相手の攻撃は『第六感』と『見切り』で見極めて紙一重で回避し残心のまま即座に『カウンター』で絶佳を放ち、脇目も振らずに縮地で前へ、前へ!
コアルームに辿り着いたら居合一閃にて一刀両断とする。
「斬り捨て、御免!」

※アドリブ歓迎



●真っ赤な戦い

 屍山血河かく有り様、芳しき香りと悍ましき死骸がフロア一面を覆う。
「斬り込み早駆けならば俺の出番だ、存分にやらせてもらう!」
 意気も軒昂、六道・紫音(剣聖・f01807)は単身で輸送船内を蹂躙攻撃の如く、前進制圧を繰り返しているのだった。
 当然、迫り来るパスタの群れも無尽蔵とはいえ、圧倒的な剣捌きの前には一時息切れ、僅かな間隙を開けざるを得ない。
 その隙を逃さず、剣聖の縮地は秒も経たずに次の場所、また次の場所へと圧倒的な速さで進んでいく。ただ一つの過ちを除いて。
「いいだろう……一気呵成、これより先も死地となる、覚悟は良いか!」
 返す反撃の鬨に代わって、高速の横文字めいた奇怪な言語が放たれる。再び、いや三度か。兎に角戦いは再開された。
 しつこく繰り出されるパスタの芳しい香りにも動じず、近寄る先端を撫でる様に切り伏せ、周りを覆う雑多な一塊を上段より両断する。滑るように地を這うパスタにはフロアごと地面を抉る様な斬撃を、飛び交うパスタの群れには百裂の諸手突きを、有象無象を無残な残骸へと変え散らかす剛剣。
「俺の道を阻むな!」
 紫音の剣技は止まらず……そう止まらず。余りにも戦い過ぎる故の弊害、パスタが幾度も殺到してしまう根源。それは正面から戦い過ぎた事である。

 しかし終わりなき戦いに終止符を打つのはいつの世も第三者、不意に放たれた仲間の砲撃が眼前の鉄壁を融解せしめる。幸い、これにより回り道をせずともこれでコアルームへの道は成った。しかし。
『カハッケヘッキャハッカハッケヘッキャハッ』
 穿たれた穴より出ずるはパスタ。軽やかなあるいは重厚な鼻歌を口ずさみながら、圧倒的な速度で進軍してくる異形の群れ。
『カハッケヘッキャハッカハッケヘッキャハッ』
「……精鋭部隊が、蓋を開けてみれば特攻部隊。中身同様、やり口が汚いわね」
 突如、穿たれた穴の影より無数の『影』が放たれた。レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)の【変幻ナル闇ノ曙光】――闇と同化するユーベルコード、そして闇より影の刃を放つ業。
「あたしは影。あたしは闇。アンタを喰らう、暗黒の黄昏―――!」
 紫音に迫っていたパスタの群れは一時、その進軍を止められる。その隙にレイは紫音を手招きし、穴を伝ってコアルームへ進まんと誘う。
「もうのんびりしている時間は無いけど、幸い皆が暴れてくれて、殆どの敵を引き付けてくれている。ここに居る連中で、およそ最後だったのよ!」
 闇に紛れ船内の諜報を行ったレイ曰く、最後の塊が退治され、進路が確保され、敵が分散している今こそ、最大の好機だと。
「成る程……委細承知した、ならば――!」
 全速、縮地。止まらぬ速さは正確にコアルームへ向けて穿たれた穴を伝い、その正面へと躍り出る。
「逃しはしない……陸之太刀《絶佳》!」
 突如現れた紫音の【陸之太刀《絶佳》】に気づく間もなく、背後より切り捨てられるパスタの群れ。生き残りが慌てて迎撃しようにも、続くレイの一撃――影に潜んでいた――に遮られ、返す影の刃で屠られる。二人の登場から僅か数秒、コアルーム入り口は瞬く間に制圧されたのだ。
「ここを開けばいいのだな。斬り捨て、御免!」
 がらんと、音よりも早く立たれた扉が崩れ落ちる。この先を阻むモノはいない。後は自爆装置を確実に起動させるだけ。
「ここからは盗賊の仕事ね。入り口はお願い出来る?」
 承知、と力強く返す紫音。レイはニヤリと笑みを浮かべ、早速盗賊の仕事に取り掛かった。
 情報では同型の船の制御デバイスはコアマシンの直横に……あった。金属を削り出して作った様な武骨な箱に、薄汚れたセグメント表示のデジタル計がついている。
 その制御パネルを触ってみると『LOCKED』の表示が。ならば、と今度は『義賊の七つ道具』でそのカバーを丁寧に外し、内側の配線を確認。
 そもそもプログラムは専門外、ならば古式ゆかしいブッチ切りこそが解除の王道。素早くかつ正確に配線を辿ると、制御系らしき線が3本コアマシンに直結している模様。この中のどれかを切ればいい筈。
 3本3色、赤、青、緑……どう考えても、己の勘に従うならば答えは一つ。
「ここは赤だろ、と」
 瞬間、デジタル計にカウントダウンの表示が残り99秒と映る。同時に大声で紫音に伝えた。
「サムライ、準備出来たよ。逃げよう!」
 刹那、その声が届いたのか転移が始まる――――

 6人の勇士が解放軍艦艇へ戻れた頃、眼前の悍ましい赤を運んでいた輸送船は、
 コアマシンの臨界稼働を受けて装甲ごと真っ赤に燃え上がっていた。
 そしてその赤は直ちに、周辺の友軍艦艇諸共を巻き込んで、盛大に散華する。
 作戦は成功した。赤い悪意は解き放たれる事無く、骸の海へと還される。
 ここに『白魔』艦隊への反抗作戦が一つ、成就したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト