#UDCアース
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●某SNSより
『投稿:チルなJK@haxx44_4xx』
ねねね、噂の弾いてみたの動画みたことある人っている?
『投稿:春の名無し@12qwas34er』
何それ。
『投稿:チルなJK@haxx44_4xx』
リアルに痺れちゃうやつ。めっちゃドキドキするんだって。
『投稿:田んぼの使者@tan_o_sy』
なんかソレ勝手に曲がDLされたんだが……。
「>動画リンク」
『投稿:ニクショク@___^^yama』
聴いたらぜ~んいんしんじゃうんだって!
「…………」
――春の名無し@12qwas34er『入力画面』
今風なオカルトだな、と――打ちこもうとして、止めた。
インターネットで聞くオカルトは、誰でもトライできそうなものが多い。
十中八九釣りだろうけど……。
パソコンの画面横に羅列しているのはネット記事。
殺人、放火、強盗……最近は猟奇殺人が多発している気がする……仮想空間のオカルトなんかより恐ろしいのは……やはり現実だ。
●
「皆さんはインターネット上を舞台にするオカルトってどんなものがあるか知っているかしら?」
ポノ・エトランゼ(ウルのリコ・f00385)が尋ねる。
呪いのメールや閲覧してはいけないサイト、見ると数日後に死ぬ動画エトセトラエトセトラ。
「こういったインターネット上を舞台とするオカルトの中にね、本物のUDC怪物による怪奇現象が紛れ込んでいるみたいなの」
「えっ、怖い駅に連れていかれちゃったり?」
「学校のトイレの花子さんたちの派閥争いに巻き込まれちゃったり……?」
と、猟兵たち。
……そこまで波及してくると別の意味で一大事ね、とポノは言う。
「まあとにかく、本物のUDC怪物による怪奇現象は、閲覧した人の認識や感覚を著しく狂わせちゃうものなのよ」
重い狂気の果てに、いずれは残虐な猟奇事件を引き起こさせる危険なものなのだ。
更に危険なことに、怪奇現象の犠牲者たちは侵された狂気によって、該当のメールやサイト、動画を周りの人に広めずにはいられなくなってしまうらしい。
「幸い、まだそういった拡散は起こってないんだけど。
皆さんにはUDC職員の方々と協力して、この狂気を広める怪奇現象を阻止して欲しいの」
現象の拡散を阻止。そしてネットワークに潜んでいる、原因のUDC怪物を引きずり出して倒す。それが今回の目的だ。
「ほら、今の時期っておたまじゃくしが元気な時期じゃない?」
とある地方で多邇具久――カエルの神様のための祭りが開かれる。国土の隅々まで知り尽くしているこの神様のために春の音楽祭が行なわれるのだ。
「音符に似たおたまじゃくしにちなんでね。大体のカエルは危機を感じると毒液を放つんだけど、今回の怪奇現象はここが発端。お祭りに参加した人々の耳に凄く不快なメロディが届くんだけどその音がひどく体調を崩したり、場合によっては死に至るかもっていうものなの」
猟兵たちが考えこむ。
現象の拡散を阻止する。
それは一体どんなことができるのだろう?
「ネット上での情報工作はもちろんだけど、怪奇現象以上に刺激的なコンテンツを提供することで人々の注目を逸らすのも有効だと思うわ。
今回はカエルの旅立ちや神様を祝福する音楽祭となるのだけど、怪奇化してしまうということは、未来や旅路……先行きに不安を覚えている人が多いのかもしれない」
人々のそういった部分を、UDCアースのオブリビオンは巧妙に突くのだ。
祭りはそういった不安を祓うものだが、今回はUDC怪物が介入している。
「ちょっとした負の弾みで『毒』が拡がってしまうかもしれない。人の心を和ませるイベントを行っても良いし、超美味しい食べ物屋台を出しても良いかも。
光ある未来をどうやって示すのか、それは皆さんにお任せするわ」
もちろん、賑やかしとして純粋にお祭りを楽しむのも手だ。
春の祭りには花がつきもの。花見を楽しむこともできるだろう。
無事にお祭りを終えたら今度はUDC怪物を引きずり出す儀式を行うことになる。
「お祭りは早く終わるの。いつもなら夜8時頃に片付けを終えて消灯よ。今回は祭りとなった場で、光を灯して頂戴」
提灯に再び灯りを入れてもいいし、猟兵自らの力で光を灯しても良い。
「あと、携帯端末を持っている人はインターネットに繋げておいてね」
それが道となる。
今回引鉄となるのは『光』と『生命体の埒外にあるもの』――猟兵の存在だ。
「儀式が成功したら、怪奇現象の本体であるUDC怪物が姿を現すわ」
現れるUDC怪物はいわゆる蜘蛛の姿をしている。
『絆弄ぶ災厄』クラーク。それが敵の名だ。
「オブリビオン以外を斬り裂く蜘蛛の糸で戦場を迷路にしたり、正邪を反転させる鋏と毒、負の力で戦闘力を強化したりと、結構厄介な敵だけど……ううん、きっと皆さんなら大丈夫! ネットワークの内部に潜むUDC怪物の撃破、お願いね!」
ねこあじ
ねこあじです。
プレイング締め切り日などはシナリオタグや、マスターページ、Twitterで記載予定です。
第一章。
春の音楽祭。
どこからともなく不快な音楽が聞こえてくるかもしれないし、聞こえてこないかもしれない。
祭り会場にいる人々がこの音に注目しないように、何かして気を逸らす……またはネットで情報工作をするというのが依頼の目的です。
でも普通にお祭りを楽しんでもいいと思います。
会場のあちこちで演奏が行なわれています。
第二章。
今回の現象を仕掛けたUDC怪物を引きずり出す儀式をしましょう。
要るものリスト「猟兵」「光るもの」「(あればでいいので)インターネットに繋げられる端末」
第三章。
無事成功したら、UDC怪物が出てきますので撃破しましょう。
それではよろしくお願い致します。
第1章 日常
『祭囃子に誘われて』
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POW : 食べ歩いて楽しむ
SPD : ゲームで楽しむ
WIZ : 運試しで楽しむ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
屋台で調理される、お祭り独特の香り。
人の行き交いが賑やかさを醸し出している。
今日は春の音楽祭だ。
大きな会場もあるけれどパンフレットを見て、気になる音楽を見つけては向かっていく人もいる。
――ククッ。
――くくく?
――ケロケロ。
春めいた和の曲にまぎれて何かの鳴き声が聞こえてくる。
「あれ?」
「カエルかな?」
『ケロケロッ……ケ、ゲg、g』
「……でもなんか変な鳴き声」
『ぐあっこグアッkk』
gkgkgkgkgkgk……gg!
鼓膜が打たれ、目眩。脳がぐらんとした。
ガーネット・グレイローズ
認識や感覚を狂わせるUDC…いわゆるミーム汚染というやつだな。
せっかくの春祭りを、邪悪なUDCに台無しにされるわけにはいかないな。
方針としては、不穏な音楽が聞こえ始めたタイミングを
見計らってユーベルコードを使用し、呪いの相殺を試みる。
現場のUDC職員とSNSを使ってリアルタイムに現場の状況を共有。
そして上空にメカたまこEXを飛ばし、会場を《撮影》して《情報収集》。
異変を察知したら現場に向かい、【PSY-Extend】を発動させ、
音属性と強風を複合させた「春の嵐」で謎の音楽を妨害する。
音に合わせてローズタクトを振りながら、力の制御に集中するぞ。
人々がリラックスできる、穏やかな音を奏でよう。
世界は春に包まれていた。
若葉萌ゆるみずみずしく明るい色調。風は陽気をたっぷりと含んでおり、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)の艶やかな赤髪をなびかせる。
春の音楽祭。
周囲は人だかりがある場所があったり、広場で伸び伸びと過ごす家族連れがあったり。その誰もが流れてくる音楽を楽しみ春を満喫している。
人々の様子にふと微笑み、そして表情を引き締めるガーネット。
優しい音色に紛れて差し込まれるUDC怪物のメロディ――この会場の様子をざっと見る限り、不穏さは垣間見えないが――。
(「認識や感覚を狂わせるUDC……いわゆるミーム汚染というやつだな」)
敵の手法がガーネットには見えていた。
せっかくの春の祭りを、邪悪なUDC怪物に台無しにされるわけにはいかない。
あちこちにいるUDC職員――その一部と目が合い、頷きあった。
端末に開かれたSNSを見れば『異常なし』『飛び入り演者のセッションが開かれています』といったUDC職員の情報が共有されている。
ガーネットが解放したにわとり型ドローン、メカたまこEXが銀の翼を広げて空を飛ぶ。キュイッと首を前後左右に振り、カメラに捉えるのは広々とした会場の様子だ。
立ち止まっている人だまり、席の用意された小さな音楽会、それぞれの状況を映したそれはタグ付けされてリアルタイムにガーネットへと届けられる。
少しずつ出来上がっていく会場の『リスト』。
広場を中心に、催事のため歩行者天国となった道にも音楽の連なり。なるほど町おこしみたいなものなのだろう。
音を波紋と例えるならば狙うのはその隙間だろうか。
揺らぎが混ざり、届き合う音の流れが複雑となる場所。
「……澱みみたいだな」
その部分の人の流れはまばらだ。よくよく注視するようにしてメカたまこEXを旋回させた。
その時、メカたまこEXから画像が送られてくる。連射されたそれは――友人同士だろうか、不安げに立ち止まった画像から始まり、だんだんと身を寄せ合うものへとなっていく。
ガーネットは駆け出した。
その画像はUDC職員にも届けられている。そう遠くない現場へといち早く駆けつけたガーネットがローズタクトを取り出した。
耳をおさえた一般人が二人、様子に気付き立ち止まる人が幾人。
ガーネットの耳が怪音を捉えた。
『グアッkkkkk!! ゲッコgkgk01010100kua01101000gg01100101』
「!」
ローズタクトを振れば優しい風が巻き起こった。発動するはユーベルコード『PSY-Extend』。
「私の体に流れるエーテルよ」
UDCアースの世界へと結合し調和されゆくガーネットのサイキックエナジー。その揺らぎが柔らかな音を立てる。
ローズタクトを振るうことで、自身のユーベルコードが暴走しないように彼女は計った。規則的でありながら伸びる自由なタクトにあわせて音の連弾が起こる。
「千変万化の力を以て、無限の可能性を示せ」
放たれた強風は虚空で散開し、穏やかな春のような音色をのせて広範に流れていく。
視界の端では疲弊した一般人二人をUDC職員が保護するところだった。
UDC怪物の呪音を相殺しながら、タクトを振るうガーネットからは人々がリラックスできる優しい音が奏でられている。
ふ、とタクトが止まり、余韻の音色が場に渡る。
「飛び入りかい?」
「初めて聞いた曲だわ」
音色に合わせたかのような、穏やかな歓声がガーネットを包みこんだ。
「ご清聴、ありがとうございました」
思いがけない賛辞に少しはにかんで、ガーネットは礼を返すのであった。
大成功
🔵🔵🔵
箒星・仄々
おたまじゃくしで音楽祭なんて素敵な神様ですね♪
折角の音楽祭に不快なメロディで皆さんを苦しめ
毒=怪奇現象を広めようとは酷いです
UDC怪物さんなんかに負けて堪るものですか
私達の手で最高の音楽祭にしましょう
お祭りで竪琴を奏でます
最初はステージで
皆さんの耳に届きやすい&心に染みやすいはずの
春っぽい馴染みの曲を演奏し歌います
旋律が孕む風の魔力で音の伝わりを操作して
会場の隅々まで聴こえるように
&怪奇現象音は逆に聴こえないようにします
毒&呪詛耐性を込めた旋律で皆さんをお守りしつつ
破魔の音色で染み出てきた毒を消去
これが多邇具久さまパワーです
もし体調を崩している方がいても
元気一杯に回復していただきます
毒の他に
食べ過ぎとか
お祭りで興奮しすぎたとか
回り疲れたとかでも大丈夫です
癒していきますよ~
ステージでの発表が終わったら
ぽろろんと竪琴を奏でながらそぞろ歩いて
明るい日差しの下、お花見を楽しみつつ
万が一染み出てきた毒を破魔のメロディで消し去ったり
不快な音を掻き消したりします
皆さんの素敵な笑顔と日常を守り抜きます
コンサート会場、広場をメインに歩行者天国となった道路をも使った春の音楽祭。
そのパンフレットを広げてパイプ椅子に座る箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)はニコニコとしている。うららかな春の陽気は彼の猫の毛並みを温めて、身体も心もほかほかだ。
「楽しそうなイベントです。おたまじゃくしで音楽祭なんて、素敵な神様ですね♪」
パンフレットの音符がおたまじゃくしぽくなっていて眺めているだけで楽しい。
……それなのに。
ぱたんとパンフレットを畳んで、小さな溜息をつく仄々。
(「せっかくの音楽祭に、不快なメロディで皆さんを苦しめ、毒のような怪奇現象を広めようとは……」)
「……酷すぎます」
音は使い手による、と仄々は思う。
奏でれば「優しい音」「癒しの音」など聴き手を楽しませるものがほとんどだ。
けれども騒音などの不快な音は心身ともに酷い影響を与える。
「UDC怪物さんなんかに負けて堪るものですか」
ぐっと拳を作って竪琴のカッツェンリートを抱え込む。
その時。
「箒星さん」
「あ、UDC職員さん。そろそろ出番でしょうか?」
椅子に座っていた仄々を呼びにきたUDC職員は彼の問いに頷いた。
ぴょんと弾みをつけて席を立った仄々は、当日参加歓迎のステージを見上げた。
『さあ、次の演者は竪琴を奏でる仄々さん! 春の曲をメインに、心温まる曲を披露いたします!』
司会者の紹介に、床几に座る観客たちが仄々を拍手で迎えた。
仄々がステージから眺める光景――野外ステージの周囲には赤や青、優しい色合いのパステルカラーの野点傘。そこには家族連れや友人同士、おひとりさま、といった様々な人たち。
仄々はぺこりと一礼し、用意されたクッションに腰を下ろした。数あるマイクに囲まれる。
ぽろん、と爪弾けば優雅に流れ始める竪琴の音色。
最初はアースでよく流れる春の曲。
オープニングらしく短く、けれども心惹かれる曲から繋げるのはサクラミラージュで流行っている曲だ。軽めのテンポながら、桜に満ちた世界の曲は優美だった。
そしてアルト向けの音域はとても歌いやすい。仄々の伸び伸びとした歌声が同時に披露される。
「わあ」
と、感嘆の息が人々から零れている。
人々の関心がよりステージへと集中した時、それは仄々の耳に届いた。
それはUDC怪物が繰り出す怪音の滑り出しともいえる音。人の耳に捉えることができない周波をケットシーである彼は容易く捉えることができた。
『ケロケロkkk00100000ケケケ01100111ゲコ01110101gkgk01101001』
紡ぐ指先、震える弦に魔力を込めれば柔らかく優しげな春の風が吹いた。
『01100100krkrケロ? 01101001ケロr…………』
風属性を含んだ音色がUDC怪物から送られる狂気の音をかき混ぜ、散らし、遮断していく。
変わりに仄々の奏でを風に乗せて会場の隅々まで届けていった。
毒と呪詛の耐性を含んだ音色は、今、狂気の音にさらされている人々や怪奇に対応するUDC職員、猟兵たちを守るだろう。
仄々の演目はアルダワ魔法学園のものへ。アルケミーな音色を懐中時計であった竪琴から繰りだし、奏でる。
最後はUDCアースの彼らが良く知る春の童謡だ。
演奏を終えて一礼した仄々がステージを降りれば、清聴していた人々の会話が聴こえてくる。
「最近、いろいろ悩んじゃってたけど、ポジティブになれたかも?」
「うん。来てよかったね」
「へへ、動画撮っちゃった」
「良かったとこ投稿しちゃお」
SNSで仄々の曲が投稿されてしまうらしい。
(「……、嬉し恥ずかしですね~」)
耳をぴこぴこ。みんなの会話を聞きながら、仄々はにゃごにゃごと呟いた。
そのままステージのある広場を抜けて歩行者天国となっている道に入り歩く。
「あれは…………」
看護用テントを見つけた仄々はそっと近付き、耳を立てる。
聞こえてくるのは体調不良になってしまう人が多い、とか、熱中症だろうか? とか、胃腸の不調を訴える人が多いという話し声。
UDC怪物の狂った音を耳にしてしまい、しばらく休んでいる人たちがいるようだ。
「だいぶよくなりました。ありがとうございました」
「お大事に」
先程の仄々の演奏でいくらか回復し、帰路につく者もいる。
とんとん、と竪琴を爪先で叩き、その二拍で思いついた曲をぽろろんと奏でる仄々。
誰かの心に添うように、尖った狂気にあてられちくちくする心をなだめるように、優しく奏でながら再び歩く。
休憩にと屋台で買った桜餅を食べながら公園でお花見。見上げれば花弁がはらはら落ちてくる満開の桜があり、青空を華やかに彩っている。
それでも仄々の耳は立ち続け、警戒を緩めない。
侵食してくる狂気は密やかに蝕み、一気に闇に堕とすものだから。
生垣のツツジを見て歩く人々は休日を満喫する。忙しない日常に身を置くからこそ、この日はリフレッシュに訪れているのだ――心地良さに満たされて帰路へついてほしい。仄々はそう願う。
(「もうひと頑張りです」)
こくこくと冷たい麦茶を飲み干した。
「皆さんの素敵な笑顔と日常を守り抜きましょう」
どんな狭い場所にも、遠くの果てにも届けんとする決意。
(「多邇具久さまパワーを届けるのです」)
今日を最高の音楽祭にするために。
今日もケットシーは音楽を奏でる。
大成功
🔵🔵🔵
木元・杏
【かんにき】
蛙の神様
人々を導き、そして帰路をも導く神の使い
何だかとても尊い…
ので、わたしも緑のカエル着ぐるみ着用
さ、皆でお祭り楽しもう
れっつごー!
一通り露店(食べ物)を楽しみ、他の方々の音楽も楽しめば
よし、真琴とまつりん歌う?
ならばわたしは蛍光ステッキ両手にバックダンサーとしておたダンスなるものを踊ろう
んふ、以前おとうさんが踊ってるのを見て覚えた(ドヤ顔
短い足と手を目一杯動かし、激しいリズム的な動きで踊るよ
小太刀のオカリナすごくいい
ノッてくれば、うぉぉおういえぇぇぇい!と歌も添えるけど、動くと同時は音程外れてしまいそう
変な音聞こえる?それはきっと蛙神のノリノリな歌声
貴方が行き戻る道への祈りの音
木元・祭莉
【かんにき】だよ♪
ポノちゃん、カエルさんって言ってたっけ?
右頬に青、左頬に赤のペイント、カエル帽子!
なんせおいらは、おまつりん!
くるくる回りながら、会場を練り歩くよー♪(両手に肉串)
アンちゃんが迷子になったときのために、屋台に目を通していくね。
ピーマンとトマトの屋台、あるかなぁ♪
あ、赤い髪のひと……見失っちゃった。後で会えるかな?
ぴく。
なんか嫌な音が聞こえた気がしたら。
打ち消すような大声で、上書きしようー♪
ふぃー☆ふぃー★ふぃー☆ふぃー★
ワンワンワンワンワンワンワンワン・ケローケロー、ゲロ!!
母ちゃんに習ったイチコロの歌を、父ちゃん風にアレンジ!(キメポーズ)
歌って踊って、お祭り楽しもうねー♪
鈍・小太刀
【かんにき】
杏につられてカエル着ぐるみ着用
ほら、杏がどうしてもって言うから…(言い訳しつつ、ウキウキ♪
あの飴細工かわいい!
ピーマン串!?無くていいから!
カエルの歌が聞こえてきたら
無駄に燃やす対抗心
お祭りの音楽にどっちが相応しいか勝負よ!
杏も真琴もノリノリね♪
まつりん…(あかりおじさん風の歌にちょっと遠い目
でも掴みはOK、そういうことにしておこう、うん
お祖母ちゃんお祖父ちゃんと一緒に
私もオカリナで伴奏を
旅立ちを祝い未来へと願いを託すお祭りなら
カナカナの故郷で出会ったこの楽器はきっと丁度いい
勿論カナカナ達の様に上手くはないけど
あれから少しは練習したんだから
ちょっとはマシになったかな?
※アドリブ歓迎
琶咲・真琴
【かんにき】
かえるって縁起がいいって聞くよね
へぇ、蛙の神様ってそんな話があるんだ?
杏姉ちゃん、よく知っているね
すごいや
音楽祭なんだし、ちょっとした楽器も売っているのかな?
ちょっと探してみよう
あ、かえるのパーカー発見
買って着ようっと
屋台もたくさんあるね
祖父ちゃんと祖母ちゃんも呼んで(UC発動
皆で回ろう
トマトはいらないっ?!
結構見て回ったね
歌も聞こえてきたし
この辺りでやる?
祖母ちゃんは自前のホルンを
祖父ちゃんはタンバリンで
姉ちゃんと一緒に伴奏
オレはボーイズソプラノで
まつりん兄ちゃんと一緒に歌う
え、その歌ってなに?
って、杏姉ちゃん?
その激しい動きは………
え、バックダンス?(戸惑い
アドリブ歓迎
「あっ、たにぐくさまだー!」
「一緒に写真とってぇ」
緑のカエル着ぐるみを着用した木元・杏(ワンコイン以下とは思えぬコスパ・f16565)と鈍・小太刀(ある雨の日の猟兵・f12224)が子供たちに囲まれる。
「いいよー。皆で撮ろっか!」
寄ってきた子供の頭を撫でて、小太刀が快い返事。
神様人気者、と、嬉しく思った杏がうむうむとひとり頷いていたら、
「ほら、杏も!」
「ん、ぱしゃー」
小太刀に手を引かれ、会場のカエルの像を挟んでの記念撮影。
ありがとー、と子供たちが去っていく。そして新たに駆け寄ってくる少年たち――木元・祭莉(功夫が足りていたから・f16554)と琶咲・真琴(深き霧に迷い、導きの光を見出せぬ継承者・f08611)の姿があった。
「おつかれさま~」
今日の祭莉は祭莉らしくおまつりん仕様だ。右頬に青、左頬に赤のペイント。ふわふわとした髪にはカエル帽子が乗っている。
「はい、おにく!」
と両手に持っていた肉串を二人に差し出す祭莉。何しろ手足の短い着ぐるみを選んで着た二人なので、串は自身で持っても先の方しか食べられない状態である。
どうして手足の短い着ぐるみを選んでしまったのか。
『杏がどうしてもって言うから』
と言いながらウキウキと着た小太刀。
ともあれこれは容易く転がってしまうので、少年二人は少女……いや丸いカエル二体をガードしてここまで歩いてきた。
「まつりん、えらい」
「ありがとー」
肉串を食べるカエル。タレは濃かったがさっぱりとした味わいのカエル肉のようだった。いやこれはチキンであったが。
もぐもぐ小太刀は弟の真琴を見て目をぱちくりとさせた。
「って、あれ? 真琴、そのパーカーいつの間に?」
「露店で見つけたんだ。かわいいよね」
フードを被ってしまえば完全にカエル。カエルキャラクターのパーカーのお披露目をする真琴。
「カエルって縁起がいいって聞くよね。なんか雑貨もいっぱいあったよ」
再びうむうむと頷き始める杏。
「蛙の神様。人々を導き、そして帰路をも導く神の使い」
迷ってしまえばしっかりとした注進を聞くこともできる。そんなカエルの神様を、杏は尊く感じている。
「へぇ、蛙の神様ってそんな話があるんだ? 杏姉ちゃん、よく知っているね」
すごいや、と真琴はにっこり微笑んだ。
「音楽祭なんだし、ちょっとした楽器も売っているかな?」
「屋台もいこうよ、屋台!」
後ろから真琴の肩に手を置いて、電車ごっこみたいに小太刀が歩きはじめる。
「姉ちゃんはオカリナ持ってたよね?」
「うん、アックス&ウィザーズのやつ。真琴はどんな楽器が欲しいの?」
「えっ、うーん、祖父ちゃんと祖母ちゃんは持ってるから……オレの? いややっぱり見てから決める!」
そう言って片翼でふわふわと浮くfamilia pupaを見上げた。
春の陽気に四人の足取りは弾み、片翼の人形たちもくるくると楽しげに浮遊する。
広場のコンサート会場をメインに、歩行者天国となった道路では色んなストリートミュージック。
フードストリートには美味しそうな食べ物屋台がたくさんだ。
唐揚げ棒に焼きとうもろこし、タレたっぷりのイカ焼きにはし巻き。
そのひとつひとつを堪能していく。
美味しそうなものがいっぱいで左右向けばくるくる。回りながら祭莉たちは会場を練り歩く。
杏が注視した屋台はおまつりんチェックが入った。杏が迷子になればリストアップされた屋台候補にいる可能性は高い。
先の先まで見越した双子の兄――であったが、次第に脳内リストがずらずらと長くなっていくのでちょっとパンク寸前になりそうだ。
「あ、赤い髪……」
途中見知った鮮やかな赤を見つけて目を惹かれた祭莉だが、くいくいっと袖を引っ張られる。
「まつりん、甘いもの。フルーツ飴」
杏がふらふらと寄っていく飴屋台。
「おー、ふるーつ! ピーマンとトマトもあったりするかなぁ♪」
「ピーマン!? 無くていいから!」
「トマト?! いらないっ!」
何気ない(?)祭莉の言葉へ即座に返ってくる拒否反応。
「ん、じゃあ焼きピーマン串と焼きトマト串探しとくね♪」
「「いーらーなーいっ!!」」
もうっ! と憤慨して小太刀は杏の隣へ。
「飴細工もあるんだね。これ可愛い」
カエルとカカシの並びがそこにはあった。可愛い、と差したのはイチゴ色のカエル飴だ。
「ん、それはイチゴ(ヤドク)ガエルというカエル」
カエルに関して物知り(?)な杏が途中小声になりながら小太刀に教えた。
「へーイチゴガエルもいるんだ。可愛いね」
童謡、クラシック、春の曲のアレンジロック。
広範の会場にはたくさんの音楽が溢れていた。人の行き交いもあって賑やかだ。
カエル着ぐるみが通るだけで擦れ違う人の声が華やいだ。
けれどもよく見ていると看護用テントを目指す人も多い。
すかさず出てきたUDC職員が案内していて、四人はそういった人がやってきた方向へと向かっていった。
祭莉の狼の耳がぴくっと立ち、探るように動く。
「なんか嫌な音!」
『グエッk01101110krkrケロケロ01100111グクgg00100000――』
耳から入ってくる音は頭を沸騰させるかの如き呪音。出現したばかりの音域はまだ人の耳には届かないものだが、その音波は人の身に影響を与える。
「ふぃー☆ ふぃー★ ふぃー☆ ふぃー★」
祭莉が打ち消すように大声を上げた。そして始まるのは――【かんにき】のセッション!
タン、タタタンッ、と祖父がタンバリンを打ち、伴う鈴の音がシャラララと鳴りだせば祖母が空高くホルンの奏でを響かせた。
「お祖母ちゃん、お祖父ちゃん」
小太刀が見上げれば誘いの音色。嬉しくなって彼女は、…………、まず着ぐるみの中で手を着ぐるみ腕から引っこ抜いて、懐から貝笛を取り出した。
そして得意のボーイズソプラノを披露しようとした真琴であったが。
「ワンワンワンワン」
祭莉の歌は初めて聞くものだった。乱歌咆哮ワンワンワン。
「え、まつりん兄ちゃんその歌って」
何???
祭莉と目が合うも笑顔でばちんとウインクが返された。
(「母ちゃんに習ったイチコロの歌を、父ちゃん風にアレンジしてみたんだよ!」)
という説明が真琴に伝わったかは分からない。
「まつりん……」
双子の父風の歌にちょっと遠い目になる小太刀…………そうあれはまだ小太刀が幼かった頃の話。家族同士で花見を楽しんでいたら何故か突然に怪声が響いた春のこと…………。
「ワンワンワンワン・ケローケロー、ゲロ!! ~~♪」
祭莉は歌って踊って、決めポーズ。独特とはいえテンポは分かりやすい。真琴は即興で犬のように駆けるカエルのワルツのように歌った。
カエルおなかポケットに手を入れた杏が、スチャッと取り出した蛍光ステッキ装備。両手にくるんと回る。緑とピンク色のステッキは華やかな弧を描いた。
ステッキを打ち、回す!
振り上げ素早く回転させて、波打たせる!
着ぐるみを活かしたカエル飛びも披露し、際立つジャンプ力で見事な着地。杏は転がることは無いだろう。デキる娘なのだ。
転びやしないかとひやひやしていた真琴は、歌いながら胸をなでおろした。
弾むタンバリン、空を抜けるホルン。
声を音楽にして奏で響かせる、少年たちの軽快な歌。
澄んだ小太刀の音色は穏やかな春の海を思わせた。疲れた心身を癒してくれる彼の風景。
――旅立ちを祝い未来へと願いを託すお祭りなら――。
カナカナの故郷で出会ったこの楽器はきっと丁度いい。そう思って手にした楽器はあたたかな音色を奏でる。
緑多き大地での旅。勇者たちの旅路。それを追っていった猟兵たち。
あれからだいぶ時は経ってしまったけれど、
(「少しは練習したんだから」)
ぎこちなかった小太刀の音色は済んだ音色に。寄せては引く波のように途切れなく。
うぉぉおういえぇぇぇい! ――そうこんな波の音。波?
「うぉぉん、いえぇっえぃ!」
めちゃくちゃ歯切れの良い、スパッとした歌。……うた?
負けじと祭莉が声を張り上げ、双子特有の合奏を真琴の声が調和する。
「歌って踊って、お祭り楽しもうねー♪」
杏から受け取った一本の蛍光ステッキを振って祭莉は笑顔を振りまいた。
小太刀が見ればぐるぐる回るカエル(杏)がいた。お供のうさみみメイドさんは緩やか回転だ。
『ゲコ……011……グエグエ……010gege00……』
UDC怪物の起こす怪奇が相殺される。
(「変な音が聞こえたら、それはきっと蛙神のノリノリな歌声」)
好き好きに春爛漫の狂い咲き。
けれどもそれは人を惹きつける満開の如く。杏は微笑んだ。
これは――貴方が行き戻る道への祈りの音。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『電脳怪異降臨儀式』
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POW : 特殊な舞踊や寝ずの番を行う。
SPD : 小道具の調達や奇怪なコードの打ち込みを行う。
WIZ : 召喚術式の解読や魔術儀式の詠唱を行う。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ネットワーク内に潜むUDC怪物は0と1を蜘蛛の巣のように張り巡らせていた。
けれども狂気に絡め取れたモノはいない。
一人掛かってしまえば、家族、友人、恋人――ずらずらと絆の糸を手繰り寄せることができたのに。
主よ導きたまえ。
我が力は外界との経路を構成するためにあり。
現世にふさわしいのは狂気である。
●
「ひとまずはお疲れさまでした」
UDC職員がそう声を掛けてきた。
音楽祭会場となったのは広範であったが、現在は歩行者天国は解かれて帰路へつく人々。
屋台などは片付けが始まっており、片付いた場所から明かりが落とされていく。
「我々はこのまま人の出入りを規制する任務に就くこととなります。皆さんはインターネットに潜むUDC怪物の召喚をお願いします」
「そうだ。端末をお持ちでない方はこれをどうぞ。貸出用のスマートフォンです」
と、UDC職員が言った。インターネットに繋がっている端末をいくつか用意してくれたようだ。
暗くなった会場――広場はまだ日中の気配が残っているように感じた。
リーリー、ヂーヂーと虫が鳴く、静かなる夜の音楽祭。
闇に染まった地には今だ怪奇が漂っており、明日も明後日も、UDC怪物の琴線に触れれば容易く狂気が発露することであろう。
元を断たねばなるまい。
新たな灯を手にして――蜘蛛は――明かりに惹かれた絆弄ぶ災厄・クラークは、再度『巣』を張ることだろう。敵の繰り出すであろう『糸』を猟兵たちは掴むことができる。
猟兵のその身ひとつあればいい。
端末と灯を介し、今回の禍となったUDC怪物を召喚するのだ。
懸念はひとつ。
UDC怪物はいつどのようにして出てくるのかが不明だということ。
開幕、斬り裂く蜘蛛の糸で場を迷路化となれば猟兵が分断されるかもしれない。
降臨儀式を行うとともに、何か事前準備できる対処方法はあるだろうか――。
ガーネット・グレイローズ
【かんにき】
「やあ、皆もこのお祭りを見に来ていたのだね」
よく見知った顔ぶれとの邂逅に驚きながらも、笑みを浮かべて対応。
ここからは協力して行動しよう。
「光を用意すればいいのか?ならば…」
そう言って【パイロキネシスα】を発動させ、会場に無数の火球を発生させる。空に浮かべれば辺りを照らす光源になるし、敵の奇襲に対応する攻撃手段にできる。さあ、何処からでも出てくるがいい。
「ん、これは何?」
真琴に差し出されたのはカエルが描かれた缶バッジ。
…なるほど、これが私達の「絆の糸」ということか。
スマートフォンでSNSを眺めながら、敵がやってくるその瞬間を静かに待つ。ヒマワリに兎にカエル…なかなか愉快な集まりだね。
木元・杏
【かんにき】
ガーネットとも合流
カエル着ぐるみ着たままぽてぽて駆け寄り
あっ…(コケる
ふふ、ガーネットもカエル推しだった?
ん、これからは蜘蛛を誘き出し
スマホを借りれば、初めての文明の利器に興味津々
これは…強そうな武器(ぶんぶん振る
小太刀にスマホの使い方を教わって
…んむ、周囲か明かりに包まれた?
おぉ…ガーネットすごい
火球はお祭りの提灯みたい
ふわふわ浮き移動し、集まれば明るく、散れば暗くなり会場全体を柔らかく包んでいくね
よし、SNS大丈夫(まつりんのスマホに「たまこ」とテスト送信)
真琴、わたしもかえるバッチをひとつ頂く
着ぐるみの頭部分に引っつけて、スマホでネット(美味しいカフェを検索)見つつ静かに待つ
琶咲・真琴
【かんにき】
ガーネットさんも来ていたんだ?
うん、よろしく
絆の糸、か……
お揃いのアイテムでもあればいいかな
実はさっきの祭りでカエルパーカー以外にも買ったものがあってね
じゃーん、かえるの缶バッチ
ガーネットさんにもお土産にと思って買っていたから
全員分あるよ
これを皆で持っていよう
祖父ちゃん、祖母ちゃんのもあるから付けておこうか
UCでトライアングルを持った兎の人形を召喚
オレや姉ちゃんたち仲間の側にいてもらって
UDC怪物の出現の警戒をしてもらおう
オレはスマートフォン持っていないから
借りてっと
杏姉ちゃんと一緒に
姉ちゃんに操作を教わろう
ガーネットさんの光は優しいな
季節外れの蛍のようにも見えるね
アドリブ歓迎
木元・祭莉
【かんにき】にガーネット姉ちゃんも合流ー!
いやー、お祭りん楽しかったね♪(まだケロケロ歌ってる)
えっと、邪神呼ぶんだっけ?
すまほは前に買ったのがあるよ、久々に覗いてみよ♪(SNS確認)
で。召喚?の儀式?とかいうのを進めるんだっけ。
そだ、せっかくだから、さっきのケロケロの唄、みんなのすまほにも送っておくね!
もし分断されても、音で方向わかるかなって!(耳ぴん)
あー、少し早いケド、母ちゃん呼んどこうかな♪
れっつ・だんしん!(ゆべこ)
会場に揺れるニコちゃんヒマワリ。
魔除けの踊りを踊ってもらうよ!(ふわりゆらり)
のんびり、屋台出して拠点設営(ケロバッジ装着)。
蜘蛛が出るまでは、一緒に踊ってよっか♪
鈍・小太刀
【かんにき】
あ、ガーネットもいた!
杏、走るとコケるんじゃ……あ
デジタルな蜘蛛の巣か
ふむふむ、分断の可能性もあると
向こうが絆の糸を辿って獲物を狙えるってんなら
こっちだって駆け付けてやるんだから
皆で帰るおまじない
この、お揃いのカエルぐっずがあれば!(着ぐるみ姿でどーん!
あ、着ぐるみじゃなくてこっちこっち
真琴が用意してくれた缶バッジの方で
スマホは武器…なるほど、魔導書の角で殴る的な
強そうといえば、こんなのはどう?
(杏の携帯の待ち受けをたまこ仕様に設定しつつ
ほらほら、まつりんも♪
ガーネットの火球に思わず見とれ
あ、写真撮らなきゃ写真!
向日葵も一緒に、なかなかの映え具合
皆と繋いだSNSにもアップしとくね♪
「見つけた~」
「ガーネット!」
ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)を見つけて駆け寄っていく。
軽やかな走りをみせるのは木元・祭莉(功夫が足りていたから・f16554)で、その後ろをポテポテと追うカエル。
「やあ、祭莉にカエ――杏」
一瞬驚いた表情を浮かべ、ガーネットは二人を笑顔で迎えた。祭莉を追う丸い物体はよくよく見れば木元・杏(ワンコイン以下とは思えぬコスパ・f16565)であった。カエルの着ぐるみを着ている。
「杏、走るとコケるんじゃ……」
はらはらとした様子のカエルその2もとい鈍・小太刀(ある雨の日の猟兵・f12224)がゆっくりとした足取りで近付いてくる。
「ガ、ガーネット……まつりん!」
どんどん引き離していく祭莉を必死に追う杏の声もまた必死。短い両腕を伸ばしたところでバランスを崩した。
「「あっ」」
絶妙なバランスを保っていた少女は呆気なくごろろんと転がってしまう。ばたばたと短い手足を動かして更にコロコロ。
起き上がれない杏の惨状に「あちゃ~」と呟いて小太刀も駆けつけようとするのだが、身体をバウンドさせるようにして彼女を止めたのは琶咲・真琴(深き霧に迷い、導きの光を見出せぬ継承者・f08611)。
「姉ちゃんもコケちゃうよ」
そう言って手を繋ぎ、慎重に姉弟で歩き始めた。辺りは暗い時間帯なのだ。
「ガーネットさんも来ていたんだ? こんばんは」
「やあ、こんばんは。皆もこのお祭りを見に来ていたのだね」
真琴に挨拶を返し、よく見知った顔ぶれを順々に見ていくガーネット。
「いやー、お祭りん楽しかったね♪」
ご機嫌祭莉はさっきの歌を軽く口ずさみながら、何だか手慣れた様子で杏をコロコロ転がし起こした。ぜぇはぁと息を切らしながら妹は座り込んでいる。
「えっと、あとは~邪神呼ぶんだっけ? UDC怪物だっけ?」
「……ん、蜘蛛? の怪物を誘き出し」
兄の言葉に杏はこくこくと頷き答えた。
「皆、スマホは持っているかい?」
年長者よろしくガーネットが四人に尋ねれば、「持ってるよー」とか「ないでーす」と無邪気な声が上がった。
「よし、では真琴と杏はUDCからスマホを借りるとしようか」
何だか先生になった気分でガーネットが二人を促し、連れていく。
前に買ったスマートフォンを意気揚々と取り出し掲げる祭莉。お~と小太刀は拍手した。そんな空気だった。
「あぷりも入ってるよ! 久々に覗いてみよ♪」
「まつりん、どのSNSに入ってるの?」
「なんか青い鳥のやつとアマガエル色のやつ。使ってないケド」
けんさくけんさく、と音楽祭のことを検索したら猟兵の動画がもうアップされている。
「借りてきた!」
短い両手にスマートフォンを掲げて杏が再び駆け寄ってくる。その走りはやや慎重だ。真琴は不思議そうに何かのアプリをタップしたり、閉じたり。
「これがスマートフォンか~。姉ちゃん、どうやって操作するの?」
「んーっと機種は……なるほど。スマホはねぇ、操作は大体どれも一緒なんだけど――」
小太刀が少し屈み、真琴が持つスマホを覗きこむ。ほうほうと逆側から杏も覗き込む。
三人の様子を見て、祭莉は呟いた。
「ガーネット姉ちゃん、見て。カエルのUDC……」
「しっ!!」
祭莉の言葉にガーネットは人差し指を口元にあてた。丸いカエルに挟まれた真琴は何だか儚く見える。
それはそれとして。早速小太刀を介して祭莉とガーネットのスマートフォンにそれぞれのSNSアカウントが送られてきた。
「とりま連絡先は設定してみたよ」
「せっかくだから、さっきのケロケロの唄、みんなのすまほにも送っておくね! それに、もし分断されても、音で方向わかるかなって!」
何かあったら鳴らしてね♪ と、狼耳をぴんっと立てて祭莉が皆に言った。
ふぃーふぃーとテンポのよい祭莉の声があちこちのスマートフォンから上がる。
「ありがと、まつりん。これで……この武器はれべるあっぷ」
ぶんぶんとスマートフォンを振る杏。ふぉぉぉんと録音された祭莉の声がこだました。
「初めての文明の利器」
そう言う原始カエルは嬉しそうだ。しゅっと繰り出すスマートフォンは斬撃の如き勢いに乗せられていた。
「スマホは武器……なるほど、魔導書の角で殴る的な?」
確かに硬いよね、と小太刀はスマートフォンをまじまじと見つめた。
「むしろ魔法的な要素を組みこんだ方が早いんじゃ……? ほらアプリとかさ」
と、言うのは真琴だ。原始カエルたちと会話すれば、とても文明人的な立ち位置となっている。スマートフォン初心者なのに。
「あ、ますますなるほど。強そうといえば、こんなのはどう?」
小太刀は自身と杏が持つスマートフォンで何かを操作する。同時に皆の元に画像が共有された。
「ほらほら、まつりんも♪」
「へ? ……………………うわ」
共有された画像が開かれれば、本気で引いた祭莉の声が零れた。
スマートフォンには画面いっぱいの鶏。否、たまこ。
「まつりん、テストする」
追いうちに操作練習として杏から祭莉へとテスト送信。
そこには『たまこ』と書かれていた。
「何だか魔除けになりそうだね」
「まあ守護神だとは思うから……」
今度は真琴とガーネットが呟きあうのだった。
「で。召喚? の儀式? まだやることあったよね?」
「そうだね。光は私が用意しよう」
ガーネットは祭莉へと頷き応じた。
「じゃあ、おいら色々準備しとくねー♪」
がったんごっとんと屋台出して設営を始める祭莉。
召喚のタイミングはこちらで計れるのが幸いか。
残虐な猟奇事件を引き起こす怪奇現象。ネットに潜む闇、それを拡散拡張して操るのUDC怪物。
ネットの海はまるで骸の海のようだなとガーネットは思った。
春の夜は少し涼しい。遠く照らされる町の明かりがほんのりと夜桜に触れている。
近く煌々としているのは少年少女たちのスマートフォンの光だ。
日本、いや世界中のあちこちで照らされる現代の光は絶えることがない。苦しい夜、つらい夜――眠れない夜のよりどころ。それは各々の居場所であった。
インターネットを通じて繋がる人々に触れようとする狂気。断じてゆるすわけにはいかない。
サイキックエナジーを流動させて、ガーネットはユーベルコード『パイロキネシス・α』を発動させた。
わあ、と感嘆の声が上がった。
見上げた小太刀の瞳がキラキラとしている。
「ガーネット、すごい」
杏も、祭莉も真琴も。数多の光が浮かぶ夜空を見上げた。
「ガーネットさんの光は優しいな。季節外れの蛍のようにも見えるね」
穏やかに真琴が言う。
蛍の光のように、けれども確かな存在を主張する光。無数の火球はほんのりとした光を拡散していた。春の夜気は水分をたっぷり含んでいるのだろう。
そのなかで真琴の兎の人形がくるりくるりと回っていた。人形が持つトライアングルが反射し、煌いている。
ふぃー、ふぃーとカエルに似せながらも何処か癒しを与える音色は祭莉から。
れっつ・だんしん! と咲かせた向日葵がゆらゆらゆらりと揺れている。
大きく開いた葉っぱに、火球のあたたかな熱を受けて。
はい、これ。と真琴はガーネットにカエルの缶バッチを手渡した。
見れば真琴のカエルパーカーに。
祭莉のカエル帽子に。
「分断の可能性もあるんでしょ? 向こうが絆の糸を辿って獲物を狙えるってんなら、こっちだって駆け付けてやるんだから!」
どーんと真琴に抱き着くようにして、小太刀。カエル着ぐるみの(真琴からしてみれば)巨体の頭部に、杏とお揃いの位置で缶バッチ。
「皆で帰るおまじないだよ」
「なるほど。カエル、か」
少年少女が纏うたくさんのカエルグッズに気付いて、ガーネットは微笑んだ。
真琴の祖父祖母にもちゃんと缶バッチ。
『投稿:こだち@rainy_rainy_vv』
画像が投稿されました。
皆の写真を撮っていくのは小太刀だ。綺麗な夜空、友達との自撮り――は着ぐるみ姿でどうあがいても面白画像となってしまったが――皆と繋がるSNSに上がってくる写真たち。
『投稿:まこと@rabbit_rainy_chill』
――逆光に煙る二体の人形が映されている。
『投稿:まつりん♪@sanhurawaaaaaa』
――様々な角度のピーマン画像が連続投稿されている。
「なるほど、これが私達の『絆の糸』ということか。……ヒマワリに兎にカエル……なかなか愉快な集まりだね」
と、ここで美味しそうなカフェの位置共有。
『投稿:カエルあん@oniku_vv』
うちあげ に 夜 かふぇー いこ♪
歌って踊って。
賑やかなのに穏やかな夜。
『投稿:グレイローズ@almandine_g』
――・・・
ガーネットの指先がスマートフォンを軽く叩き、いいねのスタンプが投稿された。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
箒星・仄々
おたまじゃくしが一杯の素敵な音楽祭でしたね
引き続き多邇具久さまパワーで頑張ります
貸し出し用をお借りしましょう
怪物さん儀式に使用したスマホ…
作戦後は廃棄処分でしょうか
後は光るものが入り用でした
素敵な誘蛾灯を作りましょう
虫さん達の合奏に合わせるように
竪琴をぽろろんと静かに爪弾き
音色の魔力で炎を生み出します
掌サイズの炎を無数に生み出して
静かな風の魔力の力も添えて
蛍のようにふわふわと宙を漂わせて
一面を満点の星で満たします
明るく見通しがきいて
更に風が動きや音を教えてくれますので
怪物さんの出現に気づいたり
迷路もすぐに抜けられるかも
炎は糸を容易く燃やし
炎&風の魔力には殺虫(殺蜘蛛?)の状態異常力を込めています
炎を斬ろうとしたら(そうでなくても
痛い目にあっていただきましょう
戦い前の今だからこそ
私たちが守りたいもの
即ち昼間のお祭りの皆さんの笑顔や楽し気な喧噪を思い返して
今を生き、未来へ進む人々と世界への賛歌を込めて
夜の静寂に沿うように演奏を続けて
想いと魔力とを静かに高めていきます
さあ、いよいよでしょうか?
祭りの余韻というものは心がゆるく弾み、どこか寂しげであり、穏やかであり――名残惜しいとはまさにこのことだろう。
日中は数多の音楽に溢れていて、夜の帳が落ちてくれば「リーリー」「ヂヂヂ」と春の虫たちの小さな音楽会。
耳をピンと立てて箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は小さな彼らの声に聴き入る。
(「お昼は、おたまじゃくしが一杯の素敵な音楽祭でしたが、これはこれで――」)
にっこりと微笑んだ仄々は自身の手元に視線を落とした。
明るい光が放たれる板――スマートフォンの画面の光がくりくりとした仄々の瞳を煌かせた。
UDC職員から借りたスマートフォン。期限のあるプリペイドSIMカードが挿入されているらしいが、説明を受けた仄々はこてりと首を傾げたものだ。
それでも操作方法を教われば、この薄い小さな板にはたくさんの魔法が詰まっていることが分かった。
動画サイトに繋ぐと仄々の知らない音楽――演奏方法や楽器――がまだまだあると知り、心はわくわくうずうず。
SNSでアカウントを作ってもらって今日の音楽祭のことを検索すれば、仄々や仲間の猟兵たちの音楽の感想だったり。
多邇具久さまの逸話が語られていたり。
狛犬ならぬ狛蛙の画像がアップされていたり。
(「なるほど。皆さん、いろんな視点で見て、感じて、楽しんでらっしゃるのですね」)
音楽祭としての歴史は浅いが、多邇具久さまは長く愛されていることが分かる。
指先を画面にすいっと滑らせて、タッチ。
『ほのぼの☆彡@minstrel_wiz』
――いいね☆を送りました。
「ますます気合いが入ります。引き続き多邇具久さまパワーで頑張りましょう……!」
ストラップのつけられたスマートフォンを首から提げ、仄々はぐっと握りこぶし。猫の手がくるんと丸くなった。
メラッと心が燃え上がり始めたところで、さて作戦開始である。
「ええと要るものは……スマートフォン、あとは光るものでしたね。光るもの……?」
――。
虫たちの合奏を聴きながらしばし考える仄々。
やがて何かを思いついたのか、優しく竪琴を抱いてぽろろんと静かな爪弾き。渡ろうとした音がゆるりと揺らいだように、光となって顕現した。
ぽろん。
炎がふわふわと浮遊し増えていく。
手のひらサイズの小さな炎たち。
ぽろろろ……。
魔力で作られた炎は、流れるような音色によって少しずつ上昇し夜空に広がっていく。静かな静かな春の風。水気を含んだ夜の帳に滲み描くような確かな存在。蛍のような光が宙を漂った。
まるで立体映像のプラネタリウムのようであった。
仄々を中心に、繭のように広がって、呼吸のような柔らかな優風。
明るくて見通しがよくて、微かな違和を感知する空気。仄々の音の魔力に満ちている結界は、同時にUDC怪物を召喚する誘蛾灯だ。
UDC怪物が人の世に強制的に介入するというのなら、猟兵たちは敢えて自身がいる場所を介入先として敵に与える。
戦い前の今だからこそ、改めて想うのだ。
(「私たち猟兵が守りたいもの」)
日々戦っているからこそ、ふと仄々の心に爪弾かれる平穏への琴線。
人々の笑顔。
楽しげな喧騒。
おたまじゃくしのように元気に優雅に仄々の心の譜面で踊る。
彼ら奏で手に応えるべく、丁寧に、夜の静寂に添う演奏を。
猟兵たちの旅路は穏やかではない。
仄々もまた例外でなく、時に死闘を繰り広げる。
戦い終われば鎮魂の奏でを続けてきた。
祈り願う音の結びはあらゆるものへ。
仄々の旅路の友となる思い出はきっと絆そのものだ。
そして。彼は今日、たくさんの絆を得ていた。否、彼だけではない。たくさんの人々が絆を得ているのだ。
(「今を生き、未来へ進む人々と世界への賛歌を込めて――」)
音楽祭で、インターネット上で、仄々たち猟兵の音楽を聴いた人々は、今宵穏やかな眠りが訪れることだろう。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『絆弄ぶ災厄』クラーク』
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POW : 万物斬り裂く蜘蛛の牢獄
戦場全体に、【オブリビオン以外を斬り裂く蜘蛛の糸】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD : 正邪反転せし鋏と毒
【正の感情を反転させる伸縮自在の魔鋏】が命中した対象に対し、高威力高命中の【秘めた欲望を解き放たせる毒液】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 悪しき想念の糸紬ぎ
全身を【触れた者の負の感情を増幅させる蜘蛛の糸】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃の回数と負の感情】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
イラスト:桜木バンビ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「黒玻璃・ミコ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
インターネット・デーモン。
それはたった一つの書き込みで無限に増幅されゆく悪意かもしれない。
渦中に飛び込んだ者たちはそれが狂気とすら気付かない。
連鎖する負は、ある意味において彼らの絆であるのかもしれない。
きっかけを脚で絡め、編み、広範に狂気を張りつける。
インターネットをサーフィンし、狂気に掛かる者は多数――のはずだった。
夜の場に数条の光が走った。
猟兵たちが浮かべたあたたかな光とは違う、0と1で構成された光条。
キリキリと硬質な糸の音が不気味に響き渡ったかと思えば、既にそこは蜘蛛の牢獄内であった。
「0000世の者たちよ/現在の因果到達は『正』なり/我等UDCは『生』をゆるさず」
『絆弄ぶ災厄』クラークは告げる。
その声は魂に浸透するような声であった。
サブリミナルか、と猟兵が呟いた。
猟兵たちの周囲に張られた蜘蛛の糸は歪んでいた。
負の絆ではない、正しき絆故に歪みを引き起こしているのだろう。
静止しない光は糸を歪ませ捻らせ、はねのけ、燃やす。
八つ脚をキリキリと動かし、猟兵たちの周囲をぐるぐると回りながらクラークは忌々しげな声で告げ始める。
「反転の儀を!/因果予測を『負』に!/0000世に『死』を/破滅を!」
インターネットに潜む怪物は引きずり出した。
――あとは徹底的に叩くのみだ。
箒星・仄々
音楽と春の夜の香に誘われた、という訳ではなさそうですね
啓蟄の虫さん達のようにはいかないようです
人々を守ります
貴方はこの世界には相応しくありません
海へとお還ししましょう
…海蜘蛛さん?
竪琴を奏で世界そのものと共鳴する音色で
森羅万象の力をお借りして魔法と為して
魔力の矢を生み出します
周囲の糸を
火炎が燃やし
激流が押し流し
烈風が切り裂きます
もちろん矢はそれに留まりません
更にクラークさんへ一直線へ迫り
その身を包む蜘蛛糸を
同様に燃やしたり、押し流したり、切り裂きます
クラークさんからの攻撃に対しては
魔力の矢で迎撃したり
爆炎や水流、激風の反動で回避したりします
戦闘力や攻撃回数が上がっても
当たらなければどうということはありませんし
何度糸紬ぎされても
こちらも繰り返し全身を覆う糸を矢で取り除いて
強化を解除し続ければ勝機が見えてきます
旋律はクライマックス
夜空を緋蒼翠で彩って夜桜を照らしながら
クラークさんを矢衾に
終幕
演奏を続け鎮魂の調べとします
海で静かな眠りを
夜桜を眺め
多邇具久さまへの感謝を込めて爪弾きながら帰路に
木元・杏
【かんにき】
ん、うぇーいは巣(ガーネットのWebの言葉を聞き間違えて万歳のポーズ)
よし、真の姿発動
そしてさっとカエルの着ぐるみを脱ぎ戦闘モードになろうとするけど
脱ぐと絆バッチまで取れる(着込み直し)
…む、貴方も全身を糸で覆うのね
ならばよし、わたし達の絆は貴方の糸よりも強い
それを教えてあげる
糸、少し嫌な気配
第六感で感じるままに、わたしは後方で指示出し
うさみん☆、前方で小ささを活かした陽動行動で蜘蛛の動きを撹乱して?
ガーネットの動きに合わせて波状攻撃出来るよう、フェイント入れつつ動こう
そして糸間が見えたらすかさず近距離から雷を叩き込む
最後は皆での攻撃を
超幅広い大剣にした灯る陽光を怪力で蜘蛛目掛けてフルスイングで投げつける!
糸は絆
紡ぐ縁は旅立つ過去にも結ばれる
そこから未来へ向かう貴方の糸も、きっと今度はよき縁(えにし)へと辿り繋がる
ガーネット・グレイローズ
【かんにき】
なるほど、蜘蛛のUDC。
インターネット空間を意味する「Web」という言葉も
蜘蛛の巣に由来しているのなら、この怪物の姿も
納得がいくものだね。
だが私たちは網にかかった蝶ではない。
おびき出されたのはお前のほうだったのさ。
アカツキと躯丸の二刀流で戦うが、これは
仲間への攻撃を《武器受け》《ジャストガード》で防御するため。
仲間が攻撃されそうになると割って入って、《2回攻撃》で
魔鋏を切り払う。それと同時に鋼糸を《念動力》で操作し、
糸鋸の要領で蜘蛛の外皮を切り裂く《鎧無視攻撃》を。
敵が弱ってきたら、仲間と合わせて総攻撃を。
《仙術》を使って空を飛翔し、【赤气封神撃】で
《功夫》のラッシュを叩き込むぞ。
木元・祭莉
【かんにき】だよー♪
敵は蜘蛛……っと、わわわ!(野生の勘で避ける)
鋏あるじゃん! 伸びるじゃん! カニじゃないのー!?
みんなで連携して、的を散らそう。
おいら、前に出るね!
糸の迷路が、糸の鎧が、絆を切り裂こうとしてくるケド。
スマホから聞こえる歌が、緊張をほぐしていくね。
カエルぴょこぴょこ、にぴょこぴょこー♪
ふぃーふぃー歌いながら、突進!
うわー、目の前はゼロとイチだらけ。
おいら、算盤得意だよー♪
足し算と引き算と掛け算、0と1なら簡単だし!
割り算は……0で割る? どうなるの??
目をぐるぐるさせ、みんなが動くタイミングで一緒に踏み出して。
うさ☆みんと同時に、どーんと拳を出す!
わわ、なんか当たったー!?
鈍・小太刀
【かんにき】
出たわね蜘蛛男!
ガーネットに合わせ前へ
皆で連携して戦うよ
…ふふ、それは残像よ
とか言いつつ、明らかに残像じゃない着ぐるみを身代わりに攻撃回避
(ごめんねカエル着ぐるみ、後でちゃんと修理するからね
心の中で唱えつつカエルバッジを握り締め
素早く死角に回り込み
蜘蛛糸とクラークの腹を斬る
うさみん☆や、お祖父ちゃんお祖母ちゃん達と一緒に敵を撹乱
ほら、目が回ってくらーくらしてきた?
ふふん、分断したって無駄なんだから
離れてても、ちゃんと繋がっているから
迷路の向うの祭莉んに合わせて歌う
皆と紡いだ絆の糸
目には見えなくとも確かにここに感じるから
ありがとう、どうかこれからも
未来への願いを込めて
白雨の矢を放つよ
琶咲・真琴
【かんにき】
………この糸、何か嫌だな
自身の周りに張り巡らされた糸を見て
少し前に嵐の島で倒した鬼の事を思い出し
顔を顰める
戦闘開始と同時にUCを発動
迫ってくる魔鋏を第六感と野生の勘で見切って躱し
カウンター・グラップル・怪力などでクラークに蹴り飛ばす
闘気の弾を続けて叩き込む
糸は絆……
杏姉ちゃんの言葉を頭の中で反芻して
オレ達の絆を舐めるなよ
祖父ちゃん、祖母ちゃん
皆のフォローをお願い
オレもUCで攻撃を避けつつ
姉ちゃん達に迫る攻撃があれば白鷹を飛ばして牽制
あ、祖母ちゃんが
さりげなく姉ちゃんとまつりん兄ちゃんの歌に合わせてホルン拭いてる
一斉攻撃の時には
魔力溜めした闘気の弾を全力魔法で貫通攻撃
アドリブ
連携歓迎
●
蜘蛛の糸を伝い、敵の声がこだまする。
視界は糸の迷路によって阻害されていた。
怪音止まぬ戦場にて「なるほど」と呟いたのはガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)であった。
「インターネット空間を意味する『Web』という言葉も蜘蛛の巣に由来しているのなら、この怪物の姿も納得がいくものだね」
「んむ? うぇーいは巣!」
糸壁の向こうでガーネットの言葉を聞き間違えた木元・杏(ワンコイン以下とは思えぬコスパ・f16565)が条件反射にうぇーいと万歳した。
UDC怪物の出現を受け、そのまますぽっとカエル着ぐるみを脱ごうとしたのだが「はっ」と気付く――脱ぐと絆の缶バッジまでなくなることに。……着ぐるみは着ておくことにした。その瞳は青い。
巡らされた敵糸。
「………この糸、何か嫌だな」
じとりと拭えぬ悪寒めいたものを感じ取り、琶咲・真琴(深き霧に迷い、導きの光を見出せぬ継承者・f08611)は呟いた。
糸。絆。縁。因縁。末路。
連想に思い描いたのはグリードオーシャンでのこと。嵐の島で邂逅した鬼のこと。
「神羅畏楼――」
顔を顰めた真琴が炎を纏う。糸に触れぬよう跳躍すればクラークが吐き出した糸繭一つが追ってくる。
身を翻し鞠のように蹴とばそうとするも真琴の直感が彼を動かした。
「っ」
寸で避ければ糸繭が割れた。排出されたものを見て真琴が叫ぶ。
「触れちゃだめだ!」
「正を/邪に」
糸の残滓を撒き散らし、飛び出たのは魔鋏。伸縮自在の鋏刃が辺りを薙ぎ払う。
「む。かむふらーじゅ!」
後方から敵の動きを注視した杏が言う。伸びた敵脚が高速で引かれていく。
「げ。……っと、わわわ!」
振り下ろされた鎌の如き斬撃を避け、低く薙ぎ払ってくる鋏刃を縄跳びの要領で木元・祭莉(まつりん♪@sanhurawaaaaaa・f16554)がジャンプする。バランス取りに天地の綾帯が振り回された。
「鋏あるじゃん! 伸びるじゃん! これ! サソリ? カニじゃないのー!?」
触れれば確実に貫きそうな鋏角が祭莉を追う。
伸縮し読めぬ軌道のさなか、割り入ったガーネットの躯丸が動を断つ。躯丸で一脚、迫る一脚には妖刀アカツキ。斬り上げれば、一脚――魔鋏は毒液と共に切断された。躯丸が捉えた脚を起点にクラークはある一画へ方向転換した。
三つ脚が編むように交差し、ガーネットの頭上を蜘蛛の腹が通る。
「こっちだ/!」
クラークが勝ちの笑みを見せた。緑の物体を捉えるは手に持つ魔鋏。大きなまりものようなものを切断する。それは小太刀が着ていたカエルの着ぐるみであった。
「……ふふ、それは残像よ」
カエルの着ぐるみから対角に鈍・小太刀(ある雨の日の猟兵・f12224)の声。ビン! と張った糸が叩かれたそれは彼女の跳躍。いつの間に上へと伝っていたのか、クラークをすり抜けるように降下を伴う斬撃が振るわれた。
ガーネットの追撃したスラッシュストリングが敵の外皮を切り裂いている最中、片時雨が硬い敵腹へと通される。
(「ごめんね、カエル着ぐるみ。後でちゃんと修理するからね」)
絆のカエルバッジを手に、無残に裂かれた着ぐるみへと心馳せ、刹那の滞空に戦場を見渡す。
巡った糸の上を杏のメイドさん人形、うさみん☆が駆け回り敵の感知を阻害しているようだ。ぐっと踏み込み、糸をたわませてのジャンプ。
小太刀とすれ違うように跳んだうさみん☆がおしおきの雷を敵へと放った。
●
「――音楽と春の夜の香に誘われた、という訳ではなさそうですね」
ぽろろん、と竪琴の音色が辺りに響く。小さなケットシー、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)の声はどこか歌うように。
糸を通してびりびりと伝わってくる狂気や殺意。振動を払うべく優しく弦を爪弾いた。
(「啓蟄の虫さんたちのようにはいかないようです」)
生まれゆく希望。世界を旅しようとする小さな命。
生きとし生けるものたちにあてはまる初めの一歩。
精神も喰らいにかかるUDC怪物の所業に仄々は頭を振った。
「貴方はこの世界には相応しくありません。海へとお還ししましょう」
今日一日響かせた春の音色に【かんにき】たちの奏でた曲が合わさる。スマートフォンから聴こえる祭莉の歌声が軽快にリズムを刻み、仄々は微笑んだ。
音楽祭に訪れた人々が楽しんだ曲たち。
音階に、おたまじゃくしのような音符に、世界に敷かれた五線譜が季節を巡らせていく。
刹那刹那に刻まれる音たち。その曲に今は題名をつけることはできない。
「これこそ即興の醍醐味ですね」
猫の手が音階を刻む。世界に共鳴させる仄々の音色が数多の魔力の矢を放った。
炎の矢は糸を焼き切って、水の奔流と化した矢が抜けていった。
視界を阻害している糸が払われれば、戦場の見通しが良くなっていく。
「さ~ふぃーん!」
奔流に乗ってクラークの近くまで接近した祭莉が拳で殴りつける。
「カエルぴょこぴょこ、にぴょこぴょこー♪」
体勢を崩したクラークへと続き叩きこまれるのは真琴の闘気の弾だ。七つ脚を翻し糸から糸へと跳躍するクラーク。
「天鷹氣弾」
その脚一つを捉え白銀の鷹が突き抜けていった。
張り巡らされた糸は猟兵の動きを伝える。四方八方から迫る彼らの攻撃への対処、それは糸の鎧を纏うことであった。
「……む、貴方も身体を糸で覆うのね」
ならばよし。杏が好戦的に目元を緩ませた。
「糸は絆。でもわたし達の絆は貴方の糸よりも強い。それを教えてあげる」
「それこそ反転の/し甲斐がある/というもの」
クラークが呟く。糸溜まりを放ち纏う――のを邪魔するように放たれた一矢が爆炎とともに弾け飛んだ。仄々のトリニティ・ブラストであった。
「何度糸紡ぎされても、取り除きましょう」
強化を解除し続ければ勝機が見えてきます。彼の言葉に「ん」と杏が頷く。
(「糸は絆……」)
真琴が頭の中で杏の言葉を反芻する。
クラークの紡ぎは負へとゆくもの。
きっと紡ぎ方次第なのだ――。
(「オレ達の絆を舐めるなよ」)
「祖父ちゃん、祖母ちゃん。皆のフォローをお願い」
片翼の人形たちが飛んでいく。放った白鷹がクラークを追尾し、行く手を阻害する。
糸を伝う小太刀が右へ左へと跳躍した。触れれば呼応する敵の牽制の攻撃。鍵盤の如き応じを見た猟兵たちが動き回りクラークを翻弄していった。
『ふぃーふぃー♪』
祭莉の歌声が聞こえて、小太刀がくすりと笑う。
虚空を飛ぶ白鷹の姿を見かければ頑張らなきゃという気持ちが湧いてくる。
「ふふん、分断したって無駄なんだから」
離れてても、ちゃんと繋がっているから。
祭莉の声を追いかけるように、小太刀が歌い始める。連鎖するカエルのうた。
彼女に合わせるように祖母のホルンが近くで聴こえて笑みが零れた。
「弱れ/弱れ……」
クラークの力なき声がこだまする。毒液の付着した刀を一度払い、ガーネットは見上げる。
「私たちは網にかかった蝶ではない。おびき出されたのはお前のほうだということを証明してみせようか!」
ガーネットの声に、竪琴の音色が強いものへと変わった。
赤い髪をなびかせて空を翔けあがるガーネット。既に糸の迷路はぼろぼろとなっていて敵へと一直線。
「ブラッドエーテル、フルブースト。砕け散れ!」
推進に乗せた拳、抉る二打目、膂力に任せ上段から叩きこむ三打目――乗せられたエーテル波動が蜘蛛を内部から砕いていく。
クラークの腹から糸が弾け、0と1の光数字が散乱した。
「うわー、ゼロとイチだらけ」
おいら、算盤得意だよー♪ と祭莉。うさみん☆とぴょんぴょん駆け寄ってくる。
「足し算と引き算と掛け算、0と1なら簡単だし!」
両手の指を立てては引っ込めて、
「割り算は……0で割る? どうなるの??」
光る数字を追って丁寧に計算していくとおめめぐるぐるだ。
「それはcalculation errorだ、祭莉」
「なーんだざんねん!」
あーぁと伸びをして何気に拳を振るえば、クラークへとヒット。
叩き落とされたクラークが意味のなさない、怨嗟の声を上げる。
「おっけーまつりん」
超幅広い大剣にした灯る陽光を振り被り、杏がクラークめがけてフルスイング。
投げつけられた大剣と同時に、魔力の溜まった闘気の弾が真琴から放たれた。
白銀の閃光が世界を染める。
ぼろぼろになった迷路に透いた光には、虹彩が。
「紡ぐ縁は旅立つ過去にも結ばれる」
祈るように呟く杏の視線の先には白雨の矢を番う小太刀の姿。
「そこから未来へ向かう貴方の糸も、きっと今度はよき縁(えにし)へと辿り繋がる」
旅をしてきて紡いだ絆の糸。
それは世界であったり、名も知らぬ袖振り合っただけのものであったり。
多彩な縁の在り方は、織り上げればどんな模様を描くだろうか。
仄々の旋律が緋蒼翠を宿す。放たれた彩矢がクラークを中心に交差し、オーロラのような色が生じた。
夜桜が光に染まり、幻想的な風景を作り出す。
(「皆と紡いだ絆の糸」)
目には見えなくとも確かにここに感じるから。
小太刀の――否、皆の心には数え切れないほどの縁が重ねられている。
言葉を贈るのならきっと「ありがとう」
もうひとつ。
「どうかこれからも――」
未来への願いを込めて、小太刀は白雨の矢を放った。
ぱきりとクラークが割れて、光の数字がくるくると夜にとけていく。
●
インターネットが普及して世界は広がった。
誰とでも繋がっているような感覚。
それは救済でもあり恐怖でもある。言葉を境に容易く生邪がひっくり返る世界。
UDC怪物は故意的に邪へ落とそうとした。
広がった大地無きインターネットの世界は――谷を行くように、地ある限りどんな場所へも行く多邇具久(カエル)の訪れが難しい世界だろう。
海で静かな眠りを、と爪弾く仄々の鎮魂の調べは、スマートフォンを通しインターネットの海にも届けるように。
ふぃーふぃーと穏やかに祭莉が口遊み、マイクに吹きこんだ。
猟兵が馳せるはここに在りながら、無い世界。
旅路に幸あれと、端末を通じて今宵をゆく誰かに送った。
大成功
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