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ブレイク・オン・スルー、トゥ・ジ・アザーサイド

#サイバーザナドゥ #ハイウェイスター #アミダインダストリー

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#サイバーザナドゥ
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#ハイウェイスター
#アミダインダストリー


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 サイバーザナドゥ、午前3時。トメイ・エクスプレスウェイ。
「ザー……により、午後も……ザザ、隕……ザー、ところにより……」
「ファック!!」
 SMASH!! 壊れかけのカーラジオを拳で黙らせ、ハンドルを握る男。彼の頭部は半分がサイバーザナドゥに置換されており、生身の右顔面には髑髏めいた不気味なフェイスタトゥー。
「まったく今日はファックだ、ツイてねェ。なンだってこんな拾い物した……」
 男は指でハンドルをせわしなく叩く。苛立ちのせいで、右の眼輪筋がヒクついた。

 彼の名はバンザカ・"ボーンズ"・バンダ。通称"3B"、あるいは"骨折り損"のバンダ。
「気に食わねェ走りしてやがるから、ちょっかいかけただけだッてのによ……ツイてねェ」
 好きなものは酒とヤクと女。そして何よりも……スピード。突ッ走ること。
 嫌いなものは偉そうな奴とマッポ。自分よりハヤいヤツは場合によりけり。
 気が短く、向こう見ずで、口が悪ければ手も早い。まともに生きられないろくでなし。
 だが、彼と彼の気難しい恋人「GINビカリL-LX」は、ハヤイ。そこらの走り屋気取りでは影も踏めないほどに。ただただハヤイだった。どんなコースでもブレーキを踏まないクソ度胸もある。
 つまり彼は、見た目に相応しい気性の持ち主であり、スピードに魅入られた大馬鹿野郎であり、ハイウェイスターだった。一応は、正義の。相対的にはそう言えた。

「ファック!!」
 バンダはハンドルをぶん殴りたい気持ちをこらえた。GINビカリは気難しいオンナだ。そこらのコールガールのように、痛めつけて言うことを聞かせるわけにはいかない。修理費もかかる。彼にもプロの矜持がある。カーラジオは外付け部品なので適用範囲外だ。
 苛立ちの原因は、後部座席に乱雑に放り込まれたケースだ。中身はヤクの山盛り。しかもバンダですら手を出さない、極めて常習性の高い悪辣なゲートウェイドラッグ「パンディタ」だ。よもや、ふっかけたクルマがヤクの輸送中だったとは。
「ああクソ。どこに運びゃあいい。マッポ? ファック! くだらねェ」
 アテはない。だが放置するわけにもいかない。乱暴者にもその程度の義侠心はある。
 おおかた、狙いの客層は遊びたがりのガキどもだろう。気に食わない。だから思わず拾ってしまった。苛立ちが募る。どこのメガコーポか知らないが、まったく面倒なことを……。
「ファック?」
 バンダは訝しんだ。テールライトめいて流れるパワーウィンドウの外に、人影。人影?
「ドーモ」
 人影はオジギをした。バンダは反対側を見る。そちらにも人影!
「ドーモ」
「ファック!?」
「「「ドーモ」」」
 さらにオジギ! 上・後ろ・前方から! すべて同じ人影! 小鬼めいたフォルム!
「「「レッドゴブリンです。荷物を渡せ」」」
「ファック!?」
 サイバーニンジャ? サイバーニンジャ、ナンデ。

 いや、理由はわかる。ヤクだ。メガコーポの追手。そこまでする荷物なのか!
「……ファック!!」
 しかしゲンダはプロ! サイバーニンジャへの恐怖を、追いつかれた怒りが勝る!
 アクセルを踏み加速! ギュン! すさまじい加速G! だが敵は追従!
「「「イヤーッ!」」」
 KRASH!! なんらかの攻撃により車体が揺れる! GINビカリは身持ちの固い女だ。すぐにはヤられない。だが!
「ファックファックファック! どうなってやがる畜生! ファック畜生!」
 ゲンダは死を予感する。アクセルをさらに踏む。加速! 人影は離れない……!

●グリモアベース
「ってェわけで、このままだとゲンダの野郎は殺されちまう」
 肥満巨体のグリモア猟兵デンゾウ・ゴガミは、不快そうに頬を掻いた。
「おれァ野郎と面識があってな。ロクなヤツじゃねェが、それでもメガコーポのクソどもに比べればかわいいもんさ。仕事を頼ンだのも一度や二度じゃねェ。腕はいいンだ。
 ……顔見知りのよしみってだけじゃねェぜ。なンせ、メガコーポの陰謀だからなァ」
 デンゾウによれば、敵の黒幕は巨大企業「アミダ・インダストリー」。もっとも、ゲンダに差し向けられた量産型サイバーニンジャ「レッドゴブリン」すらも末端に過ぎず、アミダ社の関与は巧妙に覆い隠されている。グリモアの予知がもたらした情報なのだ。
「この事件で、アミダの鼻をあかすこたァ出来ねェ。が、連中の好き勝手をひとつずつ丁寧に潰していきゃ、いずれ野郎どもの喉笛にも辿り着くさ。グフフ……。
 そこで、あンたらだ。いけ好かねェアミダのイヌどもを根こそぎブチ殺して、ヤクが奪取されるのを阻止してくれ」
 必要なものはただひとつ、スピードのみ。ハイウェイ・チェイスの幕開けだ。

 デンゾウによれば、バンダが襲撃されるのを防ぐことは出来ないという。
「今すぐ転移させても微妙に間に合わねェ。ついでに言うと野郎には、少しお灸が必要だ。まァ殺されそうになっちまったトコを助けてやりゃそれでイイさ。グフフ」
 などと軽く言う始末。それだけ粗忽者ということなのだろう。
「……ま、冗談はさておきだ。どのみち物資が奪われちまうンなら、それを利用するのが賢い大人だぜ。レッドゴブリンはあくまで襲撃役、奪取した物資の輸送は別の奴が担当するはずだ。ソイツを追いかけて叩き潰せば、元を断てるし後腐れもねェってワケよ」
 もちろんそのためには、相当のスピードを誇るであろうボス格オブリビオンに追いつけるだけの速さが必要だ。
「トメイ・エクスプレスウェイは陸運の要でな。下手にフッ飛ばせば無数の運輸ルートがマヒして、とてつもねェ額の被害が出る。出来ればハイウェイの破壊は避けてくれ。
 それともうひとつ。飛行するのはオススメしねェぜ……なにせ陸運の要だ、そこら中のメガコーポが睨み合って、互いにワルさをしないように見張ってンのさ。
 だから、トメイ上空にはすさまじい密度の対空網が敷かれてやがる。カラス一匹飛べやしねェ、見えないドームで覆われてンだ。あンたらでも、ひとたまりもないぜ……」
 となればこちらも陸路を使うのがベストだろう。改造バイクに改造自動車、そういったヴィークルなら、いくらでも都合するとデンゾウは言った。
「なァに、お代は気にせンでくれ。いわば将来への投資ってヤツさ。グフフ……」
 フィクサーは含み笑いをした。もちろん自前のマシンがあるというのなら、それに越したことはないだろう。

「あンたらの中にも、スピードにこだわりがある奴もいンだろう?」
 デンゾウは肥えた腹を叩き、にやりと笑った。
「いけすかねェクソどもを、あの世(アザーサイド)までフッ飛ばしちまってくれよ。その、ご自慢のスピードでな」
 試すような、けしかけるような言葉とともに、転移が始まった。


唐揚げ
 走り屋にはロマンがありますよね。ミックスコーンです。
 大体はOPで説明してあります。つまり、チェイスシナリオです。
 まずはサイバーニンジャ部隊を皆殺しにしましょう。サツバツ!

 その後、奪われた荷物を追うチェイスシーンとなり、最後はボス戦です。
 この手の題材は陸上走行に限ったほうが面白そうなのでいくらか制限をかけましたが、別にクロムキャバリアほどの制約があるわけでもないので、どうしてもということであれば飛行しても構いません(でも多分採用率は下がります)
 参加者数によっては、不採用が出る可能性もあります。その点よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『レッドゴブリン』

POW   :    カラテ
【高熱のカトンを宿した拳ないし足】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    スリケン射出
レベル分の1秒で【手首に内蔵された発射機構からスリケン】を発射できる。
WIZ   :    レッサー・カトン・ジツ
【鋼鉄をも溶解させる超高熱の火炎】を放ち、命中した敵を【超高熱の火炎】に包み継続ダメージを与える。自身が【危険なほどのオーバーヒートを】していると威力アップ。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カルマ・ヴィローシャナ
ハァーッハッハッハ!
赤黒ツートンのポリスカーの上に
両腕を組んで立ち派手なパフォーマンス

何故ならば有線接続のハッキングで運転! 
そして撮影と実況開始!
ドーモ、レッドゴブリンの皆さん
ここで遭うのも何かの縁
でもアミダの縁ならブッチギルのみ!
光学迷彩した遮導を展開しフォトンブラスターの制圧射撃で敵を寄せない!

近付かせなければカラテも不発でしょう?
そのまま早業でゴブリンを追い込んで
V6ツインターボの咆哮が赤い奴らを轢き潰す!
セーブポリスの怪物マシンよ
トメイでも遅れは取らないわ!

ハァーッハッハッハ! ハァーッハッハッゲホゲホ!
……デンゾウ=サンのビズだもんね!
さあ祭よ祭よ! チャンネル登録重点だにゃん☆彡



●ストリーマー・エントリー!
「ハァーッハッハッハ!」
「「「!?」」」
 突如としてハイウェイに響く高らかな笑い声に、GINビカリを包囲したレッドゴブリンがあたりを見渡す。
 だが、どこにも声の主はいない。
「見ろ、あそこだ!」
 代わりに近づいてくるのは激しいエンジン音! そこには!
「ドーモ、レッドゴブリンの皆さん! カルマ・ヴィローシャナです!」
 見よ! 赤と黒のツートンカラーのポリスカーの上!
 鳴り響くサイレンを踏みしめ屹立するは、両腕を組んで髪をなびかせるカルマだ!
 もちろんポリスカーに運転手はいない。なぜ? 有線接続によるハッキングだ!
「カルマだと? あのライブストリーマーの?」
「つまり……社敵! 我々を邪魔しに来たかァーッ!」
 演出は十分。レッドゴブリンの注意は完全にカルマに集められた。
 カルマは敵意と殺意が漲った視線を浴びながら、配信を開始する!

「その通りだにゃん! ここで遭うのもなにかの縁、でもアミダの縁ならブッチギル!」
 ギュオオオオン! 違法ハッキングによりリミッター解除され、殺人的スピードに到達したポリスカーがさらに加速! 周囲の風景が多色の奔流と化す!
 すさまじい加速Gと向かい風がカルマの全身を叩くが、彼女はサイバーニンジャバランス力により完璧な仁王立ちを保っている! ワザマエ!
「そういうわけで、さあ祭りよ祭りよ! イヤーッ!」
「「「イヤーッ!」」」
 ZAPZAPZAP!! フォトンブラスター連射をジャンプ回避するレッドゴブリン!
 敵も量産型とはいえサイバーニンジャか。だがカルマは動じない!
「おのれ社敵! イヤーッ!」
「甘いにゃん! もうすでに遮導を展開済みよーッ!」
「何ッ!」
 カラテ不発! 高熱カトンを宿した拳も当たらなければ意味がない!
 V6ツインターボが唸りを上げ、近づいたレッドゴブリンを……おお、轢殺!
「ネギトロ重点だにゃんーッ!」
「アババババーッ!? サヨナラ!」
 サツバツ! レッドゴブリンは強化殺人スパイクタイヤに引き裂かれ爆発四散!
 セーブポリスの怪物マシンは、トメイの暴走ハイウェイでも引けを取らない!

「ハァーッハッハッハ! ハァーッハッハッゲホゲホ!」
 ハイテンションな笑い声をあげるカルマだが、慣れてないので咳き込んだ。
「近づかなければカラテも不発! すなわちゴジュッポ=ヒャッポよ!」
 彼女は気を取り直し、高慢ちきにそして威圧的に言い放った。
(「デンゾウ=サンのビズだもんね! どうせなら派手にやらなきゃ!」)
 顔馴染みの依頼ということもあって、カルマは燃えているようだ。
 激しいゴア光景に、視聴者数はうなぎのぼり! キャバァーン! メンバー登録重点!
「メンバー登録感謝! みんなもチャンネル登録重点だにゃん☆彡」
「「「アバババーッ!」」」
 ゴア背景を背負ってのストリーマー猫被りの効果のほどや、いかに……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レン・ランフォード
れん:忍者にとって迅さって大事…
   迅るのはれん達がやるから露払いお願いね…
蓮:もうしょうがないですね…行きますよ錬
錬:まったく…ま、先駆けといきますか

現場に到着したら装備・実現符で錬を実体化
UC・陽炎舞を発動し多数の「残像」と供に突撃
ニンジャではなく忍者なので挨拶とかそういうのはいいので

虚実混じった手裏剣「投擲」による「フェイント」や
当たりそうな敵の手裏剣を「第六感」も合わせ「見切り」
軌道に武器をおく「武器受け」であえて弾いてみせたりして
死角に回り込んだ錬が「暗殺」する「だまし討ち」

錬に気を取られてたら私が斬りますよ
はい、さようならっと
…それ結局挨拶じゃねーか?



●サキブレ・ライジング
「「「イヤーッ!」」」
 敵襲撃に備えて待機していた増援ニンジャが、回転ジャンプでエントリーした。
 メガコーポの緩衝地帯というべきトメイでのこの蛮行。アミダとしても一種の賭けであるはず。量産型サイバーニンジャの大量投入こそがその証だ。
 どうやら奪われた荷物はそれだけ重要らしい。見逃せばバンダの死は確実!
「ファック! 新手かよ! サイバーニンジャ、サイバーニンジャ、ナンデ!」
 運転席のバンダは錯乱! アドレナリンでわけがわからなくなっている!

 するとその時、色ある風めいてさらに複数の影。すわ、増援か? 否!
「「「イヤーッ!」」」
 レッドゴブリン部隊は素早く8連続バク転し、距離を取った!
 直後、奴らのいた場所に降り注ぐ無数の手裏剣! 敵襲の敵襲、つまり味方!

「どこのメガコーポの刺客か! アイサツせよ!」
「悪いですが、私たちはサイバーニンジャではなく忍者なので」
「そういうのはスタイルじゃねーんでな。イクサのルールとやらもナシだぜ!」
 ふわり、と降り立ったレン・ランフォードと別人格「錬」は、アイサツ要求を一蹴した。
 その姿は多数の残像に囲まれており、どれが本体なのかわからない!
「忍者? 忍者だと?」
「サイバーニンジャではないのか!?」
「なんたるシツレイ! 目にもの見せてくれるわ! イヤーッ!」
 レッドゴブリン部隊は激昂! 手首の機構からスリケンを射出!
「なるほど。手裏剣の練度を、サイバーザナドゥで補っているのですね。量産型らしいシステムです」
「ハッ! 数撃ちゃなんとやらってか? 甘いんだよ!」
 だが優れた化身忍者である蓮と錬には、質より量の飽和攻撃は通じない!

 蓮は無数のスリケンの中で、当たりそうなものだけを見切って素早く切り払い、わざと派手に動き回ることで敵の視線を惹きつける。
「「「イヤーッ!」」」
 スポスポスポ! さらにスリケン弾幕! 残像が相殺! 相殺! 相殺!
「……私ばかり見ていていいのですか?」
「何? グワーッ!?」
 見よ! その隙に死角に回り込んだ錬が、背後からアンブッシュだ!
 胸部を貫かれたレッドゴブリンは白い人工血液を吐き、痙攣爆発四散!
「うお、こいつ爆発しやがったぞ!」
「うろたえないでください。証拠隠滅のための自爆機構か何かでしょう」
「オノレ小娘ーッ!」
 激昂したレッドゴブリンが蓮に襲いかかる……が、イアイ一閃!
「アバーッ!?」
「はい、さようならっと」
「サヨナラ!」
 ザンシンした蓮の背後でレッドゴブリン爆発四散!
「……それ、結局挨拶じゃねーか?」
「似ているようで別物ですよ。さあ、次行きますよ」
 スリケン弾幕の中へ、女たちは身を投じる!

大成功 🔵​🔵​🔵​

狐々愛・アイ
バンダさん、でしたね。その速さと勝負度胸……噂に違わぬお方の様子。
その男気に惚れました、助太刀しますよ。

メガコーポの尖兵、レッドゴブリン。
剛健にして職務に忠実……その有り様がとても愛らしい。
だからこそ、全力を尽くします。ぼくはヒトの味方、ですので!

『L.O.V.E.Drive』を発動します。
この身に纏う炎は、あなた方への愛そのもの。
そちらの炎とこちらの炎、どちらが上か……!

ボウ・オブ・アムールを使い、8倍化した攻撃力で射撃戦を仕掛けます。
【誘導弾】です、多少狙いが逸れようと問題はありません。

懐に潜られると厳しいですが……アイズ・アイズレーザーを使えば、一度位なら虚を突いて迎撃できるでしょう。



●ラブ・イズ・ファイアー
「「「イヤーッ!」」」
 SMASH!! カトンを宿したカラテパンチがGINビカリの装甲を焦がし、大きく蛇行させる。
 猟兵が来てくれたのだから、停車してコトを任せるのが利口なやり方だ。だがバンダはそうしない。
「ファック! そう簡単にブレーキなんざ踏むか畜生が!」
 彼は走り屋だ。ハイウェイスターは、他者の指図や干渉を受け付けない。
 バンダがブレーキを踏むタイミングは、バンダが決める。命の捨てどころも。
 そういう馬鹿げたエゴが、ハイウェイスターをハイウェイスターたらしめる。
 だから奴は、逆にアクセルを踏んだ。この状況でなんというクソ度胸!

「いいですね、その速さと勝負度胸。噂に違わぬお方の様子」
「ファック!?」
 だがそんなバンダも、ボンネットの上からひょっこり顔を覗かせた少女めいたレプリカントには、さすがに面食らった。
「その男気に惚れました。助太刀しますよ」
「ファック!?」
「「「ドーモ、レッドゴブリンです。何奴!」」」
「ぼくは狐々愛・アイ。メガコーポの尖兵の皆さん、あなた達を愛しに来ました!」
 アイは、アイサツに対してそう応えた。レッドゴブリン部隊は訝しんだ。
 愛を以て敵を打倒する。アイの在り方は、心も悪魔に堕した量産型サイバーニンジャには理解できない領域の話だ。

 蛇行するGINビカリのボンネットから飛び下りたアイは、追走するレッドゴブリンを迎え撃った。
 胸のうちから燃え上がる愛の炎が、その身を鎧う。量産型ゆえにコストカットされたレッサーカトンの炎とは、熱量が桁違いだ!
「剛健にして職務に忠実、その有様がとても愛らしい。だからこそ全力を尽くします。ぼくはヒトの味方、ですので!」
 高速飛行するヴィークルから飛び降りる。つまりは完全な無防備だ。
 レッドゴブリンは、当然そこを狙ってカラテを仕掛ける。逆に言えば、敵がどう来るかはわかりきっているということ。
「「「イヤーッ!」」」
「燃え盛るような、愛をあなたに……!」
 ボウ・オブ・アムールから矢が放たれ、燃え盛る鏃がレッドゴブリンを貫いた!
「「「グワーッ!?」」」
 くるりと空中で身を翻しながら、アイはウィンクをひとつ。高熱量!
 彼がスカートを翻して着地した瞬間、ハート型レーザーが敵を撃ち抜く!
「「「サヨナラ!」」」
 レッドゴブリンは爆発四散! ハート型の爆炎がトメイに燃え上がった!
「どうやらこちらの炎が、そちらの炎を上回ったようですね」
 ばさばさと爆風に髪をなびかせて、アイは爽やかに微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

新田・にこたま
サイバーモールで私とミニパトを神経接続。神経伝達でミニパトを操縦。
これにより私は運転席にいる必要がありません。私自身はミニパトの屋根の上に乗った状態でミニパトを爆走させ、集団に追いついたら警察手帳を取り付けた盾を見せつけ、大声で叫びます。

ホールド・アップ!総員動くな!警察です!
轢き殺すので大人しく止まりなさいドン亀ども!!

宣言通り、動きの鈍った敵を何人か轢き殺しながら残った敵はサイバー軽機関銃で撃ち抜きます。一応カラテの使い手たちのようですし、轢殺一辺倒で攻めるのは危険かもですので。

骨折り損さんも動けなくなるかもですが…まあ、別にこの場に置いていっても問題はありませんか。協調が面倒そうです。



●アームドマッポ・エントリー!
 ギュガガガガ! ガリガリガリガリ!!
「ホールド・アップ! 総員動くな! 警察です!!」
 どう考えても警察車両が出すエンジン音ではない音をさせながら、そのミニパト(自称)のボンネット上に屹立した新田・にこたまが警察手帳を掲げた。
「ファック!?」
「「「ワッザ!?」」」
 並走されたバンダおよびレッドゴブリン部隊は面食らう!
 サイバーモールによる神経接続自動操縦、そして車上のエントリー。
 なんだか既視感のある流れだが、こちらはストリーマーでなく一応警察(のはずだ)
「マッポか!? ファックだが今回ばかりは助か」
「轢き殺すのでおとなしく止まりなさいドン亀ども!!」
「ファック!?」
 安堵しかけたバンダだが、にこたまの台詞にギョッとして反射的にアクセル加速!
 当然レッドゴブリン部隊もそれを追う! にこたまは目を見開いた!
「こちらの制止を振り切りましたね! 轢殺します!」
「ファックアイエエエ!?」
 理不尽だ! だがにこたまの中では筋が通っている! 狂気!

 何はともあれ、命令を破ったことで敵(とバンダ)は行動速度半減の呪いを受けた。
 にこたまは警察手帳つきポリカーボネート大盾を掲げ、神経伝達によりサイバー軽機関銃を論理発射! BRATATATATATA!!
「「「グワーッ!?」」」
 レッドゴブリン部隊は体勢を崩す! いかにサイバーニンジャとて、弾丸を喰らえば死ぬ。それも広範囲にばらまかれた弾幕は、実際脅威的だ。
 平時のスピードなら回避出来たやもしれぬが、ほとんどもらい事故じみた行動速度半減の呪いの中ではそれも不可能!
「ファックアイエエエ!」
 さらにGINビカリも被弾! チュンチュン! 弾丸がクロームボディをかすめ火花を散らした! バンダは蒼白だ!
「轢殺します!!」
 ギュオオオン! ガリガリガリ……KRAAAASH!!
「「「アバーッ!?」」」
 さらに蛇行轢殺攻撃! レッドゴブリン部隊は強化タイヤに轢き潰されネギトロ重点!
「「「サヨナラ!」」」
 レッドゴブリン部隊爆発四散! 爆炎を切り裂いてさらに駆動するミニパト!
「ファックアイエエエ!」
「事情はどうあれ交通違反は犯罪です! 轢殺しますよ!」
「助けに来たのか殺しに来たのかどっちだ!」
「当然、逮捕に来ました!」
「ファックアイエエエ狂人!」
 にこたまは真顔だった。狂気!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワタリ・イブキ
良かろう、かのモータルを助くべく妾も参ろうぞ。

【推力移動】するジェット・ブレードに【サーフィン】の要領で乗り、UCにて加速。
以てハイウェイを飛翔する。
飛翔と言っても路面のすぐ上、空の網にはかかるまいて。

敵のニンジャ共を発見次第、ブレードによる突撃でアンブッシュ。

「ドーモ、ブラックフェザーです。モータル一人に寄って集って、当世のニンジャは群れねば何も出来ぬのかえ?」

バンダとやらの車両から敵を離すようにブレードで低空飛翔しつつ、合間にカラテを繰り出してゆく。
敵の放つスリケンはブレードの旋回で弾き、その動きの流れで此方もスリケンを投げ反撃。

「やれ、サンシタ風情ではカラテを取り戻す足しにもならぬな」


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
いよぉーうゴキゲンな飛ばしぶりじゃないか!
どうしたい、自慢のカノジョが悲鳴を上げてるじゃないのさ。
オーケーオーケー、みなまで言うなよ。
おアツいデート中にちょっかい掛ける邪魔な子鬼どもは、
アタシらが任された!
とっととどこかのゼブラゾーンで、
甘いひと時(応急修理)を済ませときな!

チェイスならカブに『騎乗』しない訳がないよな。
挨拶がてらにエンジンを吹かしながら、
レッドゴブリンどもへ電撃の『属性攻撃』をぶっ放して『挑発』する。
そうして注意を『おびき寄せ』つつ、
飛び来るスリケンは『衝撃波』で往なして進む!
仕上げは『騎乗突撃』!
ここはハイウェイ、歩行者が出張るんじゃないよ!


シルキー・アマミヤ
ふふふー★ニンジャさんがいっぱいだね★でもシルキーちゃんをただのカワイイ何でも屋箱だと思ったら大間違いだぞ★
それじゃみんなー!“シルキーちゃんを助けてくれるよね”?(UC)

―――無差別支援要請システム「LAW-LACK」起動します―――

掌握できたらやる事は簡単、オーバーヒート状態での「レッサー・カトン・ジツ」を「シルキーちゃんを助けてくれないレッドゴブリンに向けて」撃つだけ★ね、簡単でしょ?

UCを使わせたヒトから制御を放棄、同時にKu-9を首に打ち込み爆破処理
ありがとー★おつかれさま、ゆっくり休んでいーよ★
あと必要なら「敵」の攻撃の前に飛び出させて盾に使うね★

※アドリブ他歓迎だよ★



●ライド・ザ・ライト
 GINビカリの流麗なクロームボディは焦げつき、デコボコになり、ひどい有様だった。
 バンダはすでに相当肝を冷やしていたが、それ以上にこの気難しい恋人のお色直しをどうするかで頭がいっぱいだった。
 カネ。業者。時間。頭が痛い。だがファック野郎どもはとにかく気に食わない。
「ファック! ……ファック!!」
 アクセルを踏み、加速。エンジンがいよいよ悲鳴を上げる。
 さっさと止めておくれと泣き叫ぶように。だがバンダの魂がそれを許さない。
 そら見ろ、また次の奴らが追いかけて……いや、あれは?

「いよぉーう! ゴキゲンな飛ばしぶりじゃないか、バンダ=サン!」
「ファック?」
 猛スピードの風のなか、平然と並走する宇宙カブ。乗り手は数宮・多喜。
「どうしたい、自慢のカノジョが悲鳴を上げてるじゃないのさ。恋人にまで手を上げるのがあんたのスタイルかい? そいつは女として頂けないねぇ」
「ファック! 知ったような口抜かすな!」
「ハッ! まだ減らず口は叩けるみたいだね。そうこなくちゃ」
 多喜は中指を立てられても気にせず、スピードに髪をなびかせた。
「オーケーオーケー、その意気を買おうじゃないか。実際もう限界だろう?」
「ファ……」
「みなまで言わなくていいよ! おアツいデート中にちょっかいかける邪魔な子鬼(ゴブリン)どもは、アタシらが相手してやるからさ!」
 だからさっさとどこかのゼブラゾーンに駆け込みな、と、挨拶代わりに中指を立て返す多喜。痛いところを突かれ、バンダは言葉に詰まった。
「彼女と長くやるコツはね、愛情をもって接することだよ?」
 多喜に追い抜かれる。それが、もう限界の証。バンダはハンドルを殴りかけ、代わりに自分の頬っ面を殴った。
「ファック! ……ファック!!」
 ゴガミのサブ依頼は達成されたようだ。走り屋にとって、これほどの苦悶はあるまい。

 ……一方、多喜&カブの後方!
「「「イヤーッ!」」」
 増援レッドゴブリン部隊がふたりを追う。ヤクを奪取したとて目撃者は逃さないか! メガコーポの徹底的かつ悪辣な皆殺しウェットワークだ!
「まったく、見苦しいものよのう。モータルならば退き際を弁えよ」
 ジェット・ブレードにサーフィンめいて立ち乗りするワタリ・イブキは嘆息。
 猛烈なスピードの風の中でも、彼女の憂いを帯びた表情はまったく揺るがない。
 ロケットエンジンつき巨大剣で、いささかもバランスを崩さずに飛行できる脅威的サイバーニンジャ平衡感覚こそが、彼女の古強者たる証だ。
「アンブッシュの警戒すら怠るとはな。教訓を味わわせてやろう……イヤーッ!」
 ジェットブレード加速! ワタリは猛スピードでハイウェイを飛翔し、そして背後からレッドゴブリン部隊をアンブッシュした!
「「「グワーッ!?」」」
 SLASH!! 超スピードチャージを受け、レッドゴブリン部隊のうち半数が爆発四散!
 残る半数はかろうじて回避成功するものの、斬撃を躱しきれずボディが破損した!
「ドーモ、コワッパの皆さん。ブラックフェザーです」
 敵を追い抜きその眼前に躍り出たワタリ……いや、ブラックフェザーは、飛行状態でオジギした。なんたる不遜!
「モータルひとりによってたかって、当世のニンジャは群れねばなにも出来ぬのかえ?」
「ザッケンナコラ! さては社敵! アミダに楯突く者みな等しく死!」
「くだらぬ。たとえ量産型とてニンジャのはしくれならば、己の手綱は己で握るべし。企業なぞにエゴを売り渡した時点で、お主はニンジャの名折れよ」
 強大なるイモータルは敵を睥睨した。レッドゴブリン部隊は、本能的なニンジャ恐怖を感じ震え上がる。だが、その恐怖を社への忠誠心が塗りつぶした!
「「「ほざけ老いぼれめ! イヤーッ!」」」
「イヤーッ!」
 射出スリケンを竜巻じみたブレード旋回で回避! 高速走/飛行しながらの、常人では手出し不可能なニンジャのイクサが幕を開ける!

 だが! ここに現れた猟兵たちは常人ではない! ニンジャでなくとも彼女らはタツジンなのだ!
「わぁ、ニンジャさんがいっぱいだね★……えっと、あっちは味方、だよね?」
「そんなの確認しないでもわかるだろ!? いや、まあなんか敵っぽいけどさ」
 いつの間にやら宇宙カブにタンデムしたシルキー・アマミヤにツッコミを入れる多喜。
 美少女型ホログラム(※シルキーの本体は箱型頭脳洗車だ)はてへりと舌を出してウィンクした。あざといが、カワイイ。カワイイはシルキーの生き様だ。
「じゃあ、あっちのサイバーニンジャさんだけやっつけないとね★」
「とはいえすさまじいスリケンの弾幕だね。ありゃあ、下手に加勢すると邪魔をしちまいそうだよ」
「それならシルキーちゃんに任せて★シルキーちゃんは、ただのカワイイ何でも屋箱じゃないんだから★」
「何でも屋箱ってなんだい……?」
 多喜は呆れつつ、シルキーの謎の自信を一旦は信じることにした。
「とにかく近づけて★スリケンは避けられるよね?」
「言ってくれるねぇ、やってやろうじゃないか!」
 ガオオオオン! 挨拶代わりのエグゾーストノートを響かせ、多喜は高速スリケンラリーを続けるニンジャ集団に飛び込んだ!
 流れ弾じみてスリケンが飛来するが、多喜は生来のサイキック能力で見えない衝撃波のシールドを纏い、ジェットストリームめいてスリケンをいなす!

「おのれ新手の社敵! ならばカトン・ジツ! イヤーッ!」
「「「イヤーッ!」」」
 レッドゴブリン部隊は即座に手を変えた。高熱カトンを放射し、衝撃波では防ぎきれない熱量で多喜らを……否!
「みんなー! "シルキーちゃん達を助けてくれるよね"?」
『無差別支援要請システム「LAW-LACK」起動します』
 ぱちん、とシルキーがウィンクすると、ハート型ホログラムがキラキラしたエフェクトとともに浮かんだ。
 すると、見よ! レッサー・カトン・ジツが暴走! オーバーヒート状態を促進され、さらに放射されたカトンはレッドゴブリン部隊を襲ったのである!
「「「グワーッ!?」」」
「ほう。ジツを奪い取ったか。否、サイバーザナドゥとやらを掌握したのか……まあいずれにしても、奪い取られる時点でウカツよのう」
 シルキーの鮮やかな電脳ウィルスハッキングを、彼女なりに理解したブラックフェザーは、感嘆と呆れの入り混じった吐息を漏らした。
「こいつは派手だねぇ。モスキート・ダイビング・トゥ・ベイルファイアって奴かい?」
「その炎もニンジャさんのセルフサービスだけどね★みんなありがとー! おつかれさま、休んでいいよ★」
 シルキーはKu-9を投擲! 突き刺さったクナイ・ダートが炸裂! KBAM!
「サヨナラ!」
 レッドゴブリン爆発四散!
「ここはハイウェイだ、歩行者が出張るんじゃないよ! オタッシャしな!」
 ガオオオオン! KRAAAASH!! さらに多喜のチャージ炸裂!
「サヨナラ!」
 レッドゴブリンは轢殺チャージを受けネギトロ重点爆発四散!
「せめてカイシャクはしてやろう。イヤーッ!」
「サヨナラ!」
 ブラックフェザーのスリケンが脳天に命中! レッドゴブリン爆発四散!
「やれ、サンシタ風情ではカラテを取り戻す足しにもならぬな。何はともあれ……ドーモ、娘子たちよ。アリガトゴザイマス」
 そして多喜とシルキーに感謝のオジギをした。強大なるイモータルとて、戦友には奥ゆかしく礼儀を尽くす。
「そいつはドーモ。……しかし刃でサーフィンって、さすがはニンジャだねぇ」
「やっぱり敵だったりしないかな?★」
「勘弁しておくれよ。アタシはハイウェイをブレードサーフィンで飛翔するニンジャとなんかイクサしたかないよ」
 シルキーにまたも呆れつつ、多喜はブラックフェザーと並走し、アクセルを踏んで加速した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エルメク・バルカ
猟兵としての初仕事っ…それにしても世界の様相は様々なんですね。ヤクって薬ですよね?そんなに体が弱いんでしょうか?

まあ、各々疑問はおいておきましょう…仕事です。

飛び道具はスリ…ケン?でしたっけ?まぁ【UC】を使用してれば取るに足らない速度でしょうし。
両足を光に変異。速さは重さ…強度の検証と行きましょうか?
(光に迫る速度で接近、その勢いのまま蹴り)

数が多いので度肝を抜かれてるうちに滅光刃で切断。両手を雷に変えての雷撃等で迅速に排除。

…まあ、スピード勝負じゃ負けませんよ、ええ。
それと変な言葉遣いですね、「イヤッー」とか「アイエエ」とか…私も真似すべきでしょうか??
【アドリブ歓迎】



●ライトニング・ビギンズ
 エルメク・バルカが猟兵となって初めての仕事は、このサイバーザナドゥでの追走劇と相成った。
 "滅光の悪魔"としてデビルキングワールドで育ってきたエルメクにとって、世界そのものを滅ぼすほどに発展したこの文明は、まさに驚愕そのものだ。
「ヤクって、薬ですよね。そんなに身体が弱いんでしょうか……?」
 と、ドラッグの意味もわかっていない様子だ。21歳にしては大分おぼこい。

 ……が、それも無理はない。世界を渡るというのは、本来は大業なのだ。
 猟兵はグリモアの力を借りることでそれを可能としているが、
 まったく異なる世界に困惑し、常識を揺るがされるのは当然のことである。
「まあ、各々疑問は置いて……仕事といきましょう」
 そしてエルメクは、どれだけ初心でも、たしかな実力を持っていた。
 魔王の配下という枠にはとどまれないからこそ、彼女は猟兵としてこの世界に渡ってきたのだから。

 トメイ・エクスプレスウェイの路面を滑るように飛翔するエルメク。
 ジェットエンジン? 超能力? どちらも違う。
 彼女の両足は光に変じていた。そう、滅光の悪魔としての権能だ。
『煌神化』によって、光あるいは雷の特性……つまり物理法則の限界に挑む超スピードを手に入れたエルメクは、風さえもあとに曳いて駆け抜けた!
「ハヤイ!? ハヤイすぎる!」
 サイバーニンジャですら追いつけない速度だ! レッドゴブリンは驚愕!
「速さは重さです。強度の検証といきましょうか?」
 キュン! 流星じみて残光が煌めき、遅れて衝撃波が吹き荒れた。
「アバーッ!?」
 超スピードで間合いを詰めたエルメクのハイキックが、レッドゴブリンの頭部に命中!
「サヨナラ!」
 レッドゴブリンは爆発四散! 蹴り抜いたエルメクは、地面に焦げ跡を刻みながら減速停止し、振り向いてきょとんとする。
「え? さよなら? ……爆発した??」
 敵の度肝を抜いて攻撃するはずが、珍妙奇天烈なニンジャのシャウトにこちらが面食らっていた。
「「「イ、イヤーッ!」」」
「いやー? 嫌なんですか? 変な言葉遣いですね……」
 エルメクは気を取り直し、射出されたスリケンを稲妻じみたジグザグ機動でかいくぐり、滅光刃を展開、切断!
「「「サヨナラ!」」」
 さらに両手を雷に変え、雷撃を放射!
「アバーッ!?」
「……なんなんですかね、あれがこの世界の流行なんでしょうか……??」
 エルメクは首を傾げた。なお、断じてそんなことはないのだが、彼女はこの世界では新参者なので、当然わからない。
 青少年のなんかがアブナイ! それはそれとして敵を殺しまくるエルメク! 殺戮者のエントリーだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
聞いた限りだとあんまり褒められた人品してはいなさそうだけれど…それでもこの世界じゃ相当にマシな部類なのよねぇ。
クスリ放っておくのも寝覚め悪いし、人助けといきましょうか。

ミッドナイトレースに○騎乗、ラド(車輪)と韋駄天印(迅速)で機動力を底上げして●轢殺を起動。久々に景気よくブッ飛ばすわぁ。これでも一山いくらのサンシタには捕まらない程度にはスピードに自信あるのよぉ?
攻撃の軌道〇見切って寄せないように片っ端から流鏑馬でブチ貫いちゃいましょ。
フリップ・スライド・スピンターン、トリックの手筋はいろいろあるわぁ。「飛」ぶのはマズいようだけど、「跳」ぶぶんには問題ないわよねぇ?



●バレット・タイフーン
 ろくでなしのハイウェイスター。正義の、という形容詞をつけるには、だいぶクズである。裏社会に身を置くティオレンシア・シーディアですら、割と呆れる程度には。
「とはいえ、クスリ放っておくのも寝覚めが悪いし……そういうのを見て見ぬふりしないだけ、この世界じゃ相当にマシな部類よねぇ」
 だが何よりも悩ましいのは、そんなティオレンシアや(おそらくは)バンダですら嫌悪を催すほどの、このサイバーザナドゥに蔓延る邪悪……いや、堕落だ。
 であれば、なるほど「正義の」ハイウェイスターと呼ぶには相応しい。本人が善性を持つというより、クソのような世界の中では相対的にマシという意味で。

 何はともあれ、ティオレンシアはミッドナイトレースを駆り、"車輪(ラド)"のルーンとと韋駄天の印でさらに加速、アスファルトを切り裂くようなスピードで現地へ到着した。
「ドーモ、猟兵=サン。おのれ、レッドゴブリンです」
「レッドゴブリンです」
「レッドゴブリンです」
 その前に立ちはだかる量産型サイバーニンジャ! 同じ名前、同じ外見、同じオジギ。オブリビオンとしては珍しくもないが、なんともブキミだ。
「悪いけど、あたしニンジャじゃないからそういう礼儀は払わないわよぉ」
 ティオレンシアはアクセルを開き、さらにフルスロットルへ! ガオオオオン! と、猛獣の咆哮じみたエグゾーストノートを噴き上げ、加速Gをも跳ね除けんばかりのチャージ!
「久々に景気よくブッ飛ばすわぁ」
「「グワーッ!?」」
 さらにZANK!! 流鏑馬が脳天をブチ貫いた! 一体目のレッドゴブリンを貫き、その後ろにいたレッドゴブリンをも貫通! すさまじい破壊力!
「「サヨナラ!」」
 レッドゴブリン二体が爆発四散! ティオレンシアは巧みなハンドルさばきと体重移動でフリップ、スライド、スピンターンと、複雑なトリックをプロのモータースポーツ選手めいた華麗さでキメていく。アスファルトの上を跳ねるさまは、もはやバイカーというよりもサーカスのトランポリン曲芸師がごとき軽やかさだ!
「バカナーッ!?」
「飛ぶのは無理でも"跳"ぶのは問題ないでしょお? それじゃ、オタッシャデ」
 ZANK!! 真上からの流鏑馬が脳天からかかとまでを貫く!
「サヨナラ!」
 最後のレッドゴブリンが爆発四散すると、爆炎を背にティオレンシアは着地。
 ちょうどその頃、遠くではGINビカリを停車させたバンダがクルマを降り、唖然とした顔でティオレンシアと猟兵らを眺めていた。
「……ファック……なんて奴らだ……スピードもだが、それ以外もヤバイすぎる」
 タフなハイウェイスターをして、ただただ感嘆するほどのキリングテクニック。ティオレンシアの武器は、スピードだけではない。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『ハイウェイチェイス』

POW   :    邪魔する奴を体当たりで跳ね返す

SPD   :    最高速度でかっ飛ばす

WIZ   :    敵の移動ルートを読み、別ルートから攻める

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 予定通りにヤクは強奪された。すると……ALAS! 猟兵らの行く手を遮る企業警察のヴィークル軍団! アミダ社がカネで集めた悪徳マッポ軍団だ!
「公道での暴走行為は重罪だぞ貴様ら! 通常であれば最低20年以上の禁固刑および全財産没収ならびに賠償金請求! しかし貴様らは前科66犯以上の超級重犯罪者集団ゆえ即刻略式死刑重点!」
 ウーウーウー! けたたましいサイレンとともに、スピーカーから欺瞞警告! 当然だが、猟兵たちにそんな前科などない(者によってはそれ以上の罪科を背負ってそうだが)。司法など、メガコーポにとってはいくらでも捻じ曲げられるものなのだ。これでは濡れ衣どころの話ではない。となれば、話が通じる相手でもないだろう。
「総員発砲許可! 全火力を以て秩序破壊者どもを駆逐せよ!」
「「「ヨロコンデー!」」」
 立ち並ぶ無数の警察車両からせり出る銃口! 拳銃・機関銃・果ては機関砲にグレネードランチャー! 重犯罪者相手にはあまりにも過剰な火力、最初からそのつもりだったということか!

 だが、猟兵にとってはこんなもの、ユーベルコードを使うまでもないだろう。
 もちろんユーベルコードを使えば、さらに鎧袖一触のはず。欺瞞砲火をパワーで叩き潰し、スピードで切り抜け、知恵と判断力で潜り抜けろ。カネでなんでも思い通りになると思っているクソ野郎どもに、目にもの見せてやれ!
新田・にこたま
ああ…まとめて大火力で消し飛ばしてやりたいです…!
しかし、民間への被害が出るならここは我慢…細かく潰していきましょう。

翁丸ドローン、ショックウェーブ装備で発進しなさい。(※【衝撃波】技能を100レベルに)
召喚したドローンたちにグレネードなどの大火力の武器は衝撃波で撃ち落とさせます。
防御に回した2,3機以外はヴィークル軍団の攻撃に向かわせます。
道路を壊さない程度に吹き飛ばして壊滅させてやりましょう。悪徳警官なんてただの悪党よりも罪深い存在です。任務後にしっかり殺しに戻りましょう。

カーチェイスしながら相手を衝撃波で攻撃する軍用ドローンが出てくる映画もありましたね…映画では使ってるの悪役側でしたが。


カルマ・ヴィローシャナ
だまらっしゃい! このマシンが目に入らぬかオロカモノ!
たかが重火器、マシンXXで押し返してくれるわよ!
実況しつつパフォーマンスめいた挑発で敵の攻撃を集中させ
運転席へ戻りアクセル全開で運転!

マシンXXの武装を操作して全域に妨害ハッキング電波を放出しつつ制圧射撃
ドミネーションを操って大量の警察車両ホログラムを見せてやるわ
火薬ヨシ! スタントヨシ! 獲物ヨシ! さあ撮影スタートよ!

(大音量のドラマのオープニングめいた楽曲)
(爆発音)
(爆発)
(ジッサイ爆発)

イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!
功夫めいたスタントで暗黒警官どもを滅多打ち!

……そうしろってゴーストが囁いてるんだもんカルマちゃん悪くないもん!



●ダブル・ヘッド・ドラゴン
 機関銃、ロケット砲、グレネードランチャー、対空機銃……。
 治安維持のためには過剰火力もいいところだが、サイバーザナドゥではチャメシ・インシデントだ。
 それだけヤバイワルどもがいるということでもあるが、それ以上にこの堕落企業警察もヤバイ。火力においても、この世界はインフレーションしている。
「ああ……まとめて大火力で吹き飛ばしてやりたいです……!」
 ここにもヤバイ警官がいた。新田・にこたまである。
「にこちゃん、どうどう! そんなことしたら道路吹っ飛ぶから、ね!?」
 彼女のヤバさをよく知るカルマ・ヴィローシャナは、慌てて制止した。
「え、ええ、わかっています。民間への被害が出るのはまずいですからね。
 というかカルマさん、どうして慌てているんですか? そのほうが不思議です」
「えっ? あ、いやーそれはいいから、あいつらをどうにかしないと!」
「……? そうですね」
 にこたまは首を傾げた。カルマは、額の汗をひそかに拭う。
 本当にやりかねないから思わず制止した、などと言っては、ボスとの戦いの前に内輪揉めになりかねない。あと、にこたまを怒らせたら怖そうである。

「どうした秩序破壊者ども! 恐れをなして逃げ出すなら今のうちだぞォー」
「なんですってこの癒着汚職野郎が……!」
 重武装チーフマッポの挑発にキレかかるにこたまだが、今度はカルマがキレた。
「だまらっしゃい!!」
「アイエエエ!?」
 カルマの一喝を受け、チーフマッポは失禁をこらえる。悲鳴で拡声器がハウリングし、嫌な音を響かせた。
「このマシンが目に入らぬか、オロカモノ! たかが重火器、マシンXXで押し返してくれるわよ!」
 ゴアオオオン! 怪物エンジンがドラゴンの咆哮めいて唸る!
「さすがですね、カルマさん。しかし、流れ弾で道路が破壊されたりしても困りますから、ここは私も翁丸ドローンを使います!」
 にこたまは最新鋭軍用ドローンを召喚し、3機ほどを防御に回すと、残りはすべてマッポ軍団へと突撃させた。
「ショックウェーブ装備で行きなさい。悪徳警官なんて、ただの悪党よりも罪深い存在です。任務が終わったら全員殺しに戻りますので覚悟を!」
「アイエエエ!?」
 チーフマッポ失禁! わざわざ再殺宣言する容赦のなさにひっくり返った!
「私が前に出て攻撃を集めるから、そのあいだによろしくねにこちゃん!」
「わかりました。大丈夫だとは思いますがお気をつけて」
 カルマはすぐさま運転席に飛び乗り、アクセル全開! ギャギャギャギャッ!
「う、撃てー! 撃てーッ!!」
「「「ヨロコンデー!」」」
 BRRTTTT!! KA-BOOOOM!! DOOOOOM!! 砲撃開始! すさまじい爆炎がふたりを包む!

 ……だが!
「「「アイエエエ!?」」」
 爆炎の向こうから飛び出したのは、翁丸ドローン編隊だけではなかった!
 警察車両である。しかも無傷! ユーベルコードによる召喚か!?
「火薬ヨシ! スタントヨシ! 獲物ヨシ! さあ、撮影スタートよ!」
 カルマは録画ポタンを論理スイッチ! するとなんらかのドラマのOPらしき、メキシコめいた西武の荒野を思わせる真の男のBGMが流れ出した!
 警察車両の列は一切傷つかない! それも当然だ、これはすべてホログラム!
「ど、どこにあんな戦力がーッ!?」
 KA-BOOOOM!! 足並みの乱れたマッポ軍団第一防衛線にショックウェーブ到来!
 さらにカルマは派手なドリフトを決めて邪魔な鉄くずを吹き飛ばし、時には運転席を飛び出してカンフーめいたカラテで敵を倒す!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 ワザマエ! カメラワークを意識したアクロバティックな芸術的アクション!
 暗黒汚職警官は爆風でふっとばされて弓なりに飛んでいく!
「……そういえば、カーチェイスしながら相手を衝撃波で攻撃する軍用ドローンが出てくる映画があった気もしますね。この状況のほうが派手ですが」
「え? その映画、ドローン使ってるの悪役じゃ……」
「大丈夫ですカルマさん。誰がどう見ても、我々は善玉ですよ」
「にこちゃんに言われると不安しかないにゃー!?」
 KA-BOOOM!! 盛大な爆発が、背後で火柱じみて巻き起こされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シルキー・アマミヤ
あっ、おまわりさんいつもお仕事ご苦労様でーす★
お仕事頑張ってるシルキーちゃんに移動手段を持ってきてくれたんだね★

じゃあ“持ってきてくれた手近な警察車両”にコネクター接続してー、ハッキングしてー、そして【殲滅機構・規格外兵装】しちゃうよ★
あれ?『不明なユニットが接続されました』?大丈夫!不明なユニットじゃなくてシルキーちゃんだよ★

もうー★そんなに大声で応援(※罵声とか銃声である)してくれると張り切っちゃうんだぞ★
(暴走異形化パトカーから火砲をぶっぱなし黙らせ威力3倍で次の現場へ向かう。
だって3分したら壊れるからね車が)

……あ★あんなところにも応援のおまわりさんだね★
(次のカモを発見しました)



●オーバーキル・ランページ
 BRATATA! BRATATATAT!! 乱れ飛ぶマシンガン!
「あっ、おまわりさんいつもお仕事ご苦労様でーす★」
 だがシルキー・アマミヤは平然としている! なぜ? ホログラムだからだ!
「おいどうなってる!? なんだあいつは!」
「聞いたことがあるぜ、美少女のふりしてるイカれたデスブリンガーの噂!」
「お仕事頑張ってるシルキーちゃんに、移動手段を持ってきてくれたんだね!」
「じゃあ本体はどこだ!? そいつをぶっ壊せば……」
「さっそくだけど、この警察車両貸してもらうねー」
「「エッ?」」
 ガガピー。運転席の液晶に「不明なユニットが接続されました」の赤文字!
「あれれ? 大丈夫だよ! 不明なユニットじゃなくてシルキーちゃんだから!」
「「アイエエエ!」」
 汚職警官たちは慌てて車両から転がり出た。次の瞬間!
「さあ、みんな壊れるまで暴れちゃうぞ★」
 ガガガガ! メキメキメキ! パトカーは暴走、さらに異形化!
 頭脳戦車本体は運転席、いやコクピットへ。シルキー立体は頭頂部に飛び乗る!
「さあ、やっちゃえー!」
「「「アイエエエ!?」」」
 ゴウウン。異形化した火砲が汚職警官を狙い……KA-BOOOM!! 炸裂!
「「「アバーッ!?」」」
 爆炎が天を衝くばかりに上がった! 応援に駆けつけたガンシップ撃墜!
 燃え盛る爆炎をノシノシと踏み越えゆっくり前に進む異形化パト! コワイ!
「貴様ーッ! 窃盗罪……いや器物損壊? と、とにかく犯罪追加! 即刻処刑!」
「それはもう聞いたよー★」
「警察の備品なんだと思ってんだクソ野郎ーッ!」
「もうー★そんなに大声で応援してくれると張り切っちゃうんだぞ★」
 会話が成立していない! 狂気! 返ってくるのは意味不明な言葉と砲撃だ! KRA-TOOOM!!
「「「アバーッ!!」」」
 なんたるアビ・インフェルノ・ジゴクか! そこらじゅうで爆発! 爆発!! 爆発!!!

 ……数十秒後、そこにはスクラップの山が出来上がった。
「「「テメッコラー秩序破壊者!」」」
「あ★応援のおまわりさんたち、お勤めご苦労さまでーす★」
 KRA-TOOOOM!!
「「「アバーッ!?」」」
「さあ、どんどんお掃除(しごと)しちゃうぞ★」
 シルキーは狂っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・凪
SPD

「ドーモ ハジメマシテ ジンライ…」
(『健康的』『実際安全保証』と書かれた電光掲示板の上に立ち腕組み。そして少し間を開け…)

「フォックスです」(決断的に目を見開くと同時に背後で終末的漆黒の落雷! コワイ!)


「デンゾウ=サン 気遣いに感謝するがボクには『足』がある」(耳のインカムで通話しつつ)

「『このままやらせてもらおう』」(ダッシュ+残像+リミッター解除を用いた電光石火ムーブ!)

真正面から弾丸の雨に向かおう。

「出てこい 90秒だ… 90秒で終わらせる」(UC:夜天九尾発動 尻尾1本につき10秒  『光の速さを超える』)

「イヤッー!!! イヤッーー!!! イヤァァァッーーーー!!」(属性攻撃+麻痺攻撃を用いた決断的カラテ! 鼻先1ミリまで接近しての腹部への掌底!)


「撃つなら手加減はしない。撃たないのなら足を洗って田舎に帰るんだな。」(戦意喪失した警官がいれば「優しさ」を用いて説く)



●ライク・ア・ライトニング
「後退! 後退だ! 立て直しだーッ!」
 猟兵たちのすさまじい攻勢に、邪悪堕落マッポ軍団はたまらず後退した。
 応援部隊と合流し、より強固なバリケードを築くつもりのようだ。しかし!
「ドーモ、はじめまして」
 反転したマッポ軍団は、「健康的」「実際安全保証」というミンチョ体が踊る電光掲示板の上に、煮え立つような恐ろしい狐面のニンジャを見た。
「ジンライ……フォックスです!」
 カッ! 叢雲・凪が目を見開いた瞬間、背後に終末を予感させる無慈悲な漆黒の雷が落ちた! ガガーン! 逆光のシルエットとなったその姿は恐ろしい!
「「「アイエエエ!? ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」」」
 コワイ! いかに堕落マッポとはいえ、本物のニンジャを見たことがある者はほとんどいない! 中には失禁し、マグロめいて痙攣する者までいる!
「デンゾウ=サン。気遣いに感謝するが、ボクには『足』がある。……そうだ。このままやる。幸い、奴らのほうから向かってきてくれたのでな」
 インカム越しにどこかへ通信を終えた凪……いや、ジンライ・フォックスの腰のあたりから、バチバチと黒いエネルギーがほとばしる。
「出てこい。90秒だ。90秒で終わらせる」
 するとエネルギーは物質化し、黒雷を思わせる尾が9つ生えた。瞬間、ジンライ・フォックスの姿は霞めいて消え、遅れてソニックブームが吹き荒れた!

 夜天九尾。
 黒雷兵装『鳴雷』を解くことで、眠れる九尾……黒神の化身を顕現せしめるそのユーベルコードは、わずかな時間だが凪を光めいた速度にさえ到達させる。
 雷すなわち光! 光すなわち光速! 猟兵でさえ、その速度に反応できる者がどれほどいるか! いわんや堕落マッポ軍団ごときでは!
「イヤーッ!」
「グワーッ!?」
「イヤーッ!」
「アバーッ!?」
「イイイイイヤァアアアアーッ!!」
「オゴーッ!?」
 ハヤイ! ジンライ・フォックスは次々に兵装を破壊! さらにやむなく拳銃射撃を試みた堕落マッポ警官に非致死的カラテを叩き込み、鼻先1ミリという接触インファイト距離で意識を刈り取っていく!
 はたして数秒、いや、もしかしたらもっと短いかもしれないが……あっという間に、撤退中の堕落マッポ軍団は、誰一人殺されることなく鎮圧されてしまったのだ。
「ナンデ!? ニンジャ……ニンジャ! アイエエエ!」
 フリークアウトした堕落マッポ警官が、震えながらリボルバーを構えた。
「撃つなら手加減はしない」
 ジゴクめいた声音とともに、ブシュウ、とその体からキリングオーラを立ち上らせるジンライ・フォックス。
「撃たないのなら、足を洗って田舎に帰るんだな。アブハチトラズだ」
「ア、アイエ……」
 気絶した堕落マッポ警官を捨て置き、ジンライ・フォックスは色ある風となって消えた。
 どんな悪党だろうと、けして命は奪わない。なぜなら彼女は、ニンジャである前にひとりのヒーローなのだから……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

レン・ランフォード
さて、ここからはれん達の番…
なにか邪魔があるみたいだけど
まぁ気にしなくていいね…思いっきり走っていいよ、たろー

一発爆弾投擲で不意打ちかましたらダッシュ
並走しているたろーに飛び乗りながらUCで実体・巨大化
包囲を跳び越えて運び役を追跡開始…

走りながらご紹介
この子はたろー、私達がつけた名前は数珠丸太郎
冷たい場所で未練を抱えていたかられんが拾った狼の霊
賢い動物に引けを取らないほど賢くて特技はお手
好きなものは鶏肉と「走る事」
後ついでに負けず嫌い…ふふ、誰に似たのかな…?

追手は爆弾投擲で吹き飛ばし
道を塞ぐ輩の銃撃は結界術の障壁で弾く
たろーが走る事を邪魔させないれんはよい飼い主…



●ラン・アンド・ラン
 ……KA-BOOOM!!
「「「グワーッ!?」」」
 突然の爆発に汚職マッポ軍団が怯んだ! もはや、猟兵たちの大暴れで防衛線もグダグダだ。
 爆炎に紛れる形でがら空きの検問を飛び越える巨大な影……狼である!
「なっ、なんだあの巨大な狼は!? アニマルロボか!?」
「そんなものじゃないよ……ね、たろー」
 身長の二倍はあろうかという白狼の背に、レン・ランフォードあり。
 "れん"は拳銃を向けようとした汚職マッポ軍団に手裏剣を投げつけた。拳銃だけを弾く見事な手さばき!
「「「グワーッ!」」」
「この子はたろー。"私たち"がつけた名前は、数珠丸太郎。
 冷たい場所で未練を抱えていたから、れんが拾った狼の霊……だよ」
 なるほどよく見れば、狼の白い毛並みはわずかに透けており、この世の存在でないことを知らしめている。
 が、たくましい両足でコンクリートを踏みしめ駆け抜けるごとに、脈動する心臓が全身の血管に熱い血潮を届けるがごとく、実体化を強めていた。
「う、撃て! 撃てーッ!」
 BRATATATATAT! 機関銃掃射! だが数珠丸太郎には当たらない!
「賢い動物とは違うけど……同じぐらい賢くて、特技はお手。たろー、見せてあげて」
 GROWL!! と力強く吠え、数珠丸太郎は「お手」をした。
 戦車に搭載される重機関砲をはたき、破壊! KA-BOOOM!
「アバーッ!」
 砲撃手は黒ひげ危機一発めいて垂直に爆風射出! れんは振り返らない!
「好きなものは……鶏肉と、「走ること」」
 ちらりと背後を振り仰ぐ。ウーウーウー! サイレンとともに追走する車両!
「囲め! たかが獣一匹、これ以上好き勝手させるな!」
「「「ヨロコンデー!」」」
 ニトロターポで加速した堕落マッポ車両が数珠丸太郎に追いつく……が!
「あと、ついでに……負けず嫌い」
 数珠丸太郎はぐんと加速。さらにれんは爆弾を投擲しマッポ車両を吹き飛ばした!
「「「グワーッ!?」」」
 KRA-TOOOM!!
「……ふふ、誰に似たのかな……? 気にせず走っていいよ、たろー」
 狼は再び力強く吠え、風が毛並みを吹き抜ける心地よさに目を細めた。
 人間の築き上げた人間のための道を、自由なる獣は我が物顔で駆け抜ける。
「うん、れんはよい飼い主……」
 KA-BOOM!! 背後で爆発! れんは振り返りもせず、ふんすと自画自賛した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワタリ・イブキ
引き続きブレードでの【サーフィン】で移動しつつ。

やれ、まさしく権力の狗といった風情よな。情けなきことよ。
力無きモータルとあらば致し方なき事やも知れぬが、妾の道を妨げるならば容赦はせぬ。
命までは取らぬが、精々その心に恐怖を刻んでゆくが良い。

――ヒカエオラー!!
(圧倒せる恫喝発動、【殺気】と併せてマッポ軍団を威圧し行動阻害を試みる)

ブザマにドゲザするならば良し。
それでも反攻を試みるならば、相応の気骨の持ち主とも言えようが――妾を止めるには些かならず不足よな。
(スリケンを【投擲】し腕や脚を撃ち抜く)
己のエゴと向き合って問うが良い。その生、メガコーポ風情に売り渡して本当に良いものであるか否か、とな。



●エゴイスティック・オーバーウェルム
 ジェット・ブレードをサーフィンめいて乗りこなし、エクスプレスウェイを滑空飛翔するワタリ・イブキ。その胸は豊満だった。そして彼女は憂いを浮かべていた。
「やれ、まさしく権力の狗といった風情よな……情けなきことよ」
 メガコーポに隷属する堕落マッポを憐れんでいる。義憤すらも湧いてこない。
 そもワタリは、人間的義憤の類を持ち合わせていない。彼女はもっと超然とした、イモータルめいた精神性の持ち主である。
「力なきモータルとあらば致し方なきことやもしれぬが、それとこれは話が別。
 妾の道を妨げるならば、容赦はせぬ。即刻蹴散らしてやってもよいが……」
 ワタリは脳内でイマジナリーカラテした。どれだけ数を集めようが所詮はモータル、軍ですらない。突破は容易い。ジゴクじみた血の雨を降らせれば。
 しかしそれでは無体というもの。奥ゆかしさに欠けるし……面白くない。
「ヤンナルネ」
 ワタリは憂い顔で、淑やかに呟いた。その胸は豊満だった(スタイルが良いなので)

「射撃開……」
「ほう、やはり歯向かうか。ならば、せいぜいその心に恐怖を刻んでゆくがよい」
 ワタリはチーフ堕落マッポが片手を挙げようとした瞬間、大きく息を吸い込んだ!
「――ヒカエオラー!!」
「「「アイエエエ!?」」」
 コワイ! 恐るべき古代のニンジャスラングと、圧倒的ニンジャ存在感を浴びせられた堕落マッポ軍団は、チーフ堕落マッポ含め全員が急性ニンジャリアリティショックに陥り失禁! 中には泡を吹いて気絶した者までいる!
 たとえ凶悪犯罪者にすら臆さぬサイバーザナドゥのマッポとて、DNAに刻まれたニンジャの恐怖には抗えないのだ!
「さあ、妾の道を開けよ。阻む者はおるかや?」
「「「ゴメンナサイ!」」」
 正気を保つ者はみな、ブザマにドゲザした! ワタリは冷たく一瞥する。
「クルシュナイ。モータルよ、奥ゆかしく生きるがよい。その生、メガコーポ風情に売り渡して本当にいいものであるか否か……己のエゴと向き合うことだな」
「「「ハイ! アリガトゴザイマス!」」」
 ニンジャのダイミョ行列にひれ伏す古代モータル市民めいて、誰もがドゲザし頭を上げられなかった。
 気骨ある者が反抗したとて、ワタリは殺しはしなかっただろう。だがそれは慈悲ではない。人が部屋に迷い込んだ羽虫をなんとなく窓から逃してやるような、他愛もない気まぐれなのだ。
「力なきモータルが群れるは当然のこと。命の使い方を間違えぬことだ。ハゲミナサイヨ」
「「「ハイ! アリガトゴザイマス!」」」
 ワタリはゆうゆうと飛んでいく。その胸は豊満だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルメク・バルカ
…あら?私いつの間に、そんな筋金入りのワルになってたんです??ふふっ…母様はお喜びになるでしょうか(照れ照れ)

それでは、格を上げるためにもマッポ…でしたっけ?彼らには
犠牲になって貰いましょうか

(UCを発動。空気中の水蒸気が爆ぜ、雷鳴が鳴り響き、戦場に万雷が降り注ぐ…)

電磁浮遊で路面スレスレを飛べば問題無いでしょう
攻撃手段は銃ですか…磁場が発生してるので適宜、磁力で受け止めて返します
…そもそも雷の速度で移動が出来るので、正攻法では捕まりませんよ私
…数が多いので纏めましょうか、えぇ物理的に
(強力な磁力で複数の車両を浮かせ、マッポ達も一纏めにし、マッポ玉を形成)

そだ、これあげます(他の車両に投げた)



●ノー・マーシー
 KRACK! KRAAACK!!
「な、なんだ? スコールか?」
「い、いや違う! 見ろ! 『地上にも稲妻が生まれている』ぞ!?」
 KRAAACK!! ……雷鳴が轟き、万雷が降り注ぎ、アスファルトを雷の蛇がのたうつようにプラズマが蔓延る。
 空気中の水蒸気が爆ぜてオゾンの臭いを放ち、その中にエルメク・バルカが笑って立っていた。
「私、いつの間にそんな筋金入りのワルになってたのやら……ふふっ、このことを聞いたら、母様はお喜びになってくれそうですね」
 悪魔らしい勘違いをしているのは微笑ましいが、纏う破滅的な魔力と熱量はまったく冗談ではない。堕落マッポ軍団にとっては。
「それでは格を上げるためにも、あなたがたに犠牲になってもらいましょう」
 KRAAAACK……降り注ぐ雷は、すべてエルメクの電気で生じたものだ。
 磁力によってエルメクはふわりと浮かび上がり、そして……電光石火の如き速度で走り出した!

 とはいえ、スピードそのものはけしてサイバーザナドゥのオーバーテクノロジー兵器であれば捉えきれないほどではない。
 ではない、が……電磁力で磁場を纏ったエルメクには、そもそも弾丸が届かない。狙って撃っても、彼女に当たる前に空中で静止するか爆散してしまうのだ!
「アイエエエ!」
「数が多いですね」
 バチィ! と稲妻を放って堕落マッポを気絶させたエルメクは、弾雨のなかでしばし考え、ぽんと掌を拳で叩いた。
「そうだ、それじゃあまとめましょう! 物理的に!」
 磁場を操り、強力な磁力を一点に集める。すると、彼女の身体が浮かび上がっているように、周囲の悪徳マッポ車両が浮かび上がったではないか!
「「「アイエエエ!?」」」
 車内で応戦していた堕落マッポはこけつまろびつ、浮かび上がった車両から飛び出して地面を転がる!
 そして、見よ……浮かび上がったそれらはエルメクの頭上でひとつところに集まり、見えない力で押し固められて一塊になっていく!
「皆さんはこちらですね」
 もう片方の手をかざし、マッポ集団を一塊に! まさにマッポ玉だ!
「「「アイエエエ!」」」
「あ、そだ。これあげます」
「アイエエエグワーッ!?」
 KRAAAASH!! 巨大装甲車両にマッポ車両玉が投げつけられ爆散! 堕落チーフマッポは爆風で吹っ飛ばされた!
「ふふ、これできっともっとワルになれましたね!」
 エルメクの笑顔だけが晴れやかだった。コワイ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

はッ、冤罪もここまで盛られるとねぇ。
怒るどころか笑えてくるじゃないのさ!
言っとくがアタシのライセンスは有効さ、
ゴールドじゃないのは気にすんな!

ま、アンタらにそんなの見せても案内されるのは、
サイン会場どころかあの世っぽいしねぇ。
ハナからそうだと思ってたのはこっちも同じさ、
押し通らせてもらうよッ!

いつも『騎乗』しているカブの宇宙バイクらしさ本領発揮、ってね。
超高速走行モードに変形させて、弾幕の中を掻い潜りながらひたすらかっ飛ばす!
こちとらもっとヤバい軍隊とのドンパチも潜り抜けてきたんだ、マッポのチャカがなんぼのもんじゃ!
逆にお前らの器物損壊罪の現行犯通報してやろうか!!



●スーパーソニック
 敵の砲弾と猟兵のユーベルコードで、エクスプレスウェイはひどい有様になっていた。
 口火を切ったのは向こうなので猟兵たちに罪はなかろうが、それはそれとして明日からの物流は大変なことになるだろう。
 まるで凄惨な塹壕戦が繰り広げられたノルマンディー戦場のような有様のアスファルトを、数宮・多喜が切り裂くようにひた走る!
「そこの秩序破壊者! 止まれ! 止まれば苦しまずに殺すッ!」
「はッ! 選択する余地がないねぇ。アンタらの言う通りにしてやるほど、アタシはおとなしくはないんだよ!」
 ギュガガガ! 多喜が急カーブを切って刻んだバーンナウト痕を、ロケット弾がバラバラにふっ飛ばした。さらに執拗に多喜を追うミニガン! だが!
「ずいぶん冤罪盛ってくれたけどねぇ、アタシのライセンスは有効さ。ゴールドじゃないのは気にすんな!」
 多喜は芸術的なバイクテクニックで弾幕の中をかいくぐり、あるいはウィリー走行で車体そのものを盾にすることで弾幕を弾き、猛然とマッポ包囲網を突破する!
「止めろーッ! 物理的に通すなーッ!」
「「「ヨロコンデー!」」」
 堕落マッポ軍団は即座に横列待機し、悪徳マッポカーによる即席バリケードを形成!
 多喜はその上を跳ぶ! 真に優れたライダーは、バリケードをふっ飛ばすような真似はしないものだ!
「おや残念、アタシを阻むにゃ高さが足りなかったね!」
 BRATATATATA! 頬をかすめる銃弾を意に介さず、多喜は剽げた。
 目の前に立ちふさがる巨大装甲車両をS字急カーブで躱し、車体をホップさせて埋没地雷を飛び越え、進む、進む!

「な、なぜだ! なぜ止められん!」
「こちとらもっとヤバい軍隊とのドンパチもくぐり抜けてきたんだ、マッポのチャカがなんぼのもんじゃい、ってね! まあチャカどころじゃないけどねぇ!」
 BRATATA! 堕落マッポ軍団は必死で阻もうとする! だが! 止められない!
「アンタらにあの世まで案内されなくても、アタシは行きたいところへぶっ飛んでいくのさ。そしてアタシの道を阻むなら、押し通らせてもらうよッ!」
 フルスロットル! スリップストリームで生じた空気の壁で弾丸をそらし、多喜はついに防衛網突破!
 もはや、誰も彼女を止められない。追いつくことさえ……!
「ぐ、軍隊としても、マッポとしても敗北したというのか、我々は……」
 堕落マッポ軍団は、その影をただ見送るしかなかった。呆然と……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『フルメタル・サージェント』

POW   :    アイアムジャスティス
【パトランプ】を見せた対象全員に「【抵抗するな】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【生命力】が半減する。
SPD   :    ポリス・ヴィークル
自身の身長の2倍の【電脳接続した武装警察車両】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    ウォンテッド・マーク
攻撃が命中した対象に【緊急指名手配】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【周辺に存在するあらゆる警備装置】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●トメイ・エクスプレスウェイ交差部
 堕落マッポ軍団の妨害を取り除いた猟兵たちは、ついに敵首魁を目視した。
「ええい、役に立たんゴミどもめ! 全員減給ののち懲戒免職せよ!」
 なんとそれは、堕落マッポ軍団を派遣した企業警察威力制圧部隊のリーダーだ!
 もちろん装備はすべてアミダ・インダストリー謹製である。さらに頭上、デンゾウの警告していたメガコーポ警戒網を利用する形で、大量のガンシップが猟兵たちを狙っている!
「もはや容赦なし! トメイ・エクスプレスウェイの破壊を目論む凶悪テロリストの排除のため尽力せよ!」
「「「ヨロコンデー!」」」
 さきほどを越える弾幕に加え、空から対地ミサイルの雨! もはや敵はエクスプレスウェイ破壊の全責任をこちらに押し付けるつもりか!
 だが、猟兵はその程度では臆さない。奴らに、我々を敵に回すことの意味を教えてやれ!
シルキー・アマミヤ
そういえば、デンゾーさんが「無数の運輸ルートがマヒして、とてつもねェ額の被害が出る」って言ってたっけ!
つまり……その分もシルキーちゃんが稼げって事だね★お仕事了承したよー★

それにしても、武器を持ち出してハイウェイを壊すなんていけないんだぞあなた達★という訳で【お金は天下の回り物★】

そのガンシップも対地ミサイルも警察車両も、エクスプレスウェイ復興のためご協力くださーい★(強 制 徴 収)
もちろん徴収した分は換金して全額復興費用と被害者への治療費に充てるよ★

それでもハイウェイを攻撃する悪いオブリビオンは……
その身体(のパーツ売却)で払ってもらうしかないよね★(Ku-9装填)

※アドリブ連携等歓迎です



●フォースド・チャリティ
「そういえば、デンゾーさんが『無数の運輸ルートがマヒして、とてつもねェ額の被害が出る』って言ってたっけ!」
 ものすごくいまさらなことを、いまさら思い出すシルキー・アマミヤ。
 振り返る。もうもうと立ち込める黒煙。立ち往生する多数の車両のクラクション、あるいは強行突破しようとしたトラックの事故の音。悲劇はすでに起きていた。
「……つまり、そのぶんもシルキーちゃんが稼げってことだね★」
 はたして、彼女の頭脳はどういう回線の繋がり方をしているのか、ものすごい力任せの解釈をした。
 件のフィクサーがいたら、あまりのことにいっそ笑いだしているか、片手で目元を押さえて静かに頭を振っていたことだろう。
 が、ここまで来たら、もはやそれしかあるまい。アミダが起こした不祥事は、アミダから搾り取るのだ。完膚なきまでに奴らの計画を破壊すべし!

「ええーい! あのイカれたデスブリンガーまでいるとは!」
 いろいろな意味でブッとんだシルキーのことは、裏社会では有名だ。
 まともな戦闘は好ましくないと考えたフルメタル・サージェントは、すでに召喚し騎乗しているポリス・ヴィークルのエンジンをさらに出力アップし、戦闘は雑魚どもに任せて全力で離脱することを選んだ。
 BRATATATAT! 空から降り注ぐガトリング砲! エクスプレスウェイのアスファルトが、豆腐のようにあっけなく穴だらけになって吹き飛ぶ!
「武器を持ち出してハイウェイを壊すだなんて、いけないんだぞあなた達★
 そのガンシップも対地ミサイルも警察車両も、エクスプレスウェイ復興のためご協力くださーい★」
 だが、シルキーの攻撃方法は、単純な物理戦闘だけではない。
 内臓治安維持機構のひとつである『罰金強制徴収機構』を解放したシルキー。
 すると、電脳をハッキングされたガンシップの武装あるいはミサイルが自動でパージされてしまい、シルキーのほうへ吸い寄せられていく!
「な、なんだとーッ!?」
「もちろん徴収したぶんは換金して、全額復興費用と被害者への治療費に充てるよ★あなた達が起こしたトラブルなんだから、あなた達が損害賠償するのは当然のことだよね★」
「わ、我々はアミダ直属のエージェントでは……」
「一番ワルいオブリビオンには、その身体(※のパーツを売却して)で払ってもらわないとね★」
 Ku-9発射! 着弾! KA-BOOOM!
「グワーッ!?」
 ポリス・ヴィークルが大きく揺れる! 強制徴収(物理)だ!
「さあ★耳揃えて支払ってね★」
「そ、それは借金取りの台詞……」
「次弾装填★発射★」
「グワーッ!?」
 この世界において、チャリティーは徴収とほぼ同義らしい。少なくとも、シルキーが使う場合は。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レン・ランフォード
人格:錬
もう少しチェイスを楽しみたかったんだが…仕方ねえ
おられん!雨が酷くなった散歩は終わりだ!
数珠丸!ブツの臭いはここにあるか!
どっちにしても、速攻で終わらせるぞ!

避けるのは簡単だが、ここは「結界術」で障壁をはり足を止める
大技でいく予兆だぞ、抜かないと全員死ぬぜ?
結界を張ってるれんの文句を無視してルート選択
地上を一掃して飛んでるのは…「ジャンプ」で届くな
斬ったらそれを蹴って跳んで次のに行って
最後にお前と敵リーダーを指さす

刀を構えて、それじゃあ行くぞ
UC【化身法・刹那「斬光陣」】

一瞬で全員撫で斬った
その事に気付いた時にゃ「衝撃波」で「吹き飛ば」されて
ハイウェイから落ちてるだろう
道路は大切にな!



●ジャンプ・アンド・スラッシュ
 BRATATA! BRATATAT……KA-BOOM!!
 ガトリング、ミサイル、ガトリング、ガトリング。まるで戦場のような地獄の弾幕の雨あられ。これまでで最大密度の攻撃は、アミダがなりふり構わないことの証。
 他のメガコーポ各社も、この状況を静観しているわけがあるまい。猟兵には及びつかない、何か高度に政治的なやりとりの結果、猟兵という共通の敵を排除するために、アミダの暴走を「見ないふり」しているのだ。
「もう少しチェイスを楽しみたかったんだが、仕方ねぇ……おら、れん! 雨がひどくなった散歩は終わりだ!」
「……残念……じゃあ、あとは任せるね、錬」
 レン・ランフォードの人格が切り替わり、もっとも好戦的な錬が目を覚ます。
 分身状態のれんに結界術での防御を任せると、錬は数珠丸から飛び降りた。
「数珠丸! ブツの臭いはここにあるか!」
 狼はこくりと頷く。その鼻をごまかすことは出来まい。
「なら上等だ。さあて、足を止めたんだ。つまり大技で行くってことさ、抜かないと全員死ぬぜ?」
 錬は挑発的に笑い、素早くルートを策定する。そして!

「何? 立ち止まった? 死ぬつもりか……?」
「いえ、何か様子がおかし……アイエエエ!?」
 KA-BOOOM!! ザリザリザリ……。ガンシップとの通信が出し抜けに途絶えた!
「な、何が起きた!?」
 フルメタル・サージェントは泡を食って振り返り、そして驚愕した!
 ガンシップ爆散! 爆炎の中から飛び出したのは、生身の少女。つまり錬だ!
「ま、まさか! 生身でハイウェイからジャンプし、ガンシップを撃墜したのかーッ!?」
 然り! 錬はその脚力で神速移動を行い、空中のガンシップを迎撃。
 そして爆風を利用して隣のガンシップに飛び移り、さらに斬撃! KA-BOOOM!!
「アイエエエ! プロペラが! アイエ……」
 KA-BOOM!!
「こ、こっちに来やがる! 畜生! アイエ……アバーッ!」
 KBAM1 KRA-TOOOM!!
「……で、次はお前だ」
 プロペラを叩き切られ、狂った羽虫めいてスピン墜落するガンシップの上から、たしかに錬の声が届いた。
 まずい。フルメタル・サージェントが警戒した瞬間……吹き荒れる衝撃波!
「「「グワーーーーッ!?」」」
 まるでタイフーンだ! 護衛車両ごと吹き飛ばされるポリス・ヴィークル!
「道路は大切にな! こういうの、因果応報っていうんだぜ?」
 錬は爽やかにそう言うと、刀を担いでにやりと笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルメク・バルカ
貴方が最後ですか?
本気だして良い感じでしょうか?このままでは火照った体を持て余すハメになりそうなので…受け止めて下さいね??

我は閃、我は轟、我は滅。
さて、仇なす者を悉く滅ぼしましょうか「アステリオス」
(手を天に掲げる、彼女に雷が落ちると得物のハルバートが現れる)
推して参ります

雷の速度は兎も角、光の速度なら追えないのは確認済み。足を光に変えれば問題無いでしょう。証で身体に電気を流し、落雷や磁場で飛び道具は対処可能。
後は…、ガンシップが邪魔そうなら落して良いです?足突き出して光線撃ちますよ。

敵は「武装警察車両」の範疇なら問題視してません。空きが出来たら、切り込みますよ

【アドリブ歓迎】



●フラッシュ、サンダー、ジェノサイド
「あなたが最後ですか? 本気出して、いい感じでしょうか?」
「何ーッ!?」
 猛スピードで猟兵を突き放そうとしていたはずのフルメタル・サージェントだが、平然と車に並走するエルメク・バルカを見て腰を抜かした!
「このままでは、火照った身体を持て余すハメになりそうなので……受け止めてくださいね??」
「くっ、このまま相手してられるか! 撃て撃て撃てーッ!」
 フルメタル・サージェントはさらにアクセルを踏む! BRATATATAT! 上方および全方位からの鏖殺射撃! だが!
「……なるほど、逃げるから追ってこいと。わかりました」
 エルメクは磁場で弾丸を逃しながら、手を天に掲げた。
「我は閃、我は轟、我は滅。さて、仇なす者をことごとく滅ぼしましょうか、「アステリオス」
 ガガァン! と雷鳴が轟く。次の瞬間、手のひらに落ちた雷はハルバードに変じていた!
「――推して参ります」
 両足を光そのものに変え、エルメクが……翔ぶ!

 包囲網を形成したはずの敵からすれば、それは一瞬の閃光(フラッシュ)としか認識できなかっただろう。
 次の瞬間には、空のガンシップと地表の装甲車が同時に爆散している。大気汚染黒雲を貫くもの……それは、光線だ!
「な、なんだ!? 何が起きた……HQ! HQ!」
「正体不明の攻撃でローターが! アイエエエ!」
「光が! 光がこっちに……アバーッ!」
 フルメタル・サージェントのもとに届くのは、悲鳴の断末魔ばかり。
 振り返ることすら恐ろしかった。光は、彼のもとにも届いていたのだから。
「デタラメすぎる、なんだあいつらは! いくら戦力があっても、足りな……」
「……追いつきましたよ」
「アイエエエ!?」
 再びの声! たまらず振り返るフルメタル・サージェント……だがやつが見たのは、やはり閃光だった。斬撃という名の、横薙ぎの閃光だ。

 ひときわ盛大な爆炎が、稲妻を帯びて空を劈いた。
 滅光のもたらすものは、殺戮と破壊。サイバーザナドゥのオーバーテクノロジーですら、強大なる悪魔の力には抗えないのだ……!

成功 🔵​🔵​🔴​

叢雲・凪
SPD

「どーも はじめまして。ジンライ…」(礼儀作法+威圧)

「フォックスです」(仮面の眼部が激しく放電!次いで背後で落雷!ブッダ!なんたる死刑宣告めいた非現実的アイサツか!)


「お前が彼らのリーダーか… で どうする?。ヤクを使ってキンボシでもあげるか?カチグミにでもなるか?」

「どの世界でもいつも同じだな。お前のような私利私欲に塗れた奴が弱者を虐げ搾取する。」

「そして蓄えた【金】という麻薬で人々を狂わせ理性と倫理観を奪う。彼らのようにな。」


「これ以上の問答は無用…」(両手を正面で交差させ構えるは叢雲流カラテの構え!)


サイバネティクスを使っている以上ボクの電撃は有効なはずだ。ダッシュ+残像+リミッター解除を用いて接近。トビゲリからのカラテだ!。(属性攻撃+麻痺攻撃)

「イヤッー!」

狙うは奴のスーツのシステム障害。奴の能力がシステムに依存しているのならある程度無力化できるはずだ。


「これで…サヨナラだ!」(頃合いを見計り畳みかける!)


「村雲流究極奥義…キツネ・トビゲリ!イヤァァアアアアア!!!」


新田・にこたま
メガコーポは本当に手段を選びませんね…まさに悪そのもの。
しかし、いつだって勝つのは私たち正義であるということを彼らに教えてあげましょう。

UCを発動し、私がこれまでに逮捕してきた悪人たちを改造したサイボーグ軍団をこの場に発生させます。
元々は悪であった彼らも私の正義の魂に呼応したことで今では正義の軍団。悪の軍団であるあなたたちなんて簡単にすり潰してやりますよ。
UCの使い手も多いですし戦力に不足はないはずです。私は隙を突いての(意味がない可能性も高いですが)物資の奪取に専念します。

さあ、私の正義の軍団たち。そんなに死にたいのなら全力を尽くすことです。
運が良ければ相手に殺してもらえるかもしれませんよ?


ワタリ・イブキ
何処までも姑息な事よ、正義を騙らねば何もできぬか。
真のニンジャには善も悪も無し、只々カラテあるのみよ。

(ブレードより降りると共にオジギ)
ドーモ、ブラックフェザーです。
オブリビオン殺すべし、慈悲は無い。

飛来するミサイルはスリケンの【投擲】にて破壊。ついでにガンシップも狙うとしようか。
なれど全滅するまで構う事は無い、敵首魁への道が開き次第其方へ向かおうぞ。

(パトランプを見て)
ほう、面白い玩具よの。それが如何したか。
抵抗?無力なモータルならばいざ知らず、妾の為すは抵抗とは言わぬ。エゴを貫くカラテよ。
(という理屈でペナルティ回避を試み、肉薄。UC発動)
この一撃にてサンズ・リバーを渡るが良い!


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

へっ、だーれがテロリストだって?
こんなメガコーポが鎬を削るビッグシティのハイウェイで、
よくもぬけぬけとのたまったもんだねぇ?
つまり、アタシはこう言いたいのさ。
情報封鎖は完璧か、ってね!

『騎乗』してるカブを『操縦』しながら、
ガソリンの詰まったサブタンクをぶん投げる!
すぐ蜂の巣になって火種がぶちまけられるだろ、
そこを『撮影』しつつネットワークを『ハッキング』!
【ヌwitter】に座標と一緒にライブ配信開始さ!
そうすりゃ目敏いハッカー共がクラッキングを仕掛けるだろ?
どんだけのセキュリティが生き残るかねぇ!

さあ、タックスの納め時さ。
サイバネを電撃の『属性攻撃』でぶっ壊すよ!


カルマ・ヴィローシャナ
堕落マッポ軍団め…
発達し過ぎたテクノロジーは人の心をこうも悪しきに染めるのね
ならば!

ビークルにはビークルで対抗よ
マッポにカチコんで夜のハイウェイにガオーするならこれ!
実況しつつ懐中時計をカチリと回してRIDE A TIME!
呼び起こすは過去に姿を眩ませた巨大な漆黒の人型ロボット
武装警察車両を挑発しジャミングをぶつけて早業ハッキングで無力化!
これ頭が開いてでっかいセンサが出るタイプよ絶対
見切られる前にカタぁつけてあげるわ!

火器を無力化したら私が光学迷彩で近づいて
そのまま功夫/カラテをぶちこむ! イヤーッ!!
存在感を増したパフォーマンスを撮影し配信し登録重点!

さ…逃げるなら今のうちよ、ゲンダ=サン



●ブレイク・オン・スルー、トゥ・ジ・アザーサイド
 KBAM! KBAM! KA-BOOM! KRA-TOOM!!
「アイエエエ!」
「HQ! HQ……アバーッ!」
「操縦が効かない! 操縦が……アーッ!」
 悲鳴。爆音。悲鳴。悲鳴。爆音。悲鳴……。
 大枚はたいて準備したはずの盤石の布陣は蹂躙され、あっという間に戦力を減らしていた。
「何故だ!? 何故ッ! ファック! ファック畜生!!」
 フルメタル・サージェントはダッシュボードを殴りつけた。自分が追いかけていたバンダと同じことをしているとは、気付いていない。
 ありえない。アミダ・インダストリーの資金力と兵力をもってしてすら、猟兵は追い払えないのか? このまま作戦が失敗に終われば、アミダは自分に全責任をおっ被せてとかげの尻尾切りをするだろう。
 いや、それ以前に、対立メガコーポ群から今回の大事故の責任を問われ、アサッシンがダース単位でデリバリーされるはずだ。助かるには、なんとしてでも目的のブツをアミダ社に届け、保護を受けるしかない。
「CEO総監になるはずの私の夢がッ! おのれ、猟兵ども……!」
 そもそもなぜ、たかがヤクにこれほどまでの戦力が投入されているのか、疑問に思う者もいるだろう。
 バンダも知らなかったことだが、このヤクはアミダ社の新型主力商品のひとつのフォーミュラなのである。正確には、試作品のセットというべきか。
 他のメガコーポの監視をかいくぐるため、一般の薬物売買の流通ルートに載せて輸送される手筈だったのが、偶然からバンダの手に渡ってしまったというわけだ。
 ブツを奪取されてしまえば、プロジェクトがご破談になるばかりか、製造ルートを辿られて大規模な販路を一網打尽にさせられてしまう。
 アミダ社としては、無視できるダメージではない。だから、何が何でも回収しなければならない。そこに現れたのが、忌々しい猟兵どもというわけだ……。

「ええい、付近の部隊も集めろ! なんとしてでも奴らを止めろーッ!」
 フォンフォンフォン! フルメタル・サージェントの命令を受け、堕落マッポ軍団の増援が駆けつけた! 鳴り響くパトランプ!
「堕落マッポ軍団め……発達しすぎたテクノロジーは、人の心をこうも悪しきに染めるのね」
 カルマ・ヴィローシャナは、まだまだやってくる「おかわり」にうげえと顔を歪ませて、カネのためならなんでもする堕落マッポどもを軽蔑した。
「メガコーポは、本当に手段を選びませんね……まさに、悪そのものです。
 しかし、いつだって勝つのは私たち正義であるということを、彼らに教えてあげましょう」
 正義の武装警官である新田・にこたまも、思うところがあるようだ。
 正義は必ず勝つ。この世界では鼻で笑われるようなフレーズだが、にこたまにとっては金科玉条。彼女は、彼女の法に従うのである。
「うん、そうだねニコちゃん! というわけで奴らを無力化」
「はい。私がこれまで逮捕してきた悪人たちを改造した、正義のサイボーグ軍団ですりつぶしてやりましょう」
「えーーーっ!!!? なんて!? 今なんて言ったにゃん!?」
 にこたまは、なにやら端末を手に、きょとんとした。
「え? ですから、私の正義の魂に呼応して、正義の軍団となったサイボーグ戦士たちです」
「い、いやそれ自体はいいことだけど! 改造!? 改造って言った!?」
「大丈夫です。私は環境問題のことも意識しています。再利用(リサイクル)は正義ですからね!」
「リサイクルって言った!? 悪人にも五分の魂だにゃん!? ニコちゃん!?」
「さあ来なさい廃物ども! キリキリ働け!!」
 にこたまは話を聞いていなかった。彼女は狂っていた。

 ふたりの並走ヴィークルの、やや後方。
「よーし、どうやら先頭集団に追いついたみたいだねぇ。このままオブリビオンの車両を……っと!」
 愛機で猛追してきた数宮・多喜は、戦場に突如出現した大量のサイボーグ軍団を睨み、不敵に笑った。
「ガンシップに武装車両の次は、重サイボーグのご登場かい? ったく、アミダってメガコーポはずいぶん戦力が豊富で……」
「……テ……シテ……」
「あん?」
 が、なにやら様子がおかしい。多喜はハンドルを切りつつ、サイボーグ軍団の思考に波長を合わせ、何を呻いているのか聞いてみることにした。
「……シテ……コロシテ……」
「どこの寄生型モンスターに取り込まれた犠牲者なんだよッ!?」
 なんかこいつらコロシテコロシテって言い続けてる! コワイ!
 しかもよく見ると、サイボーグ軍団は猟兵たちを阻むどころか、立ちはだかる堕落マッポ軍団に突撃していくではないか! 味方……なの、か!?
「コロシテ……コロシテ! アアアアアーッ!」
「モウイヤダ! アーッ! タスケテーッ!」
「アイエエエ! サイボーグ・ゾンビが向かってくる! アイエエエアバーッ!」
「ええー……」
 多喜は呆れるべきか、酸鼻に顔をしかめるべきか、ノリを決めそこねて大変微妙な顔になった。
 サイボーグ軍団は泣き叫びながら弾幕に飛び込み、自らの肉体を武器にして自爆特攻している。それで堕落マッポ軍団は次々に数を減らしているので、おそらく味方の誰かが発動したユーベルコードなのだろうが……。
「……いや、これじゃどっちがメガコーポかわかんないよ!?」
 多喜は思わず虚空にツッコミを入れた。彼女は比較的正気だった。

「ええい、とにかくやるこた変わらない! なんかこの惨状がライブ配信されたら、別の意味で誤解を招きそうだけどねぇ!」
 多喜は気を取り直し、カブを操縦して弾幕を回避しながら、どこからともなく取り出したガソリン入りサブタンクをぶん投げた!
 当然、サブタンクは撃墜され、火種がぶちまけられる。多喜はそれを撮影しながら、ウェブストリームにハッキングを仕掛けている!
「あっ! なんか私の十八番で先を越されてる感じがする! 負けてらんないにゃん、配信ならカルマちゃんのが上なんだから!」
 ライブストリーマーの本能(?)でそれを察知したカルマは、「死にたいなら正義のために働け」とかめちゃくちゃなことを言ってるにこたまを一旦置いといて、自らもユーベルコードを発動した。
「さあリスナーのみんな! ここからがクライマックスだにゃん★RIDE A TIME!!」
 そしてなにやら懐中時計をカチリと回すと……レトロでフューチャーな感じの、漆黒の巨大人型ロボットがハイウェイにガオー! と出現したではないか!
「なんだいありゃあ! ロボットぉ!?」
 座標と映像をあちこちに送信し、市井のクラッカーたちをおびき出していた多喜は、思わずその鉄の人って感じのシルエットを撮影してしまった!
「な、なんだあれはーッ!? 撃て! 撃てーッ!」
「残念! もうこれ以上の破壊行為はご法度だにゃん! ……でないとサイボーグの人たちが大変なことになるし!」
「彼らは正義のサイボーグになりましたから、問題ありません。理論上は痛覚も恐怖を感じる部分も切除してありま」
「はいニコちゃん今放送中だからね! コンプラ守ってね!!」
 カルマは巨大ロボットのパワーで、武装警察車両の火器をハッキングし、反撃を無力化した!
「何がなんだかよくわからなくなってきたけど、これはチャンスだね。さあ、メガコーポに反抗的なハッカーたちの力を貸してもらおうかい!」
 さらに多喜もそのチャンスに乗じて、危険SNSに事の次第を投稿! 義憤にかられたアノニマスハッカー集団の怒りをかきたてた! ものすごいスピードのクラッキングが行われ、アミダ社謹製の警察ファイアウォールを無効化! 武装警察車両は次々に動きを停止! そこに正義のサイボーグ軍団が突撃! 爆発! 悲鳴!
「お、お、おのれーッ! こ、こうなれば私だけでも逃げ延びて……!」
 フルメタル・サージェントは部下を無視し、無理やり戦域を離脱しようとする。しかし!

「「イヤーッ!」」
 突如、鋭いカラテシャウトがふたつ! 色のついた風がバツ字を描くようにしてフルメタル・サージェントの行く手を阻み……KBAM!!
「グワーッ!?」
 前輪を破壊されたフルメタル・サージェントの装甲車両は、激しくスピンしながら横転! フルメタル・サージェントは自動脱出機構で排出され、直後装甲車両は爆発炎上! KA-BOOM!!
「グワーッ!」
 フルメタル・サージェントは背中からアスファルトに叩きつけられ、痛みに悶えた。自動脱出機構はアミダ社が特許申請中のセキュリティシステムだが、未だ発展途上である。安全を優先しているため、射出スピードにリミッターがかかっていないのだ。
「グワーッ……だ、誰だ! 私の車両をよくも! 秩序破壊者どもめ!」
「この期に及んで、まだ秩序の守護者を気取るか。どこまでも姑息なことよ」
 返ってきたのは冷たい声だ。頭上をゆうゆうと旋回する巨大ジェットブレード。
 その上にサーフィンめいて屹立するのは、ひとりの女ニンジャだ。彼女は「イヤーッ!」と回転ジャンプでブレードから跳躍し、多喜らのハッキングおよびサイボーグ集団特攻で爆発し積み重なった堕落マッポヴィークルの上に降り立った。その胸は豊満である。
「正義を騙らねば何も出来ぬか。だが、真のニンジャには善も悪もなし。ただただ、カラテあるのみよ。……ドーモ、ブラックフェザーです」
 ワタリ・イブキ、いや、ブラックフェザーは両手を合わせ、オジギした。
「どの世界でもいつも同じだな。お前のような私利私欲にまみれた奴が弱者を虐げ、搾取する。そして蓄えた、カネという麻薬で人々を狂わせ、理性と倫理観を奪うのだ」
 さらに、もうひとり。鏡合わせめいて別の堕落マッポヴィークル残骸山に降り立った赤黒の影が、両手を合わせオジギした!
「ドーモ、はじめまして。ジンライ……フォックスです」
 叢雲・凪、いや、ジンライ・フォックスがオジギすると、仮面の眼部が激しく放電! さらに背後にKRAAACK! 落雷だ! なんたる死刑宣告めいた非現実的アイサツか!
「アイエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」
 フルメタル・サージェントはニンジャリアリティショックに陥った! 全身サイバーザナドゥ置換していなければ、即座に失禁していたことだろう。
 それも当然のこと。ブラックフェザーとジンライ・フォックスのキリングオーラたるや壮絶なものであり、オブリビオンですら発狂しかねないほどだった。

「オブリビオン殺すべし。慈悲はない。さあ、ハイクを詠むがよい!」
「そのヤクを使って、どうする? キンボシでもあげるか、カチグミにでもなるか? ……あいにく、どちらの道も、もはやお前には関係のない話だ。ここで死ぬのだからな……!」
 ふたりの女ニンジャは陽炎をどよもし、カラテを構えた。フルメタル・サージェントは生命の危険を感じ、かろうじて正気を取り戻すと、泡を食って立ち上がる。
「だ、黙れッ! 時代錯誤のイーヴィル・スピリットどもめ! これで我々の兵力が尽きたなどと思うなよッ!」
 パウー! パウー! フルメタル・サージェントの頭部に接続されたパトランプが激しく点灯! さらに新たなガンシップ編隊がバタバタとローター音を響かせて出現すると、猟兵たちを「警」「鬼」「鯖」などの恐ろしい漢字サーチライトで照らし出す! コワイ! 普通の人間であれば、あまりの恐ろしさにスタングレネードを食らったかのように動けなくなることだろう! 最悪ショック死だ!
「さあ、秩序にひれ伏せッ! 我々こそが秩序守護者でありすなわち正義! 貴様らは秩序を破壊するケオスの化身! 市民の敵! 即刻射殺重点!」
 フルメタル・サージェントはアサルトライフルを構えKA-BOOOM!!
「え?」
「面白い玩具よの。それが如何したか?」
「え?」
 ブラックフェザーは、平然としていた。いや、それどころか新たなガンシップ編隊に平然とスリケンを投げつけ、撃墜していた。
「無力なモータルならばいざ知らず、妾の為すは抵抗とは言わぬ。エゴを貫くカラテよ。手綱を握るのは妾自身……オヌシの指図など聞かぬ」
「ふ、ふざけるな! 抵抗……」
「これ以上の問答は無用! イヤーッ!」
 ジンライ・フォックスも無効化! 垂直ジャンプで飛び上がり、ガンシップ編隊をトビゲリ撃墜! ライジン!
「バ、バカなーッ!? ええいもういい、ミサイル攻撃を許可……」
『アイエエエ! システムが制御不能! アイエエエアバーッ!』
 KA-BOOM……情けない悲鳴とともに最後のガンシップも爆発炎上し、墜落した。

「……おやおや、残念だねぇ。めざといハッカーどもがお怒りのようだよ。情報封鎖は完璧か? なあんて、いまさらすぎるかね?」
 ドルン、ドルルン……エグゾーストノートを響かせ、多喜がエントリー!
「こんなメガコーポが鎬を削るビッグシティのハイウェイで、これだけの騒ぎを起こしたんだ。そこにアタシらがちょいとひと押ししてやれば、こんなもんさね」
「カルマちゃんの生配信もリスナー数うなぎのぼりだにゃん! みんな、見てる~? いよいよ見せ場だよ!」
 さらにストリーマーモードのカルマもエントリーだ! 巨大人型ロボットは頭部からパラボラアンテナめいたジャミング装置を出現させ、あらゆる妨害を無効化している!
「ば、馬鹿な……ありえん! ありえんーッ!」
 フルメタル・サージェントは狂乱した。そして、気づく。物資が……ない!?
「あなたがお探しの品はこれですか?」
 にこたま! 隙を突いて、問題のブツを盗み出していたのだ! なんたる武装警官とは思えぬ手癖の悪さか!
「貴様ッ!?」
「これも正義のための仕方ない行為です。つまり窃盗ではなく徴収ということ。あなた自身も対象ですよ?」
「ま、そういうこったね。タックスの納め時さ」
 にこたまの言葉に多喜は頷き、ゴキゴキと首を鳴らした。
「ウ……ウ……」
「ライブ配信の最後の見せ場は、もちろんアレだにゃん! ね、みんな!」
 ブラックフェザー、ジンライ・フォックス、そして多喜は、カルマの言葉に頷いた。
「然り。いつの世であれどんなときであれ、ニンジャはカラテあるのみよ!」
「これでサヨナラだ、オブリビオン! イヤーッ!」
 ブラックフェザーとジンライ・フォックスが同時に地を蹴った!
「ウ、ウオ……ウオオオオーッ!」
 フルメタル・サージェントはフリークアウトし重サイバネライフルを乱射! だがニンジャのスピードには追いつけない! 多喜はサイキックバリアを張り弾幕を無力化! にこたまはサイボーグ軍団を肉の盾に使い防御! カルマもサイバーニンジャのカラテを解放し、色のある風となって弾幕をくぐり抜けた!
「おのれ! おのれテロリストめ! 秩序破壊者どもめーッ!」
「へっ、だーれがテロリストだって? お縄につく悪党は、アンタさ!」
「村雲流究極奥義……キツネ・トビゲリ! イイイイヤァアアアッ!」
 多喜のサイキック掌底と、ジンライ・フォックスの稲妻じみたトビゲリが同時に炸裂! フルメタル・サージェントの腹部と頭部を同時に貫いた!
「ゴボッ! ゴボーッ!?」
 バチバチと電流が駆け巡り、フルメタル・サージェントの外部装甲を無力化! KBAM! 火花を散らすフルメタル・サージェント! 頭部パトランプが異常発光し、内臓サイレンが狂ったような悲鳴を上げている!
「この一撃にて、サンズ・リバーを渡るがいい! イヤーッ!」
「ヒサツ・ワザだにゃん! イヤーッ!」
 ブラックフェザーのポン・ナックルと、カルマのボディチェックが炸裂! ゴウランガ!
「アバッ! アババババーッ!?」
 致命的ダメージを受けたフルメタル・サージェントはホワイトブラッドを流しながらたたらを踏み、悶え苦しんだ! そして……BLAMN!!
「見苦しいですよ。いい加減に悪党らしく、あの世(アザーサイド)までぶっ飛んでしまいなさい」
「サヨナラ!」
 にこたまの弾丸で頭部を撃ち抜かれ、フルメタル・サージェント爆発四散! ナムアミダブツ……!

 ……こうして、大規模ハイウェイチェイスは幕を下ろした。
 蜂の巣をつついたような大騒ぎになったエクスプレスウェイを振り返り、ひそかにトラブルを避けて走り抜けた……カルマの配信がそのための隠れ蓑になってくれたことを彼は察している……バンダは、エンストした相棒を停車させると、もうもうと立ち込める爆炎を振り返った。
「恐ろしい奴らだぜ。まったくファックだったが……借りが出来ちまったな」
 まずは馴染みのフィクサーに接触し、事の次第を詳しく聞かせてもらおう。
 そして明日からは、もう少しマシな人間になって、恋人を大切にしてやろう。バンダはそう考えて、ベコベコになった愛するオンナの車体を指で撫でた。
 ビルのあわいから、ゆっくりと太陽が昇る。爆煙はスモッグめいて上がり続け、くすんだ太陽の色を覆い隠していた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月14日


挿絵イラスト