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銀河帝国攻略戦⑭~決死の特攻部隊

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 無限ともいえる広大な宇宙では宇宙船に住む人々が出会う事も難しい。だが今ここに2つの陣営が集結して睨み合い、火花を散らし多くの船がスペースデブリと成り果てて漂っている。その宙域を勝ち抜きただ真っ直ぐに進軍する『解放軍』艦隊。その目指す先は宇宙を統べんとする帝国の中心たる銀河皇帝。だがここより先には決して進ませはしないと、決死の覚悟を持った艦隊が並ぶ。
「我等に帰る場所は無い。ただ刺し違えて帝国の敵を討つのみ。銀河帝国万歳!」
「「ばんざーーーい!!!」」
 艦隊は獲物を狙う猟犬のように宇宙を加速し、その研ぎ澄まされた鋭い牙を『解放軍』に剥こうとしていた。

「諸君、よく来てくれた」
 グリモアベースにやってきた猟兵達にバルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が説明を始める。
「銀河帝国攻略戦は順調に進んでいる。このまま行けば帝国皇帝の旗艦も遠くない内に見えてくる。だがここからは帝国の精鋭が相手だ。まだまだ気を抜くことは出来ない」
 皇帝に迫る為の戦いはここからが本番ともいえる。
「白騎士ディアブロ直属の艦隊が敵左翼に布陣している。その中でも『白魔』艦隊と呼ばれる。高速艦のみで編成された艦隊がある。『伝説の解放軍』を散々に翻弄し苦しめたと伝えられる恐るべき精鋭だ。この艦隊はどうやら強力な自爆能力を持つ高速輸送艦のようだ。輸送艦の中には強襲用の兵力を満載しており、『解放軍』艦隊に接近して輸送艦を自爆させ、混乱させた隙に強襲兵力で蹂躙する作戦のようだ」
 生きて帰れぬ捨て身の自爆作戦によって『解放軍』艦隊は大打撃を受け崩壊してしまう。
「ここに集まった諸君にはこれを阻止する為、『白魔』艦隊の内の一艦を迎撃してもらう。かつての『伝説の解放軍』にはこれに対抗する手段がなかった。だが我々には『グリモア猟兵』の転移がある。直接、高速輸送船内部に転移し、敵が『解放軍』艦隊に辿り着く前に、輸送艦に搭載されている自爆装置を起動して自爆させるのだ」
 敵が接近する前に自爆させなくては、『解放軍』艦隊に被害が出てしまう。
「起動にはコアルームに入る必要がある。だが直接コアルームに転移する事はできない。輸送船内部に居る大量の敵を突破して、コアルームを制圧する必要がある。時間を掛ければ対応できない程の敵兵が集結してしまうだろう。どのようにコアルームへの道を確保するかが重要な作戦になる」
 輸送船艦内は命を捨てる覚悟の兵達が満載されている。まともに全てを相手取ることは出来ない。コアルームに向かう為のアイデアが重要となるだろう。
「敵も命を賭けるほど必死だ。だが討ち漏らせば『解放軍』艦隊に犠牲が出る。その事を胸に刻み戦場に向かってもらいたい」
 多くの命を背負うことになる。だがそれでも救える可能性があるのだ。猟兵達は強い決意を胸に戦場へ向かった。


天木一
 今回は銀河帝国攻略戦です。白騎士ディアブロ直属の高速輸送船を迎撃し、『解放軍』艦艇を守ることになります。
 敵艦内部へ転移し直接攻撃を仕掛けることになります。艦内は地上と同じように活動できます。
 搭載兵数が多く、時間制限もあるので時間が掛かるほど不利になっていきます。
 敵は小型歩行戦車に搭乗するクローンサイキッカー兵です。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 精鋭『白魔』艦隊を撃破し、白騎士ディアブロとの直接対決の道を拓きましょう!
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第1章 集団戦 『小型歩行戦車』

POW   :    インペリアルキャノン
【機体上部に装備されたビームキャノン】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    タンクデサント
【完全武装した銀河帝国歩兵部隊】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    サイキックナパーム
【機体後部から投射する特殊焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【搭乗者の念動力で操作できる】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シズホ・トヒソズマ
時間制限ありとかまた大変ですね…ですが、やりようはあるはずです!

最初は【目立たない・迷彩・忍び足】で他の皆さんより目立たないようにし、切り込んだ人達が倒した敵兵や所持していた端末を【早業】で【ハッキング】したり【メカニック】で解析したりし、コアルームへの最短ルートを見つけようとします。駄目なら隠密で【鍵開け】も駆使し調査し、ルート発見次第味方猟兵へ連絡します

隠密の必要が無くなればUCを使い、宇宙バイクに変形したユングフラウでコアルームまでを【ダッシュ】で一直線に駆け抜けます。邪魔する敵は【カウンター】で応戦したり【フェイント】でかわしたりします

「決死の覚悟は良し、ですが此方もそれは同じです!」


イサナ・ノーマンズランド
SPD

【目立たない】ように【迷彩】もとい段ボール箱で気配を殺しながら【忍び足】で輸送船内部を移動し、コアルームを目指す。
隠密行動での進行が難しくなった場合は意を決して擬装を解除。
携行銃火器類を活かした【一斉発射】【範囲攻撃】【なぎ払い】【吹き飛ばし】にて雑魚を散らしつつ、ユーベルコードによる拷問具の真の姿を解放し、群がる敵を一匹でも多く解体していく。

「…………はー。うちゅうふくとか持ってなかったんだよね、ワープってらくちん」
「あ、でもコアルームまではとほなんだよね。とほほ。ワープってゆうずうきかないね」
「とりあえずめんどうくさいのはレイゲンにおしつけるからね」

共闘 アドリブ 改変歓迎です。


ネージュ・ローラン
【飛空戦艦ワンダレイ】で参加。
必ずここで食い止めます。

機械は苦手ですしこういった場所はよくわかりませんが、わたしに出来ることを全力でやります。

コアルームは仲間に任せて陽動を行います。
仲間とは違う方向に艦内を移動しましょう。
敵を発見できたら【存在感】を出し、大袈裟に舞いながら戦闘開始です。
【スカイステッパー】を使用して空中を駆けながら【高速詠唱】の精霊魔法で攻撃します。
相手の攻撃に対しては動きを【見切り】ヴェールで受け流そうとします。
近くに他の敵の気配を感じればそちらに移動して巻き込み、応援を呼ぶ者がいればあえて無視して集めさせましょう。

そろそろ皆さんがコアルームを制圧してくれる頃ですね。


メンカル・プルモーサ
【ワンダレイ】で参加……
転移されたら内部の端末から輸送船をハッキング…船内図を手に入れてコアルームの場所を探す……最短ルートを見つけたら【天翔る突風の馭者】で術式を最適化した箒に乗ってコアルームを目指す……

移動前に陽動として時限式で輸送船のランダムな位置から艦橋の方へとアラートが鳴るように細工しとく…

途中の敵は【天より降りたる静謐の魔剣】での凍結や【鳴り止まぬ万雷の拍手】で動きを止めてその脇や上をすり抜け…
最短ルート以外の道は【愚者の黄金】で黄金の壁を作って塞ぐ…どかされるだろうけど時間稼ぎ……
コアルームにたどり着いたら自爆装置を起動してタッチダウーン……ネージュにも連絡して脱出…大丈夫かな…


須藤・莉亜
【ワンダレイ】の皆と参加。
「やることは一緒かな?敵を殺し続ければおーけー。」
さあ、行こっか。
まずは仲間がコアルームへのルートを発見するまで敵さんの相手をする。

大鎌を25本に複製して20本を攻撃用に、5本を防御や仲間のフォローに使う。
あと、眷属の腐蝕竜さんも召喚して協力してもらう。
彼にはブレス攻撃【蝕む吐息】、噛みつき、引っ掻き、体当たり、尻尾での薙ぎ払いなどで派手に暴れてもらい、敵さんの注意を引きつけてもらう。
僕はその隙を突いて複製した大鎌で攻撃。

ルートを発見できたら腐蝕竜さんは帰還させて、今度は首なし馬を召喚して騎乗。
大鎌を周囲に展開して仲間を守りながらコアルームに向けて走り抜けよう。


レイ・アイオライト
【ワンダレイ】の皆と参加。
皆が陽動と妨害をやってくれるのなら、暗殺者の仕事とはかけ離れるけど前衛で戦うわよ。
コアルームの場所が分かるまで、【斬影ノ型・閃煌】(命中率重視)で間合いに入ってきた戦車全部一刀両断よ。
コアルームの場所をメンカルが発見したら、【紫電奔る雷霆の孤狼】で召喚したガルンに乗って移動するわ。
邪魔してくる敵は雷撃と鋼糸で『範囲攻撃』『マヒ攻撃』、前方に立ちふさがる敵は悉く薙ぎ払う。
敵からの攻撃は、背中から漏れ出す影で仲間を『オーラ防御』、鋼糸で『敵を盾にする』わ。
ネージュ、陽動してくれるのは有り難いけど大丈夫かしら……。


星群・ヒカル
ふふふ、【ワンダレイ】の仲間たちと共に、超宇宙番長颯爽登場!
陽動部隊としてネージュと一緒に行動するぞ。
メンカルがハッキングし、皆がコアルームを破壊するまでの時間を稼げばいいんだな、任せろ!

「てめーらよく聞け!おれは宇宙を超える番長、即ち超宇宙番長の星群ヒカルだ!カチコミに来たぜ!」
「騎乗」「存在感」「パフォーマンス」を生かし、敵陣営の真ん中に宇宙バイク「銀翼号」で突っ込み、超宇宙・真眼光波動を使うぞ!
敵が集まってるほど一網打尽にできるって寸法だ。
ネージュとは互いに背中を預けあい、死角がないように行動するぞ。

自爆スイッチが起動したならネージュを乗せて銀翼号で船外へ
「逃げ足」使って脱出するぜッ!



●転移奇襲
 距離も世界も関係なく一瞬にして猟兵達が転移した先。そこは宇宙を高速で飛ぶ輸送船内の通路だった。
「…………はー。うちゅうふくとか持ってなかったんだよね、ワープってらくちん」
 キョロキョロと一瞬で場面が切り替わるように風景が変わり、転移したイサナ・ノーマンズランド(海亡き世界の小さな鯨・f01589)は周囲を確認する。
「あ、でもコアルームまではとほなんだよね。とほほ。ワープってゆうずうきかないね」
 どうせなら目的地までワープできればもっと楽なのにとガッカリする。
「とりあえずめんどうくさいのはレイゲンにおしつけるからね」
 イサナは身体を間借りする人格に声をかけて、みかんの段ボール箱を持ってこそこそと動き出す。

「こちらから物音がしたぞ!」
 通路の曲がり角から複数の足音が聞こえる。
「やることは一緒かな? 敵を殺し続ければおーけー」
 焦りもなく気楽な様子で須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)はふらりと歩き出し、通路の角から目の前に現れた敵のクローン兵を白い大鎌で斬り伏せた。
「敵だ! 敵襲だぞー!!」
 仲間がやられたのを見てその後ろの敵群が武器を構え戦闘態勢に入る。
「さあ、行こっか」
 まるで散歩にでも行くように、莉亜は間合いを詰め、大鎌を25本も複製して放った。それぞれが独自に動く大鎌は回転して敵を斬り倒していく。
「あいつだ! 操ってる奴を倒せ!」
 歩行戦車が莉亜に向けてビームを放つ。だがそれを大鎌が回転して盾となり弾いた。
「防御のこともちゃんと考えてるよ」
 攻防に分かれた大鎌が隙なく敵を倒し、通路を赤く染めていく。

「皆が陽動と妨害をやってくれるのなら、暗殺者の仕事とはかけ離れるけど前衛で戦うわよ」
 仲間の為なら仕方がないと、レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は一瞬で間合いを詰めて刀身が黒く濁った刀を抜き打ち、歩行戦車を横一閃に両断した。
「間合に入ったものは全て一刀両断よ」
 次の獲物に向かって駆け出し、すれ違いながら刃を走らせる。
「ナパームだ! 焼き殺してしまえ!」
 歩行戦車から焼夷弾が放たれ通路が炎の海になる。
「遅いわ」
 壁を蹴り上がって炎を越えたレイは、歩行戦車の上に乗って刀を振り下ろし、一刀両断に斬り倒す。
「腐蝕竜さんにも協力してもらうね」
 莉亜が腐蝕竜を召喚すると、その大きな顎から毒のブレスが吐き出され、歩兵の銃が崩れ落ち、スーツが溶けて肉体まで腐り落ちる。それに遅れて歩行戦車も装甲が腐敗して変色し、足を折って倒れ動かなくなった。竜を止めようとビームが放たれ焼夷弾が撃ち込まれる。燃え上がる炎の中から腐蝕竜はぬうっと顔を出し、近くの歩兵を噛み千切った。そして突進し歩行戦車に体当たりを浴びせて吹き飛ばした。

「……ハッキングを始める」
 仲間達が派手に戦っている間にメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は壁に設置された端末からハッキングを仕掛け、船内図を探し出し腕に装着した小型コンピュータにダウンロードする。そして少々細工をして端末から離れた。
「コアルームの場所は……ここ。そこへ向かう最短ルートは……」
 そしてマップを精査し、コアルームへの最短ルートを調べ上げる。
「……精査完了。最短ルートを記したデータを配っておく……」
 メンカルは仲間達とそのデータを共有し、飛行術式を刻んだ箒に乗って先へと進む。

「緊急事態だ! 隔壁を下せ! 袋のネズミにしてやれ!」
 クローン兵が壁にある端末を操作して隔壁を下す。
「時間制限ありとかまた大変ですね……ですが、やりようはあるはずです!」
 目立たぬように迷彩色となったシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は、忍び足で足音を消して隠密行動に入る。戦っている仲間達をすり抜け、先行して閉ざされた隔壁に近づく。
「今のうちにコアルームへの最短ルートを確保しなくては」
 隔壁の横にある末端に素早くハッキングを行って、閉ざされた隔壁を開けた。その向こう側にも敵の歩行戦車が並んで銃口をこちらに向けていた。
「コアルームに向かうにはこの通路を突破しなくては進めませんね」
 ならばと、シズホはアイアンメイデン型の戦闘人形をバイクに変形させて騎乗し、突撃して敵の隙間を抜けながら、邪魔する歩行戦車にぶつけてアイアンメイデンの棘を突き刺し吹き飛ばす。そうして道を抉じ開けながら先に進む。その後に仲間達が続き、混乱した敵陣を突破する。

「ふふふ、【ワンダレイ】の仲間たちと共に、超宇宙番長颯爽登場!」
「なんだきさ――ぶげぇっ」
 バーンッと学ラン姿の星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)が颯爽と現れ、敵歩兵を殴りつけた。
「機械は苦手ですしこういった場所はよくわかりませんが、わたしに出来ることを全力でやります。ですから必ずここで食い止めましょう」
 ネージュ・ローラン(氷雪の綺羅星・f01285)は陽動の為、仲間達と別れ違う通路へと向かう。
「ネージュ、陽動してくれるのは有り難いけど大丈夫かしら……」
 囮に向かう仲間に心配な目を向けながらも、レイは油断なく敵を刀で斬りつける。
「こちらも急ぐわよ」
 目の前の歩兵を斬り捨てたレイは、電雷を纏う狼のガルンに騎乗し敵に向かって駆け出す。そして立ち塞がる敵に対して雷撃を放って吹き飛ばし、銃撃しようとする敵に鋼糸を絡めて動きを封じ込める。
「じゃあ腐蝕竜さんには帰ってもらって、首なし馬に乗っていこうか」
 デュラハンの鎧を纏った莉亜は首のない馬に乗り、周囲に大鎌を展開し敵を斬り裂き仲間を守りながら通路を走らせる。

●陽動作戦
「いたぞ! 侵入者だ!」
 ネージュが少し進むとすぐさまその前を塞ぐように歩行戦車と歩兵が現れる。
「有象無象が現れましたね。わたしが必ずこの船を沈めてみせます!」
 芝居がかった口調で啖呵を切り、ネージュはヴェールを振り大袈裟な動きで舞い始める。
「ふざけてるのか? 構わん射殺しろ!」
 歩行戦車がビームを放つと、ネージュは踊るように華麗に回避する。
「ふざけてなんていません。これがわたしの戦い方です」
 ネージュは続く攻撃を空中に跳んで避け、さらに宙を蹴って駆けながら氷の精霊を召喚して敵を凍りつかせた。そして頭上から蹴りを叩き込んで、凍った戦車を砕く。
「避けられないほどの弾幕を張れ!」
 無数の銃器が並び、蜂の巣にしようと怒涛の銃撃が仕掛けられる。
「このくらいではわたしは止められませんよ!」
 対してネージュはヴェールに風の精霊を宿らせて自らの前に靡かせ、その弾丸の雨の軌道をずらし受け流した。そしてそのまま横にある通路へ跳び込む。
「待たせたな! 一人じゃ大変だろうからおれが手伝いにきたぜ!」
 敵の注意が逸れた隙に、同じく囮としてやってきたヒカルが姿を見せる。
「メンカルがハッキングし、皆がコアルームを破壊するまでの時間を稼げばいいんだな、任せろ!」
 イイ笑顔を見せたヒカルはシルバーメタリックの宇宙バイクに跨りエンジンを掛ける。
「てめーらよく聞け! おれは宇宙を超える番長、即ち超宇宙番長の星群ヒカルだ! カチコミに来たぜ!」
「こいつは何を言っているんだ?」
「ふん、我等の前で死を怖れ気が触れたのだろう」
 銃口を向けビームを放つ敵に向かって急加速で接近し、歩兵を撥ねながら敵陣の中に突っ込んだ。周りを見渡す限り敵だらけの位置で星写す魔眼から魔力光波動を放ち、周囲の敵全てを薙ぎ払った。
「侵入者だ! 応援を求む!」
 ヘッドセットから歩兵が増援を送ってくれと怒鳴る。それをネージュはあえて放置し、囮として敵を集めさせようと新たな通路の先の敵とも接触する。
「どんどん増えていきやがるぜ!」
 楽しそうにヒカルがバイクを爆走させ、敵陣を強行突破し混乱させる。近くの敵を殴り蹴倒し、バイクで薙ぎ倒す。
「この調子で敵戦力を分散します」
 仲間達も今頃はコアルームに向かって戦っている。ネージュは自分も負けてはいられないと気合を入れて放たれる弾丸を壁を蹴り、天井を蹴って舞うように避けて敵に襲い掛かった。
「おうよ! ネージュ背中は任せたぜ!」
 バイクを加速したヒカルは敵を撥ね飛ばす。目の前に居る敵全てを轢き殺そうと猛牛のように暴れ回る。その背中に向けて歩兵が銃口を向けた。放たれる銃撃をネージュがヴェールで逸らし、壁に弾痕を作り出した。

「こっちだ!」
「たった2人の侵入者相手に何をしている!!」
 2人が大人数相手に大立ち回りをしていると、倒した数よりも多い増援が現れる。
「また現れましたね」
 ネージュは精霊を纏うヴェールで攻撃を逸らし、風圧で敵を吹き飛ばす。だが敵はぞろぞろと増え続け、ネージュを包囲しようとしていた。
「敵が多いのは好都合だぜ! こいつで一網打尽だ!」
 ヒカルの眼が光り、魔力光波動が周りの敵を残らず吹き飛ばす。だがその空いた空間を埋めるように敵兵が前に出て来る。
「かなり状況は悪くなっていますが、そろそろ皆さんがコアルームを制圧してくれる頃ですね」
 それまで持ち堪えようと、ネージュは精霊の力で周囲を凍らせ、敵の機能を低下させる。
「まだまだ戦えるぜ! もっと来い! 全員相手をしてやる!」
 そこに気合を入れたヒカルがバイクで突進し、凍った敵を撥ね飛ばして打ち砕いた。

●強行突破
 ドシンドシンと機械の走る音が通路の先から響き、咄嗟にイサナは通路の端に寄り、みかんの段ボール箱を被って屈み身を隠す。
「ん? なんだ、段ボールか」
「おい、急ぐぞ!」
「ああ!」
 歩行戦車はドシンドシンと他の猟兵を迎撃に歩いていってしまう。
「ふー。あぶなかったね。ダンボールがなければ見つかってたよ」
 段ボールからチラリと周囲を覗き見したイサナは、安全を確認してガバッと立ち上がり先を急ぐ。
「怯むな! 命を賭して止めろ! 我等の命は勝利の為にある!」
 猟兵の足を止める為に、歩行戦車は横に並び、防壁のように道を塞いで突っ込んできた。誰かが倒れても敵を倒せればよい、それは命を惜しまぬ突撃だった。
「決死の覚悟は良し、ですが此方もそれは同じです!」
 シズホはバイクで壁を駆け上がって歩行戦車の頭を踏み、身を挺した防壁の向こうへと乗り越える。
「撃て!」
 そこへ銃を構え待ち構えていた敵後列からビームが放たれ、味方諸共シズホを撃ち殺そうとする。
「気をつけて待ち伏せよ」
 同じように飛び越えたレイの背中から漏れ出す影がオーラを纏って仲間を守り、近くの歩行戦車を鋼糸で引き寄せ、盾にして利用する。ビームの光が盾となった歩行戦車を貫き爆発を起こす。その間に脇を抜けて疾走したレイは飛び込んで雷撃を放った。
「どいてもらうよ。どかないなら首なしになってもらおうかな」
 敵陣形が乱れたところへ莉亜は馬を駆けさせ、宙を飛ぶ大鎌が歩兵の首を飛ばしていく。それを撃ち落とそうとビームが飛び交い、防ぐ大鎌が火花を散らし、敵陣を突破した。
 道を進んでいると、艦内の遠くや近くとバラバラなところで緊急事態を報せるアラームが鳴り響く。
「時限式で、ランダムな位置でアラームが鳴るように細工しておいた……」
 何事かと思う仲間に無表情にメンカルがそう口にする。敵兵力の集結を遅らせている間に、猟兵達はさらに前に進む。

●コアルーム
「この先がコアルームです!」
 シズホが敵兵に堅く守られた奥の部屋を指し示す。敵兵も決してこの先には通さないと、今までよりも数が集まり防衛していた。
「道を作ります。続いてください!」
 言うが早いかシズホがバイクを全速力で走らせ、敵陣へと突入する。車体を横にしてスライドさせて歩兵を撥ね飛ばし、歩行戦車にぶつけて転ばせる。
「かくれんぼですすめるのはここまでかな? ここからはレイゲンのでばんだね」
 敵の陣の真横でイサナはダンボールから出て、同じ身体に住まう違う人格であるレイゲンに押し付けた。
『ったく、都合のいい時だけ押し付けやがって、だがまあ殺せるってんなら
いいか。ジャック・ケッチ。バラッバラに刻んでやらァ!!」
 レイゲンは虚空から桶棺を召喚し、中から首斬斧を取り出すと、横から不意打ちで歩行戦車を滅多切りにして道を切り開く。
「いつの間にこんなところに!?」
「迎撃! 迎撃しろ!」
 慌てて敵兵が銃口を向けようとしたが、既にレイゲンは目の前に肉薄して兵士を斬り殺した。
『こいつァ最高の狩場だな! 殺しても殺しても次から次に敵が現れやがる!』
 笑いながら首斬斧を振るうレイゲンは、背後に迫る歩行戦車に棺桶の先端を押し付ける。すると棺桶の内部で爆発が起こり杭が撃ち出された。その先端が歩行戦車の装甲を貫きパイロットを串刺しにした。

「コアルームに敵が居るようだぞ!」
「援護に向かう!」
 他の通路からも敵の増援がやって来る。
「こんなところで足を止めてられない……」
 メンカルは箒に乗ったまま頭上を取って氷の剣を降り注ぐ雨のように放ち、敵を刺し貫き傷口から凍結させていく。
「これで少し時間稼ぎ……」
 そしてメンカルは黄金の壁を作って通路を塞ぐ。すぐに穴だらけにされ吹き飛ばされるが、出来ることをして時間を稼いでいく。
「あたし達が敵を引き受けるわ。その間にメンカルは端末へ」
 レイは狼を飛び上がらせて敵の中に飛び込ませて歩行戦車を押し倒し、敵の中心でレイは鋼糸を振るい敵を引き裂く。敵の激しい反撃には、死体を盾にして直撃を避ける。
「分かった……」
 頷いたメンカルは箒を飛ばしてコアルームを目指す。それを撃ち落とそうと歩兵が上に銃を向ける。
「邪魔はさせません!」
 バイクを駆るシズホが横から撥ね飛ばし、歩兵の身体を壁に叩きつけた。
「ここが終点かな? それじゃあ一気に駆け抜けようか」
 莉亜は敵に向かって馬を走らせ、周囲に展開する回転する大鎌が接触する敵を薙ぎ倒す。そうしてコアルームへの道を強引に切り開いた。

●自爆
「邪魔……タッチダウーン……」
 メンカルは閃光と轟音の幻影を敵に見せ、怯ませたところでコアルームの端末の前に着地した。そしてすぐにハッキングに入り、自爆装置の起動に成功した。爆発まで3分のカウントダウンが始まる。
「……後は脱出するだけ……ネージュとヒカルは大丈夫かな……」
 すぐにネージュとヒカルの囮組の居場所を調べ、今も戦っていることを把握する。
『任務完了……至急脱出せよ……』
 メンカルはネージュの近くの端末から音声を流す。そして箒に乗って自爆までの間に急ぎ転移できる位置にまで移動を開始する。
「終わったなら急いで部屋を出るわよ」
 レイは電撃で敵を薙ぎ払い、邪魔する敵を麻痺させ動けなくさせた。
「それじゃあ逃げようか」
 莉亜は馬を反転させ、敵を撥ね飛ばして道を作る。
「逃げるのにも時間制限があるのですから、落ち着きませんね」
 敵を薙ぎ払いながら急ぎバイクを走らせ、シズホはコアルームを出る仲間達を先導する。
「ようがすんだら、とんずらするよ」
 元の人格に戻ったイサナは、ロケットランチャーをぶっ放し、爆風に紛れて通路を進む。

「おれ達も脱出するぜッ!」
「ええ、そうしましょう」
 放送を聞いたヒカルがネージュをバイクの後ろに乗せて走り出す、それを追撃しようとした敵にネージュが氷の精霊を使って武器を凍りつかせた。
 敵を蹴散らし逃走する猟兵達の目の前の空間が歪み、世界を繋ぐゲートが現れる。追われる猟兵達は迷わずその中に飛び込み、船を脱出した。それと同時に船は臨界を迎え、周囲の暗闇を照らすような大爆発を起こす。眩い光は乗っていた多数の帝国兵を巻き込み、その輝きが消えた後には宇宙の塵となって全て消え去っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト