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最高の湯はどれだ~黄金の湯編

#サムライエンパイア

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●どんなお風呂がお好み?
 カポーンとお馴染みの音が響く風呂場。
 それなりに……否、かなり広い風呂の中に3つの影があった。
 そうでなくても湿気マシマシで蒸し暑い風呂場の中にあって、その3つの影はなお暑苦しく何かを語り合っていた。
「風呂はやはりエレキテル風呂が一番。色々元気になれるからな!」
 影の一つ、悪代官風の男はぷにぷにとした自分の腹を叩きながら自信満々に語る。
 やはり人間元気が一番。となれば、元気になれる要素の詰まった風呂こそがもっとも良いものなのだと、悪代官風の男は語る。
「何を言う! 美肌風呂こそが一番だろう。この美肌を見るがいい!」
 しかし、その男に対して河童のような男が反論し、美肌になれる風呂こそが最も良いのだと自らの肌を見せつける。
 河童風の男の肌は確かにとるぅんとるぅんだ。ピータンも真っ青なとるぅんとるぅん具合だ。乙女ならば確実にあこがれるほどにとるぅんとるぅん。
 とるぅんとるぅん美肌を見せつけて、ニヒルに笑う河童う風の男に、悪代官風の男も元気さをアピールするためにぷにぷにの二の腕でポージングして対向する。
 こっちが良いって言ってんだろアァン?! とお互いに額をぶつけ合い、メンチととるぅんとるぅんとぷにぷにを切り合う河童と悪代官。
 このままでは埒が空かぬともう1つの影見やれば……、
「「そなたはどう思――」」
 白鯨斎髭長ノ進風の影はほわわ~んとした顔でただ黙って湯につかるばかりだった。
 そんな白鯨斎髭長ノ進風の影を暫し見つめていた、悪代官風と河童風の男たちは、お互いに目を見合わせて、ふふふと笑い合う。
「……ふ、そうであるな。巨乳風呂もなかなかよいものじゃ」
「ああ、あれは悪くない。俺の次に美しいんじゃないか?」
 そして今一度、ゆっくりと腰を下ろして湯を味わうと……それぞれのタイミングで、風呂から上がって行き、
「それではまた、次の機会に」
 その時こそ真に良い風呂を決め合おうではないかと、固く誓う。
「ふむ、次は少し趣向を凝らし、華を添えるとするかのう」
 そんな彼らの背中を見送りつつ、悪代官風の男は何か良いことを思いついたとばかりに、ニヤリと笑って見せた。

●パンツ泥棒とその裏と
「変態よ!」
 グリモアベースに集まっていた猟兵たちの前に現れた、八幡・茜はシュッと手を上げてそんなことを言う。
 大変の言いまつがいかな? なんて猟兵が首を傾げていると、
「いくつもの温泉宿がある宿場町で、パンツを強奪していく変態が現れるのよ!」
 茜がより正確に説明したものだから、間違いなく敵が変態だと言うことが伝わったようだ。
「パンツを強奪していくのは、名もなき盗人集団と言うオブビリオンたちよ。このオブビリオンは干してあったり洗濯しているパンツのみならず、穿いているパンツをも盗んでいくみたい!」
 干してあるパンツを盗むだけなら可愛いものだが、いや可愛くはないけど、穿いているパンツまで強引に奪っていくとはなかなかにアグレッシブな盗人たちのようだ。
「狙われるのは老若男女問わず。全て奪っていくわ!」
 しかも見境が無い。何と恐ろしいことだろう……ある種の地獄絵図が展開されても可笑しくはない。
「と言ってもやっぱり若い女の子のものが一番狙われやすいみたいだけど」
 背筋に冷たいものが走ったかもしれない猟兵に、安心して! と茜が笑いかけるが、何も安心できる要素が無い。
「あと、このオブビリオンは別のオブビリオンに命令されて動いているみたいね……その正体までは分からなかったけれど、盗人オブビリオンを倒していけば、正体も分かると思うわ!」
 相手の数はそれなりに居る。色香で釣るなり、握りつぶすなり、むしり取るなりすれば何人かはうっかり口を滑らすこともあるだろう。
「ついでに、黒幕は温泉宿を占領しているみたいだから、黒幕を倒したあとはその温泉宿でゆっくりするのも良いかもしれないわね!」
 最後に茜は、は~この季節の温泉は良いわよね~と追加し、
「それじゃ、みんなのパンツの為にがんばろう!」
 がんばろー! と右手を空に突き上げたのだった。


八幡
 舞台はサムライエンパイアの茶臼藩田路町。


●このシナリオについて
 このシナリオは、雨都瑣枝マスターの「最高の湯はどれだ~桃源の湯編」と、天瀬マスターの「最高の湯はどれだ~白磁の湯編」との合わせシナリオとなっておりますので、合わせてお楽しみいただけると幸いです。
 同時期に発生しているシナリオですが、別のシナリオへも同時に参加いただけます。
 完全に個別のものとなります(例えば、このシナリオのみに参加された方が別のシナリオで描写されることもありません)

●話の流れ
 ・第一章
  温泉宿が立ち並ぶ町中で盗人のオブリビオンと集団戦を行います。時間帯は夜です。
  待ち伏せをしたり、罠を貼ったり、正面から挑んだりと色々な方法でとっちめてやってください。
  黒幕については聞けば普通に吐くと思います。
 ・第二章
  何処かの温泉宿で強敵オブリビオンと戦います。
  なんやかんやで光に還るので、真面目に戦わなくても問題ありません。
 ・第三章
  オブビリオンも倒したし、温泉でゆっくりしようという日常パートとなります。
  温泉は男湯と女湯の2つあり、竹の柵で区切られています。
  茜は呼んでいただければ登場するかもしれません。

 各章、個別あるいはいい感じにまとまりそうな単位で返そうかと思っております。
 大人の判断で危ないものは、全年齢対応湯気によって全て問題ないものとなります。

●傾向
 傾向としてはコメディ系だと思います。キャラ崩壊にご注意ください。

 全体的にゆるーくなっておりますので、流血描写などはありません。全てマイルドに処理されます。
 フラグメントの行動はあくまで参考ですので、やりたいことをご自由に指定されるのが良いかと思います。

●その他
 あまりに活躍させられないなと判断した場合、プレイングを採用しない可能性があります。
 アドリブは基本入ります。
 各章の先頭に状況描写が入りますので、その後にプレイングを送っていただければ間違いないかと思います。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『名もなき盗人集団』

POW   :    これでもくらいな!
【盗んだ縄や紐状のものまたはパンツなど】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    これにて失礼!
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    ここはおいらに任せておくんな!
【なけなしの頭髪】が命中した対象を爆破し、更に互いを【今にも千切れそうな髪の毛】で繋ぐ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●夜の宿場町
 夜の闇の中には何が居るのか。
 真なる闇は、まるで何かの生き物のように蠢き、微睡みに揺蕩う人の心を魅了してやまない。
 好奇心……闇の中に何があるのか、知りたいという好奇心に負けて、その中に手を入れてはいけない。
 闇の中に居るものは常に新たな犠牲者を探しているのだから……そう、例えば、
「今回の仕事はパンツを盗んで来いときたもんだ」
 とんでもない変態を掴むことになるのだ。
 人通りもまばらとなった夜の宿場町。立ち並ぶ宿の屋根の上を身軽に駆けながら、その変態はやれやれだぜと肩をすくめる。
「へっ、まったくおいらたちを何だと思っているんだか」
 肩をすくめたほっかむりを被ったいかにもな感じの男に、別のほっかむり男がニヒルに笑って応じる。
 何だと思っているのかと言われれば、盗人以外の何物でもないだろう。むしろ盗人以外だったらびっくりだ。
「せっかくだから、なるべくかわいい女の子のパンツを狙ってくるぜ!」
 何がせっかくなのか。それは分からないが、さらに別の盗人が目映いばかりの笑顔で親指を立てた。
 所詮は盗人、だが可愛い女の子のパンツを盗むことが盗人の矜持たる何かを満たすのかもしれない。
「おいらも負けないぜ!」
 可愛い女の子のパンツと言った盗人につられるように、次々と「おいらは幼女の」「おいらは筋肉質な」「おいらは熟れた」など次々に己の好みを口にし始めた。
 どうやら矜持などではなく、単なる趣味のようだ。
「よーし、誰が一番素晴らしいパンツをとって来れるか競争だ!」
 口々に好みのパンツを言い始めた盗人たちをまとめるように、先頭に居た盗人が手を叩くと、
「「「おう!」」」
 盗人たちはひゃっはー! と夜の宿場町へ散開した。
ユウキ・ネストラ
朏(f02894)と参加

「俺のよりも自分の守れよ?」
とはいえ余力があれば俺のも守って欲しい
男女年齢問わず盗むとは恐ろしい変態だ(身震い

【第六感】で盗人が出そうな所を朏と巡回

朏のが盗られる位なら俺のを!!
とは全く思わず、盗まれる位なら相手を殺す、な気持ちで【先制攻撃】でグランドクラッシャー
「下着が必要なら自分で買えよな!」
安いとこ教えてやるから

【見切り】【残像】も使い、攻撃の手も緩めずいきたい
変態に隙を見せてはいけない(重々しく

もし盗まれたら当然ボコボコにするけど、万一朏のが盗まれたら
「こ、殺すなよ?」
鬼神を止める勇気など無かった

成程、倒せば取り戻せる
深い…
他にもあったパンツはどうすればいいんだ


神々廻・朏
ユウキ(f05741)と参加

ユウキのパンツは僕が守ってみせる!
なんて意気込みながら、ユウキと一緒に巡回
遭遇したら正々堂々パンツ泥棒と対面するよ

「人様のパンツを盗もうなんて…許しがたし!」
と人差し指でビシッと指しながら啖呵を切りつつ
自分が盗まれそうになったら、技能【見切り】で回避したい
ふっ…僕のを簡単に盗めると思うなよ?と不適な笑み
ユウキのが盗まれたら
「ユウキはそれしか持ってないんだよ!ひどいっ!」
と謎の言い掛り付け
もし自分のが盗まれたら一瞬顔真っ赤になるが
すぐ黒いオーラを放ちながら
「てめぇ死ぬ覚悟は出来てんだろうな!」
と、鬼神の如く剣刃一閃でボッコボコにしてやろう
結果倒せばパンツは戻ってくる!



 独特の香りが充満する夜の宿場町。
 歩くには困らない程度の明かりのある、その夜の宿場町を軽い足取りで巡回する二つの影がある。
 一つは真っ白な和紙の上に菫の花をちりばめたかのような、儚くも美しい女性。
 もう一つは荒々しい大岩の彫刻のような体躯を持つ、精悍な男性。
 対局にも見える二人だが、二人揃って歩く……女性の歩みに合わせて、歩を進めるその姿はどこかの物語の一場面のようだ。
「ユウキのパンツは僕が守ってみせる!」
 そんな儚くも美しい女性こと神々廻・朏が歩きながらも右手を握りしめて小さな拳を作ると、少し後ろを歩いていた精悍な男性ことユウキ・ネストラの顔を見上げてニッコリと笑いかける。
「俺のよりも自分の守れよ?」
 屈託のない笑顔、眩しいとさえいえる朏の笑顔に対して、ユウキは小さく息を吐く。予知の話では、若い女の子の方が狙われるという。であれば朏の方が警戒すべき案件ではある。
「とはいえ余力があれば俺のも守って欲しい」
「任せてよ!」
 あるのだが、相手は年齢性別問わずに盗むという……そのことに得も言われぬ悪寒を感じたユウキが少し弱気に零すと、朏は嬉しそうに自分の胸元を叩いて自信のほどを示す。
「――ユウキ!」
「おう!」
 と、ユウキを見上げていた朏の視界に黒い影が入り、
「へへ、今宵も大量でぃ!」
 丁度宿の柵を乗り越えて来た一団の退路を断つように、道をふさいだ。

「人様のパンツを盗もうなんて……許しがたし!」
 正々堂々と正面に立った朏は、なんだなんだ? と色めき立つ盗人たちにビシィと指を突きつけて啖呵を切るが、
「なんだ、お前さんもパンツを盗んで欲しいのかい?」
 盗人たちは、卑下た笑いを浮かべるばかりだ。
 そんな盗人たちにユウキは冷たい視線を向けて……相棒たる朏のパンツが盗まれるくらいなら俺のを! とばかりに一歩前に出る。
 いや実際は朏を守る気などまるでなく、やられる前にやれ的な、家の中に出た黒い虫が飛ぶ前に潰せ的なあれだけれども、兎にも角にもユウキは単純で重いバトルアックスの一撃を盗人の一人に叩き込んだ。
「下着が必要なら自分で買えよな!」
 地形をも変えるその一撃を受けた盗人はヒャー! と言いながら光に還り、その光を見ながらユウキは油断無く盗人たちを見つめながら、安いところを教えてやるからと声をかける。
「その微妙な優しさが心にしみるぜ!」
「……なっ!」
 そんなユウキの優しさに盗人は涙を拭うが、拭った手に持っているものを見てユウキが固まる。そしてなんだか下半身の風通しが良い気がした。
「ユウキはそれしか持ってないんだよ! ひどいっ!」
 隙など見せていなかったはずだが……そして、朏に何かとんでもなく酷い言いがかりをつけられている気もするが、それはさておき、
「どうやって」
 そう、どうやってだ。確かにユウキはまったく油断していなかったのだから、どうやって盗んだのか謎である。
 そんなユウキの疑問に答えるように、盗人は朏に一歩近づくと、
「ふっ……僕のを簡単に盗めると思うなよ?」
「これをこうしてこうよ!」
 見切ってやる! と不敵に笑う朏の間合いの外で何やら手を動かして……その手にはとても綺麗な布切れが握られていた。
「なるほど、職人芸ってやつだな?」
 人差し指の先でその布切れをくるくる回す盗人に、ユウキはふむと頷く。着衣の一つも乱さず中身だけを抜く技術は職人芸と言っても過言ではないだろう。色々超越している気もするけれど。
「あっ」
 なるほどなーなどと、綺麗な布切れを眺めていたユウキだが、隣で俯いている朏の耳が真っ赤になっていることに気づき、慌てて布切れから視線を逸らす。
「てめぇ死ぬ覚悟は出来てんだろうな!」
 ユウキが視線を逸らしたのと同時くらいに朏が顔を上げると、パンツ泥棒絶対殺す、変態許すまじとばかりの殺気を背負っていた。
「こ、殺すなよ?」
 そんな朏の横顔を見下ろしながら、ユウキは一歩距離をとる。普段は見た目のわりに雑な言動が目立つ朏であるが、こういうことで怒るあたり、やはり乙女であったということだろうか。
 指先で布切れをくるくるしている盗賊との間合いを一瞬にして詰めると、鞘に納めた美しい刀を引き抜き、
「ひぇ! これでもくらいな!」
「あっ!」
 朏の気迫に押されて盗人が慌てて投げてきた布切れごと盗人を両断して、盗人を光に還した。そして続けざまにユウキのパンツを投げつけてきた盗人もパンツごと両断して光に還す。
「ああっ!?」
 両断された布切れたちは風に飛ばされて宿場町の夜の空へ消えて行ったけれど、鬼神のごとき凄みを見せる朏を止める術など無く。
 ユウキは風に流されて消えてゆくそれを見守るしかなかった。

「俺の一張羅……」
「ごめんって! なくなったものはしょうがないよ!」
 遭遇した盗人たちをすべて光にかえすと、ユウキは項垂れ、そんなユウキの背中を朏はばんばん叩く。
 それから気晴らしに一杯どう? なんて聞いてくる朏に、ユウキは遠慮しておくと肩をすくめて……二人はじゃれ合うように夜の宿場町に消えて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フロッシュ・フェローチェス
よしアンタら其処に並べよ磨り潰して殺すから。
最大加速からの先制攻撃キック。バカモノ退治のスタートだね。

咆蛟炉メイン。
鎖状の機械生命体で早業で捕えてぶっ飛ばす。または巻き付けて振り回し、刻天炉の銃撃で追い打ち。
跳んだなら喰い付かせて引き寄せ、間髪置かず蹴り入れる二回攻撃。
速さで、敵うと思うなよ。
敵の攻撃は残像回避、カウンターを入れるよ。次いでフェイントでガラ空きの個所を銃撃だ。

トドメは勿論【殴砲】。威力の衝撃波で数人諸共吹き飛ばす。
――ってクソ、少し油断したか……腕を封じられ――てぇ!?
ちょ、こ、こ、これアタシのスス、スパ、スパッツ……!?
お、お、お……お前等ああっ!?(選択したUCを乱れうち)



 宿場町の屋根の上を疾走する黒い影たち。
 その黒い影たちは、手に柔らかそうな布切れをもち……満足そうに独り言をつぶやいていると、
「へへっ、良いパンツが手に入った――ぶげらぁ!」
 先頭を走っていた盗人が派手に横に吹っ飛んでいき、しゃちほこのように海老ぞった。
 何ごとか?! と盗人たちが足を止めれば、先ほどまで先頭を走っていた盗人が居た場所には代わりに、緑色の風のように軽やかな動きで片足ステップを踏む女性の姿があった。
 その女性は先頭の盗人を蹴飛ばしたのであろう、長い脚を降ろして仁王立ちの構えを作ると、女性……フロッシュ・フェローチェスは盗人たちに指を突きつける。
「よしアンタら其処に並べよ磨り潰して殺すから」
「えー、殺すって言われたら素直に並べない」
 それからキリッとした緑色の瞳で盗人を睨みつけるも、盗人たちは軽口をたたいてフロッシュの左右を抜けて行こうとする。
「バカモノ退治のスタートだね」
 が、それを戦闘開始の合図と受け取ったフロッシュは、左手を振るうと異形頭部型の大形アクセが付いた紺碧鎖を放ち、左を抜けようとした盗人の足を捉える。
 そして、体を捩じるように回転しながら盗人のついた鎖を大きく振り回して、
「ぬあー?!」
 周囲に居た盗人たちをまとめてひっかけて、屋根の上に叩きつける。
 叩きつけられた盗人たちは、水たまりに落とされた水滴よろしくワンバウンドして周囲に撒かれ、撒かれた盗人の内の何体かに、フロッシュは可能性魔導核を搭載した三連散弾銃型のガジェットを向けて、
「一つ、二つ、三つ!」
 間髪を容れずにリズミカルに弾丸を発射してそれらを光に還した。
 光に還った盗人を見た別の盗賊たちは恐れをなしたのか、空を飛ぶようにジャンプを繰り返すが、
「速さで、敵うと思うなよ」
 今度は真上に放った鎖で盗人たちを捉えて引っ張り、引っ張る反動で飛び上がったフロッシュは勢いに任せて盗人の股間あたりに蹴りを捻じ込んだ。
 股間を蹴られた盗人は屋根の上に落ちたあと、もんどりうって屋根の上を転がり、その様を見たフロッシュは止めとばかりに右目に力をためる。
「【見る】だけで良い。――終幕だ。ち……」
 が、勝ちを確信したのか、一瞬の棒立ち。その僅かな隙を盗人たちは見逃さなかった。
 フロッシュは行き成り掴まれた足を思わず見てしまい、目を逸らした一瞬の間に左右をすり抜けるように盗賊たちが駆ける。
「――ってクソ、少し油断したか……」
 足を掴んだ盗人を素早く踏みつけて光に還し、フロッシュは横を抜けた盗人を追う。踏まれた盗人はちょっとうれしそうに光に還ったのが何だか気になるけれど、まずは逃げた方を追うべきだろう。
 そしてすぐに逃げた二体の盗人に追いつくと、再び鎖を放って盗賊たちを巻き取り、文字通り目の前に並べる形にする。
「逃げられないぞ……ん?」
 盗賊たちを前にフロッシュは再び仁王立ちを決めるが……盗賊が手に持つ黒い物体に何やら見覚えがあった。
 なんだっけ? とフロッシュは小首をかしげて、下を見て、
「――てぇ!? ちょ、こ、こ、これアタシのスス、スパ、スパッツ……!?」
 気づいた。いつの間にかスパッツが盗まれていたことに!
「お前さん……さっきからずっとその恰好だぜ?」
 顔を朱色に染めながらも慌てて上着を引っ張って隠そうとするも、盗人はなんか良い笑顔を浮かべ、
「お、お、お……お前等ああっ!?」
 そんな笑顔の盗人を上目遣いにキッと見つめる、フロッシュの翡翠の龍眼から放たれる殺意の籠った熱視線で焼き切られて、そのままの笑顔で光に還っていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルカ・スノードロップ
幼女のぱんつを狙った盗人とは、趣味は合いそうだけど、真っ先に殺します
幼女に悲しい思いをさせてはいけない

ユーベルコードで槍を召喚。
幼女狙いの輩は即効で天に召しますが
あぁ、男色さんも先に殺してあげますね

「盗人達に問いますが、巨乳の美少女と、貧乳の美少女。どっちがいいですか?」
笑顔と。残りの槍を向けながら、です
ちなみに私は、貧乳派です

巨乳って答えたら直撃させます
貧乳って答えたら、なけなしの頭髪を槍で全部剃ってから、直撃させます

パンツ泥棒相手に慈悲なんてないです

ところで、連中。私の性別、どっちだと思っていたんでしょうかね?
胸にコンプレックス持ってる女子みたいな反応してしまったので

※連携やアドリブ歓迎


テン・オクトー
今日のボクのはコットンに少しリネンの入った、触り心地のいい柔らかいパ…。…囮して捕まえたかったけど、やっぱり可愛いお嬢さんのがいいよね。お嬢さんか、仲間で囮をする人がいらっしゃったら、その方々を対象に張込みするよ。【第六感、暗視、聞き耳】
WIZ
盗人を見つけたらとっちめちゃうよ。でもなけなしの頭髪攻撃がきたら…甘んじて受けようかな。【オーラ防御、火炎耐性】千切れそうな髪の毛で繋がれたら、そっと引き寄せるよ。同じ毛?を持つものとして、毛はだいじだいじ。でも泥棒はダメだからね、最後はUCでどっかーんだよ。忘れずにボスの事も聞かないとね。ところで何でパンツなの?


河南・聖
下着泥棒ですかー。
今日の下着は水色の上下ですけど、まぁ魔法学園服は鉄壁スカート仕様ですから中は見えませんしね。
あぁ、でも盗られて下着を見られるのは恥ずかしいですね。
うん、もし私の下着を盗った不届きものが出たら、念入りに股間を蹴り上げて差し上げて、更に念入りに股間を踏みつけて差し上げましょう。
パンツが好きみたいですし、パンツにちなんで合計82回くらいでいいですかね。

あ、他の盗人さんはエールシュレッダーで頭髪&服&ふんどしの紐&命を刈り取る刑で勘弁してあげますね。

※アドリブ・連携歓迎



 宿場町を歩く三つのでこぼこな影。
 もっとも大きな影が月明かりに照らされれば、その人物はスレンダーな女性のようで、絵に描いたような美女と言う表現がぴったりとあてはまる。
「幼女のぱんつを狙った盗人とは、趣味は合いそうだけど」
 その絵に描いたような美女……ベルカ・スノードロップは、女性的な声で己の趣味を暴露しつつ、真っ先に殺そうと笑顔で語る。
 見た目も声も女性そのものだが……ベルカは男である。男なので幼女に悲しい思いをさせてはいけない、故に真っ先に殺すという判断は正しいと言えるだろう。
「趣味が駄々洩れですよ」
 そんなベルカにそれはどうだろう? と、ツッコミを入れるのは清楚華憐と言う言葉が似合いそうな身なりの女子である。
「あ、男色のも先に殺してあげます」
「もう、物騒ですね。うーん、でも下着泥棒ですかー」
 ものすごく物騒なことを言っているベルカに、満面の笑みで返す女の子の名前は河南・聖。
「どうやって捕まえようか?」
 聖が下着泥棒について考えていると、最後の一人が膝から話しかけてくる。
 聖の膝上くらいまでしかない背の灰色の毛並みのケットシー、くりくりした青い瞳を見上げてくる様は正にケットシー。そんなケットシーであるテン・オクトーに見つめられて、聖は小首をかしげる。
 一見落ち着いて思慮深くも見える聖だが、実はかなり行き当たりばったりな性格のようだ。
 故に今回も時に作戦など無いし、ベルカに至っては取り合えず殺す、出会ったら殺す、幼女の敵はぶっ殺す。と言う感じである。
「えっと、今日のボクのパンツはコットンに少しリネンの入った触り心地のいい柔らかいパ……で、囮をして捕まえようと思ったんだけど」
 そんなベルカと聖を見たテンは両手をわたわたと振って、囮作戦はどうかな? と提案してみる。
 本当はテンが囮になりたいところだが、予知で言っていたように若い女性の方が狙われやすいのであれば、
「今日の下着は水色の上下ですけど、まぁ魔法学園服は鉄壁スカート仕様ですから中は見えませんしね。私がやりましょうか」
 ここは聖が適任だろう。テンの発言意図を理解した聖は、にっこりとテンに笑顔を向けて囮役を引きうけた。
 そしてなるほど、確かにテンの位置からでも聖のパンツを見ることは出来ていない。見えても困るけれど。
 いずれにしても策は決まった、あとは行動あるのみ……三人は頷き合うと、さっそく行動を開始した。

「おうおう! パンツよこしなお嬢ちゃん!」
「直球ですね」
 聖を先頭に、その後をベルカとテンが歩くようにすること数分、さっそく変……盗人たちが罠にかかった。
「やっていることは、もう強盗なのでは?」
 少しは忍べよと、ベルカは百近い闇属性の魔法の槍を呼び出して放つ。
 放たれた槍は盗人たちの体の周りをぐるぐると回り、唐突に現れた槍の群れに盗人たちが「なんでい?!」と騒ぎ立てる。
「パンツ泥棒はいけないことだよ?」
 盗人たちが騒いでいる間に、聖の横に立ったテンが至極全うな指摘をするが、それを聞いた盗人は分かってらぁとなけなしの頭髪を飛ばしてきた。
 その頭髪……見切れないほどではないがケットシーであるテンにとって毛はとても大切なものである。なんとなく避けるのも気が引けて、左腕で受け止めてやった。
 受け止めた直後爆発するが、それも大した威力ではない。
 ふと横を見れば聖も同じく爆発に巻き込まれて、腕を今にも千切れそうな頭髪で結ばれていた。ベルカは普通に避けていたけど。おっさんの頭髪とか触りたくもないとばかりに。
「ふっ」
 それからテンが頭髪の先で結ばれている盗人へ目を向ければ。その盗人の手には、触り心地の良さそうなパンツ。どこかで見たことのあるようなパンツが握られていた。
 どうやって?! と一瞬思考が飛んだテンだが、同時にその隣、聖と繋がった盗人の手にも水色の――何かを持っていると思った次の瞬間には、聖が繋がっている頭髪を思いっきり後ろに引いて、反動をつけて駆けだす。
 そして一瞬のうちに盗人との距離を詰めると、右膝を盗人の顎に。体の浮いた盗人へ、続けざまに右足を振り上げて股間へシュート。そしてさらに仰向けに倒れた盗人の股間をかかとで踏みつけてぐりぐりする。
「そんなにパンツが好きなら、パンツにちなんで82回くらい踏んで差し上げますよ」
「たぁぁぁまがぁああああ! あふん」
 流れるような動作で盗人の股間を使いものにならなくした上に、笑顔のままに盗人の股間を蹴ってぐりぐりする聖に戦慄を覚えたのか周りの盗人たちはヒェ……と自分たちの股間を押さえる。踏まれてる盗人はなんか幸せそうだったけど。
 ちなみに踏まれている盗人の位置からなら中身が見えそうなものだが、鉄壁なのでそこらへんは大丈夫だ。
「ところで、あなたたちは巨乳の美少女と、貧乳の美少女。どっちがいいですか?」
 え? なんであの人ちょっと嬉しそうなの? なんて不思議そうに見つめていたテンの横まで移動したベルカが唐突に問う。
 唐突にそんなことを聞くベルカにテンはまたしても、え? と言う顔でベルガを見上げる、問われた当の盗人たちはちらりと聖を見る。
「はい?」
 何故か自分を見つめてきた盗人たちに、踏みつけていた盗人を蹴りだけで光に還した聖が笑顔を向け……盗人たちは頷き合った。
「「「貧乳派でぃ!」」」
 巨乳って答えたらあのお胸の大きな女の子に股間をブレイクされそうだし、それしか答えが無かったのだ。
 あ、でも光になる瞬間、あの盗人ちょっと幸せそうだったしと数人は迷っていたようだが。
「そうですか、残念です」
 だがその答えを聞いたベルカはやれやれと首を横に振って、呼び出していた槍を盗人たちへ向ける。
 無数の槍は盗人たちの頭部に当たるか当たらないかのところを猛烈な勢いで飛び回り……盗人の頭髪を次々と剥いでいった。
「おいらの髪の毛が!?」
「あなたが貧乳派なのがいけないのですよ」
 なけなしの頭髪を槍で剃られた盗人が涙目になっていると、ベルカはその理由を貧乳派だからだと明かす。なかなか理不尽だが所詮相手はパンツ泥棒、パンツ泥棒に慈悲は無しである。
 ちなみに巨乳派と答えたら槍が直撃しただけなので、どっちにしろだった。
「あ、それでは私は服を刈り取りますね」
 そんなベルカの様子に、聖はやることを思い出したとばかりに手を叩いてから、全部まとめてこま切れです! と、百十ほどの風の刃を放つ。
 放たれた風の刃は違わず盗人たちの服を、それからふんどしの紐を裂いて、文字通り丸裸にしていく。
「お姉さんたち、ちょっと待って」
 とりあえず気が済むまで色々もぎ取ったので、あとはとどめを刺すばかり……とベルカと聖がそれぞれの槍と刃を向けようとすると、テンがわたわたと手を振って止める。
「おお、助けてくれるのかい?」
 二人を止めたテンを見て盗人たちは天の助けとばかりに全裸で縋りつき、ベルカと聖は顔を見合わせる。
「黒幕って誰なの? あと、なんでパンツなの?」
「おいらたちに命令したのは悪代官様でぃ。なんでもお風呂に浮かべるのが目的だとか」
 ベルカと聖の動きが止まったことを確認しつつ、全裸で縋りついてくる盗人を少し遠ざけてからテンが問いかけると、盗人はあっさり答えた。
 黒幕はまだしも、パンツ泥棒の目的は……なかなかだった。なんか、なかなかとしか言えなかった。
「そうなんだ? ありがとう。あ、でも泥棒はダメだからね、どっかーんだよ」
 テンとしてはその理由に首を傾げるしかなかったが、いずれにしても泥棒はダメなのだ。どっかーんである。
「「「ひゃー!」」」
 テンが指先を盗人たちへ向けると、天から光が降りてきて……どっかーんと盗人たちが吹き飛ばされた。

「ところで、連中。私の性別、どっちだと思っていたんでしょうかね?」
 吹き飛んだ盗人たちを槍やら風の刃やらで完全い光に還したあと、ベルカがそんなことを言い出した。
「光になっちゃいましたから、分かりませんねー」
「黒幕に聞いてみるとか、どうかな」
 胸にコンプレックスを持っている女の子みたいな反応だったかな? とベルカは思ったようだが、それは本人たちにしか分からないだろうと聖は笑顔で答え、テンは盗人たちに聞けない代わりに元締めの方に聞いてみてはと提案してみる。
「うーん、どうしますかね」
 聖とテンの反応にベルカはどうしますかねと考え……でこぼこな三人は再び夜の宿場町へと消えて行ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バンリ・ガリャンテ
なるほどパンドロ。
ふうんおもしれえ。サムライエンパイアなら『履いてない』がデフォかと思ってたんだがちげえのな。ミニ丈の着物きて挑発しながら見えそうで見えないを実践してやる。 
パンツに手が伸びてきたら【ブレイズフレイム】を浴びせるよ。どっから火い出してんだって?細かいことはいいじゃないさ。
鬱陶しくジャンプする奴にも見舞ってやろうかな。まずいとこに延焼しそうならすぐ様鎮火。
奴らの攻撃はできる限り【見切り】で回避して【鎧砕き】の【2回攻撃】で脳天かちわってやる。体力消耗してたら【生命力吸収】しつつね。
それ見て怯えた奴がいたら黒幕吐かせようかな。
なあ、お前も遠からずこうなるけど…教えてくんないかなあ。



 夜の闇を駆ける影がある。
 いかにもな感じで唐草模様の風呂敷を背負い、光の無い裏道を駆け抜ける一団。
 その一団が大通りに飛び出たところで……待っていたかのように佇んでいたピンク色の髪を持つ少女の前で足を止めた。
「なるほどパンドロ」
 少女は裏道から現れた一団に怯える様子も無く、値踏みをするように足元から頭上までを見つめて口を開く。
「ふうんおもしれえ。サムライエンパイアなら履いてないがデフォかと思ってたんだがちげえのな」
 やたら太ももと主張してくる綺麗な着物に身を包み、何処か儚さすら見えるその容姿とは裏腹な荒々しい言葉遣い。少女……バンリ・ガリャンテは盗人たちを挑発するように鼻を鳴らして、花のような唇の端を吊り上げた。
「なんでぇ、嬢ちゃんのパンツもくれるってぇのかい?」
 明らかな挑発。言うや否や、盗人は身を屈めてバンリの下半身へ手を伸ばそうとするが、バンリは大きく後ろへ飛んでその手を避ける。
 避けると同時に、バンリの体から放たれた紅蓮の炎が盗人の体を包み込み、盗人をあっという間に光に変えてしまった。
「ふん、盗れるものなら盗って見なよ」
 光に還った仲間を茫然と見つめていた盗人たちへ、バンリは着物の裾をめくりながら舌を見せる。
 見えそうで見えないという男心への挑発……と同時に、丈の短い着物を着用しているのも、絶対に見せないし盗人たちにパンツも盗られないという自信の表れだ。
「嬢ちゃんのパンツ、ぜってぇ見てやるからな!」
 そんな挑発をされれば盗人としては絶対パンツ見るである。盗人として、否、男として生意気な女子のパンツは絶対見るである。
 見事に挑発に乗った盗人たちはバンリのパンツめがけて、突進してくるがバンリはそれを右へ左へと器用に避けながら次々と炎で焼いていく。
「くそう、どこから炎が出てくるんでぃ」
「細かいことはいいじゃないさ」
 何体かの仲間が光に還ったところで、ようやく少し冷静になったのか盗人はバンリから距離をとって炎の出所を探るも、その出所は謎だった。
「それなら、これはどうでぃ!」
 ならばと盗人は風呂敷の中にあったパンツを放り投げて、バンリの両足首を縛る。
「年貢の、おっとパンツの納め時だぜ?」
 そして両足首を縛られて、まともに身動きが取れなくなったとみるや腰の下めがけて飛び込んでくるが……両足でジャンプしたバンリは飛び込んできた盗人の顎を両膝で跳ね上げる。
 顎を跳ね上げられた盗人は宙で反転してから、バンリの真下に滑り込むように転がり、その腹にバンリが着地する。
「つまらないことを言うんじゃないよ」
 着地すると同時に鉄塊剣で盗人の脳天を砕いて光に還すと、バンリは残った盗人に視線を向ける。
「なあ、お前も遠からずこうなるけど……黒幕、教えてくんないかなあ」
 それから、鉄塊剣を肩に担ぎながら微笑みを浮かべて問いかけると、
「悪代官様でごぜぇますぅう」
「そうかい」
 あっさり黒幕について吐いた盗人の脳天に向けて、バンリは鉄塊剣を振り下ろしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鹿村・トーゴ
うんうん温泉いーよな
巨乳も美肌もあんま関係ねーからえれきてるのが興味あるねー
まず下着ドロをとっちめる訳だが
……見境なくぱんつ盗るってスゲーな、しかも黒幕付きで…
どーすんだろ?集めてんのか?売ってんのか?被ってんのか?
オレのは褌つーか下帯だかんなーぱんつ無いワケよ
手ぶらじゃ悪いし
餞別にオヤッさん達がくれた鬼のぱんつを進呈しよう
サイキックブラストで感電させポピュラーな虎柄ぱんつを頭に被せてから殴る
空中ジャンプした奴にはパンツを振りかざして注意を惹いてみる
尋問どーしよ
・奴らの集めたパンツを没収
・奴らのパンツを没収
・誰の趣味、もとい指図なのか
…ちなみにお前(たまたま前にいた奴)どーゆーのが好みよ?



 周りから香ってくる独特な硫黄の匂い。
「温泉いーよな」
 その空気を思いっきり吸い込んだ色黒の肌を持つ少年は、うんうんと頷く。
 頷くたびに揺れるぼさぼさの赤い髪は炎のようで、この少年の活発さを表しているかのようだ。
「巨乳も美肌もあんま関係ねーからえれきてるのが興味あるねー」
 少年……鹿村・トーゴは予知にあった温泉の内、えれきてるに興味があるなぁと宿場町をふらふらと歩きながら独り言ちる。
 トーゴは男なので巨乳になれる訳でもないし、まだ若いので美肌も興味が無いのだろうか。
 いずれにしても、元気になれるのは良いことだ。どんな感じだろうなぁと想像しながら路地裏や、屋根の上などを観察していると……、
「お、居た」
 屋根の上を疾走する影を見つけた。
 トーゴは素早く塀に手をかけて飛び上がり、飛び上がった勢いのままに塀を蹴って屋根の上に上る。そして間髪を容れずに駆けている影の一つを両手で掴み、
「アババババ!」
 高圧電流を放って、感電により動きを封じた。
「なんでい?!」
 奇妙な声を上げて、その場に倒れた盗人に気づいた他の盗人たちが驚いて振り返る。
「……見境なくぱんつ盗るってスゲーな、しかも黒幕付きで……」
 振り返った盗人たちを見てトーゴは小さく息を吐いた。
 こいつら全員とっちめないといけないわけだが、かなりの人数集めて見境なくパンツ盗るって凄いなとトーゴは考える。しかも黒幕付きで。
 パンツを集めて一体どうする気なのか。
 趣味で集めているとか、売るとか、被るとか一般的な変質者であればそんなところだろうかとトーゴは考えるが……聞いてみれば良いかと思い直す。
「おうおう! 小童! おめーもパンツ盗まれてぇのかい!」
「オレのは褌つーか下帯だかんなー。悪いが、ぱんつ無いワケよ」
 などと考えていると盗人たちがパンツ盗むぞあぁん? と脅してくるが、トーゴはもともとパンツを履いていない。つまり盗まれるものが無いのだ。
 そんなトーゴの反応を見た盗人たちは、履いていないならしょうがないなと少し残念そうな顔で飛び上がり、どこかに行こうとするが……、
「あー、でも鬼のぱんつならあるぞー」
「持ってるなら最初から言いやがれぃ!」
 虎柄のパンツ……餞別にオヤッさん達がくれた鬼のぱんつを振り回してみると、盗人たちは急旋回してトーゴに、正確には鬼のパンツにとびかかってきた。
 血を見た鮫よろしく突っ込んでくる盗人たちをトーゴは両手で掴んで、
「「「アバババ!」」」
 まとめて感電させたのだった。

「これでよしっと」
 トーゴは動きを封じた盗人たちから、盗んだと思われるパンツを回収し、ついでに盗人たちをひん剥いてパンツを回収する。
「で、誰の趣味……もとい、指示なのさ」
「誰が答えるかってんでぇヴァア」
 それから黒幕について聞いてみるも、なんか逆らわれたので頭に虎柄のパンツを被せた上で殴ってみる。
「なんでパンツを被せた?!」
「え? 特に意味はないけど?」
 盗人の当然の疑問に、トーゴは首を傾げるばかりだ。意味も無くパンツを被せた上に殴ってくる、その行動に盗人たちはあいつやべーよと顔を見合わせ、
「おいらたちに指示を出したのは悪代官様でぃ」
 あっさりと黒幕について吐いた。
 黒幕の正体を聞いたトーゴはふーむと顎に手を当て……ふと、目の前に居た盗人に、今思いついた疑問をぶつけてみる。
「……ちなみにお前どーゆーのが好みよ?」
「熟女のぬめぬアババババ」
 だが、その回答が思った以上に生々しく……最後まで言わせたら危ないと判断したトーゴは話の途中で再び高圧電流を流し込んだ。
 その後なんやかんやでトーゴは盗人たち全員を光に還したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ピオニー・アルムガルト
犯罪絶対ダメ!
ましてや女の子のパンツを盗むなんて言語道断!ギルティ!
こてんぱんにやっつけてやりましょう!!

空飛ぶパンツ――自作の羽ばたきパンツ飛行機を作て飛ばし、盗人達の目を盗み、落とし穴に誘導して穴に落とし一網打尽にしようと思うわ!
技能なしの素人作りだけど、パンツならなんでも引っ掛かりそうな感じだし行けるんじゃないかしら?
落とし穴に落としたら私の【高貴なる紅】で、その寂しい毛根を焼け野原にしてあげるわ!
ふっ…、毛が無いだけに不毛な戦いだったわね。

あ、黒幕について教えなさい!教えないとさらに毛根が死滅するわよ!



 薄暗い裏路地で、何かに勤しむ影がある。
 その影をよくよく見れば、地面に何やら色々なものを広げて一人の女性が、せっせと何かを作っているようだった。
「おう、何やってるんでぃ?」
 ふさふさの尻尾を左右に揺らして綺麗な布切れでできたパンツを、木で作った鳥のようなものに括り付けている様を見ていた一団は興味津々と言った様子で声をかけてくる。
 声を掛けられた女性、ピオニー・アルムガルトはその声に反応して、これまたふさふさの耳をピクリと揺らし、
「空飛ぶパンツを作ろうと思って」
 黄金の、じっと見つめていると吸い込まれてしまいそうな瞳を話しかけてきた一団、盗人たちに答える。
「空飛ぶパンツ……だと?!」
 ピオニーの答えを聞いた盗人たちに電撃が走る。
 今回の自分たちの仕事はパンツを盗んでくること、だが、もしもそれが空を飛ぶとしたらどうだ? パンツが空を飛ぶ、そんな馬鹿なと人は笑うだろう。だが、もし飛んだとしたら?
「おまえさん……天才か」
 それは最早天国、すなわち任務成功と言えるだろう。なんか違う気もするけれど、そうに違いない。
 ピオニーの発想に感銘を受けたらしい盗人たちは口々に天才だとピオニーを称えるが、
「でも、素人仕事だからちょっと手間取っちゃって」
「へへへ、おいらたちも手伝うぜぇ!」
 ピオニーが困っている様子を見せると、盗人たちは唐草模様の風呂敷をその場に降ろしてピオニーを手伝うことにしたようだ。

「完成したわ!」
 暫く黙々と作業をしていたピオニーと盗人たちだが、ピオニーがその手に鳥のように羽ばたくカラクリを手にするとおお! と歓声が上がる。
 それからハイタッチなどで、お互いの労をたたえ合い……いよいよカラクリにパンツを設置して、
「さぁ、行くわよ!」
 ピオニーの合図とともに一斉に羽ばたくパンツたち。
 夜空を舞うその様は、夜の蝶のようであり、天使の羽衣のよう。
 きらきらきらきらと月の明かりに煌めいて。
 誰からともなく、そのパンツを追って駆け出した。
「あはははは~」
「うふふふふ~」
 童心に帰ったかのように、無邪気にパンツを追いかける一行。
 その先にあるのはきっと素敵なパラダイスで――、
「「「フギャ?!」」」
 と思ったけど、落とし穴だった。
「ふっふっふ、かかったわね!」
 見事に落とし穴にはまった盗人たち。何ごとでぃ! と慌てふためくその様子を、穴の上から見つめる黄金の瞳。何を隠そうこの落とし穴、ピオニーが事前に掘っていたものである。
「同志よ! 騙したのか?!」
「一言も嘘は言っていないわ。あと同志じゃないから!」
 そんな黄金の瞳……ピオニーを見上げて盗人たちが騙したのか! と批判するも、ピオニーは一言も嘘をついていない。むしろ勝手に手伝い始めてきたから内心どきどきしていたくらいだ。
 しかし実際のところ一人で作業は難しかったので、盗人が手伝ってくれたのは幸運だっただろう。盗人なだけに手先が器用だったし。
「犯罪は絶対ダメ! まして女の子のパンツを盗むなんて言語道断! ギルティに決まってるでしょ!」
 それはともかく、女の子のパンツを盗むなんてギルティである。
 ピオニーはふんすと怒りをあらわにして、ウィザードロッドを頭上に掲げると、空中に百十の紅炎の魔法の矢を作り出す。それからその魔法の矢を盗人の頭部に向けて撃ち放ち、
「「「ぐわっちゃっちゃ!」」」
 無数の炎の矢を的確に盗人の薄い頭髪をちりちりにしていった。
「あ、黒幕について教えなさい! 教えないとさらに毛根が死滅するわよ!」
 それでもなけなしの頭髪を守ろうと、必死になって頭を手で守る盗人たちに、あ、思い出したとばかりに黒幕について聞いてみると、
「悪代官様です!」
 盗人たちはいとも簡単に黒幕の正体を吐いた。それを聞いたピオニーはふーんとだけ呟いて、
「え、興味ないの?!」
 残りの魔法の矢を落とし穴めがけて落としたのだった。

「ふっ……、毛が無いだけに不毛な戦いだったわね」
 穴の中で光に還った盗人たちを見つめた後、ピオニーは踵を返して、誰にともなくにやりと笑って見せる。
 そんなピオニーの背後、夜に浮かぶ月に向かって無数のパンツたちは、とてもとても美しかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルナ・ステラ
迷惑で変態なオブリビオンもいるもんですね...
こんな酷いことを考える黒幕の正体は?

初めてのサムライエンパイアです。折角ですから、早く解決して温泉宿を楽しみたいですね♪

盗人は屋根の上なので、箒で屋根の上までいって魔法で攻撃しましょう!
また、逃げ道を塞ぐために、ルーンカードの「ソーン(トゲ、遅延等)」を設置しておきましょう。〔罠使い〕
少し痛い目を見たら、黒幕を吐いてくれるでしょうか?

ーきゃあ!?暗闇から縄のようなものが飛んできました!?
これじゃ、動けません!
ひゃん!!パンツ盗ったらだめです...
(追いかけて取り返さないと!)

設置していた罠にかかっていれば取り返せるかな?

※アドリブ・絡み等歓迎です


菱川・彌三八
ばっ
かくせぇ~……
とも言ってらんめぇ
団子屋の娘がさめざめ泣いてンのを今朝方見かけたばかりだからな
あれだろ?”ぱんつ”てェのは、褌のこったろ?

俺ァ待ち伏せでもしとくか
屋根の上の天水桶の影にでも身を潜ませて、奴さんが出てきたら飛び出そう
どんだけ高く飛ぼうがどうした
もうこれ以上の上はねェぞ
どっちみち、その隙に韋駄天で追いついてお縄だ
追いついちまえばどってことねェ
喧嘩は得意な方なんでね

……ぉうお前ェさん、何盗った
ぁ、やっぱいい、言わんでいい
こりゃお前ェの趣味か、はたまた、誰かが裏で糸引いてやがるか
……何だってこねェな事頼んでんだか
さぁさぁ何て言われたか、吐いてもらおうじゃあねェか



 宿場町の裏路地。
 あまり光の届かないこの場所で、ごそごそと何かの仕掛けを作っている影が二つ。
 影の一つは、天水桶の間に丁度身を隠す場所が無いかを探し、もう一つの影は何やら裏路地にカードを設置しているようだ。
「ばっ」
 天水桶の横にしっくりした場所を見つけた目の細い男……菱川・彌三八は大きくためを作ってから、
「かくせぇ~……」
 たまったものを一気に吐き出すように言葉を紡ぐ。今回のオブリビオンの行動があまりにも馬鹿馬鹿しくて、そうとでも言わなければやってられないのだろう。
「あぅ」
 彌三八の言葉を聞いて、自分が怒られたのかと思ったのか思わず頭を抱えたもう一つの影。
 その影……キラキラと輝く星を降ろしたかのような衣装を纏い、柔らかそうな白い髪を後ろでまとめた少女、ルナ・ステラ。
「おっといけねぇ、嬢ちゃんのことじゃなぇぜ。団子屋の娘がさめざめ泣いてンのを今朝方見かけたばかりだったもんでぇ、ついな」
 頭を抱えたルナを見て、若干怯えさせてしまったかな? と思った彌三八は軽く手を振り、おどけた様子で先の独り言につて説明すると、
「それにしても、迷惑で変態なオブリビオンもいるもんですね……」
 ルナはほっと胸をなでおろすも、団子屋の娘が泣いていたと聞いてむむむと眉を寄せる。
 その団子屋の娘が今回の事件と関わっているかは不明だが、どこの世界でも下着を盗まれるものの気持ちは同じだろう。
「あれだろ? ぱんつてぇのは、褌のこったろ? なんでそんなものを盗るのかねぇ」
 複雑な表情を浮かべるルナの顔を見た彌三八は他人の褌を盗っても仕方があるまいにと肩をすくめ、
「分かりませんけど、酷いことを考える黒幕ですね!」
 何でだろう? とルナは少し首を傾げた後……兎に角酷い黒幕だから倒そう! と、小さく拳を握りしめた。

 箒を握りしめて屋根の上で待ち構えるルナ。
 そして、そんなルナを彌三八は路地裏の天水桶の横から見守る。
「どこからでも掛かってきてください!」
 握りしめた箒をえいえーいと振り回して、いつでもどこからでも掛かってきてくださいと息を撒くルナ。その様子はどこか微笑ましいが……ここは夜の街。どこから変態の魔の手が伸びてくるか分からないのだ。
「きゃあ!?」
 ほら、実際にどこからともなく縄が飛んできて、ルナの体をぐるぐる巻きにして拘束したし。
「これじゃ、動けません! ひゃん!!」
 ぐるぐる巻きにされてパタっと屋根の上に倒れたルナに盗人たちがわーっと襲い掛かり、
「あー!?」
 わーっと離れていくと、その手にはいつの間にかルナにとって見覚えのある綺麗な布切れが握られていた。
「「「ひゃっはー! とれたてだー!」」」
「パンツ盗ったらだめです……」
 盗ったらだめですと言われて盗らない盗人は居ない。ましてやルナのような幼気な少女からであればなおさらである。
 追いかけて取り返さないと! と、縄をほどこうともじもじするも、なかなか縄はほどけず、盗人たちはどんどん離れて行き……丁度先ほどルナが何かをしていたあたりで、何らかの罠が発動した。
「……ぉうお前ェさん、何盗った」
 発動した罠にうわっとなっている盗人たちの前に、今が好機とばかりに彌三八が立ち塞がる。
「何って、そこの幼女のパ……」
「ぁ、やっぱいい、言わんでいい」
 何を盗ったかって、それはルナのパ……と言おうとした盗人の指の先、綺麗で小さな布切れを一瞬だけみて、彌三八は目頭を押さえた。あんまり凝視してはいけない気がしたのだ。紳士のたしなみってやつである。
 向こうでルナがもじもじしながら見ないでくださいーって言ってる気もするし。
「こりゃお前ェの趣味か、はたまた、誰かが裏で糸引いてやがるか」
「聞かれて答える訳がないだろう、これにて失礼!」
 下着はともかくとして、誰かが裏で糸を引いているのか、自分たちの趣味なのかと彌三八が問うと、盗人たちはにやりと笑って空高く飛び上がって行く。
 その姿を見た彌三八は、まぁそうだろうなと小さく息を吐いて、
「オン イダテイタ モコテイタ ソワカ」
 口早に詠唱を行うと自らの体に韋駄天の梵字をまとい、脚に力を込めた。
「なんでぃ?!」
 そして次の瞬間には盗人たちの真上に移動すると、両手を交差させるように力をためて……力いっぱい腕を振るう。振るわれた腕の先、その手には無数の独鈷柄付剣が握られ、上空から放たれた独鈷柄付剣は盗人たちを次々と貫いていく。
「どんだけ高く飛ぼうがどうした。どっちみち、俺の韋駄天で追いついてお縄だ」
 彌三八に貫かれた多くの盗人たちはそのまま光に還り、光に還らなかった盗人たちも地面に落ちてきた。
「パンツを返してください!」
 そして落ちてきた盗人の頭を、ようやく縄から抜け出したルナが箒でぺしぺしと叩き、
「さぁさぁ何て言われたか、吐いてもらおうじゃあねェか」
 追いついちまえばどってことねェ、喧嘩は得意な方なんでねと拳をばきばきと鳴らしながら彌三八が近づくと、
「黒幕は悪代官様でさぁ!」
 盗人たちはあっさりと黒幕について吐いたのだった。

「……何だってこねェな事頼んでんだか」
 その後きっちりと残りの盗人たちを光に還してから、彌三八が大きく息を吐く。
 何かこう精神的に疲れた様子の彌三八を見て、ルナはぽんと手を叩く。
「あ、私は初めてのサムライエンパイアなんです。折角ですから、早く解決して温泉宿を楽しみたいんですよ♪」
「温泉か、悪くねぇかもしれねぇな」
 それからにこにこと彌三八に笑いかけると、彌三八もルナの笑顔につられるように小さく息を漏らした。
 黒幕が占領しているという温泉宿、黒幕さえ倒せばその宿でゆっくりすることもできるだろう。そう考えると、少しばかり元気が出てきたような気がしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クー・フロスト
「なァ……?夜に....外に出ちゃぁ....だめ、だろ?」

あぁ?下着泥棒だぁ……?
大人しく返却するんだな……。

あぁ……4人分盗んじゃったのか…?
やってしまったな。お前たち

▼不死騎兵(マイちゃん)が『カカカ』と笑いながら騎馬突撃
マイちゃん怒ってるぞ…?

▼傀儡鎧兵が《フロスト・スザーン》を所持しながら
接近、大鎌が勝手に笑っている...。
(……何言ってんだろ?)

▼白骨歩兵(シキちゃん)が、泥棒に向かい槍を構え全力で走り掛ける
シキちゃんなんか、怒ってお前を埋葬してやるって言ってるな…?

▼クーの傍にいる死神が、
下着ドロの首に大鎌《ソウルイーター》を掛け……
――で、ごめんなさい……は?
そう、クーは問うた。



 美しい月に雲がかかる。
 月が雲に隠されたことにより、本当の夜が訪れたかのように闇が満ちる。
「ククク……我がシモベたちよ」
 そんな闇の中……真なる闇の中から溶け出してきたかのような藍色の長く美しい髪と、同じ色の瞳を持つ少女が何か不敵に笑っている。
「――従え。カタカタと骨を震わせ、這い上がれ。スケルトン軍団の恐ろしさ魅せてやろうぞ……?」
 笑う少女……クー・フロストが冬の夜空のような和服を翻して左手を高々と掲げると、周囲に展開された魔法陣から彼女の僕たるスケルトンたちが次々と這い出して来る。
 そしてクーが這い出して来るスケルトンたちを満足そうに眺めていると、
「何ごとでぃ!」
 丁度クーの目の前に現れた盗人たちが、展開されている異様な光景に驚いて足を止めた。

「なァ……? 夜に……外に出ちゃぁ……だめ、だろ?」
 驚く盗人たちへとギギギと顔を向けて、クーは氷のように冷たい視線を送る。
 こんな夜中に外に出たら、怖いものと遭遇しちゃうかもしれないだろ? と、その夜を凝縮したかのような藍色の瞳を向ける。
「なんだ、嬢ちゃん別嬪さんじゃねぇか、良いパンツはいてるんだろ? 嬢ちゃんのパンツもよこしな!」
 だが、そんなクーの忠告などどこ吹く風と言った様子で、盗人たちはグヘヘと笑い、クーのパンツもよこせと要求してくる。
「……ン……ツはその……んっ。あぁ? 下着泥棒かぁ……? 大人しく返却するんだな……」
 別嬪だのパンツよこせだの言われたクーは一瞬視線を泳がせるも、すぐに気を取り直しておどろおどろしく告げるが、
「あぁ……4人分盗んじゃったのか……? やってしまったな。お前たち」
 盗人たちの手に握られている4枚の綺麗な布切れを見て、やれやれと首を横に振る。
「やっちまったから何だってんでぃ。良いからパンツをよこしな!」
「マイちゃん怒ってるぞ……?」
 何だってんでぃ! とクーに突っ込んでくる盗人の目の前。完全に姿を見せた不死騎兵がクーと盗人の間に入るように駆け込んでくると、そのままの勢いで盗人に突撃する。
 そしてカカカと笑いながら手にした突撃槍で盗人の顔面を突き刺すと、盗人はあっさりと光に還る。
「マイちゃんえぐいなおい!」
「シキちゃんなんか、怒ってお前を埋葬してやるって言ってるな……?」
 名前のわりにやることがえぐいマイちゃんに思わず突っ込みを入れる盗人だが、そんな盗人に対しても白骨歩兵が槍を構えて全力で走り寄り……その喉元を貫き光に還した。
「く! こんなエロい体の嬢ちゃんに!」
「エ……体……は……その……」
 光に還っていく盗人たちを満足げに見つめるクーだが、盗人が苦し紛れに言ったエロい体と言う表現に固まる。
 そして固まるクーの横で笑う氷結の大鎌《フロスト・スザーン》を所持した傀儡鎧兵が控え……その大鎌がなんか勝手に笑っている。
(「……何言ってんだろ?」)
 さすがに大鎌が何を言ってるのかまではクーでも分からない。分からないが気にしないことにしつつ、クーは咳ばらいを一つしてから最後に残った盗人の前まで歩み寄ると、クーの傍にいる死神が、盗人の首に大鎌《ソウルイーター》を掛け……、
「――で、ごめんなさい……は?」
 そう、クーは問うた。
 それが何に対するごめんなさいなのかは分からないが……兎に角盗賊たちは全て光に還ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『悪代官』

POW   :    ええい、出会え出会えー!
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【部下の侍オブリビオン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    斬り捨ててくれる!
【乱心状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    どちらが本物かわかるまい!
【悪代官そっくりの影武者】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●湯煙の中
 湯船につかるでっぷりとした影一つ。
 でっぷりとした影は、両手で湯をすくい自らの顔にパーンッ! とかけてから立ち上がる。
 それから洗い場で、軽くジャンプして体の調子を確かめ、
「ふむ、やはり体が軽い。エレキテル風呂は最高よな。ふははは!」
 これまたスパーンッ! とたゆんたゆんした腹を叩いてまた元気になってしまったわいと豪快に笑う。
 一頻り笑ったあと、その男……悪代官は顎に手を当てて考え込み、
「しかし盗人たちは全滅してしまったか……役に立たぬ奴らよ」
 猟兵たちにやられてしまった盗人たちの醜態に溜息を吐く。
 悪代官が今回盗人たちに命じたこと、それはあらゆるパンツを手に入れてくること。
 何故かと問われれば答えは簡単だ、そこに湯があり、パンツがあるからだ! 想像してみると良い、湯に浮かぶパンツたちの姿を……なんかすごいから。色々元気になれるから!
「仕方があるまい、この儂自らがパンツをもぎ取ってくれよう!」
 今一度エレキテル風呂にパンツを浮かべる姿を夢想した悪代官は、スパーンッ! と手ぬぐいで股間を叩いた後に、そのままその手ぬぐいを腰に巻き付けた。
「くっくっく、全ては最高の湯のために!」
 そして悪代官は、そのままの恰好で猟兵たちを迎え撃ち、そのパンツをもぎ取ってやろう息まいたのだった。
ピオニー・アルムガルト
悪代官、貴方の趣味・趣向を悪く言うつもりはないわ。私も常日頃もふもふを愛しているから…しかし!そういう物は人様に迷惑を掛けないで楽しむ事がフェチズムを愛する者達の暗黙の了解という事を忘れてしまった貴方を許す事は出来ない。というか貴方はただの変態だしキモイ!

私は盗人に扮して悪代官の隙をうかがい近づくわよ!
「お代官様の好きな山吹色のお菓子でございます」
と露天風呂にも関わらずお決まりの台詞と合わせ桐箱をススッと差し出して、箱を開けるとそこにはパンツ(ブリーフ)が!
そぉい!!とそれを悪代官の頭に被せ、【力溜め】した私の【人狼咆哮】を放つわ!
「親父のパンツはブリーフだよ!!」
特に意味はない。勢いよ!



 湯煙の中。
 パーンッ! と自分の腹を叩いて準備運動などをしている悪代官の後ろに、一つの影が近づく。
「む? 何者だ?」
 近づいてくる影に悪代官が目を凝らせば、スラっとした女性的なシルエットが見え……さらにその恰好には見覚えがあった。
「盗人の一味にございます」
 そう、そのものが名乗るようについ先日パンツを盗んでくるように命じた盗人一味そのものの恰好である。ではあるのだが、あの一味、全員男だったはずだ。
「はて? 女が紛れているとは知らなんだ」
 声を聞けば完全に女性そのもの……悪代官がはて? と首を傾げいていると、女の盗人は悪代官の前で片膝をついて黄金の瞳で見上げてきた。
 盗人たちは全滅したと思っていたが、生き残りが居たとは……と、見ていると吸い込まれそうな女の瞳を見つめながら悪代官は考えるが、
「お代官様の好きな山吹色のお菓子でございます」
 女の盗人がススッと桐箱を差し出してくると、その桐箱を見た悪代官はニヤリと笑う。
「くっくっく、そなたも悪よのう」
 そしてどこかで聞いたようなセリフを吐きながら桐箱を開けると――なんとそこにはブリーフが一枚!
 そのブリーフを見た悪代官が何かを言う前に、女の盗人……ピオニー・アルムガルトは片膝をついた姿勢から勢いをつけて立ち上がると、桐箱の中のブリーフを掴み、
「なっ――」
「そぉい!!」
 そのままの勢いで悪代官の顔面にブリーフを押し付けて、洗い場の床に押し倒す。
 それからすぐさま押し倒した悪代官からピオニーが飛び退くと、洗い場の床にはブリーフを被った悪代官だけが残される。
「ぐおおおおおお!?」
 ピオニーによって顔面にブリーフを被る羽目になった悪代官は何故か洗い場を転がりながら悶絶し、
「騙されたわね!」
 ブリーフを被せてやったピオニーは勝ち誇ったように腰に手をやり、悶絶する悪代官を見つめる。
 騙すも何も、風呂場に桐の箱とか可笑しいに決まってるだろうとか言ってはいけない、山吹色のお菓子と言って差し出されたら、それを受け取らない悪代官は居ないのだから。

 ブリーフを被り悶絶する悪代官。
「悪代官、貴方の趣味・趣向を悪く言うつもりはないわ。私も常日頃もふもふを愛しているから……」
 それを見つめるピオニーは常日頃のもふもふを思い出すように目を閉じて、悪代官に語り掛ける。
 どんな趣味だろうが、人それぞれなものだ。それを避難したり、悪く言うこともないだろう。もふもふを非難されたら悲しいし。
「しかし! そういう物は人様に迷惑を掛けないで楽しむ事がフェチズムを愛する者達の暗黙の了解という事を忘れてしまった貴方を許す事は出来ない」
 だが、それは趣味の範囲で収まっていればの話。人様に迷惑をかける悪代官のようなやり方は許されないのだ。
「というか貴方はただの変態だしキモイ!」
 何だかんだ理由を付けてみたピオニーだが、結局はキモイと言い放つと……悪代官はユラリと立ち上がる。
 ちなみにであるが、変態にキモイとか言ってはいけない。なぜなら、
「ふぉおおおおおおおお!」
 変態はその言葉で興奮してしまうからだ!
 脱げばいいのに顔にブリーフを被ったままにじり寄ってくる悪代官を前にピオニーは大きく息を吸い込むと、
「親父のパンツはブリーフだよ!!」
 激しい咆哮を放つ。この言葉に意味はないが、激しい咆哮は確かな力となり悪代官の体を、脂肪を震わせる。
 一呼吸の間ほど脂肪をぷるぷると震わせながらピオニーの咆哮に抗っていた悪代官だが……ブリーフだよよよと放ち続けるピオニーの咆哮に力負けして、スパーンッと吹っ飛んでいったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クー・フロスト
▼単独行動をしていた死神クーちゃん、うっかりさん

――ふむ。考えても、訳がわからん。
どうしてパンツが必要であったのだろうか?

確か、茜殿は
黒幕?とやらは
「温泉宿にいる」といっていたな?

んー。困ったな?
宿は沢山あるからどこにいるかわからないぞ

じゃあ、とりあえずダンジョンでも作って
転送させてひきつけるか

形状はんーっと
世界観に合わせて昔の城っぽいやつ?

▼ヒューム・ヴァダベレブング
監視する眼よ、それらしい男を探し出し(適当
このダンジョンに転送せよ
ダンジョン内にはスケルトンでも大量に放っておくか

▼うっかりさん×2
お、おそらく転送されたっぽいが……
下層かね?

設定忘れれて、最上階のボス部屋にきてしまったよ
てへ★



 夜の宿場町の中を彷徨い歩く影がある。
 夜の闇に紛れるような黒を基調とした和装。その和装からところどころ覗き見える艶めかしい白い肌。
「――ふむ。考えても、訳がわからん。どうしてパンツが必要であったのだろうか?」
 この世ならざるものをも魅了してしまいそうな少女。死神クーちゃんこと、クー・フロストはその細い顎に指をあてて考えてみるが、どうしてもその理由が分からなかった。
「んー。困ったな? 確か、予知によると黒幕は温泉宿に居ると言っていたが、宿は沢山あるからどこにいるかわからないぞ」
 ついでに自分が今どこにいるのかも良く分かっていなかったし、黒幕とやらがどこにいるのかも分からなかった。早い話が迷子になっていた。
 この世界はクーにとって分からないことばかりらしい……が、それは些細なこと。何故なら、知らなくても何とかしてしまえるからだ。
 それに世の中には知らない方が良いことも多いのだ。特にパンツについては知らなくてもいいことだろう。知ったらきっと、クーは困って俯いてしまうだろうし。
「じゃあ、とりあえずダンジョンでも作って転送させてひきつけるか」
 それは兎も角として、クーはお茶でも飲みに行きますかくらいの気軽さで独り言ち、両手を広げて大きく息を吸い込むと、
「監視する眼よ、それらしい男を探し出しこのダンジョンに転送せよ」
 暗闇の中から這い出すように現れた監視する眼に、何とも適当な指示をだす。
 適当な指示を出された監視する眼は困ったようにぎょろぎょろと周囲を見回し、丁度どこかの宿から吹き飛んできた、腰に布を巻いただけのほぼ全裸の……ブリーフを顔に被ったおっさんを見つける。
 良く分からないしあれで良いだろうと、監視する眼はブリーフを被ったおっさんに憑いて……次の瞬間には、ブリーフのおっさんをクーが作り出したダンジョンへと転送させる。
「ふぉおおおおおおおおおおお!?」
 ダンジョン内にはクーが事前に用意していたらしい大量のスケルトンがブリーフのおっさんに襲い掛かるが、おっさんはどこからか取り出した刀をめちゃくちゃに振り回してスケルトンを撃破して行くのだった。

 おっさんがダンジョンに転送されて暫く後。
 ダンジョンの最上階で待ち続けていたクーは、相手が来ないな? なんて小首を傾げていた。
「お、おそらく転送されたっぽいが……」
 まさか転送に失敗したのでは……などと考えるが、そうでもなさそうだ。確かに手ごたえはある。クーは今一度小首を傾げて、
「下層かね?」
 ふと重要なことを思い出した。
 設定上、下層に転送されるのだ。最上階のボス部屋で待っていても何時までも来るはずがなかった。
 てへっ、いっけなーいとクーは自分の頭を小突いて舌を出し――その後何やかんやでダンジョンを抜けたおっさんは、元の温泉宿に戻った。

成功 🔵​🔵​🔴​

テン・オクトー
ひぃ!まだパンツの脅威が続くの?(盗人に取られたから新しいのをはいてきている)
そもそもパンツ浮かべたお風呂って元気になれるのかなあ?ボク子供だからよく分からないや。とにかく自分の嗜好のためにパンツ奪うのはダメな事だよ!
WIZ
UCで召喚した二体に相手してもらうよ。じーっと観察したらどっちが本物か分かるかな?うーん、両方とも立派なたゆんたゆんだねえ。その格好で戦うのは凄いね。2人のほぼ肌色のたゆんたゆん、色々目の毒かもしれない。
見た目そっくりなだけの影武者なら、やはり本物の悪代官さんの方が強いかな?召喚した二体がやられたらボクも(武器フレイル)で戦うよ【範囲攻撃、衝撃波、見切り】

連携アドリブ歓迎


ルナ・ステラ
あの人が黒幕ですか...?
パンツをお湯にってすごい悪趣味です!

あぅ...またパンツ狙われるんですか...
取られる前にやっつけようと思います!

ーきゃっ!後ろから!?
手を突っ込んだら嫌です!
取らないでくださいぃ...
スースーします...

あれ?同じ人が2人!?
2人ともニヤニヤしてて気持ち悪いです...
(うぅ...恥ずかしいです...)

もう、怒りましたよ!
どっちが本物だろうが偽物だろうが関係ないです!
どっちともをシューティングスターを直撃させて、気絶させようと思います!
覚悟してください!



 蒸し蒸しとする風呂場の中。
「ふぉおおおおお!」
 そんな風呂場の中で少しボロボロになったブリーフを被ったおっさんこと、悪代官が吠えている。
「あの人が黒幕ですか……?」
 お星さまを纏ったかのようにきらきらと輝く服に身を包むあどけない顔の女の子が、少し困惑したように呟くと、
「凄い恰好だね」
 その横に居た灰色のもふもふ……湯気で若干しんなりしてしまったもふもふのケットシーの男の子が、聞いていた話と少し違うけどと頷く。
 聞いていた話では全裸に手ぬぐい一枚の姿のはずだったが、何故かブリーフが被されていたのだ。きっと前に戦った猟兵が何かしたのだろう。
 そんな悪代官の恰好のことはさておき、
「パンツをお湯にってすごい悪趣味ですよね!」
 灰色のもふもふケットシー、テン・オクトーと目線を合わせるように、身を屈めたきらきら少女ことルナ・ステラが、目的が駄目ですよね! と小さな拳を握り、
「そもそもパンツ浮かべたお風呂って元気になれるのかなあ?」
 テンが小首をかしげる。ボク子供だからよく分からないや。と言うテンだが大人でもきっと分からない……けれど、一部の大人は心に癒しを得られたりごく一部が元気になっちゃったりするのかもしれない。
 それはさておき、
「とにかく自分の嗜好のためにパンツ奪うのはダメな事だよね!」
「はい、絶対ダメです!」
 ダメなものはダメ、絶対ダメなのだ。
 テンとルナは大きく頷き合うと、悪代官に立ち向かうのだった。

 悪代官の前に立ったテンとルナ。
「ふぉおおお! パンツ……パン……ツをよこせぇ……!」
 そんな二人に対して、悪代官がゆらりと両手を肩のあたりに上げて、ゾンビよろしくパンツを求めてゆっさゆっさと腹を揺らしながら近づいてくる。
「ひぃ! まだパンツの脅威が続くの?」
「あぅ……またパンツ狙われるんですか……」
 今回は戦えばいいだけかな、なんて一瞬思ったりもしたがそんなことはなかった。相変わらずのパンツの危機である。
 新しいパンツを履いてきたらしいテンとルナは、服の上からパンツを守るように手で押さえるが、それも一瞬のこと。
 やられる前にヤル! と思考を切り替え――テンがフレイルを持つ手を思いっきり振りかぶる。
 それからテンが悪代官へ向けてフレイルを投げつけるように振るうと、テンの愛らしい見た目と反したその凶悪な武器……フレイルのとげとげ鉄球部分が悪代官のブリーフを被った顔面にめり込んだ。
「グヴェラァ」
 顔面にフレイルのとげとげ鉄球を受けた悪代官は、衝撃で後ろ向きに5回転ほどして仰向けに倒れ、
「えいえい!」
 仰向けに倒れた悪代官のお腹辺りをルナがファイアボルトと呼ばれる偉大な魔法使いが使用していた魔力を高める箒でベシベシと叩く。
「ふぉおおおお!」
 だがルナにベシベシされた悪代官は、何故か興奮したように奇声を上げると、
「――きゃっ! 後ろから!?」
 何とルナの真後ろにもう一人の悪代官が出現していた。
「て、手を突っ込んだら嫌です!」
「あわわ」
 ルナの後ろに出現した悪代官は素早くルナのスカートの中に手を突っ込み……少女のスカートにおっさんが手を突っ込むとかいう危ない絵面にテンは思わず手で顔を覆う。
「取らないでくださいぃ……あれ? 同じ人が二人?!」
「あわわわ……」
 スカートを押さえて必死に抵抗するルナだが、先ほどまで箒で叩いていた方の悪代官がその手を掴んで……なんやかんやでルナのパンツは奪われてしまった!
「スースーします……」
「あわわわわ……!」
「「ふぉっふぉおおおおお!」」
 その場に座り込んでガックリと項垂れるルナ。なんか凄いものを見てしまったと顔を覆うテン。綺麗な布切れを手に喜びの舞をする二人のおっさん。
 風呂場は暫しの間、カオスの様相を見せるが、
「2人ともニヤニヤしてて気持ち悪いです……」
 そんな混迷渦巻く風呂場の中、ニヤニヤと気持ち悪く笑っている悪代官たちを前に、恥ずかしさに顔を赤らめながらもルナは立つ。
 しかし、そんなルナを挑発するかのように悪代官は奪い取ったパンツを指の先でくるくる回し……ルナはますます顔を赤らめて、
「もう、怒りましたよ! どっちが本物だろうが偽物だろうが関係ないです! 覚悟してください!」
「え、あのパンツ持ってる方が本物だと思うけど」
「お星さんたちわたしに力を! 悪しきものに降り注げ!」
 顔を覆いつつも冷静に悪代官を観察していたテンの突っ込みなど何のその、ファイアボルトを高々と掲げて詠唱を開始する。どちらが本物だろうが、両方まとめて焼き払えば問題ないのだ!
「シューティングスター☆」
 それからパンツを指先でくるくるしながら自分たちもくるくると舞う悪代官に向けてファイアボルトを突きつけると――天空から百二十五個ほどのたらいが降り注いできた。
「ひゃん」
 流れ星の代わりにたらいが落ちてきて思わずルナは耳を塞いで座り込むものの、その威力は絶大だ。
 カカカカカン! と軽快な……と言うよりは喧しい音を立てながら悪代官たちに直撃したタライは、悪代官のたゆんたゆんな体をたゆんたゆんと揺らし、手に持つパンツを粉みじんに消し飛ばした。
「右に騎士、左に蛇竜、後方にボク!」
 たゆんたゆん揺れるおっさんの贅肉、肌色のたゆんたゆんは目に毒かなぁなんて考えながらテンが両手を広げる。
 するとテンの足元、右側から死霊騎士が、左側から死霊蛇竜が出現し、消え去ったパンツがあったはずの指先を名残惜しそうに見つめている悪代官へ向けてけしかける。
「あ、やっぱり本物の方が残るんだね」
 そして本物と思わしき方が、死霊騎士の剣を両手で受け止め、もう一方は死霊蛇竜に巻き付かれてあっさり光に還ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

菱川・彌三八
真面目に何言ってやがるかわかんねぇ……
使用済の褌湯に浮かべるなんざ、本末転倒じゃねェかい
ァ?目的は綺麗になる事じゃねぇって?
なんだってんでェ……

この技ァ使うとよく分かんねェ絡繰が出やがるが、
何にせよぶん投げたり掴んで殴りつけるのに使えりゃ上出来だ
何体いようが関係ねェ
俺の褌が盗られようが、まぁ関係ねェ
フェイントとだまし討ちからの、属性攻撃で踏み込んで渾身の力で殴る(1カメ)
殴る(2カメ)
ふっ飛ばす(3カメ)
とっときのエレキテル食らわしちやる

おっと褌は返しちもらうぜ
(湯に浸かる前に回収してぇもんだが)
そねェに数もねぇんだ
それに獅子の三八が裸とあっちゃあ、娘さんらが恥ずかしがって表に出らんねぇんでね



 洗い場に入ってきた男は、死霊騎士の剣を両手で受け止めたおっさんがぐぬぬと踏ん張っている姿を眺めて顎に手をやる。
 それから細い目をさらに細めて、悪代官がパンツを集めて居た理由について考えてみる。
「真面目に何言ってやがるかわかんねぇ……使用済の褌湯に浮かべるなんざ、本末転倒じゃねェかい」
 考えてみたがしかし、全く理解できなかった。
 風呂とは体を綺麗にするために入るものだ。そこに汚れた……少なくとも、多少なりとも人肌に触れたものを浮かべるなど本末転倒ではないのかと。
 うーん……と考える男、菱川・彌三八は、逆説的に体を綺麗にするために風呂に入るのではない可能性も検討してみる。
「なんだってんでェ……」
 検討してみるも、結局訳が分からなかった。何となく元気になるあたりが鍵な気もするが、何故パンツを浮かべると元気になるのかは不明なのだ。

「ふぉおおおおおお!」
 色々と考え込んでいた彌三八が、聞こえてきた奇声に正面を向けば、悪代官が手にした白い布切れを高々と天に向かって突き上げていた。
「すーすーするじゃあねぇか」
 どこか見覚えのある布切れと、なんだかすーすーする下半身に、彌三八は布切れの正体に思い至るが、
「まぁ関係ねェ」
 彌三八は小さく息をついただけで、迷うことなく悪代官へ向かって駆けだす。
 そして駆けだすと同時に右手を横に払うと、そこに変な形のガジェット……今回は投げ縄のようなフック付きの変なガジェットを召喚すると、それを投げつけて、
「ふぉおおお!」
 投げつけられた投げ縄を正面から切り落とそうとした悪代官の刀が届く直前で、彌三八は急停止。
 続けざまの投げ縄を引きつつくるりと体を反転させると、大きく円を描くように投げ縄を振るう。
 振るわれた投げ縄は、刀を振り下ろした悪代官の真横から襲来して……見事に悪代官をぐるぐる巻きにすると最後にフックで固定する。
 さらに彌三八は、悪代官を巻き付けた縄を引きながら自身も突っ込んで、
「オラ!」
 地面すれすれから抉るように左手を突き上げて悪代官の顎を殴る。
「オラァ!」
 打ち付けた拳の衝撃で悪代官の顔が上を向いたところで、左手を突き上げた反動で良く捩じった腰を入れた右の拳をたぷたぷした腹に捻じ込む。
「セィ!」
 そして最後に、くの字に曲がった悪代官の鳩尾に向けて、一歩、体を密着させるように彌三八が踏み込むと同時に右の肘を抉りこんだ。
 肘で鳩尾を抉られた悪代官は声も出せずに吹っ飛ばされ、ごろごろと洗い場を転がる。
「おっと褌は返してもらうぜ」
 殴った拍子に手放したのかひらひらと宙を舞う自分の褌を掴み、
「そねェに数もねぇんだ。それに獅子の三八が裸とあっちゃあ、娘さんらが恥ずかしがって表に出らんねぇんでね」
 彌三八がシュッと褌を巻きなおすと――悪代官が桶の山に突っ込んだのか、桶の転がる軽快な音が周囲に響いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鹿村・トーゴ
黒幕ってお代官でなくて悪代官かよ
ここら辺変態が仕切ってんのか?温泉なのに…

さっきの盗人達に悪りい事したぜ
奴らがぱんつ好きだと思って被せてやったのに…まぁ良いか
熟女がどーとかアダルト対象な事言おうとし…(ぱしーんと尻タオルの音)アレがその悪代官か?

フツーのオッサンだがパンツパンツ叫んでるし間違いねーな

「忍び足」でセオリー通り背後から接近、
温泉の湯で「目潰し」、
「ロープワーク」でなんか大人の本で見たことあるよーな無いような食い込む仕様で縛り上げる
でも今イチ芸術的な下着にはならないなー
羅刹旋風でタメて…やっぱ殴っとく
温泉で流血沙汰はヤだからな

倒す前にちょっと聞いときたい
…なんでパンツに目覚めたの?



 桶の中に沈んだ悪代官。
 ころころと転がってくる桶の一つを手に取って、燃えるような赤い髪に色黒の肌を持つ男は首を傾げる。
「ここら辺変態が仕切ってんのか? 温泉なのに……」
 温泉なのにパンツを集めようとするような変態が仕切っているのは、不味いのではないのかとその男、鹿村・トーゴは思うようだ。
 確かに人が裸になる機会の多い温泉を変態が仕切っているのは何となく不味い気はするのだが……そこらへんは気にする必要は無いだろう。
 意外と、本当の変態ほど普段はそれを見せないものだ。
「って言うか、黒幕ってお代官でなくて悪代官かよ」
 さらに名前についても突っ込みが入るが、そこらへんも気にしてはいけない。
 それにしても……と、桶の山から這い出してきた悪代官ことブリーフを被ったおっさんをトーゴはまじまじと見つめる。
「さっきの盗人達に悪りい事したぜ。奴らがぱんつ好きだと思って被せてやったのに……」
 盗人の方がパンツ好きなのかと思って被せてしまったが、どうやらパンツを被る趣味があったのは黒幕の方だったらしい。
 トーゴは盗人に悪いことをしてしまったかな? などと一瞬思うも、
「まぁ良いか。熟女がどーとかアダルト対象な事言おうとし……」
 まぁ良いか、何か危ないことを言っていたしと思いなおす。
 ついでに幼女のパンツやら熟女のパンツやらを好んで盗むつもりだったのは盗人の方なので、盗人がパンツ好きであると言うトーゴの推測はあながち間違えてもいない。

 桶の山から這い出し、ふらふらと立ち上がった悪代官。
「ふぉおお……」
 パンツパンツ叫ぶどころか、パンツを被っているほどのパンツ好きなこのおっさんが悪代官で間違いないだろうとトーゴは判断し、足音を立てないようにそっと後ろから近づく。
「おい」
 そして真後ろまで近づいたところで声を掛け、驚いて振り返った悪代官の顔面に向けて温泉のお湯をぶっかけた。
 唐突にお湯をぶっかけられた悪代官はふぉおお?! と目を覆い、隙だらけとなった悪代官のぷよぷよした体をトーゴは手早く縄で縛る。
「これでもくらいな」
 そしていい感じに何か大人の本で見たことのあるような、縄がいろいろと体に食い込むような縛り方で縛り上げ、天井に吊るした。
「ふぉおおおっふぉぉ」
 色々な場所がキュッと締まるような縛り方をされた悪代官は何故か顔を赤らめている。
 そんな悪代官を見てトーゴは、今一芸術的にはならないなと考え、右手をぐるぐると回し始めた。
 如何に芸術的に縛り上げても縛り上げる対象がぷよぷよしたオッサンでは当然芸術度は下がるだろう。
「ところで……なんででパンツに目覚めたの?」
「パンツに染み込んだ下半身からのエ――アヴァ!」
 最後にトーゴはちょっと興味本位で何故パンツに目覚めたのか……集めたのかを聞いてみるも、何か危ないことを言い出したのでぐるぐる回して力を溜めていた右拳で悪代官を黙らせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルカ・スノードロップ
※アドリブ、連携、絡み歓迎

パンツ風呂……そんなもののために……
「つまり、あなたが幼女の敵の黒幕ですね」
愉しませたり、悦ばせたりするならまだしも
ただ悲しませるなら幼女の敵です

「だから、徹底的に滅してあげます」
【全力魔法】でUCを展開
出現させた槍は、"蜻蛉不留"と"蜻蛉切"といった
この世界のゆかりのある槍を模したもの
「いつかは本物を喚んでみたいものですが……」
そう呟いて、槍を悪代官にけしかけます

【スナイパー】で的確に【誘導弾】で確実に
【串刺し】にして【吹き飛ばし】です
街に被害も出せないですが
脱衣所を壊すわけにはいきませんし、脱衣所の外にですよ


敵の攻撃【見切り】です


リーファ・レイウォール
「なるほど、ただの変態なのね」
パンツを集めていたらしいという理由に溜息。

まぁ、良いわ
【全力魔法】と【高速詠唱】で、ユーベルコードを発動するわ

ここ、浴場だし上空も使えるわよね
【衝撃波】で、上空へと【吹き飛ばし】てから
追うように飛び上がり【空中戦】を応用して追撃
大鎌を振りかぶって【力溜め】から斬撃と同時に
叩きつけるわ

衝撃波の余波や、叩き落した先が生垣だったりして
生垣を壊してしまったら、ごめんなさいするわね?

敵の攻撃は【視力】と【聞き耳】で追いながら
【戦闘知識】を根拠にした【第六感】で【見切り】
その上で【残像】で回避するわ

※連携、アドリブ歓迎


河南・聖
ほんとに『お代官様』じゃなくて『悪代官様』なんですねー
自ら悪を名乗るとは潔いと思いますが、やってる事は……
っていうかお金持ってそうですしパンツくらい自分で買えばいいのに
どうせお湯に浮かべるだけなんですよね?脱ぎたてとかである必要あります?

いずれにせよ、おいたが過ぎた人にはお仕置きが必要ですよね?
……何か既にゾンビみたいになってて見る影もない感じですけど、まだ女の子のスカートに手を突っ込んで無理やりパンツを奪うくらいの元気はあるみたいですしね
盗人さん達の尊……特に尊くも無い犠牲の上に生まれた必殺技、試してみましょう
……あ、他に蹴りたい人が居たらパスしましょう
コンボが繋がるかも?

アドリブ・連携歓迎


城田・紗希
パンツ泥棒の真犯人は貴様かー!(銭形のとっつぁんの格好で手錠を投げて、すぐ仮装を脱ぐ)
…いや、ユーベルコードじゃないから意味はないんだろうけど。

攻撃はウィザードミサイル、影武者が出てもまとめて攻撃するよ!
影武者が居なくて1人なら誘導弾、2人…もしくはそれ以上に増えても範囲攻撃で、どっちにしろ仕留めるよ!
……で、どっちが本物なんだろう?(考えたけど一瞬で諦めて全力魔法)
とりあえず仕留めて、パンツのカタキはとるよ……(夜空に顔が浮かぶ感じでパンツをイメージ)



 パンツを被った姿のまま、天井からつるされてふふぉーふふぉーと荒い息をする悪代官。
 局部を強調するように縛られたその姿はどうあがいても、
「なるほど、ただの変態なのね」
 リーファ・レイウォールの言うように、ただの変態に他ならなかった。リーファがやれやれと小さく息を吐いて首を振れば、首の動きに合わせて薔薇の色を思わせる長く美しい髪が揺れる。
 小さく首を振った後に腰に手を当てて、どうやって懲らしめてやろうかと考えるリーファの横で、
「自ら悪を名乗るとは潔いと思いますが、やってる事は……」
 柔らかそうな雰囲気を持つ少女が呆れたように目を閉じる。それから少女……河南・聖はゆっくりと目を開けて、印象的な紫の瞳で悪代官を見据える。
 代官ではなく、悪代官と名乗るあたり潔いとも言えるが、結局やっていることはただのパンツ泥棒である。
 それ以前に、お金も持っていそうだし、普通に買えば良いのでは? と聖は思うのだ。どうせお湯に浮かべるだけなのだから脱ぎたてとかである必要もないはずだし。
「パンツを集めているだなんて、どうかしているわよね」
「ええ、悦ばせるためならまだしも、ただ哀しませるなんて、幼女の敵ですね」
 聖の言葉に大きく頷くリーファと、女性のような……胸の無いスレンダーな女性のような長身の男。幼女を愛してやまないその男の名は、ベルカ・スノードロップ。
 パンツ風呂……そのようなもののために幼女を泣かせるなど、例え天が許してもベルカが許さないのだ。
「あれ? 幼女限定でしたっけ?」
 幼女の敵許すまじ。絶対殺す。そんな気迫をもってキリッと悪代官を見つめるベルカに、聖は至極全うな突っ込みを入れるが、
「うん! パンツのカタキはしっかりとらないとね!」
 何処かの泥棒アニメで見たことがあるような刑事の恰好をした勝気な雰囲気の少女、城田・紗希が、うんうんと頷く。
 切られたり、燃やされて塵になったり、何故かよく分からないが粉みじんになったパンツたち……そう、あのパンツたちを思い出せば、そのカタキをとらねばならぬと紗希は考えるのだ。
「ええ、幼女のパンツのカタキは絶対に討ちます」
 紗希の言葉にベルカは大きく頷き、そんなベルカに聖は仕方が無いですねと微笑みを浮かべ、
「いずれにせよ、おいたが過ぎた人にはお仕置きが必要ですよね?」
「ええ、早く滅ぼしてしまいましょう」
「やっちゃおう!」
 いっちょやりにいきますかと、悪代官へ向かって歩き始め……リーファと紗希も意気揚々とその後に続いたのだった。

「パンツ泥棒の真犯人は貴様かー!」
 いやんな感じに縛れたまま宙刷りにされている悪代官へ、紗希が手錠を投げると手錠は悪代官の顔面にぶつかって普通に洗い場に落ちた。
「ふぉおお!?」
 ユーベルコードじゃないから意味はないだろうなと思っていた紗希だったが、案の定普通に痛いだけだったようだ。
 特に意味の無い紗希の手錠に悪代官は困惑の声を上げるも、紗希はえへっと舌を出して刑事風の服を脱ぎ捨てる。
「つまり、あなたが幼女の敵の黒幕ですね」
 可愛く舌を出す紗希の隣、悪代官の困惑の声を聞いたベルカが何か納得した様に頷く。
 悪代官が何を言っているのかさっぱり分からないがベルカには分かるのだろうか? と、聖はベルカをまじまじと見つめるが、
「ふぉおおふぉおお!」
「だから、徹底的に滅してあげます」
 悪代官の奇声に合わせて、自分の言いたいことを言ってるだけだと気づいた。
 聖はそんなベルカの様子を見なかったことにしつつ、悪代官にビシィと人差し指を突きつけて、
「……何か既にゾンビ、と言うか色々と見る影もない感じですけど」
 実際元の姿が見る影も無いが、まだ女の子のスカートに手を突っ込んで無理やりパンツを奪うくらいの元気はあるようなのだ。油断ならない、今のうちに仕留めて置くのが良いだろう。
「おいたをする子にはおしおきです!!」
 聖は言うや否や体を深く沈める。
 そして次の瞬間には、沈めた分の反動を利用して一息に悪代官の目の前まで移動し、そのままの勢いで膝蹴りを悪代官の顔面へ捻じ込んだ。
「ふぉおお!」
 美少女の膝。なんというご褒美! などと余韻に浸る間もなく、吊り下げられたままさらにちょっと浮いた悪代官の真下に着地した聖は、悪代官の股間を蹴る。玉を蹴るように蹴る! いや玉はあるけどなんて言わせないほどに蹴る! この場に男子が居たら自分の股間を押さえたくなるほどに蹴る!
 盗人たちの尊い犠牲……別に尊くもなかった犠牲の上に生まれたこの技。見事に悪代官の玉を潰したようだ。
「なんで嬉しそうなの? まぁ、良いわ」
 玉を潰されたのに何故か嬉しそうな悪代官の真下。落ちてきた悪代官を汚物でも避けるかのように後ろに下がった聖に変わって、潜り込んだリーファは落ちてきた悪代官に向かって右手を掲げる。
「天切り裂き顕現なさい、雷轟の方天戟たち。そして、存分に猛威を振るいなさい」
 そして素早く詠唱を行うと、百三十ほどの双戟を自分の周りに呼び出す。
 呼び出された双戟はリーファの周りから悪代官を突き上げるように次々と射出され……次々と悪代官に命中する双戟は、吊るしていた縄を切ると同時に、あっという間に悪代官の体を空高くまで吹き飛ばした。
「まだ終わらないわよ?」
 そして最後の双戟に捕まって悪代官との距離を一息で詰めたリーファは左右色違いの翼で大きく空を打って悪代官の頭上に舞い上がる。
 白と黒の羽が月夜に舞う中、リーファは黒の長柄に真紅の刃を持つ大鎌を大きく振りかぶって……力いっぱい悪代官を叩きつけた。
「ふぉおおお!」
 叩きつけられた悪代官は猛烈な勢いで地上に激突し、そのままゴロゴロと転がって生垣を壊して止まる。
「やっちゃいましたね」
「やっちゃったね!」
 白と黒の羽を羽ばたかせてゆっくりとリーファが降りてくると、ベルカが小さくため息をつきながら、紗希が満面の笑みでやっちゃったねと話しかけてくる。
「ごめんなさいね?」
 そんな二人にリーファがむーと小首を傾げながらも謝っていると、悪代官が向くりと立ち上がり……再び二人に増えていた。
「影武者!?」
 二人に増えた悪代官に紗希は驚いた様子だったが、
「――我が夜の血に応え、顕現し、貫き穿て、夜王の槍」
 ベルカは問答無用で詠唱を始める。
 そんなベルカの様子に、紗希はおーっと感心するも、どっちみちまとめて燃やし尽くせば関係の無い話であると思い直す。
 紗希はうんと大きく頷いて両手を大きく広げると、周囲に百二十五ほどの炎の矢を作り出し、紗希が炎を作り出すのとほぼ同時にベルカは魔法の槍……刃先に蜻蛉が止まったら切れそうなほど鋭利な槍を、百十五ほど呼び出した。
 それからベルカはその槍の一つをまじまじと見つめて、
「いつかは本物を喚んでみたいものですが……」
 そんなことを呟くもすぐさま悪代官へ視線を向けなおして、呼び出した槍を一斉に放つ。
「両方燃やすよ!」
 ベルカが槍を放つと同時に、紗希も悪代官を指さし炎の矢を次々と射出する。
 そしてベルカの槍に刺されたり、紗希の炎に燃やされたりした悪代官は、なんやかんやで両方光に還って消え去ったのだった。

「パンツのカタキはとったよ……」
 悪代官が消え去った後、月夜にパンツの面影を浮かべて紗希はグッと拳を握りしめる。
 あの綺麗なパンツ、そして褌。犠牲になったパンツは数あれど、その元凶たる悪代官は滅び去ったのだ。パンツもきっと浮かばれるに違いない。
「持ち主の方のカタキは?」
 一人感傷に浸る紗希にリーファがパンツを盗られた持ち主の方は? と冷静な突っ込みを入れていたけれど。細かいことは気にしてはいけない。
「……で、あれはどっちが本物だったんだろう?」
 的確な突っ込みに若干顔が熱くなった紗希はパタパタと顔を仰ぎながら、さっきの影武者について考えてみるが、
「どっちが本物でも良いじゃないですか」
 聖は微笑む。二人いるなら、二倍蹴るだけですしと……実に恐ろしい、玉が四つもつぶれてしまうところだった。盗人と悪代官ですでに四つ潰れていたけれども。
 聖の微笑みに「う、うむ」とだけ返した紗希が視線を露天風呂へ移せば、
「これで幼女たちの哀しむ顔を見ないで済みます」
 そこには満足そうに佇むベルカの姿があった。
 それはそれでどうなのだろうと紗希は首を傾げるも、何はともあれオブリビオンは倒れ宿場の平和は取り戻されたのだ。
 一行は大きく頷き合うと……暫しの間、湯煙と混じり合うように輝く月を眺めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『温泉旅籠で露天風呂を楽しもう!』

POW   :    竹でできた築地を登って隣の湯を覗くor覗き魔へ桶や石鹸を投げて撃退だ!

SPD   :    気づかれる前にササッと覗いて退散するorどこかから視線を感じるので俊敏さを活かして迎撃する

WIZ   :    自らの叡智を結集した完璧な覗き作戦を決行するor覗き魔の行動を先読みして罠をかける

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●月夜の温泉
 エレキテル風呂。
 それは温泉にしては硫黄の匂いがせず、若干乳白色の湯である。
 そして大きな特徴として、湯につかるとちょっとだけびりびりする。心地よい程度にびりびりする。
 このびりびりが体中の色々なツボを刺激してくれるらしく、入ったものは体中がぽかぽかして何だか元気になった気分になれるらしい。
 けれどもあまりに長湯をしていると……髪の毛が逆立ったり、誰かに触った時にパチっとして微妙に痛かったりもするとか。
 そんな特性故に、子供たちにも大人気だったのだが、悪代官がこの湯を支配して以来、一般人には解放されていなかった湯でもある。
 悪代官が倒され、今後は一般人にも開放されるであろうが……少しだけ彼らに先んじて、湯を楽しんで行くのも良いだろう。
ベルカ・スノードロップ
※湯浴み着着用

湯を弾く肌は、きめ細かい事が窺える
洗い髪を纏めた事で露出したうなじや、湯浴み着で隠された胸
全体的に女性的な曲線を描いていて――

「サムライエンパイアに電気風呂があるのは、意外ですね」
アルトボイスで発せられるのは、そんな感想

「……で、生垣がないので覗くも何も無い状況なわけですが」
女性の好みという点は明け透けになっていましょうが
生垣が無いとはいえ、ジロジロ見るような無粋なことはしません

茜さんとは、今回の依頼が初対面ではありますが
「一献いかがですか?」
話をしてみたい、そんな興味から
徳利と御猪口をいくつか用意して
話しかけてみましょう
他にも、お酒と共に話したい人がいれば一緒に


傀童・沙華
カカッ!
温泉が入れると聞けば、来んわけにはいかんのぅ
日本酒を片手に月見酒じゃ

覗きは別に気にせんのぅ
見られて恥ずかしい身体をしておるわけでもなし
肢体を特に隠さず
のんびりまったり月見酒に興じようかの

盃に映る逆月(さかづき)を飲み干しては、火照った身体の熱を逃がすかのように甘い吐息を吐く

これこそ、正しい温泉と酒を同時に楽しむ作法じゃよ
カッカッカッ!


テン・オクトー
えー別々なの?頼もしいお姉様方多かったから、一緒に温泉入るの楽しみにしてたのに〜。茜さんもあっち側だよね?残念!(子供なので純粋に残念がる)
あ、ボクは逆に覗かれても気にしないよ〜。

いざエレキテル風呂へ〜!
(素っ裸で頭の上に手拭い)
頼もしいお兄さん達いた!お疲れ様〜!
うーん気持ちいい!あたたか〜い。露天風呂っていいねえ。あれ?何もしてないのにお髭がブワッて広がっちゃった!ピリピリ効果かな〜?
うん、元気!元気!また明日から色々頑張れる気がするよ〜!

お隣から何やらきゃっきゃうふふな会話が聞こえてきたような。なんだか恥ずかしくなってきちゃった(マズルに手をあてて深めに浸かる)

絡みアドリブ歓迎です



 濃い湯気の中で、衣擦れの音が聞こえる。
 その衣擦れの音がした方へと目を向ければ、締まるところは締まりつつも全体的に丸みを帯びた曲線の人の影が見える。
 その人影は衣擦れの正体、湯浴み着を悩まし気に着こなし、洗い髪をまとめたことで露出した首から背中までのラインもまた見る者を魅了してやまない。
 湯を弾く肌はきめ細かく、まるで陶器のようで――、
「サムライエンパイアに電気風呂があるのは、意外ですね」
 アルトボイスでそんなことを呟きながら湯に浸かるのは、ベルカ・スノードロップ。
「びっくりしたよ、間違って女湯に入っちゃったのかと思った!」
 悩まし気な人影にちょっとどきどきしていた灰色のケットシー、テン・オクトーは自分の胸のあたりを叩いて、びっくりしたーと再度言葉にする。
「頼もしいお兄さん達いた! お疲れ様〜!」
 なんて声を掛けようとしたテンだったが、先に湯につかっていたのがどう見ても女性に見えたのだからテンのどぎまぎも想像に難くないだろう。
 もっともテン自身は裸を見られても気にしないし、混浴だったら色々な人と一緒に遊べたのにな。なんて子供らしい発想でもって男女別の湯であることを少し残念がってもいたのだが。
「素直さは美徳ですよ」
「いざエレキテル風呂〜!」
 素直に女性と間違われたことに対して小さく頷くベルカの横に、頭に手ぬぐいを乗せたテンがちゃぷんと浸かる。
 湯に浸かった瞬間、体を走るちょっとしたびりびりと、丁度良い感じの湯の温もりが何とも気持ちよく、
「うーん気持ちい! あたたか~い。露天風呂っていいよねぇ」
 なんて温泉の淵に顎を乗せてくて~と伸びてみるが……、
「あれ? 何もしてないのにお髭がブワッて広がっちゃった! ピリピリ効果かな〜?」
 お髭と灰色の毛が若干ブワッと広がっていることに気づいた。テンがそんな自分の髭をくしくしと手でならしていると、湯気の先から白い手が伸びてきて、
「テンさん。あくしゅあくしゅ」
 なんだろうこれ? と考えながらもその手を思わず握り返したテンの視線の先には、湯から上半身だけ覗かせて手を伸ばす茜がにっこりと笑っていた。
「カカッ! 良い湯だのぅ」
 そしてその横には、血の色のような長い髪をまとめて湯に浸かる羅刹の女性の姿がある。
「それに月も良い」
 羅刹の女性、傀童・沙華は、髪の毛と同じ色をした瞳で夜空に輝く月を見つめ、月の光を集めるかのように盃を月に掲げる。それからその杯に入った透明な液体を一息に飲み干し、
「美味いのぅ!」
 カッカッカッ! と笑う。
 ひとしきり笑ったあと沙華は、茜の手をにぎにぎしながら男女別々の湯だったのでは? あれー? と首を傾げるテンに気づき、
「なんじゃお前さん、覗きかえ?」
 にやりと笑う。沙華としては見られても何一つ困ることの無い……恥じるところなど一つも無い体だ。なので特に隠すこともないし、見た相手を咎めることも無い。
 寛容……とは違う。沙華と言う羅刹は、他者が自分に向ける視線ごときでは揺るがない。それだけの話だろう。
「……生垣がないので覗くも何も無い状況なわけですが」
 もっともこの場合、ベルカの言う通り、生垣が壊されているため覗くも何も無いし、ついでに凝視しようとしたところでお互いに湯気が良い感じにモザイクをかけて居るので気にする必要もないのだが……それでも女性の体をジロジロと見るのは無粋と、ベルカは女風呂に背を向けていたりする。
 そんなベルカを横目でちらりとだけ見やってから、沙華は再び透明な液体を盃に注いで、のんびりまったりと足を延ばしながらその味を楽しむ。
「一献いかがですか?」
 沙華が飲んでいるものを見て、ベルカは思い出したように自分も用意していた徳利と御猪口を置いて、テンとにぎにぎし合っている茜に話しかけてみる。
 不慮の事故で壊れてしまった柵ではあるが、何も悪いことばかりではない。少し話してみたいなと興味を持った相手と話す機会にもなるのだから。
 ベルカは、ありがとうと言って御猪口を受け取った茜に徳利を傾け、その返杯の最中に湯加減はどう? などと聞かれる。
「そうですね若干ぴりぴりしますが」
 聞かれたベルカは手のひらを月に翳しながら答える……手のひらから零れる水滴が、月の明かりを反射して輝き、確かにその指先まで熱が伝わっていると自覚できる。
「体が芯から温まって、疲れが取れそうです」
 血の巡りは体中から悪いものを出す力を与えてくれるに違いない。
 ベルカの答えに茜は良かったと笑い、その隣に居るテンにも元気になれそう? と聞いてみる。
「うん、元気! 元気! また明日から色々頑張れる気がするよ〜!」
 聞かれたテンは両手を上げて元気元気と、元気な様子を示す。
「カカッ! 元気があれば強くなれる。それが一番だのぅ」
 そんなテンの様子をちらりと見やった沙華は口の端を上げる。
 強者を求めるような、血に飢えたような、赤い瞳は何とも恐ろしく、それでいて魅力的で……誰をも視線だけで射貫けそうな沙華の目を見たテンは、なんだか鼻の頭がむず痒い気がして、
「う、うん。そうだね」
 マズルに手をあてて深めに温泉に浸かる。
 ぶくぶくと泡を立てるテンに目を細めてからベルカは空に輝く月へ目を向けて、
「それにしても、良い月です」
 徳利に唇を当てる。
 唇を濡らすそのしぐさは何とも蠱惑的で、それを間近で見たテンは、なんだか見てはいけないものを見た気がしてさらにぶくぶくと沈んでいく。
「これこそ、正しい温泉と般若湯を同時に楽しむ作法じゃよ。カッカッカッ!」
 そして、沙華は盃に映る逆月を飲み干しては、火照った身体の熱を逃がすかのように甘い吐息を吐いて――暫しの間、外と内から満たされていく体の感触を楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クー・フロスト
同行者:ピオニーさん、ホワイトちゃん
アドリブ◎

――

▼露天風呂を楽しむ

お願い:茜ちゃんを誘いたい

笑い話をしながら
友達と仲良く露天風呂に入る
風呂上りに髪を梳く

▼台詞

>>下着泥、悪代官
あぁ、あれは愉快な敵であったな

>>ごめんなさい
私はちょっと甘いところがあってな
盗んでごめんなさい。すれば許してしまうところであった

>>のんびり
夜空が綺麗よな。サムライエンパイアは機械文明が無いから
環境汚染もそこまで進んでいない……か

>>もふる
ちょいと失礼
ふわふわしている耳が柔らかい、手触りが凄くいいな

私にもケモミミが付いたら、少しは可愛くなれるのだろうか?

>>おせっかい
ほらほら、しっかり髪を梳かないと
綺麗な髪が崩れるぞ


ピオニー・アルムガルト
(クー・フロストさんとホワイト・アイスバーグと同行)
次なる『もふもふ』の探求の為、皆でお肌や毛並みも艶々にするわよ!
茜さんも一緒にどうかしら?皆で楽しく入りましょう!

戦った敵の話から――変な敵ばかりだったし変な事しかしてないわね、私――悪代官っぽい口調で『良いではないかー』『うゆい奴よのぉ』と皆に絡んで行くわ。同性同士だとちょっぴり大胆になるかもね?ふふ、私の自慢の毛並みは如何なる者のもふりも受け入れるわよ!
お風呂上がりの髪のお手入れは大事ね!お店でつげ櫛っていうのを買ってみたから使ってみましょうかしら!

またこうやってみんなと一緒にのんびり楽しい時間を過ごしたいわね!


ホワイト・アイスバーグ
(クー・フロスト様とピオニーお嬢様と同行でございます)

ブリーフをかぶったふくよかな半裸の殿方が、飛んではどこかに連れ去られまた露天風呂に戻る姿を見て後を着いて来てみましたら、逸れてしまったピオニーお嬢様に再び出会えた事は僥倖でございます。
クー様も麗しくお変わりがない様子で、私、ホワイト嬉しく思います。

皆様が露天風呂を楽しめる様、必要な物は私が持参させて頂きます。
従者として主を立て一歩引かねばいけませんが、『無礼講』という言葉があるようでしてお嬢様方に引きずり込まれてしまいます。こういう時はどういう対応をして良いのやら分かりません(おろおろ)。
皆様の笑顔を見ているとこれは良い楽しい事なのですね。



 湯気の切れ目から月の優しい光が見える。
 吹き付ける風は少し肌寒いが……それもまた、温泉を楽しむには良い条件のように思える。
 風呂場に充満する湯気を一陣の風がかき混ぜれば、かき混ぜた湯気の中に一人の女性が立っていた。
 月を思わせる黄金の瞳、思わず嘆息してしまうほど美しいその瞳が見据えるは……、
「次なる『もふもふ』の探求の為、皆でお肌や毛並みも艶々にするわよ!」
 ちょっとぴりぴりするお風呂ことエレキテル風呂であった。黄金の瞳を持つ女こと、ピオニー・アルムガルトはもふもふのためよー! と元気いっぱいにエレキテル風呂に向かって歩き出す。
 ピオニー自身もふさふさした狼のお耳と尻尾をもつのだがもふもふの探求とは何であるのか? それはおそらくワンランク上のもふもふな何かだろう。こう、ひとなでしたら誰もが跪いて泣き出すくらいのもふもふ。
「お嬢様。あぶのうございます」
 ピオニーが元気いっぱいに歩くものだから、彼女のメイドたるホワイト・アイスバーグはわたわたとその後ろについていく。
 普段後ろにまとめているシルクのように美しい髪は手ぬぐいで頭上にまとめられて揺れることは無いが……彼女の豊かなお胸は歩くたびにたゆんたゆんと揺れている。
 そして揺れると言えば上機嫌に揺れるピオニーの尻尾だが、ピオニーの尻尾を追う形になっているホワイトは、なんだか親猫の尻尾に誘導される子猫の様だ。
 しかしそれも詮無き事かもしれない。ホワイトはつい先ほどまで主たるピオニーとはぐれていたのだがから……何ではぐれていたのかは不明だが、ホワイトはホワイトで、はぐれた先でいろいろ冒険してきたようだ。もしかしたらはぐれる前にも冒険があったのかもしれないが、
「ふむ、仲良しなのだな」
 ピオニーたちの後から入ってきた藍色の瞳の少女は、楽しそうな声をこぼす。
 楽しそうな少女……白い湯気の中に映える長く美しい藍色の髪を洗い髪にまとめ、温泉を楽しむ準備万端な少女の名前は、クー・フロスト。
 クーもまた温泉宿の場所が分からず困っていたはずだが、何とか合流できたようだ。ここが露店温泉であるかと、クーは初めて見るエレキテル風呂の様子を興味深そうに見まわし……、
「あ、茜ちゃん」
 ピオニーが向かっている先に、一足先に温泉に浸かっていた茜の姿を発見した。

「茜さんも一緒にどうかしら? 皆で楽しく入りましょう!」
 どうかしら? と言うピオニーにもちろんと茜は笑い、ピオニーの後ろに居たホワイトとクーにも手招きをする。手招きをされたクーはぴょこぴょこと髪の毛を揺らしながら湯船の淵まで近づき、
「良いお湯ね!」
 その間にピオニーはふ~っと大きく息をつきながら、ゆっくりと肩までお湯に浸かって……なんだかほわほわとした顔になる。
 ほわほわとした顔になっているピオニーを見たクーも、ピオニーに倣うようにゆっくりと肩までお湯に浸かって、ふわふわとした顔になる。
 そんなピオニーとクーを見たホワイトは、様々なものを用意してきましたと、冷たい手ぬぐいを二人の頭にのせてやる。
「ホワイト殿も一緒に入ろうではないか」
 貝が良しく世話を焼いてくるホワイトにクーが一緒に入ろうと誘うも、ホワイトは小さく頭を振って、
「いえ、私はお嬢様のお世話をしなければなりませんので……それにしても、クー様も麗しくお変わりがない様子で、私、ホワイト嬉しく思います」
 お嬢様ことピオニーのお世話をするのだと胸を張る。ホワイトにとってはピオニーのお世話こそが何よりも大切なのだろう。
 そして、自分と同じく迷子になっていたクーが無事に合流できてよかったと頷く。
 ホワイトはブリーフを被ったふくよかで半裸のおっさんが飛んではどこかに連れ去られまた露天風呂に戻る姿を見て後を追ってきたら何とか合流できたのだが……まぁ、クーも大体同じようなものだろう。連れ去った張本人はクーだったりもするけれど。
「そういえば、変な敵ばかりだったし変な事しかしてないわね、私」
 事前にホワイトからその事情を聴いていたピオニーは、今回戦った敵を、そして自分が取った行動を思い返してうぬぬと考え込む。
 確かにパンツを夜空に飛ばしてみたり、ブリーフをおっさんに被せたりと奇行が目立っていた気がしないでもない。
「あぁ、あれは愉快な敵であったな」
 考え込んでいるピオニーに対してクーもまたその愉快な敵を思い返す。いきなりパンツを出せと言ってきたり酷い敵だったのだが、
「私はちょっと甘いところがあってな。盗んでごめんなさい。すれば許してしまうところであった」
 ちょっと恥ずかしかったけれど、素直に謝れば許したかもなんて、なんてうんうんと大きく頷く。甘いところがあるだなんて独白したクーに、ピオニーと茜はきらーんと目を輝かせて、
「良いではないかー」
「どこら辺が甘いのかしらー」
 ピオニーがクーの左から腰に手をまわして右の腹を掴み、茜がクーの右側から腰に手をまわして左の腹を掴む。どこら辺が甘いのかたんと味わってやろう。そんな魂胆である。
「うゆい奴よのぉ」
 唐突に腰に手をまわされてピタリと動きの止まったクーの頬に左右から狼と狐のふさふさお耳をうりうりして、
「ぃ……あ、その……うゆい……とか……」
 うりうりされたクーはしどろもどろな感じでギクシャクと手を動かし、救いを求めるように周囲を見回せば……何か微笑ましいものを見るかのようにこちらを眺めていたホワイトと目が合った。
「ホ、ホワイト殿もこちらに!」
 思わず手を掴んで湯の中に引きこむ。引き込まれたホワイトは吃驚した様子で目をぱちぱちとしているが、
「ホワイトちゃんも一緒に楽しみましょう!」
「ホワイトさんもうりうりー!」
 ホワイトもまた問答無用でピオニーと茜に腰に手をまわされ、うりうり攻撃を喰らう。
 従者として主を立てて一歩引かねばならない。そう考えるホワイトはこの状況におろおろとするも……なんだか楽しそうな主と友人たちの様子を見て、これは楽しいことなのだろうと少しだけ緑色の目を細めた。
 クーに関しては笑顔のまま固まっていただけだったのだけれど。

 風呂上りに洗面台の前で涼んでいると、ホワイトがピオニーが団扇で顔をパタパタと仰いで……仰がれたピオニーは気持ちよさそうにふわーとした顔をしていた。
 そして風が吹くたびに揺れるピオニーのふさふさしたお耳。先ほどまでうりうりされていたそのお耳だけれど、見ているとなんだかもふもふしたくなってくる。さっきはよく感触が分からなかったし。
「ちょいと失礼……ふわふわしている耳が柔らかい、手触りが凄くいいな」
「ふふ、私の自慢の毛並みは如何なる者のもふりも受け入れるわよ!」
 そんな訳でクーがピオニーのお耳をもふもふしてみると、とてもふわふわしていて手触りが良かったのだ。クーの素直な感想に、ピオニーもご満悦な様子でお耳をぴこぴこさせる。
「私にもケモミミが付いたら、少しは可愛くなれるのだろうか?」
「それは間違いございませんが、クー様は今でも十分に殿方を虜にする魅力がございましょう」
 ぴこぴこしているピオニーのお耳を見つめてクーは自分が自分の頭を押さえていると、団扇を仰ぐ手は止めずにホワイトがそんなことを言った。
 ホワイトの言葉に、少し頬を朱色に染めたクーが気持ちを落ち着けるように空を見上げれば、
「夜空が綺麗よな」
 とても綺麗な月と星々がそこには輝いていた。
「またこうやってみんなと一緒にのんびり楽しい時間を過ごしたいわね!」
「そうでございますね」
 そしてクーにつられる様にピオニーとホワイトも空を見上げて――またいつかこんな時間を楽しもうと頷き合うのった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーファ・レイウォール
とりあえず、羽根はしまっておくわね
他の人の邪魔になりそうだし
施設の人には、改めてごめんなさいしておくわね
生垣を壊してしまったわけだし、ね

あまり、長湯は出来なそうだしのんびりするわよ

でも
「サムライエンバイアにも、電気ってあるのね」
自然現象的なモノだし、無いわけはないのだけど
意図して発生させる技術とか

生垣はないけど、隠したりはしないわ
まぁ、積極的に見ようとしてきたら防衛はするけど
見られても、笑って許せるのは、ベルカ(f10622)くらいだけど、性格的にも言動的にも覗きはしないでしょうし

覗きへの反撃?
石鹸水かけてから、エレキテルより。ちょっとだけ強めの雷撃魔法で良いわよね?
流石に命まではとらないわよ


河南・聖
これがエレキテル風呂ですかー。
確かにびりびりしますね。
でも……何か、こう、魔力が活性化するというか
制御が乱されるというか……
今うっかり人に触れるとお友達になりましょう擬きが発動しそうとか
うっかりくしゃみとかすると凄い事になったりとかしそうな感じですね。
気を付けないと。

そうそう、それはそれとして私
茜おねーさんに二度目に会った時くらいから
ずっと気になってる事があったんです。
ずばり
あの胸はサラシとか巻いてるのか、それとも素なのか
はたまたサラシでも抑えられないくらい大きいので幻術の類で小さく見せてるとかなのか。
長年の謎がついに明かされる、はず!

あ、ちなみに私貧乳派です
自分の胸と派閥はまた別ですから


菱川・彌三八
俺の町の湯屋じゃ見ねェな
エレキテルってそれ大丈夫なのk
痛ってェ!!
足首突っ込んでこれなんざ、全身入れたら死じまわァ

……死なない?ほんとに?

湯の端からゆっっっくり、ゆっくり
先は驚いてみたっしゃねぇ声あげちまったが、次ァ耐える
入ったがなかなかどうで、肩ァ叩かれてるような心地良さが
おお……勝手に腕が動いてら

こねェに珍しい風呂を袖にして覗きたァ剛毅な事で
だが止めはしねぇ
やる奴の平穏無事を祈ってるゼ
骨は拾ってやら
俺ァそんな、無理してまで困っちゃいねぇよ
ここの竹の微妙~な隙間ァちぃと何か通せば向こうが見えそうだなんてそんな
ちらとでも見えたら俺ァその桃源郷を絵にして残そうと思う
江戸男子に夢を



 温泉の近くで深呼吸をすると、蒸気が体の中に染み込んでいくようで……なんだかちょっとだけ潤った気分になる。
 温泉の端で深呼吸をしてから、おいっちにっと腰をひねって準備運動のような行動をする男が一人。
 実戦でつけられた程よい筋肉と、体つきに似合わぬ端正な顔立ちの男、菱川・彌三八は今一度大きく息を吸い込んで、
「痛ってェ!!」
 恐る恐る温泉に片足を突っ込んだところで、尻尾を踏まれた猫よろしく大きく後ろにはねる。
「……なんだってんでェ」
 彌三八の住む町の湯屋では見たことも無いエレキテル風呂。エレキテルって本当に大丈夫なのか? なんて疑問に思いながらも片足首を突っ込んでみたらびりびりっとしたのだ。
「足首突っ込んでこれなんざ、全身入れたら死じまわァ」
 慣れない感覚に死の恐怖すら感じる彌三八。
 だが他の人たちは普通に入っているし、そんな危ないもので普通に商売などできないだろう……多分。いやきっと。
 死なない? ほんとに? と、ちょっと周りを見回してみる彌三八。誰も死んだ様子はない。ならば挑戦せぬは江戸っ子の名折れ。
「くぅ~!」
 再度片足からゆっくりゆっくりと温泉に入れて、先は驚いてみたっしゃねぇ声あげちまったが、次ァ耐えるとびりびりに歯を食いしばる。そして何とか肩まで浸かると、
「なんでぃ、なかなかいいじゃねぇか」
 全身をぴりぴりが程よく刺激してなかなか心地が良い。それに肩や太ももなど筋肉が集中している場所をトントンと優しく叩かれているようで、なんだか不思議な感覚だ。
「おお……勝手に腕が動いてら」
 その不思議な感覚の正体を確かめるように彌三八が湯から手を出してみれば、エレキテルのせいか筋肉が勝手動いていた。
 ほほ~? と暫くの間、勝手に動く腕を眺めていた彌三八は、ゆっくりと息を吐いて……ぴくぴくと勝手に体が動く斬新な感覚に身をゆだねた。

 紅玉石のような美しい髪を洗い髪にまとめた少女が柵の前で何かを考えこんでいる。
 柵の向こう側には人影が見えるが、湯気が邪魔でよくわからない……おそらく向こう側からも同じだろう。
 となれば、この柵の意味とは何だったのであろうかと思わなくもないが、簡単に行き来が出来ては不埒なものも現れるかもしれない。
 そんな柵を壊した少女、リーファ・レイウォールはひとしきり考えた後に、湯に向かって歩き出す。
「柵を壊してごめんなさいね」
 と、リーファは既に宿の人には謝っている。もっとも宿の人の反応は、すぐに設置し直すから気にしないでください程度のものだったから、きっとすぐに直せるのだろう。それはともかくとして、気にしないでくれと言われたからには深く気にすることはない。
 そんなことを考えながらリーファが歩いていると、すぐに湯に辿り着く。
 湯の中には先客……ふわふわと優し気な印象を受ける黒髪の少女と、対照的に真っ白な狐の女が居た。
「これがエレキテル風呂ですかー。確かにびりびりしますね」
 黒髪の少女、河南・聖がぴりぴりしますと言いつつお湯を手のひらですくって見せれば、その白魚のような手からお湯が零れていく。聖の手から零れる湯は普通のものに見えるが、
「サムライエンバイアにも、電気ってあるのね」
 ぴりぴりとする感触を味わうようにリーファはゆっくりと温泉に浸かって一言。普通のお湯に見えるのにぴりぴりするのは何とも面白い。
 電気自体は自然現象的なものだし、どこにでもあるものだけれど意図して発生させる技術があるなんてねとリーファは考えるようだが……ちなみにこの風呂の電気が意図して発生させているかどうかは不明である。
「う~ん、気持ちいいわね」
 考察はさておき、ぴりぴりによってなんだか血行が良くなった気がするし、指先まで暖かくなった気がする。
 リーファはピンと爪先から指の先まで大きく伸びをして、お湯の気持ちよさを堪能する。邪魔かと思ってしまっていた白と黒の対象が印象的な翼もこれなら一緒に伸ばしても問題なかったかもしれない。
「でも……何か、こう、魔力が活性化するというか。制御が乱されるというか……」
 聖は、気持ちよさそうなリーファに大きく頷きつつもお湯から出した手のひらを見つめる。
 今うっかり人に触れると、その手からお友達になることを強要する毒電波を発してしまいそうだし、くしゃみをするとびりびりが凄いことになりそうだ。ついでに猫に触ったりするととんでもない勢いで逃げられそうでもある。
「長湯をし過ぎるとびりびりしちゃうのだったかしら」
 聖の言葉に長湯は出来なそうだけどのんびりはしたいわねとリーファは頷き、さっきから長湯をしている茜へ視線を向ける。
「そのようですねー」
 そして聖もまた同じ方向を見やれば、なんだかバチバチし始めた茜が、自分を見てくる二人に不思議そうに小首を傾げていた。

「そうそう、それはそれとして。茜おねーさんに二度目に会った時くらいから私ずっと気になってる事があったんです」
 小首を傾げる茜に触れるのは危険そうだと、そっと距離を盗ったリーファとは逆に、聖は茜に近づいてみる。
 そして何かしら? と楽し気に聞いてくる茜のお胸をまじまじと見つめる。
 聖としては、あの胸はサラシとか巻いてるのか、それとも素なのか……はたまたサラシでも抑えられないくらい大きいので幻術の類で小さく見せてるとかなのか。気になっていたらしい。
 まじまじと見つめた結果としては、単純に極めて平坦なだけのようだが幻術の類の可能性もある。念のためペタっと触ってみると……バチバチっとはじけて実に刺激的だった。
「良い感じですね」
 実に刺激的だったけれど長年の謎は明かされた、自分と違うそのお胸に聖はぐっと親指を立て、茜も良く分からないけどと親指を立てて返した。みんな違ってみんな良い、そういうものである。
「なんでぇ? 何か荒事でもあったんけ?」
 色々な良さを確認した時に発した刺激を見た彌三八が、何ごとでぃと声をかけてくる。火事と喧嘩は江戸の華。喧嘩とあっちゃぁ放っておけねぇのである。
「何でもないわ。ちょっと確認をしていただけよ」
 とは言え実際には何もないし、聖と茜に至っては仲睦まじくぺたぺたびりびりしあっているだけだ。リーファは事実をありのままに伝える。
 リーファとしては無理に仕切りを置くつもりはないが、積極的に見ようとされるとやはり防衛せざるを得ないだろう。
 具体的には、見ようとしたものに対して、石鹸水をかけてからエレキテルよりちょっとだけ強めの電撃魔法を当てる程度の防衛だ。
「何の確認だったんでぇ……」
 リーファの言葉を聞いた彌三八は再び肩まで湯に浸かって独り言ちる。荒事でないのならさすがに突撃するわけにもいかない。
 ついでにあと一歩踏み込んだら何かひどい目に合う気がしたのだ。具体的には石鹸水で目をやられた上に電撃を喰らうみたいな。
 それからきゃっきゃと楽しげな声が聞こえる女風呂をちらりと見てみる。
 そこには赤い髪や黒い髪がちらちら見えるものの、全体像は煙が邪魔でまるで影のようにしか見えない……だが、それもまた良い。見えない部分は、各々が持つ妄想力と言う最強の香辛料が最高に美味しく仕上げてくれるだろう。
「江戸男子に夢を」
 彌三八はふっと口の端を吊り上げて、今ここで見たままの風景を絵姿に残すのも面白いかと考える。それからふと空を見上げて、
「なんでぇ、お月さまも笑ってやがるじゃねぇかい」
 夜空に輝く月も、なんだかとても楽しそうに見えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月09日


挿絵イラスト