災厄チェスト!大覇乱祭への招待状(作者 マーシャル後藤
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#クロムキャバリア 


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#クロムキャバリア


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●コバより危急の報あり
「〜〜〜〜〜っ!!?」
 シミャーズ藩国コバ領の領主アカズマの大叔父にして最高位神事官モベチカは床の間にて声にもならぬ悲鳴を上げた。
 人の齢にして100を数える賢老も遂に臨終の間際かと側仕えの小姓が慌てて部屋へと駆け込むとモベチカは息も絶え絶えにしながら小姓に託けた。
「∆#%■★€@$⊕∀!!(超訛りの強すぎるシミャーズ弁)」
 ――「シミャーズに大いなる災厄、迫りつつあり」と。
「……何言ってるのかサッッッパリわからねェ!じじどん、領主様呼んでくっから大人しく待ってたもんせ!」
「▲€@#∀!∑℉¶⊇ω∀!(超訛りの強すぎるシミャーズ弁)」
 ――「災厄チェストじゃ!災厄チェストが来るゥーッ!」と。

「藩王様、コバ領主アカズマ殿から通信が入っております。なにやら危急の報だとか。」
「うむ、すぐに回してくれ。」
 シミャーズ藩王「秀武王」カリバル3世は山のように積まれた書類を机ごと物理的に片付けると通信用モニターの前に置かれた雅な装飾を施されたソファーにどかりと腰掛けリモコンのスイッチを押した。

「コバ領主アカズマにごわす。藩王様、多忙のところ失礼しもす。」
「構わん、北部の守りであるコバの領主が危急とは只事ではない。全てに優先するゆえ話を聞かせてもらおうか。」

「ありがたき配慮に感謝を。……藩王様、今年の覇乱祭を『大覇乱祭』への格上げを行う許可をしていただきとうごわす。」
「大覇乱祭……だと?」
 アカズマの言葉にカリバル3世は眉をひそめる。
 「覇乱祭」とはシミャーズ六大奇祭の一つに数えられる国家規模の祭事である。国内外で命を落としたシミャーズ戦士やシミャーズ戦士と武勇を競い合った他国の戦士への敬意と鎮魂の意を込めてキャバリアによる武芸大会を実施するという物であり、その血湧き肉躍る光景を観るためだけに国内外から訪れる旅行者は数知れず、覇乱祭が齎す経済効果は小国の国家予算に匹敵するほどと言われている。
 一方「大覇乱祭」は腕利きの戦士、英雄達が一堂に会し、巨大な災厄を討ち倒す事に由来し、しかし建国以来僅か数度執り行われたとの記録しか残っていない伝説的祭事である。
「我が大叔父、モベチカによりますれば大いなる災厄、『災厄チェスト』がシミャーズに迫っていると……先の二度の事件がございますゆえ耄碌からの戯言と一笑に臥すにもできぬ次第でごわす。」
「災厄チェスト、であるか……。モベチカ殿は私の勉学の師でもある。かの御仁の言であれば如何なる素頓狂であろうと信ずるに足るというものだ。……うむ、大覇乱祭への格上げの件許可する。主催として確りと取り行うが良い!」
「ははぁっ!このアカズマ、粉骨砕身の覚悟でこの大役目務めるでごわす!」
「近隣諸国だけとは言わぬ、多くの国、地域、民族から名だたる猛者を掻き集めよ!シミャーズの存亡が掛かるとはいえ大祭である!ならば盛大に騒ぎ盛大に楽しまねば損というものよな!ヌハハハ!」
 一国を預かる君主とはいえカリバル3世もまたシミャーズ戦士の血を引く武人である。
 その血の猛りは抑えが効かぬとばかりに呵呵と笑い、それが落ち着くとすぐさま関係閣僚を招集し国内向けに「大覇乱祭」開催の触れを出す準備に取り掛かった。

●チェスト祭りッッ!
「シミャーズ藩国からお祭りの招待状が届いているわ。なんでもキャバリアを使った武道大会を開くみたいね。」
 集まった猟兵達を目の前にイザベラ・ラブレス(デカい銃を持つ女・f30419)は手にした封筒をひらひらとさせながらブリーフィングを開始した。
「まぁ当然普通の祭りじゃないわ。シミャーズ藩国は過去に二度オブリビオンマシン『チェストキャバリア』の襲撃を受けている国よ。二度あることは三度あるともいうし、多分チェストキャバリアは出るわね。」
 イザベラは過去2回のシミャーズ藩国での依頼を猟兵に出しており、その両方でチェストキャバリアが現れていた。1回目は映画撮影用キャバリアとして、2回目は古代の覇王の化身として。
 どうにもシミャーズ藩国はチェストキャバリアと縁は切っても切れぬものらしい。
「で、今回はシミャーズ藩国北部、コバ領で開催される大覇乱祭のメインイベント『大いなる災厄』討伐の祭事への参加が依頼ってことになるわ。とはいっても祭りは祭りだからね、クロムキャバリア世界中の名だたる歴戦パイロットが勢ぞろい。参加資格を得るための予選会は波乱の展開になること間違いなしよ。」
 曰く祭事に臨む資格はバトルロイヤルの勝者に与えられるらしく、まずはこの戦いに勝ち残ることが求められる。
「まぁ皆が苦戦を強いられる様な相手が出てくるとは考えづらいし、ド派手に一撃チェストをかませば観客や参加者を愉しませることができて興行としては大成功、副賞や臨時ボーナスがシミャーズ側から出るかもね。」
 シミャーズには「チェスト」と呼ばれる多義語がある。大体は物騒な意味で使われる傾向で、「一撃チェスト」とはいわゆる「一撃必殺」を意味し、それはシミャーズ人が好む力強さの象徴なのだ。
「予選が終われば大覇乱祭、予選を突破した猛者とともにオブリビオンマシンを相手取ることになるわ。当然オブリビオンマシンのチェストは強烈だと予想されるわ。チェストするつもりがチェストされた……なんて自体も起きうるから十分に気をつけた上でオブリビオンマシンにチェストを食らわせなさい。」
 オブリビオンマシン――十中八九チェストキャバリア、もとい「大いなる災厄」についてはチェストキャバリアであろうというイザベラの想定以上のデータが存在しない。つまりオバナ要塞を襲撃した規格外クラスなど、相対してみなければ判明しない特殊性を有する可能性があるという事だ。
 ……そしてお気付きだろうか?先程からイザベラがチェストを連呼しだしていることを。
 これはもうシミャーズに関わると起きる発作のようなものなので気にしてはいけない。
「そういう訳だから満足行くまでチェストしてくるのよ!チェストし終えるまでがチェストだからね、くれぐれもチェストされるんじゃないわよ!それじゃあ一年ぶりくらいだけどこの言葉で皆を送り出すわね……Good hunting !,チェストJaeger!(チェスト猟兵諸君、良い狩りを!)」
 そう言うと「やりきった」という感じの表情を浮かべながら、イザベラは猟兵達の転送を開始する。
 チェスト犇めく事間違いなし、命懸けの大騒ぎたる『大覇乱祭』。
 シミャーズ藩国の命運をかけた最強の祭りが始まる――!


マーシャル後藤
 チェスト(挨拶)!
 マーシャル後藤です。
 大変ながらくお待たせしました、お待たせしなかったかもしれません。
 久々のシミャーズ藩国シナリオ、つまりトンデモバトル要素強めのクロムキャバリアシナリオとなります。
 過去二作のシミャーズ藩国シナリオからの続編となりますが話の繋がりは大してないので今作からの参加でも全然大丈夫です。
 某大作ゲームの影響を受けてないとは言い切れなかったりする。
 チェストについては「考えるな、感じろ」としか言えない。

●第一章
 特設コロシアムにおけるバトルロイヤル形式の予選で、下記プレイングボーナスが設定されています。
 ・「二つ名持ち」を相手にする。
 ・一撃必殺で倒す。
 要約すると「かませ犬っぽいネームドモブを倒そう」ということになります。
 二つ名や相手パイロットの名前がプレイングに記載されていればボーナスの条件となります。
 「一万戦無敗喧嘩流プロレス最高指導者『○○』の田中一郎百段」みたく称号を盛った敵を一撃で吹っ飛ばすチャンスですよ!

●第二章
 大覇乱祭の前夜という体でコバの街を観光します。
 第一章で相手をした参加者や大会関係者と歓談するもよし、普通に観光するもよし。

●第三章
 大覇乱祭当日、オブリビオンマシン「チェストキャバリア」との決戦です。
 猟兵の他に予選を勝ち上がったモブ猛者と力を合わせて戦いましょう。
 戦場などの情報については断章にてご確認ください。

 第一章プレイング募集はOP承認直後から開始となります。
 また第二章以降の受け付け状況などはタグにてお知らせします。

 それでは皆様のチェストなプレイングをお待ちしております!
 ラダ……大覇乱祭じゃ!
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第1章 集団戦 『MCK04N-パラティヌス』

POW ●RXキャバリアソード/EPキャバリアシールド
自身の【補助CPUを停止、搭乗者への制御負担】を代償に、【力量に応じ近接戦闘力を向上した状態の機体】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【砲火を潜り抜ける運動性と近接武装】で戦う。
SPD ●RBXSランスライフル
レベル分の1秒で【近接突撃/射撃モードに切り替え】【ビーム】を発射できる。
WIZ ●EPオプションバックユニットスラスター
【作戦に応じた追加兵装(通常はミサイル)】を向けた対象に、【射撃攻撃を行った後、追撃の突撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 シミャーズ藩国、コバ領。
 天険ドルバコ山脈を背負う様に築かれたコバ城を中心とした城下町は難攻不落の要塞都市であると同時に同国屈指の経済都市として知られる。
 特にキャバリア関連産業が盛んでコバ産のキャバリアソードは「幾万の戦場にて切結べど、その鋭きに曇り差すこと叶わず」と謳われる程の高品質を誇る。
 そしてコバの街区の北側にロクモン運河を挟んだ先に見えるはシミャーズ藩国自然文化遺産の一つ、景勝地「合戦平野」。
 多くの血が流れ、そして遥か古の時代からその精強さを誇ってきたシミャーズ戦士達が最も多く勝鬨を上げたと言われる戦士たちの聖地にして「大覇乱祭」の大舞台。
 その地にて執り行われる「大覇乱祭」開催の報は直ちに世界全土を走り、それは世界中のキャバリアパイロット、そしてキャバリアに携わる者の心を大いに震わせた。

「うああああ!あの黄金二頭鷲のエンブレムはっ、ベガン帝国の猛将マルセロだぁーっ!」
「オイオイオイオイ!『七海の歌姫』ニージェ・カイマンだっっ!まさか大陸二つを横断してきたのか!?」
「あっちシルクハットはキャバリア・ギャング団、ボルソラーノ・ファミリー!!まさか一族総出での参戦かぁーっ!」
 その戦場の名誉は眠れる獅子達の目を覚まし、
「へへっ、ヤンケ兄弟に向こうは『鉄腕』ボーノ・ボーノ……賞金首がたんまりだぜ。」
「カモがネギ背負って鍋に入って来たってかァ~?ぐへへへ。」
 その名誉の芳香は狡猾なハイエナ達を引き寄せ、
「うおおおおお!チェスト燃えてきたぜえええ!」
「まぁ俺達は観客なんだけどね……トホホ。」
 その名誉の熱気は新時代の英雄たる雛達を育む。

 猟兵達を含む予選会参加者たちはコバ城に隣接する巨大闘技場に集められ、戦いの始まりを今か今かと待ちわびる。
「それではこれより『大覇乱祭』の予選会を開始するッッ!各々、己が武勇に恥じぬ戦いを存分にされぃ!」
 そしてコバ領主アカズマによる開会宣言が終わると猛々しい太鼓の演奏が轟き、それに合わせて入場ゲートが開放される。
 彼らを迎えるは紅白幕に彩られた闘技場と、彼らの戦いを待ちに待った観客たちの大歓声。
 そして彼らを待ち受けるは今日を生きる英雄、もしくは怪物と称される精強なるキャバリア達であった。
防人・拓也
新たな愛機であるリーパーゼロに搭乗。
UCを使用しながら適当に雑魚達を盾による打突やマシンキャノンであしらっている時、名のあるパイロットと遭遇する。
その名も『仮面の麗人 レイ』。白い仮面を被っており、金髪ロングの容姿端麗。クールで真面目な性格。追っかけの女性ファンが多い。素早い連続突きを得意とする。位が高そうな男性用の軍服を着用しているが、実は…。
相手が勝負を挑んできたら
「…悪いが他を当たってくれ」
と去ろうとするが、攻撃されたら盾で防ぐ。
「…やれやれ、仕方ない」
とUCを使用しながら、連続突きを盾で防いでいく。相手の機体の右腕の様子を見ながら、動きが鈍くなった隙を突いて、右腕を盾の打突で潰し、頭部をマシンキャノンで撃ち抜く。
「無理に右腕を使い過ぎたな。機体の許容限界を超えて使えば、いずれガタが来る。許容限界を知らなかったのが、お前の敗因だ」
と相手に伝える。何故剣を抜かないのかを聞かれたら
「…俺は無駄な殺生はしないし、使う必要がなかった。それだけだ」
と言い、この場を後にする。
アドリブ・連携可。


●絶剣・飛燕の連撃

「ヒャッハァーッ!まずは手ごろな奴を……オギャッ!?」
「背中がガラ空きだぜぇー!……バビュッ!?」
「世界中の強豪が集まっていると聞いていたが……実際は玉石混交、という所か。」
 防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)は愛機「リーパーゼロ」で次から次へと迫りくるキャバリア達を最小限の動きのみで迎撃する。

「うおおっ!?まさかあのモヒ・カーン兄弟が殺られるとは……!」
「あの不意打ちコンビネーションで殺(ト)られたエースは少なくねぇってのに……野郎やるじゃねぇか!」
「せやかて戦争は数やで!囲んでフクロにしたれや!」
 しかしそのファイトスタイルが一部の血気盛んな参加者の注意を引いたらしく、更には予選会の趣旨を勘違いした参加者の掛け声にノせられた者達が次々と拓也の周囲へと群がってくる。
 確かに戦場において数の利は正義である。しかしシミャーズ的には「一騎当千の武」こそが戦場の正義、予選会の後半になればなるほど即席の群による有利性は失われるため明らかな失策であろう。

「そういう趣旨の戦闘じゃない筈なんだが……仕方ない、来るのであれば迎撃するまでだ。」
 はぁ、と溜息をつきながらも拓也は迎え撃つべく向き直る。キャバリア自体はオーソドックスなマルチロール仕様、そして群れようと互いの間合いを侵すまじと意識しているであろう動きからは堅実な勝利を望む傭兵(プロフェッショナル)の気配を拓也は感じ取っていた。
(この手の相手はこちらの消耗を狙ってくる筈、ならば――)
 先の先を取り連携の鼻を挫くまで――そう判断し動こうとした矢先であった。

 
「サンゲッ!?」「んヂャっ!?」「やァっ!?」
 拓也を取り囲んでいたキャバリアは次々に破壊される。
 その様子を見ていた観客は漁夫の利を狙った第三者による範囲攻撃かと考えたが、その後に拓也のリーパーゼロが無傷で残っている光景を見た。
「全く……この誉れ高き戰場に不似合いな輩達だ。貴方もそう思いませんか?」
 拓也の目の前に現れたのは純白のキャバリア。鉄火と血潮に塗れた地には不似合いな貴公子然とした佇まいで、しかしその掲げる刺突剣が伊達ではないと言わんばかりのオーラを放つ。
 突然の乱入者への警戒を強める拓也、何者かを尋ねようと口を開きかけたが、次の瞬間にそれが不要であると気付かされた。

『キャーッ!!!レイ様ぁー!!!』
『天下無双の剣技、まこと美しゅうございますわー!!』
『L!O!V!E!レイ様ァーッ!ホァー!』
 突如闘技場内に響く場違いなほどに黄色い歓声。
 その手に持つは自作と思しき応援グッズの数々。
 まだ日は高く、しかし振るはサイリウム。
 そして突如観客席の一画でマスゲームが始まり、そのパネルの集合は煌めく金糸の如き長髪に仮面を付けた貴公子の姿と、続けて『仮面の麗人』と『レイ』の名を浮かび上がらせた。


「むぅっ!まさか彼奴までもがこの地に踏み入れておったか!?」
「知っているのか、ライ・デン!?」
「仮面の麗人の二つ名で知られるエースパイロット……それが彼奴『レイ』よ。出自は不明だがその戦闘能力は高く、キャバリア戦専門の代理決闘士としての腕で社交界では名うての存在、しかも大変モテると来ている…!あの一画を陣取っているおなご達、あれは彼奴のFC会員の精鋭たちよ!」
「くぅー、イケすかねぇ野郎だぜ!」

 観客のどよめき、そしてFC(ファン・クラブ)会員の動員力の高さがそのエース、レイの影響力を物語っていた。

「獲物を横取りする形になった事についてはお詫びさせていただく。私はレイ、誉れある戦いを求めこの地を訪れた一介の剣士です。多くは見かけだけの紛い物だと思っていましたが貴方の戦いを見て俄然興味がわいた。――私は貴方との立ち合いを望む。」
 剣士を自称しながらも、しかしその所作は優雅ながらも隙が無く、さながら騎士と言ったところか。
 レイが自己紹介と拓也に対する果し合いの要求を突きつけると客席のFC達から黄色い歓声が上がる。
「……悪いが他を当たってくれ。俺は俺の仕事をしに来た。ただそれだけだ。」
 しかし拓也はそれにはノらなかった。猟兵の目的はオブリビオンマシンの撃破。である以上は徒に消耗するような行動を避けるは依頼の成功率を高めるためにはある意味当然の選択ともいえよう。
 踵を返し、その場を去ろうとする拓也であったが――
「……貴方も戦いを愚弄するかッッ!」
 ――背後から襲ってきたレイの攻撃を咄嗟に盾で受け止める。
 細剣から放たれたとは思えぬ重い一撃にリーパーゼロの機体が押し下げられる。まともに直撃していれば最悪コックピットを貫いていた事だろう。
 スッとレイは刺突剣を構えなおし、次なる攻撃の体勢に入る。しかし自らは動く様子は無く、拓也の出方を窺っているようであった。
 これは逃げきれそうにないと悟った拓也はやれやれといった様子ながらも改めてレイとそのキャバリアに向き直った。
「……やれやれ、仕方ない。先ほどは失礼した。――君との立ち合い、受けて立とう。」
 拓也の駆るリーパーゼロが盾を構え臨戦態勢となると、それを待ち望んでいた観客たちの歓声があがる。
 一方は飛燕の如き剣撃を得意とする剣士、一方はそれを防ぎ凌ごうとする様子を見せる盾使い。
 良く知られた故事の如き組み合わせに観客たちの期待が高まる。

「そうこなくてはッ――!」
 まず先に仕掛けたのはやはりというべきかレイであった。動作の「起こり」が少ない手首関節のしなりから放たれた最速の初撃からとめどなく放たれる連撃。
 速射砲の如き速さを持ち、しかしその威力は大槌の如く、さらには針穴に糸を通すが如き精密さであり、確実に一線級、二つ名を冠されるに相応しき熟練のキャバリアパイロットの技であった。
 対する拓也はそれを盾で受け、反撃の機を窺っていた。とはいえまともに受け続ける訳にもいかず、受ける直前に傾斜を付けるなどして威力を殺す玄人めいた立ち回りを繰り広げていた。
(この連撃、どの一撃も必殺を狙える威力だ。であれば本来は手数で押して使うようなものではない筈……。)
 そして攻撃を受けながらも終始拓也は冷静であった。レイのファイトスタイル、伝え聞こえた経歴、そして実際の動き。そこから導き出される反撃の糸口とは――。
「――ここだ。」
 遂に反撃へと転じた拓也。連撃の中の一つに合わせて盾をかち上げレイの剣先を弾き、そこから続けざまにレイのキャバリアの右腕を押しつぶしにかかった。
「なっ……ぐぁっ!」
 そしてとどめと言わんばかりに頭部を撃ち抜かれたレイのキャバリアが地に倒れ、勝負ありと相成った。
「無理に右腕を使い過ぎたな。あの剣技、速度、精度、威力のどれもが一級品だがそれ以上に腕部への負荷が重い、連撃には向かない技の筈だ。」
「……お見通しでしたか。」
「決闘出身と聞こえてきたからな。……機体の許容限界を超えて使えば、いずれガタが来る。許容限界を知らなかったのが、お前の敗因だ。」
 決闘とは正しく名誉を掛けた戦いの最たる様式であり、故にその戦闘技術は一撃必殺を旨として特化されている。
 レイの連撃もまたそれに漏れず、しかし戦場という多数を相手取る状況に順応するべく編み出された技がこの絶技であったのだ。
「……最後にひとつだけ。その盾、剣を仕込んでいますね?であれば私の剣を弾いた後にとどめを刺せた筈。」
「あぁ。」
「であれば――であれば何故抜かぬのです!敗者に生き恥をかかせるつもりか!」
 声を荒げるレイに対して、拓也は答える。
「さっきも言った通り俺は仕事をしにやって来たまでだ。そこに君は関わってこない。…そして俺は無駄な殺生はしないし、使う必要がなかった。それだけだ。」
「くっ……!」
「この立ち合いの結果に不満があるなら腕を磨きなおす事だ。それこそが正道ってやつだからな。」
 拓也はそう言い残し、その場を後にする。
 レイは闘技場の回収班の手により退場させられ、己が未熟に涙を流した。
 そしてレイの応援に駆け付けていたFC会員達はその敗北の瞬間に全員が気絶してしまったため、運営スタッフの手により会場から退場させられることとなった。
大成功 🔵🔵🔵

榊・ポポ
はい!来ました!デキる事務員のポポちゃんがチェストしに来ましたよっと

ん?
「一人住民大移動、動く阿蘇山桜島」?
だぁれこれぇ
何?ポポちゃんの相手?これが?
そっかぁ...ほいじゃま、デキるロボ子、久々に起動すっか!
頭で動かすぞう君のチューニングもバッチリよぉ!
幾つか新コンボ構築してきたから!(相変わらずのガチャプ)
☆野生の勘の反復横跳び☆ダッシュ回避と、攻撃は☆激痛耐性スーパーアーマー発動でバーリアー!きかないもーん!
あとはひたすら☆瞬間思考力でフレーム単位のデュクシ!デュクシ!!ってコンボ入れる!!
誰が小学生じゃ!
パワーが溜まったらスーパー灰皿コンボでフルコンボだドン!!


●ポポチャン・ウィズ・マッドネス・ツイン・ボルケーノ

「うああああ!こっちにくるなぁああ!」
「アイツやべぇよ!誰だよ参加許可した奴ぁ・・・ぎゃあああ!?」
 バトルロイヤル形式といえば、やはり無数の参加者を一人でなぎ倒していく怪物級の参加者が出てくる。
 榊・ポポ(デキる事務員(鳥)・f29942)はこの予選会において、そうした「怪物級」の一人として正しく予選会を蹂躙している最中であった。
「はーい、ポポちゃんがチェストしに来ましたよっと。悪いぼっけもんはいねぇがぁ~ってな感じでチェストだオラアッッ!」
「うぎゃあああ!?」
 愛機……愛機?の巨大できる子ロボの頭頂部でゲームパッドめいたリモコンを操作しながら巨大灰皿で近くにいたキャバリアの頭部を強打するポポちゃん。
 ファイトスタイルがバイオレンス過ぎる。
 さて、そんな「ポポちゃんwith阿鼻叫喚な一般参加者の皆さん」劇場が繰り広げられる中、一機の奇怪なキャバリアがポポちゃんの前に立ちはだかった。

 その頭部は、キャバリアというにはあまりにも異形過ぎた。
 大きく、重く、分厚く、そして大雑把すぎた。
 それは正に「火山」だった。

 ……それは正に「火山」だった。

『うぁぁぁぁ!「動く阿蘇山桜島」が闘技場内を練り歩いてる!』
「動く阿蘇山桜島ぁ?」
 「一人住民大移動」動く阿蘇山桜島。それは、頭部に二つの火山を持つ異形の無人キャバリアの名称であった。
 もちろん、いわずもがなイロモノなキャバリアである。
「んもー、誰よあんなキャバリアの参加を許可したのさぁー。なんで頭に火山なんて載せてるの?どう見たってヤバい奴じゃん!アレの方が断然オブリビオンマシンじゃん!」
 自身が「ヤバい奴」扱いされた事は棚に上げてポポちゃんは動く阿蘇山桜島について怒涛のツッコミを浴びせかける。
 するとそれに反応したか、動く阿蘇山桜島の頭部が回転し、恐らくアイカメラと思しき物体がポポちゃんとできる子ロボを捉える。
「あ、やば。目ぇ逸らしとこ。」

 だが戦いからは逃げられない!他参加者を薙ぎ倒しながらポポちゃんに走り寄ってくる動く阿蘇山桜島!まさに一人住民大移動!
「ですよねぇえええ!それじゃあデキるロボ子、いっきまあああす!」
 きえええい!、という掛け声とともにできる子ロボの浴びせ蹴りが動く阿蘇山桜島を迎撃ぃ!動く阿蘇山桜島吹っ飛んだぁ!
 すぐさま跳び起きる動く阿蘇山桜島ぁ!唯一の攻撃手段かタックルを仕掛けてくる!
「ク○ホーミングがナンボのもんじゃああ!ステッポゥステッポゥステッポゥウウウ!」
 死にゲーのボス戦にありがちなク○ホーミング機動でタックルを仕掛けてくる動く阿蘇山桜島!
 対するできる子ロボは見る者の正気を削る様な常軌を逸した反復横飛びステップとポポちゃんの卓越した操縦(レバガチャ)から繰り出される回避機動で闘技場内を掛け回る!
 その通り道の一般参加者は問答無用で蹴散らされる!暫定キルレシオ一位確実!

 とは言え逃げ回っているだけでは動く阿蘇山桜は倒せない!故に意外!ポポちゃんは動く阿蘇山桜島めがけて突っ込んでいく!
(なに?アパートの住人が家賃を払ってくれない?逆に考えるんだポポちゃん。「滞納されちゃってもいいさ」と考えるんだ。)
「……滞納が許される訳ぁないだろおおおあああ!」
 突如脳内に溢れだす存在しない貴族の父親の記憶にキレツッコミをかましスーパーアーマー状態(!?)になるポポちゃん!
 動く阿蘇山桜島のタックルは投げ技ではない純粋な打撃技!故にスーパーアーマーで乗り切る!
「家賃は!期日までに!払え!うおあああああ!」
 あとはポポちゃんの独壇場、動く阿蘇山桜島を!捕まえて!ガラス灰皿で殴って闘技場端ぃ!
 まだ捕まえて!ガラス灰皿で殴って闘技場端ぃ!もはや配送業者めいた動く阿蘇山桜島をタコ殴りにするその光景は狂気という他なく、時折聞こえてくる「デュクシ、デュクシ!」は掛け声だろうか。小学生かな?
「誰が小学生じゃ!」
 最後は動く阿蘇山桜島の顎(っぽい部分)をパッカーンと灰皿で殴りその巨体ごと空中に投げ飛ばすポポちゃん。
 そのまま動く阿蘇山桜島は爆発四散!その破片は流れ弾となり無数の一般参加者を襲った!
「~~~~イェイッ!」
 ポポちゃん大勝利!闘技場の中心で勝利を叫んだケモノ(アニマロイド)である。
 そして歴代最高のキルレシオを叩き出したことで「ベスト・チェストニスト大賞」として授賞式に呼ばれる事になるのだが、それはまた別の話しである。
大成功 🔵🔵🔵

ルルティア・サーゲイト
『斬鋼機械巨神ダイ・ルルティア』でチェストしていくのじゃ。

 相手は『音速機神ヴィルベット・ソニック』。装甲を捨てた高機動型で
「チェストォーッ!」
 まあ、チェストしたのじゃ。なんて苦しい戦いだったのじゃ。

 次の相手は『鉄壁のガストン』が操る重装甲キャバリアで半端な攻撃は効か
「チェストォーッ!」
 まあ、チェストしたのじゃ。なんて苦しい戦いだったのじゃ。

 次の相手は『銃神ガンディス』二挺の銃で
「チェストォーッ!」
 まあ、チェストしたのじゃ。なんて苦しい戦いだったのじゃ。

 次の相手は『鉄侍グレンカイナ』一本の刀でチェストし
「チェストォーッ!」
 まあ、チェストしたのじゃ。なんて苦しい戦いだったのじゃ。


●チェストマスター

―ここまでのあらすじ―
 グリモア猟兵イザベラの依頼を受けてシミャーズ藩国コバ領を訪れた猟兵ルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)は大覇乱祭への参加資格を得るために予選会へと出場した。
 『弾詰まりショットガン』ジェーンとのタイマン、『初見殺し饅頭地獄』サムの卑劣な罠といった数々の試練を乗り越えたルルティアであったが、追い打ちをかけるように新たなる強敵が現れたのであった!

「チェストォーッ!」
「ば、馬鹿なぁーっ!この俺が、この俺がァーッッ!!――ウギャアアア!!?」
 正に紙一重の攻防。
 予選会屈指の高機動型と言われる『音速機神』ヴィルベット・ソニックの猛攻は凄まじく、その機動から生じる衝撃波は攻防一体の兵器としてルルティアの駆る「斬鋼機械巨神ダイ・ルルティア」を襲い続けた。
 しかしヴィルベット・ソニックの「近くで大きな音が鳴ると、驚いて速度を落としてしまうクセ」を見抜いたルルティアは、遂にチェストの一撃を見舞う事に成功したのである。
 機動系に深刻なダメージを受けたヴィルベット・ソニックは制御不能となり闘技場の壁に衝突、爆発四散するのであった。
「……なんて苦しい戦いだったのじゃ。」


「ククク、ヴィルベット・ソニックをやってくれたようだな……。次はこの『鉄壁のガストン』が相手だァ……。」
 安息するも束の間、ルルティアの目の前に現れたのは予選会屈指の超・重防御型と言われるキャバリアとそのパイロット、『鉄壁』ガストン。
 その腕には他参加者であろうキャバリアの頭部が握られていた。
「次はお前さんがこうなる番だぜェー!」

「チェストォーッ!」
「や、ヤロウ……!俺の装甲を、一撃でっ……グワアァァァ!!」
 正に紙一重の攻防。
 ガストンの最大のウリである鉄壁の装甲は、視点が変われば超質量兵器であり繰り出すタックルを防ぐ術は皆無に等しかった。しかもその巨体、超重量を動かすパワーも強力で徒手空拳という一見して攻撃手段の乏しさが、必殺の掴み技「キャバリア・ブレイカー」を隠す蓑となっていたのだ。
 しかしガストンのキャバリアが「タックルで酷使された装甲が剥がれかかっている事」を見抜いたルルティアは、遂にチェストの一撃を見舞う事に成功したのである。
 装甲を貫く一撃を受けたガストンのキャバリアはエネルギー循環系の暴走により爆発四散するのであった。
「……なんて苦しい戦いだったのじゃ。」


「ガストンを殺った程度で調子に乗られては困りますねェ。彼は私達の中でも最弱。ヴィルベットがやられたのは想定外でしたが、まぁいいでしょう。『銃神』ガンディス、貴方の命(タマ)をトらせてもらいます。」
 安息するも束の間、ルルティアの目の前に現れたのは予選会屈指のトリックスターと言われるキャバリア『銃神』ガンディス。
 両腕に携えたリボルバータイプのキャノンをクルクルと回し、しかしいつの間にかその砲門はルルティアへと向けられていた。
「さぁ、いつまで踊り続けてくれますかねェ?」

「チェストォーッ!」
「そ、そんな……い、嫌だ!死にたく……ギェエエエエ!?」
 正に紙一重の攻防。
 鋼の嵐と形容すべき砲弾の猛攻は熾烈の一言に尽き、悉くを穿ちルルティアは回避以外に打つ手がなかった。
 しかしガンディスの「リロード中に格言や蘊蓄をダラダラと話し始めるクセ」を見抜いたルルティアは、遂にチェストの一撃を見舞う事に成功したのである。
 ガンディスは爆発四散するのであった。
「……なんて苦しい戦いだったのじゃ。ほとんどヤツの自爆みたいなモンじゃけども。」


「よくぞあの三人を倒したな!某は『鉄侍』グレンカイナ!其処許こそ某の刀の錆に相応しき強者よ!さぁ、チェスト死合おうぞ!」
 有無を言わせずといった調子でルルティアの前に立ちはだかったのは予選会屈指の武人、『鉄侍』グレンカイナとそのキャバリアであった。
 コバ産のキャバリアソードを抜き、その鞘を投げ捨てチェストを放つ構えをとり、ルルティアが構えるのを待つ。
「いざ、勝負ッ!」


「チェストォーッ!」
「其処許のチェスト、見事であ……った。」
 正に紙一重の攻防。いや、決着であった。
 グレンカイナは正しく達人の域に達していた。練り上げられた武には一切の隙が無く、故に純粋な実力勝負と相成った。
 しかし猟兵であるルルティアと、達人ながらも一般キャバリアの域を抜けないグレンカイナの実力差は明白であった。
 ルルティアのチェストを受け、どこか満足そうな雰囲気を出しながらグレンカイナは爆発四散するのであった。
「……なんて苦しい戦いだったのじゃ。しかしこれで予選通過は堅かろう。」

 そう、振り返ってみれば誰も彼もが実に手強い相手ばかりであった。
 しかしルルティアは確かにチェストを成し遂げたのだ。

「グゥエハハハハ!どうやら我が四天王を倒したようだなぁ。だが『無双帝』なる俺様の相手では無いわぁ!」
「ぬぅっ。まだおったのか。ならば妾はお主をチェストすまでじゃ。ウオオオオオ!」
 そして遂に現れた『無双帝』サイジャーク!
 チェストに勝利への想いを秘め、飛びかかるルルティア!
 果たして勝負の行方は――!?

 To be continued...(続かない)
大成功 🔵🔵🔵

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】

へぇ、あのサツマな奴らの大会かぁ。
なかなかどうして、アレも面白かったからねぇ……
あん時のガキ共…じゃなかった、子供たちも注目するだろうし。
さあ行くよ、Overed!

目ぼしい相手さんは……、
『シミャーズ・ディメンジョン流奥義皆伝』との呼び声高い、
ヤハチロウ=トーゴーか。
こりゃまた、初太刀を受けたらそのまま持っていかれそうだねぇ。
けどなぁ、アタシの『操縦』テクだって捨てたもんじゃないんだよ!

ブラスターはギリギリまで温存だ、
ローラー『ダッシュ』で一気に迫り、
剣の間合いから更に踏み込む。
そうしてクローで『カウンター』気味に上空にかち上げ、
【マルチプル・ブレイカー】で撃ち抜くよ!


●バサラ斬り、破れたり!

 ――シミャーズ藩国、どこかの町の一軒家。
「うおおぉ!今のチェストすっげえええ!」
「ちょ……大声だすなよっ!ママにバレるって!」
「でっでもさっ、テレビ越しにでも伝わってくるのが分かるよね。リアルチェストの迫力……!」
 三人の子供は学校から出されている宿題の山をそっちのけに、大覇乱祭予選会のテレビ中継に釘づけになっていた。
 しかも会話の様子からわかるように親たちに内緒とのこと。
「アッ!今写ったキャバリア、ヤハチロウ=トーゴー名人だッ!」
「マジで!シミャーズ・ディメンジョン流の!?」
「すっげぇ……そんなチェストの達人でも予選会に現れるんだ。で、戦いの相手は……え?」
「あ、このキャバリア……まさか!」
 ここまでの彼らの会話からわかる通り、彼らは生粋のキャバリア大好きっ子である。
 好きなキャバリア映画は『ボッケモンファイター・チェスト』シリーズであり、そして偶然にもキャバリアを駆る猟兵達を目の当たりにする機会があった。
 故に彼らは覚えていたのだ。あの赤き機体を、あの頼れる背中を。
「「「チェストのお姉さん!!!」」」


「へっくし!……誰かあたしの噂でもしてるのかな?」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は愛機「Overed」のなかでそう呟くと、目の前のキャバリアに向き合う。
 ――シミャーズ・ディメンジョン流。
 シミャーズ戦士の武術において、刀剣によるチェストに特化した流派の一つである。
 そのルーツは極東のとある小国にあり、外様として冷遇された時代がありながら多くの優秀な使い手を輩出してきた実績を持っている。
 そしてそれは今日のシミャーズ戦士の精強さを国内外に知らしめる事に一役を買い、遂には国号を冠するに至ったのだ。
『ディメンジョン流奥義皆伝が仕掛けるぞ!カメラ、カメラ回せ!』
『トーゴー先生!景気の良いチェストをお願いしますよ!』
『あのヤハチローに目を付けられるとは……あのパイロットも運が悪い……。』
 そしてその使い手にして免許皆伝なるヤハチロウ=トーゴーへの会場の期待は十分以上と言ったところか。
 実際このヤハチロウという戦士、御前演武においては数々の至難なチェスト技を達成し、さらにシミャーズ・ディメンジョン流宗家の跡目を約束されながらも武の探求心に留まる所を知らぬストイックな人物でありシミャーズ戦士の鏡のような好人物であった。
 なれば次世代の国民的英雄と呼ぶに相応しく、今回の予選会も国内の名だたる武門の中でいの一番に参加を表明していた為その注目度は高い。
「随分期待されてるみたいだね……だけどここで負ける訳にもいかないし、大番狂わせ(ジャイアントキリング)させてもらうよ!」
「シミャーズ・ディメンジョン流奥義皆伝、ヤハチロウ=トーゴー……参る!」
 多喜とヤハチロウ、言葉を交わし互いに構える。
 多喜のOveredはサイオニッククロ―を展開し一つを外受けに、一つを一字に構えた金剛力士を彷彿とさせる攻守一体の構え。
 対するヤハチローのキャバリアはコバ産のキャバリアソードを腕一本で、それを背中に背負い、もう一方の腕を思い切り前に突き出すが如き異様の構えをとる。
『おぉ見よ、あのヤハチローの構えを!あれこそはディメンジョン流奥義、バサラ斬りの構え!』
『得物を相手から隠し、相手の集中の切れ目を強襲するというあの……!』
 観客席の武術家達が一斉にどよめく。
 ディメンジョン流奥義「バサラ斬り」。その派手な構えは使い手の死に装束に等しく、しかし「一撃必殺」「二太刀不要」を旨とするシミャーズ戦士を体現したか如き捨て身技である。
 いわばそれは迎撃技に見せた強襲技であり、そのタイミングの計りが困難を極め、いまだ実戦において成功した例は創始者ゲンノジョウの唯一人のみ。
 故に多くのシミャーズ・ディメンジョン流剣士を死に至らしめた絶技なのである。
「こりゃまた間合いの読み辛い……しかも初太刀を受けたらそのまま持っていかれそうだねぇ。」
 剣と爪、間合いにすれば剣と拳による勝負であり、間合いの有利はヤハチローにある。
 しかし多喜にも猟兵として数々の修羅場を乗り越え、しかも一度はチェストキャバリア相手にチェストを見舞わせた「経験」があり、何よりも――。
「けどなぁ、アタシの『操縦』テクだって捨てたもんじゃないんだよ!」
 彼女には並外れた「走り屋の勘」があった。
 先に動き出すはOvered、ゼロから一気に最高速度に達した機体はヤハチローのキャバリア目掛けて突っ込んでゆく。
 対するヤハチロー、決して動揺せず必殺の間合いと見るや否や一息に剣を握る腕を振り下ろす。
「チィエストオォ!」
「おっりゃあああ!」
 ヤハチローのチェストの掛け声に被るように多喜も吠える。
 バサラ斬りの間合いに入った後もOveredの前進は止まらず。しかし一字に構えた腕を振り上げた。
 振り上げた腕のクローはヤハチローの剣を握る腕を捉え、そのまま振り抜くとキャバリアの上腕より先が空を舞う。
「ぬかったッ!しかし!」
「これで……終わりだぁ!」
 剣を失ったとは言えシミャーズ戦士に戦意喪失の兆しなし、残された腕によるキャバリア組手に持ち込もうとするヤハチローであったが、既に多喜の必殺技は発動していたのだ。
「吹っ飛べ、マルチプル・ブレイカー!」
 ゼロ距離からマルチプルブラスターが火を噴く。ヤハチローはキャバリアごとその放出されるエネルギーに飲まれ、闘技場の壁に叩き付けられるのであった。
 その大番狂わせに観客席は一瞬の静寂に包まれる。
『う、おお……。』
『ウオオオオ!チェストすっげえええ!』
『チェ・ス・ト!チェ・ス・ト!チェ・ス・ト!』
 しかし堰を切ったが如きチェストコールで会場は再び、否。より熱狂に包まれる。
 シミャーズ屈指の戦士を破った多喜を祝福するが如く。
「っ!……うおおおお!」
 そして多喜もそれに応えるように、自らを撮るカメラ目掛けて鬨の声を上げたのだ。
大成功 🔵🔵🔵

川西・晴空
●POW

炉血斗示現流(ロケットチェスト)師範代『伊房秋水(イブサ・シュウスイ)』だな?
戦い方は全身のみならず、剣にまで噴射筒を仕込んで加速させた一撃必殺の斬撃っと
日出国西国の最果て、九国南端にある薩魔の連中を思い出しちまうな

おいらも同じ戦い方を得意としてるし、負ける訳にはいかねぇよな?
かっ飛んでる好敵手相手においらも背中に背負った噴射筒を吹かしながら鬼面越しにガン付けて【威圧】するぜ

武士あれば
ナメられたらば
ぶち殺せ

日出国じゃそうだったけど、ここでも通じると思うんだよな
あっちが【決闘】に応じたら、互いに向かい合ってからの『ROCKET DIVE!』
オレとてめぇのチェスト、どっちが上か尋常に勝負!


●フルスロットルの果てに見えるは

 ――シミャーズに数多のチェスト存在すれど、我がチェストこそ至高のチェストなり。
 炉血斗示現流(ロケットチェスト)師範代、伊房秋水には野望がある。
 それは傍流たる炉血斗示現流を御留流に引き上げる、即ち藩王家武術指南役の座を得て自らの名声を高めるというものであった。
 炉血斗示現流とは「斗に満たした血を炉にくべる」とする剣の技術よりも身体の強化による剛力をしてチェストを撃つ事を旨とした、良くも悪くも外道流である。
 実際、武術、剣術というよりも医術や人体改造術に近く、得物と身体の各部にロケットとそのエネルギー循環系を埋め込むという真っ当であれば思いついても決してやらないであろう事を平然とやってのけるのが炉血斗示現流であった。
 秋水は全身六十ヶ所にロケットを内蔵しており、御前演武においては折れず曲がらずのコバ産キャバリアソード百本を一瞬のうちに叩き切るという絶技を披露していた。
 しかし時の老中ホイコロウの「王族の身体をいたずらに弄ぶ武術を御留流に引き上げるなど言語道断」と一蹴され、今回は専用の強化外骨格技術とキャバリアをひっさげて再度御留流引き上げを目論んでいたのだ。

「風に聞こえし炉血斗示現流……噴射筒を仕込んで加速させた一撃必殺の斬撃を繰り出すたァ、日出国西国の最果て、九国南端にある薩魔の連中を思い出しちまうな。」
「何奴っ。」
 そんなトンデモ剣法の存在を聞きつけ、そして同じような戦法を得意とする川西・晴空(日出る国の鬼武者・f36334)としては当然興味がわかぬはずもなく、鬼の面と武具を身に纏い炉血斗示現流師範代、伊房秋水の前に躍り出た。
「川西晴空、国は日出国の武士(もののふ)さ。」
「日出国……奇縁とは正にこの事か。戦士の聖地たるコバにて同郷の武士に見えるとは……。」
 実はこの伊房秋水、産まれを日出国に持つ移民であった。幼き頃に商家の両親に連れられシミャーズ藩国に渡るも異国の風習に苦労をし、遂には自由を求めシミャーズ戦士として名を上げるべく家を出ていたのだ。
 もう二度と故郷など思い出す事はないだろうと思っていただけに何とも言えぬ思いに駆られる秋水。
「……しかし我が野望、ここで絶やすわけにはゆかぬ。斬って通らせてもらうぞ、川西とやら!」
「応よ!望むところだぜ!」
 しかし秋水は止まらぬ。己が高みを信じる故に、そして野心に果ては無いゆえに。
 そして晴空もまた応える。

 ―武士あれば
    ナメられたらば
         ぶち殺せ―

 日出国の武士ならば誰もが知る武士の本懐。いかなる出会いとは言え刀を抜けば命のやり取りからは逃れる事叶わず。
 故に晴空と秋水、この場にて両者の決闘が成立した。

「炉血斗示現流、鷹翼!」
 秋水はすぐさま宙へと飛びあがる。眼下には合戦場の如き闘技場が見え、しかし晴空の姿は捉えたままだ。
「自由落下と噴射の加速力を合わせるってワケか……面白ぇっ、だったらこっちも全速前進だ!」
 対する晴空も背負うロケットに火を入れ、すぐさま地面を蹴り秋水目掛けて飛び立った。
 両者互いに最高速度(フルスロットル)。秋水と晴空はまたしても奇縁と言うべきか、奇しくも同じ構え正眼の構えで間を詰めてゆく。
 
「「チェストォオオ!」」

 これが「似た者同士」の極致というべきなら今頃は相討ちが相場というものであろう。
 何せ掛け声も、速度も、攻撃のタイミングも。「一つを除き」何から何までが同じだったのだ。
 しかし最後に勝敗を分けたのは「気迫」。
 秋水は僅か一瞬、本能的な恐怖に襲われた。

 ――『鬼』。

 日出国に伝わる幻想種、怪物、そして神。
 日出国の民が自然と畏れ敬う信仰の対象。
 そしてそれは晴空の放つ「気迫」の中に確かに存在し、そして秋水に僅かな綻びを生じさせたのだ。

「よもや、最後の最後に鬼を見るとは……無念、なり。」
 秋水の駆るキャバリアは晴空の一刀に断ち切られ空中で爆散した。
 日出国の鬼武者、異国にて鬼の働きを成した一幕である。
大成功 🔵🔵🔵

ベルト・ラムバルド
アドリブ上等

シミャーズ藩国…
その名は聞いたことはあるが来るのは初めてだ…
大覇乱祭…どこかで聞いたことあるような連中の名前があるな…
じゃあそいつらをボッコボコにすれば私の名声もアップ…むふふ…!
このベルト・ラムバルド!さっそくエントリーだ!勝ち抜いてみせーる!

私の相手は…常闇の暗黒騎士だとぉ!?
おい、ふざけんなー!こちとら光明纏う暗黒騎士だぞ!?
被ってるじゃあないかー!?
くっそ~こっちが真の暗黒騎士ってのを知らしめてやるー!

カリスマオーラ纏って存在感と悪目立ちで目立って
一気に接近、二刀の大剣を振り回し2回攻撃で敵をボッコボコじゃい!

我が名はベルト・ラムバルド!
光明纏う 真 の暗黒騎士だッ!!!


●光明と暗黒の二属性が合わさって最強と考えられる

 二人の「騎士」が睨みあう。
 そこに言葉は無く、ただ睨みあう。
 入り乱れの戦闘が行われている闘技場内で唯一の異空間。
 当然背後からの闇討ち、などという無粋を働く者は現れず。
 なぜなら――。

「~~~ッッ!やいっ!常闇の暗黒騎士とは一体どういう了見だ!」
「どうもクソもあるかぁっ!ワシとて常闇の暗黒騎士を名乗って40年じゃぞ!小童に難癖つけられる筋など無いわぁ!」
「「ぐぬぬぬぬ……!」」
 ――なぜなら、どう見ても面倒事っぽいし、その争点も、その……ねぇ?
 と、とにかく常人には近寄りがたいオーラを放っていたのだ。

 『光明纏う暗黒騎士(自称)』ことベルト・ラムバルド(自称、光明纏う暗黒騎士・f36452)が対峙するは『常闇の暗黒騎士』ことアーサー・フォン・キャルビッシュ。
 山岳地の都市国家ドランベイレムの正統な武官を務める貴族のキャバリア乗りだった。
 さて、二人が戦闘そっちのけで言い争っているのは「二つ名」が似ている事にベルトが気付き抗議し始めた事に端を発している。
「というか光明纏う暗黒騎士ってなんじゃ!?イカンじゃろっ……!暗黒騎士が光纏っちゃ……!」
「はぁー?暗黒騎士が光纏っちゃいけないって何月何日何曜日、地球が何回廻った日に決まったんですかぁー?」
「小学生か……!切り返しの程度がっ……!」
「まぁ光纏う事に抵抗があるんじゃあその程度の暗黒騎士ってことだろぉ?プークスクス‼」
「なんだぁ、テメェ……?」
 口は災いのもととはよく言ったもの、ベルトの煽りに遂にアーサー、キレた!
 アーサーはキャバリアソードを抜き放ち、それをベルトの愛機「パロメデス」に突きつける。
「上等じゃクソガキ剣を抜けぇ!どっちが真の暗黒騎士か白黒ツケちゃるわい!」
「そいつぁ私のセリフだぁ!」
 『光明纏う暗黒騎士』を自称するベルトが勝った場合白と黒のどちらになるのだろうか?
 そんな疑問を一部の観客が抱く中、漸く「真の暗黒騎士決定戦」が始まった。

「ムハハハ!暗黒剣技『ダークネス・ミサイル』!この技を喰らい生き延びた者はおらぬわ!」
「うおっ!あっぶな!?」
 先に仕掛けるはアーサー。胴部に内蔵された小型ミサイルをパロメデス目掛けて放つ。
 まさかの騎士道に悖る不意打ちに目を丸くするベルトであったが、すんでの所で飛び退き、さらに両腕に携えた二刀でミサイルを斬り払い難を逃れた。
「……ってオイ!剣技とかいっておいてミサイルを飛ばすヤツがあるか!卑怯だぞ!」
「卑怯かどうかを決めるは勝者の特権じゃ。もう一丁ダークネス・ミサイル!」
 もはや騎士要素も暗黒要素も皆無のミサイル攻撃を放つアーサー。対するベルトはミサイル群を意に介さずアーサーとの距離を詰める。
「ミサイル程度で暗黒騎士を止められるとは思わない事だ!」
「ぬぅっ!?」
 実体剣とビームセイバーをブン回し、次々とミサイルを撃ち落とすベルトに対し、アーサーは驚きの表情を浮かべ、そして観客達はベルトに拍手喝采を贈る。
『行け―っ!!光明の方の暗黒騎士ー!!』
『野郎、ふざけた言動だがミサイル打ち落とすたぁ中々やるじゃねぇか!』
 それは明らかにベルトに対する観客の評価が爆上がりしている証拠であった。
 『なんか言動はアレだけど実際強いし、それによくわからない凄みがある……!』といったそれはベルトのカリスマ的存在感が成せる業か。
 とにかく会場の注目を一身に浴び始めたベルトは止まらないし、止められるものは皆無。
「覚えておけアーサー!光明と暗黒の二属性が合わさった暗黒騎士こそが最強なのだと!」
「う、うおおおお!認めん、認めんぞぉ小童ぁあああ!」
 頭上に掲げた二刀を踏み込むと同時に袈裟に斬り払うベルト。
 無防備を晒したアーサーは叫びながら爆発四散……と思われたが緊急脱出(イジェクト)には成功したようである。
 そして爆発したキャバリアを背景にして勝利を掴んだベルトは勝ち名乗りの声を上げた。
「我が名はベルト・ラムバルド!光明纏う 真 の暗黒騎士だッ!!!」
大成功 🔵🔵🔵

フィオナ・ウンベカント
久々のシミャーズだ、存分にチェストしようじゃないか

ぼくの前に立ちはだかるいかにも強そうなキャバリア
その名も「空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵丸!」と、
それを駆る「空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門!」!
…なんて?もう一回言って…やっぱりいいや

大剣を構えるぼくのジークヴァルトに対し、無敵丸は一歩も動かない
強者の余裕か?
―否。真の達人と相対した時、人は蛇にチェストされた蛙のごとく動けなくなるという
今まさにその状態に陥った無敵丸を、ジークヴァルトの必殺のチェストが両断する!

…なんて事はない、サイコキネシスで動きを封じてチェストしただけなんだけどね


●「空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵」破りのチェスト

「我、空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門!我が愛機、空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵丸にて参上いたしたでごわす!」
「……え、なんて?」
「我、空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門と申す!貴殿との立ち合いを所望するもんでごわ!返事は如何に!?」
「よく噛まないね?……いいよ。久々のシミャーズだ、存分にチェストしていこう。」

 突如フィオナ・ウンベカント(マスター・オブ・ジークヴァルト・f21922)の前に立ちはだかって如何にもな強者の風格を漂わすは空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門(以下、無敵佐衛門)。
かの有名な落語を彷彿とさせるようなヘンテコな名前であるが、これでも通常の覇乱祭においては常連の参加者なのだから人とは見かけによらぬものである。

 さて、無敵佐衛門の駆る空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵丸(以下、無敵丸)はオーソドックスな量産型キャバリアであり、得物もキャバリアソード一本のみという正に「シミャーズ好み」を体現した出で立ち。
 対するフィオナも宣言通り無敵佐衛門と同じように大剣一振りを構えたジークヴァルトにて対峙する。
「「いざ、尋常に勝負。」!」

『ふーむ、空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門とやりあってるあのキャバリア、相当の手練れかもしれんでごわすなぁ。』
『えぇ?そうは言ってもあの二人ただ構え合ってるだけで一歩も動いてねぇですよ……?』
 観客席でもフィオナと無敵佐衛門の戦いは注目されていたが、その「全く動かない」状況は日ごろから武に携わらない者にとっては奇妙であり、しかし武術家達にとっては非常に興味深く映っていた。
『動かないではなく、両者ともに動けぬのでごわす。互いの出方を頭ン中で予測しながら最適解を探し、だがそれと同時に相手への注意も怠らない。とても高度な頭脳戦が繰り広げられている事でごわそう。』
『へぇ。……アッ!相手の方が動いた!』
 観客の目の前で先に動き始めたのはフィオナのジークヴァルト。一歩、また一歩と無敵丸との距離を縮めていく。
 対する無敵佐衛門、いまだ剣を構えたまま微動だにせず。
『空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門のあの構え……なるほど狙いが読めたでごわす。』
『空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門の狙いとは?』
『まず剣の構えでごわす。一見してただの八相に見えるが、あれは手首の動かし一つで斬り、突き、受けを瞬時に繰り出すことの出来る万能の構えにごわす。そして最大のポイントは足の状態にごわす。』
『何で足を?』
『あの両足の踵を浮かす構え、一撃必殺を旨とするシミャーズ戦士においては中々使い手のいない迎撃術の重要な技術にごわす。まさか空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門がそれを体得していようとは思いもせなんだ。』
『するってぇとなんだい?空前絶後超絶怒涛天上天下唯我独尊驚天動地究極最強絶対無敵佐衛門は既に攻撃の準備を終えて相手を待ち受けてるだけって事かい?』
『如何にもでごわす。いまごろ相手のパイロットは何を仕掛けられるか分からぬまま近づく他なら――。』

「チェストぉっ!」
「ぐはぁっ!」
 フィオナの必殺のチェストが無敵佐衛門を襲う!

『……えぇー!?』
『……お前さんの解説、全然ダメじゃねぇか!』

 こうしてフィオナ対無敵佐衛門の戦いは幕を閉じた。あまりにもあっけない幕切れであったこの戦い、実は最初からフィオナ有利の状態で動いていたのだ。
 というのも両者が剣を構えた直後にフィオナはサイキックエナジーを放出、無敵佐衛門の無敵丸の動きを強制的に封じた上でチェストを放つ、いわゆる「勝ち確」の戦法だったのだ。
 故に観客席の武術家達が見た迎撃術の構えは偶然の産物であり、本来であればチェストによる真っ向勝負を望んでいた無敵佐衛門にとって不測の事態であった。

 しかしその真相を知らぬ者たちにとっては衝撃的な幕引きに変わりなく、このフィオナと無敵佐衛門の戦いは『無敵の迎撃術、チェストに破れたり!』の表題と共に翌日の朝刊新聞に載る事となったのだが、それはまた別のお話である。
大成功 🔵🔵🔵

リューイン・ランサード
グリードオーシャンにはシマドゥ島民という一人一人がコンキスタドールより強い島民さん達がいましたが、この世界にも同じような民族がいるんだ<汗>。

チェストって全世界共通言語?

弩羅轟えもんを操縦して参加。
相手は「天上天下一刀流伝承者」?
いかにも強そう(パイロットは原哲夫が描いたようなゴツイ人物)。

相手の突撃時に無敵斬艦刀を喰らったら僕ごと真っ二つにされそうなので、操縦・空中戦・見切り・瞬間思考力を駆使して、射撃武器も無敵斬艦刀も躱していきます。

強い以上にインパクト的にとても怖いけど、傷つけないように倒さないと。
ここは、と流水剣の斬撃と合わせて次元刀を使用。
無敵斬艦刀を真っ二つに斬って勝利します。


●天上天下にチェストは一つ

「ホゥアタァッ!!」
「ぴざらぁ!?」
「どみのぉ!?」
「でりばりっ!?」
 たった一発のチェストで並み居る敵をダウンさせる絶対強者がいた。

「駄目だぁもうお終いだぁ……!」
「ヤツが出ているなんて知っていれば棄権してたってのに……チクショウ!」
 たった一人の存在は、生粋のシミャーズ戦士達を震え上がらせていた。

「天上天下一刀流伝承者」ケンスロー・ブロンソン。
 シミャーズ藩国内で最多の門下生数を誇る「天上天下一刀流」宗家の長子にして、去年まで開催されていた通常の覇乱祭においては前人未到の七連覇を成した「大傑物」である。

「これはまた、いかにも強そうな……。」
 ケンスローとは初対面ながらもその強者の風格はリューイン・ランサード(波濤踏破せし若龍・f13950)も肌身で感じる事となった。
 ……というよりもケンスロー本人やその乗機たるキャバリアの雰囲気が周囲とケタ違いに浮いているのだ。
(なんというか……こう、出る作品を間違えているというか……。)
 同じマッチョでも画風が違うと全然雰囲気が変わるといった感じで、ケンスローとそのキャバリアは「線が濃い」のだ。
 もしかしたら目の錯覚かもしれないが、しかしその経歴や実際の戦闘力は文字通りのケタ違い。強さは本物である。

「次の相手はお前か……?」
「っ!……は、はいっ!リューイン・ランサード、ですっ!」
 ゴゴゴやドドドといったオノマトペが背後に浮かびそうなケンスローの問いに気圧されながらリューインは答える。
「ならばその身で知るが良い。我が天上天下のチェストをおいて他にチェスト無しと!」
(天上天下のチェストって何ぃ!?というか怖っ!)
 リューインは乗機「弩羅轟えもん」を空中に退避させケンスローから距離を取る。
「チェストアタァッ!」
「うぉわっ!」?
 しかしケンスロー、無敵斬艦刀片手に他のキャバリアを踏み台に空へと上がりリューインとの距離を詰めチェストを放つ。
 対するリューイン、驚きながらも経験を活かした機動で躱す事に成功し、ケンスローは再び地上へと降り立った。
「ほう、我が天上天下一刀流『燕チェスト』を躱すとは大した奴だ。」
(燕チェスト!?)
 猟兵のそれに匹敵する無茶苦茶なケンスローの戦闘力にリューインは過去に出会った人々の事を思い出していた。
 グリードオーシャン世界はシマドゥ島の島民、オブリビオンたるコンキスタドールに引けを取らぬ戦闘民族。趣味はひえもんとりと大将首の蒐集とチェスト。
 そう、やはりチェストなのだ。チェストは全てを解決する……!
「長引かせたら絶対いけないやつだ……攻撃の主導権はケンスローさんにある以上、僕ができるのは迎撃っ……!」
「そちらから来ぬならば次の大技にて終いにしてやろう……天上天下一刀流奥義、『無双天征チェスト』!」
 再度飛び上がって来たケンスロー、無敵斬艦刀を大上段に構え、リューインよりも遥か高く飛ぶ。
「我が天上天下一刀流のチェストこそが唯一最強のチェストオオオオ!」
 そして如何な原理か、空中を足場にリューイン目掛けて加速し、斬撃を仕掛けるケンスロー。対するリューイン、片手に流水剣、もう片方は手刀を形作り――。
「「チェストぉ!」ホアタァッ!」
 遂に両者のチェストが炸裂――!

『ど、どうなったんだ!どっちが勝ってクタバったんだ!?』
『分からねぇ……!アッ!ケンスローだ!ケンスローが闘技場に降り立ったぞ!』
『空中には相手のガキもいるぞ……!どっちだ!どっちが勝ったんだ!?』
 前人未到の七連覇王者ケンスローか、それとも若龍リューインか。
 会場が見守る中……。
「……俺の負けだ。」
 ケンスローの無敵斬艦刀が粉々に砕け散る。
 あのチェストの瞬間、リューインの迎撃の太刀たる流水剣の後ろに控えた手刀、次元刀の一太刀が物質強度を無視した次元切断により砕いていたのだ。
 得物を失った以上に、奥義を繰り出した上で「天上天下一刀流宗家」が打ち負けた。
 ケンスロー・ブロンソンという一人の武人の敗北を語るには十分すぎる結果である。

『認めたッ……前人未到の王者(チャンピオン)がッ……敗北を宣言したッ!』
『うおおおおおおおおお!スゲェぞあのチェスト小僧ッッ!!』
 それは今予選会屈指のジャイアントキリング。
「勝てたぁ……っ!?」
 会場の盛り上がりは最高潮に達し、リューインはその歓声の大きさ、コックピット内にも伝わってくる振動に飛び上がってしまうのだった。

 ――王者と言えど絶対は無し、故に覇乱祭は波乱の連続なのだ。
 後にケンスローは回顧録にそう綴り、この日の敗北は彼の人生史上一番に悔しく、しかし最高の思い出となったそうだ。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 日常 『クロムキャバリア小国家の首都観光』

POW食事! 首都ならではのグルメを楽しむ。
SPD名所! 首都の観光名所やスポットを巡る。
WIZ名産! おみやげや掘り出し物を探すショッピングに回る。
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大覇乱祭、成功を祈り――英気養うべしッッ!

 大覇乱祭予選会終了。
 予選参加者総勢2678名による激闘チェストの末、勝ち抜いたのは僅か数十人。
 そこから機体状況、パイロットの健康状態に懸念が生じ棄権した者を除くと、二十にも満たない。

 波乱万丈の予選会の後、予選通過者達を祝う祝賀パーティー会場の来賓用客間ではコバ領主アカズマとカリバル3世の二人が額を突きつけていた。
「アカズマよ、この状況、お主はどう見るか?」
「はっ、確かに大戦に赴くには寡兵に過ぎるかと。しかしながら『個』の武力を考えますれば、それぞれが一騎当千以上のの戦働きに相当するものと考えられもす。」
「である、か。……確か予選通過者には猟兵の姿もあったと聞いておる。各地での彼らの武功を考えれば二十にも満たぬ、などとは瑣事なのかもしれぬな!ヌハハハ!」

猟兵を除く大覇乱祭出場者は以下の通り。

ベガン帝国の猛将『黄金二頭鷲』マルセロ
「我が国の仮想敵国にされているのは承知のはずだが……良くもまぁ来てくれたものよなぁ。」
「正直おいも吃驚しておりもす。帝国軍の重鎮、しかも未だ最前線で指揮を取られるほどの英雄でごわすからなぁ。」
 シミャーズ藩国の周囲に存在する大国の一つ、べガン帝国。
 領土野心に尽きる所を知らない軍事国家であり、長年戦争に明け暮れながら負けを知らない覇道の雄である。
 マルセロは一兵卒から数々の軍功により将軍まで叩き上げられた傑物であり、トレードマークである『黄金二頭鷲大勲章』は彼専用に作られた同帝国の最高位勲章なのだ。
 予選会においては対峙した者達の『あらゆるチェストを受けきった』上で返り討ちにするストロング・スタイルを貫き、多くのシミャーズ戦士を熱狂させていた。

『鉄腕』ボーノ・ボーノ
「唯一のシミャーズ藩国人の予選通過者であるが、しかし……。」
「藩王様、罪人とはいえ奴もシミャーズ戦士の端くれにごわす。実力は確かであり、予選会も品格を貶めるような行為は起こしておらんでごわす。」
「大覇乱祭の間は賓客扱いといえど不要なトラブルを起こさないかが心配だな……。」
 傷害、強盗、放火、公務執行妨害……罪状を挙げればキリが無い大悪党、それが地元コバ領出身のシミャーズ戦士ボーノ・ボーノである。
 二つ名の由来は彼の類稀な拳闘センスであり、例え機関銃相手であろうと怯まず殴り倒しに行く気風はある種英雄的で、特に貧民層からは義賊と讃えられているほどだ。
 予選会では「あらゆるチェストを避け」、敵の懐に鉄拳を見舞うエキサイトな立ち回りが話題となった。

『七海の歌姫』ニージェ・カイマン
「正直彼女が勝ち上がってくるとは思わなんだ……。まさか八百長の疑いは無かろうな?」
「無論にごわす!予選会終了後も映像や各種センサーの記録から彼女の実力は確認しもした。彼女はガチでごわす!」
「お、おう……。」
 海賊ラジオ放送「セブンス・ゴスペル」のシンボル歌手、ニージェ・カイマン。
 デビュー前の経歴は不明瞭な部分が多く、しかしそのミステリアスな雰囲気が若い層に人気を博している。
 またサイキックキャバリア操縦の適正に恵まれており、予選会では光学兵装を駆使し『あらゆるチェストを寄せ付けない』一方的な戦闘を繰り広げ、その美貌目当てにやってきた人々を恐怖させた。

「これほどの強者達が一堂に会した例を私は知らぬ……。故に、『災厄チェスト』を迎え撃つに十分な戦力を確保できたと確信した!」
 大覇乱祭出場者の情報を精査し終えたカリバル3世は膝を叩きながら立ち上がる。
「おぉ、では……!」
「うむ、予定通り明日、合戦平野にて儀を決行せよ!」
「ははぁっ!」
 斯くして大覇乱祭は予定通り執り行われる次第となった。


 一方の猟兵達を始めとした予選通過者達には莫大な額――「新品の量産型キャバリアを1ダース纏めて買ってもお釣りが出る」ほどの報奨が支払われ、そして出入りが自由な祝賀パーティーへの誘いが来ている。
 とはいえコバの街そのものがお祭りの空気に包まれており、出店から有志によるパフォーマンスイベントなど目白押しである。
 街に繰り出せば予選で戦った者達や思いがけない出会いがあるかも知れない、故にこの束の間の時間は存分に楽しむべきなのかもしれない。
リューイン・ランサード
ふう、何とか予選突破できました。
明日の大覇乱祭は皆で迎え撃つから大丈夫ですよね。
と少し明るい気分になります。

すごく多額な報奨を貰えたので、恋人(荒谷ひかる)へのお土産や掘り出し物を捜しにコバの街に繰り出します。
他の猟兵さんや参加者と会えば、「頼もしい皆さんと一緒に戦えて心強いです。よろしくお願いします。」と礼儀正しく挨拶。

祝賀パーティにも顔を出して挨拶しておきますよ。
尚、未成年なのでお酒は丁重にお断りします。

ちなみに『災厄チェスト』って何なのでしょう?
過去にも有ったのですよね?
と、機会があれば物知りそうな人に聞いてみます。


●黄金二頭鷲は若き龍にかく語りき

「家族への土産に銘菓コバ饅頭!激ウマだでぇ!」
「『光って唸る!』でお馴染みチェストソード・デラックス、大覇乱祭特別価格で販売中でーす!」
 そこかしこで売り子が道行く観光客相手に呼びかけるコバの街。誰もかれもがその声に耳を傾け、視線を移す。
「饅頭かぁ。日持ちするならひかるへのお土産によさそうかな?」
 そしてリューインもまた一日二日で使い切ることの出来ない多額の報奨金を元手に恋人へのお土産はどうしようかと、少しウキウキしながらコバの街を散策していた。
「あ、この饅頭美味しい……すいません。これ2箱。いや4箱お願いします!」
「あいよぉ毎度アリぃ!」
 黒糖が練り込まれた粒餡を茶色の生地でつつんだ銘菓コバ饅頭、1箱16個入り。
 質素ながらお茶うけに良いと評判で、シミャーズ藩国の庶民から上流階級まで広く愛されている饅頭である。
 自分の分と恋人である荒谷ひかるの分、本来なら2箱でも良さそうだが、「2箱ずつ」は予選突破の余韻と懐の温かさが成せる業か。
 リューインは会計を済ませると地元商工会製作の大覇乱祭クリアファイルをおまけに入れられた紙袋を携え、再び散策へと戻ろうとした矢先で一つの看板を見つけた。

【鉱石店 コバ産鉱石試料・アクセサリー取り扱って〼】

「アクセサリー……鉱石って事は宝石とかかな?」
 それは表通りから路地へと外れるように矢印が引かれており、当の路地の先にポツンと灯りが燈されていた。いわゆる隠れ家的な店なのだろう。
 少しばかり路地の薄暗さが気になるが、しかしコバのアクセサリーとは果たしてどのようなものかという好奇心の勝ったリューインは意を決して路地へと入っていった。

 幸いにもカツアゲなどのトラブルもなく鉱石店に辿りついたリューインが店のドアを開けると、一人の老人と目が合った。
「おや、君は……。」
 リューインに声をかけた老人は胸元に所狭しと言わんばかりに勲章輝く軍服姿。
 巌の如く刻まれた皺のせいで表情は分からないが、しかしその生気に満ち溢れた眼光としっかりと背を伸ばした佇まいからは見た目よりも若く力強い印象を受ける。
 そしてリューインはその姿をつい先刻、祝賀パーティーで見かけていた。
 ベガン帝国の猛将、『黄金二頭鷲』――マルセロ将軍その人であった。
「マルセロ将軍閣下……!」
 武門の出身故の性か、反射的に敬礼しようとするリューイン。しかしマルセロはそれを制した。
「あぁそうかしこまらんでも。戦場でもないし、今はただの老人マルセロで構わんよ。……あぁ、そうだ思い出した。ブロンソンを破ったパイロットだね。あのマニューバ、実に見事だった。」
「こ、光栄です……!」
 リューインがマルセロの事を知ったのは正に先刻の祝賀パーティーの場であり、当然面識もなく互いに赤の他人。
 だというのにリューインはとても緊張していた。相手がたくさん勲章を付けているとか階級が高いからという陳腐な理由では無い。
 マルセロという一人の人間から放たれる人格の凄み、英雄と呼ばれる者の風格に唯々圧倒されていた。

「なるほど、恋人へのプレゼントか。ならば君、この店は正解だよ。きっと彼女に似合うものが見つかるはずだ。」
 店主の計らいで商談用スペースに通されたリューインとマルセロはそれから、茶で一服しながら互いについて話していた。もちろんお茶うけは銘菓コバ饅頭。
「若いころは武者修行で何度かコバに来ていてね。妻へ贈る指輪はここで購入したのだよ。」
「そうだったのですね……すると将軍はこの大覇乱祭の事にお詳しいのですか?『災厄チェスト』なども?」
 リューインはこの地でよく耳にする『災厄チェスト』――グリモア猟兵曰くオブリビオンマシンが現地の人たちにどのように認識されているかを知るべくマルセロへと訊ねる。
「ふむ……災厄チェストが如何なるものか、それは私にも分からん。が、凡その予測は立てられよう。」
 マルセロは茶を飲み干すと一息つき、語り始めた。
「いうなれば災厄チェストとは天災や戦災の類、余りにも大きく理不尽な暴力を『チェスト』という概念に押し込めたものだろう。」
「つまりお伽話のドラゴンや巨人のような?」
「良い喩えだ。しかし我が帝国軍ではシミャーズに侵略を仕掛けようとする諸国の動きを確認していない。気象や地質情報についても問題無し。となれば……暴走キャバリアの襲撃か、それに見せかけたテロという線が濃厚だろう。」
 マルセロの推理は筋が通っていた。というのも過去二回のチェストキャバリアの襲撃についてベガン帝国軍は情報を得ており、しかしオブリビオンマシンの存在には至っていなかった。
 故に一連の事件と関連付け『災厄チェスト』を「人災」であると判断しているのだ。
「しかしまぁ……伝説の大覇乱祭に参加できる資格を得たのだ。何が起きても悔いが残らないようにやり遂げるまでさ。」
 そういうとマルセロは席を立ち、それに続いてリューインも立ち上がった。
「僕も将軍と一緒に戦えて心強いです。今日は為になるお話しありがとうございました。明日はよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしく頼むよ。それでは良い買い物を。」
 互いに握手を交わした後、マルセロは店主に礼をして店を出ていった。
 そしてリューインもまた、マルセロの言葉通りに恋人のひかるに似合いそうな装飾がなされたブローチを見つけ即断で購入した。
 少々値は張ったものの、今のリューインの懐事情であれば支払いに何ら問題なかったのだから。
成功 🔵🔵🔴

榊・ポポ
シャッチョさんに芋焼酎を土産に買ってこいって言われてるんだよねぇ
この報酬金で近所や取引先に配る分だけ買ってもまだ余っちゃうしぃ
こっそりかるかんも買ってこ...自分用だけどね!
それでも余った分は臨時収入ボーナスという事で!

あ、物産コーナーだ!
デキるロボ子の収納スペースに入るだけ買ってけばいいっしょ!
かるかんは気持ち多めな!(明らかに指定された土産より多い)
バレない様に底なし集金袋に突っ込んでこ
そんなに買っても食いきれないだろうって?うるせー!しらねー!


●スーベニア・バクガイ・パーリナイッ

「すまねぇっ……お嬢ちゃんすまねぇ……!」
「ぐがっ……馬鹿なっ……どうしてっ……!」
 平謝りする店主と狼狽えて口調が安定しないポポちゃん。
 一体両者の間に何があったのだろうか?
「当店は……『20歳未満の未成年者』への酒類販売は実施していないっ!たとえ……相手がカカポだとしても……!つまり、この取引は……不成立(ノーカウント)っ!」
 ぐにゃあ~……圧倒的ぐにゃあ~……!

 コバ屈指の老舗酒屋で最高級芋焼酎『センカイドー』の購入計画……理外の頓挫っ……!
 ポポちゃん……9月9日生まれ19歳……!
 対するシミャーズ藩国の成人年齢……満20歳……!
 不足……圧倒的年齢不足……!
 まさかのフライング……!

「まぁシャッチョサンには悪いけど法律違反じゃ仕方ないね!かわりに『金時芋ジュース』買って帰ろっと!」
「毎度ありっ……!」
 芋栽培が盛んなシミャーズ藩国産のシミャーズ金時を形が残らないまで煮溶かし、冷やして一升瓶に詰めた『金時芋ジュース』。
 金時芋独自の濃厚な甘みと癖になる独特の喉ごしは「シミャーズ産芋製品に革命を齎した」とまで言われるほど爆発的人気を誇る。
 ポポちゃんは金時芋ジュースを1ダース購入し、できる子ロボの格納スペースに放り込むとメモ帳と電卓を取り出した。
「えーと、ご近所さん用、取引先さん用は買ったしシャッチョサンのお土産は芋ジュースに変更したから予定より出費が浮いてぇ……まだ報奨金ぜんぜん残ってんじゃん!やったぜ!」
 使えど使えど、お土産程度では桁は全然が減らない報奨金の額に電卓を地面に叩き付けるポポちゃん。
 そんなテンション爆上げ中のポポちゃんが次に向かったのはコバの街の大通りに位置する公営ホールを貸し切って開催されている物産展であった。
「やっぱりご当地お土産といえば物産展だよねー。」
 ポポちゃんが自動ドアを抜けた先は――黒山の人だかりでした。
「燻製試食やってるよー!鹿肉、鶏肉、卵、チーズ、どうぞお試しくださーい!」
「コバの漬物ー漬物やってるよー白米にあうよー。」
「木刀ー木刀いらんかねー!鍛錬、喧嘩なんでもつかえるよー!」
「ドラゴンとか剣とかのキーホルダー!安いよ安いよー!」
 定番の食べ物系から男子中高生が何故かその場の勢いで欲しがりそうなアイテム系までありとあらゆる商品が訪れた客の意識を独占する中、ポポちゃんは一人ほくそ笑んでいた。
 
(ククク……騙されない……あそこらへんは全てブラフ……!シミャーズなら、「あれ」があるハズ……!)
 その歩みは迷い無く、押しつぶされそうなほどの人波を乗り越えポポちゃんが向かった先は――

餡漉し……
米粉舞う……
伝統菓子コーナー……!

「すいませーん、かるかんってありますかー?」
 かるかん。
 日本の九州特産の和菓子で「軽羹」とも書く。
 確かにシミャーズは日本の九州、特に鹿児島あたりを思わせるような文化的類似点があったりするが果たして――。
「あぁ!かるかんあるよぉー!シミャーズは芋が特産品だからねぇー!」
「でかした!」
 ――あった。なんでぇ?
「じゃあこれで買えるだけ全部買っちゃう!倉庫にある分も含めて!」
「あいよぉー!」
 爆買いを超えた爆買い宣言……!
 その瞬間、駆け巡るポポちゃんの脳内物質……!
 具体的にはバリンとかエンドルフィンとか……色々っ……!
「夢にまで見た三食かるかん生活っ!今からメッチャ楽しみ!」
 ……そして圧倒的食い意地!

 かるかん、倉庫のストックごと……お買い上げっ……!
 そして買い上げられたかるかんの行方は――

 購入済みのお土産ひしめく……
 できる子ロボの収納スペース……!
 自家用トラックの荷台感覚……!
「よーし、これで買い物終わり―!で、残ったお金はー……全額集金袋に入りまーす。口紐、しまりまぁーす。」
 ポポちゃんは報奨金の入ったクレジットカードを集金袋へとしまい、まるで駅員のような口調で袋の口紐をキュッとしめるとできる子ロボと一緒に夜のコバへと消えるのであった。
成功 🔵🔵🔴

ベルト・ラムバルド
アドリブ上等

ふふん…あの戦いで有名になったかも…いや~人気者ってつらいな~
グラサンかけて変装し洒落たバーにでも行こう…
大人とはそういう者だ…!

酔い潰れてる人が……御老公どうなされ…
あー!お前は暗黒騎士アーサー!?なーんでこんな所に!?
こんの老いぼれめ~、もういっちょボコボコに…!
いや待て…40年も暗黒騎士を名乗る程の男だ…
熟成された処世術や戦闘経験を用いてるはず…
それを聞き出せれば…賢いな~私!

酒とコミュ力で少しずつ聞き出そう…ふふふ…


酩 酊

…ぶひゃひゃ~!
マジっすか!?さっすが暗黒騎士の先輩は違うなー!
先輩~もう一軒行きましょうよ~!私が奢りますから~!
飲も飲も!次の店に行きまっしょーい!


●暗黒騎士の道は暗黒騎士

「ママーあれなにー?」
「しっ!目を合わせちゃいけません!」
 コバの街を行き交う人々の注目を一身に浴びる男がいた。
「ねぇアレって……」
「たぶん…いや間違いなくアイツだろ……」
 人々はその男について囁きあう。
「あの暗黒騎士を倒した……」
「ミサイルを切り落としてた方の暗黒騎士……」

(ふふん…あの戦いで有名になったかも…いや~人気者ってつらいな~!一身に注目集めちゃって辛いなぁ〜!やっぱアレか、オーラが滲み出ちゃうかァ〜!かぁ〜人気者って辛いなァーッ!かぁ〜っ!)
 ベルト・ラムバルト、お偲びが全くお偲びになっていない件。
 というか、サングラスを装着しただけである。
 184cmの高身長、ルックスも中々にイケているだけに変装効果はこれっっっぽっちも働いていない。
(……っとと。イカンイカン、大人はもっとCoolにしなきゃだな!クールクール……)

 さて、そんな彼が向かう先は観光マップにも載るような高級バー。
 証明は薄暗く、しかし格調高い洒落た店内の様子はまさに「大人の空間」だ。
「ちゃんと一見さんお断りの店じゃないことも確認してるし早速入ってみるかぁ……ん?」
 店のドアに手をかけようとしたベルトは入り口のすぐ横で何かがモゾモゾと動いているのに気がついた。顔は見えないがどうやら年配の男性の様だ。
「うぃ~ヒック……。ワシだってなぁ……。」
「なんだ、ただの酔いつぶれか……どれ、立てるか御老公?」(フッ……ここは騎士ムーヴのチャンス!)
 騎士(っぽい)ムーヴの機会を逃さない男、ベルト・ラムバルト。介抱しようと酔っぱらいに声をかけると互いに目と目が合い、
「あぁ?……あぁっ!?」
「あぁー!」
 互いに素っ頓狂な叫び声を上げた。そしてそれを見ていた通行人たちは
「あぁ、出会っちまったか……。」と何かを察したようなセリフを呟くのであった。

「お前は暗黒騎士アーサー!?なーんでこんな所に!?」
「それはこっちのセリフじゃ!」
 『常闇の暗黒騎士』ことアーサー・フォン・キャルビッシュ、まさかの再会である。
 というのもアーサー老、暗黒騎士勝負に負けたのがかなり響いていたのか自棄酒をかっ喰らい泥酔しすぎて夜風に当たっていた最中だったのだ。
「おうこら小童ぁ!予選通過したからって調子に乗ってんのかァ!?暗黒騎士舐めとったらイカンぞぁ!」
「酒くさっ!…って言いたい放題言うじゃないか老いぼれジジィっ!かくなる上はもういっちょボコボコに…!」
 と、拳をパキポキ鳴らしていたベルトであったが、同時に脳裏で「ひらめき」があった。
(いや待て…このおっさん40年も暗黒騎士を名乗ってるんだぞ?であれば熟成された処世術や戦闘経験を用いてるはず…)
 言うなればベルトにとってアーサーとは業界の先輩、暗黒騎士歴40年の大先輩である。
 ともなればアーサーが集積しているであろう技術は真の暗黒騎士たるベルトにとって垂涎の技術である。
「……いやー、アーサーさんマジでパないなぁー!40年も暗黒騎士してるなんて尊敬しちゃうなぁー!」
「お、おぅ?」
 拳を鳴らす手はゴマをすり始め、手のひらを反すが如きベルトの態度の急変にたじろぐアーサー。
 お世辞にも上手いとは言えないベルトの腹芸であったが、酔っぱらっている今のアーサーにそれを見抜く事は叶わず、上手い具合に丸め込むことに成功した。
「聞きたいなぁー、アーサーさんの武勇伝とかききたいなぁー!ぼく奢るんで聞かせてもらっていいですか?良いですよね!?」
「う……まぁ良かろう……。」
 開催……突発的飲みにケーションっ……!

 ~2時間後~
「ほんでなぁ、ワシは言ってやったんじゃ……『ようウスノロ!おぬしの得物はどこに置いてきたんだ?』とな!」
「ぶひゃひゃ~!マジっすか!?さっすが暗黒騎士の先輩は違うなぁ!さぁさぁドンドンいきましょドンドン、ドンドン!」
 ベルト、アーサーともに酩酊……!一面見渡す限り空ボトル、空ピッチャーの山……!
 酒代はベルトの財布、予選突破の褒賞から出ているとはいえ飲み過ぎは明らかであった。
「えぇ?で、そのドラゴンキャバリアを……あれぇ?お酒もうないぞぉ~?」
「お酒もうないかぁ~。困ったのぅ~。」
 実の所、店側もいくら上客(カモ)と言えど高級銘柄をがぶ飲みされては困るとボトルを何食わぬ顔で店の奥にさせていたのだ。
 とどのつまり……静かなる退店要請……!
「しゃーないのうー。じゃあ店移すぞ小僧~。うまい鮭とばを出す店があるんじゃ~。うまいぞぉ鮭とばぁ。」
「行きましょ行きましょ、次の店に行きまっしょーい!鮭とばぁイェーイ!」
「いぇーい!」
 ベロンベロンに酔っぱらい高級バーを出た二人は夜のコバの街へ繰り出し、4件ほどハシゴした後に大覇乱祭運営スタッフに見つかり二人とも宿泊施設に連行された。
 そしてベルトはというと2件目以降の記憶が無かったので、アーサーから有益な話が聞けたかどうかは分からないままとなった。
成功 🔵🔵🔴

フィオナ・ウンベカント
予選を通過しただけでこれ程の額の報奨、それに祝賀パーティーとは随分と気前がいいね。
いや、それだけ明日の戦いが壮絶なものになるだろうと言うことかな。

祝賀パーティーには少しだけ顔を出した後、街へ繰り出す。
歓待を受けるのも悪くないけど、やっぱり気侭にぶらついている方が楽でいいや。
そういえば前回シミャーズに来た時は観光する間もなかったな…
せっかくなら目に付いた屋台を全制覇する勢いで回ってやろうじゃないか

…そういえば猟兵以外の出場者ってどんな人たちなんだ?
遊び回るついでに、それらしい噂をしている人がいたら話して貰おう。
酒でもご馳走すれば口もだいぶ滑らかになるんじゃないか?


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携・絡み大歓迎】

いやぁ予選を通っただけでこの賞金かよ!
余程太っ腹なのか、それとも別の理由があるかだよなぁ。
……ま、どう考えても後者か。
騒動続きで懐具合が潤ってるとは到底思えないんでねぇ。
ま、一番その空気を知ってそうな「彼」に聞いてみるかな!

祭りで盛り上がるコバの街中をぶらりと散歩しながら、
『鉄腕』のダンナをテレパスの思念で探す。
噂通りの御仁なら、どこかでケンカに巻き込まれてるだろ?
そうでなければそれはそれで、さ。
人ごみの中で見つけたら『コミュ力』頼りに友好的に話しかけ、
怨敵じゃない事をアピール。
そうして思う所を聞いてみる。
その上で誰かとケンカになったなら、程々にやり合うさ!


●祭りと喧嘩はコバの華

「ひぃ、ふぅ、みぃ……いやぁ予選を通っただけでこの賞金かよ!」
「このイベント自体がかなりの経済効果をだしてるって話だけど破格の報酬だよ。それだけ明日の戦いが壮絶なものになるだろうと言うことかな。」
「それに違いないねぇ。あ、じゃがバターだってさ。」
 多喜とフィオナは祝賀パーティーへの顔出しを程々に、街の一角で開催されている祭りの会場へと訪れていた。
 どこか雅な会場BGMと、予選会の熱気や繁華街の喧騒とは異なる賑わいに溢れかえる祭りは親子連れが多い印象である。

「しかしまぁ綿あめに焼きそば、たこ焼き、リンゴ飴、チュロス……見事な位に縁日の風景だねこりゃ。」
「パーティーの料理も美味しかったけどこのジャンキーな感じもなかなかイケる。」
 そんな風景に多喜は日本の縁日屋台を思い浮かべながら芋焼酎を呷り、一方のフィオナはテーブル一杯に買い込んだ食べ物に舌鼓を打っていた。ついでに言うとお好み焼きを完食しベビーカステラに取り掛かる所である。
 更に付け足せばフィオナは多喜と合流する前に大通りに面する出店を全制覇している。食べ物系は言うまでもなく、キャラクターのお面や水風船、クオリティの怪しい版権グッズといった祭りならではのアイテムも制覇し絶賛エンジョイしていた。
「……んで、なんで俺はお前さんらと一緒に酒を飲んでるんだ?」
「まぁまぁダンナ、そう固くなりなさんなって。ほら、グラスが空いてるよ?」
 そう言うのはモヒカンの男、『鉄腕』ボーノ・ボーノ。
 予選通過者唯一のシミャーズ藩国人にして大悪党と恐れられる人物だ。
 彼は猟兵二人とは対照的におでんを肴に芋焼酎をちびちびと飲んでいた。

 さて、多喜とフィオナがボーノと出会ったのは少し前の事であった。
 多喜のテレパスを頼りにボーノを探していると、野次馬の山の先で数十人相手に囲まれる彼の姿があった。
 聞けば相手側がボーノを待ち伏せていたようで、対するボーノは鈍器や刃物相手に素手で応戦していた。
 さすがあの予選を潜り抜けた猛者だけあり、襲い掛かる敵を一撃ノックダウンで次々と倒していく様子に野次馬たちは歓声を上げるほどであった。
 程なくして警備スタッフが現れ、その機に乗じた多喜とフィオナは彼を現場から連れ出すことに成功したのだ。

「でもアンタも随分無茶をするね。宮本武蔵の一乗寺下り松の決闘みたいだったよ。」
「ミヤ……誰だソイツ?」
 一乗寺下り松の決闘。
 大剣豪宮本武蔵が『京八流』と名高い剣術の名門、吉岡派の門弟、雇われ浪人あわせて数百人を相手取った伝説的決闘である。
 異なる世界のボーノ・ボーノが知らぬのは当然であり、多喜もそこははぐらかしておく。

「そういえば彼に聞きたいことがあったんじゃなかったっけ。」
「おっと、そうだった。」
 特大のプラスチック容器に入ったフルーツポンチに挑み始めていたフィオナに促された多喜は本題――大覇乱祭を控えるシミャーズ藩国の事情について尋ねた。

「……シミャーズ人の気前が良くなるのは大戦の前って相場がきまっててよ。ありゃアカズマの大殿や藩王も腹決めてるってのの顕れだろうさ。何せ災厄チェストを祓う伝説の大祭だぜ?国家存亡のかかった国難を前に出し惜しみするような奴は戦士の風上どころかシミャーズ人の風上にも置けねぇさ。」
 つまり元々の国民気質と、そして誰もかれもがその空気を感じてこの祭り騒ぎなのだと、ボーノはグラスを呷る。
「それにシミャーズ戦士ってのは常に最強を示さなきゃならねぇ。」

「最強?」
 意味深な言葉にフィオナが反応し、それに頷きを返すボーノ。
「大国の軍勢、絶望的な災害。そんなのをチェストでブチ破るシミャーズ戦士ってのは国のブランドでステータスみたいなもんでよ。ほら、喧嘩の強いやつにわざわざ喧嘩を売るチンピラなんていないだろ?」
「なるほどねぇ、先のキャバリア暴走の件もあるしどっちにせよ大覇乱祭の成功以外に道が無いってことか……。」
 ボーノの説明に納得いったと多喜も頷く。
 災厄チェスト――オブリビオンマシンの撃破に失敗すればシミャーズが滅び、首の皮一枚つながったとしても周辺から食い物にされるのは必然。故に背水の陣というのがシミャーズ藩国の置かれている状況なのだ。
「それに今回は大番狂わせも良いところだ。名だたる有力戦士がやられちまって外国勢とアンタら猟兵との連合軍、シミャーズ代表は俺一人。なおさら手が抜けねぇってワケよ。」
 金を受け取ったらトンズラかましてやろうと思ったのによォ。とボーノは嘯くが、多喜は彼が内心で明日の戦いに向けて決意を固めている事をテレパシーで察していた。
(愛国心……ってよりは郷土愛かね?やれやれ、素直じゃないんだから。)
「まぁ今日助けてもらった事もあるしな。明日ヤバくなったらアンタら二人だけでも逃がす時間稼ぎ位はするぜ。」
「「……それは、どうも?」」
「なんで疑問形なんだよ。」
 ボーノの軽口に苦笑しそうになるのを堪える多喜とフィオナ。直後、その場に怒声が響き会場の空気が一変する。

「ボーノ・ボーノ!貴様のような輩が伝統ある大覇乱祭を穢すなど我ら業腹の極み!疾く参加を辞退せぇ!」
「……チッ、また面倒臭そうなのが来やがったな。」
 徒党を組んで現れたのはボーノ・ボーノを快く思わない者達。力づくでもという意思の表れかその手には様々な武器が握られていた。
 祭りの客は身の危険を感じその場から散り散りとなり、遠巻きに様子を見守り始める。
「……アンタらが俺を付き合わせたんだからな。祭りの空気が台無しだーなんて言われても謝らねぇぞ。」
 襲撃者に対しファイティングポーズをとるボーノが呟く。それを聞いた猟兵二人はやれやれといった様子でボーノへの加勢の意志を示した。
「明日ヤバくなったらアタシ達のために時間稼ぎしてくれるんだろ?だったらここで怪我をされちゃあ困るってもんだ。」
「腹ごなしの運動には十分。さっさと終わらしてティラミスを食べたい。」
 そんな猟兵の反応に目を丸くするボーノ・ボーノ。
「……はぁ、わかったわかった。そんじゃあとっとと片づけちまうぜ。」
「ええい愚弄しおって!者ども、手加減無用だ!やってしまえぃ!」
 まるで勧善懲悪モノの悪玉が言いそうなセリフを合図に喧嘩は始まった。
 しかし猟兵というイレギュラーを相手取った襲撃者側に勝ち目は当然なく、10分も経たぬ間に一網打尽にされるのであったとさ。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

防人・拓也
街に行く。
既に自分の評判が街に広がっており、まだ本気を見せていない、底知れないダークホースなどと耳に入る。
「…やれやれ。俺はあまりチェストしていないが、ここまで目立つとはな」
と呟きつつ、歩いていると声を掛けられる。そこには何とレイとニージェ・カイマンがいた。どうやら2人は知り合いらしい。2人にカフェに誘われて、3人でお茶を。
そこでレイが実は女性だったという事を知る。そしてとある王家の血を引く大貴族のご令嬢である事も。
「…正直、驚愕の一言に尽きるな。何でそんな大物がこの大会にいるんだ…」
と肩を竦める。そこでニージェがレイは婿探しに来ていたのだと言う。これには流石にお茶を噴きそうになる。
すぐにレイが、父親からもう19歳にもなるのだから結婚しろと言われて縁組させられそうになったから、それが嫌で飛び出して出て行ってしまったと慌てて説明する。
「つまり…家出か」
とハァと溜息。ニージェに独身かと聞かれて
「ああ。別に恋人もいない」
と言う。そこでニージェがニヤリ。変な事企んでいないだろうな…。
アドリブ可。


●女心とクロムキャバリアの空

 賑やかなコバの街の大通りを離れ、上流(ハイソサエティ)地区へ目をやると同じ祭りも趣が変わってくる。
 洒落た装いに洒落た歓談。予選会の話題もより専門性を含んだ観点による批評で静かな盛り上がりを見せていた。
 故に彼らは「未だ爪を隠す予選通過者」に興味津々であった。
「皆様、噂をすれば……ですわね。」
「ふぅむ……彼の者の所作、中々に洗練されておる。中の上、いや上と見た。」
「おや奇遇ですな。某も上の者であると判断しました。」
「しかもまだ本気を出していないとか……仕官させたいものですな。」

(まるで品定めをされてるかのような気がして落ち着かないな……。)
 そんな心情を外には出さず、拓也は上流地区の通りを歩いていた。
 明日が本番、故に疲労を癒す事を優先に考えて騒がしい大通りよりもと判断して来てみたものの、ここに至り後悔の念が生じ始めていた。
「…やれやれ。俺はあまりチェストしていないが、ここまで目立つとはな。」

「おーい、そこの彼。ちょっとこっちに寄ってかない?」
 ふと呼ばれる声に向いてみれば屋外テーブルに二人の女性がいた。
 一人は見知らぬ女性、そしてもう一人は拓也も知っている人物だった。
「ニージェ・カイマン…?」

 『七海の歌姫』ニージェ・カイマン。
 猟兵以外の予選通過者唯一の女性。歌手であると同時にサイキックキャバリアのパイロットという異色の経歴が気になり拓也もマークしていた人物であった。
「そそ、ちょうど彼女と貴方のことを話してたのよ。どう
せなら、本人の話も聞いてみたいなぁ〜ってわけ。」
「……?」
 拓也はニージェが紹介した女性を見る。
 白を基調とするドレスにシンプルなデザインながら上品さを伺わせるアクセサリーを付けており、しかしその表情はどこか固い、というより緊張している印象を受けた。

「あ、チョット待ってね。」
 ニージェはそう言うと紙ナプキンを折り、それに切れ込みを入れて再度広げてみせ女性の顔の前で広げた。
「ね?これならわかるでしょ。」
「……レイか?」
「仮面で判断してたのか!?」


「なるほど、つまり二人は知り合いだったわけか。」
「そうよ〜。最初はレイの地元で偶然会って、それからメールで互いの近況知らせたりとかしてるの。」
「な、なかなか気の合う友人が出来なくてな…。ニージェにはいつも相談に乗ってもらってるんだ。」

 気が付けば拓也はそのまま二人と茶をすることとなった。
 事実上の「両手に花」であり、遠巻きに見るギャラリーの一部からは嫉妬に似たオーラが滲み出ていた。
「なんとも羨ましい……。」
「幸運男(ラッキーボーイ)はいる、悔しいが……!」

 しかしそんな外野の思いを知らぬ拓也はというと、
「…正直、驚愕の一言に尽きるな。何でそんな大物がこの大会にいるんだ…。」
 レイが良家の令嬢、しかも王家に連なる大貴族の家系を出自とのカミングアウトに理解を追いつかせようと精一杯であった。
 そんな様子が面白いのか、ニージェはニマニマと笑みを浮かべながら観察する。

「その…若気の至りというか、反抗期というか……」
「まぁ要するに家庭の複雑な事情ってやつよ。婚期になっても浮いた話の一つも上がってこない娘を心配した父親と一悶着起こして家出ってね。」
「ブーッ!?」
「全部言ってしまってるじゃないかニージェ!?」

 唐突なニージェの「ぶっちゃけ」に拓也は飲んでいた茶を吹き出し、レイは悲鳴のようなツッコミの声を上げた。

「い、いやしかしだな…!そう!父上も私の承諾なく縁談など組むのも悪いんだ!私だって自由な恋はしたいし…お、お婿さんだって自分で見つけたいし……。」
 最初こそは威勢よく、しかし途中からしどろもどろになるレイの弁明を聞き拓也はため息をつく。

「いやぁ〜、若いって良いわねぇ。」
「……自由恋愛は個人の選択だからな。かく言う俺も独身だから実のあるアドバイスはできないが…悔いの無い選択をしろよ?」
 と、人並みの言葉を投げかける拓也。するとニージェが目を丸くして訊ねる。
「タクヤは独身なの?」
「まぁこんな職業だからな、別に恋人もいない。」
「……だってさ、レイ?」
 何気なく答える拓也に対してニヤニヤとほほ笑むニージェは、いつの間にか赤面していたレイへと声をかける。
「どうした?顔が赤いぞ?」
「へぇっ、あっ……あーっ!そうなんだ!実は私は猫舌だったんだ!いやーこのお茶アツイナー。ちょ、ちょっと熱を冷ましてくるな!」
 拓也に訊ねられたレイ脱兎のごとくその場から逃げ出してしまった。
 湯気の立っていない「熱い茶」の入ったティーカップを残して。
「変な奴だなぁ……。」
「ほんと、若いって良いわねぇ。」
 その後、レイが戻ってくるまでの間に拓也とニージェは互いの戦術や明日の大覇乱祭に備えて情報交換で盛り上がるのだが、戻って来たレイがその様子を見て硬直したりワンワン泣き出したり、更にそんな現場をレイのファンクラブメンバーに見つかって……と一波乱な様子があったが、それはまた別の話しである。


 ――女心とこの世界の空模様は、どうしてこれ程によく分からぬものなのだろうか。(クロムキャバリアの詩人『トーヘンボク』の言葉) 
大成功 🔵🔵🔵

川西・晴空
●POW

あの大戦を勝ち抜いた以上、祝賀の宴に招かれりゃ出ねぇ訳には行かねぇけどさ
会場に合わせて『米躯崘』でちっこくなってみたが、おいらはどうもこういう畏まった場ってのが苦手なんだよな
取り敢えず領主の顔を立てたら、こそっと抜けて市に繰り出すかね

はは、普段とは違う目線で祭りを目で楽しむのも良いもんだ
んー?
そこで蕎麦を手繰ってるのは…やっぱり、炉血斗示現流の師範代じゃねぇか
いやいや、そちらこそお見事なお手前で紙一重の勝利でござった
互いに健闘を称え合いながら、同郷の話にでも花を咲かせるかね
相も変わらず西はお公家に天子様、東は御家人と将軍様が関ヶ線を境界に小競り合いと睨めっこってな

お、この匂いは…牛と豚の丸焼きもやってんだ
親父、そいつを切り分けねぇで全部そのままくれ
へへ、明日は大仕事だからな
どいたどいた!
踏み潰されても知らねぇぞ!?
周りの人集りを払ったら、腹がふくれる元の姿に戻って肉山の前で胡坐をかこうじゃねぇか

さぁさぁ、皆の衆
藩王様と領主様より金子を賜ったおいらからのおだいじんだ
共に祝おうぜ!


●台所通りの大宴会

「ほぉう、つまり予選では身に直接武具を纏っていたという訳か。いやはや、猟兵とは何でもアリなのだなぁ……いや、引き留めて済まなかった。心ゆくまで楽しんでいってくれ。」
「あぁ、お殿様に言われるまでもねぇさ。」
 突然のカリバル3世との遭遇から怒涛の質問攻めに巻き込まれていた晴空は軽口をたたいてその背を見送りながら、内心は漸く解放された事に安堵していた。
 領主の主催ともなれば、やはりある程度の格式というものはついて回り、いかに無礼講が許されようとも堅苦しさは切っても切れぬ縁となる。
 それは生粋の戦場武者たる晴空の苦手とするものであった。
「さて…コバの領主様の顔も立てた事だし、俺も祭りに繰り出すとするかねぇ。」

「コバ名物ゾヌバーガー、ゾヌバーガーいらんかねー!ほっぺが落ちるほどうまいよー!ほんとだよー!」
「へいらっしゃい!チェストせんべい詰め放題やってるよぉ!」
 祝賀パーティーを後にした晴空が向かった先は食べ物屋台が軒を連ねるコバの台所、その名も「台所通り」であった。
「はは、普段とは違う目線で祭りを目で楽しむのも良いもんだ。」
 普段であれば見下ろす風景が米躯崘の力により「己の目線の高さで繰り広げられている」という事実は巨人である身には新鮮な感覚であり、普段なら気にも留めないような事ですら今の晴空にはどこか面白く見えていた。
 しかし米躯崘と言えど万能ではなく、巨人の姿に戻った際に満腹感が失せてしまうというのが晴空の悩みの種であった。
 故に(巨人基準で)ガッツリとした量を出してくれそうな店を物色していたのだが、そこで見知った後ろ姿――何本かは折れているものの、全身からロケットを生やした男の姿を晴空は見つけた。
「もしや伊房殿か?」
「うむ?」 

 「炉血斗示現流師範代」伊房秋水、予選敗退。
 付け加えてキャバリア大破に伴う撤去費用や最低限の可動状態を確保する為の修理費用捻出に伴い懐が寂しくなり、しかし腹はすくので…と蕎麦の屋台で一杯ひっかけていたのだ。
「改めて川西殿、予選突破お祝い申し上げる。我が渾身の一撃を破る見事なチェスト、感服いたした。」
「いやいや、そちらこそお見事なお手前で紙一重の勝利でござった。」
 一戦交えたとはいえ試合が終われば敵味方無しのノーサイド。日出国の武士として健闘し、鎬を削り合った互いを褒め称え合う光景はさながら旧知の仲、竹馬の友のようであった。

「そうか、未だ関ヶ線を境に睨みあっているのか……。」
「戦をおっぱじめた天子様も将軍様も代替えして隠居してるってのになぁ。」
 いつの間にか晴空と秋水は日出国の話題、いわゆる「地元トーク」に花を咲かせていた。日出国を離れた身と言え、故郷の話題となればやはり秋水も思いを馳せてしまうは人の性か。
「はいお待ちどう。」
「おっ、悪いな店主。」
 秋水の前に出されたのは何本目かの熱燗と練ったそば粉を餅状にした「そばがき」であった。
 蕎麦料理としては今日の「蕎麦」として知られるそば切りよりも歴史が古く、だが手軽さや食べ応えなどで未だ庶民の食事としてコバ領民からの支持は根強い。
「これを東国風のつゆにつけて食すのがまた旨いのだ。」
「なるほど……ん、この匂いは?」
 秋水のそば講座に耳を傾けていた晴空の嗅覚が反応する。匂いの元をたどると百数十機と並ぶ巨大な丸焼き機に固定され、クルクルと回転している牛肉、豚肉の塊があった。
「さぁさよってらっしゃいみてらっしゃい!これぞコバの祭りが心意気、シミャーズ名物『覇乱焼き』間もなく完成だよー!」
 『覇乱焼き』とは古く大戦に赴くシミャーズ戦士達が精を付けるために多種多様な香辛料、薬草を浸した薬液にぶち込んだ肉塊を焼いて食した事に由来する伝統料理であり、ただ丸焼きにしただけとは思えぬホロホロとした食感に独特なスパイシーさが国内外から絶大な評判を呼んでいることで知られる。
 例年、覇乱祭では地元商工会が観光客向けに提供を行っているのだが、この大規模な調理態勢からは今回の大覇乱祭へのかなり本気な意気込みが伺えるというものであった。

「また豪勢な……!」
「なぁるほど……ありゃ中々食いでがありそうだ。」
 これには秋水も開いた口が塞がらぬといった様子である一方、晴空は待っていたと言わんばかりの笑みを携え、覇乱焼きを取り仕切っている商工会長のもとを訪れた。
「おっ!兄ちゃんは予選会を突破した人だね!アンタも覇乱焼きを食べに来たんだろ?だったらもう少し待ってくんな!」
「あー親父、そいつを切り分けねぇで全部そのままくれ。」
「へぇっ?アンタまさか…こいつを丸呑みするってハラかい?」
「へへ、明日は大仕事だからな。まさかのまさかってやつさ。」
 そう言うと晴空の姿はみるみるうちに大きく…否、米躯崘の効力を断ち巨人本来の姿へと戻ったのだ。
 当然そんな光景を見て周囲からはざわめきの声が聞こえてくるし、商工会長もあんぐりと口を開けて固まっていた。
「あ、そうだ。ここの肉の代金はそこから持って行っておくれよ。それだけの金子だ、足りないって事にはならんよな?」
 晴空は予選突破の褒賞がチャージされたカードを商工会長に手渡す。我に返った商工会長は慣れた手つきでカードリーダーにそれを通し、その額にまた固まりそうになるが何とか踏みとどまる。
「全く恐れ入るよ……皆々様方ァ!お大尽様のご登場だ!腰を下ろす場所を確保したい故手伝ってもらえぬか!」
 商工会長が声を張り上げると、周囲からは大歓声が沸き上がり、すぐさま晴空が腰を下ろせるだけの場所が用意された。

 米躯崘の力で体験した祭りは晴空にとってまたと無い「非日常」であった。
 しかし腹が減っては戦は出来ぬ、流石の武士とて戦を前に腹を空かせて高楊枝とはいかぬのである。
 そしてその身は日出国の「鬼」と畏れ敬われる身。なればこそ、その役割を十分に果たす機会でもあった。
「さぁ皆の衆!藩王様と領主様より金子を賜ったおいらからのおだいじんだ!明日は遂に災厄チェストを迎え撃つ大覇乱祭!そいつを前に景気よく共に祝おうぜ!」

 ――おいらは十分に祭りの「非日常」を味わったぜ。
 だからお礼にここからは覇乱祭にとっての「非日常」を、祀られる鬼の日常をご覧に入れよう、と。
 肉の山に囲まれた中心で焼き立ての牛の丸焼きを掲げる晴空の言葉に続き、観衆の大喝采が台所通り中に響き渡る。
 コバの歴史における非日常性が最高潮に達した瞬間であった。
 その賑わいはコバの街中に伝播し、遂には街中から人々と飲食物が集まって来ての大騒ぎとなるコバ、いやシミャーズ史上最大級の大宴会となったのである。

 そして後にとある料理人と商工会長の「商工会長、備蓄の貯蔵は十分か?」「舐めるな若造、商工会の本気を見せちゃる」とのやり取りがこの夜を象徴する名言となって残ったという。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『チェストキャバリア』

POW ●ミスチェスト
【激しい無数のチェスト】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD ●フレンドリーチェスト
自身の【眉間】が輝く間、【チェスト】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ ●チェストミサイル
自身に【チェストの波動】をまとい、高速移動と【チェストによるチェスト】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠甘・エビです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大覇乱祭 合戦平野の戦い

 早朝、コバ領北部。
 朝靄の立ち込める合戦平野に大覇乱祭に参加するキャバリアが立ち並ぶ。

そしてその後方、ロクモン運河を背負うコバ領軍本陣には領主アカズマと秀武王カリバル3世、そしてシミャーズ戦士の精鋭駆るキャバリア軍団総勢六千が控える。

更にその後方、ロクモン運河を挟んだコバの街の周囲は防御タワーで囲われ、天険ドルバコ山脈中腹では山岳部隊の長距離狙撃砲『チェストバスター』三十門が合戦平野を見下ろしていた。

「……合戦平野北部センサー群に感あり!推定、キャバリア一機!」
「識別情報不明、しかし高エネルギー反応を確認!映像、来ますっ!」
 ついに姿を表すは一人の武者…否!否!
 おお、あれこそはっ……!
 シミャーズに生まれてあの姿を知らぬ者あらず!
 武に生きて彼の姿を知らぬ者あらず!
『チェエェストオオオオッ!!!』
 ――チェストキャバリアッッ!

「ついに来たか、災厄チェスト……!」
「やはりまたしてもチェストキャバリアでごわしたかッ!」
 災厄チェスト、もといチェストキャバリア接近の報にカリバル3世とアカズマが唸る。
 ついに伝説の大祭、大覇乱祭の正念場。
 国家の命運かけたる戦いを前に震えるは人の性、しかしそれは怖気ではなく……
「聞けぃ者共!此度の合戦はシミャーズの興廃を賭けたる大戦!先鋒こそ選りすぐりの猛者達が務めるが、この本陣こそは我らが国家の最後の盾である!故に各々、勇猛果敢なるシミャーズ戦士の名に恥じぬ戦働きを期待しているっ!」
 彼らがただの戦士、軍人であればこうは行かなかったであろう。
 彼らはシミャーズ戦士。戦に生き、戦に死ぬ。故に彼らの震えは死狂う戦士の興奮そのものなのだ。
「先ずは敵の出方を確かめるべし。無人キャバリア起動!先制チェストを仕掛けよ!」
 領主アカズマの号令により合戦平野両翼に伏せられていた無人機が起動し、チェストキャバリアへと一斉に斬りかかるッ!
『キャバリアァ…チェストオオッッ!』
 チェストキャバリアが吠えるっ!
 「キャバリアチェスト」とはっ!『キャバリアブッ殺せ』の意である!
 チェストキャバリアへと叩きつけられた斬撃は全てその装甲に止められ、チェストキャバリアは雄叫びを上げながら無人機を木っ端微塵に切り刻むッッ!
「無人機全てチェストされました!」
「敵ながらなんと見事なチェストかッッ!これが災厄チェストのチェスト……!」

 時を同じくして最前線、即ち猟兵達大覇乱祭の参加者達もその光景を目の当たりにしていた。
「恐ろしいまでのストロング・スタイル・チェスト……しかし我が盾も負けておらんよ…!」
「へっ!余裕ぶったチェストしやがるじゃねぇか、だがそいつが命取りになるって事を教えてやるぜ!」
「要するにこっちが手を出さなきゃ反撃のチェストをされないって事だろうけど……でもキャバリアである以上、人の手で止められるハズよね?」
 猟兵達と肩を並べた三人のパイロットも、やはりあの予選会を勝ち抜いた実力者であり、その様子は臨戦に相応しきものであった。

 これより先は生死とチェストの狂い咲き。
 古の屍山血河築きし合戦平野を舞台にシミャーズ史上最大の大戦。
 大覇乱祭、『災厄チェスト討ち祓い』の儀。
 ここに開始と相成った。

===========
《プレイングボーナス》
猟兵以外のキャバリアと連携し、チェストキャバリアの「反撃チェスト」に対処をする。
(注意:チェストキャバリアはどんな損傷を負っても必ず反撃チェストを放ってきます。)

・各行動に対応するNPC
POW:『黄金二頭鷲』猛将マルセロ
卓越した大盾の運用であらゆるチェストを受けきります。

SPD:『鉄腕』ボーノ・ボーノ
軽快な足捌きと高機動力であらゆるチェストを避けきります。

WIZ:『七海の歌姫』ニージェ・カイマン
サイキックと光学兵器の併用であらゆるチェストを寄せ付けません。(バリアやリフレクターなど)
===========
リューイン・ランサード
頑張って戦います…怖いけど。

マルセロ将軍にクローズ回線で、チェストキャバリアに痛撃を与えるので共に反撃チェストを防いでほしいとお願いする。

弩羅轟えもんを操縦して推力移動・空中戦にて軽快に空を舞い、上空からの攻撃狙い。
敵のUCによるチェスト攻撃は第六感と瞬間思考力で予測して、見切り・空中戦で回避するかビームシールド盾受けで受け流しつつ接近。
尚、最終防御にはオーラ防御展開。

光の属性攻撃をエネルギー充填し、弩羅轟えもんの両目より至近距離からの零距離射撃で収束型のUC:竜闘気波動砲を発射して貫通攻撃!

視界不良は仙術の千里眼でカバーし、反撃チェストをビームシールド盾受け。マルセロ将軍と協力して凌ぎます。


●チェスト一合目

『チェストオオオ!』
 戦場に響くチェストキャバリアの雄叫びは、並み居る強者達の心胆を寒からしめるに十分な気迫が籠っていた。
 しかしこの戦に参じた者達に恐れを抱く暇など無い。シミャーズ戦士であろうと、猟兵であろうと。
「とても怖いけど、あれを倒さないとコバの街が危ない……!」
 故にリューインは弩羅轟えもんの中で自らを奮い立たせた。するとその横に並ぶキャバリアがあった。
 古代ローマ軍団のケントゥリオンを彷彿とさせる白金の板金鎧を纏い、精巧緻密な装飾の施された黄金の剣と大盾を携える機体。そして盾の中央にはそのパイロットのトレードマークたる「黄金二頭鷲」のエンブレムがあった。
「マルセロ将軍!」
「見覚えのある背のキャバリアがアレに挑むように見えたものでね。邪魔でなければ加勢させていただくよ。」
 マルセロの表情は分からぬものの、しかしその声色は鉱石屋で聞いたものと同じ落ち着いたものであった。
「じ、邪魔だなんてとんでもないです!予選会であらゆるチェストを防ぎきった手腕、ご助力いただけるのであればこれほど心強いものはありません!」
「はっはっは、老兵の技術が役立つのであれば本望だよ。さて、君のプランを聞かせてもらおう。」
 ……
 …
「反撃のチェストに対するカウンターか……相分かった。では君に合わせて動くとしよう。」
「はい!よろしくお願いします!」
 リューインはマルセロと言葉を交わし、弩羅轟えもんを空中へと上げチェストキャバリアを攻撃圏内に捉える為接近する。
 対するチェストキャバリアは微動だにせぬ仁王立ち。しかし寸分の隙すらも伺わせぬ様子である。
 だが長距離戦となれば一振りの刀のみのチェストキャバリアに対してリューインに利があった。
「エネルギー充填120%・・・発射!」
 先制というアドバンテージを十分に生かした空中からの竜闘気波動砲による狙撃。まばゆい光が収束し空から地上へと突き刺さる。
「ぐっ……。」
 眩い光がリューインの視界を奪い、仙術による一時的な処置を行おうとしたその時だった。
『対空チェストオオオオ!』
「!?」
 耳をつんざかんばかりの掛け声を聞き、咄嗟にビームシールドを展開すると押しつぶされんばかりの衝撃に襲われるリューイン。
『チェストチェストチェストオオオオ!!!』
 あの極大威力の狙撃を受けたにも関わらず、チェストキャバリアは反撃チェストをリューインに食らわせるべく空中へと飛び上がって来たのだ。
「嘘でしょ!?……ぐぅうう!!」
 空中の利、狙撃の利が一気に崩され、しかも視界不良というハンデを負った状態でチェストの乱撃を受けねばならぬという窮地。
 頼りのビームシールドが何とか持ちこたえているが、チェストに破られぬ保証はない。
『キャバリア、チェストオオオ!』
 遂にシールドの守りが綻ぶ、その時だった。

「よく耐えたな、若者よ。」
 チェストキャバリアが刀を振り上げた瞬間、マルセロのキャバリアが割って入って来たのだ。
『チェストオ!』
「なんのォッ!」
 チェストキャバリアのチェストに合わせ、マルセロのキャバリアが背面スラスターを吹かし大盾を突き上げる。
 自然落下しながらチェストを放っていたチェストキャバリアは突然の衝撃にバランスを崩し、チェストの猛攻が阻止された。
「今だ若者!ヤツを吹き飛ばしてやれ!」
「っ!はい!」
 マルセロのキャバリアは大盾を突き上げた姿勢で上昇、対するチェストキャバリアはバランスを崩したまま背面から地面に向けて落下中。
 そしてリューインの弩羅轟えもんとチェストキャバリアの間を隔てる者は無く、またチェストキャバリアも反撃の余地を残していなかった。
 マルセロの齎したこのチャンスは逃せない。
 リューインはすぐさまハイパー・バスター・キャノンを起動させる。
「ありがとうございました将軍!」
 そしてマルセロへの感謝の言葉を述べながら、チェストキャバリアへ向け引き金を引くのであった。
成功 🔵🔵🔴

ベルト・ラムバルド
アドリブ上等

ぎぼぢわるい…飲みすぎた…おえっぷ…
…こんあに調子悪いぬに敵だと?卑怯者~!
何がチェストだ!返りチェストにしてやる!
ベルト・ラムバルド!出撃…おぇ…うぐ…

鉄腕ボーノと共闘

UCで二日酔いの症状を反射して敵にぶつけてやる!
二日酔いでボロボロになった敵の攻撃を落ち着いて回避
ボーノと共に攻撃を回避しながら二刀の剣振るい攻撃
二日酔いの不快感で攻撃鈍らせた相手の反撃チェストを避けて
反反撃チェストだ!!!
そして巨大槍を抜いてその眉間に串刺してやる!

どんな手段であろうと不意打ちであろうと勝つ…!
暗黒騎士アーサー卿…貴方の教えが役に立ちました…!
私はベルト・ラムバルド…暗黒騎士を継ぐものだぁッ!!!


●チェスト二合目

「う"ぉ"え"え"え"……あだまがガンガンずるぅ……」
「おいアンタ……大丈夫か?」
 案の定と言うべきか、今朝のベルトは絶賛二日酔いを引き起こしていた。
 しかも夜遅くまでアーサーと飲み歩いていたのだ。寝起きは当然最悪であり、なかなか寝床から出てこないので業を煮やしたシミャーズ戦士10人がかりでベットごと運び出し、パロメデスのコックピットに叩き込まれて今に至るのだ。
 戦場でとは言え、あの大悪党たる『鉄腕』ボーノ・ボーノが気を配るなど相当な事である。
『こちら観測班、チェストキャバリアがそちらに向かっている。至急迎撃されたし。』
「あにぃ!?…こんあに調子悪いぬに敵だと?卑怯者~!何がチェストだ!返りチェストにしてやる!ベルト・ラムバルド!出撃…おぇ…うぐ…」
「……締まらねぇなぁ。」
 まさにボーノの言葉通りであるが、こうしてベルトの大一番は幕を開けた。

『チェストオオ!』
「うるさああい!こっちは頭が痛いンだ!お前も二日酔いになれえええ!」
 猟兵の攻撃で叩き落されても未だ健在のチェストキャバリアに対し自業自得超絶バッドコンディションなベルトは雄叫びへのアンサーと言わんばかりの呪詛を吐き捨てると、輝かしく、しかしどこか禍々しいオーラをチェストキャバリアにぶつけた!
『チェストオオ!……オヴエエエエエ。』
 これもうカリスマとか関係なくただの瘴気だ。そんな瘴気(暗黒騎士のカリスマオーラ)に触れたチェストキャバリアは突如体を丸め口の部分から七色に光る物体を放出し始めた。
 これはきたない。絵が、光景が唯々きたない。
「だーはっはっはっはっは!どうだ恐れ入ったか!これぞ暗黒騎士の……あ、見てたら私も吐きそ……。」
「吐いてる場合かっ!何か知らんがヤツの調子がおかしい。叩き潰すなら今しかないだろが!」
「うぅ……。」
 そしてベルトもお約束と言わんばかりに貰い吐きしそうになっていた。

『チェス……ウオロロロ!』
「うわっバッチい。」
「キッタねえなオラぁ!」
 ベルトの謎オーラ攻撃をやはり攻撃と認識したのだろうチェストキャバリアは反撃チェストを繰り出してきた。
 しかしすこぶる大不調のようで、本来ならば一瞬九連撃も飛んできそうなところが、恐ろしい程にチェストに切れが無い。
 代わりに謎の吐しゃ……もとい「口から放出される七色に光る物体」がベルトとボーノ目掛けて飛んできていた。
 チェストはともかく、これはとにかくまき散らされるのでチェスト以上に回避が難しく、しかし汚れるというだけなので実質(精神的消耗を除き)無害であった。
 恐るべき二日酔いパワーである。そしてきたない。
「よくも俺のゲンコツ号(ボーノ・ボーノの搭乗機)を汚しやがって……ブッ潰したらぁ!」
 運悪くおっ被ってしまったボーノ・ボーノの怒りの鉄拳がチェストキャバリアの腹に決まる。
『オエエエエ』
「おえええじゃ、ねええええ!」
 そしておまけにもう一発!

「どんな手段であろうと不意打ちであろうと勝つ…!暗黒騎士アーサー卿…貴方の教えが役に立ちました…!私はベルト・ラムバルド…暗黒騎士を継ぐものだぁッ!!!」
 ――卑怯かどうかを決めるは勝者の特権じゃ。
 そう、倒さねばならぬ相手がいるならば手段を選んでいる暇など無い。
 負ければ、死んでしまえば口無しである。
 ならば、だからこそ暗黒騎士は手段ではなく、勝ち方で正道を語るのだ。

 ボーノが作り出したスキを狙い、ベルトは構えた巨大槍をチェストキャバリアの眉間に突き立てるのであった。
大成功 🔵🔵🔵

榊・ポポ
またお前かッ!二度ある事は三度あるよねッ!

必ず反撃チェストだって?!
調整していないクソ高難易度CPUあるある、コマンド入力探知した瞬間有利な技出して潰してくるアレ?
でもこっちはタッグトーナメント式だし?2P使って反撃潰し出来るんじゃね?
先ずは置きチェストであえて先に反撃させる!
デキるロボ子の☆ダッシュからのー中段テレフォンパンチ!
はい来た!反撃来たよ!
それをニージェのバーリアー!で弾き返す!
攻撃を弾いたら相手は硬直する!
10フレームもあれば十分よぉ!
ガード出来ない所に☆瞬間思考力の頭で動かすぞうのガチャプカウンター攻撃入れる!
最後はチェスト出来ない遠距離からのポチっとな!


●チェスト三合目

「またお前かッ!二度ある事は三度あるよねッ!」
「ポポちゃん、アレのこと知ってるの?」
「トンチキ西郷どん!」
「誰それ超ウケるー。」
 対チェストキャバリア戦経験者のポポちゃんはニージェと一緒に迎撃に当たっていた。
「それでね!最後はイズナ落としでトドメをさした!」
「まるでゲームじゃない!?」
「格ゲーは死にゲーより得意だかんね!という訳でキャオラァ!」
 かるかんが詰まっているできる子ロボ、チェストキャバリア目掛けて走り出し――見え見えのテレフォンパンチを繰り出す!
 なおテレフォンパンチとは殴りかかる挙動が受話器を持ちあげ耳に当てる動作に似てるのでついた名称らしいぞ!

「立ちPで牽制してぇー……『カカポチェストオ"オ"!』ハイ来た!反撃チェスト来たよ!ってか反応早過ぎィ!未調整かな?」
 確かに自発的に攻撃してくる系のボスだったらクソボス間違いなし。
 10割コンボやバスケとかではなく通常攻撃がスパアマ、ガード不可、一撃10割とかいうクソ仕様こそが災厄チェスト・チェストキャバリアの個性である。
 今回は反撃チェストという縛り仕様が付いているため対策できれば割と戦いやすいのだ。

「という訳でニージェちゃんお願いします!」
「とっくに済ませてるわよー!」
「ナイスゥ!一方的に殴られるタッグ方式の怖さを思い知らせてやろー!」
 チェストキャバリアの胸部装甲下から放たれる無数のチェストミサイルによる零距離射撃。しかも発生が当身技めいているので最悪初見殺しといっても過言ではない。
 しかしニージェが展開したバリアができる子ロボとかるかんをミサイルの脅威から守護る!
 そしてこうした大技には「硬直」がつきものであることをポポちゃんは知っていた!

「10フレームもあればこっちのもんよぉ!」
 一気に慌ただしくなるポポちゃんのアケコンもとい操縦桿。
 一見レバガチャであるができる子ロボのしゃがみ弱パンチから繋げれらてゆく技は正にコンボのそれであり、
「締めのコマ投げで距離とってからのぉ……しゃあっ 理不尽起爆!――ポチっ、とな。」
 しっかりチェストキャバリアの体力を削りつつ、謎のスイッチによる多段ヒット爆破技というオーバーキル気味な大技で決めていく綺麗な勝ち方を演出するのであった。
「なんたるエンターテイナー気質!ポポちゃん……恐ろしい子!」
 そしてニージェはそんなポポちゃんの戦いを見て戦慄し、某少女漫画みたいな顔になっていたという。
大成功 🔵🔵🔵

川西・晴空
●WIZ

勝敗は兵家の常
屍を晒そうがそれも誉れな鬨の声ってかい
にしても、厄災チェストっと畏れられるだけあって腹の底まで響きそうな気合いだ
面を被ってっから誰も分かんねぇだろうけどよぉ…きっと満面の笑みって奴になってんだろうな?

反撃のチェストされるなら、される前に斬れば良いこと
噴射筒を全開に縮地って、一気に斬り抜く…ッ!?
何だよ、この眼力と気迫はよ?
一瞬、ブルっちまったじゃねぇか
歌姫の助けがなけりゃ…今頃おいらは唐竹割りだ

へ…へへ、そうこなくちゃ面白くねぇ!!

…秋水の旦那、あんたの炉血斗示現流と太刀筋をちっとばかし借りるぜ?
目には目、刃には刃
チェストにはチェスト!

とくと見よ!
日出武者のチェストをよ!


●チェスト五合目

「勝敗は兵家の常。屍を晒そうがそれも誉れな鬨の声ってかい。」
 頭から足まで武具甲冑を纏い、得物を担ぐ晴空は雄叫びを上げるチェストキャバリアを見据える。
 腹の底まで響きそうな気合いに、反撃チェストの技の冴え。
 戦場の鬼武者として畏れられる身ではあるが、チェストキャバリアは修羅の如き。いや修羅そのものか。
 どうしてこれほどの強敵に昂らぬ武者があろうか。
 鎧における面具とは防具であると同時に戦場での「仮面」であるという。
 なれば晴空の牙をむいた鬼の如き容貌の面具は、正に晴空の大戦への昂ぶりを表わしていると言ってよいだろう。

(反撃チェストが筆舌に尽くし難き強撃とは言え、後手の技。ならば反撃される前に勝負を決めれば良いだけのこと。)
 ずぁっ、と得物を抜き放ち甲冑に仕込まれた噴射筒に火を入れチェストキャバリアとの間合いを一気に詰める。
 そして一刀両断するべく柄を握る手に力を込めた瞬間――、チェストキャバリアの眼が見開かれた。
「うっ!?」
 蛇に睨まれた蛙とはよく言ったもの、余りの気迫に必殺の間合いであるというのに身動きが取れなくなる晴空。

「あの感覚は我が予選会に川西殿に受けた感覚に近い――!迷わば死ぞ、川西殿っ!」
 コバの街中、合戦平野の中継映像を見ながら伊房秋水が叫ぶ。

「――りゃあっ!」
『チェストオオ!』
 迷わば死。わかっていようと本能的を押し殺したが如き一刀はチェストキャバリアの装甲を霞める不発に終わり、対するチェストキャバリアは万全を期した必殺の反撃チェストを放つ。
 気迫にてこれほどか!と晴空は己が命運の尽きを覚悟する。
「九死に一生を得たわね、サムライさん?」
しかしそれを防ぐものがあった。ニージェの展開したバリアである。すかさず飛び退きチェストキャバリアと距離を取った晴空はニージェに感謝の意を伝えた。
「すまねぇ歌姫さん!アンタの助けが無けりゃあ脳天をカチ割られてるところだった!」
 そして仕切り直しだと言わんばかりに剣を構える晴空。
 僅かとはいえ臨死の淵に見えた。常人であれば耐えられないであろうそれは、しかし生粋の戦士「武士」に生きる晴空には僥倖。
 今生に何度と見える事があろうかという強敵とのめぐりあわせに、思わず笑みをこぼすのであった。
「へ…へへ、そうこなくちゃ面白くねぇ!!…秋水の旦那、あんたの炉血斗示現流と太刀筋をちっとばかし借りるぜ?」

「ぬぅっ!?あの剣は!いや、まさか!そんなことがあってよいのか!?」
「急にどうした伊房!?」
 秋水の突然の狼狽に武術仲間が驚きの声を上げる。
「あれこそは炉血斗示現流が必勝の魔剣、『亜葬炉』なり!」
「なにっ」
「川西殿、まさか予選会のあの一度にて我が炉血斗示現流をものにしたというのか――!?」

 魔剣『亜葬炉(あぽろ)』。
 傍流剣術、炉血斗示現流の奥義が一つ。
 その最速、強烈無比なる初太刀の極みは遠く空の月をも割る飛び斬撃と化す。
(伊房秋水著『指南・炉血斗示現流』より)

「目には目、刃には刃、チェストにはチェスト!」
 先刻とは異なり晴空とチェストキャバリアの間合いは開いたまま。噴射筒もほのかに火を宿らせるのみ。
 互いに間合いの外、尋常なる剣の理の外。
 これにて死合が成せるのか。
 成せる、成せるのだ。
 尋常の外、命のやり取りの極致であるがゆえに――!

「とくと見よ!日出武者のチェストをよ!」
 次の瞬間、噴射筒から最大出力のジェットを放ち晴空は剣を振りかぶり、そして生じたジェット気流を刀身に纏わせると大上段から振り抜いた。
 直後、合戦平野全域に強烈な破裂音が鳴り響き、晴空の振った剣から放たれた斬撃がチェストキャバリアの強固な装甲を断ち斬った。

 炉血斗示現流・亜葬炉、その技の極みが流派の門外にて実践されたのであった。
大成功 🔵🔵🔵

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

さあて、いつぞやの撮影現場とはまた違う、
災厄打ち払う大一番って訳か。
一宿一飯……いやまぁ、宿は一緒にしてねぇけどさ。
同じモン食って、一緒に並んで喧嘩したんだ。
ボーノ兄さんよ、アタシが合わせる!
どデカいチェスト、ブチ込もうじゃないのさ!

『鉄腕』の旦那と一緒に、
ローラー『ダッシュ』で戦場を駆け抜ける。
その間にEinherjarを射出、チェストキャバリアを釘付けにする『制圧射撃』で足を止め、
2~3発ブラスターの『マヒ攻撃』で鈍らせたらステゴロの時間だよ!

ボーノ兄さんと一緒に間合いを詰め、信地旋回で回避をしつつラッシュを仕掛け。
投げ上げからのダブルアッパーで仕留めに行くよ!


●チェスト六合目

「さあて、いつぞやの撮影現場とはまた違う、災厄打ち払う大一番って訳か。」
 多喜にとって、シミャーズ藩国におけるチェストキャバリアとの戦いは二度目である。
 だからであろうか。チェストキャバリアの雄叫びに動じる事なく、自然体でありながらも気合いは他の誰よりも人一倍のモノがあった。
「よォ姉ちゃん、随分気合が入ってるじゃねぇか。」
 そんな多喜に近づいてきたのは『鉄腕』ボーノ・ボーノ駆る徒手空拳のキャバリア「ゲンコツ号」。
 全体的に丸みを帯びたフォルムはさながら筋肉ダルマといった所か。
「まぁね、強敵との戦いはいつもこうさ。」
「……ハハハッ!言うじゃねぇか!昨日の喧嘩もそうだが中々肝のある女だなアンタ!」
 愉快だとばかりに笑うボーノ。そしてゲンコツ号の両拳を合わせ戦闘態勢に入った。
「で?ここに出てきたってことは腹ぁ決めたって事か?」
 ボーノの問いに多喜もOveredの両腕からサイオニッククローを展開し構えて答える。
「あぁ、同じモン食って、一緒に並んで喧嘩した仲だ。ボーノの旦那、奴さんにどデカいチェストをブチ込もうじゃないのさ!」

 Overedとゲンコツ号が同時に飛び出す。目指す先にはチェストキャバリア。
「よし、まずは軽くアイサツと行こうか!頼んだぜ多喜よォ!」
「合点!」
 ボーノの合図と同時に多喜は3基のフローティングシールド「Einherjar」を射出し、チェストキャバリアを包囲するように展開した。
 そしてEinherjarに仕込まれたレーザーの射程にチェストキャバリアを捉えるとすぐさま3基からのレーザー同時照射をして先制打とする。
『チェストオオ!』
 レーザーに焼かれながらチェストキャバリアが吠え刀を振り上げる。
「反撃チェスト来るよ!」
「しゃあっ!『鉄腕』の早業、拝ませてやるぜっ!」

 反撃チェスト、一振りでEinherjar3基全てを叩き落とし、返す刀で多喜とボーノを捉え横一閃に薙ぎ払う。
「おっと危ねぇ!」
 流石は機関銃相手に殴りかかると言われるだけあり、ボーノは敢えてゲンコツ号を反撃チェストの横薙ぎをダッキングで掻い潜り、
「アタシだって負けてらんないよっ!」
 多喜は瞬時にその場で脚部左右のキャタピラを互いに逆方向に回す超信地旋回で舞うが如く横一閃の切っ先を躱す。
 そして反撃チェストに対する反撃と言わんばかりにブラスターを抜き、無防備なチェストキャバリアを撃ち抜いた。
『………!』
「よっしゃあ、大当たり!」
「そんじゃあここからはステゴロ・タイムだ!遅れンなよ多喜!」
 ブラスターの近接射撃にバランスを崩したチェストキャバリアに肉薄した多喜とボーノ。
 超近接格闘を得意とするこの二人が、この距離でやることはただ一つ。
「「オラオラオラオラ!」」
 ただひたすら殴りまくり、
「次がフィニッシュブローだ、ボーノの旦那ァ!」
「来やれやぁ!」
 多喜がサイオニッククローの先端を引っ掛けるようにチェストキャバリアを投げ上げ、
「「――チェストォ!」」
 落ちてきたところを二人同時にチェストキャバリアの顎を目掛けてアッパーで撃ち抜いた。
大成功 🔵🔵🔵

ルルティア・サーゲイト
「お主のチェストはチェストにあらず。一撃で勝負すると決めたなら一撃で断ち切るべし。十発も百発も打たずに腹を切れ」
 妾も久々にこの技が使えるようになった以上、チェストするならこの一撃で勝負を決めるのみよ。
 迫り来るチェストをダイ・ルルティアの大鎌で受け流し、受け流す勢いも用いて大鎌を加速させていく。闘気を高め、全てをただ一撃のチェストに収束し跳ぶ!
「この刃、冥王の鎌にして武神の一撃なり……冥王、武神斬ッ!」
 闘気で成形した漆黒の巨大鎌を振り下ろす! 存在する空間ごと叩き斬る一撃。受け止める事は不可能じゃ。
「妾に断てぬ物、あるならば持って来るがよい」


●チェスト七合目

 その光景は大覇乱祭に見えた者達を驚愕させた。
 反撃チェストに専念していたチェストキャバリアが先に動いたからであった。
 片手に刀を構え、一歩また一歩と進む先にはルルティア駆る「ダイ・ルルティア」の姿。
「ほう、妾の発した気を攻撃と受け取ったか。面白い、ならば真っ向勝負と洒落込むとするかのぅ。」
 しゃらりと大鎌を構えるルルティア、迫りくるチェストキャバリアに対しその場から一歩も動かず。
 動けぬではなく、動かぬのだ。
 根を深く張る巨木が風や水に押し倒されぬが如く、王者が王座を占有するが如く。
 そこにある事が当たり前であるという様に。

『チェストオオオオ!』
 チェストキャバリアが吠え、構えた刀を振り回し一気に間合いを詰めてきた。
 一見して我武者羅剣法、しかしその一つ一つが精鋭シミャーズ戦士の練り上げた必殺の一撃に匹敵するチェストの連撃である。
 正に暴力の嵐。しかしルルティアはこれを前にしてため息をついた。
「……お主のチェストはチェストにあらず。一撃で勝負すると決めたなら一撃で断ち切るべし。」
 チェストキャバリアに向けるは、いうなれば武の在り様。
 武とは即ち命のやり取り、死狂いである。
 なればそこに傾奇や数寄の入る余地はなく、更に言えばシミャーズ戦士の一撃必殺の美学を貶めるが如き連撃とは「過ぎたるチェスト」であり及ばざるが如し。
「……凶殲姫のチェストを知るが良い。」
 故に教育してやろうというのだ。

『チェストチェストチェストオオオオ!』
 チェストキャバリアの連撃チェストが、その進路上の一切合切を吹き飛ばす。
 青く茂った草花、土に石、朝露の一滴までも。
 しかしルルティアは動じず。ただひたすらに待つ。
『チェストオオオ!』
 そして互いの間合いまであと僅かを連撃チェストの初太刀が掠めかけた瞬間。
「この刃、冥王の鎌にして武神の一撃なり……冥王、武神斬ッ!」
 合戦平野に紫電が一閃。チェストの連撃を消し飛ばし、チェストキャバリアの胴を割る。
『オ、オオオォ……』
「妾に断てぬ物、あるならば持って来るがよい」
 チェストキャバリアが力無き声を上げ、その背後ではダイ・ルルティアが振り抜いた大鎌を手に背を向けていた。
 誰の目に見ても明らかである。
 ルルティアの冥王武神斬(チェスト)がチェストキャバリアを刈ったのだ。

『……ォォオオオオ!』
「なにっ!?」
 しかしチェストキャバリア、ただのキャバリアに非ず。災厄チェストなり。
 冥王武神斬にて闘気を使い果たしたルルティアは背後のチェストキャバリアを見やると、そこにはどす黒い靄の中に消えゆくチェストキャバリアの後姿があった。
 そして靄が次第に消えゆく中、残されたのはルルティアと、未だ響くチェストキャバリアの雄叫びだけであった。
成功 🔵🔵🔴

フィオナ・ウンベカント
あれが厄災チェスト…
頭数を揃えただけじゃあ足止めにもならないとは、恐ろしいチェストだ
今更だけど、国を挙げての盛大な祭りになるのもよくわかったよ

ボーノ・ボーノ、昨日はあんな事を言っていたが、あいにくぼく達は逃げるつもりはない。
けれどそのチェスト、当てにしているよ。
念動流星撃で突っ込むのと同時にボーノにも攻撃して貰ってターゲットの分散を狙い、念動力で押さえつけて反撃の太刀筋を鈍らせたり、衝撃波で弾き飛ばす。
これでボーノの腕なら躱すのは難しくなくなる筈だ。

いかに伝説の存在といえど、あれほどの連続チェストを放ったなら反動もあるだろう。
その瞬間を見逃さず、こちらの渾身のチェストを叩き込んでやる!


●チェスト八合目

「頭数を揃えただけじゃあ足止めにもならないとは、厄災チェストと言われるだけはある。」
「全くだ、俺らで止められなきゃ後ろの本陣連中やドルバコの砲陣地だろうとヤツを止められねぇ。間違いなくシミャーズは終わっちまう。」
 チェストキャバリアを前に並び立つはフィオナのジークヴァルトとボーノのゲンコツ号。
 昨日の喧嘩の様子からは想像できない程に悲観論者めいた悪態をつくボーノに対してフィオナは告げる。
「ボーノ・ボーノ、昨日はあんな事を言っていたが、あいにくぼく達は逃げるつもりはない。この場に立った以上、大覇乱祭の主役としての役目はキッチリ果たすつもりだ。」
「……。」
 ボーノは無言でフィオナの言葉に耳を傾ける。
「けれどそのチェスト、当てにしているよ。」
「……へっ!だったら俺の足を引っ張ってくれるなよ!」
 準備万端だとばかりにファイティングポーズを取るボーノのゲンコツ号、やはり大悪党とは言え国を憂う心を持つのだろうか。
 否、ここに立つは大悪党にして国一番のシミャーズ戦士、『鉄腕』ボーノ・ボーノである。

「それじゃあ……行くよっ!」
「応っ!」
 チェストキャバリアを目の前に並び立ったジークヴァルトとゲンコツ号、フィオナの合図で左右に分かれて飛び出した。
 速さであればフィオナが上か、最初にチェストキャバリアへ一撃を入れたのはジークヴァルトであった。
『チェス……ッ!?』
「よそ見してんじゃねぇや!」
 チェストキャバリアはジークヴァルトに反撃チェストを打とうとするも、ゲンコツ号のラビットパンチ――頸椎部への強打によろめくチェストキャバリア。
『チェ、ス……トオオ!』
 しかし超常たる災厄チェストの回復力はすさまじく、振り向き様にその間合いから離脱しようとするゲンコツ号目掛けてチェストを放った。
「くっ……!」
 予選会では並み居る強豪達のチェストを拳闘由来の回避技術で避けてきたボーノであったが、チェストキャバリア相手に危なげなくとはいかず、無数に飛んでくるチェストを紙一重での回避を強いられる。
 そしてそれを見越してかの折り返しチェストにボーノ危うし、と誰もが思った最中、
「隙ありっ!」
 側面から飛んできたフィオナのチェストがチェストキャバリアを貫いた。先の一撃の後、速度を緩めることなく反転しての追撃である。
 しかも今度は予選会で用いたサイキックエナジーをチェストキャバリアに流し込む、対チェストキャバリア特注仕様のチェストである。
 完全に動きを止められずとも、太刀筋に至るまでが暫く鈍る事であろう。
「――!嬢ちゃん、もう一撃だ!ヤツの脇腹を狙ってくれ!」
 それはボーノの拳闘家としての勘であった。拳闘、またはボクシングにおいてボディブローは相手のスタミナを奪うと同時に肝臓や鳩尾と言った急所を直接攻撃する技術である。
 そしてそれはキャバリアにおいては分厚い正面装甲を回避し、比較的装甲の薄い箇所を強襲することに等しかった。
「わかった!」
 ボーノの狙いを瞬時に理解したフィオナは三度目の突撃を敢行する。
 狙うはチェストキャバリアの右脇腹。
『チェストオオオ!』
 対するチェストキャバリアも雄たけびを上げながら刀をブン回すがいまだ動きは緩慢で、

「「遅いッッ!!」」

 フィオナ、ボーノの両名はチェストの乱撃を掻い潜り、

「「チェストォッ!」」

 ここで全てを終わらす勢いの気迫と共に渾身のチェストをブチ込んだのであった。
大成功 🔵🔵🔵

防人・拓也
ニージェと連携。
「…あのシステムを使うか」
と言う。システムの事を聞かれたら
「機体の性能を引き上げつつ、未来予測する物だ。だが、リスクが高すぎて、限度を誤れば廃人か死人のどっちかになる」
と説明。
一度深呼吸し、システムを起動。
起動時に自身の脳内に敵との戦闘に関するあらゆる情報が流れ込む。
「ぐっ…あああぁぁぁ!!」
あまりの情報量で頭に激痛が走り、苦しみながら意識を失いそうになるが
「…どこだ。俺が求める未来は…!!」
絶対に皆を守るという信念で意識を保ちつつ、最善の未来を見つけ出す。
「…見えた。勝利への軌跡が!」
とスラスターを噴かして敵に接近しながらマシンキャノンを発射。注意をこちらに向ける。
反撃のチェストが来たら、ニージェにバリアで攻撃を防ぐように指示。
隙ができた敵の両足を狙って
「ターゲット、ロックオン。出力25%。攻撃開始!」
とネオツインバスターライフルを発射。敵が体勢を崩したら
「出力50%に修正。これで終わりだ!」
とダメ押しに発射。
その後、距離をとってシステムを切り、気を失う。
アドリブ可。


●チェスト 九合目

 災厄チェストとは、チェストキャバリアとは鬼神である。
 その身に幾重のチェストを受け、矢を受け槍を受け、しかしその猛威おさまる所を知らず。
 故に災厄チェストを討つという行為は、時に人たる限界を越えねばならぬのだ。

「…あのシステムを使うか。」
「どうやら隠し玉を持っているみたいな口振りじゃない、拓也?」
「消耗だ何だと気にしてる状況じゃなくなったってだけだ。」
 チェストキャバリアを前にして小手先の戦いは通じないと判断した拓也と、それに興味を示すニージェ。
 拓也は少し考え、そして口を開いた。
「……簡単に言えばドーピングだ。」
「ドーピング?」
「機体の性能を引き上げつつ、未来予測を可能とするこのキャバリアの能力だ。だが限度を誤れば廃人か死人のどっちかになる。あの反撃に対処するには『先の先』を読むしかない。」
「なるほどねぇ、向こうは攻撃を全部受けちゃうから……って考えれば妥当か。でも読み切る自信がある以上死ぬつもりなんて無いんでしょう?」
「あぁ、そのつもりだ。」
「だったらわざわざリスクの話しなんてしないの。あなたを待っていてくれる子だっているんだから死亡フラグなんて立てちゃダメよ?」
「待っている……?待て、何の話だ?」
「自分で考えなさいな、イケメンくん♡」
 ニージェの忠告に首をかしげ、そして戦闘へと思考を切り替える拓也。
 たった一回こっきりのチャンス、勝負、生死の狭間。
 人間は、兵士は機械のように振る舞えても機械にはなれない。
 蝶の羽ばたきが遠く異国の地で竜巻生むように、僅かな心の揺れが結果を大きく変えるからだ。
 だから心を限界まで押さえつける、平静を装う他ない。
 拓也は数度の深呼吸をし――、そして『隠し玉』を起動させた。

『REAPER ZERO SYSTEM、Standby!』
 ――弾幕の中を突き進んでくる鬼神。
 ――――煌めく剣閃。
 ――――――無惨、無惨。無惨に次ぐ無惨。無惨無惨無惨な結末。
 そして数多の無惨なる未来の僅かな隙に垣間見えた綻びこそが、今求める答え『先の先』であった。

『チェストオオ!』
 リーパーゼロの胸部マシンキャノンが火を噴きチェストキャバリアの装甲を砕き、それに呼応するように剣を振り上げだっ、と間合いを詰めてくるチェストキャバリア。
 対するリーパーゼロはなおも射撃を続けるがチェストキャバリアの吶喊を阻止すること叶わず、徐々に間合いが狭まる。
 大地を揺らす踏み込みと共に煌めく剣閃が死神を捉える。
「……!ニー、ジェっ!」
『チェストオオオ!』
 正に紙一重、間一髪。
 先の先を読み切った拓也の合図は正しくニージェに伝わり、斬撃とリーパーゼロの間に生じるエネルギー波が両者を隔離した。
「……どうやら間に合ったみたいね?」
「読み……切ったんだ……当然だ、ろ……!」
 脳が焼き切れそうな痛みに蝕まれも何とか軽口を叩き、チェストキャバリアの足元にネオツインバスターライフルを撃ち込む。
『オオオオ!』
「出力……50%に修正……。これで、終わりだっ……!」
 踏ん張りがきかず体勢を崩すチェストキャバリア。魔剣の連撃が途絶え、そして死神の鎌が鬼神を捉えた。
 拓也は確かに引き金を引き絞り、モニターの中で徐々に敵の反応が消失していくのを確認すると意識を手放した。


●大覇乱祭 終幕

「参加者のチェスト、全てが災厄チェストに有効打(グッドチェスト)!」
「災厄チェスト、反応消失(チェストロスト)していきます!」
 コバ領軍本陣に次々と届く観測班の報告に沸き上がるシミャーズ戦士達。
「藩王様……!」
「あぁ……やりおった!やりおったのだな!彼らは!」
 アカズマとカリバル三世もその報告に声を震わせ喜びの声を上げる。
 猟兵と、現地の猛者達による対災厄チェスト、オブリビオンマシン「チェストキャバリア」との戦いは成功に終わった。
 撃ち、斬り、突き、打ち……。
 あらゆるチェストによる祓いの後、チェストキャバリアはその身から炎を立ち昇らせ、一陣の風と共に塵と化し消えていった。
 それは災厄と呼ばれる存在の末路に相応しく、本陣から遠くドルバコ山脈の砲陣地に至るまでその結末を見届けたあらゆる人々が勝鬨を上げていた。

「――只今を持って、大覇乱祭すべての儀の完了を宣言するッッ!」
 そして大歓声の中、感涙を堪えながらアカズマが終了宣言を発し、大覇乱祭は幕を閉じた。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2022年05月15日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴