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我が子よ、ママは――

#サイバーザナドゥ #アンゼンヤ

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「あっ、どうもありがとうございますぅ」
 声をかけて集まってきてくれた君たちへカレン・ソウゲツ(サイボーグのハイウェイスター・f36589)は礼を口にすると、サイバーザナドゥの世界で一人の人物が復讐を試みようとしていることを明かした。
「そのひとはぁ、ワールドハッカーさんでもあるんですけどぉ」
 その若干ぽっちゃり目の女性はクリエイターでもあって、自立するAIプログラムから果てはバーチャルキャラクターまでいろいろ作成を手掛ける人物でもあるらしい。
「ただ、このひとが新しいバーチャルキャラクターを作ってた時のことなんですけどぉ」
 とあるメガコーポの傀儡となったオブリビオンの警官が邪魔者となる人物を強行逮捕しようとした折に、流れ弾がバーチャルキャラクターを作成中の機械を破損させてしまったらしい。
「誕生間近だったキャラクターのデーターは壊れてしまって、ワールドハッカーさんは生まれる筈だった我が子、バーチャルキャラクターさんの仇を取るためにその警官を狙っているようなんですよぅ」
 ただ、その復讐はうまくゆかずこのままでは件のワールドハッカーは返りうちにあって命を落としてしまうとのこと。
「襲撃を予測していたのかそれとも警官としてのお勤めなのかはわからないですけどぉ、ヤクザさんたちが抗争を行った場所を通りかかるみたいで――」
 抗争に利用されたと思しき地雷やブービートラップが未だ残る危険な場所を通り抜けねば仇の傀儡警官と相まみえることも能わないのだとか。
「思いとどまってもらうのか、仇討ちを手伝うことにするかとかはみなさんにお任せしますぅ。ただぁ」
 まずは問題の人物に接触する必要があり。
「ワールドハッカーさんはお家にこもってのお仕事が多くて、ご飯は良く出前とかを頼んでるみたいなんですよぅ」
 このため、お昼時などに配達の人物が玄関口に立てば普段自宅にこもってるかのワールドハッカーも顔を出すのだそうだ。
「そこで、玄関口に出てきた時にみなさんも出前を頼んでいればぁ親近感がわいてすぐ打ち解けられると思うんですよぉ」
 サイバーニンジャが配達してくれるデリバリーサービスで注文したものを一緒に食べつつまずは交流を図る。復讐を思いとどまらせるか、逆に後押しするかは君たち次第だ。
「ごはんが終われば、ヤクザさんたちの抗争あとに直行ですねぇ」
 討つべき相手はその先だ。首尾よく突破すれば、あとはメガコーポの傀儡であるオブリビオン警官をやっつけるだけである。
「んと、そのワールドハッカーさんもメガコーポの犠牲者って言っても過言じゃないと思いますしぃ」
 生まれることの叶わなかったバーチャルキャラクターさんの為にもよろしくお願いしますぅとカレンは素の口調で君たちに頭を下げたのだった。


聖山 葵
 こう、クリエイターにとって製作したキャラクターとか子供みたいなものですよね?

 という訳で、今回はとあるワールドハッカーが仇討ちで返り討ちに合うのを防ぎつつ仇であるオブリビオンを倒していただくお話となっております。

 では、ご参加お待ちしておりますね。
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第1章 日常 『ニンジャ・デリバリーを頼もう。』

POW   :    天然養殖マグロのスシを頼んでみた

SPD   :    絶対安全馬刺しの盛り合わせを頼んだ

WIZ   :    ダイナミック=ウマイ=ピザを受け取って食べる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

モルツクルス・ゼーレヴェックス
「んー……」
今回の1件、お救いしたいのはたったの二人
とても難しいっすけども駄目でもともと
これでも魔法使いの端くれっすから
「ビビデバビデブーのチチンプイプイっす」



「おや、貴女もお昼っすか、奇遇っすねえ」
安心させるように、警戒を溶かすように
ピザを受け取りながらしっかりアイサツ
礼儀作法と演技力は大事だって古事記にも書いてあるとかいないとか
「おっと話し込んじゃったっすね、立ち話もなんっすし、不躾っすけどもお昼を一緒にどうっすか?」

おっとご安心ください、ナンパじゃないっすこれが彼女っすとミレナリィドール女子の画像でオタク親近感を買い

「何やら思い詰めてるっすねえ」
どうにか件の端末を見せてもらいハードを戻す



「んー……」
 転送された場所から歩き出しつつ、モルツクルス・ゼーレヴェックス(素敵魔術師・f10673)は唸った。事情はグリモア猟兵から聞かされており。
「お救いしたい」
 そう思った人物は、たったの二人。とは言え自身の力でなせるかと言うととても難しくて。
「ビビデバビデブーのチチンプイプイっす」
 可能性はある、加えてモルツクルスは魔法使いなのだ。自負を呪文の形で口の端に乗せ、駄目でもともとと難事に乗り出す決意に変え。
「さてと、お次はアレっすね」
 空を仰ぐと、出前を頼む。スゴイハヤイと評判のサイバーニンジャが届けてくれる画期的サービスだ。
「ドーモ。オキャク=サン。ニンジャデリバリーです」
「早ッ?! いや、聞いてはいたっすけど」
 ニンジャのワザマエに思わず目を見張るモルツクルスの前で、近くの家の戸が開き。
「……はい」
 顔を見せたややふくよかな女性にニンジャはご注文のシナですとスシを差し出して。
「おや、貴女もお昼っすか、奇遇っすねえ。自分はモルツクルスっす」
 ニンジャの側に居て女性と目の合ったモルツクルスは、今度こそニンジャからダイナミック=ウマイ=ピザを受け取り、女性へアイサツする。礼儀作法と演技力は大事だって古事記にも書いてあるとかいないとか。ならば挨拶しないのはスゴイシツレイにあたるのであろう。
「あ、えっと……Cと名乗ってます」
 おどおどとそう女性が名乗ったのは、クリエイターとしての名前だそうで。安心させるよう笑顔で話し続けていれば、女性はキャメルと言う本名も口にして。
「おっと話し込んじゃったっすね、立ち話もなんっすし、不躾っすけどもお昼を一緒にどうっすか?」
 ちょうど今気が付いたというようなリアクションで促し。
「おっとご安心ください、ナンパじゃないっすこれが彼女っす」
「アッハイ」
 畳みかけるようにミレナリィドール女子の画像をモルツクルスが見せると、キャメルはぎこちなく返事を返してからどうぞと家の中へモルツクルスを招き入れる。
「そのピザも温め直した方が良いでしょうし」
「あ、申し訳ないっす」
 気遣いに恐縮しつつモルツクルスもキャメルの自宅に足を踏み入れ。
「何やら思い詰めてるっすねえ」
 そう口にしたのは、食事が終わりたわいない話が止んで沈黙が訪れた後のことだった。
「実は……」
 躊躇った後にキャメルは不自然な場所に置かれた家具をずらす。事情を知っているからこそ予想は出来たがそこには銃弾の抜けた穴があり。
「これがその機材っすか」
「はい」
 誰かに聞いてほしいとキャメルは心のどこかで思っていたのかもしれない。説明の末に見せられた破壊された機材に視線を落としモルツクルスは考える。
(土時星環は確かに時を戻すっすけど、あれは「戦況を改善」することに限られるっす)
 戦いでも何でもない状況下で効果を発揮できるかと言うと疑問が残り。
(ハイリスクっすね。可能性があるとしたら戦いの場にこれを借りて行ってユーベルコードを使った場合っすけど)
 それでも確実に成功するという保証も存在せず。モルツクルスは声にならぬように唸ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

豊水・晶
産まれることのできなかった無念そして、産んであげられなかった無力感。その思い、私が汲んで掬いましょう。


「あっ、こんにちは~。突然なんですが、実はお寿司を頼みすぎてしまいまして…。良ければ一緒に食べていただけませんか?」
「ふふふっ、誰かと食べるとより一層美味しく感じますね。おや?あまり箸が進んでいませんね。お口に合いませんでしたか?それとも、何かお悩みが?ご相談でしたら乗りますよ。」
「なるほど、そのようなことが…。さぞおつらい思いをされたことでしょう。良ければ私に手伝わせていただけませんか?これでも私、腕っぷしには自身があるんです。」
アドリブや絡みなど自由にして頂いて大丈夫です。



「ここですね」
 先に訪れた猟兵が家主に招き入れられたからか、家の戸は閉じて、隣も家主が強行逮捕された家であるらしく、弾痕の残るそちらに人の気配はなく。
(産まれることのできなかった無念そして、産んであげられなかった無力感)
 無言のままに豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)は誓う、まだ見ぬ二人の思いを汲んで掬いましょうと。
「さて」
 決めたならば、家主と言葉を交わすためのとっかかりを作らなくてはならない。晶は注文を決めると出前を頼み。
「ドーモ。オキャク=サン。ニンジャデリバリーです」
「もう、ですか」
 評判通りに配達員のサイバー忍者がスゴイハヤイ到着をすると、若干の驚きとともに差し出された天然養殖マグロのスシを受け取る。
「ありがとうございました。ゴヒイキニ」
 料金を払うとニンジャは恐るべき跳躍でどこかに消え、閉じられた戸に向き直った晶はインターフォンの呼び出しボタンに指を伸ばす。
「……はい」
「あっ、こんにちは~。突然なんですが、実はお寿司を頼みすぎてしまいまして……。良ければ一緒に食べていただけませんか?」
 半分ほど戸を開けて若干ぽっちゃり目の女性が顔を見せるが、まさか一日に二度も見知らぬ訪問者が現れるとは思っていなかったのか、表情には驚きがあり。
「わかりました……少しでしたら」
 既に一人招き入れているという状況が女性の警戒感を緩めたのだろう。戸がさらに開かれて、招かれた先で既にいた別の猟兵と晶が顔を合わせることになるのは、また別の話。
「ふふふっ、誰かと食べるとより一層美味しく感じますね」
 スシの容器を挟んで置かれたユノミから湯気が立ち上る。晶は自身を招き入れ、今はテーブルを挟む形で椅子に座っているCと名乗った女性に微笑みかけ。
「おや? あまり箸が進んでいませんね。お口に合いませんでしたか?」
 取り皿に分けた自分の分のスシを口に運ぶ手をとめて首を傾げると、さらに続ける。
「それとも、何かお悩みが? ご相談でしたら乗りますよ」
 と。
「……そう、ですね」
 沈黙を挟んで女性はポツポツ話し始める。すでに一度初対面の相手に話していたから、口も軽くなっていたのかもしれない。
「なるほど、そのようなことが……。さぞおつらい思いをされたことでしょう」
 話の経緯で晶が見せられたのは、壊れた機材。その向こうに有り合わせのモノで作られたサーバーマシンがひっそりと置かれているのも晶の目に留まる。復讐のために急遽用意した武器なのであろう。
「良ければ私に手伝わせていただけませんか? これでも私、腕っぷしには自身があるんです」
 放っておけば、あれを持ち出して返り討ちに遭うのだとも察して晶は申し出る。
「いいん、ですか?」
 復讐はまだ己の手のみで行うつもりだったらしく聞き返す女性へ晶は頷きで応じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『ビル群の谷間に残るもの』

POW   :    罠の有りそうな場所を破壊して安全圏を作りながら突き進む

SPD   :    罠が作動する前に抜ければいいのだ。全速力で駆け抜ける

WIZ   :    罠の位置を予測、避けて進む

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

モルツクルス・ゼーレヴェックス
「行くっすよイルカちゃん。淑女をエスケートするっす」
『任せてよ』

我が脳内と電子の世界を自在に泳ぐイルカちゃんの助言に従って先導するっす。

今どきというかこの世界のトラップで全く電子技術使ってないのは逆にレア
そういうのこそハッキングと破壊工作に造詣が深いイルカちゃんのカモ

『でもモルツ? ボクにはトラバサミとか落とし穴とかそういう物理は見抜けないよ?』
「だから自分が率先して前を歩いてるじゃないっすか」
『引っ掛かって格好悪いとこ見せたらソンケイを失っちゃうよ』
「見解の相違っすねイルカちゃん」
ここで芋引くほうが格好悪いっす

出来るなら並行して彼女の端末のサルベージと彼女の脳内のサルベージで「子供」探しをば


豊水・晶
占星術で予め罠の場所を占って、軽業で駆け抜けます。万一に備えてUCで水晶を纏い、オーラ防御、結界術で防御を固めます。

警官は何故こんなところを通ろうと思ったのでしょうか?職業上、罠の情報を持っているでしょうが、例え全てを知っていたとしてもわざわざ通ろうと思わないと思うのですが……。
悪運が強いのか何なのか、そういう勘で生き残って来たんですかね。まあ、その悪運ももう少しで尽きるのですが。
アドリブなど自由にして頂いて大丈夫です。



「この辺りからは要警戒っすかね……ソンケイを信じよ。確かな事なきこの世界、お前が信じるものこそ真なり」
 キャメルの家を後にし、危険地帯に差し掛かる少し手前でモルツクルスいったん足を止めたモルツクルスは同行者であるキャメルにも止まってもらい周囲を視線で撫でる。無造作にいくつも転がるのは、サイボーグの腕や足などのパーツ。表面に刺青が彫られていたりするところを見るにこの場所で抗争を行ったヤクザのなれの果てと言ったところか。
「警官は何故こんなところを通ろうと思ったのでしょうか?」
 疑問を口の端に乗せたのは助太刀の為同行している晶だ。
「職業上、罠の情報を持っているでしょうが、例え全てを知っていたとしてもわざわざ通ろうと思わないと思うのですが……」
 理由がわからず晶は唸るが、キャメルが襲撃を予定している時にたまたまここを通ったのもそもそも偶然なのかどうなのか。
(悪運が強いのか何なのか、そういう勘で生き残って来たんですかね)
 首を傾げて仮定してみるも、晶は知っている。傀儡警官の悪運ももう少しで尽きることを。
「行くっすよイルカちゃん。淑女をエスケートするっす」
 モルツクルスが呼びかけると、自身の脳内と電子世界を泳ぐ喋るイルカたちの任せてよという声が脳裏で響き。
「協力させてもらいますね」
 案内を始めようとするモルツクルスへと晶は申し出た。晶は晶で占星術を用いこの先に残されているであろう危険な罠の位置を知って駆け抜けるつもりでいた訳だが、わざわざ先導してくれるというのだ。もちろんキャメルが同行しているということもある。占いで推測した罠の位置を晶は伝え。
「あ、ついでに一つお願いしても良いっすか?」
「何でしょう?」
 身を守る術があるなら同行者であるキャメルも守ってほしいとモルツクルスがリクエストすれば、そういうことでしたらと晶は承諾する。駆け抜ける時、結界術やオーラで身を守るつもりだった晶からすれば、キャメルの盾となるよう立つだけでよく。
「念のため自分からは少し離れてついてきて欲しいっす」
 振り返って一言断りを入れてから、モルツクルスは再び歩き出す。全く電子技術使ってない罠はレアではあるが、ハッキングと破壊工作に造詣が深いイルカたちのカモ。
『でもモルツ? ボクにはトラバサミとか落とし穴とかそういう物理は見抜けないよ?』
「だから自分が率先して前を歩いてるじゃないっすか」
 そのイルカちゃんから疑問の声が出れば、すでに歩き出している自分のことを挙げるつもりだったモルツクルスにとって罠の位置の情報は有り難く。
(いやー、まさかこんなことになるなんて思わなかったっすね)
 見抜けぬ罠の情報を貰ったことで、死角が消えた。
『引っ掛かって格好悪いとこ見せたらソンケイを失っちゃうよ』
「見解の相違っすねイルカちゃん」
 などと脳内会話で意見が分かれる危機も回避し、危なげなくビル群の谷間の危険地帯を進んでゆく。
「っ」
 前を進んでいたモルツクルスが急に足を止めたのは、突然のこと。
「どうかされましたか?」
 訝しんだのは晶、立ち止まった近くには占星術で推測した罠はないはずだからであり。
「あ、申し訳ないっす。気のせいだったみたいっすね」
 モルツクルスは、笑顔で謝罪する。キャメルの端末と脳裏から失われたキャメルの我が子のことを探らさせていたいるかたちから知らされたことがあったことなどおくびにも出さずに。
『ねぇ、ママは今日ね――』
 まるで胎内の子供に母が語り掛けるように作成中のバーチャルキャラクターへ語り掛けていた記憶のログ。かの存在が失われた時、機材の中に全く同じとりとめのないやり取りが残っていたこと。それは、キャメル以外の手によって庇われたことで残留していたこと。
(そりゃ、子供に関係のあることで探せば出てくるっすよね)
 消えてしまったバーチャルキャラクターからすれば、母の声は何をおいても守り抜きたいものだったのだろう。事実を知ったキャメルの悲痛な叫びも、失った我が子に呼びかけながら復讐の牙を研ぎ続ける日々のこともイルカたちは伝えて来て。
「あと一息っすね」
 踏破には至らずともその時は近づきつつある。道の先を見つめてモルツクルスは呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

虹川・朝霞(サポート)
二つの故郷(UDCアースとカクリヨファンタズム)をふらふらしていた竜神。救援要請あるところに行くように。
自分が電脳魔術士であることをよく忘れます。

基本は慈悲を持って接するため、口調は丁寧です。
怒りを持ったときのみ、『阿賢賀水神』に戻ります(口調『遥かなる水神』)
なお、装備品の鉄下駄はUDC圧縮体のため、超絶重いです。鉄って言い張ってるだけです。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はいたしません。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします!


月夜・玲(サポート)
『さてと、I.S.T起動。お仕事お仕事。』
口調 元気(私、~君、だね、だよ、だよね、なのかな? )


お仕事ついでに研究も出来るんだから、この仕事良いよねぇ
さあ、私の研究成果の実験台になってもらうよ

模造神器という独自の兵器開発を生き甲斐とする研究者
誰にでも気さくに砕けた口調で話しかける
戦いは全て研究の為、楽しみながら戦闘を行う
全ては研究の為、研究と戦闘を楽しめる猟兵生活は結構気に入っている
戦闘スタイルは4本の模造神器から2本を選び、二刀流で敵と戦う形です
UCで遠距離戦闘にも対応したSF剣士

日常ではのんびりと景色を楽しんだり風情を楽しんだり
冒険では考察しながらじっくり進む

あとはお任せ!



「さてと、I.S.T起動。お仕事お仕事」
 自身のガジェットを起動させると、月夜・玲(頂の探究者・f01605)は周囲を見回す。
「お仕事ついでに研究も出来るんだから、この仕事良いよねぇ」
 口元を微かに綻ばせた玲の視界に転がるのは、いくつものサイボーグのパーツやその残骸だ。全ては研究の為、とするなら出身世界ではないこのサイバーザナドゥの技術の一端に触れられるこの機会は玲にとって悪いものではないのだろう。
「このパーツの構造も興味深いけど、トラップの方も中々……ブービートラップ一つとっても世界の特色って出るものなのかもね」
 まるで料理に使われている具材一つ一つの味や食感を確かめるかの様に、見つけたものを考察しつつの歩みはそれ程早くはないが、ビル群の谷間は玲が駆けつけた段階でほぼ踏破に近いところまで来ていたのだ。同行するキャメルの安全に比べれば最小のペースダウンなどさして問題にはならず。
「お子さんの復讐ですか……」
 事情を聴いて虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は愛妻家として思うところあったのかもしれない。ちらり同行者を一瞥し。
「いずれにしても、ここを抜けねばなりませんね」
 それでも怒りを面に出し、阿賢賀水神へと至らないのは、失われたキャメルの我が子を取り戻そうと諦めぬ仲間がいるからか。
「万が一の備えは出来ていますが」
 回復手段はそれこそ罠や地雷で味方がけがをした時のもの。考察込みでゆっくり進む代わりに引っ掛かるより先に罠を発見することで被害らしい被害も出ず一行は谷間の出口に近づきつつある。打ち捨てられたパーツの残骸の間を、わずかだが不自然に盛り上がった地面の脇を、猟兵たちと同伴者が一人、歩いてゆく。朝霞の見た目だけは鉄の下駄が一歩一歩進むたびに音を立て。
「このまま回収もされないなら、いくつか持って帰っても……」
 じっと転がるパーツを玲が見つめて呟く一方で、朝霞は尋ねる。
「そろそろこの谷間も抜けます。ですが」
 グリモア猟兵の言葉通りなら、そこに居るのはキャメルから我が子を奪った相手。戦いになるのは間違いなく、だからこそ覚悟を問うたのだ。
「……はい」
 頷きと短い答え。一瞬空いた間は、猟兵に託したバーチャルキャラクターを作るための機材へ視線が向いたからか。
「あ」
 前方、谷間の切れ間から光が差し込む。がらりと崩れたサイボーグのパーツが音を立てた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『フルメタル・サージェント』

POW   :    アイアムジャスティス
【パトランプ】を見せた対象全員に「【抵抗するな】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【生命力】が半減する。
SPD   :    ポリス・ヴィークル
自身の身長の2倍の【電脳接続した武装警察車両】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    ウォンテッド・マーク
攻撃が命中した対象に【緊急指名手配】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【周辺に存在するあらゆる警備装置】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:柿坂八鹿

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「なんだ、民間人? 本官は職務中だ」
 角の様に側頭部から一対、パトランプを生やした男が振り返る。両手で大型の銃器を抱えたこのオブリビオンの警官こそが誕生間際だったバーチャルキャラクターの命を奪った相手なのだろう。
 無言のままにキャメルが手にしたサーバーマシンを確かめた。
豊水・晶
アドリブや絡みなど自由にして頂いて大丈夫です。
あなたに自覚はないと思いますが、あなたが殺してしまった人の母親があなたに復讐したいと。突然で申し訳ないのですが、死んでいただけますか?
子供を奪われた親として、その復讐は思いを整理するいい機会となるでしょう。普段はここまでしないのですが、あなたがオブリビオンで良かったです。遠慮なくヤれますから。
地形を利用しながら攻撃を見切って軽業で回避。
同時にUC発動。
神罰を載せて攻撃。
水子供養です。あなたのせいで産まれ得なかった命に詫ながら、大人しく地獄に落ちなさい



「あなたに自覚はないと思いますが」
 そう前置きしたことで、オブリビオンの警官ことフルメタル・サージェントの意識は口を開いた豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)へと向き。
「あなたが殺してしまった人の母親があなたに復讐したいと。突然で申し訳ないのですが、死んでいただけますか?」
「ちッ」
 物騒この上ない流れに持って行かれたところでフルメタル・サージェントは舌打ちを残してその場から飛んだ。当然ではある、荒事も厭わず強行逮捕を行うような人物だ、戦いにおける勘のようなモノの持ち合わせはあったらしい。ただ、晶は言った、母親がとも。
「な」
「なるほど」
 反射的に向けた大型の銃が牽制の為の銃弾を吐き出さず、愕然とするフルメタル・サージェントではなく、周囲を飛び道具使用禁止の法則を持つ世界に改変したキャメルを横目で晶は見る。
(子供を奪われた親として、この復讐は思いを整理するいい機会となると思っていましたが)
 腕っぷしに自身があると口にした晶のことを覚えていて、だからこそ我が子を失ったワールドハッカーは晶の援護に回ると決めたのだろう。
「なら」
 信頼を損なう真似は出来ないとばかりに回避のかわりに円を描くよう8つの豊泉晶場宝楔を向ける。
「普段はここまでしないのですが、あなたがオブリビオンで良かったです。遠慮なくヤれますから」
「しま」
 隙を晒したフルメタル・サージェントが我に返った時には地面から水晶柱が生え始めており。
「水子供養です。あなたのせいで産まれ得なかった命に詫ながら、大人しく地獄に落ちなさい」
「ごがっ」
 神の裁きの如く急速に伸びた水晶柱はオブリビオン警官を突き上げ、天高く打ち上げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

虹川・朝霞(サポート)
二つの故郷(UDCアースとカクリヨファンタズム)をふらふらしていた竜神。救援要請あるところに行くように。
自分が電脳魔術士であることをよく忘れます。

基本は慈悲を持って接するため、口調は丁寧です。
怒りを持ったときのみ、『阿賢賀水神』に戻ります(口調『遥かなる水神』)
なお、装備品の鉄下駄はUDC圧縮体のため、超絶重いです。鉄って言い張ってるだけです。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はいたしません。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします!


赤嶺・愛(サポート)
『世界が平和になりますように』
 人間のパラディン×シーフの女の子です。
 普段の口調は「平和を愛する(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、怒った時は「憤怒(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく、人と話す事が好きで
平和的な解決を望む優しい性格の女の子ですが
戦う事でしか依頼を成功出来ない時は戦う事も厭わないです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「確かに容赦は不要であろうな」
 重力に引かれ落ちてくる敵の姿を虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は瞳に映していた。ビルの谷間を進んでいた時とは事情が異なる。悲劇を一つ作っておきながら先に討たれる理由を告げられねば己の罪すら意識していなかった相手だ。
「参れ」
 オブリビオン警官の落下点へと阿賢賀水神に立ち戻った朝霞は550を数える小型の戦闘用機械兵器を喚びだし、それらが地表に近づきつつある贄へ面を上げ、武器を向ける。
「く、そぉぉお!」
 空中に打ち上げられたものに回避行動をとる手段などほとんどなく、それでも罵声と共にばら撒いた銃弾が何機かの機械兵器を穿ち擱座させるも、落下までの短い時間で撃ち抜き消滅させる機数などたかが知れていた。加えて、オブリビオン警官の銃弾を戦闘用機械兵器たちが無抵抗に受ける筈もない。
「ぎ、べっ、がっ、げっ、がは、ばっ」
 生き残った機械兵器たちの攻撃は避けようのないフルメタル・サージェントへ殺到し、地面と抱擁を交わすまでの短期間に空中で不格好なダンスを踊らせ、砕けた破片が雨と降る。
「がべっ」
「争いごとなんてなかったらよかったのだけれど」
 蹂躙の果てに地面へ墜落したオブリビオン警官を見据え、赤嶺・愛(愛を広める騎士・f08508)はぐっと拳を握り締めた。まだ起き上がっても来ない討つべき敵は、一人の母親から我が子を未来を奪った相手でもある。ここで戦いを辞めることは、復讐に赴こうとしこの場にいるキャメルも納得はすまい。
「それに――」
 このフルメタル・サージェントは巨大企業群の傀儡となり平和を乱し、悲劇を作り出す相手でもあるのだから。
「これ以上、世界の平和は乱させない!」
 宣言とともに、愛が手に握っていたバスタードソードが崩れるようにサボテンの花びらへ変わってゆく。
「ぬぐぅ」
 呻きつつ身を起こすフルメタル・サージェントの元へ風に乗るように流れ。
「それは棘だけではない、希望の花をも咲かせるのよ!」
「ぬぐああああああっ」
 元の剣としての役割を思い出したかの如く花びらに斬られたオブリビオン警官が絶叫をあげる。
「なぜ……だ、巨大企業群はこうも本官が追いこまれているというのに……助けの手すら寄越さないのか」
 傷つく度に近づきつつある死を意識し始めたようでフルメタル・サージェントは落ち着きなく周囲を見舞わす。だが、少なくともオブリビオン警官の味方が現れる様子はなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
全身ハイテク装備とか
「イルカちゃん、泳いできていいっすよ」
『オーライ』
緊急指名手配対象がフルメタルサージェントになるようにハッキング
警備装置による支援射撃で味方を支援しながら、モルツ本人はワールドハッカーの前に立って庇う
並行して大部分のイルカちゃんには彼女のサーバーマシンを泳いできて奇跡を探す

「あれは本当にお子さんの声だったっす?」
『サイバネに溢れたこの世界で、本物かどうかを精確に定義するのは難しいね』
「ではどうすれば?」
『ソンケイを信じるんだ』
「つまり彼女が本物だと認識した事が重要なわけっすね」
『そうさ』
『他の誰が本物じゃないって言っても、彼女以外にそれは証明できないんだ』
「そうっすよね!」



「イルカちゃん、泳いできていいっすよ」
 追い込まれつつあるオブリビオン警官への同情はモルツクルスにはない、ただ召喚したイルカたちに許可を与えただけで。
『オーライ』
 電子の海を泳ぐこともでき、喋れるイルカたちがフルメタル・サージェントの方へと電子の海を泳いでゆく。
「うぐっ、こ、この! 本官はこのようなところで終わらん! 終わりはせんッ!」
 追い詰められた窮鼠の様にオブリビオン警官が銃弾をばら撒く。いくつかはモルツクルスを掠めるも、キャメルを庇う様にモルツクルスが立つが故に銃弾はキャメルには当たらず。
「緊急指名手配だ! 警備装置ども、こいつを――」
 攻撃しろとフルメタル・サージェントが喚けば、確かにあちこちの警備装置が作動し。
「え」
 照準をフルメタル・サージェント自身に向ける。電子の海を泳ぐイルカたちが手配対象を書き換えたのだ。
「ぎゃあああっ」
「あれは本当にお子さんの声だったっす?」
『サイバネに溢れたこの世界で、本物かどうかを精確に定義するのは難しいね』
 警備装置から集中砲火を受けるオブリビオン警官の悲鳴をBGMにモルツクルスはイルカたちと考察する。
「ではどうすれば?」
『ソンケイを信じるんだ』
 問いを重ねたモルツクルスにイルカは答え。
「つまり彼女が本物だと認識した事が重要なわけっすね」
『そうさ』
『他の誰が本物じゃないって言っても、彼女以外にそれは証明できないんだ』
「そうっすよね!」
 モルツクルスの言に同意したのと別のイルカに今度はモルツクルスが頷く。
「これ、は」
 探すのは奇跡。キャメルも気づいたのだろう、イルカたちが自身のサーバーマシンに飛び込み中を泳いでいるのを、だから。
「こふっ」
 口から血を零した。
「な」
「手伝い、ます」
 キャロルもまた現実世界にサイバースペースを具現化する超攻撃型のハッカーであるのだ。自身に過負荷をかけてもモルツクルスのみでは届かない部分を埋めようとしているのだろう。
「やめるっす、それ以上は」
 言葉にかぶさるようにキャメルの右手がはじけ飛び、かわりに虚空へプログラムで構成された人型が出現する。
「あ」
 奇跡に指が届きかけたのだ。
「ごめ……んね、今度は……ちゃんと、産んであげるから……」
 荒い息の下、片膝をつき、少なくない代償を払いながらも微笑む母の姿がそこにはあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ソウジ・ブレィブス(サポート)
なんかこんな感じのー間延びした口調で喋るよーう?
年齢にしては頭悪そう、って感じが理想かな
僕より年下の子には~ちゃん!って呼ぶかも
気分で呼ばないことも在るから、深く気にしないでねえ

単体攻撃系ユベコがわりと捨て身な攻撃になり得るから
怪我や流血は必要経費だね、へへへ
攻撃武器は足の鉤爪が飛び出す仕込み靴が基本だよ
ユベコ次第では持ってると、不便だからねぇ……
藍銅って愛刀なら持ってるかも
必要なら投擲道具に使うし、雑に扱うよ?

誰かが話をしてるなら奇襲系はしかけない
ボスの話、主張は聞きたい派
「へえ、ふーん?そうなんだ?」
自信ありげな表情で、戦闘狂気質でいるけれど
僕はお話、聞くの好きだからね
大いに語って?


スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


杼糸・絡新婦(サポート)
関西弁口調。
とある忍者が使っていた武器・鋼糸【絡新婦】のヤドリガミ。
白い女物の着物を着用しているが、
名前沿った姿なだけで、オネエとかではなく中身はれっきとした男。

子供や親子中心に一般人には愛想よく接するが、
敵とみなしたら容赦なく叩く。
日常でも戦場でも自分のペースを崩さず、
フェイントや挑発、相手の動きを拘束するように阻害したり、
あえて誘い出してこちらに攻撃を仕向け、
自他へのすきを作り出したりする、戦闘スタイル。
また使えるものはなんでも使う。
元の持ち主の影響で、忍者らしい動きも見せる。

所持する黒い狩衣を着た狐獣人の姿をしたからくり人形は、
かつての主人が作ったものを模したもの、名前はサイギョウ。



「さっさと終わらせよか」
 転送されて現状を見ればのんびりしても居られない状況なのは杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)にもすぐ見て取れた。情報端末を兼ねているであろう手の片方を失い、胸元を己の血で汚すワールドハッカーの女性が戦場に居て、戦いの決着がまだついていないのだから。
「本官は、こんな所ではっ」
「正直……そう言うん、どうでもええんやわ」
 早急に片付ける必要性を理解しつつもペースは崩さない。笑顔で、言葉を紡ぐ様子は実際どうでもよさげに。
「もう終わりやろし、最後ぐらい潔ようしてもええんとちゃいますの?」
「きっ、貴様ァ!」
 諭す態を装った挑発にまで持って行けば、満身創痍のオブリビオン警官はあっさりとこれに引っ掛かる。
「やぁやぁゴキゲンヨウ……とはいかないかなー?」
「なッ」
 だから声をかけられるまで肉薄したソウジ・ブレィブス(天鳴空啼狐・f00212)にフルメタル・サージェントは気づきもせず。
「何や、そのまま奇襲してくれても良かったんに」
「やー、僕ってボスの話、主張は聞きたい派なんだよねぇ」
 世間話でもするような気楽さで絡新婦の言葉に応じたソウジは言う。
「最期の言葉でしょ? それぐらいは聞いてあげてもさー。僕はお話、聞くの好きだからね、大いに語って?」
 促す様に後半はオブリビオン警官に向かって投げた言葉もまたある種の挑発であったが、だからこそか。
「貴様らァ!!」
 激昂したフルメタル・サージェントの意識から己が命を懸けて新たな命を生み出そうとしていた一人の女性のことが消える。
「これであっちの人が狙われたりー、人質に取られるようなことはなさそうだよねー」
 などとはソウジも言わない。
「もう、少し……スキンの実装、それ、……から」
 フルメタル・サージェントの敵意が二人の猟兵にあつまる中で、プログラムに文字の羅列によって構成された人型の容姿が変わってゆく。髪が生え、顔の中心を起点に皮膚が人型を覆って広がり、後を追うように生まれた衣服がこれを包んでゆく。ただ、その様子を二人が見ることはない。
「現行犯公務執行妨害及び侮辱罪で処刑だァ!」
 武装警察車両を召喚し乗り込んだオブリビオン警官が突っ込んで来ていたのだから、もっとも。
「へえ、ふーん?」
 自信ありげな様子でソウジは欠片も動じず。
「せっかくそんな乗り物用意したなら逃げればいいのにねえ。逃げ切れたらの話だけど」
 頭部に二本の雄牛の角を生やしたソウジが真正面からぶつかって言ったのは、この直後。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「大丈夫ですか?」
 オブリビオンと猟兵との戦いが繰り広げられる一方、健在な方の手でサーバーマシンを握り締め荒い呼吸を繰り返す女性の傍らにしゃがみ込んで声をかけるのは、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)。
「この、子……を、おね……が」
 助けに来ましたと告げるスピネルに今まさに誕生しようとしているバーチャルキャラクターへ目をやりつつ女性が訴えれば、スピネルも頷き。
「お姉ちゃんたちに任せておいてね♪」
 オブリビオンのことも示されたバーチャルキャラクターのこともと直接言及はせず、スピネルは味方とオブリビオン警官の戦いに目をやる。
「ほな、幕としましょか」
「ぐあああっ」
「終わり、のようですね」
 武装警察車両とソウジのぶつかり合いはソウジに軍配が上がり、目撃したのは、横転した車両から転がり出たフルメタル・サージェントへ狐獣人の姿をしたからくり人形が襲い掛かる様だ。
「さて、ここですね」
 戦いをこれ以上長引かせる理由はない。自身に認識阻害魔術を掛けながら弓を引き絞ったスピネルは弦から手を放し。
「アン……ゼン、ヤ……本官をごッ」
 よろめいたオブリビオン警官は頭部の真ん中を射抜かれるとそのまま崩れ落ちた。
「おかあさん……おかあ、さんッ」
 こうして、戦いは終わりを迎えた。復讐よりも大切なものの為にすべてを投げ打ちどこか満ち足りた表情で一人の女性は横たわり、縋り付くバーチャルキャラクターの声が響く中、スピネルが生まれたての存在の肩に手を添え、横に回り込む。
「運びましょう、こんな場所に寝かせておくわけにはいきませんから」
「せやな」
 全身が鎧で覆われた大型四足獣を召喚した絡新婦が三人の側へと現れた。おそらくはキャメルを運ぶために。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年04月13日


挿絵イラスト