●三本足の鴉が鳴いている
かぁ、かぁ、かぁ――焼けた虚(そら)を背景に彼等は飛んでいた。
狂っているのではない、おそれられているのでもない、ただの日常。
上等な出来事は無かったけれども、世界は今日も平和なのだろう。
ぐるりと旋回した三本足が見えなくなるまであと数分か、伽藍洞なこころにだっていつか贈物(つめもの)が落ちる筈だ。墜ちていく。堕ちてくる。
それは何か――?
莫迦げた妄想は後にしてくれないか、ぼんやりとした脳味噌で影法師が音立てている。あんなにも美しい双眸(めのたま)だ、勝手にされても文句は謂えないだろう――鳴いている。鳴いている。愈々、何が啼いている……?
違和感(いびつ)に誘われる事も赦されず、只管な均しを。
――贅をつくせなくても良いじゃないか。
●グリモアベース
「うー……ん……?」
事務椅子――珍しく固定されている――に腰掛けたグリモア猟兵は首を傾げる。その表情は目隠しがあっても『よくわかる』ほどに微妙(ひず)んでいた。資料の紙束その他も見当たらず同じような面に猟兵(きみ)もなるだろうか。
「まーあれよ、情報が殆どないってやつ。面倒臭いけどこれ現地で探るしかないわね。ええっと、UDCアースだから慣れてるとは思うけど『呪詛型』の類よ。楽しんでいれば楽しんでいるだけ涌いてくる連中。そうね、転移の時点では夕方だろーからあったかいご飯でも想像(おも)ってたら良いんじゃないかしら? 鴉も鳴きそうだし」
鴉が鳴くから帰ろうって云々――皆に帰る家があればね? そんな事をグリモア猟兵は呟いた。なんだか面白くなさそうな様子で。
「んじゃまあいってらっしゃい。せーぜー生きて帰ってくることね。違うわ。正気で戻ってくることね――」
グリモアが輝いて。
にゃあら
にゃあらです。
掴む腕もない。
第一章。
夕方です。
夕日をぼんやり眺めるのも偶には良いでしょう。
他に何かしたい場合はプレイングで。
呪詛型を誘いましょう、愉しい愉しい。
第二章。
詳細不明。
第三章。
呪詛型UDCとの戦闘です。
どうして。
第1章 日常
『夕日を眺めて』
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POW : 夕日に向かって叫んでみる
SPD : 電柱の上など更に高所に登り、そこから夕日を眺める
WIZ : オレンジに染まった景色を眺める
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
三本足の鴉が群れをなして飛んでいる。
鳴いて、鳴いて、鳴いて、沈む太陽に向かっていた。
誰も彼もが落ちていく。
何もかもが落ちていく。
ぼんやりとした景色の虚(なか)で猟兵(オマエ)は何を想うのか。これからの自分、いままでの自分、ありえない自分――オレンジ・ジュース。
のたうつ家々の影がぼろりと、増殖(ふ)えるような心地。減少していく光が、人工の類に呑まれていく――何処に不思議があると謂うのか。
三本足の鴉が群れをなしてまわっている。
啼いて、啼いて、啼いて、硫黄をつついた、啄んだ。
播州・クロリア
美しい夕焼けです。故郷の島の海岸で見た夕焼けの次に美しいと思います
おや、目から水が流れました
これは私の全細胞のうちの半分を占めるオフクロさんのせいですね
このまま水を垂れ流しながら夕焼けを眺めるのもいいですが
私としては貴重なこの時間を有意義に使いたい、と思います
(救いを求めるように天を仰ぎ手を伸ばした後{晩秋の旋律}で『ダンス』を始める)
このリズムで踊る気分なのはオフクロさんのせいですね
ほんのちょっぴりダラキュです
隣の芝生が焼けている、井戸に捨てられた色の所為だ。
季節まがいの赤とんぼが混濁とした目玉で此方を観察(なが)めている、ルビーの兆しに急いた背景(だいだい)が自らを誇るように謳いだす。嘴の歪んだ雀を嘲りながら三本足(からす)が太陽を称えて魅せた――美しい夕焼けです。故郷の島の海岸で見た夕焼けの次に美しいと思います――脳裡に沈んでいた何者かの記憶がぷっかりと貌を晒す、するりと漏れたのはひどく透明な水(もの)だった。しおからい、頭蓋の中身が改竄されていく。不揃いな星を造るのは一度だけで十分だ。
全細胞の半分ほどがブクブクと沸騰(な)き、遠く々くの蜂の巣を想起させる。起伏の激しさを怨みながらぼんやり、日常(いま)を覗き込んでみる――私としては貴重なこの時間を有意義に使いたい――細胞を取るのか猟兵(オマエ)を取るのか、オマエの譜面(ページ)に訊いてくれ。伸ばす、伸ばす、天を仰ぐ――虫は己の翅を毟ると謂うのか。
ほんのちょっぴりダラキュです。喪失(こぼ)れた宝物(もの)を救う為に、晩秋、ゆるやかな坂(みち)を登っていく。このリズムで踊る気分なのはオフクロさんのせいですね。くるりと投げ付けた全身(にく)が落とし仔の欠片に触れた。
ダラキュにまみれた人々を洗い流せ、そんな憤懣を浴びてみた。蒼々とした硫黄(ばつ)の虚(なか)でオマエはオマエを見失う……杞憂(つもり)か。漂ってくる夕餉の匂いに誘われて蝶(はらわた)も活きた。
成功
🔵🔵🔴
音骨原・章馬
彼等を誘うのに正気は不要だろう
独り言で時間を潰そうか
物言わぬ肉体相手にぺらぺらとね
黄昏時を誰そ彼時っていうだろう
俺はそういう言葉遊びが好きだよ
文字が羅列された書物の仮面だからかな
昔置き去りにしたあの子は夕飯を食べるかな
今でも君の帰りを待っているんだろうか
答えなくていい、俺は君の自我を封じておきたいんだ
そのままどうか自分を見失っていてくれ給え
宇宙にあった帰り道は船と一緒に墜ちてしまったんだ
君は誰でもないまま覆われているがいい
さて、日暮れに迫ってくるのは鴉色の夜だろうか
怪物(ヴィラン)が存在するならば英雄(ヒーロー)の出番だ。
英雄(ヒーロー)が存在するならば怪物(ヴィラン)を造らねばならない。
ぎぃぎぃと怪音(おと)を鳴らしたジャバウォックは顎の意味を理解したのか。
――彼等を誘うのに正気は不要だろう。
ぐちゅぐちゅと潰した腸の種を誰が埋めたいと想うのか、糸を手繰り寄せた神様(くも)が嗤ったところで人類には関係がない。一人、独り、佛草(ぶつくさ)と黒(そ)まる。物言わぬ肉体(きみ)を相手にぺらぺらと――何とも薄っぺらい条件下だ、おまじないをごっこで唱えるに等しい――黄昏時を誰そ彼時っていうだろう。大好きな言の葉つむぎに原稿用紙を一枚、だいたい400の小言が偉そうに胸をはった。
昔置き去りにしたあの子は夕餉を食べるかな。悦ばしき哉、橙色の太陽(はんえん)が三本足の寝言を反芻(か)んでいる。今でも、君の帰りを待っているんだろうか。ほうけた誰かの脳味噌だけが道端に落ちている、間違えて踏んでしまった猫が驚いて月なみ。答えなくていい、応えなくていい――俺は君の自我を封じておきたいんだ。
おかくれになった首が文句(ワード・サラダ)を混ぜている、そのまま、どうか自分を見失っていてくれ給え。不揃いの星辰(シナプス)とやらを持ち込んだ、蛸足の下手糞なダンス。宇宙にあった帰り道は船と一緒に墜ちてしまったんだ。
――虚空へ、虚空へ、虚空へ。
君は誰でもないまま覆われているがいい。君は君でもないまま塞ぎ込んでいるがいい。どろりと朽ちかけた紫が、二重、青々を塗り尽くした。さて――日暮れに迫ってくるのは鴉色の夜だろうか。阿鼻叫喚に向日葵が萌えている。
成功
🔵🔵🔴
満月・双葉
少し高めのビルの屋上にでも座って時を待ちましょう。
人を眺めるのもそれはそれで楽しい。
とても、悪趣味だ。僕に相応しい。
平和だ。
酷く歪なのに、誰もそれに気付かない。
その家族はいつお前に掌を返す?
その友達はいつお前に掌を返す?
なーんて。所詮、他人事だね。
平和を享受する自由があるうちはしているといい。
僕は戦の中で生きていく。
殺して、滅ぼして、そしていつか狂気の中で消えられればそれでいい。
なーんて、夕焼けは嫌いだよ。
くだらぬ感傷を呼ぶ。
太陽に焼かれた肉片が泥のように転がっている。目覚めない獣の隣で日常が反芻(か)まれているのか。オレンジ・ジュースに穢されたオマエを浄める事は出来ない――鴉が塵(め)を摘んだ。
摩天楼の真似事をした、鉄筋(コンクリート)の屋上(うえ)で天使(きみ)はふれる。楽しい々しい時間を無理矢理はらむ感覚は、成程、オマエの嫌悪(こころ)に相応しいか。絡みついた悪趣味(たわむ)れは正しく蛇(だ)の如く、堕落した人間への嘔吐(おぶつ)に他ならない――可視だと謂うのに彼等は平和(いま)を謳歌している、三本足の嘲笑に貌(オマエ)が重なった――その家族は、その友達は、その色はいつお前に掌を返す?
所詮、他人事だね。煮込まれた肉と卵の関係性を何者が『おなじ』とするのか、回転し続ける地球(ほし)の蒼さなど見掛け倒しでしかない。平和を享受する自由があるうちはしているといい――泣きじゃくる赤子が胎(まくら)に沈んだ、手遅れだ。
僕は戦の中で生きていく。僕は地獄の最下層(なか)で生きていく。殺し、滅ぼし、殺され、滅ぼされ、もいだ翼(にじ)の果て々ては呆れるほどに暴虐だ――そしていつか狂気の虚(なか)で消えられればそれでいい。眼鏡(くもり)の雨にでも中てられた気分だ、こんなにも晴れていると謂うのに……腫物は決して治せない。
夕焼けは嫌いだよ――つもった埃を拭う為の箒、それを握る事も赦されないのだ。育ち過ぎた大根を引っこ抜いて、また新しい醜悪を眺める。くだらない感情が佛草(ぶつくさ)とオマエを呼んだ――唾棄すべきだ。靴裏に花、にじんだ蜜のにおい。
成功
🔵🔵🔴
楠井・沙智
夕日を眺めながらゆったりとくつろいでみます。
情報が何もないんじゃ仕方ないね。相手の出方を待つのよ。緊張して警戒してたら出てこないかもしれないし、何か楽しい事でも考えてたらいいんじゃないかな。
例えば子供の頃、日が沈むまで遊んだ楽しい思い出とか、帰ったら待ってた美味しい晩御飯とか……そんな事あったかな?まぁいいや、あったことにしよう。昔は楽しかったね。
夕焼けの歌とか鴉が帰る歌とか、状況にあった鼻歌を歌いながらのんびりと。
【コトダマヴォイス】のユーベルコードを使います。歌に乗せて魔力を展開。世界と共鳴する事で推理力と分析力、対応力を高めます。さぁ、どこからでもどうぞ。
硫黄のような色彩(もの)が頭蓋を抱擁(だ)いてきた、からりと嗤った化け物の数を皴伸びた脳(いま)では判別(げ)せやしない。昇り沈みを繰り返す、なんてことのない日常(カオス)がのうのうと波を生じているのか。赤茶色(ふた)つを同時に開く事は容易い。見つめて、見つめて、煮込まれた黄昏の味わい、ゆったりとくつろぐ演技(フリ)が巧いのか――情報が何もないんじゃ仕方ないね。舞台上で魔物を待つのには慣れていた。
こわばった髄液(しずく)では怪物にだって悟られる。思考(こころ)を鈍らせ、ほどくには楽しい事を考えるのが一番だ。ふんわりと焼き上がったパンケーキの香り、あまく掛かったメイプル・シロップの輝き――陽が沈むまで遊んだよね、イマジナリー・フレンドと囁きあった日々。そんな事あったかな? あったことにしよう。チク・タクと遡るほうけた時計塔、あれの名前はド・マリニーとやらだった。
夕焼けの歌とか鴉が帰る歌とか、カエルの鳴き声と蝉の鳴き声、全部が三本足だから幸せだ。状況にあった鼻歌に身を委ねて共鳴(とろ)ける思いは音符の園。のんびりと足元がお留守になった――さぁ、どこからでもどうぞ。
ぞろぞろと出歩いていた人型が玄関口で騒いでいた、それに紛れて追跡(たど)ってみれば、素晴らしい、悲しみを隠した貌々(めんめん)が黒焦げている。
太陽の所為だ、太陽の所為だ、呪いを押し付け遭う。
成功
🔵🔵🔴
日向・陽葵
今日のオユハンー? 突撃しないソロご飯。思い返せばこの身が住むマンションかアパートかコンクリ長方形でお隣さんを見かけた覚えが上下左右なきにしもあらず。避けてないよ? 避けられてもないよ!? でも5階建なのに六人しか住んでないのは……スカスカ閑散住宅。静音デストテモ! 春になったら増えるかな入居者
どちらかといえば俺っちは夜型なのでえ、スズメよりカラスの方が耳に鳴き声残ってますね。お仕事のチャイムが刃を刺刺と石を渡してきたら積むっきゃない。闇に紛れる準備もしておきましょ。夕を過ぎれば夜が来まー、すん。俺っちの想像する暗さがくるかはアンノウンだ! 備えあれば憂なしってヤツ
あ、目玉焼き食べたいかも献立
右手と左手のしゃもじは卑劣にも歪んでいた。キッチンに投げ棄てられたカトラリーも箸も、互いの汚れに絶望していたのだ。今日のオユハンなんでしょう。一筆でも書けない突撃の二文字、まるで蟲毒に投げ棄てられたダンゴムシだ――いらっしゃいソロご飯。思い返せばたくさんの手取り足取り、すくわれた米粒のひとつも記憶していないのか――マンション、アパート、コンクリ長方形にはお隣さんがいない。
橙の真ん中にぶち込まれた、忙しない核家族を誰がつつくと謂うのか。上下左右無きにしも非ず、と、三半規管(カタツムリ)さんが訴えかけてきた。避けてないよ? 避けられてもないよ!? 俺っちを渦巻きの中心にしてみんな同化している。五階建てなのに六人しか住んでないのは……すっかすかの閑散(いちねんめ)、静音デストテモ! 新生活が始まる頃には避難訓練をしなければならない。
雀と鴉を見間違えたオマエはきっと寝不足なのだ、その所為で最近は頭痛がひどい。どちらかといえば俺っちは夜型なのでえ――ガタガタになった身体に鞭打ってお仕事チャイム、刺々(ざしゅざしゅ)と鬱陶しい石の群れ――積むっきゃない、この親不孝者め。
黄昏が過ぎれば暗黒が狂(くる)る、来ますん頷き返せば喇叭遊び。俺っちが想像する闇(くら)さがアンノウンだ――備えあれば憂いなしってヤツ、これつまり蓄音機。
目玉焼き食べたいかも献立。醤油か塩かマヨネーズかケチャップか、ぴりりとした胡椒に唆されている。気が付けば朦朧の袋小路、さかれた羽毛(わた)の土留。
――耳に鳴き声が滓(のこ)る。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『鳴り止まないサイレン』
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POW : 音の出所を探す
SPD : 音の原因を探す
WIZ : 音の理由を探す
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
不意――予定調和――に鳴り響いた、サイレン。
大きく、ひろく、永く、オマエの耳へと這入り込む。
鼓膜をとおして平衡を殺し、脳へとしみる警笛は如何だ。
どこまで、どこまで、ないている。
どこで、どこで、ないている。
場所などわかりやしない。
時刻だってもう曖昧だ。
三本足を生やした悉くが、どんちゃんと祭りを楽しんでいる。
――二本でどうやって支えるんだい?
眩暈(ぐら)ついた太陽がおっこちた。
――埋め込まれた鴉、壁面で痙攣(ぴく)り。
播州・クロリア
(両手で耳を塞いで顰め面をしながら辺りを見回す)
怪異がやってきましたね
ダンスも終わっていないのに無粋な怪異です
まず、サイレンというのがセンスがない
夕焼けに鳴らすのであれば夕焼け小焼けでしょう
ノスタルジーを感じて心が揺さぶられ小気味良いリズムを感じることができるのに
サイレンなんて鳴らされてはリズムも何もあったもんじゃありません
心の障壁を築くだけです
まだ鳴らすんですか?いったい何をお伝えしたいんです?
踊り始めるほんの少しの間なら耳を傾ける…かもしれませんよ?
揺さぶられたのは蛞蝓入りの器(にく)だったか、パン屑をつついた三本足(からす)もソーダには目をやらない。見ているのはオマエだけだ。
練乳まみれの氷菓子をがぶり、と、頬張った気分だ。脳髄の芯から頭痛(きぃん)とくる、表現の易い反響――両耳を塞いだところで精神(こころ)へとろける警笛、オマエには顰め面がお似合いだと天使がふいた――怪異がやってきましたね。晩秋(かぜ)が未だのた躯ると謂うのに、忙しなくも無粋な怪異(もの)だ。まず、サイレンというのがセンスがない。赫灼けを如何したら釜茹でに変化(か)えられるのだ、夕焼けに鳴らすのであれば『夕焼け小焼け』でしょう――それとも、今からが『おはよう』と告げたいのか、狂っている。
小気味良いリズムがノスタルジーを運んでいたのに、いつしか世界はホラーに落とされた。これではリズムも何もあったものではない。万華鏡(カレイド・スコープ)は間に合っていると説明したのにこの貌(ざま)だ。心の障壁を築くだけです。
いったい何をお伝えしたいんです? 指の隙間へと狙いを定めた、蜂蜜色の不定形(つよく)が怨んでいる。ああ、つまり過去(だれか)は羨んでいるのだ。踊り始めるほんの少しの間なら耳を傾ける――かもしれませんよ?
陽炎についてきた腐葉土(つち)が石の裏を弄っている、棲家にしていた毒虫の群れがぐぅるり、融合(ま)じれて異た。これがあなたの正体ですか。とても神工的な代物が虚空(あな)を掘り進め――どうにも目的地(たどりつかない)。
成功
🔵🔵🔴
音骨原・章馬
サイレンが事件を告げている
断末魔の叫びめいているじゃないか
なきやませてあげないといけないね
ヒーロー(英雄)とはそういうものなんだろうから
紙を掻き毟りながら、サイレンの出所を探そうか
推理しよう、犯人探しだ。動機はなんだ。凶器はあるのか
三本足は足跡を残してはいないかい
俺は知りたがりなんだ。突き止めさせて眺めさせてくれよ
不条理なロジックで掻き回してくれ
真実なんて彼等の前じゃどうせ無意味だろうさ
あかい、あかい、あかい、三本足が絶叫した。事件めいたサイレンが頁の深淵(おく)へと這い寄ってくる。或いは、酔っているのは英雄(オマエ)だろうか。断末魔を想わせる警笛(ふえ)が宇宙、彼方へと邪悪性(ひと)を報せているのか。なきやませてあげないといけないね――自分自身を『そういうもの』だと固定する、言い聞かせる。愉快と不愉快の狭間に捻じ込んだ、猟兵と称される呪詛(ワード)を揃えてくれ。
空欄になっていた行に、無意識的な筆入れを行う。空っぽな頭蓋内に、意識的な指入れを行う。掻き毟り、抉られた紙(ページ)は一束とでも表現すべきか。出所を探すには『痒い所に手が届く』必要がある――推理しよう。犯人探しだ。動機はなんだ、凶器はあるのか。存在するのは狂気でしかない――三本足は足跡を残してはいないかい。
奇々怪々に対して無数の質問(やり)、俺は知りたがりなんだ。結んで、開いて、確認する。確認したならぐしゃりとやればいい。突き止めさせて眺めさせてくれよ。子供の頃に描いたものを思い出すと良い、滅裂なクレヨンが期待を孕んでいる。
不条理なロジックで掻き回してくれ――悔ち撒けた汚物(エノグ)が夕焼けを絞殺している、ぎりぎりと抗っていた天使が影(いのち)をみつけた。真実なんて彼等の前じゃどうせ無意味だろうさ――折りたたんだ風呂敷は臓物を忘れている。
成功
🔵🔵🔴
満月・双葉
親切じゃないか。
破滅が来ると教えてくれる。
でもダンスは踊ってくれなさそうだね。
リズムがなさ過ぎる。
残念
さてとりあえず…獣の匂いは何処にあるかな。
サイレンで隠せるようなもんじゃないし。
一緒に探そうよ、カエルさんや。
お前だって元は終末の獣じゃないか。
お仲間がやってくるよ。
言っておやりよ。3本じゃ、足が1本足りなくないかい?って。
でも、滅ぼすのはお前じゃない。
煉瓦造りの屋根々々に人形(マスコット)が乗っていた。詰まった彼等は饅頭を食みつつも現状に満足していたのか。器官を失くして良かったね。
何番煎じかの喇叭を掲げた、天使の紛い物が親切心(げろ)を吐いた。這い蹲った食材(ベヒモス)に贖罪の仕方を伝授しているのか。まるで享受する人様の如く、くるくると無形(おと)が渦巻いた――破滅が『くる』と表現している。破滅が『きた』と宣言している。でも――ダンス・パートナーとしては最悪の類だ、リズムもクソもあったものではない。破れそうな肺胞も崩れそうな心臓も腐りきった肉塊も、こうして眺めたら愛いものだ。残念な性格をしている、邪神(ひと)の嘲りと同等……さて。とりあえず。
六六六(けもの)の臭気を辿らねばならない。それを人類として含めるのかが猟兵(オマエ)の務めだ、努めて弄る演技(フリ)は得意だろう。何もかも、サイレンで隠せるようなもんじゃない――一緒に探そうよ。二足歩行の真似が大好きな四本足だ、そろそろ三本足に突き付けてやれよカエルさん――皿も脚もこのままでは生えてこない。
虚空(あな)に身投げした衝撃(けり)が何処までも何処までも融解していく。お前だって元は終末の獣じゃないか。回転していたオタマジャクシの頃、牙剥いた水棲(けもの)を返り討ちにしていた……でも、滅ぼすのはお前じゃない。
制御(コントロール)不能に陥った警笛(おと)が罅割れと共に落ちていく。みしりと毟られた血塗れが情け容赦なく殻(マイマイ)をくすぐる。
――壁側にこそ頭が相応しい、長い舌が胴を引っ張った。
成功
🔵🔵🔴
楠井・沙智
POWで判定
何が起きるかと耳をすませてた分、まともにサイレンを聞き付けて脳がくらくらします。
眩暈と吐気を無理矢理抑えて、「聞き耳」で音の出所を探ります。
イグニッションカードから詠唱インカム「アンセムジェネレータ」を取り出し耳に装着。音で周囲の「情報収集」や「索敵」を行う詠唱兵器です。サイレンに対し威力が足りないなら、外付けの「回転動力炉」をインカムに装着。「エネルギー充填」し「リミッター解除」。フルパワーで音を解析します。私は音の魔術師フリッカースペードだもの。どんな呪詛だろうと、それが音を媒介にするものなら読み取ってみせるの。
トルネンブラをくぐり抜ける事は出来ない。故に、猟兵(オマエ)は真っ向から貌(あ)わせる他ないのだ。三本足の鴉がエスカルゴを刺し殺す。
太陽の所為だ――日時計(のろ)いは影を落とす事なく、刹那に、不意に猟兵(オマエ)を抱擁(だ)き憑けた。甲高く、凄まじく、最早、人の術では止めようがない、筆舌し難い警笛(サイレン)――つよく耳を塞いだところでもう遅い、ぐわん、ぐわんと脳がないた。支えきれない身体(カタツムリ)はおそらく如何しようもない眩暈だろう、浮遊しているのか回転しているのか、教えてくれる良性(ほし)はない。ぷるぷると痙攣(ふる)えた臓腑をなんとか抑制(おさ)える……ごくん。唾なのか痰なのか酸なのか……。
塞いでいた耳朶(あな)をおそるおそる、いや、覚悟を決めて『ひらいて』みる。音の出所を探すには虎穴へと投身(往)かねば成らない。嘔吐くように「起動」したイグニッションカード、取り出したインカムはちゃんと装着出来たのか――? 大丈夫、何度も何度も、それこそ無限(なんど)も、繰り返した行為だ。運命が記憶している。
私は音の魔術師(フリッカースペード)。どんな呪詛(おと)だろうと読み取ってみせるの――埒外性(パワー)が足りないならば動力炉(まき)かえせ、充填(た)め込んだものを解放(はな)つのだ――これは喇叭だろうか? 終末が振盪している。
言霊(ヴォイス)が虚無(ヴォイド)に辿り着く頃、ようやくサイレンにも慣れてきた。まずい呼気を拭うように赤茶(かみのけ)をふる。
――新鮮な狂気を呑み込む。
成功
🔵🔵🔴
日向・陽葵
あああ~~あ、やばいコレめっちゃ舐めてた。けど舐めんのは床じゃなくてこの身この身この身だけでいいって口を回して頭を回せ~~? の、脳が染みてる気する染まるなら黒がいいな~~?! あー……焦げてんねー……目玉焼きの、黄身。……それ月っていうんですよホントかなアレほんとに惑星か!? 蝸牛のカラにも見えなくない。つまりは、つまりはあ…………ね、寝不足……?!
でもでも待ってよ二本足に一本手の我が身。比べてご覧よ延々頭痛の思い出と! いつの間にか脳裏に居着いてたハーメルン殿。警笛には警鐘で対抗してよ役目でしょう!?
虹ったらリセットされないかってホラ噴いてないで。萎びた林檎は脳味噌じゃないから齧ったら甘いねそうだね目玉動かせ巡らせろ
定員オーバーとっくに超えてるこの身に入り込もうとドアガチャ壁ドン騒音立てまくってる新鮮な入居希望者はどこにいる。なき止まないでよ聞こえないでしょ。聞こえないフリなんてしてないしぃ!? 俺っちは吐きそうだよ!!!? ほらおそろっちしようじゃん、何処にいるか吐いちゃえよ!!!
アルコールに漬けられた臓物がかたくなに拒絶していた。たまらないと逃避(と)び堕した、鱈子(たまご)の群れに如何様な醤油を垂らすのか。あ、ああ、あ~~……あ? やばい。これはめっちゃ舐めてはいけない代物だ、太陽の皮膚(かわ)を誰が剥げると謂う。けど舐めんのは床じゃなくてこの身・この身・この身だけでいい。まるで好みの解せないお子様だ、この泥団子は舌の上ではじけるチョコレートに近しい。口を回して頭を回せ。流されるように訪れた疑問符の多重螺旋、脳が染みている気がした。
これはとっても悦ばしい漆黒(くろ)だと三本足(からす)が訴え掛けている。掛け算してようやくスタート地点だと目玉焼きのきみが告げていた。ああ、残酷な事に焦げてんね。それ月っていうんですよホントかな。あれ、おかしい、ほんとに惑星か? 橙色に潰された虚空(そら)がサヨウナラ青春している――蝸牛のカラに見えなくない。つまり。つまり、は――あー、うん、そう、それだ……寝不足……寝不足?!
それは奇妙なおはなしではないか。二本足に一本手の我が身、がみがみと騒がしかった無限ループと再会してみよう。比べてご覧よ延々頭痛との思い出を。ほら、蜿蜒とはみでた脳味噌がハーメルン殿に誘われている。警笛には警鐘で対抗してよ役目でしょ鼠ちゃん!? 法螺ふいた君は虹色を示している、萎びた林檎だ、シナプスではない。
齧ったら蜜のもれる、素敵な素敵な禁断だ。動かし、巡らせ、どうこうした目玉がキャッキャしていく。定員オーバーだと謂っているのに言葉を知らない奴だ。ドアガチャ壁ドンいちゃらぶの『い』の字もない。あるのは『異』の字だけだ。新鮮な入居希望者はどこにいる――角だせ槍だせ頭だせ、ながいものに吊られろ。
なき止まないでよ聞こえないでしょ。ぶちりと切れたサイレンにニタニタピンクを晒して魅せる。聞こえないフリなんてしてないしぃ!? そろそろ吐きそうじゃないか猟兵(オマエ)、ヴぇの音(マトぺ)も在りやしない……ほらおそろっちしようじゃん。
何処にいるか吐いちゃえよ、吐きたくないならそっちの方が過去(み)の為か。乱立した感嘆符と共にスタンガンがおどる――出るまでまわせ。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 集団戦
『邪神汚染者』
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POW : すべて堕ちてしまえ
【呪われた天使の翼】と【おぞましき竜の翼】から、戦場全体に「敵味方を識別する【精神を犯し尽くす邪神の狂気】」を放ち、ダメージと【自身の記憶】を植え付け、【発情】【錯乱】の状態異常を与える。
SPD : どうして私だけ?
対象への質問と共に、【破裂した自身の腹部】から【悪意ある堕天の邪神が生み出す影】を召喚する。満足な答えを得るまで、悪意ある堕天の邪神が生み出す影は対象を【太い触手】で拘束し、【倫理感を狂わせる毒】で攻撃する。
WIZ : どうしてどうしてどうして
質問と共に【不定形のおぞましき怪物たちと醜悪な粘液】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
サイレンは天使を孕み、それは生贄(にえ)を象徴していた。
日常と呼ばれる甘露を邪神(かみ)に捧げたならば、成程、獣(キメラ)が生じても嘘ではない。憎しみは竜を埋め込み、愈々退廃への道を均した。
オマエが最初に感じたのは、異常なまでの解放感、病的なまでの優越感だった。生え揃った異形(はね)に破裂(こわ)れたハラ、こぼれる綿(もの)の何と愛おしい輪郭(かお)りか。どうして私だけ――? とても美味そうだからだよ。
貌のない怪物が蔓延り、醜悪な粘液(ジュース)をちらかす。二度と握れない鎖を虚無(なが)め、過去(オブリビオン)が吐いた。
びちゃびちゃ、びちゃびちゃ、びちゃびちゃ。
これが笛の正体だと謂わんばかりに。
播州・クロリア
どうして?何がどうして?
今の貴女の現状ですか?過去ですか?それとも意味などなかったり?
サイレンもそうですが伝えたいことがあるならわかりやすくしてください
ダンスなどしてみては?
私に見せれば欠片もこぼさずくみ取ってみせましょう
(救いを求めるように天を仰ぎ手を伸ばした後{晩秋の旋律}で『ダンス』を始める)
この旋律、とても分かりやすいと思いませんか?
もうすぐ終わるって感じませんか?
夕暮れですし鴉もサイレンも鳴りました
お帰り下さい
拒否は許しません
抑え込まれていた言辞(ワード)が意味を失い、ただ騒音と化して世界を包み込むのか。天使と竜の幻想(まね)をして犠牲者(じんるい)は只管に、落ちて墜ちて堕ちていく。自らの存在を疑問視し、他者の幸せを妬み羨み、病的なまでに反芻(どく)を散らかす。どうして。どうして。どうして――何がどうして? 三本足の訴えと謂い、サイレンの喧しさと謂い、最近の怪物(UDC)は声帯を無碍に扱っているのか。伝えたいことがあるならわかりやすくしてください――不可視を引っ剥がす粉末(くすり)、誰が量産すると宣うのか。
ダンスなどしてみては? 意思疎通が不可能(むずかしい)と謳うならば、全身で奈落を表現すると好い。善意で均された導(みち)にも幾等かの音符が描かれていたのだ。私に見せれば欠片もこぼさずくみ取ってみせましょう――把手に触れた指先が何処までも、何処までも彼方(あっち)に吸い込まれて往く。洟をすする餓鬼はいない。
天蓋(がい)を壊すような晩秋(リズム)がシャンシャンと、判り易い君を演じていく。旋律に拭われた仮面(泥・パック)が裏側の綺麗(きたな)さを暴いてしまう。もうすぐ終わるって感じませんか? そんな事、猟兵(オマエ)に説かれる所以(まで)もない。答えは知っている。応えは知っている。認めたくない程度だ。
夕暮れですし。鴉も、サイレンも鳴りました。とっくに門限は過ぎているのだ、と、少女等に蛆(うごめ)きを教えてやる。お帰り下さい。拒否は許しません――海岸――飛ぶ事を忘れた汚染者は底へ々へ。青へ々へ。「帰りたいと願うのは」
――ジョン・ドゥの慟哭。
成功
🔵🔵🔴
音骨原・章馬
お嬢さん、こんばんは
君は随分邪神に気に入られたらしい気の毒に
羽ばたきに狂気に犯され頁が乱れてしまうよ
まったく恍惚とするじゃないか
おやおや記憶の奥まで暴かせてくれるのかい興味深いね
さあ君の回想を隅々まで晒してくれよ読者は興味津々さ
どうしてこうなったか知りたいのだね、理不尽に蹂躙された哀れな子
けれど幾ら推理したってこの展開に納得はできないだろうよ
びちゃびちゃ言うのはやめてくれ
その音は嫌いなんだ
翼を持つ君を【呪瘡包帯】で捕縛して銃を撃つ
呪いの牙は無防備な君の肌を食い破るはずだ
君はどこまでも被害者で悲劇のヒロインだったに違いない
俺に殺されてくれ、お嬢さん
その音は嫌いなんだ――人の皮をかぶった、無数の改行(けたけた)が首をふる。嚢の中に沈んでいた文庫本がハード・カバーに捕食(く)われる、そんな気分でご挨拶だ。お嬢さん、こんばんは。次元の裂け目から『め』をつけた、よくある邪神どもの気紛れニマニマ。ああ、気の毒に――三本目の足はもがれて終ったのだ、退廃と見做された少女の恋物語。嗚々、助けてくれ。狂気に犯され、感情に冒され、頁が乱れてしまうよ。酔っ払いと成された主人公(ヒーロー)が水瓶にでも落ちて溺死(お)わったのか。まったく、恍惚とするじゃないか――おやおや。塗り固められたインクがどろり、少女色に呑まれていく。興味深いね、読者は興味津々さ。手繰り寄せたプレイヤー、脳味噌までつぶれる。
隅々まで教えてくれ、考察は勝手にするからさ。絞殺された方がマシだった、と、死体(じけん)がブツクサと囁いている。どうしてこうなったのか知りたいのだね。理不尽に蹂躙された哀れな子――頷ける答えは過去と共に息絶えた、びちゃびちゃ、びちゃびちゃ。掻き毟った頭の中が、まだ、かゆい。
くだけた瓜の汁気、ありつくのは弾丸に違いない。呪いに捕縛(くる)まれた天使(あかご)が嫌(おぎゃあ)と文句を垂れている。君はどこまでも被害者で悲劇のヒロインだった――俺に殺されてくれ、お嬢さん。既にこわれた臓腑の、美味そうなおと。
びちゃはいつしかじゅるりに代わり、牙(オマエ)はもだえる餌(それ)を啜るのだ。生きる為さ、仕方がない。生きる為さ、どうしようもない。生きる為さ、お嬢さん――俺は頁を埋めなきゃならんのだ。
成功
🔵🔵🔴
楠井・沙智
ギターを構えて掻き鳴らす。貴女と私の音どっちが強いか、さぁ、始めようか。
「楽器演奏」「オーラ防御」「結界術」。弦の音で「音波障壁」を張ります。音の壁で怪物や粘液を退けます。
どうして私だけ?そんなの、貴女が貴女だからだよ。世界に貴女は貴女しかいないんだから、全部貴女のせいなのよ。
音の圧力を更に高めて、世界を書き換えます。【ブラストヴォイス奥義】。「音」属性の「嵐」を巻き起こして邪神汚染者を包み、高周波と共鳴で粉砕。
演奏に「歌唱」を合わせてリズムを整え、暴走を制御します。
濁り目とあった猟兵(オマエ)は焦点(こ)がれを理解した。汚れた楽譜を読む事は難しいが、思い出す事は出来る。脳裡に浮かんだ魔王はひどく痩せていて、ちいさな死体を撫でているのか。
ブツンと切れた糸はどの部分(いち)だったのか、気分の悪さを如何にかしつつ『改めて』天使(あなた)を観察(みと)める。掴んだ楽器(ギター)は鈍器にあらず、されど、貴女の『こころ』を『のう』を揺さぶるでしょう――さぁ、始めようか。煌めいた天空(そら)の色を定めるのは私(オマエ)だと、スポット・ライトが明滅した。問題など無い、たとえ醜悪に塗れようと障壁(たいさく)は完全だ――滅裂な悪態(ことば)が音(ね)にあたる。これは本心なのか。邪神が埋め込んだ虚構なのか。何方にしても。
貴女が貴女だからだよ。ここには、世界には、宇宙には、ただ一人の過去(あなた)が在る。退廃、悪夢を反芻(まね)いたところで、全部、貴女のせいである今(こと)に所以(か)わりはない。いやだ、そんな本当(こたえ)は求めていない。のたうつ怪物はまさしく蛆虫、繭を作る術も忘れた、あわれな脂肪の塊――書き換えるならば最終(フィナーレ)だ。
混沌(カオス)――これを海(あお)と表現した場合、オマエは制御出来るのだろうか。滅びの歌、或いは詩に込められた『サヨウナラ』の一言。汚染者は埒外(ちから)に呑まれ、嵐(ユーベルコード)の心臓(なか)で塵芥(くず)れ逝く。
強く、強く、強く、最早サイレンは響かない。
――ふるわせた魔力(こえ)のいと、誰に届けられた。
成功
🔵🔵🔴
日向・陽葵
……お。お? おー。現状確認せずとも鬼やばピンチなのはわかるまるっ
でも問題があります。ヒナはヒナなのに器が今現在らしくない!! 過去昔の姿だこれーー!!?
何はともあれお葬儀デスネ!? わかるよ、スタンがちゃった結果がヒナなの超マジ理解る。手羽先ムシりてむしゃくしゃしちゃうよお!
あっはあ、それ天使ちゃんじゃなくて恐竜ちゃんでもあったんだ!? あらあ、なにこれ知らない記憶ー……死線見えちゃったから子孫残そうと参っちゃったの? でもこの身は求めないで。ヒナの好みじゃあない!
ヒナには過去なんてサッパリだ。でも過去はスッパリしないと生き地獄ですよ。死は穢れなんかじゃない。悼んであげっから、死体を寄越せ!
中てられた雷が泥状と化した事で人々が貌(つら)を認識したのだ、そんな混沌(ケイオス)に取り残された猟兵(オマエ)はぐるりと目玉をまわす。現状確認せずとも鬼やばピンチなのはわかるまるっ――爛々さを失くした天使(おんな)が鎖を遊ばせている、それに関してはちょっと置いておいて問題がひとつ。ヒナはヒナなのに器が今現在らしくない!! その問答には世界が応えてくれている。答えをくれた水底の塩辛さ、嗚呼、なんともはや厄介な頭痛(たね)だね。過去昔の姿だこれ。つまり真なるかな、すくわれた黒々。
何はともあれお葬式デスネ!? 棺も碑も見当たらないけどよく燃えそうなバサバサだ。三本足がバランスとれないのは三半規管(カタツムリ)の寄生の所為に違いない。わかるよ。スタンがちゃった結果がヒナなの超マジ理解る。手羽先は胡椒よりもタレだ、お子様っぽい舌(タン)がそう啓蒙(つ)げていく――あっはあ。
天使ちゃんと恐竜ちゃんの獣(キメラ)ちゃんというわけだ。因子(のう)から脳(みそ)へと伝達(つた)わる知らない記憶。あらあ、死線見えちゃったから――どくどくと鼓動(な)いていた胎の中、ひとりで如何やって蹴ると謂うのか。子孫残そうと参っちゃったの? この身気の儘、求めないで。こんなのヒナの好みじゃあない!!!
火の車が大回転する事で貌(たましい)とバイバイだ。過去なんてサッパリ。でもスッパリ殺(や)らないと大惨事「生き地獄ですよ」――死は穢れなんかじゃない。おやすみは悲劇なんかじゃない。悼んであげっから――死体を寄越せ!
12匹の会話(まるまる)がおさまる頃、嘆いていた死体(ひと)はひとつも無い。罪骸(ざんがい)を奪って往った誰かさんのヒゲが濡れていた。
――橙色。
成功
🔵🔵🔴
満月・双葉
どうして?
そんなのは簡単なことです。
人(あく)だから。
悪意の塊、何かを貶めて纏まって、安心する。
こぼれ落ちた奴等を嘲笑い、こぼれ落として嘲笑い。
醜い醜い獣たち。
そしてお前がその悪意に喰われたから。
ふふ、僕はそんな奴らを食う獣。
お前から進んでお前の記憶を見せてくれる?
いいじゃないか、汚らしいアクの歴史を見せてくれよ?
そして、僕に狂気をよこせ。
全て、僕にとっては餌になる。
足りないね。更に得ても宜しいか?
犯す精神なんざ、僕に残って無いだろうに。
人間だ、人間だ、人間が楽しそうに遊んでいる。
泥に浸かった人間が僕等を楽しそうに見つめている。
十六程度で足りるのか、と、猟兵(オマエ)は創造主(アンラマンユ)を諭して魅せた。互いの尾を咀嚼(かじ)る化身(あくい)がどうして、どうしてと水を掛け合っている。そんなのは簡単なことです。莫迦々々しいほどに反芻された、過去と未来の狭間。生まれる前から正義だなんて誰が証明出来るのか――人(あく)は人(あく)でしかない。
獣が数字で表現可能ならば、成程、全ては人(あく)の所為だろう。悪意(こころ)がかたまり、蠢き犇めき、何かを貶めて「せせら」とおどる。これが安心だと突き付けた永劫――嗚呼、熟睡する世界の未完成だ。こぼれ落ちた奴等を嘲笑う。こぼれ落として嘲笑う。そんな貌(つら)だから、狂気が卵(キャンディ)を加工するのだ――ふふ。捧げられた意識は二度と失われない。全部々々、埒外の箱庭(もの)か。
お前から進んでお前の記憶を見せてくれる――なんとも素敵なフルコース、邪神(ひと)まみれの儀式に強制参加とは悦ばしい。いいじゃないか。汚らしい、忌々しい歴史(すべて)を晒してくれよ。埋め込まれた種が成長し、少女の腸を押し出す――僕に狂気をよこせ。酸いも甘いも味付け次第だ、ところてん単体では食感がのこるだけ。
足りないね。更に得ても宜しいか? 心(ジュース)で満たされるほど真面な精神は存在しない。じりじりと近寄って、正気を失ったお前をかじる。犯す精神なんざ、滓(のこ)って無いだろうに――サイレンが嗤う、オマエも人間みたいな輪郭だと。
汁気を搾(だ)した娘は一番星だ、最早、炊き立てご飯もとおらない。
大成功
🔵🔵🔵