「そろそろお花見の季節っすねぇ」
そう、コタツ(電源は切ってある)に頬杖をついて呟く、雨月・雨莉(は何もしない・f03581)。
「まあ俺は花見とか行かないんで関係ないっすけど」
とかいらん情報を付け加えつつ、雨莉はチラと猟兵達の方に視線を向けた。
「かの竜神親分から、お花見のお誘いが来てるみたいっすよ?」
――そこは、春暁で刻をとめた神域。現実の世界でも、桜の時期ではあるけれど。そこには、季節関係なく満開の桜が咲き誇っているらしい。
「ちょうどそこで今、お祭りやってるらしくて。花見の季節だからっすかね? 定番の三色団子とか、桜餅とか、甘酒とか桜茶とか……色々売ってるらしいっすよ」
神域らしく、赤い鳥居が立ち並ぶ中。明け方の空には、ほの薄く満月が浮かび、咲き誇る桜の下では賑やかな祭囃子の音が響く。情緒的で、美しい景色の中。買い食いしてもしなくても、きっとそぞろ歩きするだけで楽しいだろう。そんな幻想的な光景の中に誘うなんて。かの竜神親分も粋なことをするもんだと、猟兵達は感心して頷く。小学生形態になる前からメンタルが割と小学生な碎輝にも、こんな風流な一面があったなんて……と、思いきや。
「いえ、単に桜吹雪の中戦うってカッコイイなって思っただけらしいっす」
雨莉の一言に皆ズッコケた。そうなのだ。竜神親分碎輝は、その「最弱の状態から無限に成長する」という性質上、カタストロフを起こしてしまう危険性があるため、定期的に猟兵達と戦い、倒されることでしばらく成長しない「小学生形態」へと変形する必要がある。此度の誘いも、その一環なのだろう。
「っつーわけで、花見楽しんだ後はいつも通り、彼と戦ってください」
もはや投げやりに言う雨莉。竜神親分が推しだという彼女はこれまでに幾度もこの手の依頼を持って来ている。もうこの流れもお馴染みなのだろう。お馴染み、といえば。
「もう知ってる人も多いでしょうけど、碎輝は『自分がヒロイックな状況に追い込まれる』とよりパワーアップします。なんで戦いは正々堂々と、真正面からお願いします」
敵(この場合は猟兵)がかっこよかったり正々堂々としていれば、そこまで成長しないはずだから。またその性質のためか、碎輝はカッコイイ談義にはノリノリで応じてくる。花見の際にでもカッコイイトーク振ってやれば、きっと喜ぶだろう。彼は色気よりも食い気よりも、強さとカッコよさだから。まあ、無理にカッコイイトークしなくても、ただ桜を愛でに、あるいは花より団子とばかりに買い食いしに行っても、別にいいだろう。どのみち、彼とは戦うことになるのだから。
雨莉がうっとりと、遠くを見ながら呟く。その視線の先に、桜咲く神域と彼女の推しの姿を描くように。
「桜舞う中での真剣勝負って、実際絵になりますよね~、俺は行けないのが残念っすけど、楽しんできて……あ」
これで結びかと思いきや、雨莉が不意に口を開く。
「絵になると言えば……言い忘れてました、その神域、地面が水面なんすよ」
曰く、かの神域はまるで海上に建つ神社のように。澄み切った水の地面が、鏡のように神域に立ち並ぶ鳥居や、桜や、薄い満月を映し出しているのだという。ますます幻想的で絵になる景色だがしかし、地面が水面って歩けるのか……?
「そこは心配ないっす。確かに水面なんすけど、さすがカクリヨの神域というか。まるで浮いてるみたいに、水面の上歩けるみたいで」
水面の上を歩いても、ただ波紋が広がるだけで。決して沈んだり濡れたりはしないのだという。かといって水面の表面が硬いというわけではなく、その水面の中に手を入れたり、水を掬ったりということはできるらしい。なんとも不思議な話だが、そこはカクリヨの、さらに神域である。どういう原理かは分からないが、こういうことも起こり得るのだろう。それに、と雨莉はどこか声をひそめて付け加える。
「……水面の地面には真の姿が映るとか、亡くした者、過去になった者達の魂がそのままの姿で顕現するとか……色々、噂があるらしいっすよ?」
――尤も、あくまで噂だ。水面を覗いてみても、そこにはいつも通りの自分の姿が映っているだけかもしれない。でも、もし、自身の真の姿や、亡くした者、過去になった者達の姿が映るという話が真ならば。
「碎輝だったら何が映るんでしょうね」
ポツリ呟き、雨莉は猟兵達を送り出す。桜咲く、神秘的な神域へと。
ライ麦
ライ麦です。しばらく碎輝出さないつもりだったんですけど、竜神親分と花見に行きたくなっちゃった☆(てへ☆)
というわけで当方7本目の戦後碎輝シナリオです。よろしければお花見ついでにお付き合いください。
●補足
・OPのラストで何か匂わせてますけど、私も碎輝の真の姿とか知らないんで(あるなら知りたいわ)、「碎輝の真の姿が分かる!?」とか期待しないでください。ただのフレーバーです。(第六猟兵において、マスターだけに与えられる機密情報などありません)そこ気にするくらいなら自分のキャラが神秘の水面を覗き込んだ時何が映るか? に字数割いた方が幸せになれます。ぜひそうしてください。
自身の真の姿でも、亡くした者、過去になった者達の姿が映るでも。はたまたそれ以外でも。お好きにどうぞ。
・OPで言及されているもの以外にも、一般的な祭りの出店で売っているものはあると考えていただいて大丈夫です(かき氷等、春の明け方に合わないものはないかもしれませんが)。
補足は以上です。
それでは、幻想的な神域でのお花見と、桜舞う中での碎輝とのバトルをお楽しみください!
第1章 日常
『神祭』
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POW : 祭を楽しむ
SPD : 祭を楽しむ
WIZ : 祭を楽しむ
イラスト:朝梟
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
豊水・晶
(雨莉ちゃん簀巻きにして連れていけないでしょうか?絶対愉しいと思うんですが…主に私が。)
まあ、適切なUC無いので今回は諦めるとして。んん~。居心地のいい神域ですねぇ。
あら!碎輝さん、お久しぶりですね。この度はご招待ありがとうございます。再会を祝して一杯どうですか?幸いつまみには困りませんし、同じ竜神同士で花見酒など如何でしょう。(水面に映る真の姿を指しながら)
今なら私秘蔵の極大吟醸を出しましょう。
はぁ~~、美味しいですねぇ。
さて、こんな美人とふたりきりでお酒を飲むなんて贅沢にも程がありますよね。という訳で質問を一つ。
私くらいの身長の女性ってどう思いますか?
「(雨莉ちゃん簀巻きにして連れていけないでしょうか? 絶対愉しいと思うんですが……主に私が)」
豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)はそう思った。思ったが、適切なユーベルコードがない……しそもそも彼女が転送を担当している以上、連れては来れない。仕方ないと諦め、晶は天を仰いだ。春霞に紫がかった明け方の空。永久に沈まぬ満月。風に舞う桜の花弁。地に目を向けてみれば、それらを鏡のような水面が映している。ほぅっと感嘆のため息を吐き、晶は伸びをした。
「んん~。居心地のいい神域ですねぇ」
そもそも、彼女は水湧き出る水晶と、それを水源とする川の神。水面の神域との相性が悪いはずがない。居心地の良さには、そういった理由もあるのだろう。どこか澄んだ気持ちで、伸ばした腕を下ろし……。
「ああ、本当に居心地いいよな、ここ」
うんうん頷いてる竜神親分と目が合った。
「あら! 碎輝さん、お久しぶりですね。この度はご招待ありがとうございます」
軽く頭を下げて挨拶する。いやいやと碎輝は手を振った。
「こっちこそ、来てくれてありがとうな!」
ええ、と軽く微笑んで面を上げる。さっき頭を下げた時、水面に映った姿を見て思いついたことがあった。
「よかったら、再会を祝して一杯どうですか? 幸いつまみには困りませんし、同じ竜神同士で花見酒など如何でしょう」
そう、水面に映る真の姿を指しながら言う晶。そこには、白く輝く美しき龍の姿が、舞い落ちた花弁と共に映し出されていた。それを見た碎輝は口元に手をやって唸る。
「……もしかして、これが晶の真の姿だったりするのか? すごい、カッコいいな……!」
素直な称賛に少し照れつつ、気を良くした晶は純米極大吟醸『玻璃』を取り出した。
「今なら私秘蔵の極大吟醸を出しましょう」
「うおっ、なんだそれ、なんかすごい貴重そうなやつ……! いいのか?」
尋ねる碎輝に、晶は頷く。
「ええ、飲まない方が勿体ないですし」
というわけで、二人で満開の桜と、水面に映る景色と、真の姿を肴に暫し花見酒を楽しむ。
「はぁ~~、美味しいですねぇ」
何度目かの杯を開けた晶が息を吐く。
「ああ、そうだな。景色もいいし……」
杯を手に同意する碎輝に、晶はちょっと悪戯っぽい笑みを浮かべて尋ねた。
「さて、こんな美人とふたりきりでお酒を飲むなんて贅沢にも程がありますよね。という訳で質問を一つ」
「? なんだ?」
首を傾げる碎輝に、晶はずいっと身を寄せて言う。
「私くらいの身長の女性ってどう思いますか?」
「え? 晶くらいの身長の女性……? どう思うかって……」
突然話を振られて困惑する碎輝。う~んと腕を組んで、長い間考え込んでいたが、ややあって答えた。
「見た目がどうであれ……大事なのは中身だ! だから、身長を気にする必要なんてない!」
そうだろ? となんかいいこと言った風にドヤ顔する碎輝だが、晶が聞きたかったのはたぶんそういうことじゃないと思う。若干の呆れ顔で、「ええ、はい……そうですね……」と呟き、晶は再び杯に口をつけた。桜の花弁が、はらりはらりと舞い落ちてきていた。
大成功
🔵🔵🔵
亞東・霧亥
また酔狂な事をしようとしていると思ったか?
今回は毎度の様な邪悪な儀式は無いから安心したまえ。
此度は風流を楽しむつもりだ。
濡れない水面なら直に座っても問題無いだろう。
懐から取り出した包み紙と腰に提げた徳利も置いて準備は整った。
【UC】
ボロボロの首狩武者を向かいに座らせ、酒盃を渡す。
最近、疲れている。
何をしていても溜息が漏れるのだ。
包み紙の中は桜の塩漬け。
静かに酒を酌み交わすには良い塩梅だ。
水面に映るのは互いの器物。
血と錆で鈍らに朽ちた野太刀と傷みで時も刻めぬ懐中時計。
されど、未だ死ねぬ未練がある。
いつか果たされるその日まで、我等は進まねばならぬ。
桜吹雪の後に佇む若き竜との戦いとその先へ。
「霧亥! 久しぶりだな! ……今日はあの姿じゃないのか?」
亞東・霧亥(は休みなんて無かった。・f05789)の姿を見つけ、碎輝が声をかけてきた。このところ、ユーベルコードで変身した姿で会うことが多かったから。霧亥はニヤリと笑って答えた。
「また酔狂な事をしようとしていると思ったか? 今回は毎度の様な邪悪な儀式は無いから安心したまえ。此度は風流を楽しむつもりだ」
「そうか、それならよかった……」
胸に手を当てて、安堵の息を吐く碎輝。自分から声をかけたものの、内心またおかしなことになるんじゃないかとハラハラしていたらしい。
「せっかく来たんだし、楽しんでいってくれよな!」
と軽く手を挙げて去っていく碎輝に会釈を返し、霧亥は水面に腰を下ろした。大きく波紋が広がる。しかし、思った通り、直に座っても濡れないし、沈みもしない。ホッと息を吐き、霧亥は懐から包み紙を取り出した。さらに腰に提げた徳利も置き、準備完了。霧亥はユーベルコードで呼び出したボロボロの首狩武者を向かいに座らせ、酒盃を渡す。開いた包み紙の中には桜の塩漬け。静かに酒を酌み交わすには良い塩梅だ、と霧亥は盃に注いだ酒を飲む。それに合わせるように、首狩武者も渡された酒盃を口にした。そうしてちびちびと飲みながら、霧亥は溜息交じりに呟く。
「……最近、疲れている。何をしていても溜息が漏れるのだ」
その呟きを、首狩武者は何を言うでもなく、ただ頷きながら聞いていた。水面に映るのは互いの器物。血と錆で鈍らに朽ちた野太刀と、傷みで時も刻めぬ懐中時計。それを眺めながら、霧亥は再び口を開く。
「されど、未だ死ねぬ未練がある。いつか果たされるその日まで、我等は進まねばならぬ」
――桜吹雪の後に佇む若き竜との戦いとその先へ。確りと面を上げて決意を述べた霧亥に、首狩武者も大きく頷いた。
大成功
🔵🔵🔵
尾守・夜野
POW
「よ!碎輝さんよぉ!お誘いどうもだぜ」
まぁ確かに桜の花弁の中戦うのも一興だな
「かっけぇと言えば…桜の下、無言で構え刀とかに花弁触れた瞬間、斬っ!て感じで動き始める…とか、コインが落ちた瞬間…とか決闘の開始の合図そういうのもかっけぇよな」
まぁここ桜吹雪いてるからどの桜か知らんし無理なんだが
「お?俺らバチバチするときにでも開始合図決めとくか?良いじゃねぇの」
からから笑いながら甘酒飲んで「一太刀で型をつける、つばぜり合いをする、避ける、何にせよその後ってのはかっけぇよな」
「なんにせよ風流な事で
まぁ喧嘩も祭りも楽しませて貰うさな」
「よ! 碎輝さんよぉ! お誘いどうもだぜ」
甘酒を片手に、軽く手を挙げて挨拶する尾守・夜野(墓守・f05352)に、碎輝も顔を綻ばせる。
「こっちこそ、来てくれてありがとうな! ただ俺が桜の下で戦いたかったってだけなのに、付き合ってくれて……」
少し照れ臭そうに頬を掻く彼に、夜野は、
「まぁ確かに桜の花弁の中戦うのも一興だな」
と頷いてみせる。碎輝は目を輝かせた。
「おお! 分かってくれるかこのロマン……! 桜吹雪の中戦うって、カッコいいよな!!」
力強く頷く彼に、まぁな、と返し、夜野はつと空を振り仰ぐ。ひらひらと舞い落ちてきた花弁に手をやり、呟いた。
「かっけぇと言えば……桜の下、無言で構え刀とかに花弁触れた瞬間、斬っ! て感じで動き始める……とか、コインが落ちた瞬間……とか決闘の開始の合図、そういうのもかっけぇよな」
まぁここ桜吹雪いてるからどの桜か知らんし無理なんだが、と呟きつつ、碎輝の方に向き直ると……彼はますます目を輝かせていた。
「決闘の開始の合図……! うわー! いいなそういうの! カッコいいよな……!!」
きらきらした瞳で相槌を打つ彼は、子供になる前から子供のようだ。からから笑いながら、
「お? なら俺らバチバチするときにでも開始合図決めとくか? 良いじゃねぇの」
と甘酒を飲む。
「いいなそれ! 開始合図か~、何がいいかな……カッコいいやつ……」
真剣に考え込む碎輝に、
「一太刀で型をつける、つばぜり合いをする、避ける、何にせよその後ってのはかっけぇよな」
と返し、夜野は降り注ぐ桜に目を細めた。
「なんにせよ風流な事で。まぁ喧嘩も祭りも楽しませて貰うさな」
「ああ、また後でな!」
手を振り去っていく彼に手を振り返し、夜野は暫し、桜舞う神域での祭りを楽しんだのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『竜神親分『碎輝』成長電流形態』
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POW : 成長電流
【黄金竜】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【状態から次第に強くなっていく電流】を放ち続ける。
SPD : 黄金竜神
【体に雷を纏う】事で【無限に成長を続ける黄金竜の姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 超電竜撃滅衝
自身が装備する【槍】から【無限に成長する巨竜型の雷電】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【麻痺】の状態異常を与える。
イラスト:108
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
尾守・夜野
合図はコインが落ちたらに決まったぜ
10歩歩いて振り返るとで白熱した討論になったがね
コインが落ちるまでは互いに当てないだけで別にチャージしててもいいし碎輝の強化条件も満たせるだろ
一撃で雌雄を決する方がかっけぇじゃん?
となった
初っぱなからフルスロットルだ
互いを間合いに捕らえ…ぽちゃんと音がした瞬間一気に激突
「もうちょい時間が必要かい?碎輝さんよぅ!」
「はっ!負けた言い訳に使うんじゃねぇぞ!」
実際の状況がどうであれとりあえず煽り煽られ理性を投げ捨て
触れた所から黒纏で血をすすり、余剰の血を刻印に回し強化の出力を限界越えて上げてこちらも時間経過で強化
後は意地の張り合い
先に意思折れた方が攻撃食らうだろうよ
「合図はコインが落ちたらに決まったぜ。10歩歩いて振り返るとで白熱した討論になったがね」
片手でコインを弄びながら、尾守・夜野(墓守・f05352)が言う。どうやら別人格との間で、決闘の開始の合図について議論を重ねていたらしい。パッと碎輝の顔が輝く。
「コインが落ちたらか! いいなそれ! コインが落ちたその瞬間、ぶつかり合う闘志……! 分かりやすくてカッコいいじゃないか! ……あ、でも互いに10歩歩いて振り返った瞬間に戦いが始まるっていうのも、それはそれでクールでカッコいいよな……」
どっちも捨てがたいぜ、と顎に手を当てて唸る碎輝。夜野は肩をすくめた。
「コインが落ちるまでは互いに当てないだけで、別にチャージしててもいいし。碎輝の強化条件も満たせるだろ。一撃で雌雄を決する方がかっけぇじゃん? となった」
「確かにな~……一撃で雌雄決した方がカッコいいか。それに、10歩歩いたらだと、もしかしたら歩数誤魔化したりとかあるかもしれないしな……」
まあ猟兵はそんな卑怯なことしないって信じてるけどな、と呟き、碎輝は面を上げた。
「よし、なら今回はコインが落ちたらで決まりだな! 行くぜ!」
言うなり碎輝は体に雷を纏い、無限に成長を続ける黄金竜の姿に変身する。今回はコインが落ちるまでは互いに当てないだけで、別にチャージしててもいいルール。初っぱなからフルスロットルだ。夜野もまた、
「はははっ! こっから先は! ノンストップだ! ギア上げてくぞ!」
と黒纏を脱ぎ、黒纏が今まで吸った生命力、血液の供給形態に変身する。互いを間合いに捕らえ……投げられたコインがぽちゃんと音を立てて水面に沈んだ瞬間。一気に激突した。初手はやはり、スピードと反応速度が爆発的に増大した碎輝が有利。瞬く間に間合いを詰め、増大したスピードを乗せて全力で体当たりしてくる。だが夜野も負けてはいない。その体当たりを受け流しつつ、触れた所から黒纏で血をすすり、余剰の血を刻印に回し、強化の出力を限界越えて上げて、こちらも時間経過で強化されるようにする。碎輝と条件は同じだ。理性を投げ捨てた夜野が、過剰狂給(オーバーブースト)で得た刀型端末を突き付け、高笑いする。
「はははっ! 無限に成長を続ける黄金竜って言ってもそんなもんか! もうちょい時間が必要かい? 碎輝さんよぅ!」
「もうちょい時間が必要? バカ言うな、俺はいつだって全力だぜ!」
水面を蹴り、碎輝は空に舞い上がる。ざぁっと桜の花弁が舞い散る。黄金の翼を広げ、碎輝は吠えた。
「昨日より今日! 今日より明日! 俺は、どこまでも強くなる……!」
「それって結局時間が必要ってことじゃねぇか! はっ! 負けた言い訳に使うんじゃねぇぞ!」
「そっちこそ!」
桜吹雪と共に急降下してくる碎輝の攻撃をかわし、増加した戦闘力でもって振るう武器は、碎輝の増大した反応速度によりすんでのところでかわされる。煽り煽られ、意地の張り合い。時間経過で強化されるのは、どちらも同じ。攻撃を食らうのは、先に意思折れた方だろう。生き生きと、笑顔で――理性失ってる分、夜野は狂気的な笑みでだが――水面に幾多の波紋を残しながら、ぶつかり合う。なかなかつかないかと思われた決着だがしかし、爆発的に増大したスピードと反応速度で動き続ける碎輝の方に先に限界が訪れた。そもそもが解除するまで毎秒寿命を削るユーベルコードだ。負担が大きいのは間違いない。『いつだって全力』なのがかえって裏目に出た。疲労により、僅かに崩れた体勢。そこ目掛けて、上段から刀型端末を振り下ろす。
「その首もらった!」
理性を喪失している彼は、恐れを知らない。反撃の可能性も考えず、爛々と輝く瞳で真っ直ぐに突っ込んでいく夜野の意思の方に、今回は軍配が上がった。碎輝の瞳に微かに浮かんだ恐怖が、反応速度を鈍らせる。体を捻り、振るわれた竜の尾が夜野に届く前に。夜野の一撃が、黄金竜を打ち砕いた。
大成功
🔵🔵🔵
豊水・晶
さてさて、お酒もいい感じに回ってきましたし、私もそろそろ戦いましょうか。桜舞い散る水の大地、そこに加えるとするならば花弁と水、2つを合わせたものが良いでしょう。
UC発動。ダンスも合わせて、踊るような動きを付けます。
見惚れていると足元は勿論を掬われますよ。もし流されてしまったら…見も心も、角のないまあるい形に削ってあげましょう。
防御はオーラ防御と結界術で。麻痺はどうしようもないので、突然べしゃっと倒れ込みます。UCは本来動きは必要無いので攻撃続行。ただし操作が大雑把になります。
アドリブや絡みなど自由にして頂いて大丈夫です。
「さてさて、お酒もいい感じに回ってきましたし、私もそろそろ戦いましょうか」
豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)がゆらりと立ち上がる。改めて戦うフィールドを見渡し、晶は考えた。
(「桜舞い散る水の大地……そこに加えるとするならば花弁と水、2つを合わせたものが良いでしょう」)
ならばユーベルコードはこれだ、と晶は瑞玻璃の渦流(ミズハリノカリュウ)を発動させる。晶の装備武器が、無数の水晶の花びらに変わる。この場にはまさに似つかわしい、美しき技だ。水晶の花弁を周囲に浮かべ、晶は優雅に踊り出す。その動きに合わせるように、水晶の花びらもまた踊るように碎輝に襲い掛かった。無数の水晶の花弁に打たれつつもしかし、桜の花舞う水面の上で優雅に踊る美女と、それを彩るように舞う水晶の花びらについ見惚れてしまう。ぼうっと見とれたまま突っ立っている碎輝に、
「見惚れていると足元を掬われますよ」
と彼の足元を指差す。美しき水晶の花弁が、容赦なく彼の体勢を崩しにかかっていた。
「もし流されてしまったら……身も心も、角のないまあるい形に削ってあげましょう」
くすくすと笑う晶に、碎輝はようやくハッとして槍を握りしめた。
「悪いが、角を削られるわけにはいかないからな! 行くぜ、超電竜撃滅衝!」
放たれた巨竜型の雷電が、晶に襲い掛かる。晶は踊りながらも、結界を張り、さらにオーラでもって雷電を防御する。しかし、その雷電は無限に成長するもの。むくむくと膨れ上がったそれが、ダメージは与えられずとも、晶の体に状態異常をもたらした。
「あっ」
さっきまで優雅に踊っていたのに、急にべしゃっと倒れ込む晶。水面に激しく飛沫が舞った。
「……おい、大丈夫か?」
思わずしゃがみ込み、尋ねる碎輝。倒れてもやはり、体は水に沈んだりしなかった。それでも麻痺している分、起き上がれない。なんとか頷いた晶は、緩慢な動きで宙に舞う水晶の花びらを指差した。
「……本来……動きは……必要、無いので……」
「……ん?」
碎輝が目を丸くし、その言葉の意味について暫し考え込む。そう、このユーベルコードに本来動きは必須ではない。と、いうことはつまり――晶が麻痺しても、ピンチは終わっていない。ようやくそれに気づいた碎輝がバッと振り向くも、もう遅い。麻痺した分、大雑把になった操作で、晶は大量の水晶の花びらを碎輝に向かって落下させる。水晶の花弁の雨に打たれ、碎輝は大きくその体力を減らしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!
お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ
口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ
よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね
アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!
「あら! 素敵ね、なんて美しい場所なのかしら」
サポートでやってきた仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)こと美術好きな女性人格ネイルは、清らかな水をたたえた地面と、そこに映る満開の桜に目を見張った。
「まるで一枚の絵画のようだわ。こんなところに来られるなんて、役得ね♪」
ウキウキと手を組んだネイルは、ふと水面に映る碎輝の姿に気付き、彼に目をやる。
「今回は、アナタと戦えば良いのかしら? この美しい景色をぶち壊そうとするなら、容赦はしないわよ」
「ああ、もちろんこの神域をぶち壊す気はないが……戦って欲しいのはその通りだな」
槍を構える碎輝に、
「分かったわ。この景色を損ねないよう、美しく戦いましょ! バトルだって芸術よ!」
とウインクして返す。かくして落とされた戦いの火蓋。先に動いたのは碎輝の方だった。
「よし、行くぜ!」
黄金竜に変身した碎輝が空へと舞い上がり、飛翔しながら戦場全体に弱い電流を放つ。次第に強くなっていくそれに、ネイルは頬を膨らませた。
「もう! この景色は壊さないって言ったのに! せっかくの桜が散っちゃうじゃない!」
止めなきゃね、とネイルは【炎の魔力】【水の魔力】【風の魔力】で自身を強化する。その上で、水面に光属性を付けたルーンカルテをサァっとばらまいた。
「さぁ、煌きなさい!」
その一言で、ルーンカルテが輝き出す。水面に光が反射し、効果倍増。
「うおっ眩しっ!」
目潰しフラッシュをマトモにくらった碎輝は目を覆い、バランスを崩して落下する。その機を逃さず、ネイルはルーンソードを手に、華麗に水面を跳ねるように近づいた。
「なるほど、それがお前の得物か!」
振るわれるルーンソード目掛けて、碎輝は電流を放ち――
「あら、本命はこっちよ?」
ルーンソードをあっさり手放し、ネイルは袖口からダガーを取り出す。虚を突かれた碎輝を、ダガーの一撃が抉った。
成功
🔵🔵🔴
亞東・霧亥
首狩の消えた後には一振りの野太刀、薩摩兵子の魂。
魂を手に、いざ参る。
此度は敵を己の懐に引き寄せる。
【残像】は敵の目を欺く張りぼてだが、その裏にある本物は【闇に紛れる】が如く残像の只中を移ろい竜神の逆鱗を探る。
見付けたら、俺の位置を知らしめるために逆鱗を蹴る。
猛り狂い俺に牙を立てろ。
俺はここだと右手の野太刀を振り上げる。
左は竜神にくれてやる。
【捨て身の一撃】は竜神の首元に野太刀を突き立てる。
【UC】
怒りは竜神の思考を奪い致命を見落とす。突き立てた野太刀は首狩武者となり、見事竜神の首を切り裂くだろう。
俺はヤドリガミ、仮初の身体で落命などしない。
戦闘後、小碎輝には甘酒を渡して共に死闘の余韻に浸ろう。
亞東・霧亥(峻刻・f05789)は首狩武者の消えた後の水面を眺めた。そこには桜の花弁と共に、波紋の上に浮かぶ、一振りの野太刀。薩摩兵子の魂だ。その魂を手に取り、構えた。
「来い」
「ああ」
頷く碎輝は、電光石火。体に雷を纏うと、再び無限に成長を続ける黄金竜の姿に変身し、瞬時に霧亥に飛び掛かる……が、爪を立てた瞬間、その姿はふっとかき消えた。今のは残像、敵の目を欺く張りぼて。どこに行ったと見回す碎輝の前に、また彼の姿が現れた。そこか、と纏う雷を落とすも、一瞬の稲光の後にはやはり何も残っていない。残像の裏にある本物は、闇に紛れるが如く。残像の只中を移ろい、自身の位置を知らしめるために、鱗を蹴り上げる。さらに俺はここだというように右手の野太刀を振り上げた霧亥に、すかさず碎輝が牙を突き立てた。激痛が霧亥を襲うも、彼はヤドリガミ。仮初の身体で落命などしない。左は竜神にくれてやる。ただ、右は。霧亥は捨て身の一撃で、黄金竜の首元に右手の野太刀を突き立てた。同時に発動するユーベルコード。現れた首狩武者が、その首を斬り裂いた。
「大丈夫か?」
小学生形態となった碎輝に、霧亥は甘酒を手渡す。ああ、と頷いて受け取った碎輝は、「やっぱり猟兵は強いなー!」などと漏らしながら、甘酒をちびちび飲んでいた。その金色の髪にふわり、桜の花弁が舞い落ちる。朝焼けが、死闘の後を照らしている。共に余韻に浸りながら、霧亥は改めて神域を眺める。清らかな水を湛えたそこには、いつまでも桜の花びらが舞い落ちていた。
大成功
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