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紫煙は移ろい包み込む

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #ミストレス・バンダースナッチ #オウガ・フォーミュラ

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●骸の月は輝かず
 ヒーローズアース、ニューヨーク地下に広がる『ダストブロンクス』にオウガ・フォーミュラ『ミストレス・バンダースナッチ』は潜伏していた。
『……時間潰しももう終わり、か』
 一年半足らず、今すぐ消え去ってしまおうかと考えていた割には長かった気がする。
 ジャバウォック――あの猟書家のように虚構から真実を造るなんて芸当ができなかったから本質の存在しない虚ろなる怪物『スナーク』をばら撒き続けてきた彼女だが、骸の月が沈黙した今もうそれもできないだろう。
 あの猟兵共はきっとジャバウォックを倒したようにバンダースナッチを倒しに来るのだろうから。
『けれど、それさえもどうでもいいこと』
 元々目的を失いジャバウォックの続きをやっていただけの時間。無為に過ごしていたそれが終わりを迎えても大して感情は動かない。
 それでも、一方的に倒される事を甘んじて受け入れるような気分でもなかった。
 煙草を吸い、下水道や通気口に紫煙を吐き出す。この紫煙はダストブロンクス中に広がり住民を本質無き怪物へと変貌させていく事だろう。
『私の最後の時間潰し、虚ろな怪物へと変え続けるのも悪くはないだろう』
 紫煙の女は淡々と、無感動に静かな悪意を広げていく。

「オウガ・フォーミュラのミストレス・バンダースナッチについての予知が得られたよ」
 シャチのキマイラ、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)はグリモアベースに集まった猟兵達にそう呼びかける。
「皆の活躍でようやく骸の月が沈黙して、バンダースナッチの潜伏場所がわかったんだ。場所はニューヨーク地下のダストブロンクス、今すぐ転移して追い詰めて撃破してきて欲しい」
 ニューヨーク地下に広がる下水道迷宮の知られざる文明、そこには公害の時代に生まれたバイオモンスターが住まうという。
「……困った事にバンダースナッチは住民のバイオモンスター達をスナーク化させているようなんだ。スナーク化した住民達は量産型クライング・ジェネシスの姿と力を持っていてとても厄介だ。一応無力化した上で時間が経てばスナーク現象は解けるみたいだから、できるだけ致命傷を与えないようにした上で助けてあげて欲しい」
 一通りスナーク現象が収まればオウガ・フォーミュラを追い詰める事ができるだろうと、ヴィクトルは言う。
「ただそこで倒せる感じがしないんだよね。どうにも横槍が入って逃がされそうな……でも逃げたとしてもそこに追いかけていけばいい。俺が頑張って予知するから、まずはダストブロンクスのバイオモンスター達を助けてオウガフォーミュラを追い詰める事に専念して欲しい」
 首にかけた鍵の形のグリモアを手にしたキマイラは話を締め括り、ダストブロンクスへと転移させる為の光で猟兵達を包み込む。
 陽光の届かぬ地下下水道迷宮を舞台とした戦いが、今まさに始まろうとしていた。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 ミストレス・バンダースナッチとの決戦です。

 このシナリオはヒーローズアースのオウガ・フォーミュラ『ミストレス・バンダースナッチ』を追い詰め撃破するシナリオになります。
 第一章はダストブロンクスにてバイオモンスターが変貌させられた『量産型クライング・ジェネシス』達との戦いになります。
 スナーク化により変貌させられたバイオモンスター達は大半が善良な存在ですが、いずれも理性を失っており猟兵達に襲い掛かってきます。
 時間経過でスナーク現象は解除されるので、それまでに致命傷を負わせないよう注意しつつ無力化させられるといいかもしれません。

 第二章、第三章は冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらをご確認下さい。
 また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。

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 プレイングボーナス……「スナーク」へと変貌した一般人に致命傷を与えないよう上手く対処する(第一章、第三章)。
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 それではご武運を。
 皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『量産型クライング・ジェネシス』

POW   :    GAOOOOOH!
全身を【原初の炎に包まれた姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    BAOOOOOM!
【簡易型骸の海発射装置】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【相手と同じ姿と能力の幻影】で攻撃する。
WIZ   :    THEEEEEEND!
【簡易型骸の海発射装置から放つ『過去』】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『神々の時代』の火で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

楠井・沙智
猟兵になったのは最近だから、彼女の事はよく知らないのだけど。……何て言うか、もう休んだ方がいいんじゃないかな。ままならないんだろうけど。

とりあえず、バイオモンスターさん達を何とかしないとね。
攻撃を避けながら【アンチウォーヴォイス】を使います。
「楽器演奏」で慕情を呼び覚ます曲をギターで奏で、バイオモンスターさん達の本来の心に呼び掛けつつ、骸の海発生装置を封じていきます。
ユーベルコードで武器を無力化しながら、詠唱兵器のインカムを通して歌声を攻撃力に変えて「歌唱」「催眠術」「気絶攻撃」。脳を安らげて眠らせて、時間を稼げないかな。
スナーク現象が解除されるまで演奏を続けます。



●紫煙は本質なき狂気を広げ
 ニューヨーク地下に広がるダストブロンクスの下水道迷宮に薄っすら紫煙が広がっていく。
 通風孔を通して地下の空間を満たすように広がる煙を気づかず吸ったバイオモンスターは突如苦しみだし、その身体を変異させていく。
 ――かつての公害汚染の時代に生まれた強靭な肉体と生命力を持つ彼らは超生物スナークの材料として、或いはそのデータを用いた改造強化を『スナーク化』と呼称されていたりもしていた。
 その中には正義の心に目覚めたヒーローや、逆にヴィランとなったものもいるが、紫煙は善も悪もお構いなしに次々とバイオモンスター達を本質のない怪物へと変貌させていく。
 公害汚染よりもより危険に、大半の善良な人々をも巻き込むミストレス・バンダースナッチの足掻きは下水道迷宮を狂気へと落としていくのだ。

 危険地帯と化した下水道迷宮に辿り着いた猟兵達は、広大な地下下水道迷宮に分散してスナーク化したバイオモンスター達の鎮圧にかかった。
 その中に一人、ギターを担いだ赤茶色の髪の女がいた。
「……何て言うか、もう休んだ方がいいんじゃないかな」
 最近猟兵になったばかりの彼女、楠井・沙智(スレノディ・f36496)はこのオウガ・フォーミュラについてはよく知らない。
 けれど十年前、銀の雨の降る世界で戦い抜いた経験もあって、何となくそんな風に思えてしまう。
『THEEEEEEND!』
 下水道のあちこちから響く咆哮、スナーク化したバイオモンスター達が暴れている現場の一つに沙智は急ぐ。
 到着した彼女を迎えるのは一体の巨大なスナーク化したバイオモンスター。
 その姿はこの世界のオブリビオン・フォーミュラであったクライング・ジェネシスの量産型とそっくりであり、当然胸部には簡易型ではあるが骸の海発射装置も存在している。
 沙智の存在を認めた二体は即座に胸部の発射装置から過去を放ってくるが、予め聞き耳を立ててソナーシステムの超音波により敵との距離を探っていた沙智は攻撃の直前に回避行動をとる事に成功。
 下水道の壁や床に着弾した過去が発火し周囲に神々の時代の炎を広げていくが、それを振り返らずギターを構えユーベルコードを起動する。
 反戦の想いを込めた慕情を呼び覚ます音色と歌声はスナーク化し暴れるバイオモンスターの心に響くもので、込められた魔力は胸部の兵器の機能を停止させていく。
『GU……AHHHHHH!!!!』
 拒絶するように量産型クライング・ジェネシスが沙智に殴りかかってくる。原初の炎に塗り替えられた地形によって戦闘力を高めたその動きは巨体に見合わず機敏。
 巨大な拳を躱しながら、アンセムジェネレータを通した歌声を至近距離から響かせる。
 頭を、脳を安らげる魔術の域に高められた催眠効果をもつ歌声はバイオモンスターの心にまで響き、その動きを止めさせて眠らせる事に成功した。
 しかし、歌声を聞きつけた新たなバイオモンスター達がやってきている事も沙智の耳は捉えていた。
(「長丁場になりそうね」)
 そんな事を思いながら、しかし沙智は演奏を止めない。
 スナーク現象を止めるまで、反戦の旋律を彼女は奏で続けていく――。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニクロム・チタノ
この世界が平和になるまであと少し、ここでなんとかして猟書家を倒さないと
でもまずは目の前のスナーク化した人達を助けるのが先決だね
何か撃ち出して来たね?そんな攻撃当たらないよ、っこれは周りが炎で包まれた!
く、このままじゃ不味い、だけどボクはここで負けるわけにはいかないんだ!反抗の竜チタノの加護と導きを
さあ反抗せよ
あらゆる無機物を反抗の加護で蒼焔と重力槍に変化させる力だ、火も無機物だから周りを囲む火を護りの蒼焔に変えて逆に敵を取り囲んで動きを封じつつ重力槍で攻撃するよ!
大丈夫ちゃんと手加減しておいたからね、しばらくしたらスナーク化も解けるよ
さあ早く猟書家を追わないと



●反抗の炎
 紫煙が広がっていく地下下水道迷宮の薄暗い石造りの通路を、ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)というレプリカントは走っていた。
(「この世界が平和になるまであと少し、ここでなんとかして猟書家を倒さないと」)
 地下迷宮は換気があまりよくなく、紫煙により一般人をスナーク化させるオウガ・フォーミュラの力が効率よく最悪に発揮される場所だ。
 だが、これまで行方を掴ませなかったオウガフォーミュラをようやく捉える事ができた。この場で仕留めきれば、この世界に真の平和が訪れるとニクロムは理解している。
「でもまずは目の前のスナーク化した人達を助けるのが先決だね」
 彼女の前に三体の量産型クライング・ジェネシス――スナーク化したバイオモンスターが現れ、その胸部の簡易型骸の海発射装置より過去を発射してくる。
「何か撃ち出して来たね? そんな攻撃当たらないよ」
 そう言ってニクロムはその集中力で軌道を見切り回避する。
 しかし、
「っ! これは周りが炎で包まれた!」
 外れた過去は地下下水道の床や壁に衝突し、周囲一帯を神代の火で包み込む。
「く、このままじゃ不味い……」
 その炎はその上に立つスナーク達を強化する力を持つと瞬時に悟ったニクロム、数でも力でも上回られれば彼らを救うどころの話ではなくなってしまうだろう。
「だけどボクはここで負けるわけにはいかないんだ!」
 そして彼女は左頬に刻まれた証に触れ、加護と導きを与える反抗の竜チタノに祈るように意識を集中し、
「さあ反抗せよ!」
 ユーベルコードを起動すると同時、石造りの床と壁――無機物が、蒼焔と実体のない重力の槍へと変換されていく。
 ニクロムを中心に燃え上がらせるものが変換された神代の炎はその勢いを失い、盾の如き護りの蒼焔へと入れ替わりスナーク達の動きを拘束していって、そこに無数の重力槍が俯せに縫い留めるように突き刺さる。
「大丈夫、ちゃんと手加減しておいたからね」
 最初からニクロムに彼らを殺害するつもりはない。十分時間が経てば彼らのスナーク化は解けるのだから。
 胸部の簡易型骸の海発生装置は床に押し付けられているから使えず、自慢の筋力も重力槍と蒼焔に封じられているスナーク達、その意識を刈り取るのは容易い。
 無機物を変換させた蒼焔の盾と重力槍はニクロムが離れれば元に戻ってしまうが、完全に気絶しているなら目覚めた時には既にスナーク化は解除されて正気を取り戻しているだろう。
 猟書家を追わねば、とニクロムは走り出す。まだまだこの地下下水道迷宮のあちこちにスナーク化したバイオモンスター達はいて、その元凶の居場所を突き止めるまで時間はかかるだろう。
 しかし、彼女の反抗は標的を捉え撃破するまで、止まる事はなく続いていくのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ(サポート)
「バトルの時間デース!」
雇われメイド、バルタン! 参上デース!
アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
得意な技能:【一斉発射・焼却・武器受け・残像・カウンター・受け流し】デスネ!

遠距離ならば、銃火器類の一斉発射や各種UCによる攻撃が有効デース!
近距離戦闘なら、ファルシオンで白兵戦を挑みマース!
敵の数が多いor護衛対象がいるならば、バルタンズをお勧めしマース! 数の有利は得られるデショー!

状況に応じて行動して、他の猟兵のサポートに回っても大丈夫デス!
迎撃、防衛、襲撃、撤退戦。どのような戦場でも参戦OKデース!

頑張りマース!



●雇われ戦闘メイドの制圧術
 紫煙漂いスナーク化させられたバイオモンスター達が暴れる地下下水道迷宮、そんな中でもスナーク化を免れた者達は迷宮の地形を利用し逃げ回っていた。
 避難する人々をヒーローが先導し、ヴィランは暴れるスナーク達の足止めに専念する形で被害を抑え込んでいる。
 しかし圧倒的な力を持つスナーク達は、ダストブロンクスのヒーローとヴィランの手に負える程の易しい存在ではなく次々と打ち倒されていく。
 このままでは、と一人のアームドヒーローのバイオモンスターが重武装モードに変化し、クライング・ジェネシスの姿をしたスナーク三体を目掛け装備したビームキャノンを発射する。
 だが一体のスナークが前に出て全身を原初の炎に包みその砲撃を無効化、直後後ろから飛び出してきた別のスナークが殴りかかってくる。
 移動速度を代償にしたその姿では回避も不可能、最早これまでかと諦めかけたその時――、
「雇われメイド、バルタン! 参上デース!」
 酷く明るい声と共に、メイド姿のバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が飛び込んできて抜いた無骨なファルシオンで拳を受け止め、その状態から内蔵したグレネードランチャーを発射しスナークを吹き飛ばした。
 後退ったクライング・ジェネシスは突然の乱入者に怒り敵意を一斉に向ける。
 その隙に重武装モードを解除したヒーローはバルタンの後方に下がって支援攻撃の為に兵器を構えるも、
「大丈夫デース、すぐに終わらせマース!」
 そう言ってバルタンはユーベルコードを起動すると、彼女の全身に電撃が迸った。
 オウガ・フォーミュラの引き起こす大事件、大戦。その戦場に臨むバルタンのテンションは常よりも高まった状態だ。
「六式武装展開、雷の番!」
 その気合に比した戦闘力の増加を感じながら、バルタンは音速の10倍にも迫る速度で飛翔する。
 原初の炎に身を包み身を守ろうとするスナーク達だがバルタン自身を弾丸にしたような速さには間に合わない。
 スナーク達の後頭部に強烈な衝撃、遅れて重い打撃音が響いて、遅れてスナーク達は崩れ落ちた。
「安心、安全の峰打ちデース!」
 着地したバルタンがファルシオンを納刀しててきぱきと気絶したスナーク達の拘束にかかる。
『あ、アンタはラグランジュポイントで助けてくれた!?』
 そんなバルタンの姿を見て驚いたようにバイオモンスターのヒーローは叫ぶ。
「ンー? ……あ、三つ首メカドラゴンの時にいた人達デスネー!」
 戦闘メイドもその言葉に半年ほど前の事件を思い出す。
 彼は本来ラグランジュポイントの超兵器を管理するヒーローチームの一つ『スペースバイオアーミー』の一人、以前超兵器を狙って現れた猟書家との戦いで共に戦ったバイオモンスターだ。
 話を聞くに久しぶりにこのダストブロンクスに里帰りしたこのタイミングでこの災厄に巻き込まれたらしい。
『アンタが来てくれたなら安心だ! 俺達はもう少し無事なここの住民と元に戻ったバイオモンスターの皆を助けて避難させるようにする』
「了解デース! スナークはワタシ達猟兵にお任せクダサーイ!」
 そう言ってバルタンはバイオモンスターのヒーローと別れ、地下下水道迷宮のあちこちで暴れるスナーク達の鎮圧にかかるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マホルニア・ストブルフ(サポート)
◇口調:男性的
一人称:私
三人称:お前、呼び捨て
【だ、だな、だろう、なのか?】~よ、構わん、等
協力者には丁寧に接する。

◇行動方針:問題の解決
一般人がいれば保護が優先。
多少の負傷は気にせず行動。

◇戦闘・技能
知覚端子を張り巡らせ、情報収集しながらサポートしようか。
電子媒体はハッキング、戦闘はグラップル、切断、射撃系がメインだな。使える技能は使っていこう。

武器はレヴィアスクかアサルトライフル。移動や捕縛、足場に転用でグレイプニルを使うこともあるな。
UCはハッキング・UDC由来の呪詛を組み合わせて実現させる。詠唱は長いからな、有っても無くても構わない。後はよろしく頼む。



●感知し、捕縛する
 地下下水道迷宮のスナーク達は、猟兵達の活躍によって徐々に数を減らしていっていた。
 しかしそれでもまだ数は多く、複雑な迷宮という地形という事もあって手が回りきらない。
 そんな戦場にマホルニア・ストブルフ(欠けた年代記・f29723)という強化人間の女はやってきた。
 複雑で入り組んだ地形――それは彼女にとっては障害にならない。
 知覚端子としてのナノマシン群を展開する。遠隔で五感が得る情報を収集するそれらは通風口を通って迷宮各所の情報を収集し、それをマホルニアへと送っていく。
 情報量としては相当なものだが情報収集と処理は彼女の得意とする所。
「ここからならあちらが近いか」
 そう言って青髪の女は迷いなくスナークの元へと向かっていく。
『GAOHHHHH!!』
 暴れるスナーク、量産型クライング・ジェネシスがそこにはいた。
 理性も知性も感じさせぬそれは元は一般人バイオモンスター。スナーク化が切れれば理性も姿も戻るのだろうが、それまで暴れさせるわけにはいかない。
 まずは弱らせるためにショートバレルのアサルトライフルの弾丸をばら撒くが、スナークはその身を原初の炎に燃え上がらせ弾丸を熔かしてしまい攻撃が届かない。
 動く事ができない代わりに無敵の防御力を得るユーベルコードーーしかしマホルニアもそれに対抗する為にユーベルコードを起動する。
「CODE:DEPLOY EXOSKELETON//REINFORC:LDF_I.」
 詠唱と同時、強化外骨格が重展開され拡張擬態が通常とは異なる巨大な形に形成される。
 攻撃力を重視した巨大な爪を以て、原初の炎に包まれたスナーク、その足元を砕いた。
 その一撃で足場が崩れよろめいたクライング・ジェネシスを掴み、頭から迷宮の壁に叩き付けめり込ませる。
 原初の炎に燃え上がるその体はダメージは受けないが、上半身を壁に埋めてしまったスナークはユーベルコードを解除しても身動きが取れないだろう。
 その内に原初の炎が消え足をばたつかせ脱出しようとするがそれは叶わず、その内抵抗を止めてスナーク化が解除され元の姿へと戻っていく。
 捕縛の為に【Gleipnir】のワイヤーを射出する準備はできていたがその必要はなさそうだ。
 意識を取り戻したバイオモンスターを引っ張り出し、避難するように伝えたマホルニアは知覚端子が感知した別のスナーク化した救うべきバイオモンスターの元へと急ぐのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!


ジン・マキハラ(サポート)
サイボーグのゴッドハンド×ブレイズキャリバー

胸に永久機関を持つ

口調は「俺、呼び捨て、だ、だな」

標的に事情があるなら同情する事もあるが手加減はしない(できる限り殺さない様にする)ただの悪人とオブリビオンには一切容赦しない

戦闘スタイルは前衛型
一撃重視か広範囲の殲滅に長けている
武器は両手剣クロックヘイズとアサルトライフルのレイジングストームと蒼炎覇気を纏った格闘術

探索時には自身の視覚同調型演算機器による解析やハッキングツールによる情報収集を行う他使える物は全て使う

ユーベルコードは指定した物を使用する

公序良俗に反する行動はせず猟兵達との連携を重視する

アドリブOK
複数リプレイOK



●流離機人と白猫、原初と地獄
 更にサイボーグとケットシーが二人、地下迷宮を走っていた。
「こっちだ」
 サイボーグの青年、ジン・マキハラ(ブレイズ・オブ・マキナ・f36251)がスナーク化したバイオモンスターのいる方角を視覚情報を基に分析し、分岐を走っていく。
 眼球に装着された演算デバイスの調子は悪くはないようだ。
「便利ですねーそれ」
 肉球印のマリンキャスケットを被ったニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)が興味深げに言いつつ周囲の景色を緑の瞳で眺めている。
 冒険大好きな彼女、スナーク化により大混乱に陥っているこのダストブロンクスだが、その好奇心がちょっとだけ顔を覗かせているようだ。
 幾つか曲がり角を曲がり、やがてやや広くなった場所へと二人は辿り着く。
 そこにいたのは三体の量産型クライング・ジェネシスーースナーク化したバイオモンスター達だ。。
 咄嗟に手足に蒼炎のオーラを纏い戦闘態勢に入ったジンに対し、一体の量産型クライング・ジェネシスの胸部簡易骸の海発射装置より幻影が放たれる。
 両手剣を振り被り襲い掛かってくるジンの幻影に対し、ジンはシールドを展開して斬撃を防ぎきった。
 更に残り二体の幻影のニノンがニノンに向けて魔法弾を放ってくるが、ニノンは予めユーベルコードにより腕の毛並みを舐めて整え摩擦力を極端に低下させている。
「容赦なんてしませんから!」
 腕の表面で滑らせるようにして攻撃を逸らすと、返す刀で高速で詠唱して紡いだ魔力により全力の爆発魔法を放ち、幻影全てを霧散させた。
 そして永久機関と接続された内蔵突撃銃を眼球の演算装置と連動させて狙いをスナーク達に定め、銃弾を発射する。
 しかしその瞬間スナーク達の体を原初の炎が包み込み、その炎の守りに銃弾が防がれてしまう。
「……厄介だな」
 ジンが忌々し気に呟く。この状態だと身動きできない代わりに無敵に近い防御力をもつスナーク達。
 ただ、彼らはオウガ・フォーミュラによって変えられただけの一般バイオモンスターと聞く。
 その中にはヴィラン、悪役もいるかもしれないけれども、それでもこのような理不尽に晒されている彼らを救わない選択肢はジンにはない。
 しかしこの原初の炎を纏う量産型クライング・ジェネシスの守りは鉄壁だ。生半可な攻撃で貫けるようなものではない。
「……大丈夫です! わたしクレリックですからちょっと位はやり過ぎても治せます!」
 と、ジンにニノンがポジティブに言う。実際癒しの力があるからある程度の負傷は何とかなるだろう。
 制御は少し困難だが、あれを使おう――ジンはそう判断し、胸部の装甲を展開しユーベルコードを起動。
「胸部装甲展開、砲身形成を確認......」
 左胸に埋め込まれた永久機関を軸に砲身が形成され、蒼き炎のような光が収束していく。
「……地獄の劫火で焼き尽くしてやる」
 そして、蒼い極大破壊エネルギーが放たれスナーク達を飲み込んだ。
 強烈な蒼き光は原初の炎を吹き飛ばし、その無敵の守りを貫きスナーク化すら解除された所で弱まり消失する。
 後には意識を失ったバイオモンスター達、即座にニノンが駆け寄って癒しの術を施す。
 殺さぬよう制御を意識していた事もあって彼らはすぐに意識を取り戻した。
「ジンさんも大丈夫です?」
 ユーベルコードの行使によるオーバーヒート状態、それに陥っていたジンだが、ニノンの問いに大丈夫だと返し眼球の演算デバイスを起動する。
「他は……もういないようだ」
 演算装置と地下迷宮に響く音から、ジンは他の猟兵が他の場所の一般人のスナーク化を鎮圧した事を悟る。
「それじゃ、後はオウガ・フォーミュラですね!」
 ぶっ飛ばしちゃいましょう! とニノンは丁寧に物騒な事を言いつつぎゅっと杖を握る。
 この地下下水道迷宮を混乱に陥れたオウガ・フォーミュラーーいずれにせよ容易い敵ではないだろう。
 それを打倒す為に、二人の猟兵は静寂を取り戻した下水道迷宮を走るのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『不滅の炎』適合体・不滅のフランメハイ』

POW   :    オレサマ、ミズギビジョ、クイタイ、クイタイ。
自身の身体部位ひとつを【桃色の炎を纏った牙を持つ鮫】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    カワキガ、ノゾミガ、イマ、ミタサレタ!
戦闘中に食べた【水着美女の血肉や水着】の量と質に応じて【水着美女捕食の渇望が満たされ超めっちゃ】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    フメツノホノオ、トイウ、ラシイ。
【激痛と灼熱を伴い自身を回復する桃色の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【尾鰭に纏う水着美女を喰いたいという渇望の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はゲンジロウ・ヨハンソンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●神の地に邪なる鮫神降臨せり
 ダストブロンクスで発生したスナーク化現象、誰一人の死者もなく鎮圧した猟兵達はオウガ・フォーミュラ『ミストレス・バンダースナッチ』と相対していた。
 気だるげに女は紫煙をくゆらせ、猟兵達に囲まれた状況に何の感慨も抱いていないようだ。
 だが、この存在こそ長きに渡りヒーローズアースに虚ろな怪物をばら撒いてきた猟書家達の元締め。
 骸の月が停止した今こそ仕留める――その決殺の意志を抱いた猟兵達だが、突如煙が散るかのように猟書家の姿が消失する。
 あとに残された呆然とする猟兵達、だがすぐにグリモア猟兵の言葉を思い出し猟書家の行方を追わんと彼の元へと向かう。

 センターオブジアース。
『危ない所だった……もう少し焦ってくださいよ。貴女は替えが利かないんでしゃ……ですから』
 神経質な声が炎と生命力に満ち溢れる地底奥深くの広大な空間に響く。
『別にどうでもいいわ。この程度で替えがないならさっさと滅んでしまえばいい』
 ミストレス・バンダースナッチは心底興味なさげに炎にくべられる巨狼へと視線を遣りながら鮫の頭部をもつ一柱の神に答える。
 不死の怪物が炎にくべられる神獣の番人の守る筈のこの地に、一人と一柱はいた。
『スナーク化による存在の変異でも皆殺しでも構わない。ただ結果的に地上の人間を一掃してくれるのであればこの転移能力を貸すと約束しましたよね?』
 この鮫神こそがダストブロンクスよりオウガ・フォーミュラをこの地に逃した元凶。その思想が故に彼が猟書家に力を貸していた事は、これまで他の神にもグリモア猟兵達にすらその隠蔽能力により気付かれていなかった。
 しかし骸の月が沈黙した今、その隠蔽に綻びが生じていた。
 突如空間に扉が開き、中から猟兵達が現れる。予知により神の隠蔽魔術を突破しこの転移先を突き止めたのだ。
『……まずい! 貴女は先にあの場所へ!』
 その状況を即座に理解した鮫神はバンダースナッチをいずこかへと転移させると、自身の姿を変貌させていく。
『この姿を晒す事になるとは……だが私、いや、俺の野望を果たす為ならこの命など惜しくないでシャーク!』
 瞳から知性の色が消失し、そこにいるのは一体の巨大鮫。悍ましき欲望の炎を身に纏い本能を剥き出しにした元鮫神は、猟兵達に牙をむきその巨体を宙に舞わせた。
※補足
 スナーク化し空飛ぶ巨大鮫となった神との戦いになります。
 ミストレス・バンダースナッチをどこかに転移させた転移能力は使えなくなっているようですが、能力自体は元の神からかなり上昇しているようです。
 第一章の一般人とは違い本心から望んでスナーク化している悪しき神なので手加減は無用です。
 また、転移魔術の痕跡などを調べ予知しなければバンダースナッチの行き先を突き止める事はできないようです。
 以上、皆様のご参加をお待ちしております。
ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!



●焔纏う鮫は白猫の光に撃たれる
 ダストブロンクスからミストレス・バンダースナッチを追ってきた猟兵の前に現れているのは空舞う巨大サメ、名を『不滅の炎』適合体・不滅のフランメハイと言う。
 元々鮫頭の神であった存在が変じたそれは猟兵達に明確な敵意を向けている。
「神様までスナークにしてしまうなんて……!」
 その中の一人、ニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)もその所業に驚きを隠せない。
 この鮫神自体が猟書家に心酔し、スナーク化を受け入れている事もあるのだろうが、先のダストブロンクスでのスナーク化させられたバイオモンスターとは随分雰囲気が違うように見える。
 空舞う巨大鮫はその尾鰭に纏う桃色の炎の勢いを強めるとニノンに向かって尾鰭を振るい発射。
 咄嗟に回避したニノンは高速での詠唱で魔力弾を生成して反撃するが、鮫神は回避する素振りすら見せず魔力弾の直撃を受ける。
 だが、その傷口は尾鰭から広がった桃色の炎に焼かれるようにして消失していく。
『……フメツノホノオ、トイウ、ラシイ』
 どこか虚ろに巨大サメが言葉を発した。
 激痛と灼熱を伴うものの自身の傷を癒すその渇望の炎は、ニノンが回避して地面に命中した分も燃え続け延焼している。
 少しでも早く追いたいのに回復能力を持つスナークは酷く厄介だとケットシーの少女は考えつつ打開策を思案する。
 けれど、
『……オマエ、タリナイ』
 何の事かは分からない言葉を呟いて、ぷいと他所を向く巨大鮫。
 人と比べて背の低いケットシーだから、襲っても物足りないと思ったのかもしれないし、或いは攻撃の威力が再生能力を上回らないと思ったのかもしれない。
 ただ戦場で無視してくるのであれば、これ幸いにと無理やり振り向かせてやるまで。
 ユーベルコードを起動、猫の爪を伸ばした指先を空飛ぶサメに向ける。
 すると天井も見えぬほどに広大な地下空間の上方の闇を斬り裂き天の光が巨大サメへと降ってきて、その体表を貫いた。
「回復したくなくなるまで徹底的にボコっちゃいましょう!」
 気合十分なニノンの言葉と攻撃を起点に、他の猟兵達も一斉に鮫神へと攻撃を仕掛けていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

オー、シャークゴッド!
まさか鮫が空を飛ぶとは……グリードオーシャンでよく見かけマスネ、HAHAHA!
何はともあれ。戦闘開始であります!

マルカジリ、できるものなら、カモンベイベー!
滑走靴を履いての空中戦デース!
焔を纏った牙に備え、チェインハンマーを短く持って受け流しに用いつつ、こちらもビッグサイズを召喚しマース!
「カモン、ビッグ・バルタン!」「BARU-!」

巨大化チェインハンマーで鮫神を殴り飛ばしてもらいマース!
狙いは、鮫の敏感な鼻柱デース!
ロボゆえに噛みつかれても血肉は得られマセンヨー!

ワタシは魔術には疎いゆえに痕跡を辿るのは難しいデスガ、バトルはおまかせくだサーイ!


楠井・沙智
遠慮なく倒していい相手、って事だね。だったら全力でいくよ。
「音波障壁」の効果を使います。「楽器演奏」「オーラ防御」「結界術」。ギターを掻き鳴らし、音波に魔力を込めてバリアーにして、敵の接近を食い止め攻撃を防ぎます。水着でなくて悪かったね。
ギターの音に合わせて「歌唱」しつつ、【ブラストヴォイス奥義】を使います。歌声で世界を書き換えるユーベルコード。炎属性っぽいし、「氷」属性の「嵐」を巻き起こします。
歌を歌う事で精神を研ぎ澄まし、能力の暴走を抑え敵を氷雪に封じ込めダメージを与えます。


ニクロム・チタノ
出たね邪神め邪魔するなら容赦しないよ、反抗の力を
なかなか素早いけど重力操作でアナタの重力を倍加したよ、流石にこの状態じゃさっきみたいなスピードでは動けないでしょ?
身体の一部が鮫になった、しかも牙がなんか燃えてない?
ならこっちも蒼焔の盾を展開して反撃するよ
どこに噛みつこうとしても八つの蒼焔の盾ががっちりガードしているからムダだよ
八つの重力槍を展開してその体にできた鮫の顔ごと撃ち抜いてあげるよ
逃げようとしても重力が倍加したその状態じゃ上手く動くこともかわすことも出来ないね?
反抗の竜チタノよ邪悪なる神に反抗の誅滅を



●焔の鮫を討て
 天からの光に貫かれ一瞬動きを止めた鮫神に仕掛けるのは三人の猟兵。
「遠慮なく倒していい相手、って事だね。だったら全力でいくよ」
 イグニッションカードより全装備を装着、愛用のギターを構えた楠井・沙智(スレノディ・f36496)は空の鮫神を見ながら演奏を開始する。
「出たね邪神め!」
 この神の住むセンターオブジアースに猟書家を支援するような邪神がいた事は驚きではあるが、ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)にとっては反抗すべき敵である。
「オー、シャークゴッド! まさか鮫が空を飛ぶとは……グリードオーシャンでよく見かけマスネ」
 HAHAHA! と、ハイテンションに笑いながらバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が地を蹴って飛び上がり、空の鮫神へと滑走していく。
 彼女の履いた滑走靴は元々水上戦用のものだが、その出力を上げる事によって地上、更には空中戦にまで対応可能にしている装備だ。
 当然操作はピーキーになるが、それを容易く操るのは歴戦兵たる彼女の技術によるものか。
『メイド、…………ミズギ、ヨコセ!!』
 ちょっとだけ躊躇ってから巨大ザメが叫びバルタンに向けて急加速、牙に焔纏わせ大口を開けて食らいつこうとする。
「マルカジリ、できるものなら、カモンベイベー!」
 だがバルタンは煽りながら、巨大鉄球を短く構え牙にぶつけて力の向きを逸らしつつ、巨大サメの真横を通過するように空を滑走し突撃を受け流す。
 そこにニクロムが空飛ぶバルタンの内蔵しているものとそっくりな火炎放射器を構え、鮫神に炎の援護射撃を喰らわせようとする。
 しかし、、鮫神は桃色の炎を纏う尾で空を叩き泳ぐように巨体に似合わぬ速度で移動し飛来した炎を上空で回避する。
 回復に優れた能力、そして空を飛び回る鮫神の狙いは時間稼ぎかと、沙智は推測する。
 時間稼ぎに専念されると酷く厄介だ。どこに転移させたのかは不明だが、ミストレス・バンダースナッチに時間を与えれば何か悪い事になるのは疑いない。
「ミズギ、ヨコセ」
 そんな事を考える沙智に対し上空から鮫神が桃色の炎を放ってくるが、沙智はギターを掻き鳴らし鮫神と沙智の丁度中間の空中に音波障壁を展開する。
 魔術の域に昇華した音楽を操るフリッカーーーその魔力を込めたギターの音色によって生じた障壁に阻まれ、炎は空中で弾け猟兵達に届かない。
「水着でなくて悪かったね」
 静かに返す沙智の運指は弦の上を躍るよう、その演奏に共鳴させるようにしてインカム型の詠唱兵器を通して歌声に魔力と熱量を込めていく。
 それは世界を書き換えてしまうような、魂の力を込めた魔術の言霊は周囲の自然現象の有り様に干渉し、地下空間であるこの地に風を生み出していく。
『混沌の海で 私は歌う 全てのものよ 滅びろと』
 歌声が響くごとに風は強まり、更に氷を帯びた冷たい嵐が発生して空中の鮫神を凍てつかせていく。
 桃の炎の勢いは弱まっていくけれども、沙智は自身の演奏と歌に精神を研ぎ澄ませユーベルコードの制御を誤らず氷の嵐は鮫神の周囲に集中していくる。
 そして、桃の炎の発射の為に一瞬巨大ザメの動きが鈍った瞬間をバルタンは見逃さない。
「カモン、ビッグ・バルタン!」
『BARU-!』
 ユーベルコードを発動すれば、彼女の倍の身長のビッグ・バルタンが召喚される。
 バルタンがチェインハンマーを振るえば、ビッグ・バルタンもその動きをトレースして同じように巨大化チェインハンマーを振るう。
 直撃したのは鮫の鼻柱、サメの体の部位でも敏感とされるその部位への強烈な一撃に巨大サメは悲鳴を上げて吹き飛ばされる。
 電気が走ったような強烈な痛みの中、崩れた体勢を立て直そうとする鮫神だが、
「邪魔するなら容赦しないよ……反抗の力を!」
 地上のニクロムの言葉と同時に、鮫神の動きが突如鈍り、落下するように地面に向けて加速する。
 彼女のユーベルコードにより空泳ぐ巨体にかかる重力が一気に増加、空泳ぐ為のバランスを崩してしまったのだ。この高重力では先程までのような動きはできないだろう。
 だが、鮫神も痛みがマシになってきたのか冷静に――単なる本能での反射なのかもしれないが、体を錐揉み回転させながらユーベルコードを起動しニクロムを喰らわんとする。
「胸鰭が鮫の頭になって牙もなんか燃えてない?」
 胸鰭を桃の炎を纏う牙を持つ頭部に変形させ、複数の頭部の牙で喰らいつき重力から解放されようとする鮫神。
 だがニクロムの展開した八の蒼焔盾がその突進を空中で阻む。防御力を重点的に高めたその盾は桃の炎纏う鮫の牙でも貫けない。
 牙は阻まれ重力に縛られ回避行動は困難、そうして八の重力槍が鮫神と変形した桃の炎纏う牙の頭部を刺し貫いた。
「反抗の竜チタノよ、邪悪なる神に反抗の誅滅を!」
 重力操作は継続、巨体が重力の槍に倍加させられた自重で沈み込んでいく。
 苦痛に暴れる鮫神だが、沙智の歌声により制御される氷の嵐は重力槍の周囲に集中。傷を再生させる不滅の炎の熱量を氷の嵐が奪っていき、動きを鈍らせていく。
 そこにバルタンとビッグ・バルタンが上空からチェインハンマーを右手に構え飛び込んでくる。
 向かってきたビッグ・バルタンに対して増えた鮫頭が喰らいつくが、ビッグ・バルタンは左腕でガードする。
 ロボであるそれからは生命力を奪う事ができないし、寒さも痛みも感じない。
 だからバルタン自身の動きをトレースして右腕は淀みなく振り上げられ、そしてバルタンが右腕を振り下ろすと同時に真上からサメの背に鉄球が叩きつけられた。
 その一撃が致命傷、抵抗していた鮫神の力は失われ、地面へと墜落する。
 そしてスナーク化も解除され、後には鮫頭の遺体とバンダースナッチを追わんとする猟兵達が残るばかりであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ミストレス・バンダースナッチ』

POW   :    紫煙の狙撃手
自身の装備武器を【紫煙のバレットXM500(対物狙撃銃)】に変え、【あらゆる障害物を貫く狙撃】能力と【紫煙に触れている対象の位置を捕捉する】能力を追加する。ただし強すぎる追加能力は寿命を削る。
SPD   :    紫煙の格闘家
自身のオリキャラ「【紫煙の格闘家】」を具現化する。設定通りの能力を持つが、強さは自身の【周囲の戦場に満ちる紫煙の量】に比例する。
WIZ   :    紫煙のスナークシールド
自身の【煙草】から【紫煙のスナークシールド】を放出し、戦場内全ての【敵が行う攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●深海に虚ろなる都を夢見る
 死亡によりスナーク化が解解除された鮫神の遺体からころころと何かが転がっていく。
 サイボーグメイドが拾い上げてみれば、それは海の色合いを宿した宝石をはめ込んだブローチ。何やら奇妙な魔力が残っているようにも思えるが、魔術に疎い彼女にはその残滓を辿るのは少々難しい。
 転移魔術の痕跡を探り、バンダースナッチの行先を予知する為に遺品を確認する必要があるだろう。
 だから猟兵達はブローチを手掛かりにして貰う為、一旦グリモア猟兵の元へと帰還する事にした。

 ヒーローズアース、アトランティスの海底都市の一つ『キャレッタ』。
 つい先日大亀の猟書家に襲撃されたこの海底ドーム都市は、今や紫煙漂いスナーク化した住民が暴れ回る領域となっていた。
 深海という完全密閉空間では紫煙は排気される事もなく、ただただ濃度を増していくだけ。
 スナーク・トライアングルとは少々趣が異なるが、ミストレス・バンダースナッチ自身の能力を最大限に活かせる地でもあった。
 スナーク化した住民が暴れ、抑え込もうとするヒーローチームも徐々にスナーク化していく地獄のような様相を、ドーム中心の広場のベンチに腰掛けた猟書家の女は無感動に眺めていた。
 ふと、何かに気付いたように女は振り向く。そこには邪神を破りこの転移先まで追いかけてきた猟兵達の姿があった。
『ああ、負けたのね』
 ふう、と大きく溜息を吐きながら立ち上がる彼女、その周囲の紫煙がゆるゆると渦を巻くように何かの形を形成していく。
『私にはもう、どうでもいい。けれど』
 格闘家、対物狙撃銃、そして盾。紫煙より生み出されし存在は彼女に残された最大の武器。
 更に広場の周囲から怪物の咆哮が近づいてくる。スナーク化した住民達をこの場に集めているのだろう。
『私の最後の暇つぶし、付き合ってもらおうか』
 紫煙操るオウガ・フォーミュラとの最終決戦が、今始まろうとしていた。

※補足
 ミストレス・バンダースナッチ本人との戦いになります。
 深海のドーム空間に充満した紫煙を操り武器とする彼女は生成した武器を複数同時に操作してきます。
 また、広場にはスナーク化した住民達が迫ってきているようです。ある程度はヒーローチームが抑えてくれているようですが、戦いが長引くと乱入してくる可能性が高いです。
 増援が現れた場合、傷つけないよう上手く対処できるといい結果が得られやすいようです。
 以上、ご武運を。
 皆様のご参加をお待ちしております。
シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。

複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を攻撃しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!


ミュー・ティフィア(サポート)
困ってそうですね。少しお手伝いしましょうか?

口調 (私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、でしょうか?)

基本的に誰に対しても友好的です。

時々うん、と相槌をしたり、敬語はやや崩れちゃったりします。

好きなものは紅茶です。
余裕があったら飲みたいです。

なるべくなら助けられる人は助けます。
復興のお手伝いとかは積極的に頑張っちゃいます!
現地の人達との交流やケアもしていきたいです。

もちろんオブリビオンや悪人には容赦なしです!
相手次第では手加減するかもしれないですけど。

ユーベルコードやアイテムは何でも使います。

いかなる場合でも公序良俗に反する事には関わりません。

不明点や細かい部分はお任せします。


姫神・咲夜(サポート)
 桜の精の死霊術士×悪魔召喚士、女性です。
 普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 片思いの人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

清楚で女流階級風の口調で、お淑やかな性格です。
基本的に平和的な解決を望みますが
戦わざるを得ない時は果敢に戦いに向かう勇敢さを持っています。

 あとはおまかせです。よろしくおねがいします!



●紫煙の弾丸が穿つ
 先日猟書家に襲われたこの海底都市の騒乱は以前とは比較にならない程であった。
 都市外縁部で被害を抑えられた猟書家とは異なり、中心部からスナーク化させていく紫煙が広がって海底都市を満たしていくのだから人口の多い中心部が真っ先に影響を受ける事になるからだ。
 外縁側にいたヒーローチームが異変を察知して都市の中央部へ戻った時には既に量産型クライング・ジェネシスの姿へと変化させられた住民、或いはヒーロー達が暴徒と化していて、それを抑えるので手一杯。
 何とかクライング・ジェネシスを抑え込むヒーローチームの一つ『ネレイデス』は事件の原因と思われる女、そしてそれと対峙する猟兵達の姿を見る。
 かつて大亀の猟書家からこの海底都市を救ってくれた姿もその中にはいて、だからこのスナーク達を乱入させまいと全身全霊で足止めに徹する事を決意する。

 先日猟書家と戦った三人の猟兵が、オウガ・フォーミュラとと相対していた。
「なんと醜い」
 シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)という少年は軽蔑するようにミストレス・バンダースナッチに吐き捨てる。
 見た目以前の問題だ。何も目的もなく、ただ害悪を暇潰しに撒き散らすだけの最悪に性格の悪い女。
 弱者を巻き込み甚振る醜い行いも彼の義侠心には到底許せるものではない。
 そんなヒーロー達の姿を見て、白桜の魔杖を手にした姫神・咲夜(静桜・f24808)も少しばかり安心する。
 今回の量産型クライング・ジェネシスは海洋型に改造されているわけではなく、ただ住民がスナーク化させられているだけだ。
 だからこそ殺してしまわないように加減が必要なのだが、そこは以前共闘したヒーローの方々が頑張ってくれる。
 彼らが抑え込めている内に、できる限り早くあの元凶を討つ事が今回の咲夜が果たすべき役割なのだろう。
 そしてエルフのミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)も同じく猟書家に対して容赦をするつもりはない。
 以前救ったこの海底都市、その後少しばかり復興を手伝いつつ人々と楽しんだ思い出は残っているのだから。
 またこの騒動が終わった後に笑い合えれば、そんな事を考えながら翼の装飾の施されたハープを構え、歌声を変換した魔力矢をバンダースナッチに放つ。
 その一撃と同時にシェーラと咲夜は同時に左右に散開する。
 向かってくる魔力矢を躱した猟書家は、紫煙より生成されたスナイパーライフルから銃弾を周囲に無造作に発射していく。
 狙い定めている風もないのに的確に猟兵達の逃げ場を封じていくように紫煙の弾丸が広場に弾痕を穿っていく。
 さしものシェーラと言えど完全に回避し続けられるようなものではなく、身に纏う衣装を弾丸が掠める。
「……傷つけた代償は高くつくぞ!」
 怒気を籠めたシェーラが精霊銃をジャグリングのように入れ替えながら連続で銃弾を放ち、同時に巨大な重火器――バズーカを肩に担いだ咲夜が砲弾を放った。
 砲弾は猟書家の足元で炸裂し、周囲に桜の花弁を撒き散らし一瞬視界を奪う。そこに飛来する跳弾も組み込んだ複数角度からの射撃。
 けれど、どれも猟書家を捉える事は出来ない。
 まるで煙のように掴み処のない猟書家はワルツを踊るように優雅な動作で回避し、反撃のライフル銃を撃ち込んでくる。
 反撃に放たれるミューの魔力矢も相当精度は高いが、三人の同時攻撃を容易く捌いて見せるのはオウガ・フォーミュラとしての実力故か。
 埒が明かないと、白桜の魔杖を手にした咲夜がユーベルコードを起動する。
 ダイモンデバイスである魔杖から予め交渉を既に済ませた悪魔アスモデウスが召喚され、悪魔が手を振れば獄炎がミストレス・バンダースナッチの周囲を包みこんだ。
 紫煙を纏い捉えどころのない猟書家だが、逃げ場がなくなれば焼き尽くされるしかない筈だ。
「一曲お相手願おうか!」
 更にシェーラがユーベルコード【彩色銃技・落花流水】を発動し、彼の姿が着飾ったものに変身していく。
 その周囲に侍らせた見目麗しい精霊達がライフルの銃弾を逸らし直撃を防いでくれて、反撃にシェーラは四丁の精霊銃からばらばらの属性をそれぞれに宿した銃弾を放ち狙い撃つ。
 術理の複合運用、その効果は絶大なれど代償も相応に必要となるものだが温存して戦えるような相手ではない。
 水と氷、炎と雷が次々にバンダースナッチに命中し、更に追撃を仕掛けようとするシェーラだが、
『甘く見て貰っては困るわ』
 そう言って女が手にした煙草から密度の高い紫煙を放出、紫煙のスナークシールドを展開する。
 煙に飲み込まれたあらゆる攻撃行動は無効化され、そして。
 獄炎の術が、精霊銃の弾丸が次々に紫煙に絡め捕られるように勢いを失い無効化されてしまう。
 しかし、これだけ強力な効果を持つユーベルコードはそう何度も連射できるようなものではない。それこそ使う度に死に近づいてしまうようなものだ。
 だが、もう少し時間が経てばそれだけスナークを抑えるヒーロー達も弱っていき、やがて突破されるだろう。そうなればバンダースナッチに一気に形勢が傾いてしまう。
 その時、海水を阻むドーム内に美しい歌声が響き渡る。
 ミューのユーベルコードだ。その美しい歌声に共感を抱いた猟兵、そしてヒーロー達とスナーク化が解除された住民の傷が癒されていく。
 なるべく助けられる人は助けたいと願うミューの想いは確かに伝わって、彼らの士気をも高めていく。
 これなら、まだ戦える。
『もう少しです! 猟兵がどうにかしてくれます!』
 女神のヒーローの言葉と共に、傷が癒されたヒーロー達が勢いを増してスナーク達を押し返していく。
『……どうしてそこまで頑張るの?』
 猟書家の女は誰にも届かぬ小さな声で、そう呟いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎

暇つぶしに、この都市の方々をスナークに……!
許せマセーン!
ここで討ち果たし、ヒーローズアースの脅威を減らさせていただくであります!
いざ!(真の姿開放、軍装を纏い冷徹な雰囲気へ転じる)

相手は多勢でありますな。
紫煙の武具に格闘家、さらにはスナーク化されたエブリワン。
しかし、ヒーローチームが抑えてくれている、ならば前に専念できマス。

グレネードランチャーを構え、爆撃で紫煙を吹き飛ばして道を開き、空いた隙間にUCを起動。
煙幕を噴出して紫煙から身を守りつつ、狙撃の射線から逃れるであります。
そして、距離を詰めてパイルバンカーによる一撃を叩き込むのであります。

年貢の納め時でありますよ。


ニクロム・チタノ
ついに追い詰めた、ここまでだよミスト・レスバンダースナッチ!
反抗の力を
まずは蒼焔の盾を展開して狙撃銃の攻撃を防ぎながら突撃してくるスナーク化した住民達の足止めをしつつ重力操作で動きを封じて無力化
それから厄介な狙撃銃にも重力を掛けて持ち上がらないよう重くして飛び道具を封じてしまおうか
格闘家を召喚してきたみたいだね、重力槍を七本展開して発射
重力槍に気をとられてる所を蒼焔の盾を構えて突撃して吹き飛ばすよ
最後の一本を発射してスナークシールドで防がせてジャンプでスナークシールドを飛び越えるよ
重力操作でボクの重力を軽くしておいたのさ
アナタの暇潰しのせいで沢山の人が迷惑してるんだ、その報いた受けてもらうよ!


楠井・沙智
これ以上は貴女にとっても辛いでしょう?さぁ、終わりにしましょう。

先程同様、ギターを「楽器演奏」して「音波障壁」を展開。「結界術」で身を守ります。音の障壁で煙を遮断。
これだけだと狙撃を食い止めるのは難しいかな。相手の攻撃力を削がないと。
【アンチウォーヴォイス改】を「歌唱」し使用。敵の戦闘力を吸収して自分の力に変えるユーベルコードです。力を減衰させて仲間の援護。
時間がかかり過ぎてスナーク化した住人が来た場合も、まとめて戦闘力吸収して無力化を図ります。
十分に戦闘力を奪えたら、吸収した力を「ギターマシンガン」に「エネルギー充填」し、魔力の弾丸の「弾幕」にしてミストレスに撃ち込みます。



●紫煙に満たされる前に
 戦いの最中にも猟書家の女より漂う紫煙は海底都市中に満ちていく。
 都市のあちこちから変化し迫りくる虚ろなる怪物を必死でヒーロー達が食い止める中、ダストブロンクスからこのアトランティスまで追ってきた三人はオウガ・フォーミュラと対峙する。
「ついに追い詰めた、ここまでだよミストレスバンダースナッチ!」
 ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)が叫び、ユーベルコード【反抗の至宝】を発動。八つの蒼焔の盾と超重力槍が周囲に展開され彼女の力を高めていく。
「暇つぶしに、この都市の方々をスナークに……! 許せマセーン!」
 ヒーロー達に食い止められる人々を見遣り、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は義憤に燃えつつも冷静に状況を分析する。
(「相手は多勢でありますな」)
 紫煙より生成される武具に格闘家、それに加えスナーク化された人々も襲い掛かってくる。
 だがスナークについては歌声に戦意を高めたヒーロー達がどうにか抑え込んでくれていて、少しの間はこの決戦に雪崩れ込んでくるようなことはないだろう。
 だから、眼前の敵を討ち果たす事だけに専念できる。
「ここで討ち果たし、ヒーローズアースの脅威を減らさせていただくであります!」
 その決意と共にバルタンの姿がメイド服から軍装を纏う冷徹な兵士の在り方へと変化していく。
「これ以上は貴女にとっても辛いでしょう?」
 さぁ、終わりにしましょう。そう言った楠井・沙智(スレノディ・f36496)は愛用のギターを構え弦を響かせる。
『そう、それがお前達が力を尽くす理由か』
 負傷したミストレス・バンダースナッチは静かに呟き、煙草から立ち上る紫煙の量を増やす。
『辛さなどとうに感じない。……お前達が絶望する様を見る事ができたのなら、何か感じるものもあるのだろうか』
 暇つぶし、とは言うがそれでいてまだ立ち続ける彼女を支えるのは何か、ふとバルタンは思考しかけて打ち切る。
 余計な事を考えている暇はない。今は眼前の敵を全力で打倒してから考えるべきことだと、歴戦兵の感覚がそう告げていたからだ。
 ミストレス・バンダースナッチの展開する紫煙が盾と格闘家と、そして対物狙撃銃を形作っていく。
「……いざ!」
 バルタンが言葉と同時、猟兵とオウガ・フォーミュラの最後の戦いが開始された。

 武具を形作った猟書家の紫煙は渦巻きながら更にその濃度を増し周囲に満ちていく。まるで猟兵達を生物の腹に収めんとするように。
 けれど海水のドームにギターの音色が反響し、鮫神の不滅の炎を阻んだ音波障壁が展開されてその紫煙の波濤を退けていく。
 しかしバンダースナッチは事も無げに紫煙で形作ったバレットXM500という対物狙撃銃を沙智に向けて発砲。
 まずい、と直感で判断した沙智はギターを抱え即座に射線から飛び退き回避行動を取る。
 あらゆる障害物を貫通する恐るべき魔弾は音波障壁を易々と貫き、沙智のいた場所を通り過ぎてその後方の建物の壁に風穴を開けた。
 そして生じた障壁の綻びを紫煙の格闘家がこじ開けてきて猟兵達に襲い掛かる。
「させないよ!」
 ニクロムの操る蒼焔の盾が数枚障壁として展開し格闘家を阻むが、神速の蹴りが蒼焔の盾にめり込みそのまま両断。
 格闘家の攻撃直後の隙を狙ってバルタンがファルシオン片手に斬りかかるが、格闘家の後方――障壁が消失したその場所から紫煙が溢れてきて盾を形成して刃を包み込み捕らえる。
 紫煙の格闘家の正拳が飛んでくる前にサイボーグは軽く舌打ちしつつバックステップ、同時に内蔵火器よりグレネード弾を六発発射する。
 狙いは格闘家ではなく海底都市の地面、命中したグレネード弾の爆発は猟兵達を飲み込まんと一帯に満ち始めた紫煙を吹き飛ばした。
 それと同時、紫煙の格闘家の横をすり抜けたニクロムはバンダースナッチへと距離を詰めつつ、スナーク達の足止めに回そうとしていた重力操作の力を向ける。
 狙いは得物である紫煙の対物狙撃銃、重力をかけて照準を定める行動自体を封じる作戦――しかし、紫煙の対物狙撃銃はあくまで重量が無いに等しい煙で形作られたもので、効果が薄いよう。
(「これだけ重力をかけているのに……!」)
 狙撃銃のみでなくそれを持つ細腕にも相当な重力がかかっているはずだが、猟書家の女はオウガ・フォーミュラとしての純粋な力量でそれを無視し、紫煙に触れたニクロムに狙いを定めてくる。
 蒼焔の盾を前方に展開しつつ横に飛び退くニクロム、盾の護りを容易く貫通する絶対貫通の銃弾を放つ狙撃銃は、彼女が回避した位置に向け連続で銃弾を放っていく。
 蒼焔の盾に姿を隠しているにも拘らず酷く精度が高いのは紫煙に触れている対象を補足する能力故か。
(「厄介ですね」)
 体勢を立て直しながら再度音波障壁を展開しつつ、沙智は思考する。
 狙撃銃は直線的な攻撃だが、貫通力が酷く高い。位置把握の追加能力も厄介さに拍車をかけている。
 後者は爆風と音波障壁で紫煙を退ける事である程度は封じる事ができるが、発射された銃弾を今のまま真正面から受け止めるのは猟兵と言えど困難だろう。
(「相手の攻撃力を削がないと」)
 とにかく厄介な紫煙の銃弾の貫通力を抑え込むために、沙智は猟書家との距離を目算しつつユーベルコードを起動、
「Raccogli spade dai soldati Per la pace Al Re」
 兵より剣を王へと集める――力を一つに集中させて平和を説く、そんな歌をギターの旋律に合わせ歌いだす。
『……なんだこの歌は』
 彼女の反戦の歌を聞いたバンダースナッチの表情に困惑の色が浮かぶ。
 それと同時、ファルシオン振るうバルタンと白兵戦を繰り広げていた紫煙の格闘家の動きのキレが悪くなり、彼女の斬撃を胴に受けて紫煙へと還っていく。
 更に視野を広げればヒーロー達と交戦しているスナーク達の動きも鈍り、ヒーロー達が押し返し始めていた。
 沙智の反戦の歌に覆われた空間に触れる、つまり歌を聞いたものの戦闘力は沙智に吸収され減衰していく。
 一方で沙智は吸収した戦闘力により、より強く反戦の歌を戦場一帯に響かせ猟書家どころかスナーク達をも射程に捉え戦闘力を奪い取る事に成功したのだ。
 そして紫煙の格闘家を一たび撃破したバルタンはユーベルコードを起動。
「六式武装展開、煙の番!」
 その言葉と同時にバルタンの体から煙が噴き出して彼女の周囲を覆っていく。それは忍者である姉より教わった対飛び道具用の術をアレンジしたもの。
『煙幕か。だが意味はない』
 バンダースナッチは無感動に言って、対物狙撃銃の照準を定める。
 正確な座標を感知する為の紫煙はグレネードの爆風と煙の噴出、更に音波障壁に押し返されて封じられているが、それでも彼女の力量なら命中させることは十分可能。
 煙幕の中のバルタンに狙いを定め狙撃銃の引鉄を引き紫煙の弾丸を連射する猟書家。だがバルタンは、その銃弾を彼女自身の身体能力による忍者染みた恐るべき機動で回避していく。
『……本当、なんなのあの動き』
 狙撃では無理と判断したのか、猟書家は再度紫煙の格闘家を具現化し接近してくるサイボーグの迎撃に当たらせようとする。
 だがその直前、バルタンとは別の方角から重力槍が七本飛来してきた。
 紫煙に包まれながらも一気に距離を詰めてきたニクロムの奇襲――彼女と重力槍の接近を直前に感知した猟書家は軽く舌打ちをし、紫煙の格闘家に其方の迎撃に回らせる。
 無手にて神をも屠る強大な格闘家を再現したかのような格闘家は、単騎であるならばそれを回避する事もできただろう。
 しかし今回はバンダースナッチを守らねばならない。その指令に応えた格闘家は六本の槍を弾き、一本を両手で挟み込むように受け止めた。
 だが、そこにニクロム自身が蒼焔の盾を構え突撃を敢行してきた。両手を塞がれた格闘家は盾を防ぎきれず弾き飛ばされ、最後の重力槍がバンダースナッチへ放たれる。
『いい動き。けれど少し足りない』
 手にした煙草から溢れ出す紫煙がスナークシールドを形成、最後の重力槍を無効化しニクロムを包み込むようにしてあらゆる攻撃行動を無効化せんとする。
 だが、盾を展開した位置にニクロムの姿はなかった。
 猟書家が真上を見上げれば、そこには海水のドームの天井近くへと高く跳躍するニクロムの姿。
 重力操作で自身にかかる重力を限りなく減らし可能にしたその技術でニクロムは展開されたスナークシールドを飛び越えたのだ。
「アナタの暇潰しのせいで沢山の人達が迷惑してるんだ、その報い受けて貰うよ」
 背後に着地した彼女は反抗の妖刀を構え猟書家の背に斬りかかる。
 更に別の方向から巨大な杭打ち機を装備したバルタンが煙幕を纏いながら飛び込んでくる。
 細身の体型に似合わぬ異様に巨大なそれは元々はキャバリア用のものを流用したもので、威力だけでみるならばとびっきりだ。
 そこに沙智がギターマシンガンの回転動力炉を限界まで回転させて吸収したエネルギーをありったけ充填した魔力の弾幕を猟書家に放つ。
 三方向からの攻撃に猟書家は紫煙を操り盾を形成し防がんとするが、沙智の魔力の弾幕が盾の形を形成する前に吹き散らし消失、距離の近かったニクロムの妖刀が斬撃を猟書家に刻み込んだ。
 血が飛沫き、けれど猟書家は紫煙の狙撃銃を再形成、追撃を狙うニクロムへと発砲しつつ舞踏のように回転してバルタンへと照準を定め、反撃の一射を放つ。
 しかし、その弾丸はバルタンの眼前に出現した沙智の音波障壁に阻まれる。
 スナーク化した住民やバンダースナッチ自身から十分に奪い取った戦闘力により高まった彼女自身の力、それを込めたギターと歌声の魔力を海水の天井や周囲の地形に反響させ一点に収束させて、絶対貫通の魔弾をも阻む障壁を創り出したのだ。
「年貢の納め時でありますよ」
 30センチの至近距離に迫ったバルタンは、パイルバンカーをミストレスの胴に押し当て囁いて。
 ――そして、回避行動をとる隙もない速度で杭が撃ち込まれた。

●魂なき紫煙は海に消えゆく
 猟書家といえど度重なる猟兵達の攻撃による傷は耐えきれるものでは無く、妖刀の斬撃からの杭の一撃が致命傷となった。
 杭の一撃に吹き飛ばされたミストレス・バンダースナッチは膝をついたまま立ち上がれず、海底都市に満ちていた紫煙が薄れていく。
 スナーク化し暴走していた人々も落ち着きを取り戻していって、徐々に元の姿を取り戻していく。
『ああ、結局私は何も為せなかった、か』
 血を吐くミストレス・その生命の灯火が消えかかっているのは誰の目にも明らかだ。
『……水底の国にも、サー・ジャバウォック、あなたはいない』
 本質も、魂も。何もない虚ろなスナークでこの地を満たす事さえも叶わない。
 まったく、本質の無いスナークの末路としては当然の結末だと自嘲して。
『……長い暇潰しも、もう疲れた。悔やむ事さえ、何も残っていない』
 その言葉を最期に猟書家は手にした煙草を取り落とす。
 地面に落ちると同時、猟書家の体は紫煙へとほどけ、泡のようにドーム状の天井へと上りながら薄れ、そして海水に溶けるように消えていく。
 それが、ヒーローズアースにおける長きに渡った猟書家の企ての全てが、完全に潰えた瞬間であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年04月24日


挿絵イラスト