――グリモアベース。
グリモア猟兵の蛇塚・ライム(その罪名は『憤怒』/IGNITE POP DiVA・f30196)に招集された猟兵たちは、早速、今回の任務内容の伝達を受ける。
「お集まりいただき、感謝いたしますわ。今回の任務は、アポカリプスヘルに存在する研究所跡でのデータ回収と研究物の保全ですの」
ライムはグリモアから、プロジェクターのように予知を投影し始めた。
そこには、廃墟と化した研究所の外観から中へ侵入し、最奥の扉を開いた先にある巨大な筒状の装置が存在した。
「これは冷凍睡眠装置ですわ。この中に、コールドスリープ中のキリンさんが眠っています。今、猟兵としてご活躍されている種族『賢い動物』の皆様は総じて“小型哺乳類”に限られてます。ですが、この研究所ではキリンさんをはじめとする“大型哺乳類”に人間並みの知能を植え付けようと躍起になっていたようですわね。その証拠が、未だ冷たい筒の中で寝ているキリンさん、ということですの」
今回の任務では、この眠れるキリンと研究所内のデータや資料を狙って、ドクター・オロチの配下が現れる。猟兵たちはこれを速やかに撃破し、研究所と眠れるキリンを守らねばならない。
「そして今回の討伐対象ですが……ドクター・オロチの配下だけあって、かなりの曲者ですの。その名は『厄災の偽神フェンリル』。あの偽神細胞『デミウルゴス・セル』を移植された、ほぼ無敵のオブリビオンですわ!」
その特性上、あらゆる攻撃と状態異常に耐性を持つ。ただし、ストームブレイドや「偽神細胞液(激烈な拒絶反応あり)」を注射した猟兵の攻撃ではダメージを負う。
ライムは予知の中で、研究所内の資料やデータの回収の最中に「偽神細胞液」を発見できるはずだと猟兵たちへ伝える。
だが、なぜ研究所にそんな代物が?
その問いにライムが憶測を述べた。
「もしかしたら、動物たちを偽神化させることで知能を与えようとしたのかもしれませんね……。真相は闇の中ですが。ともかく、偽神フェンリルがこの研究所を狙っているのは確かですわ。転送完了次第、すぐに資料とデータ回収を急いでくださいまし?」
ライムがグリモアを起動させると、猟兵たちは研究所へ転送を開始する。
ほぼ無敵の偽神の魔手が迫る中、猟兵たちは無事に研究所を守り切れるだろうか?
七転 十五起
気が付けば、アポカリプスヘルでの決戦が間近に迫ってます。
賢い動物の覚醒も、この調子で進めていきましょう。
なぎてんはねおきです。
●概要
第1章で研究所内に存在する『禁断の技術』に関する資料とデータを回収します。
この研究所では、どうやら“大型哺乳類の知能増幅”について研究したようです。
(どのような研究内容だったかは、皆様のプレイングで自由に膨らまして下さい)
情報は紙媒体以外にも、端末にデータとして保存されています。
なお、研究所内の様々な場所で、注射器に入った「偽神細胞液」を入手できます。
ジョブがストームブレイドではない猟兵の皆様は、回収を推奨します。
第2章はドクター・オロチ配下の『厄災の偽神フェンリル』との戦闘です。
このオブリビオンは、移植された【デミウルゴス・セル】の影響で、ストームブレイドや「偽神細胞液(激烈な拒絶反応あり)」を注射した猟兵の攻撃以外の攻撃に対して耐性を持ちます。
第1章で回収した「偽神細胞液」を接種し、激烈な拒絶反応に耐えながら『厄災の偽神フェンリル』を討ちましょう!(ストームブレイドの猟兵の皆さんの通常攻撃は普通に通ります)
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
第1章 日常
『研究資料回収』
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POW : 施設内をくまなく歩き回り、資料を探す
SPD : 散乱した書類の中から目ぼしいものを探し出す
WIZ : 施設に残されたコンピュータにアクセスする
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
四軒屋・綴
【改変絡み歓迎】
麒麟…吉兆の獣、天命の使者、それを自ら迎えに行く、その傲慢こそ猟兵の力か。
という訳で潜入開始ッ!コンピューターとは熱に弱くすなわち冷却の為に換気系が必要ッ!つまり頭部を取り外しエアダクトにヘルメット部分ごと叩き込んでミッション開始ッ!…入るには良いが出られるのかこれ?もはや問答無用ッ!見つけた端から換気口にダイレクト高熱本体アタックを叩きつけて行くぞッ!
道中の部屋の端末をハッキングし構造を把握して更に深部へ…『偽神細胞液、見つかれば良いが…流石にセキュリティも物理障壁も厳重だろう、ならばユーベルコード発動ッ!物理的に切り抜けるッ!!
「しかし…何故この名が当てられたのだろうな…」
「勇蒸連結ッ! ジョウキングッ!! ただいま定刻通りに参上ッ!!」
研究所跡前に転送されるやいなや、四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)ことジョウキングが文面では表現しきれないほどのかっこいいポーズを披露した。
惜しくは周囲に誰もいないことだが。
「今回の任務……麒麟……吉兆の獣、天命の使者、それを自ら迎えに行く、その傲慢こそ猟兵の力か」
滅茶苦茶カッコいいセリフを残したジョウキングは、おもむろに自分の頭をスッポーンと引っこ抜く。
いや何してんすかいきなり!?
「という訳で潜入開始ッ! コンピューターとは熱に弱くすなわち冷却の為に換気系が必要ッ! つまり頭部を取り外し、エアダクトにヘルメット部分ごと叩き込んでミッション開始ッ!」
説明しよう!
ジョウキングは種族ヒーローマスクなのだが、電脳魔術によって身体を構築し中の人無しで自律稼働が可能なのだ!
よって、頭部を取り外しても、それ単体で行動が『可能』ッ!
早速、ジョウキングは発見した通気口へ自分の頭をシュート!
そして思い知る。長年放置されたダクトの中ってめっちゃ汚い。
「むむッ!? 征く手を阻む蜘蛛の糸、運命の糸にも似たもどかしさを覚える……というか、入るには良いが出られるのかこれ? いや、もはや問答無用ッ!」
ジョウキングの頭部が白い蒸気をあげて出発進行!
見事に内部へ潜入した頭部は、パソコン端末に電脳魔術を仕掛けて正面玄関のセキュリティを完全解除!
待機していたボディが堂々と正面から侵入を果たすことで、再び頭部は元の場所へと戻ったのだった。
その後のジョウキングの行動は迅速であった。
「道中の部屋の端末をハッキングし構造を把握して更に深部へ急ごう……『偽神細胞液』、見つかれば良いが……流石にセキュリティも物理障壁も厳重だろう」
ならば、ユーベルコードだ!
「来たれマイボディッ!」
強化ボディや武装やバリアを召喚して装備したジョウキングは、セキュリティを物理的に突破!
見事に大量の資料と『偽神細胞液』の入ったアンプルを獲得した!
「しかし……何故この名が当てられたのだろうな……」
ネットに繋がっていないこの世界で、それを検索することは難しそうだ。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
やれやれ…神に偽も本物もあるんですかね?
と言うかこういう動物に知恵を与えるって大体事故る案件な気がするがな…ってメルシー?
「へぇ…フェンリルっていうんだぁ…(びきびき)ご主人サマ!全力で叩き潰そうね☆」
お…おう…
UC発動
【情報収集・医術】
今回は竜達を散開させて回収
知能を増幅させるならシンプルに脳の容量を増やしたり
人間の脳や情報のデータを刻み込んだりしたのですかね?
そういやそういう小説もあったな
人間の記憶を猿にうつすんだったか?
「それって…」
うん、猿は発狂した落ちでしたね?
中々ひでー話でしたよ
後は可能な限り偽神細胞液の収集に努める
…まぁ…今回は注射だが…痛くなりそうだな
「どんとこいだよ♥」
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は廃墟となった研究所跡に忍び込むと、盗賊らしく資料やデータのある場所を推測して物色を始める。
ほどなくして書庫を発見したカシムは、おもむろに研究内容の一端が記された紙面に目を通す。
そこには、動物への偽神細胞投与の際の経過観察や考察などが記されていた。
「やれやれ……神に偽も本物もあるんですかね? と言うか、こういう動物に知恵を与えるって、大体事故る案件な気がするがな……ってメルシー?」
相棒のメルシーの様子がおかしいことにカシムが気付く。
なんだか心此処に在らずな状態で、ずっとブツブツ小声で呟いている。
「……オロチの配下……フェンリル……殺す……フェンリル……殺す……」
メルシーの凄まじい殺気に、カシムは戸惑っていた。
「あの、メルシー?」
「ご主人サマ! 全力でフェンリルを叩き潰そうね☆」
「お、おう……。その前にお前も資料の回収を手伝え。手数が足りねーですから」
「ラジャったよ☆ それじゃ早速、幼女祭りで……」
「却下だ! 此処に十万単位の人数を呼べるか! 逆に人手が余るだろーが! 今回は竜を呼ぶから、おめーは電子データの方を何とかしてくれ」
カシムは帝竜眼「ダイウルゴス」の小型版を召喚すると、全部で121体使役する。
オリジナルのダイウルゴスよりももはや使役数が多いのは、カシムの成長並びにこのデミウルゴスがオブリビオンのそれとは違う気質を持つ存在であることの証左だ。
小型の竜たちは研究所跡へ散り散りになると、あっという間に廃墟内のほぼすべての部屋を踏破してカシムにマッピングさせてゆく。
これで施設内の構造を把握することができた。
他の猟兵も使えるように、古ぼけた掲示板に手書きの地図を張り付けてやった。
「それにしても、この研究の内容って、知能を増幅させるならシンプルに脳の容量を増やしたり、人間の脳や情報のデータを刻み込んだりしたのですかね? そういやそういう小説もあったな、人間の記憶を猿にうつすんだったか?」
「それって……」
「うん、猿は発狂した落ちでしたね? 中々ひでー話でしたよ」
作品批評もそこそこに、竜たちが集めてきた資料を検分するカシム。
その中に、鍵のかかった小さなケースが混じっていた。
盗賊のカシムにかかれば、この程度の施錠は簡単に開けられる。
サクサクと開錠して中身を確認すると、そこには1本の注射器が入っていた。
その中身こそ、偽神細胞液だと推測された。
「……まぁ……今回は注射だが……痛くなりそうだな」
「メルシーはどんとこいだよ♥」
これ見よがしにケツを突き出すメルシーに、カシムは苛立ちを覚えて即座にタイキックをぶちかますのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アーネスト・シートン
さてと、今回も資料集め致しましょう。
キリンさん、首の長い動物ですよね。
大きい動物を研究しているのなら、猛獣もいるから…
フェンリル…北欧神話の巨大な狼…
今回はキャッスルクラフトで行きましょう。
作業員の皆さんには、資料を集めてもらっていただければいいですよ。
今日は何も作る必要はないですからね。
そして、集まった資料を【医術】【情報収集】【集中力】で必要なものと、そうでないものを分けて必要なものを回収します。
あと、コレが偽神細胞…
なんなんですか、ここ。
アドリブ歓迎
ロー・シルバーマン
オロチか…しかも偽神となると激しい戦いとなるじゃろう。
少しでも早く資料を集め迎撃の準備をせぬとな。
探索は動物の冷凍睡眠部屋を先に探し、そこを中心に周囲を捜索する。
キリン以外に何がいるのか、どのように研究していたのかヒントもあるかもしれぬ。
物理資料は明らかに無関係な物を除き適当な箱に詰めて纏め、ディスク等の情報媒体や端末のデータも分けて纏めるかのう。
…偽神細胞に耐えられる体力のある大型動物を…?
すぐ研究方針は変えたようじゃが…薬品投与…電気刺激…よく分からぬ。
捜索の間に偽神細胞液と注射?も探す。
薬瓶の棚か冷蔵庫かその辺りかのう。
…しかし消費期限とか大丈夫か?
祈るしかないか…
※アドリブ絡み等お任せ
学者然としたアーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)と狛犬めいた人狼のロー・シルバーマン(狛犬は一人月に吼え・f26164)は、共に廃墟と化した研究所跡内部を探索していた。
「さてと、今回も資料集め致しましょう」
「そうじゃな、それにオロチの配下か……しかも偽神となると激しい戦いとなるじゃろう。少しでも早く資料を集め、迎撃の準備をせぬとな」
「はい、今回も頑張りましょう、ローさん。今回のオロチの配下って、確か、フェンリル……北欧神話の巨大な狼……でしたでしょうか」
「この老いぼれ狼と対峙するのが神代の狼を語る偽神とはのう、因果なものじゃな。それにお主と顔を合わせるのも、当たり前のようになってきたのう。ま、こちらこそよろしく頼むぞい」
2人は眠れる動物関連の予知で何度も顔を合わせた仲だ。
こうやってともに行動するのももう幾度目だろうか。
「まずは冷凍睡眠部屋を先に探すとするかのう」
「分かりました。キリンさん、首の長い動物ですよね。大きい動物を研究しているのなら、猛獣もいるから……飼育していた檻もあるかもしれません」
「おお、そうじゃのう! となると、研究資料やデータはその周囲に集中しておるじゃろうか?」
「だったら、手数が多い方が便利ですよね。わたしくに任せてください」
アーネストはユーベルコード『キャッスルクラフト』を発現させ、114人の工事作業員たちを召喚してみせる。
「皆さん、お疲れ様です。作業員の皆さんは、資料を集めていただければいいですよ。今日は何も作る必要はないですからね。それでは、ご安全に!」
作業員たちはたちどころに廃墟の隅々まで散らばってゆくと、ほどなくして他の猟兵が描いたと思しき地図を持ってきた。
どうやら、掲示板に張り付けられていたとのこと。
各部屋のところ所々がレ点チェックされていることから、その部屋の探索は済んだという証であろう。
「ふむ? 冷凍睡眠室は手が入っているようじゃな? じゃがその周囲はもう一度洗い直してみる価値はありそうじゃ」
ローは作業員数名をアーネストから借り受け、冷凍睡眠室へ足を踏み入れた。
地図のレ点が記されていた通り、この部屋自体のあらたな収穫はなかった。
だが、通路から伸びた向かいの部屋は、実験器具がそこかしこに散らばる「いかにも」な部屋であった。
早速、ローはこの部屋の捜索を作業員たちと共に開始した。
「……やはりな。キリン以外にも、ヌーやサイ、カバなんかも研究対象にしておったようじゃな。ふむ……偽神細胞に耐えられる体力のある大型動物を……? すぐ研究方針は変えたようじゃが……薬品投与……電気刺激……よく分からぬ」
ローは紙束に書かれている内容をざっと目を通しては、作業員たちが用意してくれた段ボールの中に必要なものだけ入れて梱包してゆく。
ディスク等の情報媒体や端末のデータもまた、いくつかのUSBに種類別で分類してゆく。
「……あれは? やけに厳重な施錠が施されておるようじゃが?」
そんな中、ローはあからさまに固く閉じられたカプセル状の物体を発見した。
それは電源に接続されており、今も太陽光発電で電力が供給され続けているようだ。
ローが何度か適当に暗証番号4桁をポチポチ入れてトライアル&エラーを試すこと4度目、まさかの解除に成功する。
「おお、本当に開いたようじゃな! 中身は……む? これは、偽神細胞液、じゃろうか?」
バイオハザードマークが描かれた細身のケースに記された「False god(偽神)」の文字。
これこそが動物たちへ投与していた偽神細胞液の入った注射器なのだろう。
「……しかし、消費期限とか大丈夫か? そのあたりは祈るしかないか……」
「ローさん、首尾はどうですか? こちらはもう分類が終わりました」
アーネストと作業員たちが段ボールに詰め込まれた資料を抱えて、ローのもとへ合流を果たす。
その中には偽神細胞液の入った注射器もあった。
「なんなんですか、ここ。研究所というより、わたくしには宗教的な儀式のような雰囲気を感じ取れましたが」
アーネストの見つけた飼育部屋周辺には、動物たちを神聖視するような内容の資料が多数見受けられた。
偽神細胞液も、その一環で接種させて動物たちを神の座へ押し上げようとしているようにも受け取れた。
「ここの研究所は、今までのそれとは毛色が違ったようですよ」
「なるほどのう、人語を理解して話す動物など、神話には数多く存在するからのう? わしが言うのもなんじゃが、宗教は時に絶対的な心の拠所となりうる。明日も虚ろなこの世界なら、目に見えて触れられ、あまつさえ人の言葉を話す奇跡のような動物を神聖視するのも無理はないじゃろうがなぁ。作られた動物側は迷惑千万じゃが……」
「とはいえ、わたくしはこのような行いがまかり通っていたことが、残念でなりません……」
動物を愛するアーネストにとって、ここでの実験は動物たちの尊厳を奪うことに等しい。
そして、ここを狙ってくる偽神フェンリルの存在は、何か因果めいたものを感じてしまうアーネストであった。
――戦いの刻は、目前に迫っている。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『🌗厄災の偽神フェンリル』
|
POW : 神が恐れた忌み狼(コール・オブ・フェンリル)
【怨念から生み出された黒狼】と合体し、攻撃力を増加する【巨大化能力】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【瞬間移動からの噛み付き攻撃】が使用可能になる。
SPD : この怨念は終焉まで続く(ラグナロク・カーズ)
【戦場全体に怨念の黒狼を敵人数×100匹】を放ち、命中した敵を【あらゆる守護を無効化する消えない魔炎】に包み継続ダメージを与える。自身が【負傷】していると威力アップ。
WIZ : 最も趣味の悪い手段(グレイプニル・プロトコル)
【血液で創造した絶対拘束の紐型寄生獣】【電脳魔術で生み出した空間ハッキング網】【敵を押し潰す2つの平らな巨岩】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:すずや
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠蛇塚・レモン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
男は無口だった。
「…………………………」
ひたすら荒野を歩き続けても、弱音のひとつも吐かない。
機械的にただ前方に見えてきた廃墟へ向かって歩を進める。
「……………………………………」
男は無口だった。
その身から炎のように湧きたってくる赤黒い狼は、男の抱える怨念の具現化だ。
男はオブリビオンになる前……つまり生前は、様々な拠点を渡り歩く窃盗犯であった。食料や金目の物を目当てに流浪人を装って拠点に取り入り、頃合いを見計らって強奪して逃走する。それを延々と繰り返し、それが永遠に続くと思っていた。
だが、ある拠点で運悪く悪事が露見した。他の拠点の追手が男を追跡していたのだ。
男は逃走するも捕縛され、無言のまま首を括られて処刑された。
雨乞い用の生贄として、彼は天に差し出されたのだ。
「……………………ッ!」
ぎりり、と奥歯を噛み締める。
男は思った。
生きるために必要なことだった、周りは助けてくれなかった。
俺は誰からも嫌われていたし、居場所もなかった。
だからオブリビオンとなって甦ったとき、俺はようやく他人に優しくしてもらえてた。
だから真っ先に声を掛けてくれたオロチ様に忠誠を誓った。
偽神を作ろうとする輩は、どんなことでも潰す。
俺が味わた悲劇を繰り返してはならない。
無口な男は研究所の壁の一部を破壊して侵入すると、その口元が僅かに吊り上がる。
憎悪と怨念、そしてドクター・オロチへの忠誠心に燃える偽神に、猟兵たちはどう戦うのだろうか?
四軒屋・綴
しかし…この小型のアンプルをどうすれば良いのだろうなッ!?
仮面用の針がない以上作るしかあるまいッ!アンプルの中身を電脳魔術を用いて分析ッ!『パストスチーム』を改造し効能を再現した上で疑似身体へ、そして本体へ取り込むぞッ!!
……なるほど、これはキツいな、吐き気に眩暈、身体が痛む、全身まるごと幻肢痛とは。
待たせたな狼男、始めよう、そして終わらせよう。
巨大化はさして障害にはならない、爪と膂力に対抗するだけの装備はある。
瞬間移動は脅威だが…『噛みつき』が含まれる以上移動先は至近距離に限定され、有効に活用しようとすれば死角となる背後を狙うのがセオリーだ。
『パストスチーム』を再度使用、半径1メートルの接触センサーとして利用し位置を確認、『ジョークコート』の推力で旋回し正面に敵を捉え、上顎を掴み反らして攻撃を回避する。
そしてユーベルコード発動、敵の頭部に貫手を突き込み生命力を吸収しつつ高熱を送り込む。
「報われぬなら、先ずは誰かに報いるしかない。」
「愛されたいなら、与えるしかないだろう。」
四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)ことジョウキングは敵襲を悟ると、手にした偽神細胞液の入った注射器を手にする。
だがここで問題が発生した。
「しかし……この小型のアンプルをどうすれば良いのだろうなッ!?」
ジョウキングには物理的な肉体が存在せず、たとえ身に纏う鋼の勇蒸連結ジョークロスに接種しようとも針が刺さらない。
まさかの種族の壁がここに立ちはだかろうとは。
「仮面用の針がない以上作るしかあるまいッ!」
だがジョウキングは諦めなかった。
アンプルの中身を電脳魔術を用いて分析し、小豆色のアーマーから漏れ出す漂蒸繫治パストスチーム……排出された余剰エネルギーとナノマシンの集合体で疑似肉体を形成する。そこへアンプルを投与し、すぐさま本体である頭部のゴーグルへと回収することで効能を取り入れることができた。
「よし、成功だッ! むッ……!?」
途端、ジョウキングの意識が、視界が、グニャリと歪み始めた。
「……なるほど、これはキツいな、吐き気に眩暈、身体が痛む、全身まるごと幻肢痛とは」
今まで感じたことのなかった末端の節々までズキズキと響く痛みや吐き気と眩暈は確かに苦しいが、生身の身体を持たぬジョウキングにとって新鮮な経験でもあった。
偽神化したジョウキングの前に、タイミングよく厄災の偽神フェンリルが廊下の角からやってきた。
両雄、無言で対峙する。
「……待っていたぞ狼男、定刻通りだ。では始めよう、そして終わらせよう」
「…………………………!」
無口な偽神の身体が、みるみるうちに膨張し、その姿を変えてゆく。
偽神の背後に従える怨念の黒狼と合体することで、男自身が神話に登場する巨狼へと変身するユーベルコード。
『神が恐れた忌み狼(コール・オブ・フェンリル)』を前に、戦闘力が格段に跳ね上がった巨狼をジョウキングは油断なく見詰めている。
(巨大化はさして障害にはならない、爪と膂力に対抗するだけの装備はあるからなッ!?)
ジョウキングのあらゆる装備は凄まじいパワーを秘めており、巨狼と真正面からぶつかっても競り勝つ自信があった。
加えて廃墟内という制限が巨狼に圧し掛かる。
通路に目詰まりした状態の今、回避行動など取れずに突撃するほかないだろう。
そんなジョウキングの考えを覆す、偽神の意外な行動が飛び出した。
「何だとッ!? 消えたッ!?」
唐突にジョウキングの目の前から、忽然と姿を消した巨狼。
その気配が自分の真後ろにあることを、センサー代わりのジョウキングの漂蒸繫治パストスチームが感知する。
「ブリーフィングで聞いていた通り、攻撃手段に『噛みつき』が含まれる以上は移動先は至近距離に限定され、有効に活用しようとすれば死角となる背後を狙うのがセオリーだッ!!」
腰部を中心に装備された蒸噴轟進ジョークコートが白煙を噴けば、轟音と共に推進力を得て180度反転旋回!
巨狼が大きな口を開けて突っ込んでくるが、サイドステップでこれを回避したジョウキングの左手が、巨狼の上顎を殴打!
蒸輝衛掌ジョウキングバリアによる必殺スチーム張り手が炸裂だ!
「GRRRRRRRRRRッ!?」
よもや攻撃が空振りし、マズルに一撃食らうとは思っていなかった偽神。そのまま下顎を床に激突させて怯んでしまう。
巨大な頭が一瞬だけ、無防備にジョウキングの前に晒される。
頭部は生物にとって急所だ。
一撃を加えるならば今だ!
白煙を噴出させてジョウキングは一気に巨狼の眉間へ飛び込んだ。
そして引き抜かれる右手!
「――届け」
右腕に熱量が極集中し、小豆色から白光へ変色!
凄まじい熱量を誇る右腕を、自壊も恐れぬ膂力で巨狼の眉間へと突き刺した。
偽神化によって眉間から頭蓋を砕かれた巨狼は、脳内へ高熱を蒸気と共に送り込まれて悶絶の絶叫を廃墟内に轟かせる!
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
「報われぬなら、先ずは誰かに報いるしかない」
貫手を眉間から引き抜き、噴き上がる偽神の巨狼の鮮血を浴びながらジョウキングは身構える。
「そして、愛されたいなら、与えるしかないだろう。だが生憎、貴様には痛みしか与えられぬがなッ!?」
推進力を得たスチーム張り手が巨狼の鼻柱を叩き潰せば、偽神はたちまち人間サイズへ戻って廊下の奥へと吹っ飛ばされていった。
大成功
🔵🔵🔵
アーネスト・シートン
偽神細胞…相手にするには使わくてはならないのが…
今回は、わたくしが自らやらないとですよ。
厄介な話、こいつをどうにかしないと動物守れないし、資料持っていかれるのも阻止しないとですよ。
よって、M.S.L.を通常弾で対応、チーター獣人となって、スピードで翻弄、狙って【スナイパー】で打ち込みますよ。
相手がひるんだら、シロクマになって、前足で敵に叩きつける。
「ここの動物たちは守らないとですよ。偽神化もさせるつもりはないですよ。」
アドリブ歓迎
アーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)は動揺していた。
吹っ飛んできた災厄の偽神フェンリルと遭遇し、敵意をこちらに向けられたことに。
そして、その偽神を斃すためには、手にしている偽神細胞液の入ったアンプルを注射器で接種しなくてはいけないことに。
「偽神細胞……フェンリルを相手にするには使わくてはならないのが……」
恐ろしいまでに体を蝕む副反応は、最悪の場合、命の危険に及ぶといわれている。
だが、このままでは偽神にむざむざと殺されてしまう。
それに回収したデータや資料も奪われてしまう。
冷凍睡眠したキリンにだって、未来を迎える権利がある。
それを守れるのは今、アーネストしかいないのだ。
彼は意を決し、左肩へ注射器を突き立てて中身を注入する。
すると、すぐさま腕の痺れと激痛が発生し、それが数秒も経たずに全身へ広がっていった。
「うぐ……っ! 歯を食いしばらないと意識が飛んでしまいそうです……ですが、今回は、わたくしが自らやらないとですよ。厄介な話、こいつをどうにかしないと動物たちを守れないし、資料を持っていかれるのも阻止しないとですよ」
偽神は再びその身体の体積を膨張させ、姿を巨大な黒狼へと変える。
マルチプル・スナイパーライフル(M.S.L.)を通常射撃モードで身構えると、アーネストは速度重視で戦うことを選ぶ。
「チーターの力を拝借させていただきますよ。わたくし、獣化!!」
ユーベルコードの効果でアーネストはチーター獣人へと姿を変えると、目の前から姿を消した巨狼の顎から難なく逃れることに成功した。
「背後に回り込んでくるのは見え見えなのですよ!」
M.S.L.を振り向きざまに乱射!
BATATATATATATA!
受講からマズルフラッシュが火を噴く!
銃弾を浴びた巨狼は再び瞬間移動し、もう一度アーティストの背後へ回り込んだ。
先ほどよりも距離が近い!
「ワンパターンですね? これでどうですか?」
アーティストはノールックで銃口を背後へ向けてトリガーを引いた。
けたたましい連続射撃音に交じって、巨狼のキャンキャンと耳障りな悲鳴が聞こえてきた。
「今です、シロクマの力を拝借させていただきますよ!」
相手が怯んだと分かるやいなや、アーティストはパワー型の白熊獣人に早変わり!
「ここの動物たちは守らないとですよ。偽神化もさせるつもりはないですよ」
全体重を乗せた前足の踏み潰し攻撃が、巨狼の顔面に直撃するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花(サポート)
不得手なものはたくさんあります
直接的な攻撃も
火も
言葉と想いを交わせぬことも
そこに在る以上
望みを持つのはそこに在るものの権利で義務
それが互いに反する願いであるならば
戦って互いの妥協点を見い出すのもまた当然
同じく界を渡る者と言うのなら
私達とオブリビオンに何の違いがありましょう
私達の違いは
骸の海の意思に沿うか
今在る世界の意思に沿うか
それだけだと思うのです
滅びをそのまま受け入れられる者は多くなく
転生が叶う世界も限られる
それなのに貴方の転生を願いそれを囁く私は卑怯者なのでしょう
それでもいつか貴方の望みと私達の望みが寄り添えるよう
貴方の転生を望みます
そのために
誠心誠意今の私の全力を尽くさせていただきます
七星・彩華(サポート)
羅刹の呪詛すらも従える剣士。
『呪詛で溢れた戦場は私の舞台さ!』
口調は我が道を行く姐さん、仲間にはフレンドリー。
支配する呪詛も武器として扱う戦闘狂だが、かなりの頭脳派。
武器は魔剣・妖刀とは似ても似つかぬ呪詛刀
戦闘狂だが考えた戦術や戦闘の流れが上手くハマる方が感情が溢れ出る。
闘う事を至高と考える一方で守る者や仲間との共闘も戦闘の重要な要因と考えている。
行動は天上天下唯我独尊を貫く。
猟兵の夫と二人の娘がいる家族4人共が猟兵。
ユーベルコードは指定した物を怪我は厭わず行動します。
迷惑をかける行為はしません。
依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはお任せ。よろしくお願いします!
災厄の偽神フェンリルが再び立ち上がる。
全身に走る痛みに悲鳴のひとつも上げないが、その双眸には焦りと怒りがありありと滲み出ていた。
思っていたよりも猟兵という存在の強大さをこの身で実感した偽神は、己に宿した狼のシックスセンスで気配を辿る。
すると、新たに数名の猟兵がこの研究所跡の廃墟へ現れたことを知る。
だが、それらは先程の者たちからすれば随分と脆弱な気の波動である。
偽神は知る由もないが、この現場にサポート猟兵が応援として駆け付けてくれたのだ。
だが彼らはあまり実力が高いとはいえないものばかりである。
偽神は彼らなら圧倒できるはずだと値踏みし、猟兵側の士気を低下させるためにも弱い者から屠らんとするべく気配を辿り始めた。
御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は冷凍睡眠装置のカプセルの中で眠るキリンを眺め、胸の奥に言葉を詰まらせていた。
「……このキリンは、人の言葉を話せるようになったのでしょうか? もしそうなら、何故こんなことを……?」
実験が成功したとして、もしもそれが人間よりも聡明な存在になってしまったのなら、研究者たちは何を思うか?
きっとキリンを危険視して、時が来るまで眠らせ続けたのだろう。
「これもある意味、呪詛と言えるだろう。そいつは妄執の果てに生み出された忌み仔ってところかい?」
七星・彩華(狂い咲く戦場の華・f32940)が徐々にこちらへやってくる悪意を感じ取りつつ、御園へ言葉を投げかける。
「さてと、感傷に浸ってる場合じゃないようだ。とっとと客人のお迎えの準備をしな? 何が来るか分かったもんじゃないな」
呪詛刀・常闇が、接近してくる偽神の怨念に反応して自ら鞘走りそうになっている。それだけ敵が強大ということだ。彩華がその刃を引き抜けば、その刀身は魔剣・妖刀とは似ても似つかぬ代物であった。
御園も戦闘は苦手であるが、眠りにつくキリンを骸の海へ沈めるような真似はさせないと心を奮い立たせる。
「メイドとして、お客様をお迎えするのは当然の所作。厄災の偽神であろうと、それは変わりません」
桜鋼扇を広げ、御園も敵の到来を待ち構える。
途端、2人の周囲の空間が0と1の明滅に襲われる。
すぐさま彩華が御園の着物の袖を引っ掴んで通路へ飛び出し、そのまま窓から外へ飛び出した!
「ヤバい、あれは何だか知らないが、あのまま居たら間違いなくやられてた!」
「え? ちょっと!?」
放り投げられる形で廃墟から遠ざかった御園は、その目で信じられない光景を目の当たりにした。
研究所跡の壁が2枚の巨岩の板で打ち崩され、土煙の中から紐上の異形生物がこちらへ向かって飛び込んでくるではないか!
絵も言えぬ恐怖を覚えた御園は、グリモアベースにて支給された偽神細胞液を接種後、すぐさまユーベルコードで迎撃を開始する。
「おいで精霊、数多の精霊、お前の力を貸しておくれ――召喚・精霊乱舞!」
610本もの魔力弾が突っ込んでくる巨大な岩石を粉砕し、紐状の異形生物へと浴びせかけられる。
あれこそが出立前にグリモア猟兵から伝達されていたユーベルコード『最も趣味の悪い手段(グレイプニル・プロトコル)』の【血液で創造した絶対拘束の紐型寄生獣】と【電脳魔術で生み出した空間ハッキング網】及び【敵を押し潰す2つの平らな巨岩】の3連コンボ!
岩石は破壊したものの、一か所に留まれば空間ハッキング網で絡め捕られ、紐型寄生獣に拘束されてしまう。
それだけは避けねばと、御園は必死に全方位に精霊の魔力弾を撃ち続ける。
だが副作用で全身が悲鳴を上げる!
残弾も心許ない!
「あとは任せな!」
ここで動いたのは彩華だ。全身の副作用のダメージをむしろ感情の起爆剤として。
自身に宿す呪詛を全身から解放させ、土煙の向こうの偽神へと放つ。
途端、紐型寄生獣の動きがピタッと止まったではないか。
これも彩華がにたりと笑みを浮かべた。
「見たのかい? 見ちまったかい?」
彼女のユーベルコードは、常人では即座に死んでしまうほどの呪詛や刃の如く鋭い殺気を体内から一気に放出することで、対象を畏怖または恐怖ですくみ上らせて動きを止めてしまう。
それは偽神も例外ではなく、土煙が晴れた先に姿を現した男は、その表情を俄かに引き攣らせていた。
「今だ! 火力を本体へ集中させな!」
「分かりました!」
御園は残りの魔法弾に加え、愛用の軽機関銃を躊躇なく偽神へ連続発砲する。
その弾幕で偽神を抑え込んでいる隙に、彩華が砲弾めいた勢いで一気に敵の懐へ飛び込んできた。
「常闇! 魂喰! 偽神を食い破りな!」
もう一振りの呪刀の赤黒い刃と共に、漆黒の刃を同時に偽神の両肩口へ振り下ろす。
バツ印を刻まれた偽神は、おびただしい量の血霞をばら撒きながら、よろよろとたたらを踏むのだった。
成功
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ロー・シルバーマン
来たか。
どのような目的が在ろうと憎悪に満ちたあやつにここを破壊させる訳にはいくまい。
接敵後、入手した偽神細胞をノータイムで左手に投与。
…これだけ強烈な拒絶反応、狙撃できる程集中するのは難しいのう。
短期決戦でありったけの銃弾をばら撒いてやろう。
地形を利用しつつ動物達を守りながら交戦。
UC起動、拒絶反応に対し生存本能は限界まで高まるじゃろう。
どう動けば長く生き延びられるかだけを思考し第六感、野生の勘も研ぎ澄まし最適解を選び取る。
黒狼をばら撒く弾丸で最小限迎撃しつつ偽神と距離を詰める。
至近距離から速射と浄化の弾丸を猟銃で放ち、怨念に引導を。
偽神が倒れたら気が抜けて倒れ込むかも。
※アドリブ絡み等お任せ
戦場が廃墟の外へ切り替わった故に、ロー・シルバーマン(狛犬は一人月に吼え・f26164)は急いで壁の大穴から外へ飛び出てきた。
その先には、無言で血を流しつつも、なお憤怒と怨嗟に目を血走らせる災厄の偽神フェンリルがいた。
「……来たか。どのような目的が在ろうと、憎悪に満ちたあやつにここをこれ以上破壊させる訳にはいくまい」
ローは一切の躊躇なく偽神細胞液の注射を左手へとノータイム投与!
途端、体内に熱したマグマが暴れ出すかのような熱量と血管中に棘が突き刺さったと錯覚するほどの激痛が、左腕から全身へと伝播してゆく。眩暈と吐き気も相まって、奥歯を噛み締めなければまともに立っていられないほどの副作用だ。
「……これだけ強烈な拒絶反応、狙撃できる程……集中するのは難しいのう」
使いこまれた猟銃による得意の長距離狙撃は、今の体調では難しいと判断。
ローはアサルトライフルの弾幕による、中距離からの面制圧の短期決戦に懸けることにした。
そうと決まれば、破壊された研究所跡の瓦礫に身を潜めつつ、偽神へ断続的に銃撃を開始する。
背後には冷凍睡眠装置のカプセル……眠れるキリンが控えている。何かしらの敵の攻撃が後ろに通れば、今回の任務は失敗する。
いわば背水の陣。ローは守るものを意識することで、全身を冒す副作用にも負けない使命感で銃の引き金を引き続ける。
だが、彼の生存本能が途端に警鐘を鳴らす。
――この場所は危険だ。
ローはその危険信号の正体を確かめる意味も含め、向かい側の瓦礫へと身体をすぐさま飛び込ませた。
すると、今までローがいた場所の付近から、真っ黒な黒狼の群れが地面から湧き上がってきたではないか。
あのまま居たら、背後から襲われていただろう。
「あれは、彼奴のユーベルコードか!」
すぐさま振り向きざまに発砲!
ローの放った弾丸は、地面から湧き出した黒狼たちをまとめて撃ち抜いていった。
「なるほどのう。これが彼奴のユーベルコード……『この怨念は終焉まで続く(ラグナロク・カーズ)』……! 敵ひとりに当たり100匹の黒狼を召喚して襲わせ、攻撃が命中すれば消えない魔炎でわしは死ぬまで焼かれ続ける、と……」
周囲から飛び出してくる黒狼をひたすら撃ち続けるローは、思い切って瓦礫の影から飛び出し、偽神目掛けて銃を乱射し始めた。
「そう、生き延びるには単純。全て避けて花を咲かせ続ければいい――感じたままに動くだけじゃ!」
肉体を蝕む拒絶反応、そして周囲を完全に包囲された死地の中での戦闘が、ローの生存本能を極限まで刺激し、ユーベルコードを開花させる。
ユーベルコードの名は『修羅開放(カイブツノトキ)』……それは武の極致の一つであった。
思考以上の反射速度を発揮する絡繰りは、原初の生存本能に己の肉体を操らせること。
これにより、意識は明瞭のままアンサーヒューマンの思考加速以上の埒外の身体能力を発揮できるのだ。
どの方向からどの速度で、あと何秒で黒狼がこちらに襲い掛かってくるかが手に取るようにローは把握できてしまう。
足元に出現する黒狼の頭を銃弾で吹き飛ばす。53匹目。
飛び掛かってくる黒狼の身体をまとめて蜂の巣にする。54匹目、55匹目、56匹目、57匹目。
偽神の盾になる黒狼の群れは、なぎなたに持ち替えてその首を横一線にまとめて刎ね飛ばした。
飛んで70匹目撃破。残り30匹。
偽神は無言のままローを睨み付ける。
だがあとがない。追いつめられてゆく、それを理解しているからこそ、視線は刃物の如く鋭さを増す。
2人の距離が10mを切った。
偽神はローの四方を残り30匹で包囲し、一斉に襲わせた。
一撃でも命中すれば、ローは魔炎で焼かれ、副作用と共に苦しんで死ぬだろう。
偽神はそれを見下して少しでも抱える怨念を晴らしたかった。
だが、偽神が目撃したのは、なぎなたと自動小銃を巧み操り、全方位へ攻撃を繰り出すローの奮戦であった。
偽神は目を丸くして驚愕する。
なぎなたを振り回して狼を敬遠しつつ、自動小銃で近寄る黒狼を射殺してゆく。
それはローの究極の生存本能がなせる破壊衝動。絶対生存欲求の賜物だ。
最後の1匹の頭蓋骨を銃弾で破裂させたローは、残った偽神の心臓へ目掛けて、愛用の猟銃の銃口を突き付ける。
2人の距離は、もはや5mもない。
「お主の負けじゃ。フェンリル」
「………………………………………撃て」
負けを潔く認めたのか、偽神は自分の胸元を指差す。
よく狙え、とも言いたげに不敵な笑みを浮かべる。
ローはそれを鼻で笑って一蹴する。
「老いぼれだからといって、この距離では外すわけがなかろう?」
断言したローはすかさず引き金を引き絞る。
その弾丸は、怨念を打ち破り、男を浄化する祈りを込めた聖なる祈りが込められている。
荒野に銃声と硝煙がまき散らされると、偽神はゆっくりと倒れながら消滅していった。
「……どうやら、終わったようじゃ、な……」
ローは膝から崩れ落ち、そのまま意識を失った。
後ほど、他の探索者とサポート猟兵とグリモア猟兵が彼を発見したことで、大事に至ることはなかったという。
そして、今回の任務成功で、データがかなり集まってきた。
眠れる動物たちの覚醒は、もう目の前に迫っている……。
大成功
🔵🔵🔵