月光の謎を追え!
●月光城跡地の調査
「皆の頑張りのおかげで、ダークセイヴァーの予知に関して『グリモアエフェクト』が発動したぞ。新たなる予知を元に、将来の危機へ未然に対処するのだ!」
グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、集まった猟兵達に説明を始めた。それによれば、グリモアエフェクトの成功によって彼女は将来訪れたであろう『大いなる危機』を、その前段階で予知できたとのことだ。
「グリモアの予知は、月光城の跡地を指し示した。皆には、そこに調査に赴いて欲しいのだ」
月光城とは、ダークセイヴァー五層の地下都市に点在する謎めいた城塞である。これまでもその調査を行う依頼はあったが、それは主の存在する場所のみだ。それに対して、今回は廃墟となった跡地の調査だと言う。
「月光城は『城塞』だ。それ故、『なんらかの外敵』から自身の支配領域を防衛すべく作り上げたものと推測される。今回は遙か昔にその『外敵』によって攻め落とされた場所の調査が目的だ」
過去の依頼では月光城そのものの調査と主との戦いが中心であったが、今度はそこで防衛していた相手の調査となる。この調査を通じて、月光城とダークセイヴァーの『月』にまつわる真実に少しでも近付くことができればといったところだ。
「今回皆に行って貰う月光城は、かつては『『無音公』シャンテモンストル侯爵』というオブリビオンが主だったようだ。生首を加工したフレイルを扱う悪趣味な相手だが、何者かに敗れて今は周囲の地下都市も含めて無人の廃墟となっているぞ」
『月光城の主』は、眼球と満月を組み合わせたような『月の眼の紋章』と融合して、非常に強大な戦闘力を持つ。それを倒すとは、一体どんな外敵なのだろうか?
「月光城の周囲の地下都市は、そこら中が崩れて迷路のようになっている。どこもかしこも似たような風景で方向感覚が麻痺しそうになるほどだが、何とか突破して月光城へと進んで欲しい」
先ずは迷路のような地下都市の突破からだ。敵は出現しないので、急がずゆっくりと攻略しても構わないだろう。
「月光城の跡地で何が起こるかまでは、我にも予知出来ていない。何も無ければ僥倖だが……十分に警戒はしておいた方が良いだろうな」
百々は猟兵達にそう助言すると、彼らの転移を始めたのであった。
夢幻
●マスターの夢幻です。
1章:冒険『この路を進めば』
2章:???
3章:???
第1章 冒険
『この路を進めば』
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POW : とにかく勘を頼りに
SPD : 手掛かりを推理して
WIZ : 自身の力を使って
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リーヴァルディ・カーライル
…確か、月の眼の紋章は所有者の能力を66倍にする力があったはず
…私達は囚われた人達を解放して紋章の機能を削いでから城主を討っていたけど、
その『外敵』が正面から城主を打倒していたとするならば…。
『大いなる危機』とやらが到来する前に察知出来たのは、僥倖と言う他無いわね
UCを発動して吸血鬼化を行い自身を無数の蝙蝠に分裂する肉体改造を施し、
空中機動を行う蝙蝠の群れによる集団戦術で迷宮内を索敵しつつ攻略を試み、
城跡に辿り着いたら廃墟の隙間から蝙蝠達を集結させて元の姿に戻るわ
…あまり印象は良く無いけど人の目を気にする必要が無いなら、これが一番効率的よね
…さて。鬼が出るか蛇が出るか、確かめに行きましょうか
廃墟となった地下都市の前に転移したリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、月光城が対抗しようとしていた『外敵』について考察していた。
「……確か、月の眼の紋章は所有者の能力を66倍にする力があったはず。私達は囚われた人達を解放して紋章の機能を削いでから城主を討っていたけど、その『外敵』が正面から城主を打倒していたとするならば……」
リーヴァルディはかつての任務で、月光城に赴いて主を倒した経験がある。その際に敵が装備していた『月の眼の紋章』は、恐るべき強化を所有者にもたらしていた。それを無効化する手段もあるが、もしも外敵が強化された主を倒したのであれば、それはどれほどの強さを持つのであろうか?
「『大いなる危機』とやらが到来する前に察知出来たのは、僥倖と言う他に無いわね」
大いなる危機の詳細は不明だ。しかし、この先にある月光城の跡地には何かしらの情報があるはずだ。それを求めて、リーヴァルディは迷路のような地下都市に踏み込んでいく。
「……あまり印象は良く無いけど、人の目を気にする必要が無いならこれが一番効率的よね」
リーヴァルディは『限定解放・血の変生』を使用すると、自身の身体を無数の蝙蝠に分裂させた。倒すべきヴァンパイアと変わらないようなその行為は忌避されるものではあるが、こと効率という面に限っては最善である。
「……さて。鬼が出るか蛇が出るか、確かめに行きましょうか」
蝙蝠の群れは廃墟に散らばり、その先の城塞を目指して探索を進めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
フォルク・リア
「月光城の主を倒したもの、何者かは分らないが。
油断できない相手な事は確か。」
城塞を見て
「この崩れ方、長い年月によるものか。
それともここでの戦いの跡か。」
崩壊が拡大しないか慎重に調べ。
術士の書斎を使用。
過去の都市の構造に関する資料や
迷宮の抜け方に関する資料を取り出し
落ち着ける場所でそれを読んで対策を立ててから
進行を始める。
進む時は自作の地図を書くと共に
分かれ道などの地形には目印を書いて
迷って戻ってきたときに分る様にする。
最初は広範囲を回って地図を描く事を優先し
ある程度構造が分かったら。
都市の中央部や入口から見て奥側、
多くの道が繋がっているとみられる場所等に
城があると見て重点的に探索する。
「月光城の主を倒したもの、何者かは分らないが……油断できない相手な事は確か」
フォルク・リア(黄泉への導・f05375)も、月光城の跡地を目指して地下都市へと転移してきていた。月光城の主はその紋章の力で、凄まじい力を持つ。それを撃破したとすれば、その外敵は警戒せねばならぬだろう。
「では調べてみようか。歩みを進める為に」
フォルクは探索を始める前に、『術士の書斎』から取り出した資料でこの迷宮のような廃墟への対策を立てる。流石にこの都市そのものについての資料こそないものの、都市の構造には共通点があるし、迷宮の抜け方のようなものの役に立つ。
「ここは確実に、地図を書きながら進むか」
準備を整えたフォルクは、自作の地図を書きながら進んでいく。それだけでは無く、分かれ道では目印を書いてもし迷ってもすぐに解るようにしていた。今必要なのはスピードよりも堅実さだ。フォルクはゆっくりでも確実に地図を埋めて進んでいった。
「ひとまずこのくらいで十分か。……街の中心は、恐らくこちらだな。城もこの方向だろう」
ある程度地図が出来れば、そこから城の位置は推測出来る。
「この崩れ方、長い年月によるものか。それともここでの戦いの跡か……」
フォルクは方向の見当を付けると、時折慎重に周囲の調査を行いながら、月光城の跡地を目指して進んでいくのであった。
成功
🔵🔵🔴
夜奏・光花
わたしもこの世界について知りたい事がたくさんありますから頑張ります!
ひとまず敵が出現しないなら安心ですね。
迷いたくありませんし、そうですね‥壁や床など崩れたりしなそうな所に軽く特徴的な傷でも付けて進めば同じ場所をぐるぐる回らずにすむかも。
それに崩れてしまって行き止まりのような場所も隙間があれば進む事も出来るかもしれません。
あとは何か出口への手懸かりになりそうなモノでも見つけられるように、落ち着いてくまなく探しましょう。
・連携アドリブok
次に転移してきたのは、夜奏・光花(闇に咲く光・f13758)だ。
「月光城とダークセイヴァーの『月』の謎、気になりますね! 頑張っていきましょう!」
この世界のことをもっと知りたいと、光花は威勢良く廃墟となった地下都市を進んでいく。
「敵が出現しないなら安心ですね。迷わないように目印を付けながら……おや?」
同じ場所をぐるぐる回ったりしないようにと、光花は分かれ道では目印を付けようとしたのだが、そこである事に気づいた。よく見れば、既に目印が書いてあるでは無いか。それは真新しく、書かれてから時間が余り経っていないように見える。
「先に進んでいる人が書いたのですかね? ひとまず、これを辿っていけば良さそうですか?」
これ幸いと、彼女は目印を利用しつつ地下都市を進んでいく。すると、大きく建物が崩れて道を塞いでいる場所に辿り着いた。目印を見れば、先行する猟兵はここを迂回した様子だ。
「あ、ここの隙間を潜れば、ショートカット出来そうです」
その崩れた瓦礫に見つけた隙間を、光花はユーベルコード『月夜に溶け込む』を発動して、霧になって通り抜けた。
「目的の場所までは、あとどのくらいなのでしょうか?」
これで大分近道は出来たはずだが、月光城の跡地まではまだ迷路が続きそうだ。光花は周囲を見渡して手かがりになるものがないかを探しつつ、迷路のような地下都市を進んでいったのである。
成功
🔵🔵🔴
水無瀬・旭
【散歩部】
攻め滅ぼした者の規模も、迎え撃った側の戦力もほぼ不明。
時間を掛けられる城下街を慎重に調査して、備えておくに越した事はない、か。
調査:
やれやれ…それもまた、君の『正義』か。
姪の命令を受諾し、【指定UC】を発動。
瓦礫をどかす必要があれば怪力を。
家屋や閉じられたモノを調査する際にはこじ開けを強化しようか。
念の為、調査済みの箇所には印を残しておこうか。
崩壊部は、戦闘によるものなのかな?経年劣化…には早いだろうし。
住民や防衛戦力の生活痕や死傷した跡。または攻め込んだ側の侵入した痕跡や、死傷した痕跡。
これが判るだけでも、敵の規模や防衛回数…更には能力のヒントに繋がるかもしれないからね。
ミニョン・エルシェ
【散歩部】
全然違いますが…故郷を思い出しますね。
ほら、叔父様。さっさとハガネになるのです。力仕事はお任せするのです。
踏査:
パリ、カルカソンヌ、江戸。中心部から放射状や渦状に市街地が拡る城塞都市も多い。
地形の妨害がない限り、城を中心に放射状に拡がる様な作りと推測します。
主郭が見えない場合は外郭の円周からある程度中心部を推測し、踏査していく事にしましょう。
【指定UC】で今回の作戦を理解した軍勢を召喚し、調査観察の目も増やしておきますね。
通常の攻城兵器による侵略は想像し難い。
視力、世界知識、そして幸運を信じ、
城壁の高さ、仮想敵の進撃ルートと破壊規模の把握、この街の陥落の手掛かり発見に努めましょう。
更に二人の猟兵が、月光城の謎を解き明かそうとこの地へとやってきた。
「全然違いますが……故郷を思い出しますね」
廃墟となった地下都市を見て、そう呟いた少女はミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)だ。どうやら彼女は、この光景から故郷であるフランスのカルカソンヌを思い浮かべているようだ。
「今回の目的は調査だよ。攻め滅ぼした者の規模も、迎え撃った側の戦力もほぼ不明。時間を掛けられる城下街を慎重に調査して、備えておくに越した事はない、ということだね」
そんな様子を見せるミニョンを、水無瀬・旭(両儀鍛鋼ロード・ハガネ・f25871)が窘める。強大な月光城の主が倒されたとするならば、それはかなりの脅威である事に間違い無い。ここでしっかりと調査して突き止めなければならない。
「そんなことはわかっているのです。ほら、叔父様。さっさとハガネになるのです。力仕事はお任せするのです」
「やれやれ……それもまた、君の『正義』か」
拗ねたような姪の言葉を受けて、旭はユーベルコードを発動してロード・ハガネとしての装甲を纏った。様々なことに対応出来るこの『『正義』の味方』ならば、調査にはうってつけである。
「パリ、カルカソンヌ、江戸。中心部から放射状や渦状に市街地が拡る城塞都市も多い。このような平地ならば、城を中心に放射状に拡がる様な作りと推測します」
城郭マニアであるミニョンは、自らの知識から都市の構造を推測する。そして、月光城があるであろう中心部へ向けて進みながら、道中で気になった場所の調査を進めていく。
「調査観察の目は多いに越した事は無いのです。各々方。手筈通り、抜かり無く参りましょう」
更にミニョンは、今回の作戦を理解した死霊精鋭武将達を召喚し、調査の手助けとする。これだけで調べれば、見落とすことは先ず無いだろう。
「崩壊部は、戦闘によるものなのかな? 経年劣化……には早いだろうし」
「通常の攻城兵器による侵略ではないようですね」
進む中で瓦礫を押しのけて道をこじ開け、二人は崩れた家屋や都市に残った痕跡を調査する。そこからは何者かに破壊されたらしきことはわかったが、想定していたほどの情報は得られなかった。死霊武将達の力を借りてもこの結果なので、主戦場となったであろう月光城跡地に期待するしか無さそうだ。
「……やはり、月光城の跡地が本命か」
「叔父様、速く進むのです!」
急かす姪に指示された旭は、道を塞ぐ瓦礫を撤去して通路を切り拓く。そうして二人は、地下都市の中心、月光城の跡地へと進んでいったのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『無音公』シャンテモンストル侯爵』
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POW : 叩き潰し
単純で重い【生首を加工したフレイル】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : まとわり付く血の泡
【生首を加工したフレイルの空振り】を向けた対象に、【対象をホーミングする血の泡】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 『無音公』たる所以
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【姿を消し、対象の死角】から【フレイルによる打撃と生命力を奪う血の泡】を放つ。
イラスト:V-7
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠銀山・昭平」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
迷宮のような地下都市を抜けて、猟兵達は月光城の跡地へと辿り着いた。だが、無人のはずのそこには一体のオブリビオンが佇んでいた。警戒する猟兵達に向けて、そのオブリビオンはフレイルを振るい襲い掛かってきた!
「――――――!」
無言で襲い来るそのオブリビオンの目には理性の光は無く、ただ『自分が死ぬか、この地に踏み入った者を全員殺すまでひたすら攻撃を行い続ける』だけの様子だ。
そして、彼の振るうフレイルは、その先端が人の頭の形状をしていた。さらに、相手は動きに比べて恐ろしいほどに静かで有り、その腹には『月の眼の紋章』まであると来れば、このオブリビオンが何者かは明白だ。この月光城の主であった『『無音公』シャンテモンストル侯爵』が蘇ったのだ!
無音公が何故復活したのかは全く以て不明だ。しかし、彼を倒さねば調査もなにもあったものでは無い。幸いにして、紋章にエネルギーを供給する人間が周囲に存在しない為、能力を66倍にする効果は働いていない。だが、『紋章から飛び出す棘鞭』は健在だ。フレイルを躱して接近したところで、棘鞭の餌食にならないように注意して欲しい。
フォルク・リア
「あれが。この城の主だったものか?
既に理性は失われているだろうが。
倒さなくてはならない相手なのは変わりない。」
姿とは逆の静かな動きに敵との距離感が若干狂って
反応もやや遅れ。
「どういう技を使っているのかは分らないが。
音も立てずに動けるらしい。」
敵の姿も消えると。
「視覚聴覚での感知を封じられた。
……しかし、あの武器の形状からすると
必ず近接攻撃を仕掛ける筈。」
グラビティテンペストを発動。
自分の周囲に斥力を発生させて攻撃を防ぐと同時に
敵を弾き飛ばす。
弾き飛ばす事で敵に隙が出来たら
重力で敵を捕らえて動きを制限。
一度捕えたら次に捕えるチャンスはないと思い
自分の防御の分の力も攻撃に回して
そのまま押し潰す。
「……あれが。この城の主だったものか?」
生首のフレイルは特徴的だ。グリモア猟兵の話と一致することから、目の前のオブリビオンは月光城の主であった『『無音公』シャンテモンストル侯爵』に間違い無いだろう。しかし、その瞳は虚ろであった。
「既に理性は失われているだろうが。倒さなくてはならない相手なのは変わりない」
蘇った理由は不明ではあるが、襲い掛かってくると言うなら自衛のためにも、ここの調査のためにも撃破する必要がある。フォルクは無音公との戦闘を始めた。
「どういう技を使っているのかは分らないが。音も立てずに動けるらしい」
その体格や悪趣味な武器に似合わず、シャンテモンストル侯爵は足音もフレイルのチェーンの音も立てずに戦闘を行う。そのギャップに敵との距離感がを狂わされ、フォルクは何とも戦いづらそうだ。更に、ユーベルコードを発動した無音公は、その姿すら消してしまった。
「この上、視覚聴覚での感知を封じられた。……しかし、あの武器の形状からすると
必ず近接攻撃を仕掛ける筈」
敵は血の泡による遠距離攻撃手段も持っているようだが、やはり本命はそのフレイルである。それならば、攻撃する時にはその射程まで近づいてくるはずだ。そう判断したフォルクは、『グラビティテンペスト』を発動して周囲の瓦礫を黒砂へと変える。
「吹き荒れよ、黒砂の陣風よ!」
そして全方位に発生させた斥力で、接近してきているであろう敵を弾き飛ばす。どうやら彼の予想は当たったようで、吹き飛ばされた無音公は瓦礫にぶつかってその姿を晒した。
「二度目は無いか。ここで仕掛ける」
この対策も、通じて一度までだろう。ここを逃せばチャンスはないと、フォルクは防御の防御の分の力までも攻撃に回す。そして彼はシャンテモンストル侯爵を重力操作で捕え、そのまま押し潰しにかかるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
水無瀬・旭
フルスペックでないのは幸い…かな?強敵には違いないが!
指定UCを発動。陽動で此方に注意を釘付けにしつつ、無敵の装甲と怪力でフレイルを受け止めながら継戦能力を発揮していこう。
これだけ時間を用意したんだ。『視えた』かい、ミニョン。
…音が無くとも、在るならば。
黒炎で鐵断にエネルギー充填し、炎属性と呪詛を付与。
更に誘導弾化し、スナイパー込みで槍投げを敢行。
必要ならミニョンを救助すべく割り込み、紋章による反撃を受け止めよう。
…ヒーローには蹴り技が付き物だが…爆破してやるほど優しくは無いんだ。その傷口を、蹴り抉る。
しかし、これだけのスペックでの復活とは恐れ入る。
…外敵とやらの手札、どこまで引き出せるかな。
ミニョン・エルシェ
【散歩部】
城を出したいのですが、跡地を塗り潰す訳にも…!
仕方ありません、他に出せる手を尽くします。
叔父様、ぬかり無く!
私の立ち回りは城の地形利用。
叔父様が侯爵を引き付けている間、振り回されるフレイルは視力と第六感、幸運で回避し、カウンターで城対龍高速誘導弾システムを叩き込みます。
敵の本分はフクロウの如き無音の狩の様ですが、梟に及ばずとも木菟は歴とした狩人。ええ、ちゃんと視てますとも。
【指定UC】を発動して時を止め、紋章の位置は出来るだけ避けつつ捨て身で敵の懐に飛び込み初太刀、二の太刀、馳走しましょう!
棘鞭、躱せなさそうであれば…助けて、叔父様!
可能であれば、戦闘後にお城の調査、したいです!
「叔父様、敵です! 初手はお願いするのです!」
「了解だ。紋章の能力強化は無しか。フルスペックでないのは幸い……かな? 強敵には違いないが!」
月光城の跡地で遭遇したオブリビオンを相手に、ミニョンの指示を受けた旭は、即座にロード・ハガネの装甲を纏って敵に対峙する。脅威的な『月の眼の紋章』も、エネルギー供給が無いためその効果は不完全だ。これならば難敵とはいえ、勝てぬ相手では無い。
「……音が無くとも、在るならば」
敵の静音戦闘は少々面倒だが、さりとて正面で相対している限りはそこまで大きな問題とはならない。旭はその強固な装甲を頼りに、敵の振るうフレイルを受け止め陽動に徹する。
「城を出したいのですが、跡地を塗り潰す訳にも……! 仕方ありません、他に出せる手を尽くします」
叔父が時間を稼ぐ間に、ミニョンは戦闘の方針を検討する。彼女得意の城を建造しての戦いは、戦闘後に跡地の調査をせねばならぬとあらば不適である。であればどうするか、ミニョンはこの場において最善の手を考える。
「――――――」
「遠距離攻撃か。ならばこちらも……!」
その間にも旭と無音公との戦闘は継続している。フレイルを空振りしたかと思えば、そこから無音公は血の泡を飛ばしてくる。それに対し、旭は黒炎で炎属性と呪詛を付与した『鐵断』による槍投げを敢行する。放たれた鐵断は血の泡を貫くばかりか、そのまま無音公を掠めてダメージを与えていた。
「これだけ時間を用意したんだ。『視えた』かい、ミニョン」
「叔父様、ぬかり無く!」
そして遂に戦術を決めたミニョンが参戦する。彼女は崩れた城の地形を利用して敵の死角に回ると、『城対龍高速誘導弾システム』を叩き込んで敵を怯ませる。
「敵の本分はフクロウの如き無音の狩の様ですが、梟に及ばずとも木菟は歴とした狩人。ええ、ちゃんと視てますとも」
「――――――!?」
怯んだ敵に、ミニョンはユーベルコードを発動して畳み掛ける。邪視で敵の時を止め、敵の懐に踏み込んで初太刀、二の太刀を馳走する。一連の『邪視起動・木菟ノ凶爪』は相当なダメージを与えたはずだが、無音公を仕留めるまでには至らなかった。動き出した無音公は、カウンターで紋章より棘鞭を放ってくる。
「……助けて、叔父様!」
「任せておけ」
だが、そこはしっかりと旭がカバーし、敵の棘鞭を装甲で受け止める。
「……ヒーローには蹴り技が付き物だが……爆破してやるほど優しくは無いんだ」
「――――――!!」
攻撃を受け止めた旭は、姪の刻んだ傷跡目掛け無音公を蹴り抜いた。適確なその攻撃は敵の傷を抉り、ダメージを積み重ねる。
「しかし、これだけのスペックでの復活とは恐れ入る。……外敵とやらの手札、どこまで引き出せるかな」
「さっさと倒して、この跡地を調査するのです!」
蘇った無音公、それは『外敵』なる者の仕業である可能性が高いだろう。その確証を得るための調査をすべく、二人は敵の撃破を急ぐのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…本人が居るなら何か情報を聞き出せるかと思ったけど、
これは二重の意味で話が通じる相手では無さそうね
…紋章が機能していないなら問題は無い。此処で再殺してくれるわ
「血の翼」を広げ空中機動の早業で敵UCから逃げ回りつつ戦闘知識を蓄え、
盾にした「写し身の呪詛」の残像が血泡に直撃する寸前にUCを発動
…成る程。その泡は敵を追尾するのね。ならば、この術はどう?
残像と位置を入れ替えた敵を自爆させて体勢を崩した隙に(残像を)突撃し、
敵の刺鞭等のカウンターを囮で受け流しつつ死角へと切り込み、
限界突破した魔力を溜めた大鎌をなぎ払い闇属性攻撃の斬撃波を放つ
…この世界にお前の存在する居場所は無い。消えなさい、永遠に…。
「……本人が居るなら何か情報を聞き出せるかと思ったけど、これは二重の意味で話が通じる相手では無さそうね」
無音公はかなりの負傷が積み重なっているというのに、逃げることも無く猟兵を殺さんと向かってくる。それは、ただ侵入者を排除するだけでまともな意志すらも感じられない。これでは会話など臨むべくもなく、ただ戦うのみだ。
「……紋章が機能していないなら問題は無い。此処で再殺してくれるわ」
リーヴァルディは『血の翼』を広げて飛翔し、逃げ回りながら敵の行動を観察する。対する無音公は、フレイルの空振りから『血の泡』を飛ばして空中の相手に対処する。
「……成る程。その泡は敵を追尾するのね。ならば、この術はどう?」
追いかけてくる血の泡を確認したリーヴァルディは、一計を案じる。彼女は『写し身の呪詛』を作り出し、迫り来る血の泡への盾にした。そして血の泡が写し身に当たる瞬間、その場所に突如として無音公が出現した!
「―――――!?」
突然のことに避ける事など出来ようはずも無く、無音公に血の泡が直撃する。これは、リーヴァルディの使用した『吸血鬼狩りの業・飛転身の型』の効果である。彼女は敵の位置を写し身と入れ替えることで、敵を自爆をさせたのだ。
「……今が攻め時ね」
自爆して怯んだ敵に、リーヴァルディは一気に切り込んでいく。残像を囮に紋章から飛び出す棘鞭を躱した彼女は、敵の死角へと潜り込む。そして、大鎌『過去を刻むもの』から、渾身の魔力を込めた強烈な闇の斬撃波を無音公目掛けて繰り出した!
「……この世界にお前の存在する居場所は無い。消えなさい、永遠に……」
リーヴァルディの放った闇の刃は無音公の首を刈り取り、彼を再び絶命させたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『暴食のマンティコア』
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POW : 刈り取り喰らう
【強靭な牙や爪による引き裂き】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 魔獣の威圧
【強い衝撃波、聞く者を恐怖で竦ませる咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 猛毒を持つ鋼鉄の尾針
【放たれる針、穿たれる尻尾】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が腐敗し毒が広がり猟兵達を沈める】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:井渡
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「フィーナ・ステラガーデン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵達の攻撃によって、無音公は首を落とされた。これで猟兵達の勝利かと思いきや、何やら敵の様子がおかしいことに気づく。無音公の背中が羽化する蛹のように大きく裂け、そこから何やら月の如く煌々と輝く存在が出てきたではないか!
出現したオブリビオンは、異形の魔獣であった。ベースとなるのはマンティコアのようだが、その身体からは牙や爪、更には口や毒針までを無数に備えた歪な触手のような部位を何本も生やしていた。恐らくこの怪物が、月光城とその周辺都市を襲撃した『外敵』なのだろう。
猟兵達よ! この謎のオブリビオンを倒すのだ!
=====================================
●敵のユーベルコードは、歪な触手からも発動されますのでご注意下さい。
=====================================
リーヴァルディ・カーライル
…あれが月光城の主を討ったという大いなる危機、ね
…倒したはずのオブリビオンが別のオブリビオンに変身する例なら、
疫病楽団やら第五の貴族やらがいたけど、何か関係が…?
風の精霊を降霊し全身を旋風のオーラで防御して敏捷性と環境耐性の強化を行い、
肉体改造術式により強化した第六感で敵の殺気を捉え触手や敵の動きを先読みして見切り、
引き続き「血の翼」を用いた空中機動の早業で敵UCを回避してUCを発動
…まあ、考察するのはお前を倒した後、ゆっくりとやらして貰うわ
魔力を溜めた「雷の精霊結晶」を投擲して敵の全身を雷属性攻撃の呪詛で捕縛し、
敵が動く度に電撃による乱れ撃ちで体勢を崩し行動を阻害出来ないか試みる
「……あれが月光城の主を討ったという大いなる危機、ね」
撃破した無音公から出現したオブリビオンを見て、リーヴァルディは呟いた。その情報を求めて調査に来たわけだが、まさかそれそのものと遭遇することになろうとは。しかし、これはまた好機でもある。痕跡よりも、実際に戦ったほうが得られる情報も多いだろう。
「……倒したはずのオブリビオンが別のオブリビオンに変身する例なら、疫病楽団やら第五の貴族やらがいたけど、何か関係が……?」
変身するオブリビオンというのは、各世界で見かけることもある。ダークセイヴァーに限れば、リーヴァルディの挙げたものが一例だ。しかし、羽化するように出てきたことを考えれば、変身というよりも寄生なのだろうか?
「…まあ、考察するのはお前を倒した後、ゆっくりとやらして貰うわ」
考えるべきことは多いが、今は目の前の戦闘に集中だ。リーヴァルディは降霊した風の精霊の力を借りて、全身を旋風のオーラで包み自身を強化する。そこで、彼女の肉体改造術式により強化された第六感が、敵の殺気を捉えた。
「グオオオオオ!!!」
「ッ! 遠距離攻撃……しかも、毒持ちね」
敵の動きを先読みしたリーヴァルディは、敵の尾から放たれた針を、『血の翼』を用いて空中へと逃れることで華麗に回避した。だが、地面に刺さった針は大地を侵し腐敗させていく。かなりの猛毒を持っているようだ。しかも、針は尾だけではなく、触手にも生えている。そこからも放ってくるとなれば、避け続けることは困難だ。
「ここは動きを阻害するのを狙うのがよさそうね。……我が手に宿れ雷の理。彼の者に雷霆の呪縛を与えよ!」
敵の好き放題にはさせまいと、リーヴァルディもユーベルコードを発動する。そして彼女が投じた『雷の精霊結晶』は、敵に『縛雷の呪詛』を付与することに成功した。
「動く度に電撃による乱れ撃ちが発動する。これなら針も飛ばせないわ」
「グルゥ……ギャッ!!」
『吸血鬼狩りの業・縛雷の型』が効果を発している間が攻め時だ。リーヴァルディは大鎌『過去を刻むもの』を手に、敵へと斬りかかっていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
フォルク・リア
「これが『外敵』。
この地を滅ぼしただけの力はある様だ。
その理由や正体を探る時間がないのは口惜しいが、
やるしかないか。」
歪な触手を警戒して敵とはいったん距離を取り
シャイントリガーを発動。
龍翼の翔靴の力で空に駆け上がり
【空中浮遊】、【空中戦】を行う。
敵をシャイントリガーの射程に捉えつつ
光線、熱線で攻撃。
光で目晦ましをして【残像】によって
攻撃を回避し、触手の動きを【見切り】
熱線で触手を焼き切る。
此方の攻撃が触手に行くと思わせておいて
次は翼を狙って攻撃。機動力を奪う。
敵がその状況に対応する前に真の姿を解放。
血煙の様なオーラを纏った姿になり
オーラを纏わせて強化させた熱線を
両手から放ち仕留める。
フォルクは幾本もの異形の触手を生やした『暴食のマンティコア』と対峙する。
「これが『外敵』。この地を滅ぼしただけの力はある様だ。その理由や正体を探る時間がないのは口惜しいが、やるしかないか」
敵はその恐ろしげな外見に見合っただけの戦闘力を持っているだろう。そもそも、月光城の主を倒しているはずなのだから、弱いはずが無い。願わくば敵の情報を集めたいところだが、前の戦闘から続けての戦いとなれば仕方ない。フォルクは気を引き締めて目の前の敵との交戦を開始した。
「この掌に在りしは天の日輪放つ撃鉄。降り注ぐは浄戎の炎。我に仇為す汝らに、等しく光あれ」
フォルクは敵が飛ばしてきた針をバックスステップで回避して距離を取ると、『シャイントリガー』を発動させた。そして、敵の尾針の猛毒で汚染されていく大地から離れるため、『龍翼の翔靴』の力を使って空へと駆け上がる。
「それでは攻撃開始だ」
「ギャウッ!?」
空中のフォルクに向けて触手から針を撃ち出そうとする敵に、彼は強烈な光を放ってその目を潰す。それでもマンティコアは攻撃を放ってきたが、目眩ましを受けて精度の無い針など避けるのは容易だ。逆にフォルクは熱線を放って、敵の触手を焼き切った。
「次は翼だ。機動力を奪ってやろう」
「ギアアアアッ!」
更にフォルクの攻撃は続く。触手への攻撃が続くと見せかけ、敵の右翼へと攻撃を集中させる。熱線の集中砲火を受けてズタボロになった翼では、もはや敵は飛行不可能だ。
「ここで畳み掛ける。行くぞ」
戦況は順調ではあるが、目潰しの効果は既に切れ、敵もフォルクの攻撃に対応し始めて来ていた。それを察した彼は、ここで敵に体勢を立て直させまいと、真の姿を解放して血煙のようなオーラを纏う。そして、両手の『フレイムテイル』より、最大出力で熱線を撃ち放ったのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ミニョン・エルシェ
【散歩部】
もう!寄生虫か何かですか!
此方にも心強い援軍が到着したので負ける気はありませんが!
【指定UC】を発動。杉山、岩村、八王子…城の遺構の保護のため、月光城を覆う形で城を普請します!
油断すると360度全方位攻撃も有り得そうですね。
石垣や土塁を地形利用し爪や牙、触手から身を隠し、亡霊侍衆による弓や大鉄砲の一斉射撃、
私も城対龍高速誘導弾システムを発射し、集団戦術で味方の援護射撃を行います。
誘導弾は触手で迎撃されるかもですが…呪詛付きの爆炎を至近で浴びて、その触手、そして本体は無事でいられます?
この爆炎なら叔父様の姿も隠せるでしょうし、ね!
戦闘後はUCを解除、城と無音公と外敵の調査を行うのです!
水無瀬・旭
【散歩部】
寄生、か…?無音公は外敵に卵なり産み付けられたのか、ただ成体に潜り込まれたのか。
そして…此奴は、意思疎通は可能なのか。
殺されない程度に調べ、勝たなくては。
ミニョンが城を展開して射撃戦を展開するなら、俺はUCで無敵の装甲を展開し、敵の攻撃を弾きながら接近だ。
万が一もある、足元を掬われない様注意はしておこう。
ミニョン自身が弱点だ、陽動として彼女が攻撃の優先対象とならない様立ち回ろう。
爆炎による目眩しが発生したら、 目立たないという技能を発揮して死角に回り込んで連続攻撃を開始。
『為した悪の数』に比例する特性上、この地を滅ぼした者そのものか、の手掛かりにもなる筈。
問おう。お前は何者だ。
瀬堀・秋沙
【散歩部】
外敵はガンガゼにゃ?カクレウオにゃ?
それはそれ、援軍参上にゃ!
針も尻尾も避けるって選択肢はないにゃ。出来るだけ最大ダメージを喰らえる状況を作るにゃ。
私のUCは受けるはずだったダメージが大きければ大きい程効果アップだからにゃ!
相手も警戒するだろうから、カウンターの魔法弾の最大威力は最初の一発だけだろうけどにゃ?
戦闘力強化と生命力吸収は持続するのよ、ね!
私の足場を崩して毒に沈める事を優先するかもしれないけどお生憎様。
箒で空中浮遊に空中戦、生命力吸収しながら無酸素詠唱で魔力の誘導弾を撃ちまくるわ。
ミニョンちゃんや仲間に攻撃が向くなら庇いにいって力場で受け止めて反撃するわよー!
無音公を倒したというのに、そこからは羽化するかのように謎のオブリビオンが出現した。猟兵達とそれの戦いは即座に始まり、現在は消耗した仲間と交代し、史跡散歩部のメンバーがこの敵の相手をすることになった。
「あれは寄生、か……? 無音公は外敵に卵なり産み付けられたのか、ただ成体に潜り込まれたのか。そして……此奴は、意思疎通は可能なのか。殺されない程度に調べ、勝たなくては」
「もう! 敵は寄生虫か何かですか! 此方にも心強い援軍が到着したので、連戦と言えど負ける気はありませんが!」
冷静に敵を考察し戦闘準備を整える旭に対して、ミニョンはといえば憤慨していた。ようやく調査出来るかと思ったら、引き続きの戦闘となったせいだろうか? それはそれとして、彼女の言葉通り、頼りになる仲間が加勢に来ていた。
「外敵はガンガゼにゃ? カクレウオにゃ? それはそれ、援軍参上にゃ!」
援軍としてやってきた瀬堀・秋沙(都の果ての化け猫船長・f29290)は、にゃははと笑いながら二人に隣に並ぶ。仲間が揃えば負ける気はしない。この謎の敵を倒すため、先ずはミニョンがユーベルコードで理想の城を普請する。
「杉山、岩村、八王子……城の遺構の保護のため、月光城を覆う形で城を普請します!」
『我城普請・天守顕現』によって、戦場を囲むように城郭が出現する。それは幾つもの石垣や土塁を含むものであり、それらを利用して城に付随する亡霊侍衆が弓や大鉄砲による射撃を開始した。包囲攻撃を受ける『暴食のマンティコア』は、亡霊侍衆を指揮するミニョンに向けて、尾から毒針を射出して反撃してきた。
「グルゥウウウ……!」
「ミニョンちゃんは私が守るにゃ!」
放たれた毒針がミニョンへと届く前に、前方に突出した秋沙が鯨型の魔術力場でガードする。そうしたことで敵の攻撃が集中的に彼女へと降り注ぐが、それも狙いの内だ。
「特大のやつをお見舞いしてやるにゃ!」
「ゴアアアアア!?」
攻撃を受け止めた秋沙から、カウンターで巨大な魔弾が放たれた。これはユーベルコード『鯨暴れて七浦滅ぼす』の効果だ。反撃の魔弾は敵に直撃し、かなりの被害を与えたようだ。その代わりに相手も秋沙を警戒し、針を彼女の近くの地面に飛ばして、大地を毒で浸食する戦法に変更したようだ。
「お生憎様、これは反撃だけじゃ無くて、戦闘力強化や生命力吸収が持続するのよ、ね!」
いつもの猫の口調から、魔女としての口調に変えた秋沙は、箒で空中に飛び上がる。そして今度は無酸素詠唱で魔力の誘導弾を撃ちまくり始めた。
「ミニョンの方はこれで大丈夫そうだが……万が一もある。足元を掬われない様注意はしておこう」
秋沙と敵の攻防が行われる中、旭もまた動いていた。『鐵断・悪果微塵』を発動した彼は、無敵の黒鋼の装甲を展開して敵へと接近していく。陽動として彼も攻撃すれば、姪の安全は更に確実になるはずだ。
そうして敵の目が逸れたところで、今度はミニョンが次の手に出る。
「『城対龍高速誘導弾システム』発射! 亡霊侍衆も一斉射撃するのです!」
ミニョンの操るミサイルランチャーが火を噴き、それに合わせて亡霊達も大砲を撃ち放つ。大火力の援護射撃に、敵は触手を振るって迎撃するも、その全てを打ち落しきれない。一部を打ち払ったとて、そこで爆発するだけだ。破裂した呪詛付の爆炎はマンティコアに大ダメージを与えると共に、味方の姿を隠す遮蔽となった。
「……問おう。お前は何者だ」
「ゴアッ! ガアアアアア!!!」
爆炎を目眩ましに、旭は敵の死角へと潜り込んだ。そして彼は『鐵断・黒陽』を振るって連続攻撃を仕掛ける。その攻撃はユーベルコードの効果によって、敵の為したあらゆる『悪』に比例して火力を増す。オブリビオン同士の戦いであろうと、月光城を潰したこの相手には効果は絶大だ。旭の連撃は触手を断ち爪を切り飛ばし、そして遂にはその心臓を穿った。
致命傷を受けた暴食のマンティコアは、断末魔の叫びを上げて崩れ落ちる。猟兵達の勝利だ!
「やった、倒したにゃ!」
「流石叔父様です!」
強敵の撃破に、仲間達も歓声を上げる。戦闘が終わったからなのか、秋沙も口調が元に戻っていた。これで任務完了かと思いきや……
「さて……それではようやく調査が出来るのです!」
張り切って目を輝かせるミニョンに促され、史跡散歩部のメンバーは城と無音公、そして外敵の調査を始めるのであった。
大成功
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