アイツってバサバサしてるから
#サイバーザナドゥ
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●わん!
「いまのおぬしたちでは勝てぬ……」
おもむろに猟兵の勝算を全否定し、そのウサン・クサイの男は静かに語りはじめた。
ヒレツなニンジャの犠牲の犠牲になった主と、その敵を討とうという忠臣の物語を。
わんわん! ばるるるるるぅ……!!
キャイーン!
くぅ~ん……。
死んだ。おしまい。
「Oh……スッゴイカワイソ……」
ジミーは激怒した。必ずかの邪知暴虐のニンジャを除かねばならぬと決意した。
ジミーは、犬派だった。
「下手人は『アジテイター』。バサバサしてる男だ。言うほどバサバサしてないというヤツもいるが、問題はそこじゃねぇ。……今大事なのは、そこじゃねえんだよ!!」
なんかキレ出すジミー。地味にカルシウムが足りていないのかもしれない。
まぁとにかく、イッヌが悪いニンジャに殺されそうなので何かすればいい感じ?
「そう思ったお前は功夫(クンフー)が足りてない証拠。妖精のようにもっとバサバサできてない証拠」
猟兵たちを無駄にバサバサ煽り、ろくな説明もせずに男はグリモアのゲートを開いた。
……行けば分かるサ!!
●がぶぅ!(噛)
なんという凶暴なイッヌだ……。
くわしい話(?)を聞こうにもこのままではトリツク=シマもないではないか。
(スシです……スシを……あたえるのデス……)
その時、天啓が降りた。
たしかにスシを野良犬に与えてはいけないというカイリツに縛られる猟兵ではない。
あるいは……自分自身がピザになるというのはどうだろうか?
全国のトレーナー=サンの目をかいくぐり絶対安全バサシを味わうスリルと快楽は極上の麻薬のそれに等しい。
しかもそれだけのブツが狼煙一本ですぐにバサバサ届くのだ。
ニンジャスゴイ!! スッゴーイニンジャ!!(きゃっきゃっ)
そう、これが。この世界が――サイバーザナドゥ!
常闇ノ海月
あたま空っぽ息抜き用のシナリオを書きたくなった常闇ノ海月です。
ニンジャスなんとかさんはくわしくないです。
●一章
主人の仇討ちしようとしてる野良わんこ(シヴァ・ハエホーダインヌ)に接触し、ニンジャデリバリーを利用することにより……なんかしてください。
●二章
『暗く濁り、泡立って異臭がする海』でなんかします。
カニ……カニでなんかします。たぶん……。
●三章
バサバサしたニンジャ『アジテイター』との戦いです。
シヴァ・ハエホーダインヌが生きていれば戦闘に参加するのか?
あたまの悪いシナリオをサクサク書いてみる実験です。
宜しければ参加をご検討ください。
第1章 日常
『ニンジャ・デリバリーを頼もう。』
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POW : 天然養殖マグロのスシを頼んでみた
SPD : 絶対安全馬刺しの盛り合わせを頼んだ
WIZ : ダイナミック=ウマイ=ピザを受け取って食べる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
御園・桜花
「確かに犬も可愛いです…至高の存在お猫さまに次いで、鳥と同じくらいにはッ」
クッ、と唇噛んで顔を背け
「しかし犬は序列に厳しい生き物…此は、彼の犬を見事従えよと言う依頼ですね」
曲解
「コンニチハ、オイヌ=サン。オウカ、デス。我ガ軍門ニ、降レ…トゥ!」
メンチ切ったらニンジャデリバリーで注文した熱々のダイナマイトピザをフリスビーの如く犬の顔面に投げつけ
そのままニンジャバトル?に
「追加お届け…ダイナミック=ウマイ=ピザ3丁!…グワワッ」
犬の攻撃は盾受けしながら追加ピザ注文し届くなりまたフリスビーの如く犬の顔面へ投げつけるを繰返し
犬が満腹になって寝転がる迄ピザ投げ攻防続行
「私ノ勝チ、デス…オイヌ=サン」←?
●罠
キューンキューン? ぴすぴす……。
カワイイ……イヌカワイイ!! ヤッター!!
「確かに犬も可愛いです……至高の存在お猫さまに次いで、鳥と同じくらいにはッ」
そうしてネコ=チジョはクッ、と唇を噛んで顔を背けた。
ネコ=チジョはイッヌから目を背けてしまったのだ……。
がぶぅうう!!!
「きゃあああ!」
イッヌに嚙みつかれ悲鳴を上げたネコ=チジョ。
「ひどい……」
思わず涙目になって噛まれた手をさすさすしていると、イッヌは何を思ったかそっと体を摺り寄せてきた。
そしてすれ違いざまにすかさず……!
「オマエヲコロス……(デデン!)」
「!? なんなの、この犬……」
これがサイバーザナドゥでは一般的なサイバー犬だとでも、いうのだろうか……。
「しかし犬は序列に厳しい生き物……此は、彼の犬を見事従えよと言う依頼ですね」
何の説明もなく放り込まれた状況にネコ=チジョ――御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)の灰色の脳細胞が最適解を導き出した。そして!
「コンニチハ、オイヌ=サン。オウカ、デス。我ガ軍門ニ、降レ……トゥ!」
「オウカ=サン、コンニチハ。シヴァ・ハエホーダインヌ、デス。ネコ=チジョ如キガ、笑ワセル!!」
なんというサツバツ!
そして目と目があえばはじまる、サイバーザナドゥのサイバーバトゥーッ!!
「オキャク=サン。ピザ、デス!」
「ありがとうございます。スゴイハヤイ!!」
バサバサ飛んできたニンジャにお礼をし、届きたてのアツアツピッツァを指先に乗せくるくる回していた桜花は、熱々のダイナマイトピザをフリスビーの如く犬の顔面に投げつけた!
「ヒューッ! エキサイティーンヌッ……!!」
「まだまだぁ! 追加お届け……ダイナミック=ウマイ=ピザ3丁!」
「コレハ……ナンチュウモノ、ヲ……食ワセテクレタンヤ……」
くぅ~ん……。
イッヌはなんか戦意喪失した。でも残さずちゃんと食べた。えらいね!
「私ノ勝チ、デス……オイヌ=サン」
勝ち誇る桜花。
デリバリーニンジャ=サンがその肩をトントンと叩く。
「6千億NM(ニンジャマネー)、になりマス。利子は30フンで2ワリデス……」
「なんですかそれ……仮想通貨ですって? 持ってませんわ、そんなの!」
ああ、何というヒレツなニンジャトラップか……。
桜花はカニ工船に乗せられ、エンヨギョギョへ旅立つことを余儀なくされた。
「さもなくば……おまえがピザになるんだよォ!」
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
颯爽とバイクに引っ付いた狐のお面が登場
「ドーモ、オイヌ=サン。キツネ・オメーンです。アイサツはしたっす。ここからはビジネスっすよ」
【コミュ力】を交えて協力してもらえるように交渉しよう。何ならスシも握ろう。【念動力】でスシだって【料理】できる。バイクにキッチンセットだって引っ張っている
「自分はニンジャを倒す。そちらはそのための情報をよこす。このギブ&テイクで双方win-winっすよ」
あとは
「復讐をしても主は帰ってこない喜んでもくれないっす。おすすめはしないから、後はこっちに任せるっす」
「けれど、主を守れなかった自分にケジメをつけるためだと言うのであれば、その牙で敵を討てるよう協力するっすよ」
●颯爽登場!
リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)だ!
ダイナミックエントリーしたのはバイクに引っ付いた狐のお面が本体(?)という種族ヒーローマスクのニイサン――それが、マスケラスなのだ!
☆マス=ケラスのひみつ…………巨乳派だぞ。
「黙レ!(どん!)」
「ドーモ、オイヌ=サン。キツネ・オメーンです」
「シヴァ・ハエホーダインヌ、デス。オメーン、ダトゥ……?」
「そう、アイサツはしたっす。ここからはビジネスっすよ!」
「仮面……仮面ノニンジャヲ殺サナキャ」
のっけから殺意が高いハエホーダインヌにマスケラスは持ち前のコミュ力を駆使し、時には郷愁を誘い「くぅ~ん……」時には降ってくるスリケンから庇い「危ないっす!」「くぅ~ん……」時には協力して巨大なメガコーポに立ち向かい「ここは俺に任せて先に行くっす!」「くぅ~ん……」なんやかんやあってすっかり仲良くなった!
「殺サナキャ殺サナキャ」
がぶがぶぅううう!!
「んんー! 殺意が高いっス!」
そして齧られ犬のよだれまみれになりながら、マスケラスは考えた。
(スシっすか? やはり、スシが足りなかったっすか?)
念動力で自前のスシを握るマスケラス。果たしてダークセイヴァー(貧乏)仕込みの腕はサイバーザナドゥでも通用するのか……!?
「ウオオ。ウオオゥッ!」
「3個っすか? スシ3個欲しいっすか? 3個……このいやしんぼめっす!」
いけ……た?
やったよみんな! 俺、俺ぇ……
ここまでの激戦で失った者たちを偲び思わず涙ぐむマスケラス。
お面の震える肩にハエホーダインヌがそっと寄り添い……がぶがぶぅううう!!
「いたっ。痛いっす。どうしてそんなに強くがぶがぶするの……っす」
「ゴメンネ」
「……まぁいいっす! それじゃ説得っす。自分はニンジャを倒す。そちらはそのための情報をよこす。このギブ&テイクで双方win-winっすよ」
「ニンジャ死スベシ慈悲ハナイッス!」
「真似すんなっす!」
殺意だ! もう、殺意しかないっす!
「でも、復讐をしても主は帰ってこないし喜んでもくれないっす。おすすめはしないから、後はこっちに任せるっす」
「忍者ガ主ヲ鳥インフルエンザニ罹ッタチョコ=ボヲ殺処分シタ。盲目デ実ニ美シイ魂ノ信頼モ忍者ダッタ。砂漠ノ酒場デ踊リ子ヲシテイタ私ハスシ=暗黒卿トノ約束ヲ果タサナケレバナラナイ……」
「スシ=暗黒卿ってなに……っす。けれど、主を守れなかった自分にケジメをつけるためだと言うのであれば、その牙で敵を討てるよう協力するっすよ」
「ニイサン……」
「ヨシ! これでいつもの三人が揃っタナ!」
雨降ってジ=固まる。
何かバサバサした忍者が仲直りした二人を背中からガバっと抱きしめ、口元にニヒルな笑みを浮かべ、言った。
「このスシはデキソコナイだ……食べられないヨ」
「!?」
「俺がホンモノのスシを食べさせてあげますッスヨ……」
「真似すんなっす!」
マスケラスはカニ工船に乗せられエンヨギョギョへ旅立つことを余儀なくされた。
大成功
🔵🔵🔵
山咲楽・優枝
【SPD】
うーん、お寿司よりは馬肉の方がいいんじゃないデショウカ?
というわけで注文。さいばあ?の道具は
あまり得意ではないので、狼煙で済むのはいいデスネ。
おっといけない挨拶を忘れてマシタ。
「どうも、ヤマザクラ・ユウシデス。
聞いたところによると訳ありのご様子。
僕にお手伝い出来ることは何かありマスカ?」
と動物会話技能で聞いてみマス。
多少噛まれてもハハハ元気デスネーとスルー。
クマゴローさんとの相撲の時より痛くないので。
(届いた品を見て)ははぁ、こういう感じ。
絶対安全なんデスヨネコレ?本当に?
試しに味見をしマス。……ふむ、これはこれで。
よろしければ一緒に食べマショウ、シヴァさん。
(割と何でも食べる男)
●わしのAIBAが!
「うーん、お寿司よりは馬肉の方がいいんじゃないデショウカ?」
と、折角だからこの絶対安全馬刺しの盛り合わせを頼むことにした山咲楽・優枝(身魂鎮める桜の一枝・f22534)。
さいばあ(?)の道具はあまり得意ではないので、狼煙で済むのいいデスネ。とさっそく注文をしてみる。
「んん……ごほごほっ。煙いデス……」
吸ってね❤ と書いてある煙草っぽいブツに火をつけるともくもくと立ち込めるレインボーな煙。絶対安全って書いてあったが本当だろうか……。
「ウソデス!! スベテウソデス!!」
「おっといけない挨拶を忘れてマシタ。どうも、ヤマザクラ・ユウシデス」
「シヴァ・ハエホーダインヌ、デス。ユウシ=サン、ハヤクニゲルンダ!!」
「? 聞いたところによると訳ありのご様子。僕にお手伝い出来ることは何かありマスカ?」
「ばるるるるるぅ……!!」
「ハハハ元気デスネー」
殺戮人形モード(カッコイイ!)から一時的に正気に返ったシヴァが猟兵に反省を促すがぶがぶぅううう!! をするが、効果が無い! 優枝的には故郷の山の友『クマゴローさん』との相撲に比べればどうということはなかったのだ。
(ドーモ、オキャク=サン。ご注文をうかがいマス)
(ははぁ……脳内に直接デスカ)
思った以上にはいてく(?)だ! これが、サイバーザナドゥのサイバー狼煙……!
(絶対安全馬刺しをお願いしマス)
(……ッ!???!!!??)
すりる、しょっく、さすぺんすを味わいつくした手練れのニンジャですら思わず息を止めるハチャメチャな注文がおしよせてくる!!
(オキャク=サン……30……いや、15分だけ時間をいただけマスカ……)
(はぁ……)
(この任務、必ずやり遂げて見せマスヨ!)
そして5秒後。
優枝は届いた品をおそるおそる開封した。
「ははぁ、こういう感じ。絶対安全なんデスヨネコレ? ……本当に?」
「アンゼンデス!」
「AA……ムンデス!」
「試しに味見をしマス。……ふむ、これはこれで」
さすがに熊とも暮らしていた野生児。見た目によらずニクショク!
「よろしければ一緒に食べマショウ、シヴァさん」
「パクパクデスワン!」
「ふむ、なかなか美味いデスネ。ウマだけに……」
渋っていた割には食いつきのいいシヴァをそっと撫で微笑む優枝。何かバサバサしたニンジャがかっこいいポーズをとりながら、「計画通り……」と悪そうな顔で笑った。
「オキャク=サン。これでアンタも俺らと一蓮托生ダ……!」
優枝はカニ工船に乗せられエンヨギョギョへ旅立つことを余儀なくされた。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉(サポート)
「こんちわー、お邪魔しまっす♪」
14歳の人狼少年。
好奇心旺盛な前衛肉弾派で、積極的に行動します。
かなりマイペースなアホの子です。
いつも深く考えず、場合に応じてテキトーに、楽しそうにテンション高く対応します。
どどーん、ばばーん、ひゅいーんなど、謎の擬態語を多用します。
ユーベルコードは、地味な使い方をすることが多いです。
アイテムも地味ですが、時に妙な使い道を閃きます。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。
鳥類全般がちょっとコワくて、特に雌鶏は苦手。
年寄りにはよく懐き、同年代とはすぐ馴染みますが、綺麗なお姉さんにはモジモジ。
ハッピーエンドが大好きで、常にポジティブシンキング!
あとはおまかせ!
●突然の遠洋漁業!?
木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)はカニ工船に乗せられ、エンヨギョギョへ旅立つことを余儀なくされた。
「おい、地獄さ行ぐんだデ!」
「!? なんでぇ!?」
「ぼうやだからサァ!」
どう見てもその場のノリに乗せられたか騙されてサイバーザナドゥに放り込まれた哀れな人狼の少年。鳥っぽい格好をした変なニンジャに絡まれいつもの元気いっぱいでハイテンションな様子は見る影もなく、尻尾も内側に向けて丸まってしまっている……カワイソウ!
「オノレ……ヒトノココロトカ、ナインカ!」
「無い! だってニンジャだから! 心の上に刃を……あててンノヨォオ!!」
さすがに義憤に駆られたシヴァ・ハエホーダインヌが抗議するが、バサバサしたニンジャは悪びれる様子もない。
バサバサと鳥っぽい恰好をしてバサバサとカッコイイポーズを次々に決めていく……そんな姿もまつりんの恐怖を刺激する! 鳥さん、コワイ!
「お、おいらお寿司がもらえるって聞いて! みんなにもお土産を持ってかえろー♪ って…………どこここぉ……?」
「ここは(※サイバーザナドゥスラング)ダヨォ!!!」
「ヨクモダマシタァ! ダマシテクレタァアアア!!!」
健気にも笑顔で自分の成り行きを説明しようとする祭莉だが、だんだんと心細さに負けて声は小さく、涙目になっていく。忍者がその周囲を狂ったようにバサバサしていじめっ子ムーブを取っていた。シヴァ・ハエホーダインヌは怒りのあまり絶叫していた。
「まぁそれはそれとして……いいから寿司を食べるんダ!」
「!? これは……おい、しい……?!」
「アリガトゴザイマス! 当店は素材にこだわり決して高価ではないネタも美味しくいただけるようにヅケや酢じめなどの仕込みに手を抜かず、シャリとネタのバランス、口の中に入れるとほろほろとほどけるシャリの握り加減にも気を付けまシタ! また当店自慢の玉子焼きはお子さまにも大変ご好評をいただいておりマス!」
「そ、そうなんだ……すごいね?」
「くぅ~ん……」
相変わらずバサバサしっぱなしのニンジャにちょっとビビりながら、まつりんは寿司を食べた。そしてまつりんはそれを美味いという……功夫が足りていたから。
「それじゃ、気をつけて帰るんだゾー!」
「わんわん!」
「ありがとー。何が何だか良く分かんないけど! ばいばーい♪」
まつりんはお土産をもらって解放された。功夫が足りていたから。
――大団円!
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『暗く濁り、泡立って異臭がする海』
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POW : ●『根性』海に飛び込んでみる、怪しい海産物を食べてる…etc
SPD : ●『工作』魚を釣る、船に細工をする…etc
WIZ : ●『調査』海水や海産物の成分を調査してみる…etc
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●暗く濁り、泡立って異臭がする海
トンネルを抜けるとそこは――きったね―海だった!!
「利益しか目にないメガコーポの垂れ流す汚染物質によって……我々はこんな生活を……」
何か迫力のあるおじさん(漁師?海賊?)がボトムズたちの苦しい生活を力説してくれた。こんな汚い危険な海で食料を得ることを強いられることを強いられているらしい。つまり……強いられているのだ!
「かに、かに……」
「カニだーー!!」
「……お前もカニにならないか?」
海賊船を襲うカニの群れ。
「カニに流されてばかりの奴はいつまでたっても同じさ……トゥ!!」
「くぅ~ん……」
そう、猟兵たちはカニとか汚い海で何かすることを……強いられているんだ!
ベロニカ・サインボード
うっ…これは本当、気力を削いでくる海ね…もう汚泥ね…
…何?人の心まで荒廃してるとは聞いてるけど…この…人は、何か…それ以前に……記号的というか…絵本と会話してる気分よ…
ぐ…グリモア猟兵!なんだこれはっ!
くそっ、今度あったらヤツに看板をつけて概要を調べないと…
そのためには状況を解消しなければ…ハッ!?
なっ…なにィーーーっ!?カニが私に!『既に登っている』!い…いつの間にっ!?カニの能力なのかッ!?あるいは『カニが能力なのか』ッ!?
うおおおお『ワーニン・フォレスト』!………船だ!船に看板をつけろっ!概要を書き表せェェェーーーっ!!
うおおおおおおおあああああ
(カニにのまれる)
●かにピーと冤罪
「うっ……これは本当、気力を削いでくる海ね……もう汚泥ね……」
ベロニカ・サインボード(時計ウサギの道しるべ・f35983)はげんなりと呟く。
『暗く濁り、泡立って異臭がする海』は暗く濁り、泡立って異臭がしていた。
「ヨウコソ。ココハ『暗く濁り、泡立って異臭がする海』デス!」
「……何? 人の心まで荒廃してるとは聞いてるけど……この……人は、何か……それ以前に…………記号的というか……絵本と会話してる気分よ……」
おもむろに善良な海賊をディスる時計ウサギの女性。そのバストは豊満であった。そしてなにより冷静沈着でカニに流されなさそうなふいんき――これは期待できそうだ!
「……ペッ! コケオドシダ!!」
「な、なによ? 何怒ってんのよ……」
なんかやさぐれた目をしたシヴァ・ハエホーダインヌ。そうしている間にもカニは十トントラックに満載されやってくる! なんという……なんという圧倒的カニの奔流! ベロニカはたまらずカニに流されていくぅ……!!
「ぐ……グリモア猟兵! なんだこれはっ! くそっ、今度あったらヤツに看板をつけて概要を調べないと……そのためには状況を解消しなければ……ハッ!?」
「Yes! かにピーだヨ!」
「なっ……なにィーーーっ!? カニが私に! 『既に登っている』! い……いつの間にっ!? カニの能力なのかッ!? あるいは『カニが能力なのか』ッ!?」
「どいつもこいつもカニカニカニ! 騎士として恥ずかしくないのカニ!!」
狼女の姿をしたエネルギー体『ワーニン・フォレスト』が抵抗するも、カニたちはセンセイも認める最強格のアレっぽい感じだ。きっと小銭とか集めるのが得意なのだ……勝てるヤツってのは考えらんねーカニ……!
「うおおおお『ワーニン・フォレスト』! ………船だ! 船に看板をつけろっ! 概要を書き表せェェェーーーっ!!」
せめてもの抵抗、あとへ続く者へ手掛かりを残そうとするベロニカ。
ワーニン・フォレストの『案内板をつける(アンナイバンヲツケル)』能力によって船につけられた看板に残された重大な情報とは――!?
☆マス=ケラスのひみつ…………巨乳派だぞ。
Oh……そのとき船には別の猟兵が憑依していたようだ。……Nice boat(笑)。
「うおおおおおおおあああああこれが人間のやることかよぉぉぉぉぉ~~……!!」
「くぅ~ん……」
グリモア猟兵マス=ケラスの罠にかかり、カニにのまれカニまみれになるウサギ。
……うん、おいしい!
「かにかにかに!!」
暗く濁り、泡立って異臭がする海にカニの高笑いが響く……。
大成功
🔵🔵🔵
山咲楽・優枝
アドリブ連携歓迎
何が何だかわかりマセンガ、
とりあえずカニ退治すればいいんデスネ?
ユーベルコヲド【オール・ワークス!】を使い、
汚れてもいい服(過酷環境対応防護衣)に着替えて、
カニに向かって機関銃を乱れ撃ちしマス。
……おや、他のより大きいカニが出マシタネ。
環境汚染の結果、危険生物が巨大化することもあるとは
UDCのキネマで見たことがありマシタけどまさか本当にいるとは。
慌てず騒がず、『当世風給仕の嗜み(爆弾)』を投擲。
……ちょっといい香りがシマス。
流石に食べマセンケド。今はお腹いっぱいデスシ。
●シヴァ・ハエホーダインヌ、死す!
カニ工船に乗せられエンヨギョギョへ旅立つことを余儀なくされた山咲楽・優枝(身魂鎮める桜の一枝・f22534)ら猟兵達。
善良な海賊船に乗り込みありったけの夢を詰め込んで海賊王を目指すそんな彼らを、先ずは『暗く濁り、泡立って異臭がする海』と愉快な仲間――かにピーたちが出迎える。
「何が何だかわかりマセンガ、とりあえずカニ退治すればいいんデスネ?」
「チガーウ!」
「Oh……違うのデスカ?」
「チガ……チガワナーイ! ワカラナーイ!!」
シヴァ・ハエホーダインヌはもはやこれまでとばかりにカニの海へ飛び込んだ。
「ナンダコレハ!? コンナノハハジメテミ……グワァー!!」
「!? これはイケマセン。急いで着替えないと……!」
いくらシヴァ・ハエホーダインヌが水陸両用で芝S長距離Sを持っていようと海馬場はそう甘くない。カニにぴったりとマークされ、みるみるリードが縮まってしまう。
優枝は咄嗟にユーベルコヲド『オール・ワークス!』を使った。その効果によって0.05秒で汚れてもいい服(過酷環境対応防護衣)に着替え、カニに向けて機関銃を乱射するが……シヴァ・ハエホーダインヌは惜しくも0.02秒の時点ですでに死んでいた。
「くぅ~ん……」
「ああっ。シヴァさんの残機が減ってしまいマシタ……!!」
「カニカニカニ! オロカカニ!!」
サイバーカニの横移動力はサイバーザナドゥのサイバーなまものの中でも隋一だった。筆者も実際に体験したことがあるが、居合の達人が日本刀などの武器を手にしてようやく対等に戦えるかどうかという速度……実際はやいのだ!
「……おや、他のより大きいカニが出マシタネ。環境汚染の結果、危険生物が巨大化することもあるとはUDCのキネマで見たことがありマシタけど、まさか本当にいるとは」
「アリカメナーイ!!」
そうこうしている間にも順調に残機を減らしていくシヴァ・ハエホーダインヌ。しかし優枝は慌てず騒がず、『当世風給仕の嗜み』を投擲、手投げ爆弾を投擲、どこからともなく投擲! そして世界一位のカニをシヴァ・ハエホーダインヌごと吹き飛ばす。
「グワァー!!」
「ああっ。シヴァさんの残機が減ってしまいマシタ……!!」
そして漂ってくる茹でカニの匂いが食欲を誘う。
「……ちょっといい香りがシマス。流石に食べマセンケド。今はお腹いっぱいデスシ」
「うそばっかリ。カニカマなんて偽物まで作って……あなた達ってばホントはカニのこと大好きナンデショ……?」
「くぅ~ん……」
仲間を殺されたかにピーたちの怒りがひしひしと伝わってくる。
復讐は復讐を呼び、血を血で洗う抗争は未だ終わりが見えなかった……。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「アァィェエエ!ナンデ?カニ工船ナンデ?」
「何故でしょう…言わなければいけない気がしたのです」
目を逸らす
「分析は出来ませんが、此れを食べられる物に変える事は出来ます…トゥ」
海に飛び込みカニを捕まえUC「花見御膳」
毒っぽいカニから無毒で体力回復効果や鎮静効果のあるカニ料理(グラタン、ミルク煮、甲羅焼き等)大量作成
「とりあえず、満腹になってから先の事を考えては如何でしょう?別に現実逃避…ですけれど」
目を逸らす
「カニっぽいけれどカニではなくなっていますので、貴方も食べられますよ、ハエホーダインヌ サン」
イッヌにも勧める
「落ち着いたら、貴方の怒りと仇を教えて貰…ナンデ?暴れるナンデ?ア~~~」
ヲチなし
●ネコ=チジョ、永遠に……!
カニたちの激しい怒りはついに『暗く濁り、泡立って異臭がする海』から溢れ出し、大海嘯を引き起こしてしまった……。
「Ahーー!!!!! Yeahーーーーー!!!」
「Foooooo!!!!」
ハッピーなセットを手にしたキッズのテンションで御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)が叫ぶ。そう、待ちに待ったこの時が来たのだ……!!
「ナンデ? カニ工船ナンデ?」
「ボトムズたちの反抗のメタファーらしいよ」
たまに親切なシヴァ・ハエホーダインヌが重要なヒントをくれたが、そんなものくそくらえだ!! なんの役にも! 立ちません……!!(断言)
「フー……スッとしました。何故でしょう……言わなければいけない気がしたのです」
「くぅ~ん……」
「ダマレコムスメ! オマエにカニがすくえるカ!!」
世界一気性が荒いネコ=チジョは激高してとち狂いそうになると泣きわめいて頭を冷静にすることがあるのだ! それはそれとして、世界を七日間で焼き尽くしそうなかにピー達である。
「分析は出来ませんが、此れを食べられる物に変える事は出来ます……トゥ」
「はっ! ネ、ネコ=チジョォオオオオ!!!」
ネコ=チジョは死んだ。
暗く濁り、泡立って異臭がする海に身を投げ、逝ってしまった……。
あまりの悲劇に一時停戦となった船上では追悼のパーティが開かれ、桜花は捕虜にしたカニたちを次々とグラタン、ミルク煮、甲羅焼きに調理して皆に振舞った。
「どうぞ心も身体も解きほぐして楽しんで下さいね、うふふ……」
「ほ、ほぐされる……!!!」
「きゅ~ん……」
カニたちもこの歓待におどろいたようで、すごくおどろいていた。
「とりあえず、満腹になってから先の事を考えては如何でしょう? 別に現実逃避……ですけれど」
「カニッ……」
茹でたかにさんをまた一匹べきっとへし折り、目を逸らすネコ=チジョ。
「カニっぽいけれどカニではなくなっていますので、貴方も食べられますよ、ハエホーダインヌ=サン」
「オレノリョウテハ、スデニカニジルマミレサ……」
センチメンタルな雰囲気を醸し出し、シヴァ・ハエホーダインヌがつぶやいた。
そう、これでサイバーカニ達に殺されたかつての仲間の仇討ちは成ったのだ。
だがなぜだろう?
怒りが埋めてくれていた場所に、ぽっかりと穴が開いたようなこの空虚さは……。
「落ち着いたら、貴方の怒りと仇を教えて貰……ナンデ? 暴れるナンデ?」
「ばるるるるるぅ……!!」
オチは特になかったが、それを見かねたかにピーが言った。
「メリークリスマス! ネコ=チジョ! メリークリスマス……!」
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
「オーケー、この船は乗っ取ったっす」
海賊船に憑依。ビーム砲とかミサイルランチャーとか持ってるんで、船に積んでおこっと
なんかもう考えるのが面倒になったんで、このままメガコーポの一つや二つ、ぶっ潰そう。例え海は晴れなくても気が晴れる。陸上?【カゲマジン=ジュツ】で船の3倍のサイズの影魔人出して運んで貰えばノープロブレム
「復讐ってのもそう言うもんなんすよ。晴らすのは死人の恨みではなくて、自分の気持ちっす」
影魔人は無数に手足が生え放題伸び放題なのでカニだって取り放題。ダークセイヴァー(過酷)仕込みの【料理】の腕はどんな汚染物でも【浄化】する
「余すとこなくおあがりよ!」
ついでにバサバサも撃ち落とす
●真の敵
「オーケー、この船は乗っ取ったっす!」
「ソンナ……ミンナマダタタカッテイルノニ……」
シヴァ・ハエホーダインヌが悲痛な声で訴えるも走り出した衝動はもう止まらない。何だか考えるのが面倒になってしまったリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)の過激なやり口は、まず自分自身が海賊船になることだった。
「このままメガコーポの一つや二つ、ぶっ潰そう。例え海は晴れなくても気が晴れる」
「よし、行くか……! カニ!」
だばだばだば……!(触手移動中)
「!? ンッダオラ!!?」
「スッゾコラァー!!!」
「死ねぇーっす!!」
突然のナグリコミ! マスケラスの『カゲマジン=ジュツ』で手足が生えたキモイ状態の海賊船がヤクザジムショに鋭いツッコミを入れ、そこで屯していた一般善良的なやくざがマス=ケラスの毒牙に倒れていく。
「グワーッ!」
「アー! コマリマス! オキャク=サン、コマリマス!!」
「オマワリサン、コッチデス!!」
ありあまるサツバツ!
みかねたシヴァ・ハエホーダインヌが大嫌いなお巡りさんを連れて止めに入る!
そしてマス=ケラスは留置所にぶち込まれた。メガコーポに歯向かったマスケラスは激しい拷問の果てに謎の獄中死を遂げた……。
「くぅ~ん……」
「復讐ってのもそう言うもんなんすよ。晴らすのは死人の恨みではなくて、自分の気持ちっす」
争いの果てに待つ虚しさを噛み締め、カニ工船は失意の中『暗く濁り、泡立って異臭がする海』を目指した。
「ソウ、ダナ……」
メガコーポの犬に成り下がった警察との戦いで瀕死の重傷を負ったかにピーが、望郷の念に涙を零す。
帰ろう。貧しくても、どんなに汚れていても。
あそこが、あの海こそがぼくらの生まれた海だから……。
「か、かに、ピー……? うそだろ……かにピーーーーー!!!!!」
「くぅ~ん……」
親友を失ったマスケラスの慟哭が『暗く濁り、泡立って異臭がする海のちょっと手前の海』に響いた。そのあまりの悲しみにより『真の力』にカク=セイした影魔人は無数に手足が生え放題伸び放題なのでカニだって取り放題だ!
「そしてダークセイヴァー(過酷)仕込みの料理の腕はどんな汚染物でも『浄化』するっす! 余すとこなくおあがりよ!」
「!? きゅ~んきゅ~ん……!」
かにピーは美味しかった。
「ふっ、これで邪魔者が片付いタ……」
「!? お前は……! 喰らえっ、かにピーの仇……ッ!」
バサバサしたニンジャの気配を感じてマスケラスがビーム砲を放つ。
ああ、何ということだろう……猟兵達をここまで導いてくれた、カッコイイポーズを取るバイザーの鳥さんっぽいニンジャは、実はウラギリモノだったのだ……!!
「クックック、ナイス暴徒だったゾ……キツネ・オメーン」
「クッ。奴ハ扇動、洗脳ヲトクイトスル悪ノニンジャ……」
「そうか、自分たちは奴の計略にまんまと乗せられていたってわけっすか……!」
つじつまが合わない気もするが、何か流れでそういうことになった。
……ケチャクの時は近い!
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
(ちなみにわんこ変身すると喋れません♪)
エンヨギョギョから帰った不死身のわんこが一匹!
めがこーぽの悪巧みを打ち砕くー♪(お寿司もぐもぐ)
あれ、カニ?
今度はカニなの?
えっと……くぅ~んのおっちゃん、どうしよー?
え、しば?
そっか、しばなんだ。おいらは人狼なんだよ、がおー♪(ほんわか)
あそっか。えっとね、おいら猟兵だからね。
だいじょぶだいじょぶ、おっけーおっけー♪
そぉれ、『なかよくしようよ!』(ゆべこ発動)
しばさんと握手。カニさんとも握手♪
指挟まれて痛いケド、気にしない気にしない♪
ほら、ぴかーってしたでしょ?
見えなかったら無かったってコトなんだって!(根拠レス)
さぁちょっと暴れるよ♪(きゃん!)
●帰ってきたまつりん
「サヨナラ!」
「し、しばー!!」
シヴァ・ハエホーダインヌはしめやかに爆発四散した。
そしてとうとう残機が尽きてしまったのか、二度と帰ってこなかった。
「なんでぇ!?」
「悲しいけど、これって戦争なのダヨ……」
バサバサしたニンジャがシヴァを一撃で葬った木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)に若干びびりながら、知った風なセリフを呟いてみせた。
「どうして……どうしてこんなことに……」
「くぅ~ん……」
ソレはまつりんにとってはたぶん明日のことだった。
「エンヨギョギョから帰った不死身のわんこが一匹! めがこーぽの悪巧みを打ち砕くー♪」
「わんわん!」
「あ……あちゃー。お寿司とお寿司でお寿司がかぶっちゃったな……そっか、ここはお寿司だけで十分なお寿司屋さんなんだね♪」
「くぅ~ん……」
帰ってきたカニ工船でお寿司をもぐもぐしながら、新たな発見にIQがガンガン上がっていくのを実感していたまつりん。功夫とIQがあわさり最強に見えた。
しかしそれをただ座視しているかにピーではない。彼も一族の命運を背負ってこの場に立っているのだから。
「かに……おいしいカニヨ!」
「あれ、カニ? 今度はカニなの?」
彼は『暗く濁り、泡立って異臭がする海』に生息するごく一般的なサイバーかにだ。
しかしその身に宿す功夫はタツジンの域。
「くぅ~ん……」
「えっと……くぅ~んのおっちゃん、どうしよー?」
そう言って顔を見合わせる二人。
すると突然シヴァ・ハエホーダインヌがきたないHANABIになって死んだのだ。
よって犯人はまつりん……Q.E.D.(照明終了)!
「え、しば?」
「わんわん!」
「そっか、しばなんだ。おいらは人狼なんだよ、がおー♪」
「わんぅ!」
在りし日の思い出が走馬灯のようによみがえる。
あんなにほんわかだったのに……まさかこの手でしばをあやめてしまうなんて。
「ククッ。コレでうるさい奴もいなくなった。長くなりそうだな、コゾウ!!」
「ゼッタイニ、アリカメナーイ!!」
まつりんは留置所にぶち込まれかけたが、犬耳と犬尻尾を生やしたちょっとワイルドな謎のくノ一っぽいお姉さんに助けられて脱出した。
だが、彼女のバストは新潟競馬場芝コースのようにどこまでも平坦だった……。
「はわわ……ワケワカンナイヨー」
「少年、これ以上ここにいては危険だ。……おうちにおかえり」
「ワイもそう思いマス……」
謎のくノ一のお姉さんとバサバサしたニンジャにまで心配げな目を向けられ、「あそっか」と気付くまつりん。寿司を食べることにより爆上げされたIQがここで生きた。
「えっとね、おいら猟兵だからね。だいじょぶだいじょぶ、おっけーおっけー♪」
そしてすかさず「そぉれ、『なかよくしようよ!』」とユーベルコードを発動。
柴田さん(本名)と握手「わんぅ!」し、かにピーとも握手「おれはアイツほど人類に絶望しちゃいないカニ!」する。
これは……そう、かつての敵(ライバル)と共に強敵に立ち向かう激アツ展開だ!
「指挟まれて痛いケド、気にしない気にしない♪」
「くぅ~ん……」
「ほら、ぴかーってしたでしょ? 見えなかったら無かったってコトなんだって!」
「シュレティンガーのカニ!」
こうしていつもの三人が揃った今、負ける気がしなかった。
かつてかにピーに殺された猿渡さんも、きっと空で見守ってくれているから……。
「さぁちょっと暴れるよ♪」
「わんわん!」
――バサバサしたニンジャ『アジテイター』との因縁のバトルがいま、幕をあける!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『アジテイター』
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POW : ソニックサイコブラスター
【ミョウオウブラスター】を向けた対象に、【相手を肉体的にも精神的にも破壊する音波】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : ナイス暴徒
自身が【自身の思想や主義主張への否定】を感じると、レベル×1体の【今まで自分が洗脳してきた信者(戦闘要員)】が召喚される。今まで自分が洗脳してきた信者(戦闘要員)は自身の思想や主義主張への否定を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ : ミョウオウウィスパー
レベルm半径内に【洗脳音波】を放ち、命中した敵から【アジテイターを疑う意思と正常な思考力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠陽環・柳火」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●これまでのあらすじ
主の仇討ちに燃えるシヴァ・ハエホーダインヌを救うべくサイバーザナドゥにダイナミック潜入した猟兵達。
猟兵達は謎のバサバサしたニンジャに導かれブヒィ=サンやオサカヌ=サン、オ・レノ=AIBAらの尊い犠牲により功夫を積み重ねる。
だがこの時まだ猟兵達は気づいていなかった。
トリィ=サンだけは巧妙に栄養成分表示に含まれていなかったことを。
暗く濁り、泡立って異臭がする海で出会ったかにピーとの激しい戦いの末、かにピーの気高くそして『暗く濁り、泡立って異臭がする精神』に胸をうたれた猟兵はサイバーかに達と和解を果たす。
猟兵とサイバーかにたちとの戦いは『できるだけ安価で美味しく安全な食事を貧困にあえぐ人々にもお届けしたい……!』と企む、バサバサしたニンジャに仕組まれたおそろしい陰謀だったのだ。
そう、バサバサしたニンジャは煽動、洗脳を得意とする悪のニンジャ――シヴァ・ハエホーダインヌの主の仇、スシ=暗黒卿その人だった。
しかし決戦を前にシヴァ・ハエホーダインヌは猟兵にカイシャクされ爆発四散し、ついに帰らぬ犬となったのだった……。
●追憶
輝かしい日々だった。
柴田は山へ柴刈りにいきつつ、睡眠と食事の3時間を除いてシフトに入って倒れるまで働き、猿渡さんはオショク=デカという仕事を頑張って、たまにかににカキを投げつけたりと親切にしてあげていた。
主は柴田が一日22時間働いて稼いだお金を欠かさず競バ場に預けにいってくれたり、たまにパ=チ・ンコ屋さんのお土産を持って来てくれたりする、立派なひとだった。
そして主が雇っていたバイトのトリス=タン(愛称)はサビザンを嫌がって主と喧嘩が絶えなかったけど、シヴァとは仲良くしてくれていたのだ。
それが、まさかあんなことになるなんて……。
「お前はあいつに騙されてるトリ! 目を覚ますトリ!!」
「主だって頑張っているんだ。俺はそれを分かってあげたいんだワン!!」
「くそっ。駄目だこいつ、完全にダメ人間製造機の思考になってやがるトリ」
「ありがとうがあれば生きていける! もっとありがとうを集めなきゃだワン!」
「お前そのうち死んじまうぞトリ……未払い残業代のついでに抗議してくるトリ!」
翌日、トリス=タン(愛称)は無残な姿で発見された……。
そして主のモモモモモモモ=モモモ=モモはその後なんやかんやで死んでなかったトリス=タン(愛称)に殺されてしまったのだ。
●叛逆の行殺者(ライン・スレイヤー)
漂う圧倒的強者のオーラ。
バサバサしたニンジャ、『アジテイター』は次々にバサバサとカッコイイポーズを取りながら猟兵に告げた。
「忠告しておこう……あまり強いユーベルコードを使うなよ……すぐに終わるゾ」
「よ、400文字保証……!」
「わんわんわんわん×50!」
なんという鬼畜のショッギョ!
猟兵とて認めざるを得まい……どうやら、これまでにないほど危険な敵であると。
「くぅ~ん……」
アジテイターに洗脳された草ヤキュー集団『スパ=ローズ』や下層階級の労働者も駆けつけ、フルタ=サンを始めとした強力な陣容で猟兵達を迎え撃つ。下手をすればストライキを起こされかねない非常に緊迫した戦場。
猟兵は果たしてフルタ=サンから二塁を盗むことができるのか?
――かつてない死闘が、始まろうとしていた。
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
●誰ガ為
「さあ、こちらへ。安全な場所へとご案内いたしましょう」
「わぁい!」
「ヨシ、撤収ー!」
「わんわんお!」
バサバサしたニンジャ『アジテイター』との決戦。
響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)が巻き込まれないようアジられた者たちを避難させようとすると、皆嬉しそうにゾロゾロついてくる。
やはり誰しも戦いなど望んでいなかったのだろう。
「……オブリビオン以外は、ですが」
「!?」
「あっ……」
「くぅ~ん……」
「ナンヤテ!?」
ところでそのアジテイターまでトコトコ付いてきてたので一応お断りを入れると、アジテイターはその場で捨てられた迷子のように立ちすくんだ。
それを見て露骨に悲しそうにするかにピーと柴田、古田さんたち。
「そ、それじゃ俺もやっぱいいや……」
「バカ。拙者ノコトナラ、気ニスンナ!」
敵対してるのか仲が良いのか、良く分からない反応の柴田とアジテイター。
そもそも殺し殺される相手同士の関係のはずなのだが……。
「かにピー、仲間はずれは可哀そうだと思うナ……」
「セヤセヤ!」
「え? う、う~ん……そうですわね……」
なぜかカニが普通に喋っているし、古田さんという人もカタコトの関西弁でそれに同意するけれど。
リズは困ったように首を傾げ、この何とも言えない状況を何とも言えない気持ちで何とか言おうとした。
「何とも言えませんわ……」
「くぅ~ん……」
だったらとりあえずお茶にしよう!
ということで手分けしてティーブレイクの準備を整える一行。
「な、なぜだかとても素直ですわね……何か企んでいますの?」
「アッ……拙者……アッ、ソノ、バサバサニ憧レテテ……ソノ……」
アジテイターはどうやらリズの翼――純白の天使の翼が気になるようだ。
「たしカニ。こっちの方がバサバサしてるカニ!」
「……」
コスプレじみたアジテイターと比べられても困るのだが率直に言うのも憚られ、何ともいえない気持ちで何とも言わないリズ……そのバストは豊満であった。
「……エッチなのはNGですよ?」
「ゴメンネ」
芝生え放題で大草原不可避の平坦な胸部を持つ柴田がそれでも噛みつかないのは、リズの上流階級のお嬢さまっぽい見目や所作にビビっているからだ。
そう、柴田もアジテイターもすでに敗北者だった。33-4くらいのボロ負けだった。
「ナンデヤ! ハンシ=ンカンケイナイヤロ!」
冷静沈着な古田さんが悲痛な叫びをあげるくらい惨めな敗北者だった……。
「お話を聞くに、アジテイターさんはオブリビオンだけど、そんな悪事を働いている感じでもありませんのね……」
「アッ。ソレハ拙者ノ『ミョウオウウィスパー』デ正常ナ思考力ガ奪ワレトルノデス」
困っている人を放っておけない正義感はむしろリズの信念にも通ずるもの。
けれどそれを否定するアジテイターの望みは果たして……。
「殺サナキャ殺サナキャ」
一方で柴田は殺意のイメージトレーニングを再開しはじめる。
リズはそんな面々を何とも言えない顔で見渡し、何とも言えずに口を噤むのだった。
成功
🔵🔵🔴
御園・桜花
「真面目に考えると、悪いフィクサーが誅されて、その腹心イッヌが返り討ちに合った…?」
「考えるな勘次郎、でも私は勘次郎さんじゃないので理解が不可解なのです…痛ぁ!」
目を逸らして以下略
「何でしょう、思考侵食関係なく、鳥巣たんは悪い人じゃ無さそうな…?」
お目々ぐるぐる
「犬も鳥も可愛さと食肉レベルは変わりませんし、思考侵食は別に悪いことじゃないですし。そう、全然問題ないのです…さあ、お花見の時間です仲良くしましょう」
更にお目々ぐるぐるのままUC「侵食・幻朧桜」使用
「そう言えば、鳥巣たんは扇動者でした…ハジメマシテ、トリス=タン。ネコ・チジョデス…此処で会ったが百年目…カイシャク!」
誤魔化した
●100回刺された後に死ぬニンジャ
「真面目に考えると、悪いフィクサーが誅されて、その腹心イッヌが返り討ちに合った……? いえ、きっと何か見落しているハズ……」
ネコ=チジョはいぶかしんだ。真面目だったから。
「考えるな勘次郎、でも私は勘次郎さんじゃないので理解が不可解なのです……痛ぁ!」
警策で肩を叩かれ、派手な音が響く。ネコ=チジョは思わず悲鳴を漏らした。
「喝ーッ! ネコ=チジョよ、雑念を捨てるのじゃ……!」
「は、はい! 老師……!」
老師? 老師って誰だっけ……?
……わかんないや!
スッと目を逸らして誤魔化しつつ、勘次郎にもなれず御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)にもなり切れなかった哀れで醜い可愛いネコ=チジョは呼吸を整え功夫を高めていく。
「でも、何でしょう、思考侵食関係なく、鳥巣たんは悪い人じゃ無さそうな……?」
「莫迦メ! ソレコソガニンジャノ罠ダト何故気付カナイ……!」
悪のニンジャに洗脳されつつあるイェーガッ! へとバサバサしたニンジャが警鐘を鳴らす。しかしその悪のニンジャというのがバサバサしたニンジャであるからして……?
(……? ?? ???)
ネコ=チジョのお目々がぐるぐると回るメリーゴーラウンド。たのしいね!
「見ろ。アレがハッピーセッ! をキめ過ぎたチャイルドの末路だ……やはり安心安全な料理を世界中に届けることこそが我が使命……」
「くぅ~ん……」
「そう! 犬も鳥も可愛さと食肉レベルは変わりませんし、思考侵食は別に悪いことじゃないですし」
みんな助かるし、かにピーもがんばってたし!
「そう、全然問題ないのです……さあ、お花見の時間です。仲良くしましょう!」
「アア」
さらにお目々を高速回転させ、トップギアのままコーナーへ突っ込んでいくネコ=チジョ。アジテイターは口元にハードボイルドな笑みを浮かべ、バサバサカッコイイポーズをとった。
「わぁ、お花が咲いたヨ……!」
「わんぅ!」
「ソウダ。俺タチノヤッテキタコトハ、無駄ジャナカッタ……」
すっかり仲良しになったかにピー、柴田、アジテイターが幻朧桜の林へと進んでいく。
桜吹雪が舞って、機関銃を持った三体の桜花が一列に並んだフォーメーションを組んでホバー移動しながら攻め寄せてくる!
「シマッタ! 3人ニ勝テル訳ガ無イダロ……!」
「!? きゅ~んきゅ~ん!」
「かに、美味しいかにヨ!」
「ナンデヤネーン」
まさに多勢に無勢。一人と見せかけて三人で波状攻撃を行う桜花に、アジテイターは咄嗟にネコ=チジョとかにピーと柴田と古田さんと多くの労働者たちを庇う事しかできなかった。
ぽすぽす、っと――。
オフゥトゥンをやさしく叩いたような重苦しい音が何度も響き、白くてカッコイイスーツからアジテイターの赤い血がとめどなく溢れる。
力なく崩れ落ちるバサバサしたニンジャに、仲間たちが泣きながら集まってくる。
「鳥巣たん! どうして、どうしてこんなことに……」
何か悲しいふいんきのBGMが流れ始め、物語の終局を予感させた。
だけど、そんなの悲しすぎる……物語の終わりは、ハッピーエンドであって欲しいから。
「そう言えば、鳥巣たんは扇動者でした……ハジメマシテ、トリス=タン。ネコ・チジョデス……此処で会ったが百年目……カイシャク!」
ネコ=チジョはえいっと止めを刺した。
「グワァァアアアアー!! サヨナラーッ!!」
アジテイターは死んだ。
――これにて一件落着!
大成功
🔵🔵🔵
山咲楽・優枝
アドリブ連携OK
「シヴァさん……さぞや無念だったことデショウ……」
ギラギラのネオン、謎の馬刺し、濁った海、洗脳音波。
そういうものの影響が少しずつ蓄積し、あと何か疲れて
ちょっと精神がぐらぐらぽやぽや。
「……今頃お山は花盛りデスネ……
母さん(幻朧桜)の下でクマゴローさんたちとお昼寝したい……」
(※サクラミラージュはだいたいいつでも花盛りである)
「桜、きれいデスヨ。皆さんにもお裾分けしマス」
自身の体を中心に眠気を誘う桜の花吹雪を発生させ、
洗脳された面々を眠らせようとする。
アジテイターにはダメージ。また眠っていなかった場合、
懐から取り出した『御祖桜の一枝』で
頭を叩いて気絶させようと試みる。
「そぉい!」
●暗く濁り、泡立って異臭がする海じゃない場所の悲劇
「嫌な事件だったよネ……」
かにピーが悲しい顔で呟く。
外人妖精部隊の奇襲を受けバサバサしたニンジャがSATUGAIされ、その仇を討とうとしたシヴァ・ハエホーダインヌも志半ばでとてもお腹が空いて悲しくなってくぅ~ん……と鳴いて死んだ事件。
――あれから季節は巡り、もうすぐ一年が経とうとしていた。
「シヴァさん……さぞや無念だったことデショウ……」
墓前に花を手向けに来た山咲楽・優枝(身魂鎮める桜の一枝・f22534)の表情は憔悴しきっていた。サイバーザナドゥのいかにもサイバーっぽいギラギラのネオン、謎の馬刺し、濁った海、洗脳音波――そういうものの影響が知らず知らずのうちに蓄積し、優枝の心身を蝕んでいたのだ。それとあと何か疲れて(あやふや)、優枝はちょっと精神がぐらぐらぽやぽやになっていた。
「……今頃お山は花盛りデスネ……まぁ、だいたい一年中花盛りデスが」
親の顔より見慣れた桜であるが、今はそれが無性に恋しかった。
ほんの軽い気持ちで絶対安全馬刺しを注文したことが、まさかこんなに自分や周りを苦しめることになるなんて……悔やんでも、悔やみきれない……。
「母さんの下でクマゴローさんたちとお昼寝したい……」
母である幻朧桜から生まれた桜の精である優枝は、儚くも美しい――何よりもやさしかった故郷を懐かしみ、思わずほろりと涙を零す。
そんな優枝にかにピーと柴田が気遣わし気な顔を向けてくる。
「ゆうしサン、お体にさわりますヨ……」
「くぅ~ん……」
コホコホと咳き込む優枝の体をかにピーがペタペタと触るが、その行為に特に意味はない。不自由なカニ工船での日々と、陸に戻っても公安にマークされ、あと何故かグリモアが一向に迎えに来ない生活ですでに優枝の体はボロボロになっていた。
「……桜、きれいデスヨ。皆さんにもお裾分けしマス」
儚げに微笑んだ優枝の周囲に桜の花吹雪が舞う。
散っていく花びらはたしかに美しくて、だけど、まるでそれは……
(すこし疲れマシタ……なんだかとっても……眠いノデス……)
――おやすみなさい。
「!? そ……そんな……ゆうし……サン……?」
「きゅ~んきゅ~ん……!」
優枝はポカポカと小春日和の、花咲く野原に寝転んでいる夢を見ていた。暗く濁ったり、泡立って異臭がしたりしない場所。
(ああ。なんだ、みんなそこに居たのデスネ……)
気付けばクマゴローが居て、思わずウホッとなる優枝。
「……ヤラナイカ?(SUMO的な意味で)」
何かちょっといろいろ違う気もするが、懐かしい友の誘いに胸がじーんと熱くなる。豚骨の香りがした。バサバサしたニンジャが豚骨スープを寸胴鍋で煮込んでいた。ラーメンだ。ラーメンを作る気だ。
「Wao! アジテイター=サン、生きていたのデスネ?」
「フ。約束ヲヒトツ思イ出シテナ……オ前ラニ、本物ヲ見セテヤンヨ!」
「その勝負、受けて立つワ!」
「ラーメンヤテ!?」
「わんわん!」
いつもの三人も揃い、ついに『究極』を決めるラーメン勝負が始まった!
だれもが真剣な顔で汗を流す中、優枝は懐かしい友人たちに笑顔で駆け寄って。
「そぉい!」
「!?」
おもむろに懐から取り出した『御祖桜の一枝』でアジテイターをぶん殴った。
「はびゅん……!!」
アジテイターは死んだ。
彼が命と引き換えに残したラーメンはスープにコクがあり美味しかった。
「今はラーメンの気分じゃありマセン。100点満点中3点デス」
「くぅ~ん……」
――究極のラーメンを探す猟兵たちの旅は、まだ始まったばかりだ!
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
「ドーモ、アジテイター=サン。キツネ・オメーンです」
ニンジャ同士のアイサツは大事。古事記にもそう書いてあった。知らんけど
「なるほど、そっちにも色々と事情があった訳っすね」
アジテイターの主張も一理あるように思えなくもないが
「だが、オブリビオンは殺すっすよ」
そうしないと世界が停滞して滅びるし
とりあえず【再臨の仮面舞踏会】で死んでるイッヌやらカニピーやら猿渡さんやら主のモモモモモモモ=モモモ=モモやらを生き返らせて、みんなでアジテイターをボコボコにする
「めめも ぐのぽ ぽらなぬ ぱにそ とりも くたせれ ぎあれ うえぶ りぱのく さもれ きでふ かぺろぐ ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ……ん?ふっかつのじゅもんが違う? んなもん知るかっすよ!」
トドメに海賊船を【怪力】【念動力】で持ち上げ、叩きつける
「海賊船だ! っすよ」
せっかく生き返ったメンバーが一緒に潰れてもまあ仕方ない
「誰彼構わず噛み付くイッヌって結局ホケンジョ・エンディングしかないっすか。何回ループしても」
結局モモモはセプクせねばならぬのだ
●明かされる真実
「ドーモ、アジテイター=サン。キツネ・オメーンです」
「ドーモ、キツネ・オメーン=サン。アジテイターデス」
古式ゆかしきニンジャのアイサツを交わし、2匹の修羅が交わる。アイサツが無ければ既に周辺一帯は灰燼と化していただろう功夫の高まり。アイサツはそれほど大事だということだ。
「古事記にもそう書いてあった。知らんけど」
「フ……奇遇ダナ。俺モ知ラン!」
まずは小手調べ、おたがい互角といった所か……。
リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)との約束を果たすために地獄から蘇った男――アジテイターが先手を取りトゥン=クツ・ラメーンをオメーンに喰らわせる!
「!? なるほど……そういう事っすか……」
「フ。……ソウイウコトダ」
麵がシコシコシコシコしておそろしい麵で、するとスープがにじみ出てシコシコシコシコ……そこまで言えばおそらくだれでも気づくだろうが、当然のように通じあうマス=ケラスとアジテイター。高度な功夫を備えたジツシャ同士の会話には言葉など不要なのだ。
「なるほど、そっちにも色々と事情があった訳っすね……」
「殺サナキャ殺サナキャ」
「そういう事なら殺すのは最後にしてやるっす」
「!? くぅ~ん……」
くぅ~ん……と言うしか能がない柴田がナンデ? みたいな顔で見てくるが、生憎とマスケラスは巨乳派だった。それに、
「誰彼構わず噛み付くイッヌって結局ホケンジョ・エンディングしかないっすか。何回ループしても」
「ヒドイ!」
「めめも ぐのぽ ぽらなぬ ぱにそ とりも くたせれ ぎあれ うえぶ りぱのく さもれ きでふ かぺろぐ ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ……」
抗議する柴田をアウトオブ眼中にマスケラスは唱えつづける。フカツの呪文を!
「ん? ふっかつのじゅもんが違う? んなもん知るかっすよ!」
「落チ着ケ、マスケラス……フーッ、テシテミルンダ」
「なるほど。フーってしたら治ったっす!」
マスケラスのジツが完成し、シヴァ・ハエホーダインヌが帰ってきた。
「あぁ~かえってきた。戦士たちがぁ~。黄泉の国からかえってきたぁ~↑↑」
「シヴァ・ハエホーダインヌ!!」
「!? ニ、ニセモノダワン!!」
柴田が必死で訴えるが、巨乳派のマスケラスには聞こえない!
「俺もいるぜ!」
「その声は……モモモモモモモ=モモモ=モモ!」
「やれやれ、オチオチ寝てもいられねえ……俺の力が必要かい?」
「猿渡さんまで! ……勝てる、これで勝てるっす!」
伝説となった旧版の三人が集結する展開に視聴者もかつてない盛り上がりを見せる!
「サァ来イ猟兵! 俺ハ実ハイッカイ死ンダダケデ死ヌゾォーー!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「そおおおおおおおおおおおおおおい!!!」
「うきいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「くぅ~ん……」
燃え上がる功夫!
そしてみんなでアジテイターをボコボコにしたからアジテイターは死んだ。
「だけど本当の戦いはこれから始まろうとしているんだカニ……!?」
「いいや! 海賊船だ! っすよ」
ひぎぃ! それはカニ工船!
とどめにマスケラスの非情な一撃がモモモモモモモ=モモモ=モモと猿渡さんもろともアジテイターに降り注ぐ! せっかく生き返らせた面子を自ら叩きつぶしていくスタイル……!
「最後に殺すと言ったな? アレは嘘っす」
「バサバサハ滅ビヌヨ……何ドデモ甦ルサ……!」
アジテイターは死んだ。
「オブリビオンは殺すっすよ。そうしないと世界が停滞して滅びるし」
「ソウネ。人は結局、土からはなれては生きられないノヨ……」
すかさずかにピーがあざとく好感度を稼ぎにくる。
彼は人気投票で一位になって、やがて新世界のカニになろうと目論んでいるのだ。
「モモモは……チッ、そうやすやすとはやらせてくれないっすか」
「クックックック……その鳥せんべいとカニせんべいで満足しておくことだ……あとイッヌは可哀そうだから助けておいた」
「くぅ~ん……」
「よくも……よくも哀れなアジテイターを殺したな! っす!」
なぜ、いい奴ばかり先に逝ってしまうのか……本当にセプクすべきは誰だったのか。
マスケラスの視界がくやしさで滲んでいく。
「ぐや゛じいっ!!!」
「諦メルナ! マダ終ワッテイナイ……!」
「お、お前は……まさか……っす!」
バサバサしたニンジャ、アジテイター。フェニックスのように蘇る漢(おとこ)!
そして二人の反撃が始まった――が、尺の都合でカットされた。モモモは死んだ。
おしまい。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
さあ、カニさん、平姉ちゃん、行くよー!
え、ドコに?
……えんよぎょぎょ? カナ?(ぐるぐる)
なんかさー、みんな仲良くしたらいいんじゃないかなあ?
ほら、耳としっぽがあれば、幸せになれるよ。
感謝の心は、大事なんだって!
……たぶんね?(くるくる)(歌)
アリガト!(ばき)
アリガト?(ぴょい)
アリガトー♪(ずきゅん)
ほらほら、どんどん行こー☆
あっ。
しばさん、元気にしてたー?
おいらね、しばさんが飛び散ったの見た気がしててね……
でも、もう大丈夫!
ストライクは、おいらが止める!
だって、オブリビオンなんだもん。
故郷はたぶん、平和で平等でトロトロだと思うから。
バサさん、お土産持った?
じゃあ、海におかえり?(てや)
●暗く濁り、泡立って異臭がする愛の物語
木元・祭莉(功夫が足りていたから・f16554)の朝は早い。
「さあ、カニさん、平姉ちゃん、行くよー!」
「えっ? 平……平っ……えっ?」
「大漁カニぃ!」
エンヨギョギョでは48時間労働もざらにある。
一旦漁に出てしまえば、何週間も陸に戻ることは出来ない。
「まぁ好きで始めた仕事……だったっけ?」
今日は仕掛けておいた籠を引き上げる日。
まつりんの仕事はまず、柴田の心を粉々に砕くところから始まる。
「な、なぁ、まつりん。平姉ちゃんってのは一体……?」
「どうしたの? 平姉ちゃん!?」
「!! たしカニ……とても平たいカニ!」
「カナリマナイタダヨコレ!」
「(栄養が)足ランカッター!!」
「…………くぅ~ん……」
漁獲量は勘と経験がものを言う。船長の腕の見せ所だ。
この日は上々の成果。これならば当分はストライキも起こらないだろう。
「なんかさー、みんな仲良くしたらいいんじゃないかなあ?」
ボトムズとメガコーポの溝は深い。
だが、そんな世界でも社畜たちはまだ働いている。
「ほら、耳としっぽがあれば、幸せになれるよ。感謝の心は、大事なんだって!」
そんな社畜根性を語るまつりんのおめめは、ぐるぐるしていた。
「うっうっ……まつりんが、まつりんが悪い子になってしまった……っ!!」
心を砕かれた柴田は服従のわんこポーズを取りながら、さめざめと泣いた。
嗚呼、だからあれほど来てはいけないと言ったのに……幼いまつりんの心は長く厳しく辛いエンヨギョギョに耐えきれず、とうとうぶっ壊されてしまっていたのだ。
「あうあうあー……あっ? ……あっ! しばさん、元気にしてたー?」
「あふぅん」
「おいらね、しばさんが飛び散ったの見た気がしててね……でも、もう大丈夫!」
負け犬柴田のお腹をわしゃわしゃ撫で、まつりんがにっこり笑う。
これは……おねしょただヤッター!
「ストライクは、おいらが止める!」
壊れたまつりんはストライキを扇動した。メガコーポに反省を促すダンスと
お歌が響く。
――花見も祭も 子供も大人も 今も昔も♪
「マズいぞこりゃ、連中に里心が付いちまう……」
「フハハ! ナイス暴徒ダ、少年!」
「アリガト! アリガト? アリガトー♪」
「チョウ球団ヤ!」
焦る猿渡がどこかへ連絡を取る。もしもし象さんですか?
だがアジテイターと古田率いるスパ=ローズも後押ししたストライキは無事成功し、カニ工船の水揚げ量は誤魔化されることも無く……ちゃんとおちんぎんをいーっぱいもらえたよ!
「ヤッター! おちんぎんだー♪」
「おめでとワン!」
「アリガト!」
「オメデトウ!」
「アリガト?」
「おめでとうカニ」
「アリガトー♪」
――すべての労働者に、ありがとう。
何か最終回っぽく祝福されながら、まつりんはもらったおちんぎんでお土産を買った。水揚げされたばかりの新鮮なサイバーかにだ。まつりんはお土産を買って元の世界に帰るのだ。
だがそれは、これまで導いてくれた師との別れを意味していた……。
「ツイニヤッタナ。モウオ前ニ教エルコトハ何モナイ」
「あ、バサさん! お土産持った?」
「アア」
「そう。それじゃ……故郷はたぶん、平和で平等でトロトロだと思うから」
「!? きゅ~んきゅ~ん!!」
別れが近いことを感じ取った柴田が焦ったように二人の間で視線を彷徨わせるが、これはやらなければいけないこと。な、なみだがでますよ……だって、オブリビオンなんだもん。
観念したように項垂れる柴田は、結局のところ仇討ちなど――アジテイターを殺すことなど出来ないようだったから。
「そう、殺さなきゃだ……約束だから」
「平姉ちゃん……うん。そっか……じゃあ、海におかえり?」
――祈り、構えて、突く。
まつりん感謝の正拳突きが、音を置き去りにした。
「サラダバーッ!!」
アジテイターは死んだ。
「さようなら、バサ兄ちゃん……安らかに」
「くぅ~ん……」
――あのへんなバサバサは、もうどこにもいないのだ……たぶん。
大成功
🔵🔵🔵
ベロニカ・サインボード
…状況をまとめるわ
『今回のオブリビオンは、洗脳能力を持っている』…
『だから私には、誰がオブリビオンかわからない』…
そうよね、アジテイター?
そして、あんたが捜索を手伝ってくれるのよね、アジテイター?
ふむ…ひとまず近場に看板をつけて…この近辺の路地裏でも探すわ…
敵に怪しまれないよう、つけるのはネオン看板にしておくわ
『敵』が痺れたなら、『そいつ』に拳を叩き込む
そのネオン看板で痺れてくれてありがとう、アジテイター
疑念はなくても事実が、オブリビオンを指し示してる
ワーニン・フォレストの拳連打でトドメ
くらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえ くらえェェェ!!!
●だがこの世に猟兵のある限り第2第3のアジテイターが(以下略)
サイバーごちゃごちゃした街中に蠢く悪……。
姿の見えにくいそれを誅すべく、導くもの同士――兎と鳥が手を結ぶ。
「……状況をまとめるわ『今回のオブリビオンは、洗脳能力を持っている』」
「アア、ソウダ。奴ハ洗脳ト煽動ヲ得意トスル悪ノニンジャ……」
「『だから私には、誰がオブリビオンかわからない』……そうよね、アジテイター?」
バサバサしたニンジャが、バイザーから覗く口元をニヒルに歪めて笑う。
「フ。アノ一瞬デソコニ気付クトハ……危険ダ……ヤハリ消シテオクカ……」
「……そして、あんたが捜索を手伝ってくれるのよね、アジテイター?」
「……ソンナ気ガスル(あやふや)」
どこか虚ろな様子であんまりバサバサしなくなったニンジャを訝しみながら、ベロニカは現状を整理して次に打つべき手を模索する。
「ふむ……ひとまず近場に看板をつけて……この近辺の路地裏でも探すわ……」
「洞察力ダケデハナイ、ユーベルコードヲ使イコナシテイル……!」
「? 敵に怪しまれないよう、つけるのはネオン看板にしておくわ」
「ソシテ判断ハ常識的、カツ慎重ニ事ヲハコボウトシテイル……ダガ!!」
アジテイターは今日一番のカッコイイポーズを取ってバサバサした。
しかし特に何も起こらなかった!
「これは……ネオン看板よ」
「ホウ、隠密能力カ……ヨシ、行クゾ」
ベロニカのユーベルコードで認識しづらくなった二人がサイバーごちゃごちゃした街中に消えていく。少しふらつきながら先導するアジテイター。そこでベロニカは思わず足を止めた。
(み、見間違い……? 今、カニに手をついていた……のに……痛みは無いの……?)
傷口からの出血もほとんどないように見えるアジテイター。
どういうことなのか……疑念は膨らんでいくが、
「い、いや。見間違いね……」
ベロニカはそれ以上考えることをやめて捜索に意識を切り替えた。
オブリビオンでも猟兵でもないただの人間がそんな状態で動けるわけがないのだから……。
「故意に汚染された食料から骸の海を摂取し続けた人間は、やがて体を高価な義体に換装して生き延びるしかなくなるが……それは命を握られ、奴らの奴隷として生きるようなものだ」
「……きっと生きていた頃のあんたは、それが許せなかったのね。アジテイター」
実験台として骸の海を過剰に投与され、有用なユーベルコードに目覚めた『オブリビオン』ですら使い捨ての奴隷のように使役するのがメガコーポ(巨大企業群)なのだ。利用価値のない一般人の命など省みられることは無かったことだろう。
「骸の海に汚染された人間は奇妙な病を患うこともある……だがその寿命は短いと聞く……」
「それって……アジテイター、あんたはひょっとして……」
「無知なる者を利用し、己の利益の為だけに……無垢な信頼を向ける者さえ……父親が自分の娘からでさえ搾取する……! ゆるすことができるか……? なぁ、ゆるせるか……ッ!?」
「……そう。そうだったのね。だから、あんたは……」
バイザー越しの表情は見えずとも、その燃え滾るような激情はベロニカにも覚えのあるものだった。人の中にある『希望の芽』――それを摘もうとする者を彼女が許せないのと同じように、彼にもまた引けぬ一線があったのかもしれない。
「……お前も気づいているだろうが、今の俺はオブリビオンだ。もっとも、オブリビオンとしてもすでに死んだ体……今はゾンビのような状態だが……」
「だから、ネオン看板で痺れなかったのね。でも、死体が一体どうやって動いて……?」
うすうす勘付いていた事実を本人の口から聞かされ、だけどどうしてもわからない疑問。
アジテイターは口元にハードボイルドな笑みを浮かべ、言った。
「功夫だ」
「功夫」
功夫の ちからって すげー!
「チョットクライ死ンデモ大丈夫。ソウ、功夫ナラネ……!」
「あ、愛の力とかそういうのじゃないのね……」
「シリアスデモギャグデモ大丈夫……ソレガ功夫ナンデス!」
ベロニカたちは回るお寿司屋さんで打ち上げをしていたモモモと猿渡を襲撃した。
「こっちはちゃんと真面目(?)にオブリビオンしてるのね。ネオン看板で痺れてくれてありがとう、モモモモモモモ=モモモ=モモ……と猿渡!」
「やめろ……やめてくれ、そのジツは俺に効く」
「問答無用! くらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえ くらえェェェ!!!」
「くっ……だがその時、ふと閃いた! この経験もトレーニングに活かせるかもしれない!」
モモモと猿渡は死んだ。
まだどこかにクローンがいる可能性はあるが……仕方ないね。
それからベロニカはそれからついでに骸の海の在庫を破壊したが……。
「……あとは、この世界は私たちが――猟兵がなんとかするわ。だから、あんたはもう」
「アア、……ありが……とう……」
アジテイターはもう、真っ白に燃え尽きていた。
こうして、自らの心の上に刃を当て――洗脳し、オブリビオンとして狂いきってしまう前に自らを殺して貰うべく抗っていた男は、ようやく眠りについたのだった。
大成功
🔵🔵🔵