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脳直ステルスマーケティング!?

#サイバーザナドゥ #サイバースペース

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#サイバーザナドゥ
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#サイバースペース


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●グリモアベース:ゲネ
「新たに姿を表した世界、『サイバーザナドゥ』! 今回はサイバースペースにダイブして大暴れしてもらうぞ!」
 ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は当者比テンション高めで、サクサクとホロモニターに情報を展開し始めた。
 サイバーザナドゥで幅を利かせる無数のメガコーポ。その中でもオムツから墓場まで多種多様な商品を取り扱うとある巨大商社の、これまで巧妙に隠匿されてきた犯罪行為の証拠データが、サイバースペース内に漏洩する可能性が予知されたという。
「漏洩するのは、当のメガコーポ傘下のネット系ベンチャー企業から。よくあるゲーム会社なんだが、どうもここで開発されたオンラインゲームのプレイヤーに奇妙な傾向が現れているらしい」
 ゲーム内では商社に関連する内容は出てこない。にも関わらず、どうやらオンラインゲームをプレイした直後から、親会社である巨大商社の商品の購買率が爆発的に高くなっているようだ。中には購買意欲自体がスイッチしたかのように散財する人物もちらほら見受けられ、当然それに比例して商社の儲けも大きくなっているわけだ。
 この状況に気づいたレジスタンスが「ゲーム内で不正なステルスマーケティングが行われている」と睨み、現在ゲーム内にダイブして内偵調査を実施しているという。
「犯罪としてはしょぼいように思うかもしれんが、儲けの上がり幅が尋常じゃないこと、巨大企業のくせに堂々と広告を打たずにこそこそサイバースペースに隠れて動いていること、そして当のプレイヤー達に全く自覚がないこと……これらを総合して考えるに、かなりヤバい洗脳技術なりユーベルコードなりが密かに利用されている可能性が高い。ゆくゆくは軍事転用や民衆扇動なんかに応用されることも考えられるな。なんとしても初動で止めないと……っと」
 モニターにノイズが走り、ゲネは一気に表情を深刻化させた。
「……緊急事態発生だ! 内偵調査中のレジスタンスがしくったらしい。サイバースペース内のゲーム空間から逃走中だ。至急サイバースペースにダイブしてレジスタンスの撤退を援護し、その後速やかに犯罪の証拠を奪取してきてくれ! 相手はメガコーポ、うまく叩けば他にもホコリが出るかもしれんぞ……!」
 ゲネは大量のホロモニターを一斉に反転させて転送術式で埋め尽くすと、威勢よく猟兵達を送り出すのだった。


そらばる
 サイバーザナドゥ、サイバースペースへ。
 企業の犯罪行為の証拠データを奪取しましょう!

●戦場
 サイバースペース内での作戦行動となります。
 サイバースペースは「まるで生身そのままのように活動できる電脳空間」です。サイバーザナドゥのあちこちにあるフリーポータルから誰でも自由にアクセス可能。ユーベルコードの使用もできます。
 ゲーム世界なのでアバターはお好きにどうぞ。

●第一章:冒険『レジスタンスの撤退を援護しろ』
 サイバースペース内のゲーム空間にダイブして、ゲームキャラクターの姿をしたセキュリティプログラムに追いかけられているレジスタンス達の撤退を援護してください。
 複数のレジスタンスが色々な種類のゲーム空間で逃げ回っています。どういうゲームかは任意で決めてもらってもかまいません。

 第二章は集団戦、第三章はボス戦です。

 めちゃくちゃ活躍すれば、目的の証拠の他にお宝データが見つかるかも……?

 執筆の進捗やプレイング締め切りなどは、マスターの自己紹介ページで呟いております。目安にどうぞ。
 それでは、皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
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第1章 冒険 『レジスタンスの撤退を援護しろ』

POW   :    ●『追手を迎撃する』

SPD   :    ●『レジスタンスを安全な場所まで護衛する』

WIZ   :    ●『妨害工作をする』

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

堂島・アキラ
まさかオレがオンラインカジノで散財しちまうのもコイツらのせいか?
許せねえ。この商社の商品は買ったことも見たこともねえが、それはなんか裏があんだろ。たぶん。

で、これはなんのゲームだ? まあなんでもいいけどよ。
レジスタンスの野郎を見つけたらオレのバイクを貸してとっとと逃がすぜ。
速さなら誰にも負けねえがその分操縦はむずい。まあ頑張れ。傷つけたら承知しねえからな。

オレはここで追手の足止めだ。サブマシンガンぶっ放して全員ハチの巣にしてやる。
銃に【サイバーリンクシステム】を接続すりゃ、テキトーに弾ばら撒いても照準を補正してくれるから楽なもんだぜ。



●夜景に瞬く銃撃
「まさかオレがオンラインカジノで散財しちまうのもコイツらのせいか?」
 ステマによる異常な商品購買意欲の向上。その事実を知らされた瞬間、堂島・アキラ(Cyber×Kawaii・f36538)の胸に生じたのは以上の結論であり、以下の感情である。
「許せねえ。この商社の商品は買ったことも見たこともねえが、それはなんか裏があんだろ。たぶん」
 そんなこんなでアキラはツッコミ不在のまま問題のゲームにダイブした。
 幾多の走査線が走る電子的なサイバースペースの輝きから、リアルなグラフィックの仮想空間へ。そこはサイバーザナドゥの都市に似て非なる、架空の未来都市の夜景だった。
「で、これはなんのゲームだ? まあなんでもいいけどよ。……っと、さっそくやってるな」
 激しいドンパチの音を聞きつけてバイクを走らせてみれば、手榴弾らしき爆発と盛大な煙に押し出されるようにして、レジスタンスらしき男が路地裏から吐き出された。
 アキラはレジスタンス達を守るように滑り込むと、まだ姿もろくに見えていない追手に向けて牽制の銃弾を乱射した。
「おいお前! オレのバイク使って逃げな!」
「は!? なんだアンタ……いいのか?」
「速さなら誰にも負けねえがその分操縦はむずい。まあ頑張れ。傷つけたら承知しねえからな」
「……わ、わかった、恩に着る!」
 少々言葉足らずながらも有無を言わせぬ指示と、迫りくる危機に背を押されるように、レジスタンスはバイクに跨がり速やかにその場から逃走した。
 と同時にようやく煙が晴れ、アキラの目前に敵が姿を現した。サイボーグ化された特殊部隊と思しき連中だ。おそらくここは都市を舞台としたFPS系ゲームなのだろう。
 が、そんな細かいことは些細なこと。アキラはアキラのやり方で足止めするのみだ。
 サブマシンガンを電脳と有線接続。アキラがどんなに大雑把に銃を捌いても、照準はオートで補正されていく。
「さぁて、お前らの相手はこのオレだぜ?」
 思う存分ぶっ放されるサブマシンガンの弾丸に、追手は一人残らずハチの巣にされていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

推葉・リア
うっわぁー!すごーい!ゲーム世界に入るのってこれで2回目だけどこっちはこういう仕様なのねすごーい!!………はっ!感動してる場合じゃないわ!レジスタンスの人助けないと!

レジスタンスの人達を見つけたら『指定UC』で銃や遠距離攻撃が得意な推しキャラ達を召喚して敵との間に降り立って私の狐火も使ってこちらも銃撃戦で応戦して助けるわよ!

んーしかし広告かぁ……あれ無料ゲームの開発運営の貴重な資金源だから表示されるのは仕方ないけど洗脳は駄目よね、ところでどんなアハ体験やサブリミナルな広告なんだろう?気になる……
敵部隊殲滅してレジスタンスの人助けて後、それも調べられたら調べたいな

【アドリブ共闘歓迎】



●摩天楼に降る流星
「うっわぁー! すごーい! ゲーム世界に入るのってこれで二回目だけどこっちはこういう仕様なのねすごーい!!」
ゲーム空間にダイブするや、推葉・リア(推しに囲まれた色鮮やかな日々・f09767)は素直な感情を爆発させた。
 リアルなグラフィックで構築されている景色は、科学と魔法が入り混じった魔法都市の摩天楼。
 遥か彼方のビル壁を垂直に走るレジスタンスと、それを追う魔法結社らしきローブの集団。ここはどうやらアクションゲームの類らしい。グラフィックもギミックもアクションもなかなか良く出来て……
「………はっ! 感動してる場合じゃないわ! レジスタンスの人助けないと!」
 リアは我に返り、ビルの間を走る空中滑車の上に飛び乗るやユーベルコードを解放した。
「私の声に応えて!」
 滑車の上やあちこちのビルの屋上、尖塔の上に、電子的なノイズデータを振り払うようにして多数のゲームキャラクターが次々に召喚されていく。魔法使い、銃士、弓使い……多種多様なあらゆるゲームにおける遠距離専門の推しキャラクター達。
「はぁ~何度見ても好き! みんな、よろしくね!」
 リアの言葉を号令として、キャラクター達が一斉に攻撃を開始した。建物から建物へのパルクールチェイスでレジスタンスを追いかける結社達を、遠距離魔法が、銃撃が、弓矢が、正確に貫き次々脱落させていく。
「んーしかし広告かぁ……あれ無料ゲームの開発運営の貴重な資金源だから表示されるのは仕方ないけど洗脳は駄目よね。ところでどんなアハ体験やサブリミナルな広告なんだろう? 気になる……」
 自身も狐火を飛ばしながら、リアは好奇心旺盛に思い巡らせる。とはいえ、まずはレジスタンスを助けなければ始まらない。
「レジスタンスの人達に訊けば何かわかるかな? よーし、これが終わったら聞き取り調査だね!」
 狐火、魔法、銃弾、弓技。多種多様な輝きはあたかも流星群の如く摩天楼を飛び交い、圧倒的物量で追手を制圧していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワタリ・イブキ
ほう、これがサイバースペースか。妾が眠っておる間に、人の子は随分と面白いものを作り出したのじゃな。
(アバターの姿は現実世界と同じ)
…うむ、動くに障りは無いな。では、早速務めを果たすとしようぞ。

他の猟兵と手分けしてレジスタンスの救援に向かう。
妾が向かった先は…む、追手もニンジャとな?
(サムライエンパイアのような世界を舞台にしたアクションゲームの模様)
良かろう、些か鈍ってはおれど紛い物のニンジャに遅れは取らぬ。

レジスタンスの者達に助けに来た旨を呼びかけ、妾の来た道より逃げるよう促す。
その後を守るように構え、UCにてニンジャ達に手裏剣を浴びせてゆこうぞ。



●ニンジャVSニンジャ
「ほう、これがサイバースペースか。妾が眠っておる間に、人の子は随分と面白いものを作り出したのじゃな」
 ワタリ・イブキ(鴉忍・f36634)はネオン街にも似たサイバースペースを見渡し、次に自分自身の姿を確かめる。
 アバターは現実世界の自分そのもの。軽く動かしてみても、自分の身体と感覚は変わりない。
「……うむ、動くに障りは無いな。では、早速務めを果たすとしようぞ」
 仲間の猟兵達と手分けする形でゲームへとダイブする。電子的な光が上方へ去り、景色は一変した。
 イブキが降り立ったのは高台の寺の鐘楼の屋根の上。眼下には月夜の、サムライエンパイアを思わせる街並みが広がっている。
「これが偽物とは、大したものよ……む、追手もニンジャとな?」
 下方、闇夜の辻を横切ったレジスタンスらしきプレイヤー数名と、それを追う黒衣の忍集団。どうやらここは忍者もののアクションゲームのようだ。
「良かろう、些か鈍ってはおれど紛い物のニンジャに遅れは取らぬ」
 イブキは急ぎ街へと降った。民家の屋根から屋根へと進み、入り組んだ路地を必死に走るレジスタンス達へ呼びかける。
「そこな者達! レジスタンスじゃな?」
「!? 何者だ!?」
「そう警戒するでない、妾は味方よ。このまま路地を抜け、高台の寺へゆけ。ここは妾が引き受ける」
 レジスタンス達は逡巡している様子だったが、追手は容赦なく距離を詰めてくる。イブキは彼等の最後尾に回り、忍集団に立ちはだかる形で構えをとった。
「ゆけ!」
 再度の呼びかけに突き飛ばされるように、レジスタンス達はイブキに指示された方角へと逃走していく。
 その気配をしかと背中で見届けながら、イブキは周囲を取り囲みつつある忍集団に不敵な笑みを向ける。
「さあ、続きは妾と遊んでおくれ。──真のニンジャたる者、手裏剣などは己の闘気より作り出すべし!」
 瞬迅たる飛剣がお江戸の夜を斬り裂き、忍集団とイブキの闘争が幕を開けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。



●料理という攻撃力
 辺りに立ち込めるいい匂い、色とりどりの食欲を刺激する食材達。
 ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)は嬉々として目を輝かせる。
「にゃぁぁぁん、ご飯いっぱいなのにゃ!」
 目の前にあるのは野外のお祭り会場のような厨房だ。どうやら運良く料理ゲームにダイブできたらしい。
 いかに料理を手早く作り、的確に客に提供できるか、というタイプのゲームである。メガコーポとレジスタンスの抗争とはとんと無縁に思えるが……
「うにゃぁ、作るより食べるほうがもっといいにゃぁ……にゃ! あれは!」
 レジスタンスらしき人物が、包丁やフライパンを掲げるコック帽の料理人集団に襲われている! ミーヤはケモ耳と尻尾を逆立てると、ユーベルコードを発動した。
 現れたガジェットは、可動式調理台一式。高速で食材を切り、フライパンで肉を焼き、オーブンでパンを焼き……ゲームの手順に則って猛然と料理を作るミーヤを乗せて、ジェットエンジンで滑空しながら、料理人集団の背後を猛追する。
「ご飯を作ってくれる人に悪い人はいないのにゃ……けど、ご飯を作るのを忘れて誰かを傷つける料理人は、ぜぇったいに悪い人にゃ!!」
 しゅぱぱぱぱ!とできたてホヤホヤのハンバーガーが宙を舞う。素晴らしい手際で作り出されたバーガーは空中分解することもなく、スポスポスポッと料理人達の口の中に次々飛び込んだ。
 ピタリ、と料理人集団の動きが一斉に止まる。
「んー……グレイト!」
「……エクセレンッッッ!!」
「いやちょっと好みじゃない」
 じっくりバーガーを噛みしめる料理人達。料理を提供されたらちゃんと採点するのがゲームの決まりごとである。
 あまりに間抜けな絵面にレジスタンスまであっけにとられて足を止めている。
「……ナニコレ」
「さあ、今のうちに逃げるのにゃ!」
「あっはい」
 かくてミーヤと料理人達との料理対決(足止め)は幕を開け、レジスタンスの逃走に大いに寄与したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

和田町・いずみ(サポート)
電脳魔術士×魔女です。
大人しい18歳の女性で、何かに熱中すると猪突猛進します。
天然クールで少々ポンコツです。
基本的口調は一人称は私、相手に対しては~さん付け、です、ます、でしょう、でしょうか?と穏やかで丁寧な話し方。
電脳魔術でハッキングするのが得意。
趣味は鉄道が好きな乗り鉄です。

アドリブ・連携は大歓迎。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●線路は続くよ
 和田町・いずみ(人間の電脳魔術士・f07456)の眼下には、様々な電車が複雑な線路を行き来する真昼の都市があった。
「都市開発系のゲームでしょうか。俯瞰モードと一人称モードがあって、道や線路を自由にカスタマイズできる……なるほど」
 空中に浮遊するような形で都市を見下ろしながら、いずみはUIから情報を拾っていく。
 都市の俯瞰図をつぶさにチェックしていくと、NPCにしては妙な動きをしている一団を発見した。どうやら敵は警察官キャラのようだ。一人だけ突出しているのがおそらくレジスタンスだろう。
「……見つけた。レジスタンスの方、聞こえますか!?」
 いずみは電脳魔術を走らせハッキングでレジスタンスに直接音声を繋いだ。相手側からは驚愕の声が返ってくる。
『な、なんだこの声……誰だあんた!?』
「メガコーポの件の協力者です。現在レジスタンスさんは一人称モードでロックされていて、こちらで転送させることもできません。ですが誘導はできます。こちらの指示に従って目標ポイントへ向かってもらえますか?」
『……。他に道はないな、従おう』
 いずみの指示通りに進むレジスタンス。いずみはゲームのビルド機能で道路を寸断させたり信号を付け替えたりして追手を撒いていく。
「次の交差点を左へ! あとはガイダンスラインに従って進めば駅へ……そう、その電車の先頭に乗ってください!」
 次から次へとキリがない追手をギリギリで振り切って、レジスタンスが発車直前の先頭車両に滑り込んだ。他の車両はいずみがハッキングで即座に切り離し、身軽になった電車は猛スピードで走り出した。
 後続車両は線路を切り替えて突き放し、他の交通機関による追走はビルド機能によって地形ごと変化させて凌いでいく。
『これでもう安全です』
「見事なもんだな……」
 目まぐるしく変わる景色の中で、電車は迷うことなくまっすぐに安全エリアへの線路を突き進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

式之・神子
おンやぁ、やっちまったンだなァ
でもポポスレ民とこの私が来たから安し
\サイバーニンジャなら無料!/
話途中に広告うるさいンよ!
これも商社の仕業、きっとそうなンよ

そこの運営が中の人感丸出しのNPC止まるンよ
止まらないとこうするンよ
画面外からのおしおきストレートの【騙し打ち】パーンチ
レジスタンスの皆は『ディメション★パニック』のワープゲートからポポスレ民がおっ立てた臨時コミュに逃げるンよ
大丈夫なンよ!このワープゲート加速とか減速とかついてるけど今回効果切ってるンよ!
重要データ?...暇なポポスレ民がクソ広告批評を始めてるンよ
広告を【ハッキング】して、怪しいプログラムが書き込まれていないか見てみるンよ



●VS広告
 式之・神子(人工無能・f36534)が降り立ったのは、曇り空の下の退廃的な都市の、ビルの上だった。
「おンやぁ、やっちまったンだなァ。でもポポスレ民とこの私が来たから安し」
『\サイバーニンジャなら無料!/』
「人が話してる途中に広告うるさいンよ! これも商社の仕業、きっとそうなンよ」
 空気を読まない街頭広告を叱りつけて建物から建物へと飛び移っていると、喧騒は向こうからやってきた。明らかにユーザーであるとわかる数名が、四足ロボット型の敵キャラクターに追いかけられているのだ。
「──そこの運営が中の人感丸出しのNPC、止まるンよ」
 集団が真下に通りかかったのを狙い澄まして、神子は無造作に飛び降りた。画面外からのお仕置きストレート騙し討ちパンチ。重力加速度を乗せた強烈な衝撃に全身をかち割られ、四足ロボットはあえなく爆発四散した。
「止まらないとこうするンよ」
 すでに聞こえていないロボットに捨て台詞を投げつけると、神子はウニューンとワープゲートをその場で開いて、呆然としているレジスタンスたちに向き直った。
「すぐに追手がくるンよ。レジスタンスの皆はこのワープゲートからポポスレ民がおっ立てた臨時コミュに逃げるンよ」
「コミュ……? え、いや、いきなり何……?」
「大丈夫なンよ! このワープゲート加速とか減速とかついてるけど今回効果切ってるンよ!」
「えぇぇ……」
「って、おい、押すな押す──ぁぁぁっ!?」
 ぐいぐいワープゲートに押し込まれ、レジスタンス達が次々ワープしていく。と同時に別の追手ロボットが駆けつける音が迫ってくる。神子は跳躍して再びビルの上に戻り、巨大広告の裏に身を潜めた。
「んん? 重要データ? ……暇なポポスレ民がクソ広告批評を始めてるンよ」
 コミュ内のレスを眺めているうちに、神子はふと、今まさに隠れ蓑にした街頭公告の裏面を見やった。
「調べてみっかァ」
 ハッキングプログラムが密かに駆け巡り、巨大広告の電子画面にかすかなノイズが走った。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『アナボリック・ジャイアント』

POW   :    ギガンティック・オーバードーズ
【大量の違法薬物】を使用する事で、【体からガトリングガン】を生やした、自身の身長の3倍の【サイボーグ巨人】に変身する。
SPD   :    ガイデッド・ロケットアーム
【人工頭脳のコントロール】によって、自身の装備する【飛翔式ロケットアーム】を遠隔操作(限界距離はレベルの二乗m)しながら、自身も行動できる。
WIZ   :    ポリューション・アトモスフィア
自身の【肉体】から【気化した大量の違法薬物】を放出し、戦場内全ての【近接攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●さらなる追手
 猟兵のおかげで危機を脱したレジスタンス達は、足がつかないよう特殊なログアウト経路を構築しながら、限られた時間で猟兵達に語りかけてくる。
「俺達もいろいろ調べたが、どうもサブリミナル広告のようなわかりやすいものではなさそうなんだ」
 曰く、ゲーム内で広告を一度も見ていないにも関わらず、すでに購買意欲の向上を覚えているメンバーもいるらしい。
 もっと強制的で、かつ回避不可能なシステムに絡んでいるに違いない、と。
「まだ確証は取れていないが……」
 レジスタンスが言いかけた瞬間、周囲の景色がぐにゃりと歪んだ。
 周囲のグラフィックが、凄まじい速度でアポカリプスヘルの如き不毛の荒野に描き換えられていく。
「……まずい! ログアウト経路を封鎖された!」
「気づかれたか……来るぞ!」
 機密データを嗅ぎ回る猟兵の存在を察知されたのだろう、周囲に次々にオブリビオンが転送されてくる。
 薬物の過剰投与なのだろう、異常肥大した肉体と強靭な筋力を持ち、強力なサイバーザナドゥに改造された男達……『アナボリック・ジャイアント』だ。
「……対象ヲ発見。排除開始」
「排除開始」
「排除開始」
 無機質な声、動作。何者かからの命令のままに動く傀儡といったところだろう。

 まずはこいつらを排除しなければ、レジスタンスの撤退どころかろくに話もできない。
 幸いレジスタンスにもある程度の戦闘力はある。それなりの援護射撃は見込めるので、それを前提として動くのもいいだろう。
 大した敵ではないが、数が多い。存分に蹂躙し、全滅させよう!
星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
 人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
 普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●素早く的確に
 星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)は流星の聖剣を構え、静かに呟く。
「この剣に、私の誓いを込めて」
 瞬間、ユーベルコードが光となって全身を駆け抜けると同時、杏梨は弾丸の如く飛び出した。
 極限まで研ぎ澄ませた反射神経で、戦場を飛び交う大量のガトリングの弾丸を一発残らず捉えて躱しながら、一気に敵陣へ迫る。鋭く戦場を斬り裂くようなその軌道は、まるで色のないいかずちの如し。
(「違法薬物の臭気……」)
 大量のアナボリック・ジャイアント達の纏う、汗や呼気のかすかな雲に薬物の気配を嗅ぎ取り、杏梨は冷静かつ迅速に動く。薬物の気化がいっそう進めば近接攻撃が届かなくなる……。
 そうなる前に、一体でも多く倒すのだ。
「──その動き、見切ったわ!」
 鋭角に、抉るように。いかずちの如き剣閃が、巨体の群れを縦断した。
 一帯に、時間が停止したかのような静寂が降りる。
 振り切った剣を水平に構えて静止していた杏梨は、柄に残る攻撃の余韻を振り払うように剣をおろした。
 剣の刃が静かに鞘に納まると同時、棒立ちのまま静止していたジャイアント達のサイバーザナドゥが細切れに分解し、傾いだ巨体は次々にプログラムに分解されて消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

六代目・松座衛門(サポート)
ヤドリガミの人形遣い×UDCメカニック。人形を用いて異形(オブリビオン)を狩る人形操術「鬼猟流」の使い手です。
ヤドリガミの特徴である本体は、腰に付けている十字形の人形操作板です。
戦闘中は言い捨てを多用します。

UCは全て人形を介した物で、装備アイテム「鬼猟流・戦闘用人形」か、その場にある生物を模った物を操り戦います。
ただし、操作対象の切り替えは素早くできますが、同時操作は基本的にできません。

非常に多数の敵と戦う際は、自身も武器アイテムを用いて戦いますが、徒手空拳は苦手です。
極力、多数の敵を同時に相手にしないように地形の利用や仲間との連携を重視し、戦闘を展開する傾向があります。



●傀儡には人形を
「まるで操り人形だな」
 薬物に侵され、運営側の意のままに動いているのであろうジャイアント達の有様を揶揄して、六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)は糸を繰った。
 鬼猟流の戦闘用人形達が、命を持ったように動き出す。「暁闇」は前線で多種多様な武器を振るい、「縛鎖」は敵を罠にかけるようにして捕縛し、「遠離」があらゆる弾丸を射撃して適切にトドメを刺す。瞬間的に人形のコントロールを切り替えることで、流れるような戦術で敵陣をかき乱していく。
「しかし数が多い……」
 松座衛門自身も口径漸減式大型銃「玲瓏」を構え、荒野に転がる文明の残骸を盾にして射撃に加わる。
 攻勢は順調、敵はじりじりと数を減らし始めた。──が、敵陣中央で突如咆哮が上がり、一体のジャイアントが巨大化を開始した。他のジャイアント達すらなぎ倒しながらの肥大化は、元の体積の三倍にまで及ぶ。
 松座衛門は瞬発的に操作板を操り、「暁闇」の操作に集中した。
「的がでかくなっただけだな。──二ノ型、手繰り討ち!」
 瞬時にして巨大ジャイアントの首に巡らせた糸を高速で巻き上げれば、「暁闇」が尋常ならざる速度で接敵、その勢いのまま敵背後に躍り出る。
「これで終わりだ」
 人形の無慈悲な一撃が、敵の首元に刺さったままの注射器を強引に押し込み、針の先端が巨人の中枢神経を貫いた。
 巨人は痛みを表す暇なく一瞬にして絶命し、轟音と共にその巨体を荒野に横たえた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー(サポート)
「戦闘は得意な方に譲りますよ」
自称偵察専門、宇宙出身の竜派ドラゴニアン青年


単純明快が信条、焦るとラフになる以外は概ね穏やかな物腰です
変装・偵察・工作などの非戦闘活動を、特に悪環境下で高く適応して実行する。
他方、猟兵達の戦闘関連のユーベルコードには感心しがちです
全部80点で100点は取れないタイプ


●特徴として
功夫・衝撃波による砲撃戦・結界術の3種が戦術の主体です
全て「偵察技術の延長線で取得した」とのこと
ストーリーや背景を描写する際の進行役や
負傷や撤退などで登場人物の強さや設定などの演出素材としてもお役立てください


月影・左京(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK!

「はわっ!?……大丈夫。私も手伝うから♪」

一人称:私
口調:女性的でラフ(〜よね、なの?、あら〜等)
口癖:はわっ!?
性格:おっとりのんびり。「わぁ!頼りにな……る、の?(笑)」な感じ

基本戦法:【忍び足】で敵の死角に入りメイスによる【気絶攻撃/2回攻撃】。【鎧砕き】も狙うわ!

敵の攻撃は【聞き耳/第六感】をフル活用して【見切り】ます。
※不意打ちを受けた時など、「はわーっ!?」と叫ぶ傾向あり。

状況に合わせ、UCを何でも使用。

但し負傷した猟兵がいれば戦況次第で攻撃より【祈り】の力と【医術】及び【救助活動】で治療。

後はお任せ!
よろしくお願いします☆



●メイスで殴って爆発オチ
 偵察専門を自認するベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)は、ジャイアントの大群になんとも言えない吐息をついた。
「戦闘は得意な方に譲りたいものですが……」
「はわっ!? ……大丈夫。私も手伝うから♪」
 傍らでそれを聞き取った月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)は、おっとりのんびりと励ましの言葉を送った。
 戦場ではすでに他の猟兵が戦端を切っている。かなり派手な戦いぶりだ。
 工作活動を得意とするベルベナ、こっそりこそこそを常套手段とする左京。二人はチラリと視線を合わせて頷き合うと、思い思いの方向に散開した。
 左京は抜き足差し足忍び足で、荒野に点々と散らばる文明の残骸から残骸の陰へ。さらに、猟兵達に倒されたままオブジェクト消去処理が間に合っていない巨大ジャイアントの陰もうまく利用して、上手いこと敵陣の裏をとった。
 周囲はガトリングやロケットアームの発射音でやかましい。気配を消すのもわけはない。
「はわっ! 一匹目っ!」
 完全な死角からのメイス攻撃二連打が、敵後頭部にクリーンヒット。ジャイアントの一体があえなく気絶し地面に沈んだ。
 が、しかし。
「──はわーっ!?」
 左京はほとんど直感的に横っ飛びに跳んだ。と同時にほんの至近距離をロケットアームが猛スピードで通過していく。
 さすがに敵の目が多い。忍んでもいられなくなってはわはわ言いながら攻撃から逃げ回る左京。その真横を、とんでもない角度から衝撃波が駆け抜け、さらに「はわーっ!?」と目を回す。
「大丈夫ですか!?」
 最後の一発はベルベナの仕業だった。分厚い衝撃波による砲撃を絶え間なく撃ち続け、左京の撤退を援護する。
 その腕には若干の手傷。めざとくそれを見つけた左京は、ありがたく援護に乗っかって自陣へ引き返しつつ、退路を塞ぐように立ちはだかる適当なジャイアントへと走り込みながらメイスを振りかざした。
「はわっ! 気合入れていくわよっ!」
 ごいいいぃぃん……! 腹部の金属部分に絶妙に直撃したか、重くてしぶとい、実にいい打擲音が辺りに響き渡った。
 敵にとっては破壊音。猟兵にとっては胸のすく、ちょっとコミカルなクリティカル効果音だ。共感すれば瞬く間に傷が癒える。
「便利なユーベルコードですね……ん?」
 腕の痛みが取れ、一拍遅れてゲームグラフィックが修復されていく。その過程で、ちらりと不正なノイズが瞬いたような気がしてベルベナは訝しむ。
 が、気にしていられる余裕はなかった。敵の攻撃は激しさを増す一方。……そしてそろそろ、敵の集結がいい具合だ。
「……月影さん」
「はわっ、なぁにっ?」
「この一帯を爆破します」
「はわっ!?」
「撤退しますよ!」
「はわーーーっ!?」
 スイッチ一つであらかじめ設置しておいた改造式時限爆弾群が起爆。次々誘爆し、敵陣を大爆発の真っ只中に叩き落とす。
 煙を上げる大爆発を背景に、そつなく撤退するベルベナとずべしゃぁと地面をスライディングした左京は、無事爆発範囲を脱したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

式之・神子
あのねぇ、取り込み中に横から失礼するンじゃないンよ
>>1読ンだ?その様子じゃ読ンでないみたいなンね
じゃあ半年どころか永遠にROMってもらうンよ

ゲーム中の動かせるオブジェクトを【詐欺判定】で剛速球でぶつけるンよ
それねぇ、当たり判定が中心から結構ズレてるンだわ
叩き落そうと物体の中心狙ってもスカるンだわ
あとバグって攻撃判定が残ってしまうンだわ
無に接触して勝手にダメージ受けるンだわ
まぁ、私は当たり判定が赤く見えてるけどね
そいじゃま、パラライズサイバネケーブルをドタマにぶっ指して、電力を根こそぎ【ハッキング】で頂戴して電池切れにしちゃおうねぇ



●システムの穴を突いて
 式之・神子(人工無能・f36534)は不機嫌に敵陣をねめまわした。
「あのねぇ、取り込み中に横から失礼するンじゃないンよ」
 即時ユーベルコードを起動し、プログラムの光を纏いながら、荒野に突き刺さって風化している金属の塊を持ち上げる。歪んだ鉄骨の残骸だ。
「>>1読ンだ? その様子じゃ読ンでないみたいなンね。じゃあ半年どころか永遠にROMってもらうンよ」
 人間一人分の身長はあろうかという鉄骨を、槍投げの容量でぶん投げた瞬間、それはマッハ5.0の速度で疾駆した。
 あわやのところをギリギリで回避したジャイアント達はしかし、見た目以上の当たり判定にぶん殴られて次々に吹っ飛んでいく。ガトリングや飛翔式ロケットアームで対抗する者もいるが……
「それねぇ、当たり判定が中心から結構ズレてるンだわ。叩き落そうと物体の中心狙ってもスカるンだわ」
 ぼやくような神子の説明をいちいち体現するかのように、ジャイアントの対抗は見事に失敗していく。
「あとバグって攻撃判定が残ってしまうンだわ。無に接触して勝手にダメージ受けるンだわ。まぁ、私は当たり判定が赤く見えてるけどね」
 神子は飄々と戦場を渡り歩き、鉄骨の残した軌跡に四苦八苦しているジャイアント達の電脳にパラライズサイバネケーブルをぶっ刺して、手早くハッキングしていく。電力を根こそぎ頂戴してやれば、電池切れを起こしたジャイアント達が面白いようにバタバタ倒れていった。
「ごちそうさンっと。……ん? これは……」
 当たり判定詐欺によって不正な範囲を抉られた地形は、本来見えてはいけないグラフィックの裏側を無防備に晒していたが、ゲームシステムの補正によってか急速に自動修復されつつあった。
 まさにその修復中の断面に走る、奇妙なノイズ──
「おいおい、ステマってのは、まさか……」
 コードを乱暴に引き抜き新たなジャイアントを地に叩き伏せながら、神子の呟きには一つの確信が宿っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワタリ・イブキ
ほう、これは随分と力自慢といった雰囲気よの。
だが、力ばかりで妾に勝てると思うでないぞ?

敵の数が少数ならば、フォームド・シュリケンの【投擲】で手近なものから仕留めてゆく。
多勢ならば、懐に飛び込みアケボノを抜刀・光剣を形成し斬りかかってゆこうぞ。
敵は重火器を多く持っておるようだが、超至近距離の敵に対しては十全に活かすこと叶うまい。一応フレンドリーファイア上等で攻撃してきた時の対応は考えておくとしよう。

敵がユーベルコードで巨大化したなら、その脚を目掛けて轟然たる一撃を叩き込んでくれよう。
巨体を装うは結構だが、そのせいで見える筈のものが見えなくなっては話にならんのう?



●轟然たる一撃
「ほう、これは随分と力自慢といった雰囲気よの。だが、力ばかりで妾に勝てると思うでないぞ?」
 ワタリ・イブキ(鴉忍・f36634)は己が内より闘気を燃え上がらせ、生成した大量の四方手裏剣を敵の先触れに放った。もはやそれは横殴りの弾幕に等しく、敵のガトリングの弾幕に競り勝って次々とジャイアント達を落としていく。
 イブキの脅威度を深刻に見たか、敵陣が厚くなっていく。キリがない。イブキは素早く光剣「アケボノ」を抜刀した。柄から光の刃が形成され、駆け抜けるイブキの動きに合わせてまばゆい軌跡を描く。
 重火器を主戦力とする敵は、やはり超至近距離近接攻撃には対応しきれないようだ。違法薬物を気化される前に、出来うる限り斬り払っておかねばならない。
「──その手は見切っておるわ!」
 フレンドリーファイアお構いなしの奇襲を読み切り、イブキは大きな動きで戦場を駆け抜けて銃口を左右に振ってやった。無慈悲なガトリング弾が複数のジャイアントを背中から撃ち抜いて、多少数を減らしてくれる。
「……モード:ギガンティック・オーバードーズ」
 ジャイアントの一体が出し抜けに背部を変形させると、中から突き出た巨大注射器がジャイアントの中枢神経に直接大量の違法薬物を打ち込んだ。その肉体は見る間に体積を増し、見上げるほどの巨人へと変化していく。
 グォォォォオ! 巨大ジャイアントが吠え、大粒のガトリング弾が地に降り注ぐ。一発一発が大地を揺るがす重量。
 しかしイブキは振動も衝撃も爆発も難なくすり抜けて、敵の足元へ一息に迫る。
「巨体を装うは結構だが、そのせいで見える筈のものが見えなくなっては話にならんのう?」
 揶揄すると同時に跳躍、一瞬にして巨人化したジャイアントの頭上の高さにまで到達するイブキ。
「この一撃にて、終いじゃ!」
 超高速の拳が空を抉り、巨人の眉間を穿つ。
 頭蓋の砕ける轟音と巨人の絶叫が、戦場に轟き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

堂島・アキラ
ま、あんだけ派手に暴れて追手が来ない方がおかしいよな。遊び足りないと思ってたからちょうどいいぜ。
レジスタンス共はケガしたくなきゃ下がってろ。コイツらはオレが全員ぶっ潰す。
おっと、バイクは返してもらうぜ。

さあて、相棒も返してもらった事だし早速ひとっ走りするか。
銃弾やロケットアームをうまいこと躱しながら敵陣に突撃だ。
すれ違いざまにデスアックスを叩き込んでサイバースペースの彼方までブッ飛ばしてやる。



●サイバーザナドゥ最速伝説
「ま、あんだけ派手に暴れて追手が来ない方がおかしいよな。遊び足りないと思ってたからちょうどいいぜ」
 堂島・アキラ(Cyber×Kawaii・f36538)はレジスタンス達を背に庇うように佇み、好戦的に敵群をねめまわした。
「レジスタンス共はケガしたくなきゃ下がってろ。コイツらはオレが全員ぶっ潰す。──おっと、バイクは返してもらうぜ」
 レジスタンスが物陰に隠れたのを確認し、速やかに返却された相棒に跨りエンジンを軽く吹かせば、意識は一気に戦いへ没入していく。
「さあて、早速ひとっ走りするか」
 高らかな駆動音を上げて弾丸の如くバイクが飛び出した。水平に降り注ぐ大量の弾丸やロケットアームが迎え撃つが、アキラは人馬一体となって、巧みにハンドルを操り、車体を地面スレスレまで倒し、時に旋回を入れ、敵の猛攻を紙一重で躱していく。
「愛してるぜベイビー! どこまでも突っ走ってやろうぜ!」
 弾丸が頬をかすめても気にしない。派手に地面に突き刺さったロケットアームをジャンプ台にして、一気に敵陣へと突っ込む。
「サイバースペースの彼方まで──ブッ飛べ!!」
 すれ違いざまに荒々しく叩き込んだデスアックス『Quietus』がジャイアントの腹部にめり込み、吹っ飛ばす。
 凄まじい速度で宙へと打ち上げられた巨体は、グラフィックの限界を突き破ってプログラムの塵となった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ガランド・クレメンテ』

POW   :    『シゅウり ヲ かイし シまス』
自身の【修理した機械兵の大軍】ひとつを用いた行動・攻撃の威力を3分間3倍にする。終了後[修理した機械兵の大軍]は【自動発動する自爆装置】により破壊される。
SPD   :    『わタし ハ しュうリ を スるダけ デす』
対象にひとつ要求する。対象が要求を否定しなければ【心身の自由と思考力・判断力】、否定したら【逃走手段と戦闘手段】、理解不能なら【理性と正気】を奪う。
WIZ   :    『シゅウりヲしュうリをシゅウりヲしュうリを――』
【この世界の何処かにある廃棄場のひとつ】に封じた【様々な材料・廃棄された機械兵等】と合体し、あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になる。ただし解除時にダメージを全て受ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は穂積・直哉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●修復管理AI
 全てのアナボリック・ジャイアントを討ち果たした猟兵達。
 その戦いぶりをモニタリングしていたレジスタンス達と、戦闘中に表出した奇妙な違和感を突き合わせて、猟兵は一つの結論に達した。
「修復システム……! そうか、盲点だった!」
 彼等の中でもようやくつじつまが合ったようで、レジスタンス達も感心の声を上げている。
 ゲームではグラフィックや文字、数値などがバグることはままある。この会社のゲームでは、どうやらリアルタイムでそういったバグを取り除くようAIの管理者を置いているらしい。
 その修復作業にかこつけて、特定企業の商品への購買意欲を増進するプログラムなりユーベルコードがプレイヤーに直接流し込まれているようなのだ。
「上手いやり方だな……バグ修復は多少なりプレイヤーへの干渉行為が発生するが、ゲーム開始前の利用規約で承諾してしまっているから、個人の防壁はまず機能しないし気づかない。とんだステルスマーケティングだ……な!?」
 唐突に、周囲の光景がまたしても変化した。今度は走査線が規則正しく走る無機質な闇の世界……剥き出しのサイバースペースそのものだ。
「シんニゅウしャ の ハいジょ ニ しッぱイ」
 機械的な合成音と共に、少女型のプログラムが猟兵の眼前に転送された。人形めいた、奇妙なAIだ。
「ふェーズ ふァいブ に イこウ。シきベつコード 『ガランド・クレメンテ』 にヨる チょクせツかイにュう ヲ かイし」
「『ガランド・クレメンテ』!? こいつだ、こいつが修復管理AIだ!」
 敵出現によって閉じかけているログアウト経路に押し込まれながら、レジスタンスのリーダーが猟兵達へ声を荒らげる。
「こいつがステマの元凶だ、こいつを倒してデータを引き抜ければ、それが証拠になる! ああくそっ、あともう少しなのに──!」
 撤退の潮時を読んだレジスタンス達は、リーダーを無理矢理引きずり込んでログアウトを敢行した。直後、経路は閉ざされ空間は完全に閉鎖された。
 レジスタンスは去り、残るは敵と猟兵のみ。
「……ハいジょ シまス」
 無機質な、壊れかけの合成音声で、ガランド・クレメンテは淡々と宣言した。

 敵はゲームの中枢を担う管理AI。ゲーム内のあらゆるNPCプログラムを操り、猟兵にぶつけてくるだろう。
 だがそれだけに、彼女からデータを引き抜ければ、企業の不正の動かぬ証拠となる。
 なんとしてもここでガランドを討ち、証拠データを入手すると同時に、ここでステマ行為も頓挫させてしまおう!
式之・神子
修理させろ?何言ってンのかよくわからンよ
私に正気はある様で無いって?言ってくれるンよスレ民よぉ
ンじゃま、デバッグモード起動して適当に設定弄って無力化するンよ
UCの行動対象項目を敵対者から自分自身に変えるンよ
で、UC発動回数を無限にしてやるンよ
これで止めたくても止められない質問責めのループに陥って勝手に自滅するっしょ
かわいそーだからスレ民特製プログラム集からオーバークロックツールつけてやンよ
爆速でセルフ質問責めでしまいにCPUが熱もって『焼き鳥』になるかもね
その隙に【クラッキング】で強引に構成データの中身こじ開けて【ハッキング】でデータを吸い上げるンよ
開発者の愚痴テキストの一つ二つくらいねーかな



●デバッグでバグらせる
「わタし ハ しュうリ を スるダけ デす。シゅウり ヲ さセて クだサい」
「修理させろ? 何言ってンのかよくわからンよ」
 ガランドの要求に、式之・神子(人工無能・f36534)は肩をすくめた。目の前の人形に応対しているようでいて、意識は毎度おなじみのスレッドに夢中だ。
「リかイでキなイ なラば リせイ と シょウき ヲ いタだキまス」
「理性と正気ィ? ……私に正気はある様で無いって? 言ってくれるンよスレ民よぉ」
 とはいえこれがステマに流用された能力だとすると厄介だ。神子は敵のユーベルコードが効力を発揮する前に、自前のユーベルコードを発動した。
「ンじゃま、適当に設定弄って無力化するンよ。もしもーし? 管理人さーん?」
 呼びかけた先は第四の壁の向こう側。きっとそこにいるだろうメタな上位存在が戦場をデバッグモードへと変貌させてくれる。
 速やかにデバッグモードを掌握した神子は設定に介入した。敵ユーベルコードの発動対象を「敵対者」から「自分自身」へと変更。さらに発動回数を「無限」に設定すれば……
「シゅウり ヲ さセて クだサい──カいトうフのウ──しュうリ を サせテ くダさイ──しスてム に フぐアいハっセい──しュうリ を サせテ……」
 ガランドは止めたくても止められないループ状態に。
「これで勝手に自滅するっしょ。かわいそーだからスレ民特製プログラム集からオーバークロックツールつけてやンよ」
「──※▲@$○〆+◆♯♪▽◎¥■*」
 さらに自問自答ループはキュルキュルと聞き取れないほどの爆速へ。CPUが熱を持ち、ガランドの全身がカタカタと怪しい挙動を取り始めている。
「『焼き鳥』になるのも時間の問題かもね。ンじゃ、その隙に……開発者の愚痴テキストの一つ二つくらいねーかな」
 ついに煙まで上げ始めたガランドを尻目に、神子は容赦なくクラッキングを仕掛け、強引にこじ開けた構成データの中身を漁り、データというデータを吸い上げていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

推葉・リア
サブリミナルやアハ体験じゃなくてバグ修復やメンテの合間に購買欲をプレイヤーに流し込んでたのね、余計にタチ悪いわ!

合体するなんて凄いわね、しかも無敵……けどそれも制限があるし無敵状態でも攻撃判定があるなら……ひたすらに攻撃するだけよ!『指定UC』を発動して【継続ダメージ】も付与しながらガンガン攻撃するわよ!
相手の攻撃は【第六感】で避けて……
あとは【目立たない】ように【忍び足】で相手に近づいて【ハッキング】してデータ少しでも抜き取れないかな?

……そういやゲームの最初の規約って……私まともに読んでないなぁちゃんと今度から読もう……覚えてたらだけど……

【アドリブ共闘歓迎】



●メタルなドラゴンと狐火
「サブリミナルやアハ体験じゃなくて、バグ修復やメンテの合間に購買欲をプレイヤーに流し込んでたのね、余計にタチ悪いわ!」
 推葉・リア(推しに囲まれた色鮮やかな日々・f09767)はゲーマーとしての真っ当な憤りを露わに、管理AIと対峙した。
 ガランドはその怒りを意にも介さず、自身のプログラムの修復に腐心している。
「シゅウりヲしュうリをシゅウりヲしュうリを――」
 ゲームの裏側に待機させている大量のジャンクデータを読み込み、それらと融合していくガランド。ファンタジーのドラゴンの表皮にサイバーパンクの機械兵や飛行ロボットがわらわら集り、スペースオペラの流体金属を接着剤にして、とてつもない巨体が紡ぎ出されていく。
 見る間に完成したそれは、頭部にガランドを生やした無骨な金属のドラゴンだった。
 各種兵装とブレスで大暴れを始めるドラゴン。リアは降り注ぐ灼熱や砲弾を直感的に回避しながら、ユーベルコードを解放する。
「合体するなんて凄いわね、しかも無敵……けどそれも制限があるし無敵状態でも攻撃判定があるなら……ひたすらに攻撃するだけよ!」
 たちまち周囲に色とりどりの炎が灯る。空間を埋め尽くすほど大量に。
「私の狐火! 綺麗でしょ? だけど綺麗だけじゃないのよ!」
 色鮮やかな狐火が銀色のドラゴンへと飛翔する。
 幾何学模様を描いて取り囲む大量の炎に、銀竜は思いっきり振り回されている。ガランドが軌道を計算しているが、合体直後で隅々まで制御が間に合っていないのだろう。狐火の直撃が連鎖して、実にいい的になっている。
 狐火の猛攻を途切れさせぬまま、リアは忍び足でガランドの死角に入り、銀竜の足元でハッキングを開始した。
「……そういやゲームの最初の規約って……私まともに読んでないなぁちゃんと今度から読もう……覚えてたらだけど……」
 ぼやきつつ、限界を迎えて瓦解していく銀竜の傍らで、リアは悠々と敵のデータを抜き取っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

氷咲・雪菜(サポート)
 人間のサイキッカー×文豪、15歳の女です。
 普段の口調は「何となく丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 独り言は「何となく元気ない(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

氷や雪が好きな女の子で、好きな季節は冬。
性格は明るく、フレンドリーで良く人に話しかける。
困っている人は放ってはおけない。
戦闘は主にサイコキャノンを使って戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●凍てつくプログラム
「シゅウり ヲ かイし シまス」
 ガランドは融合を解くと、己が職務のままに機械兵の大軍を修理していく。光の輪のようになったプログラムを浴びて、機械兵達の損傷が瞬く間に消えていく。
 修復には明らかに強化が付与されていた。強靭さを増して見えるグラフィック、密度を増して分厚くなった構成プログラム。
 いっそう手強くなってじりじりと迫りくる機械兵軍団へ、氷咲・雪菜(晴天の吹雪・f23461)は腕に嵌めたブリザード・キャノンを構える。
「プログラムも凍るのか、試してみましょうか」
 骨身を凍りつかせるような冷気が渦巻き、結実した氷の弾丸が発射された。弾丸は空気を白く霞ませながら、次々に機械兵を撃ち抜いていく。
 だが数が多い。雪菜は小型のエレクトロレギオンを放ち敵陣をかき乱させながら、わずかに稼いだその隙に、雪菜は心を整える。さらなる冷気が彼女を取り巻き、白く、白く、その姿をかき消していく……
「──絶対零度の氷柱よ、敵を貫きなさい!」
 冷気の中心で雪菜の声が高らかに響いた瞬間、白い霞は一本の氷柱と化し、弾丸の如く戦場を駆け抜けた。
 機械兵達の修復にひたすら腐心している、ガランドへ。
「シゅウりヲしュ◆¥※▽──」
 高速で駆け抜けた氷柱はガランドの腹部を突き抜けた。
 がらんどうの中身を晒して動きを一時停止したガランドの周囲を、機械兵の自爆が花火の如く彩っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーヴァルディ・カーライル(サポート)
「…お前がどんな存在で、どんな過去があったとしても関係無い」

「…今を生きる人々を害する存在を討つ。それが猟兵としての私の使命よ」

故郷のダークセイヴァーで主に活動する吸血鬼狩り
他世界の知識に疎く、最初は様子見に徹して見切り戦闘知識を蓄積する

必要に応じ「精霊石の耳飾り」に各属性の精霊を降霊し、
第六感的な精霊の視力を借りて暗視や索敵を行う

敵の攻撃は「写し身の呪詛」の残像による回避や、
「怪力の呪詛」のオーラで防御して受け流し、
大鎌のなぎ払いやUCによるカウンターで迎撃する

「…無駄よ。その攻撃なら、既に見切ったもの」

「…お前よりヴァンパイアの方が余程、手強い」

「…さあ、吸血鬼狩りの業を知るが良い」



●偽りの吸血鬼
 ガランドは修復する。修復し続ける。その異常なまでの執着に何があるのか、あるいはないのか。
「……お前がどんな存在で、どんな過去があったとしても関係無い」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は言葉少なに切り捨てる。
「……今を生きる人々を害する存在を討つ。それが猟兵としての私の使命よ」
 リーヴァルディの見つめる先で、ガランドは再び呼び出したプログラムとの融合を図っていた。大量に飛び交う機械コウモリ達のプログラムがガランドへと吸い込まれ、彼女の姿を無敵のヴァンパイアへと変貌させていく。
「シゅウりヲしュうリをシゅウりヲしュうリを――カんリょウしマしタ」
 黒尽くめのドレスに長いマントを纏ったガランドが、かすかに牙を見せながら告げた──瞬間、その姿がかき消えた。
「──ッ!」
 リーヴァルディは咄嗟に発動した呪詛のオーラで、背後から襲い来たガランドの刃を受け流した。皮肉なことに、敵の得物も大鎌だ。
 淡々と、しかし息つく暇を与えぬガランドの猛攻。リーヴァルディは写し身を囮にして空振りさせながら薙ぎ払いを繰り出す。ぶつかり合うニ挺の大鎌。
「……そう。その姿を選んだの」
 鍔迫り合いを膠着状態に持ち込んで、リーヴァルディはなんの感情も描かないガランドの空虚な瞳をじっと見据える。
「……でも、無駄よ。お前より、本物のヴァンパイアの方が余程、手強い」
 リーヴァルディは瞬時に力を入れるベクトルを切り替え、敵の大鎌を弾き飛ばした。
 と同時、体内で吸血鬼の血が目覚める。
「……さあ、吸血鬼狩りの業を知るが良い」
 大鎌を構える腕部が人ならざる吸血鬼のそれへと転化した瞬間、鋭い剣閃が幾重にも閃いた。あまりにも速く、あまりにも重い、大鎌の連続攻撃。
「くウかン ふカ だイ……たエらレま セ……ん」
 空中で仰け反った姿で処理落ちしたガランドのグラフィックから、大量のコウモリが弾けるように分離した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニケ・ブレジニィ(サポート)
技能を、フル活用します。

仲間を守りつつサポートし、敵を倒すという戦闘スタイルです。

また、このシナリオ内で戦闘不能になったオブリビオンの肉体と魂を、ユーベルコードの『桜の癒やし』で鎮め、転生できるように祈ります。

「…もう鎮まりたまえ、あなたの名を忘れないように私は憶えておいてあげるから…」

リプレイのために、このキャラクターを自由に扱っていただいて、全く問題ありません。


シホ・イオア(サポート)
『前へ進む、痛みと祈りがシホの背中を押してくれるから』
怖くなって緊張すると 口調が硬くなる
背中の聖痕で相手の悩みや痛みを感じ取ってしまうため
敵でも癒したい・終わらせてあげたいという方向で動く
罠や防衛戦では建造物を作り豪快に解決することが多い
自衛手段を持たないものがいる場合は救助を優先
ユーベルコードは遠距離戦に強いものが多いが
残像を纏い剣と銃を使って接近戦も行ける
輝いているため隠れるのは苦手
連携アドリブ歓迎



●慈悲の戦い
 修理、修理、修理。ガランドは壊れたように修理を繰り返す。
「なんだかこわいね……それに少し、かわいそう」
 小さな身体を抱きしめるようにすくめて、シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)が呟いた。
「うん……機械兵達も気の毒だよ。もう、眠らせてあげよう」
 ニケ・ブレジニィ(桜の精の王子様・f34154)もまた強い憐憫を表しながら、舞い散る花びらにその身を包んで飛翔する。
 強化された機械兵達は今や大軍勢を成し、ガランドを護るように陣を敷いている。それら一体一体がレーザーや弾丸、砲弾で猟兵を迎え撃ってくるのだ。
「輝石解放、ガーネット。影よ、シホの身を映して群れと成せ!」
 シホは小さな羽で飛び回り敵の攻撃を回避しながら、柘榴色を輝かせた。たちまち六百体に及ぶ小型の分身が生み出され、周囲に飛び立っていく。
 頭上を埋め尽くすほどのシホの分身体と、大量に舞い散るニケの花びら。それらが機械兵達の検知能力に多大な負荷を与え、照準を混乱させる。機械兵達の攻撃は上空を向いて、数撃ちゃ当たるとばかりにでたらめに連射されている。
「危ない!」
 シホ本体に向けられたレーザーを間近にテレポートしたニケが防ぎ、二人はそのまま息を合わせて急下降を開始した。速度を乗せて、ガランドの懐へ。
 思いは一つ。一刻も早く、戦いに終結を。
「……もう鎮まりたまえ、あなたの名を忘れないように私は憶えておいてあげるから……」
「痛みも感じさせずに終わらせてあげよう……!」
 革命剣と宝石剣エリクシア。世にも美しい二振りの剣が、光り輝きながら一息にガランドを貫いた。
「シゅウりヲ しュ う リ ……ガガガガ──」
 ガランドが不規則に痙攣し、ようやく修復プロセスが中断された。戦場のあちこちで、弾け飛ぶように機械兵の自爆が連鎖していく。
「……がらくたで出来たその肉体と魂にも、癒やしと安息を」
 決められた運命に行き着いた哀れな機械兵軍へ、ニケは祈りを込めた桜の花吹雪を贈った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ワタリ・イブキ
お主自身が一番修理を必要としておるように見えるがのう?
まあ良い、お主の持つデータとやら、頂くとしようぞ。

折角修理した者を使い捨ての死兵にするとは、全く狂いきっておるのう。
厄介なのは確かだが…こやつの前には餌でしかない。のう、オロチよ。
(鎌首擡げるマガツ・オロチ)

迫る機械兵群の一体に対し、進化する大蛇を発動。
オロチに機械兵を【捕食】させ、以て敵に有効な器官――発電器官を持つ姿へ進化せしめる。
そこからの放電攻撃にて機械兵を感電させ動きを止め、自爆装置作動のタイミングで【ジャンプ】し回避。
そのままボスの真正面まで飛び込んでみるかの。

ボスにもオロチでの捕食を試み、以てデータを奪えぬか試みてみよう。



●プログラム喰らう大蛇
 ガランドの修理行動は止まらない。隠しストレージにプールされたジャンクデータを呼び出しては、のべつまくなし修理プログラムの輪を撒いていく。
 まるで壊れた人形だ、とワタリ・イブキ(鴉忍・f36634)は憐憫混じりに呟く。
「お主自身が一番修理を必要としておるように見えるがのう?」
「ワたシ は シゅウり ヲ すルだケ でス」
「……まあ良い、お主の持つデータとやら、頂くとしようぞ」
 イブキの宣言を聞くと同時、ガランドの修復速度が倍加した。生み出されるように現れては次々に修復強化され、けなげにも爆破装置を体内に抱え込んで、じりじりとイブキへ迫る機械兵達。
「折角修理した者を使い捨ての死兵にするとは、全く狂いきっておるのう。厄介なのは確かだが……こやつの前には餌でしかない。のう、オロチよ」
 イブキの背後の闇が蠢き、ぬぅ、と大蛇が鎌首を擡げた。イブキの肉体の一部そのものたる、マガツ・オロチ。
 怪しく瞳を輝かせた瞬間、オロチはあぎとを開いて機械兵の一体に襲いかかり、鋭い牙で人型の胴体を貫いて捕食した。
 腹を満たしてなお、より好戦的に目を輝かせながら、オロチは頭部や背から鋭利な角を生やし始めた。それは避雷針にも似た発電器官。
「我が大蛇は言うておるぞ、お主の弱みを見抜いたとな」
 シャーーーーッ!! 威嚇の声を上げ、オロチから大量の電流が無差別に放電された。
 激しく爆ぜる電撃を浴びて、感電した機械兵達が次々に機能停止していく。と同時に、停止した個体の目が呼応しあうように赤く点滅を始めた。
 役目を終えた個体に待つのは──自爆。
「哀れよの!」
 イブキはオロチと共に高々と跳躍した。直後地面に該当するレイヤーで連鎖する爆発。その爆風に乗って、爆発の後方でひたすら修復プログラムを走らせているガランドの正面に着地すると同時に、オロチの牙がガランドの腹部に喰らい尽くす。
「フせイあクせス けンち ケん チ け ン ちチちチち$◆☆√※──」
 腹を食われたまま仰け反り激しく痙攣するガランド。
「さて、お主の隠しているものは何かのう……?」
 大量のデータが隠しこまれている手応えに、イブキは不敵に笑んだ。

●証拠データゲット!
「シゅウりヲしュうリをシゅウりsゅリしユぅriしシししシしシしシシシシシシ──死」
 ガランドはカタカタと奇妙な動きを繰り返したのち、糸が切れたように動かなくなった。
 完全に機能停止したプログラムから、猟兵達は最後のデータを収集した。
 それはガランド・クレメンテの基幹データそのもの。彼女がどういった目的で作り出され、どれほどの不正データをプレイヤーに流し込んでいたか、これ以上ない証拠になるだろう。
 さらに猟兵達は戦闘のさなか、大量のデータを彼女から吸い出している。
 おそらく機能停止後には消滅していただろうそれらは、一見して意味のないジャンクデータのようにも見えるが……今後の解析次第によっては何か重要な情報を発見できるかもしれない。
 かくして猟兵達は大量のデータ群を手に帰投する。証拠データは有用に扱われ、今回判明したメガコーポの脳直ステマ行為は糾弾されることになるだろう。
 しかしこれは氷山の一角。メガコーポと猟兵達との戦いは、まだまだ続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年03月18日


挿絵イラスト