5

銀河帝国攻略戦④～移民船タレースを救援せよ

作者：刀道信三

●移民船タレース
『警戒警報、警戒警報、乗員は速やかに最寄りのシェルターに避難して下さい』
　移民船タレース内部でアナウンスが繰り返される。
『現在当艦居住区画に銀河帝国のものと思われる歩行戦車が出現。コアマシンのある動力区画に向けて移動中。安全のため非戦闘員はシェルターに避難して下さい』
　タレースに潜入した銀河帝国の工作員がコアマシン破壊の為に持ち込んだ二足歩行戦車を起動したのだ。
『第一種戦闘配置。コアマシンを破壊させる訳にはいきません。直ちに帝国戦力を排除せよ』
　タレースも事態に対応するために動き出す。
　しかし戦術兵器を船内に持ち込まれてしまったことが痛い。
　船内に被害が出てしまうことは疎か銀河帝国の狙い通りコアマシンを破壊されてしまう可能性も高い。

●グリモアベース
「現在、移民船タレースが銀河帝国から襲撃を受けている」
　寸暇も惜しいという様子でラティナ・ドラッケンリット（ビキニアーマー道の冒険者・f04425）は説明を始めた。
「移民船タレースも解放軍に合流しようとしていたのだが、辺境星域を航行していた為、合流が遅れていた」
　そこで銀河帝国が合流を阻止する為に動力機械『コアマシン』の破壊に乗り出したのだ。
「これから急ぎミディアを連れて移民船タレースに向かう。そしてお前達にはコアマシンの破壊を阻止してもらいたい」
　無事にコアマシンを防衛することができれば、ミディアがコアマシンに『ワープドライブ』を装着し、移民船タレースも解放軍に合流できるだろう。
「解放軍の戦力増強を抜きにしても銀河帝国の横暴を無視することはできない。移民船タレースを救うために力を貸してくれ！」

第1章 ボス戦 『二足歩行戦車』

POW   :    一斉砲撃 【機体各所に搭載した火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 SPD   :    レジェンダリーソルジャー 【伝説的な戦車兵を再現したＡＩ】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。 WIZ   :    胴体下部可動式ビームキャノン 【砲門】を向けた対象に、【ビームの連射】でダメージを与える。命中率が高い。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

「さて、我の出番のようであるな。ほれ、戦闘できぬ者はさっさと逃げんか」
　白木院・雪之助（雪狐・f10613）は雪だるまを召喚すると、子供や老人など足が遅くまだシェルターへの避難が済んでいない者達の護衛につけて先導させた。
「どこを見ておる。お主の相手は我であるぞ！」
　移民船タレースの住民の避難する時間を稼ぐため、雪之助は二足歩行戦車の進行方向正面に立つ。
　そして召喚した雪だるまの半分、五十体近い雪だるまを前衛としながら、金縛りの呪詛を込めた霊符を投げて果敢に立ち向かった。
　雪之助を作戦遂行の障害と認識した二足歩行戦車は、胴体下部可動式ビームキャノンの砲門を雪之助へと向けてビームを連射する。
　射線上の雪だるま達が次々と蒸発する中、雪之助は術で作った氷の大鏡を前面に展開、迫り来るビームの連射を受け止めた。
「さすがに反射して撃ち返すとはいかぬか」
　ビームは氷の鏡を貫通して雪之助に届くことはなかったが、溶けた氷から高温の水蒸気が立ち込め雪之助は暑さに顔を顰める。

成功 🔵​🔵​🔴​

「なるほど、状況は理解した。件の戦車にはタイヤのようなものがついているな」
　旗村・グローリー（ザ・ジャイアントパンダ・f04986）はビルとビルの間から道路を進む二足歩行戦車を観察する。
「いや、あれは間違いなくタイヤだ。タイヤに違いない！」
　確かに脚部にタイヤの様なものがついているように見える。
「そしてタイヤと言えばやはりジャイアントパンダの出番だ。タイヤの扱いにおいてパンダの右に出るものなどいないのは周知の事実」
　動物園のパンダ舎にはタイヤの遊具がよく置かれているのは事実だ。
「存分に戯れるとしようか」
　グローリーは鉄斧を両の手に持って路地を飛び出し、横合いから二足歩行戦車に肉迫する。
　脚に衝撃を与えれば二足歩行戦車を倒すことができるはず。
　それを狙ってグローリーは斧をバチの様にして叩きまくる。リズミカルに！
「斧で戦車を叩くのは楽しいから仕方ない。壊れるまで存分に叩こうじゃないか。ボッコボコのバッキバキだ！」
　二足歩行戦車もいい加減脚部を叩かれ続けるのも困るし、グローリーのことを邪魔に思って足許を狙える全搭載火器の照準を向けた。
　しかしタイヤを叩くことに夢中になっているグローリーはそれに気付かない。
「移民船タレースも、そこに住む人々も護り抜く！」
　そこへ颯爽と現れたシン・コーエン（スペースノイドのフォースナイト・f13886）の深紅に輝くフォースセイバーが二足歩行戦車の太腿部分を斬りつけた。
　そして持ち替えたドラゴンランスで光の剣が刻んだ亀裂を突いて広げ、ドラゴニック・エンドによってドラゴンが召喚される。
　脚部の中でも比較的細い太腿部分にドラゴンの爪による一撃が叩き込まれ二足歩行戦車の片脚が根元から折れて吹き飛んだ。
「これでもうコアマシンに近付くことはできないだろう」
　移動手段を奪われた二足歩行戦車を殲滅すべく、シンは愛用のフォースセイバー『灼星剣』の深紅の刃を構えて二足歩行戦車に突きつけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「……大きい、ね。潰して意味がありそうな指もないし、これは、自分じゃあ、厳しいかな……」
　ペイン・フィン（“指潰し”のヤドリガミ・f04450）は指潰しのヤドリガミ。
　巨大な二足歩行戦車の親指を潰しても効果は薄いし、痛覚のない兵器を拷問しても仕方がない。
　だから
「任せた、よ…………」
　“ジョン・フット”
　ジョン・フットは蒼い炎を纏う焼き鏝。
　頭まで露出している部分は全身を包帯で覆った執事姿の男性の幻影がペインの隣に立つ。
　ペインはジョンに意識を委ね、戦闘を任されたジョンはペインの体を操り二足歩行戦車に向かって疾走した。
　戦法は、とても単純。
　ジョン自身である焼き鏝で二足歩行戦車の装甲を溶かしていく。
　片脚を奪われ案山子のように動けない二足歩行戦車は銃口でペインを捉えることができない。
　踊るように舞うように二足歩行戦車の周りを駆けながら蒼い炎を纏った焼き鏝を押し付けてくるペインに為す術なく二足歩行戦車は装甲を溶かされていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「防衛戦だな……コアが狙われていると解っているなら経路も限定出来る。手前でラインを築いて封じればいい。簡易でもバリケードを作ろう」
「あ、それじゃ道具持ってく？」
　二足歩行戦車との戦場よりコアマシンのある動力区画の近く、その経路上に黒門・玄冬（冬鴉・f03332）と嘉三津・茘繼（悪食・f14236）は立っていた。
　茘繼はバリケードの作成に必要そうな無機物をビルドロボットの能力で集め、運ぶ。
「敵の性能によっては無効かもしれないが、僅かでも場に活用出来る道具があれば咄嗟の際に使えることもあるだろう」
　二人は協力してバリケードを構築していった。
　一方、その頃。
　猟兵達に片脚を奪われ歩行不可能になった二足歩行戦車は、そのまま木偶の坊の的として破壊されるように思われた。
　しかし背面のスラスターから推力を噴射。
　移動手段を失ったと思い込んでいた猟兵達の虚を突いて彼らを振り切った。
　片脚を失い本来のバランスを取ることはできないが、コアマシンを破壊する為に機体を動力区画にぶつけることも辞さない勢いでスラスターを噴かせ続ける。
　そのままコアマシンのあるブロックに二足歩行戦車が突入してしまうと思われたが、最短距離を進む為に高度を取らなかったことが仇になった。
　玄冬と茘繼が積み上げたバリケードに頭から突っ込み勢いを減じる。
「やあ、そんなに急いでどうしたんだい？　僕の狩り場でゆっくりしていってよ！」
　バリケードを構成していたスクラップの中に隠れ潜んでいた茘繼が、二足歩行戦車の残ったもう一本の脚もスクラップにしてしまおうと絡みついた。
「少し予想とは違ったが狙いの範囲内だ。破壊させてもらう」
　玄冬は二足歩行戦車の尾の様なビームキャノンを掴むと自分の方へと引き寄せる。
　間合いに入った二足歩行戦車の胴体に向かって渾身の灰燼拳が繰り出され、装甲を破砕し貫いた。
　茘繼が締め上げたことで残った脚も胴体からもぎ取られ、二足歩行戦車は完全に無力化される。
　こうして猟兵達の活躍によって移民船タレースのコアマシンは無事に銀河帝国から守られたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月17日