-PERFECT WORLD-
●地下13階の天国
強烈な白い光に、一人の男が照らされている。
それは例えるならば、病院の手術室にあるような無影灯の光だ。
灯りに照らされたその表情は、何とも言えない幸福感に溢れていた。
まるで何か、とても美しい物でも見たかのような。
実際、男の視界には天国が映っている事だろう。
汚れた雨が降る、汚染され尽くしたこの世界では、最早絶対にお目に掛かれないであろう静寂に包まれた大森林、鼻腔に広がる濃密な緑の匂い、透き通った渓流の音、そして、データでしか見た事がない【動物】なる存在と戯れる自分。
それは男の延髄から脳に直結されたナノマシンインプラントによって映し出されている。
だが今、現実の彼の肉体を取り囲んでいる物はこうだ。
――横たわっているのは、無数の人間の血で赤黒く汚れたベルトコンベアの上。
――取り囲んでいるのは医療用……と言うよりは屠殺用のマニピュレーター。
そして、彼の首筋に突き刺さっていた注射器のマニピュレーターが引き抜かれると、機械音声が非情な内容を告げる。
『serial№SZ468756の、麻酔処置が完了しました。摘出シークエンスに入ります』
マニピュレーターが一斉に男に殺到し、牛でも解体するかの如く手際よく頭蓋骨を切り開いた。脳髄が摘出され、培養液を満たした保存ポッドに納められる。
頭の上半分が吹き飛んだ身体は最早用済みなのだろう。ベルトコンベアが動き、また何処かへと運ばれていくと同時、次の幸福な表情を浮かべた人間が運ばれてくる。
今度は、女だった。
●ビルドオン・ブレイン・モア・ブレイン
「徐々に幻覚と現実の区別が付かなくなり、やがてすり替わってしまう……胡蝶の夢と言うには、少し悪趣味ですね」
予知映像をホログラムウインドウに映していたユノ・ウィステリア(怪異蒐集家・f05185)は、そう言い軽く溜息を付いた。
先日開通した新世界、サイバーザナドゥは、色々な意味で汚染された世界だった。
金と権力に物を言わせた巨大企業が全てを牛耳り、それに伴う壊滅的な環境破壊によって、最早人類は身体を機械化しないと生存できないと言う。
金の力で全てを手に入れられるメガコーポ上層部と、逆にメガコーポによって全てを奪われる住民達。文明レベルは雲泥の差だが、何処かダークセイヴァーを彷彿とさせる世界だ。
「今のはメガコーポと呼ばれるサイバーザナドゥの大企業の一社、GTCホールディングスが所有する地下工場の内部映像です。どうもあの摘出された脳を沢山連結させる事によって、巨大な生体コンピューターを作ろうと言う計画の様ですね」
文字通りCPUのコアに人間の脳を使ったスーパーコンピューターと言う事だろう。
残念ながら、そんなものを使って何をするつもりなのかまでは分からなかったとユノは言う。
「とは言え、この会社がどうやって材料となる人間を調達しているかは突き止めました。それがコレです」
ホログラムウインドウにゲームのタイトル画面と、幾つかの設計図が映し出される。見たところ頭に装着する器具の様だが……
「『完全世界』と呼ばれるGTCホールディングスが展開しているフルダイブ型のゲームです。この世界では見れなくなった美しい自然のフィールドを探索出来るのがウリ、との事ですが…問題はこの専用コントローラーですね」
【脳波コントロールで操作する事によって、五感全てで自然を感じられる】と言うのが表向きの理由。実はこのコントローラーからは常時違法なサブリミナル電波が発せられており、プレイヤーを瞬く間に『完全世界』のゲーム廃人にしてしまうと言う。
「寝食を忘れて世界に入り浸り、コントローラーを被っていないと禁断症状が出るところまで三日も掛からないと言います。プレイヤーがその状態になった事を検知すると、ナノマシンを注入され、コントローラー無しでもゲームが続行出来るようになり、工場に向かう様に誘導される……その末路は、先程お見せした通りです」
それほど急激に行方不明者が増えれば問題になりそうな物だが、GTCホールディングスは莫大な資金力で警察を抱き込み、巧妙に戸籍データを改ざんしていると言う。おまけに供給ルートを極端に絞ると言う念の入れ様なので、今や『完全世界』は巷で【幻の神ゲー】とまで言われているらしい。
ここでユノはホログラムウインドウに市街地のマップを映し出すと、猟兵達に向かって3本の指を立てた。
「と言う訳で整理すると、今回皆さんに依頼したいのは大きく分けて三つです」
一つ:地下工場内にいるプレイヤー達の救出
二つ:摘出設備の破壊
三つ:生体コンピューターの使用目的の調査
「先ずは販売している店の前まで転送しますので、「完全世界」を入手してください。工場の入り口はGTC社員によって厳重に警備されていますが、プレイヤーだと分かると素通り出来ますので、洗脳されたフリをして忍び込むと良いでしょう」
天球儀が回転を始める。
「合言葉は「失われし清浄な大地へ」です。何だか皮肉ですね」
龍眼智
ドーモ、龍眼智です。
サイバーな新世界の匂いを嗅ぎ付け、久方ぶりに戻ってまいりました。
初めましてな方もお久しぶりの方もまとめて宜しくお願い致します。
今回はゲームと言う名の電子ドラッグを売り捌くメガコーポの企みを阻止して頂きます。
相手は通信インフラからオンラインマーケット、エンターテイメントまで幅広い業態を手掛けるメガコーポ「GTCホールディングス」。
楽〇とかソ〇トバン〇みたいなのを想像するとイメージが近いでしょうか。
では以下構成です。
第一章:冒険
第二章:集団戦
第三章:ボス戦
〇第一章
ジャンクショップにて『完全世界』を手に入れるパートです。
店主はGTCの息が掛かっている人物なので、上手く交渉すれば
生体コンピューター製造に関する情報も得られるかもしれません。
〇第二章
地下工場にて摘出設備の警備員達との戦闘になります。
〇第三章
工場長との一騎打ちになります。
それでは、行ってらっしゃいませ
第1章 冒険
『秘密の店』
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POW : 荒事で商品の対価を稼いでくる
SPD : 貴重な情報や人脈、相手の弱味等を利用して値切りを試みる
WIZ : 店主を言いくるめ、出世払いを約束させる
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ーナンデモ・ストリートー
バイオ・スシ屋台が所狭しと軒を連ね、その前を重金属耐性加工を施したコートを羽織ったサラリマンが行き交う大通り。
上は目が痛くなるような蛍光色のネオン看板で覆われ、真昼でも夜の様に薄暗い。
そんな通りの、更に陰に入る横道の奥に、問題の店、ジャンクショップ【昇天】はあった。
「感動」「タノシイ」「実際綺麗」等と書かれた、ボロボロになったポスターが乱雑に張られている扉を開けると、ガラクタの山の向こうに店主らしき男が座るカウンターが見える。
「らっしゃい……何が欲しいんだい?」
両目を義体化した小太りの男だ。薄汚れたゴーグル型のディスプレイに君の顔が映る。
さて、早速商談と行こうか―――
ジン・マキハラ
この手のバイヤーは総じて雇い主に黙って「副業」に精を出していると相場が決まっている。外部からハッキングを掛けてその証拠を得るとしよう
おやおや、出荷前のプレイヤーの資産の横領に他企業への企業機密の密売とは随分危ない仕事に精が出る様だな。
まぁあんたが気前よく例のソフトを渡すって言うなら胸の内にしまっておいてやるが拒むというなら仕方ない。アンタもあのプレイヤー達の様に夢のお花畑に御招待するしかないなぁ
賢明な判断を期待するぞ?店主さんよ?
これ位脅せばソフトの一つくらいタダで渡すだろう。まぁこの件が終わったらこの情報は警察に流すのだがな。少なくとも生体コンピュータの部品になるよりはマシだろうさ
「失われし清浄な大地へ」
ジン・マキハラ(ブレイズ・オブ・マキナ・f36251)がそう告げると、如何にもやる気が無さそうだった店主の動きがピタリと止まり、露骨に嫌らしい笑みを浮かべた。
「へぇ…兄ちゃんそっちのクチかい…?」
(さて……どう出る?)
この手のバイヤーは総じて雇い主に黙って「副業」に精を出していると相場が決まっている。そう当たりと付けたジンは、店に入る前にサイバースペースを通じて店の機密情報をクラッキングしていた。
案の定、黒い証拠が出るわ出るわ。
どうやらこの店は工場行きのプレイヤーの資産を横領していたり、「完全世界」の内部コードやら違法エミュレーターを競合他社に高額で横流ししたりしていたようだ。
「ほらよ、此奴が専用コントローラーだ……で?幾ら出せるんだ?」
店の奥からGTCホールディングスのロゴが入ったヘッドギアを持ってきてカウンターに載せる店主。だがその口振りは明らかに足元を見ている。これから暴利を吹っ掛けるぞと言わんばかりだ。
「いや、金を払うつもりはない。俺はそれを貰いに来たんだ」
「……ふざけてんのか?」
「それはあんたの方だと思うがな」
「そうかい…客じゃねぇなら仕方ねぇ…バラしてテメェが商品になるか?」
そう言いつつカウンターの下から重ショットガンを取り出そうとする店主に、ジンは畳み掛けるように続ける。
「出荷前のプレイヤーの資産の横領に他企業への企業機密の密売……随分危ない仕事に精が出る様だな」
再び、店主の動きが止まった。隠ぺい工作に自信があったのか、驚愕の表情が顔に貼り付いている。
「………何でそれを知っている…か?」
「て、テメェ……」
「まぁあんたが気前よく例のソフトを渡すって言うなら胸の内にしまっておいてやるが拒むというなら仕方ない」
次の瞬間、閃光の速さで伸びたジンの腕が店主の首を鷲掴みにし、片手で宙へと持ち上げる。
「ア、アイェェェェ…」
「アンタもあのプレイヤー達の様に夢のお花畑に御招待するしかないなぁ?」
「アイェェェェー!!」
今度こそ、店主の顔に明確な恐怖の色が浮かんだ。
「――で、どうする? 賢明な判断を期待するぞ?店主さんよ?」
画して、ジンは『完全世界』を手に店を後にした。
(まぁこの件が終わったらこの情報は警察に流すのだがな。少なくとも生体コンピュータの部品になるよりはマシだろうさ)
成功
🔵🔵🔴
エル・クーゴー
【Lv2】
●SPD
>タスク_『完全世界』の入手
躯体番号L-95
これより作戦行動を開始します
・入店前に【万象改竄:電脳天球儀】発動
・接続元を偽装しつつ、周辺事情に詳しい監視カメラやネットにアタリを付け、片端から無線接続し情報集積(暗号作成+ハッキング+情報収集)
・「昇天~GTCホールディングス間」の情報/モノ/カネの動きを集中的に洗う
・店主に不利益を被らせられる、または店主の生殺与奪を握れる域の情報が拾えた場合は、それをチラ付かせつつ【『完全世界』の入手>生体コンピューター関連の情報収集】の優先度で接触開始
※必要に応じ、サイドアームを即抜いては銃口を突き付けられるよう備えて臨む(クイックドロウ)
薄汚いマガジンスタンドの傍らに、対照的な白い輝きがある。
それは女だった。光沢のある銀と緑基調のボディースーツがしなやかなボディラインを強調している。細い指が宙に浮かんだホログラムキーボードを目にも止まらぬ勢いでタイピングしており、その度に目元を覆うバイザーが不規則に明滅する。
エル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)は、『完全世界』を手に入れる前準備として【昇天】と【GTCホールディングス】の関係性を洗っていた。
調べるのは主に両者の間の情報/モノ/カネの動きだ。コントローラーと言う物品を介する限り、そこには必ず「仕入れ」と「物流」と言うファクターが存在するはずだ。
エルの視界にここ数週間程の「完全世界」の売上実績が高速で羅列されていく。一見完璧に整えられた販売台帳だ。おかしなところなど何もないように思える。
しかし、エルは帳簿ファイルの秘密鍵をクラッキングし、非表示化されていた裏台帳を引き摺り出した。そこには―――。
「躯体番号L-95。これより作戦行動を開始します」
ホログラムキーボードを仕舞い、バイザーを上げたエルは、【昇天】へと足を踏み入れた。
「らっしゃい……」
「失われし清浄な大地へ」
「ッ!!」
ピクッと、店主の纏う空気に緊張が走った。
「……生憎と最後の一台でね…次いつ入ってくるかも分かりゃしねぇ。……500萬出せると言うのなら売ってやるが?」
「虚偽と判断します。当機の調査の結果、今日現在の「完全世界」の在庫数は15台。その内一台が1時間ほど前に何者かによって強奪。よって貴方はその損失分を取り戻すべく値段を吊り上げている」
エルの淡々とした指摘に店主は苦虫を嚙み潰したような顔をするが
「チィッ…さっきの野郎…もうばら撒きやがったのか……ん?当機?」
一人称にしては妙だと思ったか、店主の義眼が赤いスキャン光を放つ。
「なんだアンタ、義体かと思いきやレプリカントか。だったら話は別だ。人間以外に販売はしないってメーカーとの契約でね。お使いだってんならテメェのボスに自分で来いって言っときな」
「交渉決裂と判断。しかし、当機にも情報提供の準備があります」
「あ?」
面倒くさそうな表情を隠しもしない店主にエルが提示したのは先程の裏台帳だ。
【昇天】は毎月【GTC】に販売ライセンス料と言う名のジョーノーキンを支払っているが、少し前からその金額を誤魔化している。では差額分は何処へ消えたのかと言うと【警察上層部】へのソデノシタに注ぎ込まれていたのだ。つまりは、もし何らかの事情でGTCから消されそうになったとしても生き延びられる様にと、媚びを売っているのだろう。
そこまで説明し終わると、店主の額を一筋の汗が流れ落ちた。
「当機の要求は二つ。一つは「完全世界」専用コントローラーの譲渡、もう一つは同作ローンチ後に続出しているプレイヤー連続失踪事件についての情報開示です。尚、本件を拒否した場合、警察への贈収賄及び粉飾決算の事実をGTCへ告発します」
カウンターから重ショットガンを引き抜こうとする店主。
しかし、それよりもエルが店主の額にハンドガンの銃口を押し付ける方が速かった。
「ッ!?………………」
硬直する両者。店内は宛らガンリュージマの如し静寂を見せていた。
店主が動く。
「分かった……コントローラーはくれてやる……だが失踪事件については本当に俺も知らねぇ。コイツに強烈な中毒性がある事は流石に知ってるが、それでラリッた奴がどうなろうと商売には関係ないんでな」
店主が渋々と言った様子で差し出したコントローラーを受け取り、エルは店を後にした。
「協力感謝します」
>タスク_『完全世界』の入手―――COMPLETE
成功
🔵🔵🔴
紅月・美亜
『完全世界』か。入手したら専用コントローラーとやらを少しばかり弄らせてもらおう。こちらの用意したダミーのデータを登録する。人物名は……イチロー・モリタでいいか。
しかし、この世界期待通りに期待通りの物があるじゃないか。脳を部品にした生体コンピュータ。それ自体はいい。だが、意思を奪ってただの部品扱いは頂けないな。
ファイヤーウォールは噛ませつつ、ゲームサーバーから何か有益な情報を手に入れられない物か。これはハッカーのやる事だろう。
……ゲーム? いや、皆が褒め称えるようなゲームってあんまり興味無くてな……どちらかと言うと、少しマイナーな位の方がいい。布教し甲斐がある。
新田・にこたま
【Lv2】
不正に関わった警察たちも全部終わったら死刑にしましょう。必ず。
※UCで警察の情報端末と繋がり強化された処理速度で【情報検索】し不正の内容を把握する
「失われし清浄な大地へ」…早く専用コントローラーを渡しなさい。
●●(不正に関わった一番偉い奴)から要請があり緊急で必要になりました。どうやら生体コンピューター作りのついでに消しておきたい輩が出たようです。
…頭の巡りが悪いですね。電脳改造が足りていないのですか?
私はGTCから警察に送られたエージェントです。疑うようなら警察側で隠蔽した内容と関わった人間を諳んじましょうか?
…メガコーポの人間を演じるならもっと性格悪く演じても良かったかもですね。
アノルルイ・ブラエニオン
「ニンジャーッ!!!」
掛け声とともにニンジャのごとく店にエントリーする
「私はニンジャ・アノルルイ。
これからニンジャライブをニンジャ敢行する!」
ニンジャとかよく知らんから間違っていても気にしないぞ
軽快なメロディを【楽器演奏】し
UCを使う
するとグレムリンが現れる
彼らの役割は…そう、グレムリン効果だ!
店主の義体の目をこいつで狂わせ
視力を無くさせる
そうしたらニンジャ交渉術だ
「おい悪徳店主!
目を元に戻して欲しければニンジャの言うことを聞け
さもなくば目だけではなく
五感すべてを奪い取ってやる!」
そこで合言葉を言う
目的のブツを手に入れたら
「ニンジャーッ!!!」と捨て台詞を残して
ニンジャ・エスケープだ!
(不正に関わった警察たちも全部終わったら死刑にしましょう。必ず。)
ギリッ…と音がするほどに奥歯を噛み締め、新田・にこたま(普通の武装警官・f36679)は情報収集に当たっていた。
真っ当と言ってはやや語弊があるが、警察そのものがメガコーポの走狗と化したこの世界でも、彼女の様な正義感に燃える警察官はいるものだ。
警察の内部データベースを漁り、GTCとの癒着に関与している人物を次々と特定していく。
(これは…賄賂?警視正レベルでもこの有様なんて…)
汚職のデパートの様な惨状に眩暈がしてくるが、とにもかくにも踏み込む材料は手に入れた。後は、目的の物を押収するだけだ。
にこたまは乱暴に店のドアを開けるとカウンターに詰め寄り、警察手帳を突き付けながら例の言葉を口にした。
「失われし清浄な大地へ」
「あぁ?…ったく何なんだよ今日は次々と………?」
やや面食らった様子の店主。
「……どうしました?早く専用コントローラーを渡しなさい」
冷ややかな眼で此方を見下ろしてくるにこたまに店主は困惑気味に答える。
「は、はぁ、いえ、流石に警察の方とは言え売り物ですんで…お代は頂かねぇと…」
如何にも面倒くさそうに溜め息を付くにこたま。
「…じゃあこう言えば分かりますか?ナルミ警視正から要請があり緊急で必要になりました。どうやら生体コンピューター作りのついでに消しておきたい輩が出たようです」
「ナルミ=サンから…!?」
途端に店主が背筋を伸ばす。当然だろう、ナルミ警視正とは、昇天がGTCに隠れてソデノシタを納めている警察幹部の名前だ。
「理解しましたか?ならば早く…」
「いや…待ってくれ、流石にナルミ=サンの頼みとあっちゃ応えないわけにはいかねぇが、同時に下手な事すりゃ俺が消される。あの人とは数日前にも会ってきたが、側近に女を雇ったなんて話は聞いてねぇ。アンタがあの人の手の物だって言う証拠を見せてくれ」
「……頭の巡りが悪いですね。電脳改造が足りていないのですか?私はG…」
「G?」
そこまで口にして、にこたまはこの言い訳が通じない事に気付いた。
(しまった……)
この店主は、【GTCに内緒で警察に賄賂を贈っている】のだ。
そこに【私はGTCから警察に送られたエージェントです】等と名乗る女が賄賂の相手からの依頼を装い、GTC絡みの違法製品を寄こせと来ている。
当然警戒はされるだろうし、此方にはナルミとの面識はないが、向こうにはあると言うのが更に厄介だ。この場で確認でもされたら一発でバレる。
(最早実力行使で…!)
にこたまがそう決意を固めた瞬間、突如店の天井が轟音と共に崩れ落ちた。
「ニンジャーッ!!!!!」
「グワーーッ!!!」
サツバツ! 天井を破り、ギターをかき鳴らしながらモッシュをキメたのはアノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)!!
哀れ店主はモッシュの下敷きとなりカウンターに顔面を強打した!
しかしアノルルイはお構いなしだ。
「私はニンジャ・アノルルイ!! これからニンジャライブをニンジャ敢行する!!」
狂ったようなアップテンポのビートを刻み、アノルルイは熱唱する。
ニンジャの歌を!!
〜ニンジャの歌〜
作詞/作曲:アノルルイ・ブラエニオン
NINJA!NINJA!NINJA!NINJA!(FUUUUUUUUUU!!)
NINJA!NINJA!NINJA!NINJA!(FACK and BITCH!!)
NINJA!NINJA!NINJA!NINJA!(BULL SIT!!)
NINJA!NINJA!NINJA!NINJA!(BULL SIT!!)
Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaii!!!!!
協賛:ワイルドハント
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アノルルイのシャウトと共に、どこからともなく大量のグレムリンが現れた。
グレムリン達は店主や店内の機械に取り付き悪戯を始める。
「グワーーッ! 目が! 目が見えん!!」
「おい悪徳店主! 目を元に戻して欲しければニンジャの言うことを聞け! さもなくば目だけではなく五感すべてを奪い取ってやる! 失われし清浄な大地へだ!!!」
「グワーーッ!! どうなってんだこりゃあー-!!」
店主がのたうち回っている間にグレムリン達が店の奥にしまわれていたコントローラーを全て持ち出してくる。
「おいそこのお前!!」
「は、はいっ!?」
奇怪な動きとテンションでぐるりとにこたまに向き直ったアノルルイがコントローラーを一つ投げて寄こした。余りの勢いに思わずビクッとするにこたま。
「お前にもくれてやろうッ!! ニンジャは施しもNo Thank you!!」
うん、意味が分からない(CV:天の声)
「ニンジャーッ!!!」
そして嵐の様に現れたニンジャは、自らもまたコントローラーを手に颯爽とニンジャ・エスケープするのだった。
「…………………一体何だったのアレ……」
後には、ガラクタに頭をぶつけて気絶した店主と、呆然とした表情のにこたまだけが取り残されたのだった。
そしてこの時、どさくさに紛れてもう一人、コントローラーを掠め取っていった物がいる。
「『完全世界』か。いいねこの世界、期待通りに期待通りの物があるじゃないか」
ナンデモ・ストリートの雑踏に紛れ込みながら、手にしたコントローラーを弄繰り回しているのは紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)。
ゲームとしての『完全世界』には正直言って余り興味がないが、ゲームを介して人攫いが起きているのであれば、ゲームサーバーに何かしらの仕掛けがあると考えるのが妥当だろう。
「まぁ、それはハッカーのやる事だな」
自前の仮想科学現実化装置を介して、ファイアウォールを盾にしつつ完全世界へログインする。
「人物名は……イチロー・モリタでいいか」
ストーリーとしては深い森の奥に迷い込んでしまったプレイヤーがサバイバル拠点を築きながら周辺の探索を進めるというものらしい。
(なるほどな…違和感の正体はコレか)
美亜の感じた違和感、それはゲーム画面が二重に見える事だった。
恐らくサブリミナル電波によって脳内物質が一定のラインを超えないと見えない様にコントラストを調整しているのだろう。箱庭の外側に、もう一回り大きな箱庭があるようなイメージだ。
(何か書いてあるな……これは……シリアルナンバーか?)
そして外側の箱庭の木々には、一本一本番号が振られていた。オブジェクト詳細を開くと、どうやら何かのデータが格納されているらしいが…
そこでファイアーウォールにヒビが入った。
(おっと…流石にこれ以上の深入りは危険か。まぁ、工場の座標は手に入れたし、取り敢えずよしとするか)
ログアウトし、再びナンデモ・ストリートへと帰還した美亜は、地下工場があるであろう方向へ向かって歩き出した。
成功
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第2章 集団戦
『サイバー・ディーコン』
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POW : 我らの教義は絶対なり
【教祖(あるいは企業重役)に仕える信徒】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[教祖(あるいは企業重役)に仕える信徒]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : これぞ奇跡なり
【凝縮された骸の海の弾丸】を放ち、命中した敵を【猛毒の骸の海】に包み継続ダメージを与える。自身が【生身の部分を骸の海で汚染】していると威力アップ。
WIZ : 我らの狂信を見よ
【狂信】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ー大型商業施設・GTCメガビックー
ー従業員通用口前ー
重金属酸性霧が立ち込める開けた駐車場の一角。
完全武装の屈強なGTC社員が歩哨に立つ入口があった。
大型車両がまるごと入れそうな大きさのシャッターは全開になっており、今、そこを目掛けて大勢の人間が列をなして歩みを進めている。
老若男女様々いるものの、全てが『完全世界』のプレイヤー達だ。
誰も彼も、蕩ける様な幸福感に溢れた表情をしており、その足元は重度のアルコール中毒者の様に覚束なく、そして首の後ろ、延髄の位置に生体プラグ・ジャックコネクターのインプラントが施されている。
そんな彼らを、GTC社員達は検品でもするかの様に粗雑なボディチェックをすると、次々と中へと押し込んでいく。
君達猟兵も、そんなプレイヤー達に紛れて内部へ入り込む事が出来た。
20〜30人は入れそうな貨物用エレベーターに押し込められると、自動的に『B13階』のランプが点灯する。
エレベーターが下降を始め、天井に設置されていたモニターに浮かび上がるのは【GTCホールディングス】のロゴアニメーション。
やがて画面は【T】の文字が大写しになった。男の声が画面越しに聞こえてくる。
『お初にお目にかかる、私はGTCホールディングス特級社員の一人。まぁ、エージェント【T】とでも呼んでくれ給え。まずは諸君におめでとうと言わせて頂きたい。これより諸君らは『完全世界』のより深層へと進んでいくことになる。これまでよりももっと広大で、もっと精彩で、もっと感動的な体験になることをお約束しよう。だがしかし、その為には、その汚れた肉体を捨てて、清らかな身体にならなければいけない。そうーーこれは楽園へ到達する為の最後の試練と言って良いだろう。』
『では…諸君の答えを聞かせてくれ給え。行くか/行かないか』
その時、ぼんやりと画面を見るめるだけだったプレイヤー達がボソボソと何か呟き始めた。
「……失われし清浄な大地へ…」
「……失われし清浄な大地へ…」
「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」「……失われし清浄な大地へ…」
声量こそ小さいものの、それは直接脳を掻き毟られる様な怖気の走る音色だった。
「いいだろう。ーーーようこそ天国へ」
【T】がそう言うのと同時、エレベーターが衝撃と共に止まり、扉が開いた。
そこは天国でも何でもない、薄暗い巨大な手術室とでも言うような場所だった。
血塗れのベルトコンベアが何ラインも稼働し、屠殺用のマニピュレーターが絶え間なく脳の摘出作業を行っている。
ベルトコンベアの終着点は巨大なプールになっているようだ。
投げ込まれた肉体がシュウシュウと泡を立てて溶け始める。
水ではない。あれは硫酸のプールだ。
そんな場所に、プレイヤー達は喜び勇んで飛び出していく。
「さてーーー気付かれていないとでも思ったかね?レジスタンスの諸君」
そして、エレベーター内に取り残された猟兵達へと、【T】の矛先が向いた。
「いや何、此処ではよくあるアクシデントだ。故に対処方法もマニュアルで決まっていてね。結論から言うと君等にも彼等の様になってもらう。只、それが自発的か、強制的かの違いだけさ」
薄闇の中からフードを被った僧兵達が現れる。
彼等には、顔が無かった。
ーーーCAUTIONーーー
【作戦目標】
1:プレイヤー達の救出
2:摘出設備の破壊
3:サイバー・ディーコン達の排除
以上を同時にこなしてもらう事になります。
・プレイヤー達は洗脳されているので、放っておくと逃げるどころか自らベルトコンベアに乗り込んでしまいます。脳の摘出に至るには「髪の毛の除去」→「洗浄」→「麻酔注入」と言う工程を経るので若干のタイムラグがあります。この時間を上手く活用するのが鍵となるでしょう。
・ベルトコンベアには固定具の様な物は付いていません。マニピュレーターは最終的には破壊するものですが、上手く行けばマップ兵器として活用することも出来るでしょう。
・ディーコン達はプレイヤーを意図的に狙うことはありませんが、進行方向上にいると容赦なく斬り捨てますので、その辺りも注意が必要でしょう。
エル・クーゴー
【Lv2】
●WIZ
●2:摘出設備の破壊
エージェント【T】……?(首を傾げる)
――躯体番号L-95、敵性とエンゲージ
これよりタスク対処を開始します
・アームドフォート展開、味方や救助対象へ射線を掛けぬよう計測し抜いた弾道で射線を取り、集団敵へ装備火器へ牽制を実行(瞬間思考力+スナイパー+制圧射撃)
・並行して【マネギ・カーペンターズ】MAX115体を一挙召喚
・デブ猫型メカをポポポポーンと射出、コンベアの各ライン先頭らへんに割り込ませ、機械を詰まらせてやれ
・あと工事能力を活かして、コンベアがプールへ行かずUターンするように作り変える
・なんならマニピュレーターも【ハッキング】して、その工事を手伝わせる
(エージェント【T】……?)
エル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)は首を傾げた。
何か、身近で似たような名前を聞いたことがなかっただろうか。
それに、思えば【GTCホールディングス】と言う社名……『GTC』とは一体何を意味するのか。
データベースを検索―――該当なし。
ワイルドカードを適用――該当なし。
(詳細不明。残存タスクとして保存し、処理優先度をランクDに設定します)
「――躯体番号L-95、敵性とエンゲージ これよりタスク対処を開始します」
言うと同時、エルの背後にズラリと並んだのは、お馴染み招き猫型ドローン【マネギ】だ。
総勢115体のマネギ達がふわりと浮き上がると、ベルトコンベア目指して飛んでいく。
エルはそれを確認するとアームドフォートを展開。バイザーのスクリーンにターゲットサイトを表示させた。
目の前ではベルトコンベアに群がるプレイヤー達の列をディーコン達が横切ろうとしている。
サイトが動き、瞬時に二桁を超える数のディーコンがロックオンされる。
『―TARGET ROCK―FIRE』
マズルフラッシュが薄闇を焼き、フルオートで弾丸がバラ撒かれた。
一見プレイヤー達に向かって発砲したかの様に見えるそれは、驚異的な精密さを持って間を擦り抜け、一発残らずディーコン達の頭部を貫く。
「オぉ……オぉおォお」
しかし、それで倒れる者はいない。機械化義体に汚染された脳髄を詰め込んだその身体は言うならば機械仕掛けのゾンビだ。一発当たった程度では多少動きを鈍らせるぐらいが関の山だろう。
『対象の被害状況を推定、損傷軽微。弾種を換装します』
秒にも満たぬ熟練した動きでマガジンを入れ替えたエルは、再び先頭を歩くディーコンに向けて発砲。
しかし、今度は一撃でディーコンの頭部を粉微塵に破砕した。
ホローポイント弾―――弾頭に空洞を作ることによって着弾時に弾頭が潰れ、破壊力を底上げする特殊弾丸である。
『NiceShot』
血とオイルとスパークが入り混じった噴水をスクリーンに収め、エルは次の標的に狙いを定める。
――一方ベルトコンベアはと言うと……すごいことになっていた。
「「「「nNAAAAG」」」」
コンベアで流れてくる髪の毛を綺麗さっぱり丸められたプレイヤー、を蹴落として集団でそこに収まるマネギカーペンターズ。
『serial№SZ475687の、麻酔シークエンスを、開始します』
注射針のマニピュレーターが降りてくるが、針先が定まらない。
当然だろう。通常ならば画像認識で人の顔が映るはずだが、今映っているのは画面にギッチギチに詰まったネコ鍋。ベルトコンベアスゴイネコイッパイである!
『摘出ライン5番、で、エラーが発生しました。状況を、確認してください』
パトランプが点灯し、エラーでベルトコンベアがダウンする。
その隙に他のマネギは硫酸プール前でスタンバイ。
何故か全員安全第一ヘルメットを被ってラジオ体操をしている。
「nNAG」
気持ち豪華なヘルメットを被ったマネギがホワイトボードに完成予想図を描きながらブリーフィングを行う。
どうやら彼が現場監督らしい。
「「「「nNAAAAG」」」」
シャキーン!(マネギが一斉に工具を取り出す音)
「nNAG」
そして監督マネギ号令と共に一斉にベルトコンベアを解体しにかかる。
こうして硫酸プールへ落ちる最終ポイントは、瞬く間にUターンして振り出しに戻るルートに変更されてしまった。
「「「「「nNAG!(ポイント切替ヨシ!)」」」」」
大成功
🔵🔵🔵
新田・にこたま
【Lv2】
喜びなさい、Tさん。私たちの活躍であなたは今日から無職です。
UC発動。私の目の前で誰も悪の犠牲にはさせません。
101mまで伸びるサイバーモールでプレイヤーを纏めて捕縛。
使用武器以外に見た目に変化はありませんが、真の姿となり強化された力で彼らを捕縛したまま施設の壁に叩きつけ動けなくします。
では、烏合の衆に剣舞を見せてあげましょう。(礼儀作法+ダンス=日本舞踊、日本舞踊+見切り+切断=剣舞)
連中の所作の根本、攻撃に移る際の呼吸…それらを見切り、断ちます。
何人いようが雑な攻撃など舞うように避け、踊るように切り裂き、血の花を咲かせましょう。
真の姿の武装がドスソードなのは些か複雑な気分ですが。
「喜びなさい、Tさん。私たちの活躍であなたは今日から無職です」
新田・にこたま(普通の武装警官・f36679)はそう言うと警笛吊り紐『サイバーモール』を引き抜いた。
既にモニターの画面は真っ暗で「T」の文字も映っていない。果たしてエージェント【T】にその啖呵が聞こえたかは分からないが、少なくともにこたまの中では、もうそれは確定事項だ。
「私の目の前で誰も悪の犠牲にはさせません。絶対に―――!」
金の瞳をカッと見開き、フック付きワイヤーの如くサイバーモールを振り回し投擲する。それは鎌首を擡げた蛇の様に弧を描いてプレイヤー達に襲い掛かり、十数人を纏めた縛り上げた。
「ふんっ!」
それを渾身の力で引っ張れば見事な一本釣りの完成だ。
巨大な簀巻き状態となったプレイヤーの一団はそのまま壁に激突し動かなくなった。
(やや手荒でしたが、これで暫くは動けないでしょう…)
「さて……」
警帽を被りなおしたにこたまは、改めてディーコン達の方に向き直った。
「……失われし清浄な大地へ…」
「……失われし清浄な大地へ…」
「……失われし清浄な大地へ…」
遠くからでは聞こえなかったが、近付くにつれディーコン達がブツブツと呟く声が聞こえてくる。フードの中に広がる漆黒の闇のどこから声を発しているのかは分からないが、合言葉を一つ唱える毎に、彼らの殺気が膨れ上がっていくことは分かる。
「「「お、おぉぉおお!!」」」
ハルバードを掲げ殺到してくるディーコン達に対し、にこたまが抜き放ったのは警棒ではない。
鈍色に光る凶悪な光――ドスソードだった。
「では、烏合の衆に剣舞を見せてあげましょう」
大上段からの振り下ろしを受け流すようにかわし、そのまま身体を一回転。
返す刀で逆手に持ったドスソードをディーコンの側頭部に突き立てる。
まずは一人。
ゆったりした動きで残心を取り、踊るような動きで他のディーコンに向き直る。
これぞガンリュージマの戦いでサカキ・ダイジローが生み出した戦法。
その名も「二ホンブヨウ・ドスノマイ」である!!
踊るような構えで相手を幻惑しつつも、受け流しとカウンターを併せ持つ攻防一体の戦法。
その姿は流麗にして凄絶。
血漿とオイルが飛び散る空間の中で、舞う様に避け、踊るように切り裂き、にこたまは狂信者を屠り続ける。
成功
🔵🔵🔴
紅月・美亜
「人類がより高みへと到達する為、まずはその肉体が不要なのだ……思想自体はやはりいい。だが、魂の尊厳を奪う事だけは解釈違いだ」
プレイヤー達を纏めてロックオンしR-GEARの電撃で貫く。肉体的ダメージは与えないが。
「やはり、こっちの方がハッカーらしいと思うんだよな私は」
プレイヤーの脚を盗んで転倒させる。この方法なら一瞬で済むから何度でも足止めできる。
「お前達にはこっちだ」
オブリビオンは【Operation;RADIANT】で防壁を破ってから同士討ちでもしてもらうか。ほんの一瞬、目や耳や手足を奪うだけで十分だ。13秒もかからん。
リアラ・アリルアンナ
エルナ(f25355)と
なるほど…肉体を捨て、永遠に美しい夢を見続ける
そういう幸福の形も否定しませんが、それが搾取の為のエサでしかないのは立派な反逆的行為!
完全世界が聞いてあきれます!
おやおや、反逆者達がぞろぞろと現れました!
ではまず、彼らにお手本を見せて貰うとしましょう!
リアラのUCに打たれた反逆者達は此方の言いなり!
まずはコンベアに乗ろうとする市民達を押し戻させた上で、
順番に屠殺装置に入ってもらいます
何人かに実演していただいたら、もう充分でしょう!
残った反逆者には装置を破壊させ、
最後にあのプールで身を清めてもらいます
さあさあ遠慮なく!
「失われし清浄なる大地」へ逝けて、あなた達も幸福ですね☆
エルナリア・アリルゼノン
【リアラ(f36743)に同行】
この世界の『天国』とは随分血なまぐさい場所なんですね。
すみませんがこの人達は『地獄』に連れ戻させてもらいます
何処だってこんな所よりは、ずっとマシでしょう
敵への対処は味方に任せ、エルナはプレイヤー達の救出を最優先
ハッキングでコンベアや摘出装置の動作を出来る限り遅らせ、
その隙に速やかに『IVSメモリー』内に保護していきます。
抵抗される危険性は低い筈ですが、いざとなれば気絶させてでも確保します。
生存するプレイヤー全員を保護できたら、敵の殲滅に加わります
それにしても、全く容赦のない…
リアラが敵でなくて本当によかったと思います
「なるほど…肉体を捨て、永遠に美しい夢を見続ける…と」
リアラ・アリルアンナ(リアライズユアハピネス・f36743)は腕組みをしながら大仰な仕草で頷いた。
「そういう幸福の形も否定しませんが、それが搾取の為のエサでしかないのは立派な反逆的行為! 完全世界が聞いてあきれます!」
【あらゆる市民に幸福を】がモットーの彼女としては、この状況も頭ごなしに否定はしないものの、やはり受け入れ難い物ではあるようだ。
「人類がより高みへと到達する為、まずはその肉体が不要なのだ……思想自体はやはりいい。だが、魂の尊厳を奪う事だけは解釈違いだ」
紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)も同意を示す。
(う~ん…この世界の『天国』とは随分血なまぐさい場所なんですね。)
そんな二人を横目に見ながらエルナリア・アリルゼノン(ELNA.net・f25355)は先程【T】が口にした【天国】と言う言葉に思いを馳せていた。
「これはどっちかと言うと【地獄】では……?」
勿論、プレイヤー達にとって果たして『完全世界』と『現実世界』の何方が地獄かと言う観点はある。しかし―――
「すみませんがこの人達は『地獄』に連れ戻させてもらいましょう」
例え何処だろうと、こんな所よりは、ずっとマシだろうから。
そう、大事なのは人としての尊厳を持って生きることなのだ。
少なくともそこだけは、三人の共通認識だと言って良いだろう。
「おぉぉ……お……お……」
「……失われし清浄な大地へ…」
「……失われし清浄な大地へ…」
そうこうしている間に、またしても闇の向こうから新たなディーコン達がぞろぞろと現れた。
「おやおや、反逆者達がぞろぞろと現れました! ではまず、彼らにお手本を見せて貰うとしましょう!」
先手必勝とばかりにリアラは稲妻の鎖を生み出すとディーコン達に向かって投げつける。鎖分銅の様に巻き付いたそれは、爆竹の様に連鎖的な爆発を起こして消えてしまった。
「おぉぉお……お……」
エフェクト自体は派手な物の、ディーコン達に然したるダメージが入ったようにも見受けられない。―――だが、この鎖の効果はこれからだ。
「おぉぉお!」
一人のディーコンがハルバードを高々と振り上げたかと思うと、そのまま放り捨てる様に背後に向かって投げた。
そしてベルトコンベアに乗り込もうとしているプレイヤー達を押し退け、何と自らベルトコンベアの摘出ラインに収まってしまった。
「そうです! まずはあなた方にも市民の幸福が如何なるものか体験していただきましょう!」
遠くで明らかに生身ではない、何やら硬い人工物を切断する音が聞こえた。
それを皮切りに他のディーコンもわらわらとベルトコンベアに乗り込もうとし始め、摘出ラインの入り口は今やディーコンもプレイヤーも入り乱れての大混雑状態だ。
そこを上手く整理していくのは美亜だ。
宙に浮かぶターゲットサイトから放たれる電撃を浴びたプレイヤーは何故か足がもつれ、上手く歩けなくなってしまう。そうしておしくらまんじゅう状態の入り口から弾き出され、フロアの上で産まれたての小鹿の様になってしまうのだ。
「やはり、こっちの方がハッカーらしいと思うんだよな私は」
これは何も電気ショックを与えて痙攣させているわけではない。電撃を浴びせることによって相手の脳波信号に割り込み、身体を操っているのだ。
「で、お前達にはこっちだ」
それはディーコン達であろうと例外ではない。
彼らはプレイヤー達を押し退けながら、人波が途切れた一瞬の合間を縫って、ディーコン同士で殴り合っている。
今やフロアの支配権は完全に二人の手にあると言って良いだろう。
「えいっ」
そしてエルナは弾き出されたプレイヤー達に『IVSメモリー』を押し当てて回収して行く。
(それにしても、全く容赦のない…)
遠目に見えるリアラは今、ディーコン達を引き連れて硫酸プールの淵へ立っていた。
「さぁ! それでは最後はお清めの時間です! プールで己の宿業をしっかり洗い落としてくださいね!」
ニッコリと天真爛漫な笑顔でディーコン達を諭すリアラだが、言ってる事は自壊しろと言っている様なものである。
しかし、悲しいかな。既に身体の操作権限はディーコン達にはない。
結果、次々と硫酸プールに飛び込み、グズグズに溶け崩れていく。
中々にスプレッターな絵面ではあるが、リアラは横ピースをキメながらウインクを一つ。
「うんうん、「失われし清浄なる大地」へ逝けて、あなた達も幸福ですね☆ また一つ悩める市民を救ってしまいました!」
(うーん……リアラが敵でなくて本当によかったです)
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
アノルルイ・ブラエニオン
ニンジャ・アノルルイは
この状況に対して
叫んだ
「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!」
それは同胞たるマッスル・ニンジャ・ニンジャーズ(筋肉でニンジャなニンジャ達)を呼ぶための掛け声だ
「「「「「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!」」」」」
ニンジャ・ウォークライとともに現れたマッスル・ニンジャ・ニンジャーズに対して
20人にプレイヤー達の保護
20人にマニピュレータの破壊と武器への転用
20人に敵の攻撃の妨害
20人に敵への直接攻撃
残りすべてにベルトコンベアの上で逆走して回転を反転させることを命じるぞ
自分も弓で敵に【貫通攻撃】を試みる
「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!」
地下工場は徐々に混沌とした空気に飲まれつつあった。
プレイヤー達とディーコンが入り混じり、ベルトコンベアのマニピュレーター類もエラーの嵐でオーバーフローし始めている。
そんな状況に、遂に決定的な鉄槌を下す男が現れてしまった。
硬質なヒールの音を響かせて、最早誰も残っていないエレベーターから地下工場に足を踏み入れると、男、アノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)は自身の長い金髪をかき上げた。
爪先が静かにビートを刻む。まるで嵐の前の静けさの様に。
ギターを構える。まるで巨人が鉄槌を振り被るように。
胸いっぱいに息を吸い、アノルルイ、否、ニンジャ・アノルルイは、叫んだ。
「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!!!!」
それは同胞たるマッスル・ニンジャ・ニンジャーズ(筋肉でニンジャなニンジャ達)を呼ぶための掛け声だ。
何故かアノルルイの背後で何列もの火柱が立ち上り、次の瞬間には総勢107人ものくノ一達が勢ぞろいしている。
容姿は一様に整っており、長い黒髪と額から伸びる一本の角、そして何より極限まで鍛え上げた女性特有のしなやかさと強靭さが同居するバキバキの筋肉が特徴的だ。
「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!!!!」
ニンジャのウォークライが聞こえる。
一糸乱れぬ動きでダブルバイセップスを決めたマッスル・ニンジャ・ニンジャーズは地鳴りの如き雄叫びを上げながら目の前の全てに襲い掛かった!!
「「「「「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!!!!」」」」」
先頭を走る20人が両手の五指を目一杯広げるとプレイヤー達の顔面を鷲掴み!!
各自二人ずつ両手にプレイヤーを持ち上げるとそのまま走り去っていく!!
「「「「「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!!!!!」」」」」
続く20人がベルトコンベアの上にヘッドスライディング!!
プレイヤー達を弾き飛ばしながら一気に麻酔フェイズの位置まで到達する!!
ニンジャに麻酔針を刺すマニピュレーター! しかし針が筋肉で曲がってしまう!!
そしてノー麻酔で摘出フェイズへ!! 何と言う事だ切開用のチェーンソーも瞬時に歯が欠けて吹き飛んでしまった!!
「フンッッッ!!」
更に後続の20人がマニピュレーターを羽交い締めにしてへし折ると、引き摺り出してその手に握る! 地面に固定されてさえいなければ、マニピュレーターとて関節部のある長大な棒に過ぎない!! それを三節昆の様に振り回すと……
「「「「「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!!!!!」」」」」
ディーコン達に襲い掛かったー!!
勿論向こうもハルバードで応戦してくるが、如何せん膂力の差が圧倒的だ。
機械化義体を紙細工の様に砕き、引き千切り雄叫びを上げる。
「「「「「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!!!!!」」」」」
そして最後尾の集団が最早只の動く歩道と化したベルトコンベアの上を逆走していく!! ニンジャの強靭な足指の膂力は容易くベルトを貫通し駆動部のギアを粉砕していく!!
こうして、地下工場は筋肉の嵐によって完膚なきまでに蹂躙された。
うず高く積みあがったディーコン達と施設機材の残骸の山をバックに、マッスル・ニンジャ・ニンジャーズはアドミナブル・アンド・サイを決める。
「「「「「ニンジャッ、Warオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!」」」」」
あ、因みにニンジャ・アノルルイも一応ウォークライの合間に弓で攻撃とかしてたらしいですよ?
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『カルト・メカニック』
|
POW : アームズ・クロール
【無数の腕で加速しての】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【カルト教団の信徒達】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 洗礼の手
【無数の腕】が命中した敵の部位ひとつを捕縛し、引き寄せる。
WIZ : カルティズム・ハイロウ
【背中の後光型兵装】から【信仰光線】を放ち、【急激に膨れ上がる信仰心】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
『おやまぁ……これは参ったね』
モニターにザザッ―とノイズの入り、再び映し出される【T】の文字。
恐らく猟兵達を何処かから見ているのだろう。勿論、今や廃墟と化した地下工場の状況も分かっている筈だ。
だと言うのに、その声色には幾らかの落胆は見えても、焦りは微塵も感じられない。
彼にとっては失ってもさして痛くないと言う事なのか。それとも工場はここだけではないと言う事なのか。
『教団の悲願の為等と大層な事を言っていたが、戦力的には大した事はなかったな。まぁ、出荷までの時間稼ぎぐらいにはなった事だし、よしとしようか。後で賠償金の稟議書を作っておかなければ…』
そんな【T】の独り言めいた声を聴きながら、猟兵達は摘出ラインの現場を抜け、奥にあるメインコントロールらしき場所まで到達した。
そこにあったのは、おびただしい数の【T】の文字が映るモニターコンソール。
コンソールにはそれぞれ超高速でソースコードが流れ続けており、何かの自動プログラムが進行している事が伺えた。
【PROJECT PERFECT WORLD】
そう表示されているモニターが多い事から『完全世界』、或いは生体コンピューター製造に関わる何らかの情報と見て間違いないだろう。
そして中央には、此処で摘出されたのだろう保存ポッドに納められた脳髄の山が鎮座していた。ポッド同士はジャングルジムの様なフレームに組み込まれ、巨大なルービックキューブを思わせる立方体を形成している。
その立方体が今、反重力リフターに乗って天井の中に消えようとしていた。
何処かへと運び出すつもりだ。
即座に数人の猟兵が確保に飛び出す。
だが、そこに突如黒い影が割って入った。
それは女だった。シスター服を纏っている所を見るに、先程【T】の言っていた【教団】とやらの関係者かもしれない。
だがそのシスターは―――人の形をしてはいなかった。
まず両腕が無い。
左目は機械化義眼で、歯並びは鮫を彷彿させる程に鋭利だ。
腹部や背中から飛び出している何本もの極太ケーブルは、コントロールルームのメインサーバーに接続されており、まるで何かを吸収する様に不気味に明滅している。
そして極めつけは足だ。否、正確には足も無い。
シスター服の裾の中から、太さも種類も様々な機械化義手が何本も何本も生えているのだ。
宛ら機械仕掛けの人面ダイオウイカと言ったところだろうか。
「失われし清浄な大地へ……共に参りましょう……」
声色だけは透き通った美しい声で、そうシスターが言葉を発する。
そこに【T】の声が重なった。
『さて、申し訳ないがお別れの時間だレジスタンスの諸君。私もこう見えて多忙な身でね。諸兄の応対はそこの工場長に任せるとしよう。今度は脳どころか内臓も手足も残らないかもしれないが、頑張って脱出してくれ給え』
「失わレし清浄ナ大地へ……失わわレし清j清浄浄ナ大大大地へへへ」
白目を向いたシスターは、陶酔した声音でそう繰り返しながら、猟兵達へと襲い掛かった。
―――CAUTION―――
・まず、リフターを止める手段は有りません。
脳髄は取り返せないと思ってください。
・カルト・メカニックは、地下工場に保管されていた摘出済プレイヤーの戸籍データや、生体コンピューター製造に関する技術情報を全て自分のストレージへ吸い上げ、最終的には自爆するつもりの様です。
「ハッキング」技能があれば、カルト・メカニックにクラッキングをしかけ情報を盗み出すことは可能でしょう。但し、戦闘と同時進行になります。
・コントロールルームはそこそこ広いですが、工場ラインに比べると天井も低く、障害物も多めです。足元には少し注意を払うべきでしょう。
エル・クーゴー
【Lv2】
【物九郎(f04631)と】
●POW
これより敵性の完全沈黙までワイルドハントを、開始し――
>中断
>実行待機中のタスクへの管理者権限による一時停止命令を確認
>タスク更新中...更新完了
躯体番号L-95
――敵性に対するクラッキング実行へ全リソース傾注を開始します
・目標『クラッキングをしかけ情報を盗み出す』
・足場の悪条件や敵攻勢は【空中浮遊】にて逃れつつ【オーバークロックⅡ】発動、電脳ゴーグルの電算能力の【リミッター解除】
・ドローン『マネギ』の電脳の処理能力も合流させ【ハッキング】実行、敵防壁に対し接続元情報を適宜【暗号作成】にて欺瞞し試行時間を稼ぐ
・物九郎のバックに付き【情報収集】に専心
白斑・物九郎
【Lv2】
【エル(f04770)と】
●WIZ
――エージェントなんとかって言いましたかよ、今?
話、ちょいと聞かせて貰おうじゃニャーですか
いや、聞くなんざァ生温いか
管理者権限ですわ
戦闘は俺めに任せなさいや、エル
おたくはアレから情報全部ブッこ抜け
・エルの矢面に立ち、敵注意を惹く
・敵攻撃の発射緩急/射程/効果範囲を【野生の勘】で予期しながら、障害物を光線に対する遮蔽として利用しつつ立ち回る(地形の利用+ダッシュ+軽業)
・時に【化術】でちっちゃな黒猫に姿を変えつつ狭所も利用
・敵腕群全数を照準し【ドリームイーターⅣ】発動
・止まれ、平伏せ、這い蹲れ、頭を垂れろ、自害しろ――片端から命令を下し敵の行動を阻害
リアラ・アリルアンナ
【LV2】
エルナ(f25355)と
ああ!反逆者Tには逃げられてしまいましたか!
仕方ありません、彼はいずれ処罰するとして…
まずは目の前のあなたから抹殺です!
なぜか持ってた警察手帳を反逆者に突き付け、「動くな!」と命令します
まあ、大分頭がハッピーなようなので、従うはずもありませんよね
その場合、ペナルティとしてスピードが半減です。
これなら御するのは簡単ですし、万一ぶつかっても安心ですね!
さあエルナ、皆さん!
ハッキングを掛けるなら今のうちです!
いい感じに吸い出せたら、ZAPガンをぶち込みますよ!
それにしても…こんなバケモノばかりだとしたら、「清浄なる大地」とやらも案外楽園とは程遠いかもしれませんね!
エルナリア・アリルゼノン
【LV2】
リアラ(f36743)同行
くっ、一足遅かったですか…
あるいはここまで見越して、あえて我々を招き入れたのかもしれませんね…
それにしても、こんな歪なオブジェが工場長とは驚きました
見たところ周囲のマシンのデータを吸い上げている様子
これが回収できなくなってしまう前に、頂いてしまいましょう
直接敵の相手をするのは仲間に任せ、
また自衛の為にUCで複製したソーシャル・レーザーを展開して迎撃体制をとります
その上で敵へのハッキングを優先
被害者の身元やプロジェクトに関する情報を検索・エルナのSNSへと収集していきます
目ぼしい情報を大体奪えたら、制御系をハックして機能停止させられないかも試してみましょう
猟兵達の目の前で、遂に反重力リフターが完全に天井の中へと姿を消す。
同時に周囲のコンソール類からも、潮が引く様に【T】の文字が消えていった。
「ああ! 反逆者Tには逃げられてしまいましたか!」
異形のシスターに前方を遮られている以上、迂闊な強行突破も危険だ。リアラ・アリルアンナ(リアライズユアハピネス・f36743)は、未だあどけなさの多分に残る顔をもどかしそうに歪めた。
「くっ、一足遅かったですか……あるいはここまで見越して、あえて我々を招き入れたのかもしれませんね…」
それはエルナリア・アリルゼノン(ELNA.net・f25355)も同じだ。恐らく工場が襲撃を受けた時点で【T】はこの事態も考慮に入れていたのだろう。尚且つ、自分の手掛かりは殆ど残さずに……
(恐ろしいまでに慎重な相手です。まぁ、こんな歪なオブジェが工場長とは驚きましたが…)
エルナの思考はそこで途切れた。
何故なら――蛍光灯に照らされたその顔に、影が落ちたからだ。
「失失nわ失レし清聖浄聖ナ大地へえぇぇぇEeeえエ!!」
上を見る。そこには機械義手の強靭な膂力で跳躍したシスターが蜘蛛の様に義手を広げてエルナに覆い被さろうとしていた。
「エルナッ!」
寸前でリアラに抱えられ、後ろへ飛び退く二人。
「ななあ何故よよよけるのでえですすか……ここれあは救済済済ななのですdす」
奇怪な動きだ。
錆び付いたブリキ人形の様な硬さがありながら、爆発的な加速力を有している。
急発進と急停止を繰り返すその移動法は、見た目のイメージも相まって益々巨大な蜘蛛に見える。
「仕方ありません、彼はいずれ処罰するとして……まずは目の前のあなたから抹殺です!」
そう言ってリアラが取り出したのは、何故か警察手帳だった。
「動くな!」
ビシッと音がしそうな勢いでシスターに突き付けるが、勿論それでシスターが止まれば苦労はしない。微塵も気にした様子を見せずに今度はリアラに向かって突撃してくるシスター。
(ふ、かかりましたね)
しかしどうした事か、そこに先程の様な異常な急加速は見られなかった。
否、それどころか遅い。歩いて避ける事も可能なレベルだ。
実はこれがリアラの警察手帳の効果である。
そう、普通の一般市民ならば国家権力である警察の制止には従うもので、従わない場合、そこにはペナルティが待っているのだ。
「さあエルナ! ハッキングを掛けるなら今のうちです!」
「あ、はい! …ってうわっ!?」
即座に空中にコンソールを展開したエルナがシスターへのクラッキングを試みようとするが、次の瞬間、突如床のケーブル類の間から蛇の様に超高速で飛び出したケーブル状の機械義手が彼の首に巻き付く。
根元がシスターのスカートの中に繋がっているところを見るに、罠として張り巡らせていたのだろう。強靭な膂力により引き倒され床を引き摺られるエルナ。
このままでは蟻地獄に落ちた獲物の如くシスターに絡め捕られてしまう。
だが、今度はエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)が側面から仕掛けた機銃掃射がエルナを絡め捕っていた腕を切断した。
『敵機、損害状況推定――軽微。これより敵性の完全沈黙までワイルドハントを、開始し――』
エルがマガジンをリロードし、追撃に移ろうとした時、背後の闇が牙を剥いた。
「――エージェントなんとかって言いましたかよ、今?」
闇の中から染み出る様に黒ずくめの青年が現れる。
鋭い眼光を湛えた金色の双眸は、新円に見開かれた瞳孔にしっかりと異形のシスターを映し出している。
(別に【T】だろうが【D】だろうが何でもいいですわ。何なら脳みそマシンをどうするかすら知ったこっちゃねぇ……只、俺めの勘が言ってんのよ。この件と、アレは繋がりがあるってな)
「話、ちょいと聞かせて貰おうじゃニャーですか。…いや、聞くなんざァ生温いか」
青年、白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)はヤクザウォーリア顔負けのガラの悪さで手にした魔鍵を大仰に両肩に担ぐと、静かに指令を下した。
「管理者権限ですわ。戦闘は俺めに任せなさいや、エル。おたくはアレから情報全部ブッこ抜け」
『管理者権限』と言うワードにエルがビタッと制止したかと思うと、直立不動の姿勢で動かなくなった。
―――>中断
―――>実行待機中のタスクへの管理者権限による一時停止命令を確認
―――>タスク更新中...更新完了
エルが武装を解除し、後方へ下がった。工場ラインから追い付いてきたマネギ達がエルを守るように取り囲むと、尻尾から伸びたコードがエルのバイザーの外部入力コネクタに接続されていく。
『躯体番号L-95
――敵性に対するクラッキング実行へ全リソース傾注を開始します』
目まぐるしい勢いで明滅していたバイザーの光が、静かな駆動音と共に緑から赤に変わった。電脳体と化したエルが、何重ものセキュリティゲートに守られたシスターのストレージへ侵入を開始したのだ。
「救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救救救救救救救救救救救救救救救救救救救救救救救救救!!!!!!!!」
シスターの頭部がショートを起こし、痙攣する様に身体を震わせながら背中の光輪から不気味な光線を乱射してくる。
「ハッ、狙いが甘めぇ!」
物九朗は敢えてインファイトレンジに留まりながら、生み出した魔鍵で次々と機械化義手を床に縫い付け、無力化していく。
障害物だらけのコントロールルームなど、猫キマイラの彼からしたら寧ろホームグラウンドだ。身軽な動きで義手を翻弄しつつ、避けられないかと思いきや、黒猫に変化して隙間に潜り込む。
「ほ、ほらエルナ! 今度こそハッキングチャンスですよ!」
「もうやってます」
警察手帳を構えながらZAPガンで援護射撃をしていたリアラが振り返ると、エルナも既にクラッキング攻勢へと移っていた。
宙に広げたコンソールには、エルの仕業だろう、秒にも満たぬ速さでセキュリティホールが埋まっては開き埋まっては開きの攻防を繰り返えしている。
その合間を縫うように、エルナはストレージ内を見渡し、被害者の身元やプロジェクトに関する情報を収集する。
「………なん…ですかこれ…」
結果、見つかったのは異様なデータだ。
被害者となったプレイヤー達のデータは、大きく分けて戸籍データと生体データに分けられる。
生体データとは、主にゲノム情報や人格をデータ化した物の総称であるが、今、プレイヤー達は【ゲノム情報が人間では無くなっていた】。
種類は植物だったり昆虫だったり爬虫類、哺乳類と様々だが、共通しているのは【既に絶滅している】種と言う事。
エルナの背に冷たい物が走った。
「これが…完全世界の正体ですか…!」
つまり『完全世界』とは、【人間を材料に絶滅した自然環境をサイバースペースに蘇らせたゲーム】だったのだ。
そして―――突如響いたビープ音と共にエルが再び動き出す。
『データ抽出を完了しました』
「……………ハ、思った通りですわ」
コントロールルームのメインモニターに大写しになった機密データのタイトルを目にし、物九朗は吐き捨てる様に呟く。そこには、こう書いてあった。
【PROJECT PERFECT WORLD】
ーサイバーザナドゥ広域環境浄化再生計画ー
主幹企業 :Grimoire Telecom Center Holdings Co.Ltd
主幹担当者:Tobari Sakaguchi
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
新田・にこたま
【Lv2】
失われたからこそ、取り戻す努力が必要だというのに…。
UC発動。技能をハッキングに特化させた翁丸ドローンを施設内まで飛んで来させ無線接続で敵にクラッキングします。
情報を盗むことで敵が自爆するのが分かったのであれば敵の自爆まで時間稼ぎに専念します。戦闘時間が長いほど拾える情報は増えるはずです。
ドローンはハッキングに特化させていますが、お陰で敵の動きをリアルタイムでデータを盗むことで予測できます。攻撃を見切りながら隙を突き義肢を刀で切断、光線を盾で防ぐなどして時間稼ぎします。
牽制程度にドローンから自動射撃させて足を止めさせたりも。
せめて、被害者の御家族たちに、一度状況をお伝えしなければ…。
「広域環境浄化再生計画……」
新田・にこたま(普通の武装警官・f36679)は、思わずその名前を口に出して読み上げてしまった。
どういう事なのか。実は環境汚染され尽くしたこの世界を嘆いた人物がメガコーポのVIPにいて、真剣に自然環境を復活させようとしている正義の計画なのか。
(失われたからこそ、取り戻す努力が必要……確かに、それはそうです)
だが、もし、もし仮にそうだとしても、これはやり方が間違っている。
これまでのGTCのやり方を見るに、これがとてもそんな慈善的な意味合いを持つ名前には見えない。寧ろもっと、大規模で恐ろしい計画の片鱗を見た気分だ。
「ッ!……翁丸ドローン!」
どちらにせよ、既に【警察との癒着】と言う彼女にとっての重罪がある事に変わりはない。
元よりその時点でギルティ。ならば今必要なデータはこれではない。
上層部の首を(物理的に)刎ねる為の証拠だ。
――一方、地上の駐車場では。
外に止めてあったにこたまのミニパトから9体のドローンが飛び立ったかと思うと、器用にエアダクトの入り口を外して内部へと侵入した。
ドローン達はそのままダクト内部を通って地下深くへ潜入し、やがてにこたまの元までやってくる。
「行きなさい!」
号令と共にドローンがシスターの周囲を飛び回りクラッキングを開始した。
「失失失わレ失失われし清浄ナ大地へ清j清浄ナ大大大地へへへ」
勿論シスターも首を360度を回しながら怪光線を乱射してくる。
だが、にこたまはまるで光線の飛んでくる位置が分かっているかのように、紙一重で回避しながら、カウンターのドスソードを叩き込んでいく。
(右45度、仰角16.4……そのまま左63度)
これは周囲を飛び回るドローン達がシスターの駆動データをリアルタイムで読み取り、にこたまのサイバーアイと共有している為だ。
相手が最終的に自爆すると言うのなら敢えて手を下すまでもない。
このまま可能な限り情報を拾いながらじわじわと無力化し、時間稼ぎをするだけだ。
にこたまの脳裏には、既に事件後の収拾をどう付けるかを考え始めていた。
(せめて、被害者の御家族たちに、一度状況をお伝えしなければ…)
成功
🔵🔵🔴
アノルルイ・ブラエニオン
無駄だ、ニンジャが信じる物は
正義の象徴、NINJAの五文字のみ
他の何者も信じぬ!
敵は許されざる邪悪である
ゆえにニンジャ・アノルルイは決意する
エンペラー・ニンジャを喚び出すことを
ああ今、エンペラー・ニンジャ召喚のための
ニンジャ・スペルが高らかに響く!
ニンジャ ニンジャ ヴァルギリオス
ニンジャ ニンジャ ヴァルギリオス
ニンジャーーーーーーッ
即ち
帝(エンペラー)
竜(ニンジャ)
ヴァルギリオス
その姿は幻影ゆえに空間に合わせた大きさとなる
屋内からはみ出たり壁に埋まったりすることはない
そしてブレスは広範囲に撒き散らすのではなく
首を伸ばし距離を詰めてから
範囲を絞って吐く
八本ある首は逃げる隙間など残さない
ハッキングに動く者が多い中、一人だけ真逆の方向に全力疾走する者がいた。
そう、ニンジャである。
否、ニンジャ・アノルルイである。
「無駄だ、ニンジャが信じる物は唯一つ」
無駄にカッコいいポーズ(厨二病的とも言う)をキメながら、ニンジャ・アノルルイは纏ったスカーフを脱ぎ捨てた!!
「正義の象徴―――
N!!←(人文字)
Ⅰ!!←(人文字)
N!!←(人文字)
J!!←(人文字)
A!!←(人文字)
の五文字のみ!! 他の何者も信じぬ!!!」
―――コントロールルームを、乾いた風が吹き抜けた……様な気がした。
否、【気がする】ではない。
地下深くにある筈の室内に、確かに風が渦を巻いていた。
【悪、即、殺すべし】。正義を愛するニンジャの心が、アノルルイにニンジャ最終奥義、エンペラー・ニンジャ召喚を使う事を決意させたのだ!
〜その名はエンペラー・ニンジャ〜
作詞/作曲:アノルルイ・ブラエニオン
ニンジャー-!!! ヴァルギリオス!!
ニンジャー-!!! ヴァルギリオス!!
ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!ニンジャッ!!!!!(シャウト)
帝(エンペラー)!!!←(ギターでシスターを殴る)
竜(ニンジャ)!!!←(カッコいいポーズ)
ヴァルギリオォォォォォォォォォォォォス!!!!!←(何故か背後で爆発)
協賛:ワイルドハント
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして、ニンジャ・アノルルイを中心に、巨大な八つ首の竜の幻影が姿を現した。
室内と言う事で大きさが縮小されているとはいえ、それでもコントロールルームにギッチリと隙間なく収まっている。
当然身動きなどしようもないが、それで良いのだ。
八つの首が一斉に口を開け、ブレスを吐いた。
炎、水、土、氷、雷、光、闇、毒の八つのブレスが渾然一体となり、シスター諸共にコントロールルームを舐め尽くしていく。
「失わレし清浄ナ大地へ……」
強烈な光に飲み込まれた地下工場は、こうして跡形もなく破壊されたのだった。
「ニンジャー-ー-----!!!!!!!」
月夜をバックに雄叫びを上げる、ニンジャを残して
成功
🔵🔵🔴