5
【サポート優先】ノーリー・ノーリー

#UDCアース

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース


0




 ※これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

 わたしに触れることなかれ。
 わたしを信じることなかれ。

 発端は小さな違和感だった。
 記憶の欠如。
 ほんの数分、たった数秒。
 それは決まって担当しているUDCとの接触後に彼女を襲った。
「担当を変わった方がいいんじゃないか?」
 上司からの申し出を彼女は断る。
「大丈夫です、続けさせてください」
「しかし……」
「問題ありませんよ」
 彼女は精一杯の笑顔で返した。
「私が一番、あの子のことをわかっているんです」

「なぜ、極限状態にある時に限って人は大丈夫と自分に言い聞かせてしまうんだろうね」
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は集まった猟兵を出迎え、予知された事件の説明を始める。
「元凶となるのは休眠状態のままUDC組織の支部に封印されている『終わりを告げる悪夢』というコードネームのUDC怪物だ。そもそもこの支部自体がUDC怪物を封じ込めるために造られたという経緯がある。何重にも施された物理的かつ魔術的な障壁。少し目覚めたくらいの状態なら封印を破られることはないだろう。UDC職員達もこのUDC怪物を対話や世話によって微睡ませることに成功しており、いまのところはうまく制御できているはずだった」

 だが、とあるUDC職員の過失によってこのUDC怪物が覚醒するという予知がもたらされる。

「職員の名前は安良城承子。UDC怪物を担当する職員のひとりだが、このままだと彼女は近いうちに精神を崩壊して担当しているUDC怪物を目覚めさせてしまうことがわかっている。そうならないように心のケアができるといいんだけどね、というのがまずひとつ」
 都合のよいことに、安良城承子は別の仕事で遊園地を訪れる予定があるようだ。小さなUDC事件の調査がその目的のようだが、他の職員に話を通して彼女に接触できる時間を作ってもらった。
「遊園地という場所柄を利用して彼女の受けているストレスを発散してもらう。あるいは話を聞いてあげる、労わる……方法は色々あると思う。ただ、彼女はどうしてもUDC怪物の世話にこだわる理由があるようだ。その原因を取り除かなければ同じことの繰り返しになってしまいかねない。それがなにか分かっていれば話は早いんだけれど、実際に彼女と話してみないことには何ともね」

 幸い時間には余裕がある。平日で遊園地も空いており、待ち時間なしでアトラクションに乗れるはずだ。
「安良城承子はベンチにひとりで座っている。会えばきっと、すぐに彼女だとわかるよ」


ツヅキ
 安良城承子(アラギショウコ)というUDC職員の精神崩壊を食い止め、UDC怪物の覚醒を阻止することが依頼の目的です。
 各章の詳しい状況は断章にてお伝えします。

●第1章 日常
 平日の遊園地を舞台に安良城承子と接触することが可能です。UDC職員としての仕事中ですが、他の職員の協力が取り付けてあるので会話したり連れ出したりしても問題ありません。

●第2章 集団戦
 UDC怪物の召喚した配下集団との戦闘になります。

●第3章 ボス戦
 支部の最深部に封じられたUDC怪物との戦闘です。
187




第1章 日常 『遊園地へ行こう!』

POW   :    王道の絶叫マシーンに挑戦!

SPD   :    ついつい買っちゃうショップ巡り

WIZ   :    パレードやショーを見に行く

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 どうしてうまくいかないんだろう。
 安良城承子は気味の悪い苛立ちにさいなまれていた。
「私は、ちゃんとやれるはずなのに……」
 だからUDC怪物の世話という難しい仕事も任されている。人よりもできる。それが承子の自負だった。

 私は、やれる。

 なのにどうしてこんなに不安なのかわからない。
 いや、本当は気付いているのだ。
 あのUDC怪物の、目が見えない薄笑い。

「センセイ、こんにちは」

 ああ、不安になる。
 とても心配で胸が騒ぐ。
 だって、あの子は私を見下しているのだ。
 
「私がおとなしくしていないと、センセイが困るものね」

 手から滑り落ちた紙コップがアスファルトに染みを作り出す。承子は不自然に動きを止めたまま虚ろな目をさまよわせた。

 ――ここはどこ?
勝守・利司郎(サポート)
神将の四天王×花蝶神術拳伝承者、勝守・利司郎だ。
花蝶神術が何かって?オレが言い張ってるだけだが、練った気を花や蝶のごとく扱うやつ。
しっかし、『トーシロー』が達人っていう設定なぁ。あ、オレ、神隠し先で神将になる前はバーチャルキャラクターな。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動する。そうだな、主に拳に練った気を集めてグローブ代わりにして、殴ることが多いか?

他の猟兵に迷惑をかける行為はしない。オレの美学(味方ならば邪魔をしない)に反するからな。作戦なら別だが。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないからな。
あとはおまかせ。好きによろしく!


バルタン・ノーヴェ(サポート)
「オー! ワタシはバルタン・ノーヴェ、デース!」
日常を満喫しマショー! アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
得意な技能:【奉仕・料理・掃除・裁縫・救助活動】デスネ!

たぶん戦闘はないと思いマスガ、バトルの時は元気に暴れマスネー!
料理が得意ですが、奉仕や救助活動(介護や子守り含む)といったメイド・アクションも可能デース!
にぎやかしとしてワイワイはしゃいでもOK!
こっそり裏方で労働に勤しんでもOKデース!

他の猟兵の方々と楽しめるように努めてマース!
公開UCやバルタンズ、アイテムの使用も問題なくOKデスヨ!
よろしくデース!


納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから7年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!

あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ

商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします


島津・有紗(サポート)
絡み・アドリブ歓迎
「じゃあ、始めましょうか」
戦闘前にイグニッションカードから装備を展開して装着します。
味方と連携しつつ索敵しながら行動し、相手との距離に合わせてなぎなた、強弓、ガンナイフを使い分けて戦います。
味方と連係する場合は、攻撃より味方の支援を優先します。
UCは状況に合わせた物を選択して使用します。


シフィル・エルドラド(サポート)
『皆に元気を分け与えにやって来たよ!』 

ハイカラさんの勇者×国民的スタアの女の子。
 普段の口調:明るい(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
 嬉しい時の口調:ハイテンション(あたし、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

元気一杯で天真爛漫な性格をしていて、ポジティブな思考の持ち主。
困っている人や危機に陥っている人は放ってはおけず
積極的に助ける主義です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


桜井・乃愛(サポート)
 桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女の子です。
 普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 遊園地という人々の娯楽を象徴する日常的な風景において忘我の状態にある承子の様子は異質だ。
 光の無い両目は焦点を失い、息さえもほとんど止めている。会えばわかるという言葉の意味をシフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)は過たず理解した。
(「ああ、この人は……」)
 彼女を助けたい一心でそっと肩に触れ、出来る限り優しく穏やかに微笑みかける。
「安良城さん、大丈夫?」
「えッ……」
 きょとんとシフィルを見つめる承子の視点がようやく像を結んだ。
「私、どうして――」
「確か、UDC職員の仕事で来ているんですよね。違いましたか?」
 後を引き継いだのはベンチに腰掛ける承子の前に膝をつき、顔を覗き込むような体勢の島津・有紗(人間の戦巫女・f04210)だった。
 重症一歩手前、と有紗はすかさず見立てる。
 UDC怪物による精神汚染の影響だろう。承子の瞳は薄っすらと赤みがかっており、長く見つめているとこちらの心まで侵食されてしまいそうだ。有紗は狂気耐性でそれを抑え込み、正気を保つ。まずは彼女の不安を和らげなければ話もできない。
「そうだわ、仕事」
 慌てて立ち上がる承子が立ちくらみでよろめいたのを、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)がそっと慈しみ深い手つきで支える。
「どうやらお疲れみたいデス! 無理せずにもう少し休んでいきマショー! 職員の方々には許可を貰ってあるので無問題デース!」
 バルタンはてきぱきと承子をベンチに座らせ、買って来た飲料のボトルを手渡した。
「あ、ありがとう……」
「勿論デース!」
 もらっていいのかな、と首を傾げる承子にバルタンは満面の笑みを浮かべる。
「じゃあ、遠慮なく」
「ついでにお菓子もあるんですわ」
 納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)はとっておきのゴーストスイーツを乗せた両手を承子に向かって差し出した。
「疲労回復、ポップでポイズンなスイーツを召し上がれ」
 ピンチンは自分も同じものを頬張りながら承子の隣に腰かける。毒は入ってませんよなんてお茶目なアピールに承子が小さく吹き出した。
「そんなの疑わないよ! わ、甘くておいしい……!?」
「でしょう? 喜んでもらえてよかったですわ」
 ピンチンはブーツを履いた両足を無邪気に振りながら自己紹介を済ませ、さりげなく承子の身の上話を聞き出した。
 現在のUDC施設に移って3年目。階級は主任で若手の中では出世が早かったようだ。
「お仕事は忙しいの?」
 桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)の質問に承子は即答する。
「それはそう。でも、とてもやり甲斐のある仕事だから」
 ――嘘、と乃愛は微かに眉をひそめた。読心術の心得がある乃愛には彼女が僅かに自分の心を偽ったのがわかってしまったのだ。
「でも、すごく辛そうだよ。なにか嫌なことや困っていることがあるんじゃない?」
「それは……」
 承子がちら、と意味ありげな眼差しで乃愛を見る。
「……あなた、あの子と年が近そうね。あの子……『終わりを告げる悪夢』というコードネームのつけられたUDC怪物……私、あの子に嫌われてる気がするの。笑うんだ、あの子。まるで私を馬鹿にするみたいに」
「ふむ」
 両腕を組み合わせ、勝守・利司郎(元側近NPC・f36279)は考える。何気に複雑な事情があるらしい。果たしてオレが仕えていた悪女様ならこの状況をどうするかな、なんて。
「やっぱ、取り合えず配信の準備始めちゃうんだろうなあ……」
「え? 配信?」
「何でもない、こっちの話。で、そのUDC怪物に馬鹿にされてる気がして落ち込んでるってことでいい? なら、せっかく遊園地に来てるんだ。思いっきり遊んで憂鬱な気分を吹っ飛ばすってのはどうだい」
「でも――」
「いいから、さあいこう!」
 利司郎は承子の手を引き、端からアトラクションを乗り回すことにした。

「き……きやぁああああ!!」
「オー! 結構エグい動き方するマシンデスネ! 上下左右目まぐるしく角度が変わって全く飽きマセーン!」
 目を回してふらふらと降りる承子を後目にバルタンは興奮気味に目を輝かせている。平日のせいか待ち時間はほぼ0分、となれば。
「もう一回乗りマショー!」
「きゃああああ!!」
「フウ、楽しかったデス!」
「な、なんで平気なの……?」
「ワタシ、空中戦には強いのデース!」
 ちからこぶを作るみたいに腕を曲げてウインクするバルタン。叫び疲れてふらふらの承子をピンチンが遊園地内のお土産屋さんに連れて行った。
「お次はショッピングですわ。安良城さんはどういうのが好きなんです? ぬいぐるみですとか、あるいはアクセサリーですとか。アタシは飴ちゃん購うて帰ろうかと思ってますわ」
 見ると、ピンチンの手には限定の缶入りキャンディがある。承子はちょっと考えて、大袋入りのお菓子を手に取った。
「職員の皆に差し入れ……甘いのと、しょっぱいのと」
「そうそう、お裾分けって大事なんですわ!」
 商人街出身者のピンチンは仕事仲間への気遣いを忘れてはいけないことを知っている。
「そうよね。皆には迷惑もかけちゃったし、きちんとお礼を言わないと」
 ショップには他に、園内の植物をモチーフにしたグッズやポストカードなどもあるようだ。
「これ桜の木だ! もう少ししたら綺麗な花が咲くんだろうなあ……」
 乃亜は桜並木の写真と実際の景色を交互に眺めた。最近やっと暖かくなってきたから桜の枝にも小さな蕾が目立つ。
「安良城さんの勤めるUDC施設にはどんな植物があるのかな。桜はある?」
「ええ、門のところに植えてあるの。あとは春先だと沈丁花とか……」
「沈丁花かあ、とってもいい匂いのする花だよね」
「うん!」
 お土産物は種類があり過ぎて、シフィルにとってはまるで宝探しのよう。目移りしつつ、気になったお菓子に手を伸ばした。
「これ、おいしそうね。私もいくつか旅団やお友達のために買って帰ろうかなあ」
 運よく売り切れる直前の残りひと袋を手に入れたシフィルは、可愛らしいショッピングバッグを手に提げて店を出る。
「安良城さんにも笑顔が戻ってよかったね。やっぱり、お仕事のストレスを発散するには思いっきり羽根を伸ばすのが一番よ!」
「そうですね。そろそろ日が暮れてきましたし、パレードが始まる時間です。行きますか?」
 手際よく、折り畳まれたパンフレットを開いてパレードのルートを確認する有紗。
「へえ、パレードなんてものもあるんだな」
 利司郎は物珍しそうに顔を上げ、遠くから聞こえる音楽と瞬く光の色彩に目を細めた。
「綺麗だなぁ。こうやって、この世界の人間は人を楽しませようとしてるんだな」
 例えば、利司郎は練った気を花や蝶のように扱うことができる。
 用途も原理もまるで違うが、無数の電飾で飾られた乗り物に乗ったマスコットたちが風船を飛ばしたりドライフラワーを撒いたりする光景はどことなく親近感のようなものを湧き上がらせる。
「さあ、安良城さんも前にいらっしゃってください」
 有紗が呼ぶと、承子は遠慮がちに最前列の柵前へ歩み寄った。まるで童心に返ったかのように楽しんでいる。
「……ありがとう。あなたたちのおかげで、なんだか心が軽くなったよ。確かに私、ちょっと疲れてたのかもしれない」
「よかったです。あまり無理はしないで、ご自身の身体を労わってくださいね」
「うん」
 承子の微笑む横顔をパレードの電飾が虹色に照らした。有紗も隣に並び立ち、パレードが終わる時間まで彼女の隣を離れなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『奇跡亡き夜の囚人』

POW   :    乱心『明けぬ夜の旅』
【失われたはずの自我が不意】に覚醒して【邪神の力を完全制御した闇を纏う姿】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    汚染拡大『数珠繋ぎの不運』
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【影人間】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ   :    変異侵食『悪夢が始まった日』
自身が戦闘で瀕死になると【全身から無数の影人間】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:nii-otto

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 夜が近づいてくる。
 それは世界を闇で侵すための匍匐前進。気付けば間近にまで迫る者たちの名は、彼等の背負う絶望と悲哀そのものだった。

「え?」
 職場からの緊急通話を繋いだ承子は愕然と聞き返した。
「施設がUDC怪物からの襲撃を受けているって、どういうことですか」
『詳しい事情はわからん。とにかく奴らは日暮れと共にやってきた。しかも、明らかに“例の場所”を目指して侵入を試みている』
「例の……あの子がいる地下ですね?」
『そうだ。職員総出で防衛しているがこのままでは……おい、ぼさっとしてないで早く動け!』
「私も戻ります」
『ああ、急いでくれ』
 通話の切れたスマートフォンを掴んだまま承子が叫んだ。
「施設に戻らなきゃ……! UDC怪物があの子の封印を壊して覚醒したら何もかもが終わっちゃう!!」
七星・桜華(サポート)
『天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと。』
『一か八かの勝負?そんな事しなくても私達の勝ちだね!!』
『勝った後は派手に騒ぐんだ!誰一人として倒れないようにね!!』
敵の数が多い場合は敵の強さで一体づつ倒すか複数を纏めて狙うかを第六感や野生の勘と言われる直感で即決する、また見切りの速さも早い。
闘う姿は舞っているかの動きで敵を魅了する、上空の敵が相手でも空中戦もできる。
攻守において残像を使い殺気や覇気が残像にまで残る程の濃密加減。
頑丈な敵が相手でも鎧等を無視した内部破壊系攻撃を当たり前のように使いこなす。
長期戦になっても敵の消耗と自身の回復に生命力を吸収して凌ぐ。
戦闘では先の先、後の先問わず。


陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。

悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
正面からのぶつかり合いを好みますが、護符を化け術で変化させて操作したりなどの小技も使えます。
全力魔法使用後の魔力枯渇はにゃんジュール等の補給で補います
名刀『マタタビ丸』は量産品なので、もしも壊れても予備があります。

 ユーベルコードは指定した物を使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 世闇に紛れ、『奇跡亡き夜の囚人』たちは音もなくUDC施設への襲撃を開始した。職員の大半は仕事を終えて帰宅した後のことであり、最初に気づいた警備員は即座に連絡網を通じて関係各所に通達する。
「UDC怪物が多数襲来、施設の防護を突破しようと攻撃を仕掛けています!!」

「派手にやってるじゃないか!!」
 真っ先に敵陣へと飛び込む深紅の人影が舞うように白刃を閃かせた直後、施設の出入り口に群がっていた敵のうち複数が地面に頽れた。
 ――七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)、見参。
「これ以上、中には入れないよ! 覚悟!!」
 ロビーの前に仁王立ち、桜華は敵の侵入をここで食い止めるために戦い始めた。敵も対抗してその身に闇を纏い強化を果たす。こちらに向けて突き出されるナイフの切っ先が体に触れるよりも早く見切って飛び退き、上を取った。

 どこだ?

 桜華を見失った敵が俄かに慌てふためいた隙を陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は逃さずに突撃する。
「マタタビ丸、いくぞォッ!!」
 柳花の動きに合わせて炎の螺旋が渦巻き、剣の流れを追うように紅蓮の嵐が敵を巻き込んだ。深々と突き刺さった刃が3倍の攻撃力で敵を切り裂く。一刀でひとりを確実に屠り、数を減らしてゆく。
「俺の剣を食らいやがれッ!! ひとりだって逃げられるたぁ思うなよ!!」
 わざと柳火は大声を上げて自分に注意を引き付けた。こうやって暴れれば暴れるほど敵の注目は柳火だけに集まる。
 まさか、空中から不可避の斬撃が降り注ぐなどとは思いもよらなかったのだろう。頃合いを逃さず、桜華がそれまで押さえていた殺気と覇気を同時に解放した。
「――斬る」
 刹那、敵のアーマーごと砕いた九つの剣閃が戦場に降臨する。滑るように桜華が着地した背後で内部を破壊された敵が数メートルほど転がりながら吹き飛んだ。
「ぐ……ああッ――」
「あばよッ!」
 柳火は仰向けになって仰ぐ敵の胸にマタタビ丸を突き刺して息の根を止める。同時にマタタビ丸自身もひび割れ使い物にならなくなるが、予備ならいくらでもあるので問題ない。
「中は無事か?」
 既に敵の大半は施設の内部への侵入を果たした後だった。ロビーの奥、エレベーターホールのある中央部分から激しい戦いの気配が伝わってくる。 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

石森・ユリ(サポート)
「たとえ私がどうなったとしても、必ず道を切り開きます」
味方のために動き、敵を倒すことを目的に動きます。
敵を倒すためならば、また味方を守るためならば、犠牲は厭いません。
そのため肉を切らせて骨を断つ戦法を好みます。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせで、よろしくおねがいします。


ジン・マキハラ(サポート)
サイボーグのゴッドハンド×ブレイズキャリバー

胸に永久機関を持つ

口調は「俺、呼び捨て、だ、だな」

標的に事情があるなら同情する事もあるが手加減はしない(できる限り殺さない様にする)ただの悪人とオブリビオンには一切容赦しない

戦闘スタイルは前衛型
一撃重視か広範囲の殲滅に長けている
武器は両手剣クロックヘイズとアサルトライフルのレイジングストームと蒼炎覇気を纏った格闘術

探索時には自身の視覚同調型演算機器による解析やハッキングツールによる情報収集を行う他使える物は全て使う

ユーベルコードは指定した物を使用する

公序良俗に反する行動はせず猟兵達との連携を重視する

アドリブOK
複数リプレイOK



 他の猟兵が外の敵を足止めしている間に石森・ユリ(強化人間のスーパーヒーロー・f27532)とジン・マキハラ(ブレイズ・オブ・マキナ・f36251)はUDC職員の救出に動いた。
「その人から離れなさい!」
 偽神兵器がオブリビオンストームを消費して戦闘形態を為す。攻撃は的確に敵のみを捉え、包囲網から逃れた職員は枯れた声を張り上げた。
「敵群はエレベーターホールに向かっている。UDC怪物と接触し、封印を破られたらとんでもないことになるぞ。うわッ!!」
「ちッ、数がやばいな」
 ジン・マキハラ(ブレイズ・オブ・マキナ・f36251)は内臓突撃中を展開、隙あらば襲いかかるオブリビオンを弾丸の雨で薙ぎ払った。
「とにかく避難を急げ。エレベーターホールの方は俺たちの仲間がなんとかするはずだ。後は任せて離脱しろ」
「す、すまない」
 逃げる職員たちを背に庇い、仁王立ちになったジンの胸部から蒼い光が陽炎のように揺らめいた。
 それはインフェルノ・ディザスターと呼ばれる極大破壊エネルギー。剥き出した砲身より放たれ、闇を纏う者らを跡形もなく消滅させる。
「しかし、奴らどうやってエレベーターホールの場所を? 目的は地下に封印されたUDC怪物らしいが、そもそもその存在をどこで知ったんだ」
「なんだか、嫌な予感がします」
 ユリが神妙な顔でつぶやいた。
「地下のUDC怪物の様子を探れますか?」
「やってみよう」
「お願いします。その間、私が囮になって敵を引き付けます」
 偽神兵器を手に飛び出したユリは敵の眼前をわざと突っ切って自分に注意を向けさせる。その間にジンは施設コンピュータへのハッキングによって監視カメラや各種センサーから得られる情報を収集分析。そこから導き出される結論に眉をひそめた。
「起きている、だと……?」
 件の怪物UDCを閉じ込めてある地下ホール。何人かの職員が倒れている。笑い声の主は制服を着た少女だった。
『私に触れることなかれ』
 まるで祈りのような、しかし傲然とした声色で。
『私を信じることなかれ』
 状況は怪物UDCが覚醒しかけていることを意味している。もはや職員の手には負えない。再封印は難しく、猟兵がその手で倒す他にこの場を収める手段はない。
「ならば、止めるまで」
 さっきまでとは一転、攻勢に転じたユリを中心としたオブリビオンストームの発露が敵群を呑み込んだ。
「覚醒は必ず阻止します」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!


人柄

普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します


心情

仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています


基本行動

味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します

一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします

またUC【贖罪】により楽には死ねません

ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います


戦闘

味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用


戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます


湊川・亮一(サポート)
基本的に屋外では宇宙バイクに搭乗。屋内では十分な広さが確保されている場合のみ宇宙バイクを使用。
センサーゴーグルで【索敵】しつつ行動し、情報を元に【戦闘知識】で有利な位置取りを取る様に移動。
敵を確認出来る位置まで来たらブラスターカービンの【スナイパー】で【先制攻撃】する。
状況に応じて味方を【援護射撃】で支援するが、基本的にはガトリングブラスターの【弾幕】と複合兵装ユニットの【誘導弾】の【一斉発射】で【制圧射撃】を行いながら宇宙バイクで突撃し、車体による【吹き飛ばし】と【衝撃波】で追加ダメージを与える。
突撃に合わせて状況に応じたUCを使用する。
敵の攻撃は【地形の利用】【見切り】【ジャンプ】で回避


シフィル・エルドラド(サポート)
『皆に元気を分け与えにやって来たよ!』 

ハイカラさんの勇者×国民的スタアの女の子。
 普段の口調:明るい(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
 嬉しい時の口調:ハイテンション(あたし、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

元気一杯で天真爛漫な性格をしていて、ポジティブな思考の持ち主。
困っている人や危機に陥っている人は放ってはおけず
積極的に助ける主義です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。


七星・彩華(サポート)
 羅刹の妖剣士×宿星武侠です。
『呪詛で溢れた戦場は私の舞台さ!』
 口調は我が道を行く姐さん、仲間にはフレンドリーな姐さん

自身が支配する呪詛も武器として扱う戦闘狂、頭脳派で行動に穴があるようで抜け目が無い。
戦闘狂だが考えた戦術や戦闘の流れが上手くハマる方が戦闘狂としての感情が溢れ出る。
闘う事を至高と考える一方で守る者や仲間との共闘も戦闘の重要な要因と考えている。
行動は天上天下唯我独尊を貫く。
猟兵の夫と二人の娘がいる。


 ユーベルコードは指定した物を使用、怪我は厭わず行動します。
迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
 あとはお任せ。よろしくお願いします!


マナ・サマエル(サポート)
『わらわに容易く触れようなど‥命知らずかただの阿保か。』

◆口調
尊大【わらわ、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?】
時々 冷徹【私、お前、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?】

◆性格
尊大で冷酷。
ただ務めをやり遂げる真面目さと自分の駒や懐に入れた者だけには寛大。

◆基本行動
無駄な事はしないが興が乗れば敢えてする。
◆戦闘
魔法はもちろん足が出たり笏で殴ったりと物理に出ることもある。
◆他の世界で無駄な揉め事を起こすつもりはない。

あとはおまかせ。
アドリブ連携ok/好きに使ってくれてかまわない。
 



「う……」
 エレベーターホールは戦場。ところどころに倒れたUDC職員が血みどろになって呻き、侵入を果たしたUDC怪物の銃弾が次々とエレベーターに撃ち込まれてゆく惨状であった。
「大丈夫ですか!?」
 真っ先にシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は手負いの職員たちの元へ駆けつけて救護を行う。
「他に痛いところがあったら言ってくださいね」
「き、君は……?」
「あなたたちを助けに来たんです。これ以上、彼等の好きにはさせません」
 シホが微笑みかけると、職員はほっと脱力する。そして心からの願いを込めてシホの手を握り、懇願した。
「頼む、あいつらを止めてくれ……地下に封印しているUDC怪物と接触されたら終わりなんだ」
「安心して、そんなこと絶対にさせやしないんだから!」
 敵と職員らの間に割り込んだシフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)の小盾が銃弾を弾き、英霊たちを召喚するための時間を稼いだ。
「さあ、ここへ来てあいつらを倒してちょうだい。あなた達の剣と魔法で!」
 膝をつき、盾を構えるシフィルを守るように現れたのは聖なる剣を構えた戦士と強大なる魔力を宿した杖を携える魔術師のふたり。戦士は颶風のようにUDC怪物たちに躍りかかってその手から銃を薙ぎ払い、魔術師は呪文を紡ぎ、見えない魔法で彼等を締め上げる。
「一斉突撃!!」
 ばらばらに戦っていては埒が開かぬと、UDC怪物たちは動きを揃えて進軍を行った。にも関わらず、いくら走ってもエレベーターにたどり着けない。何故? やがて彼等は気が付くのだ。

 ……ここはどこなのだ?

 そう、シホの生み出した光の迷路が彼等を迷わせる。惑わせる。ほとんどの者は出口にたどり着く前にその邪心と共に息絶えた。
 残る者はたとえ迷路を脱出できたとしても、出口で待ち構えていたシフィルの命令を忠実に叶えるふたりの英霊に止めを刺される他なかった。
 そして、運よく迷路に取り込まれなかった者たちに襲いかかったのは宇宙バイクを乗りこなす湊川・亮一(スペースノイドの鎧装騎兵・f06481)による五月雨の如き制圧射撃である。
「間一髪、間に合ったみたいだな」
 センサーゴーグルにはうじゃうじゃいる敵の数が無数の光点で表示中。亮一はその情報を元にバイクを飛ばしてエレベーターホールに滑り込んだのだ。宇宙バイクに実装された連射式のガトリングブラスターによる弾幕に追加してやるのは背部兵装ユニットから放出される大量の誘導弾。まさしく全身兵器、まさしく戦いの申し子。
「まずはやつらをエレベーターから引き剥がす」
「了解した。これも何かの縁だ、力を貸そう……」
 アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)は素早く愛用の銃を引き抜いて早撃つ。クイックドロウによる先制攻撃――しかも敵は未だアスの存在を把握する前の出来事だ。
 避けられるか?
 ――否。
 精確に急所を射抜く技こそまさしくサジタリウス。射手の神。アスはシフォンと共にエレベーターホールにやってきた承子に気づいて目を細めた。
「……ここは危険だ。下がっていた方がいい」
「でも――」
 こういう時にどう説得すれば効果的なのか、人付き合いに不器用なアスにはわからない。だから率直に、できるだけ誠実に告げた。
「怪我をした職員と一緒に安全な場所へ。俺たちが道を切り拓く」
「わ、わかりました」
 承子は応急手当を終えた同僚に肩を貸し、非常口を目指して移動を始める。その背に銃口を向けかけた敵陣目がけて亮一がすかさずバイクを突っ込ませた。
「くらいやがれ!」
 スタンディング・ウィリーで浮き上がった前輪が敵を吹き飛ばす。止めは急旋回させた後輪から迸る衝撃波だ。相手は二度と動けないほどのダメージを叩き込まれ、痙攣しながら息絶える。
 アスは亮一を支援するため、二丁のブルーブラスターを交互に撃ち放った。敵の手から武器を落とした後で、無防備な胸元を貫き倒す。
「俺の銃から逃げられるとでも思ったか?」
 いつしか、エレベーターホールに立っているのは猟兵たちだけになっていた。念のために入口方面を窺ったが、そちらは別の猟兵がうまく立ち回ってくれたようだ。

「す、すごい……私たちがあれほど手こずったやつらを相手に、こんな……」
「地下への通路はここだけなの?」
 シフォンは気になって尋ねる。
「彼等の動きは、まるで誰かに手引きされたみたいよ。もしかしたら、他にも遊撃部隊がいるかもしれない」
 ごくりと喉を鳴らし、職員は一瞬だけ考えた後で言った。
「UDC怪物を封じている地下室に電力や空気を送り込むための小さな部屋がある。けれど、まさか……」
 その時、大きな爆発音が二度轟いた。
「あれって――」
 シフィルの言葉を職員が告ぐ。
「さっき話した部屋の方向だ!」

「急げ」
 斥候の数人が先にその小部屋にたどり着いた。真下にUDC怪物を封じるホールがある、施設中心部の電力室。既に職員は退避しており、無人の入り口を強引に銃弾でこじ開けて侵入を試みた――まさにその時、間一髪で七星・彩華(狂い咲く戦場の華・f32940)の剣閃が場を支配する。
「そこまでだ、地下へは行かせない」
 敵を斬った妖刀からどろりと滲み出るのは無謬の呪詛である。床に転がったUDC怪物たちの口や目からも同じものが覗いた。体を傷つけることなく、その魂や精神のみを仕留める魂喰なる技の神髄。

「そんな、まさか……」
 同僚の職員を連れて非常口から外に逃げ出した承子は胸元を抑えて呟いた。マナ・サマエル(神をも害す猛毒・f31613)は両手に腰を当て、見下ろすように彼女を眺める。
「どうしたのだ。顔色が悪いぞ」
「もしも“あの子”が起きてしまったのだとしたら」
 承子は真っ青になって言った。
「――もしも、もしもだけど。あの子がこの襲撃を画策したのだとしたら? それは私の責任よ。世話係の私が逆にあの子の狂気に魅せられてしまったから――」
「ふむ。面白い」
 マナは腕を組み、僅かに頷く。
「だとしたらどうするのだ?」
「止めるに決まってるじゃない!」
「貴様には無理だ」
 尊大に言い放つマナに承子はショックを受けた顔になる。
「そ、それは……分かってるけど、でも、私の責任なのよ。命に代えたって、やらなきゃならないの!」
 直後、マナの背に生えた大翼が輝いて承子の眼前に不思議な機械が現れた。
「これは、なに?」
「ふん、興が乗ったに過ぎん。貴様の『何を犠牲にしても1番叶えたい』という願いを叶えるための道具だ。――見ろ」
「あッ……」
 マナが機械を手に施設の内部へ足を踏み入れると、それは強力な磁場を発生してUDC施設一帯に強固な“檻”を創り上げる。
「これで再び、地下におるUDC怪物は外に出られなくなった。ネズミ捕りにかかったネズミに逃げ場などないわ!」

「やってくれる」
 彩華は仲間のおかげで状況が好転したことを知って破顔一笑した。足元の床には強固な結界が形成され、UDC怪物たちが銃弾を撃ち込もうがびくともしない。
「これで、お前らがどれだけ暴れようと目的を果たすことができなくなった。それでもまだやるか?」
 妖刀を突きつけ、毅然と尋ねる。
「……ッ」
 戦場において躊躇いは命取りだ。一瞬、判断に迷ったのを彩華は見逃さなかった。刹那、剣閃が幾重にも瞬いた。恐るべき速度で飛翔し、敵を――その内部を斬り捨てた彩華の背後で最後の敵が頽れる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『終わりを告げる悪夢』

POW   :    反纏衝
【自身の力を上乗せするカウンター奥義】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、自身の力を上乗せするカウンター奥義から何度でも発動できる。
SPD   :    クランケヴァッフェオーバーロード
【クランケヴァッフェ】で攻撃する。[クランケヴァッフェ]に施された【元になったUDCの能力】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ   :    リアルTAS
【理論上は可能な動き】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【理論上は可能な手段】で攻撃する。

イラスト:nno

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠十八女・五郎八です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 Noli――それはラテン語で『No』を意味する否定の言葉。

「私に触れることなかれ」
 だって、あなたは私を自分の価値を確かめるための道具としか思っていないから。
「私を信じることなかれ」
 いつか私はあなたを裏切り、この狭い場所から飛び立つのだから。

「だめよ!!」
 頭上のスピーカーから聞こえた承子の声に『終わりを告げる悪夢』は顔を上げた。同時に床下から何本もの制御棒が突き出して彼女の自由を妨げる。
 クランケヴァッフェを鉤爪のように操り、ツール・アシステッド・スピードランの如く動けるUDC怪物の動きを物理的かつ魔術的に制限するための装置だ。
「これであなたは自由に動けない。お願いだからおとなしく眠りについて!」
「そしてあなたは私を抑え込むことに成功した優越感にひたるのね?」
「……何を」
「わかるわ、私も同じだったから。人よりも少しだけできて、人よりも少しだけ賢くて、人よりも少しだけ仕事ができて」
 くすッと『終わりを告げる悪夢』の口元が割れるように吊り上がった。
「そしていつかその“少しだけ”に溺れて自分を見失う。おろかな承子。人よりもできるというのは、決して人よりも幸せになれるという意味ではないのよ」
グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)


叢雲・雨幻(サポート)
真正面から、と言うよりは掠め手で相手を惑わせて
攪乱しながらのらりくらりと追い詰める戦い方を好むよ。
ただし共闘者がいて危ない時は飛び出して守りに行くかな。

使う武器は【黒雲】【黒霧【対】】の二刀流での戦闘が主。
使うUC次第では連結してダブルセイバーにしたり、
そもそも剣を【武器受け】用として使い、影を操る攻撃で戦ったりするよ。

基本的に相手の攻撃を【見切り】、【早業】で【武器受け】をしながら動きを観察し、隙を見つけて【切り込み】もしくは【カウンター】を決めて離れる飄々とした動きのヒット&アウェイスタイル。
戦闘中も仲間やボスにも冗談を交えて話しかけたりする。
ただしあまりにも非道な相手の場合は別だがね。



「始まったようだね」
 グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)の判断は早かった。圧倒的な存在感、研ぎ澄まされた殺気。ブラスターの斉射を受けたUDC怪物の全身に幾つもの空洞が広がる。
「あら、ひどい」
 穿たれた穴から迸るのは複製されたフルバースト・マキシマム。グレナディンは軽く鼻を鳴らした。
「そいつはあたしの技だよ。どうやったら躱せるか、わからないとでも思ったのかい?」
 第六感の導きも加味された素早い動きで横っ跳び、紙一重で銃撃を躱すグレナディン。その過程で僅か一瞬だけ、グレナディンと叢雲・雨幻(色褪せた根無し草・f29537)の視線が交錯する。
「陽動ね、おっけい」
 もともと敵を攪乱するのを好む雨幻にとって本隊が攻撃を仕掛ける機会を生むための囮は望むところだ。恐ろしい速さで襲いかかるクランケヴァッフェを黒雲でいなし、立て続けに黒霧で攻め込む早業の妙。
「!」
 二刀に気を取られていた間にUDC怪物の足元に影が絡みついていた。
「残念だけど、もう逃げられないよ」
 直後、遠隔操作されたグレネードが爆発。煙幕に紛れて飛来したナイフの切っ先が深々と敵の肉を裂いて血潮を吹かせる。
「あたしを忘れてもらっちゃ困るね」
 反撃しかけた相手の前を塞いだグレナディンのブラスターが零距離の間近にて火を噴いた。激しい高火力で足止める、足止める――! 
 仕方なくいったん退こうとしたUDC怪物であったが、すかさず動きを見切った雨幻の切り込みが退路を断ち切った。
 
 前後をとられた。

 一瞬、ほんの僅かな刹那。
 UDC怪物こと『終わりを告げる悪夢』はどちらを先に対処するかで迷ったのだろう。これが数の優位だ。一方、目標がはっきりしているグレナディンと雨幻の攻撃がほとんど同時に彼女を襲い、その細い体を串刺した。
「やるじゃない……ッ」
「それほどでも」
 雨幻は飄々と笑いかける。
「さ、まだ戦いは始まったばかりだ。続きをやろうか」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー(サポート)
「戦闘は得意な方に譲りますよ」
自称偵察専門、宇宙出身の竜派ドラゴニアン青年


単純明快が信条、焦るとラフになる以外は概ね穏やかな物腰です
変装・偵察・工作などの非戦闘活動を、特に悪環境下で高く適応して実行する。
他方、猟兵達の戦闘関連のユーベルコードには感心しがちです
全部80点で100点は取れないタイプ


●特徴として
功夫・衝撃波による砲撃戦・結界術の3種が戦術の主体です
全て「偵察技術の延長線で取得した」とのこと
ストーリーや背景を描写する際の進行役や
負傷や撤退などで登場人物の強さや設定などの演出素材としてもお役立てください


シン・クレスケンス(サポート)
「大抵のことはこなせますので、何でもお申し付けください」
◆人物像
・落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
・窮地でも動じず冷静に戦況を判断し切り抜ける。
◆猟兵になる以前の経歴から調査、情報操作、諜報が得意。
◆戦闘
【破魔】の魔力を込めた銀の銃弾等の詠唱銃による攻撃や、魔術による攻撃を得意としている。
◆UDC『ツキ』
シンに取り憑いているUDC。闇色の狼の姿をしている。
こちらも追跡が得意(魔力を嗅ぎ分けている)で、戦闘は牙や爪で攻撃。
◆口調
・シン
僕/相手はさん付け(使役は呼び捨て)
~です、~ます、~ですか?等丁寧で穏やかな話し方。
・ツキ
俺/お前、呼び捨て。
~だぜ、~だろ、~じゃないか?等男性的な話し方。



 ベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)は得心がいったように頷いていた。
「ほう……」
 実によくできている。
 強力なUDC怪物を止め置く為に設置された個室型の結界と、万が一の際に相手の動きを制限するための制御棒。特に後者は戦いで利用すればこちらの有利に持ち込めるのは間違いない。
「ご存じですか? 生命波動はこのようにも使えるんですよ」
「え――?」
 突如、制御棒にかかる摩擦係数がほとんどゼロに近い数値にまで落ち込んだ。クランケヴァッフェを制御棒に引っ掛けるような動作でそれらの障害物をくぐり抜けていたUDC怪物が虚を突かれた顔になる。
「なんなの? 掴めなくなった?」
「おやおや。さきほどまでの余裕はどうしました?」
 闇色の狼を連れたシン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)は『ツキ』という名の猟犬を戦場に解き放った。
「ったく、狼使いの荒いやつだぜ」
 小回りの利くツキは制御棒が乱立する戦場で圧倒的優位な立場にある。ジグザグに制御棒の間を駆け抜け、死角から鋭い爪と牙で襲いかかるツキを相手にUDC怪物が手こずっているのが一目瞭然であった。
「さて、僕はその間に少々情報収集しておくとしますかね……」
 シンは手ごろな端末を足掛かりに施設のホストコンピュータへアクセス。すると面白いことがわかった。記録が改竄されているせいでわかりづらいが、この場所から外部に向けて特殊な電波が発信された形跡がある。
 眼鏡越しの視線がシンからUDC怪物に向かって投げかけられた。
「あなた、ここからお仲間を呼びましたね? わざと騒ぎを起こしてここから抜け出すために」
「そうよ。本当は承子の精神を汚染して私の管理に関する重大なミスを引き起こさせるつもりだった。それがあなたたちのおかげで失敗。だから次の手を打ったまでよ」
 つまり、とベルベナは鋭く核心をついた。
「安良城さんの不調はあなたが仕組んだものだったのですね?」
「正解」
 UDC怪物は笑った。
 承子の心をじわじわと壊してきたあの笑顔で。
「だって愚かなのよ、あの人。優秀な自分というちっぽけなプライドしか心のよりどころがないの。だからほんのちょっとだけ、匂わす程度に蔑んであげるだけで自ら潰れていく。『わたし、馬鹿にされてるのかも? 人よりできるはずなのになんで、どうして?』ってね、あははははッ!!」
「――黙って下さい」
 ベルベナの緑色の瞳がUDC怪物を射抜いた。
「安良城さんは真面目に仕事を頑張っていたんです。あなたに彼女を軽蔑する資格はありません」
 UDC怪物の笑い声が止む。
 一瞬、戦場に一切の音が無くなった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

虹川・朝霞(サポート)
二つの故郷(UDCアースとカクリヨファンタズム)をふらふらしていた竜神。救援要請あるところに行くように。
自分が電脳魔術士であることをよく忘れます。

基本は慈悲を持って接するため、口調は丁寧です。
怒りを持ったときのみ、『阿賢賀水神』に戻ります(口調『遥かなる水神』)
なお、装備品の鉄下駄はUDC圧縮体のため、超絶重いです。鉄って言い張ってるだけです。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はいたしません。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします!


シホ・エーデルワイス
アドリブ歓迎


敵の言葉に近視感を覚え
依頼<罪は冷たく静かに降りしきる>で明らかになった
夫人の説得に失敗した時の光景が脳裏を過る

夫人
「そして貴女は一人で揉め事を解決した優越感に浸るのね?
分かるわ
私も他の人より少し血筋が良くて
少し裕福で恵まれているから
使用人の様に泥で汚れ冷水で手を凍えさせる様な働きをせずに済んだ…

若い騎士様
貴女は夫と離婚すれば良いと言うけど
離婚した私はどうやって生きればいいの?
血筋と器量で
もう若くない泥に塗れて働いた事も無い私が幸せになれると?」


クラっとする

あの時の私は…確かに気負っていました
あの場に駆けつけられた騎士は私だけで
私が何とかするしかない
新米でも騎士の言葉なら聞き入れてくれるはず

そうして道徳的価値観で説得しようとした…
夫の暴力に虐げられ支配されていた夫人の苦しみを分かろうとせずに…


今回の敵はあの時の夫人と全く違うと思うけど…

承子さん
どうか気負わないで
どんなに能力があっても一人で出来る事には限りがあると思います


制御棒を利用してマヒ攻撃の結界術で動きを封じつつ【終癒】



 静寂と沈黙の無音なる二重奏の中、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)の脳裏をUDC怪物の言葉が何度もこだまする。


 ――人よりもできるというのは、決して人よりも幸せになれるという意味ではないのよ。

「……人の世はいろいろと難しいのですね」
 ゆっくりと虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は変態してゆく。肌を覆う鱗の冷たい感触が足先からゆっくりと這い上がり、竜、人に水の恵みを与えし神なる存在へと。
 悠然と身をくゆらせた後、朝霞は一瞬で最高速に達した。身に纏う雷雲から放たれる雷に撃ち据えられたUDC怪物は舌打ちして飛び退く。だが、逃げ切るよりも朝霞の追い付く方がよほど早い。
「なら――ッ」
 クランケヴァッフェで雷を受け止めるUDC怪物の姿がまるで鏡映しのように竜体へと変じた。
「姿だけ模そうと、俺のようにはなれません」
 事実、竜と化したUDC怪物のまき散らす雷撃は威力こそ本家を上回るものの繰り出すスピードにおいて劣り、高速飛翔する朝霞をなかなか捉えることができないでいた。
「見よう見まねでは当たらないですよ」
「くッ……」
 互いを追い回す二匹の竜を見上げるシホの心は此処に非ず、かつて参加した依頼の時点にまで立ち返る。

 ――そして貴女は一人で揉め事を解決した優越感に浸るのね? 分かるわ。私も他の人より少し血筋が良くて少し裕福で恵まれているから。使用人の様に泥で汚れ冷水で手を凍えさせる様な働きをせずに済んだ……。

 シホはかつて、ある夫人の説得に失敗したのだ。
 騎士という立場に気負い、自分だけの力でなんとかしようと逸った。まだ新米だった頃の苦い思い出。

 ――若い騎士様。貴女は夫と離婚すれば良いと言うけど離婚した私はどうやって生きればいいの? 血筋と器量で、もう若くない泥に塗れて働いた事も無い私が幸せになれると?

 眩暈さえした。
 血を吐くような夫人の反論は、夫の暴力に虐げられ支配されるしかなかった彼女の苦しみの吐露は、道徳的価値観というものがどれだけ無力であるかをシホに知らしめたのだ。
「……承子さん、どうか気負わないで。どんなに能力があっても一人で出来る事には限りがあると思います」
 だから、今度こそ苦しみをわかってあげたい。シホの慈しみにあふれた言葉はだからこそ承子をより――苦しめた。
「違うの。私は……」
 ああ、とシホは胸を鷲掴まれたような心地を味わう。
(「私はまた、間違えてしまったのね」)
 目の前にいる承子は無力なあの夫人とは違う。ひとり立ちし、自分で仕事をして真っ当に生きている承子はむしろ夫人のような女性とは真逆であるとすら言えた。
 夫人が己の無力さにうちひしがれていたのなら、承子は己の有能さに酔っていた。夫人が己の血筋という家柄の良さを誇っていたとすれば、承子は――いったい何に悩んでいたのだろう?
「……私、は」
 承子の目がシホを見て、つぶやいた。
「せっかく励ましてくれたのにごめんなさいね。私はあなたが思っているような女じゃないの。自分は人よりできると思って心のどこかで人を見下していたから、私のまわりには本当の友達や仲間が誰もいなかった。好かれなかった。気負いじゃなくて、ただのくだらないプライド――」
 その時、空から迸る雷から承子を守るためにシホが動いた。温かな光が承子を、UDC怪物を包み込む。
「これは……!?」
「逃がしません」
 シホはとっさに紡いだ結界を制御棒に張り巡らせて敵を麻痺状態に陥れた。すかさず追加の雷を撃ち下ろした朝霞の時間稼ぎによってUDC怪物は反撃の機会を失う。
「承子さんは己の弱さを受け入れました。今度はあなたがそれを行う番です。人よりできるのが自負だったのでしょう? ならば、“できない”こともあるのだと今この場であなたに教えて差し上げます」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

編堵・希亜(サポート)
「……なに?」
「そうなんだ。」
「私は、私だよ。」

囚人服のようなものを着て、いつも黒猫のぬいぐるみを抱えた女の子。口数は少なく、人見知りで猜疑心は強いものの、猟兵としての仕事をこなすためなら、それなりに人と付き合っていける。
甘い物が大好きで、食べればすぐに機嫌がよくなる。嫌いなモノは、かつて自分のいたアリスラビリンスの世界と、それを連想させるもの。

戦闘では、自分ではあまり戦わず、自身に宿るオウガの『カイ』を戦わせたり、ぬいぐるみをバロックレギオンとして相手を押しつぶしたりする。

『カイ』は上等なドレスを着たラミアで、少し高飛車な話し方。宿主の身は守り、敵には容赦がない。『さぁ、敵はどこかしら!?』


七星・桜華(サポート)
『天魔流免許皆伝、更なる高みへと!』
『一か八かの勝負?必要無いね!私達の勝ちだ!』
『後は派手に騒ぐんだ!誰も倒れないようにね!』
隠れ里に伝わる『天魔流』歴代最年少であり派生流派も含めての免許皆伝。
腰に挿している六振りの刀と扇子を使い戦闘する。
物理的な技術を異能のUCにまで昇華させた。
闘う姿は艶やかな舞踏が如く空中戦もできる。
第六感も鋭く見切るまでも早い。
先手後手問わず。
殺気や覇気を残像に残し分身と勘違いさせる事も。
常に最善を最短で気づき勝ってきた。
防御無視の内部破壊を当たり前に行う。
柔剛の技を扱い両立させる。
消耗を生命力吸収で補う。
優れた第六感で賭け事も強い。
家事も万能。
両親と妹も猟兵である。


姫神・咲夜(サポート)
 桜の精の死霊術士×悪魔召喚士、女性です。
 普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 片思いの人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

清楚で女流階級風の口調で、お淑やかな性格です。
基本的に平和的な解決を望みますが
戦わざるを得ない時は果敢に戦いに向かう勇敢さを持っています。

 あとはおまかせです。よろしくおねがいします!


雛里・かすみ(サポート)
 バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
 普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ジン・マキハラ(サポート)
サイボーグのゴッドハンド×ブレイズキャリバー

胸に永久機関を持つ

口調は「俺、呼び捨て、だ、だな」

標的に事情があるなら同情する事もあるが手加減はしない(できる限り殺さない様にする)ただの悪人とオブリビオンには一切容赦しない

戦闘スタイルは前衛型
一撃重視か広範囲の殲滅に長けている
武器は両手剣クロックヘイズとアサルトライフルのレイジングストームと蒼炎覇気を纏った格闘術

探索時には自身の視覚同調型演算機器による解析やハッキングツールによる情報収集を行う他使える物は全て使う

ユーベルコードは指定した物を使用する

公序良俗に反する行動はせず猟兵達との連携を重視する

アドリブOK
複数リプレイOK



「私に“できない”ことですって? そんなものはあり得ない!」
 竜体から人へと戻ったUDC怪物は恐ろしい速さで狩りに出た。それは『リアルTAS』と称されるほどの規格外な運動性能。
「……むう」
 編堵・希亜(蛇に囚われた少女・f19313)が抱きすくめた黒猫のぬいぐるみを手放した途端、それは見る間に巨大化する。
 そして攻撃、爪で引っ掻く。
「つッ――」
「私、いやッ……」
 正体は望亜が鋭く感じ取った敵への猜疑心を力に変え、バロックレギオンと化したもの。しかし、無防備に突っ込むには距離があり過ぎた。
「届くものですか!」
「わ、わかってるもん」
「え?」
 突進はフェイントだったとUDC怪物が気づいたのはぬいぐるみの影に隠れて接近していた雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)が鋭い乱舞を繰り出した後のことだった。
「連携感謝よ!」
 旋風剣という名の如く、螺旋を描くように薙刀を振り回して予めプログラミングした通りに舞い踊る。
「これは!?」
「功夫というわ」
 刃が触れた場所から見えない波動が敵を内部から壊し、血を吐かせたのだ。UDC怪物の問いに微笑みで返したかすみは気を纏わせた拳でクランケヴァッフェの斬撃を食い止め、返す刃を叩き入れる。
「そろそろ認めたら? 私達の勝ちだってね!」
 特徴的な舞踏めくリズム運びの脚捌きによって、乱入したのが七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)だと知れる。
 桜華の殺気が次々と新たな分身を生み出し、戦場を攪乱。一瞬の迷いがジン・マキハラ(ブレイズ・オブ・マキナ・f36251)に割り込む隙を与えることになった。
「後はお前だけだ。ならばやることはひとつきり」
 即ち一撃重視、だ。
「私が動きを止めましょう」
 姫神・咲夜(静桜・f24808)が柔らかく微笑み、魔杖を掲げるとどこからともなく桜吹雪が吹き荒ぶ。
「なんて、綺麗……」
 モニターで戦いを見守っていた承子が陶然した声を漏らした。無機質な地下室であろうが無粋な戦場であろうが、咲夜の操る花弁は美しく咲き誇るのだ。
「なんだか、すごく、眠い――?」
 UDC怪物の足元がよろめき、大きく上半身が揺らぐ。桜が齎す癒しは眠りと不可分の存在であった。
「いくぜ。これが罪狩りの蒼牙だ!」
 桜吹雪の中をジンから放たれる蒼炎が燃え盛る。それは鋭く重いパイルバンカーの杭となってUDC怪物を周囲の地形ごと抉り取った。
「がはッ……」
 それこそ、身体の三分の一近くを失う深手だ。元々UDC怪物の目元や右手の代わりに欠損を生めていた靄のような光がさらに大きくなって傷跡を埋める。
「はあ、はあ……」
 肩で息をする相手に対して、桜華の動きは更にキレを増してゆく。制御棒を三角跳びの要領で蹴って得意の空中戦に持ち込んだ。
「奇跡ってやつを見せてあげるよ。ハァッ!」
 ちょうど部屋の中央――天井付近にまで飛翔した瞬間、桜華の解き放った闘気が力場を展開。
「これで詰みよ」
 なぜならば、この力場は同時に相反するふたつの作用をもたらすから。
「くッ」
 四方八方から襲いかかる闘気はクランケヴァッフェだけでは到底受け止めきれない。しかも味方の傷まで塞ぐ効果があるのだからまさしく奇跡以外の何者でもなかった。
「ふふ……」
 ゆっくりと咲夜の指先が動いた。
 いつの間にか掌に乗っていた宝珠を優しく撫でる。形は球体、色は漆黒。不意にUDC怪物の膝ががくんと折れた。
「え?」
 愕然と見下ろす足元が呪詛に侵されている。腐った匂いとどす黒い染みのような漆黒。
「私の武器が桜だけだとでも思いました? いいえ、この通り呪いもお手の物なのですよ」
 まったくもって無垢な微笑みを浮かべる咲夜はその間にも呪う手を休めなかったので黒い染みはもはや相手の腰の辺りにまで迫っていた。振り払おうと飛び退きかけたUDC怪物の両肩に背後から重たい何かが圧し掛かる。
「な――」
 黒猫のぬいぐるみだ。
 じとっとした眼差しで希亜が言った。怯えて息を呑むように微かな声色で、たった一言。
「消えて」
「いやよ、離して!」
「だめ」
 首を振る。
 黒猫のぬいぐるみの力が強まって、床の上にねじ伏せられる。
「さあ、決めるとするか」
「ええ、これで終わりよ」
 ジンとかすみが左右から挟み込み、ほとんど同時にそれぞれの武器を振るった。方や蒼炎のパイルバンカー、方や旋風刃なる薙刀。先に後者が横薙ぎに敵を斬り払い、続けてパイルバンカーが一気に突き立てられて。
「あ、あああッ――!!」
 燃え尽きる、灰となる。
「『終わりを告げる悪夢』、か。今度はお前が終わる番だったというわけだ。恨むなよ」
 ジンの目の前で最後のひと欠片が塵と消えた。
「ちょいと派手にやり過ぎたかな?」
 壁も天井もぼこぼこになってしまった施設内部を見回して、桜華が肩を竦める。
「大丈夫、ここだけだから。他の区画には被害が出ていない」
 承子の言葉に咲夜が胸をなで下ろした。
「よかったですね」
「……ん」
 不愛想に希亜が頷く。
 再び、もとのぬいぐるみに戻った黒猫を抱き締めて。
「お疲れ様」
 一拍置いてから。
「――お疲れ様」
 皆の返事が返った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年03月17日


挿絵イラスト