1
銀河帝国攻略戦⑰~心を砕く兵器と黒き輩~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0




●精神破壊兵器を破壊せよ!
「ごきげんよう諸君、スペースシップワールドにおける戦局に進展があった」
 ロスティスラーフ・ブーニン(ドジっ子ライオン先生・f00470)はグリモアベースに集まった猟兵たちを見回して、そう口火を切った。
「諸君らの活躍により、更に敵の首魁に近い宙域での戦闘が可能となった。ついては諸君らに『アゴニーフェイス艦隊』の対処を頼みたい」
 『アゴニーフェイス艦隊』は黒騎士アンヘル直属の艦隊だ。
 遥か昔の戦いでは、捕らえたサイキッカーの脳を『弾薬』として使い潰す精神破壊兵器『アゴニーフェイス』を搭載し、『伝説の解放軍』を苦しめたと伝えられている。
 その恐ろしい精神破壊兵器が、伝え聞く威力をそのままに復活、艦隊に搭載されているというのだ。
「アゴニーフェイスはサイキッカーの「脳」を特殊加工した専用カートリッジを入れて動作する、精神破壊兵器だ。
 発する悲鳴は強大、テレパシーで伝播するため距離も防壁も、真空さえも一切考慮しないで、受けた艦に登場する全ての人間の精神を破壊する。
 そう、須らく、全て――だ」
 ロスティスラーフは頭を振りながら、ふぅとため息をついてみせる。真空さえも壁にならないというのなら、それこそ文字通りに逃げ道がない。
 サイキッカーの脳を使い潰すため使用回数に制限こそあるものの、恐ろしい超兵器だ。
 事実、悲鳴を受けた解放軍の艦隊はその全てが航行不能、撃墜に追い込まれている。
 何とか防ぐ方法は無いのか、そう声を上げる猟兵に、ロスティスラーフは一本立てた指を振る。
「はっきり述べよう。防ぐ手立ては、無い。猟兵であっても、だ。
 だが猟兵が受けた場合は、本来と異なる効果を齎すことが、私の予知で判明している。
 猟兵がアゴニーフェイスの悲鳴を受けた場合、「例外なく真の姿が解放され、同時に理性を失う」。
 即ち、諸君らがアゴニーフェイス艦隊に乗り込んでから、アゴニーフェイスを破壊するまでの間。一人の例外なく真の姿を開放し、狂戦士と化すわけだ。
 無論私も例外ではないわけだが……私はポータル守護のために防護結界を張っている。アゴニーフェイス破壊と共に元に戻る故、気にせず戦ってきたまえ」
 振った指をそのまま握り込んで、ロスティスラーフはモノクルの奥の瞳を瞬いた。
 幸いと言うほどにはならないだろうが、アゴニーフェイス艦隊に戦力らしい戦力はほとんど配備されていない。せいぜい、通常航行用の乗務員が搭乗しているくらいだ。
 艦内の戦力はそのいずれもがアゴニーフェイスの設置された部屋にいて、それを守護するように猟兵たちを待っている。
「諸君らの突入する敵艦にいる戦力は「タイプ・メデューサ」が15体。銀河帝国のために働く戦闘マシーンとして動くことを強いられ、自我を奪われたクラゲ型のブラックタールだ……いや、「元」が付くな」
 度重なる様々な実験によって、彼とも彼女ともつかない彼らは、例外無く自我を喪っている。元のブラックタールに戻すことは叶わないため、撃破するより救いの道はない。
 地形をも破壊する触手の一撃や、触手から石化粘液を放つ攻撃を以て、猟兵たちを苦しめることだろう。
 また、瀕死状態になった個体は自身と同じ姿の別個体を生み出す。生み出された個体は通常よりも高い戦闘力を有するため、注意が必要だ。
「アゴニーフェイスを破壊することがこの依頼の目的だが、タイプ・メデューサの掃討も必須となる。
 どのタイミングでアゴニーフェイスを破壊するために動くか、よく考えて臨むといいだろう」
 そこまで述べたロスティスラーフが、ぐっと握り込んだ右腕を横に振る。その手の先でゆらりと時空が歪み、スペースシップワールドへと繋がるポータルが現れた。
「それでは、諸君の健闘を祈る。かの忌々しい兵器を破壊するのだ!」


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 戦争もどんどんフェーズが進んでまいりました。
 勝利のために、皆で勝利を掴み取りましょう。

●成功条件
 ・アゴニーフェイスの破壊。
 ・タイプ・メデューサ×15体の掃討。

●特記事項
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 アゴニーフェイスの効果により、戦場突入後速やかに「全ての猟兵が真の姿へと変化し、理性を失った状態にします」。
 この効果はアゴニーフェイスを破壊するか、戦場から撤退するまで続きます。
 また、アゴニーフェイスの副作用と思われる効果により、真の姿が通常の姿から大きくかけ離れているほど、より戦闘力が増強されます。

●戦場・場面
 アゴニーフェイス艦隊の一隻です。
 内部の敵は乗務員の他は、最低限の戦力しか配備されていません。
 タイプ・メデューサはその全てがアゴニーフェイスの設置された部屋に布陣し、アゴニーフェイスを護衛しています。

 それでは、皆様の力の篭もったプレイングをお待ちしております。
140




第1章 集団戦 『タイプ・メデューサ』

POW   :    触手の一撃
単純で重い【液状触手】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    強化増殖
自身が戦闘で瀕死になると【(強化版)タイプ・メデューサ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    石化粘液
【液状の触手】から【石化粘液】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アーレイラ・モンクスフード
やれやれ、あの姿で闘えと。
…ま、他の方も覚えて無いのでしょう、なら構いませんね。
同士討ちの無いよう、離れて進みましょう


●真の姿
背も伸び、胸も大きくなり
外套は本物の翼となり別の宇宙空間に繋がり
全身から夜気放つ女神の姿のなり

「あぁ、愛しき人の子らよまだ、そこに居たのですね」

「オブリビオンが迫っています。遍く救済を我と彼の者の信徒に。」

ユーベルコード発動
極光の焔を呼び出し大鎌に纏わせ極大化

手近な敵を切り捨て、浄滅

「救われてあれ。」
救済を救済を!
我を慕う統べての者に救済を!

愛しき者を殺めて我が心が痛むなら、それだけ愛しい者は救われる
悦びよ!痛みは喜びよ!
死して永劫の別れとなるのなら

寿ぐべし!神として!



●神、来たる
 静寂が支配する宇宙船の一隻。
 アーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)は渋い顔をしながら船内に姿を現した。
 カツリ、と手に持つ大鎌の石突が強化プラスチック製の床を打つ。
 途端、頭の中に割れ鐘のように響き始める幾重もの悲鳴。
 自身の視点が徐々に高くなっていくのを感じながら、アーレイラはその目を一等細める。
「やれやれ、あの姿で闘えと……ま、他の方も覚えて無いのでしょう、なら構いませんね」
 そう、誰に聞こえるでもなく独り言ちたその身体は、既に大人の女性のものに。
 纏う外套は翼となりて星空を映し。
 纏う神気は夜闇のそれ。
 しかして駆けゆくは、夜の女神の一柱。
 一直線に船内を奔り往き、向かうはアゴニーフェイスの位置する戦略兵器保管庫。
 管制室前にて銃を持つ警備員が二人、アーレイラの姿を認めて銃を構えるも。
「あぁ、愛しき人の子らよまだ、そこに居たのですね……オブリビオンが迫っています。遍く救済を我と彼の者の信徒に」
 謡うように、言祝ぐように。女神はその手の大鎌に極光を纏わせる。
 刹那、船内に迸る極彩色。
「救われてあれ」
 その身を焼かれ、塵も残さず崩れ落ちる警備員を尻目に、アーレイラは保管庫の中へと静かに足を踏み入れる。
「救済を」
 そう呟く声に反応し、こちらを濁った瞳でねめつける黒き輩。
 アーレイラはゆらりと翼をはためかせて大鎌を構えた。
「悦びよ!痛みは喜びよ!
 死して永劫の別れとなるのなら……寿ぐべし!神として!」
 そう高らかに声を上げ、アーレイラの大鎌の刃が、再び極光色の炎を纏った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーリィ・バザード
自身の真の姿を直視するのは厳しいものだ。だが、それしきの事をためらうのもまた、恥であろうな。
役目上、メデューサはアゴニーフェイスから離れる訳にいくまい。
理性を保てないのであれば、綿密に作戦を立てても仕方がない。故郷で培った狩りの技と、肉食獣の長たる相棒の本能に頼るしかあるまい。幸い、連携して行う狩りにも慣れている。上手く仲間と共闘して、向かってくる敵を、弱ったモノから一体ずつ確実に仕留めていきたいものだ。



●獣、駆ける
 タイプ・メデューサの意識が一点に向いたその刹那、保管庫の入り口から飛び込んでくる影が一つ。
 ユーリィ・バザード(ドラゴニアンのビーストマスター・f06679)が黄金のライオンに騎乗して飛び込んできたのだ。
「自身の真の姿を直視するのは厳しいものだ。だが、それしきの事をためらうのもまた、恥であろうな」
 そう、誰に言うでもなく、誰に伝えるでもなく。
 外見こそいつものユーリィと同様、小柄で、全身を鱗に包まれた竜派ドラゴニアンのそれだが。琥珀色の瞳には爛々と、燃え盛る野生の炎が灯っている。
 何を言うでもなく、ポンと一つライオンの胴を叩くや否や。
 黄金の旋風となって獣は駆けた。
「&’%$”!?」
 声にならない声を上げ、大きな穴を穿たれるタイプ・メデューサ。ライオンの牙が哀れな生物兵器の胴体を食い破ったのだ。
 続けざまにギリ、と弓の弦が引き絞られる。
 精密な狙撃ではなく、斉射でもなく。ただ単純な射撃。
 放たれた矢はライオンが喰らったタイプ・メデューサの頭部に穴を穿つ。
 ぱしゃりと弾けるように、黒い身体が崩れ落ちた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハロ・シエラ
私はただの人間。
既に真の姿でしょう。
ただ理性を失うのは良かったかも。
敵も元は善良なブラックタールであったでしょうから。
同情で刃を鈍らせるより、せめて迅速に眠らせたい。

などと思っていたのに。
悲鳴を受けた途端、脳が冷たくなった。
ただ敵を殺す為にどう動くか、しか考えられなくなった。
素早く動く為に服も、レイピアさえ邪魔で捨ててしまった。
ダガーでの攻撃の最中にふと、何かに映った自分の姿が目に入る。
金色になった瞳が縦に割れ、髪は乱れ、蛇が締め付けたような痣が半裸の肌に浮かんでいる。
毒液が滴るダガーを舐める舌も長い。
瀕死になる隙も与えず、斬り刻む事しか考えていなかった、様に思う。
これが、私の真の姿…?



●ヒト、自らを見る
 ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は人間であった。
 ただの人間だと信じ続けて来た、剣を学ばされた幼き少女であった。
 理性を失うことを知らされ、敵への同情で刃を鈍らせるより、せめて迅速に眠らせようと安堵する優しき猟兵であった。
 だが、暴かれた彼女の「真の姿」は。

 服を脱ぎ捨て、肌着だけになった少女の足が床を鋭く蹴った。
 腰に佩いていたレイピアは既にどこかに放置してきて、手に持つのは一振りのダガーナイフのみ。
 その刃を変に柔らかく、斬り応えのない黒い身体に押し込んで一挙に引き裂いた。
 長い黒髪は千々に乱れ、赤かったはずの瞳は満月のように金色で。
 その瞳の瞳孔は、まるで爬虫類のそれのように縦に裂けていて。
 蛇に締め付けられたような痣をその身に浮かばせながら、最短の経路で、最小の動作で、敵の身体を容赦なく切り刻んでいくハロ。
 光に照らされてその身体が光沢を帯び、表面に一瞬だけハロの姿を映したタイプ・メデューサが液状化して崩れ落ちていく。
 その一瞬の合間で、自らの姿を目にしたハロは。
「(これが、私の真の姿……?)」
 ほんの一瞬だけ、動きを止めると。
 毒液の滴るダガーの刃を、まるで蛇のような長い舌でぺろりと舐めて、にぃと口角を持ち上げる。
 そうしてまた、次なる敵めがけてその刃を振るうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

新納・景久
真の姿は揺らめく炎のような黒い身体に、桃色の長い髪を持つ二本ツノの鬼
目から下に涙の痕のような線が入っている

「ア……アァ」
声にならない言葉を発しながら、鬼棍棒を手に、構えもなしにフラフラとオブリビオンに引き寄せられていく
自我はあまりない
ただ力任せに棍棒を振る
振ると力を抜くことができず、身体が腕に振り回される
(振り下ろすと、そのままスッ転ぶ)
敵だと認識した者をただ潰すことしか考えることができない
「オ、ゥォ……」
呻くように、咽ぶように、自分が何者なのかも分からぬ状態で、ただ棍棒を振ることしかできない
真の姿を解放された瞬間から、全てを拒むように、力なく、そして力の限り、オブリビオンを破壊する


カル・フラック
【真の姿】
全身に雷を纏った猫耳尻尾付きの人間っぽいやつ
(アレンジ歓迎)

突入前にゲームとか電子機器のバックアップとっとくっす
最悪壊れかねないっすからね…
突入したらゲームスタートっすよ!

何故か普段より高い視点、長い手足にちっちゃいゲーム
気分最高テンションマックス、負ける気しないっすよ!
ゲームデバイスに雷突っ込んでオーバーロード、
普段の数倍のブロック落として
アゴニーフェイスとかいう機械をへんてこクラゲと粘液もろとも
だばーっと押し流していくっす!

テンション高くて大笑いしてるんすけど、
アゴニーフェイスが壊れたらぽふっと縮んじゃうっすよ
えっと…、まずゲーム!電源はキー動作はセーブデータは!?


水島・可奈
人の命を何だと思っているのかな。破壊する。容赦なく。

くっ……聞いてはいたけど、ここまでとはっ……だめ、これ、以上は……っぁぁ!
【真の姿:青髪が水色のストレートの長髪になり4枚の羽が生える。ちょうど天使のような姿。】
「――」(本来はちゃんと『ほんとは全身に駆け巡る魔力による恍惚感にやられないため早く戻りたい』などの自我があるが、今回は理性が失われている)
「――生命をもてあそぶ過去に、粛清を」
(右手を出し、【楽園へ導け浄化の光】で敵軍に数多の光を降り注がせる。石化粘液は【ダッシュ】で回避)
【変身解除後敵が残ってたら】
残った魔力を惜しみなく放出するかのように【ルクス・ブレイカー】で攻撃



●猫人、はしゃぐ
 カル・フラック(ゲーマー猫・f05913)はハイテンションだった。
 なんか視点がいつもより高いし、手足はすらりと長い。手にした愛用のゲーム機はいつもより小さく見える。
 これをはしゃがずしていつはしゃぐ!
 雷纏ってスーパーハイテンション、手持ちの電子機器は軒並みバックアップ済み故、後顧の憂いはない。はずだ。
「はーっはっは、気分最高テンションマックス、負ける気しないっすよ!」
 手持ちのゲーム機に雷を突っ込み、容量限界オーバーロード。そうして呼び出す巨大ブロックは、いつもの数倍だ。
 純粋な物量で押しつぶされ、押し流されていくタイプ・メデューサたち。これではアゴニーフェイスを守るどころではない。
「はっはっはー、まだまだいくっすよー!」
 ブロックの上をピョンピョン飛び回りながら、カルは戦場を駆け回った。

●天使、吼える
「人の命をなんだと思っているのかな。破壊する。容赦なく……っぁぁ!」
 呻いた水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)の背中から弾けるように翼が生えた。同時に髪の色が明るくなり、一気にその長さが伸びる。
 それはまるで、天使のような姿であった。
 恍惚感を浮かべた瞳と、茫然とした表情のままに、可奈の右手がすぅと前に伸びた。
「――生命をもてあそぶ過去に、粛清を」
 その途端、保管庫の人口の灯りとは異なる眩い光が戦場を灼いた。
 浄化の光。真の姿を解放した時にのみ放たれる、断罪と祝福の光輝。
 その光に焼かれたタイプ・メデューサが、断末魔の悲鳴も上げずに消滅させられていく。
「――」
 その様を可奈は、感情の見えない瞳でじっと見つめていた。

●羅刹、破壊す
 そして残ったタイプ・メデューサたちに襲い掛かるのは。
「ア……アァ」
 揺らめく炎のような黒い身体に、桃色の長い髪を持つ二本ツノの鬼。
 真の姿を解放し、ただ破壊の限りを尽くす新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)である。
 その鬼棍棒は力のままに振るわれ。
 ただオブリビオンの破壊の為にその力を如何なく発揮していた。
 轟音と共に振るわれた棍棒がタイプ・メデューサの身体を容赦なく引き裂いて、そのまま景久の身体を振り回しにかかる。
「オ、ゥォ……」
 棍棒に振り回され、よろめいたその瞬間。
 景久の棍棒が、アゴニーフェイスを真正面から捉えた。
 その苦悶に満ちた顔に、ビキビキとヒビが走った瞬間。
 甲高い音を立てて、精神破壊兵器は破壊された。

●猟兵、駆逐す
 アゴニーフェイスが破壊された瞬間、カルの身体が縮んでケットシーに戻った。
 景久の角が短くなり、髪の中に引っ込んだ。
 可奈の翼が宙に溶けるように消えていった。
「わっ……!」
「くっ……」
 突然理性が戻り、真の姿が解除されて、戸惑う猟兵たちだったが。
 同様に残ったタイプ・メデューサも困惑していた。何しろ守るべき兵器が見るも無残に破壊されてしまったのだから、仕方がない。
「えっと……まずゲーム!電源はキー動作はセーブデータは!?あ、無事っすねよかったぁぁぁぁ」
 手持ちのゲーム機が無事なことを確認したカルが安堵の息を吐くと。
「さて、アゴニーフェイスも破壊したことだし」
「残った敵のお掃除と行きましょうか」
 景久と可奈が本来の自分の得物を手に、にやりと笑みを浮かべた。
 生き残っていた2体のタイプ・メデューサが、じりっと後退る。
 そして。
「逃がすかぁぁ!」
「これで終わりよ!」
「容赦しないっすよー!」
「「‘>=*:%@>!!」」
 三人のユーベルコードが一斉に放たれる。
 タイプ・メデューサの悲鳴と共に、アゴニーフェイス艦隊を構成する一隻の名もなき宇宙船は、完全に鎮圧され無力化されるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト