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銀河帝国攻略戦⑤~後詰の行方は

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 辺境航行、結果として召集に遅れた艦艇が急ぎ解放軍へ合流しようと速度を速める。
 帝国との決戦、今まで忸怩たる思いをしてきた彼らであったが、少しでも力になれば、後詰として貢献できればと物資、弾薬をかき集め全速航行していたのだった。

 だがしかし、微力であろうと敵対する者ならば即座に撃沈。合流許さぬと帝国側も手を打った。
 航行続ける艦艇の後方へ帝国の戦艦が出現、砲撃を開始しながら追撃を始めたのだ。
「くっそぉ、ここまで来て見つかるか! 速度を緩めるな、多少の被弾は覚悟の上で突っ切れ!」
 艦長が指示を出し、右へ左へ艦首を動かし回避運動こなしつつ振り切ろうと手を尽くすが、それより早く右舷に砲弾が命中。
 衝撃に揺れ動き、艦内に悲鳴が上がるも隔壁閉鎖、被害の拡大抑えつつ前進するが更なる絶望与えるべく、接近してきた帝国艦隊から数多の人影が射出される。
 それはクローン重騎兵、生存など度外視した強引な攻撃を仕掛ける恐怖の集団。
 少数が取り付けば自身の体が傷つくことすら厭わずに艦艇へ砲火を見舞い、破損が徐々に広がればそれに比例し、速度を落とす解放軍の艦艇が。
 次々と取り付くクローン重騎兵、その火砲を浴びて揺らめく艦艇のブリッジから艦長が最後に見た光景は。
 モニターに映し出され、艦艇狙い取り付いた重騎兵ごと吹き飛ばす帝国戦艦の一斉砲火の映像だった。


「と、これがこのまま手を打てなかった場合、辺境から解放軍に合流しようとした艦艇の末路となります。
 彼らの装備、人員では如何なる手段をもってしても、奇跡を起こしても帝国戦艦から逃れることは不可能、全滅ですね」
 多くの命が失われる、という結末だが無表情、淡々とクアド・ペントヘキシウム(バーチャルキャラクターの人形遣い・f09688)が説明を続けていた。
「後詰となる貴重な艦艇、それを失い更には合流予定の航路を使い、帝国千巻が逆に相手側の後詰として襲い掛かる、という展開。
 これを容認する事はできませんし、なにより折角解放軍に加わろうと立ち上がった人々、無碍に死なせるわけにはいかない、という事でしょう。
 皆様には、直接帝国戦艦に転送、突入の上で敵戦力を無力化、そのまま戦艦を破壊して頂きます」
 一隻としての力は少ないが、それでもなお後詰として動く戦力は貴重。
 それを失うわけには行かない、そして何より相手に使わせるわけにはいかないという事であろう。
「敵戦力は帝国軍、クローン騎兵が重装備を行ったものです。保身を考えない徹底した攻撃的スタイル、しかしながら回復、防御といった行動は取らないでしょう。
 皆様を早期に排除、そしてそのまま逃げる艦艇を追いかけ撃沈すべく、攻撃に偏重した行動を取ると予測されます。
 その点では危険度は高くなりますが、裏を返せばこちらも相手を排除しやすい、という事でしょう。
 力比べです、皆様の実力を存分に見せ付けて下さいませ」
 真正面からの火力勝負、一歩も引かぬ相手なら此方も引かずに立ち向かうまで。
 新たな仲間を迎える為、帝国の横暴をこれ以上許さぬ為に。


紅葉茉莉
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは、紅葉茉莉です。
 予定が合いましたので、今回全体シナリオに挑戦させていただきます。

 敵戦力は火力に任せた集団、宇宙船に殴りこんで派手にドンパチやりあう、というシナリオになっております。

 考えることはただひたすら、迫りくる相手を押し返し倒していく、それだけとシンプルなものです。
 それだけに、できるだけ皆様の活躍をかっこよく、華麗に、また求められる他の要素をつぎ込んで執筆したいとおもいます。

 ご縁がありましたら、よろしくお願いしますね。
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第1章 集団戦 『クローン重騎兵』

POW   :    インペリアル・フルバースト
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    コズミックスナイプ
【味方との相互情報支援】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【狙撃用ビームライフル】で攻撃する。
WIZ   :    サイキッカー拘束用ワイヤー
【アームドフォートから射出した特殊ワイヤー】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

弥久・銀花
【WIZ】
私は愛刀の白嵐玉椿を用いて敵陣へと斬り込み白兵戦を挑みます。

保身を考えない攻撃重視スタイル、敵艦の内部での戦闘になるのなら敵集団に飛び込む形で戦って同士討ちを誘います。

格納庫の様な広い場所での戦闘はなるべく避け、通路で強襲しましょう。

壁を斬り裂いて迂回路を作り、側面からいきなり攻撃したり、天井や床を貫いてしまいます。

ここは敵艦ですので、やりたい放題やっても良いんですよ。(ニヤリと邪笑)


敵が多かったら人狼咆哮で一気に怯ませて、素早く喉元に刃を突き立てて処理していきます。





(アドリブ、手足を失う様な重大な負傷OKです)


三影・サイ
クローン兵に劣るようでは、私は不要とされてしまうでしょう。
味方と連携し敵を殲滅、有用性を証明します。

突入後、接近してくる敵勢力を広範囲に捉えられる位置を確保し、ユーベルコードによる射撃を開始。
技能のスナイパーを使用し、味方前衛を狙う敵個体を優先して狙います。
迎撃が間に合わず近接されてしまったら、零距離射撃で後方に逃さず排除。

他にも味方に射手がいらっしゃるならお互いに死角を補うようにして、射撃を間断なく行い敵を確実に仕留めていきたいです。


御盥・映月
初めてのスペースシップワールドの依頼が戦争とはのう。
ま、何時も通り正面から叩き斬る。それは変わらぬわ。

んー、空飛ばれるとやっかいじゃのう。
まずはその背中のもんをぶっ壊すがよいかの。
敵の攻撃は【見切り】【残像】で避けつつ、
UCを発動し、炎を刀に乗せて放出。
うまいこと落とすことができたら【怪力】でもって二刀を振るい叩き斬る。
【鎧砕き】で相手の装甲を破壊し動きが鈍った所で全力で潰す。
受けた傷は【生命力吸収】で回復しよう。
これの繰り返しじゃな。

ちとつまらんがまだ我は猟兵としちゃぺーぺーでのう。
お主らにゃしっかり糧となってもらうとするのじゃ。恨むでないぞ?
※絡み、アドリブ歓迎


紬雁・紅葉
"剣神"…戦に参じる皆に御加護を…!

【光の魔力】を防御力に付与
敵の光線を光の障壁で防ぎつつ

読ませません♪
九つの属性の衝撃波を順々に宿し弓、剣、薙刀を適宜切り替えて怪力と回数に任せ範囲を薙ぎ払い吹き飛ばす
(効果的な属性があればそれに絞る)

まだまだ☆
敵の攻撃は躱せるか否かをを見切り可なら残像で躱し不可なら武器受けからのカウンター衝撃波を見舞い吹き飛ばす

下がりませんよ?
ワイヤーに当たっても怪力と衝撃波で引きちぎろうとする(非UC)
動けるなら構わず攻撃

はぐれないように留意しつつするする進んで戦線を押し上げる
窮地の仲間には庇う+援護射撃

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


モリ・ダニー
アドリブ・連携歓迎

獅子は兎を狩るのにも全力を尽くす、と言うが
これは竜が鼠を狩るのに死力を尽くしているようなものだな
いや、弱兵、補給線を叩くのは軍事の基本か
銀河帝国、その巨体に似合わぬ堅実な連中だな

だがしかし、弱者と強者の間に割り込むのが
ヒーローの基本と言うものだ
窮鼠の力というものを思い知らせてやろう

積極的に前に出てクローン騎兵の攻撃をこちらに誘導し
ジャスティス・ペインを最大限に、いや限界を超えて活用する
保身を考えないのはヒーローも同じ事、真っ向勝負で思う存分殴り合おうぜ
お前たちの重装備など、ダニーのもふもふの足元にも及ばないと言う事を教えてやるからよ


リア・ファル
連携・アドリブ歓迎

【心情】
貴重な戦力…という前に、この人達を見殺しになんて出来ないよ!
行くよ、真っ向勝負だ!

【行動】
宇宙バイクで戦場を掻き回しながら、防御の疎かなクローン重騎兵から
斬りつける

「おいでヌアザ、出番だよ!」
同乗していたサバトラ柄の猫に声を掛けると、一鳴きしてから
魔剣型のデバイスへと姿を変え、手元に収まった。

斬りつけた相手から、【ハッキング】を試みて、
武装の不具合や攻撃の妨害・暴発を試みよう
【時間稼ぎ】は得意だからね

危なくなったら、敵の分析情報を基に、ユーベルコード【慧眼発動】で避ける

「真っ向勝負受けて立つ…けれど、策も切り札も用意が無い、とは言ってないよ?」



 ふわりとした感覚、無重力空間の浮遊感の中帝国戦艦へ6人の猟兵が転送を果たしていた。
 今だ艦内に混乱なし、それは猟兵の侵入が気取られていない事を意味しており、一同は戦いやすい場所、少数で相手取れる通路での戦いを選択。
「では始めましょうか。ここは敵艦ですので、やりたい放題やっても良いんですよ?」
 ニヤリと邪な笑みを浮かべつつ弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)が言葉を紡げば、刀身煌く白嵐玉椿を抜刀、此処で一暴れしようと提案を。
 その提案に乗っかる形、こちらは大振りな二刀、左右に一本ずつ差した御盥・映月(羅刹のブレイズキャリバー・f10657)が頷き、壁を、床を指差せばそこはいつでも壊せるとの意思表示。
 残る面々の内、リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)だけは宇宙バイク、イルダーナでの高速戦闘が困難となるが近接戦闘の心得もある彼女であれば、閉所で敵の攻撃が絞られれば機動力を活かせずとも問題は無い。
 前線を支える紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)やモリ・ダニー(ワンワンウォー・f10971)に加え、遠距離攻撃による支援を担う三影・サイ(火力支援兵・f14159)も居れば、通路で数を抑えつつ戦うには十分か。
「では、派手にいくかのう。壁から叩っ斬って呼び寄せるとするのじゃ」
 自身の腕を切り付け、出血と共に炎を放つ映月。
 そのまま怪力任せに大剣、魂砕きを振り回せば壁が凹む、を通り越し抉り取られて燃え上がる。
 ファーウ、ファーウと警報音、異常を知らせるアラートと共に艦内放送が聞こえてきた。
『第5ブロックにて異常発生、破壊行為を確認、侵入者の可能性。近くの戦力は至急向かわれたし。
 此れは訓練ではない、異常事態発生である。繰り返す……』
 艦内放送と共に迫る数多の気配、猟兵と帝国軍との戦いの火蓋は、今此処で切って落とされた。

●少数同士の激突
「先ずは前線を押し上げます。一気に切り込むので援護は任せますよ」
 帝国、クローン重騎兵が保身を考えぬ攻勢ならば此方も同一、銀花が床蹴り飛べば、重騎兵が構えた銃より熱線発射。
 無重力、つまりは重力の枷から解き放たれた銀花は体を逸らし熱線避ければ、鞘である封刃の鞘杖にて壁を突きその反動で天井側へ方向転換。
 すかさず重騎兵が視線を移し、マシンガンを連射する。
 その銃撃を予測、天井蹴って斜めに跳ねれば銃弾が虚しく銃創刻みあげ、それと同時に懐へと入り込んだ銀花が騎兵の頭をアイアンクロー。
 掴んだ騎兵を盾に見立ててそのまま敵陣へと強引へ突撃、顔掴まれた重騎兵が反撃に銃を構えればそれより早く振り払い、宙を舞う間に剣戟を。
 激しい出血と共にふわりと浮いて、四肢を投げ出す重騎兵の影。
 跳ねる銀花より早く、味方ごと狙い打つ騎兵が放った熱線が今度こそ銀花を捉える……筈だった。
「いやいや、無茶な攻撃を仕掛けて困っている、そんな仲間を助けないってのはどうも性分に合わないんだ」
 銀花に遅れて突撃、身を挺して彼女をかばったモリが余裕ぶった口調で、しかしながらダメージを負いつつ言葉を紡ぐ。
 されど彼の力は困った者を見捨てず、不利となった戦いすれば身体能力高める力。
 無茶する仲間を助けた今、身体能力は傷負おうとも平素を大きく上回る。
「お前らの戦いは竜が鼠を狩るのに死力を尽くしているようなものだな。ならば窮鼠の力というものを思い知らせてやろう」
 くわえたフォースセイバー、ノミトリより緑に輝く刃を生み出し、地表を駆けるモリ。
 すり抜けざまに首を傾け角度を付ければ、下段からの攻撃という回避困難な攻撃嫌い重騎兵達が宙へと逃げればそれを待ち受けたかのように紫電が走り、上空逃れた重騎兵を穿つ。
 何が起こったか判別できず、痛みと衝撃にて動きを止める銃器兵。
 無重力空間、動く左手大きく振って反動にて姿勢を戻すも、それより早く駆け抜けていたモリが壁を、天井を跳ねて反転、無防備な背中を晒す重器兵に迫れば首を一振り。
 空間移動に用いるバーニア切断、燃料に引火しそのまま爆発、壁を破壊し猟兵が使える地形を更に生み出す結果となっていた。
「不用意に動けば撃ち抜きます。もちろん、不用意でなくとも撃ち抜きますが」
 爆散した重騎兵、そのきっかけとなった紫電の一撃放つはサイ。
 小型自動拳銃に見えるそれは、中身は別物、光線放つビームガンのネモフィラCP106。
 精密な照準にて放たれた高出力ビームに加え、仲間の援護として速射も併用、撃ち貫く機会を彼女は慎重に計りつつ。
 反撃にと放たれた重騎兵の弾丸を破損した壁に隠れてやり過ごし、同時に通路の反対側にて敵を抑える面々を見遣っていた。

 同刻、サイの見る先にて戦っていたのは入れ替わり立ち代りで敵とやりあう紅葉、映月、リアの3人。
「読めますか?」
 問いかけながら生み出した光の壁にて熱線防ぎ紅葉が進む。
 右手に持つはルーンソードの九曜、振り上げる斬撃と共に伸びるは床を引き裂く衝撃波。
 バーニアを一気に吹かして横っ飛び、壁への衝突直前で逆噴射で体勢直す重騎兵だがその間を与えず映月が突撃を。
「背中のもんをぶっ壊させてもらうぞ!」
 放たれた銃弾、上半身を屈めて残像残し急加速。
 地を這うように距離つめながら、重騎兵の下へともぐりこみ、力任せに二刀を振り上げ。
 傷口からの炎も相まって緊急回避も間に合わず、バーニア切り離しにて誘爆だけは回避した重騎兵だが機動力を失えばそれはそれで良い的である。
「まだまだ、逃がしません」
 剣を仕舞った紅葉が構えるは和弓、破魔重弓。
 榊と竹、二種の素材によるコンポジットボウに分類されるそれは、単一素材の武器より引き絞る力は強く、そしてまた霊木用いた彼女の弓は不死不浄に力を持つと言われる一品。
 キリリ、と引き絞れば張り詰めた弓の弦、大きくしなったその弓に蓄えられた力は如何ほどのものなのか。
 不意に力を緩めれば、ひょうと音立て飛翔する矢。
 狙い違わず銃騎兵の胸を穿てば、そのまま貫通。
 衝撃波を撒き散らしながら、後方の重騎兵の側を通過、壁に深々と突き刺されば思わず敵の視線も矢へと向かう。
「隙だらけ、おいでヌアザ、出番だよ!」
 その機を逃さず壁蹴り跳ねるはリア、追従するサバトラ柄の猫がニャーと一鳴きすれば魔剣型のデバイスへと姿を変じ、彼女の手へと収まればそれを持って一気に肉薄。
 僅かな隙が戦場では命取り、跳ね上がって空中の重騎兵を切り裂けばそのまま相手へ掴みかかって武装へのハッキング。
 ほんの僅かな接触、回線から相手のバーニア、姿勢制御のシステムに影響を与えれば切り付けられた重騎兵は左右にふらふら飛び回り、残る敵の視界をさえぎる障害物へと成り下がる。
「真っ向勝負受けて立つ……けれど、策も切り札も用意が無い、とは言ってないよ?」
 リアによる制御、これでは味方とはいえ単なる敵へのアシストでしかない。
 使えぬやつだと味方ごと後方の重騎兵がマシンガンを構えて発砲、しかしながらリアを捉えるはずの銃弾は割り込んだ映月が大剣構えて多くを受け止め。
「好き勝手できるとは思わぬ事じゃ。しっかりと糧になって貰うとするのじゃ」
 恨むなよ、と言わんばかりに再度の前進。
 大剣の刃先が重騎兵を捉えれば、武器を通して彼女の体へ流れ込む生命力。
 一撃と同時に生命力を吸収、出血と共に撒き散らした炎にて受けた消耗もまとめて回復していけば、更なる攻撃として薙刀を上段構えで持ち、リーチの長さを活かして切り込む紅葉。
「押し上げるならば、お供しましょう」
 スルスルと滑らかに。
 頭部を上下させぬ脚捌きにて距離をつめれば薙刀を振り下ろし。
 天井へ傷刻み、それと同時に脳天に刃受け叩き落された重騎兵の姿がそこには見えた。
 2方向への展開、されど双方圧倒する状況ならば問題なく押し切れる、しかしそのままの戦い許さぬ無常の放送が艦内へと響き渡ったのはその直後。
『前方、解放軍の艦艇を確認。内部の侵入者へ最低限の戦力を残し、動ける者は出撃し艦艇破壊を実行されたし。
 繰り返す、前方解放軍の艦艇を確認。内部の侵入者へ最低限の戦力を残し、動ける者は出撃し艦艇破壊を実行されたし』
 予知されていた、解放軍の艦艇狙った接近攻撃。
 このまま戦っていれば勝利は約束されたようなものだが、犠牲が出てしまう。
「ここで戦ってて勝ったとしても、あの人達を見殺しにするようなものだし出来ないよ! 一気に格納庫に行こう」
 リアの叫びに呼応、モリが地を蹴り空中跳ねつつ自身の体を軸に見立て、口にくわえた電子の刃を回転させつつ敵陣突撃。
 相手を引き裂き、四肢を押し付け蹴り飛ばしながら距離を取りつつ言葉を紡ぐ。
「賛成だ。弱兵、補給線を叩くのは軍事の基本。巨体に似合わず堅実な手を使わせないよう此方も動くとしよう」
 ぐっと姿勢を低くしながら唸り声。
「そうですね。しかしどうやって格納庫まで急ぎます?」
 敵の熱線を瓦礫で回避、腕だけ出して当たろうが外れようが構わぬとレーザーで応戦しながらサイが呟けば、それを解決する力強い言葉が返る。
「最初に言いましたね。ここは敵冠なのでやりたい放題やっていいと」
「然様、ならばやることは一つ……それっぽい所まで、壊しながら進めば良いのじゃ!」
 銃弾の中、駆け巡る銀花と映月の意見が合致。
 ならばここに居座る必要はないと二人は地面目掛けて己の得物を一振り。
 銀花は鋭利な切れ味にて床を抜き。映月はその武器の質量を持って床を砕き進路を作る。
 戦いは、格納庫での攻防へと移っていった。

●出撃を阻め
 格納庫にて出撃準備に入っていたクローン重騎兵、しかしそれを阻む者達が到来した。
「さぁさぁ、ここで相棒の本領発揮さ!」
 宇宙バイク、制宙高速戦闘機『イルダーナ』に跨ったリアが天井より開いた穴より出現、格納庫内で浮遊していた重騎兵に反撃の間を与えずに突撃し跳ね飛ばす。
 そのまま加速、格納庫内部を縦横無尽に飛び回り撹乱すれば、その間に次なる仲間が飛び込む。
「保身を考えないんだろう? ヒーローも一緒さ、最後の真っ向勝負といこうじゃないか
 お前たちの重装備など、ダニーのもふもふの足元にも及ばないと言う事を教えてやるからよ」
「我も付き合うとするかのう。良い糧になりそうじゃ」
 同時に突入、残骸蹴って距離詰めるモリと映月。
 熱線、銃弾が飛び交う中で被弾も厭わず突っ切るモリが一閃、くわえた電子の剣で斬れば続けざまに映月が大剣を叩きつけ重騎兵は床へとダイブ。
 無重力故そのまま反射、再び飛び上がってきた重騎兵、まずは映月がモリ目掛けて蹴り飛ばしその反動にて自身の方向変えていけば、蹴られたモリも同じく重騎兵を足蹴にして自身も再度の跳躍を見せていた。
「どうしました? 下がりませんよ」
 同刻、ワイヤーにて右腕から胴部にかけて拘束されていた紅葉。
 しかし彼女は余裕を崩さず戦況をつぶさに観察、敵に迫られ包囲された銀花を認めれば体をひねって力任せにワイヤーを引き、強引に重騎兵を間合いへ引きずり込めば、左手に持つ九曜が放つ衝撃。
 相手がよろめき、拘束がほころんだ隙に再度九曜振るいワイヤー切断、そのまま相手を蹴り飛ばせば銀花狙い殺到していた重騎兵の背中に命中。
 同胞が背部より迫ったことで一瞬の隙見えれば、敵の密集と相まって中心点に銀花の恐るべき咆哮が。
 空気震わし生じた衝撃、全周囲へ跳ね飛ばされた銃騎兵が空中にて姿勢制御のバーニア吹かすもそれを許さぬサイの狙撃。
「クローン兵に劣るような私ではありません」
 彼女の位置は、仲間が開いた天井の穴。
 そこへ逆さに張り付くことで戦場たりえる格納庫全体を見渡せば、効率的に敵を狙って高出力の狙撃を敢行。
 自動拳銃モデル、銃身上に設けられたオープンサイトが照準機となるがそれを用いて相手を狙い、また衝撃で吹き飛ぶ先を予測し偏差射撃。
 出力高めた一撃が一人、また一人と仲間の攻撃にてよろめく重騎兵を撃ち貫けば、空中にて爆発と共に散り行く命の花。
 多くの人員失って、解放軍の艦艇を狙おうにも戦艦そのものの砲撃しか残らぬ状況、ならばあとはこの船を沈める最後の仕上げだ。
「武装、物資がここには多数あります。まとめて破壊すればここから破損が広がって動力炉まで影響が出るはずです」
 艦内の人員をほぼ無力化、ならば破壊してしまえとサイが紡げば仲間も異論を唱える事無く行動開始。
 弾薬などを格納庫内部へ無造作に飛ばし、敵の亡骸、残骸と数多の弾薬が飛び交う荒れ果てた状況へ。
「では、これで終わりです」
 物資の散乱と同時に猟兵達は格納庫より脱出、内部を見遣りサイが呟き構えた銃が狙うはハッチの隙間、そこより見える燃料タンク。
 何かを断ち切る、そんな強い意志と共に引き金引けば放たれた光線が狙い違わずタンクを貫き内部の物資へ誘爆始め小規模な爆発が多発する。

 それを見届け一向は方向転換、宇宙遊泳する先には迎えに来たミディアの艦が。
 一同を回収すると同時、小さな爆発の連なりが止まって一拍おいて、巨大な爆発。
 銀河帝国の宇宙戦艦、撃沈を確認すればこの宙域の敵戦力は全て排除。

 微力、そして遅延するも新たな仲間を加えた解放軍。
 ほんの小さな一歩かもしれない、それでも強大な銀河帝国軍、その戦いにおいて勝利に近づいたのは間違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト