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海の世界の甘き一日

#グリードオーシャン #お祭り2022 #バレンタイン

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#バレンタイン


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●チョコレートの島のその日
 グリードオーシャン、テルニ島。
 この世界に複数存在するチョコレートの島の一つであるこの島は、バレンタインシーズン真っ最中で盛り上がっていた。
 交易も盛んなこの島の市場に並ぶのは特産品の果物を使ったチョコレート。
 チョコレートの甘味と苦みに乾燥させて酸味をぎゅっと閉じ込めた果物の味わいが評判で、あちこちの島からやってきた海賊や商人たちが港に停泊した船上で賑やかに宴を繰り広げていた。
 よく晴れた空から降るのは粉雪、美しく輝いてはいるが触れても冷たくない魔法のそれはこの島が由来する世界に関係しているのかもしれないが、それを調べるのも無粋だろう。
 今日という楽しい一日を、海賊や商人たちと賑やかに過ごすのもきっと悪くはないだろう。

「さて、バレンタインだけどグリードオーシャンに行ってみない?」
 シャチのキマイラ、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)はグリモアベースで猟兵達にそう切り出した。
「グリードオーシャンにはチョコレートの島と言われる島がいくつかあってね。その一つでテルニ島って言う果物のおいしいらしい島があるみたいなんだ。チョコレートと果物の組み合わせっていいよねー」
 ほわほわそんな事をシャチは言いつつ、特にバレンタインシーズンはあちこちから人が集まっているのだと続ける。
「この時期は島も一番のお祭り騒ぎになってるようでね、船の上でチョコとか飲み物食べつつ賑やかに過ごすのが恒例みたいなんだ。腕を競ってチョコ菓子を作ってるみたいだからきっと楽しめると思うよ」
 あと、雪が降るみたいだけど気温はそこまで極端には寒くなくて雪も冷たくはないとヴィクトルは言う。
「と言っても温かい飲み物はやっぱり色々頑張って工夫してるからか美味しいみたいだよ。ホットショコラとかミルクとか……成人してるなら海賊が持ち込んできたりしたお酒もいいかもね。いずれにせよ賑やかに楽しめるみたいだよ」
 そうう締め括ると、ヴィクトルは鍵のグリモアを手にしテルニ島へと向かう鉄甲船へと転送の準備を始めたのであった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 今回はグリードオーシャンでのクリスマスのお誘いとなります。

●テルニ島
 アックス&ウィザーズ由来のチョコレートの島です。
 交易は盛んでバレンタインシーズンはお祭り騒ぎとなっています。
 特にこの一日は盛り上がりも最高になっており、それを祝福するように白銀に輝く冷たくない不思議な粉雪が降ってくるようです。
 特産品はドライフルーツや酒漬の果物を使ったチョコレートのようです。

 ヴィクトル(f06661)、クーナ(f10280)、多喜(f21878)、ロー(f26164)、多摘(f28349)も来ているようですが構わなくても大丈夫です(お声かけ頂いた時のみ登場します)。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 日常 『グリードオーシャンのバレンタイン』

POW   :    どんちゃん騒ぎの宴に混ざり、食べて飲んで盛り上がる

SPD   :    島ならではのチョコレート料理を教えてもらう

WIZ   :    美しい海を眺めながら乾杯する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アマネセル・エルドラート
「綺麗な雪よね。冷たくない、と言うことは氷とはまた違うのかしら」
不思議な雪が降る島の様子を見ながらも、船上で振舞われるチョコ菓子も気になるので。
どんなお菓子があるのか、色々と見てみる事にする。

「果物を使ったチョコ菓子なのね。あとはお酒も。」
お菓子の家のような自分の出身世界の菓子とはまた少し違う雰囲気だと感じる。
お酒も普段それほど飲む方ではないが、甘味とともに飲むお酒と言うのも良いかもしれない、と考えてチョコレート料理とともに頂く事にしよう。

「それにしても、賑やかよね。」
騒ぎに自分から乗っかるタイプではないが、祭りの賑やかな雰囲気は嫌いではない。
雰囲気を楽しみつつ、料理とお酒を楽しむ事にしよう。



●チョコレートの島へ
 テルニ島へと到着した鉄甲船を迎えたのは、はらり、はらりと降ってくる粉雪。
 時計ウサギのアマネセル・エルドラート(時計ウサギのアリスナイト・f34731)が手で雪を受けると、すぐに溶けて蒸発したかのように消えてしまう。
「綺麗な雪よね。冷たくない、と言うことは氷とはまた違うのかしら」
 首を傾げる彼女に不思議な性質のこの雪はこの時期にしか降らないのだと、停泊した港にいた浮かれた様子の島民は言う。
 他の時期の雪は普通の雪らしいから、この時期特有の何かが作用しているのだと思われるが真相は分からない。
 賑やかな港町の様子を一通り敢行して、アマネセルは停泊していた飛び切り大きな商船の一つに乗って甲板へと向かう。
 島はしあわせな雰囲気に溢れているけれど賑やかさでは船の上から聞こえてくるものの方が上だ。
(「どんなチョコ菓子が振舞われているのかしら」)
 ちょっぴりワクワクしつつ木の床を渡り甲板へと辿り着いた彼女、その目の前では大賑わいの宴が開かれていた。
 普段なら肉や酒が所狭しと並べられているのだろうが、今日のこの場には果物や黒いチョコレートの数々、ドリンクが並べられている。
 賑やかな喧騒の中で一つ、テーブルに並べられていたチョコを手に取って食せばラムレーズン入り。チョコ自体は苦みが強いがレーズンの酸味と甘みで程よい味わいがアマネセルの口に広がった。
 更にドリンクを見遣ると果実酒やフルーツのジュースが殆どで、この島特産の果物を使ったものが殆どのようだ。
「果物を使ったチョコ菓子なのね。あとはお酒も」
 彼女の出身世界のお菓子の家のような甘さとはまた違う味わいの食物の数々、酸味の強い果実酒を軽く飲みながらそんな事を時計ウサギは考えた。
 普段お酒を飲む方ではないけれどもこう味わってみれば中々いいものだ。
「それにしても、賑やかよね」
 もしかするとこの賑やかさも影響しているのかもしれない。
 自分から騒ぎに乗っかっていくタイプではないと自認している彼女だけれども、お祭りの賑やかな雰囲気自体は嫌いではない。
 溶け込んでも溶け込まなくても大丈夫なこの場所の居心地も、悪くはなく中々面白い。
 そんな事を考えながらアマネセルはまた一つ、ドライフルーツを練りこんだチョコレートを味わって白雪振る船上の宴を楽しむのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
内陸部豪雪地帯出身

陰海月って、グリードオーシャンの生まれでしてー。里帰りも兼ねてますー。
…考えてみれば、陰海月と出会って一年(羅針盤戦争終盤)ですか。

それにしても、不思議な雪ですねー?ですが、たしかにこの催しにはぴったりですよね、色合い的にも。
果物の酸味と甘味、チョコの甘味と苦味って合いますねー。
それにしても…陰海月、あとで運動の約束ですよー?


陰海月、故郷にもチョコレートな島あったんだ!というのと不思議な粉雪もあってハイテンション。未成年(?)なので、飲み物はホットショコラにしている。
めっちゃ食べる。美味しい!!



 そして一人の和装の悪霊と空飛ぶミズクラゲが船上の賑やかな宴の間を歩いていた。
 ぷわぷわ空を飛んでいるミズクラゲ『陰海月』の後ろをのほほんと歩く彼の名は馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。
 今回は里帰り――とは言っても目の前に浮かんでいる陰海月の里帰りにやってきたのだが、実に楽しそうで何よりだ。
 どうやら陰海月もチョコレートの島には訪れた事もないようで、好奇心いっぱいにゆらゆら踊るように空を漂いながら鮮やかに輝いている。
 周囲の海賊や商人も視覚的に賑やかな陰海月に何故かご機嫌になっている――割と酔いも回っているようだ。
「……考えてみれば、陰海月と出会って一年ですか」
 陰海月の初陣は昨年の羅針盤戦争終盤、第六の王笏島だったから出会ったのはもう少し前ではあるけれどもまだ一年である。
 その短い間で実に濃い日々を共に歩んできたなと思い返しながら空を見上げる。
「それにしても、不思議な雪ですねー?」
 ひらひらと舞う雪は彼自身の雪深い故郷を少しだけ思い出させる。けれど、積もりはしないから内陸の故郷と海の世界との違いをより鮮明に義透に感じさせる。
 チョコレートの島に降る粉雪は、この季節の催しにたしかにぴったりだと思いながら、義透は宴のテーブルに並べられていたちょっとごつごつした見かけのチョコレートを一口齧る。
 砂糖は控えめ、けれど練りこんだ柑橘の酸味と甘みとチョコレートの苦みと甘みがお互いに引き立てあい実に見事な味わいになっている。
 ふと陰海月の方を見遣れば、かさを広げてホットショコラのカップを持ち上げてゆっくり飲んで、更には瑞々しいイチゴやベリーのチョコレートまでその触手で掴みショコラと一緒にいただいているようだ。
 とてもゲーミングな感じに輝いているからとてもご機嫌な様子で。
 けれど、
「……陰海月、あとで運動の約束ですよー?」
 いつもののほほんとした笑顔まま、義透が陰海月にそっと近づいて囁いた。
 去年も月見と花見で食べ過ぎた事は忘れていない。
 一瞬ピタッと止まり、そして触手を持ち上げはーいと言う様に陰海月が反応を返した。
 まあ、運動の事は後でもいいのだろう。
 この賑やかな宴の空気に酔いしれるのも、きっと悪くはないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

十字路・冬月(サポート)
 「踊ろう!なに踊る!?」

 ダンスしていれば幸せ。
 心の声は保護者的存在(多分男性)の、いわゆるイマジナリーフレンドです。
 難しいことを考えることは苦手ですが、心の中で会話することで解決策を見出すことがあります。

 隙あらば踊ろうとします。一人でも勝手に踊っていますが、できれば他の人とも踊りたい。

 「どんなダンスが好き?あたしは何でもどんとこいさ!」

 物欲はあまりありませんが食欲はあります。料理はできません。
 「美味しそうなものは食べたいなー。」
 子供も大好き。

 戦闘は苦手。踊りで解決できないかチャレンジ。
 できなければ楽しく踊るため、心の声に励まされつつ頑張ります。

 あとはおまかせ!



 そして、賑やかな宴を盛り上げるようにダンスを披露する猟兵もいた。
「踊ろう! なに踊る!?」
 十字路・冬月(ダンス大好き!・f24135)の彼女はダンスが好きだ。一人でも沢山でもとにかく踊りへの情熱は底なしで、それだけあれば幸せだ。
 そんな彼女は甲板の揺れも気にせずにマストや荷台を舞台に華麗に踊って見せている。
 彼女のスタイリッシュなダンスは海賊や商人たちにも好評のよう、
『チョコも食べなよ』
 心のオカン――昔から聞こえるその声が冬月にそう促してくると、踊り通しでちょっとばかり疲労感も感じ始めていたから一度締めてマストから軽やかに甲板へと着地を決める。
 そして深海人の商人が勧めてきたチョコと爽やかな味わいのオレンジジュースをお礼と共に受け取って、椅子に座って体の火照りを冷ましながら周囲を見る。
 宴の会場には様々な趣向のチョコレートが並べられていて、自分では作れそうにないかなーと料理が苦手な自分の腕を思いつつジュースを飲む。
 爽やかな酸味が口の中に広がり、そこに船を象ったチョコレートを口に含めばいい具合に肉体的な疲労感がほどけてくる。
 ふと視界に謎の色に輝くクラゲのようなものが見えた。あの子に照らされながら踊るのも悪くはないかもしれない。
 ――どうやって踊るのがいいのかな。
 美味しい料理もそれはそれでいいのだけれど、やっぱり彼女の考えは踊る事に行きついてしまう。
 一人で踊るのもいいけれどこの場にいる海賊達を誘ってみるのもいいかもしれない。皆で賑やかにダンスするのもきっと楽しいだろうから。
 本能にも似たその感情に従って、冬月は立ち上がり再び踊り始めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サリー・オーガスティン
■SPD
冷たくない雪?要は滑らなけりゃいいんだけども、それを言うのは無粋だね。
(バイク乗りの習性があるから、我ながら仕方無いけど、無粋なこというの申し訳無い)

さて、ヴィクトルさんを見付けなければ。
先日、鴻鈞道人に取り憑かれてたとはいえ、ぼっこぼこにしちゃってるから、ここはお詫びがてら(嫌で無ければ、だけど)ご一緒して、ボクのオゴリで何か一緒に飲み食いして、先日のケガの快復具合を伺おう。

あ、飲酒運転になると拙いから、ジェイクはUCで回送させておくよ。

バイク乗り故、お酒は飲み慣れていないのであまり量はこなせられないけれど、お酒は付き合うよ。

今日の所は料理や飲み物を楽しもう。

※連携・アドリブ共歓迎



 普段の荒っぽいこの世界の一般的な宴とは違ったどこか甘い雰囲気の船上の宴を、サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)は普通に楽しんでいた。
「冷たくない雪……か」
 バイク乗りである彼にとって雪は路面を凍らせタイヤを滑らせたり体温を只管に奪い続ける大敵でもある。
 しかし、この島の雪は手に触れるとすぐに融けるくらいで積もりにくく、冷たくもない。まあ、滑らなければそれでいいと、バイク乗りとしての習性で無粋にも思ってしまうのは仕方のない事だろう。
 ちなみに愛車のジェイクは鉄甲船の方にユーベルコードによる脳波コントロールで回送させている。流石に飲酒運転はまずい。
 宴の場に漂う香りは潮風とチョコレートや果物の甘い匂い、そして酒気。
 かつて宇宙バイク自損事故でサイボーグとなった彼は内蔵なども機械に置き換え補っているが、それ以前にバイク乗りでもありあまり酒を飲みなれていない。
 この陽気な雰囲気の海賊達に呑まれて酒を勧められる前に探し人を発見しなければ。
 そんな事を考えながら甲板上の人々を見ていく。
 どこかの島からやってきたらしい背の高く目立つ巨人達にバイオモンスター、そして綺麗に並べられたチョコレートを売る冒険商人たちへと順に視線を移していって、そしてセイレーンや深海人が集まって呑み比べしている中に求めた白黒の姿を見つける。
「ヴィクトルさん」
「あ、サリーくん元気してるー?」
 サリーの呼びかけに気が付いたヴィクトルが手を振って返す。
 先日の殲神封神大戦で不気味な渾沌氏『鴻鈞道人』に憑りつかれていた彼、救出の為とはいえ相当ボッコボコにした事は記憶に新しい。
 一応鴻鈞道人が抜けてからすぐユーベルコードで傷を治していたし、気にしなくていい寧ろ有難うと言ってはいたけれどもちょっとばかり思う所もあって。
 快気祝い――お詫び代わりもあるけれど、一緒に回らないかとサリーはヴィクトルを誘う。
「お詫びなんて気にしなくてもいいのに。でもここの宴を楽しむなら喜んで」
 こういう場は皆で楽しむ方がきっといいしね、とシャチのキマイラは口元を綻ばせる。
「さて何から行こうかなー……サリーくんってお酒は量とかいける方?」
「あまり飲み慣れてないですね、でも付き合うよ」
 そっか、とヴィクトルは言って。
「じゃあ少なくても楽しめるいいお酒を紹介しよう。ここの船は一通り見て回ったからね」
 ああいや、その前にチョコをしっかり楽しんでからの方がいいかと、ぐいぐいシャチがサリーの左手を引っ張っていく。
 その力加減からするに、もうあの時の怪我は完全に治っているようだと感じたサリーは、この場の料理も酒も楽しもうと大柄な彼についていく事にした。
 干し葡萄のチョコ、蜜柑のような柑橘のチョコ、そして呑み易くすっきりとした後味の果実酒。
 次々勧め勧められて、やがてほろ酔い気分になってきたサリーはふと周囲を見渡す。
 飛びっきりの味わいに舌鼓を打ちながら賑やかに踊り騒ぐ様々な人々。甲板上の宴を白く彩る粉雪は傾いた陽の茜色に照らされて美しく見える。
 そんな熱気に溶け込むように、サリーは日が沈むまで楽しめるだけ楽しもうと、面白そうなチョコレートや酒を探していくのであった。

 踊りを楽しむ人々に、お菓子や料理を楽しむ人々。
 巨人もいれば空飛ぶクラゲや悪霊、時計ウサギに深海人に種族もやってきた場所も人それぞれ。
 けれどこの場で楽しんでいる事にはきっと変わりはない。
 テルニ島の年一回の甘きお祭りは、粉雪と共に賑やかに過ぎていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月28日


挿絵イラスト