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銀河帝国攻略戦⑲~人類を救う叡智のために

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●世界でいちばん小さい兵器
 ウイルスという単語は、高度な文明社会に生きる者ならば誰しも一度は聞いた事があるだろう。
 ある時は生物の最小単位を揺るがす存在として尽きぬ議論を交わす対象として。
 またある時は、その構造の特異性から生命の起源を探るための足がかりとして。
 しかし、大半の人が思い浮かべるのは、それが人体に直接影響する被害。
 時に絶望的な広範囲の死をもたらす事もあるこの小さな存在は、いつしか効率的に敵対者を弱らせるものとして、戦争の舞台でも使われるようになっていた。
 これは、その世界でいちばん小さい兵器を使った攻防を描く、静かなる戦場の物語。

●アカデミックに攻めてゆけ!
「あたしは難しい事なんて分かんないのだ!」
 なんかこう学術的かつ科学的な雰囲気になりそうなところで、自信満々に脳筋を宣言する幼女がひとり。
 皇樹・星佳(撃滅神剣・f08751)と名乗った彼女も、いま怒涛の勢いで戦況の変化している銀河帝国攻略戦へ猟兵達を送り込まんとしているという。
 星佳が転送する舞台は前線ではなく、もうひとつの戦場。知識と知識がシノギを削る、研究の場。
「ええと、つまりだな!
 悪いヤツらがいっぺんにガーって来て殺人ウイルスをバーって撒いちゃうっていう、それはヒドい作戦を考えてるらしいのだ!
 数がめちゃくちゃ多いみたいだし、こそこそ隠れてワープするみたいだし、普通の方法じゃいちいち対応してられないのだ!」
 そこで我々は発想を逆転させ、いっそウイルスを無力化してしまえばいいのでは? というとてもクレバーな作戦を立て、古代遺跡船の施設をぜいたくに使い抗体の研究が現在絶賛進行中であるとの事。
 幸いな事に、抗体を作るべき殺人ウイルスのサンプルは確保できている。しかし、真っ当な手段で研究開発していては時間が足りない。
 ならば、そこでの常識を覆す手段を使えばいいのではないだろうか。
 ――すなわち、猟兵たちの持つ、ユーベルコード。
「あたしがその研究してる場所にみんなを転送するから、みんなはそこで殺人ウイルスをどうにかこうにかして研究する手助けをしてほしいのだ!
 普通に頭を使ってサンプルをいじくり回してもいいし、誰かの雑用を代わりにやってあげるだけでも喜ばれるかもしれないのだ。
 いっそ、自分で実験体になってみてもいいのだぞ!」
 手助けをする手段は十人十色、千差万別。
 一見無関係に見えるようなユーベルコードでも、使い方次第で思わぬ貢献ができるかもしれないと言う。
「さっきも言った通り、あたしは殺人ウイルスとか抗体とか言われてもぜんぜん分かんないのだ!
 だから小難しいことはみんなに任せるから、頑張って研究するのだぞ!」
 激励なのか思考放棄なのかよくわからないセリフを胸張って発し、星佳は転送の体勢に入った。


若葉椰子
 ご機嫌いかがでしょうか、若葉椰子です。
 なんだか怒涛の勢いでシナリオが出ては攻略されていく銀河帝国攻略戦ですが、ようやく私も一枚噛む事ができそうです。

 さて、今回私が演出するのは、血湧き肉躍る戦闘ではなく、アカデミックな研究施設。
 皆さんにはそこで、オロチウイルスなる何やら恐ろしげな生物兵器を無力化するための抗体を作っていただきます。
 頭脳労働担当を自負している方々は、ここぞとばかりに何かこうクレバーな事をしてみましょう。
 それ以外の人も、工夫次第で様々なお手伝いができるかと思います。
 あっと驚く発想力やこんな事もあろうかと不敵に笑うインテリジェンスで、帝国を技術面でも攻めていきましょう!
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第1章 冒険 『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』

POW   :    オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます

SPD   :    圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します

WIZ   :    集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アトシュ・スカーレット
【POW】
うーん…その、情報収集には貢献できそうだけど、高速処理は無理!!
素直にウイルス飲みまーす

【行動】
未完成の抗体を飲みつつ、UC【痛覚花弁】を発動させ、疲労ごと自分を治癒する
余計疲れそうだが、これが自分にできるこの奇跡を成し遂げるための【捨て身の一撃】なのだから仕方ない
途中でこのウイルスが【呪詛】の領域だと気付き、【呪詛耐性】の魔法を自分に使用する

「…ねぇ、このウイルスってウォーマシンさんやバーチャルキャラクターさんたちにも、効くんだよね…?」
「それさ、もう…呪詛の領域…じゃない?」
「試しに、呪詛耐性の魔法、使ってみるけど…期待、しないで、ね…?」



「うーん……その、情報収集には貢献できそうだけど、高速処理は無理!!」
 開始早々に潔くインテリジェンスを諦め、人柱になる事を決意するアトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)。
 それでも一向に構わない。技術の発展は、彼のような勇気ある被験者によって礎が作られていくのだ。
 いの一番にウイルスを取り込んだアトシュにかかる負担は当然、大きい。それが殺人を目的としたものならば、尚更だ。
 自らの生み出した魔法の花びらが舞い、急速に死へと向かう肉体をなんとか癒し続けているものの、精神的苦痛まで取り除かれるわけではない。
「うわ、キツ……ここまでしぶとい上に、ウォーマシンさんやバーチャルキャラクターさんたちにも、効くんだよね……?
 それさ、もう……呪詛の領域、じゃない?」
 苦悶の中で閃いたのは、天啓のごとき類似性。
 その昔、高名な作家は、充分に発達した科学は魔法と見分けがつかないという持論を打ち立てたという。ならば、その逆もまた真であるはず。
「……へえ、呪詛耐性も効果あるんだ。これは大発見かもね」
 即興でかけた魔法が自らに作用し、苦痛がいくぶん和らぐ。
 自分でもあまり期待していなかっただけに驚きはあるものの、アトシュはすっかり冷静さを取り戻していた。
 この成果もまたレポートにまとめられ、貴重なデータの一つとなるのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

竹城・落葉
 成程、このオロチウイルスの抗体を作れば良いのだな。ならば、我に任せておくと良い。
 蛇毒の抗体を作る際は、その蛇毒を馬に駐車して抗体を作って採取するという。ならば、オロチウイルスを我の体へ注入し、我の体で抗体を作ってしんぜよう。
 我は戦闘の際、よくオブリビオンを食している。触手、スロットマシン、麻雀のコマ(正式名称が分かりません)……。つまり、オロチウイルスを食しても問題はあるまい!
 という訳で、『オブリビオンを食す』にて、オロチウイルスを食すぞ!ん、ウイルスとオブリビオンは違うだと?細かい事はどうでも良いではないか。
 ちなみに、味はあるのだろうか?あるなら、それをレポートしてみたいものだ。



「成程、このオロチウイルスの抗体を作れば良いのだな」
 続いての注入希望者は竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)。
 自信満々に語るその手法は蛇毒から血清を作る過程であり、ウイルスにしても天然痘などは牛を経由してウイルスを弱毒化させることは知られているのだが……。
「なに、オロチウイルスとやらもオブリビオンのようなものだろう?
 触手、スロットマシン、麻雀牌、その他諸々を食してきた我なら問題あるまい」
 いや、その、殺人ウイルスを牡蠣の食中りみたいに言われましても。
「そういえば普通は注射等で体内に取り込むと思うのだが、果たして味は如何なものだろうか。そちらも貴重な情報になるのではないか?」
 重ねて言うがウイルスである。細菌よりも更に小さい縮尺が必要な代物である。果たしてウイルスに味はあるのだろうか。分からない。
 経口摂取するという事で注射液とはまた違ったものにする必要があるのだが、細菌と違い寒天のような培地は使えない。ウイルスが活動するのは、生きている生物の中だけなのだ。
 よって、彼女に供されたのはスペースシップ驚異の科学力によって作られたバイオ馬肉やバイオ魚肉の刺し身、インザ殺人ウイルス。なんだこれは。分からない。
 落葉はそれらのナマモノを満足そうに平らげ、いくらかの有益なデータがもたらされたと言う。スペースシップワールドとはそういうところらしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・イングランギニョル
【POW】
さてさて、オロチウィルスか
実に興味深い
これもまた書物にはない、知識のひとつだね
じっくりと堪能させてもらおうか

どんな研究も実際に人体に使うのが一番調べるのに早いと相場が決まっている
というわけでボクは実際にオロチウィルスを摂取してデータを集めるとしようか
……摂取するのはボクは生み出したコピーだけれどね
コピーなら消えても何度も新しいのを呼べるし、本体のボクは傍で観察もできるし、良いこと尽くめってヤツさ
さーて、何人目でコイツの秘密が分かるかな?



「さてさて、オロチウイルス……先進的な科学で作られた殺人ウイルスか。実に興味深い」
 いかにも知的好奇心を刺激されたという感じで薄く笑うアリス・イングランギニョル(グランギニョルの書き手・f03145)もまた、叡智を求める一人である。
 高度に発達した科学によってあらゆるものが運営されているスペースシップワールド、その中でも最先端のノウハウが集積されているこの場所は、彼女に常時新しい刺激を与えてくれる事だろう。
「こちらも人体実験を始めようか。ただし、ボクは表立った犠牲者を出さないよ」
 そう言って、おもむろに自らの本体である書物からページを一枚破り、自らと寸分違わぬコピーを作り出す。
 まずは一人。ウイルスが飛散しないよう培養槽めいたカプセルの中に自己の分身を閉じ込め、自らは経過を余すところなく記録できるよう、手帳にペンを走らせる。
「……なるほど。試薬Pの298番を投与すれば生存時間は伸びるが、急激な発汗を伴う……と。よし、次」
 果たして、そこで何人の『自分』が命を落としただろうか。
 データには詳細に記されているが、本人はそれを気にも留めない。
 どころか、散ってゆくコピーからは未知の感覚であった死を知れた事に対する喜びのような表情すら見て取れる。
 ……尤も、仮初の肉体を更に複写された存在が体感する死がどのようなものなのか、何度看取っても分からないものではあったが。
 それは傍から見れば、終わらない惨劇や地獄のような光景であっただろう。
 しかし、ここに被害者は一人もいない。全て自らが望んでいるのだから。
 この狂気めいた研究のもたらす利益も大きく、同一人物による対照実験を何度も繰り返せるとあって様々な角度からデータを得る事となった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アヴァロマリア・イーシュヴァリエ
マリアが頑張れば、ウイルスをやっつけるお薬が出来るのね……?

ウイルスを入れて、じっと我慢よ。
それに、サイコキネシスを使えばマリアの体の中のものも、動かせるはずよ。
それで心臓の速さとか、血の流れ方とかを調整すれば、色んな状態での効果を試せるかもしれないわ。
きっととっても苦しいんでしょうね……でも、やるわ。
でないと、もっと苦しくて痛いことが、もっとたくさんの人に降り掛かってしまうもの。
マリアが我慢する限り、実験は何度だって出来るから……
ええ、大丈夫。マリアは猟兵で、聖者だもの。
世界と、人を救うお仕事、ちゃんと出来るわ。怖くなんか、ないんだから

※アドリブ歓迎
子供っぽさと女の子らしさの混じった口調です



「マリアが頑張れば、ウイルスをやっつけるお薬が出来るのね……?」
 幼いながらも気丈に振る舞うアヴァロマリア・イーシュヴァリエ(救世の極光・f13378)の瞳からは、なるほど聖者に相応しい自己犠牲と強い意思を感じさせる。
 ウイルスを封入した注射器に目を開いて驚き、腕に針を刺す時には思わず目を閉じて横を向くけれど、それでもぐっと我慢して。
 これから来る痛みに比べれば、それはほんの些細なもののはずと言い聞かせる。
「っ……! まだよ。まだ大丈夫。これくらい、ケガする痛みに比べたら……!」
 自らの肉体を内側より食い破り、絶命させんとする凶器。それにひたすら耐える少女の苦痛はいかほどのものになるか、想像するのも憚られる。
 それでもアヴァロマリアは負けない。
 この砂粒ですら巨石に見えるほどのウイルスが、このままでは宇宙にあまねく広がってしまうと知っているから。
「この苦しみが、他のみんなに感染るといけないもの……マリアが、がんばらなきゃ……!」
 スタッフの指示に従い、自らの持つ遠隔操作の力でウイルスを負担の少ない部位に集めてはいるものの、それでも一歩間違えば死がやってくる状況で、少女は見えない敵と戦い続ける。
「だって、マリアは猟兵で、聖者だもの……ね。ちゃんとお仕事、できるもの。怖くなんか、ないんだから……っ!」
 ウイルスの被害に曝されるのは、大人だけでは当然ない。
 むしろ、免疫力の低い老人や子供が一番危険なのだ。
 彼女が文字通り命を賭けて人柱となり記録されたデータは、そうした対象に与える影響を示すものとしてとりわけ重要なものとなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラウル・シトロン
僕はオロチウイルスを炎で弱らせようと思う。
確か、抗体を作るときに使うウイルスってある程度弱らせてるって聞いたことがあるんだ。
だから、まずそれが必要な気がして。
でも、それって古代遺跡船の研究者たちが既にやってることな気もするんだよね。
だけど、ユーベルコードを使えば多少なりとも作業時間の短縮になって研究者たちが別のことを出来るようになるよ! 多分。

まず、【サラマンダーズ・アシスト】の複数の蜥蜴の炎を出して、その中にウイルスを入れよう。
全力魔法でウイルスを熱してどんどん弱らせていくよ。



「そうだ、ウイルスを炎で弱らせよう!」
 常識を覆すラウル・シトロン(人狼のひよっこ探索者・f07543)の提案に、スタッフは怪訝そうな顔を向けた。
 加熱というのは基本的に、ウイルスや細菌を完全に失活させるために使われる手法である。
 無論、その有効性は昔から実証され、今日でも使われている。今更その有用性を論じるまでもないだろう。
「えーと、だからその、ユーベルコードの炎ならどうかなって!」
 なるほど、そういう事なのか。ようやく合点がいったと現場の空気がいくぶん和らぐ。
 相手は難攻不落のオロチウイルス。熱耐性や不活性化した時の扱いの難しさは既に研究されてはいるものの、確かにユーベルコードの力で加熱した際のデータは取れていない。
 そうして並べられたいくつもの耐熱容器に、ラウルは次々と精霊の炎をかけていく。
 ある時は小手調べ程度に、またある時は全力で。
 様々な条件で加熱されたウイルスは、貴重で見やすいサンプルとなりスタッフ達を喜ばせる事となった。
 なお、余談ではあるが、この炎の力は使用済み医療廃棄物の焼却処理にも役立っていた事を追記しておこう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィルジール・エグマリヌ
抗体の開発は大切だね
苦しい想いをする人が出ないよう
私にも研究を手伝わせておくれ

私はウイルスの特性や些細を調べよう
役に立つかは分からないが
バトルインテリジェンスを発動して
AIに自分の能力を強化させよう
動体視力や野生の勘によく働いて
ウイルスの動きが見切り易くなると良い

その後は愛用のM57でウイルスを解析
あの帝国が作ったものだ
精巧なナノマシンなど関わっていないかな?
念の為ハッキングも試みようか

他にも電脳世界のデータを駆使して
致死性の高いウイルスについて資料を漁り
その共通性や症状、対処法など纏めて
帝国のウイルスと合致する所がないか調査
新しい発見や自身が纏めたデータは
仲間達に確りと共有するよ



「人手が足りないのなら、私にも研究を手伝わせておくれ」
 スタッフに声をかけ、空いているデスクに腰掛けたヴィルジール・エグマリヌ(星海の一滴・f13490)は、普段戦闘で使っているドローンと共に膨大なデータとの格闘を始める。
 タイピングやポインティングデバイスの入力補助は勿論、サンプルの検索や試薬と混ぜて反応を見るなどの行動にも細かいところで肉体の動きに補正が入り、理想的な動きで様々な工程を消化する事で時間の短縮を図っているのだ。
 勿論、彼の活躍は雑用のみではない。
 ある時はモニターを睨み、またある時は試験管で変化する色を追い、ウイルスそのものの姿を見るためにプレパラートを拡大して眺め……その『見る』作業には常に愛用のモノクルがあった。
 ネットワークに接続された拡張現実の文字と映像も共に精査し、ウイルスを通して製造や輸送されている時の様子を想像していく。
 流石に医学の知識は専門家より一段劣るが、電子戦に関しては帝国の癖もある程度熟知している。
 どのようなルートで製造され、パッケージングされ、戦場へ出ていくのか。それをある程度でも絞る事ができれば、情報戦において有利に立てる事は間違いない。
「……この辺りの構成は、一年前に見たサンプルに共通点があるな。これは手がかりになるか?」
 自分で気がついた事、その全てを細かい引っかかりも余すところなく注釈として書き込み、データベースへと送信する。
 このちょっとした積み重ねが有機的に結びつき、思わぬ発見につながる事もあると信じて。

成功 🔵​🔵​🔴​

彩波・いちご
ウィルスとはまた厄介な……
宇宙船内にばらまかれたら、逃げ場もないですし、とんでもないことになりますよね…

なので、抗体の研究大賛成です!
とはいっても、私は、多少医術はかじってますけど、そんな研究できるほどではないですし…なので、ウィルスを接種して実験体になるモノを提供します

はい、触手です

【異界の抱擁】で生み出した触手にウィルスを感染させて、抗体を産み出す苗床にしますね

触手は私の影から無限にわいてきますので、実験体には困らないですよ
好きに扱ってくださいっ



「一応医術の心得はありますけど、かじった程度なので……」
 せわしなく動き回るスタッフに、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は少し気後れしているご様子。確かに高校生のような立場からいきなり数段進んだ技術の最先端を駆け抜けろと言われると、そのような反応になるのも仕方ない事だろう。
「なので、代わりになるモノを今から出しますね!」
 一体何を出すつもりなのだろうか。
 ふんぐるいだのいあいあだのとやたらコズミックで冒涜的な詠唱が終わればアラ不思議、いちごの影から無数の触手がコンニチワ。
 一瞬にして生臭くなる一角。ドン引きするスタッフ。これはこれで研究してみたくなってきたスタッフ。
 だが今は最優先で片付けなければいけない案件があるはずだ。この触手の仕事やいかに?
「はい、被検体です! 動物実験にもってこいですよ! 抗体が作れるなら培地にも使えます!」
 それでもっていくらでも生み出せるとにこやかに告げるいちご。
 このペースで生産されると周囲一帯が粘液でえらい事になりそうだ。
 そもそも、触手で得たデータがどれだけ人体に適用できるのだろうか。分からない。
「さあ、好きに使ってくださいっ」
 好きに使えと申されましても。
 戸惑うスタッフ達ではあるが、やがて一人また一人と触手にあれこれと注射したり謎の液体をぶっかけたり切断して断面をチェックしたりしはじめた。あらやだ逞しい。
 一体全体何に活用されているのか、専門家でない者たちには皆目見当もつかないが、いちごの生み出した触手は確かに役立っていたようだ。
 深く関わってしまうと正気を失ってしまいそうなので、詳細な言及がされる事はなかったが。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイシス・リデル
うーん……難しい事、わたしにもわかんないや。えへへ
けど、毒ならわたしにも、できる事があると思うから

オロチウィルスをわたしの体内に取り込む、ね
わたしは毒につよいから、よわくしたり、量を減らさなくても大丈夫、だよ
それにこの前の戦いでも、いっぱい取り込んだから
今なら、この毒をきれいにする事も、できると思う

この前は、コアマシンを壊さなきゃいけなかったから
そのままわたしの体に使った(「暴食者」のユーベルコード)けど……やってみる、ね

どんなに痛くても、苦しくても我慢、するよ
何度だって、我慢、できるよ
大丈夫。わたしだって、猟兵だもん

データの解析? とかは、わたしにはできないから、他の誰かにお任せしちゃうけど



「うーん……難しい事、わたしにもわかんないや」
 えへへと気楽に笑うアイシス・リデル(下水の国の・f00300)だが、その顔は既にやるべき事を見据えている。
「オロチウィルスをわたしの体内に取り込む、ね」
 当然といった表情でウイルスの封入されたアンプルを取り、そのまま自らの体内に取り込んでいく。
「ん……やっぱり慣れない、ね。そうそう何度もある事じゃないんだ、けど」
 一度は経験した事のある、致死性のウイルス。
 今回は研究用途で使うためあれこれと手が入っているが、それでもまだ問題ないレベルまでに危険性を落とすには至っていない。
 だが、アイシスはそのような事を些事だと言わんばかりに、表面上はあくまで平然とした表情をしている。
「大丈夫。わたしだって、猟兵だもん」
 見渡せば、彼女と同じくらいの年頃の猟兵も同じく被検体となっている。ならば、自分にできない道理はないのだ。
 大好きな人々のためなら、まだ自分は頑張れる。こんな自分でも役立てる事があるのなら、それが最上の喜びとなるから。
 詳細なデータを取るため、完全に浄化するのは本当に自分が危なくなった時だけ。
「……ねえ。わたしのデータ。役に立つかなあ?」
 それが分かるのは、もう少し先。
 ギリギリのところで体内に浄化の光を放ち、ゆっくりと意識を手放していくアイシスが見たのは、端末から自分を使った試験データのレポートが送信されていく光景だった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト