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廃玩具工場のゴーストタウン

#シルバーレイン #【Q】 #ゴーストタウン

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#シルバーレイン
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#【Q】
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#ゴーストタウン


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●人形の部品を探す少女
 夜。
 誰もいないはずの廃工場に、一人の少女の声が響く。
「あたしは、この子達を完成させたいだけなのに……」
 暗い工場の中には作りかけの人形の材料が箱に入って積まれている。
 腕だけ。頭だけ、プラスチックの目玉、髪。
 作り物だとわかっていても、突然目に入ったら不気味に感じてしまう。

「ねぇ、あなた。この子の腕が足りないの。知らない?」
 暗闇から現れたのは一人の人形のような少女。
 手にはハサミや巻き尺、そして作りかけの人形を持っている。
 人形には腕がない。工場に転がるどの部品も、少しずつ合わないようだ。
「しかたないわね。じゃああなたの腕をちょうだい」
 少女はハサミを振り上げ、こちらに向かってきた……。

●グリモアベース
「シルバーレインの事件です。場所は、関東の工業団地にある廃玩具工場です」
 クロノ・ライム(お菓子に目がないクレリック・f15759)が説明を始める。
 シルバーレインの世界にはかつてゴーストタウンと呼ばれる場所があった。
 人が住まなくなり、常識が失われたことでゴーストの巣窟と化した場所のことだ。
 かつて能力者たちは定期的にこうした場所の浄化を行っていたという。

「その廃工場は、かつてのゴーストタウンでしたが、現在はオブリビオンに支配されています」
 廃工場に現れたオブリビオン『アミィ・シュシュ』。人形のような見た目をしているが、この工場が玩具工場であったことと関係があるかは定かでない。
 オブリビオンの出現で、廃工場では作りかけの人形が動き出す、機械が襲いかかってくる、ゾンビが徘徊するなどの異常な空間へと変化を始めていた。
 ゴーストタウン現象と呼ばれ、この空間へ入り込んだら迷宮のように脱出するのは困難だ。
 しかし放置していたら、ゴーストタウンの規模は拡大し、被害も広がってしまうだろう。

「ゴーストタウン現象が広がる前に、廃工場へ向かい、オブリビオンを倒してください。よろしくお願いします」
 説明を終えたクロノは猟兵たちをシルバーレインの世界へと送る。
 かつての能力者たちのように、ゴーストタウンを探索し、世界の綻びを防ごう。


青猫格子
 こんにちは、青猫格子です。今回はシルバーレインのシナリオです。
 ゴーストタウンと化した廃玩具工場を探索し、オブリビオンを倒すのが目的となります。

 第1章:冒険『おかしな工場を突破せよ』
 迷宮と化した廃玩具工場を探索し、オブリビオンを探します。突然機械が動き出すなどの罠が待ち受けています。

 第2章:集団戦『ゾンビ』
 ゴーストタウンの中に巣食うゾンビと戦います。周囲は「複雑な迷宮」や「危険なトラップ」に囲まれているので、これを利用して戦った場合にはプレイングボーナスが与えられます。

 第3章:ボス戦『アミィ・シュシュ』
 今回の大規模ゴーストタウン現象を引き起こしたオブリビオンとの戦いです。

 第1章のプレイングは最初に断章を公開してから受付開始します。
 その後の進行予定はタグ等で告知します。
 それでは参加お待ちしております。
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第1章 冒険 『おかしな工場を突破せよ』

POW   :    我慢して移動する。

SPD   :    急いで移動する。

WIZ   :    他のことを考えながら移動する。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●廃工場
 その工場が閉鎖されたのは随分昔の話だ。
 看板も取り外され、名前も工場の詳細も今でははっきりとはわからない。
 何かいわくつきだったのか、機械や材料の一部は今も残されている。

 ガシャン……ガシャン……。

 夜中に工場の入口に足を踏み入れると、電気も通っていないはずの工場の中に、機械の動く音がする、などという噂もある。
 オブリビオンは工場の奥にいるようで、入り口の周囲では姿を見かけない。
 探すには暗い工場の中を進むしかないようだ。
メリー・コールアフター
アドリブ歓迎

廃工場…大きな大きなゴミ捨て場
打ち捨てられた玩具たちの成れの果て
『わたしたち』の同類
新しい『お友達』
「皆で会いに行きましょう?」

WIZで参加
わたし、メリー
【「今ゴミ捨て場にいるの」】

UCで呼び出した人形たちと練り歩く
動く機械は眼中なし

「あの子も動くのかしら?
あっちの子はどんな子かしら?」
新しい『お友達』について、他の人形たちと話しながら進む
途中で増えていても構わない

「あら、貴方は脚がないのね。
でも、ニンゲンの脚を代わりにしちゃダメよ?
ナマモノは腐っちゃうもの」

『打ち捨てられた人形という同類』についてのみ考えながら移動する

「ここにいる子(オブリビオン)も、誰かに捨てられたのかしら?」



 広大な廃工場。
 その中をメリー・コールアフター(怪奇譚のビスクドール・f15358)が静かに歩いていた。
 上流階級の子供に与えられる、磁器人形の少女メリー。
(打ち捨てられた玩具たちの成れの果て……『わたしたち』の同類)
 磁器人形とプラスチックの人形。種類は違えど、メリーは放棄された人形たちを同類と感じていた。

「わたし、メリー。『今ゴミ捨て場にいるの』」
 彼女は棄てられた人形たちに語りかけた。すると、周囲の箱がカタカタと震え始める。
 箱にしまわれた人形たち。中には作りかけの物もある。
 それらが起き上がり、メリーの周囲に集まってきた。
「よろしくね。新しい『お友達』」
 メリーが挨拶すると、人形たちもぎごちなくお辞儀をする。
 手足がなく、よろめく者もいるが、動けることがうれしくて跳ねる者もいる。
「あら、貴方は脚がないのね。でも、ニンゲンの脚を代わりにしちゃダメよ? ナマモノは腐っちゃうもの」
 人を襲わないようにメリーは呼びかけながら、人形たちと一緒に奥へ進むことにした。
「他の『お友達』がまだいるはずよ。皆で会いに行きましょう?」
 奥へ歩いていくと、いつの間にか人形たちが増えていき、集団が大きくなる。
 人形たちの中から笑い声が上がる様子は、普通の人間が見たら卒倒してしまうだろうが、メリーは多くの『お友達』に囲まれて無表情ながら足取りは楽しそうだ。

 工場の中にはひとりでに動く機械や、材料を闇の中へ運び去るベルトコンベアーなどがあるが、メリーは気にせずに通り過ぎる。考えているのは人形たちのことだけだ。
「あの子も、誰かに捨てられたのかしら?」
 この奥にいるはずのオブリビオンも、同類なのかもしれない。
 メリーはそう考えながら、人形たちと共に暗い工場の中を歩いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
アドリブ可

『お友達』を求めて廃工場を彷徨うシエナ
常人なら恐怖を抱く勝手に動く機械もシエナにとっては楽しいアトラクション
ベルトコンベアが突然動き始めればはしゃぎ、危険な罠が迫っても見た目からは想像もつかない[怪力]や身のこなしで突破します

隠れてないで出てきてよ!とシエナは『お友達』候補に呼びかけます。

シエナが求める『お友達』それは生物の亡骸やオブリビオンから素材としたお人形
シエナがお呪いと共に呼びかければ機械の中に隠れた『お友達』が顔を出すかもしれません

顔を出さなくても親愛と好意を注がれ壊れた呪殺人形のヤドリガミは初めての『お友達』の願いを叶える為、その亡骸で出来た仮初を歌い踊らせ奥へと進みます



 ゴーストタウンと化した工場の中では、至る所で機械がひとりでに動いている。
 それに加え、どこからか聞こえる笑い声を耳にした常人は、これを悪い悪夢と思うだろう。
 だが、シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)はその光景を見ても全く恐れない。
「わぁ、面白い。動く床みたいね」
 シエナにとっては、危険な罠も遊園地の楽しいアトラクションのようなものだ。
 楽しげにわざと動くベルトコンベアに飛び乗ってみせる。
 すると、突然前方に上から落ちてくる機械が現れ、ベルトに乗った品物を次々に押し潰していく。
「危ない! ぺちゃんこになっちゃう!」
 しかし、シエナは潰れることはなかった。
 手を上げて、見た目からは想像がつかないほどの怪力で機械を抑えて止めたのだ。
 代わりに機械が壊れて火花が飛び散り、煙を吹き上げる。それすら彼女にとってはアトラクションの演出のように楽しいものだ。

 ベルトコンベアを飛び移りながら、シエナは笑い声の聞こえた奥の方へ向かって声を上げる。
「隠れてないで出てきてよ!」
 彼女がここに着た目的は『お友達』を作ること。
 しばらく呼びかけ続けると、ぞぞ……と闇の中から動き出す影たちが現れる。
 やっと現れた『お友達』候補にシエナは嬉しそうに駆け寄った。
「こんにちは! ねえ、お友達になってくれる? 本当!? ありがとう!」
 人型の影たちと楽しそうに話すシエナ。しかし、その『お友達』はオブリビオンやその被害者の亡骸で出来ていた。

 骸から作られた仮初の『お友達』は、一日で形が崩れてしまう儚い存在だ。
 それでも、シエナは楽しそうに手をつなぎ、一緒に工場の中を歩きはじめた。
「この奥にもっと面白いものがあるんじゃないかな。案内してくれる?」
 遊園地を巡る少女のように、シエナははしゃぎながら『お友達』の手を引いて工場の奥へ行く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花羽・紫音
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】
意気揚々と正面から突破するわ
でも動き出した工場の罠によって無力化され、拘束されてしまい……そのまま運ばれてしまいそうだわ



 ゴーストタウンの前にたどり着いた花羽・紫音(セラフィローズ・f23465)は敷地内を見ながらつぶやく。
「この工場の中にオブリビオンがいるのね」
 周囲には一般人がいる気配はない。ならば、彼女が取る選択肢は正面から斬り込んでオブリビオンを討ち取ること。
 さっそく潜入すると、工場の中は暗く、ひとりでに動く機械や、ベルトコンベアなどがひしめいている。

 紫音は気をつけながら進んでいくと、どこからか子供のような声が聞こえる。
「ねえ、わたしの、足はどこ……?」
「誰? どこにいるの?」
 呼びかけても返事はない。声の主はオブリビオンか罠の可能性が高い。
 だが、もし本当に子供が迷い込んでいるのだとしたら……?

 紫音が一瞬動揺した瞬間、工場が大きく揺れ始めた。
 床にめりめりとヒビが入り、大きな穴が開いていく。
「しまった、罠……!」
 紫音は飛び上がって難を逃れようとするが、逆に天井の機械群に拘束されてしまった。
「くっ!!」
 機械のコードが両腕両足に絡まり、動くことが出来ない。
 そのまま天井の機械は動き出し、紫音は工場の奥へと連れて行かれてしまう。
「さあ、足を頂戴……」
 再び声が聞こえてくる。やはり声の主はオブリビオンのようだ。
 まさか、足を切り取られてしまうのだろうか。紫音は嫌な想像をしてしまい、気分が悪くなる。
 しかし、そこで機械の動きは止まる。

「残念。お姉さんの足は、私には合わないみたい……」
 相変わらず声の主は見えない。暗闇から声が聞こえるのみ。
 足が取られなかったことで、紫音は一瞬ほっとする。しかし、次の瞬間、彼女は闇の中に落下していた。
「きゃああっ!!」
 移動したはずなのに、床には大きな穴があり、紫音は深く落ちていく。
 落ちて、落ちて……気がつくと、紫音は工場の入口に戻っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

日下部・砌
SPD

ゴーストタウンとは懐かしいな。俺も銀誓館に通ってた頃はよくゴースト退治に行ったもんだ。
まあ、俺の知ってるゴーストタウンとは少し趣が変わったようだが……。
なに、上手くやるさ。

迷宮には罠が付き物か。時間をかけずに通り抜けたいところだ。
迂闊な動きはしないよう慎重に、かつ素早く進んでいくか。

運悪く罠を作動させてしまったら、〈咄嗟の一撃〉で軌道を逸らすなり、飛んでくる物を撃ち落とすなりして被害を抑えるようにする。
生憎、傷は十分抱えてるんでね。これ以上増やすのは勘弁してくれ。

作動させずに済んだ罠を見つけられたなら、存在だけは覚えておく。
何かの役に立つかもしれないしな。

※アドリブ、共闘は自由に。



 常識の失われた場所、ゴーストタウン。
 日下部・砌(ファントムステップ・f35598)は工場の中を進みながら感慨深くにつぶやいた。
「ゴーストタウンとは懐かしいな」
 かつて銀誓館学園に通っていた能力者である砌も、ゴースト退治を行っていた。
 オブリビオンが現れたことにより、ゴーストタウンも当時とは変わったらしいが、それでも見覚えのあるゴーストに似たものもいるという。何であれ、油断せずに奥へ進もうと砌は決心した。

 工場の中は迷宮のように機械が並び、ベルトコンベアが動いている。
(迷って時間をかけては敵の思うつぼだ)
 なるべく迂闊な動きをしないように、素早く進んだ方がいいだろう。
 砌にはゴーストとの戦いで培ってきた経験と勘がある。敵がどこにどんな罠を仕掛けているか、と予想しながら奥へ進んでいく。
 暫くすると、工場の最奥にエレベーターが見えてきた。
「……どうやら、上の階に行くには乗らないといけないようだな」
 罠を警戒しながらエレベーターのスイッチを押す。しかしエレベーターは動作しない。
 代わりに部屋の中が轟音に包まれ、両側の機械が砌に向かって迫ってきた。
「そっちかよ!」
 このままでは機械に挟まれて潰されてしまう。砌はとっさに武器を地面に振るい、衝撃波をぶつける。
 その反動で天井まで飛び上がり、吊り下がった機械に捕まり難を逃れた。

「ふう……危なかった」
 左右の機械がぶつかって動きを止めたのを見て、砌は胸をなでおろす。
 エレベーターは破壊されなかったが、スイッチらしきものは他に見当たらない。
「どこかに、動かすための仕掛けがあるのかもしれないな」
 あるいは、他に上の階へ行く方法があるのかもしれない。とにかく、エレベーターの場所は覚えておこうと砌は思った。
 地面に降りて安全を確認した後、見逃した場所がないか探索することにする砌。
 エレベーターを動かすことができれば、他の猟兵たちも奥へ進むことができるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ゾンビ』

POW   :    集団の脅威
【群れを為したゾンビの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【ゾンビ同士】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    ゾンビ、走る
【上着を脱ぎ捨てる】事で【走るタイプのゾンビ】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ゾンビカース
攻撃が命中した対象に【ゾンビ化の呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【肉体のゾンビ化の進行】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:桜木バンビ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●上階へ
 ゴーストタウンと化した工場を進むことは容易くない。
 常識の外の存在である動く機械や罠が待ち受けているからだ。
 しかし、猟兵もある意味では常識の外の存在。上手く立ち回れば罠をかいくぐることも可能なはず。
 そして罠を突破した先には、古びたエレベーターがある。

 動かすにはコツがいるが、エレベーターに乗ることができれば工場のさらなる奥へ進める。
 二階は倉庫だったらしく、梱包用の機械もあるがダンボールなどの荷物が多い。
 そして、そこには作業員の姿をした亡者たちが数多くいた。
「新人、働ケ、オ前モ……」
 工場で働かされ続ける亡者たちは、新たな犠牲者が現れると仕事を強制させ、仲間に引き込もうとしてくる。

■マスターより
 ゾンビとの戦闘です。周囲は倉庫を模した「複雑な迷宮」や「危険なトラップ」に囲まれているので、これを利用して戦った場合にはプレイングボーナスが与えられます。
 倉庫作業はしても、しないで真正面から戦ってもどちらでも構いません。
メリー・コールアフター
アドリブ歓迎
WIZ判定
相変わらず【「今ゴミ捨て場にいるの」】で呼び出した人形や玩具たちと共に歩いている

「あら、アレはニンゲンね。
壊れたニンゲン……ゾンビというのだったかしら?」
『お友達』ではないわね
襲って来るなら邪魔だし、退かしちゃいましょうか

倉庫であるなら好都合
倉庫内の棚や機械から梱包された、あるいはされるはずだった人形や玩具もUCで呼び出して
、[地形の利用][呪詛攻撃]で[暗殺]させるわ
「子供に遊ばれることもなく、放置された玩具の怨念、思い知るといいわ」

自分含め、玩具たちのゾンビ化は[呪詛耐性]で弾くわ
「ゾンビって、要するにナマモノでしょう?
わたしたちには関係ないわ」
元より悪霊だもの



 エレベーターの扉が開き、メリー・コールアフターは前に進み出る。
 その後ろから、彼女が『お友達』にした人形たちもぞろぞろと続いていく。
 倉庫となっているフロアは一階と異なり、至るところに人影が見える。
「あら、アレはニンゲンね。壊れたニンゲン……ゾンビというのだったかしら?」
 人影は全て、気力なく働く亡者だ。
 いつ終わるかもしれない課された仕事をこなし続けている。

 メリーの存在に気づいた亡者たちは、彼女たちを仲間に取り込もうと近づいてきた。
「トモ……ダチ?」
 周りにいる人形たちが、自分たちと違うヒトの形をしたものについてメリーに尋ねる。
「いいえ、アレは『お友達』ではないわね」
 メリーは友達にならないものに興味はない。しかし無視するには数が多い。
 奥に進むためにメリーは亡者たちを退けることにした。
「手伝ってもらえる? わたしの『お友達』」
 メリーが呼びかけると周囲の人形は頷き、亡者たちへと進んでいく。
 同時に、倉庫の棚に並べられた箱から、作りかけの人形たちが次々と顔を見せ始めた。

「オ前タチモ、働ケ……」
 亡者は人形たちに向かい呪いの言葉を放ち、取り込もうとするが効果はない。
「イヤダ、モット遊ビタイ!!」
 人形たちの挙げる怨嗟の声のほうがずっと強く、呪いはかき消されてしまう。
「子供に遊ばれることもなく、放置された玩具の怨念、思い知るといいわ」
 周囲の床も棚も人形たちに埋め尽くされ、思うように手を出せなくなった亡者たちは逃げ始める。中には逃げ切れずに人形の波に飲まれる者もいる。
「ニンゲン……壊レテ崩レタ。モウ遊ベナイ」
 崩壊した亡者たちを見て人形たちはつまらなそうに呟く。
「ね。要するにナマモノなのよ? わたしたちには関係ないわ。それよりもっと『お友達』を探しましょう」
 更に増えた人形たちを引き連れて、メリーは倉庫の奥へと進む。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
●アドリブ絡み可
お仕事が終わったら『お友達』になってくれる?

『お友達』と共に倉庫へ辿り着いたシエナ、ゾンビ達と仲良くなる為にまずは彼らのお願いをきくことにします

どんどん運ぶよ!

わからない事はその都度質問しながらシエナは[怪力]や[運搬]技能を活かし仕事を熟してゆき、流れが乗ってくれば気分が高揚とさせて【ユーベル】を発動させてしまいます

こうすれば一気に運べるよ!

尋常ではない速度でお仕事を熟し始めたシエナはやがて意図せずに『お友達』候補にして仕事仲間であるゾンビ達を工場の機械に落とす等の事故に遭わせ始めます

みんな何処に行ったの?

ゾンビが見当たらない事に気が付けばゾンビを探し工場の奥へと進み始めます



 『お友達』を連れて倉庫を訪れたシエナ・リーレイは、すでに亡者たちに囲まれていた。
「ヨクキタナ、オマエタチモ働ケ……」
「うん、いいよ!」
 シエナがあっさり承諾すると、亡者は彼女たちを倉庫の作業場へ連れて行く。
「お仕事が終わったら『お友達』になってくれる?」
 歩きながらシエナが質問するが、亡者たちは首をかしげる。
「オトモダチ、何ノコトダ……?」
 彼らは長い間働き続け、仕事のことしか分からなくなっていた。
「お友達っていうのは、一緒にいると楽しくなれる人のことだよ。わたし、沢山お友達を作りたいの!」
 シエナは連れてきた『お友達』を振り返る。
 影のようなお友達の表情ははっきり見えないが、おそらくシエナには笑顔が見えるのだろう。

 作業場では他の亡者と共に、ベルトコンベアで流れてくる箱に玩具を詰める仕事をすることになった。
 亡者は動きが遅い者が多く、流れも速くないのでシエナたちには簡単である。
「でもちょっと飽きちゃうかも……そうだ!」
 シエナは玩具の入った容器を持ち上げ、コンベアに飛び乗る。そして流れてくる箱の先頭まで走って一気に品物を入れていく。
「こうすれば一気に入れられるよ!」
 シエナは得意げに胸を張り、他の作業員の品物も抱えて次々に入れていく。
 彼女が熱中することで梱包する速度が上がったためか、機械が故障したのか、ベルトコンベアの速度が加速しはじめる。

「追イツケナイ……グェッ」
 亡者たちがコンベアの速度に追いつこうと必死に作業をするが、ついには自分たちが巻き込まれて流されていく。
 やがて箱がなくなり、コンベアの動きが止まった。
 気がつくと、シエナたちの周りに亡者の姿が見当たらなくなっていた。
「みんな何処に行ったの?」
 ようやく亡者たちの姿が見えない事に気づいたシエナ。
 お友達になれなかったことは残念だが、気を取り直して奥へ進むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


日下部・砌
SPD

亡者の群れと来たか。俺の知ってるゴーストタウンらしくなってきたじゃないか。
猟兵としちゃあともかく、動く屍退治ではこれでもベテランのつもりでね。
新人扱いは御免被るよ、“先輩方”。大人しく道を譲ってもらおう。

最近のゾンビは動きが機敏だな。間合いを詰められたら面倒だな。
間合いが離れているうちに〈斬撃波〉を飛び道具代わりにして、少しでも弱らせてから接近戦に移りたいところだ。
数が多いなら、ユーベルコードってやつの出番だ。敵にはダメージ、味方には回復。攻防一体で便利なもんだ。
とは言え、長引かせると不利だな。なるべく時間をかけずに始末できればいいんだが……。

近くに味方が居るなら、そいつとも連携する。



 禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)ことクロエはゴーストタウンと化した廃工場の中を物珍しく進んでいた。
「玩具がたくさん……ぬいぐるみもあるかしら」
 エレベーターに乗り、上の階へと進むと出迎えたのはぬいぐるみではなく亡者であった。
「こんばんは。クロエと遊んでくれる?」
「遊バナイ。オ前モ働クノダ……」
 亡者たちは彼女に仕事を押し付け、仲間にしようと迫ってくる。
「こういう仕事はわからないの。ごめんなさいね」
 大富豪の家で大切に育てられたクロエは、倉庫の仕事などわからない。
 それでも亡者はお構いなしに突進して迫ってこようとしていた。

 その時、エレベーターの扉が開き、日下部・砌が飛び出してくる。
「彼女に近づくな! 亡者共め……」
 砌が長剣でクロエに近づいてきた亡者を一刀両断する。その剣圧で衝撃波が発生し、周囲の亡者たちが押し返された。
「大丈夫か!?」
「ええ、ありがとう。でもまだ敵はたくさんいそう」
 クロエは工場の奥に視線を向ける。さらなる亡者たちが二人を取り囲もうと近づいてきていた。
「ふっ、俺の知ってるゴーストタウンらしくなってきたじゃないか」
 敵を前にして、砌はニヤリと笑みを浮かべ、剣を構える。
「新人ヲ逃ガスナ……!」
 素早く砌を取り囲み、襲いかかってくる亡者たちを、砌は剣の衝撃波を交えつつ斬り倒していく。
「新人扱いされるとはな。猟兵としちゃあともかく、動く屍退治ではこれでもベテランのつもりでね」
 大勢の敵を一気に倒すため、ユーベルコードを使い、銀の雨を周囲に発生させる。
「そんなに仕事を押し付けたいのなら、こうして楽にしてやる」
 雨とともに、天井から落ちる万色の稲妻が亡者たちを焼いていく。

 クロエは銀色の雨が自分の身体を包むと、力が湧いてくるのを感じた。
「工場の仕事ではなく、戦うことなら、クロエもできるわ」
 目を閉じると、彼女の身体がその服と同じ黒い霧に変化する。
 呪いを纏った霧は拡散し、周りを囲んでいた亡者たちの中に浸透していった。
「ク、苦シィ……」
 天井からは銀の雨、周囲は呪いの霧で囲まれ、亡者たちの逃げ場は少しずつ無くなっていく。
 しばらくして、霧と雨が晴れると、亡者たちは完全に動きを止めていた。

「やれやれ、数が多かったが、お互い範囲攻撃で上手く倒すことが出来たようだ」
 砌は剣を収めると、クロエに声をかける。
「ゴーストタウンを発生させた元凶は、おそらくこの奥にいるはず。一緒に来てくれるか?」
「その人がクロエと遊んでくれるなら、行きたいかも」
「それは、どうだろうな……」
 砌はクロエの言う遊びの意味が捉えきれず、返答に困ってしまう。
 オブリビオンが遊んでくれるかは不明だが、このままではゴーストタウン現象は拡大を続け、敵も復活してしまうだろう。ここに長くいるのは危険だ。
 ひとまず、砌はクロエを連れて奥に進むことにした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アレクサンドラ・ヒュンディン(サポート)
人狼の力持ち×ミュータントヒーローです
普段の口調は「私、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?」、気にいったら「私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?」

性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です
戦闘スタイルは力任せで、ダメージはライフで受けるタイプです

日常や冒険の場合、食べ物があるとやる気が増します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 ゴーストタウンの奥へと進み、倉庫にたどり着いたアレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)ことサンディ。
 今、彼女はピンチの時を迎えていた。
「はぁはぁ、片付け終わりました〜!」
 山のように積まれた箱の整理を終えたサンディは息を上げながら亡者に報告をする。
「デハ、次ハコレヲ運ベ……」
「ええ……ちょっと休憩とかは……いえ、分かりました運びます!」
 内気な彼女は亡者たちの押しに負け、倉庫の仕事を次々に課せられていたのだ。
 持ち前の怪力でなんとかこなせているが、いつまでたっても仕事は終わる気配がない。

「最後ニ休憩ガアッタノハ、何年前ダロウナ……」
 働いている他の亡者たちのつぶやきを耳にして、サンディはぞっとしてしまう。
(もしかして、このままずっと働かされ続けたら、私もゾンビになってしまうのでしょうか?)
 それだけは嫌だ。
 サンディは勇気を振り絞り、この場から脱出することを決意する。
「では私はこれで……お疲れさまでした!」
 隙を見て作業場から脱兎のごとく駆け出すサンディ。すぐさま周りの亡者たちが駆けてくる。
「ニガスナ、仕事ヲシロ……!」
 作業着を脱ぎ捨てた亡者たちの動きが速くなる。このままでは追いつかれてしまう。
「もっと速さを……! 絶対に捕まらない速さを!」
 サンディの身体が光り輝き変化を始める。身を纏う拘束具を引きちぎり、獰猛な人狼少女に変身したサンディ。手を地面に付けて走る速度を上げ、亡者の追手から逃げ切ることに成功した。

「はぁ、もう大丈夫ですね……」
 変身を解いたサンディは辺りを見回す。おそらくこのゴーストタウンの中でも最深部に近いところに来ていた。
「ここまで来たなら、あとはボスを倒すしかないようです……」
 しばらくして、戦いを決心した彼女は最深部の闇へ足を踏み入れた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『アミィ・シュシュ』

POW   :    ただ治しただけなのに
召喚したレベル×1体の【狂暴化した玩具や人形】に【鋭い刃の群れ】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
SPD   :    助けてあたしのお友達
いま戦っている対象に有効な【殺傷能力の高い暴力性を持った玩具や人形】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    これでもう壊れない
自身の【赤い縫絲と縫針】が輝く間、【血塗られた裁縫鋏】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。

イラスト:東堂

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鎹・たからです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●出迎えるオブリビオンの少女
 工場の最奥部は機械も荷物もほとんど無く、がらんとしていた。
「やあ、いらっしゃい。工場見学は楽しかったかしら?」
 その中央に一人の少女がいる。
 彼女こそこの工場――ゴーストタウンの主である『アミィ・シュシュ』だ。

「次は玩具制作の体験を用意したよ。もちろん、あなたたちが玩具になるの」
 少女が手にした縫い針と鋏を振りかざすと、周囲に数多くの人形や玩具が出現する。
 しかし、それらは全てどこか歪だ。
 千切れたり、破損したりした部位に、別の玩具の部品が赤い糸で無理やり縫い付けられている。

「途中で部品が壊れて失敗しちゃうかもしれないけど、大丈夫」
 足りない部分は、他の子の部品をとってくればいいから。
 でも、この調子ではいつまでも全部の人形が完成しない。
 だから、できる限りじっとしていてね。と少女は語りかける。
 彼女の笑い声に合わせて、人形たちもケタケタと笑うように震えた。
ミニョン・サフィール
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】
まずは【怪盗参上】で空を泳ぐ人魚となります
その上で攻撃しますけど人形に取り押さえられてしまって……
そのまま玩具に加工されて他の猟兵への見せしめにされそうです



「そこまでです!」
 突然、工場の天井の方から声がする。オブリビオンや他の猟兵たちが声の方向を見ると、窓の近くにミニョン・サフィール(魔法怪盗サファイア・f32433)が構えて立っていた。
「魔法怪盗サファイア参上です。ボクが来たからにはオブリビオンさんの好き勝手にはさせません」
 アミィが動くよりも先にミニョンは大きく飛び上がり、自らの能力を解放した。
「サファイアの魔法をご覧あれ!」
 青い光に包まれ、空中にいるミニョンが人魚の姿に変化する。
 空を泳ぐように飛べる人魚となった彼は、一気にアミィに近づいていく。

「元気な素材が飛び込んできたわね。さあ、人形にしてあげましょうね」
 アミィが周囲の人形たちに呼びかける。
 彼女の前に人形たちが山のように積み上がり、飛び込んできたミニョンを抑え込む。
「うわあっ、離して! 痛い、痛いってば!」
 ミニョンは腕や尻尾に纏わりついてくる人形たちを振り払おうと暴れるが、ますます数が増えていく。
 遂に完全に人形に包まれてしまい、声も聞こえなくなった。

 しばらくして、人形たちの山が崩れて中から小さな影が現れる。
 髪は毛糸、体は布で出来ており目はボタン。紛れもなくぬいぐるみだが、藍色の髪の人魚はミニョンにそっくりだ。
「あら、可愛らしい。お友達の中で男の子の人魚のぬいぐるみは初めてね。他のみんなはどんな人形になりたいかしら?」
 アミィが微笑みながら猟兵たちの方を見る。
「……」
 ミニョンであったぬいぐるみは言葉を発さず、人形たちの群れに加わった。
 仲間を増やした人形たちは次の標的を探し、他の猟兵たちに近づいてくる。
 彼らの手には鋭いハサミや針などが生えており、窓からの光でぎらりと光った。
「今回はすんなり出来たけど、失敗したらハサミで切って縫い直すからね。痛いけどちょっと我慢してね」
 暗闇の中でアミィのガラスの目が輝く。

成功 🔵​🔵​🔴​

シエナ・リーレイ
●アドリブ絡み可・前章使用ユーベル継続使用
ゾンビ達を探す内に工場の主を見つけたシエナ、気分を再び高揚させる前に少女と共に笑う壊れた人形や玩具達に気が付きます

その子達を治したいの?

少女が問いに肯定すればシエナは専門家がいると自身の器物の作者である人形師の『お父様』を呼び出します
『お父様』は自身の器物[ダペルトゥットドール No.689]を含めた数多の人形を作った技術を振るい繰り手の能力で必要な素材を調達しながら壊れた人形や玩具を治し始めます

皆が治るまでわたしと遊びましょう!

『お父様』が修理を始めるのを見届けたシエナは改めて少女と仲良くなる為に遊び始めて気分を高揚とさせてゆきます



「それにしても、お友達がすぐ壊れてしまうのは困りものね」
 アミィがつまらなそうに呟く。
 周囲の人形たちは無理やり縫い付けられているため、少し動くだけで壊れてしまう者も多い。
「その子達を治したいの?」
 シエナ・リーレイが尋ねる。彼女は友達になってくれる亡者を探しているうちに、工場の最奥にたどり着いていた。
「ええ、だってこのままでは満足に遊べないもの」
「それなら、いい方法があるよ。『お父様』にお願いするの」
 そう言うとシエナの背後に男性の霊が浮かび上がる。
 自身の器物の作者である人形師の『お父様』、呪術師ダペルトゥットの霊。
 霊が近くの資材に触れると、人形の材料に変化する。それらが飛んでいき次々に人形を修理していく。

「あら、すごいわね」
「でしょう? 皆が治るまでわたしと遊びましょう!」
 アミィが驚いている中、シエナは無邪気に彼女に呼びかける。
 ようやく一緒に遊べるとシエナの『お友達』たちもどこか楽しそうだ。
 ……ところが。
「これで壊れてもいくらでも治せるね。じゃああなた達も私のお友達に改造してあげる!」
 アミィは針と鋏を取り出し、シエナたちに向かって投げつけてきた。
 急いでシエナは避けたが、鋏が『お友達』に命中し、切り刻まれてしまう。

「どうして? なんで遊ぶのにバラバラにする必要があるの?」
 シエナが驚いていると、アミィは笑いながら答える。
「分からないかしら? 何度でも治せるってことは何度でも壊せるってこと。だからいっぱい壊してあげる」
 鋏と糸はまだ空中を飛び回り、次の獲物を探している。
 しかし、次の瞬間、アミィは苦しみながら地面に膝を付けていた。
「うう……なんで?」
 彼女の糸と鋏はアミィのお友達を傷つけなければ彼女の寿命を削る。
 シエナの『お父様』が全ての人形を治してしまうことで、彼女の傷を受ける人形がなくなり、呪いが跳ね返ってきたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日下部・砌
SPD

本命のご登場か。さながら、この廃工場の工場長ってところだな。
まっとうな玩具作りの体験なら、ウチのガキどもを連れて来るのを考えてもいいが……親として、危ない幽霊とごっこ遊びをさせるわけにはいかないな。

向こうはこっちの能力に合わせて手を変えてくるのか。随分と器用なもんじゃないか、最近のゴースト……いや、オブリビオンってヤツは。
とは言えこっちもタダでやられるわけにはいかない。ユーベルコードで回復と攻撃を同時にこなしながら、地道に長期戦だ。
間合いが離れているなら〈斬撃波〉、距離を詰められたら〈咄嗟の一撃〉を入れて、なるべく余計なダメージを受けないように気を付けるか。

連携・アドリブは自由に。



「さながら、この廃工場の工場長ってところだな」
 日下部・砌は見つけたゴーストタウンの主をそう評した。
 人形たちを失い、呪いを受けてしまったアミィだが、辛うじてまだ立ち上がることが出来た。
「助けてくれるお友達がいないなら、新しく作ればいいのよ」
 アミィが両手を広げると、周囲にまた新たな人形たちが出現し始めた。

(まっとうな玩具作りの体験なら、ウチのガキどもを連れて来るのを考えてもいいが……)
 当然、そのようなものではない。と、砌はこれまでの彼女の様子を見て悟っていた。
 二児の父親として、危ない幽霊とごっこ遊びをさせられるわけがない。
「あなたも玩具にしてあげるわ!」
 アミィが新しく作った人形たちを砌に差し向ける。
 部品を無理やり繋げられたぬいぐるみや玩具が飛びかかってくるが、砌はかろうじて躱す。
 代わりに、彼の背後にあったダンボールがズタズタに切り裂かれていった。

「見た目の割に凶暴だな。それにしても、様々な能力を使い分けるゴースト、いやオブリビオンか……」
 相手の能力に合わせた攻撃を仕掛けてくるとは器用なものだ。
 砌は感心しながらも、地道に反撃を仕掛ける。
 人形たちに近寄られないよう、距離を取りながら長剣を振るい、衝撃波で敵を削っていく。
「そして、とどめはこれだ……!」
 工場内に銀の雨を発生させ、人形たちとアミィにまとめて攻撃を仕掛ける。
 雲から放たれる稲妻が人形たちを破壊し、次第に敵の数を減らしていく。

「ちょっと、いま人形作りをしているのに、端から壊していかないでよね!」
 アミィは砌に怒りつつも、さらに人形を増やして対抗しようとする。
 しかし、増えた人形たちも壊される一方、砌や味方は銀の雨の恩恵で回復し続ける。
 持久戦に持ち込めば、いずれはアミィの限界が来るはずだ。
(それまで、なんとか持ちこたえてくれ……)
 雨の中、人形たちを躱しながら砌は反撃の機会を狙っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メリー・コールアフター
アドリブ歓迎
SPD判定

見つけたわ、お人形さん
「糸に針…あなたはぬいぐるみなのね」
柔らかい身体、少し羨ましいわ
「けれどね。他の子まで無理やり糸で繋ぐのはダメよ。余計に傷んでしまうわ」
別の子の部品を使うのもダメ
ましてや
「ニンゲンを使うのなんて以ての外よ。汚れてしまうじゃない」
ちゃんと直してあげないといけないわね

みんなは下がっていてね
と、ここまで引き連れてきた『お友達』を下がらせて

「あなたにもお友達が沢山いるのね」
…でも、残念
電話のコール音を鳴らして
直接アミィを呼び出して

わたし、メリー
【「今あなたの後ろにいるの」】

アミィの背後に瞬間移動して
[呪詛]で[暗殺]するわ

さぁ、あなたも一緒に逝きましょう?



 人形を増やしつつ、次は誰を玩具にしようか、と猟兵たちを見比べるアミィ。
 その時、彼女を見つめるメリー・コールアフターにの視線に気がついた。
「糸に針……あなたはぬいぐるみなのね」
 ようやく探していたアミィを発見したメリー。彼女もアミィのように人形たちを引き連れている。
 しかし、二人の違う点は『お友達』への接し方。

「けれどね。他の子まで無理やり糸で繋ぐのはダメよ。余計に傷んでしまうわ」
「そうかしら? 壊れても、また治せばいいだけじゃない」
 アミィは無邪気に笑い、さらに人形たちを呼び集める。
「ね、こんなに沢山いるんだから」
 人形たちが針や鋏を手にメリーを取り囲もうと近づいてくる。
「ましてや、ニンゲンを使うのなんて以ての外よ。汚れてしまうじゃない」
 メリーは周囲にいたお友達の人形たちを下がらせる。

 アミィの人形たちがメリーに飛びかかるが、いつの間にかその姿は忽然と消えていた。
「どこへ……あら?」
 突然、アミィの近くにいた携帯電話型の玩具が鳴り始める。
 アミィはいつの間にか玩具の携帯を手にしていた。
「もしもし……?」
「わたし、メリー『今あなたの後ろにいるの』」
 さっきまで話していた声が電話から聞こえる。驚いたアミィは電話を放り投げるが、その直後に背後からの気配に気づく。

「!?」
 背後にいたメリーの身体から呪詛の炎が溢れ、アミィを包み込む。
 突然のことにアミィは何も出来ず、取り込まれてしまった。
「ああ……あ……」
「さぁ、あなたも一緒に逝きましょう?」
 メリーの身体はビスクドール、磁器のため炎でも耐えられるが、ぬいぐるみのアミィは耐えられない。
 彼女は何も出来ないまま暗き炎に焼かれていった。
(柔らかい身体、少し羨ましかったけど)
 所詮は過去から蘇ったオブリビオン。いつかはまた骸の海へと帰ることが運命づけられている。

 気がつくと、アミィも周囲の人形たちもいなくなっていた。
 彼女が倒されたことで、猟兵たちはゴーストタウンから脱出できたのだ。
 そして、メリーはいつの間にかいなくなっていた。
 きっとまたどこかへ『お友達』を探しに行ったのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年03月13日


挿絵イラスト