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【猟書家】超千代古令迷宮的な?

#アルダワ魔法学園 #猟書家 #猟書家の侵攻 #ヴァルサリッサ・アフトクラトラス #ファーストダンジョン #ダンジョンメーカー

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●To The One I Love, xxx
 アルダワ魔法学園『ファーストダンジョン』の隠しフロア。
 薄闇に包まれ静謐に満ちたその空間に靴音と、楽し気な少女の声が響く。
「『ダンジョンメーカー』発見! 流石最高に最強な超魔王の私。迷宮攻略も楽勝ね!」
 漆黒のドレスに身を包んだ少女──幹部猟書家「ヴァルサリッサ・アフトクラトラス」。とある壁の前で足を止めたヴァルサリッサは芝居がかった仕草で懐から「災魔の卵」を取り出した。そして災魔の卵をダンジョンメーカーに埋め込む。
 次の瞬間。
 魔力が渦を巻き、奔流となり、水が上から下に流れる理に従い迷宮を包み込む。
 迷宮はより奥深くに広がるようその姿を変え。
「ダンジョンメーカー、超魔王に相応しい迷宮の姿を見せなさい。そして……ん?」
 小首をかしげると、更にそれは強く感じられ。
「なによこの甘い匂い」
 ただ甘いだけじゃない。甘さの中にビターな風味があって。
 口に含むと滑らかに蕩けてしまうようなそれは──。

「チョコレート?」
『正解よお嬢さん。あなたチョコはお好き?』
「は!?」

 チョコレートの甘い香りと共に災魔『迷宮ショコラティエール』が迷宮に召喚された。
 災魔は突然の事態に驚くヴァルサリッサの顔を覗き込み、返答を待つ。
「……まあ、嫌いじゃな」『それは良かったわ!』
 ショコラティエールがぱっと顔を上げ全身で喜びを表すかのように跳ね飛ぶ。
 すると迷宮の姿が更に変化した。
 チョコの川が流れる。
 フォークやスプーン、皿のトラップが次々に迷宮に張り巡らされ。
「ちょ、これ」
『今チョコレートって言った!?』
「言ってない!」
『あらー。チョコが食べたくなるような迷宮に改造してみたんだけど』
「……あー少し理解できたわ。実力はあるタイプなのね」
『勿論。チョコを美味しく食べてもらうための努力は惜しまなかったわ!』
「あっはい」
 ショコラティエールがにっこりと笑うその横で、ヴァルサリッサはミルクチョコレートやダークチョコレート、ホワイトチョコレートと数種類のチョコが噴き出す巨大なチョコレートファウンテンを何とも言えない表情で眺めていた。

●グリモアベース
「皆集まってくれてありがとう。幹部猟書家ヴァルサリッサ・アフトクラトラスが活動を開始したから皆に退治を頼みたいんだけど……ね、チョコレートは好き?」
 グリモア猟兵カバンシ・サフィリーン(ギャル系宝石人形(妹分)・f10935)は呼びかけに集まった猟兵達を見回すと、少しの苦笑いを浮かべ予知した状況を皆に説明する。
「ファーストダンジョンの隠しフロアにある『アルダワ最初の魔法装置』ダンジョンメーカーを幹部猟書家が災魔の卵を使って改造しちゃったんだ。彼女の目的は魔導蒸気文明の災魔化。大魔王を超えた超魔王だなんて自称しているけど、単独で迷宮を踏破した凄腕の魔術師だから猟兵の皆にしか倒せない。
 ダンジョンメーカーは強力な災魔をあえて強制召喚することで災魔退治を行うことが出来る装置だよ。その代わりさらなる迷宮を作り出しちゃうんだけどね……えいっ」
 カバンシは指を鳴らし、周囲の風景を自分が予知した迷宮の光景へと変化させる。

 綺麗に掃除された迷宮の壁から噴き出すのはチョコレートの川。
 トラップ代わりに仕掛けられているのは調理道具。
 お皿やテーブルまで完備されている。

「……うん。迷宮ショコラティエールというチョコレートが大好きな災魔が召喚された。そして、迷宮はチョコレート溢れるキッチン兼リビングみたいなトラップでいっぱい」
 隠しフロアに新たに作られた迷宮にしてはほんわかしたイメージのものであるが、仕掛けられたトラップの殺傷力は強力だとカバンシは猟兵達に伝える。
「幹部猟書家を退治する前に迷宮ショコラティエールを倒さないといけないし、迷宮の探索も必須。で、迷宮の構造に詳しい魔法学園の学生がみんなをサポートしてくれるよ!」
 名乗りを上げたのはアルダワ魔法学園魔法料理研究同好会のメンバー達。チョコレート迷宮(仮称)の入り口の安全確認と共にチョコレートの試食を実施し。
「チョコレートは無害。しかも美味しかったんだって!」
 毒等人体に悪影響を与えることはないと確認されたチョコレート迷宮に流れるチョコ。
 猟兵達を最深部に送り届けるために同好会のメンバーはチョコの回収も担当する。
「余裕があればその場でチョコレート料理も作れるかもね。
 迷宮ショコラティエールはチョコの良さを布教するため活動する傾向があるから、油断を誘ういい手段になるかも?」
 戦闘能力は大きく猟兵達に劣るが魔法料理の知識や実践、そしてダンジョンのマッピングに優れた同好会のメンバーと協力することで迷宮踏破を容易に行うことが出来るだろう。

「そういえばバレンタインももうすぐだね。
 チョコレート迷宮に生まれた新魔王の退治、応援してるよ!」
 カバンシは笑顔を浮かべ、新迷宮への転送ゲートを開いた。



『ねえヴァルサリッサちゃん。あなた好きな人とかいる?』
「うぇ!? プライベートなことは超魔王答えないわよ!」
『あら残念。わたし、恋する乙女にはちょっと優しいのよ~』
「あっはい」


硅孔雀
 オープニングに目を通していただきありがとうございます。
 硅孔雀です。
 もうすぐバレンタインですね!
 ちょうちよこれいな迷宮でバトル?するお話をお届けします。

●目的
 幹部猟書家『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』の撃破。

●構成
 第1章:ボス戦『迷宮ショコラティエール』×1体。
 チョコの魅力に憑りつかれた元チョコレート職人。チョコの良さを布教するため邪魔する人を排除する、恋する乙女にはちょっと優しい災魔さん。チョコ迷宮を踏破するためには彼女を退治する必要があります。

 ボス戦フラグメントですが、戦闘の他にギミックとしてチョコ迷宮に仕掛けられたトラップが猟兵の皆様に襲い掛かります。
 迷宮のトラップ:チョコレートがたっぷりと溢れる川。調理器具や料理を盛り付ける皿・食べるテーブル等(他にもプレイングで指定があれば登場します!)
 迷宮内にあるチョコレートには毒等なく安心安全、トラップを利用すれば【チョコレートやチョコ料理を食べることが可能】です。災魔さんも空気?を読んでチョコを楽しんでいる間猟兵を攻撃せず、大きな隙が出来ます。

 第2章:ボス戦『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』
 ダンジョンメーカーに「災魔の卵」を取り付かせた自称超魔王。単独でファーストダンジョンを突破したその実力は本物です。
 チョコ迷宮での異変に気が付いた彼女がチョコ迷宮の最深部から姿を現します。

●プレイングボーナス(全章共通)
 学生達と協力する(学園や迷宮の地理には詳しいです)。

 当シナリオではアルダワ魔法学園魔法料理研究同好会が迷宮のマッピングを担当します。チョコ料理にトッピングしたいお菓子や果物等小物も持ち歩いています。猟兵の皆様の希望があれば準備をします。
 特にプレイングでの指定がなければチョコレートの回収をしてサポートします。

●プレイング受付
 各章断章を投下後プレイング受付をいたします。
 その他連絡事項がありましたら随時シナリオのタグ及びMSページでお伝えします。

●連絡事項
 ・純戦闘シナリオですがふんわりのんびりな雰囲気のシナリオ運営をします。
 ・過度に性的・グロテスクなプレイングは採用しません。
 ・連携希望など:MSページに簡略化の項目がございます。
  一読して頂けますと幸いです。

 それではよろしくお願いいたします!
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第1章 ボス戦 『迷宮ショコラティエール』

POW   :    チョコレート・ソルジャーズ
レベル×1体の、【頬】に1と刻印された戦闘用【チョコレートで出来た兵隊】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    チョコレート・コーティング
【溶かしたチョコレート】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    チョコレート・グラフティ
【溶かしたチョコレート】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を自分だけが立てるチョコの沼にし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠御剣・誉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●XOXO
 グリモア猟兵の作り出した転送ゲートの先はアルダワ魔法学園『ファーストダンジョン』の隠しフロアだった。
 ダンジョンメーカーの発動を確認したアルダワ魔法学園側は生徒達が自主的に動き安全な拠点を設営していた。
「猟兵様ですね。お待ちしておりました!」
 種族や性別の入り混じったアルダワ魔法学園魔法料理研究同好会のメンバー達は猟兵の姿を見るなり目を輝かせ近づく。
 アルダワ魔王戦争で大活躍した猟兵のサポートが出来ることを光栄に思うと挨拶をした彼・彼女達はマッピング用の装備とチョコレート回収のための道具を背負い、迷宮攻略の準備を始める。
 チョコを掬う道具や保管するケースの他に用意されるのは色とりどりの製菓材料だ。不思議な光沢のアラザン。キラキラ輝く粉糖。花やハートを模した繊細なドラジェ。新鮮なフルーツも荷物の中にある。
 美味なるチョコレートに鮮やかなトッピングをするともっと美味しく感じられて、より幸福度があがるんですよ、なんてと生徒達は楽し気に小分けした製菓材料をしまい込んだ。
 チョコレートによく合う牛乳を用意する生徒もいれば、さっぱりとした口当たりの紅茶を合わせるべきだと茶葉と茶器を持ち込む生徒もいる。

 アルダワ魔法学園の生徒達は、猟兵達のように戦うことは出来ない。
 その分チョコレートに満ちた迷宮を安全かつ確実に攻略する知識がある。
 猟兵達が望むのであればチョコレートを加工する器具やトッピングする材料、他に必要なものがあればすぐ渡せるとメンバー達は準備が出来たことを告げ。
 そして、迷宮攻略が始まろうとしていた。

※OPやマスターコメントにある通り生徒達は戦闘能力がほぼ無く、その代わりに迷宮の探索やチョコ=罠の回収には優れています。
 生徒達と協力することによりプレイングボーナスが発生しますが必須ではありません。プレイングに記載がなかった場合生徒達は猟兵の皆さんが動きやすいようチョコレートを回収していたという扱いになります。
雀・劉
水玄・湧水之獣神(おちゃめボーイの獣毛竜・f33795)との行動

アドリブ◎

■心情
何気に湧水と依頼に行くの初めてだなぁ〜…あ、初デートが依頼だからめっちゃ不機嫌
いいじゃんかぁこうやってチョコレートも堪能できる楽しい依頼なんだから…怒んないで?ね?

■行動
さってと…まずすることは学生さんたちにマッピングをお願いすることだね…指定UCで兵たちに学生さんを守ることを命じて罠とかあればその兵が調べるように言おう…
さて、チョコ乙女ちゃんと戦うことになれば劉の軍略をお見舞いするよ
左右真ん中に均等な数になるように兵を配置。真ん中は突撃して左右は待機、攻撃が外れて沼ができても左右の兵が次に進撃だ〜♪


水玄・湧水之獣神
雀・劉(仙界の陰陽雀獣・f33492)との行動

アドリブ◎

■心情
あ〜あ…素敵なチョコレートの迷宮だねぇ〜…デート最高〜
…なんか宥めながら抱きついたりしてるけど睨みつけて黙らせてやる…まぁ昔からこいつデリカシーとか皆無だから仕方ないけどね…ふふっ、このチョコであとでプレゼント作ってやるか♪

■行動
僕は学生さんたちを劉のUCで出した兵と一緒に守るよ、劉の事だから地形は把握出来ても罠とかここの迷宮のマッピングを学生さんに任せっきりになるから僕も「水脈盤」で罠とかをある程度把握しないと
チョコの女の子との戦いは指定UCでサポートに徹さなきゃね。
劉の兵がやられても相手の体力を兵にあげれるからね




「……」
「……甘い匂いがするね。チョコの迷宮って本当だったんだ」
「……うん」
「わ、足元にもチョコが流れる! 湧水、気を付けてね」
「……うん」
『お二人とも大丈夫ですか?』
「「大丈夫」」

 幹部猟書家『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』の手で作り変えられたファーストダンジョンに足を踏み入れた猟兵が二人。雀・劉(仙界の陰陽雀獣・f33492)と水玄・湧水之獣神(おちゃめボーイの獣毛竜・f33795)が並び立ち、アルダワ魔法学園魔法料理研究同好会の案内に従い探索を開始していた。
『光源の確保も出来ています。このまま前進して行きましょう』
 学生が声をかけ、それに反応して振り返った雀は笑顔を浮かべ教えてくれてありがとう!と礼を述べる。
「……早くいくよ劉」
 水玄は尻尾を大きく振り、そのまま進む。

(「何気に湧水と依頼に行くの初めてだなぁ~……あ、初デートが依頼だからめっちゃ不機嫌」)
 心なしか水玄の揺れる尻尾から刺々しさを察知した雀は自分や学生たちから距離を取ろうとする水玄の背後から飛び掛かり、抱きつく。
「うわっ!」
「も~湧水ったらご機嫌斜めなんだから~! いいじゃんかぁこうやってチョコレートも堪能できる楽しい依頼なんだから…怒んないで? ね?」
「……うるさいな」
 水玄は自分を宥めるように抱きついてきた雀を睨みつけ、これ以上口を開くなと云わんばかりに彼と視線を合わせる。水玄の心境を理解しているかどうかは分からないが、雀は黙ることは無く、水玄に更に迫る。
「甘い匂いたっぷりのデートスポットを歩いている気分にならない?」
「それは確かに。とてもとても楽しい素敵なチョコレートの迷宮だねぇ~……デート最高~」
「棒読みになってる!?」
 ぷいと顔を背ける水玄。しかし、彼は雀を完全に拒否しているわけでは無く。
(「……まぁ昔からこいつデリカシーとか皆無だから仕方ないけどね……ふふっ」)
 デートではなく任務。チョコレート迷宮と化したダンジョン探索を選んだ雀のことはよくわかっている水玄。
 壁から噴き出したチョコレートの滝にそっと掬い、ぺろりと舐め。
「甘い……このチョコであとでプレゼント作ってやるか♪」
「え、何? 湧水どうかしたのかって……あっこのチョコ甘い!」
「……ばか」
 水玄の指先についたチョコを舐めた雀が嬉しそうな声を上げ、ダンジョン探索は進められていく。

 そろそろ小休止をしようかという話が学生たちから提案されたその時。
 雀と水玄はオブリビオン、アルダワ世界では災魔と呼ばれる存在が接近していることを察知し顔を見合わせる。
「ここから先はもっと慎重に」
「学生さんたちの安全を優先してマッピングを頼まないといけないね」
 雀は周囲を警戒しながらユーベルコード:攻戦の計・欲擒姑縦(ヨクキンコショウ)を発動し、戦櫓の車を召喚した。
「何か危険な罠があったら、兵に伝えて解除すれば安全だよ!」
『はい、わかりました!』
「僕も【水脈盤】を使って罠を探すことにするよ」
 水玄は水脈の位置を示す風水盤を展開し、同じく警戒する。
(「劉の事だから。地形は把握出来ても罠とかここの迷宮のマッピングを学生さんに任せっきりになるから……戦闘になったら僕がサポートしないと」)

『あらあら。モフっとした可愛いカップルさんね~』
「「!!」」
 事前に適切な指示を出し、警戒を怠らなかった雀と水玄はその声の正体をすぐに察することが出来た。
 オブリビオン『迷宮ショコラティエール』はチョコの匂いを漂わせ、ひらひらとドレスを翻しながら猟兵達の前に立ちはだかる。噴水から噴き出すチョコレートの勢いが増し、慌てた学生たちは避難を開始する。雀はユーベルコードで召喚した戦櫓の車、それに乗り込んだ武侠の兵を左右真ん中に均等な数になるように兵を配置しながら彼女と対峙した。
「チョコ乙女ちゃん。ちょっとどいてくれないかな? だめ?」
『うふふ。ごめんなさいね~この先に進んじゃうとダンジョンの中核を抑えられちゃうのよ~』
 ニコニコとしながらも迷宮ショコラティエールはチョコレートの奔流を自らの周りに展開する。どろどろと溶けたチョコレートを魔力で制御し、猟兵達を圧し潰すつもりだろうか。
「劉! サポートはするから全力で攻撃して大丈夫だよ! チョコの女の子は無尽蔵にチョコレートで攻撃を仕掛けてくるはず」
 水玄が叫ぶのをしっかりと聞いていた雀は勿論!と答える。
「突撃開始~!」
 雀の掛け声とともに兵が戦櫓の車と共に迷宮ショコラティエールへと突撃を開始する。青龍刀や偃月刀を振るう兵は溶けたチョコレートを切り裂きながら接近し、オブリビオン本体に斬りかかろうとするが。
『突撃するなら……むしろ狙いやすいわ~!』
 兵の集団を押し流すようにチョコレートの激流を1つにした迷宮ショコラティエール。熱と質量に押し負けそうになる兵を鼓舞する雀であったが、それでも無尽蔵にチョコレートを操るオブリビオンに利があるのか、じりじりと兵達が下がる。
「くそっ……」
「サポートはするっていったよね。大丈夫」
 水玄はユーベルコード:神峰之雨霧(シンホウノアマギリ)を展開し、小雨のような霧を戦場全体に展開した。
『……あら。力が抜けて』
「体力を削らせてもらったよ。その分は劉に!」
「助かる! それじゃあ……残りの戦力、このまま押し込んで進撃だ~♪」
『えっ! いつの間に』
 雀はオブリビオンの攻撃を事前に計算していた。
 真ん中に伏せていた兵に攻撃が集中すれば左右に伏せていた兵の存在を忘れると踏み、その軍略は的中した。水玄が展開したユーベルコードによって体力は十分に回復した。

「劉の軍略をお見舞いするよ! いっけ~!」
『あ~れ~!』

 左右に伏せていた兵がチョコレートの激流を完全に押し流すように突撃し、勢いよくオブリビオンが吹き飛ばされる。
 二人の猟兵の息の合ったコンビネーションの前に、敵はいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マルティア・ストランディ
【人形姉妹】
まぁ…すごいチョコの量
とても甘い香りがしますわ…
メティ、せっかくですもの、少し食べて行くのはどうかしら?
さぁ、手を引いてあげるわね

コレは…ちょっと苦いですわ
こっちは…逆に甘すぎるかしら
メティはどれが好き?
こんなたくさんのチョコを見ることなんてなかったもの、楽しみましょう
…そちらの、お嬢さんもね

UC人形楽団と仲間達を発動
さぁみんな、宴の時間ですわ
音楽を奏で、踊り、前に立ちチョコの波から私達を守って頂戴

メティは、この悪い子も愛して差し上げてね
…この場合の愛は、友チョコ、というものにして渡すべきなのかしら?
あ、メティの分のチョコを用意しておかなくちゃいけないわね


メルティア・ストランディ
【人形姉妹】
驚くほど甘い香りがしますわね、でも苦くもあって…いろんなチョコがあるのかしら?
あの、姉様?私、目隠しにはもう慣れてますわ
食べていくのはいいけど、手を引かなくても…ちょっと…姉様…

うーん…私は甘いほうが好きかしら
とろけるほど甘いチョコレートはまるで愛を形にしたようですわ
…お嬢さんを愛したあとに、姉様に差し上げますわ

目隠しを外したら、宴の時間よ、踊りましょう?愛しのショコラティエール
UC九死殺戮刃を発動
姉様の楽団のお人形を切りつけて前線へ
鋏で【蹂躙】するわ♡

チョコを纏った甘いあまぁぃ鋏、私の愛を受け取ってね♡
…姉様には、ちゃんととっておきのチョコレートを作って差し上げますわよ?




「まぁ……すごいチョコの量。とても甘い香りがしますわ……ねえメティ」
 マルティア・ストランディ(魅惑の代替品・f36878)はトパーズの瞳をキラキラと輝かせていた。ピンク色に煌めくチョコをうっとりと眺め、マルティアは何かいいことを思いついたとばかりに両手を打ち鳴らす。
 鳴り響いた音と自分の名を呼ばれたことに気が付いたのはマルティアの近くにいた少女だ。ホワイトブロンドの髪をふわりと靡かせてマルティアへと振り返る。
「ええ姉様。驚くほど甘い香りがしますわね、でも、こちらからは苦い風味もあって……いろんなチョコがあるのかしら?」
 メルティア・ストランディ(魅惑の殺人ドール・f36822)は壁に刺さっているフォークの罠を避け、ビターチョコレートの芳醇な香りを胸いっぱいに吸い込む。メルティアのあらゆる人を魅了する蠱惑に潤むチャロアイトの瞳は目隠しで覆われているが、それで姉の立つ位置を間違えたりはしない。
「メティ、せっかくですもの、少し食べて行くのはどうかしら?」
 妹に手を差し伸べたマルティアにメルティアは苦笑する。
「あの、姉様? 私、目隠しにはもう慣れてますわ。食べていくのはいいけど、」
「ふふ、わたしはメティの手を取ることにもっと慣れたいのですわ。さぁ、手を引いてあげるわね」
「ちょっと……姉様……もう」
 ミレナリィドールの見目麗しい人形姉妹は立ち並び、互いの手をつなぐ。周囲に広がるチョコレートの匂いや色の感想をあれこれと言い合いながらダンジョンの奥へと進んでいった。

「コレは……ちょっと苦いですわ。こっちは……逆に甘すぎるかしら」
 スプーンの罠から拝借した銀の匙でマルティアはチョコレートを掬い、口に運ぶ。
「メティはどれが好き?」「うーん…私は甘いほうが好きかしら」
 同じく拝借した金の匙でチョコを一口食べたメルティアは美味しさを表現するかのように、姉に握られた手を揺らす。
 マッピングを担当しているアルダワ魔法学園魔法料理研究同好会のメンバーは、人形姉妹が仲睦まじい姿を見せるたびにきゃあきゃあと黄色い声をあげながらも姉妹のサポートを行っていた。甘さ控えめのミントティーが人形姉妹に振舞われ、お茶会を開いているかのように迷宮内は賑やかだった。
「素適なダンジョン探索になりそうですわね」
『はい。迷宮突破まであと少しでしょう』
 女学生らしき声にそれは良かったとマルティアは、メルティアとつないだ手をそっと離し立ち止まった。
「こんなたくさんのチョコを見ることなんてなかったもの、楽しみましょう──そちらの、お嬢さんもね」
『……』
 密閉空間のはずの迷宮に風が吹いた。甘い匂いが一層強くなり、学生達は何が起きたかときょろきょろ辺りを見回す。集団の中でただ一人、人形姉妹を真っすぐと見つめていた女性がふふと笑う。声をあげて笑う。笑うたびにドレスが魔力の奔流に揺れ、チョコレートが巻きあがる。
『あらら~バレてしまったわね~。お嬢さんなんて言われるなんて素適だわ~』
「姉様。甘い匂いが強くなって参りましたわね。とろけるほど甘いチョコレートはまるで愛を形にしたようですわ……お嬢さんを愛したあとに、姉様に差し上げますわ」
 オブリビオン『迷宮ショコラティエール』が宙に浮かび上がり、猟兵を排除すべく動き出す。当然、猟兵はオブリビオンを迎撃するために動き出した。

 溶けたチョコレートが周囲に広がり続ける。
「さぁみんな、宴の時間ですわ」
 マルティアは凛とした声で告げ、ユーベルコード:人形楽団と仲間達(ニンギョウガクダントナカマタチ)を発動する。
「音楽を奏で、踊り、前に立ち、チョコの波から私達を守って頂戴」
 召喚された数十体のかわいい人形が楽し気に楽器を鳴らし、踊り、迷宮の内部を音で包み込む。対するオブリビオンは、今度は熱く溶けたチョコレートを球状に形成し、マルティアのいる方へ投げつけようとする。
『素適なBGMをありがとう。溺れちゃいなさい!』
 勝ちを確信したオブリビオンは笑う。それと同時にマルティアも笑う。残念ね、と呟き、前に飛び出したメルティアに声をかける。
「メティは、この悪い子も愛して差し上げてね……この場合の愛は、友チョコ、というものにして渡すべきなのかしら?」
「ええ、勿論ですわ姉様。宴の時間よ、踊りましょう? 愛しのショコラティエール」
 目隠しを外したメルティアはチャロアイトの瞳を揺らし、殺戮刃物を構えユーベルコード:九死殺戮刃を発動する。紫の炎が揺れる様に輝き、マルティアが召喚した楽団の人形を切りつけた。
『はは、どこを攻撃して……え!?』
 オブリビオンの目の前でチョコレートの球が切り裂かれる。殺戮刃物を使い瞬間的に何重もの斬撃を放ったメルティアは、人形を一度傷つけ、オブリビオンへと飛び掛かる。姉が生み出した人形を攻撃させることによって妹の攻撃を効率よく敵へと叩きつけ蹂躙する。
「チョコを纏った甘いあまぁぃ鋏、私の愛を受け取ってね♡」
 オブリビオンの首元に鋏が当てられる。
『あらら。これで最後かしら。私は消えちゃうけど、チョコはしばらく残るから楽しんでね~』
「勿論ですわ」
 マルティアは視線でそっとメルティアに戦闘の終わりの合図を送る。
「「それでは、ごきげんよう」」
 姉妹が同時に声をあげ、鋏がジョキン!と音が響き、戦闘は終わった。


 オブリビオンが消滅し、チョコ迷宮が僅かに震える。 
 ほっとした様子のアルダワ魔法学園の生徒達によってのマッピングにより、フロアの完全に攻略された。
「あ、メティの分のチョコを用意しておかなくちゃいけないわね。友チョコ……友愛チョコ? ふふ。メティはオブリビオンに熱烈な愛を送りましたわよね?」
「もう。……姉様には、ちゃんととっておきのチョコレートを作って差し上げますわよ?」
 マルティアとメルティアはお互いの顔を見合ってくすくと笑いあい、勝利の喜びとチョコレートの甘さで胸をいっぱいにしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』

POW   :    不滅進化~超魔王には同じ手は通じない~
【受けた攻撃の属性に耐性を持つドレス姿】に変身する。変身の度に自身の【攻撃に付与される属性】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD   :    運命逆転~弱者は超魔王に抗う事すらできない~
【運命操作の魔力】を解放し、戦場の敵全員の【プレイングボーナス】を奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。
WIZ   :    創世魔術~超魔王の意に従い世界は作り変えられる~
【ダンジョンメーカーの光】を降らせる事で、戦場全体が【敵の最も苦手な物で埋め尽くされた戦場】と同じ環境に変化する。[敵の最も苦手な物で埋め尽くされた戦場]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●超魔王様の出現だ!
「あーはっはっは! 災魔を1体退けたからといって、まだまだ超魔王である私が優位であることには変わりないわ!」
 チョコレートに包まれた迷宮の奥から響く声。そしてビターチョコレートより艶めいた黒いドレスを纏った女が猟兵の前に姿を現した。
 
 えへんと胸を張り、猟兵達を見下ろした女──幹部猟書家『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』は自信満々といった様子だ。
 ファーストダンジョンを単独で踏破し、ダンジョンメーカーに災魔の卵を植え付けた彼女の実力は消して侮ることはできない。

「ダンジョンメーカーは私のもの。そして、その魔力はすでに私の手の中にあるのよ!」
 ドレスの上に羽織っていた黒いマントがばさりと音を立てて揺れれば、彼女の手に握られていた杖から魔力が放出される。
「超魔王には同じ手は通じない、弱者は超魔王に抗う事すらできない、そして、超魔王の意に従い世界は作り変えられる!」

 ──大魔王を超えた超魔王たる私の前にひれ伏し崇めなさい!
 
木元・祭莉(サポート)
「よっし、おいらに任せといてー♪」

グラップラー×サウンドソルジャー、14歳の人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子ですが、やる気だけは人一倍!

あまり悩まずさっと決断して、臨機応変に切り替えて、いつも楽しそうにテンション高く行動します。
本人マジメでも、結果コミカルになりがちです。

ユーベルコードは、地味に戦闘力底上げに使うことが多いです。
最後は、グラップルの正拳一撃で締めるのが理想形。

多少の怪我は耐性のおかげで気付かず、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。

あとはおまかせで。よろしくおねがいします!




『あーはっはっは! 超魔王登場よ!』
 幹部猟書家『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』の高笑いがチョコレート迷宮内に反響した。それに合わせるかのように魔力は彼女を中心に渦を巻き、迷宮に風を巻き起こす。
 突然の事態に、アルダワ魔法学園の生徒達で構成されている魔法料理研究同好会のメンバーは悲鳴をあげ逃げ出そうとする。が、
「みんな落ち着いて! 大丈夫だよー!」
 生徒達が振り返った先に立つ木元・祭莉(まつりん♪@sanhurawaaaaaa・f16554)の狼の耳がぴんと立つ。銀の瞳を光らせているのは彼自身の決意の力。
「おいらは猟兵。猟書家はばっちりやっつける。だから慌てないで避難だよ」
『わかりました!』『猟兵さんが付いているんだ、大丈夫だよね』
「勿論! おいらに任せといてー♪」
 胸を張って学生達を励ます木元。彼の行動によって落ち着きを取り戻した学生達は迷宮の安全地帯まで撤退していく。

『あーら、オチビちゃんのあんたも逃げなくていいのかしら?』
 ヴァルサリッサはいじわるたっぷりな笑顔を浮かべ木元を見下ろし、挑発する。
 膨れ上がる魔力に気圧されそうになるが、自分の得意とする真っ直ぐ突っ込んでばしっとやっつける前衛肉弾戦に持ち込むためには。
(「ビビって逃げ出すわけにはいかないんだよねー」)
「おいらは逃げないよ。猟書家をやっつけるために来たんだから!」
『ふん、生意気な狼少年は……剥製にしてやるんだからぁ!』
 ヴァルサリッサが魔力を開放し、ダンジョンメーカーの光が戦場を包み込む。
「うわっ眩しい……ってなんだこれー!」
 チョコレートの海だった地面はおどろおどろしいヘドロに。壁から突き出していたフォークやナイフの罠は白骨化した化け物の腕に。
「あわわ、お、お化け屋敷」
『こわーいものでいっぱいの迷宮よ。このまま跳ね飛ばしてあげる』
 巨大ながしゃどくろの肩に腰かけたヴァルサリッサは木元に攻撃せんと接近する。
「び、ビビったらだめだ、こうなったら」
 怖いがいっぱいの空間を利用するしかない。思考を切り替えた木元はユーベルコード:白蓮の舞(フェスティバル・オン・ステージ)を発動する。
 白煙に包まれる迷宮。
 足止めされたヴァルサリッサは苛立ちながら立ち上がり、木元の姿を探す。
『ちょっと、なんなのよこの煙!』
「怖いものといったら突然の煙。それを発動させたよ!」
『へ?』
 舞妓姿に変身した木元が姿を見せ、舞扇から照射する白炎でがしゃどくろの身を焦がす。
『ぎゃーゆれるー! やめなさいよ!』
「やめないもんねー」
 自分が何を怖がるのか。
 恥ずかしいけど咄嗟に考えた通りに作られていた『罠』を逆に利用して、ヴァルサリッサの攻撃を展開してく木元。やがてぐらりと大きく傾いたがしゃどくろはそのまま地面に落下し、ヴァルサリッサが衝撃で空中に投げ出され。

『ちょ、これは……』
「隙あり! ちぇすとー!」
『ぎゃー!』
 グラップルの正拳一撃。
 木元の必殺の拳を受け、ヴァルサリッサは迷宮の奥へと吹き飛ばされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

レパル・リオン(サポート)
こんにちは!あたしはレパル!またの名を『魔法猟兵イェーガー・レパル』よ!よろしくね!

お祭りとかイベントとか友達と遊んだりとか、とにかく楽しい事大好き!

あたしが戦うのは、怪人(オブリビオン)から人々と平和を守るため!そのためなら、ケガをしたってかまわないわ!
(強敵相手だと少し怯えるが、表には出さないように努める)

得意なのは肉弾戦!ダッシュで切り込んだり、ジャンプやオーラ防御でよけたり、激痛耐性でガマンしたり、怪力パンチ&キックでぶっ飛ばしたりするわ!
ユーベルコードに怪人の弱点属性を組み合わせてパワーアップさせたりもするわよ!

頭を使うのは苦手かな。でも、パワーとスピードでなんとかするわ!


バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
得意な技能:【一斉発射・焼却・武器受け・残像・カウンター・受け流し】

各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!

アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!

どのユーベルコードを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!




『なんなのよ~! 猟兵と学生の分際で生意気な~!』
 幹部猟書家『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』が声を荒げ、再び迷宮の奥から飛び出してくる。怯えた様子のアルダワ魔法学園の生徒達を庇う様に、二人の猟兵が飛び出した。
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
「ここはあたし達に任せて! 『魔法猟兵イェーガー・レパル』が来たからには絶対に猟書家はやっつけるわ!」
 コンバットメイド服の中に仕込まれている武器を展開しながらバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が、ヒーローポーズをばしっとキメたレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)がそれぞれに思いを口にする。
 猟兵達の登場に落ち着きを取り戻した生徒達が自主的に避難を始め、その様子を苦々し気に見ていたヴァルサリッサが猟兵達を睨みつける。
『ふん。メイドに……魔法猟兵? 随分とファンシーなやつらが出て来たじゃない。ま、この超魔王様に勝てるわけないんだけどね!』
「HAHAHA、ワタシは家事代行も勿論得意ですがファンシーもファイティングも同じく得意なメイドデス。お相手には十分だと存じ上げマース!」
 明るい声色と態度でヴァルサリッサに言葉を返すバルタンであるがその言葉に偽りはない。戦場を故郷に、銃弾が奏でる子守歌を口ずさんできた歴戦兵として蓄積されたデータをフル回転させ、自分の攻撃がより有効に作用する位置を割り出す。
(「あの様子からすると広範囲に攻撃を展開できる余裕があると見えマス。牽制と盾役を担当しまショウ」)
(「ありがとう。だったらあたしは……真っ直ぐつっぱしって、一撃を高速で叩き込む!」)
 バルタンから教えられた情報にレパルはうんと大きく頷き、指をさして超魔王に挑戦状を叩きつけるかのような勢いで叫ぶ。
「あたしを甘く見ないで! 怪人(オブリビオン)から人々と平和を守るためならどんなことでも出来るわ! ま、アンタみたいな奴は手加減が必要かもね?」
 挑発的なレパルの言葉に怒り心頭の超魔王が叫び、猟兵の元へと駆けていく。
「ふふふ、アナタの相手はワタシデース!」
 レパルの前に飛び出したバルタン。メイドの体内に仕込まれている刀や銃器が鈍く輝き、超魔王へと襲い掛かる。
『そんな攻撃通用しないわ! 超魔王には同じ手は通じない!』
 一斉射撃された銃弾を受けたヴァルサリッサのドレスが、火花のオレンジに色を変え銃での攻撃を受け流す。
 もう銃での攻撃は通用しないと悟ったバルタンは、今度はファルシオン風サムライソードを手にして切りかかる。
「臨機応変に戦闘手段を切り替えるのがワタシの強味デース。そちらが何度対策しようが、必ず攻撃はヒットさせマース!」
『きゃあ!』
 効率的に武器を変え、攻撃する箇所を分析しながら戦法を適時変化させるバルタンの攻勢に押されるヴァルサリッサ。 しかし、それでもなお、倒れない。チョコ迷宮に漂う魔力を集めながらドレスを変化させ──。
「大きくなってマス!?」
『あーはっはっは! 攻撃を受ければ受ける程大きくなるし、怪我だって回復するのよ! そして、お返ししてあげる!』
「ワオ!」
 戦場に降り注ぐ銃弾と刀撃。
 それは、バルタンがヴァルサリッサに与えた攻撃をそのまま写し取ったものであった。鏡のように反射される攻撃。超魔王の高笑い。
(「……想定内デス」)
 バルタンは轟音鳴り響く戦場の中、精神を集中させユーベルコード:粉塵纏・破城槌(ヴァニッシング・バトリングラム)を展開した。
『さあ自分の攻撃に押しつぶされ……って何、煙?』
 戦場を覆いつくす煙に戸惑うヴァルサリッサ。その無防備な体が不意に姿を消す。
 否、吹き飛ばされ。
『ぎゃー!』
 巨体を吹き飛ばしたのはバルタンのユーベルコードで作り出されたパイルバンカーによる一撃だった。大きく態勢を崩す彼女を確認し、バルタンは合図を出す。
「さあ、次はあたしが相手だよ!」
『ちょ、今度はそっちから!?』
 煙の中から飛び出してきたのはレパル。鍛えた体をフル活用し、地面を蹴った反動で巨体化したヴァルサリッサに飛び乗った。
 当然レパルを振り払おうとヴァルサリッサは壁や天井に頭をぶつけたり、魔力の込められたチョコレートの塊でレパルを押しつぶそうともがく。
 しかし、
「そんな攻撃、簡単に避けられる!」
 華麗なジャンプに鋭いダッシュ、怪力を利用したパンチやキックで罠を撃破するレパルを前にヴァルサリッサは追い詰められていく。
『ちょ、この……ふん。あんたの仲間がさんざん攻撃した分、耐性があるのよ。一撃くらうなんてことは』
「くらうと思いまスヨ?」
『へ?』
 ヴァルサリッサの足元にいたバルタンは、こてんと首を傾げていた。
「ワタシは確かに多種多様な攻撃を展開しましたが、一つだけ行っていない攻撃がございマス」
「そういうこと! それじゃあ思いっきり力を込めて……っと!」
 レパルの身体をユーベルコード:瞬打(チーターヒット)が限界まで強化する。膨れ上がる筋力と、それによって生み出された超精密、超高速の打撃。
 レパルの最も得意とする戦法、肉体攻撃による圧倒的なパワーとスピードが、襲い掛かる。
『ぎゃー!!』
 巨大な体に変化したヴァルサリッサは今のレパルを前にしては案山子同然。全ての打撃を真正面から受け止めるだけの人形であった。
 吹き飛ばされ、チョコ迷宮の奥へと姿を消していく超魔王。

「討伐完了! チョコレートもいっぱいあるし、折角だから学生さんと思いっきりチョコ祭りを楽しまないとね!」
「ミッションクリアのボーナスデスか。メイドとしておもてなしに励みマース!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

雁野・リジ(サポート)
「オレが盗んでいいの?それとも盗まれたいの?何をくれる?」
貼り付けたような笑顔を浮かべている女性。
怪盗であると言うが怪盗が何かは分かっていない。

人間の姿をとる狸。人間には人間の、狸には狸の、オブリビオンにはオブリビオンの生活があるし考え方も違う。ということを知っている。
合わせられることは合わしていきたいけれど、
世界が滅ぼされると困っちゃうので、普通に戦う。




 ファーストダンジョンを単独で踏破する実力をもつ偉大なる超魔王、幹部猟書家『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』がふらふらとした足取りでチョコ迷宮の奥を歩く。
『いったた……超魔王である私がこんなところで……ってなにあれ?』
 彼女の視界の端に映ったのは、青い毛並みの生き物が迷宮を駆けていく姿。
 アルダワ魔法学園の生徒が放った使い魔の類いと判断したヴァルサリッサは、折角だからいじめてやろうと獣を追いかけ、チョコ迷宮の最奥──ダンジョンメーカーが埋まっている壁へと向かっていった。

「?」
『あ、あんた誰よ』
 獣を追いかけた先、袋小路のスペースでヴァルサリッサを迎えたのは青い瞳をぱちぱちと瞬かせている女性であった。
「オレはリジ。怪盗だよ」
『怪盗? 迷宮のお宝でも盗みに来た盗賊ね』
「ううん。違う。盗賊じゃないよ。怪盗だよ」
 口の端をにいと吊り上げて笑う、キツネやヘビを連想させる雰囲気を纏った雁野・リジ(たぬき・f34917)から紡がれる言葉。それに翻弄されるヴァルサリッサは、先ほどまで追いかけていた青い毛並みの獣──狸がリジのもうひとつの姿であることなどつゆ知らず。
『だ・か・ら! 怪盗って何よ! 盗賊と何が違うのよ!』
「……さあ?」
 何が違うんだろうね?
 リジの貼り付けた笑顔は一つも変わらず、対照的に、苛立ちを隠せなくなるヴァルサリッサは叫ぶ。
『どいつもこいつも! ダンジョンメーカーを支配した超魔王の力にひれ伏しなさい!』
「……ええと。オブリビオン、じゃない。猟書家?」
 リジが浮かべていた笑みの形が、僅かに揺れる。猟書家を知っているのかとヴァルサリッサが尋ねれば、こくりと頷き。
「ダンジョンメーカーを支配した猟書家。オレは怪盗。ならば……それは、オレが盗んでいいの?」
 は、と猟書家から表情が消え──次の瞬間怒りの表情が露になる。
『そんなことさせるわけないじゃない。『災魔の卵』を取り除きもしない限り、力の全ては私の……』
「ふうん。卵。魔力の集まる場所。それを盗めばいいのか」
 漸く話のピースがかみ合った、といわんばかりに頷いて戦闘態勢に入るリジの藍色の髪が迷宮内に吹き荒れる風に揺れる。
「ダンジョンメーカーが暴走する限り、人の理は破壊される」
 それが猟書家の目指す世界の形であることをリジは理解していたし、合わせられる範囲のことであればお互いの意見を尊重して納得のいく線引きが出来れば、それでいいと考えている。
 しかし、
「世界が滅ぼされると困っちゃうんだ。だから、その力を盗もうと思うよ」

 運命操作の魔力を解放したヴァルサリッサは、迷宮内のチョコレートを操り、大量の質量でリジを圧し潰そうと迫る。
『あんたも変な青い獣もぜーんぶ潰してあげるわ! 超魔王に逆らうなんて許さないんだから!』
「っと、それは困った」
 青い獣もオレなんだけどな、と独り言ちながらリジは攻撃を避け続け、精神を集中させる。ヴァルサリッサが『災魔の卵』を埋め込んだ場所を探し、より高濃度の魔力を発生させる源の気配を辿る。そして、手の中に忍ばせた【予告状】を掲げ、ユーベルコード:スティール・カードを発動。
「見つけた。盗むね」
『──は?』
 チョコレートに塗れた壁、その一点に突き刺さる予告状。次の瞬間、壁や天井が軋み、揺れ、轟音が響く。
『な、な、魔力が……練れない!』
「盗んだよ。これでしばらくは、災魔の卵の力は使えない」
 なんで、と絶句するヴァルサリッサの目の前に立つリジは、自身の身に着けた【どろぼう袋】をぽんと叩く。
「ん。追撃」
『ぎゃー!』
 膨れ上がる魔力は、今はリジの味方。
 研ぎ澄まされたどろんはっぱの威力は鋭く、猟書家を切り刻む。

成功 🔵​🔵​🔴​

シフィル・エルドラド(サポート)
『皆に元気を分け与えにやって来たよ!』 

ハイカラさんの勇者×国民的スタアの女の子。
 普段の口調:明るい(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
 嬉しい時の口調:ハイテンション(あたし、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

元気一杯で天真爛漫な性格をしていて、ポジティブな思考の持ち主。
困っている人や危機に陥っている人は放ってはおけず
積極的に助ける主義です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




 災魔の卵に支配されていたダンジョンメーカー。
 その支配を打ち破った猟兵達の活躍により、チョコ迷宮は徐々に姿を変える。
 元の迷宮へと戻ろうと働く動きは、迷宮内部にいた人間から帰路を奪う。
 マッピングに長けたアルダワ魔法学園の生徒といえど長居は出来ないと、急ぎ足で避難を開始していた。

 慌てるあまり転びそうになる生徒の目に飛び込んできたのは、キラキラと輝いているかのような猟兵だった。
「大丈夫? 私につかまって大丈夫だから、落ち着いて逃げてね?」
 生徒達の不安を受け止め励ますシフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)。自らの内側から輝くかのような、溢れんばかりの力に満ちたシフィルに元気を貰った生徒は立ち上がり、大丈夫だと一礼して避難を再開する。
 困っている人や危機に陥っている人を助けずにはいられないシフィルにとって戦えない一般人の安全確保は最優先だ。生徒が残らず避難を開始するまで、決して戦闘態勢には移行しない。
『ふん。正義の味方気取りってやつぅ?』
 気に食わないと幹部猟書家『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』は吐き捨てる。超魔王に挑まない勇者がいるなんて、と挑発的な言葉を投げかけるが、シフィルは青い瞳に光を湛え、首を振る。
「正義の味方そのものだよ。……災魔の卵の力が薄まってる中で、あなたこそ戦う気?」
『超魔王がこんな所で立ち止まるわけないじゃない。あんたからキラキラを奪い取って、力を取り返してやるんだからぁ!』
 力の大半を失って尚、幹部猟書家であるヴァルサリッサが操る魔力の量は莫大だ。
 その力を邪悪の為に使うというのであれば、シフィル──猟兵にとって斃すべき敵である。
 守るべき民は既に安全を確保した。だから、
「私は……皆に元気を分け与えにやって来たよ!」
 眩しく刀身が輝く伝説の勇者の剣【聖剣エデン】 を抜き、シフィルはヴァルサリッサに突き付ける。
「皆から元気を奪う敵は、ここでやっつけるよ!」

『あはは! 勇者様らしい口上だこと!』
 魔力を練り上げ生み出された漆黒の剣、鋭く刻まれる刀撃が幾重にもシフィルを襲う。金属と金属がぶつかり合う音が迷宮内に木霊する中、壁に人が押し付けられる音が加わった。
「……っ!」
 背中に走る鈍い衝撃に顔を歪ませるシフィル。
 豊かな金の髪ごと薙ぎ払うヴァルサリッサの攻撃を紙一重で躱すが、不利な状況には変わりない。
『ほらほら! 剣での攻撃を学習した私、超魔王には同じ手は通じないのよ!』
 漆黒に、剣の鈍色に輝くドレス姿に変身したヴァルサリッサを前に、しかし、それでもシフィルの決意が崩れ去ることなど決してない。
「──絶対に負けられない、勇者シフィルの力を見せてあげるよ!」
 ユーベルコード:勇者三強(ユウシャサンキョウ)の力が開放された。生み出される力の奔流は輝き、それに目をくらませたヴァルサリッサの体を斬り捨てんと【聖剣エデン】の刃が迫る。
『だから私に剣の力は……』
「勇者シフィルは、絶対に困っている人は助ける! 悪い奴は……倒す!」
 勇気の力。万物の知恵。神秘の霊感。
 ユーベルコードで引き起こされた力はシフィルに力を与え──剣の力に耐性を持つヴァルサリッサのドレスごと、その身を切り裂く。
『く、が、ぎゃああ!』

 シフィルの纏う光が重なった力の奔流、そして勇者の剣の一撃が迷宮に響く。

成功 🔵​🔵​🔴​

ソフィア・エーデルシュタイン(サポート)
わたくしは愛され望まれたからこそ生まれてきましたのよ
だからこそ、わたくしはこの世の全てが愛しいのですわ

狂気的な博愛精神の持ち主
命あるものは救われるべき
蘇った過去はあるべき場所に還るべき
果たすためならば手を下すことに躊躇う必要などないと胸を張る

主に【煌矢】を使用し、牽制や攻撃を行います
勿論、他のユーベルコードも必要があれば使いますわ
わたくしの愛するきょうだいである水晶髑髏は、盾にも刃にもなってくれますのよ

怪我など恐れる必要はありませんわ
わたくしが役に立てるのであればこの身が砕かれようとも構いませぬ
他の方の迷惑や公序良俗に反する事は致しません
それは、わたくしを愛してくれる人達への裏切りですもの




 度重なる攻撃で黒いドレスは黒い襤褸切れへと変わり。集めた魔力を振るう杖は折れ。しかし。それでも尚、幹部猟書家『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』は猟兵の姿を捉えると立ち上がる。
 その姿は、

「嗚呼。愛おしい」
 
 ソフィア・エーデルシュタイン(煌珠・f14358)の、形のいい唇が言葉を紡ぐ。
 博愛に満ちた声は静かに迷宮内を揺らす。

『はは。超魔王を讃える冗談にしてはきついわよ』
「愛おしい世界を乱す存在。骸の月の下で踊る猟書家にも、還るべき場所がおありになるのでしょう」
 命あるものは救われるべきであり、蘇った過去<オブリビオン>はあるべき場所に還るべき。世界の理を乱す骸の月からの侵略者もまた還るべき世界があるとソフィアは定め、愛されてこの世界に生まれて来たから、その愛への恩義として力を振るう。
 ソフィアは周囲に水晶で出来た骨格標本、愛するきょうだい【水晶髑髏】を展開し、微笑む。
『ふん。ダンジョンメーカーの在る場所、そこが即ち超魔王である私の城になるのよ』
 ダンジョンメーカーを制御する力は殆ど残っていないがそれでも尚チョコレート迷宮の主は未だにヴァルサリッサだ。超魔王から簒奪を試みる不届き者だと猟書家は嗤い、魔力を集中させる。
『超魔王の意に従い、世界は作り変えられる……のよ!』
「……あらあら」
 ソフィアの、クリスタリアンの体が薄く輝き始める。ダンジョンメーカーから発した光が迷宮全体を包み込んだのだ。光は敵であるソフィアの心を照らし出し、最も苦手なもので埋め尽くされる戦場へと姿を変える──。

 はずであった。

『な、な、なによ。あんたの苦手な物って』

「先ほどの光は、わたくしの心の中を詠み取りましたのね。なるほど、なるほど」
 花畑に足を踏み入れた乙女のように、くるくるとソフィアはステップを踏みながら。
 何も変わっていない迷宮の床の上で、踊り続ける。

「わたくしは世界を愛しているのですから、この世界を構成する迷宮も当然愛しています。ああ、愛に包まれた世界はなんと愛おしいのでしょう」
 世界の全てを愛しているソフィアに苦手な物など存在しない。
 故にヴァルサリッサがどんなにダンジョンメーカーの力を歪ませても、迷宮はそのままだ。
 ソフィアは全てが愛おしく。だからこそ世の理を乱す者へは攻撃は躊躇わない。

「──届きなさい、穿ちなさい、貫きなさい」
 数百の青玉髄の楔が、チョコ迷宮へと降り注ぐ。氷を纏ったそれに触れたチョコレートはたちまち固まり、罠としての効果を失う。
 ユーベルコード:煌矢(キラメキノヤ)での攻撃。避ける余力など残っていなかったヴァルサリッサは呆然と立ちすくんだまま、ソフィアの愛を受け入れる。

『完敗ね……しかし、私の、私達の野望はこれで終わりはしない』
「まあ。あなたもまた、あなたの愛する野望を愛しているのね」
『……かもね』



 ダンジョンメーカーの暴走はやがて止まり、アルダワ魔法学園の生徒達がソフィアの安否を確かめに顔を出す。
 チョコレート、愛を確かめ合う人々の愛するそれが残された迷宮。
「折角ですから、アイスとチョコレートで新しいお菓子なんていかがでして?」
『やったあ!』『いいですね!』『猟兵様もご一緒に!』
 隠しフロアにはソフィアの明るい声と、甘いチョコを楽しもうとする生徒達の喜びの声が響いていた。 

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年05月31日


挿絵イラスト