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銀河帝国攻略戦⑤～商船コーラルを守れ！

作者：烏たん

●商船コーラル
「これは稼ぎ時じゃな？」
　そう言ってじゃらじゃらと金銀細工のアクセサリーを付け、船長室に座っているこの老人こそ日々様々な宇宙船との取引で儲けている商船コーラルの船長である。団扇をぱたぱたと仰ぎながらじろり、と横にある大量のサブモニターで上下するチャートや情報を流し読む。

「おじいちゃんそんな事言ってる場合じゃないでしょ！？私達今銀河帝国に襲撃されてるんだよ～！？」
　その孫娘である少女は必死に船員たちに指示を出し、どうにかして銀河帝国の手から逃れるべく対応に当たっている。お構いなし、とでも言う様にずっとモニターを眺め続ける祖父に代わって代理船長として汗水垂らし、必死に動いていた。
「そもそも解放軍との合流にも間に合ってないし～！このままじゃ宇宙の塵になっちゃうよ～！！」

　そんな少女の泣き声と共に、大量の物資を積んだ商船コーラルは危機に陥っている。

●グリモアベースに響く声
「皆ー！大変だよー！！」
　わたわたと資料を抱え、慌ただしく尻尾と翼を動かしながらペリエ・セルアー（戦闘愛好家・f10103）はグリモアベースの猟兵達に話しかける。

「えーっと、えっともう皆知ってるかもだけど今解放軍と合流してワープドライブを付けて貰って一緒に銀河帝国と戦おう！って動いてたけど合流に間に合わず辺境星域をさ迷っていた宇宙船達が銀河帝国に襲われたりしてるんだよ！それでね！商船コーラルっていう宇宙船が今まさにその状況な訳！沢山の物資を積んでるっぽいし助けたらきっとその物質も分けてくれると思うし！」
　ぶんぶんと身振り手振りで資料を撒き散らしつつも話を続けていく。
「それでねそれでね！皆には商船コーラルを襲っている銀河帝国の宇宙船に乗り込んでその中にある戦闘機をぶっ壊して欲しいんだ！宇宙船の中で戦えばその戦闘機や皆の攻撃で宇宙船は大損害！きっとばーん！って大爆発すると思うんだー！！ミディアのワープドライブで脱出できるから大爆発には巻き込まれないし安心してね！！」
　きゃっきゃと興奮し資料全部を落とした所で気が付いて資料を拾いながらも猟兵達に言葉を贈る。
「皆なら絶対勝てるって思うし！頑張ってきてね！それじゃあ転送するねー！！あっ」

　猟兵達が銀河帝国の戦艦に転送される前に見たのは、また盛大に資料をばら撒く竜少女の姿だった。

第1章 集団戦 『デルタ・ファイター』

POW   :    増援要請 自身が戦闘で瀕死になると【増援飛行隊 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。 SPD   :    帝国軍の栄光のために！ 【制御不能の高速航行モード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。 WIZ   :    対宙銃撃 レベル×5本の【貫通 】属性の【機銃弾】を放つ。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

「なるほどねぇ…押せ押せムードの中、ケツを刺されちゃ困るわな。最前線の動向も気になるが、オロチウイルスをどうこうしてる間の暇つぶしだ、やってやろうじゃねえか。報酬はしっかり出しやがれよっ！！」
そう啖呵を切って飛び出したのはシェイド・レーム（ナイトハンター・f13612）。同時に動き出したデルタ・ファイター1機に狙いを定める。

「こいつは地獄の底までお前を追い続けるぜ！増援など呼ぶ暇もなく粉砕してやるぜ！！カラクリ野郎どもにはわからねえだろうなぁ！俺様の闇の力はよぉ！ヒャハハハハハ！！こいつはてめぇらが屠ってきた者たちの怨念よ！永遠の闇の中で仲良くするんだな！！照準ロック…発射ぁ！！」
そう言いながら放たれた死霊ミサイルはその1機を執拗に追いまわし、爆発する。

しかし、耐えきったデルタ・ファイターは大量のデルタ・ファイターを呼び出す。予想以上の増援による銃撃が始まる。

「くっそ…！！くだらねえカラクリのくせに！俺様の魔力が…！？」
銃撃の雨はオーラ防御すら貫き、シェイドは雨に晒され、地面に倒れ込む。

「ハハハ、破壊だ破壊、ぶっ壊す！どいつもこいつもガラクタみたいに壊れちまえ…！」
その横を薬師寺・蓮（王の珠・狂えど変わらぬ唯一つの狂愛・f14388）が通り抜け、大量の相手に突っ込んでいく。

「んじゃ、行くぜ？舞、【オルタナティブ・ダブル】！」
突っ込んだ蓮が詠唱すると、もう一人の蓮、否、舞が出てくる。
「はぁ、めんどくさい…良いなあ彼奴等、何か一つのことに打ち込めててさぁ、大嫌いだよ、夢を持ってる奴等は、みんな死ねば良いんだ…」
しかし舞はぶつぶつと呟きながらその場で止まってしまう。

「おいおい、相変わらずイカれてんな？こんなにこんなに壊せる相手がいるんだぜ？少しは喜べよ！」
「嫌だよ面倒だし…でも、こいつ等は大嫌いだ、どいつもこいつも私が台無しにしてやる…」
「おう、そうか、やる気になったなら何でも良い、行くぜ！」
「ええ、行くわ！」
しかしその会話が終わる頃にはデルタ・ファイター達は高速航行モードに変形し二人に突っ込んでくる。

戦闘の結果幾つかのデルタ・ファイターが船内に突き刺さり、爆破したがシェイド、蓮は多くの傷を負い、舞はオルタナティブ・ダブルの効果が切れ消えてしまった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

「けなげに頑張る美少女の危機、同じ美少女として見過ごせぬ！なんちって。
そんなわけで宇宙の平和にちびっと貢献」
そう呟きながら通路でこそこそしているのはユーミ・アハティアラ（バーチャル咎人・f02282）。何かの準備ができたらしくちらりと自身の後ろの通路を見た後、デルタ・ファイター１機の前に飛び出す。

「幸いに戦場は閉鎖環境。
シューティングゲーム最大の敵が地形であると思い知らせてあげよう。
…やったことないけどね。」
ぽいっとワイヤーをデルタ・ファイターの前に投げつける。

「あー、外しちゃったなー」
わざとらしく呟いたユーミに向かって、デルタ・ファイターは高速航行モードで全力で突っ込んでいく。

「ほいっと」
その突っ込みをバーチャルキャラクターらしく軽く躱すと、デルタ・ファイターが進路に突っ込んでいくのを眺めるだけだ。
先程通路に張り巡らせていたデルタ・ファイターは引っ掛かり、バランスを崩して船内に突き刺さる。

「それじゃ、仕留めるのだ」
ババババババババババババン。2秒の間続いた銃撃と、その後に続いた爆発音。
ユーミは宇宙の平和にちびっと貢献したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「おうおう、頭数を揃えやがって。んじゃま、手っ取り早く行ってみますか！」
「狭い空間で高速飛行するなんて…最ッ高に面白そうな遊びじゃねぇの！
腕の見せ所だぜ相棒！」

船内を2台のバイクが走り回る。荒々しく、派手な走りを魅せるのはハヤト・ノーフィアライツ（Knight Falcon・f02564）。隼の名を持つ宇宙バイク【グランドファルコンで】敵の大部隊に突撃する。

「どうせ壊すんだ、味方にだけ気をつけて派手にやるさ」
隼の瞳は1機のデルタ・ファイターも見逃さない。

『行くぜ、グランドファルコンッ！チェェェェンジッ！！シューティングフォーメーションッ！！　さあ、大盤振る舞いだ！全部持って行きな！』
隼が嘴を開く様に砲撃形態に変形したグランドファルコンの一斉射撃、目の前の全てのデルタ・ファイターは撃ち落とされ、各々爆散していく。

「俺と相棒の走りについてこれるか？」
対してハヤトが撃ち落とした数と同じ位大量のデルタ・ファイターと高速チェイスをするのは櫟・陽里（スターライダー ヒカリ・f05640）。雷の様に速く強い唯一無二の相棒【ライ】で効率よく、最短でカーブを曲がれば速さに追い付けなかったデルタ・ファイターは曲がり切れず爆散、壁走りをすれば技術が足りなかったデルタ・ファイターは壁に突き刺さる。

走りつつ、サイバーアイで場所を確認すると、その場所に一直線に進んでいく。
まだまだ陽里とライを追いかけるデルタ・ファイターは多い。大量の銃撃の雨。
『レースで“逃げる”は褒め言葉…ってね。見えたぜベストライン！』

その雨の中を、針の穴に糸を通すかの様に一度も当たらず、そして、目的の場所に到達する。
「それじゃ、チキンレースだ！俺はギリギリを狙って止まる自信あるぜ！お前らはどうだ？」
まだだ、まだ止まらない、漂ってくる火薬の匂い、武器庫。

「…ここだ！！」
開かれた武器庫の扉の目の前で、陽里は止まり、急ターンする。
デルタ・ファイター達を通り過ぎれば、後ろでは爆ぜる音が聞こえる。思い通りだ。

「よう、そっちも派手にやったみたいだな？」
元の場所に戻ってきた陽里に向けて、ハヤトは話しかける。
「俺と相棒はただ速く走っただけだぜ？」
「おーそうかい、おっと」
話し始めた二人の元に飛んできた、1機のデルタ・ファイターをインパルス・ブレードで切り伏せて、ハヤトは不敵に笑った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「好きなだけ暴れて構わないよ！」
『おっしゃー！俺の出番だな！暴れまくるぜ！』
白磁の陶器のような白い肌の温厚そうな少年、真白・白夜（多重人格者のサイキッカー・f10864）は転送直後、もう1人の自分に入れ替わった。

目の前から襲い掛かってくる複数のデルタ・ファイターにサイキックブラストを放ち、感電で機能が一瞬ショートした瞬間を見逃さずにハンドガン・改での射撃で絶え間なく撃ち抜いていく。さながらトリガーハッピーとでもいう様に。

急に角から現れたデルタ・ファイターが白夜に機関銃での銃撃を行い始めたが、それもジャンプで上に、スライディングで下に、と残像が出る程に素早く、アクロバティックに避ける。
『こっちだこっち！当てて見やがれ！』
そして間合いを詰めれば、その中心を撃ち抜く。恐ろしい早業だ。

次々と現れるデルタ・ファイター達も、白夜はサイキックブラストと銃撃で処理していく。警報は壊さない、もっと、もっと。
『オラオラ！全部ぶっ壊してやるぜ！』

成功 🔵​🔵​🔴​

「戦争始まってから、機械相手ばっかで全然腹が膨れないわ
助けたお礼に物資の肉でもくれないかしらね？…なんて不純か」
ベアータ・ベルトット（餓獣機関BB10・f05212）はお腹を撫でながら、息を吐く。

「物資。つまりちゃんこ鍋を守る為のミッションたべ？
そりゃあ、もう全力で殴り飛ばすしかねがっぺな？
宇宙ちゃんこを守るため、いざ鎌倉だっぺ！！」
その隣では、小野寺・チャンコフスキー（頑健丸・f13595）が勢いよく両手を打ち鳴らす。
『いただきまぁす！』
いつの間にかチャンコフスキーの前にはちゃんこ鍋。それを一瞬で、ぺろりと平らげる。

「ちょ、私にもくれたっていいじゃない！？」
「もうオレの腹の中だぜ？」
「チッ…まあいいわよ、絶対後で物資のお肉貰うんだから！！」

そんな大きな恨み言を聞きつけてか、デルタ・ファイターが二人の前に5機、後ろに1機現れる。挟み撃ちの様に。

「さっさと終わらせるわよ！」
ベアータは機腕銃を前のデルタ・ファイター達に向けると、銃撃を始める。
「おうよ！」
その後ろで、チャンコフスキーはデルタ・ファイターに向かって突撃する、デルタ・ファイターからの銃撃を先程食べたちゃんこ鍋の蓋で防ぎながらどんどんと近づいて、刹那、デルタ・ファイター1機に掴みかかる。壁にガンガンガンっと勢いよく何回も叩きつければ、黒い煙を噴き出し始める。

「そっちに投げるぞ！避けろよ！」
「いいわ！」
爆発寸前になったデルタ・ファイターを、チャンコフスキーはベアードの方に投げる。ベアードは華麗に身体を逸らして回避すると爆発寸前のデルタ・ファイターに一気に銃撃を浴びせる。するとデルタ・ファイターは残りの5機を巻き込んで。盛大に爆発を起こした。

その爆発を聞きつけて、更に多くのデルタ・ファイターが現れる、恐らくこの船内最後の戦力だ。

『とっとと砕け散れ！』

それすらも、ベアータは自らの機腕銃をフルに動作させて撃ち抜きまくる。その姿は人ではなく、ケモノ。
ベアータの機腕銃の弾が尽きる頃には穴だらけの船内と、今にも爆発寸前の多くのデルタ・ファイター達。このままデルタ・ファイター達が爆発すればこの帝国の船も爆発するだろう。そんな時に、二人に後ろから女性が話しかけた。ミディアだ。

●ミディアの船で
爆発する帝国戦艦を眺めながら、8人の猟兵とミディア、そして商船コーラルの孫娘の少女が物資の箱を抱えて話始める。

「えっと、皆さん私達とコーラルと物資を護ってくれてありがとうございました！未だにチャートばっかり眺めてるおじ…船長に代わって代理船長としてお礼を致します！その、戦ってくれた解放軍の皆さんにこれを！」

少女が差し出した箱には、水やゼリー、そして宇宙ちゃんこやお肉が入っていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月20日