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銀河帝国攻略戦⑲~希望

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●光明
 幾多の心の痛みを乗り越え、ついに『実験戦艦ガルベリオン』を発見する事が叶った。もうすぐ、敵の本拠地の姿も垣間見える事であろう。
「…感謝。…皆様の、おかげで、また一つ、戦場を、攻略、する事が、出来ました」
 それでも、まずはこれまで戦い続けてくれた猟兵たちへ労いの言葉を。感情の宿らない瞳で神宮時・蒼(終わらぬ雨・f03681)は告げた。
「…進展。…早速で、申し訳、ない、のですが、次の、戦場へ、向かって、いただきたい、のです」
 視線を彷徨わせながら、蒼は何処か言いにくそうに言葉を紡ぐ。そう、迷っている時間はないのだ。
「…皆様に、次に、行って、いただきたいのは、オロチウイルスの、抗体の、作成、です」

 人を死に至らしめる殺人ウイルス、通称・オロチウイルス。
 帝国軍は、このウイルスを突撃艦に積み込み、自爆させる事で解放軍を全滅に追いやるよう。
 しかし、阻止するにも、艦隊一つ一つを落としていたのでは間に合わない。
 幸い、過去の戦場で、猟兵の一人がオロチウイルスのサンプルを持ち帰る事が叶い、急ピッチでオロチウイルスの抗体を研究中らしいが、何とも時間が足りないのだ。
 ―それこそ、奇跡でも起きない限りは…。
「…でも、全く、手立てが、ないわけでは、ない、のです」
 そっと瞳を伏せて、蒼が言葉を落とす。奇跡が起きないならば、起こせばいいのだ、と。
 猟兵たちが使うユーベルコード自体が奇跡の力。可能性が零じゃないとの言葉に、猟兵の間で小さく騒めく声が。
 それは、どんな方法でも問わない。ウイルスを死滅させる為には、ウイルスの弱点が何たるかを探るでもいいし、抗体を作り上げる為に、己を実験に使う事もあるだろう。
 其れは、とても大変な作業になるだろう、とも。けれども、今は一つでも確たる成果が欲しいのだと、蒼は告げた。
「…報告。…皆様の、奇跡が、解放軍を、救う、手立て、となります。…とても、大変な、お願い、だと、言うのは、分かっている、つもり、です」
 だけど、この作戦が失敗してしまえば、数多くの犠牲者が出てしまう。其れだけは嫌なのだと、少女は小さく首を横に振る。
「…皆様、でしたら、きっと、やり遂げて、くれると、思います」
 絞り出すように告げると、深々と蒼は頭を下げた。
 猟兵たちの行いが、明日への希望を繋ぐと信じて…。


幽灯

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。


 幽灯(ゆうひ)と申します。
 今回は、戦争シナリオをお届けさせていただきます。

 このシナリオでは、オロチウイルスへの抗体作成の為に、実験や研究と称してユーベルコードを使用し、その成果を披露していただく物となります。
 皆様の頑張りは、蒼がミディアへ都度報告してくれます。

 出来る限りの描写はさせていただきますが、場合によってはプレイングをお返しする事もあるかと思います。
 その点についてはご了承いただければ幸いです。
 それでは、良き冒険になりますよう。
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第1章 冒険 『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』

POW   :    オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます

SPD   :    圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します

WIZ   :    集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コトト・スターチス
辻ヒーラーのコトトですっ
少しでもおやくに立てるようにがんばります!

ぼくも電子の精霊なので、医術の知識と情報収集のパワーをいかしてたくさんのデータをあつめます!
そういえば、薬につかえるような花があったりしましたね?
この世界にはあまり草花はありませんから、オロチも知らない抗体が見つかるかもしれません!
他の人をまきこまない所で「はなことば」を使ってたくさん花びらを出します!
薬草や香草、香辛料として知られているようなドクダミ、ラベンダー、トウガラシなど
毒には毒をでトリカブト、レンゲツツジ、スズランなど
ごくふつうのレンゲやハツユキソウなど……
少しでも効果があれば、その系統の花を中心にどんどんしらべます!



●それぞれの戦い
 古来より、薬と毒は表裏一体だと、そう紡いだのは果たして誰だったのか…。コトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)は周囲を見回し、人がいない事を確認する。
「この世界にはあまり草花はありませんから、オロチも知らない抗体が見つかるかもしれません!」
 宇宙空間に漂う世界。遠い昔、植物は存在したかもしれないけれど、其れをオロチが認知しているかは怪しい。それに加えて、猟兵は世界を渡り歩く存在。其処に、何かあるかもしれないとコトトはぐっと拳を強く握った。
 時間は限られている。ならば、今出来る最善を。肩の力を抜き、大きく深呼吸。そうしてコトトが顕現するは、無数の花弁。溢れる花弁は色とりどり。薬草や香辛料と呼ばれるの白や紫、毒草と呼ばれる白、紫、黄昏色―。果ては、可憐な花を付ける春色や空色の花弁も呼び出し、片っ端から己が持つ医学と情報の力を駆使する。
「少しでもおやくに立てるよう、がんばらなきゃ」
 そうして、コトトはまた新たな花を顕現させるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハル・パイアー
「医療は専門ではない、が演算能力が必要であれば手は貸せるか。ノーマッドへ支援を要請する。」

《サイバーナビ=サポートシステム》使用。
小官は、[情報収集]スキルを発揮してのオロチウィルスの解析タスク補助を開始します。
主に、演算能力の貸与と、多種の雑多になって埋もれやすい研究成果の共有が行動の意義であります。

行動は以下の通り。
・各々の解析データをタグ付けし関連付け、検索性の向上。
・ピックアップされている研究内容を大画面ディスプレイに投影、成果の可視化。
・研究に演算力が必要な場合の演算デバイスの貸与、処理の高速化。

「忙しくなりそうだな。携帯食料を齧る暇があるかどうか。」



 小さな体躯に大きな決意を秘めて。
 宇宙船内の、とあるコンピュータルームでハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)は、傍らへナビAIを召喚する。
「医療は専門ではない、が演算能力が必要であれば手は貸せるか。ノーマッドへ支援を要請する」
 今回の目的は、オロチウイルスの抗体になりうる情報を一つでも多く提供する事。
 青い瞳を大型のディスプレイへと向け、ハルはAIと共に電子の情報を細かく洗い出す。
 過去に類似した研究の成果が何処かに埋もれているかもしれない。そうして指をキーボードへと滑らせれば、カタカタとキーを叩く音が室内に響く。
 攫った情報にタグをつけて、関連性を持たせ同様に情報を探っているであろう猟兵が検索しやすい環境を整える。
 また、嘗て行われていた研究の成果が今回の作戦に相応しいものなのか一つ一つ成否を確認し、可視化していく。
 ハルに召喚されたAIも、多岐に渡る情報の精査を高速で行っていく。
「忙しくなりそうだな。携帯食料を齧る暇があるかどうか」
 ディスプレイから目を離し、時計を確認する。
 長時間、画面とにらめっこしていた影響か目が乾燥しているようだ。
 けれど、此処で休んでいる暇はない。がさりと持参したレーションの封を切り、口へ咥えると、ハルは再び目の前に飛び交う情報の世界へ意識を戻すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジョー・グラム
ウィルスって言われてもなぁ……俺、病院とかもあんまし行った事ねぇんだが。
「そうか、薬が作れればいいんだろ要は」
ガジェットショータイムでワクチン精製マシーンを呼びだす。
玩具みたいな見た目かもしれねぇが、そこはご愛敬ってやつだ。
「よーし、じゃんじゃか作ってくれよ」
 実験用の血液とかは俺からとられていくんだよなぁと、思いつつ。
生身じゃなくてもいいんだろうか・・・
「これでちったぁ助かる奴が増えればいいねぇ」
手が空いたらガジェットに任せつつ窓辺で一服。



 ガシガシとジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)は乱暴に頭を掻きむしる。
 ぷかりと浮いた紫煙が、宙に消える。
 もともとサイボーグであるジョーは医術の助けをほとんど必要としない。
 よって、病院の世話になった記憶も、投薬による補助も受けた記憶はとても薄い。
 まさに八方塞がりとはこの事か。どうしたものかと考える彼の頭に、一つのひらめきが生まれる。
「…そうか、薬が作れればいいんだろ要は」
 言うが早く、ワクチン生成マシーンのガジェットを呼び出す。
丸いフォルムに腕が付いた其れは、直ちにオロチウイルスのデータの一片を己のデータベースへと組み込む。
 次いで、ガジェットはジョーの身体をスキャンし、生体データを取得。
「よーし、じゃんじゃか作ってくれよ」
 ガジェットがジョーの生体サンプルを要求し、コートの袖をまくり腕を出す。
 直ちに血液をサンプルとして取得したガジェットがデータを解析し始めたのを横目に確認する。
 それから、データが必要になれば、ジョーが身を差し出すという事が幾度。
 せわしなくガジェットがデータを解析する電子音が響き渡る。
「これでちったぁ助かる奴が増えればいいねぇ」
 窓辺にて紫煙を燻らせる。窓の外は戦争が行われているとは思えないほど、無の世界が広がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霑国・永一
【SPD】
矢張り今回の敵ではドクター・オロチは癌だなぁ。此方がいちいち後手に回らされるというのは煩わしいからねぇ。小賢しい事だよ

とりあえずオルタナティブ・ダブル使うとしよう。ウイルスを見る目が多い方がデータ取りやすいからね。
【視力】【見切り】を使いつつ分身と共にウイルスの観察タイムだ。
無論動きを確認してる間に、手元にはノートパソコン用意して見ながら特性をキーボードに【早業】で打ち込んでいこう。如何にして侵食するのか、動きの法則は、未知のエネルギーでもあるのか。気になる点は山ほどだ。
「実験用のマウスとかに感染させて観察してみようかと思ったけど、猟兵以外は多分即死かなぁ、これ」



 ぼんやりと窓の外を眺めながら、霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)は昏い笑みを浮かべた。
「矢張り今回の敵ではドクター・オロチは癌だなぁ」
 眼鏡の奥で金色の瞳が陰鬱な光を宿す。
「此方がいちいち後手に回らされるというのは煩わしいからねぇ。小賢しい事だよ」
 何処か忌々し気に呟くも、表情は何処か穏やかに微笑みを称えていた。
 言動と感情が一致していないが、其れは永一にとっては日常であり、平常運転であった。
 ウイルスのサンプルは預かった。後は此れを解析するのみである。
 しかし、ウイルスの動きを見定めるには一人では圧倒的に時間が足りない。ならばどうするべきか。
 一人で足りないならば、二人で。
 言うよりも早く、永一は傍らに自身と同じ姿の分身を呼び出す。分身は、既に意を汲んでいるようで、二つの視線はウイルスへと注視する。
 ウイルスはどのように生命体へ害を齎すのか。
 動きに法則性は発生するのか。
 活動する為の条件や弱点は無いのか。
 この世界にしか存在しない未知のエネルギーは関連しているのか。
 視線はウイルスに固定したまま、しかし、彼の手はカタカタと軽快な音でキーボードを叩きデータを入力していく。
 ふと、思いついたように言葉を落とす。
「実験用のマウスとかに感染させて観察してみようかと思ったけど、猟兵以外は多分即死かなぁ、これ」
 が、其れでは意味が無いと即決され、彼は、―彼らは再びウイルスの観察の為に再び其方へ意識を向けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

犬憑・転助
俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだってかぎ分ける

弱点看破ってか!
いいね、俺が嗅ぎとってやるさ、その弱点をな!

着物姿に二刀流

超嗅覚で目に見えないウィルスの特性をかぎ分ける、その違和感を仲間に知らせる

調査が膠着したら、頭脳派な旅団の仲間の指示に従う。またはやろうとしてる作戦をフォローする
(コロ助が傷だらけは望むところです。苦労人ポジション希望)

誰かを実験体にする必要があるなら、進んで実験体になる

一度で分からないなら二度、三度と実験体となり強引に調べ、試す
例え自分がやられても、最後にその弱点を仲間に知らせる
あとは……頼んだ、ぜ……?

アドリブ歓迎、他PCと絡み希望
ぎりぎり最後の採用で構いません



 宇宙船の一室。完全に密閉された其処に犬憑・転助(孤狼の侍・f06830)は静かに佇んでいた。
 そもそも、抗体を、ワクチンを作るには時間が足りなさすぎるのだ。
 しかし、今はその時間が足らない。この作戦内容を知った時から、転助は覚悟していた。
 己が最も誇り、戦闘でも駆使している嗅覚。其れを最大限に使い、ウイルスの解析に挑もうとしていた。
「弱点看破ってか!いいね、俺が嗅ぎとってやるさ、その弱点をな!」
 幾ら猟兵とて、殺人ウイルスであるオロチウイルスに触れたら只では済まないだろう。
 けれども、転助には強い決意がある。
(誰かを実験体にする必要があるなら、進んで実験体になる)
 そうして、ウイルスのサンプルを己の身に振り掛けた。
 刹那、視界がぶわりと赤に染まる。
 身体の芯が、燃えるように熱い。まるで、溶岩の中にいるよう。
 それでも転助は己の嗅覚を信じて、ウイルスの特性を、動きを。
 体内の何処に侵食しようとしているのかを必死にかぎ分ける。
 ごぽりと喉元から何かが競りあがってくるのを感じ、衝動のまま転助は其れを吐き出す。
 赤い液体が床を濡らす。ウイルスの作用か、皮膚が赤く爛れる。
 ―少しでも情報を。この戦いに光明を齎す何かを手にしなければ。その一心で、転助はただただ、耐え続けた。
 しかし、其れでも限界は何時か訪れる。
「あとは……頼んだ、ぜ……?」
 そうして、己の嗅覚で感じた物を託した転助は意識を失ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベアータ・ベルトット
【POW】

ウィルス投与の実験台になるわ
因みにウォーマシンとの戦いで一度罹患済み

帝国には機械兵も多い
半機人の私なら、肉体と機械とに与える影響、両方のデータが得られる
…良い考えでしょ?
大丈夫。死んでやる気なんか更々無いわ

餓獣機関をフル活性させ、UCの殺戮捕食態で毒を喰らう

絶え間のない餓えと渇き…
何としても生き長らえようという―獣の。いや、生きとし生けるモノ全ての遺伝子に…魂に刻まれた本能
私も一度試してみたかったのよ
命を渇望するこの衝動が…どれだけの力を生み出せるのかをね!

押し寄せる苦痛に只管に耐える…耐え抜く
獣と人のあわいを彷徨う半端者
その意地を、今こそ見せてやる―!

必ずや成果を…!!

アドリブ歓迎



 前歴がある。だから、きっと耐えられるのだと。ベアータ・ベルトット(餓獣機関BB10・f05212)は決意を秘めた、けれど、何処か翳った瞳でウイルスを見据えていた。
 得られるデータは多ければ多いほど良い。
 サイボーグである己の身体を実験に使えば、人体と機械に与える影響の二つを解析する事が出来る。
 そう踏んでの行動だった。
「大丈夫。死んでやる気なんか更々無いわ」
 そうして、ウイルスを体内に取りこむ。途端、止まらない頭痛。ベアータが自身の血を代償に、ウイルスを殺戮捕食態で喰らっていく。
 肉体は悲鳴を上げ、ちかちかと視界が赤く、白く点滅する。
 全身の血が冷え切ったように、指先から冷え切っていく感覚。其れとは逆に、機械部分はまるで暴走したように高熱を発する。
 寒いのか、熱いのか。其れすらも分からなくなる。意識が沈んでは浮上する。
 死に抗い、生へ執着する。其れは、魂へ刻まれた生存本能。
 だからこそ、今なら。生を脅かされるこの瞬間ならば。何倍、何十倍もの力を出せるのではないかと。
 ベアータは、人に非ず。されども、獣とも違う。どちらにも属すことの無い半端な存在。
 半端者にだって、相応の意地はあるのだ。
(…その意地を、今こそ見せてやる―!)
 其処で、彼女の意識はぷっつりと途絶えた。

 猟兵たちが、身体を、技能を、知力を出し尽くした研究データは、逐一ミディアへと報告された。
 違った角度からのデータ、数多くの検体は、研究の進捗を大幅に進める物となった。
 猟兵たちの努力は、報われたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト