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銀河帝国攻略戦⑥~政治屋と兵器メーカー

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #冒険

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●組み立て工場構内
「あー、従業員の皆さんおはようございます。毎日ご苦労様。5Sを遵守して今日も一日頑張ってください。そうそう、周りは大変なことになっているようですが心配はいりません。当社のある艦の位置は最後方にあり、流れ弾一つ飛んできません。安心して業務に励んでください」
 工場内のスピーカーから流れる声は、鎧装騎兵向けのアームドフォートとブラスターの組み立てを行っている兵器メーカー「七ツ星重工業」社長の声であった。禿げ上がった頭の彼はでっぷりと肥えた身体から、ざわつく従業員を落ち着かせるためにわざと間延びした声で工場内へ呼びかけた。

●社長室兼応接室
「これでよろしかったですかな?先生。本当に大丈夫なんでしょうね」
 社長は『先生』と呼ばれる人物に対して尋ねた。その正体は工業船を取り仕切る大物政治家の一人だ。
「貴方も心配性だね。なに、銀河帝国とは話が付いているよ。今回の騒乱に一切手を出さずに過ごせば、少なくとも我々は一生無事さ。念書も交わしたし、兵器の融通もすでにしたじゃないか。それどころか、今までよりもっと儲かるように取り計らってもらえるだろう」
 どうやら銀河帝国に内通しているのは一人や二人ではないらしい。「七ツ星重工業」以外のいくつかの兵器メーカーと政治家も参入しているようだ。このままではこの船は帝国のいいようにされてしまうだろう。

●グリモアベース
「という夢を見たんだ、胸糞悪い」
 そう話すのはグリモア猟兵の加藤・光廣(人狼のグールドライバー・f06416)。
「コイツらは自分たちのことしか考えてないクソヤローどもだ、反吐が出るぜ。すでに戦力は集まってるって言うのに、遅れてきただけの訳があったようだな」
 続けて、銀河帝国に取り入って甘い汁を吸おうとしているのは一部の者だけで多くの者は帝国に対して反感を持っているということ。猟兵が呼びかければすぐにでも反旗を翻すだろうと話した。
 また、加藤の言うクソヤローどもはそれぞれに帝国との密約を交わした証拠を持っている。探し出して多くの人の目に晒せば、やはり帝国との対決姿勢をあらわにするだろう。
 さらに政治家や兵器メーカーの重役を公の場へ引きずり出して、論戦を挑むことも猟兵ならば可能だということも付け加えた。
「戦うには武器があったほうがいいだろ?その武器の供給が止まっちまったら、解放軍も困るんじゃねえかな。俺は頭わりーから分かんねえけどさ、一人でも多く助けようってんなら何とかしてやってくれ」


篁佐登花
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 【POW】工場を中心とした施設での呼びかけになるかと思います。業務連絡用の事務室や工場内には事故発生等を知らせる連絡器があると思いますので、活用してください。その他の場所でも、もちろん構いません。
 【SPD】政治家の事務所や自宅、兵器メーカー重役室・自宅などに証拠となるものがあるはずです。どんな形のものか分かりませんが、探し出して多くの方の目に触れるようにしてください。
 【WIZ】どんな場所でも結構です、とにかく公の場へ引きずり出し(誘い出し)て論戦を挑んでみましょう。もちろん論破してください。

 ご参加をお待ちしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
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第1章 冒険 『⑥裏切者を暴け!』

POW   :    多くの市民の集まるイベントに乗り込み、情熱的な演説等で『解放軍』参加への機運を盛り上げます。

SPD   :    銀河帝国派の政治家の事務所などを捜索し、汚職や銀河帝国との内通に関する証拠を見つけ出し、公開します。

WIZ   :    反戦集会や公開討論等に乗り込み、銀河帝国の息を受けた反戦派政治家の意見を論破します。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベルベナ・ラウンドディー
…この企業知ってます
以前に清掃業務を請け負ってて贔屓にされてました
急に仕事断られたと思ったら…なるほど


では今回はメーカー重役室に潜入します
【変装・時間稼ぎ】帝国風の装いで侵入がバレても続行できるよう配慮し、
【掃除・情報収集】で書類を仕分けながら実態調査
【恫喝・恐怖を与える・殺気】…重役に証拠を突きつけボロを出させるプロセスです

解らない時はカネの動きを見るのが一番
費用の架空計上や私物の高級品の買い替えに始まり
隠蔽工作や司法妨害の痕跡、製造製品の帝国装備との互換性の高さなど
ネタを探し、詰問に利用します


…我々帝国の資金も無限では無いのをご存知でしたか?


(録音機器は終始胸ポケットで稼働中です) 



 七ツ星重工業本社ビル前に一人の帝国エージェントが現れた。彼は何食わぬ顔でビルへと入り、受付へ名乗る。
「アップランド製作所から参りました、エウイーノと申します。専務取締役のミズカワ様と本日11時にお会いする約束があるのですが、お取次ぎお願いします」
 全くのデタラメを名乗る。エウイーノの正体は猟兵、ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)。彼は以前に七ツ星重工から清掃業務を請け負い、贔屓にされていた。しかし突然取引中止となり、不審に思っていた。そこへこの話である、なるほどといったような心持であった。
 受付ではミズカワは外出しておりますが、いかが致しますか?と尋ねられる。ベルベナは受付へささやく。
「直接連絡してください、帝国と言えば分かるはずです」
 受付は慌てて連絡を取る。返答はすぐに戻るので、自分の執務室へ通すようにとのことであった。ベルベナはミズカワの執務室へ潜入することに成功した。
 ミズカワの執務室へ通されたベルベナは、案内の社員が立ち去るとすぐに書類の仕分けに入った。ミズカワが戻ってくるまでの時間が勝負だ。
 ベルベナは(実態調査にはカネの動きを見るのが一番)だと考えていた。『それ』はすぐに出てきた。公表されているものとは全く違う帳簿だ。費用の架空計上や私物の高級品の買い替え、流通量の操作が克明に記されていた。さらに隠蔽工作や司法妨害の痕跡、製造製品の帝国装備との互換性の高さを証明するものまで出てきた。これにはベルベナもあきれ果てていたが、必要なもの以外は綺麗に片付けておいた。
 ミズカワが執務室に戻ってきた。彼は人払いをさせるとベルベナに向かって正体を尋ねる。
「私はベルベナ・ラウンドディー、猟兵です。それよりも『これ』は一体どういうことですか?説明してください」
 逆に見られてはならないものを見られたミズカワは、うろたえてまともに答えることもできない。ベルベナは(終始胸ポケットで稼働中の録音機器も意味がなかったか……)と、そっと録音機器の電源を落とした。

成功 🔵​🔵​🔴​

アトシュ・スカーレット
【SPD】
さーて、すこーし齧った程度ではあるが、やらせてもらいますか

オレは…そうだな、政治家の自宅に潜入するか

場所はお相手さんを【追跡】すりゃなんとかなるだろ
出入りしてる人がいるなら、そいつに【変装】するか
いないなら…【忍び足】で侵入するか
見つからないように【聞き耳】と【絶望の福音】で警戒しとくか

さーて、【物を隠す】ならどこかねー
後ろめたいもんだし、【目立たない】ようにしてる可能性もあるな
鍵かかってても【鍵開け】の準備してきたし無駄だな♪

見つけたら、そいつの目の前に証拠を置くぜ
【殺気】を出しながら、腰の武器に手を伸ばせば丁度いい脅しにはなるか

そんじゃ、これ公表しとくわ♪
異論は認めないからな?


ブイバル・ブランドー
【SPD】
あっちゃー…ここのメーカーの部品に少しお世話になってんだよなァ…ま、それとこれとは話は別だな。

どうにも政治家の事務所が臭う。そこに潜入して書類なりなんなり証拠を見つけ出してやるか!

政治家ってやつは多分警戒心が強そうだし、警備員が多数いたとて不思議じゃねえ。そいつらがいても大丈夫なように立ち回るか。

体内にあるセンサーを駆使し、早業で目につかないように政治家の事務所まで行くぞ。

やむを得ない場合は警備員の首を少し叩いて眠らせてやる必要があるかもな


ヘスティア・イクテュス
今回の騒乱に一切手を出さずに過ごせば…
なら今回の騒乱に関わるようしてみせようかしら?

他の解放軍の船との連携が必要ね
今、どの位武器が欲しくてどの位お金が出せるか…

それが把握できたら商談という事で重役と対面
やましくなければ受けるはずよ
商談なんだから実際に作ってるとこの見学もね

見学時、多くの従業員の前で
戦争中で武器がこの位欲しい
だから武器を大量に仕入れさせて貰いたいと伝えるわ

無論、急ぎという事で普通より高い値段で
更に良い品であるなら今後戦争が終わっても多くの船が求めるであろうと今後の儲けもチラつかせて…

解放軍に売ったら騒乱に一切手を出さないって念書を破ることになる
でも、この話普通なら断れないわよね?



 とある工業船の某所にて三人の猟兵が打ち合わせをしていた。その三人の一人目はアトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)、二人目はブイバル・ブランドー(ソニックアタッカー・f05082)、三人目はヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長【自称】・f04572)。アトシュは大物政治家の自宅、ブイバルは帝国との密約に参入しているという噂の政治家の事務所へ、ヘスティアは七ツ星重工業以外の大手兵器メーカーへ潜入するということで話がまとまった。三人はそれぞれに動き始める。上手くいけば、先に手に入れている、七ツ星重工業の帳簿類の公表とともに十分な説得力があるだろうと思われた。

 大物政治家を追跡し、自宅近くへと赴いたアトシュ。(さーて、すこーし齧った程度だがやらせてもらいますか)と準備を整える。
 最初は出入りの者に変装することを考えていたが、意外に動きがないことを悟ると作戦を切り替えた。多少強引ではあるが侵入して盗み出すことにする。
 直接侵入するのはリスクが高いと見たアトシュは、まず比較的警戒が手薄な隣家の敷地に目を付けた。目立たなさと忍び足を駆使し、難なく入り込むことに成功。問題はここからどの場所へと入るか、彼は聞き耳を立てる。特に何もなさそうでも【絶望の福音】を発動するとたちまち見つかってしまうようだ。少し考えこみ、二丁の大型拳銃を取り出す。何をするかと思えば破壊工作代わりに、今いる敷地の侵入先を挟んで逆隣りへと銃弾を撃ち込む。当然、銃声は大きく響き渡り騒ぎになる。その間にもう一度【絶望の福音】を発動したところ、問題なさそうだったので塀を乗り越えていった。
 塀を乗り越えたアトシュは適当な場所の鍵を開け邸宅へ侵入、物色を始める。(さーて、物を隠すならどこかねー。後ろめたいもんだし、目立たないようにしてる可能性もあるな)と考えた。そして、ある一室の前で足を止める。この邸宅の主、すなわち大物政治家の自室だ。(やっぱりここだな)と第六感が働く。聞き耳を立てたところ、部屋の主は不在のようだ。物音を立てないよう静かにドアを開けてゆっくり入る。入ってすぐに執務机と椅子の向こうに大きな金庫が目に入った。(分かりやすッ、それに市販の金庫ならオレでも開けられるぜ)とすぐに開錠、『それ』を手に入れた。
 その時、廊下から大きな足音を立てて部屋に入ってきた者がいる。件の大物政治家だ。第一声にアトシュへ怒鳴りつける。
 「そこで何している!泥棒め!」
 ヘスティアは慌てずに
「オレはアトシュ・スカーレット、猟兵だ。それよりこれ、なーんだ?」
 殺気を出しながら腰の武器に手を伸ばしつつ、帝国との密約書を突き付ける。殺気と突き付けられた密約書に気圧された大物政治家は、力なくその場にへなへなと膝をついてしまった。
「そんじゃ、これ公表しとくわ♪異論は認めないからな?じゃあな」
 と言って、悠々と大物政治家の敷地から出ていくアトシュだった。

 所変わって、別の政治家の事務所。ブイバルは(どうにもこの政治家の事務所が臭う。ここに潜入して書類なりなんなり証拠を見つけ出してやるか!)と意気込んでいた。
「それにしても、某社の部品には少しお世話になってんだよなァ……。ま、それとこれとは話は別だがな」
 とぼやきながらも猟兵としての使命感も忘れてはいない。ブイバルの潜入作戦が始まる。
 とはいうものの、事務所はビジネスビルのワンフロア。(政治家ってやつはきっと警戒心が強いだろうし、ビルには警備員が多数いたとしても不思議じゃねえ。そいつらがいても大丈夫なように立ち回るか)と思案はするが、これといった考えは浮かばない。力づくで突破しようとして騒ぎを起こす訳にもいかない。ならば……と、正面から堂々とビルへ入って行った。
 エントランスフロアに踏み込んだブイバルはやはりというか、一人の警備員に呼び止められる。慌てず無表情にブイバルは答える。
「オレはブイバル・ブランドー、猟兵だ。依頼によってある政治家の事務所を捜索しに来た。内容はこの工業船全体が帝国と密約を交わして安泰を謀っているのでは、という疑いがかかっている。あなたも協力者の一味か?」
 呼び止めた警備員は(そんなバカな!ありえない!)といった顔をしていた。事実として、この工業船で生活する人々のほとんどは反帝国で一致団結していたからだ。あらぬ疑いを受けた警備員はブイバルに小声で提案をする。このビルに事務所を構えている政治家は一人だけ。そこのフロアに入れるカードキーを貸し出した上で、他の誰も入れないようにするのでその間に捜索して欲しいとのことだ。幸いにして今は事務所に誰もいないことも付け加えた。やむを得ない場合は、警備員に一撃を与えて眠らせることも考えていたブイバルにとってこの話は渡りに船であった。
 事務所フロアまでやってきたブイバル。中はしんと静まり返って、少し不気味である。そんな中を何枚もある扉をカードキーで開けて通り抜けていく。辿り着いたのはそれらしい事務机がぽつりとある部屋。ブイバルはまずデスクトップのコンピュータに手をかけるが、ロックがかかっている。戦闘向きの彼には突破できそうもない。ならばと机の引き出しに手を掛けるが、これもロックがかかっている。しかし怪力の彼にとって、物理的なロックなど意味はない。次々に無理やりこじ開けていく。最下段の引き出しの奥に手紙と思しきものが何通かあった。内容は大物政治家とのやり取りで、帝国との密約に関する事柄であった。最後の一通は手書きの署名と実印が押された連盟書の写しが入っていた。写しには大物政治家を始め、この事務所の主他政治家の名前、各兵器メーカーの重役の名前がずらっと並んでいた。
 ブイバルは手紙類と連盟書の写しを手に、急いでエントランスホールへと向かった。自分を呼び止めた警備員にカードキーを返し、礼を述べようと思っていた。しかし当の警備員は後難を恐れたのか、騒乱が収まるのを待つためか定かではないが、行方をすでに眩ましてしまっていた。ブイバルは警備員の勇気と覚悟に心を打たれつつ、仲間との合流を急いだ。

 ヘスティアが向かったのはパイルバンカーとビームシールドの製造に定評がある「サカグチインダストリィ」。彼女は(今回の騒乱に一切手を出さずに過ごせば一生安泰なんていう妄想、打ち砕いてあげるわ)と正義感を小さな胸に抱いていた。そして(それには今回の騒乱に関わるようしてみせようかしら?他の解放軍の船との連携が必要ね。今、どの位武器が欲しくてどの位お金が出せるか。でも時間がないから、事前に聞いたことのある数字から弾き出すわ)と妙案を練り始めた。
 本社工場に乗り込むヘスティア。受付では
「私はヘスティア・イクテュス、猟兵でSkyFish団船長よ。自称だけどね。アポなしで悪いけど、至急で商談に乗ってくれる重役はいないかしら?取次をお願いするわ」
 受付が急いで取次をするが、待たされること数十分。ようやく案内されたのは取締役社長サカグチの重役室であった。サカグチはうやうやしくヘスティアへ話しかける。
「初めまして、私が取締役社長を務めさせて頂いております。サカグチと申します。ようこそいらっしゃいませ。こうして猟兵さんとお近づきになれるとは光栄至極です」
「至急と言ったのに待たせておいて、おべっかなんかいらないわ。欲しいのはあなたのとこで製造してるビームシールドよ。それも大量にね」
 と、ヘスティアは不機嫌そうに装う。サカグチは受け流すように言う。
「これは大変失礼いたしました。それで、いかほどご入用でしょうか?」
 ヘスティアは
「そうね、大体は決まっているけど、製造工程を見学させてもらってから具体的な数字を出すわ」
 サカグチは少しの間を置いて
「左様ですか、承知致しました。ではご案内致します」
 製造現場へ案内されたヘスティアは、一目でも猟兵の姿を見ようと集まった多くの従業員(丁度休憩時間だったようだ)を前に出来る限りの声を張り上げる。
「今は戦争中、一人でも多くの戦闘員を守るためのビームシールドが欲しいの!数は十個師団分!もちろん普段の卸値でなんてケチなことは言わないわ!二……いいえ、三割増しで買い付けたいわ!性能が良ければきっと戦争後も求められるでしょ?そうしたらここの従業員さんの生活もよくなるんじゃないかしら?どう?」
 これを聞いた従業員たちは興奮して、ヘスティアを案内しているサカグチに詰め寄る。口々に、受けましょう社長!とか、チャンスですよ!とか、残業頑張りますから急いで製造しましょう!などと騒ぎが工場内に広がっていく。興奮して喜ぶ従業員たちとは反対に、苦い顔になるサカグチ。なぜならサカグチインダストリィも帝国との密約に名を連ねる一員だからだ。そんなサカグチにヘスティアがそっと耳打ちする。
「解放軍に売ったら騒乱に一切手を出さないって念書を破ることになるけど、この話普通なら断れないわよね?帝国との密約が従業員さんたちに、いや世間にバレたらどうなっちゃうのかしらー?」
 苦い顔から一気に青い顔になるサカグチ。何とか一言だけ絞り出す。
「……喜んで協力致します」
 この言葉を引き出し、意気揚々と引き上げるヘスティアだった。

 かくして大物政治家とその一党、そして癒着していた大手兵器メーカー連による帝国との密約は暴露された。そして、この工業船は反帝国の一員として改めて正式に参戦することになった。これも全て猟兵による活躍によるものだ。しかし人々の反帝国感情が下敷きにあったからこそとも言える。猟兵は伝説の『解放軍』の再来として人々の期待に応えなければならないだろう。解放軍を勝利に導くための戦いは今なお続いている。
 なお、この工業船における帝国との密約以外の悪事が白日の下に曝されるのはまた別の話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト