銀河帝国攻略戦⑱~リキッドコンピューター破壊戦線
「おめえらの頑張りで、ガルベリオンの居場所が見つかった。お疲れさん」
鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)は猟兵たちを労った。
そして、要点だけをまとめて、彼は話しだす。
「ガルベリオン――帝国の執政官兼科学技術総監ドクター・オロチが乗る『実験戦艦』の名前なんだが、居場所が分かっただけじゃドクター・オロチの尻尾は掴めねえ。
なにしろ、ヤツの配下のアマルテア情報艦隊が展開してやがる。
おめえらには、その中から一隻――撃墜を頼みたい。
アマルテア情報艦隊は、ドクター・オロチがブラックタールから着想を得て開発したッつー『リキッドコンピューター』を搭載した艦隊で、艦内には粘性の液体が満ちた広いプール空間を擁してやがるのが特長だ。
この液体自体が情報を蓄積、処理するコンピューターになっている。
情報処理性能は宇宙屈指で、帝国工作員達が宇宙各地で収集する多種多様な情報を集積、最適な作戦計画を立ててきやがった。
アマルテア情報艦隊自体の武装は、通常艦隊より弱ェが、おめえら猟兵に対して、強化再現した『帝国騎士』を派兵して迎撃してくる。
こいつはおめえらの知ってる『帝国騎士』よりかなり強化されていて手強いが、本体の『リキッドコンピューター』ッつー電子機器という弱点を抱えてっから、そこらへんうまいことすると、案外すんなり倒せるかもしんねえな」
一気に説明した誉人は、グリモアを出現させた。
「今から、その問題の戦艦に送り込むが……着いた瞬間から激戦になるのは必至だ――よろしく頼んだぜ」
藤野キワミ
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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藤野です。
ご自慢のユーベルコードで派手に戦闘をします。
作戦も大事です、力ごり押しで行くとそこそこ苦労するかもしれません。
それでは、みなさまのプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『帝国騎士』
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POW : インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD : ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リリスフィア・スターライト
確かに力押しで行くだけでは厳しい相手のようだね。
事前に戦艦の情報を調べてリキッドコンピューターのある
空間を特定して破壊、少なくとも処理能力を阻害を狙うつもりかな。
帝国騎士は他の猟兵達と協力して防御重視で抑えつつ
エレクトロレギンオンを呼び出して艦内のあちこちに
散会させてリキッドコンピューターの液体を発見するよ。
液体でもコンピュータであるなら感電とかにも
弱そうだしレギオン自身を放電させるなどで攻撃し
処理能力を狂わせるようにしたいかな。
「情報戦で負けてばかりもいられないからね」
「レギオン達は存分に暴れてくるといいよ」
筒石・トオル
【WIZ】
どう見ても強い敵。
ならば先手必勝。攻撃される前に【先制攻撃】【早業】UCで動きを封じにかかろう。
実際に先手を取れるかは分からないので、敵に攻撃されたら【視力】【見切り】【第六感】で回避し、近付き過ぎない様距離を取って熱線銃で応戦する。
攻撃にUCを使わないと火力に欠けるので、出来れば僕が動きを抑えてる間に攻撃してくれる味方が居ると有難い。
居れば【援護射撃】で攻撃し易いように務めるよ。
※アドリブOK。他者との絡みもOKです。
紫洲川・珠璃
「コンピューターとやらはよくわからないけれど、要するに力の供給源的なものがあってそれを何とかすればいいのね?」
転送直後から妖剣解放を使用して、全力で攻撃。
他の人が「リキッドコンピューター」なるものを探すなり壊すなり無力化する時間を稼ぐわ。
同じタイプのUCだと、技量的に私一人で勝てる相手ではないので、守りを固めつつこちらを無視できないように要所要所で攻撃を仕掛けて気を引くわ
赤黒い電撃はこちらの斬衝撃波で迎撃を試みる
戦闘は虚鐵一振りで行い、
一撃の重さより、手数を重視し、機動力を中心とした戦い方をします
アドリブ、他者連携希望です
中村・裕美
「…ここは……電脳魔術の…見せ所ね」
リキッドコンピューターにユーベルコードで【ハッキング】を仕掛ける。
その際に敵の行動パターンなどの一部を書き換えて誤作動を起こさせる(例えば「解放軍の旗を帝国軍の旗と認識させ、インペリアルフラッグの強化を阻害」「戦闘の際にリキッドコンピュータの位置を計算に入れないで戦うようにする」など)
あとは、書き換えたプログラムに従わせて、自滅に追い込むように動き回って【だまし討ち】
プログラムが修復される度にハッキングして破壊工作を行う
「……どちらが音を上げるか…勝負よ」
基本的にはボソボソと喋る子です。
氷條・雪那
帝国騎士……武士として
数々の非道を許すわけにはいきません
亡き兄の口調や振る舞いを真似て
戦いへ意識を切り替え
「我が名は氷條・雪那。いざ、尋常に勝負!」
他の者達と連携し、波状攻撃を仕掛ける
氷の【属性攻撃】を付与した【2回攻撃】での手数で攻め
隙を見て【剣刃一閃】で一気にダメージを与える
敵の動きや攻撃をよく見極め
出来るだけダメージを受けないよう
【見切り】や【残像】で回避
物理攻撃は刀で【なぎ払い】を行う
そういえば、機械は極端な温度に弱いと聞いた
ならばと、リキッドコンピューターに対し
氷の【属性攻撃】で凍結させ、性能を低下させてしまおう
【氷結耐性】で私の動きが鈍る事はあるまい
●
リキッドコンピューターが揺蕩うプール空間――トプン……と水面が、さざめき揺れる。
粘性の強い、赤黒いそれは、チラチラと僅かに電子の光を帯びて、ずるりと人の形を成し始める。
これこそが、ドクター・オロチの造り出した兵器にして電子頭脳。
「侵入者ヲ確認――ガーディアンヲ構築――完了マデ、2、1、完成――排斥開始」
アマルテア情報艦隊のうちの一隻。
そこに送り込まれた猟兵たちは、瞠目する。
白兵戦になるとは聞いていたが、まさか到着した瞬間から、対峙することになろうとは――しかし、先手必勝!
大きなドアを守るように立ち塞がる『帝国騎士』へと疾駆したのは、筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)だ。先制攻撃を仕掛ける!
しかし、迎撃システムが発動して待ち構えていた帝国騎士の、赤黒いセイバーの一振りによって弾き返された――その瞬間、氷條・雪那(凍刃・f04292)が疾風の如く突っ込んでくる。
「我が名は氷條・雪那。いざ、尋常に勝負!」
凛呼たる名乗りを上げて、青瞳を氷のように尖らせ、《雪夜》に霜がつく。
武士として、数々の非道と繰り返す帝国騎士を許すことはできないし、このままのさばらせておくこともできない。
生来染みついた武士道が、雪那にはある。磨き上げられた剣技に氷の力が宿る。肉薄した帝国騎士を一刀両断すべく薙ぎ払われた剣閃は、しかし、インペリアルブレイドによって阻まれた。
轟然と振るわれ念動力によって操られる斬撃は《雪夜》を押し返し、衰えることなく飛来――躱そうと身を翻そうとしたときには、雪那の白い頬を裂き、一瞬後には強烈な爆風に抗うことも出来ず吹き飛ばされてしまった。念動力の鎖で繋がれてしまう。
「――目標ヲ捕捉」
苦痛に顔を歪めるも、雪那は繋がれた鎖を強く握りしめ、裂けた頬に薄く笑みを刻む。
「私を捕らえたつもりか」
「今のうちにたたみかけよう――光よ、我が願いを叶えたまえ」
雪那と、帝国騎士は今繋がっている。念動力という騎士の采配が左右するものであっても、この瞬間だけはアレも行動が制限されているはずだ。
「聖なる力、邪なる者を封じる力をここに」
トオルの眼鏡が明滅して、不可思議な力でもって騎士を催眠状態にすることに成功した。それは、雪那が持ちこたえずとも、行動を制限するように命じることが出来る。
ヒプノシスリストラクションの完成だ。
「僕だけなら勝てなかったかもしれない。けど、味方がいる今、僕たちの勝利しか見えないよ」
出力最大にした熱光線を発射し、帝国騎士の左肩を撃ち貫いた。
液体とはいえコンピューターだ。精密機械は弱点が多い――これを派遣するということは、それ相応の覚悟ができているということなのだろう。
「レギオンたち、存分に暴れてくるといいよ」
バチバチと雷花を咲かせるエレクトロレギオンの群れが大挙して、艦内へと散開していく――むろん帝国騎士の背後にあるドアに向かっても突撃していく。
「異分子ヲ検知、警告、ケイコク、排除決定、排除シマス」
電子音のようなプログラミングされた音声を発する帝国騎士は、トオルの呪縛を振り切って、手にした剣を一閃させ、レギオンを屠る――しかし、ドアから遠ざかっていく者を追うことはせず、ゆらりとドアの前に陣取った。
リリスフィア・スターライト(多重人格者のマジックナイト・f02074)は、ふむ、と口元に手をやった。
「そこにあるってわけね、本体」
「私にはコンピューターとやらはよくわからないけれど、要するに力の供給源的なものが、あのドアの向こうにあって、それを何とか壊せば良いのね?」
妖剣を解放して己の命と引き換えに、強さを手に入れた紫洲川・珠璃(夜を追う者・f00262)は、疾駆する。
「そのために、この騎士を倒す、と! なるほど、思ったよりシンプル!」
烈声とともに放たれたのは、衝撃波。四肢を切り刻むような力を内包したそれは、帝国騎士へと問答無用で叩き込まれる!
しかし、もとより強化されているソレは、珠璃の攻撃をものともせず、赤黒い電撃を解き放つ!
もう一撃、衝撃波を打ち出した珠璃だったが、雷撃は奔り珠璃を打ち抜いた。
「つッ――!」
寸でのところで躱せたが、やはり守りを固め、手数を増やすヒットアンドアウェイが有効になるやもしれない。
「……確かに、力押しでいくだけでは厳しい相手のようだね……」
リリスフィアは、召喚したエレクトロレギオンを集結させて、放電しながらの突撃を指示――それを手助けするように、トオルのブラスターが火を噴く!
たたみかけるように雪那が凍気を纏って疾る。氷結に耐性のある雪那にはなんてことのない冷気だが、コンピューターには堪えられるか。《雪夜》を渾身の力で一閃!
そのすべてを、帝国騎士は構築した大旗を振り回すことで受け流してみせる。
それでも機械へのダメージは免れられまい。どろりと液状化した瞬間があった。だが、すぐさま騎士の腹を成す。
弱点をさらしながらも、それを上回る力を擁した帝国騎士は、薙ぐように振るった大旗を珠璃に向かって投擲!
猛然と迫りくる大旗を寸でのところで躱してみせた珠璃だったが、深々と旗が床へと突き刺さる――それは、しかし解放軍の旗だ。
「……ふふ、成功ね」
中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は《電脳魔術デバイス》をひと撫でして、薄く笑った。
「貴方の新しい世界……どんな気分?」
ぼそりと呟くように、電脳空間から、常識――猟兵たちを排除しろと言う基礎システムを書き換えてしまうほどに強力なプログラムを放ち、プロテクトとハックを繰り返すのち、いよいよ齟齬を起こした結果が、インペリアルフラッグの誤作動。
「……電脳魔術の、見せ所ね……貴方と私……どちらが先に、音を上げるか……勝負よ」
裕美の言下、更なるミームインベイジョンが施される。帝国騎士の行動プログラムが裕美によってどんどんと書き換えられていく――その中にあってでも、旗は練り上げ構築されて、苦し紛れでも投擲してくる。
ずどんっ!
フロアを震撼させるほどの衝撃――直撃すれば相当なダメージは予想される。
直撃すれば、の話だ。
「僕が抑えるよ」
ごくベーシックな眼鏡に見えるが、それは恐るべき機能を搭載したトオルの眼鏡だ――混乱を引き起こすような光が明滅し始めれば、帝国騎士は、センサーを麻痺させられたように行動を止めた。
その瞬間を見逃さない。リリスフィアの召喚した無数のレギオンが、精密機械たる帝国騎士へ雷撃をくらわせ、情報経路を物理的に阻害していく。
「情報戦で負けてばかりもいられないからね、ここで負けるわけにはいかないのよ」
巧みに小型マシンを操って、雷花を閃かせた。
「はあッ!」
珠璃は、《虚鐵》から立ち昇る怨念を一身に受け宿して、命を削りながらも強烈な衝撃波を叩き込む!
仰け反った瞬間に、トオルの熱線が、雪那の斬撃が怒涛の勢いで騎士を襲った。
「今よ!」
リリスフィアがエレクトロレギオンを解き放つ!
目標は帝国騎士の奥――頑強に守っていた堅牢なドア――大勢で数の暴力に打って出たレギオンたちを帝国騎士は、剣を振り下ろして阻害しようとするが、
「……ハッキング完了よ……」
送り込んだ裕美のプログラムは、迅速に帝国騎士の行動プログラムを上書きして、ドアを守る――その先の本体を守るという行動を止めさせた。
「貴方の相手は……私たち、猟兵よ……」
その言葉に帝国騎士は、目標をレギオンから、猟兵へと移した。
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帝国騎士の一撃はとてつもなく重く強力だったが、トオルのヒプノシスリストラクションが、裕美のミームインベイジョンが、騎士の動きを押しとどめて封じる――これが大きかった。
この捕縛が雪那の剣撃を、珠璃の斬撃を通り易くして、リリスフィアはその隙にレギオンたちをドアに向かわせて、あっさりとソレを突破することに成功した。
「侵入者ヲ確認、排除、排斥、削除ヲ開始、警告、警告、警告」
ビーッ!
ビーッ!
けたたましく鳴り響く、耳を劈くエマージェンシーコール。
猛々しく雄々しく、轟然と咆哮を上げた帝国騎士は、それがプログラミングされたものなのか、度重なるハッキングと氷結、ショートを繰り返した末のエラーなのか――誰にも判然としなかったが、生物然とした咆哮にぞっとなった。
鮮血の如きオーラを発露させて、リキッドコンピューターの本体があるプールへと接近した、レギオンの軍勢へ赤黒い雷電を奔らせる!
「――っ!!」
好機。
それぞれが、持てるすべての力でもって帝国騎士へと最後の一撃をくらわせる。
猟兵たちに背を向けた瞬間、そのシステムは破壊された。
凍る刃、磨き抜かれた影刃、灼熱の光線が帝国騎士の体を刺し穿ち撃ち貫いていたのだ。
防御システムを失ったリキッドコンピューターの、制御のほとんどが失われ修復不能状態へと陥った。
プールへ飛び込み、ありったけのエネルギーを放出させ放電を食らわせたエレクトロレギオン、そして、裕美は《電脳魔術デバイス》が圧縮した高圧電流を流し込む!
「コア損傷、被害甚大、修復システム起動、2、1……起動失敗、再起動開始、2、1……失敗、自爆システム作動、完了マデ、7、6、……」
引き際は恐ろしく潔かった――鳴り続ける警告音の奥から、唐突に死出のカウントダウンが始まったころ、五人の猟兵はグリモアベースへと強制送還された。
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猟兵たちが、グリモアベースの地を踏んだころ。
アマルテア情報艦隊の一隻は、轟音と爆風と、爆音と爆炎を上げて、木端に弾け、宇宙の塵芥となり果てた。
大成功
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