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銀河帝国攻略戦⑲~抗体はユーベルコード

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「仕事だよ、アンタ達」
 グリモアベースに転移したパラス・アテナ(サトラレ・f10709)は、集まった猟兵達を見渡して告げた。
 ジャミング装置の破壊によりドクター・オロチの所在が判明したが、その前には護衛艦隊が立ち塞がっていた。

「アンタ達には、ドクター・オロチ配下のオロチウイルスを満載した突撃艇群のワープを阻止して撃破してもらうよ。こいつを残しておいたら、解放軍の艦隊が危ないからね」
 オロチウイルス突撃艇群は、戦闘機程度の大きさの多数の突撃艇からなる敵集団だ。
 直接的な戦闘力には乏しい、ドクター・オロチが開発した殺人ウイルス『オロチウイルス』を満載している。
 解放軍船へ一斉ワープさせた突撃艇を自爆させ、ウイルスで解放軍を抹殺しようというのがドクター・オロチの作戦だと判明。
 各所に散ったオロチウイルス突撃艇群全てを発見、撃破するのは不可能。
 それにワープしてくる敵を予測して、その全てを撃破する事も現状では不可能だ。

「だが、希望はある。エンペラーズマインド・コアのコアマシンルームに踏み込んだ猟兵達が『オロチウイルス』のサンプルを持ち帰ることに成功したんだよ」
 現在、ワープドライブの使い手であるミディア・スターゲイザーは、ヘロドトスの戦いで発見された『古代遺跡船』に、スペースシップワールドの科学技術の粋を結集し、抗体作成の研究を進めている。
 だが、『古代遺跡船』と『スペースシップワールドの科学の粋』の総力をあげても、通常の方法で、オロチウイルスの抗体を短期間に完成させる事は『奇跡でも無い限り』不可能な事だ。
 そこまで説明したパラスは、にやりと口角を上げた。

「奇跡がないなら、作ればいいのさ。そう、アンタ達の持つユーベルコード。これこそが奇跡さ。アンタ達はそれぞれのユーベルコードを駆使して、オロチウイルスの抗体作成を進めてもらうよ」
 抗体が完成すれば、敵がワープしてオロチウイルスをバラまいても、被害0という結果となり、攻略が成功となる。
 ミディア・スターゲイザー及び、他のシナリオの参加者が多数いる中で、オロチウイルスの抗体を開発する事になる。
 古代遺跡船の研究施設は、スペースシップワールドの多くの船から持ち込まれた多種多様な機材が運ばれており、広大な研究エリアが発生している。
 パラスが導いた猟兵達以外は連携が取れないと思っていい。
 だがミディアは、作業する猟兵の間を走り回っているため、必要があれば手伝ってもらうことが可能だ。
「ユーベルコードは戦闘に使うだけじゃない。こういう使い方もできるってことを示してやりな」
 パラスは頷く猟兵達を見渡すと、グリモアを起動した。


三ノ木咲紀
 オープニングを読んでくださいまして、ありがとうございます。
 マスターの三ノ木咲紀です。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 今回は、冒険フラグメントでユーベルコードを存分に使って、オロチウイルスの抗体作成をお願いします。
 抗体作成のためにユーベルコードを有効に使うプレイングがあれば、ボーナスが付きます。
 通常のウイルスの抗体作成ってどんなだろう? というところにユーベルコードを使うようにすると、考えやすいかも知れません。
 自由にプレイングをおかけください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ち致しております。
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第1章 冒険 『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』

POW   :    オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます

SPD   :    圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します

WIZ   :    集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

峰谷・恵
「吸血ゾンビはしぶとさは確かだからね、その力を引き出せば多分なんとかなるよ」

【POW】で挑戦。
オロチウイルスと未完成抗体を摂取して血統覚醒使用、引き出したヴァンパイアの力を体の耐久強化にまわしてオロチウイルスに耐え、体内で抗体を作れないか試す(毒耐性など使えそうな技能は全部使う)。
耐えている間苦痛などで暴れたりしないよう先にしっかり拘束しておいてもらう

「暴れて吸血とか生命力吸収とかやったら大事だからね…念の為ということで」



 古代遺跡船に降り立った峰谷・恵(神葬騎・f03180)は、研究者から未完成抗体を受け取ると体内へ摂取した。
 抗体が十分に体へ回るのを確認した恵は、自ら進んで身体を拘束する。拘束着に着替える恵に、研究者は心配そうに声を掛けた。
「恵さん、どうしてそこまで……」
「暴れて吸血とか生命力吸収とかやったら大事だからね……念の為ということで」
 研究者を安心させるように微笑む恵に、研究者は気を引き締めた。
 ここまでしてくれる猟兵が齎してくれる貴重な情報だ。少しも無駄にはしない。
「ですが、オロチウイルスは強力です。できの良い抗体ではありますが、どんな副作用があるか……」
「吸血ゾンビはしぶとさは確かだからね、その力を引き出せば多分なんとかなるよ。……さ、オロチウイルスを早く」
 恵に促された研究者は、意を決すると恵にオロチウイルスを投与した。
 同時に血統覚醒。瞳が真紅に変化した恵は、ユーベルコードにより得られる力を全て耐久力強化へと回す。
 同時に、オロチウイルスが暴れだすのを感じた。
 体内で暴風のように暴れるオロチウイルスは、恵の身体を食い破る勢いで激しく蝕む。
 だが、それに確かに対抗する力があった。
 摂取した抗体が、オロチウイルスに全力で抗っているのが分かる。抗体に全神経を注いだ恵は、毒耐性にすがりながらも必死で抗体作成を試みる。
 拘束されながらも暴れる恵を、研究者達は祈りながら見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キキ・ニイミ
これがボクの初めての依頼。
緊張するけど…頑張るよ!

まずボクがウイルスを摂取して、【オーラ防御】で症状を抑えながら、体内でウイルスを増殖させる(ボクの体は『アニマテリアル』っていう未知の物質で出来てるから、どの位人間と同じかは分からないけど)。
それからミクロサイズに極小化させた【アニプラズマショット】をボクの体内に侵入させ、ウイルスを直接攻撃させる。
この『アニプラズマ』もボクの体の一部(というかオーラみたいなもの)だから、【アニプラズマショット】にはウイルスの情報が記録されている。
その記録を【暗号作成】でコード化するよ。

世界を救うって大変だけど…
ボクなんかでも何かの力になれるんだ…


如月・遥
初めての依頼が抗体作成とは…
まあ前線に駆り出されるよりはマシかもしれないけど。

とりあえずキキ・ニイミ(f12329)と連携するよ。

私もウイルスを摂取して体内で増殖させる(このときキキの【オーラ防御】を私の体に掛けてもらい、症状を抑えてもらう)。
で、感染したことで、私もたっぷり『負の感情』が出来てるから…
【魔王の心臓】を召喚して、私の生命力をほんの少しだけ吸収させ、その情報をキキの【暗号作成】でコード化させるよ。
抗体が完成するまでは、自分を【鼓舞】して何とか耐えるね。

「キキを守る」とか大口叩いといて、結局キキに頼ってるのは何とも情けないけど……
でも、キキも嬉しそうだし、まあ今はこれでいいかな。



 古代遺跡船に降り立ったキキ・ニイミ(人間に恋した元キタキツネ・f12329)は、研究者からオロチウイルスを受け取ると試験管を握り締めた。
「これがボクの初めての依頼。緊張するけど……頑張るよ!」
「初めての依頼が抗体作成とは……」
 同じく試験管を受け取った如月・遥(『女神の涙』を追う者・f12408)は、試験管を軽く降るとため息をついた。
「まあ前線に駆り出されるよりはマシかもしれないけど」
「じゃあ、遥にオーラ防御を掛けるね」
 キキは遥にオーラ防御の技能を掛けようとするが、掛かった様子はない。
 技能は自らを磨き、武器等を使いこなして習得したもの。その技能そのものを他人と共有することはできないのだ。
 それができるのはユーベルコードのみだろう。
 オーラ防御を掛けることを諦めたキキは、自らの身体をオーラ防御しながらオロチウイルスを摂取した。
 体内で暴れるオロチウイルスを、何とか耐える。
 増殖を続けるオロチウイルスに対抗するべく、キキはミクロサイズに極小化させた【アニプラズマショット】を自らの体内に侵入させ、ウイルスを直接攻撃させた。
 我が物顔で増殖を続けるオロチウイルスを攻撃し続ける『アニプラズマ』は、キキの身体の一部でもあり、オーラのようなものだ。
 『アニプラズマ』の戦いの記録は暗号化され、次々に情報を蓄積していく。
 キキと同時にオロチウイルスを摂取した遥は、襲う苦痛に倒れ込んだ。
 体内を駆け巡る、オロチウイルスの暴虐な痛み。身体を蝕む激痛に耐えながら、生まれた負の感情に遥は顔を上げた。
「こいつは、あんまり使いたくないんだけど……」
 ユーベルコードを詠唱した遥は、召喚した【魔王の心臓】から伸びる血管に自らの負の感情を食わせた。
 負の感情と共に、オロチウイルスの生命力も食われていく。少しだけ楽になる症状に、遥は顔を上げた。
 隣ではキキが、オロチウイルスと懸命に戦っている。オロチウイルスの抗体情報を必死で集めるキキの姿に、遥は自らを鼓舞した。
「キキがあんなに頑張ってるんだ……。キキを守るって決めた私が、こんなところで負ける訳にはいかない!」
 必死でオロチウイルスに抵抗する遥は、ふいに楽になる身体に目を開けた。
 抗体情報を手に入れたキキが、遥に【アニプラズマショット】を注入している。
「遥! 大丈夫?」
「キキ……」
 遥を抱き起こしたキキは、抗体情報で強化した【アニプラズマショット】を遥の体内へと送り込む。
 遥のオロチウイルスの抗体情報も暗号化するアニプラズマの助力を得た遥は、体内からウイルスが徐々に消えていくのを感じた。
 顔色がよくなる遥を覗き込んだキキは、泣き笑いを浮かべる。
「世界を救うって大変だけど……ボクなんかでも遥の力になれたかな……?」
「もちろんよ……。ありがとう、キキ」
 頷く遥に、キキは嬉しそうにうなずいた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シキ・ジルモント
◆POW
抗体を得る為とはいえ、あえてウイルスに感染する事になるとは
…しかし他に方法は無い。これも必要な仕事、腹をくくろう

ユーベルコードが発動すれば身体能力が増大する
つまり体がウイルスに抵抗し、抗体を作る為に必要な体力も上昇するはず
後は襲ってくる症状に対して『覚悟』を決めて耐え抜くだけだ

症状が出始めたら自分の状態を観察して、ウイルスに対する『情報収集』を行う
状況や症状が変化したらその都度体調の変化を確認、必要があれば報告し抗体作成に協力する

オロチウイルスか…禄でもない事を考える奴がいるもんだ
せっかく集まった友軍をこんなもので殺させるわけにはいかない
この力で防げるものなら、このくらい耐えてみせるさ



 オロチウイルスを受け取ったシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は、オロチウイルスの入った薬品を静脈へと注射した。
「抗体を得る為とはいえ、あえてウイルスに感染する事になるとは」
 注入されるウイルスに、複雑な気持ちになる。だが、抗体の情報を少しでも多く得るためには他に方法は無い。
「これも必要な仕事、腹をくくろう」
 頷いた直後、シキの体内でオロチウイルスが激しく増殖するのを感じた。
 高熱と激痛がシキを襲う。すかさず【ビリーフカラー】を発動したシキは、体力を爆発的に増強すると暴れるオロチウイルスの侵略に耐えた。
「シキさん、大丈夫ですか?」
 隣に控えた研究者に、シキは極力客観的に自らの症状を伝えた。
「目の前が暗い。関節とリンパ節がえぐられるように痛む。内蔵を鷲掴みにされるような痛みと……」
 覚悟を決めてオロチウイルスに耐え、症状を伝えるシキに、研究者も必死で応える。
 ユーベルコードで強化されていなければ、とうの昔に意識を手放すほどの症状が身体のあちこちに出る。
 変化を繰り返すオロチウイルスに、シキは歯を食いしばりながら呟いた。
「オロチウイルスか……禄でもない事を考える奴がいるもんだ」
 シキが感じている激痛は、ユーベルコードを持たない解放軍が喰らえばひとたまりもない。
 せっかく集まった友軍を、こんなもので殺させるわけにはいかない。
「この力で防げるものなら、このくらい耐えてみせるさ」
 刻々と変わる症状を観察しながら、シキは決意を新たにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皆城・白露
つまり実験体になれ、と
…問題ない、そういうのは慣れてる。オレにはそれぐらいしかできないしな
(これでダメなら、ここがオレの「命の使いどころ」だったって事だろう
…その時は、誰かがオレを覚えていてくれれば、それでいい
まあ、諦める気はないが)

ブラッド・ガイスト使用、捕食形態(禍々しい爪状)の黒剣で躊躇なくオロチウイルスを喰らう
そのまま食い尽くせれば問題ないが、流石にそう簡単じゃないか
後はひたすら苦痛に耐えつつ、未完成の抗体を試す
意識の続く限り、自分の身体の変化等の情報を仲間に渡し、自分でも可能な限りの分析を試みる



 研究者からオロチウイルスを受け取った皆城・白露(モノクローム・f00355)は、完全防備の研究者にシニカルな笑みを浮かべた。
「つまり実験体になれ、と」
「いえ、そのような……」
 慌てて言い募る研究者に、白露は首を横に振った。
 実験体になるのは白露の意思であり、決して誰かに強要されたものではない。
 それが、かつていた実験施設での実験と古代遺跡船での研究の差だった。
 そしてそれは、何者にも代えがたい差だった。
「……問題ない、そういうのは慣れてる。オレにはそれぐらいしかできないしな」
「(これでダメなら、ここがオレの「命の使いどころ」だったって事だろう。……その時は、誰かがオレを覚えていてくれれば、それでいい)」
 自分が死んだら、誰が覚えていてくれるだろうか。少し考えた白露は、頭を一つ振った。
「(まあ、諦める気はないが)」
 オロチウイルスを摂取した白露は、間髪を入れずに【ブラッド・ガイスト】を使用した。
 体内で暴れるオロチウイルスを、禍々しい爪状の捕食形態となった黒剣で躊躇なく喰らう。
 そのまま食い尽くせれば問題ないが、流石にそう簡単ではない。
 ひたすら苦痛に耐えつつ、未完成の抗体を試していく。
「悪寒がする。脳髄を刺すような痛みと吐き気、あと……」
 意識の続く限り、自分の身体の変化等の情報を研究者に渡す。
 強靭な精神力でオロチウイルスの攻撃を耐え抜く白露は、自分でも可能な限りの分析を試みた。


 猟兵達の決死の研究により得られた成果を受け取ったミディアは、その精度に目を見開いた。
「ありがとうございます。この成果で、研究は更に前に進むでしょう。皆様、今はゆっくりお休みください」
 猟兵に深く頭を下げたミディアは、足早に研究室を去る。
 猟兵達が得た貴重なデータは統合され、全てのオロチウイルスを駆逐する抗体作成の大きな力となることだろう。
 オロチウイルスの完全なる抗体が出来上がる日も、そう遠くないに違いなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト